(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】ライトガイドを備えた喉頭鏡ブレード
(51)【国際特許分類】
A61B 1/267 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A61B1/267
(21)【出願番号】P 2021505192
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 US2019044016
(87)【国際公開番号】W WO2020050922
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-03-05
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515257519
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】エルバズ アヴィラム
(72)【発明者】
【氏名】テンバーニ ヴィシャル
(72)【発明者】
【氏名】サドリタブリジ アリレザ
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0234549(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0068854(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0036204(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第02537118(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0150878(US,A1)
【文献】特表2013-526324(JP,A)
【文献】特開平07-051217(JP,A)
【文献】米国特許第04556052(US,A)
【文献】特開平02-052630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/267
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の気道に挿入されるように構成された喉頭鏡ブレードであって、
上面、近位領域、遠位領域、及び前記近位領域から前記遠位領域に延びる長手方向中心線を有する舌圧子と、
前記舌圧子の前記近位端に設けられ、前記喉頭鏡ブレードを喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に結合するように構成されたコネクタベースと、
第1の端部及び第2の端部を有するライトガイドであって、前記第1の端部が弾性ファスナーによって前記コネクタベースに取り付けられ、前記第2の端部が前記患者の気道を照光するように構成される、ライトガイドと、
前記舌圧子の前記上面に隣接して、前記ライトガイドの一部を収容するように構成された空間を定める側壁を有するライトガイドハウジングと、
を備え、
前記ライトガイドの前記第2の端部は、
前記舌圧子の前記長手方向中心線に実質的に平行に配向された長手方向軸線を有し、前記ライトガイドの前記第2の端部から放出された光を前記舌圧子の前記遠位領域に向かって真っすぐ照光するように前方に真っすぐ向かって配向されている、喉頭鏡ブレード。
【請求項2】
前記ライトガイドハウジングは、前記舌圧子の前記上面から略垂直に延びる側壁と、前記側壁の端部から横方向に延びる上壁とを含む、階段状構成を有する、請求項1に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項3】
前記側壁、前記上壁の第1部分、及び前記舌圧子の前記上面の一部は、協働して、前記ライトガイドの一部を固定位置に収容して保持するように構成されたキャビティを定める、請求項2に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項4】
前記ハウジングに取り外し可能に取り付けられ、内部に保持された前記ライトガイドの部分を保護するために前記キャビティをシールするように構成されたカバーをさらに備える、請求項3に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項5】
前記カバーは、前記ハウジングの中に保持された前記ライトガイドの前記部分へのアクセスを防ぐために、前記喉頭鏡ブレードの一部の上に取り外し可能にスナップ嵌めされるように構成される、請求項4に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項6】
