IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サードウェイブ,インコーポレイティドの特許一覧

特許7169424ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信
<>
  • 特許-ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信 図1
  • 特許-ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信 図2
  • 特許-ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信 図3
  • 特許-ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信 図4
  • 特許-ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/50 20210101AFI20221102BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20221102BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20221102BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221102BHJP
【FI】
H04W12/50
H04W76/10
H04W8/00 110
H04W84/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021500155
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019033575
(87)【国際公開番号】W WO2020009751
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】62/694,768
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516064183
【氏名又は名称】サードウェイブ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ナビル ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アテフ アユーブ
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/017484(WO,A1)
【文献】特開2017-157932(JP,A)
【文献】特開2018-023020(JP,A)
【文献】特表2017-521028(JP,A)
【文献】特開2017-112552(JP,A)
【文献】特表2014-529230(JP,A)
【文献】国際公開第2015/190371(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器であって、
メモリと、
第1のアドレス及び第2のアドレスを含む複数のハードウェア装置アドレスを有するとともにモバイル機器とワイヤレス通信を行うように構成されたネットワークアクセス装置と、
前記メモリ及び前記ネットワークアクセス装置に結合されるとともに前記メモリに格納された命令を実行し、
前記第1のアドレスを用いて、前記医療機器と前記モバイル機器で実行されるアプリケーションの間の第1のセキュアな通信チャネルを確立することと、
前記アプリケーションによって見つけることができるようにするために、前記第2のアドレスを用いてアドバタイズパケットを送信することであって、前記第2のアドレスは、前記第1のアドレスと異なる代替アドレスであり、前記医療機器と前記アプリケーションの間の前記第1のセキュアな通信チャネルが確立された後に送信される前記アドバタイズパケットに含まれ、かつ、前記モバイル機器に知られていないが前記モバイル機器で実行されるアプリケーションが見つけることができることと、
を備える動作を実行する一つ以上のプロセッサと、
を備える医療機器。
【請求項2】
前記アプリケーションは、前記第1のアドレスを用いてセキュアな通信チャネルが確立されるときに前記モバイル機器のフォアグラウンド環境で実行され、前記第1のアドレスは、ペアリングアドレスである、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記動作は、
複数のモバイル機器で実行される複数のアプリケーションと通信を行い、前記複数のアプリケーションは、前記第1のアドレスを用いる前記複数のモバイル機器の第1のモバイル機器で実行される前記複数のアプリケーションの第1のアプリケーション及び前記複数のモバイル機器の第2のモバイル機器で実行される前記複数のアプリケーションの第2のアプリケーションを含み、前記モバイル機器で実行されるアプリケーションは、前記第1のアプリケーションであり、前記モバイル機器は、前記第1のモバイル機器であることを更に備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項4】
前記動作は、
セキュアな通信チャネルを切り離すことと、
前記モバイル機器の前記アプリケーションが、前記第2のアドレスを送信する医療機器を見つけたときに、前記アプリケーションを、前記モバイル機器のバックグラウンド環境で実行させることと、
を更に備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記複数のハードウェア装置アドレスは、第3のアドレスを有し、前記動作は、
前記第3のアドレスを用いる第2のアプリケーションとの第2のセキュアな通信チャネルを確立することを更に備え、前記第1のセキュアな通信チャネルを確立すること及び前記第2のセキュアな通信チャネルを確立することは、受け入れることができるアドレス又は受け入れることができないアドレスのホワイトリスト又はブラックリストに更に基づく、請求項1に記載の医療機器。
【請求項6】
前記アプリケーションによって見つけることができるようにするために、前記第2のアドレスを用いてアドバタイズパケットを送信することは、
前記第2のアドレスを用いて前記アドバタイズパケットを周期的に送信することと、
前記医療機器と前記モバイル機器で実行される前記アプリケーションの間の情報を、前記医療機器と前記アプリケーションの間のステータスアップデートを含む周期的な低い優先度の情報に制限することと、
を有する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項7】
組み込み装置であって、
メモリと、
第1の識別子及び第2の識別子を含む複数の識別子を有するとともに第1のモバイル機器及び第2のモバイル機器とワイヤレス通信を行うように構成されたネットワークアクセス装置と、
前記メモリ及び前記ネットワークアクセス装置に結合されるとともに前記メモリに格納された命令を実行し、
前記第1の識別子を用いて、前記組み込み装置と前記第1のモバイル機器のアプリケーションの間のセキュアな通信チャネルを確立することと、
前記アプリケーションによって見つけることができるようにするために、前記第2の識別子を用いてアドバタイズパケットを送信することと、
前記セキュアな通信チャネルを切り離すことと、
前記第1のモバイル機器の前記アプリケーションが、前記第2の識別子を用いて前記組み込み装置を見つけたときに、前記アプリケーションを、前記第1のモバイル機器のバックグラウンド環境で実行させることであって、前記第2の識別子は、前記第1の識別子と異なる代替識別子であり、前記組み込み装置と前記アプリケーションの間の前記セキュアな通信チャネルが確立された後に送信される前記アドバタイズパケットに含まれ、かつ、前記第1のモバイル機器に知られていないが前記第1のモバイル機器で実行されるアプリケーションが見つけることができることと、
を備える動作を実行する一つ以上のプロセッサと、
を備える組み込み装置。
【請求項8】
前記アプリケーションによって見つけることができるようにするために、前記第2の識別子を用いてアドバタイズパケットを送信することは、
前記第2の識別子を用いて前記アドバタイズパケットを周期的に送信することと、
前記組み込み装置と前記第1のモバイル機器で実行されるアプリケーションの間の情報を、前記第2の識別子を用いるとともに前記組み込み装置と前記第1のモバイル機器のバックグラウンド環境で実行される前記アプリケーションの間のステータスアップデートを含む周期的な低い優先度の情報に制限することと、
を有する、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項9】
前記組み込み装置と前記第1の識別子を用いる前記第1のモバイル機器の第2のアプリケーション又は前記第1の識別子を用いる前記第2のモバイル機器の第3のアプリケーションの間のセキュアな通信チャネルを確立することを更に備える、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項10】
