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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】表面麻酔剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/10 20060101AFI20221104BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20221104BHJP
   A61P 23/02 20060101ALI20221104BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20221104BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A61K47/10
A61K9/08
A61P23/02
A61K31/167
A61K31/245
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018162980
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020033321
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】原田 耕志
(72)【発明者】
【氏名】タランヌム フェルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅宏
(72)【発明者】
【氏名】田原 義朗
【審査官】高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-512415(JP,A)
【文献】NORTIER, Y.L.M. et al.,Preparation and stability testing of a hydrogel for topical analgesia,Pharmacy World & Science,1995年,Vol.17, No.6,p.214-217,ISSN 0928-1231
【文献】CASTRO, E. et al.,A comparison of transdermal over-the-counter lidocaine 3.6% menthol 1.25%, Rx lidocaine 5% and place,Pain management,2017年,Vol.7, No.6,p.489-498,ISSN 1758-1869
【文献】SONG, Y.H. et al.,The effects of terpenes on the permeation of lidocaine and ofloxacin from moisture-activated patches,Drug Delivery,2009年,Vol.16, No.2,p.75-81,ISSN 1071-7544
【文献】LIU, Y. et al.,Menthol facilitates the skin analgesic effect of tetracaine gel,International Journal of Pharmaceutics,2005年,Vol.305,p.31-36,ISSN 0378-5173
【文献】GODWIN, D.A. et al.,Influence of Drug Lipophilicity on Terpenes as Transdermal Penetration Enhancers,Drug Development and Industrial Pharmacy,1999年,Vol.25, No.8,p.905-915,ISSN 0363-9045
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 9/00
A61K 47/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所麻酔成分とゲラニオールとイソプロピルアルコールとを含むことを特徴とする表面麻酔剤。
【請求項2】
ゲラニオールが、0.000001~2質量%含まれることを特徴とする請求項1記載の表面麻酔剤。
【請求項3】
皮膚又は粘膜に適用されることを特徴とする請求項1又は2記載の表面麻酔剤。
【請求項4】
口腔内組織への外科的処置に用いられることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の表面麻酔剤。
【請求項5】
皮膚への外科的処置に用いられることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の表面麻酔剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、歯科治療や外科治療等における外科的処置に用いられる表面麻酔剤に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科治療や外科治療ではほぼ毎日麻酔注射が行われているが、これと同様に、採血等で皮膚へ注射を行う回数も非常に多く、個人差はあれ、注射の痛みは辛いものである。痛みに感受性の高い患者(歯科恐怖症や幼児など)に対して行う注射は、困難を来すことが多いことから、注射前に、局所的な表面麻酔が行われることがある。
【0003】
