(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】錠剤印刷装置及び錠剤印刷装置の放熱方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20221102BHJP
A61J 3/06 20060101ALI20221102BHJP
B41M 3/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B41J2/01 301
A61J3/06 Q
B41J2/01 109
B41J2/01 305
B41M3/00 Z
(21)【出願番号】P 2019042360
(22)【出願日】2019-03-08
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】110000866
【氏名又は名称】特許業務法人三澤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 梓
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 保次
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-130536(JP,A)
【文献】特開2013-086477(JP,A)
【文献】特開2009-113350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194034(US,A1)
【文献】特開2017-064974(JP,A)
【文献】特開2014-151560(JP,A)
【文献】特開2009-214521(JP,A)
【文献】特開2009-160895(JP,A)
【文献】特開2006-240185(JP,A)
【文献】特開2015-136859(JP,A)
【文献】特開2007-101584(JP,A)
【文献】特開2004-237691(JP,A)
【文献】特開2013-056426(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015221917(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0199448(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B41J 11/00-11/70
A61J 1/00-19/06
B41M 1/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気により錠剤を吸引保持して搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記錠剤に印刷を行うインクジェットヘッドと、
前記搬送部から排出された空気が通過する排気パイプと、
熱を発生させる熱源と、
前記熱源及び前記排気パイプに接触する熱伝導部材と、
前記搬送部、前記インクジェットヘッド、前記排気パイプ、前記熱源及び前記熱伝導部材を収容する筐体と、
を備える錠剤印刷装置。
【請求項2】
前記排気パイプ内の、前記熱伝導部材に対向する位置に設けられ、前記排気パイプに接触する放熱部材を備える請求項1に記載の錠剤印刷装置。
【請求項3】
前記熱伝導部材における前記排気パイプ側の一端部は、前記排気パイプの外周面を一周分包むような形状とされる請求項1又は請求項2に記載の錠剤印刷装置。
【請求項4】
前記熱源は、前記搬送部から空気を排出する排気ブロアである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の錠剤印刷装置。
【請求項5】
前記熱源は、前記搬送部及び前記インクジェットヘッドのどちらか一方又は両方を制御する制御部である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の錠剤印刷装置。
【請求項6】
前記排気パイプは、
その一端が前記筐体
内に収容され、その他端が前記筐体の設置される設置部屋の外
に位置するように設けられる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の錠剤印刷装置。
【請求項7】
前記筐体は、仕切壁によって第1の部屋と第2の部屋に区分され、
前記第1の部屋に、前記インクジェットヘッドが設けられ、
前記第2の部屋に、前記熱源が設けられる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の錠剤印刷装置。
【請求項8】
前記排気パイプを複数有し、各排気パイプを流れる空気は、前記第2の部屋に設けられる排気ボックスで合流されて排気される請求項7に記載の錠剤印刷装置。
【請求項9】
排気により錠剤を吸引保持して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記錠剤に印刷を行うインクジェットヘッドと、前記搬送部から排出された空気が通過する排気パイプと、熱を発生させる熱源と、前記搬送部、前記インクジェットヘッド、前記排気パイプ及び前記熱源を収容する筐体とを備える錠剤印刷装置の放熱方法であって、
