(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】キャリア集合の決定方法およびデバイス、記憶媒体、および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20221104BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20221104BHJP
H04W 72/10 20090101ALI20221104BHJP
H04W 4/46 20180101ALN20221104BHJP
H04W 4/44 20180101ALN20221104BHJP
【FI】
H04W72/04 132
H04W92/18
H04W72/10
H04W4/46
H04W4/44
(21)【出願番号】P 2020542904
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2019074116
(87)【国際公開番号】W WO2019154250
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】201810151376.0
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】▲しん▼▲衛▼民
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼有雄
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/176095(WO,A1)
【文献】TSG RAN WG1,V2X phase 2 based on LTE,3GPP TSG RAN #78 RP-172339,2017年12月11日,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_78/Docs/RP-172339.zip>
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Discussion on synchronization for SL CA,3GPP TSG RAN WG1 #91 R1-1720485,2017年11月18日,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720485.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Discussion on the Tx carrier selection for PC5 CA,3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1712751,2017年11月17日,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1712751.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア集合を決定するための方法であって、
デバイスが、キャリアによって使用される同期基準情報に従って、サイドリンク伝送を実行するユーザ機器(UE)のための第2のキャリア集合を決定することであって、前記同期基準情報は、同期構成を含む、ことと、
前記デバイスが
、前記サイドリンク伝送を実行する前記UEのための論理チャネルに対応する第1のキャリア集合を決定すること
であって、前記第1のキャリア集合は、前記第2のキャリア集合の部分集合である、ことと、
前記デバイスが、前記論理チャネル内のデータパケットの優先順位と前記第1のキャリア集合内のキャリアのチャネルビジー比率(CBR)とに従って、前記第1のキャリア集合から、前記第1のキャリア集合の部分集合を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2のキャリア集合内の各キャリアは、前記同期構成を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記同期構成は、前記キャリアの同期基準優先度を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サイドリンク伝送を実行する前記UEのための前記第2のキャリア集合を決定することは、
キャリアによって使用される同期基準情報に従って、前記第2のキャリア集合を決定することであって、前記同期基準情報は、同期基準を含む、こと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記論理チャネルのための第1のキャリアのCBRが閾値以下にあるとき、
前記デバイスが、前記第1のキャリアを使用することを含み、前記閾値は、各近接サービスパケット毎優先順位(PPPP)に対して前記第1のキャリアのために構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デバイスであって、
前記デバイスは、少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
キャリアによって使用される同期基準情報に従って、サイドリンク伝送を実行するユーザ機器(UE)のための第2のキャリア集合を決定することであって、前記同期基準情報は、同期構成を含む、ことと、
前記サイドリンク伝送を実行する前記UEのための論理チャネルに対応する第1のキャリア集合を決定すること
であって、前記第1のキャリア集合は、前記第2のキャリア集合の部分集合である、ことと、
前記論理チャネル内のデータパケットの優先順位と前記第1のキャリア集合内のキャリアのチャネルビジー比率(CBR)とに従って、前記第1のキャリア集合から、前記第1のキャリア集合の部分集合を決定することと
を行うように構成されている、デバイス。
【請求項7】
前記第2のキャリア集合内の各キャリアは、前記同期構成を使用する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記同期構成は、前記キャリアの同期基準優先度を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、キャリアによって使用される同期基準情報に従って前記第2のキャリア集合を決定することによって、前記サイドリンク伝送を実行する前記UEのための前記第2のキャリア集合を決定するように構成されており、前記同期基準情報は、同期基準を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記論理チャネルのための第1のキャリアのCBRが閾値以下にあるとき、前記第1のキャリアを使用するように構成されており、前記閾値は、各近接サービスパケット毎優先順位(PPPP)に対して前記第1のキャリアのために構成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
命令を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実行することを前記少なくとも1つのプロセッサに行わせる、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信分野に関し、より具体的には、キャリア集合を決定するための方法および装置、記憶媒体、および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
サイドリンク通信システムでは、サイドリンクリソースが、ユーザ機器(UE)間での情報伝送のために使用される。具体的な適用シナリオおよびサービスタイプに従って、サイドリンク通信は、デバイス間(D2D)通信、車車間(V2V)または車車間・路車間(V2X)通信を含む、車両のインターネット通信等を含む。
【0003】
車両のインターネット通信等のサイドリンク通信に関して、種々の領域内のスペクトル使用管理を調整し、受信機が正しいスペクトルを選択し、関与するサービスを受信することを促進するために、サービスによって使用され得る1つ以上の周波数/キャリア、およびサービスに対応するアクセス層の宛先識別子(ID)等を含む、V2Xサービスタイプに関するいくつかの構成パラメータが、現在、規定されている。サービスが、伝送のためにアクセス層に入ると、アクセス層は、1つ以上の論理チャネル上にサービスを伝送する。これらの論理チャネル上のデータパケットは、近接サービス(ProSe)パケット毎優先順位(PPPP)と、サービスに対応する宛先IDとを有する。
【0004】
サイドリンク通信システムにおいて、サービスが、UE間で伝送される必要があるとき、UE間のサービスデータは、ネットワーク側を通して自動転送されないが、データソースUEによって、サイドリンクを通して標的UEに直接伝送される。
図1は、関連技術によるサイドリンク通信の構造図である。加えて、通信リソースを入手するための方法に従って、サイドリンク通信は、2つのタイプの通信モードに分割され得る。第1のタイプのモードでは、UEによってサイドリンク信号を送信するためのリソースが、基地局のスケジューリングから生じる。第2のタイプのモードでは、UEは、リソース選択方略に従って、構成された、または事前に構成されたリソースプールの中のリソースの通信モードを自律的に選択する。リソース選択方略は、主に、感知機構と、部分的感知機構と、ランダム選択機構とを含む。
【0005】
車両のインターネットにおける直接接続通信の需要の増加に伴って、サイドリンク通信システムに関する市場の要件も、持続的に増加している。例えば、レートまたは信頼性を増加させるために、サイドリンク通信システムが、キャリアアグリゲーション(CA)、すなわち、複数のキャリアが、並行伝送のために使用されること(「並行」は、ここで、同時または時分割式であり得る)をサポートし得ることが必要である。しかしながら、サイドリンクが通信のためにCAを使用するために解決されるべき問題は、通信のために選択されるキャリアの選択である。
【0006】
サイドリンクCAに関する議論に関して、キャリア選択の新しい方法またはプロセスが、決定される必要がある。本段階において、キャリアのチャネルビジー比(CBR)、伝送されるべきデータのサービスタイプ、データのPPPP、およびUEの能力を含む、キャリア選択に影響を及ぼす多くの要因が、議論される。しかしながら、現在、キャリア選択の最終プロセスおよびキャリア選択のプロセスにおける上記の要因の作用方法の完全な定義は、存在しない。
