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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】インターフェイスボックス
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20221102BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
G08C15/00 D
H02J13/00 A
H02J13/00 301A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022083749
(22)【出願日】2022-05-23
【審査請求日】2022-06-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592184278
【氏名又は名称】一般財団法人東北電気保安協会
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】相原 正仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直之
(72)【発明者】
【氏名】福士 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇敏
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-116897(JP,A)
【文献】国際公開第2021/095159(WO,A1)
【文献】特開2002-313450(JP,A)
【文献】特開2013-2814(JP,A)
【文献】特開2011-137718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-25/04
H02B 1/00- 1/56
H02B 13/00-13/08
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電流及び負荷電圧を取得し、取得した前記負荷電流及び前記負荷電圧に基づいて生成した負荷情報を出力するトランスユニットと、
前記受変電設備の周囲の状況を検知する環境センサにより検知された情報を取得し、取得した前記情報に基づいて環境情報を生成し、前記トランスユニットから前記負荷情報を取得するメインユニットと
を備え
前記トランスユニットは、前記負荷電圧を電流情報に変換する複数のトランスデューサと、前記複数のトランスデューサからの情報をデジタル情報に変換する第1AD変換部と、前記負荷電流をデジタル情報に変換する第2AD変換部とを備え、前記第1AD変換部及び前記第2AD変換部が変換したデジタル情報を前記負荷情報として前記メインユニットに出力し、
前記メインユニットは、複数の前記環境センサから情報を取得し、デジタル情報に変換して環境情報を生成する第3AD変換部を備え、前記環境情報と前記負荷情報をまとめて外部に出力する
インターフェイスボックス。
【請求項2】
前記メインユニットが格納される筐体と、前記トランスユニットが格納される筐体とは、異なる筐体であり、
前記メインユニットと前記トランスユニットは、前記負荷情報を伝達する信号線を少なくとも含む接続ケーブルにより接続される
請求項1に記載のインターフェイスボックス。
【請求項3】
前記トランスユニットは、前記第1AD変換部が変換したデジタル情報及び前記第2AD変換部が変換したデジタル情報を前記負荷情報として前記メインユニットに出力する
請求項に記載のインターフェイスボックス。
【請求項4】
前記環境センサの出力値を電流値に変換し、前記メインユニットに出力するセンサ変換ユニットを更に備える
請求項1又は請求項2に記載のインターフェイスボックス。
【請求項5】
前記メインユニットは、前記環境情報を生成した時期と前記負荷情報と取得した時期が同時期である前記環境情報と前記負荷情報をまとめ、まとめた時刻を付与した電文を外部に出力する
請求項1又は2に記載のインターフェイスボックス。
【請求項6】
前記メインユニットにより取得された前記環境情報と前記負荷情報とを
所定のネットワークに出力する通信ユニットを更に備える
請求項1又は請求項2に記載のインターフェイスボックス。
【請求項7】
前記メインユニットは、停電時に電力を供給可能なバッテリを更に備え、
停電時、前記メインユニット及び前記通信ユニットには、前記バッテリに蓄えられた電力が供給される
請求項に記載のインターフェイスボックス。
【請求項8】
前記メインユニットは、前記変圧器の高圧配電線に関する高圧シールド電流の検出値をさらに取得する
請求項1又は請求項2に記載のインターフェイスボックス。
【請求項9】
トランスユニットとメインユニットとを備えるインターフェイスボックスであって、
前記トランスユニットは、
受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電圧を複数取得し、電流情報に変換する複数のトランスデューサと、
前記複数のトランスデューサからの情報を取得し、デジタル情報に変換する第1AD変換部と、
前記受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電流を複数取得し、デジタル情報に変換する第2AD変換部と、
前記第1AD変換部および前記第2AD変換部が出力した複数のデジタル情報を負荷情報として出力する出力部と
を有し、
前記メインユニットは、
前記受変電設備の周囲の状況を検知する複数の環境センサにより検知された情報を取得し、複数のデジタル情報に変換する第3AD変換部と、
前記トランスユニットが出力した負荷情報を取得する取得部と、
第3AD変換部が出力した複数のデジタル情報に基づき環境情報を生成し、前記環境情報を生成した時期と前記負荷情報と取得した時期が同時期である前記環境情報と前記負荷情報をまとめ、まとめた時刻を付与した電文を外部に出力する出力部と
を有するインターフェイスボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェイスボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高圧配電線から6600[V]の電力の供給を受け、100[V]又は200[V]に変換して使用する高圧需要家に設置されたキュービクル式高圧受電設備等の電気設備において、キュービクル内に各種センサを設け、センサからの出力情報を収集及び解析することにより、キュービクル内に異常が発生しているか否かを検知するための技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-009184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術によれば、キュービクル内に設置されたセンサによる出力値は、遠隔にあるサーバ等に送信される。一般にセンサ出力値をデジタル信号として送信するためには、複数のセンサに対応するA/D変換部、通信部等を備えたユニットを構成する必要があり、センサの数が多くなるほどユニットが大きくなる。また、負荷電流及び負荷電圧の測定が必要な場合は測定チャネル数に応じたトランスデューサを備える必要があり、測定チャネル数が多くなるほどユニットが大きくなる。