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特許7169743高高度プラットフォーム用フェーズドアレイアンテナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】高高度プラットフォーム用フェーズドアレイアンテナ
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20221104BHJP
   B64C 1/36 20060101ALI20221104BHJP
   H01Q 1/28 20060101ALI20221104BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALI20221104BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20221104BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B64C39/02
B64C1/36
H01Q1/28
H01Q21/08
H04B7/06 150
H04B7/06 950
H04B7/08 420
H04B7/08 800
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017235627
(22)【出願日】2017-12-08
(65)【公開番号】P2018127201
(43)【公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-12-07
(31)【優先権主張番号】15/374,808
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェリア, イン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラン, デーヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】グラジェック, フィリップ アール.
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-321534(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0063522(US,A1)
【文献】特表2008-502226(JP,A)
【文献】特開2014-207626(JP,A)
【文献】特開平08-181540(JP,A)
【文献】特開2002-111374(JP,A)
【文献】国際公開第2015/181045(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64C 1/36
H01Q 1/28
H01Q 21/08
H04B 7/06
H04B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体(230)と、
前記胴体に連結された翼(232、234)と、
送受信機(104)と、
前記送受信機に連結され、前記胴体又は前記翼の少なくとも1つに固定的に据え付けられた複数の平面フェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)であって、第1の法線ベクトル(220~228、264)を有する第1の平面フェーズドアレイアンテナ(132、210~218)及び第2の法線ベクトル(222~228、264)を有する第2の平面フェーズドアレイアンテナ(134、210~218)を含み、前記第1の法線ベクトルは前記第2の法線ベクトルに対して平行ではない、複数の平面フェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)と
を備え、
前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは、通信リンクに対応する第1の信号を受信するように構成され、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナは、前記第1の信号が受信されたことに応答して、前記通信リンクに対応する第2の信号を送信するように構成され、前記第1の信号は第1の場所にある第1のデバイスから受信され、前記第2の信号は前記第1の場所とは異なる第2の場所にある第2のデバイスに送信される、航空機。
【請求項2】
前記複数の平面フェーズドアレイアンテナは、胴体下方部分(124、248)及び翼下方部分(250)のうちの少なくとも1つに固定的に据え付けられており、前記複数の平面フェーズドアレイアンテナのうちの2つ以上は互いに非平行な法線ベクトルを有し、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは前記第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2のアスペクト比(274)とは異なる第1のアスペクト比(272)を有する、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記複数の平面フェーズドアレイアンテナは更に、
前記胴体の第1の部分(240)に固定的に据え付けられた第3の平面フェーズドアレイアンテナ(214)と、
前記胴体の第2の部分(242)に固定的に据え付けられた第4の平面フェーズドアレイアンテナ(216)と、
前記航空機の前記胴体の第3の部分(244)に固定的に据え付けられた第5の平面フェーズドアレイアンテナ(218)とを含み、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは前記翼の右舷側翼(232)に固定的に据え付けられ、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナは前記翼の左舷側翼(234)に固定的に据え付けられている、請求項1又は2に記載の航空機。
【請求項4】
前記胴体、前記翼、前記送受信機、及び前記複数の平面フェーズドアレイアンテナは無人航空機を構成し、前記第1の法線ベクトルは前記無人航空機に対して右舷側方向(252)に配向され、前記第2の法線ベクトルは前記無人航空機に対して左舷側方向(254)に配向される、請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項5】
前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の最大走査角(258)とは異なる第1の最大走査角(256)を有し、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナに関連付けられた第1の潜在的地上カバレージエリア(612)は、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナに関連付けられた第2の潜在的地上カバレージエリア(614)と部分的に重なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項6】
