(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】マルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 76/15 20180101AFI20221102BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20221102BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20221102BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221102BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W28/06 110
H04W84/12
H04W72/04 111
(21)【出願番号】P 2021557457
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 CN2020102608
(87)【国際公開番号】W WO2021237899
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】202010473907.5
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521406639
【氏名又は名称】チョントゥー ジミー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU XGIMI TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 4, Zone A, Tianfu Software Park, No. 1129 Century City Road, High-tech Zone, Chengdu, Sichuan, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ファン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,ヤン
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0053773(US,A1)
【文献】Insun Jang (LG Electronics),Indication of Multi-link Information, IEEE 802.11-20/0028r1 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0028-01-00be-indication-of-multi-link-information.pptx>,2020年01月13日
【文献】Liwen Chu (Marvell),Multilink operation capability announcement, IEEE 802.11-19/1159r5 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/19/11-19-1159-05-00be-multilink-operation-capability-announcement.pptx>,2019年11月11日
【文献】Yifan Zhou (Huawei),Simultaneous Tx/Rx Capability indication for multi-link operation, IEEE 802.11-19/1550r1 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/19/11-19-1550-01-00be-simultaneous-tx-rx-capability-indication-for-multi-link-operation.pptx>,2019年09月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークアクセス機器から送信されたメッセージを受信するステップであって、メッセージにパラメータEHT Capability及びEHT Operationが含まれ、
パラメータEHT Capabilityは、ネットワークアクセス機器のマルチリンク送受信能力を示し、且つサブフィールドML enable及びSTR enableを含み、ML enableは、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートするか否かを示し、STR enableは、ネットワークアクセス機器がマルチリンクをサポートするモードを示し、前記マルチリンクをサポートするモードは、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートするモードと、マルチリンク同時独立送受信をサポートするモードとを含み、
パラメータEHT Operationは、ネットワークアクセス機器のマルチリンク動作方式を示し、且つサブフィールドLink set for Non-STR及びLink set for STRを含み、Link set for Non-STRは、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートするモードで端末がマルチリンク同時受信又は同時送信を実行可能なリンクセットを指示し、Link set for STRは、マルチリンク同時独立送受信をサポートするモードで端末がマルチリンク同時独立送受信を実行可能なリンクセットを指示し、或いは、サブフィールドLink set for MLを含み、Link set for MLは、端末がマルチリンク動作を実行可能なリンクセットを指示するステップと、
パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行うステップと、を含むことを特徴とする、マルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項2】
前記メッセージは、Beaconメッセージ又はトリガーメッセージ又はprobe responseメッセージであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項3】
パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行うステップは、
パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてローカル情報を設定するステップと、次にローカル情報に基づいてデータ送受信を行うステップであって、ローカル情報は、パラメータOperating mode for ML、AP ML capability及びML Operating setを含み、Operating mode for MLは、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートするか否かを指示し、AP ML capabilityは、ネットワークアクセス機器がマルチリンクをサポートするモードを指示し、ML Operating setは、使用可能なリンクを指示するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項4】
ローカル情報を設定するステップは、
ML enableが、シングルリンク動作をサポートすることを示す場合、Operating mode for MLパラメータ値をSingle linkに設定するステップであって、Single linkはシングルリンクを示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示す場合、Operating mode for MLパラメータ値をMulti-linkに設定するステップであって、Multi-linkはマルチリンクを示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、且つSTR enableが、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示す場合、AP ML capabilityパラメータ値をNon-STRに設定するステップであって、Non-STRはマルチリンク同時受信又は同時送信を示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、且つSTR enableが、マルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す場合、AP ML capabilityパラメータ値をSTRに設定するステップであって、STRはマルチリンク同時独立送受信を示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for STR又はLink set for MLの値に設定するステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示す場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for Non-STR又はLink set for MLの値に設定するステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for Non-STR又はLink set for MLの値に設定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項3に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項5】
ローカル情報に基づいてデータ送受信を行うステップは、
Operating mode for MLの値がSingle linkである場合、シングルリンクでデータ送受信を行うステップと、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がNon-STRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がSTRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行うステップと、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、を含むことを特徴とする、請求項4に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項6】
パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行うステップは、
ML enableがシングルリンク動作をサポートすることを示す場合、シングルリンクでデータ送受信を行うステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す場合、Link set for STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行うステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示す場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項7】
シングルリンクでデータ送受信を行うステップは、
端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行うステップと、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行うステップと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項8】
シングルリンクでデータ送受信を行うステップは、
端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行うステップと、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行うステップと、を含むことを特徴とする、請求項6に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項9】
パラメータEHT CapabilityにおけるサブフィールドSTR enableは、ML enableが、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートすることを示す場合のみに有効であることを特徴とする、請求項1に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法。
【請求項10】
データ送受信装置を含む端末であって、前記データ送受信装置は、請求項1-9のいずれか1項に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法を実行することを特徴とする、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信の分野に関し、特にマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