すなわち、キュービクル内におけるユニットの設置スペースが限られている場合には、キュービクル内にユニットを収めることが困難であるといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、キュービクルに接続される複数のセンサ出力値をデジタル信号として送信するためのインターフェイスボックスであって、キュービクル内におけるユニットの設置スペースが限られている場合であっても容易に設置することができるインターフェイスボックスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様1は、受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電流及び負荷電圧を取得し、取得した前記負荷電流及び前記負荷電圧に基づいて生成した負荷情報を出力するトランスユニットと、前記受変電設備の周囲の状況を検知する環境センサにより検知された情報を取得し、取得した前記情報に基づいて環境情報を生成し、前記トランスユニットから前記負荷情報を取得するメインユニットとを備え、前記トランスユニットは、前記負荷電圧を電流情報に変換する複数のトランスデューサと、前記複数のトランスデューサからの情報をデジタル情報に変換する第1AD変換部と、前記負荷電流をデジタル情報に変換する第2AD変換部とを備え、前記第1AD変換部及び前記第2AD変換部が変換したデジタル情報を前記負荷情報として前記メインユニットに出力し、前記メインユニットは、複数の前記環境センサから情報を取得し、デジタル情報に変換して環境情報を生成する第3AD変換部を備え、前記環境情報と前記負荷情報をまとめて外部に出力するインターフェイスボックスである。
【0007】
また、本発明の態様2は、態様1のインターフェイスボックスにおいて、前記メインユニットが格納される筐体と、前記トランスユニットが格納される筐体とは、異なる筐体であり、前記メインユニットと前記トランスユニットは、前記負荷情報を伝達する信号線を少なくとも含む接続ケーブルにより接続される。
【0010】
また、本発明の一態様5は、態様1から態様4のいずれか一つのインターフェイスボックスにおいて、前記トランスユニットは、前記第1AD変換部が変換したデジタル情報及び前記第2AD変換部が変換したデジタル情報を前記負荷情報として前記メインユニットに出力する。
【0011】
また、本発明の態様6は、態様1から態様5のいずれか一つのインターフェイスボックスにおいて、前記環境センサの出力値を電流値に変換し、前記メインユニットに出力するセンサ変換ユニットを更に備える。
【0012】
また、本発明の態様7は、態様1から態様6のいずれか一つのインターフェイスボックスにおいて、前記メインユニットは、前記環境情報を生成した時期と前記負荷情報と取得した時期が同時期である前記環境情報と前記負荷情報をまとめ、まとめた時刻を付与した電文を外部に出力する。
【0013】
また、本発明の態様8は、態様1から態様7のいずれか一つのインターフェイスボックスにおいて、前記メインユニットにより取得された前記環境情報と前記負荷情報とを所定のネットワークに出力する通信ユニットを更に備える。
【0014】
また、本発明の態様9は、態様8のインターフェイスボックスにおいて、前記メインユニットは、停電時に電力を供給可能なバッテリを更に備え、停電時、前記メインユニット及び前記通信ユニットには、前記バッテリに蓄えられた電力が供給される。
【0015】
また、本発明の態様10は、態様1から態様9のいずれか一つのインターフェイスボックスにおいて、前記メインユニットは、前記変圧器の高圧配電線に関する高圧シールド電流の検出値をさらに取得する。
【0016】
また、本発明の態様11は、トランスユニットとメインユニットとを備えるインターフェイスボックスであって、前記トランスユニットは、受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電圧を複数取得し、電流情報に変換する複数のトランスデューサと、前記複数のトランスデューサからの情報を取得し、デジタル情報に変換する第1AD変換部と、前記受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電流を複数取得し、デジタル情報に変換する第2AD変換部と、前記第1AD変換部および前記第2AD変換部が出力した複数のデジタル情報を負荷情報として出力する出力部とを有し、前記メインユニットは、前記受変電設備の周囲の状況を検知する複数の環境センサにより検知された情報を取得し、複数のデジタル情報に変換する第3AD変換部と、前記トランスユニットが出力した負荷情報を取得する取得部と、第3AD変換部が出力した複数のデジタル情報に基づき環境情報を生成し、前記環境情報を生成した時期と前記負荷情報と取得した時期が同時期である前記環境情報と前記負荷情報をまとめ、まとめた時刻を付与した電文を外部に出力する出力部とを有するインターフェイスボックスである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、キュービクル内におけるユニットの設置スペースが限られている場合であっても、キュービクルに接続される複数のセンサ出力値をデジタル信号として送信するためのインターフェイスボックスを容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る保安システムの概略を説明するための図である。
図2】実施形態に係るインターフェイスボックスを含む各装置の機能構成図の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るメインユニット及びトランスユニットの配置の一例を説明するための図である。
図4】実施形態に係るトランスユニットの外観の一例について説明するための図である。
図5】実施形態に係るトランスユニットの機能構成図の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るトランスユニットの詳細な機能構成について説明するためのブロック図の一例を示す図である。
図7】実施形態に係るメインユニットの外観の一例について説明するための図である。
図8】実施形態に係るメインユニットの機能構成図の一例を示す図である。
図9】実施形態に係るメインユニットの入力部の詳細な機能構成について説明するためのブロック図の一例を示す図である。
図10】実施形態に係るメインユニットの電源制御部の詳細な機能構成について説明するためのブロック図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下において説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限定されない。
【0020】
[保安システム]
図1は、実施形態に係る保安システムの概略を説明するための図である。同図を参照しながら、保安システム1について説明する。保安システム1は、定期的な点検が法的に求められる中小規模自家用電気工作物の受変電設備において用いられる。保安システム1には複数の受変電設備が接続される。複数の受変電設備において取得された情報は、それぞれ所定のネットワークNWを介してはセンサ処理サーバ5Bに集約される。