前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは複数の第1のビーム(412)を生成するように構成され、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナは複数の第2のビーム(414)を生成するように構成され、前記複数の第1のビームは前記複数の第2のビームと重ならない、請求項5に記載の航空機。
【請求項7】
高度、姿勢、位置、或いはこれらの組み合わせを示すセンサデータ(1214)を生成するように構成された複数のセンサ(114)と、
前記送受信機に連結され、前記高度、前記姿勢、及び前記位置に対するサービスカバレージエリアの配置に基づいて、ビーム形成ウェイト(1252)を決定し、調整するように構成された通信コントローラ(108)と
を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項8】
前記通信コントローラは更に、前記複数の平面フェーズドアレイアンテナのうちの特定の平面フェーズドアレイアンテナが、第1の周波数(532)を有する第1のビームセット(522)及び第2の周波数を有する第2のビームセット(524)を生成するように構成されており、前記第1のビームセットの各ビームは通信リンク(332~338)に対応する信号の送受信をサポートし、前記第1のビームセットは、前記第1の周波数の周波数再利用を可能にするため、前記第2のビームセットの中に散在する、請求項7に記載の航空機。
【請求項9】
フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するための方法(700)であって、前記方法は、
航空機(1202)に固定的に据え付けられた第1の平面フェーズドアレイアンテナ(132)を介して、通信リンク(336)に対応する第1の信号を受信すること(702)と、
前記第1の信号が受信されたことに応答して、前記航空機に固定的に据え付けられた第2の平面フェーズドアレイアンテナ(134)を介して、前記通信リンクに対応する第2の信号を送信すること(704)とを含み、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の法線ベクトル(220)は、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の法線ベクトル(222)に対して平行ではな
前記第1の信号は、第1の場所にある第1のデバイスから前記航空機によって受信され、前記第2の信号は、前記航空機から前記第1の場所とは異なる第2の場所にある第2のデバイスに送信される、方法(700)。
【請求項10】
前記航空機の高度、前記航空機の姿勢、サービスカバレージエリアの第1の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナ(210)の第1の素子セットによって第1のビーム(412)を生成すること(802)であって、前記第1の信号は前記第1のビームを介して受信される、前記第1のビーム(412)を生成すること(802)と、
前記高度、前記姿勢、前記サービスカバレージエリアの第2の部分、前記飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナ(212)の第2の素子セットによって第2のビーム(414)を生成すること(804)であって、前記第2の信号は前記第2のビームを介して送信される、前記第2のビーム(414)を生成すること(804)と
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記高度、前記姿勢、前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分、前記飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第1のビームの形状を調整すること(806)と、
前記高度、前記姿勢、前記サービスカバレージエリアの前記第2の部分、前記飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第2のビームの形状を調整すること(808)と
を更に含み、
前記第1のビームは第1のビーム形成ウェイト(1252)に基づいて生成され、前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分への前記通信リンクに対応する信号の送受信をサポートし、
前記第1のビーム形成ウェイトは前記航空機の第1の高度、前記航空機の第1の姿勢、前記航空機に対する前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分の配置、或いはこれらの組み合わせに基づいて決定され、
前記第1のビームの形状を調整することは、
前記航空機の一又は複数のセンサ(114)から、前記航空機の第2の高度、前記航空機の第2の姿勢、或いはこれらの組み合わせを受信すること(902)と、
前記第2の高度、前記第2の姿勢、前記航空機に対する前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分の配置、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分に調整された第1のビームを提供するための第2のビーム形成ウェイト(1254)を決定すること(904)と、
前記第2のビーム形成ウェイトに基づいて、前記第1のビームの第1の形状とは異なる第2の形状を有する前記調整された第1のビームを生成すること(906)とを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記通信リンクのパケット境界において第1の素子セットから第2の素子セットへのビームハンドオフを実行すること(1052、1054)であって、前記第2の素子セットは、前記第1の素子セットが、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して前記通信リンクを提供した第1のビームの生成を停止する前に、前記サービスカバレージエリアの前記特定の部分に対して前記通信リンクを提供する第2のビームを生成する、ビームハンドオフを実行すること(1052、1054)と、
前記通信リンクのパケット境界において第1の素子セットから第2の素子セットへのビームハンドオフを実行すること(1052、1056)であって、前記第1の素子セットは、前記第2の素子セットが、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して前記通信リンクを提供する第2のビームを生成する前に、前記サービスカバレージエリアの前記特定の部分に対して前記通信リンクを提供した第1のビームの生成を停止する、ビームハンドオフを実行すること(1052、1056)と
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
複数の外表面(122、124、230、232、234、1246、1248)と、
送受信機(104)と、
前記送受信機に連結され、前記複数の外表面の少なくとも1つに固定的に据え付けられた複数のフェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)であって、第1の法線ベクトル(220)を有する第1のフェーズドアレイアンテナ(132)及び第2の法線ベクトル(222)を有する第2のフェーズドアレイアンテナ(134)を含み、前記第1の法線ベクトルは前記第2の法線ベクトルに対して平行でない、複数のフェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)と
