(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-01
(45)【発行日】2022-11-10
(54)【発明の名称】運転支援方法、運転支援装置、運転支援システムおよび運転支援プログラム
(51)【国際特許分類】
C25B 15/023 20210101AFI20221102BHJP
C25B 1/46 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
C25B15/023
C25B1/46
(21)【出願番号】P 2022536171
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 JP2021021467
(87)【国際公開番号】W WO2022014197
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】P 2020121700
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 岳昭
(72)【発明者】
【氏名】福地 信吾
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-299442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 15/023
C25B 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解装置の運転を支援する運転支援方法であって、
計器情報取得部が、前記電解装置が有する計器から、前記計器による測定データであって前記電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得ステップと、
切替部情報取得部が、前記電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得ステップと、
電解装置状態取得部が、前記計器情報および前記切替部情報の少なくとも一方に基づいて、電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する、電解装置状態取得ステップと、
前記電解装置状態情報が予め定められた第2条件である場合に、判定結果取得部が、前記電解装置の状態が第2状態であると判定した判定結果であって、前記第2状態は制御部が前記切替部を自動制御する状態である、判定結果を取得する、判定結果取得ステップと、
前記制御部が、電解装置状態取得ステップにおいて取得された前記電解装置状態情報、および、前記判定結果取得ステップにおいて取得された前記判定結果を表示する表示ステップと、
を備える、運転支援方法。
【請求項2】
前記電解装置状態情報は、前記電解装置が正常状態または異常状態であるとの情報、または、前記電解装置がいずれの工程にあるかを示す工程情報を含む、請求項1に記載の運転支援方法。
【請求項3】
前記判定結果取得ステップは、前記判定結果取得部が、前記電解装置状態情報が前記第2条件とは異なる予め定められた第1条件である場合に、前記電解装置の状態が、制御部がオペレータによる作業を促すべき第1状態であると判定した判定結果、または、前記電解装置状態情報が前記第2条件である場合に、前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した判定結果を取得するステップである、
請求項1または2に記載の運転支援方法。
【請求項4】
前記表示ステップは、前記制御部が、前記電解装置状態情報、および、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した前記判定結果または前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した前記判定結果、を表示するステップである、請求項3に記載の運転支援方法。
【請求項5】
前記第1状態は、前記電解装置の状態が異常である異常状態を含む、請求項
4に記載の運転支援方法。
【請求項6】
前記表示ステップは、前記制御部が、前記電解装置状態情報、および、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した前記判定結果または前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した前記判定結果、を表示するように表示部を制御するステップである、請求項4または5に記載の運転支援方法。
【請求項7】
前記オペレータによる作業は、オペレータが前記切替部を手動で操作する手動操作対象切替部の操作、電解装置に対する確認、および、電解装置の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含む、請求項
3から6のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項8】
前記表示ステップにおいて、前記制御部が、オペレータが前記切替部を手動で操作する手動操作対象切替部と、前記電解装置における自動制御の対象である1または複数の自動制御対象切替部とを、区別して表示す
る、請求項
7に記載の運転支援方法。
【請求項9】
前記表示ステップは、前記
制御部が前記手動操作対象切替部の操作の順番を表示する順番表示ステップをさらに含む、請求項
8に記載の運転支援方法。
【請求項10】
前記表示ステップは、前記
制御部が、前記操作の順番に基づいて、現在の操作対象である前記手動操作対象切替部を順に表示する、操作対象表示ステップをさらに含む、請求項
9に記載の運転支援方法。
【請求項11】
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態
が異常状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記制御部が、前記切替部の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とするロックステップをさらに備える、請求項
9または
10に記載の運転支援方法。
【請求項12】
前記ロックステップにおいて、前記制御部が、前記1または複数の切替部の少なくとも1つをロックした場合、
前記表示ステップにおいて、前記制御部が、固定状態とされるか、操作不可とされるか、または開閉不可とされた前記切替部を、他の切替部と区別して表示す
る、請求項
11に記載の運転支援方法。
【請求項13】
前記表示ステップ
において、前記判定結果取得ステップにおいて前記判定結果取得部が前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合に、前記
制御部が、前記第1状態を前記第2状態にするための手順をさらに表示す
る、請求項
3から
12のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項14】
前記判定結果取得ステップは、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が
前記手順により前記第1状態から前記第2状態になったかをさらに判定した判定結果を取得するステップであり、
経過時間取得部が、前記判定結果取得ステップにおいて、前記電解装置の状態が前記第1状態であるとの判定結果を取得してから前記第1状態が継続している経過時間を取得する、経過時間取得ステップをさらに備える、
請求項
13に記載の運転支援方法。
【請求項15】
前記経過時間取得ステップにおいて前記経過時間取得部により取得された前記経過時間が予め定められた許容時間より大きいと判断された場合、前記表示ステップにおいて、前記
制御部は、前記手順とは異なる他の手順をさらに表示する、請求項
14に記載の運転支援方法。
【請求項16】
選択部が、前記第1状態の種類に応じた手順であって前記第1状態を前記第2状態にするための手順を選択する、選択ステップをさらに備える、請求項
15に記載の運転支援方法。
【請求項17】
前記判定結果取得ステップは、前記選択ステップにおいて選択された前記手順により、前記判定結果取得部が前記電解装置の状態が前記第1状態から前記第2状態になったかをさらに判定した結果を取得するステップであり、
前記表示ステップにおいて、前記制御部は、前記選択ステップにおいて選択された前記手順とは異なる他の手順をさらに表示す
る、
請求項
16に記載の運転支援方法。
【請求項18】
前記判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記表示ステップにおいて、前記
制御部は、前記第1状態の種類、前記第1状態の種類に応じた前記手順、および、前記他の手順を表示する、
請求項
17に記載の運転支援方法。
【請求項19】
前記判定結果取得ステップは、前記電解装置の状態が前記第1状態および前記第2状態のいずれかであるかを、前記判定結果取得部が予め定められた基準に基づいて判定した結果を取得するステップであり、
更新部が、前記手順および前記経過時間に基づいて、前記予め定められた基準を更新する更新ステップをさらに備える、
請求項
18に記載の運転支援方法。
【請求項20】
前記制御部が、前記オペレータによる作業の終了を受け付ける作業終了受付ステップをさらに備え、
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合において、前記判定結果取得部は、前記作業終了受付ステップにおいて前記制御部が前記オペレータによる作業の終了を受け付けた場合に、前記電解装置の状態が、オペレータによる前記作業により、前記第1状態から前記第2状態に移行可能かを判定した結果をさらに取得する、請求項3から
19のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項1から
20のいずれか一項に記載の運転支援方法を実行させるための運転支援プログラム。
【請求項22】
電解装置の運転を支援する運転支援装置であって、
前記電解装置が有する計器から、前記計器による測定データであって前記電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得部と、
前記電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得部と、
前記計器情報および前記切替部情報の少なくとも一方に基づいて、前記電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する電解装置状態取得部と、
前記電解装置状態情報が予め定められた第2条件である場合に、前記電解装置の状態が第2状態であると判定した判定結果であって、前記第2状態は制御部が前記切替部を自動制御する状態である、判定結果を取得する、判定結果取得部と、
前記電解装置状態取得部により取得された前記電解装置状態情報、および、前記判定結果取得部により取得された前記判定結果を表示する前記制御部と、
を備える運転支援装置。
【請求項23】
前記電解装置状態情報は、前記電解装置が正常状態または異常状態であるとの情報、または、前記電解装置がいずれの工程にあるかを示す工程情報を含む、請求項
22に記載の運転支援装置。
【請求項24】
前記判定結果取得部は、前記電解装置状態情報が前記第2条件とは異なる予め定められた第1条件である場合に、前記電解装置の状態が、制御部がオペレータによる作業を促すべき第1状態であると判定した判定結果か、または、前記電解装置状態情報が前記第2条件である場合に、前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した判定結果を取得する、請求項
22または
23に記載の運転支援装置。
【請求項25】
前記制御部は、前記電解装置状態情報、および、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した前記判定結果または前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した前記判定結果、を表示する、請求項24に記載の運転支援装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記電解装置状態情報、および、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した前記判定結果または前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した前記判定結果、を表示するように表示部を制御する、請求項25に記載の運転支援装置。
【請求項27】
請求項
22から
26のいずれか一項に記載の運転支援装置と、前記電解装置とを備える運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援方法、運転支援装置、運転支援システムおよび運転支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気分解装置の動作パラメータの捕捉、監視、表示、および診断の方法および装置に関する。特許文献1には、「モノポーラの電解槽は以後、単一のセルユニットとして考慮され、バイポーラの電解槽は複数のユニットセルとして考慮される。電圧の読取りは各ユニットセルに対して測定される。本発明は各ユニットセルの故障および事象の検出を可能にする。」と記載されている(段落0014)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特表2003-530483号公報
【解決しようとする課題】
【0003】
電解装置に不具合が発生することにより電解装置が異常状態となっている場合、不具合を改善することにより電解装置をなるべく早く正常に回復させることが望ましい。電解装置が異常状態となっている場合において、不具合が発生している箇所、不具合を改善する具体的手順等が不明であることにより、電解装置を正常に回復させるのに時間がかかってしまうことが発生していた。これにより、電解装置により生産される生産物の、時間当たりの生産量が低下してしまうことが発生していた。
【一般的開示】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電解装置の運転を支援する運転支援方法を提供する。運転支援方法は、計器情報取得部が、電解装置が有する計器から、計器による測定データであって電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得ステップと、切替部情報取得部が、電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得ステップと、電解装置状態取得部が、計器情報および切替部情報の少なくとも一方に基づいて、電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する、電解装置状態取得ステップと、制御部が、電解装置状態取得部が取得した電解装置状態情報を表示するように表示部を制御する、表示ステップと、を備える。
【0005】
運転支援方法は、判定結果取得部が、電解装置状態情報が予め定められた第1条件である場合に、電解装置の状態が、制御部が切替部を制御せず、オペレータによる作業を促す表示をするように表示部を制御する第1状態であると判定した判定結果、または、電解装置状態情報が第1条件とは異なる予め定められた第2条件である場合に、電解装置の状態が、制御部が切替部を自動制御する第2状態であると判定した判定結果を取得する、判定結果取得ステップをさらに備えてよい。表示ステップにおいて、制御部は、判定結果取得部が取得した判定結果に応じた標示を表示するように表示部をさらに制御してよい。
【0006】
第1状態は、電解装置の状態が異常である異常状態を含んでよい。
【0007】
オペレータによる作業は、オペレータが切替部を手動で操作する手動操作対象切替部の操作、電解装置に対する確認、および、電解装置の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含んでよい。
【0008】
表示ステップにおいて、表示部が、オペレータが切替部を手動で操作する手動操作対象切替部と、電解装置における自動制御の対象である1または複数の自動制御対象切替部とを、区別して表示してよい。
【0009】
表示ステップは、表示部が手動操作対象切替部の操作の順番を表示する順番表示ステップをさらに含んでよい。
