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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】万能串刺食品製造装置
(51)【国際特許分類】
   A21C 11/00 20060101AFI20221104BHJP
   A23P 10/10 20160101ALI20221104BHJP
【FI】
A21C11/00 J
A23P10/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019195041
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021065194
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591047394
【氏名又は名称】株式会社飯田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 博
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-165685(JP,A)
【文献】特開2012-105584(JP,A)
【文献】特開2018-099085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00-15/04
A23P 10/00-30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の串を供給する串供給装置と、前記串供給装置から供給された串で串刺対象食品を順次串刺しする串刺装置とを具備する万能串刺食品製造装置であって、
前記串供給装置は、
使用する串がその方向を揃えて複数投入される串投入ホッパと、
前記串投入ホッパ内に設けられ、前記串投入ホッパ内の串を該串に対応して均してその底面から順次排出する振り子装置と、
所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路と、
前記第1の串搬送路の下端に設けられ、前記串投入ホッパ内から順次排出された串を一本ずつ前記第1の串搬送路上に搬出する串送り羽根と、
前記第1の串搬送路の上に設けられ、前記第1の串搬送路上に搬出された串を使用する串に対応する速度で戻す方向に回転して前記第1の串搬送路の串を整列させる回転ブラシと、
前記第1の串搬送路の上端に接続されるとともに、所定の角度で下方に傾斜して前記第1の串搬送路の上端に達した串を下方に搬送する第2の串搬送路と、
前記第2の串搬送路の上端部に対応して設けられ、前記第2の串搬送路上の串の満杯を検知する満杯検知手段と、
を具備し、
前記串刺装置は、
外周面の母線方向が前記第2の串搬送路の下端部に近接して配置され、外周面上に等間隔で設けられた複数の串溝を有し、前記串供給装置から搬出された串を前記串溝に1本ずつ収容して、前記食品の串刺位置まで搬送する使用する串に対応して交換可能な串ロールと、
前記串刺位置に設けられ、前記串ロールの串溝から落下された串をその幅方向が垂直方向となるように収容する使用する串に対応した形状の串レールを有する交換可能な串ガイドと、
前記串ガイドの前記串レール内に収容された串を前記串刺対象食品方向に串押し出すプッシャーと、
を具備し、
前記串ロールは、前記プッシャーの串押し出し動作に同期して間欠駆動されるとともに、少なくとも前記串送り羽根は、前記満杯検知手段により前記第2の串搬送路上の前記串の満杯を検知すると前記串の排出動作を一時停止するように制御されていることを特徴とする万能串刺食品製造装置。
【請求項2】
前記振り子装置は、
振り子カムと、
前記振り子カムの動作によりその先端が前記串投入ホッパの傾斜した底面に対して往復動する振り子部材と、
前記振り子部材の先端が前記傾斜した底面に最接近したときの前記振り子部材の先端と前記傾斜した底面との間の距離が使用する串の厚さに対応した距離になるように調整する振り子部材調整手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の万能串刺食品製造装置。
【請求項3】
前記振り子装置の後段で、前記串投入ホッパから排出された串の一端に向かって突出する串崩し部材と、
前記串崩し部材の前記串に対する突出位置を使用する串に応じて調整する串崩し部材調整手段と、
を更に具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の万能串刺食品製造装置。
【請求項4】
