(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2019197571
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大家 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】竹市 秀之助
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 哲也
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-065501(JP,A)
【文献】特開2018-000807(JP,A)
【文献】特開2005-080837(JP,A)
【文献】特開2018-007945(JP,A)
【文献】特開2019-097776(JP,A)
【文献】特開2014-068838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常遊技状態と、
当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態と、を含む複数の遊技状態から1の遊技状態に設定する遊技状態設定手段を備え、
前記遊技状態設定手段は、
前記特別遊技状態の設定中に所定の終了条件が成立した場合にはその特別遊技状態の設定を終了するときがある遊技機において、
所定モードを含む複数のモードから1のモードに設定可能なモード設定手段を備え、
前記通常遊技状態を除いた遊技状態であって、前記特別遊技状態を含んだ遊技状態である有利遊技状態が一連で設定される有利区間の単位遊技数には所定の上限回数が設けられており、
前記モード設定手段は、
前記有利区間の開始によってモードを設定し、前記有利区間の終了によって設定したモードを終了し、設定したモードを前記有利区間中に変更しないものであり、
前記有利遊技状態には、前記特別遊技状態以外に特殊遊技状態があり、
前記特別遊技状態は、前記特殊遊技状態から移行される遊技状態であり、
前記所定モードとは、前記特殊遊技状態の設定中における単位遊技数が所定数以下であるときよりも前記所定数を超えたときに、当該特殊遊技状態から前記特別遊技状態に遊技状態が移行し易いモードであり、
前記有利区間における前記特殊遊技状態の設定中、当該有利区間の単位遊技数が前記所定の上限回数に達する場合には、当該特殊遊技状態の設定および前記有利区間がそれぞれ終了し、
前記所定モードが設定された前記特別遊技状態の設定中、前記所定の終了条件が成立して
当該特別遊技状態の設定が終了するときに、その終了する時点の単位遊技から前記所定の上限回数に該当することになる単位遊技までの単位遊技数(以下「残ゲーム数」ともいう)が所定数を超える場合には前記有利区間が終了
せずに前記特別遊技状態から前記特殊遊技状態に移行する一方、前記残ゲーム数が前記所定数以下である場合には前記有利区間が終了することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴式遊技機(パチスロ遊技機,スロットマシン)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からある遊技機として、移行抽選に当選すると所定の遊技状態に移行する遊技機が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機は、1つの終了条件が成立した場合に一方の遊技状態から他方の遊技状態に移行する構成を備えたものであり、そのような遊技機には遊技興趣の向上の観点から改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、
通常遊技状態と、当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態と、を含む複数の遊技状態から1の遊技状態に設定する遊技状態設定手段を備え、
前記遊技状態設定手段は、
前記特別遊技状態の設定中に所定の終了条件が成立した場合にはその特別遊技状態の設定を終了するときがある遊技機において、
所定モードを含む複数のモードから1のモードに設定可能なモード設定手段を備え、
前記通常遊技状態を除いた遊技状態であって、前記特別遊技状態を含んだ遊技状態である有利遊技状態が一連で設定される有利区間の単位遊技数には所定の上限回数が設けられており、
前記モード設定手段は、
前記有利区間の開始によってモードを設定し、前記有利区間の終了によって設定したモードを終了し、設定したモードを前記有利区間中に変更しないものであり、
前記有利遊技状態には、前記特別遊技状態以外に特殊遊技状態があり、
前記特別遊技状態は、前記特殊遊技状態から移行される遊技状態であり、
前記所定モードとは、前記特殊遊技状態の設定中における単位遊技数が所定数以下であるときよりも前記所定数を超えたときに、当該特殊遊技状態から前記特別遊技状態に遊技状態が移行し易いモードであり、
前記有利区間における前記特殊遊技状態の設定中、当該有利区間の単位遊技数が前記所定の上限回数に達する場合には、当該特殊遊技状態の設定および前記有利区間がそれぞれ終了し、
前記所定モードが設定された前記特別遊技状態の設定中、前記所定の終了条件が成立して当該特別遊技状態の設定が終了するときに、その終了する時点の単位遊技から前記所定の上限回数に該当することになる単位遊技までの単位遊技数(以下「残ゲーム数」ともいう)が所定数を超える場合には前記有利区間が終了せずに前記特別遊技状態から前記特殊遊技状態に移行する一方、前記残ゲーム数が前記所定数以下である場合には前記有利区間が終了することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技興趣の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る遊技機の全体斜視図である。
【
図4】主制御基板側の回路構成を示すブロック図である。
【
図5】サブ制御基板側の回路構成を示すブロック図である。
【
図7】遊技役の種類および払出枚数を示す表である。
【
図10】主制御基板タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図13】遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図16】発動遊技数選択処理のフローチャートである。
【
図17】(A)はモードA用第1発動遊技数選択テーブルであり、(B)はモードA用第2発動遊技数選択テーブルである。
【
図18】(A)はモードB用第1発動遊技数選択テーブルであり、(B)はモードB用第2発動遊技数選択テーブルである。
【
図19】(A)はモードC用第1発動遊技数選択テーブルであり、(B)はモードC用第2発動遊技数選択テーブルである。
【
図20】ベット・開始操作受付処理のフローチャートである。
【
図23】リール回転開始処理のフローチャートである。
【
図24】回転開始制御処理のフローチャートである。
【
図25】リール定速回転処理のフローチャートである。
【
図26】オープニングリール処理のフローチャートである。
【
図27】オープニングリール処理において、通常態様での全リールの停止についての説明図である。
【
図28】リール回転停止処理のフローチャートである。
【
図30】停止表示図柄判定処理のフローチャートである。
【
図32】第1RT状態処理のフローチャートである。
【
図33】有利区間継続判定処理のフローチャートである。
【
図34】第2RT状態処理のフローチャートである。
【
図36】(A)は第1上乗せ遊技数選択テーブルであり、(B)は第2上乗せ遊技数選択テーブルである。
【
図37】終了時移行フラグ設定処理のフローチャートである。
【
図39】コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図40】役決定結果コマンド受信処理のフローチャートである。
【
図41】(A)は入賞操作報知演出に用いる画像の説明図であり、(B)は入賞操作成功演出に用いる画像の説明図であり、(C)は入賞操作失敗演出に用いる画像の説明図である。
【
図42】SB操作コマンド受信処理のフローチャートである。
【
図43】変更例の発動遊技数選択処理のフローチャートである。
【
図44】変更例の発動遊技数選択処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.スロットマシンの構造
本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機1(以下、スロットマシン1ともいう)について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてスロットマシン1の各部の上下方向および左右方向は、そのスロットマシン1に対面する遊技者にとっての上下方向および左右方向に一致させて説明する。また、スロットマシン1の各部の前方向をそのスロットマシン1に対面する遊技者に近づく方向とし、スロットマシン1の各部の後方向をそのスロットマシン1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0009】
まず、
図1に示す全体斜視図および
図2に示す正面図を参照しつつ、スロットマシン1の全体的な構造について説明する。スロットマシン1は、
図1に示すようにキャビネット2と前面扉3とを備えている。キャビネット2は前面を開放した箱状をなしており、前面扉3はそのキャビネット2の前面側に開閉自在に取り付けられている。キャビネット2および前面扉3は、スロットマシン1の筐体4をなしている。
【0010】
本スロットマシン1では、前面扉3が閉状態である場合(つまり、
図1に示すような状態にある場合)には、前面扉3によってキャビネット2の前面側が閉鎖されるように構成されている。すなわち、キャビネット2および前面扉3には図示しないロック機構が設けられており、施錠時には前面扉3にある鍵穴16に専用の鍵を差し込んで解錠しない限り、キャビネット2を開放できない構成になっている。従って、ホール関係者(ホール管理者)以外の者(例えば遊技者)が前面扉3を開状態にして筐体4内を触れることはできない。
【0011】
前面扉3の中央部上寄りには、樹脂製の板材からなる表示パネルPが配置されている(
図1および
図2参照)。この表示パネルPの中央には、縦長の3つの表示窓5L,5C,5Rが横並びに設けられている。具体的には、左側から順に左表示窓5L、中表示窓5Cおよび右表示窓5Rが並んでいる。表示窓5L,5C,5Rは透明とされており、各表示窓5L,5C,5Rを通して、上記キャビネット2の内部を視認可能に構成されている。なお、各表示窓5L,5C,5Rの間を仕切る部位をなくして1つの表示窓としてもよい。
【0012】
キャビネット2の内部には、左リール6L、中リール6Cおよび右リール6Rが収納されている。これら複数の各リール6L,6C,6Rはそれぞれ円筒状に形成されている。具体的には、透光性を有する部材(本実施形態では透明な樹脂製の部材)で構成された円筒状のドラム部(図示しない)の外周部分に、同じく透光性を有する後述のリールテープ7L,7C,7Rを1周巻回してできている。よって、左リール6Lの外周面には左リールテープ7Lに描かれた図柄が、中リール6Cの外周面には中リールテープ7Cに描かれた図柄が、右リール6Rの外周面には右リールテープ7Rに描かれた図柄がそれぞれ付されている。
【0013】
各リール6L,6C,6Rはいずれも回転可能に支持されている。具体的には、各々の中心軸線が当該リール6L,6C,6Rの回転軸線となるように支持されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸線は同一軸線上に配設されており、
図1および
図2に示すように、それぞれのリール6L,6C,6Rが各表示窓5L,5C,5Rと1対1で対応している。よって、各リール6L,6C,6Rの外周面の一部がそれぞれ対応する表示窓5L,5C,5Rを通して視認可能な状態となっている。
【0014】
また、リール6L,6C,6Rが回転しているときには、各表示窓5L,5C,5Rを通して、リール6L,6C,6Rの外周面が上から下へ向かって移動しているように見える。よって、リール6L,6C,6Rが回転している状態では、各リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄が、各表示窓5L,5C,5Rの枠内にて上から下に変動表示される。
【0015】
また、各表示窓5L,5C,5Rから視認可能な図柄数は、リール6L,6C,6R毎に3個ずつとなっている(
図2中の破線で示す丸印を参照)。このため、各リール6L,6C,6Rがいずれも停止している状態では、9個の図柄が表示窓5L,5C,5Rを通じて視認可能である。
【0016】
また、本スロットマシン1には、
図2に示すように、各リール6L,6C,6Rの図柄が視認可能となる位置を結んだ有効ラインL1が設定されている。この有効ラインL1は、
図2の一点鎖線で示す、左リール6Lの中段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの中段図柄を結んだ一直線のラインである。なお、上述の有効ラインL1をなしている各表示窓5L,5C,5R内の位置を所定の位置ともいう。
【0017】
有効ラインL1上に、遊技役に応じた停止表示図柄が停止した場合には、その遊技役の入賞が成立する。遊技役が成立した場合には、遊技媒体である遊技メダル(以下、単にメダルともいう)が所定の数払い出される特典や、遊技状態が移行する特典や、再遊技の特典が付与される。遊技役、図柄の組み合わせおよび遊技役の成立時の特典については、後ほど詳述する。
【0018】
なお例えば、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの上段図柄,右リール6Rの上段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの下段図柄,右リール6Rの下段図柄を結んだラインや、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄を結んだライン等、有効ラインL1以外の一直線のラインを有効ラインとしてもよい。また例えば、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄を結んだライン等、一直線ではなく左右対称型のラインを有効ラインとしてもよい。また例えば、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの中段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの中段図柄を結んだライン等、一直線ではなく左右非対称型のラインを有効ラインとしてもよい。また、有効ラインとして上述した各ラインを複数用いてもよい。
【0019】
また、表示パネルPの下方左側には、各リール6L,6C,6Rの回転を開始させるために遊技者が操作可能なスタートレバー(開始操作部)8が設けられている(
図1および
図2参照)。所定の数(遊技開始可能枚数)のメダルが投入されているときにスタートレバー8が操作されると、各リール6L,6C,6Rの回転が開始されて、表示窓5L,5C,5Rを通して図柄の変動表示が開始される。なお本実施形態では、遊技状態によらず遊技開始可能枚数は「3」である。つまり、本スロットマシン1は3枚掛け専用機である。
【0020】
また、表示パネルPの下方中央、且つ、スタートレバー8の右方には、回転中の各リール6L,6C,6Rを個別に停止させることが可能なストップボタン(停止操作部)9L,9C,9Rが設けられている(
図1および
図2参照)。
【0021】
左ストップボタン9Lは、左リール6Lの回転駆動を停止させることが可能なものである。よって、左リール6Lの回転中に遊技者が左ストップボタン9Lを操作(押圧操作)した場合には、その操作に基づいて左リール6Lの回転が停止する。これにより、左リール6Lに付された図柄が変動表示から停止表示になる。また、中ストップボタン9Cは、中リール6Cの回転駆動を停止させることが可能なものである。よって、中リール6Cの回転中に遊技者が中ストップボタン9Cを操作(押圧操作)した場合には、その操作に基づいて中リール6Cの回転が停止する。これにより、中リール6Cに付された図柄が変動表示から停止表示になる。また、右ストップボタン9Rは、右リール6Rの回転駆動を停止させることが可能なものである。よって、右リール6Rの回転中に遊技者が右ストップボタン9Rを操作(押圧操作)した場合には、その操作に基づいて右リール6Rの回転が停止する。これにより、右リール6Rに付された図柄が変動表示から停止表示になる。
【0022】
また、表示パネルPの右下側の前方には、メダル投入口10が設けられている(
図1および
図2参照)。メダル投入口10は、単位遊技(一遊技、スロットゲーム、あるいは単に遊技やゲームともいう)を行うためのベット操作としてメダルを本スロットマシン1に投入するためのものである。このメダル投入口10内には、投入されたメダルを検出するための投入メダル検出センサ10aが設けられている。このため、メダル投入口10にメダルが投入された場合には、メダルの投入があった旨の信号が投入メダル検出センサ10aから出力される。
【0023】
また、メダル投入口10の左方には、MAXベットボタン11および1ベットボタン12が設けられている(
図1および
図2参照)。本スロットマシン1は、余剰に投入したメダルや払い出されたメダルを、所定の最大値(具体的には50枚)になるまで仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有している。このクレジット機能が有効な場合には、RAM64の所定の記憶領域に貯留記憶されている仮想メダルの枚数が、表示パネルP内の表示窓5L,5C,5Rの下方左側に設けたクレジット表示部21に表示される(
図2参照)。RAM64については、後ほど詳述する。
【0024】
MAXベットボタン11は、一回の押下操作に伴って、仮想メダルを遊技開始可能枚数(具体的には「3」)まで追加投入するためのボタンである。また、1ベットボタン12は、一回の押下操作に伴って、仮想メダルを1枚投入するためのボタンである。よって、遊技者は、MAXベットボタン11又は1ベットボタン12を押下操作することで、クレジット機能で記憶されている仮想メダルを単位遊技に用いることが可能となっている。つまり、MAXベットボタン11又は1ベットボタン12の操作は、メダル(遊技媒体)の投入操作に該当する。
【0025】
また、スタートレバー8の左方には、精算ボタン14が設けられている(
図1および
図2参照)。精算ボタン14は、上記クレジット機能を有効又は無効にするためのスイッチである。このため、例えば仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン14を操作した場合には、クレジット表示部21に表示されていた枚数分のメダルが後述のメダル払出口38から払い出される。
【0026】
また、表示パネルPのうち各表示窓5L,5C,5Rの下方には、LED(Light Emitting Diode)からなるストップ報知ランプ30L,30C,30Rがそれぞれ設けられている(
図2参照)。具体的には、左表示窓5Lのすぐ下方に左ストップ報知ランプ30Lが、中表示窓5Cのすぐ下方に中ストップ報知ランプ30Cが、右表示窓5Rのすぐ下方に右ストップ報知ランプ30Rがそれぞれ配置されている。つまり、ストップ報知ランプ30L,30C,30Rは、リール6L,6C,6Rの各々の近傍にそれぞれある(
図1および
図2参照)。
【0027】
これらストップ報知ランプ30L,30C,30Rは、当選した小役3,小役4又は小役5の「正解押し順」の第1停止操作がストップボタン9L,9C,9Rのどのストップボタンの操作であるかを遊技者に報知するためのランプである。なお、小役3~小役5、正解押し順および第1停止操作については、後ほど詳述する。
【0028】
また、表示パネルPのうち右表示窓5Rの下方には、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23および投入可能表示ランプ24が設けられている(
図2参照)。払出枚数表示部22は、2個の7セグメント表示器によって構成されており、遊技役の入賞に伴う払い出しの際にその枚数に応じたメダルの払出枚数を表示したり、遊技中に生じたエラーの情報(エラーコード)を表示したりする。また、再遊技表示ランプ23は、前回の単位遊技で再遊技役が成立して後述の自動ベット処理が行われたことを点灯により報知する。また、投入可能表示ランプ24は、メダルの投入が可能な状態であることを点灯により報知する。
【0029】
また、上記クレジット表示部21の左方には、ベット数表示ランプ25および遊技開始表示ランプ26が設けられている(
図2参照)。ベット数表示ランプ25は3つのランプからなり、ベット操作(メダル投入口10へのメダル投入、自動ベット処理、MAXベットボタン11又は1ベットボタン12の操作)によって、投入されたメダル数に応じた数のランプが点灯する。また、遊技開始表示ランプ26は、遊技の開始が可能であること、すなわち、スタートレバー8の操作が可能な状態であることを点灯により報知する。
【0030】
また、表示パネルPのうち右表示窓5Rの右方下側の位置には、特殊役報知ランプ27が設けられている(
図2参照)。2つのランプからなる特殊役報知ランプ27は、チェリー小役(小役1,小役9)又はスイカ小役(小役2,小役10)に当選した場合に、その遊技役に対応したランプが点灯可能になっている。具体的に、チェリー小役に当選した場合には、特殊役報知ランプ27のうちチェリー小役に対応したランプがリールの回転中に点灯可能である。また、スイカ小役に当選した場合には、特殊役報知ランプ27のうちスイカ小役に対応したランプがリールの回転中に点灯可能である。つまり、特殊役報知ランプ27の点灯により、チェリー小役又はスイカ小役に当選していることを遊技者に報知する。これにより遊技者は、当選しているチェリー小役又はスイカ小役の入賞の成立を狙って各リール6L,6C,6Rを停止させることが可能となっている。なお、チェリー小役(小役1,小役9)およびスイカ小役(小役2,小役10)については、後ほど詳述する。
【0031】
また、上記遊技開始表示ランプ26の上方には、LEDからなる有利区間ランプ29が設けられている(
図2参照)。有利区間ランプ29には点灯態様(以下、単に点灯ともいう)と消灯態様(以下、単に消灯ともいう)とがある。有利区間ランプ29は、遊技状態が非RT遊技状態の場合には消灯する。一方、遊技状態が第2RT遊技状態の場合には点灯する。なお、遊技状態が第1RT遊技状態の場合には、所定の条件によって点灯するときと消灯するときとがある。有利区間ランプ29は、
図2に示すように遊技者が視認できる位置にあるため、有利区間ランプ29が点灯している場合には遊技状態が第1RT遊技状態、若しくは、第2RT遊技状態であることを遊技者が把握可能となっている。逆に、有利区間ランプ29が消灯している場合には遊技状態が非RT遊技状態、若しくは、第1RT遊技状態であることを遊技者が把握可能となっている。遊技状態(非RT遊技状態,第1RT遊技状態,第2RT遊技状態)について、および、第1RT遊技状態において有利区間ランプ29が点灯する条件および消灯する条件については、後ほど詳述する。
【0032】
また、前面扉3の下部には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル払出口38と、そのメダル払出口38によって払い出されたメダルを一定量まで貯留可能な受皿ユニット39とが配設されている(
図1および
図2参照)。
【0033】
一方、前面扉3の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする複数の演出用ランプ40と、遊技の進行に伴い種々の効果音などの音声を出力可能な左右一対のスピーカ41と、遊技者に各種情報を表示可能な画像表示装置42の表示画面42aとが設けられている。画像表示装置42は、遊技の進行に伴って各種画像演出を実行するためのものである。
【0034】
また、筐体4の内側にあたる前面扉3の裏側(図示しない)には、リセット/設定ボタン19および設定表示部28が設けられている。リセット/設定ボタン19は、前面扉3が開状態のときに所定の操作が可能なものである。通常時には、エラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能する。すなわち、通常時にリセット/設定ボタン19の操作(押圧操作)がなされた場合には、RAM64に記憶されたデータが消去されて、RAM64の作業領域が初期化される。一方、設定変更時には、設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。このとき設定表示部28には、設定された設定値(「1」~「6」のうちのいずれかの値)が点灯表示される。
【0035】
また、本スロットマシン1のキャビネット2の内部(図示しない)には、メダル投入口10から投入されたメダルを貯留するメダル金庫、メダル金庫に貯留されたメダルをメダル払出口38から払い出すためのホッパー、および、電源ボックスが設けられている。電源ボックスには、本スロットマシン1への電源投入および電源断時の操作のための電源スイッチ92、および、設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ18が設けられている。
【0036】
次に、
図3を参照して、各リール6L,6C,6Rに付されている図柄について説明する。
図3は、各リール6L,6C,6Rをなす帯状のリールテープ7L,7C,7Rの概念図である。左リールテープ7Lは左リール6Lに、中リールテープ7Cは中リール6Cに、右リールテープ7Rは右リール6Rにそれぞれ用いられる。
図3に示すように、各リールテープ7L,7C,7Rには20個の図柄が長手方向(
図3中、上下方向)に沿って一列に描かれている。なお、
図3において、各リールテープ7L,7C,7Rに対応して「1」~「20」のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付されたものであり、各リールテープ7L,7C,7R、さらには各リール6L,6C,6Rに実際に付されているものではない。また、各リールに付される図柄をそれぞれ20個としたが、21個等、他の個数としてもよい。
【0037】
各リールテープ7L,7C,7Rには、複数種類の図柄が描かれている。具体的には「赤セブン」図柄、「チェリー1」図柄、「チェリー2」図柄、「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄、「スイカ3」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄がある(
図3参照)。
【0038】
本実施形態では「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄は見た目上、同一の図柄を用いている。但し、リール制御上では識別可能となっている。これら「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄を総称して「チェリー」図柄という。同様に「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄もまた見た目上、同一の図柄を用いているが、リール制御上では識別可能となっている。これら「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄を総称して「スイカ」図柄という。同じように「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄もまた見た目上、同一の図柄を用いているが、リール制御上では識別可能となっている。これら「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄を総称して「ブランク」図柄という。
【0039】
なお「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄が見た目上、互いに異なる図柄であってもよい。また「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄の少なくとも1つの図柄が見た目上、他の「スイカ」図柄と異なる図柄であってもよい。また「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄の少なくとも1つの「ブランク」図柄が、他の「ブランク」図柄と異なる図柄であってもよい。また、リールの図柄として上記12種類の図柄を用いた形態としたが、13種類以上の図柄を用いた形態や、2~11種類の図柄を用いた形態としてもよい。
【0040】
2.スロットマシンが備える回路の構成
次に、
図4および
図5を参照しつつ、本スロットマシン1の回路の構成(電気的な接続構成)について説明する。
図4に示す主制御基板60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ(遊技制御用マイコン)61を主たる構成要素とした基板(電子回路基板)である。遊技制御用マイコン61は、CPU(Central Processing Unit)62、ROM(Read Only Memory)63、RAM(Random Access Memory)64およびI/O(入出力回路)69によって構成されている。
【0041】
CPU62は、ROM63に記憶された制御プログラムに基づいて、遊技に関する制御を行う。CPU62には、クロックパルスを発生させるためのクロックパルス発生回路(図示しない)や、所定範囲の乱数(例えば、0~65535)を発生させるための乱数発生器(図示しない)や、発生させた乱数の中から用途に応じて少なくとも1つの値を抽出するサンプリング回路(図示しない)が接続されている。CPU62は、上記クロックパルス発生回路により発生するクロックパルスに基づいて制御プログラムを実行する。また、サンプリング回路によって抽出した乱数値を用いて、例えば遊技役の決定(抽選)などを行う。
【0042】
ROM63は、上記制御プログラムのほかに、後述の遊技役判定テーブル等のテーブルデータや、後述のサブ制御基板70に送信するための各種コマンド等を記憶している。RAM64は、制御プログラムの実行により決定された各種データを格納する格納領域を備えている。
【0043】
上述の遊技制御用マイコン61には、下記に示す各種センサ類、表示部類、駆動用モータ類および基板類が接続されている。すなわち、遊技制御用マイコン61には、
図4に示すスタート検出センサ8a、投入メダル検出センサ10a、MAXベット検出センサ11aおよび1ベット検出センサ12aが接続されている。スタート検出センサ8aは、スタートレバー8の操作を検出して信号を出力する。また、投入メダル検出センサ10aは、上述のメダル投入口10に投入されたメダルを検出して信号を出力する。すなわち、投入メダル検出センサ10aは、メダル投入口10へのメダルの投入操作を検出して主制御基板60に検出信号を出力する。MAXベット検出センサ11aは、MAXベットボタン11の操作(押下操作)を検出して信号を出力する。また、1ベット検出センサ12aは、1ベットボタン12の操作(押下操作)を検出して信号を出力する。すなわち、MAXベット検出センサ11aおよび1ベット検出センサ12aはいずれも、仮想メダルを用いた投入操作を検知して遊技制御用マイコン61(主制御基板60)に検出信号を出力する。
【0044】
また、遊技制御用マイコン61には、回胴検出センサ50a、払出メダル検出センサ52a、および、3つのリール位置検出センサ56La,56Ca,56Raが接続されている(