【0010】
表示ステップは、表示部が、操作の順番に基づいて、現在の操作対象である手動操作対象切替部を順に表示する、操作対象表示ステップをさらに含んでよい。
【0011】
運転支援方法は、判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、電解装置の状態が異常状態であると判定した判定結果を取得した場合、制御部が、切替部の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とするロックステップをさらに備えてよい。
【0012】
ロックステップにおいて、制御部が、1または複数の切替部の少なくとも1つをロックした場合、表示ステップにおいて、表示部は、固定状態とされるか、操作不可とされるか、または開閉不可とされた切替部を、他の切替部と区別して表示してよい。
【0013】
判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示ステップにおいて表示部は、制御部が電解装置を自動制御することにより、第1状態を第2状態にするための手順をさらに表示してよい。
【0014】
判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示ステップにおいて表示部は、第1状態を第2状態にするための手順であって、オペレータによる処理の1または複数種類の手順から選択された手順をさらに表示してよい。
【0015】
判定結果取得ステップは、判定結果取得部が、電解装置の状態が手順により第1状態から第2状態になったかをさらに判定した判定結果を取得するステップであってよい。運転支援方法は、経過時間取得部が、判定結果取得ステップにおいて、電解装置の状態が第1状態であるとの判定結果を取得してから第1状態が継続している経過時間を取得する、経過時間取得ステップをさらに備えてよい。経過時間取得ステップにおいて経過時間取得部により取得された経過時間が予め定められた許容時間より大きいと判断された場合、表示ステップにおいて、表示部は、手順とは異なる他の手順をさらに表示してよい。
【0016】
運転支援方法は、選択部が、第1状態の種類に応じた手順を選択する、選択ステップをさらに備えてよい。判定結果取得ステップは、選択ステップにおいて選択された手順により、判定結果取得部が電解装置の状態が第1状態から第2状態になったかをさらに判定した結果を取得するステップであってよい。表示ステップにおいて、表示部は、選択ステップにおいて選択された手順とは異なる他の手順をさらに表示してよい。
【0017】
運転支援方法は、記憶部が、第1状態の種類、第1状態の種類に応じた手順、および、他の手順を記憶する、記憶ステップをさらに備えてよい。判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示ステップにおいて、表示部は、記憶ステップにおいて記憶された、第1状態の種類、第1状態の種類に応じた手順、および、他の手順を表示してよい。
【0018】
判定結果取得ステップは、電解装置の状態が第1状態および第2状態のいずれかであるかを、判定結果取得部が予め定められた基準に基づいて判定した結果を取得するステップであってよい。記憶ステップは、記憶部が、選択ステップにおいて選択された手順および経過時間取得ステップにおいて取得された経過時間をさらに記憶するステップであってよい。運転支援方法は、更新部が、記憶ステップにおいて記憶された、手順および経過時間に基づいて、予め定められた基準を更新する更新ステップをさらに備えてよい。
【0019】
運転支援方法は、制御部が、オペレータによる作業の終了を受け付ける作業終了受付ステップをさらに備えてよい。判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合において、判定結果取得部は、作業終了受付ステップにおいて制御部がオペレータによる作業の終了を受け付けた場合に、電解装置の状態が、オペレータによる作業により、第1状態から第2状態に移行可能かを判定した結果をさらに取得してよい。
【0020】
本発明の第2の態様においては、運転支援プログラムを提供する。運転支援プログラムは、コンピュータに運転支援方法を実行させる。
【0021】
本発明の第3の態様においては、電解装置の運転を支援する運転支援装置を提供する。運転支援装置は、電解装置が有する計器から、計器による測定データであって電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得部と、電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得部と、計器情報および切替部情報の少なくとも一方に基づいて、電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する電解装置状態取得部と、電解装置状態取得部が取得した電解装置状態情報を表示するように表示部を制御する制御部と、を備える。
【0022】
運転支援装置は、電解装置状態情報が予め定められた第1条件である場合に、電解装置の状態が、制御部が切替部を制御せず、オペレータによる作業を促す表示をするように表示部を制御する第1状態であると判定した判定結果か、または、電解装置状態情報が第1条件とは異なる予め定められた第2条件である場合に、電解装置の状態が、制御部が切替部を自動制御する第2状態であると判定した判定結果を取得する判定結果取得部と、をさらに備えてよい。制御部は、判定結果取得部が取得した判定結果に応じた標示を表示するように表示部をさらに制御してよい。
【0023】
第1状態は、電解装置の状態が異常である異常状態を含んでよい。
【0024】
オペレータによる作業は、オペレータが切替部を手動で操作する手動操作対象切替部の操作、電解装置に対する確認、および、電解装置の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含んでよい。
【0025】
表示部が、オペレータが切替部を手動で操作する手動操作対象切替部と、電解装置における自動制御の対象である1または複数の自動制御対象切替部とを、区別して表示してよい。
【0026】
表示部が、手動操作対象切替部の操作の順番を表示してよい。
【0027】
表示部が、操作の順番に基づいて、現在の操作対象である手動操作対象切替部を順に表示してよい。
【0028】
判定結果取得部が、電解装置の状態が異常状態であると判定した判定結果を取得した場合、制御部が、切替部の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可としてよい。
【0029】
制御部が、1または複数の切替部の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とした場合、表示部が、固定状態とされるか、操作不可とされるか、または開閉不可とされた切替部を、他の切替部と区別して表示してよい。
【0030】
判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示部は、制御部が電解装置を自動制御することにより、第1状態を第2状態にするための手順をさらに表示してよい。
【0031】
判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示部は、第1状態を第2状態にするための手順であって、オペレータによる処理の1または複数種類の手順から選択された手順をさらに表示してよい。
【0032】
運転支援装置は、経過時間取得部をさらに備えてよい。判定結果取得部は、電解装置の状態が手順により第1状態から第2状態になったかをさらに判定した判定結果を取得してよい。経過時間取得部は、判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であるとの判定結果を取得してから第1状態が継続している経過時間を取得してよい。経過時間取得部により取得された経過時間が予め定められた許容時間より大きいと判断された場合、表示部は、手順とは異なる他の手順をさらに表示してよい。
【0033】
運転支援装置は、第1状態の種類に応じた手順を選択する選択部をさらに備えてよい。判定結果取得部は、選択部により選択された手順により、電解装置の状態が第1状態から第2状態になったかをさらに判定した結果を取得してよい。表示部は、選択部により選択された手順とは異なる他の手順をさらに表示してよい。
【0034】
運転支援装置は、第1状態の種類、第1状態の種類に応じた手順、および、他の手順を記憶する記憶部をさらに備えてよい。判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示部は、記憶部に記憶された、第1状態の種類、第1状態の種類に応じた手順、および、他の手順を表示してよい。
【0035】
運転支援装置は、更新部をさらに備えてよい。判定結果取得部は、電解装置の状態が第1状態および第2状態のいずれかであるかを、予め定められた基準に基づいて判定した結果を取得してよい。記憶部は、選択部により選択された手順および経過時間取得部により取得された経過時間をさらに記憶してよい。更新部は、記憶部に記憶された手順および経過時間に基づいて、予め定められた基準を更新してよい。
【0036】
判定結果取得部が、電解装置の状態が第1状態であると判定した判定結果を取得した場合において、判定結果取得部は、制御部がオペレータによる作業の終了を受け付けた場合に、電解装置の状態が、オペレータによる作業により、第1状態から第2状態に移行可能かを判定した結果をさらに取得してよい。
【0037】
本発明の第4の態様においては、運転支援システムを提供する。運転支援システムは、運転支援装置と、電解装置とを備える。
【0038】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る電解装置200の一例を示す図である。
【
図2】
図1における1つの電解セル91の詳細の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示される電解セル91におけるイオン交換膜84の近傍を拡大した図である。
【
図4】本発明の一つの実施形態に係る運転支援装置100のブロック図の一例を示す図である。
【
図6】表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
【
図7】表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
【
図8】表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
【
図9】表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
【
図10】表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
【
図11】本発明の一つの実施形態に係る運転支援方法の一例を含む第1のフローチャートである。
【
図12】本発明の一つの実施形態に係る運転支援方法の一例を含む第2のフローチャートである。
【
図13】
図12における表示ステップS207の詳細の一例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の一つの実施形態に係る運転支援システム300の一例を示す図である。
【
図17】本発明の運転支援装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0041】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電解装置200の一例を示す図である。本例の電解装置200は、電解槽90、導入管92、導入管93、導出管94、導出管95および1または複数の切替部66を備える。本例の電解装置200は、4つの切替部66(切替部66-1~切替部66-4)を備えている。本例において、切替部66-1~切替部66-4は、それぞれ導入管92、導入管93、導出管94および導出管95に設けられている。切替部66は、例えばバルブである。
【0042】
電解装置200は、電解液を電気分解する装置である。本例においては、電解装置200は、NaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解することにより、Cl(塩素)とNaOH(水酸化ナトリウム)を生成する装置である。電解装置200により生成されることにより生産された生産物を、生産物Pとする。電解槽90は、電解液を電気分解する槽である。本例の電解槽90は、NaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解する槽である。電解槽90は、複数の電解セル91(電解セル91-1~電解セル91-N。Nは2以上の整数)を備えてよい。Nは、例えば50である。なお、電解装置200は、H2O(水)を電気分解することにより、H2(水素)とO2(酸素)とを生成する装置であってもよい。電解槽90は、H2O(水)を電気分解する槽であってもよい。
【0043】
導入管92および導入管93は、電解槽90に接続される。本例において、導入管92および導入管93は、電解セル91-1~電解セル91-Nのそれぞれに接続される。電解セル91-1~電解セル91-Nのそれぞれには、液体70が導入される。液体70は、導入管92を通過した後、電解セル91-1~電解セル91-Nのそれぞれに導入されてよい。本例において、液体70は、NaCl(塩化ナトリウム)水溶液である。電解セル91-1~電解セル91-Nのそれぞれには、液体72が導入される。液体72は、導入管93を通過した後、電解セル91-1~電解セル91-Nのそれぞれに導入されてよい。液体72は、NaOH(水酸化ナトリウム)水溶液であってよく、KOH(水酸化カリウム)水溶液であってもよい。
【0044】
導出管94および導出管95は、電解槽90に接続される。本例において、導出管94および導出管95は、電解セル91-1~電解セル91-Nのそれぞれに接続される。電解槽90からは、液体74および気体77(後述)が導出される。
【0045】
電解装置200は、液体74と気体77(後述)とを分離する分離装置を備えてよい。液体74および気体77(後述)は、導出管94を通過した後、当該分離装置により液体74と気体77(後述)とに分離されてよい。分離された液体74は、電解装置200の外部において液体70を生成するために再利用されてよく、廃棄されてもよい。本例において、液体74はNaCl(塩化ナトリウム)水溶液である。気体77(後述)は、電解装置200の外部において製品として回収されてよい。本例において、気体77(後述)はCl2(塩素)である。
【0046】
電解槽90からは、液体76および気体78(後述)が導出される。液体76および気体78(後述)は、導出管95を通過した後、上述した分離装置により液体76と気体78(後述)とに分離されてよい。分離された液体76は、電解装置200の外部において製品として回収されてよい。本例において、液体76はNaOH(水酸化ナトリウム)水溶液である。気体78(後述)は、電解装置200の外部において製品として回収されてよく、廃棄されてもよい。本例において、気体78(後述)はH2(水素)である。
【0047】
切替部66-1は、導入管92を流れる液体70の流量を制御する。切替部66-1は、導入管92を流れる液体70の単位時間当たりの流量、または、当該流量の予め定められた時間にわたる積算値を制御してよい。切替部66-2は、導入管93を流れる液体72の流量を制御する。切替部66-2は、導入管93を流れる液体72の単位時間当たりの流量、または、当該流量の予め定められた時間にわたる積算値を制御してよい。切替部66-3は、導出管94を流れる気体77(後述)の圧力を制御する。切替部66-4は、導出管95を流れる気体78(後述)の圧力を制御する。
【0048】
本例において、導入管92、導入管93、導出管94および導出管95には、計器11が設けられている。本例において、計器11-1は圧力計であり、計器11-2は流量計であり、計器11-3(後述)は液面計である。計器11-1は、導入管92および導入管93に設けられていてよい。計器11-2は、導入管92、導入管93、導出管94および導出管95に設けられていてよい。
【0049】
導入管92に設けられた計器11-1は、陽極室79(後述)における塩素ガス(Cl2)の圧力を測定してよい。導入管93に設けられた計器11-1は、陰極室98(後述)における水素ガス(H2)の圧力を測定してよい。
