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  • 特許-トルク変換器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】トルク変換器
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20221104BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G01L3/10 311
G01L5/00 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019014075
(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公開番号】P2020122694
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591156799
【氏名又は名称】ユニパルス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古畑 均
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第6162080(JP,B2)
【文献】特許第6146816(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3181765(JP,U)
【文献】特許第5960281(JP,B2)
【文献】特開2008-216162(JP,A)
【文献】特許第5988397(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、
前記回転軸に添着される感歪抵抗体と、を有して前記回転軸のねじりトルクを検出して電気信号に変換するトルク変換器であって、
前記感歪抵抗体は、前記軸受から外部へ突出した前記回転軸へ半径方向の荷重が加わった時に前記回転軸の曲げモーメントがゼロとなる位置近傍に設けられることを特徴とするトルク変換器。
【請求項2】
前記軸受は前記回転軸の軸方向に間隔を有して少なくとも3つ以上で構成されることを特徴とする請求項1に記載のトルク変換器。
【請求項3】
前記感歪抵抗体が添着されて前記回転軸のねじりトルクを検出するトルク変換部に加えて、前記回転軸にトルクを発生させるモータ部を有することを特徴とする請求項2に記載のトルク変換器。
【請求項4】
前記回転軸は、前記トルク変換部と前記モータ部とを通じて一体の単一部材で設けられていることを特徴とする請求項3に記載のトルク変換器。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸に加わるねじりトルクを電気信号に変換するトルク変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電動機等の回転軸に加わるねじりトルクの測定は、回転軸のねじれを直接的に測定する方法で実現でき、回転軸の磁歪を測定する方法、光学的に回転軸のねじれを測定する方法、感歪抵抗体を用いて回転軸の剪断歪み量を測定する方法が知られている。感歪抵抗体として歪みゲージを用いて、抵抗値変化から歪み量をねじりトルクの電気信号に変換するトルク変換器が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-8827号公報
【文献】特開2016-38353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このトルク変換器は、物品の把持や移動を行うロボットのアーム部に組み込まれて使用されている。しかしながらロボットが物品を持ち上げることからトルク変換器の回転軸に半径方向の荷重が加わるため、真に回転軸に加わっているねじりトルクを正確に測定するのが難しくなる。特許文献1では、回転軸にスリットを設けて半径方向の荷重の影響を低減しているが、回転軸の寸法の制約や、スリット加工によるコストアップにより改善の余地があった。また特許文献2ではクロスローラベアリングによって回転軸を支持して半径方向の荷重の影響を低減しているが、比較的大きく高価なクロスローラベアリングを使用していることからサイズ、コスト面にて改善の余地があった。
【0005】