を備え、
前記第1のフェーズドアレイアンテナは、通信リンクに対応する第1の信号を受信するように構成され、前記第2のフェーズドアレイアンテナは、前記第1の信号が受信されたことに応答して、前記通信リンクに対応する第2の信号を送信するように構成され、前記第1の信号は、第1の場所にある第1のデバイスから受信され、前記第2の信号は、前記第1の場所とは異なる第2の場所にある第2のデバイスに送信される、ビークル。
【請求項14】
前記ビークルはヘリコプタ、商用航空機、自家用飛行機、又は小型飛行船に相当し、前記第1のフェーズドアレイアンテナはコンフォーマルフェーズドアレイアンテナ(262)を備え、前記コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは前記複数の外表面の特定の外表面(122、124)の一部の第2の形状に対応する第1の形状を有し、前記コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは複数の法線ベクトル(264、266)を有する、請求項13に記載のビークル。
【請求項15】
前記送受信機と前記複数のフェーズドアレイアンテナに連結された通信コントローラ(108)を更に備え、前記通信コントローラは、
前記複数のフェーズドアレイアンテナの各フェーズドアレイアンテナに複数のビームを生成させ、
前記複数のビームの各ビームをサービスカバレージエリア(602)の対応する部分に位置合わせするため、前記複数のビームのビーム形成ウェイト(1252、1254)を調整するように構成される、請求項13又は14に記載のビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概してフェーズドアレイアンテナ及び高高度プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
高高度プラットフォーム(HAP)は成層圏(例えば、地表面から13キロメートル(km)から50kmまで)で動作する。HAPは無線通信で使用されうる。例えば、HAPはフェーズドアレイアンテナを含みうる。この実施例では、フェーズドアレイアンテナは最大走査角を有しうるが、最大走査角及びその近傍で動作するときには、干渉や歪みを引き起こしうる。HAPによってサポートされる無線通信のカバレージエリアは、HAPのアンテナの最大走査角及び距離(例えば、高度)に関連する。カバレージエリアを広げる従来の技術には、ジンバルなどの機械的なシステムにHAPのフェーズドアレイアンテナを据え付ける方法がある。しかしながら、このような機械的なシステムは重く、かさばる。
【発明の概要】
【0003】
特定の実装では、航空機は胴体、胴体に連結された翼、及び送受信機を含む。航空機は更に、送受信機に連結され、胴体又は翼の少なくとも一部に固定的に据え付けられた、複数の平面フェーズドアレイアンテナを含む。複数の平面フェーズドアレイアンテナは、第1の法線ベクトルを有する第1の平面フェーズドアレイアンテナ及び第2の法線ベクトルを有する第2の平面フェーズドアレイアンテナを含む。第1の法線ベクトルは第2の法線ベクトルに対して平行ではない。
【0004】
幾つかの実装では、フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信する方法は、航空機に固定的に据え付けられた第1の平面フェーズドアレイアンテナを介して、通信リンクに対応する第1の信号を受信することを含む。方法は更に、航空機に固定的に据え付けられた第2の平面フェーズドアレイアンテナを介して、通信リンクに対応する第2の信号を送信することを含み、第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の法線ベクトルは第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の法線ベクトルに対して平行ではない。
【0005】
別の特定の実装では、ビークルは複数の外表面と送受信機を含む。ビークルは更に、送受信機に連結され、複数の外表面のうちの少なくとも1つに固定的に据え付けられた複数のフェーズドアレイアンテナを含む。複数のフェーズドアレイアンテナは、第1の法線ベクトルを有する第1のフェーズドアレイアンテナ及び第2の法線ベクトルを有する平面フェーズドアレイアンテナを含む。第1の法線ベクトルは第2の法線ベクトルに対して平行ではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信するシステムの実施例を示すブロックダイアグラムである。
図2】複数のフェーズドアレイアンテナを含むビークルの上面図、側面図、及び前面図を示すダイアグラムである。
図3】無線通信システムの実施例を示すダイアグラムである。
図4】複数のフェーズドアレイアンテナの特定の構成によって生成されるビームの地上カバレージパターンの実施例を示すダイアグラムである。
図5】フェーズドアレイアンテナの周波数再利用の実施例を示すダイアグラムである。
図6】複数のフェーズドアレイアンテナのビームカバレージ及びビーム形状の実施例を示すダイアグラムである。
図7】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信する方法の実施例のフロー図である。
図8】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信する方法の別の実施例のフロー図である。
図9】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信する例示的な方法のフロー図である。
図10】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信する例示的な方法のフロー図である。
図11】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信するシステムの動作方法の実施例のフロー図である。
図12】複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信するシステムを含むビークルの例示的な実装のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本書に開示した実装は、高高度プラットフォーム(HAP)を介した無線通信を可能にする。特に、本書に記載の一又は複数のシステムは、HAPとして動作するビークルであって、送受信機、複数のフェーズドアレイアンテナ、及び通信コントローラを含むビークルを含む。特定の実装では、複数のフェーズドアレイアンテナは、ビークルに固定的に据え付けられた平面フェーズドアレイアンテナを含むか、これに相当しうる。複数のフェーズドアレイアンテナは、ダイナミックフェーズドアレイアンテナを含みうる。例えば、フェーズドアレイアンテナ(又は、そのビーム)は、機械的なシステムとは独立に照準を定めるか、調整されうる。例例えば、フェーズドアレイアンテナの各アレイ素子(例えば、放射素子又は素子セット)は独立に制御可能であってもよく、フェーズドアレイアンテナの面について対応するビームを形成し、配向しうる。例示的な実施例として、各アレイ素子は、対応するビームを形成し、配向するように使用されうる調整可能なフェーズシフタを有しうる。別の特定の例示的な実装では、複数のフェーズドアレイアンテナはコンフォーマルな(例えば、非平面の)フェーズドアレイアンテナであってもよい。すなわち、フェーズドアレイアンテナの第1の形状は、航空機の外表面の一部の第2の形状に実質的に対応しうる。
