(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】特殊用紙の給送を向上させる調整可能なフラッファノズルを備えた上部真空波形給送機
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20221102BHJP
B65H 3/12 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B65H3/48 310B
B65H3/48 320B
B65H3/12 310A
(21)【出願番号】P 2019002365
(22)【出願日】2019-01-10
【審査請求日】2022-01-05
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ディー・スラッテリー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ケイ・ハーマン
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-140395(JP,A)
【文献】特開2009-274837(JP,A)
【文献】特開2015-174740(JP,A)
【文献】特開2013-082510(JP,A)
【文献】特開2001-151361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙スタックの上部から用紙を連続的に分離し、送るための最上部用紙分離給送機であって、
給送される用紙スタックを支持するためのスタックトレイと、
前記スタックの前記最上部用紙を、その上に負圧を加えることによって取得し、かつ、前進させるための、前記用紙スタックトレイの少なくとも前端上に延びる真空給送ヘッドと、
前記最上部用紙を次の隣接する用紙から分離するために、前記スタックトレイ内の前記用紙に空気圧を加えるための、前記スタックトレイの前部に位置決めされたエアナイフと、
前記最上部用紙を前記次の隣接する用紙から分離する際に支援するために、前記用紙スタックの両側に位置決めされた、
水平面内で移動可能で回転可能である、空気流を調整可能
なフラッファノズルと、を備え、前記空気流を調整可能
なフラッファノズルの調整は、
前記水平面内で旋回させることおよびテーパ角度を調整することによって、そこから出る空気が下流の所定の位置で
集束し、前記空気流を調整可能
なフラッファノズルから出る空気の速度を最適化し
て最上部用紙を最上に分離することができるようにする、最上部用紙分離給送機。
【請求項2】
前記空気流を調整可能
なフラッファノズルの空気流速が調整可能である、請求項
1に記載の最上部用紙分離給送機。
【請求項3】
前記空気流を調整可能
なフラッファノズルが、摺動機構に接続されている、請求項
1に記載の最上部用紙分離給送機。
【請求項4】
前記摺動機構が、ロッド部材に備え付けられている、請求項
3に記載の最上部用紙分離給送機。
【請求項5】
前記空気流を調整可能
なノズルが、空気プレナムに接続されている、請求項
4に記載の最上部用紙分離給送機。
【請求項6】
上部真空波形給送装置であって、
用紙スタック支持トレイと、
前記トレイに用紙が置かれたときに、用紙スタックの前部上方に位置決めされた真空チャンバを含む給送ヘッドアセンブリであって、前記真空チャンバには、給送周期中に常に負圧が加えられており、前記真空チャンバが
、前記真空チャンバによって取得された前記用紙を、前記スタック支持トレイから前方方向に搬送するために、前記真空チャンバに関連付けられた穿孔ベルトと、を有する、給送ヘッドアセンブリと、
一番上の用紙を前記スタックの残りの部分から分離するために、前記用紙スタックに正圧を加えるための、前記用紙スタックの前記前部に直接隣接して位置決めされたエアナイフと、
前記用紙スタックの両側に位置決めされ、かつ、前記スタックの前記一番上の用紙を前記スタックの残りの部分から分離する際に、前記エアナイフを支援するように構成されてい
るフラッファノズルであって、前記フラッファノズルからの空気が前記用紙の上面
からの用紙分離を可能にするために、複数の角度のうちの1つに水平面内で旋回可能である
、フラッファノズルと、を備える、前
記フラッファノズルのそれぞれは
、前記用紙を前記用紙スタック支持上にあるスタックから分離するため前
記フラッファノズルから流れる空気の