図4参照)。回胴検出センサ50aは、各リール6L,6C,6Rの回転速度が所定の設定速度に達した場合に信号を出力する。払出メダル検出センサ52aは、ホッパー(ホッパー用モータ51)の駆動により外部に払い出されたメダルを検出して信号を出力する。3つのリール位置検出センサ56La,56Ca,56Raは、各リール6L,6C,6Rのリール基準位置(例えば、
図3に示すコマ番号「1」の位置)がどこに停止しているかをそれぞれ検出して信号を出力する。
【0045】
また、3つのストップ検出センサ9La,9Ca,9Raが接続されている(
図4参照)。ストップ検出センサ9La,9Ca,9Raは、各ストップボタン9L,9C,9Rの操作(押圧操作)をそれぞれ検出して信号を出力する。具体的に、左ストップ検出センサ9Laは、左ストップボタン9Lの操作を検出して操作信号を出力する。また、中ストップ検出センサ9Caは、中ストップボタン9Cの操作を検出して操作信号を出力する。また、右ストップ検出センサ9Raは、右ストップボタン9Rの操作を検出して操作信号を出力する。よって、いずれか1つのストップボタンが操作された場合には、その操作されたストップボタンに対応したストップ検出センサから遊技制御用マイコン61(主制御基板60)に操作信号が出力される。
【0046】
また、精算検出センサ14a、扉開放検出センサ17a、設定キー検出センサ18a、および、リセット/設定検出センサ19aが接続されている(
図4参照)。精算検出センサ14aは、精算ボタン14の押圧操作を検出して信号を出力する。扉開放検出センサ17aは、前面扉3の開放を検出して信号を出力する。設定キー検出センサ18aは、設定キースイッチ18の設定変更モードへの切り替え操作を検出して信号を出力する。リセット/設定検出センサ19aは、リセット/設定ボタン19の押圧操作を検出して信号を出力する。
【0047】
また、遊技制御用マイコン61には、上述の各種表示部(具体的には、クレジット表示部21、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、ベット数表示ランプ25、遊技開始表示ランプ26、特殊役報知ランプ27、設定表示部28およびストップ報知ランプ30L,30C,30R)が接続されている(
図4参照)。このため、遊技制御用マイコン61は、各種表示用ランプの制御(例えば、点灯や消灯や数値の表示についての制御)が可能となっている。
【0048】
また、遊技制御用マイコン61には、メダルを払い出し可能なホッパーの駆動源であるホッパー用モータ51、および、各リール6L,6C,6Rを回転駆動させるためのリール用モータ55L,55C,55Rが接続されている。本実施形態のリール用モータ55L,55C,55Rはいずれもステッピングモータからなり、各リール6L,6C,6Rにそれぞれ連結している。各リール用モータ55L,55C,55Rは、各リール6L,6C,6Rをそれぞれ独立して回転駆動させ得る。かくして遊技制御用マイコン61は、ホッパーによるメダルの払い出しについての制御、および、リール用モータ55L,55C,55Rによる各リール6L,6C,6Rの駆動制御が可能となっている。
【0049】
また、遊技制御用マイコン61には、電源基板90が接続されている(
図4参照)。電源基板90は、主制御基板60に加えて、後述のサブ制御基板70および画像制御基板80に電力を供給するための基板である。なお、この電源基板90上には上述の電源スイッチ92が配置されている。
【0050】
また、遊技制御用マイコン61には、
図5に示すサブ制御基板70が接続されている。サブ制御基板70は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ(演出制御用マイコン)71を主たる構成要素とした基板である。この演出制御用マイコン71は、上記遊技制御用マイコン61と同じように、CPU72、ROM73、RAM74およびI/O79によって構成されている。
【0051】
CPU72は、主制御基板60から送信されたコマンドに応じて、ROM73に記憶された制御プログラムに基づいて、画像を用いた演出やランプを用いた演出や音声を用いた演出に関する制御を行う。このCPU72には、主制御基板60の上記CPU62と同じように、図示しない乱数発生器およびサンプリング回路が接続されており、そのサンプリング回路によって抽出した乱数値を用いて、例えば演出パターンの選定などを行う。ROM73は、上記制御プログラムや各種データ等を記憶している。RAM74は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板60から送信される各種データを格納する格納領域を備えている。
【0052】
また本実施形態では、サブ制御基板70から主制御基板60への情報伝達(信号の伝送)は不可能となっている。つまり、サブ制御基板70からの信号が主制御基板60へ出力されることはない。
【0053】
また、演出制御用マイコン71には、スピーカ41が接続されており(
図5参照)、演出制御用マイコン71が、スピーカ41からの音声、楽曲、効果音等の音声出力を制御する。
【0054】
また、演出制御用マイコン71には、上述の演出用ランプ40やバックランプ58L,58C,58R等のランプが接続されている(
図5参照)。バックランプ58L,58C,58Rは、各リール6L,6C,6Rの内側にそれぞれ配設されたランプである。各バックランプ58L,58C,58Rは、点灯によって、各リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄をリール内から照らすことが可能となっている。
【0055】
演出制御用マイコン71は上記ランプの点灯制御を行う。具体的には、演出用ランプ40やバックランプ58L,58C,58Rのランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯や消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従ってランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板70のROM73に格納されているデータを用いる。
【0056】
なお、サブ制御基板70には、上記遊技制御用マイコン61と同様、上述の電源基板90が接続されている(
図4および
図5参照)。
【0057】
また、演出制御用マイコン71には、
図5に示す画像制御基板80が接続されている。画像制御基板80はCPU82、ROM83、RAM84、VDP(Video Display Processor)85、CGROM(画像データROMともいう)86、VRAM(ビデオRAMともいう)87およびI/O89を備えている(
図5参照)。
【0058】
CPU82は、主に画像表示装置42の表示制御を行う。ROM83は、このCPU82が実行するプログラムを格納している。RAM84は、CPU82の処理時にそのワークメモリとして機能する。
【0059】
また、VDP85は、画像表示装置42に表示する画像(主に動画像(映像))を出力する。CGROM86は、画像表示装置42に表示する画像の画像要素データを格納している。すなわち、画像表示装置42に表示する各種演出画像に用いるための各画像(具体的には、キャラクタ(例えば、人物やマスコットや、人物又はマスコットを模した(デフォルメした)もの)の画像であるキャラクタ画像や、このキャラクタ画像に用いられるキャラクタ以外の物体、図形等の画像であるオブジェクト画像や、数字や記号等を含む文字画像や、背景画像など)の画像要素データを格納している。VRAM87は、VDP85と接続されており、画像要素データを画像出力データに展開するためのメモリとして機能する。つまり、VDP85が画像要素データを画像出力データに展開するためのフレームバッファメモリである。
【0060】
画像制御基板80のCPU82は、サブ制御基板70から画像演出に関するコマンド(例えば、後述するモード開始コマンドや演出態様コマンド等)を受信すると、上記VDP85、CGROM86およびVRAM87を用いて、受信した上記コマンドに基づき画像表示装置42における画像演出の表示制御を行う。すなわち、VDP85に、CGROM86から読み出した画像要素データをVRAM87に展開させて、画像表示装置42の表示画面42aに表示し得る画像出力データ(フレーム画像データ)を作成させる。そして、その画像出力データを、I/O89を通じて画像信号(ビデオ信号)で画像表示装置42に出力させる。
【0061】
なお、画像制御基板80には、上記主制御基板60および上記サブ制御基板70と同様、上述の電源基板90が接続されている(
図4および
図5参照)。
【0062】
上述したように、サブ制御基板70が音声演出とランプ演出とを制御して、画像制御基板80が画像演出を制御している。そこで本実施形態では、サブ制御基板70と画像制御基板80とをまとめて、遊技に伴う演出を制御可能な演出制御部という。
【0063】
3.遊技状態
本スロットマシン1には、
図6に示す第1RT遊技状態、第2RT遊技状態および非RT遊技状態の3種類の遊技状態がある。
【0064】
非RT遊技状態は標準となる通常の遊技状態である。これに対し、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態は非RT遊技状態よりも再遊技役が成立し易い。すなわち、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態は非RT遊技状態よりも再遊技役に当選する確率が高く設定されている。このように、通常状態(非RT遊技状態)よりも再遊技役の当選確率が高くなっている状態(第1RT遊技状態および第2RT遊技状態)を特にリプレイタイムともいう。
【0065】
再遊技役に当選してその入賞が成立した場合には、次の単位遊技(次ゲーム)に自動ベット処理(後述)が行われるので、遊技者はメダルの使用を抑えることができる。従って、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態では、非RT遊技状態のときよりも再遊技役に当選し易く、複数回の単位遊技にわたってメダルの減りを抑えることが可能となっている。その点で、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態とは、非RT遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0066】
第1RT遊技状態は、再遊技役に割り当てられている乱数値の数が非RT遊技状態よりも多くなっている(
図9参照)。そのため、遊技状態が第1RT遊技状態のときには、非RT遊技状態のときよりも再遊技役に当選し易い。
【0067】
第2RT遊技状態もまた、第1RT遊技状態と同じように、再遊技役に割り当てられている乱数値の数が非RT遊技状態よりも多くなっている(
図9参照)。そのため、遊技状態が第2RT遊技状態のときには、非RT遊技状態のときよりも再遊技役に当選し易い。
【0068】
但し、本実施形態の第1RT遊技状態(および非RT遊技状態)ではAT(アシストタイム)が設定されないけれども、第2RT遊技状態ではATが設定される。ATとは、当選している遊技役についての当選の報知や押し順に関する報知を行う機能のことである。なお、第2RT遊技状態においてATが設定された状態を、特にアシストリプレイタイム(ART)ともいう。
【0069】
例えば、遊技状態が第2RT遊技状態である場合に、小役3、小役7および小役8に重複当選した場合には、小役3の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。具体的には、左ストップ報知ランプ30Lを用いた左ストップボタン9Lの押圧操作に関する報知がなされたり、画像表示装置42を用いた後述の入賞操作報知演出がなされたりする。また、例えば小役4、小役6および小役8に重複当選した場合には、小役4の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。また、例えば小役5、小役6および小役7に重複当選した場合には、小役5の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。かくして、第2RT遊技状態で小役3~小役8に当選した場合には、遊技者が小役3、小役4又は小役5を成立(小役3、小役4又は小役5の入賞を成立)させ易くなっている。
【0070】
しかも、本実施形態では、小役3~小役5の成立時の払出枚数を小役6~小役8の払出枚数よりも相対的に多く設定している(
図7参照)。よって、第2RT遊技状態では、小役3~小役8に当選した場合、小役3、小役4又は小役5の入賞が成立し易く、一回の単位遊技でより多くのメダルを遊技者に獲得させ易い。
【0071】
また、例えばチェリー小役(小役1)又はスイカ小役(小役2)に当選した場合には、その当選の報知がなされる。具体的には、特殊役報知ランプ27を用いたチェリー小役又はスイカ小役の当選に関する報知がなされたり、画像表示装置42を用いた遊技役報知演出がなされたりする。よって、第2RT遊技状態でチェリー小役又はスイカ小役に当選した場合には、遊技者にその当選を把握させることが可能であり、停止操作によってチェリー小役又はスイカ小役の入賞の成立を遊技者に狙わせることが可能となっている。
【0072】
かくして、本実施形態の第2RT遊技状態では、第1RT遊技状態と異なりART(AT)が設定されることになるため、その点において、第2RT遊技状態の方が第1RT遊技状態(および非RT遊技状態)よりも遊技者に有利な遊技状態であるといえる。
【0073】
また、本実施形態では、遊技状態として第1RT遊技状態および第2RT遊技状態のいずれかが1回設定される期間、或いは、これら第1RT遊技状態および第2RT遊技状態が連続して設定される期間を特に「有利区間」という。本実施形態の有利区間は、非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行することで開始される。また、この有利区間中には非RT遊技状態を介さずに、第1RT遊技状態と第2RT遊技状態との間で遊技状態が連続して移行可能である。そして、RT遊技状態(第1RT遊技状態および第2RT遊技状態)から非RT遊技状態に遊技状態が移行することで有利区間が終了する。かくして、非RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行して以降、次の非RT遊技状態に遊技状態が移行するまで、有利区間は継続する。
【0074】
また、本実施形態では、遊技状態が非RT遊技状態から第2RT遊技状態に直接移行することはない。つまり、非RT遊技状態は第2RT遊技状態に移行する可能性がない(すなわちART(AT)の発動が発生しない)遊技状態である。それに対し、第1RT遊技状態は第2RT遊技状態に移行する可能性がある(すなわちART(AT)の発動が発生し得る)遊技状態である。
【0075】
また、本スロットマシン1には遊技状態とは別に遊技モードがある。本実施形態の遊技モードには、モードA、モードBおよびモードCの3種類の遊技モードがある。遊技モードがモードAに設定されている場合とモードBに設定されている場合とモードCに設定されている場合とで本スロットマシン1のゲーム性が異なる。
【0076】
具体的に、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行するまでの単位遊技の数(ゲーム数)である「発動遊技数(後述)」を決定(選択)するための選択テーブルが遊技モードによって異なる。すなわち、設定中の遊技モードがモードAの場合には、発動遊技数の決定時に、後述の「モードA用第1発動遊技数選択テーブル(
図17(A)参照)」および「モードA用第2発動遊技数選択テーブル(
図17(B)参照)」が参照される。また、モードBの場合には、後述の「モードB用第1発動遊技数選択テーブル(
図18(A)参照)」および「モードB用第2発動遊技数選択テーブル(
図18(B)参照)」が参照される。また、モードCの場合には、後述の「モードC用第1発動遊技数選択テーブル(
図19(A)参照)」および「モードC用第2発動遊技数選択テーブル(
図19(B)参照)」が参照される。
【0077】
本実施形態では「モードA用第1発動遊技数選択テーブル」および「モードA用第2発動遊技数選択テーブル」に基づいて選択可能な発動遊技数の範囲が「801」~「1000」の整数になっている。また「モードB用第1発動遊技数選択テーブル」および「モードB用第2発動遊技数選択テーブル」に基づいて選択可能な発動遊技数の範囲が「1」~「1000」の整数になっている。また「モードC用第1発動遊技数選択テーブル」および「モードC用第2発動遊技数選択テーブル」に基づいて選択可能な発動遊技数の範囲が「1」~「100」の整数になっている。すなわち、モードBの場合にはモードAの場合よりも少ない発動遊技数が決定され得る。さらに、モードCの場合にはモードAよりも少ない発動遊技数が決定される。よって、発動遊技数の決定において、モードCの場合が遊技者にとって最も有利であり、モードBの場合がその次に有利であり、モードAの場合が遊技者にとって最も不利である。
【0078】
また、遊技モードがモードAの場合、第2RT遊技状態の設定終了後に第1RT遊技状態に再び移行するときと、非RT遊技状態に移行するときとがある。具体的に、第2RT遊技状態の設定終了の時点における、有利区間の上限遊技数(後述)までの残りの遊技数(以下「残ゲーム数」ともいう)が「第1特定数(本実施形態では160(ゲーム))」を超える場合には、その第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更される。一方、残ゲーム数が第1特定数以下であれば、その第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が変更される。これにより、残ゲーム数が比較的少ない場合には、非RT遊技状態への移行に伴い、設定中のモードAを終了することが可能となっている。
【0079】
第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に再び移行したときに、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態での総遊技数(総ゲーム数)が上限遊技数(後述)に達した場合、或いは、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態にわたって遊技者が獲得した純増枚数(差枚数)の合計の値が上限枚数(後述)を超えた場合に、RT遊技状態(第1RT遊技状態,第2RT遊技状態)から非RT遊技状態に遊技状態が移行する。
【0080】
それに対し、遊技モードがモードBの場合、第1RT遊技状態から移行した第2RT遊技状態が「終了契機遊技数(後述)」まで続いた後には、その第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行する。
【0081】
また、遊技モードがモードCの場合、第1RT遊技状態から移行した第2RT遊技状態が「終了契機遊技数」まで続いた後、そのモードCに設定中である一連の有利区間における第2RT遊技状態の「設定回数」が「所定回数(本実施形態では3回)」に達していれば、非RT遊技状態に遊技状態が移行する。一方、その第2RT遊技状態の設定回数が所定回数に達していなければ、非RT遊技状態ではなく第1RT遊技状態に遊技状態が移行する。つまり、本実施形態では、モードCに設定中の一連の有利区間において、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態への移行が3回繰り返され得る。
【0082】
本実施形態の遊技モードは、遊技状態がRT遊技状態(第1RT遊技状態,第2RT遊技状態)のときには設定されるが、非RT遊技状態のときには設定されない。すなわち、遊技モードは有利区間中に設定されるけれども、有利区間以外のとき(非有利区間中)には設定されない。そのため、本実施形態では、遊技状態が非RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行した場合に、それに伴って遊技モードの設定が開始される。そして、遊技状態が第1RT遊技状態または第2RT遊技状態から非RT遊技状態に移行した場合に、遊技モードの設定が終了する。
【0083】
また、本実施形態では、非RT遊技状態から第1RT遊技状態への遊技状態の移行に伴って設定された遊技モードが、第1RT遊技状態或いは第2RT遊技状態から非RT遊技状態に移行するまでの間、変化しない。つまり、1回の有利区間中に遊技モードが変更されることはない。よって、遊技状態が第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行しても、第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行しても、その遊技状態の移行によって遊技モードの種別が変化することはない。つまり、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態の間で遊技状態が移行しても、設定中の遊技モードの種別は維持される。かくして、一回選択された遊技モードの種別は、遊技状態が非RT遊技状態に移行するまで継続される。
【0084】
次に、本実施形態における遊技状態の移行(変更)について以下に説明する。本実施形態では、遊技状態が非RT遊技状態のときに条件A(条件A1,条件A2,条件A3)が成立した場合には、その後の遊技状態が非RT遊技状態から第1RT遊技状態に変更される(
図6(B)、
図6(C)および
図6(D)参照)。条件Aとは、当選役決定処理(後述)で遊技役として「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」、「小役6」、「小役7」又は「小役8」に当選することである。
【0085】
本実施形態では、
図6(B)に示すように、遊技状態が非RT遊技状態のときに条件A1が成立した場合には、その次のゲームで非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更されて、遊技モードがモードAに設定される。条件A1とは、当選役決定処理で遊技役として「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」、「小役6」、「小役7」又は「小役8」に当選し、その後のモード選択処理(後述)で遊技モードがモードAに決定することである。
【0086】
また、
図6(C)に示すように、遊技状態が非RT遊技状態のときに条件A2が成立した場合には、その次のゲームで非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更されて遊技モードがモードBに設定される。条件A2とは当選役決定処理で遊技役として「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」、「小役6」、「小役7」又は「小役8」に当選し、その後のモード選択処理で遊技モードがモードBに決定することである。
【0087】
さらに、
図6(D)に示すように、遊技状態が非RT遊技状態のときに条件A3が成立した場合には、その次のゲームで非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更されて遊技モードがモードCに設定される。条件A3とは当選役決定処理で遊技役として「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」、「小役6」、「小役7」又は「小役8」に当選し、その後のモード選択処理で遊技モードがモードCに決定することである。
【0088】
以上により、非RT遊技状態のときに条件A(条件A1,条件A2,条件A3)が成立した場合には、その次のゲームで遊技状態が非RT遊技状態から第1RT遊技状態に変更される。つまり、非RT遊技状態からそれよりも遊技者に有利な第1RT遊技状態に「昇格」する。
【0089】
また、遊技状態が第1RT遊技状態のときに条件Bが成立した場合には、その後の遊技状態が第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に変更される(
図6(B)~
図6(D)参照)。条件Bとは、第1RT遊技状態でのゲーム数が「発動遊技数(後述)」に達すること、或いは、「発動遊技数」に達する前の第1RT遊技状態で「小役9」又は「小役10」に当選することである。
【0090】
本実施形態では、第1RT遊技状態のときに条件Bが成立した場合には、その次のゲームで遊技状態が第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に変更される。つまり、第1RT遊技状態からそれよりも遊技者に有利な第2RT遊技状態に「昇格」する。なお、本実施形態では、設定中の遊技モードがモードA、モードBおよびモードCのいずれであっても、条件Bが成立した場合には、その後の遊技状態が第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に変更される(
図6(B)~
図6(D)参照)。
【0091】
遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C(条件C1,条件C2,条件C3,条件C4,条件C5)が成立した場合には、その後の遊技状態が第2RT遊技状態から変更される(
図6(B)~
図6(D)参照)。条件Cとは第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達することである。この終了契機遊技数とは、第2RT遊技状態の設定が継続可能な単位遊技数(ゲーム数)である。本スロットマシン1は、後述の条件Lが成立しない限り第2RT遊技状態の設定が終了契機遊技数、継続する構成になっている。
【0092】
本実施形態では、終了契機遊技数の最小値として「30(ゲーム)」が設定されている。また、第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10に当選した場合には、終了契機遊技数に「上乗せ遊技数」が加算(「上乗せ」)される。よって、1回の第2RT遊技状態の設定時に少なくとも「30ゲーム」が継続可能となっている。
【0093】
図6(B)に示すように、モードAの設定中、遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C1が成立した場合には、その次のゲームで第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更される。条件C1とは、第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達すること、且つ、その時点(第2RT遊技状態でのゲーム数が終了契機遊技数に達した時点)での上記「残ゲーム数」が上記「第1特定数(160ゲーム)」を超えていることである。
【0094】
また、
図6(B)に示すように、モードAの設定中、遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C2が成立した場合には、その次のゲームで第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が変更される。条件C2とは、第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達すること、且つ、その時点での「残ゲーム数」が「第1特定数」以下であることである。
【0095】
また、
図6(C)に示すように、モードBの設定中、遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C3が成立した場合には、その次のゲームで第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が変更される。条件C3とは、第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達することである。
【0096】
さらに、
図6(D)に示すように、モードCの設定中、遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C4が成立した場合には、その次のゲームで第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更される。条件C4とは、第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達すること、且つ、その第2RT遊技状態の上記「設定回数」が上記「所定回数(3回)」に達していないことである。
【0097】
また、
図6(D)に示すように、モードCの設定中、遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C5が成立した場合には、その次のゲームで第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が変更される。条件C5とは、第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達すること、且つ、その第2RT遊技状態の「設定回数」が「所定回数」に達していることである。
【0098】
本実施形態では、第2RT遊技状態の設定中に条件Cが成立した場合、その第2RT遊技状態からそれよりも遊技者に不利な遊技状態(非RT遊技状態,第1RT遊技状態)に「転落」することになる。
【0099】
また、遊技状態がRT遊技状態(第1RT遊技状態,第2RT遊技状態)のときに条件Lが成立した場合には、そのRT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が変更される(
図6(B)および
図6(C)参照)。条件Lとは、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態、つまり1回の有利区間での総遊技数(総ゲーム数)が「上限遊技数」(本実施形態では1500(ゲーム))に達すること、又は、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態(1回の有利区間)にわたって遊技者が獲得した純増枚数(差枚数)の合計の値が「上限枚数」(本実施形態では2400(枚))を超えることである。上限遊技数は、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態(1回の有利区間)での総遊技数(総ゲーム数)についての上限値であり、上限枚数は1回の有利区間のうち主に第2RT遊技状態にわたって遊技者が獲得した純増枚数(差枚数)の合計の値についての上限値である。
【0100】
本実施形態では、RT遊技状態(第1RT遊技状態,第2RT遊技状態)の設定中(有利区間中)に条件Lが成立した場合、そのRT遊技状態からそれよりも遊技者に不利な非RT遊技状態に「転落」することになる。
【0101】
具体的に、第1RT遊技状態のときに条件Lが成立した場合には、その次のゲームで遊技状態が第1RT遊技状態から非RT遊技状態に変更される。つまり、第1RT遊技状態におけるゲーム数が発動遊技数に達する前に条件Lが成立すれば、非RT遊技状態に「転落」することになる。また、第2RT遊技状態のときに条件Lが成立した場合には、その次のゲームで遊技状態が第2RT遊技状態から非RT遊技状態に変更される。つまり、第2RT遊技状態におけるゲーム数が、その時点での終了契機遊技数に達する前に条件Lが成立すれば、ART(AT)の途中で非RT遊技状態に「転落」することになる。
