(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】糖尿病モデル動物の作出方法及び糖尿病モデル動物
(51)【国際特許分類】
A01K 67/027 20060101AFI20221104BHJP
C12N 5/073 20100101ALN20221104BHJP
【FI】
A01K67/027
C12N5/073
(21)【出願番号】P 2018159174
(22)【出願日】2018-08-28
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
(72)【発明者】
【氏名】岸上 哲士
(72)【発明者】
【氏名】望月 和樹
(72)【発明者】
【氏名】若山 照彦
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】CALLE, A. et al.,Male mice produced by in vitro culture have reduced fertility and transmit organomegaly and glucose intolerance to their male offspring,Biology of reproduction,2012年,Vol. 87,Article 34, P. 1-9
【文献】RAMIREZ-PEREZ, F. I. et al.,Effects of the use of assisted reproductive technologies and an obesogenic environment on resistance artery function and diabetes biomarkers in mice offspring,PloS one,2014年,Vol. 9,e112651
【文献】CERNY, D. et al.,Assisted Reproductive Technologies Predispose to Insulin Resistance and Obesity in Male Mice Challenged With a High-Fat Diet,Endocrinology,2017年,Vol. 158,P. 1152-1159
【文献】WATKINS, A. J. et al.,Mouse embryo culture induces changes in postnatal phenotype including raised systolic blood pressure,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,2007年,Vol. 104,P. 5449-5454
【文献】SCOTT, K. A. et al.,Glucose parameters are altered in mouse offspring produced by assisted reproductive technologies and somatic cell nuclear transfer,Biology of reproduction,2010年,Vol. 83,P. 220-227
【文献】OLAR, T. T. et al.,Effects of medium composition on murine and human blastocyst formation and hatching rate,Journal of Assisted Reproduction and Genetics,1993年,Vol. 10,P. 192-196
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 67/027
C12N 5/07-5/0797
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスの受精胚を
αMEM培地で培養する培養工程と、
前記培養した胚を前記マウスの仮親に移植する移植工程と、
前記仮親から産出子を産出する産出工程と、
を備えることを特徴とする糖尿病モデル動物の作出方法。
【請求項2】
妊娠中の前記
マウスから受精胚を取り出す取出工程をさらに備え、前記培養工程では、前記取出工程にて取り出された前記受精胚を培養する、請求項1に記載の糖尿病モデル動物の作出方法。
【請求項3】
前記妊娠中の
マウスは、遺伝子改変がなされていない
マウスである、請求項1または2に記載の糖尿病モデル動物の作出方法。
【請求項4】
前記取出工程において取り出される胚は2細胞期の受精胚である、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の糖尿病モデル動物の作出方法。
【請求項5】
前記培養工程では、前記取り出した胚を桑実期または初期胚盤胞期まで培養する、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の糖尿病モデル動物の作出方法。
【請求項6】
前記産出工程で産出した産出子を通常食で飼育した後、高脂肪食で飼育する飼育工程を