【0008】
送受信機は、一又は複数の送信機及び一又は複数の受信機を含みうる。送受信機は、複数の異なる通信リンクに対応する信号を送受信するように構成されうる。送受信機は、複数のフェーズドアレイアンテナを介して特定の通信リンクに対応する第1の信号を受信し、特定の通信リンクに対応する第2の信号を送信するように構成されうる。第1の信号及び第2の信号は、複数のフェーズドアレイアンテナによって生成される複数のビームによって送受信されうる。
【0009】
通信コントローラは、複数のフェーズドアレイアンテナ及び複数のフェーズドアレイアンテナによって生成されるビームを調整するように構成されうる。通信コントローラはビームフォーマを含み、ビームフォーマは複数のビームの生成に使用されるビーム形成ウェイトを決定しうる。例えば、ビームフォーマは、複数のビームの各ビームに対するビーム形成ウェイトを生成しうる。ビームフォーマは、ビークルの飛行経路に基づいて、各ビームのビーム形成ウェイトを更新又は調整するように構成されうる。例えば、特定のビームはサービスカバレージエリアの特定の部分に(一定の期間)関連付けされうる。ビームフォーマは、サービスカバレージエリアの特定の部分の(又は、その上の)特定のビームに照準を合わせるため、位置を合わせるため、或いは特定のビームを形成するため、特定のビームに対するビーム形成ウェイトを更新又は調整しうる。これにより、特定のビームは、サービスカバレージエリアの特定の部分に対応する信号を送受信することができる。したがって、システムは、ビークルに固定的に据え付けられたフェーズドアレイアンテナを電子的に調整することが可能で、HAPからの無線通信の送受信をサポートしうる。無線通信の送受信を提供することによって、無線通信システムのユーザーはデータ(例えば、音声データ、ビデオデータ、オーディオデータ、テキストデータなど)を交換しうる。
【0010】
固定的に据え付けられたフェーズドアレイを利用することにより、HAPとして動作するビークルは、個々の機械的システムに独立した通信リンクに対応する信号を送受信しうる。機械的なシステム(例えば、ジンバル)なしでHAPからの信号を送受信することにより、ビークルのサイズ及び重量は減少する。ビークルのサイズ及び重量が減少することにより、ビークルの製造及び運用のコストは低減しうる。加えて、フェーズドアレイアンテナを回転する機械的なシステムを含むビークルと比較して、ビークルは高い耐久性を有しうる。更に、ビークルの重量が減少するにつれて、ビークルはより高い高度で動作可能となり、サービスカバレージエリアが拡大する。
【0011】
ビークルをHAPとして動作させることにより、無線通信システム(例えば、携帯電話システム)は、衛星によって提供される通信リンクよりも少ない電力を使用する通信リンクを提供(または、サポート)しうる。加えて、HAPとして動作するビークルは、地上局などの地上機器よりも良い見通し線を提供しうる。また、地上機器よりも良いカバレージを提供、又はより大きな通信リンク領域をサービスしうる。しかも、HAPとして動作するビークルは、遠隔領域(例えば、地上基地局インフラのない領域)に、地上基地局インフラが商業的に実現できない地勢を有する領域に、及び/又は、気象などが原因でインフラが障害を受ける領域に、無線通信サービスを提供しうる。
【0012】
図1は、ビークル102を含むシステム100の実施例である。システム100の特定の実装では、ビークル102は、例示的な非限定的な実施例として、航空機、飛行船(例えば、小型飛行船)、高高度バルーン、ヘリコプタ、商用航空機、自家用航空機、又は他のビークルを含むか、これらに相当しうる。ビークルは102は有人又は無人(例えば、ドローン又は無人航空機(UAV))であってもよい。幾つかの実装では、ビークル102は胴体及び翼を含む航空機である。追加的に又は代替的に、ビークル102は複数の外表面を含みうる。ビークル102は、地球大気の成層圏など、高高度で動作するように構成されうる。幾つかの実装では、ビークル102は、海抜17キロメートル(km)から22kmまでの間など、成層圏の特定の部分で動作しうる。特定の実装では、ビークル102は水素動力車になりうる。例えば、ビークル102は、電気モーターに電力を供給する水素燃料電池、内燃機関で使用する液体水素、或いはその両方を含みうる水素動力航空機であってもよい。ビークル102は、無線通信に対応する信号を送受信するように構成されうる。例えば、ビークル102は、図3を参照して更に説明されているように、無線通信システムの一部になりうる。
【0013】
図1に示した実施例では、ビークル102は、送受信機104、複数のフェーズドアレイアンテナ106、及び通信コントローラ108を含む。ビークル102はまた、フィーダリンクアンテナ110、フライトコントローラ112、複数のセンサ114、及びメモリ116を含みうる。送受信機104は、一又は複数の送信機及び一又は複数の受信機を含みうる。特定の実施例では、送受信機は複数の送信機及び受信機を含み、各送信機及び受信機はフェーズドアレイアンテナ106の特定のフェーズドアレイアンテナに対応しうる。送受信機104は、多重入出力(MIMO)通信を可能にするように機能しうる。送受信機104は、複数のフェーズドアレイアンテナ106を介した複数の通信リンクに対応する信号(例えば、通信信号)を送受信するように構成されうる。通信リンクは、ユーザーデバイス、エンドポイントデバイスなど、2つのデバイス間で送信される信号を含むか、これに相当しうる。通信リンクは、無線通信システムの一又は複数のコンポーネントを経由しうる。
【0014】
幾つかの実装では、複数の通信リンクは同時にサポートされうる。例えば、第1の通信リンクに対応する信号の少なくとも一部は、第2の通信リンクに対応する信号が送信される間に受信されてもよい。別の実施例として、第1の通信リンクに対応する信号の少なくとも一部は、第2の通信リンクに対応する信号と同時に受信されてもよい。更に別の実施例として、第1の通信リンクに対応する信号の少なくとも一部は、第2の通信リンクに対応する信号と同時に送信されてもよい。
【0015】
複数のフェーズドアレイアンテナ106は、第1のフェーズドアレイアンテナ132及び第2のフェーズドアレイアンテナ134を含む。図1には2つのフェーズドアレイアンテナが描かれているが、幾つかの実装では、複数のフェーズドアレイアンテナ106は2つ以上のフェーズドアレイアンテナを含む。複数のフェーズドアレイアンテナ106の各フェーズドアレイアンテナは、放射を放出するように構成された複数の素子を含む。複数の素子は、例示的な非限定的な実施例として、ダイポール、開口導波管、スロット導波管、マイクロストリップアンテナ、へリックス、スパイラルなどを含むか、これらに相当しうる。複数の素子の特定の(例えば、一又は複数の)素子セットはビーム(例えば、放射パターン)を生成しうる。例えば、放射素子及び対応するフェーズシフタはビームを生成(例えば、形成及び配向)しうる。ビームによって、送受信機104は複数の通信リンクに対応する信号を送受信することができる。
