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特許7169416情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221102BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20221102BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021159702
(22)【出願日】2021-09-29
【審査請求日】2021-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】守谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】岸本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】相澤 冴子
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-175609(JP,A)
【文献】特開2001-243556(JP,A)
【文献】特開2003-030486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している前記生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記生鮮品データに基づいて、前記取得部が前記生鮮品データを取得した取得時点における前記生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に前記生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の前記生鮮品の第1販売価格と、前記取得時点における前記生鮮品が前記第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に前記生鮮品を出荷することを前記需要者が希望する場合の前記生鮮品の販売価格であって前記第1販売価格よりも高い第2販売価格とを設定する設定部と、
前記設定部が設定した前記第1販売価格と前記第2販売価格とを提示する提示部と、
前記需要者から、前記生鮮品が前記第1成長度の状態に成長する前に、前記第1成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付け、前記生鮮品が前記第2成長度の状態に成長する前に、前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付ける受付部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記生鮮品の基準価格に割引きを適用した販売価格を設定する場合において、前記生鮮品の出荷が希望される出荷希望日が現在日から遠いほど前記割引きの度合いを高く設定し、前記出荷希望日が現在日から近いほど前記割引きの度合いを低く設定する価格設定部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、前記価格設定部が設定した前記販売価格とともに、現在の前記生鮮品の相場価格を前記需要者に提示する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記需要者が前記生鮮品の出荷を希望する希望出荷日に対して前記生鮮品を出荷する出荷期限までに前記生鮮品を出荷できない場合における保証内容に同意するか否かを示す情報を受け付けるとともに、前記需要者が前記保証内容に同意した場合に、前記購入要求を受け付ける、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記生鮮品データを取得した後に、育成している前記生鮮品の状態を示すための状態情報と、前記生鮮品を流通させる予定の経路を示す経路情報とのうちの少なくともいずれかを取得し、
前記提示部は、前記状態情報及び前記経路情報のうちの少なくともいずれかを前記需要者に提示する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部が前記生鮮品データを取得した場合に、過去に前記生鮮品を購入した者、前記生鮮品に関する情報を閲覧した者、前記生鮮品をお気に入りに登録した者、及び前記生鮮品の販売に関する情報の通知を希望する者のうちの少なくともいずれかの者に前記生鮮品を購入可能であることを通知する購入者通知部をさらに有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部が前記購入要求を受け付けた場合に、前記購入要求に含まれる情報を前記生産者に通知する生産者通知部をさらに有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、育成している前記生鮮品の種別をさらに含む前記生鮮品データを取得する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受付部は、前記需要者から前記生鮮品の出荷を希望する希望出荷日を受け付け、
前記提示部は、前記希望出荷日に含まれる期間に出荷することを希望する場合の前記生鮮品の販売価格を提示する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、育成している前記生鮮品の種別と、育成している前記生鮮品の数量とをさらに含む前記生鮮品データを取得し、
前記生鮮品データに基づいて、前記第1期間において出荷可能な前記生鮮品の第1数量と、前記第2期間において出荷可能な前記生鮮品の第2数量とを設定する数量設定部をさらに有し、
前記受付部は、出荷を希望する前記生鮮品の希望出荷数量を含む前記購入要求を受け付け、