このような問題に鑑みて、本発明は、回転軸に半径方向の荷重が加わっても正確に回転軸に加わるねじりトルクを測定できるトルク変換器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のトルク変換器は、上記の目的を達成するために、
回転軸と、
回転軸を回転自在に支持する軸受と、
回転軸に添着される感歪抵抗体と、を有して回転軸のねじりトルクを検出して電気信号に変換するトルク変換器であって、
感歪抵抗体は、軸受から外部へ突出した回転軸へ半径方向の荷重が加わった時に回転軸の曲げモーメントがゼロとなる位置近傍に設けられて構成されている。
【0007】
請求項2に記載のトルク変換器は、上記の目的を達成するために、
軸受は回転軸の軸方向に間隔を有して少なくとも3つ以上で構成されている。
【0008】
請求項3に記載のトルク変換器は、上記の目的を達成するために、
感歪抵抗体が添着されて回転軸のねじりトルクを検出するトルク変換部に加えて、回転軸にトルクを発生させるモータ部を有している。
【0009】
請求項4に記載のトルク変換器は、上記の目的を達成するために、
回転軸は、トルク変換部とモータ部とを通じて一体の単一部材で設けられて構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のトルク変換器によれば、回転軸に半径方向の荷重が加わったとしてもこの影響を低減して、回転軸に加わる正確なねじりトルクを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るモータ付きのトルク変換器の斜視外観図である。
図2】本発明の実施形態に係るモータ付きのトルク変換器の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るトルク変換器のトルク変換部の回路ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るトルク変換器の回転軸と軸受と感歪抵抗体の配置を示すレイアウトの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るトルク変換器について、図面を基に詳細な説明を行う。本実施形態のトルク変換器はモータが付加されて一体構造で構成されており、図1は本発明の実施形態に係るモータ付きのトルク変換器40の斜視外観図である。
【0013】
本実施形態のモータ付きのトルク変換器40は、トルク変換部20と、モータ部10とを有している。トルク変換部20は回転軸1に加わるねじりトルクを電気信号に変換する。トルク変換部20は、トルク変換部ケース2により周囲が覆われている。回転軸1は、負荷装置に接続できるようにトルク変換部ケース2から突出して設けられている。モータ部10は、回転軸1にトルクを発生させる。モータ部10は、トルク変換部20に直列に配置されて、モータ部ケース4により周囲が覆われている。トルク変換部ケース2の外周部にはケーブルコネクタ8aが設けられている。ケーブルコネクタ8aは、トルク変換部20へ電源を供給し、不図示の制御装置と制御信号やトルク信号等を送受信するためにケーブルを接続するものである。またモータ部ケース4の外周部にはケーブルコネクタ8bが設けられている。ケーブルコネクタ8bはモータ部10へ電源を供給するケーブル等を接続するものである。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係るモータ付きのトルク変換器40を回転軸1の軸心に沿って切断した断面図である。
【0015】
回転軸1は、略円柱形状でモータ部10とトルク変換部20とを通じて一体の単一部材で設けられている。回転軸1は、軸受9a、軸受9b及び軸受9cにて回転自在に支持されている。軸受9aと軸受9bとの間にはモータ部10の一部が形成されている。軸受9a、軸受9b及び軸受9cは例えば深溝玉軸受である。
【0016】