記第2の串搬送路の上部の少なくとも幅方向両端部に前記串の厚さに対応する距離だけ前記第2の串搬送路だけ離間して設けられ、前記第2の串搬送路上を搬送される串を上から押さえる串押え部材と、
前記串押え部材の前記第2の串搬送路に対する配設位置を使用する串に応じて調整する串押え部材調整手段と、
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の万能串刺食品製造装置。
【請求項5】
前記回転ブラシは、
前記串送り羽根を駆動する駆動モータと独立の駆動モータにより駆動されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の万能串刺食品製造装置。
【請求項6】
前記串刺対象食品は、
対向して配設される一対の成形ロールで挟圧されることにより成形され、
前記串ガイドは、
前記成形ロールの挟圧位置に対応して配設され、
前記プッシャーは、
前記一対の成形ロールの切欠き部により前記挟圧位置で形成される串刺し孔を通って前記串刺対象食品に対する串刺しを行うことを特徴とす請求項1乃至5のいずれか1項に記載の万能串刺食品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串刺し食品製造装置に関し、詳しくは、一台の装置で種々の形状の串を用いた食品の串刺しを可能にした万能串刺食品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、串刺食品製造装置としては、特許文献1に開示された「団子製造機」が知られている。
【0003】
この特許文献1に開示された「団子製造機」は、串整列ドラムで串刺しに用いる串を整列し、この整列した串を串押出装置の串レール内に導き、この串レール内に導かれた串をプッシャーにより成形ロールにより成形された団子側に押し出して成形ロール内の団子の串刺しを行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-74986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の串刺し食品製造装置に用いられる串としては、丸串、角串、鉄炮串、平串、五平串、田楽串等の竹製、木製等の種々の串が知られている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された「団子製造機」においては、竹製の丸串を用いるようにして開発されたものであり、例えば、田楽串を用いると、串詰まり、串刺し不良等が頻発して効率の良い正常な串刺し食品の製造は実現できなかった。
【0007】
そこで、本発明は、一台の装置で種々の形状の串を用いた食品の串刺しを可能にした万能串刺食品製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、種々の串を供給する串供給装置と、前記串供給装置から供給された串で串刺対象食品を順次串刺しする串刺装置とを具備する万能串刺食品製造装置であって、前記串供給装置は、使用する串がその方向を揃えて複数投入される串投入ホッパと、前記串投入ホッパ内に設けられ、前記串投入ホッパ内の串を該串に対応して均してその底面から順次排出する振り子装置と、所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路と、前記第1の串搬送路の下端に設けられ、前記串投入ホッパ内から順次排出された串を一本ずつ前記第1の串搬送路上に搬出する串送り羽根と、 前記第1の串搬送路の上に設けられ、前記第1の串搬送路上に搬出された串を使用する串に対応する速度で戻す方向に回転して前記第1の串搬送路の串を整列させる回転ブラシと、 前記第1の串搬送路の上端に接続されるとともに、所定の角度で下方に傾斜して前記第1の串搬送路の上端に達した串を下方に搬送する第2の串搬送路と、 前記第2の串搬送路の上端部に対応して設けられ、前記第2の串搬送路上の串の満杯を検知する満杯検知手段と、を具備し、前記串刺装置は、 外周面の母線方向が前記第2の串搬送路の下端部に近接して配置され、外周面上に等間隔で設けられた複数の串溝を有し、前記串供給装置から搬出された串を前記串溝に1本ずつ収容して、前記食品の串刺位置まで搬送する使用する串に対応して交換可能な串ロールと、 