前記数量設定部は、前記受付部が前記購入要求を受け付けた場合、前記希望出荷数量に基づいて、前記第1数量と前記第2数量とを変更する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記数量設定部は、前記受付部が前記第1成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付けた場合、前記希望出荷数量に基づいて、前記第1数量を変更するとともに前記第2数量を変更し、前記受付部が前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付けた場合、前記希望出荷数量に基づいて、前記第2数量を変更するとともに前記第1数量を変更する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している前記生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得するステップと、
取得した前記生鮮品データに基づいて、前記生鮮品データを取得した取得時点における前記生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に前記生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の前記生鮮品の第1販売価格と、前記取得時点における前記生鮮品が前記第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に前記生鮮品を出荷することを前記需要者が希望する場合の前記生鮮品の販売価格であって前記第1販売価格よりも高い第2販売価格とを設定するステップと、
設定した前記第1販売価格と前記第2販売価格とを提示するステップと、
前記需要者から、前記生鮮品が前記第1成長度の状態に成長する前に、前記第1成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付け、前記生鮮品が前記第2成長度の状態に成長する前に、前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付けるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している前記生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得する取得部、
取得した前記生鮮品データに基づいて、前記取得部が前記生鮮品データを取得した取得時点における前記生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に前記生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の前記生鮮品の第1販売価格と、前記取得時点における前記生鮮品が前記第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に前記生鮮品を出荷することを前記需要者が希望する場合の前記生鮮品の販売価格であって前記第1販売価格よりも高い第2販売価格とを設定する設定部、
前記設定部が設定した前記第1販売価格と前記第2販売価格とを提示する提示部、及び
前記需要者から、前記生鮮品が前記第1成長度の状態に成長する前に、前記第1成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付け、前記生鮮品が前記第2成長度の状態に成長する前に、前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付ける受付部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な水産物及び農産物等が人の手を介して育てられている。特許文献1には、カキを養殖する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-206437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、カキを含む生鮮品は、水揚げや収穫等がされた後に市場に出荷され、市場では、生鮮品の状態に応じて生鮮品が売買される。生鮮品の生産者は、実際に生鮮品を市場に出荷するまで、育成した生鮮品がどれ位の単価でどれだけ売れるかがわからず、生鮮品の育成計画が立てにくい。そのため、生鮮品の水揚げや収穫等がなされる前の育成中であっても生鮮品を販売する仕組みを構築することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、育成中の生鮮品を販売する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している前記生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得する取得部と、前記取得部が前記生鮮品データを取得した取得時点における前記生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に前記生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の前記生鮮品の第1販売価格と、前記取得時点における前記生鮮品が前記第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に前記生鮮品を出荷することを前記需要者が希望する場合の前記生鮮品の販売価格であって前記第1販売価格よりも高い第2販売価格とを提示する提示部と、前記需要者から、前記第1成長度の状態の前記生鮮品又は前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付ける受付部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置は、前記生鮮品の基準価格に割引きを適用した販売価格を設定する場合において、前記生鮮品の出荷が希望される出荷希望日が現在日から遠いほど前記割引きの度合いを高く設定し、前記出荷希望日が現在日から近いほど前記割引きの度合いを低く設定する価格設定部をさらに有してもよい。