前記熱源及び前記排気パイプに接触させて設けた熱伝導部材を介して、前記熱源から発生した熱を前記排気パイプに伝えることを特徴とする錠剤印刷装置の放熱方法。
【請求項10】
前記排気パイプ内の、前記熱伝導部材に対向する位置に、前記排気パイプに接触させるように設けた放熱部材を介して放熱することを特徴とする請求項9に記載の錠剤印刷装置の放熱方法。
【請求項11】
前記筐体が設置される設置部屋の外まで延びている前記排気パイプによって前記前記熱源から発生した熱を前記設置部屋の外へ排出することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の錠剤印刷装置の放熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、錠剤印刷装置及び錠剤印刷装置の放熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤に文字やマークなどの識別情報(情報の一例)を印刷するため、インクジェットヘッドを用いて印刷を行う技術が知られている。この技術を用いる錠剤印刷装置は、コンベアなどの搬送装置により錠剤を搬送し、搬送装置の上方に配置されたインクジェットヘッドの各ノズルから、インクジェットヘッド下方を通過する錠剤に向けてインクを吐出し、錠剤に識別情報を印刷する。
【0003】
錠剤印刷装置の筐体内には、駆動源となるモータなどの熱源がある。このため、筐体内の温度は上昇しやすく、インクジェットヘッドのノズル先端部分やノズル付近のインク乾燥が進行する。インク乾燥が進行した状態でノズルが使用されると、吐出不良が生じることがある。例えば、ノズルから吐出されたインクが曲がったり、インク量が不十分となったりする。これにより、印刷不良の錠剤が発生するため、生産性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、生産性を上げることができる錠剤印刷装置及び錠剤印刷装置の放熱方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る錠剤印刷装置は、
排気により錠剤を吸引保持して搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記錠剤に印刷を行うインクジェットヘッドと、
前記搬送部から排出された空気が通過する排気パイプと、
熱を発生させる熱源と、
前記熱源及び前記排気パイプに接触する熱伝導部材と、
前記搬送部、前記インクジェットヘッド、前記排気パイプ、前記熱源及び前記熱伝導部材を収容する筐体と、
を備える。
【0007】
本発明の実施形態に係る錠剤印刷装置の放熱方法は、排気により錠剤を吸引保持して搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記錠剤に印刷を行うインクジェットヘッドと、前記搬送部から排出された空気が通過する排気パイプと、熱を発生させる熱源と、前記搬送部、前記インクジェットヘッド、前記排気パイプ及び前記熱源を収容する筐体とを備える錠剤印刷装置の放熱方法であって、前記熱源及び前記排気パイプに接触させて設けた熱伝導部材を介して、前記熱源から発生した熱を前記排気パイプに伝えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、生産性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る錠剤印刷装置を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る錠剤印刷装置の一部を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る熱伝導部材の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る熱伝導部材の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る熱伝導部材の一例を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る放熱部材の一例を示す図である。
【
図7】第2の実施形態に係る放熱部材の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について
図1から
図5を参照して説明する。
【0011】
(基本構成)
図1及び
図2に示すように、実施の一形態に係る錠剤印刷装置1は、筐体5と、供給装置10と、第1の印刷装置20と、第2の印刷装置30と、排気装置40と、回収装置50と、制御装置(制御部)60とを備えている。
【0012】
なお、
図2に示すように、錠剤印刷装置1の各構成要素である供給装置10、第1の印刷装置20、第2の印刷装置30、回収装置50はこの順で配置され、錠剤Tが搬送される搬送路Pが形成されており、搬送路Pに沿って錠剤Tの供給、印刷、回収の一連の処理が行われる。搬送路Pの上流は供給装置10側であり、下流は回収装置50側である。
【0013】