前記串刺位置に設けられ、前記串ロールの串溝から落下された串をその幅方向が垂直方向となるように収容する串に対応した形状の串レールを有する交換可能な串ガイドと、前記串ガイドの前記串レール内に収容された串を前記串刺対象食品方向に串押し出すプッシャーと、を具備し、前記串ロールは、前記プッシャーの串押し出し動作に同期して間欠駆動されるとともに、少なくとも前記串送り羽根は、前記満杯検知手段により前記第2の串搬送路上の前記串の満杯を検知すると前記串の排出動作を一時停止するように制御されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記振り子装置は、振り子カムと、前記振り子カムの動作によりその先端が前記串投入ホッパの傾斜した底面に対して往復動する振り子部材と、前記振り子部材の先端が前記傾斜した底面に最接近したときの前記振り子部材の先端と前記傾斜した底面との間の距離が使用する串の厚さに対応した距離になるように調整する振り子部材調整手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記振り子装置の後段で、前記串投入ホッパから排出された串の一端に向かって突出する串崩し部材と、前記串崩し部材の前記串に対する突出位置を使用する串に応じて調整する串崩し部材調整手段と、を更に具備することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記第2の串搬送路の上部の少なくとも幅方向両端部に前記串の厚さに対応する距離だけ前記第2の串搬送路だけ離間して設けられ、前記第2の串搬送路上を搬送される串を上から押さえる串押え部材と、前記串押え部材の前記第2の串搬送路に対する配設位置を使用する串に応じて調整する串押え部材調整手段と、を更に具備することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記回転ブラシは、前記串送り羽根を駆動する駆動モータと独立の駆動モータにより駆動されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記串刺対象食品は、対向して配設される一対の成形ロールで挟圧されることにより成形され、前記串ガイドは、前記成形ロールの挟圧位置に対応して配設され、前記プッシャーは、前記一対の成形ロールの切欠き部により前記挟圧位置で形成される串刺し孔を通って前記串刺対象食品に対する串刺しを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、種々の串を供給する串供給装置と、前記串供給装置から供給された串で串刺対象食品を順次串刺しする串刺装置とを具備する万能串刺食品製造装置であって、前記串供給装置は、使用する串がその方向を揃えて複数投入される串投入ホッパと、前記串投入ホッパ内に設けられ、前記串投入ホッパ内の串を該串に対応して均してその底面から順次排出する振り子装置と、所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路と、前記第1の串搬送路の下端に設けられ、前記串投入ホッパ内から順次排出された串を一本ずつ前記第1の串搬送路上に搬出する串送り羽根と、 前記第1の串搬送路の上に設けられ、前記第1の串搬送路上に搬出された串を使用する串に対応する速度で戻す方向に回転して前記第1の串搬送路の串を整列させる回転ブラシと、 前記第1の串搬送路の上端に接続されるとともに、所定の角度で下方に傾斜して前記第1の串搬送路の上端に達した串を下方に搬送する第2の串搬送路と、 前記第2の串搬送路の上端部に対応して設けられ、前記第2の串搬送路上の串の満杯を検知する満杯検知手段と、を具備し、前記串刺装置は、 外周面の母線方向が前記第2の串搬送路の下端部に近接して配置され、外周面上に等間隔で設けられた複数の串溝を有し、前記串供給装置から搬出された串を前記串溝に1本ずつ収容して、前記食品の串刺位置まで搬送する使用する串に対応して交換可能な串ロールと、 前記串刺位置に設けられ、前記串ロールの串溝から落下された串をその幅方向が垂直方向となるように収容する串に対応した形状の串レールを有する交換可能な串ガイドと、前記串ガイドの前記串レール内に収容された串を前記串刺対象食品方向に串押し出すプッシャーと、を具備し、前記串ロールは、前記プッシャーの串押し出し動作に同期して間欠駆動されるとともに、少なくとも前記串送り羽根は、前記満杯検知手段により前記第2の串搬送路上の前記串の満杯を検知すると前記串の排出動作を一時停止するように制御されているように構成したので、一台の装置で種々の形状の串を用いた食品の串刺しを可能にした万能串刺食品製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係る万能串刺食品製造装置の要部を示す側面図である。
図2図2は、図1に示した万能串刺食品製造装置で使用可能な串の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示した万能串刺食品製造装置の要部の上面図及び串押え部材の一例を示す上面図である。