前記カバーは、前記キャビティの中に配置された対応する取り付け穴に嵌まり込んで係合するように構成されたスナップ嵌め突起を含む、請求項4又は5に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項7】
前記カバーは、前記カバーを前記キャビティ上にしっかり取り付けられた位置で前記ハウジングと係合するように構成された可撓性タブをさらに含む、請求項4から6のいずれかに記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項8】
前記ハウジングの前記側壁及び前記舌圧子の前記上面は、協働して長手方向の経路を形成し、前記経路は、施術者が前記ブレードの長さに沿って目視して結果として前記患者の喉頭をのぞき込むのを可能にし、さらに気管内チューブの挿管のための通路をもたらすように構成される、請求項1乃至7の何れか1項に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項9】
前記ライトガイドハウジングは、前記舌圧子の前記遠位領域への照光を行うために前記ライトガイドの前記遠位端が貫通するライトガイド通路を定める
出口開口を有する端壁をさらに含む、請求項1乃至8の何れか1項に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項10】
前記遠位領域で前記舌圧子の前記上面から延び、前記端壁及び前記上壁の第2部分の両方に結合した保持壁をさらに備える、請求項
9に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項11】
前記端壁、前記出口開口、及び前記保持壁は、咽頭鏡検査の間に又は挿管手技の間に口腔咽頭空間を照光するために、前記ライトガイドの前記遠位端を前記舌圧子の前記長手方向軸線に平行な方向で前記舌圧子の前記遠位領域に向かって真っ直ぐ延びるよう位置付けるように構成される、請求項
10に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項12】
前記ライトガイドハウジングは、前記舌圧子の長手方向の縁部から延び、内部に前記ライトガイドの一部を安定的に収容して保持するように構成された半円形断面の経路を定める側壁を有する、請求項1に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項13】
前記ライトガイドハウジングは、前記遠位領域で前記舌圧子から延び、ライトガイドの遠位端を収容して保持するように構成された半円形断面を有する保持壁をさらに含む、請求項
12に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項14】
反対向きの前記側壁と前記保持壁との間に設けられ、前記ライトガイドの前記遠位端が貫通して延びると共に前記舌圧子の前記遠位領域を照光するよう配向されるように配置された出口開口をさらに備え、前記ライトガイドの前記遠位端の長手方向軸線は、前記喉頭鏡舌圧子の長手方向中心線に実質的に平行になっている、請求項
13に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項15】
前記コネクタベースは、
前記喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に係合するように構成された後方ヒール部及び前方爪部を含む、請求項1乃至
14の何れか1項に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項16】
前記ライトガイドは、前記ハウジングの中に収まるように構成され、前記ブレードの前記遠位領域から前記ブレードの前記近位領域及び前記ヒール部の底部まで延びる、請求項
15に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項17】
内部に前記ライトガイドの前記近位端を緊密かつしっかりと収容するように構成された環状弾性ファスナーをさらに備える、請求項
15又は16に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項18】
前記ファスナーは、前記ヒール部の底面から延びるリップを含み、前記ライトガイドの前記近位端は、同様に前記ヒール部の前記底面から延びるようになっている、請求項
17に記載の喉頭鏡ブレード。
【請求項19】
前記ファスナーの前記リップ部は、裁頭円錐形を有する、請求項
18に記載の喉頭鏡ブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年7月30日出願の米国仮出願番号62/711,859号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般的に喉頭鏡ハンドルと共に使用するための喉頭鏡ブレードに関し、より詳細には、患者の気道を照光するためのライトガイドを有する喉頭鏡ブレードに関する。