【0102】
本実施形態では、移行条件として条件Lがあることで、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態(1回の有利区間)での総ゲーム数や、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態(1回の有利区間)にわたって遊技者が獲得した純増枚数(差枚数)の合計の値が過度に多くなるのを防ぐことが可能となっている。
【0103】
次に、非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行する際に、遊技モードがモードAに設定された場合のゲーム性について、
図6(B)を用いて説明する。
図6(B)に示すように、まず非RT遊技状態の設定中に上述の条件A1が成立した場合には、その非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行して、遊技モードがモードAに設定される。そして、それに伴って有利区間が開始される。
【0104】
モードAにて、第1RT遊技状態の設定中に上述の条件Bが成立した場合には、その第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行する。すなわち、第1RT遊技状態における単位遊技数(ゲーム数)が発動遊技数に達した場合、或いは、第1RT遊技状態において小役9又は小役10に当選した場合、次ゲームでART(AT)が発動する。なお、この遊技状態の移行に伴って遊技モードは変更されない。すなわち、遊技状態は第2RT遊技状態に移行(変化)するけれども、遊技モードとしてモードAがそのまま維持される。また、有利区間も継続する。
【0105】
そして、第2RT遊技状態の設定中に上述の条件C1が成立した場合には、その第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行する。但し、この遊技状態の移行に伴って遊技モードは変更されない。すなわち、遊技状態は第1RT遊技状態に移行するけれども、遊技モードとしてモードAがそのまま維持される。また、有利区間も継続する。
【0106】
一方、第2RT遊技状態の設定中に上述の条件C2が成立した場合には、その第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行する。さらに、その非RT遊技状態への移行に伴ってモードAの設定が終了する。すなわち、遊技モードがモードAから、遊技モードの設定がなされていない状態を示す「モード非選択」に変更される。また、この遊技状態の移行に伴って有利区間も終了する。
【0107】
なお、モードAにて第1RT遊技状態又は第2RT遊技状態の設定中に上述の条件Lが成立した場合には、非RT遊技状態に遊技状態が移行する。そしてその遊技状態の移行に伴って遊技モードの設定が終了し、有利区間も終了する。
【0108】
以上により、遊技モードとしてモードAが設定された場合には、条件Lが成立するまでの間、第1RT遊技状態と第2RT遊技状態との間を繰り返し移行可能となっている。すなわち、条件Lの成立まで、第1RT遊技状態を挟んで第2RT遊技状態が連続して設定され得る構成になっている。つまり、モードAの場合には有利区間中にART(AT)が繰り返し発動可能となっている。
【0109】
但し、モードAの設定中、遊技状態が第2RT遊技状態のときに条件C2が成立した場合、すなわち第2RT遊技状態でのゲーム数が「終了契機遊技数」に達し、その時点での「残ゲーム数」が第1特定数(160ゲーム)以下の場合には、第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行する。さらに、その非RT遊技状態への移行に伴ってモードAの設定が終了する。そのため、モードAでの第2RT遊技状態の終了後における残ゲーム数が比較的少ない場合には、有利区間の終了とともにモードAの設定も早めに(前倒しで)終了させることが可能となっている。
【0110】
続いて、非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行する際に、遊技モードがモードBに設定された場合のゲーム性について、
図6(C)を用いて説明する。
図6(C)に示すように、まず非RT遊技状態の設定中に上述の条件A2が成立した場合には、その非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行して、遊技モードがモードBに設定される。そして、その移行に伴って有利区間が開始される。
【0111】
モードBにて第1RT遊技状態の設定中に上述の条件Bが成立した場合には、モードAの場合と同様、その第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行する。これによりART(AT)が発動する。そして、モードAの場合と同じように、この遊技状態の移行に伴って遊技モードは変更されない。つまり、遊技状態は第2RT遊技状態に移行するけれども、遊技モードとしてモードBが維持される。また、有利区間も継続する。
【0112】
但し、第2RT遊技状態の設定中に上述の条件C3が成立した場合には、モードAの場合とは異なり、その第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行する。また、この遊技状態の移行に伴って遊技モードの設定が終了する。さらに、有利区間も終了する。
【0113】
また、モードBにて第1RT遊技状態又は第2RT遊技状態の設定中に上述の条件Lが成立した場合には、モードAの場合と同様、非RT遊技状態に遊技状態が移行して、遊技モードの設定が終了する。そして有利区間も終了する。
【0114】
以上により、第1RT遊技状態の移行時にモードBに設定された場合には、その第1RT遊技状態の後に第2RT遊技状態が1回設定され得る。そして、その第2RT遊技状態の後には必ず非RT遊技状態に移行するとともにモードBの設定が終了する。つまり、モードBの場合には、有利区間中にART(AT)の発動が繰り返されることはない。
【0115】
続いて、非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行する際に、遊技モードがモードCに設定された場合のゲーム性について、
図6(D)を用いて説明する。
図6(D)に示すように、まず非RT遊技状態の設定中に上述の条件A3が成立した場合には、その非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行して、遊技モードがモードCに設定される。そして、その移行に伴って有利区間が開始される。
【0116】
次に、モードAやモードBの場合と同様、第1RT遊技状態の設定中に上述の条件Bが成立した場合には、その第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行する。これによりART(AT)が発動する。なお、モードA等の場合と同じように、この遊技状態の移行に伴って遊技モードは変更されない。すなわち、遊技状態は第2RT遊技状態に移行(変化)するけれども、遊技モードとしてモードCが維持する。また、有利区間も継続する。
【0117】
但し、所定回数に満たない第2RT遊技状態の設定中に上述の条件C4が成立した場合には、その第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行するのに対し、所定回数に達した第2RT遊技状態の設定中に上述の条件C5が成立した場合には、その第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行する。なお、条件C4が成立した場合には、遊技状態の移行に伴って遊技モードは変更されず有利区間も継続するけれども、条件C5が成立した場合には、遊技状態の移行に伴って遊技モードの設定も有利区間も終了する。
【0118】
また、第1RT遊技状態又は第2RT遊技状態の設定中に上述の条件Lが成立した場合には、モードA等の場合と同様、非RT遊技状態に遊技状態が移行して、遊技モードの設定が終了する。そして有利区間も終了する。
【0119】
以上により、第1RT遊技状態の移行時にモードCに設定された場合には、その第1RT遊技状態の後に第2RT遊技状態が所定回数、設定され得る。つまり、モードCの場合には、有利区間中にART(AT)の発動が所定回数(3回)繰り返されることがある。
【0120】
4.遊技役
次に、本実施形態の遊技役について説明する。単位遊技における各遊技役の当否(当選か否か)は、遊技開始表示ランプ26の点灯中にスタートレバー8が操作された時に、後述の当選役決定処理(ステップS205)にて決定可能となっている。そして、有効ラインL1上に停止表示された各リール6L,6C,6Rの3つの図柄の組み合わせ(停止表示図柄)が、当選フラグがONである遊技役に対応する図柄の組み合わせと一致した場合には、遊技役の入賞が成立したとして、遊技者に有利な特典(例えば、所定枚数のメダルの払い出しや遊技状態の移行など)が付与されることとなる。なお、メダルの払い出しとは、メダルがメダル払出口38から払い出されることや、クレジット機能が有効である場合にクレジット表示部21に表示される数値(仮想メダルの数)が増えることをいう。また、「役の入賞の成立」を単に「役の成立」ともいい、「役の入賞が成立する(した)」を単に「役が成立する(した)」ともいう。
【0121】
図7には本実施形態の遊技役の種類と遊技役の成立に伴って払い出されるメダルの払出枚数とを示す。また、
図8には遊技役に応じた有効ライン上の停止表示図柄を示す。本実施形態では、小役1~小役10の10種類の小役と、再遊技役との合計11種類の遊技役がある。
【0122】
小役1および小役9は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役(払出役)である。なお、小役1および小役9について「チェリー小役」ともいう。
図8に示すように、有効ラインL1上に上記「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、4種類のチェリー小役(「チェリー役01」~「チェリー役04」)が成立する。また、有効ラインL1とは異なる直線状のライン(以下、疑似ラインともいう)上に「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、6種類のチェリー小役(「チェリー役05」~「チェリー役10」)が成立する。
【0123】
小役2および小役10は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役(払出役)である。なお、この小役2および小役10について「スイカ小役」ともいう。
図8に示すように、有効ラインL1上に上記「スイカ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、6種類のスイカ小役(「スイカ役01」~「スイカ役06」)が成立する。また、上述の疑似ライン上に「スイカ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、6種類のスイカ小役(「スイカ役07」~「スイカ役14」)が成立する。
【0124】
小役3、小役4および小役5は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役(払出役)である。これら小役3~小役5について「第1ベル小役」ともいう。
図8に示すように、有効ラインL1上に上記「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、1種類の第1ベル小役(「第1ベル役01」)が成立する。また、上述の疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、5種類の第1ベル小役(「第1ベル役02」~「第1ベル役06」)が成立する。
【0125】
なお、小役3、小役4および小役5には、リール6L,6C,6Rを停止させる際のストップボタン9L,9C,9Rの「正解押し順」が設定されている。このため、例えば小役3の当選時に、小役3に設定されている正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、上述の疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されて、小役3が成立する。なお、小役3に当選時に、正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが操作されなければ、有効ラインL1上にも疑似ライン上にも「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されず、小役3は成立しない。小役4および小役5についても同様である。
【0126】
また、小役3に設定されている正解押し順、小役4に設定されている正解押し順、および、小役5に設定されている正解押し順は互いに異なっている。すなわち、小役3に設定されている正解押し順は、左ストップボタン9Lを1番目に、残りの2つのストップボタン(中ストップボタン9C,右ストップボタン9R)のいずれか一方を2番目に押圧操作する操作順である。小役4に設定されている正解押し順は、中ストップボタン9Cを1番目に、残りの2つのストップボタン(左ストップボタン9L,右ストップボタン9R)のいずれか一方を2番目に押圧操作する操作順である。小役5に設定されている正解押し順は、右ストップボタン9Rを1番目に、残りの2つのストップボタン(左ストップボタン9L,中ストップボタン9C)のいずれか一方を2番目に押圧操作する操作順である。
【0127】
なお、小役3、小役4および小役5のいずれの正解押し順も、1番目に押圧操作するストップボタンだけが特定されており、2番目以降に操作するストップボタンが特定されていない。つまり、第1ベル小役の正解押し順は、3つのストップボタン9L,9C,9Rから1番目に停止させるストップボタンのみを遊技者に選択させる「3択」方式である。
【0128】
本実施形態では、全てのリール6L、6C、6Rが回転しているときに最初に行われるストップボタンの押圧操作(リールの停止操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
【0129】
小役6、小役7および小役8は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役である。これら小役6~小役8について「第2ベル小役」ともいう。また、上述の第1ベル小役とともに単に「ベル小役」ともいう。
図8に示すように、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合に、2種類の第2ベル小役(「第2ベル役01」および「第2ベル役02」)が成立する。また、上述の疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合に、10種類の第2ベル小役(「第2ベル役03」~「第2ベル役12」)が成立する。
【0130】
また、小役6、小役7および小役8は、上述の小役3~小役5と同じように、リール6L,6C,6Rを停止させる際のストップボタン9L,9C,9Rの押し順(操作順)が設定されている。このため、例えば小役6の当選時に、小役6に設定されている押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示されて、小役6が成立する。小役7および小役8についても同様である。
【0131】
また、小役6に設定されている押し順、小役7に設定されている押し順、および、小役8に設定されている押し順は互いに異なっている。小役6に設定されている押し順は、第1停止操作として左ストップボタン9Lを、第2停止操作として残りの2つのストップボタンのいずれか一方を押圧操作する操作順である。小役7に設定されている押し順は、第1停止操作として中ストップボタン9Cを、第2停止操作として残りの2つのストップボタンのいずれか一方を押圧操作する操作順である。小役8に設定されている押し順は、第1停止操作として右ストップボタン9Rを、第2停止操作として残りの2つのストップボタンのいずれか一方を押圧操作する操作順である。
【0132】
なお、本実施形態では、遊技役の抽選によって小役3とともに小役7および小役8が重複して当選する。同様に、小役4とともに小役6および小役8が重複して当選し、小役5とともに小役6および小役7が重複して当選する。よって、小役3~小役8の当選時、小役3、小役4又は小役5の正解押し順に各ストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、小役3、小役4又は小役5が成立することになる。一方、小役3、小役4又は小役5の正解押し順に各ストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作されなかった場合には、小役3、小役4および小役5が成立しない代わりに小役6、小役7又は小役8が成立することになる。
【0133】
再遊技役は、役の成立によってメダルの払い出しを伴わないけれども、遊技者がメダルを投入することなく次回の単位遊技を行うことが可能となる遊技役である。すなわち、上述の自動ベット処理の実行契機となる遊技役である。
図8に示すように、有効ラインL1上に上記「リプレイ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、1種類の再遊技役(「リプレイ役01」)が成立する。また、上述の疑似ライン上に「リプレイ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に、7種類の再遊技役(「リプレイ役02」~「リプレイ役08」)が成立する。
【0134】
本スロットマシン1では、ストップボタン9L,9C,9Rの操作から、対応するリール6L,6C,6Rの回転が停止するまでの制動時間を0~190ms(ミリ秒)の範囲で変更して、有効ラインL1上に、当選した遊技役に応じた図柄の組み合わせが停止表示され得るような制御がなされている。具体的には、最短の制動時間(つまり0ms)で停止させた場合に表示窓5L,5C,5Rを通じて表示される図柄から、所定の引込数分(本実施形態では、最大で「4」コマ分)、リールの回転方向とは逆方向に位置する図柄までの複数の図柄のうち、任意の図柄を表示窓5L,5C,5Rの枠内に引き込んで停止表示させる引込制御が実行可能となっている。
【0135】
なお、本実施形態では、上述したリールテープ7L,7C,7Rの両端をつないでリールテープ7L,7C,7Rをそれぞれ円筒状にした場合、いずれのリールテープ7L,7C,7Rでも複数の「リプレイ」図柄が4個(「4」コマ)おきに配される。よって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、上記所定の引込数の最大値である「4」コマよりも大きな間隔(コマ数)を空けずに、「リプレイ」図柄が複数付されていることになる。従って、再遊技役に当選している単位遊技では、引込制御によって取りこぼすことなく再遊技役を成立させることが可能である。
【0136】
複数の「ベル」図柄もまた、「リプレイ」図柄と同じように、いずれのリールテープ7L,7C,7Rでも「4」コマおきに配される。よって、第1ベル小役(小役3、小役4又は小役5)に当選している単位遊技では、引込制御によって取りこぼすことなくその第1ベル小役を成立させることが可能である。
【0137】
但し、本実施形態では、上述したように、ストップボタン9L,9C,9Rが上記正解押し順に操作された場合に限り、引込制御によって第1ベル小役を成立させることが可能である。よって、第1ベル小役(および第2ベル小役)が当選している単位遊技で、各ストップボタン9L,9C,9Rの操作がその第1ベル小役の正解押し順の第1停止操作と一致した場合には、引込制御によってその第1ベル小役が成立することになる。
【0138】
なお、本実施形態では、第1ベル小役(および第2ベル小役)が当選している単位遊技で、各ストップボタン9L,9C,9Rの操作がその第1ベル小役の正解押し順の第1停止操作と一致しなかった場合には、引込制御によって第2ベル小役が成立することになる。
【0139】
「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄)は、
図3に示すように、中リールテープ7Cおよび右リールテープ7Rには複数の「チェリー」図柄が「4」コマおきに配置されているが、左リールテープ7Lには1個しかない。よって、チェリー小役(小役1,小役9)に当選した単位遊技で、遊技者がそのチェリー小役を成立できずに取りこぼしてしまうことがある。
【0140】
なお、中リール6Cの外周面には、上記所定の引込数の最大値(「4」コマ)よりも大きな間隔を空けずに「チェリー」図柄が複数個付されているため、中リール6Cの「チェリー」図柄を停止表示図柄に用いる第2ベル小役(小役6、小役7又は小役8)に当選している単位遊技では、引込制御によって取りこぼすことなくその第2ベル小役を成立させることが可能である。
【0141】
また、「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄)は、
図3に示すように、左リールテープ7Lに「4」コマおきに配置されているが、中リールテープ7Cには2個、右リールテープ7Rには3個それぞれ配置されている。よって、スイカ小役(小役2,小役10)に当選した単位遊技で、遊技者がそのスイカ小役を成立できずに取りこぼしてしまうことがある。
【0142】
また、抽選によって上述の遊技役のいずれにも当選しなかった場合には「ハズレ」となり、各ストップボタン9L,9C,9Rをどのタイミングで操作しても、引込制御によって、各遊技役(小役1~小役10,再遊技役)に係る図柄の組み合わせ(加えて、チェリー小役又はスイカ小役の取りこぼしに伴う図柄の組み合わせ)以外の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に停止表示される。なお、
図3に示すように、各リールテープ7L,7C,7Rには、任意の「ブランク」図柄(「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄)が複数設けられている。このため、抽選の結果がハズレの場合には、上述の「チェリー」図柄、「スイカ」図柄、「ベル」図柄および「リプレイ」図柄に「ブランク」図柄を加えた複数種類の図柄を用いてできる、上記各停止表示図柄を除いた任意の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に停止表示される。
【0143】
スタートレバー8の操作により行われる各種遊技役の抽選には、
図9に示す遊技役判定テーブルが用いられる。この遊技役判定テーブルには、上述した各種遊技役の当選に該当する乱数値の数を遊技状態別にそれぞれ示している。なお、この
図9に示す遊技役判定テーブルは、複数ある設定値のうち、設定値が「6」のときに用いるものである。
【0144】
設定値とは、遊技者に付与される利益の大きさを設定するための値である。つまり、遊技者にとっての有利さの度合いを定めた値である。
【0145】
本実施形態では、設定値が「1」<「2」<「3」<「4」<「5」<「6」の順で遊技者にとって有利になっている。具体的には、設定値の値が大きくなるほど「機械割」の値も大きくなっている。「機械割」の値とは、スロットマシン1に投入した遊技媒体の総数(総投入枚数)に対する遊技媒体の払出枚数の総数(総払出枚数)を比率で現した理論値(期待値)である(「機械割」=「総払出枚数」/「総投入枚数」)。そのため、同じ数の総投入枚数を用いた場合には、機械割の値が大きいほど総払出枚数をより多く獲得できる可能性が高い。
【0146】
詳細には、設定値が「1」における「機械割」の値よりも「2」における「機械割」の値の方が大きく、設定値が「2」における「機械割」の値よりも「3」における「機械割」の値の方が大きい。さらに、設定値が「3」における「機械割」の値よりも「4」における「機械割」の値の方が大きく、また、設定値が「4」における「機械割」の値よりも「5」における「機械割」の値の方が大きい。しかも、設定値が「5」における「機械割」の値よりも「6」における「機械割」の値の方が大きい。
【0147】
かくして本実施形態では、設定値が「1」<「2」<「3」<「4」<「5」<「6」の順で、所定の数の遊技媒体の投入枚数に対してより多くの遊技媒体を遊技者が獲得できる可能性が高くなっている。
【0148】
5.主制御基板の動作
以下、本スロットマシン1において行われる主要な制御処理について、
図10~
図42を参照しながら説明する。以下では、まず
図10~
図37を用いて、主制御基板60において行われる制御処理のうち、特に主制御基板タイマ割り込み処理とメイン制御処理について説明する。
【0149】
[主制御基板タイマ割り込み処理]まず、
図10に示す主制御基板タイマ割り込み処理について説明する。主制御基板タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン61は、遊技者による遊技操作に応じて出力される信号の読み込みや信号レベルの検出や確認、各種コマンドの送信等の処理を、予め設定された一定の時間(例えば1.49ms)毎に実行する。具体的には、
図10に示すように、レジスタを退避させる処理(S101)を行って、入力ポート読込処理(S102)を行う。入力ポート読込処理(S102)では、各種センサ類やスイッチ類や基板類から入力された信号の読み込みおよび格納や信号レベルの判定等が行われる。
【0150】
次いで、各種タイマを計測するタイマ処理(S103)を行う。このタイマ処理(S103)では、後述するメイン制御処理において任意のタイマがセットされた場合に、そのタイマの経過時間等を計測する。次に、リール用モータ55L,55C,55Rを用いて各リール6L,6C,6Rの回転駆動を制御するリール回転駆動制御の処理(S104)を行う。具体的には、各リール用モータ55L,55C,55Rの作動制御によって、各リール6L,6C,6Rの回転を始動させたり、回転を加速させたり、回転を一定の速度に維持させたり、回転を停止させたりする。
【0151】
次いで、上述した各種表示部(クレジット表示部21、払出枚数表示部22、再遊技表示ランプ23、投入可能表示ランプ24、ベット数表示ランプ25、遊技開始表示ランプ26、特殊役報知ランプ27、設定表示部28およびストップ報知ランプ30L,30C,30R)の表示を管理する表示用ランプ表示処理(S105)を行い、各処理でRAM64の出力バッファにセットしたコマンドをサブ制御基板70に送信するコマンド送信処理(S106)を行う。次に、ホッパー等の駆動制御を行うためのポート出力処理(S107)を行い、退避させていたレジスタを復帰させるレジスタ復帰処理(S108)を行って本処理を終える。
【0152】
[メイン制御処理]
図11に示すメイン制御処理では、遊技制御用マイコン61は、まず後述の電源投入時処理(S201)を行う。その後、遊技開始準備処理(S202)を行う。遊技開始準備処理(S202)では、スタックポインタをセットしたり、RAM64の領域の一部を初期化したりする。また、設定値に関するコマンド、および、遊技状態に関するコマンドをRAM64にセットする処理を行う。RAM64の領域の一部における初期化とは、具体的に例えば、払出枚数表示部22が点灯している場合にはそれを消灯したり、特殊役報知ランプ27が点灯している場合にはそれを消灯したりすることである。また、後述の停止表示図柄判定処理(
図30)のステップS1203でセットした表示図柄フラグをゼロクリアしたり、ステップS1206でONした払出フラグがONであれば、それをOFFしたりすることである。
【0153】
次いで、いずれも後述の遊技状態移行処理(S203)、ベット・開始操作受付処理(S204)および当選役決定処理(S205)を順に行って、ウェイト処理(S206)を実行する。ウェイト処理(S206)では、前回の単位遊技の開始から所定の規定時間が経過したかどうかを判定する。なお、前回の単位遊技の開始とは、本実施形態では、リール6L,6C,6Rを回転させて、各リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄の変動表示を開始させることである。前回の単位遊技の開始から規定時間が経過している場合には本処理を終了するが、前回の単位遊技の開始から規定時間がまだ経過していない場合には、その規定時間を経過するまで待機する。そして、前回の単位遊技の開始から規定時間が経過したら本処理を終える。
【0154】
次いで、いずれも後述のリール回転開始処理(S207)、リール定速回転処理(S208)、リール回転停止処理(S209)、停止表示図柄判定処理(S210)、メダル払出処理(S211)、第1RT状態処理(S212)および第2RT状態処理(S213)を順に行う。なお、メイン制御処理では、電源投入時処理(S201)を初回に行った後、ステップS202~S213をループさせる。
【0155】
本実施形態では、1回の単位遊技(ゲーム)を、上記ステップS203の処理からステップS213の処理までの一連の処理とする。すなわち、遊技状態移行処理(S203)を単位遊技の開始処理とし、その後、ベット・開始操作受付処理(S204)、当選役決定処理(S205)、ウェイト処理(S206)、リール回転開始処理(S207)、リール定速回転処理(S208)、リール回転停止処理(S209)、停止表示図柄判定処理(S210)、メダル払出処理(S211)および第1RT状態処理(S212)を順次行って、第2RT状態処理(S213)を終えて単位遊技の終了とする。
【0156】
なお、単位遊技(ゲーム)の開始処理を、例えばベット・開始操作受付処理(S204)のステップS412の処理、すなわち、スタートレバー8の操作がなされたかどうかを判定する処理としたり、上述の遊技開始準備処理(S202)としたりしてもよい。また、例えばメダル払出処理(S211)を終えて単位遊技の終了とする構成や、リール回転停止処理(S209)を終えて単位遊技の終了とする構成や、停止表示図柄判定処理(S210)を終えて単位遊技の終了とする構成としてもよい。また、上記メイン制御処理では、メダル払出処理(S211)の後に第1RT状態処理(S212)および第2RT状態処理(S213)を行う構成としたが、メダル払出処理(S211)の前にそれらの処理を行う構成でもよい。
【0157】
[電源投入時処理]
図12に示す電源投入時処理(S201)では、遊技制御用マイコン61は、まずチェックサム値を用いてバックアップが正常であるか否かを判定する(S251)。具体的には、読み出された設定値等から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較して、比較結果が一致していればバックアップが正常であると判定する。
【0158】
ステップS251でバックアップが正常でないと判定した場合には(S251でNO)、遊技制御用マイコン61は後述するステップS253にスキップするが、ステップS251でバックアップが正常であると判定した場合には(S251でYES)、バックアップされていた設定値をセットする(S252)。これにより、バックアップが正常であった場合には電源断前の設定値がセットされることになる。
【0159】
ステップS253で、遊技制御用マイコン61は、スロットマシン1内にある設定キースイッチ18(
図4参照)がON、すなわち設定キースイッチ18が設定変更モードになっているかどうかを判定する。具体的には、設定キー検出センサ18aから信号が出力されているかどうかを判定する。設定キースイッチ18がONであれば(S253でYES)、続いて設定値操作処理(S254)を行う。
【0160】
