(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】可動放射線防護遮蔽板
(51)【国際特許分類】
G21F 3/00 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
G21F3/00 S
G21F3/00 F
(21)【出願番号】P 2021186755
(22)【出願日】2021-11-17
(62)【分割の表示】P 2019554024の分割
【原出願日】2017-12-13
【審査請求日】2021-11-17
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519216493
【氏名又は名称】ルメール プロテクシオン アンティ-イクス パル アブルヴィアシオン ソシエテ ルメール パクス
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】ルメール ピエール-マリー
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-120543(JP,A)
【文献】特表2005-523437(JP,A)
【文献】特表2006-526434(JP,A)
【文献】特表2004-506911(JP,A)
【文献】特表2010-535342(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0335297(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 3/00
G21F 7/02
A61B 6/10
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1人のオペレータを電離放射線から防護するための放射線防護遮蔽板(1)であって、前記遮蔽板(1)は、垂直または本質的に垂直なコーナーエッジ(4)で相互に連結された、放射線防護材料から作られた前壁構造(2)と、放射線防護材料から作られた側壁構造(3)とを備え、前記遮蔽板(1)は地上支持ホイール(6)を備えた基部(5)を備える、放射線防護遮蔽板(1)において、
前記前壁構造(2)が、互いに移動可能である下部(21)および上部(22)を備え、前記前壁構造(2)の前記上部(22)は、前記コーナーエッジ(4)において垂直または本質的に垂直な回動軸(7)の周囲に回動可能に取り付けられており、
前記側壁構造(3)が、垂直または本質的に垂直な平面内に延在し、自由な側方縁部(31)と、前記コーナーエッジ(4)の一部を画定する側方縁部(32)と、下方縁部(33)と、上方縁部(34)とを備え、
前記側壁構造(3)は、その少なくとも一部(381)が透明な放射線防護材料から作られた上部(38)と、下部(37)とを備えること、および
前記前壁構造(2)の前記下部(21)が、自由な側方縁部(211)と、前記コーナーエッジ(4)の一部を画定する側方縁部(212)と、下方縁部(213)と、上方縁部(214)とによって画定され、
前記前壁構造(2)の前記下部(21)は、前記側壁構造(3)の平面から70°~120°の間、好ましくは90°程度の固定角度だけオフセットされた垂直または本質的に垂直な平面内に延在し、
前記遮蔽板が、
・前記コーナーエッジ(4)の高さの一部にわたって、ならびに
・前記コーナーエッジ(4)の両側で、前記側壁構造(3)の前記下部(37)の一部にわたって、および前記前壁構造(2)の前記下部(21)の一部にわたって、
延在するパネルとして成形された可撓性放射線防護材料から作られた部分(12)を備えている
ことを特徴とする遮蔽板。
【請求項2】
可撓性放射線防護材料から作られた前記パネル(12)が、
・前記側壁構造(3)の前記下部(37)の前記下方縁部(33)から、および前記前壁構造(2)の前記下部(21)の前記下方縁部(213)から、前記側壁構造(3)および前記前壁構造(2)の前記下部(33、21)の高さの半分超にわたって、ならびに
・前記コーナーエッジ(4)から、前記前壁構造(2)および前記側壁構造(3)の前記下部(21、37)の幅の半分超にわたって、
延在することを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽板。
【請求項3】
前記側壁構造(3)の下部(37)において、フレーム(8)は、地上支持ホイール(6)のアーム(51)のいくつかが取り付けられた側方長片(8a)と、上部長片(8b)とを備え、前記前壁構造(2)の下部(21)において、フレーム(8)は、地上支持ホイール(6)のアーム(51)のいくつかが取り付けられた側方長片(8c)と、上部長片(8d)とを備え、可撓性放射線防護材料から作られたパネル(12)は、その上方縁部121によって、フレーム8の上部長片8bおよび8d上に固定されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の遮蔽板。
【請求項4】
前記可撓性パネル(12)の垂直縁部は、自由なままであることを特徴とする、請求項3に記載の遮蔽板。
【請求項5】