【背景技術】
【0003】
喉頭鏡は、口腔、特に喉頭領域の観察を助けるデバイスの一種である。このデバイスは、一般的に患者の喉頭の中にチューブを配置するのを助けるために使用される。正確な配置を得るために、喉頭鏡は、目視観察のために喉頭蓋に係合して喉頭を見えるようにすると同時に、患者の舌を押さえる能力をもつ必要がある。また、喉頭鏡は、喉頭の全体検査にも有用である。一般に、喉頭鏡の主要機能は、気管内チューブの挿入を容易にするために喉頭を露わにする機能である。
【0004】
ハンドルに隣接する喉頭鏡ブレードの表面は、舌及び下顎に押し付けられ、このような手技において喉頭を露わにするようになっており、ブレードの反対面は、患者の上の前歯に対向して位置付けられる。例えば、ハンドルに隣接するブレード表面は、患者の舌が喉頭の目視検査を妨げるのを防ぐために、仰臥位で患者の舌及び下顎を圧迫するために使用される。これらの機能は、検査領域の局所的な照光をもたらすために喉頭鏡ブレードと共に使用されるライトガイドを用いることによって著しく促進される。
【0005】
多くの従来の喉頭鏡には、いくつかの欠点及び不備がある。例えば、従来の喉頭鏡において、ライトガイドの近位端はハンドル内の光源に接続され、ライトガイドの遠位端はブレードの一部を照光するように構成されている。しかしながら、ライトガイドの一部は、この配置を実現するために一般に曲げられ、結果としてライトガイドの遠位端から放出される光の強度が低下する。さらに、従来の喉頭鏡において、ブレード先端などのブレードの一部は、ライトガイドの遠位端の向きに起因して一部だけが照光される場合がある。従って、従来の喉頭鏡は、一般に小さな又は限られた照光領域をもつ。加えて、従来の喉頭鏡において、ブレードの対するライトガイドの配置は、一般に使用時に施術者の視野を妨げるだけでなく挿管時に気管内チューブに干渉する。さらに、従来の喉頭鏡において、ライトガイドは、多くの場合完全に露出し、その結果、ライトガイドは使用時に汚染又は損傷の影響を受けやすい。ライトガイドの露出部又はライトガイドを固定するブレード部分は、挿入時に患者の外傷をもたらす可能性があるので使用時に患者に有害である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、特に上記の問題を解決するものである。従って、本開示のかかる喉頭鏡は、ライトガイドから放出される光の強度及び向きが、医者が患者へ害を与えることなく最小時間で良好な挿管を行うのを可能にするのに重要な要素である状況での使用で作動可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の必要性の大部分は本開示によって満たされ、喉頭鏡ブレードは、患者の気道に挿入されるように構成され、上面、近位領域、遠位領域、及び近位領域から遠位領域に延びる長手方向中心線を有する舌圧子と;舌圧子の近位端に設けられ、喉頭鏡ブレードを喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に結合するように構成されたコネクタベースと;第1の端部及び第2の端部を有するライトガイドであって、第1の端部が弾性ファスナーによってコネクタベースに取り付けられ、第2の端部が患者の気道を照光するように構成される、ライトガイドと:舌圧子の上面に隣接して、ライトガイドの一部を収容するように構成された空間を定める側壁を有するライトガイドハウジングと;を備え、ライトガイドの第2の端部は、ライトガイドの第2の端部から放出された光が舌圧子の先端に直接向かって配向されるように、舌圧子の長手方向中心線に実質的に平行に配向された長手方向軸線を有する。
【0008】
別の態様において、ライトガイドハウジングは、舌圧子の上面から略垂直に延びる側壁と、側壁の端部から横方向に延びる上壁とを含む階段状構成を有する。
【0009】
別の態様において、側壁、上壁の第1部分、及び舌圧子の上面の一部は、協働して、ライトガイドの一部を固定位置に収容して保持するように構成されたキャビティを定める。
【0010】
別の態様において、喉頭鏡は、ハウジングに取り外し可能に取り付けられ、内部に保持されたライトガイドの部分を保護するためにキャビティをシールするように構成されたカバーをさらに備える。
【0011】
別の態様において、カバーは、ハウジングの中に保持されたライトガイドの部分へのアクセスを防ぐために、喉頭鏡ブレードの一部の上に取り外し可能にスナップ嵌めされるように構成される。
【0012】
別の態様において、カバーは、キャビティの中に配置された対応する取り付け穴に嵌まり込んで係合するように構成されたスナップ嵌め突起を含む。
【0013】
