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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電子秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/02 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G01G23/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022139144
(22)【出願日】2022-09-01
【審査請求日】2022-09-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596163264
【氏名又は名称】株式会社カスタム
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 有功
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-023241(JP,U)
【文献】特開平06-341888(JP,A)
【文献】特公昭62-059768(JP,B2)
【文献】実開昭61-205036(JP,U)
【文献】実開昭60-48130(JP,U)
【文献】実開昭54-171368(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-9/00
G01G 21/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
秤本体部と、
この秤本体部に取り付けられているロードセル取付ブラケットと、
ロードセル取付ブラケットに固定側端部を取り付けて、片持ち梁状にしてロードセル取付ブラケットに支持されているロードセルと、
ロードセルの可動側端部に取り付けられていて、この可動側端部での取付部分からロードセルの固定側端部側に向けて張り出る金属板からなる計量トレイ支持板と、
計量トレイ支持板に取り付けられている計量トレイとを備えており、
前記計量トレイ支持板が入り込むようにこの計量トレイの辺部に対応する縦断面コ字状の凹部であって、凹部内上辺と凹部内下辺とが上下で対向していて、凹部内上辺が計量トレイ支持板の板上面上方移動限界位置にあるとともに、凹部内下辺が計量トレイ支持板の板下面下方移動限界位置にある凹部を備えたストッパーが、秤本体部に配置されていることを特徴とする電子秤。
【請求項2】
上記ロードセル取付ブラケットに、上記ストッパーが一体に設けられている請求項1に記載の電子秤。
【請求項3】
上記秤本体部の天面に上記ロードセル取付ブラケットが取り付けられていて、上記ロードセルが秤本体部の上方に配置されている請求項1または2に記載の電子秤。
【請求項4】
上記秤本体部の内側に、上記ロードセル取付ブラケットとロードセルと計量トレイ支持板とストッパーとが配置されている請求項1または2に記載の電子秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロードセルを備えた電子秤、特に計量トレイに対して誤った操作などをしてもロードセルに過負荷が加わらないようにした電子秤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては一般家庭での調理に際しても、レシピなどに従って食材の重量を測定することが行なわれるようになってきており、調理する食材を計量トレイに乗せるだけで重量を正確に計測して数値として表示できる電子秤が一般にも利用されるようになってきている。
【0003】
このような電子秤は、食材を取り扱う調理中に重量を測定する操作をすることが多く、特にファミリーレストランの厨房などでは、調理に用いる食材の重量設定に頻繁に使用されている。
【0004】
業務用途の場合だけではないが、上述した厨房などで電子秤が継続的に使用されると、電子秤自体が汚れて不衛生になり易い。そのため、洗浄できる電子秤が提供されるようになってきているとともに、その洗浄できる電子秤についての工夫も以下のように提案されている。
【0005】
一例として防水性を高める電子秤では、秤本体部内の気圧変化が測定を不正確にする可能性があることから、秤本体部の外側にロードセルを配置することが、特許文献1で提案されている。
【0006】
特許文献1の電子秤では、秤本体部の上面に固定側端部の下面を相対させてこの固定側端部が固定されるようにして水平に片持ち梁状でロードセルが取り付けるとともに、このロードセルの可動側端部の上面に計量皿を取り付けている。