前記可撓性パネル(12)の垂直縁部は、弾性手段によって前記フレーム(8)に固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の遮蔽板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電離放射線に対する防護装置の分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、オペレータをX線などの電離放射線の放出から防護するための医療分野または他の分野において使用される放射線防護遮蔽板に関する。本発明はまた、そのような遮蔽板を無菌の保護された環境で使用するために、遮蔽板を覆うことによって遮蔽板を包装するためのカバー状装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の診察または介入の間、患者は検査、診断または処置に使用される電離放射線、特にX線タイプの電離放射線に暴露される。
【0004】
これは、カテーテル法、ペースメーカーの挿入、血管、神経学的または泌尿器診察、CRM(Cardiac Rhythm Managemant、カーディアック・リズム・マネージメント)、CRT(Cardiac Resynchronization Therapy、心臓再同期療法)、またはX線透視法技術の適用の間などの介入の場合に特に当てはまる。
【0005】
特に、X線透視法は、対象物のリアルタイム画像を得るためにX線を使用する画像化技術である。医療分野では、この技術を適用することにより、例えば心拍または血管中の血液の流れなど、患者の内臓の構造および機能の視覚化が可能になる。この技術は診断ならびに治療に使用され、そしてこれは特に放射線医学、心臓病学、神経学、電気生理学、末梢血管放射線医学、介入小児科学などの介入分野で使用される。
【0006】
これらの特殊分野専用の部屋には、X線透視装置(Cアームとも呼ばれる)が装備されており、それは、一端がX線放出装置を担持し他端が検出器を備える大型のアーチによって形成された延長部分を有する可動式技術的筐体の全体形状を有すると考えられる。
【0007】
装備された部屋では、カテーテルまたはプローブは診断または治療目的のためにアクセス経路(通常大腿動脈または橈骨動脈)に導入される。
【0008】
血管網は、しばしば造影製品の注入と組み合わせて、X線の使用により視覚化される。
【0009】
これらのX線透視装置は診察台周りの重要な空間を占め、それらの位置は診察または処置される患者の身体領域に応じてしばしば変更される。
【0010】
オペレータ(医師、外科医、技師、看護師または他の人)を、放出された電離放射線(放出装置から直接来る一次的な種類のもの、または装置によって反射されるか患者から直接来る二次的な種類のもの)から適切に防護して、時間の経過と共に蓄積され、様々な病状(上肢の壊死、脳腫瘍、白内障、放射性皮膚炎など)を引き起こしやすい見過ごせない線量に彼らを暴露することを回避することが重要であることは理解されよう。
【0011】
このために、放射線防護材料から作られたブラウス、カズラ、エプロン、甲状腺保護具、眼鏡などの衣類からなるが必ずしも全身を覆うわけではなく、その見過ごせない重量がオペレータの快適さを妨げ、移動能力を制限しそして急速な疲労を伴う防護構造が存在する。
【0012】
適切な放射線防護材料から作られたパネルまたはパネルアセンブリからなり、適合された支持体から吊り下げられ、または直接もしくは転動基部を介して床に横たわる遮蔽板またはシールドも存在する。
【0013】
放射線防護遮蔽板のこのような構造は、米国特許出願公開第2012/0049093号明細書、米国特許出願公開第2006/0076522号明細書、FR2,915,868号明細書、国際公開第2009/156660号パンフレット、さらに米国特許第3,308,297号明細書に記載されている。
【0014】
しかしながら、これらの異なる構造は、オペレータが最適条件下に作業することを可能にしない。特に、それらのうちのいくつかは、例えば放射線に暴露されている患者の身体の部分に介入するために、遮蔽板の防護側にいるオペレータが、彼の腕または手で遮蔽板の反対側にアクセスすることを可能にするように上手く適合されていない。
【0015】
さらに、今日までに知られている遮蔽板の構造は、手術室の装置、特にX線透視装置を動かすのに不便であることがしばしば明らかになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
最先端技術の上記の欠点を克服するために、本発明は、少なくとも1人のオペレータを電離放射線から防護するための放射線防護遮蔽板を提案し、前記遮蔽板は、垂直または本質的に垂直なコーナーエッジで相互に連結された、放射線防護材料から作られた前壁構造と、放射線防護材料から作られた側壁構造とを含むタイプのものであり、前記遮蔽板は地上支持ホイールを備えた基部を含み;
そして本発明によれば、前記前壁構造は、互いに移動可能である下部および上部を含み、前記前壁構造の前記上部は、前記コーナーエッジにおいて垂直または本質的に垂直な回動軸の周囲に回動可能に取り付けられている。
【0017】
患者が横たわる診察台の前にその前壁構造が直接位置付けられることによって、このような遮蔽板は、大きな移動自由度をオペレータに残しながらオペレータを効果的に防護することができる。前壁構造の回動可能上部は、実行されるべき動作に応じて側方または患者の上方へオペレータによって移動することができ、そして、周囲装置、例えばX線透視Cアームと接触する場合、この可動上部は回動することができ、したがって遮蔽板全体を動かす必要性を回避する。