802.11beネットワークは、Extremely High Throughput(EHT)ネットワークとも呼ばれ、一連のシステム特性及び様々なメカニズム強化機能により極めて高いスループットを実現する。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の使用の持続的な増加に伴い、多くの環境(例えば家庭、企業及びホットスポット)において無線データサービスを提供することは、ますます重要になる。特に、ビデオトラフィックは、継続して多くのWLAN配置における主要なトラフィックタイプである。4k及び8kのビデオ(20Gbpsの非圧縮レート)が現れるため、これらのアプリケーションプログラムのスループットへの要求が高まりつつある。例えば、仮想現実又は拡張現実、ゲーム、テレワークオフィス及びクラウドコンピューティングのような新型の高スループット、低遅延のアプリケーションプログラムが急増している(例えば、リアルタイムゲームの遅延が5ミリ秒より低い)。
【0003】
これらのアプリケーションプログラムの高スループット及び厳しいリアルタイム遅延の要求に鑑み、ユーザは、WLANによりそのアプリケーションプログラムをサポートする場合、スループットがより高く、信頼性がより高く、遅延及びジッターがより少なく、電源効率がより高いことを望む。ユーザは、タイムセンシティブネットワーク(TSN)との集積を改善することにより、ヘテロジニアスイーサネット(登録商標)及び無線LAN上のアプリケーションプログラムをサポートすることを望む。802.11beネットワークは、さらに総スループットを向上させ遅延を低下させることにより、WLANの競争力を確保すると共に、古い技術基準との下位互換性や共存を確保することを目的とする。802.11互換性機器は、2.4GHz、5GHz及び6GHz周波数帯域で実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高レートでデータを伝送する必要がある端末であっても、高レート伝送要求のサービスを常に実行することではない。例えば、携帯電話又はコンピュータが高精細度ビデオを伝送する場合、非常に高いデータ伝送レートを必要とする可能性があるが、他の場合、高レートでデータを伝送するリソースを必要とせず、データ伝送リンクを動的に管理することができない場合、無線リソースの使用率を予想通りに向上させることができず、逆に非常に大きな浪費をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願の実施例は、以下の技術手段を提供する。
【0006】
第1の態様では、マルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法を提供し、該方法は、ネットワークアクセス機器から送信されたメッセージを受信するステップであって、メッセージにパラメータEHT Capability及びEHT Operationが含まれ、
パラメータEHT Capabilityは、ネットワークアクセス機器のマルチリンク送受信能力を示し、且つサブフィールドML enable及びSTR enableを含み、ML enableは、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートするか否かを示し、STR enableは、ネットワークアクセス機器がマルチリンクをサポートするモードを示し、前記マルチリンクをサポートするモードは、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートするモードと、マルチリンク同時独立送受信をサポートするモードとを含み、
パラメータEHT Operationは、ネットワークアクセス機器のマルチリンク動作方式を示し、且つサブフィールドLink set for Non-STR及びLink set for STRを含み、Link set for Non-STRは、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートするモードで端末がマルチリンク同時受信又は同時送信を実行可能なリンクセットを指示し、Link set for STRは、マルチリンク同時独立送受信をサポートするモードで端末がマルチリンク同時独立送受信を実行可能なリンクセットを指示し、或いは、サブフィールドLink set for MLを含み、Link set for MLが、端末がマルチリンク動作を実行可能なリンクセットを指示するステップと、
パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行うステップと、を含む。
【0007】
例示的には、上記メッセージは、Beaconメッセージ又はトリガーメッセージ又はprobe responseメッセージである。
【0008】
可能な設計方法では、パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行うステップは、パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてローカル情報を設定するステップと、次にローカル情報に基づいてデータ送受信を行うステップであって、ローカル情報は、パラメータOperating mode for ML、AP ML capability及びML Operating setを含み、Operating mode for MLは、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートするか否かを指示し、AP ML capabilityは、ネットワークアクセス機器がマルチリンクをサポートするモードを指示し、ML Operating setは、使用可能なリンクを指示するステップと、を含む。
【0009】
例示的には、ローカル情報を設定するステップは、