さらに備える、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の糖尿病モデル動物の作出方法。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の糖尿病モデル動物の作出方法にて作出された糖尿病モデル動物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然発症糖尿病モデル動物の作出法に関する。
【背景技術】
【0002】
2型糖尿病を含む生活習慣病は、遺伝的背景(多数の原因遺伝子)、食生活や運動などの生活習慣、または、胚及び胎児期の環境などのさまざまな要因が影響して発症する多因子疾患である。特に2型糖尿病は深刻であり、現時点において日本国内の糖尿病が強く疑われる成人が推計で1千万人に上るが、今後さらに罹患者数は増大すると危惧されている。2型糖尿病の病態進展機構の解明、予防・治療薬の開発にはその病態を再現するモデル動物を用いることが有用である。
【0003】
これまで糖尿病モデル動物は、1)遺伝的に発現する形質を有した自然発症の病態モデル動物、2)遺伝子改変による病態モデル動物、3)食餌誘発による病態モデル動物、4)妊娠動物の栄養制限により作出されたモデル動物、などが主であった(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
しかし1)と2)のモデル動物では、遺伝的に変異のない個体の発症メカニズムに適用できないこと、3)においては、食餌誘発のみでは、耐糖能異常は誘導されるが糖尿病やその合併症が観察されないこと、4)では栄養制限が母体を介しているため胚の時期や暴露されている環境を正確にコントロールすることはできないといった問題点がある。従って、糖尿病などに代表される生活習慣病の発症とそのメカニズムを解明し、発症の予防や治療をするためには、高頻度で重篤な生活習慣病を発症する新しいモデル動物を、簡単な方法で容易に作成できる作出技術の確立が重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5804377号公報
【文献】特開2008-206440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、自然発生型の糖尿病の有用なモデル動物、及び、その簡単で低コストな作出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法は、非ヒト動物の受精胚を所定の培養液で培養する培養工程と、前記培養した胚を前記非ヒト動物の仮親に移植する移植工程と、前記仮親から産出子を産出する産出工程とを備える。
【0008】
すなわち、受精胚を所定の培養液で培養し、仮親に移植するという簡単な手段にて、自然発生型の糖尿病の有用なモデル動物作出方法を提供することができる。また、当該モデル動物を作出するコストを削減することができる。
【0009】
さらに上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法は、妊娠中の前記非ヒト動物から受精胚を取り出す取出工程をさらに備え、前記培養工程では、前記取出工程にて取り出された前記受精胚を培養してもよい。
【0010】
さらに上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法において、前記妊娠中の非ヒト動物は、遺伝子改変がなされていない非ヒト動物であってもよい。すなわち、遺伝子改変のない自然発生糖尿病のモデル動物を作出することができる。従って、遺伝的に変異のない個体における自然発生糖尿病の発症メカニズム解明に好適である。
【0011】
さらに上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法において、前記所定の培養液はαMEM培地であってもよい。すなわち、培地の入手が容易であるので本作出方法のコストを削減することができる。
【0012】
さらに上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法において、前記取出工程において取り出される胚は2細胞期の受精胚であってもよい。また、前記培養工程では、前記取り出した胚を桑実期または初期胚盤胞期まで培養してもよい。
【0013】
さらに上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法は、前記産出工程で産出した産出子を通常食で飼育した後、高脂肪食で飼育する飼育工程をさらに備える。
【0014】
さらに上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法において、前記非ヒト動物はマウスであってもよい。すなわち、マウスはモデル動物として入手や飼育がし易いので本作出方法のコストを削減することができる。
【0015】
上述の目的を達成するため、本発明の糖尿病モデル動物は、上述した作出方法にて作出される。すなわち、受精胚を所定の培養液で培養し、仮親に移植するという簡単な手段にて作出された、自然発生型の糖尿病の有用な、低コストのモデル動物である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができる。すなわち、受精胚を所定の培養液で培養し、仮親に移植するという簡単な手段にて、自然発生型の糖尿病の有用な、低コストのモデル動物、及び、その作出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の糖尿病モデル動物の作出方法の全体工程を示す。
