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特許7169286平面状ヒーターを有する三部品型電子ベイピング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】平面状ヒーターを有する三部品型電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20221102BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20221102BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019550859
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2018056250
(87)【国際公開番号】W WO2018167066
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】15/457,917
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ガーサフナー トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ジャナルダン スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】リポウィッツ ピーター ジェイ
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0309785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0035109(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03135135(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/156509(WO,A1)
【文献】特開2007-259864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置であって、
電源セクションであって、
電源を含む電源セクションと、
カートリッジであって、
プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、
前記プレベイパー製剤と流体連通する芯と、を含むカートリッジと、
前記電源セクションおよび前記カートリッジに接続されたヒーター組立品セクションとを含み
前記ヒーター組立品セクションが、前記芯の一部分と物理的に接触する少なくとも一枚のプレートヒーターを含み、前記少なくとも一枚のプレートヒーターが前記電源に選択的に電気的に接続可能であり、
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが第一のプレートヒーターおよび第二のプレートヒーターを含み、かつ前記第一のプレートヒーターが、前記第二のプレートヒーターに対して約25度~約65度の範囲の角度で配置されている、電子ベイピング装置。
【請求項2】
前記第一のプレートヒーターと前記第二のプレートヒーターとが直列で電気的に接続されている、請求項1に記載の電子ベイピング装置。
【請求項3】
前記第一のプレートヒーターと前記第二のプレートヒーターとが並列で電気的に接続されている、請求項1に記載の電子ベイピング装置。
【請求項4】
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが、約2.0ミリメートル~約64.0ミリメートルの範囲の長さと、約1.0ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の幅と、約0.1ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さとを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項5】
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが白金合金で形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項6】
前記白金合金が最大約10重量パーセントのロジウムを含む、請求項5に記載の電子ベイピング装置。
【請求項7】
前記白金合金が最大約30重量パーセントのイリジウムを含む、請求項5または6に記載の電子ベイピング装置。
【請求項8】
前記ヒーター組立品セクションが、前記少なくとも一枚のプレートヒーターを支持するように構成されたヒーター支持体をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項9】
前記ヒーター支持体が、くさび形状を有し、前記くさび形状が第一の表面および第二の表面によって形成されていて、前記第一の表面が第一のプレートヒーターを支持し、かつ前記第二の表面が第二のプレートヒーターを支持する、請求項8に記載の電子ベイピング装置。
【請求項10】
前記ヒーター支持体が、
これを通る空気チャネルを画定する基部支持体を含む、請求項9に記載の電子ベイピング装置。
【請求項11】
前記基部支持体が、
側壁を含み、かつ
前記ヒーター支持体が、
前記側壁の少なくとも一部分の周りに配置されたリング形状支持体を含む、請求項10に記載の電子ベイピング装置。
【請求項12】
前記プレートヒーター支持体が、
支持体リングであって、前記少なくとも一枚のプレートヒーターが前記支持体リングの少なくとも一つの側面から延在している、支持体リングを含む、請求項8に記載の電子ベイピング装置。
【請求項13】
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが、そこから延在する二本の電気リード線を含み、前記電気リード線が前記少なくとも一枚のプレートヒーターの同じ側から延在していて、前記電気リード線が前記少なくとも一枚のプレートヒーターが片持ちで支持されているように前記支持リングに取り付けられている、請求項12に記載の電子ベイピング装置。
【請求項14】
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが、そこから延在する二本の電気リード線を含み、前記電気リード線が前記少なくとも一枚のプレートヒーターの対向する側から延在していて、前記電気リード線が前記支持体リングの対向する側に取り付けられている、請求項12に記載の電子ベイピング装置。
【請求項15】
前記電子ベイピング装置が組み立てられた時に、前記芯の一部分が前記ヒーター組立品セクションの中へと延在する、請求項1~14のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項16】
前記芯が紙で形成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項17】
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが三本の電気リード線を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項18】
前記少なくとも一枚のプレートヒーターが電気リード線を含まず、かつ前記少なくとも一枚のプレートヒーターが、導電性材料を介して前記電源に電気的に接続されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレベイパー製剤を気化器に送達するように構成された電子ベイピング装置またはeベイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置は、プレベイパー製剤を蒸発させてベイパー(蒸気)を生成するヒーター要素を含む。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジに関する。