前記提示部は、前記価格設定部が設定した前記販売価格とともに、現在の前記生鮮品の相場価格を前記需要者に提示してもよい。
【0008】
前記受付部は、前記需要者が前記生鮮品の出荷を希望する希望出荷日に対して前記生鮮品を出荷する出荷期限までに前記生鮮品を出荷できない場合における保証内容に同意するか否かを示す情報を受け付けるとともに、前記需要者が前記保証内容に同意した場合に、前記購入要求を受け付けてもよい。
【0009】
前記取得部は、前記生鮮品データを取得した後に、育成している前記生鮮品の状態を示すための状態情報と、前記生鮮品の流通させる予定の経路を示す経路情報とのうちの少なくともいずれかを取得してもよいし、前記提示部は、前記状態情報及び前記経路情報のうちの少なくともいずれかを前記需要者に提示してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記取得部が前記生鮮品データを取得した場合に、過去に前記生鮮品を購入した者、前記生鮮品に関する情報を閲覧した者、前記生鮮品をお気に入りに登録した者、及び前記生鮮品の販売に関する情報の通知を希望する者のうちの少なくともいずれかの者に前記生鮮品を購入可能であることを通知する購入者通知部をさらに有してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記受付部が前記購入要求を受け付けた場合に、前記購入要求に含まれる情報を前記生産者に通知する生産者通知部をさらに有してもよい。
前記取得部は、育成している前記生鮮品の種別をさらに含む前記生鮮品データを取得てもよい。
【0012】
前記受付部は、前記需要者から前記生鮮品の出荷を希望する希望出荷日を受け付けてもよいし、前記提示部は、前記希望出荷日に含まれる期間に出荷することを希望する場合の前記生鮮品の販売価格を提示してもよい。
【0013】
前記取得部は、育成している前記生鮮品の種別と、育成している前記生鮮品の数量とをさらに含む前記生鮮品データを取得してもよいし、前記情報処理装置は、前記生鮮品データに基づいて、前記第1期間において出荷可能な前記生鮮品の第1数量と、前記第2期間において出荷可能な前記生鮮品の第2数量とを設定する数量設定部をさらに有してもよいし、前記受付部は、出荷を希望する前記生鮮品の希望出荷数量を含む前記購入要求を受け付けしてもよいし、前記数量設定部は、前記受付部が前記購入要求を受け付けた場合、前記希望出荷数量に基づいて、前記第1数量と前記第2数量とを変更してもよい。
【0014】
前記数量設定部は、前記受付部が前記第1成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付けた場合、前記希望出荷数量に基づいて、前記第1数量を変更するとともに前記第2数量を変更し、前記受付部が前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付けた場合、前記希望出荷数量に基づいて、前記第2数量を変更するとともに前記第1数量を変更してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している前記生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得するステップと、前記生鮮品データを取得した取得時点における前記生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に前記生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の前記生鮮品の第1販売価格と、前記取得時点における前記生鮮品が前記第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に前記生鮮品を出荷することを前記需要者が希望する場合の前記生鮮品の販売価格であって前記第1販売価格よりも高い第2販売価格とを提示するステップと、前記需要者から、前記第1成長度の状態の前記生鮮品又は前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付けるステップと、有する。
【0016】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している前記生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得する取得部、前記取得部が前記生鮮品データを取得した取得時点における前記生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に前記生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の前記生鮮品の第1販売価格と、前記取得時点における前記生鮮品が前記第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に前記生鮮品を出荷することを前記需要者が希望する場合の前記生鮮品の販売価格であって前記第1販売価格よりも高い第2販売価格とを提示する提示部、及び前記需要者から、前記第1成長度の状態の前記生鮮品又は前記第2成長度の状態の前記生鮮品の購入要求を受け付ける受付部、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、育成中の生鮮品を販売する仕組みを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】情報処理システムの構成を示す図である。