【0050】
導入管92に設けられた計器11-2は、導入管92を流れる液体70の単位時間当たりの流量を測定してよい。導入管93に設けられた計器11-2は、導入管93を流れる液体72の単位時間当たりの流量を測定してよい。導出管94に設けられた計器11-2は、導出管94を流れる液体74の単位時間当たりの流量を測定してよい。導出管95に設けられた計器11-2は、導出管95を流れる液体76の単位時間当たりの流量を測定してよい。
【0051】
後述するとおり、本例において、切替部66-1~切替部66-4の少なくとも1つは、手動操作対象切替部660となる場合がある。手動操作対象切替部660とは、オペレータが手動で操作する対象である切替部66である。手動操作対象切替部660以外の切替部66は、自動制御対象切替部670であってよい。自動制御対象切替部670とは、電解装置200における自動制御の対象であって、運転支援装置100(後述)による自動制御の対象である切替部66である。
【0052】
計器11-1により測定された圧力が予め定められた圧力未満であり、計器11-2により測定された流量が予め定められた流量未満であり、計器11-3(後述)により測定された液面が予め定められた液面高さ未満である場合、切替部66は、正常に動作している。切替部66が正常に動作している場合、全ての切替部66は、自動制御対象切替部670である。
図1は、切替部66-3が手動操作対象切替部660であり、切替部66-1、切替部66-2および切替部66-4が自動制御対象切替部670である場合の一例である。
【0053】
図2は、
図1における1つの電解セル91の詳細の一例を示す図である。本例の電解セル91は、陽極80、陰極82およびイオン交換膜84を有する。電解セル91の内部には、陽極室79および陰極室98が設けられている。イオン交換膜84は、陽極室79と陰極室98とを仕切っている。陽極室79には、陽極80が配置される。陰極室98には、陰極82が配置される。陽極室79には、導入管92および導出管94が接続されている。陰極室98には、導入管93および導出管95が接続されている。
【0054】
イオン交換膜84は、イオン交換膜84に配置されたイオンとは異符号のイオンの通過を阻止し、且つ、同符号のイオンのみを通過させる、膜状の物質である。本例においては、イオン交換膜84は、Na+(ナトリウムイオン)を通過させ、且つ、Cl-(塩素イオン)の通過を阻止する膜である。
【0055】
電解セル91は、底面81、内側面83および天井面85を有する。陽極室79および陰極室98は、底面81、内側面83および天井面85に囲まれた空間である。
【0056】
陽極80および陰極82は、それぞれ予め定められた正の電位および負の電位に維持されてよい。陽極室79に導入された液体70、および、陰極室98に導入された液体72は、陽極80と陰極82との間の電位差により、電気分解される。陽極80においては、次の化学反応が起こる。
[化学式1]
2Cl-→Cl2+2e-
【0057】
液体70がNaCl(塩化ナトリウム)である場合、NaCl(塩化ナトリウム)は、Na+(ナトリウムイオン)とCl-(塩素イオン)とに電離している。陽極80においては、化学式1に示される化学反応により塩素ガス(Cl2)が生成される。Na+(ナトリウムイオン)は、陰極82からの引力により、陽極室79からイオン交換膜84を経由した後、陰極室98に移動する。
【0058】
陽極室79においては、液体73が滞留していてよい。本例の液体73は、NaCl(塩化ナトリウム)水溶液である。液体73のNa+(ナトリウムイオン)濃度およびCl-(塩素イオン)濃度は、液体70のNa+(ナトリウムイオン)濃度およびCl-(塩素イオン)濃度よりも小さくてよい。
【0059】
陰極82においては、次の化学反応が起こる。
[化学式2]
2H2O+2e-→H2+2OH-
【0060】
陰極82においては、化学式2に示される化学反応により、水素ガス(H2)と水酸化物イオン(OH-)が生成される。陰極室98においては、化学式2に示される化学反応より生成した水酸化物イオン(OH-)と、陽極室79から移動したNa+(ナトリウムイオン)とが溶解した液体75が滞留していてよい。本例の液体75は、NaOH(水酸化ナトリウム)水溶液である。
【0061】
陽極室79および陰極室98には、計器11-3が設けられていてよい。本例において、計器11-3は液面計である。計器11-3は、リミットスイッチであってもよい。リミットスイッチとは、マイクロスイッチが内蔵されたスイッチであって、当該マイクロスイッチをH2O(水)等から保護する封入ケース等に、当該マイクロスイッチが組み込まれたスイッチである。リミットスイッチは、当該リミットスイッチの外部から機械的応力等を受ける環境下においても、スイッチが動作するように作られたスイッチである。
【0062】
本例において、陽極室79に設けられた計器11-3は、陽極室79における液体73の液面が予め定められた液面高さに達しているかを検知する。本例において、陰極室98に設けられた計器11-3は、陰極室98における液体75の液面が予め定められた液面高さに達しているかを検知する。
【0063】
図3は、
図2に示される電解セル91におけるイオン交換膜84の近傍を拡大した図である。本例のイオン交換膜84には、陰イオン基86が固定されている。陰イオンは、陰イオン基86により反発されるので、イオン交換膜84を通過しにくい。本例において、当該陰イオンは、Cl
-(塩素イオン)である。陽イオン71は、陰イオン基86により反発されないので、イオン交換膜84を通過できる。本例において、陽イオン71は、Na
+(ナトリウムイオン)である。
【0064】
図4は、本発明の一つの実施形態に係る運転支援装置100のブロック図の一例を示す図である。運転支援装置100は、電解装置200(
図1参照)の運転を支援する。運転支援装置100は、計器情報取得部10、切替部情報取得部20、電解装置状態取得部30、判定結果取得部40および制御部60を備える。
【0065】
運転支援装置100は、一例としてCPU、メモリおよびインターフェース等を備えるコンピュータである。制御部60は、当該CPUであってよい。運転支援装置100がコンピュータである場合、当該コンピュータには後述する運転支援方法を実行させるため運転支援プログラムがインストールされていてよく、当該コンピュータを運転支援装置100として機能させるための運転支援プログラムがインストールされていてもよい。なお、当該コンピュータはタブレットコンピュータであってもよい。
【0066】
運転支援装置100は、表示部50、選択部110、経過時間取得部112、記憶部114および更新部116を備えてよく、備えなくてもよい。本例の運転支援装置100は、表示部50、選択部110、経過時間取得部112、記憶部114および更新部116を備える。運転支援装置100が表示部50および記憶部114を備えない場合、運転支援装置100には、運転支援装置100とは別途の表示部50および記憶部114が、所定のインターフェースを介して接続されてよい。
【0067】
計器情報取得部10は、電解装置200が有する計器11(
図1および
図2参照)から計器情報12を取得する。計器情報12は、計器11による測定データである。当該測定データは、電解装置200に関するパラメータを測定したデータである。当該パラメータは、液体70(
図1参照)および液体72(
図1参照)の流量、液体74(
図1参照)および液体75(
図1参照)の流量を含んでよい。当該パラメータは、陽極室79における液体73(
図2参照)の液面高さ、および、気体77(
図2参照)の圧力を含んでよい。当該パラメータは、陰極室98における液体75(
図2参照)の液面高さ、および、気体78(
図2参照)の圧力を含んでよい。
【0068】
切替部情報取得部20は、切替部66に関する情報を示す切替部情報21を取得する。切替部66は、流体の流量及び気体の圧力の少なくとも一方を制御する。当該流体は、液体70(
図1参照)、液体72(
図1参照)、液体74(
図1参照)および液体76(
図1参照)の少なくともいずれかであってよい。当該気体は、気体77(
図2参照)および気体78(
図2参照)の少なくとも一方であってよい。
【0069】
切替部情報21とは、切替部66が開状態および閉状態のいずれの状態かの情報を指してよく、切替部66が開状態と閉状態との中間状態かの情報を指してもよい。切替部情報21とは、切替部66が開状態から閉状態、または、閉状態から開状態に切り替わるのに要する時間の情報を指してもよい。
【0070】
電解装置状態取得部30は、電解装置200(
図1参照)の状態を示す電解装置状態情報31を取得する。電解装置状態取得部30は、計器情報12および切替部情報21の少なくとも一方に基づいて、電解装置状態情報31を取得する。電解装置200の状態には、電解装置200が現在、いずれの工程にあるかを示す工程情報がさらに含まれてよい。
【0071】
電解装置200の状態とは、電解装置200がオペレータによる作業を要する状態か否かを指す。本例において、オペレータによる作業を要さない状態とは、電解装置200が正常状態である場合である。本例において、電解装置200が正常状態である場合とは、計器11-1により測定された圧力が予め定められた圧力未満であり、計器11-2により測定された流量が予め定められた流量未満であり、計器11-3により測定された液面が予め定められた液面高さ未満であることにより、切替部66が正常に動作している場合である。
【0072】
本例において、オペレータによる作業を要する状態には、電解装置200が正常状態である場合と異常状態である場合とが含まれる。電解装置200が正常状態であり、且つ、オペレータによる作業を要する状態とは、例えばイオン交換膜84のリークテスト等の場合における、オペレータによる予め定められた作業を指す。
【0073】
電解装置200が異常状態である場合とは、電解装置200に何等かの異常が発生することにより、電解装置200が自動制御されていない状態を指す。当該異常状態には、切替部66が全開および全閉しない状態が含まれてよく、切替部66の開閉速度が予め定められた速度よりも遅い状態が含まれてよい。当該異常状態には、予め定められた1または複数の工程における各工程の実行に要している時間が予め定められた許容時間を超えた状態、気体77(
図2参照)および気体78(
図2参照)の少なくとも一方の圧力が予め定められた圧力を超えた状態、液体70(
図1参照)、液体72(
図1参照)、液体74(
図1参照)および液体76(
図1参照)の少なくとも1つの流量が予め定められた流量を超えた状態が含まれてよい。当該異常状態には、陽極室79と陰極室98との圧力差が、予め定められた許容圧力差以上である場合が含まれてよい。当該異常状態には、陽極室79における液体73の液面高さおよび陰極室98における液体75の液面高さの少なくとも一方が、予め定められた液面高さ以上である場合が含まれてよい。当該異常状態には、陽極室79における液体73の液面高さと陰極室98における液体75の液面高さとの差が、予め定められた許容差以上である場合が含まれてよい。
【0074】
導入管92には複数の計器11-1が設けられてもよく、導入管93には複数の計器11-1が設けられてもよい。導入管92には複数の計器11-2が設けられてもよく、導入管93には複数の計器11-2が設けられてもよい。導出管94には複数の計器11-2が設けられてもよく、導出管95には複数の計器11-2が設けられてもよい。
【0075】
導入管92に、例えば2つの計器11-1が設けられている場合、電解装置状態取得部30は、当該2つの計器11-1により測定された圧力の差に基づいて、電解装置状態情報31を取得してよい。当該電解装置状態情報31には、電解装置200が正常状態であるとの情報、および、電解装置200が異常状態であるとの情報が含まれてよい。
【0076】
オペレータによる作業とは、オペレータによる手動の作業を指す。オペレータによる作業の対象には、少なくとも1つの切替部66および電解槽90が含まれてよい。オペレータによる作業は、手動操作対象切替部660(
図1参照)の操作、電解装置200の確認、および、電解装置200の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含んでよい。手動操作対象切替部660の当該操作、電解装置200の当該確認、および、電解装置200の構成部品に対する当該確認は、電解装置200が異常状態でない場合における、オペレータによる予め定められた作業であってよい。本例において、手動操作対象切替部660は、切替部66-1~切替部66-4の少なくとも1つである。
【0077】
電解装置200の確認には、電解槽90から液体73および液体75の少なくとも一方が漏れていないかの確認作業が含まれてよい。電解装置200の構成部品の確認には、イオン交換膜84に損傷が無いかの確認作業が含まれてよい。イオン交換膜84に損傷が無いかの確認作業には、電解セル91のイオン交換膜84における陰極82側の出口に配置されるノズルの取り外し作業、当該ノズルへの石鹸水の塗布、および、当該石鹸水の泡の膨らみの確認等が含まれてよい。
【0078】
制御部60は、計器情報取得部10による計器情報12の取得を制御する。制御部60は、切替部情報取得部20による切替部情報21の取得を制御する。制御部60は、電解装置状態取得部30による電解装置状態情報31の取得を制御する。
【0079】
電解装置200の状態であってオペレータによる作業を要する状態を、電解装置200の第1状態S1とする。上述したとおり、第1状態S1は、電解装置200が正常状態である場合と異常状態である場合とを含む。電解装置200の状態であってオペレータによる作業を要さない状態を、電解装置200の第2状態S2とする。上述したとおり、本例において、第2状態S2は、計器11-1により測定された圧力が予め定められた圧力未満であり、計器11-2により測定された流量が予め定められた流量未満であり、計器11-3により測定された液面が予め定められた液面高さ未満であることにより、切替部66が正常に動作している場合である。
【0080】
電解装置200が第1状態S1である場合、制御部60は、少なくとも一つの切替部66を制御せず、且つ、表示部50がオペレータによる作業を促す表示をするように、表示部50を制御する。電解装置200が第2状態S2である場合、制御部60は、全ての切替部66を制御する。
【0081】
判定結果取得部40は、電解装置状態情報31が予め定められた第1条件C1である場合に、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得する。判定結果取得部40は、電解装置状態情報31が予め定められた第2条件C2である場合に、電解装置200の状態が第2状態S2であると判定した判定結果41を取得する。第1条件C1と第2条件C2とは、異なる。
【0082】
第1条件C1とは、オペレータによる予め定められた作業が想定されている、電解装置200の状態であってよい。第1条件C1は、例えば、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力が、予め定められた圧力Pr以上である場合における、オペレータの手動による電解槽90の確認等である。
【0083】
第2条件C2は、後述する予め定められた基準Stdを満たす条件であってよい。例えば、後述するとおり、基準Stdが、気体77および気体78の少なくとも一方の予め定められた圧力Prである場合、または、気体77および気体78の予め定められた圧力差Dprである場合、電解装置状態情報31は第2条件C2を満たす(基準Stdを満たす)。
【0084】
図5は、表示部50の一例を示す図である。表示部50は、例えばモニタ、ディスプレイ等である。運転支援装置100がタブレットコンピュータである場合、表示部50は、当該タブレットコンピュータのディスプレイであってよい。本例の表示部50は、3つの表示領域52(表示領域52-1、表示領域52-2および表示領域52-3)を含む。本例において、表示領域52-1には、計器情報12が表示される。
図5においては、表示領域52-1は、データ1~データ3で示される3つの領域にさらに分かれている。本例においては、データ1~データ3には、計器11-1(圧力計)の情報、計器11-2(流量計)の情報および計器11-3(液面計)の情報のいずれかが表示される。
【0085】
本例の表示領域52-2には、電解装置200の状態が模式的に表示される。本例においては、表示領域52-2には、