図4図4は、図1に示した万能串刺食品製造装置の動力伝達系を示す図である。
図5図5は、図1に示した万能串刺食品製造装置の串供給装置の詳細を示す側面図である。
図6図6は、図1に示した万能串刺食品製造装置の串刺装置の詳細を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本発明は、一台の装置で竹製、木製等の種々の形状の串を用いた食品の串刺しを可能にした万能串刺食品製造装置を提供するもので、図1は、本発明に係る万能串刺食品製造装置の要部を示す側面図である。
【0018】
図1において、本発明に係る万能串刺食品製造装置は、種々の串を供給する串供給装置100と、串供給装置100から供給された串で串刺対象食品を順次串刺しする串刺装置200とを具備して構成される。
【0019】
本発明に係る万能串刺食品製造装置で使用可能な串の一例が図2に示される。図2(A)は、田楽串410といわれるもので、中心部にスリットがあり、一定の幅を有する竹串で、本願発明に係る万能串刺食品製造装置では米粉を用いた団子の串刺しに用いられる。
【0020】
図2(B)は、竹製の一定の幅を有する平串420、図2(C)は、木製の幅広の五平串430である。図2(C)に示す五平串430は、本願発明に係る万能串刺食品製造装置では鶏肉のすり身を成型した食品の串刺しに用いられる。図2(D)は、竹製の角串440、図2(E)は、竹製の丸串450、図2(F)は、鉄炮串460である。
【0021】
以下に示す実施例では、図2(A)に示す田楽串410を使用し、串刺対象食品としては米粉を練り上げて成形した団子を用いる場合について説明する。
【0022】
図1において、本発明に係る万能串刺食品製造装置の串供給装置100は、使用する串(この実施例で田楽串410)がその方向を揃えて複数投入される串投入ホッパ110を有する。この串投入ホッパ110内には、串投入ホッパ110内の田楽串410を均してその底面から順次排出する振り子装置120が設けられている。この振り子装置120は後に詳述するように振り子部材121と振り子カム122とを備えて構成され、振り子部材121を回動軸123を中心にして揺動させることにより串投入ホッパ110内の田楽串410を均してその底面から順次排出する。
【0023】
振り子装置120により串投入ホッパ110から排出された田楽串410は、所定の角度で上方に傾斜した第1の串搬送路140-1に導かれる。この第1の串搬送路140-1の下端には、串投入ホッパ110内から順次排出された田楽串410を一本ずつ第1の串搬送路140-1上に搬出する串送り羽根150が設けられている。
【0024】
第1の串搬送路140-1の上には、第1の串搬送路140-1上の田楽串410を戻す方向に回転して第1の串搬送路140-1の田楽串410を整列させる回転ブラシ160が設けられている。第1の串搬送路140-1の上端には、所定の角度で下方に傾斜して第1の串搬送路140-1の上端に達した田楽串410を下方に搬送する第2の串搬送路140-2が設けられている。
【0025】
第2の串搬送路140-2の上方には第2の串搬送路140-2上を搬送される田楽串410を上から押さえる串押え部材170が設けられている。第2の串搬送路140-2を搬送される田楽串410の満杯は、串有り無しセンサ(満杯検知手段)180で監視されている。
【0026】
上記串供給装置100の詳細動作は、後に図5を参照して説明する。
【0027】
串刺装置200は、外周面の母線方向が前記第2の串搬送路の下端部に近接して配置され、串供給装置100から搬出された田楽串410を食品の串刺位置まで搬送する串ロール210と、串刺位置に設けられ、串ロール210の串溝211から落下された田楽串410をその幅方向が垂直方向となるように収容する串レール221を有する串ガイド220と、串ガイド220の串レール221内に収容された串を成形ロール310-1、310-2で成形された食品である団子方向に串押し出すプッシャー230と、プッシャー230を団子串刺し方向で往復動制御するプッシャー往復動制御部240によるとを具備して構成される。
【0028】
この串供給装置100の詳細動作も、後に図6を参照して説明する。
【0029】
図3は、図1に示した万能串刺食品製造装置の要部の上面図及び串押え部材の一例を示す上面図である。図3に示すように、図1に示した串送り羽根150は、田楽串410の搬送方向に直交する方向に離間して配設された2つの串送り羽根150-1と串送り羽根150-2とから構成され、回転ブラシ160も田楽串410の搬送方向に直交する方向に離間して配設された2つの回転ブラシ160-1と回転ブラシ160-2とから構成される。
