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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】高圧燃料ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/36 20060101AFI20221102BHJP
   F02M 59/44 20060101ALI20221102BHJP
   F02M 59/46 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
F02M59/36 E
F02M59/44 D
F02M59/46 Y
F02M59/36 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021514803
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2020004725
(87)【国際公開番号】W WO2020213234
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2019079054
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田村 真悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】小倉 清隆
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015223965(DE,A1)
【文献】特開2008-163948(JP,A)
【文献】特開2014-141896(JP,A)
【文献】特開2012-082849(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0065089(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 59/36
F02M 59/44
F02M 59/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入弁を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
ロッド部と、
前記ロッド部と一体で形成される弁体部と、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記第2ガイド部は、前記弁体部の先端側に形成された凸部の外周をガイドする高圧燃料ポンプ。
【請求項2】
請求項に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記弁体部の最外径に対し、
前記凸部の外径が小さくなるように構成した高圧燃料ポンプ。
【請求項3】
吸入弁を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
ロッド部と、
前記ロッド部と一体で形成される弁体部と、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記電磁吸入弁機構は、前記弁体部が着座する吸入弁シート部材を備え、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが同軸に構成され、
前記第1ガイド部は前記吸入弁シート部材により構成される高圧燃料ポンプ。
【請求項4】
請求項に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記吸入弁シート部材と別部材で形成される弁体ハウジング部を備え、
前記第2ガイド部は前記弁体ハウジング部により構成される高圧燃料ポンプ。
【請求項5】
吸入弁を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
ロッド部と、
前記ロッド部と一体で形成される弁体部と、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、備え、
前記電磁吸入弁機構は、相互に磁気吸引力を発生するアンカー及び磁気コアを備え、
開弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが当接し、閉弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが離間し、前記アンカーと前記ロッド部との間に隙間が生じる高圧燃料ポンプ。
【請求項6】
アンカー、磁気コア、吸入弁及び吸入弁シート部材を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
前記吸入弁シート部材と当接して燃料をシートする弁体部と、前記弁体部から前記アンカーの側に向けて延伸されるロッド部とが常時一体で動作するように固定され、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記第2ガイド部は、前記弁体部の先端側に形成された凸部の外周をガイドする高圧燃料ポンプ。