ML enableが、シングルリンク動作をサポートすることを示す場合、Operating mode for MLパラメータ値をSingle linkに設定するステップであって、Single linkはシングルリンクを示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示す場合、Operating mode for MLパラメータ値をMulti-linkに設定するステップであって、Multi-linkはマルチリンクを示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、且つSTR enableが、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示す場合、AP ML capabilityパラメータ値をNon-STRに設定するステップであって、Non-STRはマルチリンク同時受信又は同時送信を示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、且つSTR enableが、マルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す場合、AP ML capabilityパラメータ値をSTRに設定するステップであって、STRはマルチリンク同時独立送受信を示すステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for STR又はLink set for MLの値に設定するステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示す場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for Non-STR又はLink set for MLの値に設定するステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for Non-STR又はLink set for MLの値に設定するステップと、を含む。
【0010】
例示的には、ローカル情報に基づいてデータ送受信を行うステップは、
Operating mode for MLの値がSingle linkである場合、シングルリンクでデータ送受信を行うステップと、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がNon-STRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がSTRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行うステップと、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、シングルリンクでデータ送受信を行うステップは、端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行うステップと、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行うステップと、を含む。
【0012】
別の可能な設計方法では、パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行うステップは、
ML enableが、シングルリンク動作をサポートすることを示す場合、シングルリンクでデータ送受信を行うステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す場合、Link set for STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行うステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示す場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、
ML enableが、マルチリンク動作をサポートすることを示し、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行うステップと、を含む。
【0013】
好ましくは、シングルリンクでデータ送受信を行うステップは、端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行うステップと、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行うステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、パラメータEHT CapabilityにおけるサブフィールドSTR enableは、ML enableが、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートすることを示す場合のみに有効である。
【0015】
第2の態様では、データ送受信装置を含む端末を提供し、前記データ送受信装置は、第1の態様のいずれか可能な実施形態に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法を実行する。
【発明の効果】
【0016】
本願は、ネットワークアクセス機器から送信されたメッセージにおいて、パラメータEHT Capability及びEHT Operationを新たに追加し、且つこの2つの新たに追加されたパラメータを合理的に設定し、端末は、メッセージを受信した後にメッセージにおけるパラメータに基づいてローカルパラメータを設定した後にデータ送受信を行う又は直接的にデータ送受信を行う。本願は、サービスデータの検出及びネットワークのリンク状態に基づいて、ネットワークアクセス機器が事前にマルチリンクの設定を本ネットワーク内の端末に通知することにより、端末がマルチリンクの設定を動的に行うようにし、高レートサービスを保証すると同時に、無線リソースを合理的に使用し、サービスデータの伝送を保証すると同時に、リソースの浪費を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願の実施例1におけるメッセージの設定方式の概略図である。
【
図2】本願の実施例におけるパラメータEHT Capabilityの設定方式の概略図である。
【
図3】本願の実施例におけるマルチリンク同時受信又は同時送信の概略図である。
【
図4】本願の実施例におけるマルチリンク同時独立送受信の概略図である。
【
図5】本願の実施例におけるパラメータEHT Operationの設定方式の概略図である。
【
図6】本願の実施例におけるパラメータEHT Operationの別の設定方式の概略図である。
【
図7】本願の実施例におけるローカル情報の設定方式の概略図である。
【
図8】本願の実施例2におけるメッセージの設定方式の概略図である。
【
図9】本願の実施例3におけるメッセージの設定方式の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本願の技術手段を説明する。
【0019】
本願の実施例では、「例示的」、「例えば」などの用語は例、例証又は説明を示す。本願において「例示的」と記載された実施例又は設計案は、他の実施例又は設計案よりも好ましいか又はより優れた利点を有すると解釈されるべきではない。具体的には、「例示的」という用語の使用は、概念を具体的に提示することを意図している。
【0020】