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置は電源セクションと、カートリッジと、ヒーター組立品セクションとを含む。電源セクションは電源を含む。カートリッジは、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、プレベイパー製剤と流体連通する芯とを含む。ヒーター組立品セクションは、電源セクションおよびカートリッジに接続されている。ヒーター組立品セクションは、芯の一部分と物理的に接触する少なくとも一枚のプレートヒーターを含む。少なくとも一枚のプレートヒーターは、電源に選択的に電気的に接続可能である。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品セクションは第一のプレートヒーターおよび第二のプレートヒーターを含む。第一のプレートヒーターは、第二のプレートヒーターに対して約25度~約65度の範囲の角度で配置されている。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のプレートヒーターおよび第二のプレートヒーターは、直列で電気的に接続されている。
【0007】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のプレートヒーターおよび第二のプレートヒーターは、並列で電気的に接続されている。
【0008】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは、約2.0ミリメートル~約64.0ミリメートルの範囲の長さ、約1.0ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の幅、および約0.1ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0009】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは白金合金で形成されている。白金合金は最大約10重量パーセントのロジウムを含有する。少なくとも一つの例示的な実施形態において、白金合金は最大約30重量パーセントのイリジウムを含有する。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品セクションは、少なくとも一枚のプレートヒーターを支持するように構成されたヒーター支持体をさらに備える。
【0011】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター支持体は、くさび形状を有する。くさび形状は、第一の表面および第二の表面によって形成されている。第一の表面は第一のプレートヒーターを支持し、また第二の表面は第二のプレートヒーターを支持する。
【0012】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター支持体は、これを通る空気チャネルを画定する基部支持体を含む。
【0013】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、基部支持体は側壁を含む。ヒーター支持体はリング形状であり、側壁の少なくとも一部分の周りに配置されている。
【0014】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、プレートヒーター支持体は支持リングを含む。少なくとも一枚のプレートヒーターは、支持リングの少なくとも一つの側から延在する。
【0015】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは、そこから延在する二本の電気リード線を含む。電気リード線は、少なくとも一枚のプレートヒーターの同じ側から延在する。電気リード線は、少なくとも一枚のプレートヒーターが片持ちで支持されているように、支持リングに取り付けられている。
【0016】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは、そこから延在する四本の電気リード線を含む。四本の電気リード線は、少なくとも一枚のプレートヒーターの対向する側から延在する二本の電気リード線を含む。二本の電気リード線は、支持リングの対向する側に取り付けられている。
【0017】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは、そこから延在する二本の電気リード線を含む。電気リード線は、少なくとも一枚のプレートヒーターの対向する側から延在する。電気リード線は、支持リングの対向する側に取り付けられている。
【0018】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯の一部分は、電子ベイピング装置が組み立てられた時に、ヒーター組立品セクションの中へと延在する。
【0019】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯は紙で形成されている。
【0020】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つのヒーターは三本の電気リード線を含む。
【0021】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つのヒーターは電気リード線を含まず、少なくとも一枚のプレートヒーターは、導電性材料を介して電源に電気的に接続されている。
【0022】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のプレートヒーターをクリーニングする方法に関する。
【0023】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のプレートヒーターをクリーニングする方法は、少なくとも一枚のプレートヒーターを電子装置の少なくとも一つの芯との接触から取り外すことと、少なくとも一枚のプレートヒーターを摂氏約350度の温度に加熱することとを含む。
【0024】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくともプレートヒーターは約10秒間~約60秒間加熱される。
【0025】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは約30秒間加熱される。
【0026】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置の電池組立品セクションに関する。
【0027】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置の電池組立品セクションは、第一のプレートヒーターと、第二のプレートヒーターに対して約25度~約65度の範囲の角度で配置された第二のプレートヒーターとを備える。
【0028】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、二枚のプレートヒーターは直列で電気的に接続されている。
【0029】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、二枚のプレートヒーターは並列で電気的に接続されている。