前記第1のモバイル機器の第2のアプリケーション及び前記第2のモバイル機器の第3のアプリケーションによって見つけることができるようにするために、前記第2の識別子を用いてアドバタイズパケットを送信することを更に備える、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項11】
前記セキュアな通信チャネルを確立することは、前記組み込み装置と前記アプリケーションの間のセキュアな通信チャネルを確立するために前記第1のモバイル機器の前記アプリケーションによって識別された既知のパターンを送信することを有する、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項12】
前記複数の識別子は、複数の汎用一意識別子(UUID)であり、前記第1の識別子は、第1のUUIDであり、前記第2の識別子は、第2のUUIDである、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項13】
起動要求を取得することと、
前記起動要求の取得に応答して、前記第1の識別子又は前記第2の識別子を用いた送信を行うことと、
を更に備える、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項14】
前記起動要求は、ボタンのユーザ選択を含むユーザ入力、近距離無線通信(NFC)が前記組み込み装置のしきい値距離内にあることを表す近接トリガ又は予めプログラムされた期間後のリアルタイムクロック(RTC)からのウェイクアップ信号のうちの少なくとも一つである、請求項13に記載の組み込み装置。
【請求項15】
前記組み込み装置と前記第1のモバイル機器の前記アプリケーションの間のセキュアな通信チャネルを確立することは、
ペアリングプロセス中に一意の共有秘密を取得することと、
通信チャネルをセキュアにするために、取得した一意の共有秘密を用いてメッセージ認証コードを計算することと、
を有する、請求項に記載の組み込み装置。
【請求項16】
モバイル機器であって、
第1のアプリケーション及び第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを格納するように構成され、前記第1のアプリケーションは、第1の識別子及び第2の識別子に登録又は関連付けされ、前記第2のアプリケーションは、第3の識別子及び前記第2の識別子に登録又は関連付けされたメモリと、
前記メモリに結合されるとともに前記メモリに格納された命令を実行するように構成され、
前記第1のアプリケーションをフォアグラウンド環境で実行することと、
前記第1の識別子を用いる組み込み装置とのセキュアな通信チャネルを確立することと、
前記セキュアな通信チャネルを介して、高い優先度の情報を前記組み込み装置に送信することと、
前記第2の識別子を用いて前記組み込み装置を見つけることであって、前記第2の識別子は、前記第1の識別子と異なる代替識別子であり、前記組み込み装置と前記第1のアプリケーションの間の前記セキュアな通信チャネルが確立された後に前記組み込み装置から送信されるアドバタイズパケットに含まれ、かつ、前記モバイル機器に知られていないが前記モバイル機器で実行される前記第1のアプリケーションが見つけることができることと、
を備える動作を実行する一つ以上のプロセッサと、
を備えるモバイル機器。
【請求項17】
前記動作は、
前記組み込み装置との前記セキュアな通信チャネルを切り離すことと、
前記第1のアプリケーションをバックグラウンド環境で動作させることと、
前記第1のアプリケーションがバックグラウンドにあるとともに前記第2の識別子を用いるときに、低い優先度の情報を前記組み込み装置から取得することと、
を更に備える、請求項16に記載のモバイル機器。
【請求項18】
前記動作は、
前記第1のアプリケーションが前記バックグラウンド環境にあるときの期間の後に前記第1のアプリケーションを前記メモリから除去することと、
前記組み込み装置を見つけたときに前記第1のアプリケーションを前記メモリから前記バックグラウンド環境にロードすることと、
を更に備える、請求項17に記載のモバイル機器。
【請求項19】
前記第1の識別子は、第1のペアリングアドレス又は第1の汎用一意識別子(UUID)であり、前記第の識別子は、第2の代替アドレス又は第2のUUIDである、請求項16に記載のモバイル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年7月6日に出願された表題が「ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォンへのセキュアな低電力通信」である米国仮特許出願第62/694768号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0002】
1.分野
【0003】
本明細書は、ワイヤレス医療機器と一つ以上のスマートフォンの間のセキュアな低電力通信のシステム、機器及び/又は方法に関する。
【背景技術】
【0004】
2.従来技術の説明
【0005】
モノのインターネット(IOT)の多数のIOTアプリケーションは、ユーザの介在なくバックグラウンドで実行するスマートフォンアプリケーションに情報を伝達するために市販のスマートフォンと通信を行う。例えば、インスリンポンプのような医療機器又は他の組み込み装置は、応急手当てを必要とするアラーム状態のユーザに情報を提供する必要がある場合がある。
【0006】
最近のスマートフォンのオペレーティングシステム(OS)は、ユーザの関与なしにスマートフォンアプリケーションをバックグラウンドで実行させないようにすることがよくある。これらのオペレーティングシステムは、スマートフォンアプリケーションがフォアグラウンドに存在することを要求する、すなわち、医療機器のような組み込み装置がappとワイヤレスで通信を行うことができるようにするためにスマートフォンアプリケーションがユーザによって積極的に用いられることが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スマートフォンは、スマートフォンOSと予めペアリングされたワイヤレス機器にバックグラウンドのアプリケーションが自動的に接続するのを許可する。スマートフォンOSは、所定のペアリングされた機器のワイヤレスアドレスを記録するとともにワイヤレスアドレスを継続的にスキャンする。OSが、通信を行っているワイヤレス機器を見つけると、OSは、ワイヤレス機器に自動的に接続するとともにアプリケーションを起動させる。しかしながら、医療機器の接続及び制御の待ち時間を短くするために医療機器が常時又は高い頻度で送信を行う必要があるので、このような自動接続は、どんな時でもスマートフォンによってワイヤレスに制御する必要がある医療機器及び他の組み込み装置に適さない。医療機器が頻繁に送信を行う可能性が高いので、OSは、医療機器に継続的に接続する必要があり、これによって、医療機器のリソースの使用量及びリソースの消費が大きくなる。
【0008】
したがって、待ち時間、電力消費及びリソースの利用を最小にしながら医療機器又は他の組み込み装置とスマートフォンアプリケーションの間のセキュアで安定した通信を確立するシステム、方法及び/又は装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般的には、本明細書に記載された主題の一態様は、セキュアな低電力通信チャネルを確立する機器、システム及び/又は装置で実施される。セキュアな低電力通信システムは、医療機器と、一つ以上のモバイル機器と、を有する。医療機器は、メモリと、ネットワークアクセス装置と、一つ以上のプロセッサと、を有する。ネットワークアクセス装置は、複数のハードウェア装置アドレスを有する。複数のハードウェア装置アドレスは、第1のアドレス及び第2のアドレスを有する。ネットワークアクセス装置は、モバイル機器とワイヤレス通信を行うように構成される。医療機器は、メモリ及びネットワークアクセス装置に結合された一つ以上のプロセッサを有する。一つ以上のプロセッサは、メモリに格納された命令を実行するとともに動作を実行するように構成される。動作は、医療機器と第1のアドレスを用いるアプリケーションの間の第1のセキュアな通信チャネルを確立することを有する。動作は、第2のアドレスを用いるアプリケーションによって見つけることができるようにするためにアドバタイズパケットを送信することを有する。
【0010】
これらの実施の形態及び他の実施の形態は、以下の特徴の一つ以上を任意に有してもよい。アプリケーションを、セキュアな通信チャネルが第1のアドレスを用いて確立されるときにモバイル機器のフォアグラウンド環境で実行してもよい。第1のアドレスは、ペアリングアドレスであってもよい。
【0011】