本願の実施例では、「情報(information)」、「信号(signal)」、「メッセージ(message)」、「チャネル(channel)」、「シグナリング(singalling)」が混用されることがあり、その区別を強調しない場合、その表現しようとする意味が一致することに留意されたい。「の(of)」、「該当する(corresponding、relevant)」及び「対応する(corresponding)」が混用されることがあり、その区別を強調しない場合、その表現しようとする意味が一致することに留意されたい。
【0021】
本願の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下に具体的な実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は、本願を説明するためのものであり、本願を制限するものではないことが理解できる。
【0022】
以下の実施例では、STAは、802.11無線ローカルエリアネットワークにおける端末を示し、AP(Access point)は、802.11無線ローカルエリアネットワークにおけるアクセスポイントを示し、ネットワークアクセス機器の1つであり、他の実施例では、ネットワークアクセス機器は、他の機器であってもよく、例えば、ルーターなどであってもよく、以下、APのみを実施例として説明する。
【実施例1】
【0023】
本実施例は、マルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法を提供し、以下のステップS101~S103を含む。
【0024】
S101では、APは、Beaconメッセージを送信し、Beaconメッセージは、ネットワーク全体範囲においてブロードキャストし送信され、メッセージには、パラメータEHT Capability及びEHT Operationを含み、例示的には、メッセージに含まれるパラメータは、
図1に示すとおりである。
【0025】
図において、
Timestampは、タイムスタンプであり、BSSにおけるワークステーションBSSのメインタイマーの同期に用いられるためのものである。
【0026】
Beacon Intervalについて、APは、一定時間毎にBeacon(ビーコン)信号を送信して802.11ネットワークの存在を通知する。このフィールドは、Beacon信号の間にどのくらいの時間単位を隔てるかを設定する。時間単位は、一般的にTUと略称され、1024マイクロ秒(microsecond)を表し、1ミリ秒(millisecond)に相当する。Beaconは、一般的に100個の時間単位に設定され、100ミリ秒ごとに、すなわち0.1秒ごとにBeacon信号を一回送信することに相当する。
【0027】
Capability Infoは、長さが16bitのCapability Information性能情報ビットであり、Beacon信号を送信する場合、該ネットワークがどのような性能を有するかを各者に通知する。新しく進化した802.11beネットワークに対して、前のバージョンのネットワーク端末と互換性があることを要求するため、該フィールドは、前のバージョンのネットワークの互換性の基本的な能力を通知し、例えば、リアルタイムBlock Ackをサポートするか否か、QoS設定をサポートするか否か、ショートプリアンブルをサポートするか否か、ショートslot timeをサポートするか否かなどを通知する。
【0028】
SSIDは、Service Set Identifierであり、サービスセット識別子である。
【0029】
Supported Ratesについて、802.11ネットワークは、Supported Rates(サポートするレート)情報要素を用いて、サポートされているレートを指定することができる。
【0030】
TIM(Traffic Indication Map)について、基地局は、スリープ状態にあるワークステーションの代わりにフレームを一時記憶する。基地局は、一定時間毎に、これらの一時記憶されているフレームをスリープ中のワークステーションに伝送することを試みる。
【0031】
EHT Capability(EHTの非省略形は、Extremely High Throughputであり、802.11beネットワークの特殊効果の説明である)は、ネットワークアクセス機器のマルチリンク送受信能力を示し、サブフィールドML enable及びSTR enableを含み、例示的には、
図2に示すように設定する。
【0032】
ML enableは、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートするか否かを示し、例えば、0に設定すると、シングルリンク動作をサポートすることを示し、1に設定すると、マルチリンク動作をサポートすることを示す。
【0033】
STR enableは、ネットワークアクセス機器がマルチリンクをサポートするモードを示し、マルチリンクをサポートするモードは、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートするモードと、マルチリンク同時独立送受信をサポートするモードとを含む。
【0034】
図3は、マルチリンク同時受信又は同時送信の概略図を示し、
図3に示すように、マルチリンク同時受信又は同時送信は、1つのリンクでデータを送信する際に、もう1つのリンクでデータを送信するのみが可能であり、1つのリンクでデータを受信する際に、もう1つのリンクでデータを受信するのみが可能であることを示し、送信又は受信の時間が同時に開始しなくてもよいが、送信期間と受信期間はオーバーラップしなく、この能力を有する機器は、制限付きマルチリンクデバイス(constrained MLD)とも呼ばれる。
【0035】
図4は、マルチリンク同時独立送受信の概略図を示し、
図4に示すように、マルチリンク同時独立送受信は、1つのリンクでデータを送信する際に、もう1つのリンクでデータを受信することができ、2つのリンクは、データ送受信が独立して制御され、互いに影響を与えず、この能力を有する機器は、非制限マルチリンクデバイス(non-constrained MLD)とも呼ばれる。
【0036】
例示的には、パラメータEHT CapabilityにおけるサブフィールドSTR enableは、ML enableが、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートする場合のみに有効であり、例えば、該フィールドは、ML enableが1に設定される場合のみに有効であり、0に設定される場合にマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートすることを示し、1に設定される場合にマルチリンク同時独立送受信をサポートすることを示す。
【0037】