【0007】
ロードセルで検出した出力を送る電気配線については、そのロードセルと秤本体部の上面とを通して秤本体部内に設置の電子回路基板に接続していて、ロードセルと秤本体部の上面での電気回線が通る部分に、シール材としてシリコン材を詰める技術が示されている。
【0008】
また、上述したように電子秤が一般家庭でも使用されるように広く普及してきた現状において、過荷重の食材を計量皿の上に落とすようにして測定したり電子秤を持ち運びするなどの取り扱い時に計量皿に衝撃が加わって、ロードセルに瞬時に大きな荷重が加わるような場合に、ロードセルが壊れるという不具合がある。
【0009】
そのため、ロードセルに過荷重が加わることがないようにストッパーを組み入れた工夫も提案されている。
【0010】
例えば特許文献2において、ロードセルの荷重受部(可動側端部)にL字型金具を取り付けるとともに、L字型金具の近傍に、アルミダイキャスト製のベースから立ち上げられたネジにねじ付段付きナットからなる下限ストッパーと上限ストッパーとを設けて、荷重受部が下位限界にまで変位したときにL字型金具が下限ストッパーに当接し、荷重受部が上位限界にまで変位したときにL字型金具が上限ストッパーに当接して、荷重受部の上下の変位量を制限して、ロードセルに過荷重が加わらないように保護する工夫が示されている。
【0011】
また、特許文献3では、ロードセルの固定側端部が取り付けられているベースに複数の過負荷防止用ストッパーを立てるようにした工夫が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特許第6041888号公報
【文献】実開昭61-205036号公報
【文献】実願昭55-036239号のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述の洗浄することができる電子秤では洗浄することで衛生的に使用できるので有用である。そして、この洗浄することができる電子秤に対しても、上述の過荷重を防止する工夫を備えるようにしたいとの要望がある。
【0014】
しかし、特許文献2に示された可動側端部の上下の変位量を制限する仕組みではボルトと段付きナットとを用いるので、電子秤の部品点数が多くなるという不具合が生じる。
【0015】
また、特許文献3は、上述したように計重受台に過荷重が加わったときの保護として、計重受け台の下位限界を定める複数の過負荷防止用ストッパーを立てる点を示しているが、この仕組みを、特許文献1の洗浄できる電子秤に組み入れようとしても、過負荷防止用ストッパーそれぞれで高さ調整を行なうことには変わりがなく、製造コストを引き上げてしまうという問題がある。
【0016】
そこで本発明は上記事情に鑑み、簡易な構造で過負荷がロードセルに加わらないようにすることを課題とし、被計量物を乗せる計量トレイに対する誤った操作を行なった場合や電子秤製品の流通時に衝撃が加わるなどした場合などでもロードセルを過負荷から保護できる電子秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、秤本体部と、
この秤本体部に取り付けられているロードセル取付ブラケットと、
ロードセル取付ブラケットに固定側端部を取り付けて、片持ち梁状にしてロードセル取付ブラケットに支持されているロードセルと、
ロードセルの可動側端部に取り付けられていて、この可動側端部での取付部分からロードセルの固定側端部側に向けて張り出る金属板からなる計量トレイ支持板と、
計量トレイ支持板に取り付けられている計量トレイとを備えており、
前記計量トレイ支持板が入り込むようにこの計量トレイの辺部に対応する縦断面コ字状の凹部であって、凹部内上辺と凹部内下辺とが上下で対向していて、凹部内上辺が計量トレイ支持板の板上面上方移動限界位置にあるとともに、凹部内下辺が計量トレイ支持板の板下面下方移動限界位置にある凹部を備えたストッパーが、秤本体部に配置されていることを特徴とする電子秤を提供して、上記課題を解消するものである。
【0018】
(請求項2の発明)
そして、本発明において、上記ロードセル取付ブラケットに、上記ストッパーが一体に設けられていることが良好である。
【0019】
(請求項3の発明)
また、本発明において、上記秤本体部の天面に上記ロードセル取付ブラケットが取り付けられていて、上記ロードセルが秤本体部の上方に配置されていることが良好である。
【0020】
(請求項4の発明)
また、本発明において、上記秤本体部の内側に、上記ロードセル取付ブラケットとロードセルと計量トレイ支持板とストッパーとが配置されていることが良好である。
【発明の効果】