【請求項7】
アンカー、磁気コア、吸入弁及び吸入弁シート部材を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
前記吸入弁シート部材と当接して燃料をシートする弁体部と、前記弁体部から前記アンカーの側に向けて延伸されるロッド部とが常時一体で動作するように固定され、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記電磁吸入弁機構は、前記弁体部が着座する吸入弁シート部材を備え、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが同軸に構成され、
前記第1ガイド部は前記吸入弁シート部材により構成される高圧燃料ポンプ。
【請求項8】
アンカー、磁気コア、吸入弁及び吸入弁シート部材を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
前記吸入弁シート部材と当接して燃料をシートする弁体部と、前記弁体部から前記アンカーの側に向けて延伸されるロッド部とが常時一体で動作するように固定され、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、備え、
前記電磁吸入弁機構は、相互に磁気吸引力を発生するアンカー及び磁気コアを備え、
開弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが当接し、閉弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが離間し、前記アンカーと前記ロッド部との間に隙間が生じる高圧燃料ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入弁機構を備えた高圧燃料ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2017-96216号公報(特許文献1)に記載された高圧燃料供給ポンプが知られている。特許文献1の高圧燃料供給ポンプは、電磁駆動型吸入弁機構を備え、特許文献1の段落0018-0021には下記の構成が記載されている。電磁駆動型吸入弁機構は電磁的に駆動されるプランジャロッドを備える。プランジャロッドの先端にはバルブが設けられ、バルブはバルブハウジングに形成されたバルブシートと対面している。プランジャロッドの他端には、プランジャロッド付勢ばねが設けられており、バルブがバルブシートから離れる方向(開弁方向)にプランジャロッドを付勢している。バルブハウジングの先端側の外周部にはバルブストッパが固定されている。
バルブストッパはバルブ203の開弁方向への移動を規制する部材である。バルブとバルブストッパとの間にはバルブ付勢ばねが配置されており、バルブはバルブ付勢ばねによってバルブストッパから離れる方向(閉弁方向)に付勢されている。バルブとプランジャロッドの先端とは互いに反対方向にそれぞれのばねで付勢されているが、プランジャロッド付勢ばねの方が強いばねで構成されているので、プランジャロッドがバルブ付勢ばねの力に抗してバルブをバルブシートから離れる方向に押し、結果的にバルブをバルブストッパに押し付けている。
【0003】
プランジャロッドとバルブとは固定されておらず、プランジャロッドの先端はバルブから離れることができるように寸法が規定されている(段落0045)。バルブストッパは中心部にバルブの有底筒状部側に突出する円筒面部を備えた突出部を有し、円筒面部がバルブの軸方向へのストロークをガイドするガイド部として機能する。(段落0047)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-96216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の高圧燃料供給ポンプは、電磁駆動型吸入弁機構のプランジャロッドとバルブとが固定されておらず、バルブはバルブストッパの突出部に設けられた円筒面部によって軸方向へのストロークがガイドされる構成である。この場合、バルブの軸方向における動作を安定化させるためには、円筒面部の軸方向長さを長くする必要があるが、円筒面部の軸方向長さを長くすると、吸入弁機構の大型化を招くことになる。言い換えると、円筒面部の軸方向長さを短くすると、バルブの軸方向における直進動作が不安定になり、バルブは傾きが生じた状態でバルブシートに当接することになる。この場合、バルブ(吸入弁)またはバルブシート(吸入弁シート)のシート部における損耗が激しくなり、吸入弁機構の耐久性を低下させ、早期に油密性能の低下を招くことになる。
【0006】
本発明の目的は、吸入弁の動作を安定化させることにより、吸入弁機構の耐久性または油密性能の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
吸入弁を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