【0021】
保安システム1は、キュービクル2と、高圧配電線3と、低圧配電線4と、センサ処理サーバ5Bとを備える。保安システム1は、複数の受変電設備が接続されてもよいが、本実施形態においては、一例として1つの受変電設備が接続される場合の一例について説明する。
なお、受変電設備とは、具体的にはキュービクル式高圧受電設備等であってもよい。
【0022】
高圧配電線3は、配電用変電所において変換された6600[V(ボルト)]の交流電力を、ビルや中規模工場等に配電する。以降の説明において、高圧配電線3から電力の供給を受ける需要家を高圧需要家と記載する場合がある。
【0023】
キュービクル2は、高圧需要家に備えられる。高圧需要家は、高圧配電線3から受電した6600[V]の交流電力を、100[V]又は200[V]の交流電力に変換して使用する。
低圧配電線4には、変圧器により低電圧に変換された100[V]又は200[V]の交流電力が配電される。低圧配電線4には、様々な負荷が接続される。低圧配電線4に接続される様々な負荷の一例としては、100[V]又は200[V]の交流電力で駆動するモータ等である。
【0024】
キュービクル2は、具体的にはキュービクル式高圧受電設備等である。以降の説明において、キュービクル2を、受変電設備と記載する場合がある。キュービクル2は、スマートゲートウェイ15と、インターフェイスボックス10と、変圧器20と、複数の環境センサ30とを備える。
変圧器20は、高圧配電線3から受電した6600[V]の交流電力を、100[V]又は200[V]の交流電力に変換する。変圧器20は、変換した交流電力を低圧配電線4に供給する。
【0025】
ここで、キュービクル2内において漏電や機器の劣化、故障等の異常が発生する場合がある。キュービクル2は、スマートゲートウェイ15、インターフェイスボックス10及び複数の環境センサ30を備えることにより、漏電や機器の劣化、故障等の異常を検知し、外部に通知をしたり、環境センサ30からの情報をセンサ処理サーバ5Bに送信したりする。環境センサ30の一例として、第1環境センサ31、第2環境センサ32、…、第n環境センサ3n(nは1以上の自然数)と記載する場合がある。
【0026】
環境センサ30は、キュービクル2の周囲の状況を検知する。キュービクル2の周囲の状況とは、例えばキュービクル2の内部における温度や湿度であってもよい。この場合、第1環境センサ31は温度センサであり、第2環境センサ32は湿度センサ等であってもよい。
【0027】
環境センサ30は、取得した情報を環境情報IEとしてインターフェイスボックス10に、図示しないセンサユニットを介して、もしくは直接出力する。第1環境センサ31が出力する情報を第1環境情報IE1、第2環境センサ32が出力する情報を第2環境情報IE2、…、第n環境センサ3nが出力する情報を第n環境情報IEnと記載する場合がある。また、第1環境情報IE1から第n環境情報IEnを区別しない場合は、単に環境情報IEと記載する場合がある。
第1環境センサ31が温度センサである場合、第1環境情報IE1はキュービクル2内部又は周囲の温度情報である。第2環境センサ32が湿度センサである場合、第2環境情報IE2はキュービクル2内部又は周囲の湿度情報である。
なお、変圧器に入る高圧配電線に関する高圧ケーブルシールド接地線電流(以下、高圧シールド電流と記載する。)を既知の手法により検出し、検出した結果を環境センサ30からの情報と同様に、インターフェイスボックス10に入力させることもできる。そのため、以後、インターフェイスボックス10に入力される環境情報IEについては、環境センサ30からの情報の他、高圧シールド電流の情報を含んでもよいものとする。また同様に、後述するセンサ変換ユニット12において変換された情報IETにも、環境センサ30からの情報が変換された情報の他、高圧シールド電流が変換された情報を含んでもよいものとする。高圧シールド電流を検出するための既知の方法の一例としては、高圧配電線の周りを流れる電流を測定してもよい。
【0028】
インターフェイスボックス10は、複数の環境センサ30から環境情報IEを取得する。また、インターフェイスボックス10は、変圧器20の低電圧配線側を流れる負荷電流及び負荷電圧についての情報である負荷情報ILを取得する。
インターフェイスボックス10は、取得した環境情報IE及び負荷情報ILに関する情報を、キュービクル情報ICとしてスマートゲートウェイに送信し、スマートゲートウェイから所定の通信ネットワークNWを介してセンサ処理サーバ5Bに出力する。
【0029】
[インターフェイスボックス]
図2は、実施形態に係るインターフェイスボックスを含む各装置の機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、インターフェイスボックス10を含む各装置の機能構成について説明する。インターフェイスボックス10は、少なくともメインユニット13を備え、必要によりトランスユニット11と、センサ変換ユニット12を追加して構成される。トランスユニット11には負荷情報ILが入力され、メインユニット13には環境センサ30からの情報がセンサ変換ユニット12を介して、もしくは環境センサ30から直接、入力される。メインユニット13はスマートゲートウェイ15と接続される。トランスユニット11と、センサ変換ユニット12と、メインユニット13と、スマートゲートウェイ15とは、それぞれ異なる筐体に収容され、それぞれ接続ケーブルにより接続されてもよい。
【0030】
トランスユニット11は、負荷情報ILを取得する。負荷情報ILとは、キュービクル2が備える変圧器20により変換され、変圧器20の低圧配電線側を流れる負荷電流及び負荷電圧についての情報である。トランスユニット11は、取得した負荷情報ILをデジタル信号である負荷情報ILTに変換する。トランスユニット11は、変換した負荷情報ILTをメインユニット13に出力する。
【0031】
センサ変換ユニット12は、環境センサ30から環境情報IEを取得し、環境センサ30の出力値を電流値に変換する。センサ変換ユニット12は、電流値に変換した環境情報IEである環境情報IETをメインユニット13に出力する。環境情報IETは、4-20[mA]の範囲でリニアライズされた情報であってもよい。
換言すれば、メインユニット13はセンサ変換ユニット12を介して環境センサ30から環境情報IEを取得する。
【0032】
なお、環境センサ30の出力値が、メインユニット13の入力規格と合致する場合には、環境センサ30の出力値を直接(すなわち、センサ変換ユニット12を介さず)メインユニット13に入力してもよい。環境センサ30の出力値を、センサ変換ユニット12を介してメインユニット13に入力することにより、様々な種類の環境センサ30を使用することができる。メインユニット13の入力規格とは、例えば、4-20[mA]の電流入力であってもよい。
【0033】
なお、センサ処理サーバ5Bは、キュービクル2を識別するための識別番号と、環境センサ30を識別するための識別番号と、環境センサ30の種類とを対応付けて記憶していてもよい。具体的には、センサ処理サーバ5Bは、キュービクル2を識別するキュービクル識別番号と、環境センサ30を識別するための識別番号としてのチャンネルと、環境センサ30の種類としてのセンサ名とを予め対応付けて記憶しておくことにより、インターフェイスボックス10及びスマートゲートウェイ15は、チャンネルと当該チャンネルに対応付けられた環境センサからの情報をセンサ処理サーバ5に送信するだけでよく、環境センサ30の種類を識別しなくてもよい。