【0021】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、秤本体部に配置されているストッパーは、計量トレイ支持板が入り込むようにこの計量トレイの辺部に対応する縦断面コ字状の凹部を有していて、凹部内上辺が計量トレイ支持板の板上面上方移動限界位置にあるとともに、凹部内下辺が計量トレイ支持板の板下面下方移動限界位置にあるので、ストッパーを秤本体部に配置するだけで、計量トレイの上下限界位置を調整する必要なしに、ロードセルを過負荷から保護することができる。
【0022】
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、ロードセル取付ブラケットに上記ストッパーが一体にして設けられているので、ロードセル取付ブラケットを秤本体部に取り付けることでストッパーを別個に取り付ける必要がない。
そのため、電子秤の部品点数を削減することができ、電子秤の価格を安価にすることができるという効果を奏する。
【0023】
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、秤本体部の天面にロードセル取付ブラケットを取り付けて、ロードセルを秤本体部の上方に配置しているので、ロードセルからの電気配線を秤本体部の天面に通す部分のシールを行なって秤本体部内を水密状態に封止しても、秤本体部側の気圧の変動が計量に影響を及ぼすことがなくなる。
【0024】
よって、秤本体部外のロードセルや計量皿の部分を洗浄することができる電子秤が得られる。
【0025】
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明によれば、秤本体部の内側に、上記ロードセル取付ブラケットとロードセルと計量トレイ支持板とストッパーとが配置されているので、計量トレイ下と秤本体部との間の空間が簡素な構成となり、計量トレイと秤本体部との間の空間を隠ぺいする必要がなくなったり、また計量トレイと秤本体部との間の空間を隠ぺいする場合でも、隠ぺいする部材の高さを小さくして電子秤の美観を整え易くなるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る電子秤の一例を斜視で示す説明図である。
図2】秤本体部2を分解状態で示す説明図である。
図3】下側筐体を下方から見た状態で示す説明図である。
図4】計量トレイと計量機構部とを分解状態で示す説明図である。
図5】ロードセルに対するFPCケーブルの取付例を示す説明図である。
図6】計量トレイ支持板の辺部がストッパーに入り込む状態を示す説明図である。
図7】ストッパーの他の例を示していて(a)はロードセル固定側端部側面に立て板状のストッパーを組み付ける点を示す説明図、(b)はロードセル固定側端部側面に立て板状のストッパーをボルト止めした状態を示す説明図、(c)はストッパーに対する計量トレイ支持板の配置を示す説明図、(d)は同じくストッパーに対する計量トレイ支持板の配置を側方から見た状態で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
つぎに本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1は電子秤で、該電子秤1は図1に示されているように前面に計量値などの情報を液晶表示する表示器と電源オンオフスイッチなどのボタンとを配設した秤本体部2とこの秤本体部2の上部に位置する計量トレイ3とからなるものである。
【0028】
そして、本実施の形態での電子秤1は、前述したようにロードセルの部分や計量トレイ3の部分を洗うことができるように計量機構部(後述)を秤本体部2の上面に配置した防塵防水タイプの秤である。
【0029】
(秤本体部)
図2は秤本体部2を分解した状態で示している。図示されているように秤本体部2は、上側筐体4と下側筐体5とをその間にゴムパッキン6を介在させて下方から下側筐体5を上側筐体4に対してネジ止め固定している。
【0030】
下側筐体5には、電源ボックス7、エアフィルター8が設けられていて、下方から見た状態の図3に示されているように電源ボックス7では秤下方となる側からゴムパッキン9を介在させて電池蓋10がネジ止めされている。
【0031】
上側筐体4は、上記液晶表示の表示器と電源オンオフスイッチなどを配設して構成された表示操作部11を前面に配するとともに、上側筐体4での平らな上面となる秤本体部天面12に、ロードセル13を用いて計量機構部14が構成されている。
【0032】
(計量トレイ)
計量トレイ3は、図2に示すように計量機構部14を覆い隠すようにして秤本体部2の上方側から配置されており、後述するように計量機構部14側の一部材にビス止めすることで計量トレイ3が計量機構部14に連結されている。