【0030】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも二枚のプレートヒーターは各々、約2.0ミリメートル~約64.0ミリメートルの範囲の長さ、約1.0ミリメートル~約5.0ミリメートルの範囲の幅、および約0.1ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0031】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも二枚のプレートヒーターは白金合金で形成されている。
【0032】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、白金合金は最大約10重量パーセントのロジウムを含有する。
【0033】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、白金合金は最大約30重量パーセントのイリジウムを含有する。
【0034】
少なくとも一つの少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品セクションは、少なくとも一枚のプレートヒーターを支持するように構成されたヒーター支持体をさらに備える。ヒーター支持体は、これを通るチャネルを画定する基部支持体を含む。基部支持体は側壁と、側壁から延在する概して円錐状の部分とを含む。ヒーター支持体はリング形状であり、概して円錐部分の一部分および側壁の少なくとも一部分の周りに配置されている。
【0035】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による三部品型電子ベイピング装置の側面図である。
図2図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による端部キャップを含むカートリッジの第二の端の斜視図である。
図3図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態による端部キャップおよびカートリッジの分解組立図である。
図4図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、線IV~IVに沿った図2のカートリッジの分解組立断面図である。
図5図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジの第一の端の斜視図である。
図6図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電源セクションと結合されたヒーター組立品セクションの斜視図であり、そのハウジングは透明である。
図7図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態による図6のヒーター組立品セクションの一部分の拡大斜視図である。
図8図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態による四部品型電子ベイピング装置の分解組立図である。
図9A図9Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用のカートリッジの分解組立図である。
図9B図9Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用のカートリッジの分解組立図である。
図10A図10Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
図10B図10Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
図10C図10Cは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
図10D図10Dは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
図11A図11Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
図11B図11Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
図12図12は、少なくとも一つの例示的な実施形態による加熱組立品を図示したものである。
図13A図13Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態による加熱組立品を図示したものである。
図13B図13Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による加熱組立品を図示したものである。
図14図14は、少なくとも一つの例示的な実施形態による加熱組立品を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
幾つかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0038】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、例示的な実施形態を、開示された特定の形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるすべての修正、均等物、代替物を網羅するものであると理解されるべきである。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0039】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接的に接続されてもよく、それに直接的に連結されてもよく、またはそれを直接的に覆ってもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0040】
第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことが理解されるべきである。これらの用語は、ある一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、以下で説明されている第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0041】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他方の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他方の要素または特徴の「上方に」向けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0042】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0043】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。
【0044】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0045】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジに関する。
【0046】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面図である。
【0047】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図1に示す通り、電子ベイピング装置5はカートリッジ10、ヒーター組立品セクション200、および電源セクション105を含んでもよい。カートリッジ10、ヒーター組立品セクション200、および電源セクション105はそれぞれ、外側ハウジング15a、15b、15cを含む。