図1に示すように、筐体5は、例えば、箱形状に形成されており、供給装置10、第1の印刷装置20、第2の印刷装置30、排気装置40、回収装置50、制御装置60などを収容する。この筐体5の内部は、仕切壁となる仕切板6により二つの部屋、すなわち第1の部屋5aと第2の部屋5bとに区分されている。第1の部屋5aには、供給装置10、第1の印刷装置20、第2の印刷装置30、排気装置40の一部(排気パイプ42~44の一部)、回収装置50などが設けられており、第2の部屋5bには、排気装置40の一部(排気ボックス41、排気パイプ42~45の一部、排気ブロア46)、制御装置60などが設けられている。仕切板6は、第1の部屋5aにおいて発生する錠剤Tの粉が第2の部屋5bに入り込まないようにするために設けられている。これは、第2の部屋5bに、制御装置60など、精密な機器が設置されており、これらに錠剤Tの粉が付着することを防止するためである。
【0014】
前述の筐体5の上面には、HEPAフィルタなどの複数(
図1の例では、二つ)のフィルタ7が設けられている。また、筐体5の側面には、複数(
図1の例では、四つ)のファン8が設けられている。各フィルタ7は、筐体5が設置される設置部屋(例えば、クリーンルーム)の天井から吹き降ろすダウンフローを浄化して筐体5内に導入する。また、各ファン8は、筐体5内の温度上昇や汚染などを抑えるため、筐体5内から空気を排出する。これらのファン8は制御装置60に電気的に接続されており、それらの駆動は制御装置60により制御される。
【0015】
図2に示すように、供給装置10は、ホッパ11、整列フィーダ12及び受渡フィーダ(搬送部)13を有している。この供給装置10は、印刷対象となる錠剤Tを第1の印刷装置20に供給することが可能に構成されており、第1の印刷装置20の一端側に位置付けられている。ホッパ11は、多数の錠剤Tを収容し、整列フィーダ12に錠剤Tを順次供給する。整列フィーダ12は、供給された錠剤Tを一列に整列し、受渡フィーダ13に向けて搬送する。受渡フィーダ13は、整列フィーダ12上に一列に並ぶ各錠剤Tを錠剤Tの上側から順次吸引して保持し、保持した各錠剤Tを第1の印刷装置20まで一列で搬送して第1の印刷装置20に渡す。供給装置10は制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。整列フィーダ12としては、例えば、ベルト搬送機構が用いられる。
【0016】
受渡フィーダ13は、搬送ベルト13a、駆動プーリ13b、従動プーリ13c、モータ13d及び吸引チャンバ13eを有している。搬送ベルト13aは、無端状のベルトであり、駆動プーリ13b及び従動プーリ13cに架け渡されている。駆動プーリ13b及び従動プーリ13cは装置本体に回転可能に設けられており、駆動プーリ13bはモータ13dに連結されている。モータ13dは制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。受渡フィーダ13は、モータ13dによる駆動プーリ13bの回転によって従動プーリ13cと共に搬送ベルト13aを回転させ、その搬送ベルト13a上の錠剤Tを
図2中の矢印A1の方向(搬送方向A1)に搬送する。
【0017】
搬送ベルト13aの表面には、円形状の吸引孔(図示せず)が複数形成されている。これらの吸引孔は、それぞれ錠剤Tを吸着する貫通孔であり、一本の搬送路Pを形成するように搬送方向A1に沿って一列に並べられている。各吸引孔は、吸引チャンバ13eに形成された吸引路(図示せず)を介して吸引チャンバ13e内に接続されており、その吸引チャンバ13e内から空気が排出されることにより吸引力を得ることが可能になっている。吸引チャンバ13e内の空気は排気装置40により排出される(詳しくは後述する)。
【0018】
なお、前述の吸引路は、例えば、吸引チャンバ13eの外周面(搬送ベルト13aと対向する面)に形成されたスリット状の貫通孔、あるいは、吸引チャンバ13eの外周面(搬送ベルト13aと対向する面)に溝状に形成された凹部とその凹部の底面に形成された複数の貫通孔により形成されている(以下の吸引路も同様である)。
【0019】
第1の印刷装置20は、搬送部21と、検出部22と、第1の撮像部(印刷用の撮像部)23と、インクジェットヘッド24と、第2の撮像部(検査用の撮像部)25と、乾燥部26とを備えている。
【0020】
搬送部21は、搬送ベルト21a、駆動プーリ21b、複数(
図2の例では、三つ)の従動プーリ21c、モータ21d、位置検出器21e及び吸引チャンバ21fを有している。搬送ベルト21aは、無端状のベルトであり、駆動プーリ21b及び各従動プーリ21cに架け渡されている。駆動プーリ21b及び各従動プーリ21cは装置本体に回転可能に設けられており、駆動プーリ21bはモータ21dに連結されている。モータ21dは制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。位置検出器21eは、エンコーダなどの機器であり、モータ21dに取り付けられている。この位置検出器21eは電気的に制御装置60に接続されており、検出信号を制御装置60に送信する。制御装置60は、その検出信号に基づいて搬送ベルト21aの位置や速度、移動量などの情報を得ることができる。搬送部21は、モータ21dによる駆動プーリ21bの回転によって各従動プーリ21cと共に搬送ベルト21aを回転させ、その搬送ベルト21a上の錠剤Tを
図2中の矢印A1の方向(搬送方向A1)に搬送する。
【0021】