別の態様において、カバーは、カバーをキャビティ上にしっかり取り付けられた位置でハウジングと係合するように構成された可撓性タブをさらに含む。
【0014】
別の態様において、ハウジングの側壁及び舌圧子の上面は、協働して長手方向の経路を形成し、経路は、施術者がブレードの長さに沿って目視して結果として患者の喉頭をのぞき込むのを可能にし、さらに気管内チューブの挿管のための通路をもたらすように構成される。
【0015】
別の態様において、ライトガイドハウジングは、舌圧子の遠位領域への照光を行うためにライトガイドの遠位端が貫通するライトガイド通路を定める開口を有する端壁をさらに含む。
【0016】
別の態様において、喉頭鏡は、遠位領域で舌圧子の上面から延び、端壁及び上壁の第2部分の両方に結合した保持壁をさらに備える。
【0017】
別の態様において、端壁は、ライトガイドの遠位端が貫通する出口開口を有する。
【0018】
別の態様において、端壁、出口開口、及び保持壁は、咽頭鏡検査の間に又は挿管手技の間に口腔咽頭空間を照光するために、ライトガイドの遠位端を舌圧子の長手方向軸線に平行な方向で舌圧子の遠位領域に向かって真っ直ぐ延びるよう位置付けるように構成される。
【0019】
別の態様において、ライトガイドハウジングは、舌圧子の長手方向の縁部から延び、内部にライトガイドの一部を安定的に収容して保持するように構成された半円形断面の経路を定める側壁を有する。
【0020】
別の態様において、ライトガイドハウジングは、遠位領域で舌圧子から延び、ライトガイドの遠位端を収容して保持するように構成された半円形断面を有する保持壁をさらに含む。
【0021】
別の態様において、反対向きの側壁と保持壁との間に設けられ、ライトガイドの遠位端が貫通して延びると共に舌圧子の遠位領域を照光するよう配向されるように配置された出口開口をさらに備え、ライトガイドの遠位端の長手方向軸線は、喉頭鏡舌圧子の長手方向中心線に実質的に平行になっている。
【0022】
別の態様において、コネクタベースは、喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に係合するように構成された後方ヒール部及び前方爪部を含む。
【0023】
別の態様において、ライトガイドは、ハウジングの中に収まるように構成され、ブレードの遠位領域からブレードの近位領域及びヒール部の底部まで延びる。
【0024】
別の態様において、喉頭鏡は、内部にライトガイドの近位端を緊密かつしっかりと収容するように構成された環状弾性ファスナーをさらに備える。
【0025】
別の態様において、ファスナーは、ヒール部の底面から延びるリップを含み、ライトガイドの近位端は、同様にヒール部の底面から延びるようになっている。
【0026】
別の態様において、ファスナーのリップ部は、裁頭円錐形を有する。
【0027】
本開示の特定の実施形態は、本明細書の詳細な説明をより理解できるように及び本技術に対する現在の貢献をより認められるように概説されている。以下に説明されかつ添付の特許請求の範囲の主題を成す本開示の追加の実施形態が存在する。
【0028】
この点に関し、本開示の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その用途が以下の説明に記載され又は図面に示される構成要素の構成の細部及び配置に限定されないことは理解されるべきである。本開示は、説明する実施形態の加えて複数の実施形態を有することができ、種々の方法で具体化されて実施されることが可能である。また、理解されるべきこととして、本明細書並びに要約書において採用される語句及び用語は、説明の目的のためであって、本発明を限定するものとみなされるべきではない。
【0029】
従って、当業者であれば、本開示の基礎をなす概念を本開示の幾つかの目的を実施するための他の構造、方法、及びシステムの設計のための基礎として容易に利用できることが理解されよう。従って、請求項は、本開示の精神及び範囲から逸脱しない限り、かかる均等構成例を含むものと解されることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の実施構成による喉頭鏡ブレードを示す左側立面図である。
【
図2】
図1の喉頭鏡ブレードを示す右側立面図である。
【
図3】
図1の喉頭鏡ブレードを示す前側立面図である。
【
図4】
図1の喉頭鏡ブレードを示す後側立面図である。
【
図5】
図1の喉頭鏡ブレードを示す上部平面図である。
【
図6】
図1の喉頭鏡ブレードを示す底部平面図である。
【
図7】
図1の喉頭鏡ブレードを示す後方斜視図である。
【
図8】
図1の喉頭鏡ブレードを示す前方斜視図である。
【
図9】
図1の喉頭鏡ブレードのスナップ式カバーなしの側面立面図である。
【
図10】
図1の喉頭鏡ブレードのためのスナップ式カバーの斜視図である。
【