【0018】
個別にまたは任意の技術的に可能な組み合わせで考えられる、本発明による放射線防護遮蔽板の他の非限定的で有利な特徴は、以下の通りである:
・側壁構造は、垂直または本質的に垂直な平面内に延在し、自由な側方縁部と、前記コーナーエッジの一部を画定する側方縁部と、下方縁部と、上方縁部とを備え、
前記側壁構造は、その少なくとも一部が透明な放射線防護材料から作られた上部と、下部とを備え、
前壁構造の下部は、自由な側方縁部と、前記コーナーエッジの一部を画定する側方縁部と、下方縁部と、上方縁部とによって画定され、
前壁構造の前記下部は、前記側壁構造の平面から70~120°の間、好ましくは90°程度の固定角度だけオフセットされた垂直または本質的に垂直な平面内に延在する。
【0019】
・遮蔽板は、前記コーナーエッジの高さの一部にわたって延在し、および前記コーナーエッジの両側で、側壁構造の前記下部の一部にわたって、ならびに前壁構造の下部の一部にわたって延在するパネルとして成形された可撓性放射線防護材料から作られた部分を有する。
【0020】
より正確には、可撓性放射線防護材料から作られた前記パネルは、有利には以下のように延在する:
a)側壁構造の前記下部の下方縁部から、および前壁構造の下部の下方縁部から、側壁構造および前壁構造の前記下部の高さの半分超にわたって延在し、および
b)前記コーナーエッジから、前壁構造および側壁構造の前記下部の幅の半分超にわたって延在する。
【0021】
・側壁構造は、オペレータの位置する空間に向けられた内面と、反対側の外面とを備え、側壁構造の上方縁部は、前記内面の側に延在する放射線防護材料から作られたルーフを形成する延長部分を備える。
【0022】
・前壁構造の下部は、オペレータの位置する空間に向けられた内面と、反対側の外面と、上方縁部とを含み、
前記上方縁部は、前記外面の側に延在する放射線防護材料から作られた防護延長部分を備え、
この防護延長部分は、前壁構造の下部の上方縁部から水平または本質的に水平の位置に延在するタブレットとして成形可能であり、それは有利には前記水平位置から持ち上げることができるように、前壁構造の下部の前記上方縁部に回動可能に取り付けられ、またそれはそれを伸縮自在にするための格納式の端部延長部分を有利に備え、
変形実施形態では、この防護延長部分は、前壁構造の下部の上方縁部から上方に延在しかつ円弧状または本質的に円弧状の断面を有する半剛性フラップからなることができる。
【0023】
・前壁構造の上部は、自由側方縁部と、コーナーエッジの一部を形成する側方縁部と、上方縁部と、下方縁部と、オペレータの位置する空間に向けられた内面と、反対側の外面とを含み、さらにそれは放射線防護材料から作られた少なくとも1つのパネルによって形成される。
【0024】
・前記コーナーエッジの一部を形成する側壁構造の側方縁部は、前壁構造の上部および関連する回動軸の前方にある側方縁部を覆うように適合された側方翼として成形された延長部分を備え、このカバーは前壁構造の上部の外面の側に形成されている。
【0025】
・前壁構造の上部の上方縁部は、側壁構造のルーフ形成延長部分の平面からオフセットされた平面において前壁構造の前記上部の内面の側に延在する放射線防護材料から作られたルーフ形成延長部分を備える。
【0026】
・前壁構造の上部の下方縁部は、放射線防護材料から作られた複数の可撓性バンドの並置によって構成された可撓性カーテンによって形成される。
【0027】
・前壁構造の上部は、少なくとも一部が放射線防護材料から作られた上部パネルと、少なくとも一部が透明な放射線防護材料から作られた下部パネルとを備え、
前記下部パネルは、前壁構造の伸縮式上部を形成するために、前記上部パネルに対して垂直に並進移動可能であり、その高さを調節可能であり、
有利には、移動可能な下部パネルは、平衡化システム、例えば定荷重渦巻ばねタイプの平衡化システムによって前記上部パネルに取り付けられる。
【0028】
・前壁構造の上部は、前記回動軸の周りで前記コーナーエッジに回動可能に取り付けられた支持アームを備え、上部を形成する前記少なくとも1つのパネルは水平並進移動のために前記支持アームに移動可能に取り付けられる。
【0029】
本発明はさらに、上で定義した放射線防護遮蔽板の高さの少なくとも一部を覆うことを目的としたカバー形状の装置を提案し、前記装置は、
・開口部を備えた可撓性ポケットであって、前壁構造の上部の下方縁部を前記可撓性ポケットの開口部内に入れることによって前壁構造の上部を少なくとも部分的に覆うことができ、前記可撓性ポケットは少なくとも1つの透明部分を備え、およびそれを前壁構造の前記上部に固定するための手段を備えた可撓性ポケットと、
・前記側壁構造および前記前壁構造の下部を少なくとも部分的に覆うことができる少なくとも1つの可撓性パネルであって、
前記少なくとも1つの可撓性パネルは、前記側壁構造の透明部分の前方に位置付けられるように意図された少なくとも1つの透明部分と、前記前壁および側壁構造に固定するための手段とを備えた少なくとも1つの可撓性パネルと、
前壁構造の下部の上方縁部に延在する防護延長部分を備える場合、前記防護延長部分を少なくとも部分的に覆う可撓性構造であって、前記側壁構造および前壁構造の下部を覆うための前記パネルに固定されるか前記パネルから独立し、それを前記タブレットに固定するための手段を備えた可撓性構造と