動作は、第1のアドレスを用いる複数のモバイル機器で実行される複数のアプリケーションと通信を行うことを有してもよい。複数のモバイル機器で実行される複数のアプリケーションは、第1のモバイル機器で実行される第1のアプリケーション及び第2のモバイル機器で実行される第2のアプリケーションを有してもよい。モバイル機器で実行されるアプリケーションは、第1のアプリケーションであってもよく、モバイル機器は、第1のモバイル機器であってもよい。第2のアドレスは、代替アドレスであってもよい。代替アドレスは、モバイル機器に知られていないがモバイル機器で実行されるアプリケーションが見つけることができるようにしてもよい。
【0012】
動作は、セキュアな通信チャネルを切り離すことを有してもよい。動作は、モバイル機器のアプリケーションが、第2のアドレスを送信する医療機器を見つけたときに、アプリケーションを、モバイル機器のバックグラウンド環境で実行させることを有してもよい。ネットワークアクセス装置は、第3のアドレスを有してもよい。動作は、第3のアドレスを用いる第2のアプリケーションとの第2のセキュアな通信チャネルを確立することを有してもよい。第1のセキュアな通信チャネルを確立すること及び第2のセキュアな通信チャネルを確立することは、受け入れることができるアドレス又は受け入れることができないアドレスのホワイトリスト又はブラックリストに基づいてもよい。動作は、第2のアドレスを用いてアドバタイズパケットを周期的に送信することを有してもよい。動作は、情報(communication)を、医療機器とアプリケーションの間のステータスアップデートを含む周期的な低い優先度の情報に制限することを有してもよい。
【0013】
他の態様において、主題を組み込み装置で実施する。組み込み装置は、メモリを有する。組み込み装置は、ネットワークアクセス装置を有する。ネットワークアクセス装置は、複数の識別子を有する。複数の識別子は、第1の識別子及び第2の識別子を含む。ネットワークアクセス装置は、第1のモバイル機器及び第2のモバイル機器とワイヤレス通信を行うように構成される。組み込み装置は、メモリ及びネットワークアクセス装置に結合される一つ以上のプロセッサを有する。一つ以上のプロセッサは、メモリに格納された命令を実行するとともに組み込み装置と第1の識別子を用いる第1のモバイル機器のアプリケーションの間のセキュアな通信チャネルを確立することを有する動作を実行する。動作は、アプリケーションによって見つけることができるようにするために、第2の識別子を用いてアドバタイズパケットを送信することを有する。動作は、セキュアな通信チャネルを切り離すことと、第1のモバイル機器のアプリケーションが、第2の識別子を用いる組み込み装置を見つけたときに、アプリケーションを、第1のモバイル機器のバックグラウンド環境で実行させることと、を有する。
【0014】
他の態様において、主題をモバイル機器で実施する。モバイル機器は、複数のアプリケーションを格納するように構成されたメモリを有する。複数のアプリケーションは、第1のアプリケーション及び第2のアプリケーションを含む。第1のアプリケーションは、第1の識別子及び第2の識別子に登録又は関連付けされる。第2のアプリケーションは、第3の識別子及び第2の識別子に登録又は関連付けされる。モバイル機器は、メモリに結合されるとともにメモリに格納された命令を実行するように構成され、動作を実行する。動作は、第1のアプリケーションをフォアグラウンドで実行することを有する。動作は、第1の識別子を用いる組み込み装置とのセキュアな通信チャネルを確立することを有する。動作は、セキュアな通信チャネルを介して、高い優先度の情報を組み込み装置に送信することと、第2の識別子を用いる組み込み装置を見つけることと、を有する。
【0015】
本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、当業者が以下の図面及び詳細な説明を調べた際に明らかになる又は明らかになるであろう。そのような全ての追加のシステム、方法、特徴及び利点が本明細書に含まれ、本発明の範囲内にあり、かつ、添付した特許請求の範囲によって保護されることを意図する。図示した構成部分は、必ずしも寸法通りではなく、本発明の重要な特徴を更に良く示すために誇張されることがある。図面中、同様な参照番号は、異なる図面の至る所で同様なパーツを示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一態様による一例のセキュアな低電力通信システムのブロック図である。
図2】本発明の一態様によるセキュアな通信チャネルを確立するために図1のセキュアな低電力通信システムの医療機器によって実現される一例のプロセスの流れ図である。
図3】本発明の一態様による複数のアドレスを用いる図1のセキュアな低電力通信システムの一つ以上のモバイル機器の一つ以上のアプリケーションとのセキュアな接続を確立する図1のセキュアな低電力通信システムの医療機器を示す。
図4】本発明の一態様による複数のアドレスを用いる図1のセキュアな低電力通信システムの一つ以上のモバイル機器の一つ以上のアプリケーションとのセキュアな接続を確立する図1のセキュアな低電力通信システムの医療機器を示す。
図5】本発明の一態様によるセキュアな通信チャネルを確立するために図1のセキュアな低電力通信システムの一つ以上のモバイル機器によって実現される一例のプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ワイヤレス医療機器から複数のスマートフォン及び/又はスマートフォンappまでのセキュアな低電力通信のシステム、機器及び方法をここに開示する。セキュア低電力通信システム(「通信システム」)は、医療機器のようなワイヤレス組み込み装置(「組み込み装置」)と一つ以上のスマートフォン又は他の個人用機器のような一つ以上のモバイル機器の間の通信を確立する。通信システム100は、組み込み装置とスマートフォンオペレーティングシステム(OS)のような携帯機器のOSによってスマートフォンのような携帯機器で実行されるスマートフォンアプリケーション(「アプリケーション」)の間の通信を確立してもよい。組み込み装置は、スマート機器、医療機器、又は、モバイル機器で実行されるアプリケーションと交信又は通信を行うために無線又はワイヤレス通信に依存してもよい他の組み込み装置であってもよい。
【0018】
組み込み装置は、モバイル機器で実行されるアプリケーションとペアリングするために複数のアドレスを用いてもよい。複数のアドレスを用いることによって、組み込み装置は、高い優先度及び/又は重要なメッセージの通信のためのセキュアな通信チャネルを確立するためにアプリケーションがフォアグラウンドにあるときにアプリケーションに接続してもよい。この場合、組み込み装置は、電力消費を減少させる、リソース利用を減少させる及び/又は他のアプリケーションとの他のセキュアな通信チャネルを確立するためにセキュアな通信チャネルがもはや必要でないときにセキュアな通信チャネルを解除してもよい。しかしながら、組み込み装置は、異なるアドレスを用いることによって、アプリケーションがバックグラウンドにあるときにアプリケーションによって見つけることができるようにしてもよく、これによって、セキュアな接続の確立の待ち時間を減少させることができる。
【0019】
他の利益及び利点は、通信システムが組み込み装置と一つ以上のモバイル機器の間のセキュアな通信チャネルを確立するセキュア機能を実現することを含む。セキュア機能は、ハッシュアルゴリズムの使用、ホワイトリスト及び/又はブラックリストの使用、及び/又は、組み込み装置と一つ以上の個人用機器の間のセキュアな通信のための共有秘密を有してもよい。これは、メッセージ及び組み込み装置と一つ以上の個人用機器の間の通信をリプレイ攻撃のような攻撃から守る。
【0020】
図1は、通信システム100のブロック図を示す。通信システム100は、医療機器102のような組み込み装置と、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、携帯電話又は他の個人用機器のような一つ以上のモバイル機器104a-bと、を有する。通信システム100は、医療機器102と一つ以上のモバイル機器104a-bとをリンクするネットワーク106を有してもよい。ネットワーク106は、医療機器102及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bのような通信システム100の種々の構成要素の間の接続、結合及び/又は通信を行うローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラーネットワーク、インターネット、他の有線又は無線通信、その組合せであってもよい。
【0021】
医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bとの通信を確立する。医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bの各々の複数のアプリケーションとの通信を確立してもよい。医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bの互いに異なるアプリケーションに接続する複数のアドレス、複数の汎用一意識別子(UUID)又は他のアドレス若しくは識別子を用いる。複数のモバイル機器104a-bは、第1のユーザの第1のスマートフォン及び第2のユーザの第2のスマートフォンのような互いに異なるモバイル機器104a-bを有してもよい。