【0007】
UEが、関連技術においてサイドリンク伝送を実施するときに完全なキャリア集合を決定するための方法を欠いているという問題を解決するための効率的なソリューションは、提供されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の実施形態は、少なくとも、UEが、関連技術においてサイドリンク伝送を実施するときに完全なキャリア集合を決定するための方法を欠いているという問題を解決するための、キャリア集合を決定するための方法および装置、記憶媒体、および電子デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある実施形態によると、キャリア集合を決定するための方法が、提供される。本方法は、以下のステップ、すなわち、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合が、決定されるステップを含み、所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、所定の論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDに対応する。
【0010】
本開示の別の実施形態によると、キャリア集合を決定するための装置が、提供される。本装置は、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合を決定するように構成される、決定モジュールを含み、所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDに対応する。
【0011】
本開示の別の実施形態によると、記憶媒体が、提供される。記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、コンピュータプログラムは、実行されると、上記に説明される方法の実施形態のいずれか1項に記載のステップを実行する。
【0012】
本開示の別の実施形態によると、電子デバイスがさらに、提供される。電子デバイスは、メモリと、プロセッサとを含む。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、上記に説明される方法の実施形態のいずれか1項に記載のステップを実行するためのコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0013】
本開示の実施形態によると、所定の論理チャネル群に対応するキャリア集合が、決定され、サイドリンク伝送を実施するために、UEに適用される。したがって、UEが、関連技術においてサイドリンク伝送を実施するときに完全なキャリア集合を決定するための方法を欠いているという問題が、解決され、サイドリンク伝送を実施するためにUEによって要求されるキャリア集合を決定するステップの目的が、達成される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
キャリア集合を決定するための方法であって、
サイドリンク伝送を実施するユーザ機器(UE)のための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合を決定すること
を含み、
前記所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、前記所定の論理チャネル群の中の前記論理チャネルは、同一の宛先識別子(ID)に対応する、方法。
(項目2)
前記サイドリンク伝送を実施する前記UEのための前記所定の論理チャネル群に対応する前記第1のキャリア集合を決定することは、
前記サイドリンク伝送を実施する前記UEのための第2のキャリア集合を決定することと、
前記第2のキャリア集合から前記第1のキャリア集合を決定することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記サイドリンク伝送を実施する前記UEのための第2のキャリア集合を決定することは、
前記UEによって伝送される必要があるサービスのタイプ、前記UEの伝送能力、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、前記キャリア上のチャネルビジー比率(CBR)、前記キャリアによって使用される同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って、前記第2のキャリア集合を決定することであって、前記同期基準情報は、同期基準、同期基準ソース、または同期構成を含む、こと、または
基地局から前記第2のキャリア集合を受信すること
を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第2のキャリア集合の中の各キャリアは、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用する、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記同期構成は、前記キャリアの最高優先度同期基準タイプ、前記キャリアの同期基準ソースタイプ、または前記キャリアの同期基準優先度を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記キャリアが搬送することが可能である前記サービスのタイプ、前記キャリア上の前記CBR、または前記キャリアによって使用される前記同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って、かつ前記UEによって伝送される必要がある前記サービスおよび前記UEの伝送能力に従って、前記第2のキャリア集合を決定することは、
前記UEによって伝送される必要があるサービスにそれぞれ対応するキャリア集合を、第1の候補キャリア集合として見なすことと、
前記第1の候補キャリア集合の中のキャリアを、前記キャリアが搬送することが可能である前記サービスのタイプ、前記キャリア上の前記CBR、および前記キャリアによって使用される前記同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って順序付けることと、
前記UEの伝送能力に従って、前記順序付けられた第1の候補キャリア集合から、所定の数のキャリアを前記第2のキャリア集合として順に選択することと
を含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記第2のキャリア集合から前記第1のキャリア集合を決定することは、
前記所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って、前記所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合を決定することと、
前記第2のキャリア集合と前記第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を前記第1のキャリア集合として決定することと
を含む、項目2に記載の方法。
(項目8)
前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記サービスタイプに対応する前記キャリア集合に従って、前記所定の論理チャネル群に対応する前記第2の候補キャリア集合を決定することは、
前記所定の論理チャネル群に対応する前記宛先IDが、1つ以上のサービスタイプに対応すること、および前記1つ以上のサービスタイプが、同一のキャリア集合に対応することを決定することに応答して、前記第2の候補キャリア集合を、前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記サービスタイプのうちのいずれか1つに対応するキャリア集合として決定すること、
前記所定の論理チャネル群に対応する前記宛先IDが、複数のサービスタイプに対応すること、および前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記複数のサービスタイプのキャリア集合の相互作用集合が、非空集合であることを決定することに応答して、前記第2の候補キャリア集合を、前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記複数のサービスタイプのキャリア集合の相互作用集合として決定すること、または
前記所定の論理チャネル群に対応する前記宛先IDが、複数のサービスタイプに対応することを決定することに応答して、前記第2の候補キャリア集合を、前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記複数のサービスタイプのキャリア集合の合併集合として決定すること
のうちの1つを含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記サイドリンク伝送を実施する前記UEのための前記第2のキャリア集合を決定することは、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記第2のキャリア集合を決定することと、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して前記第2のキャリア集合を構成することと
を含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記サービスタイプに対応する前記キャリア集合に従って、前記所定の論理チャネル群に対応する前記第2の候補キャリア集合を決定することは、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記サービスタイプに対応する前記キャリア集合に従って、前記第2の候補キャリア集合を決定することと、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記UEのプロトコルスタックの下位層に、前記内部インターフェースを通して前記第2の候補キャリア集合を構成することと
を含み、
前記第2のキャリア集合と前記第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を、前記第1のキャリア集合として決定することは、