【0016】
複数のフェーズドアレイアンテナ106は、第1のフェーズドアレイアンテナ132によって生成された複数の第1のビーム、及び第2のフェーズドアレイアンテナ134によって生成された複数の第2のビームを含む、複数のビームを生成しうる。幾つかの実装では、複数の第1のビームのビームサブセットは、複数の第1のビームの別のビームサブセットとは異なる周波数を有しうる。例えば、複数の第1のビームは、第1の周波数を有する第1のビームセット及び第2の周波数を有する第2のビームセットを含みうる。第1のフェーズドアレイアンテナ132は、図5を参照して更に説明されるように、明確に区別された複数の通信リンクをサポートする第1の周波数の周波数再利用を可能にするため、第1のビームセットが第2のビームセットの中に散在するように、複数の第1のビームを生成しうる。2つの周波数が再利用されるように説明されているが、他の実装では、2つ以上の周波数、例えば、3つの周波数、4つの周波数、7つの周波数、20の周波数などが再利用されうる。加えて、第2のフェーズドアレイアンテナ134は、複数の第2のビームのビームサブセットが、複数の第2のビームの別のビームサブセットとは異なる周波数を有するように、複数の第2のビームを生成しうる。例えば、複数の第2のビームは、第1の周波数を有する第3のビームセット及び第2の周波数を有する第4のビームセットを含みうる。幾つかの実装では、複数の第1のビームは、図5を参照して更に説明されるように、複数の第2のビームに関連する第2の周波数範囲と同じ第1の周波数範囲(例えば、周波数帯)に関連付けられうる。
【0017】
複数のフェーズドアレイアンテナ106は、平面フェーズドアレイアンテナ、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナ、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。平面フェーズドアレイアンテナでは、複数の素子は平面の第1の軸に沿って、また、平面の第2の軸に沿って(例えば、二次元アレイで)配置される。幾つかの実装では、第1の平面フェーズドアレイアンテナは、第2の平面フェーズドアレイアンテナとは異なる形状断面(例えば、円、楕円、正方形、長方形、三角形など)を有しうる。コンフォーマルフェーズドアレイアンテナでは、複数の素子は非平面の表面の上方に(例えば、三次元アレイで)分散(又は接するように配置)されてもよい。幾つかの実装では、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは、例示的な非限定的な実施例として、球状又は円筒状のアレイを含むか、これらに相当しうる。例えば、複数の素子は、球又は円筒の表面の一部の上方に分散されうる。
【0018】
複数の素子は、一様に又は非一様に分散又は配置されうる。例えば、非一様な分散では、第1の軸に沿った素子間の第1の間隔は、第2の軸に沿った素子間の第2の間隔とは異なりうる。別の実施例として、非一様な分散では、特定の軸に沿った間隔は非一様になりうる。
【0019】
幾つかの実装では、複数のフェーズドアレイアンテナ106の一又は複数はビークル102に固定的に据え付けられうる。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132及び第2のフェーズドアレイアンテナ134は、ビークル102の外側に固定的に据え付けられうる。例えば、ビークル102が航空機である場合には、図2を参照して更に説明されるように、第1のフェーズドアレイアンテナ132と第2のフェーズドアレイアンテナ134の各々は、胴体の一部に、航空機の翼の一部に、或いはその両方に据え付けられうる。本書で言及されているように、固定的に据え付けるとは、ビークル102の外表面に連結される(例えば、装着される)、構造体(例えば、ブラケット)に連結されるコンポーネント、或いは、ビークル102に連結される又はビークル102の外表面に埋め込まれるデバイスを意味しうる。特定の実装では、第1のフェーズドアレイアンテナ132は、ビークル102に固定的に据え付けられてもよく、第1の法線ベクトルを有してもよく、また、第2のフェーズドアレイアンテナ134はビークル102に固定的に据え付けられてもよく、第2の法線ベクトルを有してもよい。第1の法線ベクトルは、第2の法線ベクトルに対して平行でないことがありうる。非平行な法線ベクトルを有することによって、第1のフェーズドアレイアンテナ132は、第2のフェーズドアレイアンテナ134とは異なるサービスカバレージエリアの部分にサービスを提供しうる。
【0020】
他の実装では、複数のフェーズドアレイアンテナ106の一又は複数は、ビークル102の外表面の形状に組み込まれうる。例えば、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは、航空機の外表面の一部の第2の形状に対応する第1の形状(例えば、非平面形状)を有しうる。例えば、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナの素子は、翼型又は胴体など、航空機の外表面の上方に分散されてもよく、外表面に接するように分散されてもよく、或いは外表面に埋めこまれてもよい。外表面は非平面の表面(例えば、三次元平面)になりうる。コンフォーマルフェーズドアレイアンテナを有することによって、ビークル102は、平面フェーズドアレイを有するビークルよりも多くの揚力を生成し、抗力の発生を減らし、燃料消費を減らすことができる。
【0021】
複数のフェーズドアレイアンテナ106の各フェーズドアレイアンテナは、対応する最大走査角(例えば、視野)を有しうる。幾つかの実装では、複数のフェーズドアレイアンテナ106の特定のフェーズドアレイアンテナの最大走査角は、複数のフェーズドアレイアンテナ106の中の別のフェーズドアレイアンテナの最大走査角と異なってもよく、或いは同じであってもよい。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の最大走査角は、第2のフェーズドアレイアンテナ134の第2の最大走査角と異なっていてもよい(或いは、同じであってもよい)。最大走査角を超えてフェーズドアレイアンテナを動作させると、閾値レベルよりも大きな歪みを生み出すことがあり、ビームによる信号の送受信を妨げることがありうる。
【0022】