【0022】
医療機器102は、メモリ108a、一つ以上のプロセッサ110a及び/又はネットワークアクセス装置112aを有する。医療機器102は、ユーザインタフェース114a、トランシーバ118、リアルタイムクロック(RTC)120及び/又はセンサ122を有してもよい。メモリ108aは、インスリン又は他の薬物又は他の処方薬の投与又は供給のような医療機器102の重要な機能を実行するために一つ以上のプロセッサ110aによって実行される命令を格納してもよい。メモリ108aは、一つ以上のモバイル機器104a-bとのセキュアな通信チャネルを確立するのに用いられる共有秘密を格納してもよい。メモリ108aは、一つ以上のモバイル機器104a-bで実行される一つ以上のアプリケーション116a-bに接続するためにネットワークアクセス装置112aによって用いられる複数のハードウェアアドレス又は識別子(「アドレス又は識別子」)の間の一つ以上の関連を格納してもよい。医療機器102は、対応するモバイル機器104a-bの対応するアプリケーション116a-bに接続するために対応するアプリケーション116a-bに送信するのに用いるアドレス又は識別子を選択するために一つ以上の関連を用いてもよい。
【0023】
プロセッサ110aは、メモリ108aに結合されるとともにメモリ108aに格納された命令を実行する。プロセッサ110aは、医療機器102を起動するとともに一つ以上のネットワークアクセス装置112a-cを介した一つ以上の通信における送信ができるようにするために起動要求を処理してもよい。追加的に、プロセッサ110aは、医療機器102が通信を行う一つ以上のアプリケーション116a-bを決定又は選択し、送信及び一つ以上のアプリケーション116a-bとの通信の確立に用いる一つ以上のアドレス又は識別子を選択する。プロセッサ110aは、セキュアな通信チャネルが一つ以上のネットワークアクセス装置112a-cを介して確立される及び/又は低い優先度の通信を一つ以上のアプリケーション116a-bに対して行うときに一つ以上のアプリケーション116a-bに対する接続、一つ以上のアプリケーション116a-bからの高い優先度の情報の受信及び/又は高い優先度の情報の実行を行ってもよい。
【0024】
医療機器102は、ネットワーク106を介して一つ以上のモバイル機器104a-bと通信を行うネットワークアクセス装置112aを有する。ネットワークアクセス装置112aは、プロセッサ110aに結合又は接続されてもよい。プロセッサ110aは、セキュアな通信チャネルを確立するとともに互いに異なるモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bに対する情報の送信及び/又は受信を行うためにネットワークアクセス装置112aを用いる。医療機器102は、ユーザインタフェース114aを有してもよい。ユーザインタフェース114aは、起動要求のようなユーザ入力を提供するためにユーザにインタフェースを提供する。起動要求は、医療機器102を起動するとともに医療機器102と一つ以上のモバイル機器104a-bの間の送信を行うことができるようにしてもよい。
【0025】
医療機器102は、近距離無線通信トランシーバのようなトランシーバ118を有してもよい。トランシーバ118が近距離無線通信トランシーバのしきい値距離に近接する又はその範囲内にあるとき、トランシーバ118は、医療機器102の起動を引き起こすとともにワイヤレス送信ができるようにするためにプロセッサ110aに起動要求を送信してもよい。
【0026】
医療機器102は、一つ以上のリアルタイムクロック(RTC)及びセンサ122を有してもよい。RTCは、低電力クロック発振器を有するとともに周期信号をセンサ122に送信してもよい。RTCを、予め決定された周期の間で周期的に起動するように構成してもよい。センサ122は、経過時間を測定するために周期信号を用いてもよい及び/又は温度又は血糖値のようなユーザの特徴を測定するために周期信号によってトリガがかけられてもよい。
【0027】
通信システム100は、一つ以上のモバイル機器104a-bを有する。一つ以上のモバイル機器104a-bはそれぞれ、メモリ108b-c、プロセッサ110b-c、ネットワークアクセス装置112b-c及び/又はユーザインタフェース114b-cを有する。一つ以上のモバイル機器104a-bは、スマートフォン、携帯電話、タブレット又は他の携帯個人用機器であってもよい。一つ以上のモバイル機器104a-bはそれぞれ、メモリ108b-c内に格納されるとともにプロセッサ110b-cによって実行される一つ以上のアプリケーション116a-bを有してもよい。
【0028】
一つ以上のメモリ108b-cはそれぞれ、一つ以上のプロセッサ110b-cによって実行される命令を格納してもよい。さらに、一つ以上のメモリ108b-cはそれぞれ、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のプロセッサ110b-cによってロード、アンロード又は実行される一つ以上のアプリケーション116a-bを格納してもよい。一部の実現において、一つ以上のメモリ108b-cは、一つ以上のアプリケーション116a-bと医療機器102の間のセキュアな通信チャネルを確立するために一つ以上のプロセッサ110a-cによって用いられる共有秘密を格納してもよい。
【0029】
一つ以上のプロセッサ110b-cを、一つ以上のメモリ108b-cにそれぞれ結合又は接続してもよい。一つ以上のプロセッサ110b-cは、一つ以上のメモリ108b-cに格納された命令を実行する及び/又は一つ以上のアプリケーション116a-bを実行する。一つ以上のプロセッサ110b-cは、一つ以上のアプリケーション116a-bを医療機器102に接続するために一つ以上のネットワークアクセス装置112b-cを用いる。さらに、一つ以上のプロセッサ110b-cは、一つ以上のユーザインタフェース114b-cを介して一つ以上のアプリケーション116a-bに入力されるユーザ入力を取得し、一つ以上のネットワークアクセス装置112a-cを介して、情報の生成、医療機器102への情報の提供又は医療機器102からの情報の受け取りを行ってもよい。
【0030】
一つ以上のネットワークアクセス装置112b-cを一つ以上のプロセッサ110b-cに結合してもよい。一つ以上のネットワークアクセス装置112b-cは、一つ以上のアプリケーション116a-bを医療機器102にセキュアに接続するために他のネットワークアクセス装置112aとの通信を確立する。一つ以上のモバイル機器104a-bは、一つ以上のユーザインタフェース114b-cを有してもよい。一つ以上のユーザインタフェース114b-cは、医療機器102からユーザ入力を取得してもよい、及び/又は、医療機器102にステータスアップデートを提供してもよい。ユーザ入力は、セキュアな通信チャネルが確立されたときに医療機器102に送信される重要なコマンド及び/又は機能を有してもよい。重要なコマンド及び/又は機能は、例えば、インスリン、薬物及び/又は処方薬を投与する命令であってもよい。さらに、一つ以上のユーザインタフェース114b-cは、医療機器102から受信又は取得したステータスアップデートを提供又は表示してもよい。
【0031】
一つ以上のプロセッサ110a-cをそれぞれ単一のプロセッサ又は複数のプロセッサとして実現してもよい。一つ以上のプロセッサ110a-cは、医療機器102及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bのような各機器の対応するメモリ108a-c及び/又はネットワークアクセス装置112a-c及び/又はユーザインタフェース114a-cと電気的に結合されてもよい、接続されてもよい又は通信を行ってもよい。
【0032】
一つ以上のメモリ108a-cは、一つ以上のプロセッサ110a-cに結合されるとともにプロセッサ110a-cが実行する命令を格納してもよい。一つ以上のメモリ108a-cは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の揮発性若しくは不揮発性メモリの一つ以上を有してもよい。一つ以上のメモリ108a-cは、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、ハイブリッドディスクドライブ又は他の適切なデータストレージのような非一時メモリ又はデータ記憶装置であってもよく、一つ以上のプロセッサ110a-cによってロードされるとともに実行される機械可読命令を更に格納してもよい。さらに、一つ以上のメモリ108a-cは、医療アプリケーションのような一つ以上のアプリケーション116a-bを格納するのに用いてもよい。
【0033】