搬送ベルト21aの表面には、円形状の吸引孔(図示せず)が複数形成されている。これらの吸引孔は、それぞれ錠剤Tを吸着する貫通孔であり、一本の搬送路Pを形成するように搬送方向A1に沿って一列に並べられている。各吸引孔は、吸引チャンバ21fに形成された吸引路(図示せず)を介して吸引チャンバ21f内に接続されており、その吸引チャンバ21f内から空気が排出されることにより吸引力を得ることが可能になっている。吸引チャンバ21f内の空気は排気装置40により排出される(詳しくは後述する)。
【0022】
検出部22は、供給装置10によって搬送ベルト21aにおける錠剤Tが供給される位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21aの上方に設けられている。この検出部22は、レーザ光の投受光によって搬送ベルト21a上の錠剤Tの位置(錠剤Tの搬送方向A1の位置)を検出し、下流に位置する各装置のトリガーセンサとして機能する。検出部22としては、反射型レーザセンサなど各種のレーザセンサが用いられる。検出部22は制御装置60に電気的に接続されており、制御装置60に検出信号を送信する。
【0023】
第1の撮像部23は、検出部22が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21aの上方に設けられている。この第1の撮像部23は、前述の錠剤Tの位置情報に基づき、錠剤Tが第1の撮像部23の直下に到達したタイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む画像(錠剤位置検出用の画像)を取得し、取得した画像を制御装置60に送信する。第1の撮像部23としては、CCDやCMOSなどの撮像素子を有する各種のカメラが用いられる。第1の撮像部23は制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられている。
【0024】
インクジェットヘッド24は、第1の撮像部23が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21aの上方に設けられている。このインクジェットヘッド24は、複数のノズル(図示せず)を有しており、それらのノズルから個別にインクを吐出する。インクジェットヘッド24は、ノズルが並ぶ整列方向が水平面内で搬送方向A1と交差するように(例えば直交するように)設けられている。インクジェットヘッド24としては、圧電素子、発熱素子または磁歪素子などの駆動素子を有する各種のインクジェットヘッドが用いられる。インクジェットヘッド24は制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。
【0025】
第2の撮像部25は、インクジェットヘッド24が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21aの上方に設けられている。この第2の撮像部25は、前述の錠剤Tの位置情報に基づき、錠剤Tが第2の撮像部25の直下に到達したタイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む画像(印刷状態検査用の画像)を取得し、取得した画像を制御装置60に送信する。第2の撮像部25としては、前述の第1の撮像部23と同様、CCDやCMOSなどの撮像素子を有する各種のカメラが用いられる。第2の撮像部25は制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられている。
【0026】
乾燥部26は、インクジェットヘッド24が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、例えば、搬送部21の下方に設けられている。この乾燥部26は、搬送ベルト21a上の各錠剤Tに塗布されたインクを乾燥させる。乾燥部26としては、空気などの気体により乾燥を行う送風機、放射熱により乾燥を行うヒータ、あるいは、気体及びヒータを併用して温風や熱風により乾燥を行う送風機など各種の乾燥部が用いられる。乾燥部26は制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。
【0027】
なお、前述の乾燥部26の上方を通過した錠剤Tは、搬送ベルト21aの移動に伴って搬送され、搬送ベルト21aにおける各従動プーリ21c側の端部付近の位置に到達する。この位置で吸引作用が錠剤Tに働かなくなり、錠剤Tは搬送ベルト21aに保持された状態から解放され、第1の印刷装置20から第2の印刷装置30に受け渡される。
【0028】
第2の印刷装置30は、前述の第1の実施形態と同様、搬送部31と、検出部32と、第1の撮像部33と、インクジェットヘッド34と、第2の撮像部35と、乾燥部36とを備えている。搬送部31は、搬送ベルト31a、駆動プーリ31b、複数(
図2の例では、三つ)の従動プーリ31c、モータ31d、位置検出器31e及び吸引チャンバ31fを有している。なお、これらの、第2の印刷装置30を構成する各要素は、前述の第1の印刷装置20に対応する構成要素と基本的に同じ構造であるため、その説明を省略する。第2の印刷装置30の搬送方向は
図2中の矢印A2の方向(搬送方向A2)である。