歯科用局所表面麻酔剤としては、例えば、プロネスパスタが市販されている。このプロネスパスタは、アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカイン及び塩酸ジブカインの3種類の麻酔成分が配合されており、作用が強く持続時間が長い局所表面麻酔剤の一つであって、その疼痛抑制効果(除痛効果)の持続時間は平均9分49秒と報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、臨床上は、除痛効果の持続時間が長いことよりも、除痛効果が高いことが重要である。
【0005】
一方、皮膚に対しては、ペンレステープやリドカインテープ等の貼付用局所表面麻酔剤が、透析時に頻用されているものの、針の痛みを軽減させるためには1時間から2時間程度の貼付時間を要するなど即効性に乏しく、また、その除痛効果も刺入時の痛みを感じさせないレベルではなく、満足できるものではない。さらに、頻回使用により皮膚がただれ、針の刺入時に血管が見えづらいという欠点もあるが、他の優れた選択肢がないために使用されているというのが実状である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】前田勝正,濱地貴文,赤峰昭文,原宜興,岩本恭行,北村哲朗,戸田佳子,米田雅裕,大石正道,笹栗正明,青野正男.プロネスパスタの局所塗布に関する麻酔効果と抗菌作用について,刃薬療法7(1),45-49,1988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、除痛効果の高い表面麻酔剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、現場において求められる表面麻酔剤の高い除痛効果を得るべく鋭意研究した結果、麻酔成分を、ゲラニオール等のテルペノイドと共に皮膚等に適用することにより、高い除痛効果を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
また、本発明者らは、麻酔成分をゲラニオール等のテルペノイドと共に皮膚等に適用することにより、高い除痛効果に加えて、優れた即効性及び/又は優れた持続性を得ることができることを見いだした。
【0010】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]麻酔成分とテルペノイドとを含むことを特徴とする表面麻酔剤。
[2]さらに、イソプロピルアルコールを含むことを特徴とする上記[1]記載の表面麻酔剤。
[3]テルペノイドが、表面麻酔剤中、0.000001~2質量%含まれることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の表面麻酔剤。
[4]テルペノイドが、ゲラニオールであることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載の表面麻酔剤。
[5]皮膚又は粘膜に適用されることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載の表面麻酔剤。
[6]口腔内組織への外科的処置に用いられることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか記載の表面麻酔剤。
[7]皮膚への外科的処置に用いられることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか記載の表面麻酔剤。
[8]口腔内組織への注射前に用いられることを特徴とする上記[6]記載の表面麻酔剤。
[9]皮膚への注射前に用いられることを特徴とする上記[7]記載の表面麻酔剤。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表面麻酔剤は、高い除痛効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】表面麻酔剤塗布後の時間経過に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)及び比較例に係る表面麻酔剤(LD20%)を比較した図である。なお、LDはリドカインを表し、IPAはイソプロピルアルコールを表し、GLはゲラニオールを表す。
図2】表面麻酔剤塗布後の時間経過に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)及び比較例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA)を比較した図である。
図3】表面麻酔剤におけるゲラニオール濃度(0.00001~0.1質量%)に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)塗布後13分経過後における結果を表す。
図4】表面麻酔剤におけるゲラニオール濃度(0.00001~0.0001質量%)に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)塗布後8分及び13分経過後における結果を表す。
図5】表面麻酔剤におけるゲラニオール濃度(0.00001~0.1質量%)に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(TT20%+IPA/GL)塗布後13分経過後における結果を表す。なお、TTはテトラカインを表す。