前記UEのプロトコルスタックの下位層によって、前記第2のキャリア集合と前記第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を、前記第1のキャリア集合として決定すること
を含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記サービスタイプに対応する前記キャリア集合に従って、前記所定の論理チャネル群に対応する前記第2の候補キャリア集合を決定することは、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記所定の論理チャネル群の中に含まれる前記サービスタイプに対応する前記キャリア集合に従って、前記第2の候補キャリア集合を決定すること
を含み、
前記第2のキャリア集合と前記第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を、前記第1のキャリア集合として決定することは、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記第2のキャリア集合と前記第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を、前記第1のキャリア集合として決定することと、
前記UEのプロトコルスタックの上位層によって、前記UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して前記第1のキャリア集合を構成することと
を含む、項目7に記載の方法。
(項目12)
前記UEのプロトコルスタックの上位層は、前記UEの無線リソース制御(RRC)層を含み、
前記UEのプロトコルスタックの下位層は、前記UEの媒体アクセス制御(MAC)層または前記UEの物理(PHY)層を含む、項目9から11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記サイドリンク伝送を実施する前記UEのための前記所定の論理チャネル群に対応する前記第1のキャリア集合を決定することの後、前記方法はさらに、
前記所定の論理チャネル群の中の前記論理チャネル内のデータパケットの優先順位、および前記第1のキャリア集合の中のキャリアのCBRに従って、前記第1のキャリア集合から論理チャネルに対応するキャリア集合を決定すること
を含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
キャリア集合を決定するための装置であって、
決定モジュールであって、前記決定モジュールは、サイドリンク伝送を実施するユーザ機器(UE)のための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合を決定するように構成される、決定モジュール
を備え、
前記所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、前記論理チャネル群の中の前記論理チャネルは、同一の宛先識別子(ID)に対応する、装置。
(項目15)
前記決定モジュールは、
第1の決定ユニットであって、前記第1の決定ユニットは、前記サイドリンク伝送を実施する前記UEのための第2のキャリア集合を決定するように構成される、第1の決定ユニットと、
第2の決定ユニットであって、前記第2の決定ユニットは、前記第2のキャリア集合から前記第1のキャリア集合を決定するように構成される、第2の決定ユニットと
を備える、項目14に記載の装置。
(項目16)
前記第2の決定ユニットは、
第1の決定サブユニットであって、前記第1の決定サブユニットは、前記所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って、前記所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合を決定するように構成される、第1の決定サブユニットと、
第2の決定サブユニットであって、前記第2の決定サブユニットは、前記第2のキャリア集合と前記第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を、前記第1のキャリア集合として決定するように構成される、第2の決定サブユニットと
を備える、項目15に記載の装置。
(項目17)
コンピュータプログラムを記憶するように構成される記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、項目1から13のいずれか1項に記載の方法を実行する、記憶媒体。
(項目18)
電子デバイスであって、前記電子デバイスは、メモリと、プロセッサとを備え、前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記プロセッサは、項目1から13のいずれか1項に記載の方法を実行するための前記コンピュータプログラムを実行するように構成される、電子デバイス。
【0014】
本明細書に説明される図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本願の一部を形成する。本開示内の例示的実施形態およびその説明は、本開示を解説するために使用され、本開示に不適切な限定を成すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、サイドリンク通信の構造図である。
【
図2】
図2は、本開示のある実施形態による、キャリア集合を決定するための方法のモバイル端末のハードウェア構造のブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の随意の実施形態による、キャリア集合を決定するための方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本開示のある実施形態による、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される、キャリア集合Aを決定(または構成)するための方法の概略図である。
【
図5】
図5は、本開示のある実施形態による、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される、キャリア集合Aを決定(または構成)するための別の方法の概略図である。
【
図6】
図6は、本開示のある実施形態による、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される、i番目の論理のチャネルに対応するキャリア集合B
iを決定(または構成)するための方法の概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の随意の実施形態による、サイドリンクCAの中のデータプレーンの構造図である。
【
図8】
図8は、本開示の随意の実施形態による、キャリア集合を決定するための装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、以降において、図面を参照し、実施形態と併せて詳細に説明されるであろう。不一致が生じていない場合、本願におけるその中の実施形態および特徴が、相互と組み合わせられ得ることに留意されたい。
【0017】
本開示の説明、請求項、および上記の図面における、用語「第1の」、「第2の」、および同等物は、類似する物体を区別するために使用され、必ずしも特定の順序またはシーケンスを説明するために使用されるものではないことに留意されたい。
【0018】
実施形態1
【0019】
本願の実施形態1によって提供される方法の実施形態は、モバイル端末、コンピュータ端末、または他の類似するコンピューティングデバイスにおいて実行され得る。モバイル端末において実行されるべき方法の実施形態を実施例として取り上げると、
図2は、本開示のある実施形態による、キャリア集合を決定するための方法に関する、モバイル端末のハードウェア構造のブロック図である。
図2に示されるように、モバイル端末20は、1つ以上の(1つのみが、
図2に示される)プロセッサ202(プロセッサ202は、限定ではないが、マイクロコントローラユニット(MCU)およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の処理デバイスを含み得る)と、データを記憶するように構成される、メモリ204とを含んでもよい。随意に、上記のモバイル端末はさらに、通信機能を実装するように構成される、入力/出力デバイス208と、伝送デバイス206とを含んでもよい。
図2に示される構造は、例証的にすぎず、上記のモバイル端末の構造を限定することは意図していないことが、当業者によって理解されるはずである。例えば、モバイル端末20はさらに、
図2に示されるコンポーネントより多いまたは少ないコンポーネントを含んでもよい、または
図2に示される構成と異なる構成を有してもよい。
【0020】
メモリ204は、アプリケーションのソフトウェアプログラムおよびモジュール等のコンピュータプログラム、または本開示の実施形態におけるキャリア集合を決定するための方法に対応するコンピュータプログラムを記憶するように構成されてもよい。プロセッサ202は、メモリ204の中に記憶されるコンピュータプログラムを実行し、種々の機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、すなわち、上記に説明される方法を実装する。メモリ204は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよい、またはさらに、1つ以上の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリ、または他の不揮発性ソリッドステートメモリ等の不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施例では、メモリ204はさらに、プロセッサ202に対して遠隔に配置される、メモリを含んでもよい。これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してモバイル端末20に接続されてもよい。上記のネットワークの実施例は、限定ではないが、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、およびそれらの組み合わせを含む。