複数のフェーズドアレイアンテナ106の各フェーズドアレイアンテナは対応する法線ベクトルを有しうる。例えば、各フェーズドアレイアンテナは、図2を参照して更に説明されるように、対応する法線ベクトル(例えば、アンテナ面の平面に垂直なベクトル)を有する平面アンテナ面を有しうる。加えて、一又は複数のフェーズドアレイアンテナは、複数のフェーズドアレイアンテナ106の中の別のフェーズドアレイアンテナとは異なるアスペクト比を有しうる。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132は、第2のフェーズドアレイアンテナ134のアスペクト比とは異なる第1のアスペクト比を有しうる。フェーズドアレイアンテナの形状及びアスペクト比は、フェーズドアレイアンテナの潜在的なサービスカバレージエリアに関係する。ビークル102は複数のフェーズドアレイアンテナ106を含むため、複数のフェーズドアレイアンテナの各フェーズドアレイアンテナの形状、アスペクト比、及び配置はサービスカバレージエリアに影響を及ぼす。異なるアスペクト比のフェーズドアレイアンテナを有することにより、ビークル102は、アンテナ間のカバレージエリアの重なりが少ないことで、同一アスペクト比のフェーズドアレイアンテナを有するビークルよりも、大きなサービスカバレージエリアに対して通信リンクをサポートする(又は提供する)ことができる。加えて、異なるアスペクト比のフェーズドアレイアンテナを有することにより、フェーズドアレイアンテナは、ビークル102のより多くの場所に据え付けることができ、ビークル102はより多数のフェーズドアレイアンテナをサポートしうる。例示的な非限定的な実施例として、フェーズドアレイアンテナはビークル102のノーズコーンに据え付けられうる。
【0023】
複数のフェーズドアレイアンテナ106の一又は複数はダイナミックであってもよい。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132、第2のフェーズドアレイアンテナ134、又はその両方は、複数のビームを誘導するように構成された可変フェーズシフタのアレイを含みうる。複数のフェーズドアレイアンテナ106の一又は複数は、能動型又は受動型であってもよい。能動型フェーズドアレイアンテナに関しては、フェーズドアレイアンテナの各素子セットは増幅器又はプロセッサを含みうる。受動型フェーズドアレイアンテナに関しては、減衰フェーズシフトを有する中央増幅器が複数の素子を制御しうる。複数のフェーズドアレイアンテナ106(及びそのコンポーネント)は、通信コントローラ108によって制御されうる。
【0024】
通信コントローラ108は、送受信機104及び複数のフェーズドアレイアンテナ106に連結されうる。通信コントローラ108は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。通信コントローラ108は、複数のフェーズドアレイアンテナ106の各フェーズドアレイアンテナが複数のビームを生成するように構成されうる。通信コントローラ108は、ビームフォーマ142を含みうる。通信コントローラ108は、ビームフォーマ142を介して、複数のビームのビーム形成ウェイトを生成し、調整するように構成されうる。ビームフォーマ142は、時間ドメインビームフォーマ、周波数ドメインビームフォーマ、或いはその両方を含むか、これらに相当しうる。加えて、ビームフォーマ142は、アダプティブビームフォーマを含むか、これに相当しうる。例えば、ビームフォーマ142は、信号ノイズ(例えば、ビーム間での信号干渉と信号キャンセル)を低減し、且つ、通信信号の送受信品質を高めるように、ビーム形成ウェイトを調整することを可能にしうる。
【0025】
ビームフォーマ142は、センサデータ、飛行経路データ、サービスカバレージデータ、或いはこれらの組み合わせに基づいて、ビーム形成ウェイトを決定(例えば、計算)するように構成されうる。ビームフォーマ142は、複数のビームの各ビームに対してビーム形成ウェイトを決定しうる。例えば、ビームフォーマ142は、複数のフェーズドアレイアンテナ106の各フェーズドアレイアンテナの各素子(又は、素子セット)に対してビーム形成ウェイトを決定しうる。例えば、ビームフォーマ142は、第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットによって生成される第1のビームに対して、第1のビーム形成ウェイトを決定しうる。第1のビーム形成ウェイトは、ビークル102の高度、ビークル102の姿勢、ビークル102の速度、ビークル102の位置、サービスカバレージエリア、ビークル102の飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて決定されうる。
【0026】
ビームフォーマ142は、センサデータ、飛行経路データ、サービスカバレージデータ、或いはこれらの組み合わせに基づいて、ビーム形成ウェイトを更新(又は、調整)するように構成されうる。例えば、ビームフォーマ142は、高度、姿勢、サービスカバレージエリアの第1の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、第1のビームの照準、形状、ゲイン、或いはこれらの組み合わせを更新(又は、調整)しうる。
【0027】
例えば、ビームフォーマ142は、センサデータ及び飛行経路データに基づいて、(例えば、サービスカバレージエリア又はサービスカバレージエリアの一部に対する)予測位置を計算しうる。ビームフォーマ142は、予測位置に基づいて更新(又は、調整)されたビーム形成ウェイトを決定してもよく、また、将来の予測位置に対して更新されたビーム形成ウェイトに基づいて、現在のビーム形成ウェイト(例えば、第1のビーム形成ウェイト)を更新してもよい。別の実施例として、ビームフォーマ142は、ビークル102の現在の、或いは更新された位置、高度、姿勢、或いはこれらの組み合わせに基づいて、ビーム形成ウェイトを更新してもよい。代替的に、ビームフォーマ142は、現在のビーム形成ウェイト(例えば、第1のビーム形成ウェイト)に係数を適用することによって、ビーム形成ウェイトを調整してもよい。係数は、センサデータ、飛行経路データ、サービスカバレージデータ、或いはこれらの組み合わせに基づいて、計算されうる。
【0028】
ビームフォーマ142は、ビームを配向するため、各素子によって放射される信号の位相、振幅、或いはその両方を調整又は更新するために使用されるビーム形成ウェイトを決定しうる。加えて、ビームフォーマ142は、ビームの放射パターンが他のビームに干渉しないように、また、サービスカバレージエリアの周囲の部分への漏れ、或いは他のビームとの干渉を制限するように、ビームの形状を調整するために使用されるビーム形成ウェイトを決定しうる。ビームフォーマ142は、特定の部分に対する通信リンクをサポートするため、特定のビームがサービスカバレージエリアの特定の部分に実質的に向けられる(位置合わせされる)ように、ビーム形成ウェイトを決定しうる。ビークル102が飛行経路に従って動作するにつれて、ビームは、1つの素子セットから別の素子セットに受け渡される(例えば、ハンドオフされる)ことが必要となりうる。幾つかの実装では、ハンドオフは、単一のフェーズドアレイアンテナ(例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132)の素子セットの間で行われる。他の実装では、ハンドオフは、異なるフェーズドアレイアンテナ(例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132と第2のフェーズドアレイアンテナ134)の素子セットの間で行われる。通信コントローラ108は、ビームハンドオフ操作などのハンドオフ操作を開始するため、制御信号を送受信機104、複数のフェーズドアレイアンテナ106、或いはその両方に送信するように構成されうる。
【0029】