集束点および速度を決定するために前
記フラッファノズルのテーパ角度を調整する機構
と、
前記フラッファノズルの旋回を制御するための、前記フラッファノズルを前記水平面内で平行移動させるように適合されたロッド備え付け摺動部材を含む調整部材と、
を含む上部真空波形給送装置。
【請求項7】
前
記フラッファノズルの旋回が、前
記フラッファノズルの流れ中心線の角度を前記用紙スタックの面の法線に対して変化させる、請求項
6に記載の上部真空波形給送装置。
【請求項8】
前
記フラッファノズルが、前
記フラッファノズルを必要に応じて位置決めするために、前記用紙スタックの最上部の数枚の用紙に対して水平面内で平行移動可能である、請求項
7に記載の真空波形給送装置。
【請求項9】
用紙を給送するための最上部用紙給送装置であって、
用紙スタック支持トレイと、
前記用紙スタック支持トレイに用紙が置かれたときに、用紙スタックの前部上方に位置決めされた真空プレナムチャンバを含む給送ヘッドであって、前記真空プレナムチャンバには、給送周期中に常に負圧が加えられており、前記真空プレナムチャンバが
、その底面の中央の穿孔と、前記真空プレナムチャンバによって取得された前記用紙を前記用紙スタック支持トレイから前方方向に搬送するために、前記真空プレナムチャンバに関連付けられた穿孔給送ベルトとを有する、給送ヘッドと、
一番上の用紙を前記スタックの残りの部分から分離するために、前記用紙スタックに正圧を加えるための、前記用紙スタック支持トレイ内に積み重ねられた用紙の前記前部に直接隣接して位置決めされたエアナイフと、
前記用紙スタック支持トレイ内に積み重ねられた用紙の両側に位置決めされ、かつ、前記一番上の用紙を前記スタックの残りの部分から分離する際に、前記エアナイフを支援するように適合された、
水平面内で旋回可能であり、前記用紙に隣接して移動可能であり、テーパ角度を調整可能である、少なくとも1つの空気流を調整可能
なフラッファノズルと、を備える、最上部用紙給送装置。
【請求項10】
前記用紙スタック支持トレイ内に積み重ねられた用紙の両側に位置決めされた前記少なくとも1つの空気流を調整可能
なフラッファノズルのスロート部分の断面が、前記少なくとも1つの空気流を調整可能な
ように構成可能である、請求項
9に記載の最上部用紙給送装置。
【請求項11】
前記用紙スタック支持トレイ内に積み重ねられた用紙の両側に位置決めされた前記少なくとも1つの空気流を調整可能
なフラッファノズルが、摺動機構に取り付けられている、請求項
10に記載の最上部用紙給送装置。
【請求項12】
前記摺動機構が、ロッド部材に備え付けられている、請求項
11に記載の最上部用紙給送装置。
【請求項13】
前記用紙スタック支持トレイ内に積み重ねられた用紙の両側に位置決めされた前記少なくとも1つの空気流を調整可能
なフラッファノズルが、水平面内で回転可能である、請求項
9に記載の最上部用紙給送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給送機モジュールの給送トレイからの媒体分離を最適化する装置および方法に関する。
【0002】
本明細書で使用されるように、「プリンタ」という用語は、乾式複写法、インクジェット、または他の印刷媒体印字システムを備えた複写機、プリンタ、多機能機器などを広範囲に含むものと理解される。本明細書で使用される「用紙」という用語は、一般に比較的薄く、屈曲性のある、または凹凸のない薄い紙、場合によっては凹凸のないプラスチックなどの様々な大きさおよび重量の様々な印刷媒体用紙を指す。
【0003】
背景として、現在の高速乾式複写再生機は、毎時数千部を超える速度で複写を生成するので、カット複写用紙を機械に迅速かつ信頼できる方式で給送するための用紙給送機の必要性が認識されて、再生機の潜在的な複写出力を十分に利用することが可能になる。具体的には、多くの純粋な複製動作については、複写載置台上に置かれた原稿から複数の複写が作られるカット複写用紙を非常に高速で給送することが望ましい。加えて、多くの高速複写動作については、原稿をスタックから機械の複写載置台へ素早く信頼できる方式で給送するための原稿ハンドラーも、機械の潜在的な複写出力を完全に利用することが可能になるように再構成されている。これらの用紙給送機は、用紙損傷のリスクを実質的に排除し、かつ、訂正不能なミス送または用紙の重送による機械の停止を最小限に抑えるために、完璧に動作しなければならない。最大多数の問題が発生するのは、個々の用紙を用紙スタックから最初に分離する際である。