EHT Operationは、ネットワークアクセス機器のマルチリンク動作方式を示し、サブフィールドLink set for Non-STR及びLink set for STRを含み、或いは、サブフィールドLink set for MLを含み、例示的には、その設定は、それぞれ
図5及び
図6に示すとおりである。
【0038】
Link set for Non-STRは、マルチリンク同時受信又は同時送信をサポートするモードで端末がマルチリンク同時受信又は同時送信を実行可能なリンクセットを指示し、例示的には、このリンクセットは、リンクに基づくものであってもよく、例えば、{link1、link2}であり、link1及びlink2は、それぞれリンク1及びリンク2を指示し、動作周波数帯域に基づくものであってもよく、例えば、{2.4GHZ、5GHZ、6GHZ}、又は{2.4GHZ、5GHZ}、又は{2.4GHZ、6GHZ}、又は{5GHZ、6GHZ}であり、各周波数帯域に基づく動作波長帯域であってもよく、波長帯域は中心周波数及び帯域幅の2つのパラメータによって指示され、例えば、{(2.45GHZ、40MHZ)、(5.45GHZ、80MHZ)、(6.45GHZ、160MHZ)}である。
【0039】
Link set for STRは、マルチリンク同時独立送受信をサポートするモードで端末がマルチリンク同時独立送受信を実行可能なリンクセットを指示し、例示的には、このリンクセットは、リンクに基づくものであってもよく、例えば、{link1、link2}であり、link1及びlink2は、それぞれリンク1及びリンク2を指示し、動作周波数帯域に基づくものであってもよく、例えば、{2.4GHZ、5GHZ}、又は{2.4GHZ、6GHZ}であり、各周波数帯域に基づく動作波長帯域であってもよく、波長帯域は中心周波数及び帯域幅の2つのパラメータによって指示され、例えば、{(2.45GHZ、40MHZ)、(6.45GHZ、160MHZ)}である。
【0040】
Link set for MLは、端末がマルチリンク動作を実行可能なリンクセットを指示し、例示的には、このリンクセットは、リンクに基づくものであってもよく、例えば、{link1、link2}であり、link1及びlink2は、それぞれリンク1及びリンク2を指示し、動作周波数帯域に基づくものであってもよく、例えば、{2.4GHZ、5GHZ、6GHZ}、又は{2.4GHZ、5GHZ}、又は{2.4GHZ、6GHZ}、又は{5GHZ、6GHZ}であり、各周波数帯域に基づく動作波長帯域であってもよく、波長帯域は中心周波数及び帯域幅の2つのパラメータによって指示され、例えば、{(2.45GHZ、40MHZ)、(5.45GHZ、80MHZ)、(6.45GHZ、160MHZ)}である。
【0041】
S102では、STAは、ブロードキャストメッセージをモニターして読み取り、該APに接続することを選択した後、パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドとパラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてローカル情報を設定し、ローカル情報は、パラメータOperating mode for ML、AP ML capability及びML Operating setを含み、Operating mode for MLは、ネットワークアクセス機器がマルチリンク動作をサポートするか否かを指示し、AP ML capabilityは、ネットワークアクセス機器がマルチリンクをサポートするモードを指示し、ML Operating setは、使用可能なリンクを指示し、例示的には、その設定は、
図7に示すとおりである。
【0042】
例示的には、ローカル情報の設定方法は、以下のとおりである。
【0043】
ML enableが0である場合、Operating mode for MLパラメータ値をSingle linkに設定し、Single linkはシングルリンクを示し、
ML enableが1である場合、Operating mode for MLパラメータ値をMulti-linkに設定し、Multi-linkはマルチリンクを示し、
ML enableが1であり、且つSTR enableが0である場合、AP ML capabilityパラメータ値をNon-STRに設定し、Non-STRはマルチリンク同時受信又は同時送信を示し、
ML enableが1であり、且つSTR enableが1である場合、AP ML capabilityパラメータ値をSTRに設定し、STRはマルチリンク同時独立送受信を示し、
ML enableが1であり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが1である場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for STR又はLink set for MLの値に設定し、
ML enableが1であり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが0である場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for Non-STR又はLink set for MLの値に設定し、
ML enableが1であり、端末がマルチリンクの同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setパラメータ値をLink set for Non-STR又はLink set for MLの値に設定する。
【0044】
S103では、端末は、ローカル情報に基づいてデータ送受信を行い、例えば、
Operating mode for MLの値がSingle linkである場合、シングルリンクでデータ送受信を行う。例示的には、端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行い、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行い、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がNon-STRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行い、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がSTRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行い、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行う。
【実施例2】
【0045】