ロッド部と、
前記ロッド部と一体で形成される弁体部と、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、備え
前記第2ガイド部は、前記弁体部の先端側に形成された凸部の外周をガイドする
また上記の課題を解決するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
吸入弁を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
ロッド部と、
前記ロッド部と一体で形成される弁体部と、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記電磁吸入弁機構は、前記弁体部が着座する吸入弁シート部材を備え、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが同軸に構成され、
前記第1ガイド部は前記吸入弁シート部材により構成される。
また上記の課題を解決するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
吸入弁を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
ロッド部と、
前記ロッド部と一体で形成される弁体部と、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、備え、
前記電磁吸入弁機構は、相互に磁気吸引力を発生するアンカー及び磁気コアを備え、
開弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが当接し、閉弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが離間し、前記アンカーと前記ロッド部との間に隙間が生じる。
また上記の課題を解決するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
アンカー、磁気コア、吸入弁及び吸入弁シート部材を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
前記吸入弁シート部材と当接して燃料をシートする弁体部と、前記弁体部から前記アンカーの側に向けて延伸されるロッド部とが常時一体で動作するように固定され、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記第2ガイド部は、前記弁体部の先端側に形成された凸部の外周をガイドする。
また上記の課題を解決するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
アンカー、磁気コア、吸入弁及び吸入弁シート部材を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
前記吸入弁シート部材と当接して燃料をシートする弁体部と、前記弁体部から前記アンカーの側に向けて延伸されるロッド部とが常時一体で動作するように固定され、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、を備え、
前記電磁吸入弁機構は、前記弁体部が着座する吸入弁シート部材を備え、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが同軸に構成され、
前記第1ガイド部は前記吸入弁シート部材により構成される。
また上記の課題を解決するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
アンカー、磁気コア、吸入弁及び吸入弁シート部材を有する電磁吸入弁機構を備え、
前記吸入弁は、
前記吸入弁シート部材と当接して燃料をシートする弁体部と、前記弁体部から前記アンカーの側に向けて延伸されるロッド部とが常時一体で動作するように固定され、
前記ロッド部の外周部をガイドする第1ガイド部と、
前記弁体部の外周をガイドする第2ガイド部と、備え、
前記電磁吸入弁機構は、相互に磁気吸引力を発生するアンカー及び磁気コアを備え、
開弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが当接し、閉弁時に前記アンカーと前記ロッド部とが離間し、前記アンカーと前記ロッド部との間に隙間が生じる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸入弁の動作を安定化させることにより、吸入弁機構の耐久性または油密性能の低下を抑制することができる。本発明のその他の構成、作用及び効果については、以下の実施例において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る高圧燃料ポンプが適用されるエンジンシステムの全体構成図である。
図2】本発明が適用される前提となる高圧燃料ポンプの垂直断面(プランジャの軸方向に平行な断面)を示す断面図である。