【0034】
メインユニット13は、環境センサ30から直接、又はセンサ変換ユニット12を介して環境情報IEを取得する。メインユニット13は、複数の環境センサ30から環境情報IEを取得する。また、メインユニット13は、トランスユニット11から負荷情報ILを取得する。また、上述したように、環境情報IEには高圧シールド電流の検出値を含んでいてよいものとする。
メインユニット13は、取得した環境情報IE及び負荷情報ILを含む情報を、キュービクル情報IC1としてスマートゲートウェイ15に出力する。
【0035】
スマートゲートウェイ15は、メインユニット13からキュービクル情報IC1を取得する。スマートゲートウェイ15は、メインユニット13により取得されたキュービクル情報IC1を加工、蓄積等する。スマートゲートウェイ15は、所定のタイミングで、キュービクル情報IC1に含まれる情報や、加工、蓄積等した情報を、所定の通信ネットワークNWに出力する。所定の通信方式とは、TCP/IP形式等であってもよい。
なお、以降の説明においてスマートゲートウェイ15を、通信ユニットと記載し、インターフェイスボックスに含まれる1つのユニットとして含めることも可能である。
【0036】
図3は、実施形態に係るメインユニット及びトランスユニットの配置の一例を説明するための図である。同図を参照しながら、キュービクル2内におけるメインユニット13及びトランスユニット11の配置の一例について説明する。
【0037】
図3(A)は、キュービクル2内にメインユニット13及びトランスユニット11を横方向に並べて配置できる場合の一例である。メインユニット13及びトランスユニット11は、例えばキュービクル2の壁面に固定されていてもよい。メインユニット13及びトランスユニット11は、互いに接続ケーブル41により接続される。
【0038】
図3(B)は、キュービクル2内にメインユニット13及びトランスユニット11を横方向に並べて配置できない場合の一例である。本実施形態において、メインユニット13及びトランスユニット11はそれぞれ別個独立の筐体に収容されているため、互いをキュービクル2内の空いているスペースに配置することができる。メインユニット13及びトランスユニット11は、互いに接続ケーブル41により接続される。
【0039】
接続ケーブル41には、信号線及び電源線が含まれる。信号線は、負荷情報ILTを伝送する信号が含まれる。電源線は、トランスユニット11が備える各回路を駆動するための電力を供給する。すなわち、トランスユニット11は、メインユニット13を介して電力供給を受ける。
換言すれば、本実施形態においてメインユニット13が格納される筐体と、トランスユニット11が格納される筐体とは、異なる筐体であり、メインユニット13とトランスユニット11は、負荷情報ILTを伝達する信号線を少なくとも含む接続ケーブル41により接続される。
なお、接続ケーブル41は電源線を含まず、メインユニット13及びトランスユニット11は、それぞれ別個独立して電力供給を受けてもよい。
【0040】
なお、キュービクル2内におけるメインユニット13及びトランスユニット11の配置の一例は上述した一例に限定されず、メインユニット13及びトランスユニット11は、様々な配置方法により配置されてもよい。
【0041】
[トランスユニット]
次に、図4から図6を参照しながらトランスユニット11について説明する。
図4は、実施形態に係るトランスユニットの外観の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、トランスユニット11の外観の一例について説明する。
トランスユニット11が備える各構成は、筐体110に収容される。トランスユニット11は、外部からアクセス可能な構成として、FG端子1101と、電圧入力コネクタ1102と、電流センサ入力コネクタ1103とBOX間入出力コネクタ1104とを備える。
【0042】
FG端子1101は、メインユニット13が備えるメイン基板のFG(フレームグランド)と接続される。FG端子1101は、不図示の接地線(アース線)により、キュービクル2のフレームに接続されてもよい。
【0043】
電圧入力コネクタ1102は、不図示の3心ケーブルを用いて、変圧器20の低圧側(すなわち、低圧配電線4側)と接続される。3心ケーブルには、保護用ヒューズが備えられていてもよい。電圧入力コネクタ1102は、例えば8チャネル分の入力端子を備えていてもよい。
【0044】
電流センサ入力コネクタ1103は、不図示の2心ケーブルを用いて、変圧器20の低圧側(すなわち、低圧配電線4側)と接続される。電流センサ入力コネクタ1103は、例えば8チャネル分の入力端子を備えていてもよい。
【0045】
BOX間入出力コネクタ1104は、接続ケーブル41の一端が接続される。接続ケーブル41の他端は、メインユニット13が備えるBOX間入出力コネクタ1305と接続される。BOX間入出力コネクタ1305については後述する。
【0046】
図5は、実施形態に係るトランスユニットの機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、トランスユニット11の機能構成の一例について説明する。トランスユニット11は、負荷情報取得部111と、実効値演算部112と、トランスデューサ113と、A/D変換部114とを備える。
【0047】
図5を参照しながら説明する。トランスユニット11は、負荷電圧測定及び負荷電流測定を行う。トランスユニット11は、負荷電圧測定を行う場合にはトランスデューサ113を要し、負荷電流測定を行う場合にはトランスデューサ113を要さない。以下に説明する一例においては、一例として負荷電圧測定を行う場合について説明する。
負荷情報取得部111は、負荷情報ILを取得する。負荷情報取得部111は、取得した負荷情報ILを負荷情報IL1としてトランスデューサ113に出力する。
【0048】
トランスデューサ113には、負荷情報IL2に含まれる負荷電流測定用の信号及び負荷電圧測定用の信号のうち、負荷電圧測定用の信号が入力される。また、トランスデューサ113は、交流電圧を直流電圧に変換する。トランスデューサ113は、絶縁及び信号レベルの変換をした情報を、負荷情報IL2としてA/D変換部114に出力する。負荷電流測定用の信号はトランスデューサを通らずA/D変換部114に出力される。
【0049】
A/D変換部114は、負荷情報IL2に含まれるアナログ値を、デジタル値に変換する。A/D変換部114は、例えば24bitの分解能を有していてもよい。A/D変換部114は、変換したデジタル値を負荷情報IL3として出力する。
実効値演算部112は、取得した負荷情報IL3の実効値を演算する。なお、実効値演算部112は、例えば、0.1[s]ごとに取得した負荷情報ILの実効値を計算してもよい。実効値演算部112は、演算した実効値を負荷情報ILTとしてトランスデューサ113に出力する。
【0050】