【0030】
また、串押え部材170は、第2の串搬送路140-2の田楽串410の搬送方向に直交する方向の両端側に離間して配設された2つの串押え部材170-1と串押え部材170-2とから構成されている。
【0031】
図4は、図1に示した万能串刺食品製造装置の動力伝達系を示す図である。図1及び図4に示すように、回転ブラシ160-1、160-2は、第1のモータ190-1によりチェーン191を介して駆動され、串送り羽根150-1、150-2は、第2のモータ190-2によりチェーン192を介して駆動され、振り子装置120の振り子カム122は、更にチェーン193を介して第2のモータ190-2により駆動される。
【0032】
ここで、回転ブラシ160-1、160-2を、第1のモータ190-1により第2のモータ190-2から独立して駆動されるように構成した理由は、回転ブラシ160-1、160-2の適正速度、トルク等が使用する串によって異なるので、これに対応できるようにするためである。
【0033】
図5は、図1に示した万能串刺食品製造装置の串供給装置100の詳細を示す側面図である。
【0034】
図5において、振り子装置120は、串投入ホッパ110内に投入された複数の田楽串410を重ならないようにして串投入ホッパ110内から第1の串搬送路140-1に排出するために設けられている。この振り子装置120は、振り子部材121と振り子カム122を備えて構成され、第2のモータ190-2により振り子カム122を回転させることにより、振り子部材121の先端を回動軸123を中心にして破線で示す振り子121’との間でX方向に往復動する。ここで、振り子部材121の先端の先端が傾斜した底面に最接近したときの振り子部材の先端と串投入ホッパ110傾斜した底面との間の距離は使用する串(この場合は田楽串410)の厚さに対応した距離に設定されており、この距離を調整する機構として振り子部材調整手段124が設けられている。
【0035】
串崩し部材130は、串投入ホッパから排出された田楽串410の一端(この場合は田楽串410の先端)に向かって突出し、田楽串410の先端の重なりを崩す機能を有する。この串崩し部材130には、この串崩し部材130の突出位置を使用する串に応じて調整する串崩し部材調整手段131が設けられている。
【0036】
串送り羽根150は、第2のモータ190-2により駆動され、串投入ホッパ110内から順次排出された田楽串410を一本ずつ第1の串搬送路140-1上に搬出する動作を行う。
【0037】
第1の串搬送路140-1上に設けられた回転ブラシ160は、第1のモータ190-1により第1の串搬送路140-1上を搬送される田楽串410に対してその搬送方向とは逆の力を加えるように回転制御され、これにより第1の串搬送路140-1上を搬送される田楽串410が重なるのを防止している。
【0038】
第1の串搬送路140-1上を整列搬送された田楽串410は、第1の串搬送路140-1の頂点に達すると、第1の串搬送路140-1に繋がる所定の角度で下方に傾斜した第2の串搬送路140-2に導かれる。
【0039】
第2の串搬送路140-2の上部には第2の串搬送路140-2上を搬送される田楽串410を上から押さえる串押え部材170が設けられており、この串押え部材170には、この串押え部材170と第2の串搬送路140-2の上面との間の距離を使用する串の厚さ(この場合は田楽串410の厚さ)応じて調整する串押え部材調整手段171が設けされている。
【0040】
第2の串搬送路140-2の下端部には、その外周面の母線方向と一致するように次に説明する串ロール120が近接して配設されている。
【0041】
このような構成によると、田楽串410をその幅方向を第2の串搬送路140-2の上面に沿わせた状態で串ロール120に安定して整列供給することができる。
【0042】
なお、串供給装置100の振り子部材調整手段124、串崩し部材調整手段131、串押え部材調整手段171を使用する串に対応して調整し、更に第1のモータ190-1、第2のモータ190-2の駆動を制御することにより、種々の形状の串を串ロール120に安定して整列供給することが可能になる。
【0043】
図6は、図1に示した万能串刺食品製造装置の串刺装置の詳細を示す側面図である。
【0044】