図3図2の高圧燃料ポンプを上方から見た水平断面(プランジャの軸方向に直交する断面)を示す断面図である。
図4図2の高圧燃料ポンプを図2とは異なる方向から見た、垂直断面(プランジャの軸方向に平行な断面)を示す断面図である。
図5図2の電磁吸入弁機構を拡大して示す断面図である。
図6】吸入弁の動作を説明するための図である。
図7】弁体部及び弁体部を案内するガイド部の構成のバリエーションの一例を示す図である。
図8】弁体部及び弁体部を案内するガイド部の構成のバリエーションの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施例を説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る高圧燃料ポンプ100が適用されるエンジンシステムの全体構成図である。破線で囲まれた部分が高圧燃料ポンプ100(図2参照)の本体を示し、この破線の中に示されている機構及び部品はポンプボディ1に一体に組み込まれていることを示す。なお、図1はエンジンシステムの動作を模式的に示す図面である。
【0012】
以下の説明において、上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は図2,4における上下方向に基づいており、高圧燃料ポンプ100をエンジンに実装した場合の上下方向とは必ずしも一致しない。また以下の説明において、軸方向はプランジャ2の中心軸線2A(図2参照)によって規定され、この軸方向はプランジャ2の中心軸線2Aに平行であり、プランジャ2の長手方向に一致する。
【0013】
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット27(以下ECUと称す)からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は、適切なフィード圧力に加圧されて、吸入配管28を通して高圧燃料ポンプ100の低圧燃料吸入口10aに送られる。低圧燃料吸入口10aは、吸入ジョイント51(図3,4参照)により構成される。
【0014】
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、圧力脈動低減機構9が配置されるダンパ室(10b、10c)を介して容量可変機構を構成する電磁吸入弁機構300の吸入ポート31bに至る。
【0015】
電磁吸入弁機構300に流入した燃料は、吸入弁30により開閉される吸入口(吸入通路)を通過し、加圧室11に流入する。エンジンのカム機構93(図2,4参照)によりプランジャ2に往復運動する動力が与えられる。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には吸入弁30により開閉される吸入口から加圧室11に燃料が吸入される。加圧室11に吸入された燃料は上昇行程において加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8を介し、圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ圧送される。
コモンレール23に接続されたインジェクタ24はECU27からの信号に基づきエンジンへ燃料を噴射する。本実施例の高圧燃料ポンプはインジェクタ24がエンジンのシリンダ筒内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される高圧燃料ポンプである。高圧燃料ポンプ100は、ECU27から送られる信号により電磁吸入弁機構300が制御され、燃料吐出口12を通じて所望の燃料流量を吐出する。
【0016】
図2は、本発明が適用される前提となる高圧燃料ポンプ100の垂直断面(プランジャ2の軸方向に平行な断面)を示す断面図である。図3は、図2の高圧燃料ポンプ100を上方から見た水平断面(プランジャ2の軸方向に直交する断面)を示す断面図である。図4は、図2の高圧燃料ポンプ100を図2とは異なる方向から見た、垂直断面(プランジャ2の軸方向に平行な断面)を示す断面図である。
【0017】
ポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドし、ポンプボディ1と共に加圧室11を形成するシリンダ6が取り付けられている。つまり、プランジャ2はシリンダ6の内部を往復運動することで加圧室11の容積を変化させる。またポンプボディ1には、燃料を加圧室11に供給するための電磁吸入弁機構300と、加圧室11から吐出通路に燃料を吐出するための吐出弁機構8と、が設けられている。シリンダ6はその外周側においてポンプボディ1と圧入される。
【0018】
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム93の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してプランジャ付勢ばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム93の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させることができる。