図1に示される電解装置200における導入管92、導入管93、導出管94、導出管95、切替部66および電解槽90が模式的に示されている。
【0086】
本例の表示領域52-3には、電解装置200の動作における工程情報が表示される。当該工程情報には、電解装置200の現在の工程、現在の工程の次の工程、および、現在から当該次の工程までの時間の少なくともいずれかが含まれてよい。当該次の工程がオペレータによる作業を要する状態である場合は、当該工程情報には、オペレータによる作業に必要な工具等の情報も含まれてよい。表示領域52-3には、オペレータによる作業の手順を示す手順書を、表示領域52-3に表示させるためのボタンが、さらに表示されてよい。
【0087】
制御部60は、電解装置状態情報31を表示するように表示部50を制御する。上述したとおり、電解装置状態情報31は、計器情報12および切替部情報21の少なくとも一方に基づいている。上述したとおり、計器情報12は計器11による測定データであり、切替部情報21は切替部66が開状態および閉状態のいずれの状態かの情報を指してよい。上述したとおり、計器11による測定データは流体の流量および気体の圧力を含んでよく、切替部66は流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する。このため、計器情報12および切替部情報21の少なくとも一方に基づく電解装置状態情報31が表示部50に表示されることにより、オペレータは電解装置200に対する作業を的確に認知しやすくなる。
【0088】
制御部60は、判定結果取得部40が取得した判定結果41に応じた標示を表示するように表示部50を制御してよい。判定結果41に応じた標示とは、電解装置200が第1状態S1である場合、例えばオペレータによる作業を促す標示を指す。判定結果41に応じた標示とは、電解装置200が第2状態S2である場合、例えば計器11-1により測定された圧力が予め定められた圧力未満であり、計器11-2により測定された流量が予め定められた流量未満であり、計器11-3により測定された液面が予め定められた液面高さ未満であることにより、切替部66が正常に動作していることを示す標示を指す。
【0089】
表示部50は、手動操作対象切替部660と、1または複数の自動制御対象切替部670とを、区別して表示してよい。
図5は、判定結果取得部40が、電解装置200が現在、第2状態S2(正常状態)にあると判定した判定結果41を取得した場合、且つ、次工程においてオペレータによる予め定められた作業を要する場合における、表示部50の表示態様の一例である。
【0090】
本例において、オペレータによる予め定められた作業の対象は、切替部66である。
図5において、次工程における当該作業の対象である2つの切替部66が、手動操作対象切替部660として示されている。本例においては、手動操作対象切替部660が破線枠で、自動制御対象切替部670が実線枠で、それぞれ囲われることにより、手動操作対象切替部660と自動制御対象切替部670とが区別して表示されている。これにより、オペレータは、自動制御対象切替部670を誤って作業しにくくなる。
【0091】
本例においては、表示領域52-3に、電解装置200の動作における次の工程、現在から当該次の工程までの時間、当該次の工程においてオペレータによる作業に必要な工具等、および、オペレータによる作業の手順を示す手順書を表示させるためのボタンが、表示されている。本例において、オペレータは、当該ボタンを押すことにより表示部50に当該手順書を表示させることができる。これにより、オペレータは、作業の手順を間違えにくくなる。
【0092】
図6は、表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
図6は、判定結果取得部40が、電解装置200が現在、異常状態(第1状態S1に含まれる)にあると判定した判定結果41を取得したことによ
る、表示部50の表示態様の一例である。本例において、オペレータによる作業の対象は、切替部66である。
図6において、オペレータによる作業の対象である3つの切替部66が、手動操作対象切替部660として示されている。
【0093】
表示部50は、手動操作対象切替部660の操作の順番を表示してよい。
図6に示される例においては、3つの手動操作対象切替部660の操作の順番が、丸数字の1~3で示されている。表示部50に手動操作対象切替部660の操作の順番が表示されることにより、オペレータは、手動操作対象切替部660の操作がしやすくなる。オペレータは、手動操作対象切替部660の操作の順番を間違えにくくなる。
【0094】
表示部50は、手動操作対象切替部660の操作の順番に基づいて、現在の操作対象である手動操作対象切替部660を順に表示してもよい。
図6に示される例においては、制御部60(
図4参照)は、破線枠で示される3つの手動操作対象切替部660のうち、現在の操作対象である手動操作対象切替部660を囲む破線枠を点滅させる等により、現在の操作対象である手動操作対象切替部660を順に表示するように表示部50を制御してよい。これにより、オペレータは、現在の操作対象ではない手動操作対象切替部660を誤って操作しにくくなる。
【0095】
オペレータが現在の操作対象に対する操作を終了した後、制御部60は、他の手動操作対象切替部660を囲む破線枠を点滅させる等により、当該他の手動操作対象切替部660を表示するように表示部50を制御してよい。制御部60が、手動操作対象切替部660を囲む破線枠を点滅等させる場合、
図6に示される丸数字の1~3の表示は、表示されなくてもよい。
【0096】
判定結果取得部40が、電解装置200の状態が第1状態S1(オペレータによる作業を要する状態)であると判定した判定結果41を取得した場合、表示部50は、第1状態S1を第2状態S2にするための手順をさらに表示してよい。本例においては、電解装置200の状態は、異常状態にある。このため、本例においては、判定結果取得部40が、電解装置200の状態が異常状態であると判定した判定結果41を取得した場合に、表示部50は、第1状態S1を第2状態S2にするための手順をさらに表示する。
【0097】
判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得した場合、表示部50は、制御部60が電解装置200を自動制御することにより、第1状態S1を第2状態S2にするための手順を、さらに表示してもよい。これにより、オペレータは、電解装置200の状態を速やかに第1状態S1から第2状態S2にしやすくなる。これにより、電解装置200により生産される生産物Pの生産効率の低下が抑制されやすくなる。ここで、生産効率とは、生産物Pの単位時間当たりの生産量を指す。
【0098】
本例においても、
図5に示される例と同様に、表示領域52-3に、オペレータによる作業の手順を示す手順書を表示させるためのボタンが表示されていてよい。本例において、オペレータは、当該ボタンを押すことにより、表示部50に第1状態S1を第2状態S2にするための手順が示された手順書を表示させることができる。当該手順は、オペレータにより手動で実施されてよく、制御部60が自動制御することにより自動で実施されてもよい。
【0099】
図7は、表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
図7は、
図6における、オペレータによる作業の手順を示す手順書を表示させるためのボタンが押下された後における、表示態様の一例である。オペレータによる作業の手順を、手順Pとする。電解装置200の状態を、第1状態S1から第2状態S2にするための手順Pは、オペレータによる処理の1または複数種類の手順Pから選択された手順Pであってよい。電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための手順Pが複数通り存在する場合、表示部50は、当該複数通りの手順Pを表示してよい。オペレータは、当該複数通りの手順Pから1つの手順Pを、表示部50において選択してよい。
図7においては、3通りの手順P(手順P1~手順P3)が示されている。
【0100】
オペレータにより選択された手順Pは、他の手順Pと区別して表示されてよい。本例においては、オペレータにより選択された手順Pは、手順P2である。
図7においては、手順P2を表示する枠が、他の手順Pを表示する枠よりも太線で示されることにより、オペレータにより選択された手順Pと他の手順Pとが、区別して表示されている。
【0101】
電解装置200の状態が異常状態(第1状態S1に含まれる)である場合、表示部50は、当該異常状態を解消することにより、電解装置200の状態を第2状態S2とするための手順Pを表示してよい。電解装置200の状態が第1状態S1であって異常状態ではない場合、表示部50は、電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための手順Pであって、オペレータによる予め定められた作業の手順Pを表示してよい。これにより、オペレータは、電解装置200の状態を速やかに第1状態S1から第2状態S2にしやすくなる。これにより、電解装置200により生産される生産物Pの生産効率の低下が抑制されやすくなる。
【0102】
図8は、表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
図8は、
図7において選択された手順P(手順P2)により、電解装置200の状態が第1状態S1から第2状態S2になった後における、表示態様の一例である。判定結果取得部40(
図4参照)は、電解装置200の状態が、手順Pにより第1状態S1から第2状態S2になったかをさらに判定した判定結果41を取得してよい。
【0103】
判定結果取得部40が、電解装置200の状態が第1状態S1から第2状態S2になったと判定した判定結果41を取得した場合、制御部60(
図4参照)は、全ての切替部66を自動制御対象切替部670として表示するように表示部50を制御してよい。
図8においては、全ての切替部66が実線枠で囲われている。これにより、オペレータは、電解装置200の状態が第2状態S2になったことを確認しやすくなる。
【0104】
図9は、表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
図9は、
図7において選択された手順P(手順P2)により、電解装置200の状態が、予め定められた許容時間Tth未満で第1状態S1から第2状態S2にならなかった後における、表示態様の一例である。
【0105】
経過時間取得部112(
図4参照)は、電解装置200の状態が第1状態S1であるとの判定結果41を取得してから、第1状態S1が継続している経過時間Tを取得してよい。
図9の例においては、経過時間取得部112は、オペレータが手順P2により電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための作業を実施している間、経過時間Tを取得してよい。本例において、当該手順P2を当初手順P2とする。
【0106】
判定結果取得部40が、経過時間Tが予め定められた許容時間Tthより大きいとの判定結果41を取得した場合、表示部50は、当
初手順P2とは異なる、他の手順Pをさらに表示してよい。
図9の例においては、表示部50は、当
初手順P2とは異なる手順P1を表示している。
【0107】
手順P1には、当初手順P2における、複数の手動操作対象切替部660に対する作業の順番、手動操作対象切替部660と電解槽90との作業の順番等が異なる、他の手順が含まれてよい。当初手順P2がオペレータによる手動の作業の手順である場合において、手順P1は、制御部60による自動制御の手順であってもよい。手順P1が制御部60による自動制御の手順Pである場合、表示部50は、当該手順P1を表示領域52-3に表示してよい。
【0108】
予め定められた許容時間Tthは、第1状態S1を継続し続けても電解装置200の安全が確保可能な時間であってよい。例えば、第1状態S1が異常状態である場合、液体70、液体72、液体75および液体75(
図1参照)が、電解槽90の内部に滞留しやすい。電解槽90の内部に液体70、液体72、液体75および液体75(
図1参照)が滞留した場合、電解槽90の内部の部材が、それぞれ液体70、液体72、液体75および液体75により劣化する場合がある。予め定められた許容時間Tthは、例えば、当該劣化が生じない範囲の時間であってよい。
【0109】
図10は、表示部50における表示態様の他の一例を示す図である。
図10は、判定結果取得部40が、電解装置200が現在、異常状態(第1状態S1に含まれる)にあると判定した判定結果41を取得したことによる表示部50の表示態様の一例である。
【0110】
判定結果取得部40が、電解装置200が現在、異常状態にあると判定した判定結果41を取得した場合、制御部60は、切替部66の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可としてよい。本明細書において、切替部66を固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とすることを、切替部66をロックする、と称する。
【0111】
制御部60は、自動制御対象切替部670の少なくとも1つをロックしてよい。本例においては、3つの自動制御対象切替部670がロックされている。
図10において、ロックされた自動制御対象切替部670が実線枠で囲われている。制御部60が、自動制御対象切替部670をロックすることにより、運転支援装置100(
図4参照)は、電解装置200が異常状態にある場合において、オペレータが誤って自動制御対象切替部670を作業の対象としてしまうことを防止しやすくなる。
【0112】
制御部60は、手動操作対象切替部660の少なくとも1つをロックしてもよい。判定結果取得部40が、電解装置200が現在、異常状態にあると判定した判定結果41を取得した場合において、制御部60は、オペレータによる作業の対象である手動操作対象切替部660のうち、現在の操作対象ではない手動操作対象切替部660をロックしてよい。これにより、オペレータが現在の操作対象ではない手動操作対象切替部660を誤って作業しようとした場合においても、当該手動操作対象切替部660が作業されなくなる。これにより、手動操作対象切替部660が誤って作業されることによる、生産物Pの生産効率の低下が抑制されやすくなる。
【0113】
制御部60が、切替部66の少なくとも1つをロックした場合、表示部50は、当該切替部66を他の切替部66と区別して表示してよい。当該他の切替部66とは、ロックされていない切替部66を指す。即ち、当該他の切替部66とは、正常に動作している切替部66を指す。本例においては、ロックされた切替部66(自動制御対象切替部670)が実線枠で囲われ、ロックされていない切替部66が実線枠で囲われないことにより、ロックされた切替部66とロックされていない切替部66とが、区別して表示されている。これにより、オペレータは、手動操作可能な切替部66を認知しやすくなる。
【0114】
選択部110(
図4参照)は、第1状態S1(オペレータによる作業を要する状態)の種類に応じた手順Pを選択してよい。第1状態S1の種類とは、オペレータによる処理の対象の種類を指す。当該対象には、手動操作対象切替部660の操作、電解セル91のイオン交換膜84における陰極82側の出口に配置されるノズルの取り外し作業、当該ノズルへの石鹸水の塗布、および、当該石鹸水の泡の膨らみの確認等が含まれてよい。
【0115】
選択部110は、第1状態S1の複数の種類のうち、現在の電解装置200の第1状態S1に応じた手順Pを選択してよい。当該複数の種類のうちの1つを第1種類、他の1つを第2種類とする。第1種類とは、例えば、電解装置200が異常状態である場合における、当該異常状態から第2状態S2(正常状態)への回復であってよい。第2種類とは、例えば、電解装置200が第1状態S1であるが異常状態ではない場合における、切替部66等への予め定められた確認等であってよい。
【0116】
判定結果取得部40(
図4参照)は、選択部110において選択された手順により、電解装置200の状態が第1状態S1から第2状態S2になったかを判定した結果を、さらに取得してよい。選択部110において選択された手順により、オペレータが電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための作業を実施している場合において、判定結果取得部40は、経過時間Tが予め定められた許容時間Tthより大きいとの判定結果41を取得した場合、表示部50は、許容時間Tthを超えるまで選択していた手順Pとは異なる、他の手順Pをさらに表示してよい。これにより、オペレータは、当該他の手順Pに基づいて電解装置200を作業しやすくなる。