【0004】
高速動作のために最もよく知られている用紙給送機の1つは、前部エアナイフを有する上部真空波形給送機であり、その例が米国特許第4,627,605号に示されている。このシステムでは、真空プレナム上を走行するように配設された複数の摩擦ベルトを有する真空プレナムが、供給トレイ内の用紙スタックの上部に配置される。スタックの前部では、エアナイフを使用して空気をスタックに噴射して、最上部用紙をスタックの残りの部分から分離する。動作中、空気はエアナイフによってスタックに向かって噴射されて最上部用紙を分離し、真空は分離された用紙を引き上げて捕捉する。捕捉に続いて、ベルト搬送が用紙を用紙スタックから前方に駆動する。この構成では、最上部用紙がスタックを通過するまで次の用紙の分離を行うことができない。この種の給送システムでは、全ての動作が連続してまたは順次行われるので、前の用紙の給送が完了するまで次の用紙の給送を開始することができない。加えて、エアナイフは、2枚目の用紙を、「フラッタ」と呼ばれる方式でスタックの残りの部分と無関係で振動させることができる。2枚目の用紙がこの状況にあるとき、最上部用紙に接触すると、最上部用紙と一緒に少し前方に進む傾向がある。次いで、エアナイフは、2枚目の用紙を1枚目の用紙に対して駆動して、用紙の1回または2回の給送を引き起こし得る。適当な時間に、給送周期の間に、弁が作動して流れを確立し、したがってスタック上部上に負圧場を確立する。この場は、最上部用紙を真空給送ヘッドに移動させ、次に用紙がテイクアウェイロールに搬送される。給送用紙の前縁がテイクアウェイロールの制御下に入ると、真空が遮断される。給送ヘッド領域を出るこの用紙の後縁は、次の給送のために真空弁を再び作動させるための基準である。
【0005】
ただし、給送された用紙の前縁が2枚目の用紙と離れていない場合は、ミス送または重送のいずれかが発生し、機械を停止する。高容量の給送機にとって適切な給送信頼性を得る際に、スタック内の別の用紙上の用紙を事前に分離すること(「フラッフ化」)が不可欠であることが明らかになっている。穿孔媒体、様々な厚さを有する媒体、多層媒体、重質媒体などの特殊ストック紙では、ストック紙は、用紙間に空気が流れるのを防止する特徴を有し得、および/または用紙を分離するために空気速度を増加させる必要があり得るので、これはより大きな問題になる可能性がある。この問題を解決する試みは、例えば、ひどく下方にカールした用紙などのエアナイフ分離を支援するために、固定式前部スタックフラッファノズル、ベクトル式補助フラッファノズル、および側部スタックフラッファノズルなど様々なものを含む、米国特許第4,635,921号、4,678,176号、および4,887,805号に含まれている。
【0006】
これまでに述べた特許に示された機器であっても、プリンタ装置内の特殊媒体の給送を確実に制御することができる、改良された上部真空波形給送機が依然として必要とされている。
【0007】
したがって、上述の問題に答えて、そこから出る空気の方向を、用紙スタックの最上部の数枚の用紙の前縁または後縁に向けて傾斜させることを可能にするために、調整機能が追加されて設定された内側または外側のフラッファノズルを含む、改良された上部真空上部波形給送機が本明細書に開示されている。これにより、さもなければ空気を閉じ込めたであろう特殊媒体の設計によって作成された障壁を克服し、用紙間に空気が分配されないようにすることができる。各ノズルの横断面もまた調整可能であり、より小さなまたはより広いスロートを提供し、空気速度を最適化して問題のある領域で用紙を最上に分離することができる。加えて、ノズルはまた、用紙スタックに沿って所望の位置にノズルを位置決めするために、水平面に沿って調整可能でもある。
【0008】
本装置または方法の特定の部品、またはその代替案に関しては、通常の場合のように、そのような部品のいくつかは、他の装置または用途においてそれ自体が既知であり、本明細書で引用した技術からのものを含む本明細書で追加的にまたは代替的に使用され得ることが理解されよう。例えば、本明細書に例示された特定の部品実装、部品作動、または部品駆動システムの多くは単なる例示であり、他の多くの既知のまたは容易に利用可能な代替案によって、同一の新規な動作および機能を提供できることが、それぞれの技術者等によって理解されよう。すべての引用文献、およびそれらの参考文献は、追加または代替の詳細、特徴、および/または技術的背景の教示に適切である場合、本明細書に参考として援用される。当業者に既知であることは、本明細書に記載する必要はない。