図2】情報処理システムが生鮮品の販売を管理する処理の概要を説明するための図である。
図3】情報処理システムが生鮮品の販売を管理する処理の概要を説明するための図である。
図4】情報処理装置の構成を示す図である。
図5】販売管理データベースの構成の一例を示す図である。
図6】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理システムSの概要]
まず、情報処理システムSの概要について説明する。図1は、情報処理システムSの構成を示す図である。情報処理システムSは、生鮮品の販売サービスを提供するためのシステムである。生鮮品は、育成時間の経過とともに成長する品であって、生産者によって育成される品である。生鮮品は、例えば、水産物(例えばカキ及びブリ等)、農産物(例えば野菜、果物及び家畜等)等である。
【0020】
販売サービスは、生鮮品の販売を管理するサービスであり、具体的には、将来において所定の成長度の状態になる生鮮品を、所定の成長度の状態になる前に販売し、購入された生鮮品が所定の成長度の状態になったときに生鮮品を購入した者に提供するサービスである。所定の成長度は、例えば、サイズ、形状、重量、色味、熟成度、甘味及び糖度等である。情報処理システムSは、生産者端末1と、需要者端末2と、情報処理装置3とを有する。
【0021】
生産者端末1は、生産者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。需要者端末2は、需要者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。情報処理装置3は、生鮮品の販売サービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。
【0022】
以下において、情報処理システムSが生鮮品Fの販売を管理する処理について説明する。図2及び図3は、情報処理システムSが生鮮品Fの販売を管理する処理の概要を説明するための図である。本明細書において、生鮮品Fがカキであり、成長度が生鮮品Fのサイズ(例えば、スモールサイズ及びラージサイズ)である例を説明する。
【0023】
図2に示す例において、まず、生産者Pは、生鮮品Fの育成を開始すると、生産者端末1において、育成を開始した生鮮品Fの生鮮品データを入力する。生鮮品データは、例えば、生鮮品Fの種別、育成されている生鮮品Fの育成数量、生鮮品データが入力された時点における生鮮品Fの成長度を示す成長度情報等を含む。成長度情報は、例えば、生鮮品Fの大きさ、生鮮品Fの重さ、又は生鮮品Fが孵化や発芽等をしてからの経過時間等を示す情報である。
【0024】
生産者Pは、例えば、生鮮品Fの育成を開始した時期、生鮮品Fを育成する育成場所及び成長度が同じ複数の生鮮品Fを育成単位として、育成単位ごとに生鮮品データを入力する。生産者端末1は、生産者Pが入力した生鮮品データを情報処理装置3に送信する(図2の(1))。
【0025】
情報処理装置3は、生鮮品データを取得すると、当該生鮮品データに基づいて、生鮮品Fの販売内容を設定する(図2の(2))。情報処理装置3は、例えば、販売内容として、出荷可能期間、販売価格、及び出荷数量等を設定する。
【0026】
出荷可能期間は、所定の成長度の状態に成長した生鮮品Fを出荷可能な期間である。販売価格は、所定の成長度の状態に成長した場合における生鮮品Fの価格であり、例えば、成長度の度合いが高くなるほど高くなり得る価格である。出荷可能数量は、所定の成長度の状態に成長した生鮮品Fを出荷可能な数量であり、例えば、成長度の度合いが高くなるほど少なくなる数量である。なお、出荷可能数量は、育成数量と同じ数量であってもよい。
【0027】
図3において、生鮮品F1は、生鮮品データが入力された時点における成長度の状態の生鮮品F(例えば稚貝)である。生鮮品F2は、第1成長度(例えばスモールサイズ)の状態に成長した生鮮品Fである。生鮮品F3は、第2成長度(例えばラージサイズ)の状態に成長した生鮮品Fである。
【0028】
図3に示す例において、情報処理装置3は、出荷可能期間として、生鮮品F2に対応する第1期間と、生鮮品F3に対応する第2期間とを設定する。第1期間は、生鮮品Fが第1成長度の状態に成長する期間、すなわち、生鮮品Fを第1成長度の状態で出荷可能な出荷可能期間である。第2期間は、生鮮品Fが第2成長度の状態に成長する期間、すなわち、生鮮品Fを第2成長度の状態で出荷可能な出荷可能期間である。なお、情報処理装置3は、第2期間の後の第3期間をさらに設定してもよい。
【0029】
また、情報処理装置3は、生鮮品Fの販売価格として、生鮮品F2の第1販売価格と、生鮮品F3の第2販売価格とを設定する。第1販売価格は、第1期間に出荷可能な生鮮品F、すなわち、第1成長度の状態で出荷可能な生鮮品Fの販売価格である。第2販売価格は、第2期間に出荷可能な生鮮品F、すなわち、第2成長度の状態で出荷可能な生鮮品Fの販売価格である。
【0030】
また、情報処理装置3は、生鮮品Fの出荷可能数量として、生鮮品F2の出荷可能数量である第1数量と、生鮮品F3の出荷可能数量である第2数量とを設定する。第1数量は、第1期間において出荷可能な生鮮品F、すなわち、第1成長度の状態まで成長し得る生鮮品Fの数量である。第2数量は、第2期間において出荷可能な生鮮品F、すなわち、第2成長度の状態まで成長し得る生鮮品Fの数量である。
【0031】
図2に戻り、需要者Cが、需要者端末2において生鮮品Fを販売する販売サイトにアクセスする操作を行うと、情報処理装置3は、生鮮品Fの販売内容を示す販売情報を需要者Cに提示する(図2の(3))。需要者Cが、需要者端末2において、生鮮品Fを購入するための購入内容を入力すると、需要者端末2は、需要者Cが入力した購入内容を含む購入要求を情報処理装置3に送信する(図2の(4))。購入要求には、購入内容として、生鮮品Fの種別と、生鮮品Fの数量と、希望出荷日とを含む。希望出荷日は、需要者Cが生鮮品Fの出荷を希望する日付である。