図1では、ビームフォーマ142はビークル102の通信コントローラ108に含まれるように示されているが、他の実装では、ビームフォーマ142はビークル102から分離されうる。例えば、ビームフォーマ142は地上局機器に含まれてもよく、ビーム形成ウェイトはビークル102に送信されてもよい。特定の一実装では、ビーム形成ウェイトは、図3を参照して説明されるように、ゲートウェイアンテナを介してビークル102に送信されうる。
【0030】
通信コントローラ108は、第1の素子セットから第2の素子セットへの遷移(例えば、ビームハンドオフ)がパケット境界で(又は、その間に)起こるように、構成されうる。例えば、遷移は、通信リンクの第1のパケットと通信リンクの第2のパケットとの間の期間に起こりうる。例えば、遷移は、第1のパケットの終わり及び第2のパケットの始まりで、或いはその近傍で起こりうる。幾つかの実装では、遷移は「メイクビフォアブレーク」タイプの遷移になりうる。例えば、第2の素子セットはビームを生成し、第1の素子セットが元のビームの生成を停止する前に、サービスカバレージエリアの一部に対してカバレージを確立しうる。例えば、第2の素子セットは、第1の素子セットが、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して通信リンクを提供した第1のビームの生成を停止する前に、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して通信リンクを提供する(又は、サポートする)第2のビームを生成する。追加的に、又は代替的に、第1の素子セットは、第2の通信リンク、すなわち、サービスカバレージエリアの別の部分へのリンクを提供するように、第1のビームを調整してもよい。他の実装では、第1の素子セットから第2の素子セットへの遷移は「ブレークビフォアメイク」であってもよく、或いは、実質的に同時に(例えば、同時に)起こってもよい。他の実装では、遷移(例えば、ビームハンドオフ)は、フレーム境界で、フレーム中に、パケット中に、或いはこれらの組み合わせで起こりうる。
【0031】
フィーダリンクアンテナ110は、送受信機104に、及び通信コントローラ108に連結されうる。フィーダリンクアンテナ110は、無線通信システムのデバイス又はコンポーネントから信号(及びデータ)を受信するように構成されうる。フィーダリンクアンテナ110は、ビークル102に対して固定(例えば、固定的に据え付け)されてもよく、或いは可動的であって(例えば、ジンバルに装着されて)もよい。フィーダリンクアンテナ110は、ビークル102の外側に据え付け、又は装着されてもよい。幾つかの実装では、フィーダリンクアンテナ110は、胴体など、ビークル102の下部表面に据え付け、又は装着されてもよい。他の実装では、フィーダリンクアンテナ110は、ビークル102の上部表面又はビークル102のノーズコーンに装着されうる。加えて、ビークル102は複数のフィーダリンクアンテナを含みうる。例えば、フィーダリンクアンテナ110は、ビークル102の下部表面に装着されてもよく、また、第2のフィーダリンクアンテナは、ビークル102の上部表面に装着されてもよい。
【0032】
幾つかの実装では、フィーダリンクアンテナ110は、地上局機器から飛行経路データ、サービスカバレージデータ、又はその両方を受信しうる。特定の一実装では、ビークル102は、ゲートウェイアンテナを介して飛行経路データ、サービスカバレージデータ、又はその両方を受信しうる。図4図6を参照して更に説明されるように、飛行経路データは、ビークル102の飛行経路を示し、サービスカバレージデータは、サービスカバレージエリア及びサービスカバレージエリアの複数のセルに関連する情報を示しうる。特定の実装では、サービスカバレージデータは、飛行経路データによって示された飛行経路に関連しうる。ビームフォーマ142が地上局機器に配置されている場合には、フィーダリンクアンテナ110はゲートウェイアンテナを介して地上局機器からビーム形成ウェイトを受信しうる。幾つかの実装では、フィーダリンクアンテナ110は、オペレータ(例えば、パイロット)がビークル102を遠隔操作できるようにする飛行制御信号を受信しうる。
【0033】
フライトコントローラ112は、飛行経路データに基づいてビークル102を操作するように構成されうる。例えば、例示的な非限定的な実施例として、フライトコントローラ112はビークル102の翼(例えば、エルロン)を制御しうる。フライトコントローラ112は、フィーダリンクアンテナ110を介して飛行経路データを受信しうる、或いはメモリ116に保存された飛行経路データにアクセスしうる。フライトコントローラ112は、飛行経路データによって示された飛行経路に従ってビークル102を操作するため、ビークル102の一又は複数のシステムを制御又は調整するように構成されうる。例えば、フライトコントローラ112は、推進システム、航空電子工学システム、或いはその両方を制御又は調整するように構成されうる。特定の実装では、フライトコントローラ112は、人による制御又は入力とは独立した飛行経路に従って、ビークル102を自動的に操作するように構成されうる。追加的に、又は代替的に、フライトコントローラ112は、オペレータによるビークル102の制御を可能にするため、受信した飛行制御信号に基づいて、ビークル102を操作しうる。
【0034】
複数のセンサ114は、ビークル102の動作中にセンサデータを生成するように構成されうる。複数のセンサ114は、複数のタイプのセンサを含みうる。例えば、例示的な非限定的な実施例として、複数のタイプのセンサは、高度センサ、飛行速度センサ、姿勢センサ(例えば、ロール、ピッチ、ヨー、ヘディング、又はこれらの組み合わせを決定する一又は複数のセンサ)、位置センサ(例えば、全地球測位システム(GPS)センサ)、或いはこれらの組み合わせを含みうる。センサデータはメモリ116に保存されてもよく、フライトコントローラ112に提供されてもよい。
【0035】
メモリ116は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。メモリ116は、データを保存するよう構成されうる。例えば、メモリ116は飛行経路データ及びサービスカバレージデータを保存しうる。他の実装では、メモリ116は、センサデータに基づく、又はセンサデータを含むデータなど、他のデータを保存しうる。例えば、ビークル102のプロセッサ(例えば、通信コントローラ108又はフライトコントローラ112のプロセッサ)は、他のデータを生成するセンサデータを処理しうる。他のデータは、高度データ、姿勢データ、飛行速度データ、ヘディングデータ、気象データ、或いはこれらの組み合わせを含みうる。
【0036】
図2を参照して更に説明されるように、ビークル102は更に、上部表面122(又は、その一部)及び下部表面124(又は、その一部)を含む、複数の外表面を含む。加えて、図2を参照して更に説明されるように、ビークル102は前面部分118及び背面部分120を含む。
【0037】
ビークル102の動作中、ビークル102は、フィーダリンクアンテナ110を介して、飛行経路データ及びサービスカバレージデータを受信してもよく、或いは、メモリ116の飛行経路データにアクセスしてもよい。ビークル102のフライトコントローラ112は、飛行経路データによって示された飛行経路に従って、ビークル102を操作しうる。複数のセンサ114は、ビークル102の動作中、センサデータを生成しうる。
【0038】