【0048】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口300は、電源端部キャップ145に位置しているか、または電源セクション105のハウジング15cに沿って位置しているか、またはその両方に位置していてもよい。他の例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口300は、ヒーター組立品セクション200のハウジング15bに沿って、またはコネクター700に沿って位置してもよい(下記に説明する)。
【0049】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口300は、各電子ベイピング装置5の引き出し抵抗を制御するように、それらの直径が正確に制御されるように、および製造中に一つの電子ベイピング装置5から次の電子ベイピング装置に複製されるように、精密な工具加工を用いてハウジング140へと機械加工されてもよい。
【0050】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置5は、約80ミリメートル~約200ミリメートルの長さ、および約7ミリメートル~約15ミリメートルの直径であってもよい。例えば、一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置5は、約84ミリメートルの長さであってもよく、また約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0051】
図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による端部キャップを含むカートリッジの第二の端からの斜視図である。
【0052】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図2に示す通り、カートリッジ10は、長軸方向に延在するハウジング15aを含み、2016年4月11日に出願された米国特許出願番号第15/095,505号(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載された特徴を含む。
【0053】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ハウジング15aは横壁20を含む。ハウジング15aは、第一の端25および第二の端30を有する。少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジ10は、成型されうる、または3D印刷されうる、またはその両方でありうる単一部品である。
【0054】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ハウジング15aは、概して円筒状の断面を有してもよい。他の例示的な実施形態において、ハウジング15aは、概して三角形の断面、ハウジング15aの長さに沿って変化する内径、およびハウジング15aの長さに沿って変化する外径のうちの少なくとも一つを有してもよい。一部の例示的な実施形態において、図2に示す通り、ハウジング15aは第二の端30でよりも、第一の端25でより大きい直径を有してもよい。
【0055】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジ10はまた、端部キャップ55を含む。端部キャップ55は、端部キャップ横壁60および端部壁65を含む。端部キャップ横壁60は、概して円筒状であり、かつハウジング15aの第二の端30の直径と概して同じ直径を有する。
【0056】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、端部キャップ55は、その中に少なくとも一つの入口70を含む。少なくとも一つの入口70は、(図3に関して以下で説明される通り)内側管45によって画定された空気通路47と連通している。
【0057】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、端部キャップ55はまた、端部キャップの端部壁65を通って延在する第一のオリフィス165および第二のオリフィス170を含む。
【0058】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジ10はまた、芯85を含む。芯85は、第一の端90、第二の端95および中央部分100を含む。第一の端90および第二の端95はそれぞれ、端部キャップ55の第一のオリフィス165および第二のオリフィス175を通って延在する。第一の端90および第二の端95は、(図3に示す通り、および以下で説明される通り)貯蔵部50に収容されたプレベイパー製剤と接触するように構成されている。芯85の中央部分100は、少なくとも一つの入口70の上方に延在する。少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯85は、セルロース系材料、ガラス材料、ガラス繊維、および綿のうちの少なくとも一つで形成されている。
【0059】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯は、約0.6ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有するセルロースフィルターペーパーで形成されている。
【0060】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯85は、約180グラム/立方メートル~約190グラム/立方メートルの密度を有する紙芯である。紙は約0.80ミリメートル~約0.85ミリメートルの厚さである。紙は綿100パーセントであってもよく、また約5.5ミリメートルの長さおよび約3.5ミリメートルの幅を有してもよい。
【0061】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯85は、プレベイパー製剤を引き出す能力を有するフィラメント(またはスレッド)を含んでもよい。例えば、芯85は、ガラス(または、セラミック)フィラメントの束、および巻かれたガラスフィラメントの一群などを含む束などであってもよく、そのすべての配置では、フィラメント間の隙間間隔による毛細管作用を介してプレベイパー製剤を引き出すことが可能でありうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯85は、1本~8本のフィラメントストランドを含んでもよく、各ストランドは、一緒に捻られた複数のガラスフィラメントを含む。フィラメントは、概して十字形、クローバー形、Y字形、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。
【0062】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、芯85は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、ガラス、セラミック系材料、または黒鉛系材料でありうるが、これらに限定されない。芯85は密度、粘度、表面張力、および蒸気圧などの異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に合うように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有してもよい。
【0063】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯85は概してU字形状である。
【0064】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ハウジング15aおよび端部キャップ55はプラスチックで形成されている。ハウジング15aおよび端部キャップ55は、射出成形、または3D印刷されてもよい。プラスチックは、透明、着色、または色付きのプラスチックのうちの少なくとも一つであってもよい。