S201では、APは、triggerメッセージを送信し、triggerメッセージを単一のSTAに送信する、又は一組のSTAに送信することができ、メッセージには、パラメータEHT Capability及びEHT Operationが含まれ、例示的には、メッセージに含まれるパラメータは、
図8に示すとおりである。
【0046】
図において、
DAは、このメッセージを受信するデスティネージョンアドレスであり、
SAは、このメッセージを送信するソースアドレスであり、
パラメータEHT Capability及びEHT Operationの設定は、実施例1を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0047】
S202では、STAは、triggerメッセージを受信し、パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてデータ送受信を行い、例えば、
ML enableが0である場合、シングルリンクでデータ送受信を行う。例示的には、端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行い、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行ってもよく、
ML enableが1であり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが1である場合、Link set for STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行い、
ML enableが1であり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つSTR enableが0である場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行い、
ML enableが1であり、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、Link set for Non-STR又はLink set for MLによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行う。
【実施例3】
【0048】
S301では、STAは、probe requestメッセージを送信し、
S302では、APは、probe responseメッセージをSTAに送信し、メッセージには、パラメータEHT Capability及びEHT Operationが含まれ、例示的には、メッセージに含まれるパラメータは、
図9に示すとおりである。
【0049】
図において、
Timestampビットは、タイムスタンプであり、BSSにおけるワークステーションBSSのメインタイマーの同期に用いられるためのものである。
【0050】
Capability Infoは、長さが16bitのCapability Information性能情報ビットであり、Beacon信号を送信する場合、該ネットワークがどのような性能を有するかを各者に通知する。新しく進化した802.11beネットワークに対して、前のバージョンのネットワーク端末と互換性があることを要求するため、該フィールドは、前のバージョンのネットワークの互換性の基本的な能力を通知し、例えば、リアルタイムBlock Ackをサポートするか否か、QoS設定をサポートするか否か、ショートプリアンブルをサポートするか否か、ショートslot timeをサポートするか否かなどを通知する。
【0051】
SSIDは、Service Set Identifierであり、サービスセット識別子である。
【0052】
Supported Ratesについて、802.11ネットワークは、Supported Rates(サポートするレート)情報要素を用いて、サポートされているレートを指定することができる。
【0053】
パラメータEHT Capability及びEHT Operationの設定は、実施例1を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0054】
S303では、STAは、probe responseメッセージを受信し、該APに接続することを選択した後、パラメータEHT Capability及びそのサブフィールドと、パラメータEHT Operation及びそのサブフィールドとに基づいてローカル情報を設定し、ローカル情報の設定及び設定方法は、実施例1を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0055】
S304では、端末は、ローカル情報に基づいてデータ送受信を行い、例えば、
Operating mode for MLの値がSingle linkである場合、シングルリンクでデータ送受信を行う。例示的には、端末が現在、シングルリンクで送受信を行う場合、依然として元のシングルリンクで送受信を行い、端末が現在、マルチリンクで送受信を行う場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域から1つのリンクを選択して送受信を行い、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がNon-STRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行い、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時独立送受信をサポートし、且つAP ML capabilityの値がSTRである場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時独立送受信を行い、
Operating mode for MLの値がMulti-linkであり、端末がマルチリンク同時受信又は同時送信をサポートする場合、ML Operating setによって指示されたリンク又は周波数帯域又は波長帯域に基づいて、マルチリンクによるデータ同時受信又はデータ同時送信を行う。
【実施例4】
【0056】
本実施例は、データ送受信装置を含む端末を提供し、該データ送受信装置は、実施例1~実施例3のいずれか1つの可能な実現方式に記載のマルチリンクを用いた端末のデータ送受信方法を実行する。
【0057】
上記実施例は、全て又は部分的にソフトウェア、ハードウェア(例えば、回路)、ファームウェア又は他の任意の組み合わせにより実現してよい。ソフトウェアで実現する場合、上記実施例は、全て又は部分的にコンピュータプログラム製品の形態で実現してよい。前記コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令又はコンピュータプログラムを含む。