図6】表面麻酔剤におけるリドカイン濃度(1~30質量%)に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD+IPA/GL)塗布後8分経過後における結果を表す。
図7】表面麻酔剤におけるリドカイン濃度(1~30質量%)に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD+IPA/GL)塗布後13分経過後における結果を表す。
図8】表面麻酔剤におけるリドカイン濃度(1~30質量%)に対する鈍針の痛みの程度を示す図であり、実施例に係る表面麻酔剤(LD+IPA/GL)塗布後21分経過後における結果を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の表面麻酔剤としては、麻酔成分とテルペノイドとを含むことを特徴とする。
本発明の表面麻酔剤は、除痛効果が高く、例えば、針の刺入前に適用することにより、鈍針に対して無痛状態とすることができる。したがって、痛みに感受性の高い患者に対して特に有効である。
【0014】
また、本発明の表面麻酔剤は、即効性に優れており、例えば、10分以内(実施例1では8分)で鈍針に対して無痛状態とすることができる。したがって、チェアータイムの短縮(治療時間の短縮)を図ることができる。さらに、その効果の持続時間も長く、例えば、無痛時間が2分以上、好ましくは5分以上持続する(実施例1では5分)。したがって、歯科医院等において、複数の患者を並行して診ている場合など、すぐに表面麻酔を施した患者の治療に取り掛かれない場合などに有効である。
【0015】
本発明の表面麻酔剤は、例えば、歯科、眼科、耳鼻科、内科、外科、泌尿器科、皮膚科、麻酔科、小児科、産婦人科、整形外科等における治療、検査時などの外科的処置に用いることができる。外科的処置とは、例えば、皮膚、口腔内組織、鼻腔内組織、歯牙硬組織等に対する、切開、切除、切削、縫合、刺入、注射、器具の導入などの処置をいう。
【0016】
好ましくは、注射前に、注射部位(皮膚、粘膜)に適用することができる。なお、注射とは、注射針(点滴針、留置針、透析用針等を含む)を用いた処理全般をいう。具体的には、手術等を行う場合の注射による浸潤麻酔や伝達麻酔に先立って針挿入時の痛みを軽減させる目的で用いることができる。その他、採血、点滴、予防接種、透析を行う場合の針挿入時の痛みを軽減する目的で用いることができる。
【0017】
また、内視鏡、大腸ファイバー、経鼻チューブ等の体内導入器具の使用前に、使用時の痛みを軽減する目的で、接触部位(皮膚、粘膜)に適用することができる。
【0018】
本発明の表面麻酔剤の適用方法(付与用法)としては、例えば、塗布、貼付、スプレー(噴霧)等を挙げることができる。
【0019】
麻酔成分としては、皮膚や粘膜に適用する表面麻酔剤の麻酔成分として使用できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、アミド型、エステル型などいずれの局所麻酔薬(表面麻酔薬)も使用することができ、2種以上を用いてもよい。
【0020】
アミド型の局所麻酔薬としては、例えば、リドカイン、メピバカイン,ジブカインを挙げることができる。エステル型の局所麻酔薬としては、例えば、テトラカイン、ベンゾカイン、アミノ安息香酸エチル、コカインを挙げることができる。これらは、塩酸塩等の塩であってもよく、本明細書において、例えばリドカインと称した場合は、リドカイン塩酸塩等を含む。これらの局所麻酔薬は市販されており、市販品を用いることができる。これらの中でも、表面麻酔剤の麻酔成分として代表的なリドカインが好適である。
【0021】
テルペノイドは、香料成分や清涼成分として知られているが、本発明においては、麻酔成分の除痛効果を高め、さらにその効果の即効性及び/又は持続性を向上させる成分である。
【0022】
テルペノイドとしては、常温で油状のものが好ましく、例えば、ゲラニオール、メントン、リモネン、アネトール、ネロール、ミルセノール、リナロール、ラバンジュロール、シネオール、ピネン、テルピノレンを挙げることができ、これらの中でも、ゲラニオールが好ましい。これらのテルペノイドは、2種以上用いてもよい。
【0023】
本発明の表面麻酔剤は、1種又は2種以上の溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールを挙げることができ、イソプロピルアルコールが好ましい。イソプロピルアルコールを含むことにより、麻酔成分及びテルペノイドの相溶性がより高くなり、本発明の効果をより有効に発揮することができる。イソプロピルアルコールは、医薬品としては消毒剤として使用されている物質であり、市販品を用いてもよい。
【0024】
本発明の表面麻酔剤における麻酔成分の含有量としては、表面麻酔剤としての効果を発揮できる量であれば特に制限されるものではなく、例えば、表面麻酔剤中、0.1質量%以上であり、0.5~70質量%であることが好ましく、1~60質量%であることがさらに好ましく、5~50質量%であることが特に好ましい。
【0025】
本発明の表面麻酔剤におけるテルペノイドの含有量としては、局所麻酔剤の除痛効果を高めることができる量であれば特に制限されるものではなく、例えば、表面麻酔剤中、0.000001~2質量%程度であり、0.000005~1質量%であることが好ましく、0.000008~0.5質量%であることがさらに好ましく、0.00001~0.2質量%であることがさらに好ましい。
【0026】
本発明の表面麻酔剤は、従来公知の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤としては、例えば、酸化防止剤、保存安定剤、増粘剤、香料等を挙げることができる。