【0032】
情報処理装置3は、需要者Cから購入要求を取得すると、当該購入要求に含まれる購入内容を生産者Pに通知する(図2の(5))。その後、生産者Pは、希望出荷日まで、生鮮品Fの育成や育成した生鮮品Fを出荷するための作業(例えば、生鮮品Fの水揚げ、生鮮品Fの消毒及び生鮮品Fの加工等)を実施し、生鮮品Fを購入した需要者Cに出荷する。
【0033】
このようにすることで、情報処理システムSは、生鮮品Fが所定の成長度の状態に成長した場合における生鮮品Fの販売価格をはじめとする販売内容を需要者Cに提示することができる。これにより、情報処理システムSは、将来において所定の成長度の状態に成長する生鮮品Fを、所定の成長度の状態に成長する前に販売することができる。その結果、情報処理システムSは、育成中の生鮮品Fを販売する仕組みを提供することができる。
【0034】
[情報処理装置3の構成]
図4は、情報処理装置3の構成を示す図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。制御部33は、取得部331と、設定部332と、需要者通知部333と、提示部334と、受付部335と、生産者通知部336とを有する。
【0035】
通信部31は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。
【0036】
記憶部32は、後述する設定部332が生鮮品Fの販売内容を設定するための設定情報が記憶されている。設定情報は、例えば、生鮮品Fの種別ごとに、複数の成長度(例えば、カキにおけるスモールサイズ及びラージサイズ等)と、生鮮品Fが各成長度の状態に成長するまでの成長期間と、生鮮品Fが各成長度(第1成長度及び第2成長度)の状態に成長する確率を示す成長率を含む。
【0037】
成長率は、例えば、生鮮品Fが所定の状態から第1成長度の状態に成長する確率と、生鮮品Fが所定の状態から第2成長度の状態に成長する確率とを含む。所定の状態は、例えば、生鮮品Fが孵化又は発芽等した直後の状態、又は生産者Pが生産者P向けに育成用の生鮮品Fを販売している他の業者から購入したときの生鮮品Fの状態(例えば、稚貝、稚魚又は苗等)である。成長率は、生鮮品Fが所定の状態から第1成長度の状態に成長する確率と、生鮮品Fが第1成長度の状態から第2成長度の状態に成長する確率とを含んでもよい。
【0038】
設定情報は、例えば、過去に生鮮品Fが育成されたときの統計的な情報として、情報処理装置3の管理者が予め設定した情報である。設定情報は、生産者Pが販売サービスに加入する際に設定した情報であってもよい。
【0039】
記憶部32は、生鮮品Fの販売内容を管理する販売管理データベースを記憶している。図5は、販売管理データベースの構成の一例を示す図である。図5に示す販売管理データベースは、育成識別情報と、生鮮品Fの種別と、生鮮品Fの成長度ごとの販売内容(出荷可能期間、販売価格及び出荷可能数量)を関連付けて記憶している。成長度は、例えば、サイズ、形状、重量、色味、熟成度、甘味及び糖度等である。育成識別情報は、例えば、生鮮品Fの種別、育成が開始された時期、育成されている場所及び成長度が同じ複数の生鮮品Fを含む育成グループを識別するための情報である。育成識別情報は、例えば、後述する設定部332が販売内容を設定するときに生成される。
【0040】
図4に戻り、制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部331、設定部332、需要者通知部333、提示部334、受付部335及び生産者通知部336として機能する。
【0041】
取得部331は、生産者Pから、生鮮品データを取得する。生鮮品データは、少なくとも育成している生鮮品Fの成長度を示す成長度情報を含むが、これに限らず、生産者Pが育成している生鮮品Fの種別と、生産者Pが育成している生鮮品Fの種別と、生産者Pが育成している生鮮品Fの育成数量とをさらに含んでもよい。具体的には、取得部331は、通信部31を介して、生産者Pの生産者端末1から生鮮品データを取得する。取得部331は、取得した生鮮品データである第1生鮮品データを取得した後に、最新の生鮮品データである第2生鮮品データを取得してもよい。
【0042】
設定部332は、取得部331が取得した生鮮品データに基づいて、生鮮品Fの販売内容を設定する。例えば、まず、設定部332は、取得部331が生鮮品データを取得すると、生鮮品データによって示される生産者Pが育成している複数の生鮮品Fを含む育成グループに対応する育成識別情報を生成する。そして、設定部332は、生成した育成識別情報と、生鮮品データに基づく生鮮品Fの販売内容とを関連付けて販売管理データベースに記憶させることにより、生鮮品Fの販売内容を設定する。
【0043】
設定部332は、販売内容として、生鮮品Fの出荷可能期間と、生鮮品Fの出荷可能数量と、生鮮品Fの販売価格とを設定する。具体的には、設定部332は、記憶部32に記憶されている設定情報を参照し、生鮮品Fの種別に対応する成長度ごとに、当該成長度の状態の生鮮品Fの出荷可能期間と、当該成長度の状態の生鮮品Fの出荷可能数量と、当該成長度の状態の生鮮品Fの販売価格とを設定する。
【0044】
設定部332は、生鮮品Fの出荷可能期間を設定する場合、生鮮品Fの複数の成長度それぞれの状態で出荷可能な出荷可能期間を設定する。具体的には、設定部332は、出荷可能期間として、取得部331が生鮮品データを取得した取得時点における生鮮品Fが第1成長度の状態に成長する第1期間と、取得部331が生鮮品データを取得した取得時点における生鮮品Fが第2成長度の状態に成長する第2期間とを設定する。第2成長度の状態は、第1成長度よりも成長度合いが大きい状態である。第2期間は、例えば、第1期間の直後の期間である。
【0045】