【
図2】
図2は、培養液の違いが出産時の体重に与える影響を示す。
【
図3】
図3は、培養液の違いが離乳前の体重に与える影響を示す。
【
図4A】
図4Aは、培養液の違いが離乳後のオスの体重に与える影響を示す。
【
図4B】
図4Bは、培養液の違いが離乳後のメスの体重に与える影響を示す。
【
図5】
図5は、高脂肪食給餌による体重変化を示す。
【
図6】
図6は、本発明の糖尿病モデル動物が肥満していることを示す。
【
図7】
図7は、高脂肪食給餌前の耐糖能試験の結果を示す。
【
図8】
図8は、高脂肪食給餌後の耐糖能試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明の発明者は、
1)遺伝子改変がなされていない非ヒト動物の受精胚を、
2)所定の培養液(MEM培地)で培養し、
3)仮親に移植して出産させる
ことにより、その産子において糖尿病モデル動物が高頻度で出現することを見出した。
【0020】
さらに成長後、高脂肪食の摂取により肥満、耐糖能異常や2型糖尿病症状が誘導されることを見出した。また、本発明の特徴である、受精胚の培養、仮親への移植及びその飼育等は、高度な技術を使用する必要はなく、簡単に低コストで実施できる。
【0021】
すなわち、本発明は、自然発症する糖尿病モデル動物を遺伝子操作なしに作出する、低コストの糖尿病モデル動物及びその作出方法である。
【0022】
本発明の従来技術と対比して優れた点は、所定の培養液による体外培養のみという単純操作により高頻度で重篤な再現性の高い自然発症糖尿病モデル動物が作出できたことであり、これまで類似の技術はない。すなわち、遺伝子操作は不要であり、また、作出環境のコントロールも容易である。今後、このモデル動物を解析することで、生活習慣病の胚時の起源、発症機構の解明、発症予測技術、創薬に用いることが期待できる。
【0023】
前記非ヒト動物としてのモデル動物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マウス、ラット、モルモット等の齧歯類動物;ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、チンパンジー、マーモセットなどの、ヒトを除く哺乳類動物が挙げられる。これらの中でも、マウス、ラット、モルモットが好ましく、マウスがより好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0025】
本実施例では、非ヒト動物として、マウスを例にして説明するが、前述したように本発明はマウスに限定されるものではない。
【0026】
<糖尿病モデルマウスの作成方法>
図1に本発明の自然発症糖尿病モデルマウス(MEMマウス)の作成方法を示す。ホルモン投与により過排卵処理をした8週齢以上の非近交系ICR系統のメスマウスを非近交系ICR系統のオスマウスと同じ飼育ケージに入れ交配させ、翌日の午前中に膣栓により交尾を確認できたメスマウスを別のケージに分け、さらにその翌日に頸椎脱臼により安楽死させ、卵管を採取する。その後卵管灌流により、2細胞期の受精胚を回収する(取出工程)。その後、取出した胚を桑実期および初期胚盤胞期までの約48時間、所定の培養液(αMEM培地、詳細は後述する)にて培養する(培養工程)。培養した胚を8週齢以上の偽妊娠マウス(仮親)の卵管または子宮に移植する(移植工程)。その後仮親を出産するまで育成し自然出産させる(出産工程)。出産後、通常食飼料(例えば、SLC社、Hi-Durability IRRD M/R)で飼育し、成熟する8週齢以降において、高脂肪食飼料(例えば、オリエンタル酵母工業社、F2WTD)を給餌する(飼育工程)。これらの通常食及び高脂肪食は、例示以外の物を用いてもかまわない。
【0027】
培養工程では、所定の培養液として、通常マウス胚培養で一般的に使われているCZBやKSOMに代えて、細胞培養で広く用いられているαMEM培地(ヌクレオシド含有のGibco社製αMEM(#12571-063、以下αMEM(+nuc)と表記、またはヌクレオシド不含の富士フイルム和光純薬社αMEM(#135-15175、以下αMEM(-nuc)と表記)を用いた。なお、一般的に、αMEM培地が受精卵の培養に用いられることはない。上記αMEM培地は容易に入手可能である。
【0028】
また、対照群として、マウス胚の培養に標準培養液CZB培地を用い、αMEM培地と同条件で培養して得られたマウス(CZBマウス)、及び自然交配により得られたマウス(自然交配マウス)を使用した。
【0029】
<MEMマウスの出産時の体重>
MEMマウスおよび対照群マウスの産子について出産したその日に体重を測定した結果を
図2に示す。
図2に示すように、αMEM培地(+nucおよび-nuc)により胚を培養したMEMマウスは、ヌクレオシドの含有および不含にかかわらず、CZBマウス及び自然交配マウスより体重が増加する傾向にあることが明らかである。このことから、胚時の培養環境がその後の胎児の成長に影響を与えることが示唆された。