を備える。
【0030】
非限定的な例として添付された添付図面を参照する以下の記載により、本発明が何からなるか、および本発明をどのように実行できるかをよく理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明による放射線防護遮蔽板を外面からの斜視図として示し、(オペレータの位置する空間の反対側であり、前壁構造の上部は前記前壁構造の下部から角度的にオフセットされている。
【
図2】
図1の放射線防護遮蔽板を内面からの、すなわちオペレータの位置する空間の側からの斜視図として示す。
【
図3】
図1および2に示される放射線防護遮蔽板の上からの図である。
【
図4】
図1~3に示される放射線防護遮蔽板の側面図である。
【
図5】
図4の平面5-5に従う放射線防護遮蔽板の断面図である。
【
図6】
図4の平面6-6に従う放射線防護遮蔽板の断面図である。
【
図7】
図1~6の放射線防護遮蔽板の斜視図であり、その前壁構造の上部の別の(すなわち、前壁構造の下部の平面内に位置する)構造で示されている。
【
図8】
図1~7の放射線防護遮蔽板の別個に示される前壁構造の上部の斜視図である。
【
図9】
図8に示される前壁構造の上部の正面図である。
【
図10】
図9の平面10-10に従う断面図である。
【
図11】
図1~7の放射線防護遮蔽板の斜視図であり、手術室で使用されることを考慮して、滅菌カバーとして成形された装置を備えるように適合された、前壁構造の上部のさらに別の構造で示されている。
【
図12】
図11の防護遮蔽板の側面図であり、その異なる受入れ部品に配置されるカバーとして成形された装置を示す。
【
図13】本発明による放射線防護遮蔽板の実施形態の変形の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1~12に示す放射線防護遮蔽板1は、病院の手術室において、電離放射線源によって放出される電離放射線、例えばCアーム型のX線透視装置によって放出されるX線からオペレータを確実に防護するように適合されている。
【0033】
この目的のために、この放射線防護遮蔽板1を形成する様々な部品は、それぞれの構成部品に応じて、少なくとも0.2mmの適切な鉛当量を有する放射線防護材料から作られている。例えば、この鉛当量は、0.5mmから3mmの間である。
【0034】
図1~
図7に示されるものなど、放射線防護遮蔽板1は、垂直または本質的に垂直のコーナーエッジ4で相互接続され、全体が地上支持ホイール6を備えた基部5に取り付けられた、放射線防護材料から作られた前壁構造2と、放射線防護材料から作られた側壁構造3とを含む移動式キャビンの形態を有する。
【0035】
側壁構造3は垂直または本質的に垂直な平面内に延びるパネルの形態を有し、前壁構造2は、2つの部分、すなわち:
・側壁構造3に対して固定され、垂直または本質的に垂直な平面内に延びる下部21と、
・同じく垂直または本質的に垂直な平面内に延び、下部21の上で、コーナーエッジ4において垂直または本質的に垂直な回動軸7の周りに回動可能に取り付けられた上部22と
を有する。
【0036】
したがって、この上部22は側壁構造3に対して移動可能であり、下部21の上で下部21に対しても移動可能である。
【0037】
側壁構造3は、
・自由側方縁部31と、
・前記コーナーエッジ4の一部を画定する側方縁部32と、
・下方縁部33と、
・上方縁部34と、
・オペレータの位置に割り当てられた空間に向けられた内面35と、
・内面35と反対側の外面36と、
・下部37と、
・その少なくとも一部381が透明な放射線防護材料から作られている上部38と
を備える。
【0038】
下部37と上部38は互いの延長として延びており、透明部分381の水平下方縁部381’は前記上部38と下部37との間の分離線を定義上形成している(したがって上部38の下方縁部と下部37の上方縁部とを形成している)。上部38の高さは下部37の高さと同程度であり得る。
【0039】
前壁構造2の下部21は、
・自由側方縁部211と、
・コーナーエッジ4の一部を画定する側方縁部212と、
・下方縁部213と、
・上方縁部214と
によって境界を定められる。
【0040】
前壁構造2の前記下部21は、オペレータの位置として意図された空間に向けられた内面215と、内面215の反対側の外面216とをさらに含み、前記下部21は、前記内面215および35の側から見て、ここでは90°の固定角度だけ前記側壁構造3の平面からオフセットされた垂直または本質的に垂直な平面内に延在する。
【0041】
この実施形態の変形において、前記固定角度は、例えば70~120°の間で異なってもよい。
【0042】
側壁構造3および前壁構造2の下部21は、例えば、その下部に基部5を形成する地上支持ホイール6が取り付けられている遮蔽板1のフレーム8を形成する、少なくとも0.2mmの鉛当量を有する、鉛、鋼、鋳鉄などの放射線防護材料から作られた1つまたは複数の部品を備える。
【0043】
これらのホイール6、少なくとも3つのホイール、ここでは4つのホイールが、アーム51によってフレーム8に取り付けられている。
【0044】