【0033】
図4は計量トレイ3自体の構成と上記計量機構部14の構成とをそれぞれ構成部材で分解した状態で示していて、上述した計量トレイ3の計量機構部14への連結を表すとともに、この計量機構部14の秤本体部2への連結も表している。
【0034】
図4で示されているように計量トレイ3は、トレイ本体15とこのトレイ本体15の上方から被せるトレイカバー16とからなるものである。
トレイ本体15は、上側筐体4の表示操作部11が配置されている嵩高部分側を除く三方に垂れ壁17が一体に設けられている。そして、トレイ本体15が、計量機構部14の金属板製の計量トレイ支持板18にネジ止めされている。
【0035】
(計量機構部)
計量機構部14は、金属製のロードセル取付ブラケット19と上記ロードセル13と金属板からなる上記計量トレイ支持板18とを備えてなるものである。歪ゲージや歪ケージの出力を電気信号や電流変化量などの電気情報として通す電気配線がロードセル13に取り付けられているが、図4において計量機構部14の部材連結状態を分かり易く表現するために歪ゲージ、電気配線は不図示としている。
【0036】
(計量トレイ支持板)
計量トレイ支持板18は、片持ち梁状となるように横長の配置とされたロードセル13の可動側端部20の上面にボルトにて連結されている。
また、計量トレイ支持板18は、上記トレイ本体15ともネジ止めしてトレイ本体15と連結するものであるので、トレイ本体15でのネジ止め部分に対応する位置をも含むとともに、可動側端部20での取付部分から可動側端部20に対向する固定側端部21側に向けて張り出て、ロードセル取付ブラケット19の以下に述べる凹所に入り込むことができる十分な広さを有して、撓むことがない剛性の高い金属板である。
【0037】
(ロードセル)
ロードセル13は、可動側端部20の計量トレイ支持板18を取り付ける部分を嵩高にした金属ブロック体であり、中央部分に側方に貫通するとともに、上面側二か所と下面側二か所とでブロック厚さを小さくした開口形状の貫通孔22が形成されている。
【0038】
ロードセル13に対する電気配線の取付例が図5に示されている。この図5に示すようにロードセル13の上面二か所と下面二か所とに歪ゲージ23が固定され、この歪ゲージ23からの電気線が端部に接続されているFPCケーブル24がロードセル13の上面及び下面からロードセル13の側面側で纏められ、秤本体部天面12に開口した透孔25及び秤本体部天面12の部分を補剛してロードセル取付ブラケット19を下支えする後述の金属補強板30の透孔25aとに前記FPCケーブル24を通して、秤本体部2の内部に設置の回路基板(不図示)に接続されている。
図5では、歪ゲージ23及びFPCケーブル24を見易くするために、計量トレイ支持板18は図示していない。
【0039】
なお、ロードセル13における上記歪ゲージ23とFPCケーブル24は、耐摩耗性、耐水性のある接着剤で被覆され、また、透孔25のFPCケーブル24が通る部分ではシリコン材を充填して秤本体部2の内部を防水している。
【0040】
(ロードセル取付ブラケット)
ロードセル取付ブラケット19は、ロードセル13の長さ方向に延設した上板19aと下板19bとの間にロードセル13の固定側端部21が嵌め入れられてロードセル13の固定側端部21にボルト止めされるとともに、このロードセル取付ブラケット19自体を秤本体部天面12に秤本体部2の内方からの金属補強板30を介在させたボルト止めによって取り付けていて、ロードセル13がこのロードセル取付ブラケット19によって片持ち梁状に支持される。
【0041】
(ストッパー)
さらにロードセル取付ブラケット19の上部側に、計量トレイ支持板18の辺部に対応する縦断面コ字状の凹部26を備えてなるストッパー27が一体にして設けられている。
ストッパー27の凹部26には、図6に示すように計量トレイ支持板18の辺部が入り込んでいる。そして、ストッパー27は、例えばロードセル取付ブラケット19の上部に溝を切削して形成してなるものであり、計量トレイ支持板18の辺部が入り込んだ凹部26の凹部内上辺28と凹部内下辺29とが上下で対向している。
【0042】
ストッパー27はロードセル13に過荷重が加わることがないように、計量トレイ支持板18が上下方向に位置変化するときの変化量(可動側端部20の上下方向の位置変化量)を規制するものである。そして、凹部内上辺28は計量トレイ支持板18の板上面上方移動限界位置aにあり、凹部内下辺29は計量トレイ支持板18の板下面下方移動限界位置bにある。
【0043】