【0029】
排気装置40は、
図1に示すように、排気ボックス41と、複数(
図1の例では、四本)の排気パイプ42~45と、排気ブロア46とを有している。
【0030】
排気ボックス41は、筐体5の第2の部屋5b内に設けられている。この排気ボックス41は、排気により各吸引チャンバ13e、21f、31fから個別に排出された空気を合流させるチャンバとして機能する。
【0031】
排気パイプ42は、受渡フィーダ13の吸引チャンバ13eと排気ボックス41とを接続する。この排気パイプ42の一端が吸引チャンバ13eの側面(
図2の搬送方向A1と平行な面)の略中央に接続されており、その他端が排気ボックス41に接続されている。排気パイプ42は、第1の部屋5aから仕切板6を貫通して第2の部屋5bに延びるように設けられている。
【0032】
排気パイプ43は、搬送部21の吸引チャンバ21fと排気ボックス41とを接続する。この排気パイプ43の一端が吸引チャンバ21fの側面(
図2の搬送方向A1と平行な面)の略中央に接続されており、その他端が排気ボックス41に接続されている。排気パイプ43は、前述の排気パイプ42と同様、第1の部屋5aから仕切板6を貫通して第2の部屋5bに延びるように設けられている。
【0033】
排気パイプ44は、搬送部31の吸引チャンバ31fと排気ボックス41とを接続する。この排気パイプ44の一端が吸引チャンバ31fの側面(
図2の搬送方向A1と平行な面)の略中央に接続されており、その他端が排気ボックス41に接続されている。排気パイプ44は、前述の各排気パイプ42、43と同様、第1の部屋5aから仕切板6を貫通して第2の部屋5bに延びるように設けられている。
【0034】
排気パイプ45は、第2の部屋5b内に設けられており、排気パイプ45の一端が排気ボックス41に接続されている。この排気パイプ45は、排気ボックス41から筐体5の外さらに設置部屋(筐体5が設置された設置部屋)の外まで延びており、排気パイプ45の排気口は設置部屋の外に位置する。
【0035】
排気ブロア46は、モータ46aを内蔵しており、モータ46aの作動により排気パイプ45内の空気に圧力を与えて送り出す。この排気ブロア46は、排気パイプ45に連結されており、排気パイプ45につながる排気ボックス41、すなわち、排気ボックス41に各排気パイプ42~44を介してつながる各吸引チャンバ13e、21f、31f内の空気を設置部屋の外に排出する。これにより、各吸引チャンバ13e、21f、31f内の空気は排出され、各搬送ベルト13a、21a、31aに錠剤Tを吸引保持するための吸引力が与えられる。モータ46aは制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。排気ブロア46は、モータ46aが発熱するため、熱を発生させる熱源となる。
【0036】
前述の排気ブロア46の近傍には、熱伝導性を有し、L字型に形成された板状部材である熱伝導部材70が設けられている。この熱伝導部材70の一端面(一端部)が排気ブロア46に接続されており、その他端面(他端部)が排気パイプ45に接続されている。熱伝導部材70は、第2の部屋5b内に設けられており、排気ブロア46の側面及び排気パイプ45の上面だけに接触しており、熱源である排気ブロア46から排気パイプ45に熱を伝え、その熱を、排気パイプ45を流れる空気にのせて(渡して)排出する。この熱伝導部材70としては、例えば、導熱板やヒートパイプが用いられる。なお、熱伝導部材70は、アルミ、鉄など金属製のものなど、熱伝導率が高いものであることが好ましい。
【0037】
ここで、熱伝導部材70としては、
図3及び
図4に示すように、L字型に形成された板状部材以外にも、
図5に示すように、排気パイプ45の外周面を一周分包むように形成された部材を用いることが可能である。
図5に示す熱伝導部材70における排気パイプ45との接触面積は、
図3又は
図4に示す熱伝導部材70における排気パイプ45との接触面積よりも大きい。排気パイプ45に対する熱伝導部材70の接触面積を大きくすることで、熱伝導効率を向上させることができる。なお、
図3及び
図4では、熱伝導部材70の一端面(図中の下面)は、排気パイプ45の外周面の形状に合うように形成されており、一端面の全面が排気パイプ45の外周面に接触している。また、
図3に示す熱伝導部材70の表面積は、
図4に示す熱伝導部材70の表面積よりも小さい。熱伝導部材70の表面積を小さくすることで、空気に対する熱伝導部材70の接触面積を抑えることが可能になり、熱伝導部材70から第2の部屋5b内の空気への放熱量を抑制することができる。
【0038】
図2に戻り、回収装置50は、不良品回収部51と、良品回収部52とを備えている。この回収装置50は、不良品回収部51により不良品(例えば、印刷不良や欠け)の錠剤Tを回収し、良品回収部52により良品の錠剤Tを回収する。
【0039】
不良品回収部51は、噴射ノズル51aと、収容部51bとを有している。噴射ノズル51aは、吸引チャンバ31f内に設けられており、搬送ベルト31aにより搬送される不良品の錠剤Tに向けて気体(例えば、空気)を噴射し、搬送ベルト31aから不良品の錠剤Tを落下させる。このとき、噴射ノズル51aから噴射された気体は、搬送ベルト31aの吸引孔(図示せず)を通過して不良品の錠剤Tに当たる。噴射ノズル51aは制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。収容部51bは、搬送ベルト31aから落下した不良品の錠剤Tを受け取って収容する。