設定値操作処理(S254)では、遊技制御用マイコン61は、設定表示部28に現在の設定値を表示する処理を行う。具体的には、設定表示部28にて現在の設定値の値(1~6)を点灯表示する。この表示により、設定値を設定操作する者(設定者)が現在の設定値を確認可能となっている。なお、設定者によるリセット/設定ボタン19の押圧操作によって、設定表示部28に表示する値を変更して表示する。具体的には、リセット/設定ボタン19が1回押圧操作される毎に、設定表示部28に表示する値を1ずつ増加させて表示する。なお、表示する値が「6」のときにリセット/設定ボタン19が1回操作された場合には「1」を表示する。
【0161】
遊技制御用マイコン61は、設定者によってスタートレバー8が操作された場合に(S255でYES)、設定表示部28に表示している値を新たな設定値としてRAM64に記憶させる(S256)。
【0162】
その後、設定キースイッチ18がOFFになった場合には(S257でYES)、遊技制御用マイコン61は、RAM64に記憶されている遊技状態フラグ(後述)をゼロクリアする(S258)。これにより、遊技状態がデフォルトの状態、つまり非RT遊技状態になる。そして、RAM64に記憶されている設定値についての情報に関する設定値コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S259)、本処理を終える。
【0163】
ステップS253において設定キースイッチ18がONでなければ(S253でNO)、すなわち設定キースイッチ18が設定変更モードになっていなければ、続いて、遊技制御用マイコン61は、バックアップが正常であるか否かを判定する(S260)。バックアップが正常であると判定したら(S260でYES)、RAM64に格納されているバックアップデータに基づいて、スロットマシン1の状態を電源断前の状態に復帰させる復帰処理を行って(S261)、本処理を終了する。
【0164】
一方、バックアップが正常でないと判定した場合には(S260でNO)、電源投入時エラー処理を行う(S262)。電源投入時エラー処理(S262)では、バックアップが正常ではないことを、上記払出枚数表示部22を用いて表示する。
【0165】
[遊技状態移行処理]
図13に示す遊技状態移行処理(S203)では、遊技制御用マイコン61は第2移行フラグがONか否かを判定する(S301)。第2移行フラグとは、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行することを示すためのものである。この第2移行フラグは、当選役決定処理(S205)のステップS512、或いは、第1RT状態処理(S212)のステップS1410でOFFからONになる。
【0166】
ステップS301において第2移行フラグがONであれば(S301でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグを「2」に変更する(S302)。遊技状態フラグとは、現在の遊技状態を示すためのものである。図中の表に示すように、遊技状態フラグが「0」とは、現在の遊技状態が非RT遊技状態であることを示す。遊技状態フラグが「1」とは、現在の遊技状態が第1RT遊技状態であることを示す。遊技状態フラグが「2」とは、現在の遊技状態が第2RT遊技状態であることを示す。ステップS304の実行によって、遊技状態が第2RT遊技状態に設定されることになる。
【0167】
次に遊技制御用マイコン61は、第2RT遊技状態の開始を示すための第2RT開始フラグをONにして(S303)、第2RT遊技数カウンタをONにする(S304)。第2RT遊技数カウンタとは、一連の第2RT遊技状態における遊技数を計測するためのものである。
【0168】
その後、遊技制御用マイコン61は、第2移行フラグをOFFにして(S305)、有利区間ランプ29の点灯態様が消灯かどうかを判定する(S306)。有利区間ランプ29が消灯でなければ(S306でNO)本処理を終了するが、有利区間ランプ29が消灯であれば(S306でYES)、有利区間ランプ29を点灯させる(S307)。これにより、遊技者に有利区間中であることを報知可能となっている。
【0169】
なお、ステップS301において第2移行フラグがONでなければ(S301でNO)、遊技制御用マイコン61は第1移行フラグがONか否かを判定する(S308)。第1移行フラグとは、非RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行することを示すためのものである。この第1移行フラグは、当選役決定処理(S205)のステップS509、或いは、終了時移行フラグ設定処理(S1509)のステップS1603でONになる。
【0170】
ステップS308において第1移行フラグがONであれば(S308でYES)、遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグを「1」に変更する(S309)。これにより遊技状態が第1RT遊技状態に設定されることになる。
【0171】
その後、遊技制御用マイコン61は第2移行フラグをOFFにして(S310)、第1積算カウンタがOFFか否かを判定する(S311)。第1積算カウンタとは、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態、つまり現在進行している有利区間にわたる総遊技数を計測するためのものである。そのため、第1積算カウンタは有利区間中であればONであり、有利区間中でなければ(つまり非有利区間中であれば)OFFである。
【0172】
第1積算カウンタがOFFでなければ(S311でNO)、遊技制御用マイコン61は後述の発動遊技数選択処理(S370)に進むが、第1積算カウンタがOFFであれば(S311でYES)、遊技制御用マイコン61はその第1積算カウンタおよび第2積算カウンタをON(起動)にする(S312)。第2積算カウンタとは、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態、つまり現在進行している有利区間にわたって遊技者が獲得したメダルの純増枚数(差枚数)を計測するためのものである。そのため、第2積算カウンタもまた、第1積算カウンタと同じように、有利区間中であればONであり非有利区間中であればOFFである。従って、本実施形態では、ステップS312の処理を遊技制御用マイコン61が行うことによって、有利区間が開始されることになる。つまり、非有利区間が終了することになる。
【0173】
次いで、遊技制御用マイコン61は後述するモード選択処理(S350)を行う。すなわち、有利区間の開始後に遊技モードを選択する処理を行う。その後、遊技制御用マイコン61は後述する発動遊技数選択処理(S370)を行う。
【0174】
なお、ステップS308において第1移行フラグがONでなければ(S308でNO)、遊技制御用マイコン61は第3移行フラグがONか否かを判定する(S314)。第3移行フラグとは、第1RT遊技状態又は第2RT遊技状態から非RT遊技状態に移行することを示すためのものである。この第3移行フラグは、有利区間継続判定処理(S1402)のステップS1454、或いは終了時移行フラグ設定処理(S1509)のステップS1608でONになる。
【0175】
ステップS314において第3移行フラグがONでなければ(S314でNO)本処理を終了するが、第3移行フラグがONであれば(S314でYES)、遊技制御用マイコン61は遊技状態フラグを「0」に変更する(S315)。これにより遊技状態が非RT遊技状態に設定されることになる。
【0176】
その後、遊技制御用マイコン61は第3移行フラグをOFFにして(S316)、モードフラグを「0」に変更する(S391)。モードフラグについては後ほど説明する。
【0177】
さらに、遊技制御用マイコン61は第1積算カウンタおよび第2積算カウンタをOFFにする(S318)。上述したように、第1積算カウンタおよび第2積算カウンタは有利区間中でなければ(つまり非有利区間中であれば)OFFである。従って、本実施形態では、ステップS318の処理を遊技制御用マイコン61が行うことによって、有利区間が終了することになる。つまり非有利区間が開始されることになる。
【0178】
その後、遊技制御用マイコン61は有利区間ランプ29の点灯態様が点灯かどうかを判定する(S319)。有利区間ランプ29が点灯でなければ(S319でNO)本処理を終了するが、有利区間ランプ29が点灯であれば(S319でYES)、有利区間ランプ29を消灯する(S320)。これにより、遊技者に有利区間が終了したこと、さらには非RT遊技状態に設定されたことを報知可能である。
【0179】
[モード選択処理]モード選択処理とは、非RT遊技状態から第1RT遊技状態への遊技状態の移行に伴って、遊技モードを選択(決定)するための処理である。なお、本実施形態では、第2RT遊技状態から第1RT遊技状態への遊技状態の移行に伴って、既に設定されている遊技モードを選択(決定)し直すことはしない。これにより、第2RT遊技状態から第1RT遊技状態への遊技状態の移行に伴って、設定中の遊技モード(モードA,モードC)がこれ以降(具体的にはこれ以降、遊技状態が非RT遊技状態に移行するまで)継続する。
【0180】
図14に示すモード選択処理(S350)で遊技制御用マイコン61は、まず
図15に示すモード選択テーブルを参照して遊技モードを決定する(S351)。本実施形態では、設定値が「1」、「2」、「3」、「4」および「5」のいずれかの値の場合には、モードAの振分率(確率)が「20%」であり、モードBの振分率(確率)が「30%」であり、モードCの振分率が「50%」である(
図15参照)。よって、設定値が「1」~「5」のいずれかの値の場合には、遊技モードがモードAよりもモードBに設定され易く、さらにはモードBよりもモードCに設定され易い。つまり、設定値が「1」~「5」のいずれかであれば、3つの遊技モードのうちでモードCが最も設定され易い。
【0181】
それに対し、設定値が「6」の場合には、モードAの振分率(確率)が「0%」であり、モードBの振分率(確率)が「66%」であり、モードCの振分率が「34%」である(
図15参照)。よって、設定値が「6」の場合には、モードAが設定されずモードCよりもモードBが設定され易い。
【0182】
次に遊技制御用マイコン61は、決定した遊技モードが「モードA」であれば(S352でYES)、モードフラグの値を「0(モード非選択)」から「1」に変更して(S353)本処理を終える。これにより、遊技モードがモードAに内部的に設定されることになる。なお、モードフラグとは、現在の遊技モードを示すためのものである。図中の表に示すように、モードフラグが「0」とは、遊技モードが非選択であることを示す。本実施形態では、遊技状態が非RT遊技状態のときに遊技モードが非選択となる。また、モードフラグが「1」とは、現在の遊技モードが「モードA」であることを示す。モードフラグが「2」とは、現在の遊技モードが「モードB」であることを示す。モードフラグが「3」とは、現在の遊技モードが「モードC」であることを示す。
【0183】
一方、決定した遊技モードが「モードA」でなければ(S352でNO)、遊技制御用マイコン61は続いて、決定した遊技モードが「モードB」か否かを判定する(S354)。決定した遊技モードが「モードB」であれば(S354でYES)、モードフラグの値を「0(モード非選択)」から「2」に変更して(S355)本処理を終える。これにより、遊技モードがモードBに内部的に設定されることになる。
【0184】
なお、決定した遊技モードが「モードB」でなければ(S354でNO)、遊技制御用マイコン61は、モードフラグの値を「0(モード非選択)」から「3」に変更して(S356)本処理を終える。これにより、遊技モードがモードCに内部的に設定されることになる。
【0185】
[発動遊技数選択処理]発動遊技数選択処理とは、遊技状態が第1RT遊技状態に移行してから、さらに第2RT遊技状態に移行するまでの最大の遊技数(以下「発動遊技数」という)を選択(決定)するための処理である。つまり、第1RT遊技状態への移行後から、ART(AT)の実行の開始までの最大の遊技数を決定するための処理である。本実施形態では、移行後の第1RT遊技状態における単位遊技数(ゲーム数)が発動遊技数に達するまでに小役9又は小役10に当選した場合には、その当選した単位遊技の次ゲームで第2RT遊技状態に移行するけれども、小役9の当選も小役10の当選もなく移行後の第1RT遊技状態のゲーム数が発動遊技数に達した場合には、その発動遊技数に達した単位遊技の次ゲームで第2RT遊技状態に移行することになる。但し、移行後の第1RT遊技状態におけるゲーム数が発動遊技数に達する前に、実行中の有利区間におけるゲーム数が有利区間の上限遊技数に達した場合には、第2RT遊技状態に移行されることなく、非RT遊技状態に移行されることになる。
【0186】
図16に示す発動遊技数選択処理(S370)で遊技制御用マイコン61は、モードフラグが「1」かどうかを判定する(S371)。モードフラグが「1」の場合には(S371でYES)、遊技制御用マイコン61は
図17(A)に示すモードA用第1発動遊技数選択テーブルを参照して発動遊技数のうちの「基準遊技数」を決定し(S372)、
図17(B)に示すモードA用第2発動遊技数選択テーブルを参照して発動遊技数のうちの「加算遊技数」を決定して(S373)、後述のステップS379に進む。
【0187】
本実施形態の発動遊技数は「基準遊技数」に「加算遊技数」を加算した遊技数としている。つまり、2段階に分けて発動遊技数を決定する構成にしている。
図17(A)によれば、モードAの場合に、実質的に選択可能な基準遊技数には「2種類」のものがあり、
図17(B)によれば選択可能な加算遊技数には「100種類」のものがある。また、モードAの場合に選択可能な基準遊技数のうち、最小のものが「801」であり最大のものが「901」である(
図17(A)参照)。また、選択可能な加算遊技数のうち、最小のものが「0」であり最大のものが「99」である(
図17(B)参照)。以上により本実施形態では、モードAの場合に選択され得る発動遊技数の範囲が「801(ゲーム)」~「1000(ゲーム)」になっている。そして、モードAの場合の発動遊技数として、この範囲内の整数のゲーム数が選択可能となっている。
【0188】
また、モードAの場合での基準遊技数について、本実施形態では設定値によらず「801」又は「901」が選択され得る構成になっている(
図17(A)参照)。また、
図17(B)によれば、加算遊技数は、設定値によらず「0」~「99」のうちから均一に選択され得る構成になっている。
【0189】
図16に戻り、ステップS371でモードフラグが「1」ではない場合には(S371でNO)、遊技制御用マイコン61は続いて、モードフラグが「2」かどうかを判定する(S374)。モードフラグが「2」の場合には(S374でYES)、
図18(A)に示すモードB用第1発動遊技数選択テーブルを参照して「基準遊技数」を決定し(S375)、
図18(B)に示すモードB用第2発動遊技数選択テーブルを参照して「加算遊技数」を決定して(S376)、後述のステップS379に進む。
【0190】
図18(A)によれば、モードBの場合、選択可能な基準遊技数には「10種類」のものがあり、
図18(B)によれば選択可能な加算遊技数には「100種類」のものがある。また、モードBの場合に選択可能な基準遊技数のうち、最小のものが「1」であり最大のものが「901」である(
図18(A)参照)。また、モードBの場合に選択可能な加算遊技数のうち、最小のものが「0」であり最大のものが「99」である(
図18(B)参照)。以上により本実施形態では、モードBの場合の発動遊技数として「1(ゲーム)」~「1000(ゲーム)」の範囲内の整数のゲーム数が選択可能となっている。
【0191】
また、モードBの場合での基準遊技数について、本実施形態では、設定値によってモードB用第1発動遊技数選択テーブルが異なる(
図18(A)参照)。具体的に例えば、設定値が「6」の場合には、小さな値の基準遊技数ほど選択され易くなっており、設定値が「1」の場合には逆に、大きな値の基準遊技数ほど選択され易くなっている(
図18(A)参照)。
【0192】
一方、
図18(B)によれば、本実施形態の加算遊技数は、モードAの場合と同様、設定値によらず「0」~「99」のうちから均一に選択され得る構成になっている。
【0193】
図16に戻り、ステップS374でモードフラグが「2」ではない場合(S374でNO)、つまりモードフラグが「3」の場合には、
図19(A)に示すモードC用第1発動遊技数選択テーブルを参照して「基準遊技数」を決定し(S377)、
図19(B)に示すモードC用第2発動遊技数選択テーブルを参照して「加算遊技数」を決定して(S378)、後述のステップS379に進む。
【0194】
図19(A)によれば、モードCの場合、選択可能な基準遊技数には「10種類」のものがあり、
図19(B)によれば選択可能な加算遊技数には「10種類」のものがある。但し、モードCの場合、選択可能な基準遊技数のうち、最小のものが「1」であり最大のものが「91」である(
図19(A)参照)。また、選択可能な加算遊技数のうち、最小のものが「0」であり最大のものが「9」である(
図19(B)参照)。以上により本実施形態では、モードCの場合の発動遊技数として「1(ゲーム)」~「100(ゲーム)」の範囲内の整数のゲーム数が選択可能となっている。
【0195】
また、モードCの場合での基準遊技数について、本実施形態では、モードBの場合と同様、設定値によってモードC用第1発動遊技数選択テーブルが異なる(
図19(A)参照)。具体的に例えば、設定値が「6」の場合には、小さな値の基準遊技数ほど選択され易くなっており、設定値が「1」の場合には逆に、大きな値の基準遊技数ほど選択され易くなっている(
図19(A)参照)。
【0196】
一方、
図19(B)によれば、本実施形態の加算遊技数は、モードA等の場合と同様、設定値によらず「0」~「9」のうちから均一に選択され得る構成になっている。
【0197】
図16に戻り、ステップS379で遊技制御用マイコン61は、決定した基準遊技数および加算遊技数から第1発動遊技数を算出する。
【0198】
その後、遊技制御用マイコン61は、モードフラグが「1」かどうかを判定する(S380)。つまり、上述のモード選択処理(S350)で選択された遊技モードがモードAかどうかを判定する。モードフラグが「1」であると判定した場合(S380でYES)、遊技制御用マイコン61は後述のステップS381に進み、モードフラグが「1」ではないと判定した場合(S380でNO)、後述のステップS387に進む。
【0199】
ステップS381で遊技制御用マイコン61は判定用遊技数を算出する。判定用遊技数とは、後述のステップS382およびステップS383で使用するためのものである。この判定用遊技数は、現時点での第1積算カウンタの値、および、ステップS381で算出した第1発動遊技数に「1」を加算した値である。すなわち、現在進行している有利区間の開始から、第1発動遊技数分の単位遊技(ゲーム)を経て、第1RT遊技状態から遊技状態が移行した後の第2RT遊技状態の初回ゲームまでの当該有利区間の総遊技数(総ゲーム数)に該当する。具体的には、現在進行している有利区間の初回ゲームから、第1発動遊技数分のゲームを経て第2RT遊技状態が設定される場合のその第2RT遊技状態の初回ゲームまでの総ゲーム数に該当する。
【0200】
遊技制御用マイコン61はまず、算出した判定用遊技数が有利区間の上限遊技数(本実施形態では1500(ゲーム))以下であるかどうかを判定する(S382)。すなわち、現在進行している有利区間の上限遊技数に達するまでに、第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態の設定が開始されるかどうかを判定する。つまり、現在の有利区間中に次のART(AT)が発動するかどうかを判定する。
【0201】
算出した判定用遊技数が上限遊技数以下であると判定した場合(S382でYES)、すなわち現在の有利区間中に第2RT遊技状態に移行する(ART(AT)が発動する)と判定した場合、遊技制御用マイコン61は次に判定用遊技数が補正遊技数(本実施形態では1471(ゲーム))を超えているかどうかを判定する(S383)。補正遊技数とは、上限遊技数から終了契機遊技数の最小値(30(ゲーム))を引いて「1」加算した値である。よって、ステップS383で遊技制御用マイコン61は、第1発動遊技数分の単位遊技を経て移行する予定の第2RT遊技状態の単位遊技数(ゲーム数)が終了契機遊技数の最小値に達する前に条件Lが成立するかどうかを判定する。つまり、第1発動遊技数分の単位遊技を経て発動したART(AT)がいわゆる「保証」分の「30ゲーム」に達する前に有利区間が終了するかどうかを判定する。
【0202】
具体的に例えば、判定用遊技数が「1496(ゲーム)」の場合、仮に第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するときには、その第2RT遊技状態の初回ゲームは有利区間の「1496ゲーム」目になる。このとき、上限遊技数に達するまでの5ゲーム(有利区間の「1496ゲーム」目、「1497ゲーム」目、「1498ゲーム」目、「1499ゲーム」目および「1500ゲーム」目)にわたって第2RT遊技状態が設定されることになる。かくして、判定用遊技数が「1496(ゲーム)」の場合に発動遊技数を第1発動遊技数としたら、ART(AT)の「保証」分の「30ゲーム」に達する前に、第2RT遊技状態の設定が終了することになる。
【0203】
また例えば、判定用遊技数が「1472(ゲーム)」の場合、仮に第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するときには、その第2RT遊技状態の初回ゲームは有利区間の「1472ゲーム」目になる。このとき、上限遊技数までの29ゲーム(有利区間の「1472ゲーム」目~「1500ゲーム」目)にわたって第2RT遊技状態が設定されることになる。よって、判定用遊技数が「1472(ゲーム)」の場合に発動遊技数を第1発動遊技数としたら、判定用遊技数が「1496(ゲーム)」の場合と同じく「保証」分の「30ゲーム」に達する前に、第2RT遊技状態の設定が終了することになる。
【0204】
なお例えば、判定用遊技数が「1471(ゲーム)」の場合、つまり補正遊技数を超えない場合(すなわち判定用遊技数と補正遊技数とが同じ場合)、第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するときには、その第2RT遊技状態の初回ゲームは有利区間の「1471ゲーム」目になる。このとき、上限遊技数までの30ゲーム(有利区間の「1471ゲーム」目~「1500ゲーム」目)にわたって第2RT遊技状態が設定されることになる。よって、判定用遊技数が「1471(ゲーム)」の場合に発動遊技数を第1発動遊技数としたら、「保証」分の「30ゲーム」にわたって第2RT遊技状態の設定が継続することになる。
【0205】
判定用遊技数が補正遊技数を超えていると判定した場合には(S383でYES)、続いて遊技制御用マイコン61は、第2発動遊技数を算出する(S384)。この第2発動遊技数は、補正遊技数から、現時点での第1積算カウンタの値および「1」を引いた値である(
図16参照)。すなわち、第2発動遊技数は、現時点の単位遊技から補正遊技数と同値のゲーム目の単位遊技までのゲーム数に該当する。ステップS384では、第2発動遊技数として第1発動遊技数よりも小さな値が算出されることになる。
【0206】
次いで、遊技制御用マイコン61は、ステップS384で算出した第2発動遊技数を発動遊技数カウンタにセットする(S385)。発動遊技数カウンタとは、当該の第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行するまでの遊技数を減算(カウントダウン)するためのものである。発動遊技数カウンタに第2発動遊技数がセットされた場合には、小役9又は小役10に当選したり、現在の有利区間における純増枚数(差枚数)の合計の値が上限枚数を超えたりすることがない限り、次に設定される第2RT遊技状態の初回ゲームが現在の有利区間の「1471ゲーム」目になる。
【0207】
第2発動遊技数のセット後、小役9又は小役10の当選も有利区間における純増枚数(差枚数)の合計の値が上限枚数を超えることもなく、第2発動遊技数分のゲームを経て設定される第2RT遊技状態の初回ゲームが当該有利区間の「1471ゲーム」目になった場合、その有利区間の「1500ゲーム」目が第2RT遊技状態における「30ゲーム」目の単位遊技(ゲーム)になる。つまり、有利区間の最終ゲームと、第2RT遊技状態の「保証」分の最終ゲームとが同じ単位遊技(ゲーム)になる。このため、第2発動遊技数が発動遊技数カウンタにセットされて「1471ゲーム」目のゲームが第2RT遊技状態の初回ゲームとなった場合には、「保証」分の単位遊技にわたって第2RT遊技状態を遊技者に楽しませることが可能となっている。つまり、その場合には1回の設定分の第2RT遊技状態を遊技者に実感させることが可能となっている。よって、有利区間の終了に伴って第2RT遊技状態が途中(すなわち「保証」分に満たないゲーム数)で終わったと遊技者に感じさせないことが可能となっている。つまり、第2RT遊技状態を楽しんでいる遊技者に消化不良だと思わせないことが可能となっている。
【0208】
その後、遊技制御用マイコン61は、上乗せ禁止フラグをONにして(S386)本処理を終える。上乗せ禁止フラグとは、第2RT遊技状態の設定中、小役9又は小役10に当選した場合に、終了契機遊技数の上乗せが行われるのを回避するためのフラグである。
【0209】
第2発動遊技数が発動遊技数カウンタにセットされた場合、有利区間の「1471ゲーム」目のゲームが初回ゲームとなる第2RT遊技状態は、「保証」分の単位遊技(「30ゲーム」分の単位遊技)にわたって設定されることになる。そのため、仮にその第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10に当選して、終了契機遊技数に「上乗せ遊技数」が加算(「上乗せ」)されたとしても、第2RT遊技状態は「30ゲーム」分の単位遊技後に設定が終了する。つまり、その第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10の当選による上乗せがあっても無くても、その第2RT遊技状態のゲーム数は同じである。しかも、その第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10の当選による上乗せがあってもその第2RT遊技状態のゲーム数が多くなることはないため、小役9又は小役10の当選による「上乗せ」を行ってしまうと、その「上乗せ」が「引き損」であると遊技者に感じさせてしまうおそれがある。具体的に例えば有利区間の「1471ゲーム」目以前が初回ゲームの第2RT遊技状態で小役9又は小役10の当選があった場合には、終了契機遊技数に1ゲーム以上の上乗せ遊技数が加算されたのに、「1471ゲーム」目が初回ゲームの第2RT遊技状態では小役9又は小役10の当選が無意味であったと残念に感じてしまうおそれがある。特に、そのことが、「保証」分の単位遊技にわたって第2RT遊技状態を楽しんでいる遊技者の気分に水を差すことになってしまい、好ましくない。
【0210】
そこで、上乗せ禁止フラグをONにすることで、第2発動遊技数が発動遊技数カウンタにセットされて、「1471ゲーム」目のゲームが初回ゲームとなった第2RT遊技状態の設定中には、小役9又は小役10の当選による「上乗せ遊技数」の加算および演出制御用マイコン71への「上乗せコマンド(後述)」の出力を行わない。これにより、その第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10が当選した場合であっても、終了契機遊技数の加算がない。さらにそれに伴う演出の実行もない。そのため、小役9又は小役10の当選が「引き損」であると遊技者に感じさせるのを防ぐことが可能となっている。よって、第2発動遊技数が発動遊技数カウンタにセットされて「1471ゲーム」目が初回ゲームとなった第2RT遊技状態を「保証」分の単位遊技にわたり遊技者が確実に楽しむことができる。
【0211】
なお、遊技制御用マイコン61は、上記のステップS382で判定用遊技数が上限遊技数よりも小さくないと判定した場合(S382でNO)、および、上記のステップS383で判定用遊技数が補正遊技数を超えていないと判定した場合には(S383でNO)、ステップS387に進む。ステップS387で遊技制御用マイコン61は、ステップS379で算出した第1発動遊技数を発動遊技数カウンタにセットする。
【0212】
[ベット・開始操作受付処理]
図20に示すベット・開始操作受付処理(S204)で遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態に応じて遊技開始可能枚数を設定する(S401)。なお本実施形態では、上述したように遊技状態によらず遊技開始可能枚数を「3」に設定する。これにより、ベット数が「3」に設定された場合にのみ、スタートレバー8の操作が有効になる。次に自動ベットフラグがONであるか否かを判定する(S402)。自動ベットフラグとは自動ベット処理を実行させるためのものである。この自動ベットフラグは、後述する停止表示図柄判定処理(S210)のステップS1205の処理でONされる。
【0213】
自動ベットフラグがONの場合(S402でYES)、遊技制御用マイコン61は自動ベット処理(S403)を行う。具体的にはベット数に「3」が設定される。その後、遊技制御用マイコン61はベット数に関するベットコマンドをRAM64の出力バッファにセットし(S404)、自動ベットフラグをOFFして(S405)、ステップS414に進む。
【0214】
一方、自動ベットフラグがONでない場合(S402でNO)、つまり自動ベットフラグがOFFの場合、遊技制御用マイコン61はメダル投入口10へのメダルの投入操作、又は、各ベットボタン(MAXベットボタン11,1ベットボタン12)の押下操作があったかどうかを判定する(S406)。メダル投入口10へのメダルの投入操作、又は、各ベットボタンの押下操作があった場合には(S406でYES)、投入操作や押下操作に関するベットコマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S407)、ステップS408に進む。
【0215】
ステップS408で遊技制御用マイコン61は、現時点のベット数(賭数)が上記遊技開始可能枚数(「3」)に達しているか否かを判定する。現時点のベット数が遊技開始可能枚数に達していなければ(S408でNO)、上記ステップS406に戻る。すなわち、現時点のベット数が遊技開始可能枚数に達していない場合には、スタートレバー8の操作が有効にならない構成になっている。
【0216】
一方、現時点のベット数が遊技開始可能枚数に達していれば(S408でYES)、遊技制御用マイコン61はそのときのベット数を、RAM64の所定の記憶領域にセットする(S409)。これにより、記憶領域にセットした値(具体的には「3」)がベット数(賭数)に設定される。
【0217】
その後、遊技制御用マイコン61は、上述した第2積算カウンタがON(動作中)か否かを判定する(S410)。第2積算カウンタがONでなければ(S410でNO)、つまり第2積算カウンタがOFFであれば後述のステップS414に進むが、第2積算カウンタがON(起動中)であれば(S410でYES)、遊技制御用マイコン61は第2積算カウンタの値が「0」未満かどうかを判定する(S411)。第2積算カウンタの値が「0」未満ではないと判定した場合(S411でNO)、遊技制御用マイコン61はステップS413に進むが、第2積算カウンタの値が「0」未満であると判定した場合(S411でYES)、その第2積算カウンタの値を「0」にリセットする(S412)。