【0019】
高圧燃料ポンプ100のポンプボディ1の側面部には、吸入ジョイント51が取り付けられている。吸入ジョイント51は、燃料タンク20からの燃料を高圧燃料ポンプ100に供給する低圧配管に接続されており、燃料は吸入ジョイント51から高圧燃料ポンプ100の内部に供給される。吸入フィルタ52は、燃料タンク20から低圧燃料吸入口10aまでの間に存在する異物が燃料の流れによって高圧燃料ポンプ100の内部に吸収されるのを防ぐ。
【0020】
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、ポンプボディ1に上下方向に延設された低圧燃料吸入通路を通って圧力脈動低減機構9に向かう。圧力脈動低減機構9はダンパカバー14とポンプボディ1の上端面との間のダンパ室10b,10cに配置される。
【0021】
ダンパ室10b,10cを通った燃料は、次にポンプボディ1に上下方向に延設されて形成された低圧燃料吸入通路10dを介して電磁吸入弁機構300の吸入ポート31bに至る。なお、吸入ポート31bは吸入弁シート31aを形成する吸入弁シート部材31に形成される。
【0022】
電磁吸入弁機構300には端子46aが設けられる。端子46aはコネクタ46と一体にモールドされ、モールドされていない端部がエンジンコントロールユニット27側と接続可能な構成である。
【0023】
図3を用いて、電磁吸入弁機構300について詳細に説明する。
【0024】
吸入行程状態にある時は、加圧室11の容積は増加して加圧室11内の燃料圧力が低下する。この行程で加圧室11内の燃料圧力が吸入ポート31bの圧力よりも低くなると、吸入弁30は開弁状態になる。吸入弁30が最大リフト状態となると吸入弁30はストッパ32に接触する。吸入弁30がリフトすることにより、吸入弁シート31aと吸入弁30との間の吸入口が開口し、電磁吸入弁機構300は開弁する。燃料は吸入弁シート31aと吸入弁30との間の吸入口を通り、ポンプボディ1に横方向(水平方向)に形成された穴(燃料通路)を介して加圧室11に流入する。
【0025】
吸入行程を終了した後、プランジャ2が上昇運動に転じ上昇行程に移る。ここで電磁コイル43は無通電状態を維持したままであり磁気付勢力は作用しない。アンカー付勢ばね40はアンカー36を図中右方向(開弁方向)に付勢し、アンカー36を介して吸入弁30を開弁方向に付勢する。アンカー付勢ばね40は電磁コイル43が無通電の状態において吸入弁30を開弁維持するのに必要十分な付勢力を有するように、付勢力が設定されている。加圧室11の容積は、プランジャ2の上昇運動に伴い減少するが、この状態では、一度、加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁30の吸入口を通して吸入通路10dへと戻されるので、加圧室11の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
【0026】
この状態で、ECU27からの制御信号が電磁弁機構300に印加されると、電磁コイル43には端子46(図2参照)を介して電流が流れる。これにより磁気コア39とアンカー36との間に磁気吸引力が作用し、磁気コア39とアンカー36とが磁気吸引面で接触する。磁気吸引力はアンカー付勢ばね40の付勢力に打ち勝ってアンカー36を付勢し、アンカー36を吸入弁30から離れる方向に移動させる。
【0027】
このとき、吸入弁付勢ばね33による付勢力と燃料が吸入通路10dに流れ込むことによる流体力により吸入弁30が閉弁する。閉弁後、加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇し、燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁機構8を介して高圧燃料の吐出が行われ、高圧燃料はコモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と称する。
【0028】
すなわち、プランジャ2の下始点から上始点までの間の上昇行程は、戻し行程及び吐出行程からなる。そして、電磁吸入弁機構300のコイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。
【0029】
図3に示すように、加圧室11の出口に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8a、吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c、及び吐出弁8bのストローク(移動距離)を決める吐出弁ストッパ8dから構成される。吐出弁ストッパ8dとポンプボディ1とは当接部8eで溶接により接合され、燃料が流れる流路と外部とを遮断している。
【0030】