【0040】
良品回収部52は、気体吹出部52aと、収容部52bとを有している。気体吹出部52aは、搬送部31内であってその搬送部31の端部、すなわち搬送ベルト31aにおける各従動プーリ31c側の端部に設けられている。気体吹出部52aは、例えば、印刷処理中、常に搬送ベルト31aに向けて気体(例えば、空気)を吹き出し、搬送ベルト31aから良品の錠剤Tを落下させる。このとき、気体吹出部52aから吹き出された気体は、搬送ベルト31aの吸引孔(図示せず)を通過して良品の錠剤Tに当たる。気体吹出部52aとしては、例えば、搬送方向A2に水平面内で交差する方向(例えば直交する方向)に延びるスリット状の開口を有するエアブローが用いられる。気体吹出部52aは制御装置60に電気的に接続されており、その駆動が制御装置60により制御される。収容部52bは、搬送ベルト31aから落下した良品の錠剤Tを受け取って収容する。
【0041】
制御装置60は、画像処理部61と、印刷処理部62と、検査処理部63と、記憶部64とを内蔵している。画像処理部61は画像を処理する。印刷処理部62は印刷に係る処理を行う。検査処理部63は検査に係る処理を行う。記憶部64は処理情報や各種プログラムなどの各種情報を記憶する。各処理部61~63としては、例えばCPUが用いられ、記憶部64としては、例えばRAMやROMが用いられる。このような制御装置60は、供給装置10や第1の印刷装置20、第2の印刷装置30、排気装置40、回収装置50を制御し、また、第1の印刷装置20や第2の印刷装置30の個々の検出部22、32から送信される錠剤Tの位置情報、第1の印刷装置20や第2の印刷装置30の個々の撮像部23、25、33、35から送信される画像などを受信する。制御装置60は、各処理部61~63が発熱するため、熱を発生させる熱源となる。
【0042】
この制御装置60の近傍には、
図1に示すように、熱伝導性を有し、I字型に形成された板状部材である熱伝導部材71が設けられている。この熱伝導部材71の一端面(一端部)が制御装置60に接続されており、その他端面(他端部)が排気パイプ45に接続されている。熱伝導部材71は、第2の部屋5b内に設けられており、制御装置60の上面及び排気パイプ45の下面だけに接触しており、熱源である制御装置60から排気パイプ45に熱を伝え、
その熱を、排気パイプ45を流れる空気にのせて(渡して)排出する。この熱伝導部材71としては、前述の熱伝導部材70と同様、例えば、導熱板やヒートパイプが用いられる。なお、熱伝導部材71は、アルミ、鉄など金属製のものなど、熱伝導率が高いものであることが好ましい。また、熱伝導部材71としては、I字型に形成された板状部材以外にも、熱伝導部材70と同様、
図3から
図5に示すような部材を用いることが可能である。
【0043】
このような構成の錠剤印刷装置1において、供給装置10から第1の印刷装置20に錠剤Tが順次供給される。供給された錠剤Tは、第1の印刷装置20の搬送部21により搬送され、検出部22、第1の撮像部23、インクジェットヘッド24及び第2の撮像部25の下方を通過し、乾燥部26の上方を通過する。この間に、錠剤Tの検出、撮像、印刷、撮像、乾燥の一連の処理が行われる。処理後の錠剤Tは、第1の印刷装置20の搬送部21から第2の印刷装置30の搬送部31に渡され、搬送部31により搬送され、検出部32、第1の撮像部33、インクジェットヘッド34及び第2の撮像部35の下方を通過し、乾燥部36の上方を通過する。この間に、錠剤Tの検出、撮像、印刷、撮像、乾燥の一連の処理が行われる。処理後の錠剤Tは、回収装置50により回収される。このようにして、錠剤Tの両面に印刷が行われる。なお、前述の二回の印刷のうちどちらか一方の印刷が行われず、錠剤Tの片面だけに印刷が行われる場合もある。
【0044】
この印刷工程において、受渡フィーダ13や各搬送部21、31は、排気(内部の空気を外に除き去ること)により錠剤Tを吸引保持して搬送する。排気ブロア46は、受渡フィーダ13や各搬送部21、31の個々の吸引チャンバ13e、21f、31f内の空気を排出することで、錠剤Tを吸引保持するための吸引力を受渡フィーダ13や各搬送部21、31に付与する。つまり、排気ブロア46の作動によって各吸引チャンバ13e、21f、31fの内部は減圧され、各搬送ベルト13a、21a、31aの個々の吸引孔には、吸引力が作用することになる。
【0045】
印刷工程中、排気ブロア46は常時作動しており、制御装置60も各部の制御を実行している。受渡フィーダ13や各搬送部21、31の個々の吸引チャンバ13e、21f、31f内の空気は、排気ブロア46の作動により排出され、各排気パイプ42~44を通って排気ボックス41で合流し、排気パイプ45を通って設置部屋の外へ流れている。排気ブロア46で発生した熱は、熱伝導部材70を介して排気パイプ45に伝わる。排気パイプ45に伝わった熱は、排気パイプ45を流れる空気に伝わり、設置部屋の外に排出される。また、制御装置60で発生した熱は、熱伝導部材71を介して排気パイプ45に伝わる。排気パイプ45に伝わった熱は、排気パイプ45を流れる空気に伝わり、設置部屋の外に排出される。このように、筐体5内で生じた熱が筐体5の外に排出されるので、筐体5内の温度上昇が抑えられる。これにより、インクジェットヘッド24のノズル先端部分やノズル付近のインクが温度上昇によって乾燥することを抑止することが可能となり、インクジェットヘッド24の吐出不良を抑えることができる。したがって、印刷不良の錠剤Tの発生を抑制し、生産性を上げることができる。