【0218】
本実施形態では、第2RT遊技状態の設定中にはATが設定されるので第2積算カウンタの値は増加し易いけれども、第1RT遊技状態の設定中にはATが設定されないので第2積算カウンタの値は減少し易い。そのため、第1RT遊技状態の設定中に第2積算カウンタの値が「0」から減少した分、上述の上限枚数(2400枚)までの純増枚数(差枚数)の許容量が増えることになり、第1RT遊技状態後の第2RT遊技状態では、上限枚数以上の純増枚数を遊技者が獲得可能となってしまい、好ましくない。
【0219】
そこで、先回の単位遊技の終了後に第2積算カウンタの値が「0」未満となった場合には、その第2積算カウンタの値をゼロリセットする。これにより、第1RT遊技状態の設定中に第2積算カウンタの値が「0」から大きく減少してしまうのを防ぐことが可能であり、その後の第2RT遊技状態の設定時における上限枚数までの純増枚数の許容量の増加を防ぐことが可能となっている。
【0220】
ステップS413で遊技制御用マイコン61は、第2積算カウンタの値からベット数(「3」)を減算する。
【0221】
次いで遊技制御用マイコン61は、スタートレバー8の操作があったかどうかの判定を行う(S414)。スタートレバー8の操作があれば(S414でYES)、スタートレバー8が操作されたことを示すスタートコマンドを出力バッファにセットする(S415)。
【0222】
[当選役決定処理]
図21に示す当選役決定処理(S205)で遊技制御用マイコン61は、まず遊技役の当選を決定するための乱数値を抽出する(S501)。具体的には、図示しない乱数発生器とサンプリング回路によって「0」~「65535」の範囲から乱数値を抽出し、抽出した乱数値をRAM64の乱数値記憶領域に記憶する。
【0223】
次に遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値に応じた遊技役判定テーブル(
図9)を参照する(S502)。なお、上記ステップS304でRAM64に記憶の設定値に対応した遊技役判定テーブルを参照する。そして、RAM64に記憶した上記乱数値と遊技役判定テーブルに基づいて、いずれかの遊技役に当選したか否かを判定する(S503)。
【0224】
遊技役に当選していない場合(S503でNO)、つまりハズレの場合、遊技制御用マイコン61は後述のステップS513に進むが、遊技役に当選した場合には(S503でYES)、当選した遊技役に応じた当選フラグをONにする(S504)。その後、遊技制御用マイコン61は遊技状態フラグの値が「2」か否かを判定する(S505)。遊技状態フラグの値が「2」以外であれば(S505でNO)ステップS507に進むが、遊技状態フラグの値が「2」であれば(S505でYES)、遊技制御用マイコン61は後述のメイン報知処理(S506)を行う。
【0225】
続いて遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値が「0」か否かを判定する(S507)。遊技状態フラグの値が「0」以外であれば(S507でNO)、遊技制御用マイコン61は後述のステップS510に進むが、遊技状態フラグの値が「0」であれば(S507でYES)、次いで遊技制御用マイコン61は小役1~小役8のいずれかの小役の当選フラグがONかどうかを判定する(S508)。上述したように、小役1~小役8のいずれかの小役の当選が非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が移行する条件(条件A1、条件A2又は条件A3)に該当する。そのため、小役1~小役8のいずれかの小役の当選フラグがONでなければ(S508でNO)、遊技制御用マイコン61はステップS510に進むけれども、小役1~小役8のいずれかの小役の当選フラグがONであれば(S508でYES)、第1移行フラグをONにする(S509)。これにより、次の単位遊技(次ゲーム)で非RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態が変更されることになる。
【0226】
次に、遊技制御用マイコン61は小役9又は小役10の当選フラグがONかどうかを判定する(S510)。上述したように、遊技状態が第1RT遊技状態のときに小役9又は小役10に当選した場合には、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行する。そのため、小役9の当選フラグも小役10の当選フラグもONでなければ(S510でNO)、遊技制御用マイコン61は後述のステップS513に進むけれども、小役9又は小役10の当選フラグがONであれば(S510でYES)、次に遊技状態フラグが「1」かどうかを判定する(S511)。そして、遊技状態フラグが「1」であると判定した場合(S511でYES)、遊技制御用マイコン61は第2移行フラグをONにする(S512)。これにより、次の単位遊技(次ゲーム)で第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態の設定が変更(移行)されることになる。なお、遊技状態フラグが「1」でないと判定した場合(S511でNO)、遊技制御用マイコン61は後述のステップS513に進む。
【0227】
ステップS513で遊技制御用マイコン61は、上記ステップS504でONに設定された当選フラグに基づいて、当選フラグがONの遊技役に関するコマンド(役決定結果コマンド)をセットして、本処理を終える。
【0228】
[メイン報知処理]
図22に示すメイン報知処理(S506)で遊技制御用マイコン61は、まず小役1、小役2、小役9又は小役10の当選フラグがONかどうかを判定する(S601)。小役1、小役2、小役9又は小役10の当選フラグがONであれば(S601でYES)、遊技制御用マイコン61は特殊役報知ランプ27のうち、ONである当選フラグに応じた遊技役のランプを点灯させて(S602)、本処理を終える。
【0229】
一方、これら小役1、小役2、小役9および小役10の当選フラグがいずれもONでないと判定した場合(S601でNO)、続いて遊技制御用マイコン61は小役3、小役7および小役8の当選フラグがONかどうかを判定する(S603)。小役3、小役7および小役8の当選フラグがONであると判定した場合(S603でYES)、遊技制御用マイコン61は3つのストップ報知ランプ30L,30C,30Rのうちの左ストップ報知ランプ30Lを点灯させる(S604)。これにより、全リール6L,6C,6Rの変動表示中に、3つのストップ報知ランプ30L,30C,30Rのうちの左ストップ報知ランプ30Lだけが点灯することになる。
【0230】
なお、小役3、小役7および小役8の当選フラグがONでなければ(S603でNO)、次に遊技制御用マイコン61は、小役4、小役6および小役8の当選フラグがONかどうかを判定する(S605)。小役4、小役6および小役8の当選フラグがONであると判定した場合(S605でYES)、3つのストップ報知ランプ30L,30C,30Rのうちの中ストップ報知ランプ30Cを点灯させる(S606)。これにより、全リール6L,6C,6Rの変動表示中に、3つのストップ報知ランプ30L,30C,30Rのうちの中ストップ報知ランプ30Cだけが点灯することになる。
【0231】
小役4、小役6および小役8の当選フラグがONでなければ(S605でNO)、次に遊技制御用マイコン61は、小役5、小役6および小役7の当選フラグがONかどうかを判定する(S607)。小役5、小役6および小役7の当選フラグがONでなければ(S607でNO)、遊技制御用マイコン61は本処理を終えるが、小役5、小役6および小役7の当選フラグがONであると判定した場合(S607でYES)、遊技制御用マイコン61は3つのストップ報知ランプ30L,30C,30Rのうちの右ストップ報知ランプ30Rを点灯させる(S608)。これにより、全リール6L,6C,6Rの変動表示中に、3つのストップ報知ランプ30L,30C,30Rのうちの右ストップ報知ランプ30Rだけが点灯することになる。
【0232】
[リール回転開始処理]
図23に示すリール回転開始処理(S207)で遊技制御用マイコン61は、ストップボタン9L,9C,9Rの操作の無効化を行い(S701)、後述の回転開始制御処理(S702)を行う。ステップS701の処理によって、ストップボタン9L,9C,9Rが遊技者に操作されたとしても回転開始制御処理(S702)が確実に実行することが可能となっている。
【0233】
[回転開始制御処理]
図24に示す回転開始制御処理(S702)で遊技制御用マイコン61は、まず全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(S751)。これにより全リール6L,6C,6Rの図柄の変動表示が開始される。なお、遊技制御用マイコン61は、上述の所定の規定時間(具体的には「4.1秒」)をセットした上で、全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる。
【0234】
次に、遊技制御用マイコン61は右リール6Rが既に回転しているか否かを判定する(S752)。右リール6Rが既に回転している場合(S752でYES)、遊技制御用マイコン61は右リール6Rの回転開始を示す右リール回転開始フラグがONかどうかを判定する(S753)。ONでない場合(S753でNO)、つまり右リール回転開始フラグがOFFの場合、遊技制御用マイコン61はその右リール回転開始フラグをONして(S754)、右リール6Rの回転開始を示す右リール回転開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S755)、ステップS756に進む。
【0235】
なお、ステップS752において、右リール6Rが未だ回転していない場合(S752でNO)、遊技制御用マイコン61は上記ステップS753~S755の処理をスキップしてステップS756に進む。また、上記ステップS753において、右リール回転開始フラグがONの場合(S753でYES)、遊技制御用マイコン61は上記ステップS754,S755の処理をスキップしてステップS756に進む。
【0236】
遊技制御用マイコン61は、ステップS756~S759では中リール6Cに関して、また、ステップS760~S763では左リール6Lに関して、上述のステップS752~S755とほぼ同じような処理を行う。すなわち、ステップS756では中リール6Cが既に回転しているか否かを判定し、中リール6Cが既に回転している場合には(S756でYES)、中リール6Cの回転開始を示す中リール回転開始フラグがONかどうかを判定する(S757)。ONでない場合(S757でNO)、つまり中リール回転開始フラグがOFFの場合、遊技制御用マイコン61はその中リール回転開始フラグをONし(S758)、中リール6Cの回転開始を示す中リール回転開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S759)、ステップS760に進む。
【0237】
なお、上記ステップS756において、中リール6Cが未だ回転していない場合(S756でNO)、遊技制御用マイコン61は上記ステップS757~S759の処理をスキップしてステップS760に進む。また、上記ステップS757において、中リール回転開始フラグがONの場合(S757でYES)、遊技制御用マイコン61は上記ステップS758,S759の処理をスキップしてステップS760に進む。
【0238】
また、ステップS760で遊技制御用マイコン61は左リール6Lが既に回転しているか否かを判定し、左リール6Lが既に回転している場合には(S760でYES)、左リール6Lの回転開始を示す左リール回転開始フラグがONかどうかを判定する(S761)。ONでない場合(S761でNO)、つまり左リール回転開始フラグがOFFの場合、遊技制御用マイコン61はその左リール回転開始フラグをONし(S762)、左リール6Lの回転開始を示す左リール回転開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S763)、ステップS764に進む。
【0239】
なお、上記ステップS760において、左リール6Lが未だ回転していない場合(S760でNO)、遊技制御用マイコン61は上記ステップS761~S763の処理をスキップしてステップS764に進む。また、上記ステップS761において、左リール回転開始フラグがONの場合(S761でYES)、遊技制御用マイコン61は上記ステップS762,S763の処理をスキップしてステップS764に進む。
【0240】
ステップS764で遊技制御用マイコン61は、全リール6L,6C,6Rが既に回転しているかどうかを判定する。具体的には、各リール6L,6C,6Rの回転開始フラグがいずれもONかどうかを遊技制御用マイコン61が判定する。全リール6L,6C,6Rが既に回転していれば(S764でYES)、遊技制御用マイコン61は全リール6L,6C,6Rについてのリール回転開始フラグをOFFして(S765)本処理を終える。一方、各リール6L,6C,6Rのいずれかが未だ回転していない場合(S764でNO)、つまり各回転開始フラグの少なくとも1つがONでなければ、遊技制御用マイコン61は上記ステップS752に戻る。
【0241】
[リール定速回転処理]
図25に示すリール定速回転処理(S208)で遊技制御用マイコン61は、まず回転開始した各リール6L,6C,6Rについて、所定の回転速度に達するように加速する加速処理(S801)を行う。次いで、遊技制御用マイコン61は全リール6L,6C,6Rが所定の速度で定速回転しているか否かを判定し(S802)、定速回転していないと判定した場合には(S802でNO)、上記ステップS801に戻って再び加速処理を行う。
【0242】
一方、全リール6L,6C,6Rが定速回転していると判定した場合(S802でYES)、遊技制御用マイコン61は上述の第2RT開始フラグがONかどうかを判定する(S803)。第2RT開始フラグがONでなければ(S803でNO) 遊技制御用マイコン61は本処理を終えるが、第2RT開始フラグがONであれば(S803でYES)、後述のオープニングリール処理(S804)を行い、第2RT開始フラグをOFFにして(S805)、本処理を終える。
【0243】
[オープニングリール処理]オープニングリール処理(S804)、および、第2RT遊技状態に移行した初回の単位遊技におけるオープニングについて、
図26および
図27を用いて説明する。オープニングリール処理(S804)とは、遊技状態が第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行した初回の単位遊技(初回ゲーム)におけるリール6L,6C,6Rの回転開始時に、これらリール6L,6C,6Rを用いたオープニングを実行する処理である。具体的には、
図27(D)に示すような、有効ラインL1上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが特定停止期間(本実施形態では「3秒間」)、停止表示されるオープニングを実行する処理である。すなわち、リール6L,6C,6Rを一旦停止して、いわゆる「疑似ボーナス」のオープニングを自動的に実行する処理である。
【0244】
図26に示すオープニングリール処理(S804)で遊技制御用マイコン61は、オープニングに用いるリール6L,6C,6Rを通常態様で停止する(S851)。
【0245】
リール6L,6C,6Rを通常態様で停止した場合のオープニングについて
図27を用いて説明する。通常態様の場合に、遊技制御用マイコン61は、
図27(A)に示す全リール6L,6C,6Rが定速回転になったタイミングTA1でオープニングの実行を開始する。そして、遊技制御用マイコン61は、
図27(B)に示すように、3つのリール6L,6C,6Rのうちの左リール6Lの「赤セブン」図柄を有効ラインL1上に先ず停止させる。本実施形態で遊技制御用マイコン61は、タイミングTA1における左リール6Lのリール基準位置(例えば、
図3に示すコマ番号「1」の位置)がどこであるかを検出する。そしてその検出の結果に基づいて、そのタイミングTA1から左リール6Lを2周回転させた後、さらに左表示窓5Lから視認可能な左リール6Lの中段図柄として「赤セブン」図柄が停止するようリール用モータ55Lの実行制御を行う。これにより、タイミングTA2で左リール6Lの「赤セブン」図柄が有効ラインL1上に停止することになる(
図27(B)参照)。タイミングTA2とは、2周分の回転にかかる時間、および、タイミングTA1の時点での「赤セブン」図柄の位置から、左表示窓5Lから見える左リール6Lの中段図柄の位置までの回転移動にかかる時間が、タイミングTA1から経過したタイミングである。
【0246】
続いて、遊技制御用マイコン61は、
図27(C)に示すように、左リール6Lの「赤セブン」図柄を有効ラインL1上に停止した後、3つのリール6L,6C,6Rのうちの中リール6Cの「赤セブン」図柄を有効ラインL1上に停止させる。本実施形態で遊技制御用マイコン61は、タイミングTA2における中リール6Cのリール基準位置がどこであるかを検出する。そしてその検出の結果に基づいて、そのタイミングTA2から中リール6Cを2周回転させた後、さらに中表示窓5Cから視認可能な中リール6Cの中段図柄として「赤セブン」図柄が停止するよう、リール用モータ55Cの実行制御を行う。これにより、タイミングTA3で中リール6Cの「赤セブン」図柄が有効ラインL1上に停止することになる(
図27(C)参照)。タイミングTA3とは、2周分の回転にかかる時間、および、タイミングTA2の時点での「赤セブン」図柄の位置から、中表示窓5Cから見える中リール6Cの中段図柄の位置までの回転移動にかかる時間が、タイミングTA2から経過したタイミングである。
【0247】
次に、遊技制御用マイコン61は、
図27(D)に示すように、中リール6Cの「赤セブン」図柄を有効ラインL1上に停止した後、残りの右リール6Rの「赤セブン」図柄を有効ラインL1上に停止させる。本実施形態で遊技制御用マイコン61は、タイミングTA3における右リール6Rのリール基準位置がどこであるかを検出する。そして、その検出の結果に基づいて、そのタイミングTA3から右リール6Rを2周回転させた後、さらに右表示窓5Rから視認可能な右リール6Rの中段図柄として「赤セブン」図柄が停止するよう、リール用モータ55Rの実行制御を行う。これにより、タイミングTA4で右リール6Rの「赤セブン」図柄が有効ラインL1上に停止することになる(
図27(D)参照)。タイミングTA4とは、2周分の回転にかかる時間、および、タイミングTA3の時点での「赤セブン」図柄の位置から、右表示窓5Rから見える右リール6Rの中段図柄の位置までの回転移動にかかる時間が、タイミングTA3から経過したタイミングである。
【0248】
遊技制御用マイコン61は、上記タイミングTA4から特定停止期間(「3秒間」)、有効ラインL1上に「赤セブン」図柄の3つ揃いを停止表示する。これにより遊技者は、遊技状態が第2RT遊技状態に移行したこと、さらには上述の終了契機遊技数にわたってART(AT)が設定される「疑似ボーナス」が開始したことを把握可能となっている。
【0249】
遊技制御用マイコン61は、タイミングTA4から特定停止期間が経過したタイミングTA5で3つのリール6L,6C,6Rの回転を開始する。これにより、通常態様でのオープニングが終了することになる。
【0250】
図26に戻り、遊技制御用マイコン61は、オープニングに用いるリール6L,6C,6Rを上述した通常態様で停止した後、それらリール6L,6C,6Rの停止から所定期間(上記の特定停止期間)が経過したかどうかを判定する(S852)。停止から特定停止期間が経過した場合(S852でYES)、遊技制御用マイコン61は上述した回転開始制御処理(S702)を実行する。これにより、特定停止期間の経過後にリール6L,6C,6Rの回転が開始する。さらに、遊技制御用マイコン61は上述の加速処理(S801)およびステップS802を行い、全リール6L,6C,6Rを所定の速度で定速回転させる。
【0251】
[リール回転停止処理]
図28に示すリール回転停止処理(S209)で遊技制御用マイコン61は、まずストップボタン9L,9C,9Rの押圧操作を有効化する(S901)。これにより、ストップボタン9L,9C,9Rが操作された場合に、それに対応して各リール6L,6C,6Rが回転停止可能となる。
【0252】
次に、遊技制御用マイコン61はストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作されたか否かを判定する(S902)。ストップボタン9L,9C,9Rの操作があった場合(S902でYES)、遊技制御用マイコン61は後述の停止制御処理(S903)に進み、操作されたストップボタンに対応したリールが回転駆動中の場合には、そのリールの停止制御を行う。
【0253】
ステップS904で遊技制御用マイコン61は、ストップ報知ランプ30L,30C,30Rが点灯しているかどうかを判定する。本実施形態では、上述のメイン報知処理(S506)で第1ベル小役の正解押し順の第1停止操作に関し、ストップ報知ランプ30L,30C,30Rを用いて、その第1停止操作で操作すべきストップボタンがどれなのかを報知している。そこで、ストップ報知ランプ30L,30C,30Rがいずれも点灯していない場合(S904でNO)、つまり消灯している場合、遊技制御用マイコン61はそのままステップS906に進むが、点灯している場合には(S904でYES)、点灯しているストップ報知ランプ30L,30C,30Rを消灯して(S905)、ステップS906に進む。これにより、第1停止操作が行われた後には、点灯しているストップ報知ランプ30L,30C,30Rを消灯して正解押し順の第1停止操作に関する報知を終了させることができる。
【0254】
ステップS906で遊技制御用マイコン61は、全リール6L,6C,6Rの回転が停止しているかどうかを判定する。全リール6L,6C,6Rの回転が停止していない場合(S906でNO)、つまり3つのリール6L,6C,6Rの1つでも回転中である場合、遊技制御用マイコン61は上記ステップS902に戻る。一方、全リール6L,6C,6Rの回転が停止している場合(S906でYES)、遊技制御用マイコン61は後述の停止制御処理(S903)のステップS953,S960,S966でONしたSB操作フラグをいずれもOFFして(S907)、本処理を終える。
【0255】
[停止制御処理]
図29に示す停止制御処理(S903)は、3つのストップボタン9L,9C,9Rのうち、押圧操作があったストップボタンについて行われる処理である。遊技制御用マイコン61は、まず本処理の直前で押圧操作があったストップボタンが左ストップボタン9Lであるかどうかを判定する(S951)。左ストップボタン9Lであれば(S951でYES)、左SB操作フラグがONかどうかを判定する(S952)。左SB操作フラグがONとは、左リール6Lの変動停止のために左ストップボタン9Lの操作が既に行われたことを示す。左SB操作フラグがONの場合には(S952でYES)本処理を終えるが、ONでない場合(S952でNO)、つまり左SB操作フラグがOFFの場合には、その左SB操作フラグをONし(S953)、左ストップボタン9Lの操作が行われたことに関する左SB操作コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S954)、ステップS955に進む。
【0256】
ステップS955で遊技制御用マイコン61は左リール6Lの図柄組み合わせ回転停止制御を行う。具体的には、当選フラグがONの遊技役、および、左ストップボタン9Lの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)に基づき、上述の引込制御を含むリール用モータ55Lの実行制御を行って左リール6Lを停止させる。
【0257】
左リール6Lの回転が停止次第(S956でYES)、遊技制御用マイコン61は左リール6Lが回転停止したことに関する左リール回転停止コマンドをセットして(S957)本処理を終える。
【0258】
一方、上記ステップS951で遊技制御用マイコン61は、操作があったストップボタンが左ストップボタン9Lでない場合には(S951でNO)、ステップS958に進む。
【0259】
ステップS958~S964の処理は、中リール6Cの中ストップボタン9Cに関する処理である。すなわち、遊技制御用マイコン61は、まずステップS958で、本処理の直前で押圧操作があったストップボタンが中ストップボタン9Cであるかどうかを判定する。中ストップボタン9Cであれば(S958でYES)、遊技制御用マイコン61は中SB操作フラグがONかどうかを判定する(S959)。中SB操作フラグがONとは、中リール6Cの変動停止のために中ストップボタン9Cの操作が既に行われたことを示す。中SB操作フラグがONの場合には(S959でYES)本処理を終えるが、ONでない場合(S959でNO)、つまり中SB操作フラグがOFFの場合、遊技制御用マイコン61はその中SB操作フラグをONし(S960)、中ストップボタン9Cの操作が行われたことに関する中SB操作コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S961)、ステップS962に進む。
【0260】
ステップS962で遊技制御用マイコン61は中リール6Cの図柄組み合わせ回転停止制御を行う。具体的には、当選フラグがONの遊技役、および、中ストップボタン9Cの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)に基づき、遊技制御用マイコン61は上述の引込制御を含むリール用モータ55Cの実行制御を行って中リール6Cを停止させる。
【0261】
中リール6Cの回転が停止次第(S963でYES)、遊技制御用マイコン61は中リール6Cが回転停止したことに関する中リール回転停止コマンドをセットして(S964)、本処理を終える。
【0262】
一方、上記ステップS958で遊技制御用マイコン61は、操作があったストップボタンが中ストップボタン9Cでない場合には(S958でNO)、右ストップボタン9Rに関する処理を行うべくステップS965に進む。
【0263】
ステップS965~S970の処理は、右リール6Rの右ストップボタン9Rに関する処理である。すなわち、まずステップS965で遊技制御用マイコン61は、右リール6Rを停止させるために右ストップボタン9Rの操作が既に行われたことを示す右SB操作フラグがONかどうかを判定する。右SB操作フラグがONの場合には(S965でYES)本処理を終えるが、ONでない場合(S965でNO)、つまり右SB操作フラグがOFFの場合、遊技制御用マイコン61はその右SB操作フラグをONし(S966)、右ストップボタン9Rの操作が行われたことに関する右SB操作コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S967)、ステップS968に進む。
【0264】
ステップS968で遊技制御用マイコン61は、右リール6Rの図柄組み合わせ回転停止制御を行う。具体的には、当選フラグがONの遊技役、および、右ストップボタン9Rの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)に基づき、遊技制御用マイコン61は上述の引込制御を含むリール用モータ55Rの実行制御を行って右リール6Rを停止させる。
【0265】
右リール6Rの回転が停止次第(S969でYES)、遊技制御用マイコン61は右リール6Rが回転停止したことに関する右リール回転停止コマンドをセットして(S970)本処理を終える。
【0266】
[停止表示図柄判定処理]
図30に示す停止表示図柄判定処理(S210)で、遊技制御用マイコン61は、まず表示窓5L,5C,5Rの枠内に停止表示されている停止表示図柄を確認して、その情報をRAM64に格納する(S1201)。次に、停止表示図柄に基づいて、遊技制御用マイコン61は有効ラインL1上に遊技役に応じた図柄の組み合わせがあるかどうかを判定する(S1202)。
【0267】
有効ラインL1上に遊技役に応じた図柄の組み合わせがある場合(S1202でYES)、その図柄に応じた遊技役が成立していることになるので、遊技制御用マイコン61はその成立している遊技役の種類を示すための表示図柄フラグをセットする(S1203)。遊技役に応じた表示図柄フラグの値は、
図7に示す通りである。なお、表示図柄フラグは、上述したようにメイン制御処理(
図11)の遊技開始準備処理(S202)でゼロクリアされる。
【0268】
次いで遊技制御用マイコン61は、表示図柄フラグの値が「20」か否かを判定する(S1204)。すなわち、成立した遊技役が再遊技役かどうかを判定する。
【0269】
なお、再遊技役が成立している場合には、次回の単位遊技(次ゲーム)において自動ベット処理を行う。そこで、表示図柄フラグの値が「20」であれば(S1204でYES)、遊技制御用マイコン61は上記自動ベットフラグをONして(S1205)、ステップS1207に進む。一方、表示図柄フラグの値が「20」でない場合には(S1204でNO)、成立している遊技役は払い出しを伴う遊技役(小役1~小役8のいずれか)に該当するため、遊技制御用マイコン61は払出フラグをONして(S1206)、後述のステップS1207に進む。
【0270】
なお、遊技制御用マイコン61は、有効ラインL1上に遊技役に応じた図柄の組み合わせがない場合には(S1202でNO)、当該単位遊技では表示図柄フラグをセットせずにステップS1207に進む。
【0271】
ステップS1207で遊技制御用マイコン61は、当選フラグがONであるかどうかを判定する。当選フラグがONではないと判定した場合(S1207でNO)、遊技制御用マイコン61は後述のステップS1212に進むが、当選フラグがONであると判定した場合(S1207でYES)、続いて小役9又は小役10の当選フラグがONであるかどうかを判定する(S1208)。
【0272】
遊技制御用マイコン61は、小役9又は小役10の当選フラグがONであると判定した場合(S1208でYES)、遊技状態フラグが「2」かどうかを判定する(S1209)。つまり、遊技状態が第2RT遊技状態であるかどうかを判定する。遊技状態フラグが「2」であると判定した場合(S1209でYES)、次に遊技制御用マイコン61は、上述の上乗せ禁止フラグがOFFかどうかを判定する(S1210)。
【0273】
上乗せ禁止フラグがOFFであると判定した場合(S1210でYES)、そのまま後述のステップS1212に進む。これにより、小役9又は小役10の当選フラグは本処理でONからOFFに変更されることがない。すなわち、遊技状態が第2RT遊技状態で上乗せ禁止フラグがOFFであれば小役9又は小役10の当選フラグはONの状態を維持したまま本処理を終了することになる。なお、これら小役9又は小役10の当選フラグは、後述の上乗せ処理(S1505)のステップS1558でOFFに変更される。
【0274】
一方、小役9および小役10の当選フラグがONではないと判定した場合(S1208でNO)、或いは、遊技状態フラグが「2」ではないと判定した場合(S1209でNO)、或いは、上乗せ禁止フラグがOFFではないと判定した場合(S1210でNO)、遊技制御用マイコン61はステップS1211に進み、当選フラグをOFFにして、後述のステップS1212に進む。
【0275】
ステップS1212で遊技制御用マイコン61は、停止表示図柄に関する停止表示図柄コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S1212)、本処理を終える。
【0276】
[メダル払出処理]