【0065】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、端部キャップ55はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されている。他の例示的な実施形態において、端部キャップ55は、高密度ポリプロピレンなどのステンレス鋼または成形可能なプラスチックで形成されてもよい。
【0066】
図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態による端部キャップおよびカートリッジの分解組立図である。
【0067】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジは図2と同じであるが、端部キャップ55の追加的な部分を図示するために分解組立図で示されている。図3に示す通り、端部キャップ横壁60は、第二の端30でのハウジング15aの内径よりも小さい外径を有する部分160(図2に示す)を含む。従って、端部キャップ横壁60の部分は、ハウジング15aの第二の端30の中に受容されうる。端部キャップ横壁60の部分160は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、または任意の他の適切な接続によって、ハウジング15aの第二の端30の中の適所に保持されうる。例えば、接着剤が、ハウジング15a内に端部キャップ横壁60の部分160を保持するために使用されてもよい。別の方法として、端部キャップ横壁60の部分160、およびハウジング15aの第二の端30は、端部キャップ55とハウジング15aとの間にねじ接続を提供する、ねじ付き部分を含んでもよい。
【0068】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図3に示す通り、内側管45は、ハウジング15aと一体的に形成されていて、またハウジング15aの中で同軸に位置付けられている。貯蔵部50は、内側管45の外表面とハウジング15aの内表面との間に画定される。貯蔵部50は、プレベイパー製剤を収容するようにサイズが決められていて、かつ構成されている。
【0069】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、内側管45は長軸方向に延在する。内側管45は、少なくとも一つの出口40(図5に示す)と連通する。
【0070】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、プレベイパー製剤は、ベイパーへと変形されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然風味または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0071】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジ10は交換可能であってもよい。言い換えれば、カートリッジ10のプレベイパー製剤が枯渇されると、カートリッジ10は処分されて、新しいカートリッジと交換されてもよい。別の例示的な実施形態において、カートリッジ10内の貯蔵部50は、カートリッジ10が再使用可能であるように再補充されてもよい。
【0072】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部50は随意に、貯蔵媒体(図示せず)を収容してもよい。貯蔵媒体は、その中にプレベイパー製剤を貯蔵するように構成されている。貯蔵媒体210は、コットンガーゼまたは他の繊維質材料の巻かれたものを含んでもよい。
【0073】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵媒体は綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6マイクロメートル~約15マイクロメートル(例えば、約8マイクロメートル~約12マイクロメートル、または約9マイクロメートル~約11マイクロメートル)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。
【0074】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、線IV~IVに沿った図3のカートリッジの分解組立断面図である。
【0075】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図4に示す通り、カートリッジ10は図2および図3に示すものと同一であるが、ハウジング15aは、ハウジング15aの第一の端25での横断方向の端部壁35で示されている。横断方向の端部壁35は、横壁20および内側管45と一体的に形成されている。横断方向の端部壁35は、その中に少なくとも一つの出口40を含む。少なくとも一つの出口40は、内側管45によって画定された空気通路47と連通している。
【0076】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジの他方の端の斜視図である。
【0077】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図5に示す通り、カートリッジ10は図2、3、および4と同じであるが、横断方向の端部壁35は、その中に少なくとも一つの出口40を有する概して平らな面で示されている。他の例示的な実施形態において、横断方向の端部壁35は、凸状または凹状であってもよい。
【0078】
図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電源セクションおよびヒーター組立品セクションの斜視図であり、そのハウジングは、電源セクションおよびヒーター組立品セクションの内側部分を示すために透明で図示されている。
【0079】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図6に示す通り、電源セクション105は、長軸方向に延在するハウジング15cを含む。ハウジング15cは、図示の目的のためにのみ透明で示されている。ハウジング15cは、第一のハウジング端225および第二のハウジング端230を有する。第一のハウジング端225は、ヒーター組立品セクション200と接続するように構成されている。
【0080】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源セクション105およびヒーター組立品セクション200は、コネクター700を介して接続しうる。コネクター700は、ねじ付きコネクター、スナップ嵌めコネクター、摩擦嵌めコネクター、および任意の他の適切なコネクターのうちの少なくとも一つであってもよい。コネクター700は、2016年7月31日に出願された米国特許出願番号第15/224,608号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記述の通り、少なくとも部分的に導電性材料で形成されてもよい。コネクター700はカートリッジ10と接触しないため、コネクター700と貯蔵部、またはその中に収容されるプレベイパー製剤、またはその両方との間に物理的接触はない。
【0081】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源セクション105は、電池110を含む。
【0082】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品セクション200は、その上にヒーター115を支持するように構成された支持体120を収容するハウジング15bを含む。