【0009】
上述のおよびさらなる特徴および利点の様々なものは、以下の実施例および請求項に記載されている特定の装置およびその動作または方法から当業者に明らかになるであろう。したがって、それらは(ほぼ縮尺通りである)図面を含むこれらの具体的な実施形態のこの説明から、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】上部真空波形給送機では給送が困難である媒体の部分上面図である。
【
図2】標準的なフラッファノズルからの空気流を示す従来技術の上部真空波形給送機の部分上面図である。
【
図3A】
図1の媒体のスタックのフラッフ化性能を示す
図2の上部真空波形給送機の拡大部分側面図である。
【
図3B】
図1の媒体のスタックのフラッフ化性能を示す
図2の上部真空波形給送機の拡大部分側面図である。
【
図4A】調整可能なフラッファノズル構成の拡大部分上面図である。
【
図4B】調整可能なフラッファノズル構成の拡大部分上面図である。
【
図5A】αがフラッフの方向角度である、
図4Aの調整可能なフラッファノズルの部分概略上面図である。
【
図5B】βがノズルからの空気速度を表す、
図4Aの調整可能なフラッファノズルの部分概略上面図である。
【0011】
以下、本開示を好ましい実施形態に関連して説明するが、本開示をその実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されよう。それどころか、添付の特許請求によって規定される本開示の精神および範囲内に含まれ得るすべての代替物、改変物、および均等物を網羅することが意図される。
【0012】
上述の特許の改良によっても、ある種の媒体では、真空波形給送機と連動しているフラッファノズルが、スタックされた用紙の前縁を分離することは非常に困難である。前縁が分離されていない場合は、給送ヘッドによって2枚の用紙を取得することができる。エアナイフはそれらを分離することができず、用紙の重送が発生する。これは、媒体が穿孔、様々な厚さ、多層、重質などの特徴を有するときに悪化する可能性がある。媒体10を給送することが困難である一例が、セクションAおよびBを含む
図1に示されている。セクションAは、バッカー用紙(下層)、接着剤付きMylar(登録商標)(中間層)、およびコーティングされた最上部用紙の3つの層からなる。最上部の層は、セクションBとして示される3つのセクションで除去される。これは、セクションBがセクションAよりも0.002インチ薄い変厚を作成するだけでなく、セクション間に効果的なヒンジも作成する。
【0013】
高い頻度で、送風機の速度を上げて特殊ストック紙でのより良好なフラッフ化性能を生み出す。このアプローチの不都合な点は、空気システムが1つの送風機から流れ出ることである。したがって、フラッファの風速が増加すると、真空およびエアナイフの風速も増加する。これは、用紙の過度な波打ち、遅角板へのスタブ、および増加した力による早すぎる摩耗のような逆効果をもたらす可能性がある。
図2は、従来の真空波形給送機20に装填された
図1の媒体10の上面図を示す。
給送ヘッド30は、前記トレイに用紙が置かれたときに、用紙スタックの前部上方に位置決めされた真空チャンバを含み、前記真空チャンバには、給送周期中に常に負圧が加えられており、前記真空チャンバが、その底面のほぼ中央に備え付けられた用紙波形部材と、前記真空チャンバによって取得された前記用紙を、前記スタック支持トレイから前方方向に搬送するために、前記真空チャンバに関連付けられた穿孔ベルトと、を有する。媒体10は、給送ヘッド30の下に矢印12の方向に給送するように媒体10が位置決めされた状態で、媒体支持面24上のトレイ22に装填される。内側および外側のフラッファノズル26および28はそれぞれ、媒体10に対して直交して位置決めされ、かつ、媒体の薄いセクション(セクションB)を介して空気を直接吹き込むように位置付けられる。送風機17は、チューブ18を通って矢印19の方向にノズル26、28に空気を供給する。
図3Aに示すように、真空波形給送機20は、媒体分離の際にエアナイフ23を支援するための遅角板21を含む。媒体10の1枚目の用紙11を給送する前に、空気システムがオンにされる。