図31に示すメダル払出処理(S211)で遊技制御用マイコン61は、まず上記払出フラグがONか否かを判定する(S1301)。払出フラグがONでなければ(S1301でNO) 本処理を終了するが、ONであれば(S1301でYES)、表示図柄フラグの値に基づいて、払い出すメダルの枚数に関する払出枚数コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S1302)。次いで遊技制御用マイコン61は、上記クレジット機能が有効になっているかどうかを判定する(S1303)。
【0277】
クレジット機能が有効になっていない場合(S1303でNO)、つまりクレジット機能が無効になっている場合にはステップS1307に進むが、有効になっている場合には(S1303でYES)、遊技制御用マイコン61は、上記仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和がクレジット可能な上限値(本実施形態では「50」)を超えているかどうかを判定する(S1304)。上限値を超えていない場合(S1304でNO)、すなわち仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和が上限値以下の場合には、メダルの払出枚数をクレジット表示部21に示す仮想メダルの枚数に加算表示して(S1305)、ステップS1309に進む。
【0278】
一方、仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和が上限値(「50」)を超えている場合には(S1304でYES)、クレジット表示部21に示す仮想メダルの枚数をその上限値まで加算表示して(S1306)、ステップS1307に進む。
【0279】
ステップS1307で遊技制御用マイコン61は、メダル払出口38からメダルを払い出す。クレジット機能が無効である場合には、メダルの払出枚数と同数のメダルを払い出す。一方、クレジット機能が有効の場合には、仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和のうち「50」を超える分のメダルを払い出す。そして、払い出しが終了次第(S1308でYES)ステップS1309に進む。
【0280】
ステップS1309で遊技制御用マイコン61は、遊技状態フラグの値が0以外かどうかを判定する。すなわち現在の遊技状態が、有利区間にあたる第1RT遊技状態又は第2RT遊技状態であるかを判定する。遊技状態フラグの値が「0」以外でなければ(S1309でNO)、つまり遊技状態が非RT遊技状態であればそのままステップS1311に進むが、遊技状態フラグの値が「0」以外であれば(S1309でYES)、つまり遊技状態が第1RT遊技状態または第2RT遊技状態であれば、遊技制御用マイコン61は上述の第2積算カウンタの値に払出枚数を加算して(S1310)ステップS1311に進む。
【0281】
ステップS1311で遊技制御用マイコン61は、メダルの払い出しが終了したことを示す払出終了コマンドをセットして、本処理を終了する。
【0282】
[第1RT状態処理]
図32に示す第1RT状態処理(S212)で遊技制御用マイコン61は、まず遊技状態フラグの値が「1」であるかどうかを判定する(S1401)。遊技状態フラグの値が「1」でない場合 (S1401でNO)、つまり遊技状態フラグの値が「0」又は「2」である場合、遊技制御用マイコン61はそのまま本処理を終える。一方、遊技状態フラグの値が「1」の場合(S1401でYES)、つまり遊技状態が第1RT遊技状態である場合、遊技制御用マイコン61は後述の有利区間継続判定処理(S1402)を行う。そして、上述の第3移行フラグがONであるかどうかを判定する(S1403)。
【0283】
第3移行フラグがONであれば(S1403でYES)、遊技制御用マイコン61は有利区間の終了に伴って第1RT遊技状態が終了することを示す第1RT強制終了コマンドをセットして(S1404)、本処理を終える。
【0284】
一方、第3移行フラグがONでなければ(S1403でNO)、遊技制御用マイコン61は起動中の発動遊技数カウンタの値から「1」減算(デクリメント)する(S1405)。これにより、当該1ゲーム分の単位遊技(ゲーム)を発動遊技数から減算することが可能となっている。
【0285】
その後、遊技制御用マイコン61は第2移行フラグがONかどうかを判定する(S1406)。
【0286】
上述したように、本実施形態の第1RT遊技状態から第2RT遊技状態への移行条件(条件B)とは、第1RT遊技状態でのゲーム数が「発動遊技数」に達すること、或いは「発動遊技数」に達する前の第1RT遊技状態で小役9又は小役10に当選することである。そこで、上述の当選役決定処理(S205)のステップS511で既に第2移行フラグがONになっている場合(S1406でYES)、つまり第1RT遊技状態中の当該単位遊技で小役9又は小役10に当選した場合、遊技制御用マイコン61は上乗せ禁止フラグがONかどうかを判定する(S1407)。
【0287】
本実施形態で遊技制御用マイコン61は、上述したように発動遊技数カウンタに第2発動遊技数をセットして、上乗せ禁止フラグをONにする。そして、その発動遊技数カウンタの値が「0」になって第2RT遊技状態の設定を開始しても、上乗せ禁止フラグをONのままとする。そのため、その第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10が当選しても終了契機遊技数の加算(「上乗せ」)を行わない。すなわち、第2発動遊技数をセットした発動遊技数カウンタの値が「0」になって開始される第2RT遊技状態にて小役9又は小役10が当選した場合には終了契機遊技数の加算(「上乗せ」)を禁止する。
【0288】
それに対し、遊技制御用マイコン61は、第2発動遊技数をセットした発動遊技数カウンタの値が「0」になる前に小役9又は小役10に当選して開始した第2RT遊技状態では、小役9又は小役10の当選に伴う終了契機遊技数の加算(「上乗せ」)を禁止しない。
【0289】
そこで、上乗せ禁止フラグがONでなければ(S1407でNO)、遊技制御用マイコン61はそのまま後述のステップS1411に進むが、上乗せ禁止フラグがONであると判定した場合には(S1407でYES)、上乗せ禁止フラグをOFFに変更して(S1408)ステップS1411に進む。
【0290】
一方、第2移行フラグがONでない場合(S1406でNO)、遊技制御用マイコン61は、上記ステップS1405で減算した発動遊技数カウンタの値が「0」であるかどうかを判定する(S1409)。つまり、設定中の一連の第1RT遊技状態における単位遊技数(ゲーム数)が発動遊技数に達したかどうかを判定する。
【0291】
発動遊技数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1409でNO)、遊技制御用マイコン61は本処理を終えるが、発動遊技数カウンタの値が「0」であれば(S1409でYES)、遊技制御用マイコン61は第2移行フラグをONにする(S1410)。これにより、次の単位遊技で第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態の設定が変更(移行)されることになる。その後、ステップS1411に進む。
【0292】
ステップS1411で遊技制御用マイコン61は、発動遊技数カウンタをOFFにして(具体的には発動遊技数カウンタの値をゼロクリアして)本処理を終える。
【0293】
[有利区間継続判定処理]
図33に示す有利区間継続判定処理(S1402)で遊技制御用マイコン61は、上述の第1積算カウンタの値に「1」を加算(インクリメント)する(S1451)。これにより、当該単位遊技を含む一連の有利区間にわたる総遊技数が計測されることになる。
【0294】
次に、遊技制御用マイコン61はその第1積算カウンタの値が上限遊技数(本実施形態では「1500」)と同値かどうかを判定する(S1452)。第1積算カウンタの値が上限遊技数と同値でない場合(S1452でNO)、遊技制御用マイコン61は第2積算カウンタの値が上限枚数(本実施形態では「2400」)を超えているかどうかを判定する(S1453)。第2積算カウンタの値が上限枚数を超えていない場合(S1453でNO)、つまり第2積算カウンタの値が上限枚数以下の場合、遊技制御用マイコン61はそのまま本処理を終える。一方、第1積算カウンタの値が上限遊技数と同値である場合(S1452でYES)、又は、第2積算カウンタの値が上限枚数を超えている場合には(S1453でYES)、遊技制御用マイコン61は第3移行フラグをONにして(S1454)本処理を終える。これにより、次の単位遊技(次ゲーム)で第1RT遊技状態又は第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が強制的に変更されることになる。
【0295】
[第2RT状態処理]
図34に示す第2RT状態処理(S213)で、遊技制御用マイコン61は、まず遊技状態フラグの値が「2」であるかどうかを判定する(S1501)。遊技状態フラグの値が「2」ではないと判定した場合(S1501でNO)、つまり遊技状態フラグの値が「0」又は「1」である場合、遊技制御用マイコン61はそのまま本処理を終える。一方、遊技状態フラグの値が「2」であると判定した場合(S1501でYES)、つまり遊技状態が第2RT遊技状態である場合、遊技制御用マイコン61は上述の有利区間継続判定処理(S1402)を行う。
【0296】
有利区間継続判定処理(S1402)の実行後、遊技制御用マイコン61は上述の第3移行フラグがONであるかどうかを判定する(S1502)。第3移行フラグがONであると判定した場合(S1502でYES)、遊技制御用マイコン61は第2RT強制終了コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S1503)、本処理を終える。第2RT強制終了コマンドとは、有利区間の終了に伴って第2RT遊技状態が終了することを示すものである。
【0297】
一方、第3移行フラグがONでないと判定した場合(S1502でNO)、遊技制御用マイコン61は続いて、上述の第2RT遊技数カウンタの値に「1」を加算(インクリメント)する(S1504)。そして、遊技制御用マイコン61は後述の上乗せ処理(S1505)を行う。
【0298】
その後、遊技制御用マイコン61は、第2RT遊技数カウンタの値がその時点での終了契機遊技数と同値であるかどうかを判定する(S1506)。
【0299】
第2RT遊技数カウンタの値がその時点での終了契機遊技数と同値でないと判定した場合(S1506でNO) 、遊技制御用マイコン61は本処理を終えるが、第2RT遊技数カウンタの値がその時点での終了契機遊技数と同値であると判定した場合(S1506でYES)、第2RT終了コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S1507)。第2RT終了コマンドとは、一連の第2RT遊技状態中における単位遊技(ゲーム)の回数がその時点での終了契機遊技数に達したことに伴って、当該第2RT遊技状態の設定が終了することを示すコマンドである。
【0300】
続いて、遊技制御用マイコン61は、ステップS1508で第2RT遊技数カウンタをOFFにして(具体的には第2RT遊技数カウンタの値をゼロクリアして)、後述の終了時移行フラグ設定処理(S1509)を行う。
【0301】
その後、遊技制御用マイコン61は、上述の上乗せ禁止フラグがONかどうかを判定する(S1510)。上乗せ禁止フラグがONではないと判定した場合(S1510でNO)、遊技制御用マイコン61は本処理を終了するが、上乗せ禁止フラグがONであると判定した場合(S1510でYES)、その上乗せ禁止フラグをOFFにして(S1511)、本処理を終える。
【0302】
[上乗せ処理]
図35に示す上乗せ処理とは、第2RT遊技状態の単位遊技(ゲーム)で小役9又は小役10に当選した場合には、その時点での終了契機遊技数に所定の遊技数を加算(「上乗せ」)して、第2RT遊技状態を延長する処理である。終了契機遊技数は、第2RT遊技状態の単位遊技で小役9又は小役10に当選した場合には、「5」、「10」、「15」、「20」、「25」、「30」、「50」、「80」又は「100」が「上乗せ」され得る。
【0303】
図35に示す上乗せ処理(S1505)で遊技制御用マイコン61は、まず上乗せ禁止フラグがOFFであるかどうかを判定する(S1551)。上乗せ禁止フラグがOFFではないと判定した場合(S1551でNO)、すなわち上乗せ禁止フラグがONの場合には、遊技制御用マイコン61はそのまま本処理を終える。かくして上乗せ禁止フラグがONであれば、終了契機遊技数へのゲーム数の上乗せが行われることはない。
【0304】
一方、上乗せ禁止フラグがOFFであると判定した場合(S1551でYES)、遊技制御用マイコン61は小役9の当選フラグがONかどうかを判定する(S1552)。小役9の当選フラグがONであると判定した場合(S1552でYES)、遊技制御用マイコン61は、
図36(A)に示す第1上乗せ遊技数選択テーブルを参照して上乗せ遊技数を決定する(S1553)。一方、小役9の当選フラグがONではないと判定した場合(S1552でNO)、遊技制御用マイコン61は続いて小役10の当選フラグがONかどうかを判定する(S1554)。小役10の当選フラグがONではないと判定した場合(S1554でNO)、遊技制御用マイコン61は本処理を終えるが、小役10の当選フラグがONであると判定した場合(S1554でYES)、
図36(B)に示す第2上乗せ遊技数選択テーブルを参照して上乗せ遊技数を決定する(S1555)。
【0305】
図36(A)および
図36(B)によれば、本実施形態では、小役9の当選フラグがONの場合に決定可能な上乗せ遊技数の種類は9種類(「5」、「10」、「15」、「20」、「25」、「30」、「50」、「80」および「100」)である。小役10の当選フラグがONの場合に決定可能な上乗せ遊技数の種類も、小役9の場合と同じ9種類である。但し「20」、「25」、「30」、「50」、「80」および「100」といった比較的多い数の上乗せ遊技数については、小役9の当選フラグがONの場合の方が小役10の当選フラグがONの場合よりも決定され易くなっている(
図36(A)および
図36(B)参照)。そのため、第2RT遊技状態において小役9に当選した場合に、より多くのゲーム数の上乗せを遊技者に期待させることが可能となっている。
【0306】
図35に戻り、ステップS1556で遊技制御用マイコン61は、上述のステップS1553又はステップS1555で決定した上乗せ遊技数を終了契機遊技数に加算する。これにより、設定中の第2RT遊技状態がその分延長可能となる。
【0307】
次いで遊技制御用マイコン61は、終了契機遊技数に所定の遊技数の加算(「上乗せ」)を行ったことを示す上乗せコマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S1557)。
【0308】
その後、遊技制御用マイコン61はONである当選フラグ(小役9又は小役10の当選フラグ)をOFFにして(S1558)、本処理を終える。
【0309】
[終了時移行フラグ設定処理]
図37に示す終了時移行フラグ設定処理(S1509)で遊技制御用マイコン61は、まずモードフラグの値が「1」であるかどうかを判定する(S1601)。モードフラグの値が「1」であると判定した場合(S1601でYES)、すなわち遊技モードが「モードA」である場合、遊技制御用マイコン61は続いて、上述の残ゲーム数が第1特定値(160(ゲーム))を超えているかどうかを判定する(S1602)。具体的には、残ゲーム数として、上限遊技数から第1積算カウンタの値を引いた差を用いる。残ゲーム数が第1特定数を超えていないと判定した場合(S1602でNO)、つまり残ゲーム数が第1特定数以下の場合には、遊技制御用マイコン61は後述のステップS1608に進むが、残ゲーム数が第1特定数を超えていると判定した場合(S1602でYES)、第1移行フラグをONにする(S1603)。かくして、モードA中に第2RT遊技状態が終了したときの残ゲーム数が第1特定数を超えている場合には、次の単位遊技(次ゲーム)で第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態の設定が移行されることになる。
【0310】
一方、モードフラグの値が「1」ではないと判定した場合(S1601でNO)、遊技制御用マイコン61は続いてモードフラグの値が「3」であるかどうかを判定する(S1604)。モードフラグの値が「3」の場合(S1604でYES)、つまり遊技モードが「モードC」である場合、遊技制御用マイコン61はセット数カウンタの値に「1」を加算(インクリメント)する(S1605)。セット数カウンタとは、一連のモードCの設定中における1回の有利区間中に、第2RT遊技状態の設定回数(第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態の設定が移行した回数)を計測するためのものである。具体的にこのステップS1604で遊技制御用マイコン61は、セット数カウンタがOFFであればセット数カウンタをONにした(起動した)上でセット数カウンタの値を「1」にする。また、セット数カウンタの値が既に「1」であれば「2」に変更(更新)する。同じように、セット数カウンタの値が既に「2」であれば「3」に変更する。
【0311】
次に、遊技制御用マイコン61はセット数カウンタの値が所定回数(本実施形態では「3」)かどうかを判定する(S1606)。セット数カウンタの値が「3」ではないと判定した場合(S1606でNO)、つまりそのセット数カウンタの値が「1」又は「2」であれば、遊技制御用マイコン61は上述のステップS1603に進む。これにより、一連のモードCの設定中の1回の有利区間中において、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態の設定が移行した回数が3回に満たない場合には、次のゲームで第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に遊技状態の設定が移行される。つまり、一連のモードCの設定中(1回の有利区間中)における第2RT遊技状態への移行回数が3回未満であれば、第2RT遊技状態の終了後、再び第1RT遊技状態に移行されることになる。
【0312】
それに対し、セット数カウンタの値が「3」である場合(S1606でYES)、遊技制御用マイコン61はステップS1607でセット数カウンタをOFFにして(具体的にはセット数カウンタの値をゼロクリアして)、第3移行フラグをONにする(S1608)。これにより、一連のモードCの設定中(1回の有利区間中)に第1RT遊技状態から第2RT遊技状態への移行回数が3回に達した場合には、3回目の第2RT遊技状態の終了後の次ゲームで第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態の設定が移行されることになる。
【0313】
なお、上述のステップS1604で遊技制御用マイコン61はモードフラグの値が「3」でないと判定した場合(S1603でNO)、つまり遊技モードが「モードB」である場合には、第3移行フラグをONにする(S1608)。これにより、モードBの設定中に第2RT遊技状態が終了した場合には、次の単位遊技(次ゲーム)で第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態の設定が移行されることになる。
【0314】
さらに、上述のステップS1602でNOの場合、すなわちモードA中に第2RT遊技状態が終了したときの残ゲーム数が第1特定数以下である場合にも、遊技制御用マイコン61は第3移行フラグをONにする(S1608)。これにより、モードA中に第2RT遊技状態が終了したときの残ゲーム数が第1特定数以下である場合には、次の単位遊技(次ゲーム)で第2RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態の設定が移行されることになる。
【0315】
6.サブ制御基板の動作
次に、
図38~
図42を用いて、サブ制御基板70において行われる制御処理のうち、特にサブ制御処理について説明する。
【0316】
[サブ制御処理]
図38に示すサブ制御処理で演出制御用マイコン71は、まず電源投入時処理(S2001)を行う。具体的には、CPU72がRAM74等のエラーチェックや初期化(例えば、遊技情報の初期化)を行う。続いて、主制御基板60から各種コマンドを受信するコマンド受信処理(S2002)を行う。このコマンド受信処理(S2002)では、例えば役決定結果コマンドや、SB操作コマンドや、第2RT開始コマンドや、第2RT終了コマンドに基づいて遊技状態についての情報(遊技情報)を変更する。
【0317】
次いで、演出制御用マイコン71は後述するコマンド解析処理(S2003)を行う。その後、画像制御基板80にコマンドを送信するコマンド送信処理(S2004)を行う。次に、演出用ランプ40等を用いたランプ演出を実行するランプ演出実行処理(S2005)を行う。
【0318】
次に、演出制御用マイコン71はスピーカ41を用いた音声演出を実行する音声演出実行処理(S2006)を行う。なお、サブ制御処理では電源投入時処理(S2001)を初回に行った後、ステップS2002~S2006の処理をループさせる。
【0319】
[コマンド解析処理]
図39に示すコマンド解析処理(S2003)で演出制御用マイコン71は、まず役決定結果コマンドを受信したか否かを判定する(S2101)。役決定結果コマンドを受信していれば(S2101でYES)、演出制御用マイコン71は後述の役決定結果コマンド受信処理(S2102)を行って本処理を終了する。
【0320】
一方、役決定結果コマンドを受信していなければ(S2101でNO)、演出制御用マイコン71はSB操作コマンドを受信したか否かを判定する(S2103)。SB操作コマンドを受信していれば(S2103でYES)、後述のSB操作コマンド受信処理(S2104)を行って本処理を終了する。
【0321】
一方、SB操作コマンドを受信していなければ(S2103でNO)、演出制御用マイコン71は第2RT開始コマンドを受信したか否かを判定する(S2105)。第2RT開始コマンドを受信していれば(S2105でYES)、演出制御用マイコン71は第2RT開始コマンド受信処理(S2106)を行って本処理を終了する。第2RT開始コマンド受信処理(S2106)では、第2RT遊技状態の開始に合わせて各種演出の実行を開始させる。
【0322】
一方、第2RT開始コマンドを受信していなければ(S2105でNO)、演出制御用マイコン71は第2RT終了コマンド又は第2強制終了コマンドを受信したか否かを判定する(S2107)。第2RT終了コマンド又は第2強制終了コマンドを受信していれば(S2107でYES)、演出制御用マイコン71は第2RT終了コマンド受信処理(S2108)を行って本処理を終了する。第2RT終了コマンド受信処理(S2108)では、例えば第2RT遊技状態にて実行していた各種演出の実行を終了させたり、第2RT遊技状態の終了を示すエンディング演出を実行する処理を行ったりする。
【0323】
一方、第2RT終了コマンドも第2強制終了コマンドも受信していなければ(S2107でNO)、演出制御用マイコン71は上乗せコマンドを受信したか否かを判定する(S2109)。上乗せコマンドを受信していれば(S2109でYES)、演出制御用マイコン71は上乗せコマンド受信処理(S2110)を行って本処理を終了する。
【0324】
上乗せコマンド受信処理(S2110)では、例えば画像表示装置42の表示画面42aを用いて、当該の単位遊技で終了契機遊技数に加算(「上乗せ」)があったこと、および、その終了契機遊技数に加算された上乗せ遊技数を報知する画像演出を実行する。これにより、遊技者は第2RT遊技状態が表示画面42aに表示された上乗せ遊技数分、設定が延長されることを把握可能となっている。さらに、当該の単位遊技にてリール6L,6C,6Rの回転中に特殊役報知ランプ27のうちチェリー小役に対応したランプが点灯した場合には、そのランプの点灯が小役1ではなく小役9の当選を報知していたことを遊技者が把握可能となっている。或いは、当該の単位遊技にてリール6L,6C,6Rの回転中に特殊役報知ランプ27のうちスイカ小役に対応したランプが点灯した場合には、そのランプの点灯が小役2ではなく小役10の当選を報知していたことを遊技者が把握可能となっている。
【0325】
また、本実施形態では、発動遊技数として第2発動遊技数が発動遊技数カウンタにセットされて、その発動遊技数カウンタが「0」になって設定が開始される第2RT遊技状態で小役9又は小役10に当選した場合に、上乗せ処理(S1505)のステップS1552~S1558の各処理が実行されることはない。しかも、そのうちのステップS1557の処理とは、小役9又は小役10に当選しても遊技制御用マイコン61が上乗せコマンドを演出制御用マイコン71に出力しない処理である。つまり、そのような場合には、小役9又は小役10の当選による終了契機遊技数の加算(上乗せ)に関する主制御基板60側の処理もサブ制御基板70(および画像制御基板80)側の処理も行われない。つまり、その第2RT遊技状態の設定中に小役9又は小役10が当選した場合に、終了契機遊技数の加算がなく、それに伴う演出の実行もない。そのため、その第2RT遊技状態の設定中に、小役9又は小役10の当選が「引き損」であると遊技者に感じさせるのを防ぐことが可能となっている。すなわち、当該の単位遊技にてリール6L,6C,6Rの回転中に特殊役報知ランプ27のうちチェリー小役に対応したランプが点灯した場合には、そのランプの点灯が小役9の当選によるものであったとしても、遊技者に小役1の当選によるものであると認識させることが可能となっている。或いは、当該の単位遊技にてリール6L,6C,6Rの回転中に特殊役報知ランプ27のうちスイカ小役に対応したランプが点灯した場合には、そのランプの点灯が小役10の当選によるものであったとしても、遊技者に小役2の当選によるものであると認識させることが可能となっている。
【0326】
一方、上乗せコマンドを受信していなければ(S2109でNO)、演出制御用マイコン71はステップS2111に進み、上記以外のコマンドの受信に伴って実行する処理(その他のコマンド受信処理)を行って本処理を終える。
【0327】
[役決定結果コマンド受信処理]
図40に示す役決定結果コマンド受信処理(S2102)で演出制御用マイコン71は、まず役決定結果コマンドを解析する(S2301)。そして、その解析によって得られた情報(当選した遊技役に関する情報)をRAM74の所定の記憶領域に記憶する。これにより、演出制御用マイコン71が行う各処理でその情報を用いることが可能である。次に、演出制御用マイコン71は遊技状態が第2RT遊技状態であるかどうかを判定する(S2302)。具体的には、上記ステップS2002で作成した遊技情報に基づいて判定する。
【0328】
遊技状態が第2RT遊技状態でない場合(S2302でNO)、演出制御用マイコン71は後述するステップS2308に進むが、遊技状態が第2RT遊技状態である場合には(S2302でYES)、演出制御用マイコン71は受信した役決定結果コマンドが小役3、小役4又は小役5の当選に関するものであるか否かを判定する(S2303)。受信した役決定結果コマンドが小役3、小役4又は小役5の当選に関するものであれば(S2303でYES)、ステップS2304に進み、正解押し順に応じた入賞操作を特定する。
【0329】
具体的に例えば、役決定結果コマンドが小役3の当選に関するものであれば、演出制御用マイコン71はその小役3の正解押し順の第1停止操作である左ストップボタン9Lの押圧操作を入賞操作として特定する。また、役決定結果コマンドが小役4の当選に関するものであれば、演出制御用マイコン71はその小役4の正解押し順の第1停止操作である中ストップボタン9Cの押圧操作を入賞操作として特定する。また、役決定結果コマンドが小役5の当選に関するものであれば、演出制御用マイコン71はその小役5の正解押し順の第1停止操作である右ストップボタン9Rの押圧操作を入賞操作として特定する。なお、演出制御用マイコン71は、特定した入賞操作をRAM74の所定の記憶領域に記憶する。
【0330】
その後、演出制御用マイコン71は特定した入賞操作に応じた入賞操作報知演出(画像演出)を選定する(S2305)。具体的には、選定した入賞操作報知演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2004のコマンド送信処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、入賞操作報知演出の実行が開始されることになる。
【0331】
入賞操作報知演出とは、当選した小役3、小役4又は小役5の正解押し順に基づき、第1停止操作として操作すべきストップボタンについての報知とを行う画像演出である。具体的には、
図41(A)に示すような、画像表示装置42の表示画面42aの下部左、下部中央又は下部右に数字「1」を表示する画像P1を用いた画像演出である。
【0332】
例えば、小役3、小役7および小役8に重複当選している場合の入賞操作報知演出では、表示画面42aの下部左に数字「1」を配置した画像P1を用いる。また、小役4、小役6および小役8に重複当選している場合の入賞操作報知演出では、表示画面42aの下部中央に数字「1」を配置した画像P1を用いる。なお、
図41(A)に示す画像P1は、この場合の入賞操作報知演出に用いるためのものである。また、小役5、小役6および小役7に重複当選している場合の入賞操作報知演出では、表示画面42aの下部右に数字「1」を配置した画像P1を用いる。
【0333】
本実施形態では、BB遊技状態又はRT遊技状態のときに小役3、小役4又は小役5に当選した場合には、上述したストップ報知ランプ30L,30C,30Rの発光に加えて、上記入賞操作報知演出を実行する。よって、全リール6C, 6L, 6Rの回転中に上記画像P1を用いた入賞操作報知演出を実行することで、ストップ報知ランプの発光だけの場合よりも確実に、小役3、小役4又は小役5の当選を遊技者に把握させるとともに、正解押し順の通りに各リールを停止させることを遊技者に促すことが可能となっている。
【0334】
図40に戻り、上記ステップS2303でNOの判定、すなわち、受信した役決定結果コマンドが小役3、小役4および小役5以外の遊技役(つまり、小役1、小役2、小役9、小役10又は再遊技役)の当選に関するものであれば、演出制御用マイコン71は受信した役決定結果コマンドがチェリー小役(小役1)又はスイカ小役(小役2)の当選に関するものかどうかを判定する(S2306)。受信した役決定結果コマンドが、チェリー小役の当選に関するものでも、スイカ小役の当選に関するものでもない場合(S2306でNO)、つまり再遊技役の当選に関するものである場合、演出制御用マイコン71はステップS2308に進むが、チェリー小役の当選又はスイカ小役の当選に関するものであれば(S2306でYES)、当選している遊技役(チェリー小役又はスイカ小役)に応じた遊技役報知演出(画像演出)を選定する(S2307)。具体的に演出制御用マイコン71は、選定した遊技役報知演出に関するコマンドをRAM74の所定の記憶領域にセットして、上述のステップS2004のコマンド送信処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、遊技役報知演出の実行が開始される。
【0335】
遊技役報知演出とは、チェリー小役(小役1)又はスイカ小役(小役2)の当選を報知するための画像演出である。具体的に例えば、画像表示装置42の表示画面42a上に、当選した遊技役(チェリー小役又はスイカ小役)の図柄(リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄)を含む画像を表示する画像演出である。この遊技役報知演出を実行することで、特殊役報知ランプ27の点灯のみでチェリー小役又はスイカ小役の当選に関する報知を行う場合に比して、チェリー小役又はスイカ小役の当選を遊技者に容易に認識させることが可能となっている。