図6において、串刺装置200の串ロール210は、その外周面の母線方向が串搬送路140-2の下端部に一致するように串搬送路140-2の下端部に近接して配設される。串ロール120の外周面上には使用する串(この場合は田楽串410)に対応する串溝211が等間隔で設けられている。すなわち、この実施例では、その深さが田楽串410の厚さ、幅が田楽串410の幅に対応するように串溝211が形成されている。したがって、串ロール120の串溝211には、田楽串410がその幅方向が串ロール120の半径方向と直交するようにして収容される。
【0045】
さて、この実施例の万能串刺食品製造装置において串刺対象食品は、一対の成形ロール310-1、310-2の挟圧により成形される米粉を用いた団子であり、この団子の形成位置が食品の串刺位置である。この実施例の万能串刺食品製造装置においては、この串刺位置に串ガイド220が配設される。
【0046】
串ガイド220には、田楽串410を収容するための使用する串に対応した形状の串レール221が設けられており、串ロール120の回転により串溝211に収容されて搬送される田楽串410は、串ガイド220の配設位置で串ロール120の串溝211から離脱して串ガイド220の串レール221内に落下する。このとき田楽串410は、串レール221内にその幅方向が垂直方向となるように収容される。串レール221内に収容された田楽串410はプッシャー230により一対の成形ロール310-1、310-2により形成された団子方向に押し出され、田楽串410による串刺対象食品である団子に対する串刺しが行われる。
【0047】
なお、プッシャー230は、プッシャー往復動制御部240により往復動制御され、田楽串410による串刺対象食品である団子に対する串刺しは、上記一対の成形ロール310-1、310-2のそれぞれの切欠き部311、312によりその挟圧位置で形成される串刺し孔313を通って行われる。
【0048】
串ロール120は、プッシャー230の串押し出し動作に同期して間欠駆動される。また、串有り無しセンサ(満杯検知手段)180により第2の串搬送路140-2上の田楽串410の満杯を検知すると、第2のモータ190-2を一時停止制御し、第1の串搬送路140-1から第2の串搬送路140-2上への田楽串410の搬入を停止する。なお、串有り無しセンサ(満杯検知手段)180により第2の串搬送路140-2上の田楽串410の満杯が解消したことが検出されると、再び第2のモータ190-2を駆動し、第1の串搬送路140-1から第2の串搬送路140-2上への田楽串410の搬入が再開される。
【0049】
上記構成において、串刺装置200の串ロール210及び串ガイド220は、使用する串に対応して交換可能に構成されており、使用する串に対応して串ロール210及び串ガイド220を交換することで、種々の形状の串を用いた食品の串刺しを安定して行うことができる。
【0050】
ここで、串ガイド220の串レール221は使用する串の形状に対応した形状を有し、ここに収容される串の中心は、串刺対象食品の中心と一致するように串ガイド220が配設されているので、串の形状が変化しても、プッシャー230により串刺対象食品の中心に正確に串刺しを行うことができる。
【0051】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【0052】
例えば、上記実施例では、田楽串410を使用し、串刺対象食品としては米粉を練り上げて成形した団子を用いる場合について説明したが、田楽串410以外の平串420、五平串430、角串440、丸串450、鉄炮串460等を用いても同様に構成することができる。また、串刺対象食品も米粉を練り上げて成形した団子だけでなく、獣肉、鳥肉、魚肉等のすり身からなる練食品の成形品を用いても同様に構成できる。
【0053】
また、獣肉、鳥肉、魚肉等のすり身からなる練食品の成形品を用いる場合は、材料の性質上、串刺対象食品の成形と串刺しの2工程が必要であったが、本発明の場合成型ロールを用いているので、1工程で串刺食品の製造が可能になり、生産性の更なる向上が期待できる。
【符号の説明】
【0054】
100…串供給装置
110…串投入ホッパ
120…振り子装置
121…振り子部材
122…振り子カム
124…振り子部材調整手段
130…串崩し部材
131…串崩し部材調整手段
140-1…第1の串搬送路
140-2…第2の串搬送路
150…串送り羽根
160…回転ブラシ
170…串押え部材
180…串有り無しセンサ(満杯検知手段)
190-1…第1のモータ
190-2…第2のモータ
210…串ロール
211…串溝
220…串ガイド
221…串レール
230…プッシャー
240…プッシャー往復動制御部
310-1、310-2…成形ロール
313…串刺し孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6