図6は、実施形態に係るトランスユニットの詳細な機能構成について説明するためのブロック図の一例を示す図である。同図を参照しながら、トランスユニット11の詳細な機能構成について説明する。
トランスユニット11は負荷電圧計測部115と、負荷電流計測部116と、アナログ回路用電源回路117と、コネクタ119とを備える。
【0051】
コネクタ119は、上述したBOX間入出力コネクタ1104の一例である。コネクタ119には接続ケーブル41の一端が接続される。接続ケーブル41の他端はメインユニット13が備えるコネクタ139に接続される。
一例として、トランスユニット11は、接続ケーブル41を介してメインユニット13から電力を取得する。なお、トランスユニット11は、接続ケーブル41を介してメインユニット13から電力を取得せず、不図示の他の電力入力端子から電力を取得してもよい。
【0052】
メインユニット13から取得した電力は、アナログ回路用電源回路117に入力される。アナログ回路用電源回路117は、取得した電力に基づき、所定の電源電圧を生成する。アナログ回路用電源回路117により生成された電源電圧の少なくとも一部はアナログ回路用電源として用いられてもよい。
【0053】
負荷電圧計測部115は、コネクタ1150と、第1計測部11501と、…、第8計測部11508と、A/D変換部114-1とを備える。
コネクタ1150は、上述した電圧入力コネクタ1102の一例である。コネクタ1150は、不図示の3心ケーブルを用いて変圧器20の低圧側(すなわち、低圧配電線4側)と接続される。コネクタ1150には、最大8ch分の信号が入力されてもよい。
【0054】
第1計測部11501、…、及び第8計測部11508は、それぞれコネクタ1150に入力された信号の計測を行う。第1計測部11501は、トランス1151-1と、抵抗器1152-1と、ゲイン調整AMP1153-1とを備え、…、第8計測部11508は、トランス1151-8と、抵抗器1152-8と、ゲイン調整AMP1153-8とを備える。以下、トランス1151-1、…、トランス1151-8を区別しない場合は単にトランス1151と記載し、抵抗器1152-1、…、抵抗器1152-8を区別しない場合は単に抵抗器1152と記載し、ゲイン調整AMP1153-1、…、ゲイン調整AMP1153-8を区別しない場合は単にゲイン調整AMP1153と記載する場合がある。
【0055】
トランス1151は、例えばトランスデューサである。すなわちトランスユニット11は、負荷電圧を検出するための複数のトランスデューサを備える。それぞれのトランス1151には、最大300Vの交流電圧が入力される。抵抗器1152は、トランス1151の出力についてI-V変換を行う。ゲイン調整AMP1153は、I-V変換された電圧値に調整用のゲインをかける。
【0056】
A/D変換部114-1は、最大8個のゲイン調整AMP1153から電圧値を取得する。A/D変換部114-1は、取得した電圧値(すなわち、負荷情報IL)をデジタル信号に変換する。A/D変換部114-1は、例えば24bitの分解能を有し、8ch分の電圧値をそれぞれデジタル値に変換する。A/D変換部114-1は、変換したデジタル信号を、例えばSPI(Serial Peripheral Interface)により、メインユニット13に出力する。この際、A/D変換部114-1から出力されたデジタル信号は、図示しないCPUにより実効値に演算処理されて、メインユイット1に出力されるものとする。
【0057】
負荷電流計測部116は、コネクタ1160と、第1計測部11601と、…、第8計測部11608と、A/D変換部114-2とを備える。
コネクタ1160は、上述した電流センサ入力コネクタ1103の一例である。コネクタ1160は、不図示の2心ケーブルを用いて変圧器20の低圧側(すなわち、低圧配電線4側)と接続される。コネクタ1160には、最大8ch分の信号が入力されてもよい。
【0058】
第1計測部11601、…、及び第8計測部11608は、それぞれコネクタ1160に入力された信号の計測を行う。第1計測部11601は、抵抗器1162-1と、ゲイン調整AMP1163-1とを備え、…、第8計測部11608は、抵抗器1162-8と、ゲイン調整AMP1163-8とを備える。以下、抵抗器1162-1、…、抵抗器1162-8を区別しない場合は単に抵抗器1162と記載し、ゲイン調整AMP1163-1、…、ゲイン調整AMP1163-8を区別しない場合は単にゲイン調整AMP1163と記載する場合がある。
【0059】
抵抗器1162は、コネクタ1160に入力された信号についてI-V変換を行う。ゲイン調整AMP1163は、I-V変換された電圧値に調整用のゲインをかける。
【0060】
A/D変換部114-2は、最大8個のゲイン調整AMP1163から電圧値を取得する。A/D変換部114-2は、取得した電圧値(すなわち、負荷情報IL)をデジタル信号に変換する。A/D変換部114-2は、例えば24bitの分解能を有し、8ch分の電圧値をデジタル値に変換する。A/D変換部114-2は、変換したデジタル信号を、例えばSPIにより、メインユニット13に出力する。この際、A/D変換部114-2から出力されたデジタル信号は、図示しないCPUにより実効値に演算処理されて、メインユニット13に出力されるものとする。
【0061】
[メインユニット]
次に、図7から図10を参照しながらメインユニット13について説明する。
図7は、実施形態に係るメインユニットの外観の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、メインユニット13の外観の一例について説明する。
メインユニット13が備える各構成は、筐体130に収容される。メインユニット13は、外部からアクセス可能な構成として、LED1301と、電源スイッチ1302と、リセットスイッチ1303と、入力コネクタ1304と、BOX間入出力コネクタ1305と、拡張用コネクタ1306と、ゲートウェイ用DC出力コネクタ1307と、DC入力コネクタ1308と、LANコネクタ1309とを備える。
【0062】
LED1301は、電源の供給の有無、動作状態、電池残量の状態等を、例えば色を変えて点灯させることにより表示する。
電源スイッチ1302は、メインユニット13に電源を入れるためのスイッチである。
リセットスイッチ1303は、メインユニット13に備えられる不図示のCPU(Central Processing Unit)をリセットするためのスイッチである。
入力コネクタ1304には、環境センサ30の出力値が、直接又はセンサ変換ユニット12を介して入力される。
【0063】
BOX間入出力コネクタ1305には、接続ケーブル41の一端が接続される。接続ケーブル41の他端は、トランスユニット11が備えるBOX間入出力コネクタ1104と接続される。
【0064】
拡張用コネクタ1306は、インターフェイスボックス10の機能を拡張する際に用いられる予備のコネクタである。拡張用コネクタ1306は、例えばメインユニット13に備えられる不図示のCPUのGPIO(General Purpose Input/Output)端子に接続されていてもよい。
【0065】
DC入力コネクタ1308には、直流電力が入力される。DC入力コネクタ1308には、例えば不図示のDCアダプタにより直流電力に変換された12[V]の直流電力が入力されてもよい。