【0083】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は、本明細書に記述の通りプレートヒーターなどの平面状ヒーターであってもよい。支持体120は、概して円筒状、リング形状、またはその両方であってもよい。支持体120は、これを通る気流チャネル600を画定する。ヒーター115は、支持体120を横切って懸架され、リード線125a、125bによってその上に支持されている。リード線125a、125bは、支持体120を通って、またコネクター700に(またはそれを通って)延在する。コネクター700は、導電性材料で形成されてもよく、またこれを通る少なくとも一つの空気通路を含む。
【0084】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は任意の適切な電気抵抗性材料で形成されてもよい。適切な電気抵抗性材料の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、これらに限定されない。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ヒーター115は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に包埋され、封入され、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。ヒーター115は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケルクロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含みうる。例示的な実施形態において、ヒーター115はニッケルクロム合金または鉄クロム合金で形成されてもよい。別の例示的な実施形態において、ヒーター115は、白金の層などのその外側表面上に電気抵抗性の層を有するセラミックまたはアルミナの層を含んでもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は、セラミック、アルミナまたはジルコニアのうちの少なくとも一つを含んでもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は白金・アルミナまたは白金・ジルコニアで形成されていて、またヒーターは約1.6ミリメートル×約3.5ミリメートル×約0.25ミリメートルの寸法を有してもよい。
【0085】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は白金合金で形成されている。白金合金は、最大約10重量パーセントのロジウムを含有してもよい。白金合金は、最大約30重量パーセントのイリジウムを含有してもよい。こうした合金は、ヒーターの抵抗が非合金の白金ヒーターと同じ程度に増加しないように、より低い抵抗温度係数を有してもよい。これは、より大きい初期抵抗を可能にし、結果として初期電流がより低くなる。より低い電流は、より広い範囲の電池および電力回路をヒーターで使用することを可能にする。
【0086】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品セクション200は、並列または直列に電気的に接続された二つ以上のヒーター115を含む。並列に接続された時、全体的な始動抵抗は約0.86オームであってもよく、その一方で直列に接続された時、全体的な始動抵抗が増加し、ヒーターの動作のために必要な始動電流がより低くなる。
【0087】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は、約2.0ミリメートル~約64.0ミリメートルの範囲の長さ、約1.0ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の幅、および約0.1ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0088】
少なくとも二本の電気リード線125a、125bは、ヒーター115から延在して、ヒーター115を電池110に電気的に接続しうる。電気リード線125a、125bは、ニッケルまたはステンレス鋼で形成されてもよい。ヒーター115は、摂氏25度で約2.6オームの電気抵抗を有してもよく、また摂氏350度で約5.6オームの電気抵抗を有してもよい。リード線125a、125bは、約10ミリメートルの長さであってもよく、また最高で摂氏約400度の温度を支持することができる。
【0089】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター115は、ヒーター115が芯85と接触する一点にて、芯85の幅および長さのうちの少なくとも一つより短い幅および長さのうちの少なくとも一つを有する。従って、ヒーター115が芯85と接触する時、ヒーター115の表面は芯85と完全に接触し、また芯85の一部分はヒーター115の境界を越えて延在する。ヒーター115は、芯85の中のプレベイパー製剤を熱伝導によって加熱しうる。別の方法として、ヒーター115からの熱は熱伝導性要素によってプレベイパー製剤に伝導されてもよく、またはヒーター115は、ベイピング中に電子ベイピング装置5を通して引き出される入ってくる周囲空気に熱を伝達してもよく、これはその結果、プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0090】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電池110は、リチウムイオン電池、またはそのバリエーションのうちの一つ(例えば、リチウムイオンポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電池110は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。
【0091】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電池110は再充電可能であってもよく、また電池110が外部充電装置によって充電可能になることを可能にするように構成された回路を含んでもよい。
【0092】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源セクション105はまた、制御回路135およびセンサー130も含んでもよい。
【0093】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、センサー130は、電子ベイピング装置5の中の気流の大きさおよび方向を示す出力を生成するように構成されている。制御回路135はセンサー130の出力を受信し、(1)気流の方向が出口40での引き出し(吹き込みに対する)を示すかどうか、および(2)引き出しの大きさが閾値を超えるかどうかを判定する。これらのベイピング条件が満たされる場合、制御回路135は電源110を発熱体115に電気的に接続し、従って発熱体1155を起動する。つまり、制御回路135は、第一のリード線および第二のリード線125a、125bを電気的に接続し(例えば、制御回路135の一部を形成するヒーター電力制御トランジスタを起動することによって)、これによって発熱体115は電源110に電気的に接続されるようになる。代替的な実施形態において、センサー130は圧力降下を示してもよく、制御回路135はそれに応答して発熱体115を起動する。