加圧室11と吐出弁室12aとの間に燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され、閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12aの燃料圧力よりも大きくなった時に吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。燃料吐出口12は吐出ジョイント60に形成されており、吐出ジョイント60はポンプボディ1に溶接部60aにて溶接固定されている。
【0031】
次に、図2を用いて、リリーフ弁機構200について説明する。
【0032】
リリーフ弁機構200はリリーフボディ201、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204及びばねストッパ205からなる。リリーフ弁202はリリーフばね204の荷重がリリーフ弁ホルダ203を介して負荷され、リリーフボディ201のシート部に押圧され、シート部と協働して燃料を遮断している。
【0033】
高圧燃料ポンプ100の電磁吸入弁機構300の故障等により、燃料吐出口12の圧力が異常に高圧になり、リリーフ弁機構200のセット圧力より大きくなると、異常高圧燃料はリリーフ通路213を介して低圧側であるダンパ室10cにリリーフされる。本実施例ではリリーフ弁機構200のリリーフ先をダンパ室10cとしているが、加圧室11にリリーフするように構成しても良い。
【0034】
電磁吸入弁機構300について、図5を用いて、さらに詳細に説明する。図5は、図2の電磁吸入弁機構300を拡大して示す断面図である。
【0035】
吸入弁30は、弁体部30Aと、ロッド部30Bと、被ガイド部(凸部)30Cと、で構成されている。なお本実施例では、被ガイド部30Cは弁体部30Aの一部とみなしており、被ガイド部30Cは弁体部30Aに構成される。弁体部30Aの外径φ30Aはロッド部30Bの外径よりも大きく、弁体部30Aはロッド部30Bに対して大径部を構成し、ロッド部30Bは弁体部30Aに対して小径部を構成する。
【0036】
ロッド部30Bは断面が円形の棒状(丸棒状又は円柱状)を成す。弁体部30Aは、ロッド部30Bの軸方向(長手方向)における厚み寸法D30Aが最外径φ30Aに対して小さい円板状又は円柱状を成す。ロッド部30Bの軸方向は弁体部30Aの端面30A1に対して直交するように、弁体部30Aと一体に構成されている。ロッド部30Bと弁体部30Aとは一体に形成された部材であってもよいし、ロッド部30Bを構成する部材と弁体部30Aを構成する部材とが接合されたものであってもよい。
【0037】
弁体部30Aの端面30A1は、吸入弁シート部材31に形成されたシート部31aと対向するシート部を構成し、燃料シール部に使われる。このために、弁体部30Aのシート部30A1は、表面の面精度が高く(すなわち面粗さが小さく)仕上げられる。
【0038】
ロッド部30Bの外側円筒面(外周面)30B1は、吸入弁シート部材31に形成されたガイド部(第1ガイド部)31Bによってロッド部30Bの軸方向(長手方向)の移動を案内される被ガイド部(第1被ガイド部)を構成する。なお、ガイド部31Bは吸入弁シート部材31に形成された内側円筒面(内周面)として構成される。ロッド部30Bの外周面30B1及び吸入弁シート部材31の内周面31Bは、表面の面精度が高く(すなわち面粗さが小さく)仕上げられる。これにより、ロッド部30Bがガイド部31Bと摺動した際に、ガイド部31Bの内側円筒部と固着したり、摩耗したりすることを抑制することができる。
【0039】
弁体部30Aのシート部30A1とは反対側の面(端面)30A2に凸部30Cが形成されている。弁体部30Aの端面30A2及び凸部30C側にはバルブストッパ34が設けられている。バルブストッパ34は、大径凹部34Aの側壁(周壁)34A2によって弁体部30Aを囲み、弁体部30Aを収容する弁体ハウジングを構成する。またバルブストッパ34は、弁体部30A及び凸部30Cを収容するように、吸入弁シート部材31側から見て少なくとも2段の段付き凹部を有する。
【0040】
バルブストッパ34の大径凹部(開口側凹部)34Aの底面(開口側凹部底面)34A1は、弁体部30Aの端面30A2と当接して、弁体部30Aの開弁方向への移動を制限するストッパ部(ストッパ面)を構成する。バルブストッパ34の小径凹部(奥側凹部)34Bの底面(奥側凹部底面)34B2は吸入弁付勢ばね33のばね座を構成する。
【0041】
吸入弁付勢ばね33は小径凹部底面34B2と凸部30Cの端面30C1との間に配置され、弁体部30Aを介して吸入弁30全体を閉弁方向に付勢している。吸入弁付勢ばね33はバルブストッパ34の底面34B2に直接接触している。バルブストッパ34の底面34B2は、吸入弁シート部材31に形成されたガイド部31Bの中心軸線LAに対して直交しており、吸入弁付勢ばね33が傾いて取り付けられることを防止している。
【0042】
バルブストッパ34は、燃料流路を構成するための開口部(切り欠き部)34Dを1つまたは複数個有する。 バルブストッパ34に設ける燃料流路を構成するための開口部(切り欠き部)34Dは、穴形状でもよく、溝形状でも良い。