【0117】
記憶部114は、第1状態S1の種類、第1状態S1の種類に応じた手順P、および、当該手順Pとは異なる他の手順Pを記憶していてよい。判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得した場合、表示部50は、記憶部114に記憶された、第1状態S1の種類、第1状態S1の種類に応じた手順P、および、当該手順Pとは異なる他の手順Pを表示してよい。
【0118】
判定結果取得部40(
図4参照)は、電解装置200の状態が第1状態S1および第2状態S2のいずれかであるかを、予め定められた基準に基づいて判定した結果を取得してもよい。当該予め定められた基準を、基準Stdとする。
【0119】
基準Stdは、気体77および気体78(
図2参照)の少なくとも一方の予め定められた圧力Prであってよい。基準Stdは、気体77および気体78の予め定められた圧力差Dprであってもよい。基準Stdは、液体70、液体72、液体74および液体76(
図1参照)の少なくとも1つの、単位時間当たりの予め定められた流量Fm、または、流量Fmの予め定められた時間にわたる積算流量Afmであってもよい。基準Stdは、液体73および液体75(
図2参照)の少なくとも一方の、予め定められた高さhであってもよい。例えば、判定結果取得部40は、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力が圧力Pr以上である場合、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した結果を取得してよい。
【0120】
基準Stdは、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力の、予め定められた時間変化率Prtであってもよい。気体77および気体78の圧力差の、予め定められた時間変化率Dprtであってもよい。基準Stdは、液体70、液体72、液体74および液体76の少なくとも1つにおける流量の、予め定められた時間変化率Fmtであってもよい。基準Stdは、液体73および液体75の少なくとも一方における高さの、予め定められた時間変化率htであってもよい。例えば、判定結果取得部40は、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力の時間変化率が時間変化率Prt以上である場合、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した結果を取得してよい。
【0121】
記憶部114(
図4参照)は、選択部110(
図4参照)により選択された手順Pおよび経過時間取得部112(
図4参照)により取得された経過時間Tを、さらに記憶してもよい。更新部116(
図4参照)は、記憶部114に記憶された手順Pおよび経過時間Tに基づいて、基準Stdを更新してよい。判定結果取得部40(
図4参照)は、電解装置200の状態が第1状態S1および第2状態S2のいずれかであるかを、更新された当該基準Stdに基づいて判定した結果を取得してよい。
【0122】
更新された当該基準Stdは、記憶部114に記憶された手順Pおよび経過時間Tに基づいているので、判定結果取得部40による第1状態S1および第2状態S2の判定結果41の履歴を反映している。例えば、電解装置200が異常状態であった履歴が存在する場合において、更新された基準Stdは、当該異常の内容を反映している。当該異常の内容とは、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力が圧力Pr以上である等である。このため、判定結果取得部40が、更新された当該基準Stdに基づいて電解装置200の状態を判定した結果を取得することにより、判定結果取得部40は、更新されていない当該基準Stdに基づいて電解装置200の状態を判定した結果を取得する場合よりも、電解装置200の状態が第1状態S1および第2状態S2のいずれであるかを、より適切な基準Stdに基づいて判定した結果を取得しやすくなる。
【0123】
制御部60(
図4参照)は、オペレータによる作業の終了を受け付けてよい。オペレータが、電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための作業を終了した場合、オペレータは、運転支援装置100(
図4参照)に当該作業が終了した旨を入力してよい。制御部60は、当該入力を受け付けてよい。
【0124】
判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得した場合において、制御部60がオペレータによる作業の終了を受け付けた場合、判定結果取得部40は、オペレータによる当該作業により、電解装置200の状態が第1状態S1から第2状態S2に移行可能かを判定した結果を、さらに取得してよい。制御部60がオペレータによる作業の終了を受け付けた場合であっても、オペレータの作業ミス等により、電解装置200が第1状態S1から第2状態S2に移行可能でな
い状態である場合がある。このため、判定結果取得部40は、オペレータによる当該作業により、電解装置200が第1状態S1から第2状態S2に移行可能との状態となっているかを判定した結果を、さらに取得してよい。なお、オペレータは人間であってよく、人
工知能(AI)により制御されたロボットであってもよい。
【0125】
図11は、本発明の一つの実施形態に係る運転支援方法の一例を含む第1のフローチャートである。本発明の一つの実施形態に係る運転支援方法は、電解装置200(
図1参照)の運転を支援する運転支援方法である。
図11は、運転支援装置100が使用された場合における運転支援方法の一例である。
【0126】
ステップS100は、電解装置200がテスト1を実施する段階である。本例におけるテスト1は、電解装置200がNaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解することにより、Cl(塩素)とNaOH(水酸化ナトリウム)を生成するための準備段階である。
【0127】
ステップS102は、ステップS100が終了したかを判定する段階である。ステップS100が終了したと判定された場合、運転支援方法はステップS104に移る。ステップS100が終了していないと判定された場合、運転支援方法はステップS200(後述)に移る。
【0128】
ステップS104は、電解装置200がテスト2を実施する段階である。テスト2は、電解装置200がNaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解することにより、Cl(塩素)とNaOH(水酸化ナトリウム)を生成するための準備段階であって、テスト1とは異なるテストを実施する段階であってよい。
【0129】
ステップS106は、ステップS104が終了したかを判定する段階である。ステップS104が終了したと判定された場合、運転支援方法はステップS106に移る。ステップS104が終了していないと判定された場合、運転支援方法はステップS200(後述)に移る。
【0130】
ステップS108は、電解装置200が工程1を実施する段階である。本例における工程1は、電解装置200がNaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解することにより、Cl(塩素)とNaOH(水酸化ナトリウム)を生成するための第1段階である。
【0131】
ステップS110は、ステップS108が終了したかを判定する段階である。ステップS108が終了したと判定された場合、運転支援方法はステップS112に移る。ステップS108が終了していないと判定された場合、運転支援方法はステップS200(後述)に移る。
【0132】
ステップS112は、電解装置200が工程2を実施する段階である。本例における工程2は、電解装置200がNaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解することにより、Cl(塩素)とNaOH(水酸化ナトリウム)を生成するための第2段階である。
【0133】
ステップS114は、ステップS112が終了したかを判定する段階である。ステップS112が終了したと判定された場合、運転支援方法は次のステップに移る。ステップS112が終了していないと判定された場合、運転支援方法はステップS200(後述)に移る。
【0134】
ステップS120は、電解装置200が工程Nを実施する段階である。ここで、Nは3以上の整数である。本例における工程Nは、電解装置200がNaCl(塩化ナトリウム)水溶液を電気分解することにより、Cl(塩素)とNaOH(水酸化ナトリウム)を生成するための第N段階である。本例の運転支援方法は、電解装置200が工程1~工程Nを実施する。
【0135】
ステップS120は、ステップS122が終了したかを判定する段階である。ステップS120が終了したと判定された場合、運転支援方法は全行程を終了する。ステップS120が終了していないと判定された場合、運転支援方法はステップS200(後述)に移る。
【0136】
図12は、本発明の一つの実施形態に係る運転支援方法の一例を含む第2のフローチャートである。
図12は、運転支援装置100が使用された場合における運転支援方法の一例である。
【0137】
計器情報取得ステップS200は、計器情報取得部10(
図4参照)が計器情報12(
図4参照)を取得するステップである。計器情報12は、計器11(
図1および
図2参照)による測定データであって電解装置200に関するパラメータを測定した測定データを含む。ステップS200は、ステップS100、ステップS104、ステップS108、ステップS112およびステップS120それぞれの工程が終了していないと判定された場合に実施される。
【0138】
切替部情報取得ステップS202は、切替部66(
図1および
図2参照)に関する情報を示す切替部情報21を取得するステップである。電解装置200(
図1)は、1または複数の切替部66を有する。切替部66は、流体の流量及び気体の圧力の少なくとも一方を制御する。当該流体は、液体70(
図1参照)、液体72(
図1参照)、液体74(
図1参照)および液体76(
図1参照)の少なくともいずれかであってよい。当該気体は、気体77(
図2参照)および気体78(
図2参照)の少なくとも一方であってよい。
【0139】
電解装置状態取得ステップS204は、電解装置状態取得部30が電解装置状態情報31(
図4参照)を取得するステップである。電解装置状態取得部30は、計器情報12および切替部情報21の少なくとも一方に基づいて、電解装置200の状態を示す電解装置状態情報31を取得する。
【0140】
判定結果取得ステップS206は、制御部60が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41、または、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得するステップである。判定結果41は、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置状態情報31が予め定められた第1条件C1である場合に、電解装置200の状態が、第1状態S1であると判定した結果である。判定結果41は、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置状態情報31が第1条件C1と異なる第2条件C2である場合に、電解装置200の状態が、第2状態S2であると判定した結果である。
【0141】
上述したとおり、第1条件C1とは、オペレータによる予め定められた作業が想定されている、電解装置200の状態であってよい。例えば、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力が、予め定められた圧力Pr以上である場合における、オペレータの手動による電解槽90の確認等であってよい。
【0142】
上述したとおり、第2条件C2とは、基準Stdを満たす条件であってよい。例えば、後述するとおり、基準Stdが気体77および気体78の少なくとも一方の、予め定められた圧力Prである場合、気体77および気体78の少なくとも一方の圧力が圧力Pr未満である場合、電解装置状態情報31は第2条件C2を満たす(基準Stdを満たす)。
【0143】
上述したとおり、電解装置200の状態が第1状態S1であるとは、制御部60(
図4参照)が切替部66を制御せず、オペレータによる作業を促す表示をするように表示部50を制御する状態である。当該オペレータによる作業は、オペレータが切替部66を手動で操作する手動操作対象切替部660(
図1参照)の操作、電解装置200に対する確認、および、電解装置200の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含んでよい。電解装置200の状態が第2状態S2であるとは、制御部60が切替部66を自動制御する状態である。
【0144】
表示ステップS207は、制御部60(
図4参照)が、電解装置状態情報31を表示するように表示部50を制御するステップである。表示ステップS207は、制御部60が、判定結果取得部40が取得した判定結果41に応じた標示を表示するように表示部50を制御するステップであってよい。判定結果41に応じた標示とは、電解装置200が第1状態S1である場合、例えばオペレータによる作業を促す標示を指す。判定結果41に応じた標示とは、電解装置200が第2状態S2である場合、例えば計器11-1により測定された圧力が予め定められた圧力未満であり、計器11-2により測定された流量が予め定められた流量未満であり、計器11-3により測定された液面が予め定められた液面高さ未満であることにより、切替部66が正常に動作していることを示す標示を指す。
【0145】
表示ステップS207において、表示部50(
図4参照)は、手動操作対象切替部660(
図1参照)と、1または複数の自動制御対象切替部670(
図1参照)とを、区別して表示してよい。手動操作対象切替部660は、オペレータが手動で操作する切替部66である。自動制御対象切替部670は、電解装置200の自動制御の対象である。これにより、オペレータは、自動制御対象切替部670を誤って作業しにくくなる。
【0146】
判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得した場合、表示ステップS207において、表示部50は、第1状態S1を第2状態S2にするための手順Pを、さらに表示してもよい。当該手順Pは、オペレータによる処理の1または複数種類の手順から選択されてよい。これにより、オペレータは、電解装置200の状態を速やかに第1状態S1から第2状態S2にしやすくなる。これにより、電解装置200により生産される生産物Pの生産効率の低下が抑制されやすくなる。
【0147】
表示ステップS207において、表示部50は、電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための複数通りの手順Pを表示してよい。表示ステップS207において、電解装置200の状態が異常状態(第1状態S1に含まれる)である場合、表示部50は、当該異常状態を解消することにより、電解装置200の状態を第2状態S2とするための手順Pを表示してよい。表示ステップS207において、電解装置200の状態が第1状態S1であって異常状態ではない場合、表示部50は、電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための手順Pを表示してよい。当該手順Pは、オペレータによる予め定められた作業の手順Pであってよい。
【0148】
判断ステップS208は、判定結果取得ステップS206において取得された判定結果41が、電解装置200の状態が第1状態S1(オペレータによる作業を要する状態)であると判定された結果か、または、第2状態S2(オペレータによる作業を要さない状態)であると判定された結果か、を判断するステップである。判断ステップS208において、制御部60(