【0094】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源セクション105は、電源セクション105の端部キャップ145内に、または電源セクション105の端部キャップ145に隣接して、またはその両方の位置で灯48を含んでもよい。制御回路135は、ヒーター115が起動された時に灯48の点灯を開始するように構成されてもよい。灯48は、一つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。LEDは一つ以上の色(例えば、白色、黄色、赤色、緑色、青色など)を含んでもよい。さらに、ヒーター起動灯48は、成人ベイパー吸引者に見えるように配置されてもよい。加えて、灯48は、eベイピングシステムの診断に利用、または再充電の進行を示すために利用されてもよい。灯48はまた、成人ベイパー吸引者がプライバシーのためにヒーター起動灯48を点灯する、消灯する、または点灯および消灯できるように構成されてもよい。
【0095】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路135は時間リミッターを含んでもよい。別の例示的な実施形態において、制御回路135は、成人ベイパー吸引者が加熱を開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体115への電流供給の時間は、気化させたいプレベイパー製剤の所望の量に応じて設定もしくは予め設定されてもよい。
【0096】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口300は、電源端部キャップ145に隣接して位置してもよい。少なくとも一つの空気吸込み口300は、ハウジング15cを通って延在してもよい。他の例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口300は、ヒーター組立品セクション200のハウジング15bの一部分を通って延在してもよい。
【0097】
次に、ベイパーを作り出すためのeベイピング装置5の操作について説明する。例えば、空気は出口40での吸い込みに応答して、少なくとも一つの空気吸込み口300を通って、主にカートリッジ10の中へと引き出される。空気は、空気吸込み口300を通って、電池を包囲する空間の中へと入り、コネクター内の空気通路を通って、ヒーター組立品セクション200内の支持体120を通って、カートリッジ10内の空気通路47の中へと入り、カートリッジ10の出口40を通る。制御回路135が上述のベイピング条件を検出した場合、制御回路135は発熱体115が芯85の中のプレベイパー製剤を加熱するように、発熱体115への電源供給を開始する。
【0098】
発熱体115は起動された時、約10秒未満の間、芯85の一部分を加熱してもよい。
【0099】
図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるヒーター組立品の拡大斜視図である。
【0100】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図7に示す通り、図6に関して説明されている通り、リード線125a、125bは、支持部120を通って延在する空気チャネル600を横切ってヒーター115が懸架されるように、支持体120によって支持されている。リード線125a、125bは、支持体120の穴を通って延在してもよい。リード線125a、125bは、ヒーター115のいかなる部分も支持体120に接触しないように配置されてもよい。他の例示的な実施形態において、ヒーター115の部分は支持体120に直接接触する。
【0101】
支持体120は、Corning,Inc.から入手可能な機械加工可能なガラスセラミックであるMACOR材料で形成されてもよい。
【0102】
図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態による四部品型電子ベイピング装置の分解組立図である。
【0103】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図8に示す通り、カートリッジ10およびヒーター組立品セクション200は、電子ベイピング装置5が上述の電源セクションの代わりにアダプター800および市販の電池セクション805を含むことを除き、図1図7のものと同じである。アダプター800は、ハウジング15d、第一のコネクター700a、および第二のコネクター700bを含んでもよい。第一のコネクター700aがアダプターをヒーター組立品セクション200に接続する一方で、第二のコネクター700bはヒーター組立品セクション200を電池セクション805に接続する。バッターセクションは、Innokin(登録商標)Technologyから入手可能なiTaste VV V3.0電池セクションなど、既製品のどの電池セクションであってもよい。こうした電池セクションは、押しボタン式アクチュエータを押すまで、ヒーター115に電力を供給しうる。
【0104】
カートリッジ、ヒーター組立品セクション、およびアダプターの使用は、充電間の電池寿命を延ばすために、より大きい電池を含む電池セクションを使用することを可能にする場合がある。
【0105】
図9Aおよび図9Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用のカートリッジの分解組立図である。
【0106】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図9Aおよび図9Bに示す通り、内側管45がハウジング15aの代わりに端部キャップ55と一体的に形成されることと、カートリッジがガスケット900および口側端インサート905(複数の出口910を含む)を含むこととを除き、カートリッジ10は図1図5のものと同じである。ガスケット900、口側端インサート905、および出口910は、Tuckerらに対して2016年3月15日に交付された米国特許第9,282,772号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものと同一であってもよい。
【0107】
図10A図10B図10C、および図10Dは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
【0108】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター組立品セクション200が二枚のプレートヒーター115および支持リング123を含むことを除き、ヒーター組立品セクション200は図1図6、および図8のものと同じである。支持リング123は支持体120の少なくとも一部分を包囲する。
【0109】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、支持リング123はPEEKまたはポリエチレンテレフタラートグリコール(PETG)で形成されている。
【0110】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図10Aに示す通り、カートリッジ200は、図示の目的のためにのみ透明であるように示されているハウジング15bを含む。ヒーター支持体120は二枚のヒータープレート115を支持する。支持リング123は支持体120の少なくとも一部分を包囲する。二本のリード線125a、125bは各ヒータープレート115から延在する。リード線125a、125bは支持体120とリング123の間にある。各ヒーター115からの一本のリード線125aは、導電性ポスト715から電池へと接触し、その一方で各ヒーター115からの第二のリード線125bは、導電性コネクター本体705に接触する。
【0111】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図10Bに示す通り、絶縁シェル710は、コネクター本体705を導電性ポスト715から絶縁する。
【0112】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のプレートヒーターは、第二のプレートヒーターに対して約25度~約65度の範囲の角度で配置されている。例えば、第一のプレートヒーターは、第二のプレートヒーターに対して約45度の角度で配置されてもよい。