図2において体重は各実験群の平均体重であり、()内は、測定したマウスの個体数を表示している。
【0030】
<MEMマウスの離乳前の体重推移>
各マウス産子について、出産日から離乳(3週齢)までの体重推移について測定した。その結果を
図3に示す。
図3に示す通り、離乳前の体重は、出産時の体重に似て、培養液中のヌクレオシドの有無にかかわらずMEMマウスが一番重く、次にCZBマウス、そして自然交配マウスの順番になり、出産後の体重推移に胚の培養液の違いが影響することが認められた。
図3において体重は各実験群の平均体重であり、()内は測定したマウスの個体数を表示している。
【0031】
<MEMマウスの離乳後の体重推移>
各マウスについて、離乳(3週齢)から成熟(8週齢)までの体重推移について測定した。その結果を
図4A及び
図4Bに示す。
図4Aはオスマウスの測定結果であり、
図4Bはメスマウスの測定結果である。
図4A及び
図4Bに示す通り、体外で受精胚を培養したマウス群の離乳以降の体重は、オスメスともに、体外培養した培養液の種類にかかわらず4週齢以降は差がみられなくなる傾向であった。ただし、αMEM(+nuc)培地由来のオスは他の培地に比べ8週齢においても重い結果となった。一方、自然交配マウスは、8週齢においても、体外で受精胚を培養したマウス群より体重が少なく、培地の種類に関係なく体外培養の影響がマウスの8週齢においても認められた。
図4A及び
図4Bにおいて体重は各実験群の平均体重であり、()内は、測定したマウスの個体数を表示している。
【0032】
<MEMマウスの高脂肪食給餌による体重推移>
各マウスについて、成熟(8週齢)後から高脂肪食給餌に移行し、体重推移(オス)を測定した。その結果を
図5に示す。
図5に示す通り、高脂肪食に移行後の体重はMEMマウスにおいてもっとも顕著な体重増加がみられた。なお、図示していないが、αMEM(+nuc)及びメスマウスでも同様の傾向が見られた。
図5において体重は各実験群の平均体重であり、()内は、測定したマウスの個体数を表示している。
【0033】
高脂肪食開始後50日後のMEMマウスの肥満の様子を
図6に示す。
図6に示す通り、高脂肪食開始後50日後のMEMマウスは極度の肥満である。
【0034】
<MEMマウスの通常食の耐糖能試験>
離乳後通常食下で成熟した(8週齢)、高脂肪食に移行する直前の各マウスについて、ブドウ糖負荷時の血糖値変化(耐糖能試験または糖負荷試験)を測定した。その結果を
図7に示す。
図7に示す通り、高脂肪食に移行する前では、MEMマウスの血糖値変化はCZBマウスおよび自然交配マウスと差が認められなかった。遺伝子改変マウスでは生まれたときから異常を示すことが多いが、MEMマウスは高脂肪食を与えなければ耐糖能試験において正常である。
図7において()内は、測定したマウスの個体数を表示している。
【0035】
<MEMマウスの高脂肪食給餌後の耐糖能試験>
成熟(8週齢)以降に、高脂肪食に移行した各マウス(オス)について、高脂肪食に移行して4週間後にブドウ糖負荷時の血糖値変化(耐糖能試験または糖負荷試験)を測定した。その結果を
図8に示す。
図8に示す通り、高脂肪食飼育下では、MEMマウスのブドウ糖負荷後15分から120分後にかけて血糖値がCZBマウスおよび自然交配マウスより高い結果となり、MEMマウスの耐糖能異常が示された。なお、図示していないが、αMEM(+nuc)及びメスマウスでも同様の傾向が見られた。
図8において()内は、測定したマウスの個体数を表示している。
図7及び
図8に示した結果から、MEMマウスは、通常食下で正常であったにもかかわらず高脂肪食を与えた後、高頻度で耐糖能異常を示すので、自然発生型の糖尿病の有用なモデル動物であることがわかる。
【0036】
<MEMマウスの高脂肪食給餌による体重変化>
高脂肪食に移行後4週間で糖代謝異常を示したMEMマウス(オス、αMEM(-nuc))について、さらに体重推移(オス)を12週にわたり測定した。その結果を
図9に示す。
図9に示す通り、高脂肪食に移行後の体重は4匹のMEMマウスのうち2匹(個体#2と#3)が10週以降体重減少及びマウスの尿の甘い匂いが観察された。このことから、この2匹については糖尿病が重症化または合併症を発症したと考えられる。一方、高脂肪食下の体重減少はMEMマウス(αMEM(+nuc))においても同様に観察され、オスメスとも体重が減少し、13週までに体重が減少した後に死亡した(オスメス合わせて5匹中4匹が死亡)。一方、自然交配マウスや通常の食餌下におけるMEMマウスでは体重減少や死亡は見られなかった。
【0037】
上述したように、本発明は、遺伝子改変を行わない自然発生型の糖尿病モデル動物、及び、その作出方法に関するものであり、受精胚を所定の培養液で培養し、仮親に移植するという簡単な手段にて、低コストで、自然発生型の糖尿病の有用なモデル動物、及び、その作出方法を提供することができるという格別な効果を有する。
【0038】
なお、上記実施例では、自然交配したマウスから受精胚を取り出し培養したが、人工授精による受精胚を用いてもかまわない。また、
図6から明らかなように、本モデル動物は肥満症のモデル動物としても有用である。