設定部332は、例えば、記憶部32に記憶されている設定情報において生鮮品データに含まれる生鮮品Fの種別に関連付けられている成長期間を参照し、取得部331が取得した生鮮品データに含まれる成長度情報に基づいて、第1期間及び第2期間を設定する。このようにすることで、情報処理装置3は、成長度ごとに当該成長度に応じた生鮮品Fを販売する期間を定めることができる。
【0046】
設定部332は、生鮮品Fの出荷可能数量を設定する場合、生鮮品Fの成長度ごとに出荷可能数量を設定する。設定部332は、例えば、記憶部32に記憶されている設定情報において生鮮品データに含まれる生鮮品Fの種別に関連付けられている成長率を参照し、第1期間に対応する生鮮品Fの第1数量と、第2期間に対応する生鮮品Fの第2数量とを設定する。
【0047】
設定部332は、例えば、生鮮品データに含まれる生鮮品Fの育成数量より第1数量を少なく設定し、第1数量より第2数量を少なく設定する。このようにすることで、情報処理装置3は、成長度ごとに当該成長度に応じて販売可能な生鮮品Fの数量を定めることができる。なお、設定部332は、第1数量及び第2数量を、育成数量と同じ数量にそれぞれ設定してもよい。
【0048】
上記において、設定部332が、生鮮品Fの育成数量を分母として、第1数量及び第2数量それぞれを設定する例を説明したが、これに限らない。例えば、生鮮品データに含まれる生鮮品Fの育成数量には、生産者Pが指定した第1成長度の状態で出荷する第1指定数量と、第2成長度の状態で出荷する第2指定数量とが含まれ、設定部332は、第1指定数量に基づいて第1数量を設定し、第2指定数量に基づいて第2数量を設定してもよい。
【0049】
設定部332は、生鮮品Fの育成場所において予想される環境条件に基づいて、出荷可能数量を設定してもよい。環境条件は、例えば、季節及び天候等である。設定部332は、例えば、生鮮品Fの育成場所の天候が良好(例えば、晴天、生鮮品Fの適正温度の範囲内の気温又は水温等)である日が多いほど出荷可能数量を多く設定し、生鮮品Fの育成場所の天候が不良(例えば、雨天、適正温度の範囲外の気温又は水温等)である日が多いほど出荷可能数量を少なく設定する。
【0050】
設定部332は、生鮮品Fの販売価格を設定する場合、生鮮品Fの成長度の状態ごとの販売価格を設定する。具体的には、設定部332は、第1期間に生鮮品Fを出荷することを需要者Cが希望する場合の生鮮品F、すなわち、第1成長度の状態の生鮮品Fの第1販売価格と、第2期間に生鮮品Fを出荷することを需要者Cが希望する場合の生鮮品F、すなわち、第2成長度の状態の生鮮品Fの第2販売価格とを設定する。第2販売価格は、第1販売価格よりも高い価格である。このようにすることで、情報処理装置3は、成長度ごとに当該成長度に応じた生鮮品Fの販売価格を定めることができる。
【0051】
設定部332は、生鮮品Fの基準価格に割引きを適用した販売価格を設定してもよい。基準価格は、例えば、設定部332が販売価格を設定する時点における生鮮品Fの相場価格、又は生産者Pが指定した指定価格である。この場合において、設定部332は、生鮮品Fの出荷が希望される出荷希望日が現在日から遠いほど割引きの度合いを高く設定し、出荷希望日が現在日から近いほど割引きの度合いを低く設定する。
【0052】
記憶部32には、例えば、設定部332が販売価格を設定する設定日から生鮮品Fの販売を終了する販売終了日までの期間において、所定の間隔(例えば、日ごと、週ごと又は月ごと等)で割引きの度合いが高くなる割引係数が記憶されている。割引係数は、例えば、需要者Cが第1成長度の状態の生鮮品Fの購入要求をした場合において、出荷希望日が希望要求をした日から1か月後の場合における割引きの度合いより、出荷希望日がある日から2か月後の場合における割引きの度合いの方が高くなる係数である。販売終了日は、設定部332によって設定されてもよいし、生産者Pによって指定されてもよい。割引係数によって割り引かれる上限値と、所定の間隔で割引きの度合いを変動させる変動率とは、生産者Pによって定められてもよいし、情報処理装置3を管理する管理者によって定められてもよい。
【0053】
この場合において、設定部332は、生鮮品Fの基準価格と記憶部32に記憶されている割引係数とに基づいて、所定の間隔ごとの販売価格を設定する。このようにすることで、情報処理装置3は、需要者Cが生鮮品Fを購入するタイミングが早いほど生鮮品Fの販売価格が安くなるため、早期に生鮮品Fが購入される蓋然性を高めることができる。
【0054】
情報処理装置3は、生鮮品Fの生産者Pから取得した生鮮品データに基づく情報を、生鮮品Fを購入し得る需要者Cに通知してもよい。生鮮品Fを購入し得る需要者Cは、過去に生鮮品Fを購入した者、生鮮品Fに関する情報(例えば、生鮮品Fを販売する販売ページ)を閲覧した者、生鮮品Fをお気に入りに登録した者、及び生鮮品Fの販売に関する情報の通知を希望する者のうちの少なくともいずれかの者である。記憶部32には、例えば、生鮮品Fを購入し得る需要者Cのリストが記憶されている。
【0055】
具体的には、需要者通知部333は、取得部331が生鮮品データを取得した場合に、生鮮品Fを購入し得る需要者Cに生鮮品Fを購入可能であることを通知する。このようにすることで、情報処理装置3は、生鮮品Fの購入が可能であることを、生鮮品Fを購入し得る需要者Cに認識させることができる。
【0056】
提示部334は、設定部332が設定した生鮮品Fの販売内容を需要者Cに提示する。具体的には、提示部334は、通信部31を介して、設定部332が設定した生鮮品Fの販売内容を示す販売情報を需要者端末2に送信する。需要者端末2は、販売情報を取得すると、取得した販売情報に基づく販売画面を表示する。
【0057】
提示部334は、販売内容として生鮮品Fの販売価格を提示する。具体的には、提示部334は、第1期間に出荷可能な生鮮品Fの第1販売価格と、第2期間に出荷可能な生鮮品Fの第2販売価格とを提示する。