図4参照)が、当該判定結果41が第1状態S1であると判定された結果か、第2状態S2であると判定された結果か、を判断してよい。
【0149】
判断ステップS208において、判定結果41が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定された結果である場合、運転支援方法は判定ステップS210に移る。判断ステップS208において、判定結果41が、電解装置200の状態が第2状態S2であると判定された結果である場合、運転支援方法はステップS100、ステップS104、ステップS108、ステップS112およびステップS120(
図11参照)のいずれかに戻る。
【0150】
判定ステップS210は、判断ステップS208において、判定結果41が、電解装置200の状態が第1状態S1(オペレータによる作業を要する状態)であると判定された結果である場合に、判定結果取得部40が、当該第1状態S1が異常状態か否かを判定する段階である。上述したとおり、本例の第1状態S1は、電解装置200の状態が異常である異常状態を含む。
【0151】
判定結果取得部40が、電解装置200の状態が異常状態であると判定した場合、運転支援方法はロックステップS212に移る。判定結果取得部40が、電解装置200の状態が異常状態ではないと判定した場合、運転支援方法は選択ステップS218に移る。
【0152】
ロックステップS212は、制御部60(
図4参照)が、切替部66の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とするステップである。制御部60は、自動制御対象切替部670の少なくとも1つをロックとしてよい。制御部60が、自動制御対象切替部670をロックすることにより、運転支援装置100(
図4参照)は、電解装置200が異常状態にある場合において、オペレータが誤って自動制御対象切替部670を作業の対象としてしまうことを防止しやすくなる。
【0153】
制御部60は、手動操作対象切替部660の少なくとも1つをロックしてもよい。制御部60は、オペレータによる作業の対象である手動操作対象切替部660のうち、現在の操作対象ではない手動操作対象切替部660をロックしてよい。これにより、オペレータが現在の操作対象ではない手動操作対象切替部660を誤って作業しようとした場合においても、当該手動操作対象切替部660が作業されなくなる。これにより、手動操作対象切替部660が誤って作業されることによる、生産物Pの生産効率の低下が抑制されやすくなる。
【0154】
ロックステップS212において、制御部60(
図4参照)が、切替部66の少なくとも1つをロックした場合、表示部50は、当該切替部66を他の切替部66と区別して表示してよい。当該他の切替部66とは、ロックされていない切替部66を指す。即ち、当該他の切替部66とは、正常に動作している切替部66を指す。
【0155】
ロックステップS212において、制御部60が、切替部66の少なくとも1つをロックした後、運転支援方法は判断ステップS224に移る。判断ステップS224については、後述する。
【0156】
判定結果取得ステップS206は、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が手順Pにより第1状態S1から第2状態S2になったかをさらに判定した判定結果41を取得するステップであってよい。判定結果取得ステップS206が当該判定結果41を取得するステップである場合、運転支援方法は、経過時間取得ステップS214をさらに備えてよい。
【0157】
経過時間取得ステップS214は、経過時間取得部112(
図4参照)が、電解装置200が第1状態S1である状態が継続している経過時間Tを取得するステップであってよい。当該経過時間Tは、判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40が電解装置200の状態が第1状態S1であるとの判定結果41を取得してからの経過時間であってよい。
【0158】
判断ステップS216は、経過時間取得ステップS214において経過時間取得部112により取得された経過時間Tが、予め定められた許容時間Tthより大きいかを判断するステップである。判断ステップS216において、制御部60(
図4参照)が、経過時間Tが、予め定められた許容時間Tthより大きいかを判断してよい。
【0159】
判断ステップS216において、経過時間Tが予め定められた許容時間Tthより大きいと判断された場合、表示ステップS207において、表示部50は、他の手順Pをさらに表示してよい。当該他の手順Pとは、電解装置200を第1状態S1から第2状態S2に復帰させるための手順Pであって、電解装置200を第1状態S1から第2状態S2に復帰させるための当初手順Pとは異なる他の手順Pである。判断ステップS216において、経過時間Tが予め定められた許容時間Tth以下であると判断された場合、表示ステップS207において、表示部50は、当該当初手順Pをさらに表示してよい。これにより、オペレータは、当該他の手順Pに基づいて電解装置200を作業しやすくなる。判断ステップS216において、経過時間Tが予め定められた許容時間Tthより大きいと判断された場合、運転支援方法は選択ステップS218に移る。
【0160】
運転支援方法は、選択ステップS218をさらに備えてよい。選択ステップS218は、選択部110が、第1状態S1の種類に応じた手順Pを選択するステップである。第1状態S1の種類とは、オペレータによる処理の対象の種類を指す。当該対象には、手動操作対象切替部660の操作、電解セル91のイオン交換膜84における陰極82側の出口に配置されるノズルの取り外し作業、当該ノズルへの石鹸水の塗布、および、当該石鹸水の泡の膨らみの確認等が含まれてよい。
【0161】
選択ステップS218において、選択部110は、第1状態S1の複数の種類のうち、現在の電解装置200の第1状態S1に応じた手順Pを選択してよい。当該複数の種類のうちの1つを第1種類、他の1つを第2種類とすると、第1種類とは、例えば、電解装置200が異常状態である場合における、当該異常状態から第2状態S2(正常状態)への回復であってよく、第2種類とは、電解装置200が第1状態S1であるが異常状態ではない場合における、切替部66等への予め定められた確認であってよい。
【0162】
選択部110が、第1状態S1の種類に応じた手順Pを選択した場合において、判定結果取得ステップS206は、選択ステップS218において選択された手順Pにより、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1から第2状態S2になったかをさらに判定した結果を取得するステップであってよい。選択部110が、第1状態S1の種類に応じた手順Pを選択した場合において、判定結果取得ステップS206は、オペレータによる当該手順Pの作業により、判定結果取得部40が、電解装置200の状態が第1状態S1(オペレータによる作業を要する状態)から第2状態S2(オペレータによる作業を要さない状態。自動制御の状態)になったかを、さらに判定した結果を取得するステップであってよい。
【0163】
表示ステップS207において、表示部50は、選択ステップS218において選択された手順Pとは異なる他の手順Pを、さらに表示してよい。選択ステップS218において、選択部110が、現在の電解装置200の第1状態S1に応じた手順Pを選択した後、運転支援方法は記憶ステップS220に移る。
【0164】
運転支援方法は、記憶ステップS220をさらに備えてよい。記憶ステップS220は、記憶部114が、第1状態S1の種類、第1状態S1の種類に応じた手順P、および、他の手順Pを記憶するステップである。記憶ステップS220は、記憶部114が、選択ステップS218において選択された手順Pおよび経過時間取得ステップS214において取得された経過時間Tを、さらに記憶するステップであってもよい。
【0165】
記憶部114が、第1状態S1の種類、第1状態S1の種類に応じた手順P、および、他の手順Pを記憶した場合、判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40(
図4参照)は、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得してよい。判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得した場合、表示ステップS207において、表示部50は、記憶ステップS220において記憶された、第1状態S1の種類、第1状態S1の種類に応じた手順P、および、他の手順Pを表示してよい。
【0166】
判定結果取得ステップS206は、電解装置200の状態が第1状態S1および第2状態S2のいずれかであるかを、判定結果取得部40(
図4参照)が予め定められた基準Stdに基づいて判定した結果を取得するステップであってよい。基準Stdは、気体77および気体78(
図2参照)の少なくとも一方の圧力が予め定められた圧力Pr未満であることであってよい。基準Stdは、気体77及び気体78の圧力差が予め定められた圧力差Dpr未満であることであってもよい。基準Stdは、液体70、液体72、液体74および液体76(
図1参照)の少なくとも1つの単位時間当たりの流量が、予め定められた流量Fm未満であることであってもよい。基準Stdは、液体73および液体75(
図2参照)の少なくとも一方の液面高さが、予め定められた高さ未満であることであってもよい。
【0167】
運転支援方法は、更新ステップS222をさらに備えてよい。更新ステップS222は、更新部116が、記憶ステップS220において記憶された手順Pおよび経過時間Tに基づいて、予め定められた基準Stdを更新するステップである。
【0168】
更新された基準Stdは、記憶部114に記憶された手順Pおよび経過時間Tに基づいているので、判定結果取得ステップS206における、判定結果取得部40による第1状態S1および第2状態S2の判定結果41の履歴を反映している。このため、判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40が、更新された当該基準Stdに基づいて電解装置200の状態を判定した結果を取得することにより、判定結果取得部40は、更新されていない当該基準Stdに基づいて電解装置200の状態を判定した結果を取得する場合よりも、電解装置200の状態が第1状態S1および第2状態S2のいずれであるかを、より正確に判定した結果を取得しやすくなる。
【0169】
判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1(異常状態を含む)であると判定した結果を取得した場合、運転支援方法は、判断ステップ
S224に移る。判断ステップS224は、電解装置200の状態を、制御部60(
図4参照)が自動制御することにより第1状態S1から第2状態S2にするか、または、オペレータの手動により第1状態S1から第2状態S2にするかを判断するステップである。
図12において、電解装置200の状態を、制御部60が自動制御することにより第1状態S1から第2状態S2にする場合が自動対応と示され、オペレータの手動により第1状態S1から第2状態S2にする場合を手動対応と示されている。
【0170】
判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200の状態が第1状態S1であると判定した判定結果41を取得した場合、表示ステップS207において、表示部50は、制御部60が電解装置200を自動制御することにより、第1状態S1を第2状態S2にするための手順を、さらに表示してもよい。
【0171】
判断ステップS224において、制御部60(
図4参照)が、電解装置200の状態を、自動制御により第1状態S1から第2状態S2にするか、または、オペレータの手動により第1状態S1から第2状態S2にするかを判断してよい。判断ステップS224において、自動制御によると判断された場合、運転支援方法は判断ステップS226に移る。判断ステップS224において、オペレータの手動によると判断された場合、運転支援方法は判断ステップS228に移る。
【0172】
判断ステップS226は、電解装置200の状態を、自動制御により第1状態S1から第2状態S2にする準備が出来ているかを判断するステップである。判断ステップS226において、制御部60(
図4参照)が、当該準備が出来ているかを判断してよい。判断ステップS226において、当該準備が出来ていると判断された場合、運転支援方法は自動対応ステップS230に移る。判断ステップS226において、当該準備が出来ていないと判断された場合、運転支援方法は判断ステップS226において、当該準備が出来るまで待機してよい。
【0173】
自動対応ステップS230は、電解装置200の状態を、自動制御により第1状態S1から第2状態S2にするステップである。自動対応ステップS230において、制御部60(
図4参照)が、電解装置200の状態を、自動制御により第1状態S1から第2状態S2にしてよい。運転支援方法は、自動対応ステップS230の後、判定結果取得ステップS206に戻ってよい。判定結果取得ステップS206において、電解装置200の状態が、自動対応ステップS230により第2状態S2になっているか、を判定した判定結果41が取得されてよい。
【0174】
判断ステップS228は、電解装置200の状態を、オペレータの手動により第1状態S1から第2状態S2にす
る場合において、選択ステップS218において選択された現在の手順Pでよいかを判断するステップである。判断ステップS228において、制御部60(
図4参照)が、当該手順Pでよいかを判断してよい。
【0175】
判断ステップS228において、選択ステップS218において選択された現在の手順Pで問題無いと判断された場合、オペレータは、当該手順Pにより、電解装置200の状態を第1状態S1から第2状態S2にするための作業をしてよい。判断ステップS228において、選択ステップS218において選択された現在の手順Pで問題有りと判断された場合、運転支援方法は、選択ステップS218に移ってよい。選択ステップS218において、当該手順Pとは異なる他の手順Pが選択されてよい。
【0176】
運転支援方法は、作業終了受付ステップS232をさらに備えてよい。作業終了受付ステップS232は、制御部60(
図4参照)が、オペレータによる作業の終了を受け付けるステップである。作業終了受付ステップS232において制御部60がオペレータによる作業の終了を受け付けた場合、判定結果取得ステップS206において、判定結果取得部40(
図4参照)は、電解装置200の状態が、オペレータによる作業により、第1状態S1から第2状態S2に移行可能かを判定した結果を、さらに取得してよい。
【0177】
制御部60がオペレータによる作業の終了を受け付けた場合であっても、オペレータの作業ミス等により、電解装置200が第1状態S1から第2状態S2に移行可能でない状態である場合がある。このため、判定結果取得部40は、オペレータによる当該作業により、電解装置200が第1状態S1から第2状態S2に移行可能との状態となっているかを判定した結果を、さらに取得してよい。なお、オペレータは、人間であってよく、人工知能(AI)により制御されたロボットであってもよい。
【0178】
図13は、
図12における表
示ステップ
S207の詳細の一例を示すフローチャートである。表示ステップS207は、順番表示ステップS2072および操作対象表示ステップS2074を含んでよい。順番表示ステップS2072は、表示部50が手動操作対象切替部660(
図1参照)の操作の順番を表示するステップである。
【0179】
順番表示ステップS2072は、
図12における判定結果取得ステップS206、判断ステップS216において経過時間T>許容時間Tthと判断された場合、判断ステップS216において経過時間T≦許容時間Tthと判断された場合、選択ステップS218および記憶ステップS220のいずれかの後のステップであってよい。
【0180】
図6の例において説明すると、
図6に示される例において、順番表示ステップS2072は、3つの手動操作対象切替部660の操作の順番を丸数字の1~3で示すステップである。順番表示ステップS2072において、表示部50に手動操作対象切替部660の操作の順番が表示されることにより、オペレータは、手動操作対象切替部660の操作がしやすくなる。
【0181】