ホイール6の少なくともいくつかは、それらの回転を一時的に回避するためのロックレバー52を備え(例えば、遮蔽板1の内側からアクセス可能なホイール6)、ホイール6の少なくとも特定のものは、ここでは傾斜防止脚部53を備えている(例えば、遮蔽板1の外側からアクセス可能なホイール)。実施形態の変形では、これらの傾斜防止脚部53は存在しなくてもよい。
【0045】
ホイール6の一部は側壁構造3の下部37に設けられ、ホイール6の別の部分は前壁構造2の下部21に設けられる。
【0046】
側壁構造3の上部38に対応するフレーム8の部分には、透明放射線防護材料から作られた上述の部分381を形成する透明パネルを受け入れるための大きな中央開口部9が設けられている。このパネル381は、全て0.2mm~3mmの間の鉛当量を有する、タイプ「キョウワグラス」(登録商標)の有鉛プラスチック、タイプ「Novashield glass」(登録商標)の放射線防護プラスチック、有鉛ガラス、または他のものから作ることができる。それは、電離放射線を通さない任意の適切な手段によって、内面35の側で開口部9の周囲に取り付けられる。前記透明パネル381は、側壁構造3の上部38のほぼ全幅およびほぼ全高にわたって延在する。それは、幅60cmおよび高さ80cm程度の長方形の形状を有する。
【0047】
放射線防護遮蔽板1のフレーム8の抵抗/剛性特性を改善するために、中央開口部9の周囲の少なくとも一部に剛性プロファイル10が設けられる。
【0048】
図1および
図2において、遮蔽板1のフレーム8の下部が大きな開口部11を備え、X線透視Cアームの端部などの機器の通過を可能にしていることを見ることができ、その開口部11は、可撓性放射線防護材料から作られ、前記機器との接触により変形することができ、電離放射線に対する障壁を同時に構成するパネル12で満たされている。
【0049】
開口部11およびしたがって可撓性放射線防護材料から作られたパネル12は、遮蔽板1のコーナーの下部において延在する、すなわち、それらは、コーナーエッジ4および下方縁部33および213から、側壁構造3の下部37の高さおよび幅の一部にわたって、ならびに前壁構造2の下部21の高さおよび幅の一部にわたって延在する。
【0050】
より具体的には、開口部11および可撓性放射線防護材料から作られたパネル12は、
・側壁構造3の下部37の下方縁部33および前壁構造2の下部21の下方縁部213から、側壁構造3および前壁構造2の前記下部37および21の高さの半分超にわたって延在し、および、
・コーナーエッジ4から、前壁構造2および側壁構造3の前記下部37および21の幅の半分超にわたって延在する。
【0051】
側壁構造3の下部37において、フレーム8は、地上支持ホイール6のアーム51のいくつかが取り付けられた側方長片8aと、上部長片8bとを備える。
【0052】
他方、前壁構造2の下部21に、フレーム8は、地上支持ホイール6のアーム51のいくつかが取り付けられた側方長片8cと、上部長片8dとを備える。
【0053】
可撓性放射線防護材料から作られたパネル12は、その上方縁部121によって、フレーム8の上部長片8bおよび8d上に(すなわち、下部21および37の上方縁部214および381’の近くに)、前壁構造2および側壁構造3の内面215および35の側で、固定されている。この可撓性パネル12の垂直縁部は、自由なままであるか弾性手段によってフレーム8に固定され、このパネル12が特に遮蔽板1の内側に向かって変形することを可能にする。
【0054】
可撓性放射線防護材料から作られたパネル12の寸法は、所望の防護機能を提供するために、上部および側方でわずかな重なりを許容するように開口部11の寸法よりわずかに大きい。
【0055】
パネル12は、全てが少なくとも0.20mmの鉛当量を有する、両方とも鉛または別の放射線防護材料を含有する、PVCまたは可撓性ゴムの1枚または複数枚のシートによって形成することができる。
【0056】
変形として、パネル12は放射線防護材料から作られた垂直バンド、例えば可撓性材料から作られたワンピースバンド、または関節によって2つずつ連結された剛性要素を組み立てることによって作られたバンドの並置で置き換えることができる。
【0057】
図1~
図3で分かるように、側壁構造3の上方縁部34は、内面35の側に延在する放射線防護材料から作られたルーフを形成する延長部分14を含む。
【0058】
この延長部分14は、ここでは側壁構造3の平面に対して直角におよび上方縁部34の全幅にわたって延在し、それは有利には、例えば、全て0.2mm~3mmの間の鉛当量を有する、タイプ「キョウワグラス」(登録商標)の有鉛プラスチック、タイプ「Novashield glass」(登録商標)の放射線防護プラスチック、有鉛ガラス、または他のものの放射線防護材料から作られる。
【0059】
前壁構造2の下部21の上方縁部214は、外面216の側に延在する放射線防護材料から作られたタブレット15の形状を有する延長部分を含む。
【0060】
このタブレットは上方縁部214から水平または本質的に水平の位置に、すなわち前壁構造2の下部21の垂直面に対して垂直または本質的に垂直に延在し、それは有利には、それを伸縮式にするために、したがってその長さを適合することを可能にするために格納式の剛性端部延長部分15bによって延長される剛性基部15aを含む。
【0061】