【0046】
なお、筐体5内は、仕切板6により第1の部屋5a及び第2の部屋5bに仕切られているが、空気の流通があるため、どちらの部屋もほぼ同じ温度となる。また、熱は温度の高い方から低い方へ向かって流れるので、第2の部屋5bの温度上昇を抑えることで、間接的に第1の部屋5aの温度上昇も抑制することができる。筐体5内の温度としては、例えば、インクジェットヘッド24の周囲温度は30℃以下であり、制御装置60の周囲環境は40℃以下であり、筐体5内の平均温度が23~25℃程度であることが望まれている。各熱伝導部材70、71が存在しない場合には、筐体5内の平均温度は26℃以上となり、前述の温度環境を実現することができないが、各熱伝導部材70、71を設けることで、筐体5内の平均温度を1~3℃程度下げることが可能であり、前述の温度環境を実現することができる。
【0047】
ここで、排気ブロア46を筐体5の外の設置部屋に設けることで、筐体5内の温度上昇を抑えることも可能であるが、排気ブロア46を筐体5の外の設置部屋に設けると、錠剤印刷装置1の全体が大きくなり、また、排気ブロア46により設置部屋の室温が上がる。また、排気ブロア46を設置部屋に設けるためには、防振用及び防音用の部材が必要となり、装置コストが上がる。一方で、筐体5は、最初から防振や防音が施されたものであり、この筐体5内に排気ブロア46が設けられるので、装置の小型化やコスト削減を実現することができる。
【0048】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、熱源(例えば、排気ブロア46、制御装置60)及び排気パイプ45に熱伝導部材(例えば、熱伝導部材70、熱伝導部材71)を接触させて筐体5内に設けることで、熱源で発生した熱は熱伝導部材を介して排気パイプ45に伝わり、その排気パイプ45に伝わった熱は、排気パイプ45を流れる空気に伝わり、設置部屋の外に排出される。これにより、筐体5内の温度上昇が抑えられ、インクジェットヘッド24のノズル先端部分やノズル付近のインク乾燥が進行することを抑止することが可能になるので、インクジェットヘッド24の吐出不良を抑えて印刷不良の錠剤の発生を抑制し、生産性を上げることができる。
【0049】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について
図6及び
図7を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点(放熱部材)について説明し、その他の説明は省略する。
【0050】
図6又は
図7に示すように、第2の実施形態では、放熱部材72が、排気パイプ45に接触する状態で排気パイプ45内に設けられている。この放熱部材72は、排気パイプ45の外の熱伝導部材70に対向する位置、例えば、熱伝導部材70が排気パイプ45に接触する接触面に対向する位置(接触範囲内の位置)に設けられている。放熱部材72は、熱伝導性を有しており、熱を放散するための部材である。この放熱部材72は、排気パイプ45を流れる空気の流量、すなわち排気効率が低下することを抑えるよう、例えば、
図6に示すように網状に形成され、あるいは、
図7に示すように羽根状に形成されている。放熱部材72を熱伝導部材70に対向させて配置することにより、熱伝導部材70の熱が最も放熱部材72に伝わりやすくなる。
【0051】
ここで、放熱部材72としては、網状又は羽根状に形成された部材以外にも、一枚や複数枚の板材を用いることも可能である。例えば、一枚や複数枚の板材は、その延伸方向が排気パイプ45の延伸方向に平行にされ、排気パイプ45の内周面(一例として、熱伝導部材70側の内周面)に設けられる。また、複数枚の板材は、排気パイプ45の延伸方向及び円周方向のどちらか一方又は両方に並べられる。なお、排気効率の低下を抑えるためには、板材の枚数は少ない方が好ましい。
【0052】
このような放熱部材72は、熱伝導部材70から排気パイプ45に伝わった熱を、排気パイプ45を流れる空気に渡して放散する。放熱部材72は排気パイプ45内に設けられており、排気パイプ45を流れる空気は排気パイプ45内の放熱部材72と接触する。このため、排気パイプ45に伝わった熱は、放熱部材72が存在しない場合に比べ、排気パイプ45を流れる空気に伝わりやすくなり、迅速に設置部屋の外に排出される。これにより、筐体5内の温度上昇が確実に抑えられ、インクジェットヘッド24のノズル先端部分やノズル付近のインク乾燥が進行することを抑止することが可能となり、インクジェットヘッド24の吐出不良を抑えることができる。したがって、印刷不良の錠剤の発生を抑え、確実に生産性を上げることができる。