ゲートウェイ用DC出力コネクタ1307は、スマートゲートウェイ15と接続される。メインユニット13は、DC入力コネクタ1308に入力された直流電力を、ゲートウェイ用DC出力コネクタ1307を介してスマートゲートウェイ15に供給する。
LANコネクタ1309は、スマートゲートウェイ15に接続される。メインユニット13は、LANコネクタ1309を介してキュービクル情報IC1をスマートゲートウェイ15に出力する。
【0066】
図8は、実施形態に係るメインユニットの機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、メインユニット13の機能構成の一例について説明する。メインユニット13は、環境情報取得部131と、負荷情報デジタル値取得部132と、A/D変換部133と、バッファ部134と、HUB135と、無停電電源装置136とを備える。
【0067】
環境情報取得部131は、環境情報IETを、環境センサ30から直接又はセンサ変換ユニット12を介して取得する。環境情報取得部131は、取得した環境情報IETを環境情報IET1としてA/D変換部133に出力する。
【0068】
A/D変換部133は、環境情報取得部131からIET1を取得する。取得したIET1はアナログ値であるため、A/D変換部133は、環境情報IET1をデジタル値に変換(A/D変換)し、A/D変換した結果を環境情報IET2としてバッファ部134に出力する。
【0069】
負荷情報デジタル値取得部132は、トランスユニット11からデジタル化されたデータで負荷情報ILTを取得する。負荷情報デジタル値取得部132は、取得した負荷情報ILTをバッファ部134に出力する。
【0070】
バッファ部134は、A/D変換部133から環境情報IET2を取得し、負荷情報デジタル値取得部132から負荷情報ILTを取得する。バッファ部134は、取得した環境情報IET2及び負荷情報ILTを含む情報をキュービクル情報ICとしてHUB135に出力する。
【0071】
HUB135は、バッファ部134からキュービクル情報ICを取得する。HUB135は、取得したキュービクル情報ICを所定の通信フォーマットに変換し、スマートゲートウェイ15に出力する。なお、前述したように、環境情報ISTには高圧シールド電流に関する情報が含まれていてよく、したがって、環境情報IET1、A/D変換後のIET3、キュービクル情報ICにも高圧シールド電流に関する情報が含まれていてよい。
具体的には、HUB135は、取得したキュービクル情報ICに基づき、予め定められたフォーマットの電文にまとめ、スマートゲートウェイ15に出力する。当該電文には、同時期に取得した負荷情報ILT、環境情報IET、作成時の時刻(タイムスタンプ)が含まれる。ここで、当該電文には、負荷情報ILT及び環境情報IETの他、複数の情報が含まれていてもよい。当該電文に含まれる複数の情報は、例えば20種類程度であり、複数の情報を時刻ごとにまとめて送信することにより、情報の種類の数だけ電文が送信されることを抑止することができ、通信が煩雑なものになることを抑止できる。
【0072】
ここで、負荷情報ILT及び環境情報IETごとに電文を作って送信する場合、通信が込み合い、更には情報同士の時刻同期を図ることが困難になる。すなわち、時刻同期を図ることができないと、異常時の対応検討が容易でないといった問題があった。センサごとにサーバに接続する仕組みを採用すると、サーバに多数の装置が接続されることになり、通信が非常に混み合い、サーバ側の負荷増大が懸念される。
本実施形態によれば、インターフェイスボックス10に負荷情報ILT及び環境情報IETを集約するため、1つの電文に情報をまとめることが可能となり、遠隔サーバに対し、1回の送信により複数の情報を伝達することができる。すなわち、複数の情報をまとめて1つの電文として送信することにより、電文の種類が限られるため、外部との通信をシンプルにすることができる。
【0073】
無停電電源装置136は、例えばニッケル水素電池を含む。無停電電源装置136は、停電時、メインユニット13及びスマートゲートウェイ15に電力を供給する。また、無停電電源装置136は、停電の発生有無を検知する。無停電電源装置136は停電が発生したことを検知すると、停電トリガTRを出力する。
以降の説明において、無停電電源装置136をUPS(Uninterruptible Power Supply)とも記載する場合がある。
【0074】
図9は、実施形態に係るメインユニットの入力部の詳細な機能構成について説明するためのブロック図の一例を示す図である。同図を参照しながら、メインユニット13の入力部の詳細な機能構成について説明する。
メインユニット13は、コネクタ1381と、第1センサ入力部137-1と、…、第12センサ入力部137-12と、A/D変換部1382と、CPU1383とを備える。
【0075】
コネクタ1381は、上述した入力コネクタ1304の一例である。コネクタ1381は、環境センサ30から直接、又はセンサ変換ユニット12から環境情報IETを取得する。本実施形態において、コネクタ1381は、最大12chの環境情報IEを受け付ける。
【0076】
第1センサ入力部137-1、…、第12センサ入力部137-12は、それぞれ抵抗器1371-1及び計装AMP1372-1と、…、抵抗器1371-12及び計装AMP1372-12とを備える。抵抗器1371-1、…、抵抗器1371-12をそれぞれ区別しない場合は、単に抵抗器1371と記載する場合がある。計装AMP1372-1、…、計装AMP1372-12をそれぞれ区別しない場合は、単に計装AMP1372と記載する場合がある。
抵抗器1371は、入力された電流値のI-V変換を行う。計装AMP1372は、変換された電圧値にゲインをかける。
【0077】
A/D変換部1382は、計装AMP1372の出力値を取得する。本実施形態においては、最大12chの環境情報IEを受け付けるため、A/D変換部1382は12chの入力端子を有する。A/D変換部1382は、取得した信号をデジタル信号に変換する。A/D変換部1382は、例えば24bitの分解能を有し、12ch分の電圧値をデジタル値に変換する。A/D変換部1382は、変換したデジタル信号を、例えばSPIにより、CPU1383に出力する。
CPU1383は、A/D変換部1382から、SPIにより環境センサ30の出力値を取得する。
【0078】
図10は、実施形態に係るメインユニットの電源制御部の詳細な機能構成について説明するためのブロック図の一例を示す図である。同図を参照しながら、メインユニット13の電源制御部の詳細な機能構成について説明する。
メインユニット13は、接続インタフェースとして、コネクタ1431と、コネクタ1432とを備える。コネクタ1431は、DC入力コネクタ1308の一例であり、コネクタ1432は、ゲートウェイ用DC出力コネクタ1307の一例である。
【0079】
メインユニット13は、メインユニット基板14と、無停電電源装置136とを備える。メインユニット基板14は、コネクタ141を備える。コネクタ141は無停電電源装置136と接続される。
メインユニット基板14は、通常時にはコネクタ1431を介して電力を取得し、停電時にはコネクタ141を介して電力を取得する。
【0080】