一つ以上のユーザインタフェース114a-cは、ボタン、ダイアル、マイクロフォン又はタッチスクリーンのようなユーザ入力を受信することができる任意の装置及び出力を行うことができる任意の装置、例えば、ディスプレイ、スピーカ又は再生可能な展示ディスプレイを有してもよい。ユーザインタフェース114a-cによって、ユーザが一つ以上のプロセッサ110a-cとそれぞれ通信を行うことができる。例えば、ユーザは、医療機器102を起動するためにユーザ入力を提供してもよい、又は、プロセッサ110は、一つ以上のモバイル機器104a-bのユーザに対して医療機器102についてのステータス情報を表示してもよい。
【0034】
一つ以上のネットワークアクセス装置112a-cは、Wi-Fi(登録商標)ユニット、ブルートゥース(登録商標)ユニット、無線自動識別(RFID)タグ若しくはリーダ又(3G,4G又は5Gのような)携帯電話ネットワークにアクセスするための携帯電話ネットワークユニットの一つ以上のような通信ポート又はチャネルを有してもよい。一つ以上のネットワークアクセス装置112a-cは、一つ以上のモバイル機器104a-b及び医療機器102の間でデータの送受信を行ってもよい。
【0035】
一つ以上のモバイル機器104a-bは、一つ以上のアプリケーション116a-bを有する。一つ以上のプロセッサ110b-cは、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bを実行してもよい。一つ以上のアプリケーション116a-bは、第1のアプリケーション116a及び/又は第2のアプリケーション116bのような複数のアプリケーション116a-bを有してもよい。一つ以上のアプリケーション116a-bは、医療機器102を制御する医療機器アプリケーション又は他のスマートフォンアプリケーションを有してもよい。例えば、医療機器アプリケーションは、医療機器102を制御するために一つ以上のアプリケーション116a-bを用いることによって、薬物及び/又は処方薬の投与のような重要なコマンド及び/又は機能を生成してもよい。
【0036】
図2は、医療機器102と一つ以上のモバイル機器104a-bの間の通信を確立するための一例のプロセス200の流れ図である。一つ以上のコンピュータ又は一つ以上のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた、図1の通信システム100の医療機器102のプロセッサ110aは、プロセス200を実行してもよい。
【0037】
医療機器102は、起動要求を取得してもよい(202)。起動要求は、情報を送信及び/又は受信するために医療機器102のワイヤレス送信を起動する要求である。情報は、高い優先度の情報及び/又は低い優先度の情報を有してもよい。高い優先度の情報は、医療機器102による患者若しくは医療機器102の他のユーザに対するインスリンのような薬物の投与、処方若しくは他の処置のような重要な機能を実行するコマンド又は重要な機能の重要な通知である。低い優先度の情報は、ステータスアップデート、広告、又は、医療機器102が一つ以上のモバイル機器104a-bを見つけることができるようにユーザ若しくは医療機器102のステータスのアプリケーションに通知するのに用いてもよい他の有益な情報である。
【0038】
医療機器102は、ユーザインタフェース114aを介して起動要求を含むユーザ入力を受信してもよい。例えば、ユーザがボタンの押圧、切替又は移動を行うとき、医療機器102による情報のワイヤレス送信ができるようにネットワークアクセス装置112aを起動する、オンにする又は初期化するために、ユーザインタフェース114aが起動要求を供給するとともにプロセッサ110aが起動要求を受信する。
【0039】
一部の実現において、医療機器102は、近距離無線通信(NFC)トランシーバのようなトランシーバ118を有する。トランシーバ118は、近距離無線通信がしきい値距離に近接する又はしきい値距離内、例えば、数フィート内であるときに医療機器102の検出を行ってもよい。トランシーバがしきい値距離に近接する又はしきい値距離内であるとき、トランシーバ118が起動要求を送信するとともにプロセッサ110aが起動要求を受信する。
【0040】
他の実現において、医療機器102は、期間が経過したことを検出するためにリアルタイムクロック(RTC)及びセンサ122を有するとともに用いてもよい。RTC120は、信号を周期的に送信してもよく、センサ122は、RTCが初期化(initialize)されたときからの経過時間を決定するために信号を測定するとともに用いてもよい。センサ122が、経過時間がしきい値以上であると判断したとき、センサ122は、起動要求をプロセッサ110aに送信してもよい。一部の実現において、RTC120が信号を送信するとき、センサ122は、ユーザの身体の測定を行ってもよい。例えば、センサ122は、ユーザの身体の温度又は血糖値を測定してもよい。測定値が、しきい値温度又は血糖値のようなしきい値を超えるとき、センサ122は、起動要求をプロセッサ110aに送信してもよい。
【0041】
一つ以上のアプリケーション116a-bへの接続、一つ以上のアプリケーション116a-bへの送信及び/又は一つ以上のアプリケーション116a-bからの受信の前に起動要求を待機することによって、医療機器102は、例えば、医療機器102が用いられないときの電力消費を最小にすることができる。起動要求は、低電力消費状態から活動状態にするとともに送信を開始するために医療機器102を動作させる。
【0042】
医療機器102が起動されると、医療機器102は、セキュアな通信チャネルを確立するためのペアリングアドレス又は識別子及び一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bによって見つけることができるように用いるための代替アドレス又は識別子の決定、選択及び/又は送信を行う(204)。決定又は選択は、接続するアプリケーション及び/又はモバイル機器を表すことができるユーザ入力又はアドレス若しくは識別子の事前設定された選択に基づいてもよい。
【0043】
ネットワークアクセス装置112aは、例えば、図3に示すようなアドレス302a-cのような複数のハードウェア装置アドレス、及び/又は、例えば、図4に示すような一つ以上の汎用一意識別子(UUID)402a-cのような複数の識別子を有してもよい。メモリ108aは、複数のアドレス及び/又は識別子の各々とアプリケーション116a-cに関連するアプリケーション識別子及び/又はモバイル機器104a-bに関連するモバイル機器識別子との一つ以上の関連を格納してもよい。プロセッサ110aは、格納された関連を用いることによって、アプリケーションのアプリケーション識別子及び/又はモバイル機器のモバイル機器識別子に関連したペアリング及び/又は代替アドレス及び/又は識別子を決定してもよい。
【0044】
一つ以上のモバイル機器104a-bがスキャンを行うとともにペアリングアドレス又は識別子を用いる医療機器102に接続することを試みるとき、医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bから一つ以上のセキュアな接続要求を取得する(206)。セキュアな接続要求は、高い優先度の情報を送信及び/又は受信する医療機器102にセキュアに接続するためのモバイル機器104a-bのアプリケーション116a-bによる要求であってもよい。セキュアな接続要求は、アプリケーション及び/又はモバイル機器がセキュアな接続を要求することを表すアプリケーション及び/又は機器識別子を有してもよい。
【0045】
医療機器102は、複数のセキュアな接続要求を同時に又は期間内に受信してもよい。複数のセキュアな接続要求は、単一のモバイル機器104a-bの複数の互いに異なるアプリケーション、複数のモバイル機器104a-bの複数の互いに異なるアプリケーション又は複数の互いに異なるモバイル機器104a-bの同一タイプのアプリケーションから出て来てもよい。
【0046】
一つ以上のセキュアな接続要求の各々に対して、医療機器102は、セキュアな接続要求を送信するアプリケーション及び/又はモバイル機器が有効であるか否かを判断する(208)。医療機器102は、アプリケーション及び/又はモバイル機器がセキュアな接続を要求することを表すアプリケーション又は機器識別子を抽出してもよい。医療機器102は、アプリケーション又は機器識別子をブラックリスト又はホワイトリストと比較してもよい。ブラックリストは、医療機器102との通信が許可されていないアプリケーション又は機器のリストである。ホワイトリストは、医療機器102との通信が許可されているアプリケーション又は機器のリストである。一つ以上のリストを、メモリ108aに格納してもよく、予め格納してもよい及び/又はユーザによって入力してもよい。医療機器102がアプリケーション116a-bにセキュアに接続したときに一つ以上のリストを更新してもよい。一部の実現において、医療機器102は、アプリケーション及び機器識別子の両方が安全な接続要求に含まれることとアプリケーション識別子と機器識別子の両方がホワイトリストに存在するとともにブラックリストに存在しないことの両方を検査及び/又は要求してもよい。