図11】
図1の喉頭鏡ブレードのコネクタベースの部分断面図である。
【
図12】本開示の他の実施構成による喉頭鏡ブレードを示す右側立面図である。
【
図20】
図12の喉頭鏡ブレードのコネクタベースの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、全体を通して同じ要素が同じ参照番号で示される図面を参照して以下に説明される。本開示による1又は2以上の実施形態は、患者の気道通路に挿入されるように構成される喉頭鏡ブレードを備える。喉頭鏡ブレードは、さらに喉頭鏡ハンドル(図示せず)に取り外し可能に取り付けられ、挿管を助ける作動的な略L型構成を形作るように構成される。
【0032】
詳細には、
図1-11は、本開示による略湾曲型の喉頭鏡ブレード10の実施構成を示す。喉頭鏡ブレード10は、金属、プラスチック、又はその複合材から作ることができる。例えば、ブレード10は、オーステナイトステンレス鋼から作ること、又は生体適合性プラスチックから作ることができる。さらに、喉頭鏡ブレード10は、各使用の間の潜在的な汚染を防ぐために使い捨て設計とすることができる。喉頭鏡ブレード10は、上面13及び底面14を有する喉頭鏡舌圧子12を含む。喉頭鏡舌圧子12は、長手方向中心線15、作動的な略L型構成で喉頭鏡ハンドルに隣接する近位領域16及び喉頭鏡ハンドルから離れた遠位領域17をさらに有する。舌圧子12の遠位領域17は、患者の気道通路の中への挿入の間に患者の外傷を阻止又は最小にするための丸い縁部を有する先端18で終端する。
【0033】
また、喉頭鏡ブレード10は、作動構成の場合に舌圧子12の遠位領域17で照光を行うための照光装置を含む。照光装置は、ハンドルに取り付けられた電球などの光源及びブレードに取り付けられたライトガイド30を含み、ライトガイド30は、例えば、光源から舌圧子の遠位領域17へ照明光を伝送するために内部に設けられた光ファイバーケーブル又は光ファイバーケーブル束を有するポリマーベースの可撓性キャリアチューブである。より詳細には、ライトガイド30は、光源につながるように構成された近位端32と、患者の喉頭又は食道の目視検査を助けるために舌圧子12の遠位領域17を照光するように構成された遠位端33とを含む。種々の形式の光源を照明システムの中に組み込み得ることを理解されたい。例えば、光源は、ハンドルの中に取り付けること、及び特に発光ダイオード(LED)、ハロゲン球、クリプトン球、及び/又はキセノン球を含むことができる。一部の実施構成において、光源は、喉頭鏡ブレードの中に位置することができる。光源に電力を供給するバッテリなどの電源は、ハンドル内に設けることができる。
【0034】
喉頭鏡ブレード10の近位領域16は、喉頭鏡ブレード10を喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に係合するためにスナップ嵌め構成を有するコネクタベース20を含む。喉頭鏡ハンドルは再使用可能であり、バッテリなどの電源及び電球などの光源を保持するように構成されている把持可能なハウジングを含む。光源及び電源は、喉頭鏡ブレードの一部が電球を取り囲むハンドル上端の取付け端部上の導体と接触すると作動するように構成されている。
【0035】
ライトガイドハウジング40は、舌圧子12に結合する。詳細には、ライトガイドハウジング40は、舌圧子の上面13から略垂直に延びる側壁41と、側壁41の縁部から横方向に延びかつ舌圧子12の輪郭に近似する輪郭を有する上壁42とを含む階段状構成を有する。上壁42は、ブレードの近位領域16から遠位領域17に向かって延びる湾曲フランジを形成することができる。側壁41及び上壁42の第1部分42aは、舌圧子12の上面13の一部と共にキャビティ44を定め、キャビティ44は、ライトガイド30の一部を固定位置に収容して保持するように構成される。以下でさらに詳細に説明するように、カバー50は、内部に保持されたライトガイド30を保護する目的ですなわち損傷から及び/又は汚染が生じないように保護する目的でキャビティ44をシールするためにハウジングに取り外し可能に取り付けることができる。また、ハウジング40の側壁41及び舌圧子12の上面13は、協働して長手方向の経路19を形成し、この経路は、施術者がブレードの長さに沿って目視して結果として患者の喉頭をのぞき込むのを可能にし、さらに気管内チューブの挿管のための通路をもたらすように構成される。
【0036】