メインユニット基板14は、バッテリ電圧検出部1421と、FET1422と、充電制御部1423と、ダイオード1424と、DCDCコンバータ1425と、DCDCコンバータ1426と、eFUSE1427と、FET1428と、eFUSE1429とを備える。
【0081】
バッテリ電圧検出部1421は、無停電電源装置136の出力電圧を検出する。不図示のCPUは、検出した出力電圧に応じた制御を行う。
FET1422は、Pチャネル型のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。FET1422は、不図示のCPUにより導通状態が制御され、無停電電源装置136の出力電圧をDCDCコンバータ1425に供給するか否かを制御する。
【0082】
充電制御部1423は、バッテリ電圧検出部1421により検出された出力電圧に応じて、コネクタ1431に入力された直流電力を用いて、無停電電源装置136を充電させるか否かを制御する。
ダイオード1424は、無停電電源装置136から供給される電力がDCDCコンバータ1426等を介してコネクタ1431に逆流することを抑止する。
【0083】
DCDCコンバータ1425は、無停電電源装置136から供給される直流電力又はコネクタ1431を介して供給される直流電力が入力され、入力された直流電力の電圧レベルを変換し、変換した直流電力を出力する。DCDCコンバータ1425には、例えば17[V]が入力され、17[V]の電力を5[V]の電力に変換し、変換した5[V]の電力を出力する。変換された5[V]の直流電力は、メインユニット基板14が備える各回路の電力として供給される。また、変換された5[V]の直流電力は、更に3.3[V]等に降圧され、メインユニット基板14内において用いられてもよい。
DCDCコンバータ1426は、コネクタ141から入力された12[V]の直流電力を、17[V]まで昇圧する。
【0084】
eFUSE1427は、MOSFETを内蔵し、高速にMOSFETの導通状態を制御することにより、過電流保護を行う。
FET1428は、Pチャネル型のMOSFETである。FET1428は、不図示のCPUにより導通状態が制御される。FET1428は、逆接続防止のための機能を有する。
eFUSE1429は、MOSFETを内蔵し、高速にMOSFETの導通状態を制御することにより、過電流保護を行う。また、eFUSE1429は不図示のCPUによりイネーブルが制御され、スマートゲートウェイ15に直流電力を供給するか否かを制御する。
【0085】
メインユニット13は、上述した回路を備えることにより、通常時にはコネクタ1431から供給される電力により駆動され、停電時にはコネクタ141から供給される電力により駆動される。
換言すれば、メインユニット13が備える無停電電源装置136とは、停電時に電力を供給可能なバッテリである。メインユニット13は、無停電電源装置136を備えることにより、停電時、メインユニット13及びスマートゲートウェイ(通信ユニット)15には、無停電電源装置(バッテリ)136に蓄えられた電力が供給される。
【0086】
なお、無停電電源装置136のバッテリ容量としては、停電後も環境情報IE及び負荷情報ILを取得することができ、取得した情報を、スマートゲートウェイ15を介して送信することができるだけの容量以上であることが好適である。より具体的には、無停電電源装置136のバッテリ容量は、停電後10分間以上駆動できる容量であることが好適である。
【0087】
[実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、インターフェイスボックス10は、トランスユニット11を備えることにより受変電設備の変圧器の低圧配電線4を流れる負荷電流及び負荷電圧についての情報である負荷情報ILを取得し、取得した負荷情報ILをメインユニット13に出力する。また、インターフェイスボックス10は、メインユニット13を備えることにより受変電設備の周囲の状況を検知する環境センサ30により検知された環境情報IEを取得し、トランスユニット11から負荷情報ILを取得する。
インターフェイスボックス10は、トランスユニット11とメインユニット13の2つの筐体を有することにより1つの大きな筐体である場合と比較し、それぞれのユニットの大きさを小さくすることができる。したがって、インターフェイスボックス10は、キュービクル内への設置が制限される場合であっても、配置の自由度が高く、容易に配置することができる。
【0088】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、複数の環境センサ30の情報と、負荷電流及び負荷電圧の情報とを1つにまとめてTCP/IP出力する。したがって、センサ処理サーバ側での処理が容易で、かつネットワーク負荷を削減できることができる。
【0089】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、メインユニット13が格納される筐体と、トランスユニット11が格納される筐体とは異なる筐体であり、メインユニット13とトランスユニット11は、負荷情報ILを伝達する信号線を少なくとも含む接続ケーブル41により接続される。したがって、本実施形態によれば、メインユニット13とトランスユニット11を配置する際の互いの設置場所は、接続ケーブル41により接続可能な範囲であれば自由であり、狭いキュービクル2内であっても容易にインターフェイスボックス10を配置することができる。
【0090】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、メインユニットには複数のデータを処理するA/D変換部114を備え、トランスユニット11は、複数のA/D変換部114と負荷電圧を検出するための複数のトランスデューサ113を備える。したがって、インターフェイスボックス10によれば、複数のトランスデューサをそれぞれ用意する場合と比べて、全体としての装置の体積を小さくすることができる。よって、本実施形態によれば、インターフェイスボックス10の配置面積を小さくすることができる。
【0091】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、メインユニット13は、複数の環境センサ30から環境情報IEを取得する。より具体的には、メインユニット13は、複数のセンサ入力部137を備えることにより、4-20[mA]の電流入力を受け付ける。したがって、本実施形態によれば、温度や湿度等の、キュービクル内の様々な異常を検知することができる。
【0092】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、トランスユニット11は、取得した負荷情報ILをデジタル信号に変換するA/D変換部114-1及びA/D変換部114-2を更に備え、アナログ信号をデジタル信号に変換する。トランスユニット11は、変換したデジタル信号をメインユニット13に出力する。すなわち、トランスユニット11-メインユニット13間では、デジタル信号でのやりとりが行われる。よって、本実施形態によれば、ノイズによる影響を低減することができる。