【0043】
バルブストッパ34の小径凹部34Bの内径は凸部30Cの外径φ30Cよりもわずかに大きく、凸部30Cの外周面(被ガイド部)30C2は小径凹部34Bの内側円筒部(内周面)34B1に摺動する。すなわち、凸部30Cの外周面30C2は被ガイド部(第2被ガイド部)を構成し、内周面34B1は被ガイド部30C2を案内するガイド部(ガイド面)を構成する。このように吸入弁30は、一端部に設けられた凸部30Cの被ガイド部30C2がバルブストッパ34のガイド部(第2ガイド部)34B1によって、軸方向の移動を案内される。
【0044】
吸入弁30は、ロッド部30Bと凸部30Cとで、それぞれ、吸入弁シート部材31に形成されたガイド部31B及びバルブストッパ34に形成されたガイド部34B1により両端支持されており、径方向の動き並びに、傾き範囲が制限されている。吸入弁シート部材31に形成されたガイド部31B及びバルブストッパ34に形成されたガイド部34B1はそれぞれ、ロッド部30Bの被ガイド部30B1及び凸部30Cの被ガイド部30C2に対してクリアランスが設けられており、吸入弁30は、摺動抵抗が少ない環境で、ガイド部31B及びガイド部34B1に対して摺動することが出来る。
【0045】
吸入弁シート部材31は、ガイド部31Bの中心軸線LAに対して直交する燃料シール部31aが設けられており、表面の面精度が小さく仕上げられている。
【0046】
再びバルブストッパ34について説明する。バルブストッパ34は、ストッパ面34A1と、吸入弁シート部材31と接面する面34Eとがあり、これらの面34A1,34Eの間に凸部30Cを含む弁体部30Aが格納されており、ストッパ面34A1と面34Eとの間の距離をΔLとする。凸部30Cを除く弁体部30Aのみの厚さをt30Aとすると、ΔL-t30Aの値g1(図6参照)が吸入弁30のストローク長さとして調整することが出来る。吸入弁30のバルブストッパ34側にはテーパ部34A3が設けられており、バルブストッパ34と弁体部30Aとの接触面積を小さくすることで、吸入弁30がバルブストッパ34に張り付くことを防止している。また、テーパ部34A3を設けることで、燃料通路面積を増やしている。さらに、テーパ部34A3を設けることで、開弁時の流体抵抗を小さくし、開弁挙動を安定化させている。
【0047】
吸入弁シート部材31は、ポンプボディ1に設けられた内側円筒部1H2(図3参照)に圧入もしくは挿入されている。バルブストッパ34は、ポンプボディ1に設けられた内側円筒部1H1に圧入もしくは挿入されている。ポンプボディ1に設けられた内側円筒部1H1および1H2は同軸に作らており、同軸精度が良いほど、吸入弁30とガイド部31B及びガイド部34B1との同軸精度を上げることが出来る。
【0048】
吸入弁シート部材31のガイド部31Bの軸方向の長さは、小さい方が吸入弁30との摺動面積を小さく抑えることが出来る。またバルブストッパ34のガイド部34B1の軸方向の長さは、小さい方が吸入弁30との摺動面積を小さく抑えることが出来る。また凸部30Cは球状にすることで、吸入弁30とシート部31aとが閉弁する際に、吸入弁30とシート部31aとの部品組立後の相対的な位置ずれに合わせて、吸入弁30が傾くことが出来き、吸入弁30の片当りや、吸入弁シート部材31のガイド部31Bの角部とロッド部30Bとの接面圧力の増大による摩耗を抑えることが出来る。
【0049】
図6は、吸入弁30の動作を説明するための図である。図6(A)は開弁時の状態を示す。図6(B)は開弁した状態から閉弁した状態に移行する途中の状態を示す。図6(C)は閉弁時の状態を示す。
【0050】
図6(A)の状態では、弁体部30Aのシート部30A1とシート部31aとの間の間隙G1はg1の大きさであり、アンカー36の端面36Aと磁気コア39の端面39Aとの間の間隙G3はg2の大きさである。この場合、g2はg1よりも大きい(g2>g1)。なお、ロッド部の端部30B2とアンカー36の端面36Bとは当接しており、端部30B2と端面36Bとの間の隙間G2は0である(G2=0)。
【0051】
図6(B)の状態では、弁体部30Aのシート部30A1とシート部31aとの間の間隙G1は0であり(G1=0)、アンカー36の端面36Aと磁気コア39の端面39Aとの間の間隙G3はg3の大きさである。この場合、g3はg2からg1を差し引いた大きさである(g3=g2-g1)。なお、ロッド部の端部30B2とアンカー36の端面36Bとは当接しており、端部30B2と端面36Bとの間の隙間G2は0である(G2=0)。
【0052】
図6(C)の状態では、弁体部30Aのシート部30A1とシート部31aとの間の間隙G1は0であり(G1=0)、アンカー36の端面36Aと磁気コア39の端面39Aとの間の間隙G3も0である(G3=0)。この場合、ロッド部の端部30B2とアンカー36の端面36Bとは中心軸線LAに沿う方向に離間し、ロッド部の端部30B2とアンカー36の端面36Bとの間に間隙が生じ、端部30B2と端面36Bとの間の隙間G2はg3となる。
【0053】