ライトガイドハウジング40は、ライトガイド通路を定める開口47を有する端壁46をさらに含み、ライトガイド30の遠位端33は、ブレード10の遠位領域17を照光するためにライトガイド通路を貫通して延びることができる。保持壁48は、遠位領域17で舌圧子の上面13から延びており、端壁46及び上壁42の第2部分42bの両方に結合する。保持壁48及び上壁42の第2部分42bは、湾曲した遠位シェル部を定める。端壁46は遠位方向に向き、ライトガイド24が配置される出口開口47を有しているので、ライトガイド30の遠位端33は、出口開口から現れることができる。詳細には、端壁46は、側壁41と保持壁48との間に斜めに配置され、側壁41及び保持壁48の両方に結合する。上壁の第1部分42a及び上壁の第2部分42bは、連続面を形成する。例えば
図5に示すように、端壁46、出口開口47、及び保持壁48は、ライトガイド30の遠位端33を、舌圧子12の遠位領域17に向かって真っ直ぐ延びるように、より詳細には、舌圧子の長手方向軸線に平行な方向にブレード先端18に向かって真っ直ぐ延びるように配置するよう構成される。特に、ライトガイド30の遠位端33での長手方向軸線35は、所定の領域を直接真っ直ぐ照光するために、喉頭鏡舌圧子12の長手方向中心線15と実質的に平行である。従って、喉頭鏡10の使用時、結果的に咽頭鏡検査の間に又は挿管手技の間にも口腔咽頭空間を照光することができる。さらに、ライトガイド30は、コネクタベース20の縦方向に対して中心に置かれ、ライトガイドが横方向に曲がらずブレードの表面に適合するようになっている。その結果、ライトガイドの遠位端30から放出される光の強度は低下しない。さらに、この構成は、ブレードの表面を横切る方向に向かって横方向に曲がり結果として施術者の視野を不明瞭にする従来のライトガイドよりも優れた良好な視野を施術者にもたらす。
【0037】
カバー50は、喉頭鏡本体の一部上に取り外し可能にスナップ嵌めされるように配置してハウジング40の中に保持されたライトガイド30の部分へのアクセスを防ぐようにすることができる。詳細には、スナップ嵌めカバー50は、キャビティ44の上に位置し、キャビティの中に位置する対応する取り付け穴に嵌まり込んで係合するように構成されたスナップ嵌め突起52を含む。ブレード10に嵌合すると、突起52は、スナップ式カバー50のその後の取り外しを防ぐ。また、突起52の構成は、ライトガイド30を所定位置にしっかり保持するためのガイドとして機能することができる。換言すると、突起52及び対応する取り付け穴の位置は、遠位端から放出される光の強度が低下するのを防ぐためにライトガイドが過度に曲がらないように、及びライトガイドを横方向に曲げることなくブレード先端に向かって所定の前方向に向いた状態でライトガイドの遠位端を保持するために、キャビティ44内のライトガイド30の形を案内する。さらに、カバー50は、カバー50をキャビティ上にしっかり取り付けられた状態にするために、ハウジングと接触する留め金として機能するように構成された可撓性タブ54を含むこともできる。
【0038】
コネクタベース20は、喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に係合するように構成された後方ヒール部22及び前方爪部24を含む。ライトガイド30は、ハウジング40の中に適合するように曲げることができ、ブレード10の遠位領域17からブレードの近位領域16まで、より詳細には、ヒール部22の底部まで延びる。ライトガイド30の近位端32は、ヒール部22に形成された垂直方向に延在するスロット23を通って下向きに曲がる。PVC又は他の適切な弾性材料で作ることができる弾性カラーなどの環状弾性ファスナー25は、内部にライトガイド30の近位端32を緊密かつしっかりと収容することができる。
図11に示すように、ファスナー25は、ヒール部22の垂直方向に延在するスロットにしっかりと収容され、ヒール部22の底面から延びるリップ25aを含み、ライトガイド30の近位端32が同様にヒール部22の底面から延びるようになっている。喉頭鏡ブレード10が作動的なL型配置でハンドルに取り付けられると、ファスナー25の弾性リップ25aは、これに対応してその間で押しつぶされ、それによって喉頭鏡ブレードとハンドルとの間の公差を低減して使用時の安定した接続を保証する。ある態様では、ファスナー25のリップ部25aは、ハンドル上のコネクタベース20の位置合わせを助けるために裁頭円錐形とすることができる。
【0039】
爪部24は、ブレード10をハンドルに枢動自在に取り付けることによって組み付ける際に、喉頭鏡ハンドルの横ピンを受け入れるように構成された傾斜スロットを定める。第1のばね付勢ポペット26は、ヒール部22内に設けられ、横ピンの上部と弾性的に係合して組立体を共に保持するのを助けるために傾斜スロットに露出する。一対の第2のばね付勢ポペット27は、ヒール部22内に設けられ、ヒール部のそれぞれの側面から横方向に延び、組立体を共に保持するのを助けるためにハンドル内の嵌合戻り止めに係合する。ヒール部22は、ブレードがハンドルに作動的に結合された場合に、ハンドル内に位置する光源から放出された光が施術者の目の中に入るのを阻止するように構成された突出部をさらに含む。換言すると、このヒール部22上の突出部は、喉頭鏡を患者に使用する間に光源からのまぶしい光が施術者の視覚に影響を与えるのを防ぐために、ハンドルとブレードとの間の隙間を閉じるように動作可能である。