【0047】
アプリケーション及び/又は機器識別子がブラックリストに存在するとともにホワイトリストに存在しない場合、医療機器102は、アプリケーション及び/又は機器識別子が無効であると判断し、アプリケーション116a-bからのセキュアな接続要求を無視してもよい及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bを医療機器102との通信からブロックしてもよい(210)。これによって、許可されないアプリケーション及び/又はモバイル機器が医療機器102にアクセスするのを防止する。
【0048】
アプリケーション及び/又は機器識別子がブラックリストに存在しないとともにホワイトリストに存在する場合、医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bが有効であると判断する。それに応答して、医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bが医療機器102と通信を行うのを可能にする。
【0049】
アプリケーション及び/又はモバイル機器が認証されると、医療機器102は、複数のアプリケーションからの複数のセキュアな接続要求のうちのいずれが接続を確立すべきかを判断してもよい。医療機器102は、複数のセキュアな接続要求が存在するか否かを判断する(212)。複数のセキュアな接続要求を、同時に又はある期間に亘って受信又は取得してもよい。
【0050】
複数のセキュアな接続要求が存在する場合、医療機器102は、セキュアな接続要求の各々の優先度を判断する(214)。優先度は、一つ以上のセキュアな接続要求を受信した順番に基づいてもよい。例えば、他のセキュアな接続要求より早く受信したセキュアな接続要求は、医療機器102が先にセキュアな接続要求を送信したアプリケーションに接続するために他のセキュアな接続要求より上の優先度が与えられてもよい。一部の実現において、医療機器102は、アプリケーション又は機器識別子に基づいて優先度を決定してもよい。例えば、医療機器102は、処方薬を投与するとともに医師に由来するアプリケーションを、ステータスを検査するとともに医療関係者でない人に由来するアプリケーションより上の優先度となるように優先度を決定してもよい。
【0051】
医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bのアプリケーション116a-bとペアリングする(216)。医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-bとペアリングするとともにセキュアな通信チャネルを確立するためにペアリングアドレス又は識別子を用いる。医療機器102は、単一のモバイル機器104の単一のアプリケーション116a-b、単一のモバイル機器104a-bの複数のアプリケーション116a-b、互いに異なるモバイル機器104a-bの同一のアプリケーションの複数のアプリケーション116a-b及び/又は互いに異なるモバイル機器104a-bの複数の互いに異なるアプリケーション116a-bとペアリングしてもよい。これによって、医療機器102は、対応するモバイル機器104a-bとペアリングするためにペアリングアドレス又は識別子を選択的に用いることにより、いつでも所定のappと選択的に通信を行うことができる。さらに、同一のペアリングアドレス又は識別子を用いることによって、医療機器102は、情報をアプリケーション116a-b又はモバイル機器104a-bのグループに同時に送信してもよい。
【0052】
一部の実現において、医療機器102は、アプリケーションのグループとの通信と単一のアプリケーションとの通信とを交互に行うために、複数のアプリケーション116a-bに関連する第1のペアリングアドレス又は識別子、すなわち、グループペアリングアドレス又は識別子の選択と、単一のアプリケーション116a-bに関連する第2のペアリングアドレス又は識別子、すなわち、個別のペアリングアドレス又は識別子の選択と、を交互に行ってもよい。
【0053】
ペアリングプロセスの間に、医療機器102は、一意の共有秘密(「共有秘密」)を取得又は生成してもよい。医療機器102は、医療機器102と一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bの間の通信を認証するのに用いられるメッセージ認証コード(MAC)を計算するためにプロセッサ110aが共有秘密を後に用いることができるように共有秘密をメモリ108aに格納してもよい。
【0054】
一部の実現において、医療機器102は、通信中に既知のパターンを送信してもよい(218)。既知のパターンは、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bに知られており、医療機器102が現在送信しているペアリングアドレス又は識別子に関係なく一つ以上のアプリケーション116a-bがフォアグラウンド環境にあるときに医療機器102をスキャンするために一つ以上のアプリケーション116a-bによって用いられる。一つ以上のアプリケーション116a-bが通信に応答しない場合、医療機器102は、メモリ108aからアンロードされていてもよい一つ以上のアプリケーション116a-bをウェイクアップするために通信のフォーマットを変更してもよい。ウェイクアップされると、一つ以上のモバイル機器104a-bは、一つ以上のアプリケーション116a-bをメモリ108a-bに戻す。医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-bをウェイクアップするために、一つ以上のアプリケーション116a-bに登録されたUUIDのような代替アドレス又は識別子を用いてもよい。図5は、一つ以上のアプリケーション116a-bをウェイクアップするプロセスを更に記載する。
【0055】
医療機器102は、アプリケーション116a-bとペアリングしたときに一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bとのセキュアな通信チャネルを確立する(220)。医療機器102は、MACを計算するために医療機器102及び一つ以上のアプリケーション116a-bに既知の共有秘密を用いてもよく、医療機器102は、医療機器102とペアリングする一つ以上のアプリケーション116a-bとの通信を有する。MACを用いることによって、アプリケーション116a-bに対する通信の認証及び気密性を提供し、これによって、アプリケーション116a-bに対する偽りの又は意図しない通信を防止する。リプレイ攻撃を回避するために、ランダムなノンス及び/又は単調に増加するシーケンス番号を通信のMACに含めてもよい。
【0056】
医療機器102は、代替アドレス又は識別子を一つ以上のアプリケーション116a-bに提供してもよい(222)。医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bのバックグラウンド環境にある一つ以上のアプリケーション116a-bとやり取りを行うために代替アドレス又は識別子を用いる。これによって、医療機器102は、医療機器102が代替アドレス又は識別子を用いるときにバックグラウンド環境にある一つ以上のアプリケーション116a-bを見つけることができる。
【0057】
セキュアな通信チャネルが確立されると、医療機器102は、高い優先度の情報を取得及び/又は送信してもよい(224)。高い優先度の情報は、重要なコマンド、重要な機能、重要な通知又は医療機器102を制御、操作又は処理する他の命令を有する。例えば、重要なコマンド又は命令は、インスリンのような薬物の投与、処方薬の投与又は他の処置を患者に行うことを医療機器102に命令してもよい。他の例において、重要なコマンド又は命令は、スケジュール、薬物、処方薬若しくは処置に関するユーザのフィードバック、又は、薬物、投薬若しくは処置及び/又は薬物の投与、処方薬の投与又は処置を講じることに関連する他の関連情報を有してもよい。重要なコマンド又は命令の他の例は、システムクロックの調整、ファームウェア又は関連のソフトウェアの更新又は医療機器102の動作を有効にする他の関連のタスクのような医療機器102の機能の処理を有する。重要な通知の一例において、医療機器102は、薬物が投与されたとき若しくは投与されるとき、処方薬が投与されたとき若しくは投与されるとき又は他の処置が講じられるとき又は講じられたときに医師に注意を喚起してもよい、及び/又は、投与された若しくは投与される薬物のタイプ、投与された若しくは投与される処方薬のタイプ又は講じられた若しくは講じられる処置のタイプについて医師に注意を喚起してもよい。
【0058】