【0336】
ステップS2308で演出制御用マイコン71は、役決定結果コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0337】
[SB操作コマンド受信処理]
図42に示すSB操作コマンド受信処理(S2104)で演出制御用マイコン71は、まずSB操作コマンドを解析する(S2701)。そして、その解析によって得られた情報(押圧操作されたストップボタン9L,9C,9Rに関する情報)をRAM74に記憶する。次に、演出制御用マイコン71は上述の入賞操作報知演出が実行中かどうかを判定する(S2702)。
【0338】
入賞操作報知演出が実行中でなければ(S2702でNO)、演出制御用マイコン71はステップS2706に進むが、入賞操作報知演出が実行中であれば(S2702でYES)、上記ステップS2701で得られた情報に基づき、ストップボタンの操作が、上述の役決定結果コマンド受信処理(
図40)のステップS2304で特定した入賞操作と一致しているかを判定する(S2703)。ストップボタンの操作が入賞操作と一致している場合(S2703でYES)、演出制御用マイコン71は当該ストップボタンの操作が正解押し順の第1停止操作と一致していることを示す入賞操作成功演出(画像演出)を選定して(S2704)、ステップS2706に進む。具体的に演出制御用マイコン71は、選定した入賞操作成功演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2004の処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、入賞操作成功演出の実行が開始される。この入賞操作成功演出は、
図41(B)に示す、画像表示装置42の表示画面42aの中央に「OK!」の文字列を配置した画像P2を用いた画像演出である。
【0339】
図42に戻り、特定したストップボタンが入賞操作の押し順に係る操作と一致していない場合(S2703でNO)、演出制御用マイコン71は当該ストップボタンの操作が正解押し順ではないことを示す入賞操作失敗演出(画像演出)を選定する(S2705)。具体的には、選定した入賞操作失敗演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2004の処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、入賞操作失敗演出の実行が開始される。この入賞操作失敗演出は、
図41(C)に示す、画像表示装置42の表示画面42aの中央に「失敗!」の文字列を配置した画像P3を用いた画像演出である。
【0340】
ステップS2706で演出制御用マイコン71は、SB操作コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0341】
7.本実施形態の効果
以上詳細に説明したように、本実施形態(第1実施形態)のスロットマシン1で遊技制御用マイコン61は、判定用遊技数が補正遊技数よりも大きい場合、すなわち
図16に示す発動遊技数選択処理(S370)のステップS383でYESの場合、発動遊技数を第2発動遊技数に決定し、判定用遊技数が補正遊技数以下の場合、すなわち発動遊技数選択処理(S370)のステップS383でNOの場合、発動遊技数を第1発動遊技数に決定する。なお、本実施形態の第2発動遊技数とは有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技で第2RT遊技状態の設定が開始される単位遊技数(ゲーム数)である。そのため、判定用遊技数が補正遊技数よりも大きい場合には、有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技で第2RT遊技状態の設定が開始されて、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技になるまでの30ゲーム分の単位遊技にわたり第2RT遊技状態の設定が可能となっている。よって、第1発動遊技数を経てその第2RT遊技状態が設定される初回の単位遊技が、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技よりも前(具体的に発動遊技数選択処理(S370)のステップS382でYESの場合)で、且つ、有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技よりも後の場合には、第1発動遊技数を発動遊技数としたときよりも第2RT遊技状態の設定の開始を早めることが可能となっている。つまり、第1発動遊技数を経て設定される第2RT遊技状態が、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技よりも前、且つ、有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技よりも後に開始する場合には、第1発動遊技数を発動遊技数としたときよりも第2RT遊技状態の設定の開始を早めることが可能となっている。
【0342】
また、遊技制御用マイコン61は、遊技モードとして「モードA」が設定されている場合に発動遊技数選択処理(S370)のステップS383の処理でYESと判定するときとNOと判定するときとがあるけれども、「モードB」や「モードC」が設定されている場合には発動遊技数選択処理(S370)のステップS383の処理を行うことはない(
図16参照)。つまり「モードB」や「モードC」の場合には発動遊技数として第1発動遊技数が変更されずに決まる。
【0343】
そのため、第1発動遊技数を経て設定される第2RT遊技状態の初回の単位遊技が、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技よりも後の場合には、その有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技よりも前に第2RT遊技状態の設定が新たに追加されることがない。つまり、第1発動遊技数を経て設定される第2RT遊技状態が、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技よりも後に開始することになる場合には、その有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技よりも前に第2RT遊技状態の設定が新たに追加されることはない。
【0344】
さらに、第1所定数を経て設定される第2RT遊技状態の初回の単位遊技が、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技前、且つ、有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技よりも後の場合には、30ゲームの途中で第2RT遊技状態の設定が終了する場合がある。つまり、第1発動遊技数を経て設定される第2RT遊技状態が、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技前、且つ、有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技よりも後の場合には、30ゲームの途中で第2RT遊技状態の設定が終了する場合がある。
【0345】
それに対し、「モードA」の場合には発動遊技数として第2発動遊技数に変更されることがあるため、有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技に達する間際に第2RT遊技状態の設定が追加されたり、第2RT遊技状態の設定の開始が早まったりすることが可能である。発動遊技数についてのそのような点(有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技に達する間際に第2RT遊技状態の設定が追加される可能性があったり、第2RT遊技状態の設定の開始が早まる可能性があったりする点)で「モードB」や「モードC」よりも「モードA」を遊技者に有利なモードとすることが可能となっている。
【0346】
なお「モードA」が設定されている場合の方が「モードB」が設定されている場合よりも第1発動遊技数として多い単位遊技数が選択され易い。具体的に例えば、
図17によれば「モードA」の設定中に第1発動遊技数として「801ゲーム」~「1000ゲーム」が選択され得る振分率(確率)が「100%」であるのに対し、
図18によれば「モードB」の設定中に第1発動遊技数として「801ゲーム」~「1000ゲーム」が選択され得る振分率はいずれの設定値であっても「100%」を下回っている。
【0347】
また「モードC」が設定されている場合よりも、「モードA」が設定されている場合の方が第1発動遊技数として多い単位遊技数が選択され易い。具体的に例えば、
図17によれば「モードA」の設定中に第1発動遊技数として「801ゲーム」~「1000ゲーム」が選択され得る振分率が「100%」であるのに対し、
図19によれば「モードC」の設定中に第1発動遊技数として「801ゲーム」~「1000ゲーム」が選択され得る振分率はいずれの設定値であっても「0%」である。
【0348】
以上により、選択される第1発動遊技数に関しては「モードA」の方が「モードB」や「モードC」よりも遊技者にとって不利である。但し上述したように、第2RT遊技状態の設定の開始が早まる可能性がある点では、逆に「モードB」や「モードC」よりも「モードA」の方が遊技者に有利なモードとすることが可能であるため、「モードA」でのゲーム性と「モードB」や「モードC」でのゲーム性との間に均衡を保つことが可能となっている。すなわち、選択される第1発動遊技数の点では「モードB」や「モードC」よりも不利な「モードA」において、有利区間の上限遊技数によって途中で終了することになる第2RT遊技状態の開始を早めるといった遊技者への救済を行うことが可能となっている。かくして、ユーザーフレンドリーな遊技機とすることが可能となっている。すなわち「モードA」は、第1発動遊技数の点では「モードB」や「モードC」よりも不利であるけれども、上述の発動遊技数に関する点では遊技者への救済を行うことが可能な遊技モードとすることができる。かくして「モードA」をメリハリのある遊技モードとすることが可能となっている。
【0349】
また「モードA」中に発動遊技数として第2発動遊技数が決まり、その第2発動遊技数分の単位遊技を消化した場合には、第2RT遊技状態の終了契機遊技数の最小値である「30ゲーム」分の単位遊技にわたって第2RT遊技状態が設定される。よって、その場合にはいわゆる「保証」分のゲームにわたって第2RT遊技状態を遊技者に楽しませることが可能であり、遊技者に消化不良だと思わせないことが可能となっている。つまり、1回の設定分の第2RT遊技状態を遊技者に実感させることが可能であり、遊技者がフラストレーションを抱くのを防ぐことが可能となっている。
【0350】
また、モードAに設定された第2RT遊技状態の設定中、第2RT遊技状態での単位遊技数が終了契機遊技数に達してその第2RT遊技状態の設定が終了するときに、残ゲーム数が第1特定数(160(ゲーム))以下である場合には有利区間が終了する。そのため、モードAでの第2RT遊技状態の終了後における残ゲーム数が比較的少ない場合、有利区間の終了とともにモードAの設定も早めに(前倒しで)終了させることが可能となっている。
【0351】
また、モードAとは、第1RT遊技状態の設定中に、第1特定数(160(ゲーム))以下よりもその第1特定数を超えて第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行し易い遊技モードである。そのため、仮にモードAでの第2RT遊技状態の終了後における残ゲーム数が第1特定数以下で有利区間が終了せずに、その第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行した場合、その有利区間の上限遊技数に達する前に、その第1RT遊技状態から再び第2RT遊技状態に移行し難い。つまり、モードAの設定中に残ゲーム数が第1特定数以下で有利区間が終了しなかった場合には、その後の第1RT遊技状態から第2RT遊技状態へ再び移行することなく有利区間が終了してしまう可能性が高い。
【0352】
そこで、本スロットマシン1ではモードAでの第2RT遊技状態の終了後における残ゲーム数が第1特定数以下の場合には有利区間が終了するので、残ゲーム数分の単位遊技にわたって、第2RT遊技状態に再び移行し難い遊技状態(第1RT遊技状態)が設定されるのを防げるとともに、モードAの設定を早めに終了させることが可能となっている。
【0353】
また、モードAとは、第1RT遊技状態の設定中に第1特定数(160(ゲーム))以下よりも第1特定数を超えて第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行し易いモードであるのに対し、モードCとは、第1RT遊技状態の設定中の第1特定数以内にその第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態が移行するモードである。そのため、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態への移行し易さに関して、モードAをモードCよりも遊技者に不利なモードとすることが可能となっている。
【0354】
一方で、モードCの設定中に残ゲーム数が第1特定数以下であれば有利区間が終了せずに第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行するときがあるけれども、モードAの設定中に残ゲーム数が第1特定数以下であれば、有利区間の終了によってモードAの設定も終了できる。つまり、第2RT遊技状態への移行し易さに関して相対的に不利なモードA中に所定の条件(残ゲーム数が第1特定数以下)が成立した場合には、そのモードAを早めに終了させることが可能となっている。かくして、ユーザーフレンドリーなスロットマシン1とすることが可能となっている。
【0355】
特にモードCの設定中には、1回の有利区間中の第2RT遊技状態の設定回数が「3回」に達していなければ残ゲーム数が第1特定数以下の場合でも有利区間が終了しないのに対し、不利なモードAの設定中に残ゲーム数が第1特定数以下の場合には必ずその不利なモードの設定を早めに終了させることが可能となっている。
【0356】
8.変更例
次に、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のスロットマシン1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0357】
上記第1実施形態では、設定値の種類を6種類(「1」、「2」、「3」、「4」、「5」および「6」)としたが、6種類以外の複数種類としてもよい。また、設定値毎に有利さの度合いが個々に異なる構成としたが、全ての設定値のうちの一部の設定値が他の設定値と有利さの度合いが異なっている構成でもよい。具体的に例えば、設定値「6」が相対的に有利さの度合いが高く、その他の設定値「1」、「2」、「3」、「4」および「5」が相対的に有利さの度合いが同程度に低い構成が挙げられる。また例えば、設定値「4」、「5」および「6」が相対的に有利さの度合いが同程度に高く、設定値「1」、「2」および「3」が相対的に有利さの度合いが同程度に低い構成が挙げられる。また、設定値が「1」<「2」<「3」<「4」<「5」<「6」の順で有利さの度合いを高くしたが、例えば、設定値が「1」>「2」>「3」>「4」>「5」>「6」の順で有利さの度合いを低くしてもよい。
【0358】
また、上記第1実施形態では、発動遊技数選択処理(
図16)にて、当該の有利区間中に第1発動遊技数(第1所定数)を経て次のART(AT)が発動する場合に、第1発動遊技数から第2発動遊技数(第2所定数)に変更し得る構成とした。しかしながら、当該の有利区間中に第1発動遊技数を経て次のART(AT)が発動しない場合でも、第1発動遊技数から第2発動遊技数に発動遊技数を変更し得る構成としてもよい。
【0359】
具体的に例えば、
図16に示す第1実施形態にかかる発動遊技数選択処理を、
図43に示す発動遊技数選択処理に変更する。
図43に示す発動遊技数選択処理には、
図16に示す発動遊技数選択処理のステップS382の処理がない。これにより、
図43に示す発動遊技数選択処理で遊技制御用マイコン61は、当該の有利区間中に第1発動遊技数を経て次のART(AT)が発動しない場合でも、第1発動遊技数から第2発動遊技数に発動遊技数を変更可能である。
【0360】
このような構成によれば、遊技制御用マイコン61は、当該の有利区間中に第1発動遊技数を経て次のART(AT)が発動するときでも発動しないときでも、判定用遊技数が補正遊技数よりも大きい場合には発動遊技数を第2発動遊技数に決定し、判定用遊技数が補正遊技数以下の場合には発動遊技数を第1発動遊技数に決定する。よって、当該の有利区間中に第1発動遊技数を経て次のART(AT)が発動しない場合には、その有利区間の終了間際(当該の有利区間の総ゲーム数が上限遊技数に達する前)に第2RT遊技状態の設定を新たに追加可能となっている。つまり、発動遊技数が第1発動遊技数に決定していた場合には当該有利区間中に発動することがなかったART(AT)の特典を遊技者に付与可能となっている。なお、当該の有利区間中に第1発動遊技数を経て次のART(AT)が発動する場合には、上記第1実施形態と同様、第1発動遊技数を発動遊技数としたときよりも第2RT遊技状態の設定の開始を早めることが可能となっている。
【0361】
また、上記第1実施形態では、第1発動遊技数(第1所定数)を経て第2RT遊技状態(第2遊技状態)が設定される場合のその第2RT遊技状態が、補正遊技数に該当する単位遊技(特定単位遊技)よりも後に開始されるとの判定について、第1所定数を経てその第2遊技状態が設定される場合のその初回の単位遊技が、特定単位遊技よりも後の単位遊技であるとの判定とした。しかしながら、それに代えて、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその直前の単位遊技が、特定単位遊技よりも後の単位遊技であるとの判定としてもよい。
【0362】
具体的に例えば、
図16に示す第1実施形態にかかる発動遊技数選択処理を、
図44に示す発動遊技数選択処理に変更する。
図44に示す発動遊技数選択処理のステップS3381~S3384の処理が、
図16に示す発動遊技数選択処理のステップS381~S384の処理とそれぞれ異なる。
【0363】
図44に示すステップS3381で遊技制御用マイコン61は第2判定用遊技数を算出する。この第2判定用遊技数とは、後述のステップS3382およびステップS3383で使用するためのものである。この第2判定用遊技数は、上記第1実施形態の判定用遊技数とは異なり、現時点での第1積算カウンタの値とステップS381で算出した第1発動遊技数とを加算した値である。すなわち、現在進行している有利区間の開始から、第1発動遊技数分の単位遊技(ゲーム)を経て遊技状態が第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行するまでの当該有利区間の総遊技数(総ゲーム数)に該当する。具体的には、現在進行している有利区間の初回ゲームから、第1発動遊技数分のゲームを経て第2RT遊技状態が設定される場合のその第2RT遊技状態の1ゲーム前の単位遊技までの総ゲーム数に該当する。つまり、その有利区間の初回ゲームから、第1発動遊技数分のゲームを経て設定が終了することになる第1RT遊技状態の最終ゲームまでの総ゲーム数である。
【0364】
遊技制御用マイコン61はまず、算出した第2判定用遊技数が有利区間の上限遊技数(1500(ゲーム))より小さいかどうかを判定する(S3382)。すなわち、現在進行している有利区間の上限遊技数に達する前に、第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するかどうかを判定する。つまり、現在の有利区間中に次のART(AT)が発動するかどうかを判定する。
【0365】
算出した第2判定用遊技数が上限遊技数よりも小さいと判定した場合(S3382でYES)、すなわち現在の有利区間中に第2RT遊技状態に移行する(ART(AT)が発動する)と判定した場合、遊技制御用マイコン61は次に第2判定用遊技数が補正遊技数(1471(ゲーム))以上かどうかを判定する(S3383)。すなわち、ステップS3383で遊技制御用マイコン61は、第1発動遊技数分の単位遊技を経て移行する予定の第2RT遊技状態の単位遊技数(ゲーム数)が終了契機遊技数の最小値に達する前に条件Lが成立するかどうかを判定する。つまり、第1発動遊技数分の単位遊技を経て発動したART(AT)が「保証」分の「30ゲーム」に達する前に有利区間が終了するかどうかを判定する。
【0366】
具体的に例えば、第2判定用遊技数が「1495(ゲーム)」の場合、つまり補正遊技数を超えている場合、仮に第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するときには、その第2RT遊技状態の初回ゲームは有利区間の「1496ゲーム」目になる。このとき、上限遊技数までの5ゲームにわたって第2RT遊技状態が設定されることになり、「保証」分の「30ゲーム」に達しないことになる。
【0367】
また例えば、第2判定用遊技数が「1471(ゲーム)」の場合、つまり補正遊技数と同じ場合、仮に第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するときには、その第2RT遊技状態の初回ゲームは有利区間の「1472ゲーム」目になる。このとき、上限遊技数までの29ゲームにわたって第2RT遊技状態が設定されることになり、「保証」分の「30ゲーム」に達しないことになる。
【0368】
なお例えば、第2判定用遊技数が「1470(ゲーム)」の場合、つまり補正遊技数未満の場合、第1発動遊技数分の単位遊技を経て第2RT遊技状態に移行するときには、その第2RT遊技状態の初回ゲームは有利区間の「1471ゲーム」目になる。このとき、上限遊技数までの30ゲームにわたって第2RT遊技状態が設定されることになり、「保証」分の「30ゲーム」に達することになる。
【0369】
第2判定用遊技数が補正遊技数以上であると判定した場合には(S3383でYES)、続いて遊技制御用マイコン61は、第2発動遊技数を算出する(S3384)。この場合の第2発動遊技数は、補正遊技数から現時点での第1積算カウンタの値を引いた値である。すなわち、現時点の単位遊技から、補正遊技数から「1」少ない単位遊技までのゲーム数に該当する。
【0370】
次いで、遊技制御用マイコン61は、上記第1実施形態と同じように、ステップS3384で算出した第2発動遊技数を発動遊技数カウンタにセットする(S385)。発動遊技数カウンタに第2発動遊技数がセットされることで、小役9又は小役10に当選したり、現在の有利区間における純増枚数(差枚数)の合計の値が上限枚数を超えたりすることがない限り、次に設定される第2RT遊技状態の1ゲーム前の単位遊技(つまり第2発動遊技数分のゲームを経て設定が終了する第1RT遊技状態の最終ゲーム)が現在の有利区間の「1470ゲーム」目になる。
【0371】
第2発動遊技数のセット後、小役9又は小役10の当選も有利区間における純増枚数(差枚数)の合計の値が上限枚数を超えることもなく、第2発動遊技数分のゲームを経て設定が終了する第1RT遊技状態の最終ゲームが「1470ゲーム」目になった場合には、上記第1実施形態と同様「1471ゲーム」目の単位遊技(つまり補正遊技数目の単位遊技)が、設定される第2RT遊技状態の初回ゲームになる。そして、有利区間の「1500ゲーム」目が第2RT遊技状態における「30ゲーム」目の単位遊技(ゲーム)になる。つまり、有利区間の最終ゲームと、第2RT遊技状態の「保証」分の最終ゲームとが同じ単位遊技(ゲーム)になる。このため、第2発動遊技数が発動遊技数カウンタにセットされて「1471ゲーム」目のゲームが第2RT遊技状態の初回ゲームとなった場合には、「保証」分の単位遊技にわたって第2RT遊技状態を遊技者に楽しませることが可能となっている。つまり、その場合には1回の設定分の第2RT遊技状態を遊技者に実感させることが可能となっている。よって、有利区間の終了に伴って第2RT遊技状態が途中(「保証」分にも満たないゲーム数)で終わったと遊技者に感じさせるのを防ぐことが可能となっている。つまり、第2RT遊技状態を楽しんでいる遊技者に消化不良だと感じさせないことが可能となっている。
【0372】
また、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその第2遊技状態が特定単位遊技よりも後に開始されるとの判定について、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその初回の単位遊技が、特定単位遊技と同じ、或いは、特定単位遊技よりも後の単位遊技であるとの判定としてもよい。また、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその設定直前の単位遊技が、特定単位遊技よりも後の単位遊技であるとの判定としてもよい。
【0373】
また、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその初回の単位遊技よりも、特定単位遊技の方が前の単位遊技であるとの判定としてもよい。又は、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその初回の単位遊技が特定単位遊技と同じ、或いは、その初回の単位遊技よりも特定単位遊技の方が前の単位遊技であるとの判定としてもよい。また、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその設定直前の単位遊技よりも、特定単位遊技の方が前の単位遊技であるとの判定としてもよい。又は、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその設定直前の単位遊技が特定単位遊技と同じ、或いは、その設定直前の単位遊技よりも特定単位遊技の方が前の単位遊技であるとの判定としてもよい。
【0374】
また、上記第1実施形態では、第2RT遊技状態(第2遊技状態)の終了契機遊技数の最小値を特定回数とした上で、その特定回数を「30(ゲーム)」としたが、例えば「50(ゲーム)」、「60(ゲーム)」、「70(ゲーム)」、「80(ゲーム)」、「100(ゲーム)」、「200(ゲーム)」など、「30(ゲーム)」以外の回数でもよい。また、第2RT遊技状態(第2遊技状態)の終了契機遊技数の最小値(第3所定数)と特定回数とを関連づけた構成としたが、第3所定数と特定回数との関連性がない構成としてもよい。或いは、第2RT遊技状態への移行前に所定の数の単位遊技(いわゆる「前兆ゲーム」)を設けた遊技機の場合には、その前兆ゲームの単位遊技数に第3所定数を加えた回数以上のものを特定回数としてもよい。
【0375】
また、上記第1実施形態では、終了契機遊技数の最小値(第3所定数)を「30」としたが「30」以外の値としてもよい。
【0376】
また、上記第1実施形態では、モードA(第1モード)が設定されている場合には、判定手段によって判定されるときと判定されないときとがあり、モードB(第2モード)が設定されている場合には、判定手段によって判定されない構成とした。しかしながら、例えばどのモードが設定されているときでも(つまり設定中のモードによらず)、判定手段によって判定されるときと判定されないときとがある構成としてもよい。
【0377】
また、上記第1実施形態では、モードA(第1モード)が設定されている場合の方が、モードB(第2モード)が設定されている場合よりも、第1発動遊技数(第1所定数)として多い単位遊技数が選択され易い構成とした。しかしながら、例えば第1モードが設定されている場合よりも第2モードが設定されている場合の方が第1所定数として多い単位遊技数が選択され易い構成としてもよい。また、例えば第1モードが設定されている場合と第2モードが設定されている場合とで、第1所定数として同等の単位遊技数が選択される構成としてもよい。
【0378】
また、上記第1実施形態では、第1特定数(所定数)を「160」としたが、例えば「50(ゲーム)」、「60(ゲーム)」、「80(ゲーム)」、「100(ゲーム)」、「200(ゲーム)」、「300(ゲーム)」、「500(ゲーム)」など、「160(ゲーム)」以外の数でもよい。
【0379】
また、上記第1実施形態では、遊技者への有利さを「機械割」の値としたが、これ以外のものとしてもよい。具体的に例えば、小役(小役1、小役2、小役9、小役10等)の当選確率の値や、再遊技役の当選確率の値や、第2RT遊技状態への移行のし易さなどが挙げられる。
【0380】
また、上記第1実施形態では、モードCの有利さを、発動遊技数に関するものとしたが、発動遊技数以外のものとしてもよい。具体的に例えば、小役(小役1、小役2、小役9、小役10等)の当選確率の値や、再遊技役の当選確率の値や、第2RT遊技状態への移行のし易さなどが挙げられる。
【0381】
また、上記第1実施形態では、遊技状態設定手段を、遊技状態移行処理(S203)を実行する遊技制御用マイコン61とした。しかしながら、遊技制御用マイコン61に代えて、演出制御用マイコン71としてもよい。また、モード設定手段を、モード選択処理(S350)を実行する遊技制御用マイコン61とした。しかしながら、モード設定手段を、遊技制御用マイコン61に代えて演出制御用マイコン71としてもよい。その場合のモードとして遊技モードが挙げられる。
【0382】
また、上記第1実施形態では、非RT遊技状態、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態の3種類の遊技状態を備えたスロットマシン1(遊技機)とした。しかしながら、これら非RT遊技状態、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態に加えて、それ以外の遊技状態を備えた遊技機としてもよい。
【0383】
また、上記第1実施形態では、モードA、モードBおよびモードCの3種類の遊技モード(モード)を備えたスロットマシン1(遊技機)とした。しかしながら、これらモードA、モードBおよびモードCに加えて、それ以外のモードを備えた遊技機としてもよい。
【0384】
また、上記第1実施形態では、非RT遊技状態から第2RT遊技状態に直接移行しない構成としたが、非RT遊技状態から第2RT遊技状態に直接移行する構成としてもよい。つまり、非RT遊技状態から第1RT遊技状態にも第2RT遊技状態にも移行可能な構成としてもよい。
【0385】
また、上記第1実施形態では、1つの遊技モード(モード)の設定中に、遊技状態が移行可能な構成とした。しかしながら、1つのモードの設定中に、遊技状態が移行しない構成としてもよい。
【0386】
また、上記第1実施形態では、条件Lを、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態での総ゲーム数が上限遊技数に達すること、又は、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態にわたって遊技者が獲得した純増枚数(差枚数)が上限枚数を超えることとした。しかしながら例えば、条件Lを、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態での総ゲーム数が上限遊技数に達するのみとしてもよい。また例えば、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態にわたって遊技者が獲得した純増枚数が上限枚数を超えるのみとしてもよい。また例えば、それ以外の条件としてもよい。