【0053】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、排気パイプ45に放熱部材72を接触させて排気パイプ45内に設けることによって、熱伝導部材70から排気パイプ45に伝わった熱を、排気パイプ45を流れる空気に伝えることが容易となる。これにより、筐体5内の温度上昇が確実に抑えられ、インクジェットヘッド24のノズル先端部分やノズル付近のインク乾燥が進行することを抑止することが可能になるので、インクジェットヘッド24の吐出不良を抑えて印刷不良の錠剤の発生を抑制し、確実に生産性を上げることができる。
【0054】
また、熱伝導部材70に対向させて排気パイプ45内に放熱部材72を設けることによって、熱伝導部材70から排気パイプ45に伝わった熱が放熱部材72に迅速に伝わるので、放熱効率を向上させることができる。これにより、筐体5内の温度上昇を確実に抑えることが可能になり、より確実に生産性を上げることができる。
【0055】
<他の実施形態>
前述の説明においては、熱源として排気ブロア46や制御装置(制御部)60を例示したが、これに限るものではなく、他の各モータ13d、21d、31dも熱源となり、これらのモータ13d、21d、31dと排気パイプ45とを熱伝導部材により接続するようにしてもよい。また、熱源としては、モータ単体だけではなく、発熱するモータとそのモータを内蔵するカバーを有するモータ装置でもよく、この場合には、カバーと排気パイプ45とを熱伝導部材により接続するようにしてもよい。
【0056】
また、前述の説明においては、各熱伝導部材70、71により熱源と排気パイプ45を接続することを例示したが、これに限るものではなく、熱伝導部材により熱源と排気パイプ45以外の各排気パイプ42~44のいずれかを接続するようにしてもよい。
【0057】
また、前述の説明においては、排気ボックス41から設置部屋の外につながる排気パイプとして、一本の排気パイプ45を設けることを例示したが、これに限るものではなく、複数本の排気パイプを設けるようにしてもよい。また、排気パイプごとに排気ブロア46を設けることも可能であり、その数は限定されるものではないが、排気ブロア46ごとに熱伝導部材70を設けることが望ましい。
【0058】
また、前述の説明においては、排出された空気を筐体5の外であって設置部屋の外に排出することを例示したが、これに限るものではなく、筐体5の外であって設置部屋内に排出するようにしてもよい。ただし、排出された空気を筐体5の外であって設置部屋内に排出すると、設置部屋の環境が悪化する可能性(例えば、温度が上昇する可能性)があるため、設置部屋の外に排出することが望ましい。
【0059】
また、前述の説明においては、排気パイプ45内に放熱部材72を一つだけ設けることを例示したが、これに限るものではなく、複数設けるようにしてもよい。また、熱伝導部材70に対向させて排気パイプ45内に放熱部材72を設けることを例示したが、これに限るものではなく、排気パイプ45内の他の位置に設けるようにしても良い。
【0060】
また、前述の説明においては、錠剤Tを一列で搬送することを例示したが、これに限るものではなく、その列数は二列や三列又は四列以上であってもよく、搬送路Pの数や搬送ベルト21a、31aの数は限定されるものではない。
【0061】
また、前述の説明においては、インクジェットヘッド24として、ノズルが一列に並ぶインクジェットヘッドを例示したが、これに限るものではなく、例えば、ノズルが複数列に並ぶインクジェットヘッドを用いるようにしてもよい。また、水平面内において搬送方向A1と直交する方向にインクジェットヘッドを複数並べて用いるようにしてもよい。
【0062】
また、前述の説明においては、各乾燥部26、36を設けることを例示したが、その数は限定されるものではない。また、インクや錠剤Tの種類によっては、各乾燥部26、36を必要としないこともあるため、各乾燥部26、36全てが無くてもよい。
【0063】
また、前述の説明においては、第1の印刷装置20及び第2の印刷装置30を上下に重ねて配置して、錠剤Tの両面または片面を印刷することを例示したが、これに限るものではなく、例えば、第1の印刷装置20だけを設け、錠剤Tの片面だけを印刷するようにしてもよい。
【0064】
ここで、前述の錠剤としては、医薬用、飲食用、洗浄用、工業用あるいは芳香用として使用される錠剤を含めることができる。また、錠剤としては、裸錠(素錠)や糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠などがあり、硬カプセルや軟カプセルなど各種のカプセル錠も錠剤に含めることができる。さらに、錠剤の形状としては、円盤形やレンズ形、三角形、楕円形など各種の形状がある。また、印刷対象の錠剤が医薬用や飲食用である場合には、使用するインクとして可食性インクが好適である。この可食性インクとしては、合成色素インク、天然色素インク、染料インク、顔料インクのいずれを使用しても良い。
【0065】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 錠剤印刷装置
5 筐体
13 受渡フィーダ(搬送部)
13d モータ
21 搬送部
21d モータ
24 インクジェットヘッド
31 搬送部
31d モータ
34 インクジェットヘッド
45 排気パイプ
46 排気ブロア
60 制御装置(制御部)
70 熱伝導部材
71 熱伝導部材
72 放熱部材
T 錠剤