【0021】
伝送デバイス206は、ネットワークを介してデータを受信または送信するように構成される。上記のネットワークの具体的な実施例は、モバイル端末20の通信プロバイダによって提供される、無線ネットワークを含んでもよい。一実施例では、伝送デバイス206は、基地局を介して他のネットワークデバイスに接続され、それによって、インターネットと通信し得る、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)を含む。ある実施例では、伝送デバイス206は、無線でインターネットと通信するように構成される、無線周波数(RF)モジュールであってもよい。
【0022】
実施形態2
【0023】
本実施形態は、上記に説明されるモバイル端末上で実行される、キャリア集合を決定するための方法を提供する。
図3は、本開示のある実施形態による、キャリア集合を決定するための方法のフローチャートである。
図3に示されるように、本方法は、下記に説明されるステップを含む。
【0024】
ステップS302において、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合が、決定され、所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、所定の論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDに対応する。
【0025】
随意に、上記のステップは、端末によって実行されてもよく、上記の宛先IDは、限定ではないが、ProSe宛先IDまたは層2宛先IDであってもよい。
【0026】
上記の実施形態では、論理チャネル群に対応するキャリア集合が、決定され、論理チャネル群の中の論理チャネルはそれぞれ、同一の宛先IDに対応する。したがって、UEが、関連技術においてサイドリンク伝送を実施するときに完全なキャリア集合を決定するための方法を欠いているという問題が、解決され得、サイドリンク伝送を実施するためにUEによって要求されるキャリア集合を決定するステップの目的が、達成される。
【0027】
随意の実施形態では、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合が決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、サイドリンク伝送を実施するUEのための第2のキャリア集合が決定されるステップと、第1のキャリア集合が第2のキャリア集合から決定されるステップとを含む。本実施形態では、第1のキャリア集合は、第2のキャリア集合の部分集合である。
【0028】
随意の実施形態では、サイドリンク伝送を実施するUEのための第2のキャリア集合が決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、第2のキャリア集合が、UEによって伝送される必要があるサービスのタイプ(本開示の実施形態では、サービスのタイプはまた、下記のものに等しいまたは類似する、サービス、アプリケーション、またはアプリケーションタイプとも呼ばれ得る)、UEの伝送能力、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、キャリア上のCBR、キャリアによって使用される同期基準情報であって、同期基準、同期基準ソース、または同期構成を含む、同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って決定される、ステップ、または基地局からの第2のキャリア集合が受信されるステップを含む。本実施形態では、キャリア集合は、論理チャネル群または宛先IDの粒度で構成される。複数の要因(CBR(キャリア上のCBR)、同期(同期基準情報)、サービス(UEによって伝送される必要があるサービスのタイプ)、UEの伝送能力)が、キャリア集合を決定するために考慮される。キャリアが、以下の原理、すなわち、1)UEが、キャリア集合Aの中のキャリアとして伝送されるべき、(UEによって伝送される必要があるサービスのタイプに対応する)複数のサービスに対応する複数のキャリア集合からキャリアを選択することと、2)サイドリンクCAのためのUEのキャリア集合Aが、(UEの伝送能力に対応する)UEの能力を超過しないことと、3)UEが、より低いCBRを伴うキャリアを優先的に選択する等、各キャリアの(キャリア上のCBRに対応する)CBRを考慮することと、4)UEが、キャリアの(キャリアによって使用される同期基準情報に対応する)同期を考慮する(伝送のためのサイドリンクCAのために使用されるキャリアは、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用する)こととのうちの少なくとも1つを満たす必要がある、(第2のキャリア集合に対応する)キャリア集合Aとして、候補キャリアから選択される。本実施形態では、基地局は、以下の様式、すなわち、UEによって報告される(上記の実施形態では、UEによって伝送される必要があるサービスのタイプと、UEの伝送能力と、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプと、キャリア上のCBRと、キャリアによって使用される同期基準情報とを含む)情報が、受信され、基地局は、UEによって報告された情報に従って第2のキャリア集合を決定することで、第2のキャリア集合を決定してもよい。
【0029】
随意の実施形態では、第2のキャリア集合の中の各キャリアは、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用する。
【0030】
随意の実施形態では、同期構成は、キャリアの最高優先度同期基準タイプ、キャリアの同期基準ソースタイプ、またはキャリアの同期基準優先度を含む。
【0031】
随意の実施形態では、第2のキャリア集合が、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、キャリア上のCBR、およびキャリアによって使用される同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って、かつUEによって伝送される必要があるサービスおよびUEの伝送能力に従って決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、それぞれ、UEによって伝送される必要があるサービスに対応するキャリア集合が、第1の候補キャリア集合として見なされるステップと、第1の候補キャリア集合の中のキャリアが、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、キャリア上のCBR、およびキャリアによって使用される同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って順序付けられるステップと、UEの伝送能力に従って、所定の数のキャリアが、第2のキャリア集合として、順序付けられた第1の候補キャリア集合から順に選択されるステップとを含む。本実施形態における具体的な構成の様式は、端末側または基地局側に適用可能であり、すなわち、端末は、上記の様式を通して第2のキャリア集合を決定し得、基地局もまた、上記の様式を通して第2のキャリア集合を決定し得る。
【0032】
第2のキャリア集合を決定するための方法が、具体的実施形態と併せて以降に説明されるであろう。
【0033】
具体的実施形態1
【0034】
本実施形態は、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される(本実施形態では、第2のキャリア集合に対応する)キャリア集合Aを決定(または構成)するための方法を説明するために使用される。
【0035】
キャリア集合Aは、UEがサイドリンクCA伝送のために使用し得る、キャリア集合である。別様に規定されない限り、本実施形態における「伝送」は、受信するステップと、送信するステップとを含む。随意に、キャリア集合Aは、サイドリンクCAの送信またはサイドリンクCAの受信のために構成され得、集合Aの中のキャリアも、そのために使用され得る。UEは、キャリア集合Aの中キャリアが送信される前に、感知する、データを受信する、およびデータを送信する等の動作を実施する。キャリア集合Aの中のキャリアの選択は、UEが伝送することを希望するサービスのタイプ(サービスタイプ)と、UEの伝送能力(UE能力)と、各キャリア上のCBRと、各キャリア上で使用される同期基準/同期基準ソース、またはキャリアの最高優先度同期基準(ソース)タイプまたはキャリアの同期基準優先度を含む、各キャリア上の同期基準構成(同期構成としても公知である)を含む、種々の要因に関連する。
図4に示されるように、各要因の役割は、以下の通りである。
【0036】
(1)(UEによって伝送される必要があるサービスのタイプに対応する)サービス:各サービスは、サイドリンク伝送を実施することが可能である周波数/キャリアの集合に対応する。特別な説明のない状態では、本開示の実施形態における「キャリア」は、概して、周波数/キャリアと同等である。UEが、CAを使用し、サービスを伝送することを希望する場合、UEは、サービスに対応するキャリア集合の中の1つ以上のキャリアを選択するべきである。UEが、複数のサービスを同時に伝送する場合、UEは、キャリア集合Aの中のキャリアとして、複数のサービスに対応する複数のキャリア集合からキャリアを選択するべきである。具体的な実装では、異なるサービスが、異なる優先度レベルを有し、同一のサービスの異なるキャリアもまた、異なる優先度レベルを有し得る。UEは、キャリアを選択するとき、キャリア選択のためにこれらの優先度レベルを考慮する。例えば、より高優先度のサービスのためのより高優先度のキャリアが、優先的に選択され得る。
【0037】