【0040】
図12から20は、本開示による喉頭鏡ブレード100の別の実施構成を示す。喉頭鏡ブレード100は、患者の気道通路の中に挿入されるように構成される。喉頭鏡ブレード100は、さらに喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に取り付けられ、挿管を助ける作動的な略L型構成を形作るように構成される。
【0041】
詳細には、
図12から20は、本開示による略直線型の喉頭鏡ブレード100の実施構成を示す。喉頭鏡ブレード100は、金属、プラスチック、又はその複合材から作ることができる。例えば、ブレード100は、オーステナイトステンレス鋼から作ること、又は生体適合性プラスチックから作ることができる。さらに、喉頭鏡ブレード100は、各使用の間の潜在的な汚染を防ぐために使い捨て設計とすることができる。喉頭鏡ブレード100は、凹形の上面113及び凸形の底面114を有する喉頭鏡舌圧子112を含む。喉頭鏡舌圧子112は、長手方向中心線115、作動的な略L型構成で喉頭鏡ハンドルに隣接する近位領域116及び喉頭鏡ハンドルから離れた遠位領域117をさらの有する。舌圧子112の遠位領域117は、患者の気道通路の中への挿入の間に患者の外傷を阻止又は最小にするための丸い縁部を有する先端118で終端する。
【0042】
また、喉頭鏡ブレード100は、作動構成の場合に舌圧子112の遠位領域117で照光を行うための照光装置を含む。照光装置は、ハンドルに取り付けられた電球などの光源及びブレードに取り付けられたライトガイド130を含み、ライトガイド130は、例えば、光源から舌圧子の遠位領域117へ照明光を伝送するために内部に設けられた光ファイバーケーブル又は光ファイバーケーブル束を有するポリマーベースの可撓性キャリアチューブである。より詳細には、ライトガイド130は、光源につながるように構成された近位端132と、患者の喉頭又は食道の目視検査を助けるために舌圧子112の遠位領域117を照光するように構成された遠位端133とを含む。種々の形式の光源を照明システムの中に組み込み得ることを理解されたい。例えば、光源は、ハンドルの中に取り付けること、及び特に発光ダイオード(LED)、ハロゲン球、クリプトン球、及び/又はキセノン球を含むことができる。一部の実施構成において、光源は、喉頭鏡ブレードの中に位置することができる。光源に電力を供給するバッテリなどの電源は、ハンドル内に設けることができる。
【0043】
喉頭鏡ブレード110の近位領域116は、喉頭鏡ブレード110を喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に係合するためにスナップ嵌め構成を有するコネクタベース120を含む。喉頭鏡ハンドルは再使用可能であり、バッテリなどの電源及び電球などの光源を保持するように構成されている把持可能なハウジングを含む。光源及び電源は、喉頭鏡ブレードの一部が電球を取り囲むハンドル上端の取付け端部上の導体と接触すると作動するように構成されている。
【0044】
ライトガイドハウジング140は、舌圧子112に結合する。詳細には、ライトガイドハウジング140は、舌圧子112の長手方向縁部から延びる側壁141を有する。側壁141は、内部でライトガイド130の一部を安定的に収容して保持するように構成された半円形断面の経路144を定める。特に、側壁141は、ライトガイド130が収容される経路を形成する凹状面を有する。平らな上壁142は、側壁141の縁部から横方向に舌圧子112の一部を横切る方向に延び、結果としてほぼ平らなフランジを形成する。また、生体適合性接着剤は、ライトガイドを所定位置にしっかり保持するのをさらに保証するために、ライトガイド130と半円形の経路144との間に塗布することができる。また、ハウジング140の側壁141の凸状部及び舌圧子112の凹状上面113は、協働して長手方向の経路119を形成し、この経路は、施術者がブレードの長さに沿って目視して結果として患者の喉頭をのぞき込むのを可能にし、さらに気管内チューブの挿管のための通路をもたらすように構成される。
【0045】
ライトガイドハウジング140は、遠位領域117で舌圧子112から延びて上壁142に結合する保持壁148をさらに含む。側壁141と同様に、保持壁148は、ライトガイドの遠位端130を収容して保持するように構成された半円形断面を有する。詳細には、保持壁148の凹状部は、側壁141の凹状部が向く方向に対して反対の方向に向いている。反対向きの側壁141と保持壁148との間に設けられた出口開口147は、ライトガイド130の遠位端133がこれを貫通して現れ、舌圧子112の遠位領域117に向かって真っ直ぐに照光するように、より詳細にはブレード先端118に向かって真っ直ぐに延びるように配向することができるように配置される。詳細には、