タブレット15は有利には下部21の上方縁部214に回動可能に取り付けられ、それを前記水平方向安定位置から持ち上げることを可能にする。
【0062】
この持ち上げの可能性は、例えば、遮蔽板1を持ち上げることを回避するために、または患者が横たわっている検査台が持ち上げられる場合に患者を捕えることを回避するために、興味深い。
【0063】
タブレット15の基部15aおよび端部延長部分15bは、例えば少なくとも0.20mmの鉛当量を有するステンレス鋼から作られてもよい。
【0064】
変形として、タブレット15は、伸縮式ではないと予見することができ、可撓性または半可撓性の材料から作られてもよい。
【0065】
前壁構造2の上部22は、前壁構造2の下部21の上方縁部214より上のコーナーエッジ4上で、垂直回動軸7を中心にして回動可能に取り付けられる。
【0066】
この回動上部22は、
・自由な側方縁部221、
・コーナーエッジ4の一部を形成する側方縁部222、
・上方縁部223、
・下方縁部224、
・オペレータが位置する空間に向けられた内面225、および
・反対側の外面226
によって境界を定められる。
【0067】
そしてさらに、この回動上部22は下部パネル228と関連する上部パネル227によって形成され、前記下部パネル228は前壁構造2の伸縮式上部22を形成するために前記上部パネル227に対して垂直方向に並進移動可能であり、その高さは調節可能である。
【0068】
図8~
図10で分かるように、上部パネル227は、少なくとも0.20mmの鉛当量を有する鋼などの放射線防護金属材料から少なくとも部分的に作られた上部2271を備え、それは透明放射線防護材料から作られた、例えば全て0.2mm~3mmの間の鉛当量を有する、タイプ「キョウワグラス」(登録商標)の有鉛プラスチック、タイプ「Novashield glass」(登録商標)の放射線防護プラスチック、有鉛ガラス、または他のものから作られたパネルによって形成された下部2272によって下方に延びる。その下部2272の下方縁部、および上部2271と前記下方縁部との間のこの下部2272の側方縁部に金属縁部プロファイルが設けられる。
【0069】
下部パネル228は、下部2282によって下方に延びる上部2281をそれ自体で含む。
【0070】
上部2281は、全て0.2mm~3mmの間の鉛当量を有する、タイプ「キョウワグラス」(登録商標)の有鉛プラスチック、タイプ「Novashield glass」(登録商標)の放射線防護プラスチック、有鉛ガラス、または他のものなどの透明放射線防護材料から作られた2枚の平行パネル2281aおよび2281bを有し、それらは、上部パネル227の下部2272を形成するパネルの厚さにある隙間以内まで相当する距離だけ離間している。両方の平行パネル2281aおよび2281bは、それらのそれぞれの垂直側方縁部およびそれらの水平下方縁部に設けられたスペーサプロファイルによって組み立てられる。
【0071】
上部2281を形成するこれら2枚の平行パネル2281aおよび2281bは、パネル2271を挟み、そしてそれらは、前壁構造2の上部22の伸縮式特徴を得るために、および高さを調整できるように、前記パネル2272に対して垂直に並進移動するように構成される。
【0072】
このために、下部パネル228は、平衡化システムによって、ここでは定荷重タイプの2つの側方渦巻ばね229によって、上部パネル227から吊り下げられている。
【0073】
これらの渦巻ばね229は、上部パネル227および下部パネル228の側方に取り付けられている。それらは金属バンドからなり、その一端は渦巻状に巻かれて上部パネル227に(前記パネル227の平面に対して垂直に延びるアクスルの周りで)固定され、その他端は下部パネル228に向けられた側方縁部のボードに固定されている。平衡化システム229の強度は、オペレータが上部パネル227に対して下部パネル228を手動で上方または下方に移動させることを可能にするように適合される。ばね229の定荷重の結果として、パネル228はいったん動かされるとその位置に留まる。
【0074】
図1、2、4、7(破線)および
図8~10は、パネル228を最大限高い位置で示す。
図7、11および12は、パネル228を最大限低い位置で示している。
【0075】
下部パネル228の下部2282は、放射線防護材料から作られた複数の可撓性長片の並置によって形成された可撓性カーテンによって構成されている。可撓性カーテン2282の上方縁部は、上部2281の下方縁部に固定されており、その下方縁部は、回動上部22の下方縁部224を形成する。
【0076】
ここで、この下方縁部224は、検査台に横たわっている患者の一般的な輪郭に沿うように円弧の形状をしていることに留意されたい。
【0077】
変形として、この下方縁部224は直線状であってもよい。
【0078】
この可撓性カーテン2282は、数センチメートルまたは数十センチメートルの高さにわたって延びることができる。それは例えば放射線防護材料を含有しおよび少なくとも0.125mmの鉛当量を含有するPVCまたはゴムなどの放射線防護材料から作られる。
【0079】
可撓性カーテン2282は、放射線防護を最適化するために検査台の上に横たわる患者の身体に接触するように位置決めされてもよく、それによりオペレータが回動上部22の他方の側に介入したい場合、その腕を通過させることも可能になる。