(2)(UEの伝送能力に対応する)UE能力:UE能力は、主に、UEの受信能力を含む。UEが、感知ベースのモードで送信する前に、UEは、キャリアに対して感知するステップを実施し、UEが同時に感知することが可能であるキャリアの数は、UEの受信能力によって限定され、そのため、キャリア集合Aの中のキャリアの数は、UEの受信能力を超過するべきではない。随意に、キャリア集合Aの中のキャリアを、UEが同時に伝送し得るキャリアの数、UEが同時に送信し得る周波数帯域の組み合わせ、およびUEが不連続キャリア上で送信し得るかどうか等の要因に従って決定することを含む、UEの送信能力もまた、考慮され得る。例えば、UEが同時に送信し得るキャリアの数は、2であり、キャリアが、2つの周波数帯域間で切り替えられることはサポートされておらず、受信能力は、8であり、(1つの周波数帯域が、4つのキャリアを含むと仮定して)キャリアが、2つの周波数帯域上で受信されることがサポートされる。この場合、キャリア集合Aは、ある周波数帯域上で4つのキャリアであるように構成され得る、またはキャリア集合Aのサイズは、2の伝送能力に従って、2以下に限定される。
【0038】
(3)(キャリア上のCBRに対応する)CBR:候補キャリア毎に、チャネルビジー状態が、各キャリアに関して異なる。輻輳を回避するために、UEは、キャリア集合Aの中のキャリアとして、より低いCBRを伴うキャリアを選択するべきである。候補キャリアのCBRは、UEによって測定されてもよい(UEは、時分割様式で各キャリアに関してCBR測定を実施してもよく、候補キャリアの数は、UEの受信能力を上回ってもよい)、またはネットワーク側または他の機器から入手されてもよい。
【0039】
(4)(上記の同期基準情報に対応する)同期基準/同期基準ソース/同期構成:複数のキャリアの伝送に関して、複数のキャリアのタイミングが、整合されない場合、すなわち、同期基準、同期基準ソース、または同期構成が、異なるとき、チャネル使用効率は、影響を及ぼされ、UEの複雑性が、増大される。したがって、送信するステップのためにサイドリンクCAによって使用されるキャリアは、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用し、受信するステップのためにサイドリンクCAによって使用されるキャリアも、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用する。したがって、概して、キャリア集合Aの中のキャリアは、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用するべきである。代替として、キャリア集合Aの中のキャリアは、同一の同期構成を有するべきである。同期構成は、キャリアの最高優先度同期基準(ソース)タイプまたはキャリアの同期基準優先度を含む。
【0040】
キャリア集合Aが、決定されるとき、以下の原理のうちの少なくとも1つを充足することが必要である。
1)UEは、キャリア集合Aの中の(UEによって伝送される必要があるサービスのタイプに対応する)キャリアとして、伝送されるべき複数のサービスに対応する複数のキャリア集合から、キャリアを選択する。
2)サイドリンクCAのためのUEのキャリア集合Aは、(UEの伝送能力に対応する)UE能力を超過しない。
3)UEは、各キャリアのCBRを考慮し、例えば、より低いCBRを伴うキャリアが、優先的に選択される(キャリア上のCBRに対応する)。
4)UEは、伝送のためにサイドリンクCAによって使用されるキャリアが、(キャリアによって使用される同期基準情報に対応する)同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用する場合、キャリアの同期を考慮する。
【0041】
キャリア集合Aを決定するための具体的な方法は、以下の通りである。
1)UEは、伝送されるべき複数のサービスに対応する複数のキャリア集合を決定し、これらの集合の中のキャリアは、全て、候補キャリアである。
2)UEは、候補キャリアを順序付けし、順序付けに影響を及ぼす要因は、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、CBR、同期基準情報等を含む。
3)UE能力を超過しない前提下で、順序付けられた候補キャリアの最前列に順序付けられたキャリアが、(第2のキャリア集合に対応する)キャリア集合Aとして捕捉される。
【0042】
具体的実施形態2
【0043】
本実施形態は、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される(第2のキャリア集合に対応する)キャリア集合Aを決定(または構成)するための別の方法を説明するために使用される。
【0044】
本具体的実施形態では、構成されたキャリア集合Aは、受信のためにサイドリンクCAによって使用され得るキャリア集合A1と、送信のためにサイドリンクCAによって使用され得るキャリア集合A2とを含む。一般に、A2は、A1の部分集合である。UEは、
図5に示されるように、集合A2の中のキャリア上に送信する前に、感知および送信する等の動作を実施し、UEは、集合A1の中のキャリア上に送信する前に、受信する等の動作を実施する。具体的実施形態1と同様に、(A1と、A2とを含む)キャリア集合Aの中のキャリアの選択は、UEが伝送することを希望するサービスのタイプ(サービスタイプ)と、UEの伝送能力(UE能力)と、CBRと、各キャリア上で使用される同期基準/同期基準ソースとを含む、種々の要因に関連し、具体的な原理およびプロセスは、具体的実施形態1におけるキャリア集合Aの決定原理と一貫する。
【0045】
加えて、具体的実施形態1および具体的実施形態2に適用可能であるように、キャリア集合Aは、プロトコルスタックの上位層によって決定され、下位層に構成され得る。随意に、キャリア集合Aは、プロトコルスタックの上位層によって決定され、UEの下位層に、内部インターフェースを通して構成され得る。概して、キャリア集合Aは、無線リソース制御(RRC)層によって決定され、下位層に構成される。下位層は、媒体アクセス制御(MAC)層または物理(PHY)層であってもよい。キャリア集合Aはまた、基地局によって決定され、UEに、シグナリングを通して構成されてもよい。
【0046】
随意の実施形態では、第1のキャリア集合が、上記に説明される第2のキャリア集合から決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合が、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って決定されるステップと、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合が、第1のキャリア集合として決定されるステップとを含む。本実施形態では、論理チャネル群に対応する(第2の候補キャリア集合に対応する)キャリア集合Cが、論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに従って決定され得る。(第2のキャリア集合に対応する)キャリア集合Aとキャリア集合Bとの共通部分集合が、上記の実施形態において得られ、それによって、(第1のキャリア集合に対応する)取得されたキャリア集合Bは、論理チャネル群に対応するキャリア集合として使用される。
【0047】
随意の実施形態では、所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合が、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、所定の論理チャネル群に対応する宛先IDが、1つ以上のサービスタイプに対応し、1つ以上のサービスタイプが、同一のキャリア集合に対応する場合、第2の候補キャリア集合が、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプのうちのいずれか1つに対応するキャリア集合(またはキャリア集合の部分集合)として決定されるステップ、所定の論理チャネル群に対応する宛先IDが、複数のサービスタイプに対応し、所定の論理チャネル群の中に含まれる複数のサービスタイプのキャリア集合の相互作用集合が、非空集合である場合、第2の候補キャリア集合が、所定の論理チャネル群の中に含まれる複数のサービスタイプのキャリア集合の相互作用集合(または相互作用集合の部分集合)として決定されるステップ、または所定の論理チャネル群に対応する宛先IDが、複数のサービスタイプに対応する場合、第2の候補キャリア集合が、所定の論理チャネル群の中に含まれる複数のサービスタイプのキャリア集合の合併集合(または合併集合の部分集合)として決定されるステップのうちの1つを含む。本実施形態では、論理チャネル群または宛先IDが使用し得る(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合が、UE毎に構成される(第2のキャリア集合に対応する)キャリア集合Aと論理チャネル群または宛先ID毎に決定される(第2の候補キャリア集合に対応する)キャリア集合Cとの相互作用集合を通して決定される。実施形態が、具体的実施形態を参照して下記に説明される。
【0048】
具体的実施形態3
【0049】
本具体的実施形態では、サイドリンク伝送のためにUEによって使用されるi番目の論理チャネルに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合Biを決定(または構成)するための方法が、説明される。論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDを有し、すなわち、論理チャネル群iは、1つのみの宛先IDiに対応する。本実施形態では、サイドリンク伝送のためにUEによって使用されるi番目の論理チャネル群に対応するキャリア集合Biを決定(または構成)するステップが、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先IDiに対応するキャリア集合Biを決定(または構成)するステップと同等であることもまた、仮定される。サービスタイプは、サービスを伝送することが可能である宛先IDおよびキャリア集合に対応する。一方、異なるサービスが、同一の宛先IDに対応し得、異なるサービスに対応するキャリア集合は、同一であり得るか、部分的に同一であり得るか、または交差していない場合がある。実施形態が、具体的な対応関係を参照して下記に説明される。
【0050】
方法1:サービスタイプおよび宛先IDが、1対1の対応にあるように定義される、または同一のキャリア集合に対応するサービスタイプのみが、同一の宛先IDに対応し得る。(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合B
iがサイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先ID
iに対応するステップは、以下のステップ、すなわち、1つ以上のサービスタイプが、宛先ID
Iに対応する条件において、対応するサービスタイプの数が、Nである場合、論理チャネル群iの中に含まれる宛先ID
iまたはj番目のサービスに対応するキャリア集合は、C
i,jであり、上記に説明されるように、N個のサービスの全てに対応するキャリア集合が、同一である場合、宛先ID
iに対応する候補キャリア集合は、(第2の候補キャリア集合に対応する)C
i=C
i,
1=C
i,2...=C
i,Nであり、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先ID
iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合B
iが、(第2の候補キャリア集合に対応する)候補キャリア集合C
iとサイドリンク伝送のためにUEによって使用される(第2のキャリア集合に対応する)決定(または構成)されたキャリア集合Aとの相互作用集合に属する、またはそれに等しい、すなわち、
【化1】
であることが決定されるステップを含む。
【0051】
方法2:複数のサービスが、同一の宛先IDに対応し得るが、複数のサービスは、複数のサービスのキャリア集合の共通部分集合が空ではない場合に限り、同一の宛先IDに対応し得る。
【0052】
サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先ID
iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合B
iが決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、1つ以上のサービスタイプが、宛先ID
iに対応する条件下で、対応するサービスタイプの数が、Nである場合、論理チャネル群iの中に含まれる宛先ID
iまたはj番目のサービスに対応するキャリア集合は、C
i,jであり、宛先ID
iに対応する候補キャリア集合が、サービスのキャリア集合の相互作用に属し、随意に、
【化2】
となる、(第2の候補キャリア集合に対応する)C
iであることと、同様に、キャリア集合B
iが、
【化3】
であることとが決定される、ステップを含む。
【0053】
方法3:複数のサービスが、同一の宛先IDに対応し得、複数のサービスのキャリア集合は、同一であり得る、完全に異なり得る、または部分的に同一であり得る。
図6に示されるように、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先ID
iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合B
iが決定(または構成)されるステップは、以下のステップ、すなわち、1つ以上のサービスタイプが、宛先ID
iに対応する条件下で、対応するサービスタイプの数が、Nである場合、論理チャネル群iの中に含まれる宛先ID
iまたはj番目のサービスに対応するキャリア集合は、C
i,jであり、宛先ID
iに対応する候補キャリア集合が、サービスのキャリア集合の合併集合に属し、随意に、
【化4】
となる、(第2の候補キャリア集合に対応する)C
iであることと、同様に、(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合B
iが、
【化5】
であることとが決定される、ステップを含む。
【0054】
具体的実施形態4
【0055】
本実施形態は、サイドリンク伝送のためにUEによって使用されるi番目の論理チャネル群に対応するキャリア集合Biを決定(または構成)するための別の方法を説明するために使用される。1つの論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDを有し、異なる論理チャネル群も、同一の宛先IDに対応し得る。異なる論理チャネル群が、同一の宛先IDに対応する場合でも、異なる論理チャネル群は、依然として、(第1のキャリア集合に対応する)異なるキャリア集合Biに対応し得る。
【0056】
1つ以上のサービスタイプが、論理チャネル群i上で搬送される。対応するサービスタイプの数が、Nである場合、論理チャネル群iの中に含まれるj番目のサービスに対応するキャリア集合は、C
i,jである。ここで、N個のサービスの全てに対応するキャリア集合が、同一である場合、論理チャネル群iに対応する候補キャリア集合は、(第2の候補キャリア集合に対応する)C
i=C
i,1=C
i,2...=C
i,Nであり、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される論理チャネル群iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合B
iが、(第2の候補キャリア集合に対応する)候補キャリア集合C
iとサイドリンク伝送のためにUEによって使用される(第2のキャリア集合に対応する)決定(または構成)されたキャリア集合Aとの共通部分集合に属する、またはそれに等しい、すなわち、
【化6】
であることが決定(または構成)される。
【0057】
複数の論理チャネル群が、同一の宛先IDに対応する場合、複数の論理チャネル群の理論データは、同一または複数のプロトコルデータユニット(PDU)において多重化され得、1つのPDUが、1つのキャリア上で搬送されるであろう。しかしながら、複数の論理チャネル群が、論理チャネル群毎に多重化されると、PDUが論理チャネル群iのデータパケットを搬送するキャリアが、論理チャネル群iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合Biに属することが、満たされなければならない。本実施形態における特別な実施例に関して、論理チャネル群が、1つのみの論理チャネルを含むとき、サイドリンク伝送のためにUEによって使用されるi番目の論理チャネル群に対応するキャリア集合Biを決定(または構成する)ステップは、サイドリンク伝送のためにUEによって使用されるi番目の論理チャネルに対応するキャリア集合Biを決定(または構成)するステップと同等である。
【0058】
随意の実施形態では、サイドリンク伝送を実施するUEのための第2のキャリア集合が決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、UEのプロトコルスタックの上位層が、第2のキャリア集合を決定するステップと、UEのプロトコルスタックの上位層が、UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して第2のキャリア集合を構成するステップとを含む。本実施形態では、(UEのRRC層または基地局等の)プロトコルスタックの上位層は、上記の実施形態に従って、(第2の候補キャリア集合に対応する)キャリア集合Aを決定し、UEの(MAC層またはPHY層等の)下位層エンティティに、内部インターフェースまたはシグナリングを通してキャリア集合Aを構成する。
【0059】
随意の実施形態では、所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合が、上記に説明される所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、UEのプロトコルスタックの上位層が、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って第2の候補キャリア集合を決定するステップと、UEのプロトコルスタックの上位層が、UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して第2の候補キャリア集合を構成するステップとを含む。第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合が第1のキャリア集合として決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、UEのプロトコルスタックの下位層が、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定するステップを含む。本実施形態では、プロトコルスタックの上位層は、上記の実施形態における方法に従って、宛先IDiまたは論理チャネル群iに対応する候補キャリア集合Ciを決定し、UEの下位層エンティティまたはUEに、内部インターフェースまたはシグナリングを通して候補キャリア集合Ciを構成し、UEの下位層エンティティまたはUEは、上記の実施形態における方法に従って、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先IDiまたは論理チャネル群iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合Biを決定する。複数の宛先IDまたは論理チャネル群が、提供される場合、上記の動作は、各宛先IDまたは論理チャネル群に関して実施される。
【0060】
随意の実施形態では、所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合が、上記に説明される所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、UEのプロトコルスタックの上位層が、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って、第2の候補キャリア集合を決定するステップを含む。第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合が第1のキャリア集合として決定されるステップは、以下のステップ、すなわち、UEのプロトコルスタックの上位層が、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定するステップと、UEのプロトコルスタックの上位層が、UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して第1のキャリア集合を構成するステップとを含む。本実施形態では、プロトコルスタックの上位層は、上記の実施形態における方法に従って、宛先IDiまたは論理チャネル群iに対応する(第2の候補キャリア集合に対応する)候補キャリア集合Ciを決定し、さらに、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先IDiまたは論理チャネル群iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合Biを決定し、UEの下位層エンティティまたはUEに、内部インターフェースまたはシグナリングを通してBiを構成する。複数の宛先IDまたは論理チャネル群が、提供される場合、上記の動作が、各宛先IDまたは論理チャネル群に関して実施される。