【0058】
例えば、まず、需要者端末2が販売サイトにアクセスすると、提示部334は、生鮮品Fの販売画面を需要者端末2に表示させる。この場合における販売画面には、複数の生鮮品Fの種別のうちのいずれかを選択するための選択項目が表示されている。
【0059】
需要者Cが、需要者端末2において表示された販売画面の選択項目において、生鮮品Fの種別を選択する操作を行うと、需要者端末2は、選択された生鮮品Fの種別を示す情報を情報処理装置3に送信する。そして、提示部334は、需要者Cが選択した生鮮品Fの種別に対応する第1販売価格及び第2販売価格を表示した販売画面を需要者端末2に表示させる。
【0060】
提示部334は、例えば、カレンダー形式で、日ごとに、当該日に出荷可能な生鮮品Fの成長度(第1成長度及び第2成長度のうちの少なくともいずれか)を示す情報と、当該日に出荷可能な出荷可能数量(第1数量及び第2数量のうちの少なくともいずれか)と、当該日に出荷可能な生鮮品Fの販売価格(第1販売価格及び第2販売価格のうちの少なくともいずれか)とを提示する。提示部334は、販売管理データベースに記憶されている育成識別情報ごとに、第1成長度の状態の生鮮品Fに対応する第1期間、第1販売価格及び第1数量と、第2成長度の状態の生鮮品Fに対応する第2期間、第2販売価格及び第2数量とを提示してもよい。
【0061】
提示部334は、需要者Cが生鮮品Fの出荷を希望する希望出荷日に出荷可能な生鮮品Fの販売価格を提示してもよい。具体的には、まず、受付部335は、需要者Cから希望出荷日を受け付ける。そして、提示部334は、受付部335が受け付けた希望出荷日に含まれる期間に出荷することを需要者Cが希望する場合の生鮮品Fの販売価格(第1販売価格及び第2販売価格のうちの少なくともいずれか)を提示する。このようにすることで、需要者Cは、希望出荷日に出荷可能な生鮮品Fの販売内容を閲覧することができる。
【0062】
提示部334は、設定部332が設定した販売価格とともに、現在の生鮮品Fの種別の相場価格を需要者Cに提示してもよい。記憶部32には、例えば、日ごとに取得された生鮮品Fの相場価格を示す情報が記憶されており、提示部334は、記憶部32に記憶されている最新の生鮮品Fの相場価格を需要者Cに提示する。このようにすることで、情報処理装置3は、生鮮品Fの販売価格が高いか安いかを認識することができる。また、提示部334は、設定部332が設定した生鮮品Fの販売内容とともに、記憶部32に記憶されている設定情報を需要者Cに提示してもよい。
【0063】
受付部335は、第1成長度の状態の生鮮品F又は第2成長度の状態の生鮮品Fの購入要求を需要者Cから受け付ける。具体的には、まず、需要者Cが、需要者端末2において、第1成長度の状態の生鮮品F及び第2成長度の状態の生鮮品Fのうちの少なくともいずれかを購入する購入内容を入力する操作を行うと、需要者端末2は、当該入力された購入内容を含む購入要求を情報処理装置3に送信する。そして、受付部335は、通信部31を介して需要者端末2から購入要求を取得することにより、購入要求を需要者Cから受け付ける。
【0064】
受付部335は、出荷を希望する生鮮品Fの希望出荷数量と、生鮮品Fの希望出荷日とをさらに含む購入要求を受け付けてもよい。また、受付部335は、生鮮品Fの出荷先として需要者Cが指定した指定場所をさらに含む購入要求を受け付けてもよい。
【0065】
受付部335は、出荷期限(例えば、希望出荷日又は希望出荷日に基づき生産者P等が定めた日時)までに生鮮品Fを出荷できない場合における保証内容の同意の有無に応じて、購入要求を受け付けてもよい。保証内容は、例えば、返金、又は代替品(例えば、同一の種別の生鮮品F、同一又は異なる成長度の状態の生鮮品F、かつ希望出荷日に近い日に出荷可能な生鮮品F)の出荷等である。具体的には、受付部335は、需要者Cが生鮮品Fの出荷を希望する希望出荷日に対して生鮮品Fを出荷する出荷期限までに生鮮品Fを出荷できない場合における保証内容に同意するか否かを示す情報を受け付けるとともに、需要者Cが保証内容に同意した場合に、購入要求を受け付ける。
【0066】
例えば、販売画面には、保証内容を示す情報と、需要者Cが保証内容に同意するか否かを設定するためのチェックボックスと、需要者Cが生鮮品Fの購入要求をするための購入ボタンとが表示されている。この場合において、受付部335は、チェックボックスのチェックの有無を示す情報を受け付けるとともに、チェックボックスにチェックされている場合に、生鮮品Fの購入要求を受け付ける。このようにすることで、情報処理装置3は、需要者Cの購入内容どおりに生鮮品Fを出荷することができない可能性があることを、需要者Cに認識させることができる。
【0067】
情報処理装置3は、需要者Cが生鮮品Fを購入した場合に、購入された購入内容を生産者Pに通知してもよい。具体的には、生産者通知部336は、受付部335が購入要求を受け付けた場合に、購入要求に含まれる情報を生産者Pに通知する。生産者通知部336は、購入要求に含まれる情報として、生鮮品Fの種別と、生鮮品Fの希望出荷数量と、生鮮品Fの希望出荷日とを生産者Pに通知する。このようにすることで、生産者Pは、通知された情報に応じて、育成中の生鮮品Fの次に生鮮品Fを育成する計画を立てやすくなる。
【0068】
情報処理装置3は、購入要求を受け付けた場合、出荷可能数量を変更してもよい。具体的には、設定部332は、受付部335が購入要求を受け付けた場合、購入要求に含まれる希望出荷数量に基づいて、第1数量と第2数量とを変更する。具体的には、設定部332は、受付部335が第1成長度の状態の生鮮品Fの購入要求を受け付けた場合、当該購入要求に含まれる希望出荷数量に基づいて、第1数量を変更するとともに第2数量を変更し、受付部335が第2成長度の状態の生鮮品Fの購入要求を受け付けた場合、希望出荷数量に基づいて、第2数量を変更するとともに第1数量を変更する。
【0069】