【0080】
前壁構造2の上部22の上方縁部223は、放射線防護材料から作られたルーフ16を形成しかつ内面225の側に延在する延長部分を備える。
【0081】
この延長部分16はここでは前壁構造2の平面に対して垂直にかつ上方縁部223の全幅にわたって延在し、それは有利には透明材料から、例えば、全て0.2mm~3mmの間の鉛当量を有する、タイプ「キョウワグラス」(登録商標)の有鉛プラスチック、タイプ「Novashield glass」(登録商標)の放射線防護プラスチック、有鉛ガラス、または他のものから作られる。
【0082】
延長部分形成ルーフ16は、回動部分22の回動を妨げないように、側壁構造3の延長部分形成ルーフ14の平面からオフセットした平面内に延在する。
【0083】
これら2つの延長部分形成ルーフ14および16の形状および寸法は、部分的な重なりを得るように、したがって回動上部22の許容される位置がどのようなものであっても放射線防護の連続性を得るように適合される。
【0084】
前壁構造2の上部22は、
図5、11および12に示されるアーム23によってコーナーエッジ4において回動軸7の周囲に回動可能に取り付けられる。
【0085】
このアーム23は鋼製の平坦要素からなり、この平坦要素はコーナーエッジ4の上部から水平方向に延びる。
【0086】
アーム23の端部の一方は、側壁構造3の側方縁部32に対して垂直回動軸7の周りで連接され、このアーム23は、回動部分22の上部パネル227の上部2271に形成された収容スペース24内に挿入され、上部パネル227、下部パネル228および延長部分形成ルーフ16によって形成されるアセンブリの支持体としての役割を果たすために側方に延びる。
【0087】
上部パネル227、下部パネル228および延長部分形成ルーフ16によって形成されたこのアセンブリは、支持アーム23上で水平方向に並進できるように取り付けられ、それにより、
・回動上部22の側方縁部222が、(
図1~
図7に示されるように)側壁構造3の側方縁部32にできるだけ近い位置にあるいわゆる作動位置、および
・回動上部22の側方縁部222が、(
図11および12に示されるように)側壁構造3の側方縁部32から離れて位置し、以下に説明するように滅菌カバー装置の設置を可能にするいわゆる非作動位置
を取るようにする。
【0088】
収容スペース24の上部は有利にローラ26(
図10に示される)を備え、ローラ26は支持アーム23の上方縁部上を転動し、上述の作動位置および非作動位置を取るための対応する摺動動作を容易にするように配置されている。
【0089】
前述の作動位置および非作動位置を解除可能にロックする手段を予見することもできる。図には示されていないが、これらの手段は、例えば、ばねに取り付けられ、要素の一方によって支持され、他方の要素に形成されたハウジングと協働するボール(または複数のボール)タイプのインデックスシステムから構成されてもよい。
【0090】
図1~
図7において、コーナーエッジ4の一部を形成する側壁構造3の上部38の側方縁部32が、数センチメートルの幅にわたって延びる側方翼27の形状を有する延長部分を備えることを見ることができる。この側方翼27は、上部22が作動位置にあるとき、およびこれが上部22の外面226の側にあるとき、前壁構造2の上部22の前方で側方縁部222と、関連する回動軸7とを覆い、遮蔽板1の放射線防護を最適化するように構成される。
【0091】
目安として、遮蔽板1の高さ、すなわちローラ6の地上支持面と延長部分形成ルーフ14、16との間の距離は、1.90~2.30m程度であり得る。側壁構造3および前壁構造2の両方の部分21および22の一方の幅は、0.80m以下、例えば0.60~0.80m程度であり得、前壁構造2の下部21の上方縁部214は、約0.70~1.10mの高さで延在する。
【0092】
前壁構造2の上部22は回動軸7を中心にして以下の間で回動可能に取り付けられている:
・この上部22が、下部21が延在する平面と平行にまたは本質的に平行に延在する平面内に、下部21の延長部分としてまたは本質的に延長部分として延在する、
図7に示されるいわゆる閉鎖位置、および
・上部22が下部21の外面216の側でオフセットされた平面内に延在する、
図1~6に示される最大開放位置。
【0093】
対応する回動の角度範囲a(
図3)は、50~90°の間、例えば60°程度であり得る。
【0094】
手術室で前記放射線防護遮蔽板1を使用する場合、遮蔽板を構成する部品のいくつかは、
図12に示すものなど滅菌カバー装置40で覆われる。
【0095】
この滅菌カバー装置40は、放射線防護遮蔽板1の内面および外面の高さの少なくとも一部を覆うように構成され、ここでそれは、
・前壁構造2の上部22を少なくとも部分的に覆うように構成されているカバー部分401、
・側壁構造3および前壁構造2の下部21を少なくとも部分的に覆うように構成されているカバー部分402、および
・前述のカバー部分402に固定されているかされていない、タブレット15として成形された防護延長部分を少なくとも部分的に覆うように構成された可撓性構造体としてのカバー部分403
を含む。
【0096】
カバー部分401は、回動上部22の下部パネル228を覆うように構成されている。それは、全体的に正方形または長方形の形状を有し、その1つの縁部が位置決め開口部401aを備える透明材料、例えばポリプロピレンの透明シートから作られた可撓性エンベロープまたはポケットの形態である。