【0061】
随意の実施形態では、上記に説明されるUEのプロトコルスタックの上位層は、UEのRRC層を含み、UEのプロトコルスタックの下位層は、UEのMAC層またはUEのPHY層を含む。本実施形態では、上記の実施形態においていずれの方法が使用されているかにかかわらず、サイドリンク伝送のためにUEによって使用される宛先IDiまたは論理チャネル群iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合Biを決定(または構成)する具体的なプロセスは、以下、すなわち、(UEのRRC層または基地局等の)プロトコルスタックの上位層が、上記の実施形態に従ってキャリア集合Aを決定し、UEの(MAC層またはPHY層等の)下位層エンティティまたはUEにキャリア集合Aを構成するようなものであり得る。
【0062】
随意の実施形態では、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合が決定された後、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、論理チャネルに対応するキャリア集合が、所定の論理チャネル群の中の論理チャネル内のデータパケットの(PPPP等の)優先順位、および第1のキャリア集合の中のキャリアのCBRに従って、第1のキャリア集合から決定されるステップを含む。本実施形態では、サイドリンク伝送のための宛先IDiまたは論理チャネル群iに対応する(第1のキャリア集合に対応する)キャリア集合Biが、決定された後、キャリア集合は、論理チャネル群iの中に含まれる、または宛先IDiに対応する1つ以上の論理チャネルによって使用されることが可能である。論理チャネルが、同一の論理チャネル群に属する場合でも、各論理チャネルに対応するPPPPはまた、異なる。例えば、論理チャネル群iは、1、2、...Kと付番されるK個の論理チャネルを含み、k番目の論理チャネルのPPPPは、PPPPi,kであり、k番目の論理チャネルによって使用され得るキャリア集合は、PPPPi,kおよび各キャリア上のCBRに従って決定され、本集合は、Di,kとして定義され得、Di,kは、Biの部分集合に属する。
【0063】
随意に、D
i,kを決定するための方法は、以下の通りであり、すなわち、現在の技術に従って、UEが、あるキャリアのCBRを入手し得る。構成されたCBR-PPPPテーブルに従って、ある論理チャネルがあるキャリアを使用し得るかどうかが、決定される。各PPPPのデータパケットまたは論理チャネルに関して、これは、異なるCBR範囲内の異なるチャネル占有率最大限度(cr-Limit)および(変調および符号化スキーム(MCS)および電力等の)伝送(Tx)パラメータに対応し得る。表1に示されるように、現在のキャリアのCBRが、ある範囲内にあるとき、ある論理チャネルのPPPPが、テーブルをルックアップすることによって要求されるcr-Limitおよび伝送パラメータを満たしていない場合、論理チャネルは、そのキャリアを使用し得ない。
【表1】
【0064】
各キャリアは、1つのCBR-PPPPテーブル(すなわち、表1)を用いて構成されてもよい、または全てのキャリアは、同一のCBR-PPPPテーブルを用いて構成される。また、上記のPPPP-CBRテーブルに加えて、論理チャネルによって使用され得るキャリアは、他のテーブルまたは対応関係によって限定され得る。例えば、(1)あるキャリアに関して、CBRの閾値が、PPPP毎に構成され、キャリアのCBRが、閾値を超過する場合、PPPPに対応する論理チャネルは、キャリアを使用し得ず、(2)いくつかの論理チャネルは、同一のキャリア上に伝送され得ず、例えば、2つの論理チャネルが、データの同一の集合を繰り返して伝送し、信頼性を改良し、それによって、論理チャネルの本対が、識別されるであろうように使用され、MACが、リソースのスケジューリングを実施すると、これらの2つの論理チャネルのデータは、異なるキャリアまたはキャリア集合を占有しなければならず、(3)上位層は、論理チャネル毎に対応するキャリア集合を設定し、これらのキャリア集合は、全て、Biの部分集合であり、論理チャネルに対応するキャリア集合は、論理チャネルによって搬送されるサービス等の情報に従って決定され得る。
【0065】
加えて、本実施形態は、本開示において説明されるサイドリンクCAの中のデータプレーンの構造を説明するために使用される。
図7に示されるように、1つの論理チャネルは、1つの無線リンク制御(RLC)エンティティおよび1つのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)エンティティに対応する。サイドリンク伝送のために使用されるとき、RLCの主要機能が、データセグメント化のために使用され、PDCPエンティティは、暗号化およびヘッダ圧縮等の動作のために使用される。同時に、同一の論理チャネルの中のパケットが、同一のPPPPおよび同一の宛先IDに対応する。同一の宛先IDを伴うM個の論理チャネルが、MACエンティティによって、MAC層の同一のPDUまたはPDUの同一の集合に多重化され得る。M個の論理チャネルが、N個のキャリア上に位置するN個のPDUに多重化されると、仮定される。どの具体的な論理チャネルが、どのキャリア上のPDUに多重化されるかは、具体的にキャリア集合を決定するための方法を指す、論理チャネルのデータパケットのPPPP、キャリアのCBR、および論理チャネルに対応するキャリア集合に関連する。上記に言及される説明によると、上記に説明される実施形態における方法が、ソフトウェアおよび必要な汎用目的ハードウェアプラットフォームによって実装され得る、または当然ながら、ハードウェアによって実装され得ることが、当業者に明白となるであろう。しかしながら、多くの場合、前者が、好ましい実装様式である。本理解に基づいて、本開示の技術的ソリューションは、本質的に、または関連技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形態で具現化され得る。コンピュータソフトウェア製品は、(読取専用メモリ(ROM)/ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、または光ディスク等の)記憶媒体の中に記憶され、(モバイルフォン、コンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス、または同等物であり得る)端末デバイスが本開示の実施形態による方法を実施することを可能にするためのいくつかの命令を含む。
【0066】
実施形態3
【0067】
本実施形態はさらに、キャリア集合を決定するための装置を提供する。本装置は、上記に言及される実施形態および好ましい実装様式を実装するように構成される。説明されたものは、繰り返されないであろう。下記に使用されるように、用語「モジュール」は、所定の機能を実装することが可能である、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組み合わせであり得る。下記に説明される実施形態における装置は、好ましくは、ソフトウェアによって実装されるが、ハードウェアによる、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによる実装もまた、可能性として考えられ、想起される。
【0068】
図8は、本開示のある実施形態による、キャリア集合を決定するための装置の構造ブロック図である。
図8に示されるように、装置は、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合を決定するように構成される、決定モジュール82を含む。所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルと、同一の宛先IDに対応する論理チャネル群の中の論理チャネルとを含む。
【0069】
随意の実施形態では、決定モジュール82は、以下のユニット、すなわち、サイドリンク伝送を実施するUEのための第2のキャリア集合を決定するように構成される、第1の決定ユニットと、第2のキャリア集合から第1のキャリア集合を決定するように構成される、第2のキャリア集合とを含む。
【0070】
随意の実施形態では、上記の第1の決定ユニットはさらに、UEによって伝送される必要があるサービスのタイプ、UEの伝送能力、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、キャリア上のCBR、キャリアによって使用される同期基準情報であって、同期基準、同期基準ソース、または同期構成を含む、同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って第2のキャリア集合を決定するように構成される、または基地局から第2のキャリア集合を受信するように構成される。
【0071】
随意の実施形態では、第2のキャリア集合の中の各キャリアは、同一の同期基準、同一の同期基準ソース、または同一の同期構成を使用する。
【0072】
随意の実施形態では、同期構成は、キャリアの最高優先度同期基準タイプ、キャリアの同期基準ソースタイプ、またはキャリアの同期基準優先度を含む。
【0073】
随意の実施形態では、上記の第1の決定ユニットはさらに、UEによって伝送される必要があるサービスにそれぞれ対応するキャリア集合を、第1の候補キャリア集合として見なし、第1の候補キャリア集合の中のキャリアを、キャリアが搬送することが可能であるサービスのタイプ、キャリア上のCBR、およびキャリアによって使用される同期基準情報のうちの少なくとも1つに従って順序付け、UEの伝送能力に従って、順序付けられた第1の候補キャリア集合から、所定の数のキャリアを第2のキャリア集合として順に選択するように構成される。