医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-bが最後の情報に接続されたとき又は医療機器102から切り離されたときにペアリングアドレス又は識別子を用いることによってセキュアな通信チャネルを切り離す(226)。アプリケーションがフォアグラウンド環境からバックグラウンド環境に移動したときのようにユーザがあるアプリケーションから他のアプリケーションに切り替えたとき又は医療機器102に接続されたアプリケーションから離れる若しくは出るときに、医療機器102は、セキュアな通信チャネルを切り離してもよい又はセキュアな通信チャネルから離れてもよい。これによって、医療機器102と一つ以上のアプリケーション116a-bの間の高い優先度の情報を止めることができる。
【0059】
医療機器102は、セキュアな通信チャネルがもはや確立されないときでも代替アドレス又は識別子を用いることによってアドバタイズパケットを見つけることができるようにしてもよい、アドバタイズパケットの伝送を行ってもよい、又は、アドバタイズパケットを送信してもよい(228)。医療機器102は、アドバタイズパケットを周期的に見つけることができるようにしてもよい、アドバタイズパケットの伝送を周期的に行ってもよい、又は、アドバタイズパケットを周期的に送信してもよい。医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-bとのセキュアな通信チャネルがフォアグラウンド環境で確立されているか否かに関係なくバックグラウンド環境の一つ以上のアプリケーション116a-bとの通信を行うために代替アドレス又は識別子を用いてもよい。
【0060】
一部の実現において、医療機器102は、アドバタイズパケット内の同報メッセージを一つ以上のモバイル機器104a-bの複数のアプリケーション116a-bに送信する。医療機器102は、同報メッセージを複数のアプリケーション116a-bに同時に送信してもよい。
【0061】
一部の実現において、医療機器102は、セキュアな通信を確立するためのペアリングアドレス又は識別子の使用と見つけることができるようにするための代替アドレス又は識別子の使用を交互に行う。医療機器102は、医療機器102と所定のアプリケーション116a-bの間の周期的な接続が可能になるようにするためにペアリングアドレス又は識別子と代替アドレス又は識別子を周期的に繰り返してもよい。さらに、これによって、同一のアドレスを重複して見つけることが原因のオペレーティングシステムのフィルタリングを回避する。
【0062】
医療機器102は、医療機器102に対するセキュアな通信チャネルが以前に確立されたか否かに関係なく複数の互いに異なるモバイル機器104a-bの複数の互いに異なるアプリケーション116a-bを見つけることができるようにするために代替アドレス又は識別子を用いてもよい。
【0063】
一つ以上のアプリケーション116a-bが一つ以上のメモリ108a-bからアンロードされた後にアドバタイズパケットを送信することによって一つ以上のアプリケーション116a-bがウェイクアップ又は初期化されてもよい。一つ以上のアプリケーション116a-bがウェイクアップしたとき、一つ以上のモバイル機器104a-bは、一つ以上のアプリケーション116a-bを一つ以上のメモリ108b-cにリロードしてもよい。図5は、一つ以上のアプリケーション116a-bと一つ以上のモバイル機器104a-bとのやり取りを更に記載する。
【0064】
医療機器102が見つけられると、医療機器102は、低い優先度の情報を一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bに提供してもよい(230)。低い優先度の情報は、医療機器102のハードウェア及び/又はソフトウェアの調子のようなステータスアップデート、及び/又は、医療機器102が動作中であるとともに一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bに近接していることを一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bに通知する通知を含んでもよい。一部の実現において、医療機器102は、情報を、低い優先度の情報のアウトバウンド情報に制限する。すなわち、医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bから受信した情報をフィルタリング又はブロックする。
【0065】
図3は、複数のアドレス302a-cを用いる一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bと通信を行う医療機器102を示す。図4は、複数の識別子402a-cを用いる一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bと通信を行う医療機器102を示す。医療機器102は、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bに接続するのに用いるアドレス302a-c又は識別子402a-cのような一つ以上のアドレス又は識別子を有するとともに割り当てるネットワークアクセス装置112aを有する。アドレス302a-cは、国際移動体装置識別(IMEI)番号又はブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)媒体アクセス制御(MAC)アドレスであってもよい。識別子402a-cは、TrustZone(登録商標)識別子(ID)又は汎用一意識別子(UUID)であってもよい。
【0066】
医療機器102は、アドレス/識別子選択モジュール304及びトランシーバモジュール306を有してもよい。アドレス/識別子選択モジュール304は、例えば、図3に示すように、一つ以上のアドレス302a-cから第1のアドレス及び/又は第2のアドレスを選択してもよい、又は、例えば、図4に示すように、一つ以上の識別子402a-cから第1の識別子及び/又は第2の識別子を選択してもよい。医療機器102は、一つ以上のアプリケーション116a-bがフォアグラウンド環境にあるときに一つ以上のアプリケーション116a-bとのセキュアな通信を確立するとともに一つ以上のアプリケーション116a-bがバックグラウンド環境にあるときに見つけることができるようにするためにアドレス及び/又は識別子を用いる。
【0067】
一態様において、図3に示すように、医療機器102は、複数の互いに異なるモバイル機器の複数の互いに異なるアプリケーション、同一のモバイル機器の複数の互いに異なるアプリケーション及び/又は複数の互いに異なるモバイル機器の同一タイプのアプリケーションとペアリングするためにアドレスを用いてもよい。例えば、アドレス/識別子選択モジュール304は、モバイル機器104aのアプリケーション116aとペアリングを行うとともに通信を確立するときにアドレス302aを選択してもよい。この場合、トランシーバモジュール305は、モバイル機器104aのアプリケーション116aとペアリングを行うとともに通信を確立するためにアドレス302aを用いる。同様に、アドレス/識別子選択モジュール304は、モバイル機器104bのアプリケーション116bとペアリングを行うとともに通信を確立するときにアドレス302bを選択してもよい。
【0068】
一部の実現において、医療機器102は、互いに異なるモバイル機器104a-bの同一タイプのアプリケーション106bと通信を行うために同一のアドレスを用いる。例えば、アドレス/識別子選択モジュール304は、モバイル機器104a及び/又はモバイル機器104bのアプリケーション116bとペアリングを行うとともに通信を確立するためにアドレス302cを選択してもよい。トランシーバモジュール306は、モバイル機器104aのアプリケーション116bとモバイル機器104bのアプリケーション116bの両方に対してアドレス302を用いることによって情報を送信する同報メッセージを送信してもよい、又は、上述したように、優先度に基づいて単一のモバイル機器104a又は104bのアプリケーション116bとペアリングしてもよい。
【0069】
他の態様において、図4に示すように、医療機器102は、複数の互いに異なるモバイル機器の複数の互いに異なるアプリケーション、同一のモバイル機器の複数の互いに異なるアプリケーション及び/又は複数の互いに異なるモバイル機器の同一タイプのアプリケーションとペアリングするためにUUIDを用いてもよい。例えば、アドレス/識別子選択モジュール304は、モバイル機器104aのアプリケーション116aとペアリングを行うとともに通信を確立するときにUUID402aを選択してもよい。この場合、トランシーバモジュール305は、モバイル機器104aのアプリケーション116aとペアリングを行うとともに通信を確立するためにUUID402aを用いる。アドレス/識別子選択モジュール304は、UUID402cを選択してもよく、トランシーバは、UUID402cに登録された同一のモバイル機器104a-b又は互いに異なるモバイル機器104a-bの互いに異なるアプリケーション116a-bに同報メッセージを送信するためにUUID402cを用いてもよい。他の例において、アドレス/識別子選択モジュール304は、モバイル機器104bのアプリケーション116a及びアプリケーション116bとペアリングするとともに通信を確立するためにUUID402bを選択してもよい。各アプリケーション116a-bは、一つ以上のモバイル機器104a-bの各々の一つ以上のUUIDに登録されてもよい。