【0113】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、各プレートヒーターは、約2.0ミリメートル~約64.0ミリメートルの範囲の長さ、約1.0ミリメートル~約4.0ミリメートルの範囲の幅、および約0.1ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0114】
二枚のプレートヒーター115は、並列に、または直列に電気的に接続されている。上述の通り、並列に接続された時、全体的な始動抵抗は約0.86オームであってもよく、その一方で直列に接続された時、全体的な始動抵抗が増加し、ヒーターの動作のために必要な始動電流がより低くなる。
【0115】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図10Cに示す通り、支持体120は概してくさび状の形状を有する。くさび形状は、第一の表面1000および第二の表面1005によって形成されている。図10D(下記)に示す通り、第一の表面1000は第一のプレートヒーターを支持し、また第二の表面は第二のプレートヒーターを支持する。第一の表面1000は、第二のヒーターに対する第一のヒーターの望ましい角度とほぼ同じ角度で第二の表面1005に対して角度付けられてもよい。
【0116】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター支持体120は、これを通る空気チャネル1020を画定する基部1010を含む。空気チャネル1020は、第一の表面1000と第二の表面1005との間に延在する。従って、空気は、少なくとも一つの空気吸込み口300(図6に関して説明されている)を通って、また支持体120内の空気チャネル1020を通って、ヒーター115に向かって流れてもよい。
【0117】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、基部1010は横壁1020を含む。
【0118】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、基部1010を通して複数の穴1030が画定されてもよい。ヒーター115からのリード線125a、125bは、基部1010内の穴1030を通って、コネクター700に延在する。
【0119】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図10Dに示す通り、ヒーター115の角度は、カートリッジ10がヒーター組立品セクション200と結合されている時に、ヒーター115が芯85の中央部分の中へと押し込まれるような角度である。それに応じて、ヒーター115と芯85の間の接触は、ベイパーの質量の増加を提供するために強化される。
【0120】
図11Aおよび図11Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置用の加熱組立品を図示したものである。
【0121】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図11Aに示す通り、ヒーター115は、リード線125a、125bがヒーター115の同じ側にあることを除き、図7のものと同じである。従って、ヒーター115は、支持体120の開口部の上方において片持ちで支持されている。ヒーター115の一部は支持体120によって支持されるため、ヒーター115は、芯85と接触して定置された時に曲がらない。さらに、ヒーター115の温度は、支持体120内のチャネル600の上方に延在する端で最も熱い。
【0122】
ヒーター115は、二つ以上のヒーター115を含む実施形態におけるヒーター115より大きくてもよい。
【0123】
図12は、少なくとも一つの例示的な実施形態による加熱組立品を図示したものである。
【0124】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図12に示す通り、ヒーター115は、図11Aおよび図11Bのものと同じであるが、第三の電気リード線125cを含む。三本のリード線125a、125b、125cは、ヒーター115の同じ側から延在するが、異なる側から延在することもできる。
【0125】
図13Aおよび図13Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による加熱組立品を図示したものである。
【0126】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図13Aおよび13Bに示す通り、少なくとも一枚のプレートヒーター115は電気リード線を含まなくてもよいが、金属板1300に貼り付けられてもよく、またはコネクターの導電性部分と接触していてもよく、またはその両方であってもよい。熱は金属板に伝達され、その後ヒーターに伝達され、その両方が加熱中に蒸気を形成しうる。この実施形態において、ヒーター115の異なる部分が、導電性ポスト715と、導電性ポスト715から電気的に分離された導電性コネクター本体705とに接触してもよく、それによって電源/電流がヒーター115に直接流れる。
【0127】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図14に示す通り、プレートヒーター115は、四本の電気リード線125a、125b、125c、125dを含む。二本の電気リード線は、プレートヒーター115の一方の側から延在してもよく、その一方で他の二本の電気リード線は、プレートヒーター115の他方の側から延在する。
【0128】
他の例示的な実施形態において、電気リード線125a、125b、125c、125dはすべて、プレートヒーター115の同一側から延在してもよく、一本のリード線はプレートヒーターの各側面から延在してもよく、または三本のリード線はプレートヒーター115の一つの側から延在し、かつ一本のリード線はプレートヒーターのもう一方の側から延在してもよい(図示せず)。
【0129】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のプレートヒーターをクリーニングする方法に関する。
【0130】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のプレートヒーターをクリーニングする方法は、少なくとも一枚のプレートヒーターを電子装置の少なくとも一つの芯との接触から取り外すことと、少なくとも一枚のプレートヒーターを摂氏約350度の温度に加熱することとを含む。ヒーターをクリーニングするために、加熱は残留物にヒーターを燃焼させる。
【0131】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくともプレートヒーターは約10秒間~約60秒間加熱される。少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一枚のプレートヒーターは約30秒間加熱される。
【0132】
カートリッジ10はヒーター組立品セクションから分離されているため、電子ベイピング装置5の貯蔵部は、より大量のプレベイパー製剤をベイピング装置5内に貯蔵してもよいように、市販の電子ベイピング装置よりも大きくてもよい。さらに、ヒーター115は再使用可能であり、また無駄および費用のうちの少なくとも一つを低減するために、カートリッジ10のみが使い捨てであってもよい。
【0133】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることが理解されるべきである。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14