【0387】
また、上記第1実施形態では、上限遊技数を「1500(ゲーム)」としたが「1500(ゲーム)」以外の値としてもよい。また、上限枚数を「2400(枚)」としたが「2400(枚)」以外の値としてもよい。
【0388】
また、上記第1実施形態では条件Lを設けたが、この条件Lを設けなくてもよい。
【0389】
また、上記第1実施形態では、モードAの設定中に遊技状態が第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に設定された場合には、そのモードAが継続して設定される構成とした。しかしながら、遊技状態が第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に設定された場合には、それに合わせて、遊技モードがモードAからモードBに変更可能な構成としてもよい。或いは、その場合に、遊技モードの設定が終了する構成としてもよい。
【0390】
また、上記第1実施形態では、モードBに設定中の方がモードAに設定中よりも第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行し易い構成とした。しかしながら、逆にモードAに設定中の方がモードBの設定中よりも第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行し易い構成としてもよい。また、モードAの設定中でもモードBの設定中でも、同程度に第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行し易い構成としてもよい。
【0391】
また、上記第1実施形態では、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態への移行契機として「発動遊技数」を用いた構成とした。つまり、遊技数管理で第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に遊技状態を移行させる構成とした。しかしながら、遊技数管理ではなく、第1RT遊技状態において、第2RT遊技状態への移行抽選を実行して、その抽選に当選した場合には、第1RT遊技状態から第2RT遊技状態に移行させる構成としてもよい。そのような構成として、モードAやモードBの設定中よりもモードCの設定中の方が、移行抽選に当選し易い構成が挙げられる。
【0392】
また、上記第1実施形態では、非RT遊技状態の設定中に小役1~小役8のいずれかに当選した場合には、遊技制御用マイコン61が、その次の単位遊技(ゲーム)のモード選択処理(S350)で設定されるモードの種別を選択(決定)する構成とした。しかしながら、第1RT遊技状態の設定中に小役1~小役8のいずれかに当選した場合には、遊技制御用マイコン61が、その当該の単位遊技(ゲーム)においてモードの種別を選択(決定)する構成としてもよい。具体的に例えば、遊技制御用マイコン61が当選役決定処理のステップS508でYESと判定した後にモード選択処理(S350)を行う構成としてもよい。また例えば、遊技制御用マイコン61が、第1RT遊技状態の設定中に小役1~小役8のいずれかに当選した当該の単位遊技における当選役決定処理(S205)よりも後の処理としてモード選択処理(S350)を行う構成としてもよい。
【0393】
また、上記第1実施形態では、設定された設定値が「1」~「5」のいずれかの場合には、当選した小役の種類によらず、モードAの振分率(確率)を「20%」とし、モードBの振分率を「30%」とし、モードCの振分率を「50%」とした。しかしながら、例えば
図45に示すように、当選した小役の種類に応じて、第1モードの振分率、第2モードの振分率および第3モードの振分率を異ならせてもよい。
【0394】
また、上記第1実施形態では、第1発動遊技数を2段階に分けて決定する構成とした。しかしながら、3段階以上に分けて第1発動遊技数を決定する構成としてもよい。或いは、多段階に分けずに第1発動遊技数を決定する構成としてもよい。
【0395】
また、上記第1実施形態では、モードA用第1発動遊技数選択テーブルでは、設定値毎に基準遊技数の振分率が異なる構成とした。しかしながら、そのモードA用第1発動遊技数選択テーブルにおいて基準遊技数の振分率が設定値によらない構成としてもよい。また、モードB用第1発動遊技数選択テーブルについても、モードA用第1発動遊技数選択テーブルと同じく、設定値毎に基準遊技数の振分率が異なる構成とした。しかしながら、そのモードB用第1発動遊技数選択テーブルにおいて基準遊技数の振分率が設定値によらない構成としてもよい。一方、モードC用第1発動遊技数選択テーブルでは、基準遊技数の振分率が設定値によらない構成とした。しかしながら、そのモードC用第1発動遊技数選択テーブルにおいて、設定値毎に基準遊技数の振分率が異なる構成としてもよい。
【0396】
また、上記第1実施形態では、
図17(A)に示すモードA用第1発動遊技数選択テーブルに記載の基準遊技数とした。しかしながら、
図17(A)に示す基準遊技数以外のものとしてもよい。また、
図18(A)に示すモードB用第1発動遊技数選択テーブルに記載の基準遊技数とした。しかしながら、
図18(A)に示す基準遊技数以外のものとしてもよい。さらに
図19(A)に示すモードC用第1発動遊技数選択テーブルに記載の基準遊技数とした。しかしながら、
図19(A)に示す基準遊技数以外のものとしてもよい。
【0397】
また、上記第1実施形態では、モードAやモードBの設定中において決定可能な発動遊技数の最大値を「1000」とした。しかしながら、モードAやモードBの設定中において決定可能な発動遊技数の最大値を「1000」以外の値としてもよい。また、モードCの設定中において決定可能な発動遊技数の最大値を「100」としたが、モードCの設定中において決定可能な発動遊技数の最大値を「100」以外の値としてもよい。なお、モードCの設定中において決定可能な発動遊技数の最大値が、モードAやモードBの設定中において決定可能な発動遊技数の最大値よりも小さい値であることがより好ましい。
【0398】
また、モードC(特定モード)の設定中において決定可能な発動遊技数の最大値が、第1特定数(所定数)以下であることが好ましい。或いは、第1特定数(所定数)に関して、モードA(所定モード)の設定中よりもモードBの設定中の方が第2RT遊技状態に移行し易い構成であることが好ましい。
【0399】
また、上記第1実施形態では、発動遊技数の最小値を「1」とした(
図17、
図18および
図19参照)。しかしながら「1」以外の値としてもよい。例えば「0」としてもよい。つまり、第2RT遊技状態がいわゆる「1ゲーム連」する構成としてもよい。そのような構成として、第2RT遊技状態から第1RT遊技状態に一旦移行した後に、再び第2RT遊技状態に移行する構成や、第1RT遊技状態への移行を介さずに、第2RT遊技状態が連続して設定される構成が挙げられる。
【0400】
また、上記第1実施形態では、第1RT遊技状態の設定中に小役に当選しても、発動遊技数が変化しない構成とした。しかしながら、第1RT遊技状態の設定中に、例えば小役1や小役2など、所定の小役に当選した場合には、セットされている発動遊技数の少なくとも一部が減少する構成としてもよい。
【0401】
また、上記第1実施形態の遊技役判定テーブルでは、第1RT遊技状態の場合の乱数値の数と第2RT遊技状態の場合の乱数値の数とを異ならせた。しかしながら、第1RT遊技状態の場合の乱数値の数と第2RT遊技状態の場合の乱数値の数とを共通としてもよい。
【0402】
また、上記第1実施形態では、LEDからなる有利区間ランプ29としたが、LED以外の発光装置や画像表示装置を用いてもよい。
【0403】
また、上記第1実施形態では、第2積算カウンタの値について、1回の有利区間のうち純増枚数(差枚数)が「正の値」の場合には単位遊技毎にベット数を減算し払出枚数を加算する値とした。しかしながら、一連の第1RT遊技状態および第2RT遊技状態(1回の有利区間)にわたって遊技者が獲得した純増枚数(差枚数)の合計の値としてもよい。
【0404】
また、上記第1実施形態では、有利遊技状態の特別遊技状態を1種類としたが、複数種類の遊技状態からなるものとしてもよい。また、有利遊技状態の特殊遊技状態を1種類としたが、複数種類の遊技状態からなるものとしてもよい。
【0405】
また、上記第1実施形態では、1回の有利区間中のその第2RT遊技状態(特別遊技状態)の設定回数についての所定回数(特定数)を「3」としたが、「2」や「4」以上の値としてもよい。
【0406】
また、上記第1実施形態では、オープニングリール処理(S804)において、3つのリール6L,6C,6Rの変動動作を所定の期間停止する構成とした。しかしながら、それに代えて、それら3つのリール6L,6C,6Rの変動動作を所定の期間仮停止する構成としてもよい。具体的に例えば、
図27(B)~
図27(D)に示す左リール6L、
図27(C)~
図27(D)に示す中リール6C、および、
図27(D)に示す右リール6Rの少なくとも1つのリールが、周期的或いはランダムに微動しつつ所定の期間停止する構成でもよい。
【0407】
また、上記第1実施形態では、1つ目のリールの変動動作の停止態様を、タイミングTA1から1つ目のリール(例えば左リール6L)を2周分回転させた後、さらに表示窓(左表示窓5L)から視認可能な1つ目のリールの中段図柄に「赤セブン」図柄が停止する態様とした。しかしながら、2周分ではなく、1周分又は3周以上回転させた後、表示窓から視認可能な1つ目のリールの中段図柄に「赤セブン」図柄が停止する態様としてもよい。
【0408】
また、2つ目のリールの変動動作の停止態様を、タイミングTA2から2つ目のリール(例えば中リール6C)を2周分回転させた後、さらに表示窓(中表示窓5C)から視認可能な2つ目のリールの中段図柄に「赤セブン」図柄が停止する態様とした。しかしながら、2周分ではなく、1周分又は3周以上回転させた後、表示窓から視認可能な2つ目のリールの中段図柄に「赤セブン」図柄が停止する態様としてもよい。
【0409】
さらに、3つ目のリールの変動動作の停止態様を、タイミングTA2から3つ目のリール(例えば右リール6R)を2周分回転させた後、さらに表示窓(右表示窓5R)から視認可能な3つ目のリールの中段図柄に「赤セブン」図柄が停止する態様とした。しかしながら、2周分ではなく、1周分又は3周以上回転させた後、表示窓から視認可能な3つ目のリールの中段図柄に「赤セブン」図柄が停止する態様としてもよい。
【0410】
また、上記第1実施形態では、1つ目のリールの変動動作についてタイミングTA1から1つ目のリールを2周分回転させ、2つ目のリールの変動動作についてタイミングTA2から2つ目のリールを2周分回転させ、さらに3つ目のリールの変動動作についてタイミングTA3から3つ目のリールを2周分回転させる構成とした。しかしながら、例えば1つ目のリールの変動動作についてタイミングTA1から1つ目のリールを1周分回転させ、2つ目のリールの変動動作についてタイミングTA2ではなくタイミングTA1から2つ目のリールを2周分回転させ、さらに3つ目のリールの変動動作についてタイミングTA3ではなくタイミングTA1から3つ目のリールを3周分回転させる構成としてもよい。つまり、1つ目のリールの変動動作についてタイミングTA1から1つ目のリールを、「0」以上の「第1周回」分回転させ、2つ目のリールの変動動作について同じタイミングTA1から「第1周回」よりも多い「第2周回」分回転させ、さらに3つ目のリールの変動動作について同じタイミングTA1から「第2周回」よりも多い「第3周回」分回転させる構成としてもよい。
【0411】
また、上記第1実施形態の通常態様を、左リール6L→中リール6C→右リール6Rの順(いわゆる「順押し」の場合と同じ順)で停止する態様とした。しかしながら、通常態様をこれ以外の順で3つのリール6L,6C,6Rが順次停止する態様としてもよい。具体的に例えば、左リール6L→右リール6R→中リール6Cの順(いわゆる「はさみ打ち(はさみ押し)」の場合と同じ順)で停止する態様でもよい。また例えば、右リール6R→中リール6C→左リール6Lの順(いわゆる「逆押し」の場合と同じ順)で停止する態様でもよい。
【0412】
また、上記第1実施形態では、3つのリール6L,6C,6Rが1つずつ停止する構成とした。しかしながら、3つのリール6L,6C,6Rのうちの一部をなす複数、或いは全部のものが同時に停止する構成としてもよい。
【0413】
また、上記第1実施形態では、オープニングリール処理(S804)において、3つのリール6L,6C,6Rが通常時と同じ方向に回転する構成とした。しかしながら、通常時とは逆方向に回転する構成としてもよい。また、その構成の場合には、さらに3つのリール6L,6C,6Rの少なくとも一部が通常時とは逆方向に回転する構成としてもよい。
【0414】
また、上記第1実施形態では、第2RT遊技状態に設定中の初回の単位遊技にて、3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が停止する構成とした。しかしながら、第2RT遊技状態の設定中における2回目以降の単位遊技や最終の単位遊技など、初回以外の単位遊技にて3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が停止する構成としてもよい。
【0415】
また、上記第1実施形態では、第2RT遊技状態に設定中の初回の単位遊技にて、3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が必ず停止する構成としたが、移行後の第2RT遊技状態にて3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が必ずしも停止しない構成としてもよい。つまり、第2RT遊技状態の設定中に、3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が停止するときと、3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が停止しないときとがある構成としてもよい。或いは、3つのリール6L,6C,6Rの変動動作が停止しない構成としてもよい。
【0416】
また、上記第1実施形態では、第2RT遊技状態に設定中の初回の単位遊技における3つのリール6L,6C,6Rの変動動作の停止によって、有効ラインL1上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが停止する構成とした。しかしながら、有効ラインL1上に「赤セブン」図柄以外の図柄の3つ揃いが停止する構成としてもよい。或いは、上記の疑似ライン上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが停止する構成としてもよい。
【0417】
また、上記第1実施形態では、液晶の表示画面42aを有する画像表示装置42としたが、ドットマトリックスや7セグメントを有する表示装置でもよい。
【0418】
また、上記第1実施形態では、小役1~小役8に当選した場合には次の単位遊技で遊技状態が非RT遊技状態から第1RT遊技状態に移行する構成とした。しかしながら、小役1~小役8以外の小役に当選した場合に、次の単位遊技で遊技状態が移行する構成としてもよい。或いは、小役1~小役8の一部の小役に当選した場合に、次の単位遊技で遊技状態が移行する構成としてもよい。或いは、小役1~小役8の当選によらず、抽選によって決定される所定の遊技数で遊技状態が移行する構成としてもよい。
【0419】
また、上記第1実施形態では、
図9に示す遊技役判定テーブルを設定値が「6」のものとした。しかしながら、設定値が「1」、「2」、「3」、「4」又は「5」の遊技役判定テーブルとしてもよい。
【0420】
また、上記第1実施形態では、サブ制御基板70と画像制御基板80とを分けた構成としたが、画像制御基板を含むサブ制御基板としてもよい。
【0421】
また、上記第1実施形態では、複数の変動表示手段として3つのリールを設けた遊技機とした。しかしながら、例えば4つのリールや2つのリールを設けた遊技機でもよい。
【0422】
また、上記第1実施形態では、有効ラインL1を1つ設けたが、複数設けてもよい。
【0423】
また、上記第1実施形態では、有効ラインL1上や疑似ライン上に「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示された場合をチェリー小役(小役1)の成立とした。しかしながら例えば、上記ラインをなす左リール6Lの図柄が「チェリー」図柄で、そのラインをなしている中リール6Cおよび右リール6Rの図柄がそれぞれ「チェリー」図柄以外の図柄の場合に、チェリー小役の成立としてもよい。また例えば、上記ラインをなす左リール6Lおよび中リール6Cの図柄がそれぞれ「チェリー」図柄で、そのラインをなしている右リール6Rの図柄が「チェリー」図柄以外の図柄の場合に、チェリー小役の成立としてもよい。
【0424】
また、上記第1実施形態では、いわゆる「ビッグボーナス(BB)」や「レギュラーボーナス(RB)」といったボーナスの実行がない遊技機としたが、そのようなボーナスが実行可能な遊技機としてもよい。
【0425】
また、上記第1実施形態では、第1RT遊技状態をRT(リプレイタイム)とした上で、第2RT遊技状態をART(アシストリプレイタイム)とした。しかしながら、再遊技役の当選確率について、第1RT遊技状態および第2RT遊技状態を、非RT遊技状態と同程度とした上で、第2RT遊技状態を単にAT(アシストタイム)としてもよい。
【0426】
また、上記第1実施形態では、遊技機をスロットマシンとしたが、パチンコ遊技機としてもよい。
【0427】
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0428】
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
第1遊技状態(第1RT遊技状態)およびその第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2RT遊技状態)を含む複数の遊技状態から1の遊技状態に設定する遊技状態設定手段(遊技状態移行処理(S203)を実行する遊技制御用マイコン61)を備え、
前記遊技状態設定手段は、
前記第2遊技状態の設定中に通常終了条件が成立した場合(一連の第2RT遊技状態での単位遊技数が終了契機遊技数に達した場合)には、その第2遊技状態の設定を終了するときがあり、
前記第2遊技状態の設定中、前記通常終了条件が成立する前に強制終了条件が成立した場合(有利区間の上限遊技数に達した場合)には、その第2遊技状態の設定を終了する遊技機において、
前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への遊技状態の移行を決定可能な第1決定手段(第1RT状態処理(S212)のステップS1408の処理を実行する遊技制御用マイコン61)と、
前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行が決定した場合には、その第2遊技状態の設定が開始されるまでの単位遊技数である発動遊技数を第1所定数(第1発動遊技数)に決定することがある第2決定手段(発動遊技数選択処理(S370)のステップS385の処理またはステップS387の処理を実行する遊技制御用マイコン61)と、
前記発動遊技数として前記第1所定数を経て、前記第2遊技状態が設定される場合のその第2遊技状態が特定単位遊技(例えば有利区間の「1471ゲーム」目の単位遊技)よりも後に開始されるとの判定を実行可能な判定手段(発動遊技数選択処理(S370)のステップS383の処理を実行する遊技制御用マイコン61)と、を備え、
前記特定単位遊技とは、前記強制終了条件が成立することになる単位遊技(例えば有利区間の「1500ゲーム」目の単位遊技)から特定回数(例えば「30ゲーム」)前の単位遊技であり、
前記第2決定手段は、
前記第1決定手段による前記移行の決定後に、前記判定手段による前記判定が行われなかった場合(発動遊技数選択処理(S370)のステップS383でNOの場合)には前記発動遊技数を前記第1所定数に決定し、前記判定手段による前記判定が行われた場合(発動遊技数選択処理(S370)のステップS383でYESの場合)には前記発動遊技数を第2所定数(第2発動遊技数)に決定し、
前記第2所定数とは、前記発動遊技数を経て設定される前記第2遊技状態が前記特定単位遊技に開始されることになるものであることを特徴とする遊技機(スロットマシン1)である。
【0429】
上記の遊技機によれば、第1所定数を経て第2遊技状態が設定される場合のその第2遊技状態が特定単位遊技よりも後に開始されるとの判定が実行された場合には、その第2遊技状態が特定単位遊技に開始されることになる第2所定数に発動遊技数が決まる。その場合には、特定単位遊技に第2遊技状態の設定が開始され、強制終了条件が成立するまでの特定回数分の単位遊技にわたり第2遊技状態が設定可能である。よって、第1所定数を経て設定される第2遊技状態が、強制終了条件が成立する単位遊技よりも後に開始することになる場合には、その強制終了条件が成立する間際に第2遊技状態の設定を新たに追加可能である。或いは、第1所定数を経て設定される第2遊技状態が、強制終了条件の成立前、且つ、特定単位遊技よりも後に開始することになる場合には、第1所定数を発動遊技数としたときよりも第2遊技状態の設定の開始を早めることが可能である。
【0430】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
第1モード(モードA)および第2モード(モードB)を含む複数のモードから1のモードに設定可能なモード設定手段(モード選択処理(S350)を実行する遊技制御用マイコン61)を備え、
前記第1モードが設定されている場合には、前記判定手段による前記判定が行われるときと行われないときとがあり、
前記第2モードが設定されている場合には、前記判定手段による前記判定が行われないことを特徴とする遊技機である。
【0431】
上記の遊技機によれば、第2モードの場合には発動遊技数として第1所定数が変更されずに決まる。そのため、第1所定数を経て設定される第2遊技状態が、強制終了条件が成立する単位遊技よりも後に開始することになる場合には、その強制終了条件の成立前に第2遊技状態の設定が新たに追加されることがない。さらに、第1所定数を経て設定される第2遊技状態が、強制終了条件の成立前、且つ、特定単位遊技よりも後に開始することになる場合には、特定回数の途中で第2遊技状態の設定が終了する場合がある。
【0432】
それに対し、第1モードの場合には発動遊技数として第2所定数に変更されることがあるため、強制終了条件が成立する間際に第2遊技状態の設定が追加されたり、第2遊技状態の設定の開始が早まったりすることが可能である。発動遊技数についてのそのような点(強制終了条件が成立する間際に第2遊技状態の設定が追加される可能性があったり、第2遊技状態の設定の開始が早まる可能性があったりする点)で第2モードよりも第1モードを遊技者に有利なモードとすることが可能である。
【0433】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記第1所定数を選択可能な第1所定数選択手段(発動遊技数選択処理(S370)のステップS372とステップS373、ステップS375とステップS376、又は、ステップS377とステップS378の処理を実行する遊技制御用マイコン61)を備え、
前記第1所定数選択手段は、
前記第1モードが設定されている場合にも前記第2モードが設定されている場合にも前記第1所定数を選択可能であり、
前記第1モードが設定されている場合の方が、前記第2モードが設定されている場合よりも、前記第1所定数として多い単位遊技数を選択し易いことを特徴とする遊技機である。
【0434】
上記の遊技機によれば、第1モードが設定されている場合の方が、第2モードが設定されている場合よりも第1所定数として多い単位遊技数を選択し易いので、第1所定数に関しては、第1モードの方が第2モードよりも遊技者にとって不利である。但し、上述したような発動遊技数に関する点では、逆に第2モードよりも第1モードの方が遊技者に有利なモードとすることが可能であるため、第1モードでのゲーム性と第2モードでのゲーム性との間に均衡を保つことが可能である。すなわち第1モードは、第1所定数の点では第2モードよりも不利であるけれども、上述の発動遊技数に関する点では遊技者への救済を行うことが可能なモードとすることができる。かくして第1モードをメリハリのあるモードとすることが可能である。
【0435】
手段A4に係る発明は、
手段A1、手段A2および手段A3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技状態設定手段は、
前記第2遊技状態を少なくとも第3所定数の単位遊技にわたって設定するときがあり、
前記特定回数とは前記第3所定数以上の単位遊技数であることを特徴とする遊技機である。
【0436】
上記の遊技機によれば、特定回数とは第3所定数以上の単位遊技数であるため、第1モードの設定中に発動遊技数が第2所定数に決まった場合には、第3所定数の単位遊技にわたって第2遊技状態が設定される。よってその場合には、いわゆる「保証」分の単位遊技にわたって第2遊技状態を遊技者に楽しませることが可能である。つまり、その場合には設定1回分の第2遊技状態を遊技者に実感させることが可能である。
【0437】
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
通常遊技状態(非RT遊技状態)と、この通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(第2RT遊技状態)と、を含む複数の遊技状態から1の遊技状態に設定する遊技状態設定手段(遊技状態移行処理(S203)を実行する遊技制御用マイコン61)を備え、
前記遊技状態設定手段は、
前記特別遊技状態の設定中に所定の終了条件が成立した場合(一連の第2RT遊技状態での単位遊技数が終了契機遊技数に達した場合)にはその特別遊技状態の設定を終了するときがある遊技機において、
所定モード(モードA)を含む複数のモードから1のモードに設定可能なモード設定手段(モード選択処理(S350)やステップS391の処理を実行する遊技制御用マイコン61)を備え、
前記通常遊技状態を除いた遊技状態であって、前記特別遊技状態を含んだ遊技状態である有利遊技状態(第1RT遊技状態や第2RT遊技状態)が一連で設定される有利区間の単位遊技数には所定の上限回数(上限遊技数)が設けられており、
前記モード設定手段は、
前記有利区間の開始によってモードを設定し、前記有利区間の終了によって設定したモードを終了し、設定したモードを前記有利区間中に変更しないものであり、
前記所定モードが設定された前記特別遊技状態の設定中、前記所定の終了条件が成立してその特別遊技状態の設定が終了するときに、その終了する時点の単位遊技から前記所定の上限回数に該当することになる単位遊技までの単位遊技数(以下「残ゲーム数」ともいう)が所定数(第1特定数)を超える場合には前記有利区間が終了しないけれども、前記残ゲーム数が前記所定数以下である場合には前記有利区間が終了することを特徴とする遊技機(スロットマシン1)である。
【0438】
上記の遊技機によれば、所定モードに設定された特別遊技状態の設定中、所定の終了条件が成立してその特別遊技状態の設定が終了するときに、残ゲーム数が所定数以下である場合には有利区間が終了する。そのため、所定モードでの特別遊技状態の終了後における残ゲーム数が比較的少ない場合、有利区間の終了とともに所定モードの設定も早めに(前倒しで)終了させることが可能である。
【0439】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記有利遊技状態には、前記特別遊技状態以外に特殊遊技状態(第1RT遊技状態)があり、
前記特別遊技状態は、前記特殊遊技状態から移行される遊技状態であり、
前記所定モードとは、前記特殊遊技状態の設定中に、前記所定数以下よりも前記所定数を超えてその特殊遊技状態から前記特別遊技状態に遊技状態が移行し易いモードであり、
前記有利区間における前記特殊遊技状態の設定中、その有利区間の単位遊技数が前記所定の上限回数に達する場合には、その特殊遊技状態の設定および前記有利区間がそれぞれ終了し、
前記所定モードの設定中に前記残ゲーム数が前記所定数を超える場合には、前記有利区間が終了せずに前記特別遊技状態から前記特殊遊技状態に移行するけれども、前記残ゲーム数が前記所定数以下である場合には前記有利区間が終了することを特徴とする遊技機である。
【0440】
上記の遊技機によれば、所定モードとは特殊遊技状態の設定中、所定数以下よりも所定数を超えてその特殊遊技状態から特別遊技状態に遊技状態が移行し易いモードである。そのため、仮に所定モードでの特別遊技状態の終了後における残ゲーム数が所定数以下で有利区間が終了せずにその特別遊技状態から特殊遊技状態に移行した場合、その有利区間の所定の上限回数に達する前に、その特殊遊技状態から再び特別遊技状態に移行し難い。つまり、所定モード中に残ゲーム数が所定数以下で有利区間が終了しなかった場合には、その後の特殊遊技状態から特別遊技状態へ再び移行することなく有利区間が終了してしまう可能性が高い。
【0441】
そこで、上記の遊技機によれば、所定モードでの特別遊技状態の終了後における残ゲーム数が所定数以下の場合には有利区間が終了するので、残ゲーム数分の単位遊技にわたって、特別技状態に再び移行し難い遊技状態(特殊遊技状態)が設定されるのを防ぐとともに、所定モードの設定を早めに終了させることが可能である。
【0442】
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
前記複数のモードには前記所定モードとは異なる特定モード(モードC)が含まれ、
前記特定モードとは、前記特殊遊技状態の設定中の前記所定数以内にその特殊遊技状態から前記特別遊技状態に遊技状態が移行するモードであり、
前記特定モードの設定中に前記残ゲーム数が前記所定数以下である場合には前記有利区間が終了せずに前記特別遊技状態から前記特殊遊技状態に移行するときがあることを特徴とする遊技機である。
【0443】
上記の遊技機によれば、特殊遊技状態から特別遊技状態への移行し易さに関して、所定モードを特定モードよりも遊技者に不利なモードとすることが可能である。そこで、特定モードの設定中に残ゲーム数が所定数以下であれば有利区間が終了せずに特別遊技状態から特殊遊技状態に移行するときがあるけれども、所定モードの設定中には残ゲーム数が所定数以下であれば有利区間の終了によって特定モードの設定も終了できる。つまり、有利なモード(特定モード)とは異なり、不利なモード中にはその不利なモードを早めに終了させることが可能である。
【0444】
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機であって、
前記特定モードが設定された前記特別遊技状態の設定中に、前記所定の終了条件が成立してその特別遊技状態の設定が終了するときに、1回の前記有利区間中のその特別遊技状態の設定回数が特定数(所定回数)に達していない場合には、前記残ゲーム数が前記所定数以下であっても前記有利区間が終了しないことを特徴とする遊技機である。
【0445】
上記の遊技機によれば、設定回数が特定数に達していない特定モードの設定時とは異なり、不利なモード(所定モード)中に所定の条件を満たした場合にはその不利なモードを早めに終了させることが可能である。
【符号の説明】
【0446】
1…スロットマシン(遊技機)
60…主制御基板
61…遊技制御用マイコン