【0097】
上部22が、
図11および
図12に示される位置などの(すなわち、その側方縁部222が側壁構造3の側方縁部32から離れている)非作動位置へ移動された後、可撓性ポケット401は、上部22の下方縁部224を開口部401aに導入することによって位置決めされ、可撓性ポケット401が下部パネル228の周りに正しく位置決めされると、接着バンド、吸盤、弾性バンドまたはその他のタイプの適切な固定手段が確実にそれをその位置に留める。
【0098】
そのような位置決めは、放射線防護遮蔽板1の上部22を非作動位置に置くことによって可能になる。当然のことながら、それは使用される必要があるとき作動位置に戻される。
【0099】
カバー部分402は、前壁構造2および側壁構造3の下部21および37の高さの一部ならびに側壁構造3の上部38の高さの一部を覆うように適合された可撓性材料から作られた少なくとも1つのパネルからなる。
【0100】
ここで、カバー部分402は、異なる材料から作られたいくつかのパネル、すなわち、前記側壁構造3の透明部分381の前に位置決めされるように意図された透明材料、例えばポリプロピレンから作られたパネル402a、および前壁構造2および側壁構造3の前記下部21および37に位置決めされるように意図された不透明の不織材料、例えばポリプロピレンから作られたパネル402bのアセンブリから構成された単一パネルからなる。
【0101】
このカバー部分402の位置決めは、放射線防護遮蔽板1のそれぞれの領域を単純に覆うことによって実行される。この作業の開始を容易にするために、材料パネル402は、遮蔽板1の基部8に、例えば被覆翼27の高さに予見されるフック構造271に引っ掛かるように構成されたフック構造を端縁部に含むことができる。
【0102】
このカバー部分402が正しく位置決めされると、接着バンド、吸盤、弾性バンドまたはその他のもののタイプの適切な固定手段が、確実にそれをその位置に留める。
【0103】
タブレット15の形態の防護延長部分を覆うように構成されたカバー部分403は、確実にそれをその位置に留める接着バンド、吸盤、弾性バンドまたはその他のもののタイプの適切な固定手段を備えた上述のカバー部分402に固定された延長部分の形態を有し得る。
【0104】
変形として、このカバー部分403は、1つの縁部に位置決め開口部が設けられた全体的に長方形の可撓性材料から、例えばポリプロピレンから作られた独立エンベロープまたはポケットの形態を有し得る。
【0105】
次に、この可撓性ポケット403は、タブレット15の形態の防護延長部分の端部をその開口部に導入することによって位置決めされ、正しく位置決めされると、接着バンド、吸盤またはその他のもののタイプの適切な固定手段が、確実にそれをその位置に留める。
【0106】
さらなる変形として、
図1から
図12の実施形態に示されるタブレット15は、
図13および
図14に示されるような半剛性フラップで置き換えられてもよい。
【0107】
これら
図13および
図14で分かるように、半剛性フラップ15’は前壁構造2の下部21の上方縁部214から上方に延び、外面216の側に片持ち状にされる。
【0108】
それは、上方縁部214に沿って固定され、その片持ち縁部が自由である、放射線防護材料(例えば、有鉛PVCまたはゴムまたは別の放射線防護材料)から作られた一体パネルからなる。
【0109】
静止時、このフラップ15’は湾曲または円弧状断面を有する。
【0110】
それは半剛性であるので、その形状およびその位置決めはオペレータによってまたは周囲の機器または要素(患者、患者用支持台...)との接触によって自主的に修正することができる。
【0111】
本発明による放射線防護遮蔽板1は、電離放射線を放出する1つまたは複数の装置、特にX線透視装置を組み込んでいる手術室内の1人または複数人のオペレータを防護するように特に適合されている。
【0112】
この放射線防護遮蔽板1は、その前壁構造2および側壁構造3をオペレータと電離放射線放出装置との間に適切に位置決めするために、単純に地面上で転動することによって容易に移動させることができる。
【0113】
図2に示されるように、それは、患者が横たわる診察台Tのできるだけ近くに、その前壁構造2が診察台Tに沿って配置された状態に位置付けることができる。
【0114】
次にオペレータは手動で回動上部22および垂直に並進移動する部分228を移動させ、それにより操作を快適にしおよび患者に行う必要がある介入に依存して放射線防護を最適化することができる。
【0115】
特に、回動上部22を前側へ回動することにより、可撓性カーテン2282が患者と接触した状態で効果的な放射線防護を保証することが可能になり、また、前壁構造2の下部21の前で患者の上の大きな開口部を解放し、オペレータの介入を容易にすることが可能になるのは明白である。
【0116】
ホイール上の可動式遮蔽板と患者との間に相互作用がない。それはまたオペレータが緊急事態の場合に患者に介入することを可能にする。
【0117】
他方、装置の特定の可動部分(例えばX線透視装置の円弧部分)の可撓性パネル12または回動上部22との接触が放射線防護遮蔽板1の全体的な位置決めを大きく乱すことはないことも明白である。