運転支援方法は、順番表示ステップS2072の後、操作対象表示ステップS2074に進んでよい。操作対象表示ステップS2074は、表示部50が、当該操作の順番に基づいて、現在の操作対象である手動操作対象切替部660を順に表示するステップである。
【0182】
図6の例において説明すると、
図6に示される例において、制御部60(
図4参照)は、破線枠で示される3つの手動操作対象切替部660のうち、現在の操作対象である手動操作対象切替部660を囲む破線枠を点滅させる等により、現在の操作対象である手動操作対象切替部660を順に表示するように表示部50を制御してよい。これにより、オペレータは、現在の操作対象ではない手動操作対象切替部660を誤って操作しにくくなる。
【0183】
図14は、表示部50の他の一例を示す図である。表示部50は、例えばモニタ、ディスプレイ等である。運転支援装置100がタブレットコンピュータである場合、表示部50は、当該タブレットコンピュータのディスプレイであってよい。本例の表示部50は、3つの表示領域51(表示領域51-1、表示領域51-2および表示領域51-3)を含む。
【0184】
本例において、表示領域51-1には
図11に示される第1のフローチャートが示され、表示領域51-2には
図12に示される第2のフローチャートが示されている。表示領域51-2には、
図13に示されるフローチャートがさらに示されていてもよい。本例において、表示領域51-3には、
図5~
図10に示される表示領域52-1~表示領域52
-3が示されている。
【0185】
本例において、表示領域51-1には、
図11に示されるステップS100~ステップS120が簡略化して示されている。運転支援装置100が稼働されている状態において、表示領域51-1に示される工程のうち現在の工程が、太線枠で示されてよい。
【0186】
本例において、表示領域51-2には、
図12に示されるステップS200~ステップS230が簡略化して示されている。表示領域51-2には、表示領域51-1における現在の工程の詳細工程が示されてよい。運転支援装置100が稼働されている状態において、表示領域51-1に示される工程のうち現在の工程が、太線枠で示されてよい。
【0187】
本例において、表示領域51-3には、表示領域51-1および表示領域51-2に対応する、電解装置200(
図1参照)の状態が可視的に示されている。
図14は、判定結果取得部40(
図4参照)が、電解装置200(
図1参照)が現在、第2状態S2(正常状態)にあると判定した判定結果41を取得した場合、且つ、次工程においてオペレータによる予め定められた作業を要する場合における、表示部50の表示態様の一例である。
【0188】
図15は、表示部50の他の一例を示す図である。
図15は、電解装置200に現在、トラブルが発生している場合における、表示部50による表示の一例である。表示領域51-3における表示領域52-3には、当該トラブルに対応するための手順書であって、オペレータによる作業の手順を示す手順書を表示させるためのボタンが表示されていてよい。
【0189】
図16は、本発明の一つの実施形態に係る運転支援システム300の一例を示す図である。運転支援システム300は、運転支援装置100と、電解装置200とを備える。
【0190】
本例の運転支援システム300において、運転支援装置100における計器情報取得部10は、電解装置200が有する計器11から計器情報12を取得する。本例の運転支援システム300において、運転支援装置100における切替部情報取得部20は、電解装置200が有する切替部66に関する情報を示す切替部情報21を取得する。本例の運転支援システム300において、運転支援装置100における電解装置状態取得部30は、電解装置200の状態を示す電解装置状態情報31を取得する。
【0191】
本発明の様々な実施形態は、 フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよい。本発明の様々な実施形態において、ブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。
【0192】
特定の段階が、専用回路、プログラマブル回路またはプロセッサによって実行されてよい。特定のセクションが、専用回路、プログラマブル回路またはプロセッサによって実装されてよい。当該プログラマブル回路および当該プロセッサは、コンピュータ可読命令と共に供給されてよい。当該コンピュータ可読命令は、コンピュータ可読媒体上に格納されてよい。
【0193】
専用回路は、デジタルハードウェア回路およびアナログハードウェア回路の少なくとも一方を含んでよい。専用回路は、集積回路(IC)およびディスクリート回路の少なくとも一方を含んでもよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NORまたは他の論理操作のハードウェア回路を含んでよい。プログラマブル回路は、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでもよい。
【0194】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。コンピュータ可読媒体が当該有形なデバイスを含むことにより、当該デバイスに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。
【0195】
コンピュータ可読媒体は、例えば電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等であってよい。コンピュータ可読媒体は、より具体的には、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等であってよい。
【0196】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、ソースコードおよびオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。当該ソースコードおよび当該オブジェクトコードは、オブジェクト指向プログラミング言語および従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてよい。オブジェクト指向プログラミング言語は、例えばSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等であってよい。手続型プログラミング言語は、例えば「C」プログラミング言語であってよい。
【0197】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路は、
図11~
図13に示されるフローチャート、または、
図4に示されるブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサは、例えばコンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等であってよい。
【0198】
図17は、本発明の実施形態に係る運転支援装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る運転支援装置100に関連付けられる操作または運転支援装置100の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、またはコンピュータ2200に、本発明の運転支援方法に係る各段階(
図11~
図13参照)を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載されたフローチャート(
図11~
図13)およびブロック図(
図4)におけるブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0199】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218を含む。CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218は、ホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200は、通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等の入出力ユニットをさらに含む。通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等は、入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータは、ROM2230およびキーボード2242等のレガシの入出力ユニットをさらに含む。ROM2230およびキーボード2242等は、入出力チップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
【0200】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作することにより、各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはRAM2214の中に、CPU2212によって生成されたイメージデータを取得することにより、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0201】
通信インターフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、読み取ったプログラムまたはデータを、RAM2214を介してハードディスクドライブ2224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取るか、または、プログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0202】
ROM2230は、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、または、コンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ2240は、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
【0203】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い、情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0204】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0205】
CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにしてよい。CPU2212は、RAM2214上のデータに対し、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0206】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理されてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示に記載された、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索または置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、結果をRAM2214に対しライトバックしてよい。
【0207】
CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、第2の属性値を読み取ることにより、予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0208】
上述したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。プログラムは、当該記録媒体によりコンピュータ2200に提供されてよい。
【0209】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0210】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
[項目1-1]
電解装置の運転を支援する運転支援方法であって、
計器情報取得部が、前記電解装置が有する計器から、前記計器による測定データであって前記電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得ステップと、
切替部情報取得部が、前記電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得ステップと、
電解装置状態取得部が、前記計器情報および前記切替部情報の少なくとも一方に基づいて、電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する、電解装置状態取得ステップと、
制御部が、前記電解装置状態取得部が取得した前記電解装置状態情報を表示するように表示部を制御する、表示ステップと、
を備える、運転支援方法。
[項目1-2]
判定結果取得部が、前記電解装置状態情報が予め定められた第1条件である場合に、前記電解装置の状態が、制御部が前記切替部を制御せず、オペレータによる作業を促す表示をするように表示部を制御する第1状態であると判定した判定結果、または、前記電解装置状態情報が前記第1条件とは異なる予め定められた第2条件である場合に、前記電解装置の状態が、前記制御部が前記切替部を自動制御する第2状態であると判定した判定結果を取得する、判定結果取得ステップをさらに備え、
前記表示ステップにおいて、前記制御部が、前記判定結果取得部が取得した前記判定結果に応じた標示を表示するように前記表示部をさらに制御する、
項目1-1に記載の運転支援方法。
[項目1-3]
前記第1状態は、前記電解装置の状態が異常である異常状態を含む、項目1-2に記載の運転支援方法。
[項目1-4]
前記オペレータによる作業は、オペレータが前記切替部を手動で操作する手動操作対象切替部の操作、電解装置に対する確認、および、電解装置の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含む、項目1-3に記載の運転支援方法。
[項目1-5]
前記表示ステップにおいて、前記表示部が、オペレータが前記切替部を手動で操作する手動操作対象切替部と、前記電解装置における自動制御の対象である1または複数の自動制御対象切替部とを、区別して表示する、項目1-4に記載の運転支援方法。
[項目1-6]
前記表示ステップは、前記表示部が前記手動操作対象切替部の操作の順番を表示する順番表示ステップをさらに含む、項目1-5に記載の運転支援方法。
[項目1-7]
前記表示ステップは、前記表示部が、前記操作の順番に基づいて、現在の操作対象である前記手動操作対象切替部を順に表示する、操作対象表示ステップをさらに含む、項目1-6に記載の運転支援方法。
[項目1-8]
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記異常状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記制御部が、前記切替部の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とするロックステップをさらに備える、項目1-6または1-7に記載の運転支援方法。
[項目1-9]
前記ロックステップにおいて、前記制御部が、前記1または複数の切替部の少なくとも1つをロックした場合、前記表示ステップにおいて、前記表示部が、固定状態とされるか、操作不可とされるか、または開閉不可とされた前記切替部を、他の切替部と区別して表示する、項目1-8に記載の運転支援方法。
[項目1-10]
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記表示ステップにおいて前記表示部は、前記制御部が前記電解装置を自動制御することにより、前記第1状態を前記第2状態にするための手順をさらに表示する、項目1-2から1-9のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目1-11]