【0070】
図5は、医療機器102との通信を確立するために一例のプロセスの流れ図である。一つ以上のコンピュータ又は一つ以上のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた、図1の通信システム100の一つ以上のモバイル機器104a-bのプロセッサ110b-cがプロセス500を実行してもよい。
【0071】
一つ以上のモバイル機器104a-bは、単一のモバイル機器104a若しくは104b又は複数のモバイル機器104aーbを有してもよい。モバイル機器104aーbは、アプリケーション起動要求を取得してもよい(502)。アプリケーション起動要求は、一つ以上のアプリケーション116a-bのうちの一つの初期化又は起動を要求する、一つ以上のモバイル機器104a-bのユーザインタフェース114b-cのユーザ入力であってもよい。例えば、ユーザは、アプリケーションショートカット又はアイコンを選択してもよく、これによって、プロセッサ110b-cは、選択したアプリケーション116a-bを実行するとともに初期化する。
【0072】
起動要求に応答して、モバイル機器104a-bは、アプリケーション116a-bをフォアグラウンド環境で実行する(504)。モバイル機器104a-bは、医療機器102とのセキュアな接続を試みるためにアプリケーション116a-bを介してユーザ入力を受信してもよい、又は、ペアリングアドレス若しくは識別子を用いることによって医療機器102を自動的に見つけるとともに医療機器102との接続を試みてもよい(506)。モバイル機器が医療機器102との接続を試みるとき、モバイル機器104a-bは、医療機器102にセキュアに接続することを試みるアプリケーションを識別するアプリケーション識別子及び/又は医療機器102にセキュアに接続することを試みるモバイル機器104a-bを識別するモバイル機器識別子を含むセキュアな接続要求を送信してもよい。
【0073】
アプリケーション及び/又はモバイル機器が医療機器102によって検証されると、医療機器102a-bは、ペアリングアドレス又は識別子を用いることによって医療機器102とペアリングする(508)とともに医療機器102とのセキュアな接続を確立する(510)。ペアリングアドレス又は識別子は、事前に格納されてもよい、事前に設定されてもよい、見つけられてもよい、又は、例えば、以前のペアリング若しくはセキュアな接続の確立から携帯機器104aーbによって既知であってもよい。携帯機器104a-bは、医療機器102とペアリングするとともにセキュアな接続を確立するためにペアリングアドレス又は識別子を用いる。一部の実現において、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bは、一つ以上のアプリケーション116a-bが医療機器102に予め登録された場合にペアリングアドレス又は識別子が送信されたときに自動的に医療機器102とペアリングする。
【0074】
医療機器102とのセキュアな通信チャネルが確立されると、モバイル機器104a-bは、高い優先度の情報の医療機器102への送信及び/又は医療機器102からの受信を行ってもよい(512)。高い優先度の情報は、薬物の投与、処方薬の投与又は他の処置に関連する重要なコマンド、重要な機能及び/又は重要な通知を含んでもよい。例えば、高い優先度の情報は、投与量又は量を伴うインスリンのような薬物を投与するためのスケジュールを含む重要なコマンドであってもよい。モバイル機器104a-bは、重要なコマンドを含むユーザ入力を、ユーザインタフェース114b-c及び実行されているアプリケーションを介して受信してもよい。この場合、モバイル機器104a-bは、ネットワークアクセス装置112b-cを介して、セキュアな通信チャネルを通じて重要なコマンドを送信する。他の例において、医療機器102は、医療機器102が利用できる薬物が存在しないという注意喚起又は薬物が投与される若しくは投与されるべきであることをユーザに通知する注意喚起のような重要な通知を、ネットワークアクセス装置112b-cを介して受信し、実行中のアプリケーションを介してユーザインタフェース114b-cに重要な通知を表示する。
【0075】
さらに、医療機器102とのセキュアな通信チャネルが確立されると、一つ以上のモバイル機器104a-bの一つ以上のアプリケーション116a-bは、代替アドレス又は識別子を取得してもよい(514)。代替アドレス又は識別子を、医療機器102又はアプリケーションを実行する一つ以上のモバイル機器104aーbの各モバイル機器のメモリ108b-cから取得してもよい。代替アドレス又は識別子は、一つ以上のアプリケーション116a-bがバックグラウンド環境で実行されるときに医療機器102を見つけるとともに低い優先度の情報を受け取るために用いられる。
【0076】
一つ以上のモバイル機器104a-bは、セキュアな通信チャネルを切り離してもよい(516)。モバイル機器104a-bが、ユーザがアプリケーション116a-bに関与することを意図しないことを表すユーザ入力を受信すると、一つ以上のモバイル機器104aーbは、アプリケーション116a-bと医療機器102の間のセキュアな通信チャネルを切り離してもよい。例えば、ユーザが、アプリケーション116a-bから離れてスワイプするとき、他のアプリケーション116a-bに切り替えるとき又はアプリケーション116a-bを選択するとき、モバイル機器104aーbは、アプリケーション116a-bと医療機器102の間のセキュアな通信チャネルを切り離してもよい。
【0077】
一つ以上のアプリケーション116a-bは、他のアプリケーション116a-bを用いるときに、アプリケーション116a-bを閉じているときに及び/又はセキュアな通信チャネルが切り離されるときにバックグラウンド環境で実行し続けてもよい(518)。これによって、一つ以上のアプリケーション116a-b及び/又は一つ以上のモバイル機器104a-bは、医療機器102が第2のアドレス又は識別子を用いることによってアドバタイズパケットを送信するときに医療機器102を見つけることができる。代替的に、一つ以上のアプリケーション116a-bがフォアグラウンド環境に切り替えられる場合、一つ以上のアプリケーション116a-bは、待ち時間より速く医療機器102に接続してもよい。さらに、一つ以上のモバイル機器104a-bは、代替アドレス又は識別子を用いることによって医療機器102を見つけるとともに低い優先度の情報を受信又は取得するためにアプリケーション116a-bをバックグラウンド環境で動作又は実行させてもよい。
【0078】
バックグラウンド環境で実行される一つ以上のアプリケーション116a-bを有する一つ以上のモバイル機器104aーbは、医療機器102から低い優先度の情報を取得してもよい(520)。低い優先度の情報は、医療機器102のソフトウェア及び/又はハードウェアの調子のステータスアップデートを有してもよく、ステータスアップデートを、ユーザインタフェース114b-cを介してユーザに表示又は提示してもよい。
【0079】
一つ以上のアプリケーション116a-bがバックグラウンド環境に存在するとともに所定の期間中に医療機器102を見つけないとき、一つ以上のアプリケーション116a-bは、ウェイクアップ信号を一つ以上のモバイル機器104a-bに供給するとともにスリープ状態に入ってもよい(522)。一つ以上のモバイル機器104aーbは、一つ以上のアプリケーション116a-bがスリープ状態にあるときに一つ以上のアプリケーション116a-bをメモリ108b-cから除去してもよい(524)。
【0080】
しかしながら、一つ以上のアプリケーション116a-bは、代替アドレス又は識別子を用いることによって医療機器102を見つける(526)とともに医療機器102が代替アドレス又は識別子と通信を行う一つ以上のアプリケーション116a-bをメモリ108b-cに戻してもよい(528)。一つ以上のアプリケーション116a-bがメモリ108b-cに戻される場合、一つ以上のアプリケーション116a-bは、バックグラウンド環境で再び動作してもよい。代替アドレス又は識別子を用いるときに、一つ以上のモバイル機器104aーbとの通信を医療機器102によって制限してもよい。
【0081】
明細書及び特許請求の範囲の全体を通じて用いる場合、「A又はBの少なくとも一つ」は、「A」のみ、「B」のみ又は「A及びB」を含む。方法/システムの例示的な実施の形態を、例示的なスタイルで開示した。したがって、全体を通じて用いた用語を、非限定的な方法で読まれるべきである。ここでの教示に対する僅かな変更が当業者に生じるとしても、ここで保証される特許の範囲内にあると意図されるものは技術に貢献される発展の範囲内に理想的に存在するそのような実施の形態の全てであり、添付した特許請求の範囲及びその等価物の観点を除いて当該範囲が限定されるべきでないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5