モータ部10は、トルクを発生させるモータ回転子14及びモータ固定子13と、回転位置を検出する回転位置検出部11及び回転位置検出基板12を有している。回転軸1の軸受9aと軸受9bとの間にはモータ回転子14が固着されている。モータ回転子14は例えば永久磁石を含んで構成されている。モータ回転子14と所定の隙間を有してモータ固定子13が設けられている。モータ固定子13は例えば鉄心とコイルを含んで構成される。そして回転位置検出部11が、軸受9aを挟んでモータ回転子14と反対側の、回転軸1の端部に設けられている。回転位置検出部11はモータの回転位置を検出し、回転位置検出部11に対向して軸方向に位置する回転位置検出基板12から、モータ回転位置信号を出力する。回転位置検出部11及び回転位置検出基板12は例えば光学式のエンコーダであるがこれに限るものではない。そして回転位置検出部11と回転位置検出基板12はケース7にて覆われている。
【0017】
軸受9aの内輪は、回転軸1の鍔1aに軸方向で当接されて嵌め込まれている。軸受9aの外輪はフランジ5に嵌め込まれて、中空円盤状の部材15で軸方向位置が規制されている。 軸受9bの内輪は、回転軸1の鍔1bに軸方向で当接されて嵌め込まれている。軸受9bの外輪はフランジ3に嵌め込まれている。モータ部ケース4は、フランジ3とフランジ5との間にあってモータ部10を外部から保護すると共に、モータ固定子13を囲んで収納及び固定している。
【0018】
トルク変換部20は、回転軸1に生じるねじりトルクを検出する。回転軸1に生じるねじりトルクを検出するため、軸受9bと軸受9cの中間に軸径が他の部分と比較して小さい起歪部1dが設けられている。この起歪部1dは軸方向には強度を有して変形せず、ねじれ方向には撓むようになっており、起歪体と動力伝達軸を兼ねる構成となっている。そして感歪抵抗体21が、この起歪部1dの円筒面に添着されている。なお起歪部1dの外周は円筒面に限らず、いくつかの平面で構成しても良い。感歪抵抗体21は例えば剪断型の歪みゲージであって、起歪部1dに生じる剪断歪みを検出する。感歪抵抗体21から出る信号を送る配線は、感歪抵抗体21の端子部からリード線等によって行われ、後述の回転側基板22に接続されている。感歪抵抗体21の軸方向での添着位置については後述する。
【0019】
筒部材26は円筒形状であって、回転軸1に固着されて、回転側基板22、回転側コア27、回転側コイル28を支持固定している。
【0020】
回転側基板22は、中空円盤形状で電子部品等を実装したプリント配線板である。回転側基板22上には固定側基板25aと対で通信を行う通信素子23が実装されている。回転側基板22は、本実施形態では2つのプリント配線板であって軸方向に並んで配置されている。
【0021】
一方、回転側基板22と軸受9cとの間には回転型非接触給電変圧器が形成されている。回転型非接触給電変圧器は、固定側基板25aに設けられた送電側部材と、回転軸1側に設けられた受電側部材で構成されている。送電側部材は固定側コア29と固定側コイル30を含んでいる。一方、受電側部材は回転側コア27と回転側コイル28を含んでいる。
【0022】
固定側基板25aは、トルク変換部ケース2に固定されている。固定側コア29は、固定側基板25aに例えば樹脂のホルダを介して固定されている。固定側コア29は、両端に突部を設けた断面コの字型の例えば低損失フェライトなどの磁性体である。固定側コイル30は、固定側コア29の両突部間に銅線を巻回したものである。
【0023】
一方回転軸1には固定側コア29及び固定側コイル30と所定間隔をおいて対向するように、回転型非接触給電変圧器の受電側が構成されている。回転側コア27は筒部材26を介して回転軸1に同心で設けられており、この回転側コア27の外周に回転側コイル28が設けられている。回転側コア27は固定側コア29の突部に所定の間隔を有して設けられている。本実施形態では、回転側コア27は焼結体フェライトを樹脂フィルムにて積層して薄手のシート状にしたものを、回転軸1に同軸で固定された筒部材26の円筒面に接着して構成している。回転側コア27は、これに限らず中空円柱状のフェライトを挿入したものでも良い。また回転側コイル28は、軸方向で固定側コア29の両突部の間に挟まれる位置で、銅線が複数段巻回されて配置され、接着剤で固定されている。
【0024】
軸受9cの内輪は、回転軸1の鍔1cに軸方向で当接されて嵌め込まれている。また軸受9cの外輪は、トルク変換部ケース2に嵌め込まれている。トルク変換部ケース2は基板ケース6aと共に、トルク変換部20を外部から保護する。また回転軸1は軸受9cから突出してその先は自由端であって、負荷装置などに繋げることができる。そして軸受9c及びトルク変換部20を外部環境から保護する目的でオイルシール31が設けられている。
【0025】