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記表示ステップにおいて前記表示部は、前記第1状態を前記第2状態にするための手順であって、オペレータによる処理の1または複数種類の手順から選択された手順をさらに表示する、項目1-2から1-9のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目1-12]
前記判定結果取得ステップは、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記手順により前記第1状態から前記第2状態になったかをさらに判定した判定結果を取得するステップであり、
経過時間取得部が、前記判定結果取得ステップにおいて、前記電解装置の状態が前記第1状態であるとの判定結果を取得してから前記第1状態が継続している経過時間を取得する、経過時間取得ステップをさらに備え、
前記経過時間取得ステップにおいて前記経過時間取得部により取得された前記経過時間が予め定められた許容時間より大きいと判断された場合、前記表示ステップにおいて、前記表示部は、前記手順とは異なる他の手順をさらに表示する、
項目1-11に記載の運転支援方法。
[項目1-13]
選択部が、前記第1状態の種類に応じた前記手順を選択する、選択ステップをさらに備え、
前記判定結果取得ステップは、前記選択ステップにおいて選択された手順により、前記判定結果取得部が前記電解装置の状態が前記第1状態から前記第2状態になったかをさらに判定した結果を取得するステップであり、
前記表示ステップにおいて、前記表示部は、前記選択ステップにおいて選択された手順とは異なる他の手順をさらに表示する、
項目1-12に記載の運転支援方法。
[項目1-14]
記憶部が、前記第1状態の種類、前記第1状態の種類に応じた前記手順、および、前記他の手順を記憶する、記憶ステップをさらに備え、
前記判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記表示ステップにおいて、前記表示部は、前記記憶ステップにおいて記憶された、前記第1状態の種類、前記第1状態の種類に応じた前記手順、および、前記他の手順を表示する、
項目1-13に記載の運転支援方法。
[項目1-15]
前記判定結果取得ステップは、前記電解装置の状態が第1状態および第2状態のいずれかであるかを、前記判定結果取得部が予め定められた基準に基づいて判定した結果を取得するステップであり、
記憶ステップは、前記記憶部が、前記選択ステップにおいて選択された手順および前記経過時間取得ステップにおいて取得された前記経過時間をさらに記憶するステップであり、
更新部が、前記記憶ステップにおいて記憶された、前記手順および前記経過時間に基づいて、前記予め定められた基準を更新する更新ステップをさらに備える、
項目1-14に記載の運転支援方法。
[項目1-16]
前記制御部が、前記オペレータによる作業の終了を受け付ける作業終了受付ステップをさらに備え、
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合において、前記判定結果取得部は、前記作業終了受付ステップにおいて前記制御部が前記オペレータによる作業の終了を受け付けた場合に、前記電解装置の状態が、オペレータによる前記作業により、前記第1状態から前記第2状態に移行可能かを判定した結果をさらに取得する、項目1-2から1-15のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目1-17]
コンピュータに、項目1-1から1-16のいずれか一項に記載の運転支援方法を実行させるための運転支援プログラム。
[項目1-18]
電解装置の運転を支援する運転支援装置であって、
前記電解装置が有する計器から、前記計器による測定データであって前記電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得部と、
前記電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得部と、
前記計器情報および前記切替部情報の少なくとも一方に基づいて、前記電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する電解装置状態取得部と、
前記電解装置状態取得部が取得した前記電解装置状態情報を表示するように表示部を制御する制御部と、
を備える運転支援装置。
[項目1-19]
前記電解装置状態情報が予め定められた第1条件である場合に、前記電解装置の状態が、制御部が前記切替部を制御せず、オペレータによる作業を促す表示をするように表示部を制御する第1状態であると判定した判定結果か、または、前記電解装置状態情報が前記第1条件とは異なる予め定められた第2条件である場合に、前記電解装置の状態が、前記制御部が前記切替部を自動制御する第2状態であると判定した判定結果を取得する判定結果取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記判定結果取得部が取得した前記判定結果に応じた標示を表示するように前記表示部をさらに制御する、
項目1-18に記載の運転支援装置。
[項目1-20]
項目1-18または1-19に記載の運転支援装置と、前記電解装置とを備える運転支援システム。
[項目2-1]
電解装置の運転を支援する運転支援方法であって、
計器情報取得部が、前記電解装置が有する計器から、前記計器による測定データであって前記電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得ステップと、
切替部情報取得部が、前記電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得ステップと、
電解装置状態取得部が、前記計器情報および前記切替部情報の少なくとも一方に基づいて、電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する、電解装置状態取得ステップと、
前記電解装置状態情報が予め定められた第2条件である場合に、判定結果取得部が、前記電解装置の状態が第2状態であると判定した判定結果であって、前記第2状態は制御部が前記切替部を自動制御する状態である、判定結果を取得する、判定結果取得ステップと、
を備える、運転支援方法。
[項目2-2]
前記電解装置状態情報は、前記電解装置が正常状態または異常状態であるとの情報、または、前記電解装置がいずれの工程にあるかを示す工程情報を含む、項目2-1に記載の運転支援方法。
[項目2-3]
前記判定結果取得ステップは、前記判定結果取得部が、前記電解装置状態情報が前記第2条件とは異なる予め定められた第1条件である場合に、前記電解装置の状態が、制御部がオペレータによる作業を促すべき第1状態であると判定した判定結果、または、前記電解装置状態情報が前記第2条件である場合に、前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した判定結果を取得するステップである、
項目2-1または2-2に記載の運転支援方法。
[項目2-4]
前記第1状態は、前記電解装置の状態が異常である異常状態を含む、項目2-3に記載の運転支援方法。
[項目2-5]
前記オペレータによる作業は、オペレータが前記切替部を手動で操作する手動操作対象切替部の操作、電解装置に対する確認、および、電解装置の構成部品に対する確認の少なくともいずれかを含む、項目2-4に記載の運転支援方法。
[項目2-6]
表示部が、オペレータが前記切替部を手動で操作する手動操作対象切替部と、前記電解装置における自動制御の対象である1または複数の自動制御対象切替部とを、区別して表示する表示ステップをさらに備える、項目2-5に記載の運転支援方法。
[項目2-7]
前記表示ステップは、前記表示部が前記手動操作対象切替部の操作の順番を表示する順番表示ステップをさらに含む、項目2-6に記載の運転支援方法。
[項目2-8]
前記表示ステップは、前記表示部が、前記操作の順番に基づいて、現在の操作対象である前記手動操作対象切替部を順に表示する、操作対象表示ステップをさらに含む、項目2-7に記載の運転支援方法。
[項目2-9]
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記異常状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記制御部が、前記切替部の少なくとも1つを固定状態とするか、操作不可とするか、または開閉不可とするロックステップをさらに備える、項目2-4または2-5に記載の運転支援方法。
[項目2-10]
前記ロックステップにおいて、前記制御部が、前記1または複数の切替部の少なくとも1つをロックした場合、表示部が、固定状態とされるか、操作不可とされるか、または開閉不可とされた前記切替部を、他の切替部と区別して表示する表示ステップをさらに備える、項目2-9に記載の運転支援方法。
[項目2-11]
前記表示ステップは、前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合に、前記表示部が、前記第1状態を前記第2状態にするための手順をさらに表示するステップである、項目2-6から2-8および2-10のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目2-12]
前記判定結果取得ステップは、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態から前記第2状態になったかをさらに判定した判定結果を取得するステップであり、
経過時間取得部が、前記判定結果取得ステップにおいて、前記電解装置の状態が前記第1状態であるとの判定結果を取得してから前記第1状態が継続している経過時間を取得する、経過時間取得ステップをさらに備える、
項目2-3から2-5および2-9のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目2-13]
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、表示部が、前記第1状態を前記第2状態にするための手順であって、オペレータによる処理の1または複数種類の手順から選択された手順をさらに表示する表示ステップをさらに備える、項目2-12に記載の運転支援方法。
[項目2-14]
前記経過時間取得ステップにおいて前記経過時間取得部により取得された前記経過時間が予め定められた許容時間より大きいと判断された場合、前記表示ステップにおいて、前記表示部は、前記手順とは異なる他の手順をさらに表示する、項目2-13に記載の運転支援方法。
[項目2-15]
選択部が、前記第1状態の種類に応じた手順であって前記第1状態を前記第2状態にするための手順を選択する、選択ステップをさらに備える、項目2-3から2-5、2-9および2-12のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目2-16]
前記判定結果取得ステップは、前記選択ステップにおいて選択された前記手順により、前記判定結果取得部が前記電解装置の状態が前記第1状態から前記第2状態になったかをさらに判定した結果を取得するステップであり、
表示部が、前記選択ステップにおいて選択された前記手順とは異なる他の手順をさらに表示する表示ステップをさらに備える、
項目2-15に記載の運転支援方法。
[項目2-17]
前記判定結果取得ステップにおいて、判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合、前記表示ステップにおいて、前記表示部は、前記第1状態の種類、前記第1状態の種類に応じた前記手順、および、前記他の手順を表示する、
項目2-16に記載の運転支援方法。
[項目2-18]
選択部が、前記第1状態の種類に応じた手順であって前記第1状態を前記第2状態にするための手順を選択する、選択ステップをさらに備え、
前記判定結果取得ステップは、前記電解装置の状態が前記第1状態および前記第2状態のいずれかであるかを、前記判定結果取得部が予め定められた基準に基づいて判定した結果を取得するステップであり、
更新部が、前記手順および前記経過時間に基づいて、前記予め定められた基準を更新する更新ステップをさらに備える、
項目2-12から2-14のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目2-19]
前記制御部が、前記オペレータによる作業の終了を受け付ける作業終了受付ステップをさらに備え、
前記判定結果取得ステップにおいて、前記判定結果取得部が、前記電解装置の状態が前記第1状態であると判定した判定結果を取得した場合において、前記判定結果取得部は、前記作業終了受付ステップにおいて前記制御部が前記オペレータによる作業の終了を受け付けた場合に、前記電解装置の状態が、オペレータによる前記作業により、前記第1状態から前記第2状態に移行可能かを判定した結果をさらに取得する、項目2-3から18のいずれか一項に記載の運転支援方法。
[項目2-20]
コンピュータに、項目2-1から2-19のいずれか一項に記載の運転支援方法を実行させるための運転支援プログラム。
[項目2-21]
電解装置の運転を支援する運転支援装置であって、
前記電解装置が有する計器から、前記計器による測定データであって前記電解装置に関するパラメータを測定した測定データを含む計器情報を取得する、計器情報取得部と、
前記電解装置が有する1または複数の切替部であって流体の流量および気体の圧力の少なくとも一方を制御する切替部に関する情報を示す切替部情報を取得する、切替部情報取得部と、
前記計器情報および前記切替部情報の少なくとも一方に基づいて、前記電解装置の状態を示す電解装置状態情報を取得する電解装置状態取得部と、
前記電解装置状態情報が予め定められた第2条件である場合に、前記電解装置の状態が第2状態であると判定した判定結果であって、前記第2状態は制御部が前記切替部を自動制御する状態である、判定結果を取得する、判定結果取得部と、
を備える運転支援装置。
[項目2-22]
前記電解装置状態情報は、前記電解装置が正常状態または異常状態であるとの情報、または、前記電解装置がいずれの工程にあるかを示す工程情報を含む、項目2-21に記載の運転支援装置。
[項目2-23]
前記判定結果取得部は、前記電解装置状態情報が前記第2条件とは異なる予め定められた第1条件である場合に、前記電解装置の状態が、制御部がオペレータによる作業を促すべき第1状態であると判定した判定結果か、または、前記電解装置状態情報が前記第2条件である場合に、前記電解装置の状態が前記第2状態であると判定した判定結果を取得する、項目2-21または2-22に記載の運転支援装置。
[項目2-24]
項目2-21から2-23のいずれか一項に記載の運転支援装置と、前記電解装置とを備える運転支援システム。
【符号の説明】
【0211】
10・・・計器情報取得部、11・・・計器、12・・・計器情報、20・・・切替部情報取得部、21・・・切替部情報、30・・・電解装置状態取得部、31・・・電解装置状態情報、40・・・判定結果取得部、41・・・判定結果、50・・・表示部、51・・・表示領域、52・・・表示領域、60・・・制御部、66・・・切替部、70・・・液体、71・・・陽イオン、72・・・液体、73・・・液体、74・・・液体、75・・・液体、76・・・液体、77・・・気体、78・・・気体、79・・・陽極室、80・・・陽極、81・・・底面、82・・・陰極、83・・・内側面、84・・・イオン交換膜、85・・・天井面、86・・・陰イオン基、90・・・電解槽、91・・・電解セル、92・・・導入管、93・・・導入管、94・・・導出管、95・・・導出管、98・・・陰極室、100・・・運転支援装置、110・・・選択部、112・・・経過時間取得部、114・・・記憶部、116・・・更新部、200・・・電解装置、300・・・運転支援システム、660・・・手動操作対象切替部、670・・・自動制御対象切替部、2200・・・コンピュータ、2201・・・DVD-ROM、2210・・・ホストコントローラ、2212・・・CPU、2214・・・RAM、2216・・・グラフィックコントローラ、2218・・・ディスプレイデバイス、2220・・・入出力コントローラ、2222・・・通信インターフェース、2224・・・ハードディスクドライブ、2226・・・DVD-ROMドライブ、2230・・・ROM、2240・・・入出力チップ、2242・・・キーボード