この実施の形態では、ロードセル取付ブラケット19が上記ストッパー27を一体にして備えているので、仮に本電子秤の製品流通時や持ち運びしているとき、また、計量する食材などを計量トレイの上に落とすなどして過大な荷重が計量トレイに対して上方からや下方から加わることがあっても、ロードセル13の可動側端部20の位置変化が大きくなる前に、計量トレイ支持板18が、ストッパー27の凹部26の凹部内上辺28や凹部内下辺29に当接して、ロードセル13の可動側端部20の位置変化量が大きくならないように保護される。よって、ロードセル13に破損が生じるのを未然に防止する。
【0044】
なお、当然のことながら、計量していないときや、ロードセル13の可動側端部20が移動限界範囲内で移動するときには、計量トレイ支持板18はストッパー27の凹部26の凹部内上辺28や凹部内下辺29に接触はしない。図6において歪ゲージとFPCケーブルは不図示である。
【0045】
(他例)
上記実施の形態では、ロードセル取付ブラケット19にストッパー27を一体にして設けているが、本発明はこの例に限定されるものではない。
図7(a)~(d)はストッパー27が単独で組み付けられている計量機構部14を概略的に示していて、平板状としたロードセル取付ブラケット19を介して秤本体部天面12にロードセル13の固定側端部21がボルト止めされている。
【0046】
そして、ストッパー27は立て板材からなるもので、固定側端部21の側面にボルト止めされている。
上述した実施の形態と同じように、計量トレイ支持板18の板上面上方移動限界位置aの高さに対応する位置にした凹部内上辺28と板下面下方移動限界位置bの高さに対応する位置にした凹部内下辺29とを有する凹部26を備えていて、この凹部26に計量トレイ支持板18の辺部が入り込んでいる。
【0047】
したがって、この形態においても、計量トレイ支持板18が、ストッパー27の凹部26の凹部内上辺28や凹部内下辺29に当接することで、ロードセル13の可動側端部20の位置変化量が大きくならないように保護して、ロードセル13に破損が生じるのを未然に防止する。
【0048】
なお、図7においてストッパー27の他例の形状およびロードセル13への配置を見易くするために歪ゲージとFPCケーブルを省いた状態で示されている。
また、図4図6図7において符号30は、上側筐体4の上面(秤本体部天面12)を補剛してロードセル取付ブラケット19をこの上側筐体4の上面を介して下支えする金属補強板を示している。
【0049】
上述した各実施の形態では、ロードセル13を片持ち梁状に支持するロードセル取付ブラケット19を秤本体部天面12上に取り付けて計量機構部14を秤本体部天面12の上に配置しているが、本発明は上記各実施の形態の例に限定されるものではない。
【0050】
即ち、本発明において、秤本体部2の内側に計量機構部14とロードセル取付ブラケット19とストッパー27とを配置し、秤本体部天面12に開口の透孔などを通るステイなどによってトレイ本体15と計量トレイ支持板18(上述したストッパー27の凹部26に入り込んでこの凹部26による上述の移動限界の規制を受けけるように構成される計量トレイ支持板18)とを連結した構成にすることも可能である。
また、秤本体部2の内側に、計量機構部14とロードセル取付ブラケット19とストッパー27と計量トレイ支持板18とを配置し、秤本体部天面12に開口の透孔などを通るステイなどによって、トレイ本体15を前記計量トレイ支持板18に連結した構成にすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…電子秤
2…秤本体部
3…計量トレイ
11…表示操作部
12…秤本体部天面
13…ロードセル
14…計量機構部
15…トレイ本体
16…トレイカバー
18…計量トレイ支持板
19…ロードセル取付ブラケット
20…可動側端部
21…固定側端部
23…歪ゲージ
24…FPCケーブル
25、25a…透孔
26…凹部
27…ストッパー
28…凹部内上辺
29…凹部内下辺
30…金属補強板
a…板上面上方移動限界位置
b…板下面下方移動限界位置
【要約】
【課題】簡易な構造で過負荷がロードセルに加わらないようにして、被計量物を乗せる計量トレイに対する誤った操作を行なった場合や電子秤製品の流通時に衝撃が加わるなどした場合などでもロードセルを過負荷から保護できる電子秤を提供する。
【解決手段】計量トレイ支持板18が入り込んでいて、凹部内上辺28が計量トレイ支持板18の板上面上方移動限界位置aにあり凹部内下辺29が板下面下方移動限界位置bにある凹部26を備えたストッパー27を、秤本体部2に配置した。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7