図16に示すように、ライトガイド130の遠位端133での長手方向軸線135は、前方の所定の領域を直接照光するために、喉頭鏡舌圧子112の長手方向中心線115と実質的に平行である。従って、側壁141及び保持壁148の反対向きの各凹状部によって形成された相補的な経路又は溝は、治療時に、ブレードの長手方向長さに沿って真っ直ぐにライトガイドの遠位端130を向けるのを助ける。従って、喉頭鏡110の使用時、結果的に咽頭鏡検査の間に又は挿管手技の間にも口腔咽頭空間を照光することができる。さらに、ライトガイド130は、コネクタベース120の縦方向に対して中心に置かれ、ライトガイドが横方向に曲がらずブレードの表面に適合するようになっている。その結果、ライトガイドの遠位端130から放出される光の強度は低下しない。さらに、この構成は、ブレードの表面を横切る方向に向かって横方向に曲がり結果として施術者の視野を不明瞭にする従来のライトガイドよりも優れた良好な視野を施術者にもたらす。
【0046】
コネクタベース120は、喉頭鏡ハンドルに取り外し可能に係合するように構成された後方ヒール部122及び前方爪部124を含む。ライトガイド130は、ハウジング140の中に適合するように曲げることができ、ブレード110の遠位領域117からブレードの近位領域116まで、より詳細には、ヒール部122の底部まで延びる。ライトガイド130の近位端132は、ヒール部122に形成された垂直方向に延在するスロット123を通って下向きに曲がる。PVC又は他の適切な弾性材料で作ることができる弾性カラーなどの環状弾性ファスナー125は、内部にライトガイド130の近位端132を緊密かつしっかりと収容することができる。
図20に示すように、ファスナー125は、ヒール部122の垂直方向に延在するスロットにしっかりと収容され、ヒール部122の底面から延びるリップ125aを含み、ライトガイド130の近位端132が同様にヒール部122の底面から延びるようになっている。喉頭鏡ブレード110が作動的なL型配置でハンドルに取り付けられると、ファスナー125の弾性リップ125aは、これに対応してその間で押しつぶされ、それによって喉頭鏡ブレードとハンドルとの間の公差を低減して使用時の安定した接続を保証する。ある態様では、ファスナー125のリップ部125aは、ハンドル上のコネクタベース120の位置合わせを助けるために裁頭円錐形とすることができる。
【0047】
爪部124は、ブレード110をハンドルに枢動自在に取り付けることによって組み付ける際に、喉頭鏡ハンドルの横ピンを受け入れるように構成された傾斜スロットを定める。第1のばね付勢ポペット126は、ヒール部122内に設けられ、横ピンの上部と弾性的に係合して組立体を共に保持するのを助けるために傾斜スロットに露出する。一対の第2のばね付勢ポペット127は、ヒール部122内に設けられ、ヒール部のそれぞれの側面から横方向に延び、組立体を共に保持するのを助けるためにハンドル内の嵌合戻り止めに係合する。ヒール部122は、ブレードがハンドルに作動的に結合された場合に、ハンドル内に位置する光源から放出された光が施術者の目の中に入るのを阻止するように構成された突出部をさらに含む。換言すると、このヒール部122上の突出部は、喉頭鏡を患者に使用する間に光源からのまぶしい光が施術者の視覚に影響を与えるのを防ぐために、ハンドルとブレードとの間の隙間を閉じるように動作可能である。
【0048】
さらに、本明細書に記載の喉頭鏡ブレードの実施構成の各々は、亜鉛合金及び粉体コーティングで構成することができ、使い捨て又は1回使用を目的として設計することができる。
【0049】
本開示の多くの特徴及び利点は詳細な説明の記載から明らかであり、従って、本開示の真の精神及び範囲内に入る本開示のすべての特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。さらに、多数の修正及び変形が当業者には容易に思い浮かぶので、図示及び記述したまさにその構造及び動作に本開示を限定することは望ましくなく、従って、すべての適切な修正及び均等物が、本発明の範囲内に入るとして再選出されることができる。例えば、図面に示した特定の喉頭鏡ブレードは、様々な異なる状況で使用することができる多数の異なる形のブレードの単なる例でなので、本開示は、例示されたブレードだけでなく全ての形態の喉頭鏡ブレード装置に及ぶことができる。
【符号の説明】
【0050】
10 喉頭鏡ブレード
12 舌圧子
16 近位領域
17 遠位領域
18 先端
20 コネクタベース
24 ライトガイド
26 第1のばね付勢ポペット
27 第2のばね付勢ポペット
40 ハウジング
50 カバー