【0093】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、センサ変換ユニット12を備えることにより、環境センサ30の出力値を電流値に変換し、メインユニット13に出力する。より具体的には、インターフェイスボックス10によれば、環境センサ30の出力情報をセンサ変換ユニット12でリニアライズしてからメインユニット13に入力する。したがって、本実施形態によれば、メインユニット13側での環境センサ30の出力情報の変換処理が不要であり、メインユニット13の構成を簡素化することができる。
【0094】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、スマートゲートウェイ(通信ユニット)15を備えることにより、メインユニット13により取得された環境情報IEと負荷情報ILとを所定のネットワークNWに出力する。したがって、本実施形態によれば、インターフェイスボックス10は、取得した情報をセンサ処理サーバ5Bに通知することができる。センサ処理サーバ5Bは、保安システム1が備える複数のインターフェイスボックス10からキュービクル2の詳細な情報を取得することにより、キュービクル2に異常が発生しているか否かを判断するうえで参考となる情報を電気主任技術者に対して提示することができ、結果、故障や異常事態の発生の防止に役立てることができる。
【0095】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、メインユニット13は、無停電電源装置136を備えることにより、停電時に電力を供給可能とする。また、インターフェイスボックス10によれば、停電時、メインユニット13及びスマートゲートウェイ(通信ユニット)15には、無停電電源装置136に蓄えられた電力が供給される。したがって、本実施形態によれば、停電時であっても一定時間は継続稼働する時間を確保することができ、停電までに蓄積したデータが消えないメモリ領域に退避させ、また事故前後のセンサ情報をセンサ処理サーバ5Bに送信することができるため、停電電後の状況も把握することができる。
【0096】
また、上述したインターフェイスボックス10によれば、トランスユニット11を備えることにより受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電圧を複数取得し、電流情報に変換し、第1AD変換部を備えることにより複数のトランスデューサからの情報を取得し、デジタル情報に変換し、第2AD変換部を備えることにより受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電流を複数取得し、デジタル情報に変換し、トランスユニット11を備えることにより第1AD変換部および第2AD変換部が出力した複数のデジタル情報を負荷情報として出力し、第3AD変換部を備えることにより受変電設備の周囲の状況を検知する複数の環境センサにより検知された情報を取得し、複数のデジタル情報に変換し、トランスユニット11が出力した負荷情報を取得し、メインユニット13を備えることにより第3AD変換部が出力した複数のデジタル情報に基づき環境情報を生成し、環境情報を生成した時期と負荷情報と取得した時期が同時期である環境情報と負荷情報をまとめ、まとめた時刻を付与した電文を外部に出力する。すなわち、トランスユニット11及びメインユニット13の各ユニット内において、複数の入力についてAD変換部が1つ(乃至2つ)備えられる。したがって、本実施形態によれば、AD変換部の数をすくなくすることができ、省スペース化を図ることができる。
また、インターフェイスボックス10は、複数の環境センサからの情報を集約するためのAD換機能を集約したメインユニット13と、キュービクル内の複数の負荷情報を集約するためのAD変換機能及びトランスデュース機能を集約したトランスユニット11と組み合わせることにより、単独機能の個別装置(AD変換装置及びトランスデューサなど)を複数用意して使用する場合に比べて占有空間を少なくすることができる。
また、データ送信機能や装置電源なども集約されるため、より占有空間の削減が見込まれる。
また、最終的にメインユニット13に情報が集約されため、情報出力を1つの電文にまとめることができ、遠隔サーバへも1つの送信手段から情報伝達ができる。
【0097】
なお、上述した実施形態における保安システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0098】
1…保安システム、2…キュービクル、3…高圧配電線、4…低圧配電線、5B…センサ処理サーバ、10…インターフェイスボックス、11…トランスユニット、110…筐体、1101…FG端子、1102…電圧入力コネクタ、1103…電流センサ入力コネクタ、1104…BOX間入出力コネクタ、111…負荷情報取得部、112…実効値演算部、113…トランスデューサ、114…A/D変換部、115…負荷電圧計測部、1150…コネクタ、11501…第1計測部、11508…第8計測部、1151…トランス、1152…抵抗器、1153…ゲイン調整AMP、116…負荷電流計測部、1160…コネクタ、11601…第1計測部、11608…第8計測部、1162…抵抗器、1163…ゲイン調整AMP、117…アナログ回路用電源回路、119…コネクタ、12…センサ変換ユニット、13…メインユニット、130…筐体、1301…LED、1302…電源スイッチ、1303…リセットスイッチ、1304…入力コネクタ、1305…BOX間入出力コネクタ、1306…拡張用コネクタ、1307…ゲートウェイ用DC出力コネクタ、1308…DC入力コネクタ、1309…LANコネクタ、131…環境情報取得部、132…負荷情報デジタル値取得部、133…A/D変換部、134…バッファ部、135…HUB、136…無停電電源装置、137…センサ入力部、1371…抵抗器、1372…計装AMP、1381…コネクタ、1382…A/D変換部、1383…CPU、139…コネクタ、14…メインユニット基板、141…コネクタ、1421…バッテリ電圧検出部、1422…FET、1423…充電制御部、1424…ダイオード、1425…DCDCコンバータ、1426…DCDCコンバータ、1427…eFUSE、1428…FET、1429…eFUSE、1431…コネクタ、1432…コネクタ、15…スマートゲートウェイ、20…変圧器、30…環境センサ、31…第1環境センサ、32…第2環境センサ、3n…第n環境センサ、41…接続ケーブル、NW…通信ネットワーク、IL…負荷情報、IE…環境情報、ILT…負荷情報、IET…環境情報、IC1…キュービクル情報、IC2…キュービクル情報
【要約】
【課題】キュービクル内におけるユニットの設置スペースが限られている場合であっても、キュービクルに接続される複数のセンサ出力値をデジタル信号として送信するためのインターフェイスボックスを容易に設置する。
【解決手段】インターフェイスボックスは、受変電設備に備えられた変圧器の低電圧側の負荷電流及び負荷電圧を取得し、取得した前記負荷電流及び前記負荷電圧に基づいて生成した負荷情報を出力するトランスユニットと、前記受変電設備の周囲の状況を検知する環境センサにより検知された情報を取得し、取得した前記情報に基づいて環境情報を生成し、前記トランスユニットから前記負荷情報を取得するメインユニットとを備える。
【選択図】図2
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