弁体30A及び弁体30Aを案内するガイド部の構成のバリエーションについて説明する。図7,8は、弁体30A及び弁体30Aを案内するガイド部の構成のバリエーションの一例を示す図である。
【0054】
図7では、凸部31Cを設けず、弁体部30Aの最外周部(最も外径の大きな外周面)を被ガイド部30C2としている。この場合、30C2は凸部31Cの外周面ではない。
本例では、第1ガイド部31B及び第2ガイド部34B1の両方を吸入弁シート部材31で構成する。例えば、バルブストッパ34の側壁(周壁)34A2の部分を吸入弁シート部材31で構成するとよい。この場合も、ロッド部31Bに第1被ガイド部31B1が構成され、弁体部30Aに第2被ガイド部30C2が構成される。なお本例においても、第1ガイド部31B及び第2ガイド部34B1の同軸度が維持されるようにする。第1ガイド部31B及び第2ガイド部34B1の同軸度が維持されるのであれば、第1ガイド部31Bを吸入弁シート部材31に設ける必要はなく、第1ガイド部31Bを構成する他の部材を設けてもよい。
【0055】
図8では、図7において、吸入弁シート部材31に形成した第1ガイド部31Bを、図5の実施例と同様に、バルブストッパ(バルブハウジング)34に設けている。この場合、第2被ガイド部30C2は図7と同様に構成される。
【0056】
図7又は図8で説明した例において、吸入弁シート部材31又はバルブストッパ(バルブハウジング)34に設けた第2ガイド部34B1をポンプボディ1に形成するようにしてもよい。この場合、バルブストッパ34の形状を直接ポンプボディ1に形成することで、バルブストッパ34のために別部品を用意してポンプボディ1に組み付ける必要がなくなる。これにより、組み立て作業の効率が高まり、また材料コストを低減することができる。
【0057】
本実施例に係る高圧燃料ポンプ100の特徴を列記すると、例えば下記のような特徴が挙げられる。
【0058】
(1)吸入弁30を有する電磁吸入弁機構300を備え、吸入弁30は、ロッド部30Bと、ロッド部30Bと一体で形成される弁体部30Aと、ロッド部30Bの外周部30B1をガイドする第1ガイド部31Bと、弁体部30Aの外周をガイドする第2ガイド部34B1と、備える。
【0059】
(2)(1)において、第2ガイド部34B1は、弁体部30Aの先端側に形成された凸部30Cの外周をガイドする。
【0060】
(3)(1)において、第1ガイド部31Bと第2ガイド部34B1とが同軸に構成される。
【0061】
(4)(3)において、弁体部30Aが着座する吸入弁シート部材31を備え、第1ガイド部31Bは吸入弁シート部材31により構成される。
【0062】
(5)(4)において、吸入弁シート部材31と別部材で形成される弁体ハウジング部34を備え、第2ガイド部34B1は弁体ハウジング部34により構成される。
【0063】
(6)(2)において、弁体部30Aの最外径φ30Aに対し、凸部30Cの外径φ30Cが小さくなるように構成する。
【0064】
(7)(3)において、第2ガイド部34B1は、電磁吸入弁機構300が取り付けられるポンプボディ1に形成される。
【0065】
(8)(1)において、電磁吸入弁機構300は、相互に磁気吸引力を発生するアンカー36及び磁気コア39を備え、開弁時にアンカー36とロッド部30Bとが当接し、閉弁時にアンカー39とロッド部30Bとが離間し、開弁時におけるアンカー36とロッド部30Bとの当接部36B,30B2の間に隙間g3が生じる。
【0066】
(9)アンカー36、磁気コア39、吸入弁30及び吸入弁シート部材31を有する電磁吸入弁機構300を備え、吸入弁30は、吸入弁シート部材31と当接して燃料をシートする弁体部30Aと、弁体部30Aからアンカー36の側に向けて延伸されるロッド部30Bとが常時一体で動作するように固定され、ロッド部30Bの外周部30B1をガイドする第1ガイド部31Bと、弁体部30Aの外周をガイドする第2ガイド部34B1と、備える。
【0067】
本発明に係る実施例では、弁体部30Aとロッド部30Bとを一体構造とし、吸入弁30のシート部30A1の両端部を支持することで、吸入弁30の開閉弁時における、吸入弁30の傾きを小さく限定することができる。これにより吸入弁シート部材31のシート部31aに、吸入弁30または、吸入弁シート30A1の角部が接触し、シート部31aを傷つけ、油密性能が低下する可能性を低く抑えることが出来る。
【0068】
本発明によれば、電磁吸入弁機構300における吸入弁30の傾きを小さくすることで、油密性能の低下を抑えることが出来、構成部品を少なくすることで低コスト化を実現した高圧燃料ポンプ100を提供することができる。
【符号の説明】
【0069】
30…吸入弁、30A…弁体部、30B…ロッド部、30B1…ロッド部30Bの外周部、30C…凸部、31…吸入弁シート部材、31B…第1ガイド部、34…バルブストッパ(弁体ハウジング部)、34B1…第2ガイド部、36…アンカー、39…磁気コア、100…高圧燃料ポンプ、300…電磁吸入弁機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8