【0074】
随意の実施形態では、上記の第2の決定ユニットは、以下のサブユニット、すなわち、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って、所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合を決定するように構成される、第1の決定サブユニットと、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定するように構成される、第2の決定サブユニットとを含む。
【0075】
随意の実施形態では、上記の第2の決定ユニットはさらに、所定の論理チャネル群に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って、所定の論理チャネル群に対応する第2の候補キャリア集合を決定し、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定するように構成される。
【0076】
随意の実施形態では、上記の第2の決定ユニットはさらに、所定の論理チャネル群に対応する宛先IDが、1つ以上のサービスタイプに対応し、1つ以上のサービスタイプが、同一のキャリア集合に対応する場合、第2の候補キャリア集合を、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプのいずれか1つに対応するキャリア集合として決定することと、所定の論理チャネル群に対応する宛先IDが、複数のサービスタイプに対応し、所定の論理チャネル群の中に含まれる複数のサービスタイプのキャリア集合の相互作用集合が、非空集合である場合、第2の候補キャリア集合を、所定の論理チャネル群の中に含まれる複数のサービスタイプのキャリア集合の相互作用集合として決定することと、所定の論理チャネル群に対応する宛先IDが、複数のサービスタイプに対応する場合、第2の候補キャリア集合を、所定の論理チャネル群の中に含まれる複数のサービスタイプのキャリア集合の合併集合として決定することとを行うように構成される。
【0077】
随意の実施形態では、上記の第1の決定ユニットはさらに、UEのプロトコルスタックの上位層によって、第2のキャリア集合を決定し、UEのプロトコルスタックの上位層によって、UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して第2のキャリア集合を構成するように構成される。
【0078】
随意の実施形態では、上記の第1の決定サブユニットはさらに、UEのプロトコルスタックの上位層によって、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って第2の候補キャリア集合を決定し、UEのプロトコルスタックの上位層によって、UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して第2の候補キャリア集合を構成するように構成される。第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定する動作は、UEのプロトコルスタックの下位層によって、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定する動作を含む。
【0079】
随意の実施形態では、第1の決定サブユニットはさらに、UEのプロトコルスタックの上位層によって、所定の論理チャネル群の中に含まれるサービスタイプに対応するキャリア集合に従って第2の候補キャリア集合を決定するように構成される。第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定する動作は、UEのプロトコルスタックの上位層によって、第2のキャリア集合と第2の候補キャリア集合との共通部分集合の部分集合を第1のキャリア集合として決定する動作と、UEのプロトコルスタックの上位層によって、UEのプロトコルスタックの下位層に、内部インターフェースを通して第1のキャリア集合を構成する動作とを含む。
【0080】
随意の実施形態では、UEのプロトコルスタックの上位層は、UEのRRC層を含み、UEのプロトコルスタックの下位層は、UEのMAC層またはUEのPHY層を含む。
【0081】
随意の実施形態では、上記の装置はさらに、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合を決定するステップの後、所定の論理チャネル群の中の論理チャネル内のデータパケットの優先順位および第1のキャリア集合の中のキャリアのCBRに従って、第1のキャリア集合から論理チャネルに対応するキャリア集合を決定するように構成される。
【0082】
上記に説明される種々のモジュールが、ソフトウェアまたはハードウェアによって実装され得ることに留意されたい。ハードウェアによる実装は、必ずしもではないが、以下の様式で、すなわち、上記に説明されるモジュールが、同一のプロセッサの中に位置するか、または上記に説明される種々のモジュールが、任意の組み合わせ形態における、異なるプロセッサの中に位置するように実施されてもよい。
【0083】
実施形態4
【0084】
本開示のある実施形態はさらに、記憶媒体を提供する。記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成される。コンピュータプログラムは、実行されると、上記に言及される方法の実施形態のいずれか1項に記載のステップを実行する。
【0085】
随意に、本実施形態では、上記に言及される記憶媒体は、下記に説明されるステップを実行するためのコンピュータプログラムを記憶するように構成されてもよい。
【0086】
S1において、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合が、決定される。所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、所定の論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDに対応する。
【0087】
随意に、本実施形態では、上記に言及される記憶媒体は、限定ではないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)ディスク、ROM、RAM、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、またはコンピュータプログラムを記憶することが可能である別の媒体を含み得る。
【0088】
本開示のある実施形態はさらに、電子デバイスを提供する。電子デバイスは、メモリと、プロセッサとを含む。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、上記に説明される方法の実施形態のいずれか1項に記載のステップを実行するためのコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0089】
随意に、上記に説明される電子デバイスはさらに、伝送デバイスと、入力/出力デバイスとを含んでもよく、伝送デバイスおよび入力/出力デバイスは両方とも、上記に説明されるプロセッサに接続される。
【0090】
随意に、本実施形態では、プロセッサは、コンピュータプログラムを通して下記に説明されるステップを実行するように構成されてもよい。
【0091】
S1において、サイドリンク伝送を実施するUEのための所定の論理チャネル群に対応する第1のキャリア集合が、決定される。所定の論理チャネル群は、1つ以上の論理チャネルを含み、所定の論理チャネル群の中の論理チャネルは、同一の宛先IDに対応する。
【0092】
随意に、本実施形態の具体的実施例に関して、上記に言及される実施形態および随意の実装において説明される実施例が、参照され得、これは、本実施形態では繰り返されない。
【0093】
明白なこととして、上記に説明される本開示のモジュールまたはステップがそれぞれ、汎用目的コンピューティングデバイスによって実装され得、モジュールまたはステップが、単一のコンピューティングデバイス上に集中される、または複数のコンピューティングデバイスから構成されるネットワーク上に分散され得、代替として、モジュールまたはステップが、モジュールまたはステップが、記憶デバイスの中に記憶され、コンピューティングデバイスによって実行され得るように、コンピューティングデバイスによって実行可能なプログラムコードによって実装され得ることが、当業者によって理解されるはずである。いくつかの状況において、例証または説明されるステップは、本明細書に説明されるものと異なるシーケンスで実行されてもよい、またはモジュールまたはステップは、別個に種々の集積回路モジュールに作製されてもよい、またはその中の複数のモジュールまたはステップは、実装のために単一の集積回路モジュールに作製されてもよい。このように、本開示は、ハードウェアとソフトウェアとのいかなる具体的な組み合わせにも限定されない。上記は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示を限定することは意図していない。加えて、本開示で説明される、i、j、kおよびキャリア集合A、BおよびC等の番号は、本方法を説明する便宜上の標識された番号にすぎず、その対応関係を表しているにすぎない。
【0094】
上記は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示を限定することは意図しておらず、当業者のために、本開示は、種々の修正および変形例を有し得る。本開示の原理の範囲内にあるいかなる修正、均等な代替物、改良、および同等物も、本開示の範囲内にあるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本開示の実施形態は、キャリア集合を決定するための方法および装置、記憶媒体、および電子デバイスを提供し、これは、以下の有益な効果、すなわち、UEが、関連技術においてサイドリンク伝送を実施するときに完全なキャリア集合を決定するための方法を少なくとも欠いているという問題が、解決されることと、サイドリンク伝送を実施するためにUEによって要求されるキャリア集合を決定するという目的が、達成されることとを有する。