コンピュータに前記コンピュータ命令又はコンピュータプログラムをロードするか又は実行するときに、本願の実施例に記載のフロー又は機能に基づいて全て又は部分的に生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブル装置であってよい。
前記コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてもよく、例えば、前記コンピュータ命令は、有線(例えば、赤外線、無線、マイクロ波など)方式で、1つのウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターに送信されてよい。
前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体、又は1つ又は複数の利用可能な媒体で集積されたサーバ、データセンターなどを含むデータ記憶装置であってよい。前記利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)又は半導体媒体であってよい。半導体媒体は、ソリッドステートドライブであってよい。
【0058】
本願の様々な実施例では、上記各過程の番号の順位は実行順序の前後を意味せず、一部又は全部のステップについて並列又は前後して実行されてよく、各過程の実行順序はその機能及び内部論理によって決定されるべきであり、本願の実施例の実施過程を制限するためのものではないと理解されるべきである。
【0059】
当業者であれば、本明細書に開示される実施例を参照して説明した各例示的なユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現されてもよいと理解される。これらの機能をハードウェア又はソフトウェア方式で実行するかは、技術手段の特定応用及び設計制約条件によって決定される。当業者は、各特定応用に対して異なる方法で、説明される機能を実現することができるが、このような実現は本願の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0060】
当業者であれば、説明を容易且つ簡単にするために、上記説明されるシステム、装置及びユニットの具体的な動作過程は、上記方法実施例における対応過程を参照してもよく、ここで詳細な説明は省略すると明確に理解される。
【0061】
本願に係る一部の実施例では、理解すべきことは、開示されたシステム、装置及び方法は他の方式で実現することができる。例えば、以上に説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの分割は論理的な機能の分割に過ぎず、実際の実施においては他の分割仕様があってもよく、例えば、複数のユニット又は構成要素は組み合わせるか又は他のシステムに集積されてもよく、或いは一部の特徴を無視するか又は実行しなくてもよい。また、図示又は検討された互いの結合、直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0062】
分離した部材として説明された前記ユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットでなくてもよく、即ち、1つの場所に位置してもよく、複数のネットワークユニット上に分布してもよい。実際のニーズに応じて、それらのうちの一部又は全部のユニットを選択して本実施例の技術手段の目的を達成することができる。
【0063】
また、本願の各実施例中の各機能ユニットは、すべてが1つの処理ユニットに集積されてもよいし、それぞれが物理的に独立してもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。
【0064】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されて独立な製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本願の技術手段は、本質的に従来技術に対する貢献のある部分又は該技術手段の一部をソフトウェア製品の形態で実現することができ、該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、1つのコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置又は端末装置などであってよい)に本願の各実施例における前記方法の全部又は一部のステップを実行させる幾つかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0065】
本願の実施例に使用される用語は、特定の実施例を説明する目的のためだけであり、本発明を限定することを意図するものではない。本願の実施例及び添付される特許請求の範囲に使用される単数形の「一種」、「前記」及び「該」は、文脈で他の意味を明確に示さない限り、複数形も同様に含む。本明細書に使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する例示的な項目の如何なる又は全ての可能な組み合わせを含むことを理解すべきである。本明細書における文字「/」は、一般的に前後関連オブジェクトが「又は」関係であることを示す。
【0066】
文脈によって決まるように、ここで使用されている「...場合」又は「...であれば」を、「...時に」又は「...際に」、又は「決定に応答する」又は「検出に応答する」のように解釈すべきである。同様に、文脈によって決まるように、語句「決定する場合」又は「検出する場合(記述された条件又はイベント)」を、「決定する時に」又は「決定に応答する」又は「検出する時に(記述された条件又はイベント)」又は「検出に応答する(記述された条件又はイベント)」のように解釈すべきである。
【0067】
当業者であれば、上記実施例の方法におけるステップの全部又は一部の実現がプログラムによって関連するハードウェアを命令して完了させてもよく、前記プログラムが1つの装置の可読記憶媒体に記憶されてもよく、実行時に、該プログラムは上記ステップの全部又は一部を含むと理解され、前記記憶媒体は、例えば、FLASH、EEPROM等である。
【0068】
以上の説明は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲は、これに限定されるものではなく、当業者であれば、本願に開示された技術的範囲内で容易に想到し得る変更や置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲に記載の保護範囲に準じるものとする。