【実施例
【0027】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
室温にてボルテックスにより、予めごく少量のエタノールに溶解したリドカインと、イソプロピルアルコールと、ゲラニオールとを混合し、リドカイン濃度20質量%の実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)を得た。なお、表面麻酔剤中のゲラニオールの含有量は0.0001質量%とした。
【0028】
比較として、室温にてボルテックスにより、リドカインをエタノールに溶解させ、リドカイン濃度20質量%の比較例に係る表面麻酔剤(LD20%)を得た。また、同様に、予めごく少量のエタノールに溶解したリドカインとイソプロピルアルコールとを混合し、リドカイン濃度20質量%の比較例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA)を得た。
【0029】
調製した各表面麻酔剤を前腕部皮膚へ塗布し、所定時間経過後に、鈍針の痛みの程度について評価した。
【0030】
その結果を図1及び図2に示す。図1は、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)及び比較例に係る表面麻酔剤(LD20%)を比較した図であり、図2は、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)及び比較例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA)を比較した図である。図の横軸は塗布後の経過時間(分)であり、縦軸は痛みのレベル(ペインレベル)を表す。なお、縦軸のペインレベル5は中等度の痛みを表し、ペインレベル0は痛みなしを表す。
【0031】
図1及び図2に示すように、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)では、リドカインの一般的な効果と考えられるペインレベル3以下に塗布後2分で到達し、さらに、塗布後8分で無痛となり、5分間の無痛状態が継続した。また、リドカインの一般的な効果と考えられるペインレベル3以下の除痛効果は、塗布後30分間持続した。
【0032】
他方、図1に示すように、比較例に係る表面麻酔剤(LD20%)では、ペインレベル3以下に到達するのに塗布後3分を要した。また、ペインレベル0の無痛には至らず、ペインレベル3以下の除痛効果は、塗布後16分間しか持続しなかった。
【0033】
また、図2に示すように、比較例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA)では、ペインレベル3以下に塗布後2分で到達し、さらに塗布後9分で無痛になったものの、無痛状態は持続しなかった。さらに、ペインレベル3以下の除痛効果は、塗布後29分であった。
【0034】
以上のとおり、実施例に係る表面麻酔剤は、比較例に係る表面麻酔剤と比較して、除痛効果が高く、即効性、持続性の点でも優れていた。
【0035】
[実施例2]
ゲラニオールの含有量(0.00001~0.1質量%)を変化させる以外は実施例1と同様にして、実施例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA/GL)を調製した。なお、ゲラニオールを配合しない比較例に係る表面麻酔剤(LD20%+IPA)も調製した。
【0036】
調製した各表面麻酔剤を前腕部皮膚へ塗布し、8分又は13分経過後に、実施例1と同様に、鈍針の痛みの程度について評価した。
【0037】
その結果を図3及び図4に示す。図3及び図4に示すように、ゲラニオールを所定量配合することにより、ペインレベルの低下がみられた。
【0038】
[実施例3]
実施例2において、麻酔成分であるリドカインをテトラカインに変更した以外は、同様にして、表面麻酔剤塗布後13分経過後の鈍針の痛みの程度について評価した。
【0039】
その結果を図5に示す。図5に示すように、ゲラニオールを所定量配合することにより、テトラカインにおいても、ペインレベルの低下がみられた。
【0040】
[実施例4]
麻酔成分であるリドカインの含有量(1~30質量%)を変化させる以外は実施例1と同様にして、実施例に係る表面麻酔剤(LD+IPA/GL)を調製した。また、実施例1と同様にして、リドカインをエタノールに溶解した比較例に係る表面麻酔剤(LD)を調製した。
【0041】
調製した各表面麻酔剤を前腕部皮膚へ塗布し、8分、13分、21分経過後に、実施例1と同様に、鈍針の痛みの程度について評価した。
【0042】
その結果を図6図8に示す。図6は8分経過後の結果を表し、図7は13分経過後の結果を表し、図8は21分経過後の結果を表す。実施例に係る表面麻酔剤(LD+IPA/GL)は、麻酔成分であるリドカインの量を増加するにしたがって、ペインレベルが低下する傾向がみられた。また、実施例に係る表面麻酔剤は、いずれの濃度及び経過時間においても、イソプロピルアルコール及びゲラニオールを用いない比較例の表面麻酔剤と比べて、ペインレベルが顕著に低下していた。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の表面麻酔剤は、除痛効果が高く、産業上有用である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8