図2の内側および外側のフラッファノズル26および28は、スタック内の最上部用紙の側部に空気を直角に連続して吹き付ける。これにより、用紙を給送ヘッドに向かって上昇させる。用紙を給送するために、給送ヘッド30内の真空がオンにされ、1枚目の用紙11が取得される。その後、エアナイフ23がONにされ、後続の用紙は給送ヘッドから吹き飛ばされる。次いで、給送ヘッドは用紙を前方に移動させ、用紙を矢印12の方向に出口へ持っていく。特殊媒体10を給送するとき、空気はセクションBから媒体の前縁および媒体アークに逃げることができず、
図3Bのこのストック紙のフラッフ化挙動によって示されているように、前縁を給送ヘッド30から押し下げる。
【0014】
本開示によれば、改良された調整可能なフラッファノズル装置100は、空気が媒体10のセクションBを通過することを強制するために所定の増分で構成可能であり、同様に、それによって、上部真空波形給送機20の停止率を大きく低下させながら、同時に媒体10の十分以上である前縁分離を提供するのに必要とされる媒体10の長さに沿った複数の位置への水平面に平行移動可能である調整可能なノズル110の角度とともに
図4Aおよび
図4Bに示されている。ノズル110の平行移動は、摺動部材102の支持ロッド108への取り付けを緩めるためにノブ104を回転させ、給送されている媒体の構成によって指示される位置に摺動部材102を移動させることによって達成される。ノブ111を用いて、ノズル110の流れ方向を調整する。すなわち、ノズル110を出る空気の方向は、ノブ111を回転させることによって、用紙の前縁または後縁のいずれかの方向にさらに傾斜させることができる。これにより、さもなければ空気を閉じ込めたであろう特殊媒体の設計によって作成された障壁を克服し、媒体の用紙間に空気が分配されないようにすることができる。ノズル110の断面はまた、各ノズル内の羽根(図示せず)に接続されたノブ機構112の回転によって調整可能である。ノブ機構112は、各ノズル内の羽根を再位置決めし、それにより、より小さなまたはより広いノズルスロートを提供する。これにより、空気速度を最適化して、問題のある領域内の媒体の用紙を最上に分離することができる。
【0015】
試験のために、
図4Bに部分的に示されているように、内側および外側のフラッファノズル110を、媒体10の前縁に向かって15°の角度に旋回させた。ノズルの角度は、空気が媒体10のセクションBを通過することを強制し、かつ、真空給送機の停止率を大きく低下させながら、必要な前縁用紙の分離をもたらした。試験目的のために15°のノズル角度を使用したが、ノズルの角度およびスローと調整は、上部真空波形給送機を用いて特定の特殊媒体を給送するための要件に依存することを理解されたい。
【0016】
図5Aおよび
図5Bでは、2つの調整性の程度が示されており、
図5Aでは、αは、媒体の前縁に向かう流れをより指し示す、より高い角度でのフラッフの方向角度であり、
図5Bでは、βは、より狭いスロートおよびより高い速度を生み出す、より低い角度での空気速度を制御する。フラッファノズル110に組み込まれたこれらの2つの調整性の程度により、それらの挙動は、より多様なストック紙を適切にフラッフするように調節することができる。
【0017】
要約すると、上部真空波形給送機内の内側および外側のフラッファの設計に3つの調整パラメータを加える装置が開示されている。1つ目の調整は、スタック面の法線に対する流れ中心線の角度である。2つ目は、流れの合流点および速度を決定するフラッファのテーパ角である。そして3つ目は、特定の特殊媒体の要件に従って、ノズルを位置決めするために、用紙スタックの最上部の数枚に対して水平面内でフラッファを平行移動させる機能である。さらに、角度を付けられた空気のフラッファは、正常な交差プロセスパターンに加えて、プロセス方向のベクトルを導入することによって、媒体スタックフラッフ化性能を拡張する。これらの3つのパラメータを適切に選択することにより、多層ラベルストック紙を含むいくつかの非標準媒体タイプの確実なフラッフ化および給送が可能になることが見いだされた。これらのパラメータの手動調整を容易にする、ある実施形態が示されているが、必要に応じて、ノズル調整パラメータを自動化で達成することも想定される。加えて、あらかじめ設定された送風機構成もまた、特定の用途に対して可能にすることができ、ノズルの調整可能な角度および流量は、時限出口の検知に基づくことができる。