次いで、図3を参照して、本発明の実施形態に係るトルク変換部20の回路について説明する。トルク変換部20の回路は、基板ケース6a、6bに固定された固定側基板25a、25bと、回転軸1に固定されて共に回転する回転側基板22とで構成されている。固定側基板25a、25bには外部に設けた直流電源101から電力が供給される。
【0026】
直流電源101から供給された直流電圧は、固定側基板25a、25b上のスイッチング回路201にて交流に変換される。交流に変換された電流を固定側コイル30に通電すると、交流磁界が固定側コア29から発生する。この交流磁界が回転軸1側の回転側コア27に透過することで、回転側コイル28に電流が誘起される。誘起された電流は回転側基板22内の整流化回路301にて整流されて、感歪抵抗体21で構成されるホイートストンブリッジ回路部に供給される。整流化回路301からの出力は、回転側基板22内の他の回路、すなわち増幅回路302、A/D変換回路303、回転側CPU304へもそれぞれ供給される。以上の仕組みをもって、固定側基板25a、25bから回転側基板22へ非接触で給電がなされる。
【0027】
実際のトルクの測定は、回転軸1にトルクが加わると、回転軸1の起歪部1dがトルクの大きさに応じて歪み、この歪みの大きさを計測することで行われる。回転軸1の起歪部1dに生じる歪みは感歪抵抗体21の抵抗値の変化によりホイートストンブリッジ回路部より電圧として出力され、増幅回路302にて増幅されてアナログ信号として出力され、さらにこのアナログ信号はA/D変換回路303でデジタル信号に変換される。
【0028】
次いで、回転側CPU304は、歪みの大きさからトルク値への変換の演算を行い、非接触でこのトルク値を送信するため変調などの信号処理が行われる。変調された信号は通信素子23から例えば光信号で送信される。通信素子23による通信方法は電波、赤外光線、可視光線などであってもよい。固定側基板25aにも通信素子23の送信に対応した通信素子24が実装されている。通信素子24が受信した光信号は電気信号に変換され、固定側CPU202にて復調などの信号処理が行われる。そしてD/A変換回路203にてデジタル化されたトルク値を所定のアナログ電圧に変換して、トルク値に比例した電圧で出力することができる。もちろん検出したトルク値は固定側CPU202から直接のデジタル信号で出力しても構わない。
【0029】
次いで、図4を参照して、本発明の実施形態に係るトルク変換器の感歪抵抗体の配置に関する詳細を説明する。図4(a)は本発明の実施形態に係るトルク変換器の回転軸1と、回転軸1を回転自在に支持する軸受9a~9cと、起歪部1dに配置された感歪抵抗体21との位置関係を示している。
【0030】
図4(a)は、回転軸1を模式的に表したものであって、回転軸1は、軸受9a~9cの3点で支持されている。そして回転軸1の軸受9c側から外へ突き出した部分の自由端Dには半径方向の荷重Pが加わっているものとする。軸受9aと軸受9bとの軸方向の距離がa、軸受9bと軸受9cとの軸方向の距離がb、軸受9cと回転軸1の半径方向の荷重Pが加わっている自由端Dとの軸方向の距離がcである。なお距離a~cはそれぞれ軸受9a~9cの軸方向における中心位置の距離を指す。そして軸受9aの軸方向の中心位置を支点A、軸受9bの軸方向の中心位置を支点B、軸受9cの軸方向の中心位置を支点Cとそれぞれ定義する。さらに支点Aと支点Bとで挟まれた部分を区間AB、支点Bと支点Cとで挟まれた部分を区間BC、そして支点Cと自由端Dとで挟まれた部分を区間CDとそれぞれ定義する。回転軸1へ半径方向の荷重Pが加わった際に、支点Aに加わる反力がRa、支点Bに加わる反力がRb、支点Cに加わる反力がRcである。
【0031】
図4(b)は、図4(a)のように回転軸1に荷重Pが印加された際のSFD(剪断力図/Shearing Force Diagram)である。また図4(c)は、図4(a)のように回転軸1に荷重Pが印加された際のBMD(曲げモーメント図/Bending Moment Diagram)である。回転軸1の軸受9c側の外へ突き出した部分の自由端Dに半径方向の荷重Pが加わった時、支点Cにおける曲げモーメントは-cPで表されることは明らかである。以下曲げモーメントがゼロになる位置H(x =h)が区間BC内に存在することについて説明する。
【0032】