設定部332は、例えば、販売管理データベースに記憶されている第1数量(第1成長度の出荷可能数量)及び第2数量(第2成長度の出荷可能数量)を、受付部335が受け付けた購入要求に含まれる希望出荷数量で減算することにより、第1数量と第2数量とを変更する。設定部332は、販売管理データベースに記憶されている第1数量を、受付部335が受け付けた購入要求に含まれる希望出荷数量で減算し、減算した後の第1数量と、記憶部32に記憶されている設定情報において生鮮品データに含まれる生鮮品Fの種別に関連付けられている成長率とに基づいて、第2数量を再度設定してもよい。
【0070】
設定部332は、第1指定数量に基づいて第1数量を設定し、第2指定数量に基づいて第2数量を設定した場合、受付部335が購入要求を受け付けたことに応じて第1数量及び第2数量のいずれか一方を、他方の数量に切り替えてもよい。例えば、受付部335が第2成長度の状態の生鮮品Fの購入要求を受け付けた場合、設定部332は、第1数量のうち、購入要求に含まれる希望出荷数量に等しい数量を、第2数量に切り替える。
【0071】
情報処理装置3は、需要者Cが生鮮品Fを購入してから当該生鮮品Fが出荷されるまでの間において、当該生鮮品Fに関する情報を需要者Cに提示してもよい。具体的には、まず、取得部331は、生鮮品データを取得した後に、生鮮品Fの状態情報と、生鮮品Fの経路情報と、実施予定又は実施済みの育成方法を示す育成情報とのうちの少なくともいずれかを生産者Pから取得する。
【0072】
状態情報は、育成している生鮮品Fの状態を示すための情報であり、例えば、生鮮品Fの成長度、又は育成されている生鮮品Fの画像等である。経路情報は、生鮮品Fの流通させる予定の経路を示す情報であり、例えば、生鮮品Fが育成されている場所から需要者Cが出荷先として指定した指定場所までの経路の予定、及び生鮮品Fを配送させる予定の配送業者等を含む。そして、提示部334は、取得部331が取得した状態情報、経路情報及び育成情報のうちの少なくともいずれかを需要者Cに提示する。提示部334は、取得部331が生産者Pから更新された生鮮品データを取得するごとに生鮮品Fに関する情報を随時更新し、更新した生鮮品Fに関する情報を需要者Cに提示する。
【0073】
状態情報が提示されることで、需要者Cは、購入した生鮮品Fがどのような状態であるかを把握することができる。また、経路情報が提示されることで、需要者Cは、購入した生鮮品Fがどのような経路で輸送されるかを把握することができる。
【0074】
提示部334は、生鮮品Fが需要者Cに出荷された後に、生鮮品Fの履歴情報を需要者Cに提示してもよい。履歴情報は、例えば、生鮮品Fの育成履歴、生鮮品Fに施された処理(例えば消毒等)の履歴、及び生鮮品Fの流通の履歴等である。
【0075】
[情報処理システムSの処理]
続いて、情報処理システムSの処理の流れについて説明する。図6は、情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、取得部331が、生産者Pから生鮮品データを取得したことを契機として開始する(S1)。
【0076】
設定部332は、第1期間に生鮮品Fを出荷することを需要者Cが希望する場合の生鮮品Fの第1販売価格と、第2期間に生鮮品Fを出荷することを需要者Cが希望する場合の生鮮品Fの第2販売価格とを設定する(S2)。
【0077】
提示部334は、設定部332が設定した生鮮品Fの第1販売価格及び第2販売価格を需要者Cに提示する(S3)。そして、受付部335は、第1成長度の状態の生鮮品F又は第2成長度の状態の生鮮品Fの購入要求を需要者Cから受け付ける(S4)。
【0078】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置3は、生産者Pから取得した生鮮品データに基づいて、生鮮品Fの第1販売価格及び第2販売価格を設定する。そして、情報処理装置3は、生鮮品Fの第1販売価格及び第2販売価格を提示した需要者Cから、第1成長度の状態の生鮮品F又は第2成長度の状態の生鮮品Fの購入要求を受け付ける。このようにすることで、情報処理装置3は、育成時間の経過に応じて変動する成長度の状態ごとの生鮮品Fの販売価格を需要者Cに提示することができる。これにより、情報処理装置3は、将来において所定の成長度の状態に成長する生鮮品Fを、所定の成長度の状態に成長する前に販売することができる。その結果、情報処理装置3は、育成中の生鮮品Fを販売する仕組みを提供することができる。
【0079】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0081】
1 生産者端末
2 需要者端末
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 取得部
332 設定部
333 需要者通知部
334 提示部
335 受付部
336 生産者通知部
C 需要者
F 生鮮品
P 生産者
S 情報処理システム
【要約】
【課題】育成中の生鮮品を販売する仕組みを提供する。
【解決手段】情報処理装置3は、育成時間の経過とともに成長する生鮮品の生産者から、育成している生鮮品の成長度を示す成長度情報を含む生鮮品データを取得する取得部331と、取得部331が生鮮品データを取得した取得時点における生鮮品が第1成長度の状態に成長する第1期間に生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の生鮮品の第1販売価格と、取得時点における生鮮品が第1成長度よりも成長度合いが大きい第2成長度の状態に成長する第2期間に生鮮品を出荷することを需要者が希望する場合の生鮮品の販売価格であって第1販売価格よりも高い第2販売価格とを提示する提示部334と、需要者から、第1成長度の状態の生鮮品又は第2成長度の状態の生鮮品の購入要求を受け付ける受付部335と、を有する。
【選択図】図4

図1
図2
図3
図4
図5
図6