区間AB、区間BC、区間CDでの曲げモーメントMAB、MBC、MCDはそれぞれ次式で表すことができる。なおxは支点Aからの距離である。
【数1】
【数2】
【数3】
【0033】
区間AB、区間BC、区間CDでのたわみ角θAB、θBC、θCDはそれぞれ次式で表すことができる。ここでEは回転軸1の縦弾性係数、Izは断面二次モーメントであり、以下の計算では回転軸1の軸方向で一様とする。
【数4】
【数5】
【数6】
【0034】
区間AB、区間BC、区間CDでのたわみ曲線vAB、vBC、vCDはそれぞれ次式で表すことができる。なおvは定数である。
【数7】
【数8】
【数9】
支点Aすなわちx=0では
【数10】
である。また支点Bすなわちx =aでは
【数11】
【数12】
である。また支点Cすなわちx=a+bでは
【数13】
【数14】
である。
【0035】
一方、自由端Dすなわちx=a+b+cにおいて曲げモーメントはゼロであるから、式3にx=a+b+cを代入すると以下のように表される。
【数15】
力の釣合いから
【数16】
式7において、式10から
【数17】
である。さらに式7において支点Bすなわちx =aを代入して整理すると
【数18】
となる。また式8において支点Cすなわちx =a+bを代入して整理すると
【数19】
となる。ここで式18を式19に代入して整理すると式20が得られる。
【数20】
【0036】
次に式16を変形してRについて解き、全項にcを乗算して式15に代入すると式21が得られる。
【数21】
【0037】
式21の両辺に(-b)を乗算してこれを式20に加算し、Rの項を消去して整理すると式22が得られる。
【数22】
よってRについても式23によって表すことができる。
【数23】
区間BCで曲げモーメントがゼロになる位置H(x=h)とすると式24が成り立つ。
【数24】
式22と式23を式24へ代入して整理すると曲げモーメントがゼロになる位置H(x=h)は式25で表される。
【数25】
ここで
【数26】
であるから、
【数27】
が成り立つので、位置Hは常に区間BCの中間に存在する。
【0038】
なお実際には、回転軸1の直径は位置により変化しており、回転軸1の断面二次モーメントもそれに伴い変化するので、位置Hはこれを考慮して計算する必要があるが、まず概略を上記の式で求め、後で精密な計算により求めれば良い。
【0039】
本実施形態では回転軸1を回転自在に支持固定する軸受は3個であるが、曲げモーメントがゼロになる箇所が現れる配置構造であればこれに限るものではない。
【0040】
本実施形態では、トルク変換器40は、トルク変換部20とモータ部10を有しているがこれに限るものではなく、回転軸1を変速させる変速部や、回転軸1にブレーキをかけるブレーキ部などを有していても良い。
【0041】
ゆえに本発明によれば、曲げモーメントがゼロになる位置近傍に感歪抵抗体を配置することで、回転軸の自由端部に半径方向の荷重が加わったとしてもこの影響を極めて低減して、回転軸に加わるねじりトルクを正確に検出できるトルク変換器を実現できる。さらに回転軸を回転自在に支持する軸受に安価な玉軸受を使用することも可能となる。
【0042】
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の活用例として、トルクを制御するモータ装置等への適用が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 :回転軸
1a、1b、1c :鍔
1d :起歪部
2 :トルク変換部ケース
3 :フランジ
4 :モータ部ケース
5 :フランジ
6a、6b :基板ケース
7 :ケース
8a、8b :ケーブルコネクタ
9a、9b、9c :軸受
10 :モータ部
11 :回転位置検出部
12 :回転位置検出基板
13 :モータ固定子
14 :モータ回転子
15 :部材
20 :トルク変換部
21 :感歪抵抗体
22 :回転側基板
23 :通信素子
24 :通信素子
25a、25b :固定側基板
26 :筒部材
27 :回転側コア
28 :回転側コイル
29 :固定側コア
30 :固定側コイル
31 :オイルシール
40 :トルク変換器
101 :直流電源
201 :スイッチング回路
202 :固定側CPU
203 :D/A変換回路
301 :整流化回路
302 :増幅回路
303 :A/D変換回路
304 :回転側CPU
図1
図2
図3
図4