ビームフォーマ142は、複数のフェーズドアレイアンテナ106が複数のビームを生成することができるよう、複数のフェーズドアレイアンテナ106に対してビーム形成ウェイトを生成しうる。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132は、複数の第1のビームを生成し、第2のフェーズドアレイアンテナ134は、ビーム形成ウェイトに基づいて、複数の第2のビームを生成しうる。
【0039】
送受信機104は、複数のビームを介して、複数の信号を送受信しうる。例えば、送受信機104は、複数の第1のビームのうちの1つの第1のビームを介して、(例えば、第1のユーザーデバイスからの)特定の通信リンクに対応する第1の信号を受信しうる。第1の信号は、サービスカバレージエリアの第1の部分内に配置された第1のユーザーデバイス又は第1の基地局から受信されうる。送受信機104は、複数の第2のビームのうちの1つの第2のビームを介して、通信リンクに対応する第2の信号を送信しうる。代替的に、第2のビームは複数の第1のビームの一部であってもよい。第2の信号は、サービスカバレージエリアの第2の部分内に配置された第2のユーザーデバイス又は第2の基地局へ送信されうる。この実施例では、ビークル102は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信リンク(第1の信号及び第2の信号を含む)をサポートする。通信リンクは、第1のデバイス及び第2のデバイスのユーザーが、無線によりデータを交換できるようにしうる。
【0040】
複数のフェーズドアレイアンテナ106が各ビームを調整して、サービスカバレージエリアの対応部分を追跡できるようにするため、ビームフォーマ142は、複数のビームの各ビームに対してビーム形成ウェイトを調整又は更新しうる。ビーム形成ウェイトの調整(又は、更新)は、複数のセンサ114のうちの一又は複数のセンサから更新されたセンサデータを取得することを含みうる。例えば、ビームフォーマ142は、ビークル102の第2の高度、ビークル102の第2の姿勢、或いはこれらの組み合わせを受信又は取得しうる。ビームフォーマ142は、第2の高度、第2の姿勢、航空機に対するサービスカバレージエリアの第1の部分の場所、或いはこれらの組み合わせに基づいて、サービスカバレージエリアの第1の部分に第1のビームを提供する第2のビーム形成ウェイト(例えば、第2の時点のビーム形成ウェイト)を決定しうる。第1の素子セットは、第2のビーム形成ウェイトに基づいて調整した第1のビームを生成しうる。例えば、第1の素子セットは、放射された信号(例えば、ビーム)の位相、振幅、或いはその両方を調整又は更新しうる。第1のビームは、調整された第1のビームの第2の形状とは異なる第1の形状を有しうる。例えば、第1のビームの第1の放射パターンは、調整された第1のビームの第2の放射パターンとは異なりうる。追加的に、又は代替的に、第1のビームの第1の角度は、調整された第1のビームの第2の角度とは異なりうる。
【0041】
したがって、特定のビーム(例えば、第1のビーム)は、一定の期間、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して、連続的なカバレージとサービスを提供しうる。例えば、特定のビームは、サービスカバレージエリアの特定の部分に対する一又は複数の通信リンクにサービス(例えば、サポート)を提供しうる。ビークル102は飛行経路に従って動作するため、ビークル102は、第1の素子セットが特定のサービスカバレージエリアにサービスを提供できなくなる場所まで移動してもよく、或いは、特定のサービスカバレージエリアまでカバレージを提供するときには、第1の素子セットは、第1の複数のビームのうちの他のビームに影響を及ぼしうる干渉又は歪みを生成しうる。例えば、ビークル102の場所によって、第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットが最大走査角(又は、その、近傍)に配置されるときには、通信コントローラ108は、サービスカバレージエリアの特定の部分を別の素子セットに受け渡すハンドオフ手順を開始しうる。例えば、通信コントローラ108は、制御信号を送受信機104、複数のフェーズドアレイアンテナ106の一又は複数の素子、或いはこれらの組み合わせに送信しうる。制御信号は、ビームハンドオフの実行を可能にしうる。
【0042】
第1の実例では、ビームハンドオフは同一フェーズドアレイアンテナの素子セットの間で行われうる。例えば、第1の素子セットと第2の素子セットが第1のフェーズドアレイアンテナ132の一部であるときには、第2の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して通信リンクを提供することを、第1の素子セットから引き継ぎうる。例えば、第2の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に対してカバレージを提供するため、第2のビームを生成又は配向しうる。第2の素子セットによって生成される第2のビームは、送受信機104が特定の通信リンクを含む一又は複数の通信リンクに対応する信号を送受信することを可能にしうる。第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に通信リンクを提供することを停止しうる。例えば、第1の素子セットは、第1のビームをサービスカバレージエリアの別の部分に合わせて調整、或いは第1のビームの生成を停止しうる。特定の実装では、第1の素子セットは、第2の素子セットが第2のビームを生成し、特定のサービスカバレージエリアに対して一又は複数の通信リンクを確立した後、通信リンクの提供を停止する。
【0043】
第2の実例では、ビームハンドオフは異なるフェーズドアレイアンテナの素子セットの間で行われうる。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に通信リンクを提供してもよく、第2のフェーズドアレイアンテナ134の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に通信リンクを提供することを引き継ぎうる。第2のフェーズドアレイアンテナ134の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に通信リンクを提供する第3ビームを生成しうる。第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に通信リンクを提供することを停止しうる。
【0044】
幾つかの実装では、ビークル102は、動作中に更新された飛行経路データ又はサービスカバレージデータを受信しうる。フライトコントローラ112は、更新された飛行経路データに従って、ビークル102の操作を開始してもよく、また、送受信機104、通信コントローラ108、及びビームフォーマ142は、更新されたサービスカバレージデータに基づいて操作を開始しうる。
【0045】
幾つかの実装では、ビームフォーマ142は地上局機器に配置されうる。このような実装では、ビークル102はフィーダリンクアンテナ110を介してセンサデータを地上局機器まで送信し、また、ビームフォーマ142は、受信したセンサデータに基づいてビーム形成ウェイトを生成しうる。ビークル102は、フィーダリンクアンテナ110を介して、ビーム形成ウェイトを受信しうる。ビーム形成ウェイトは、複数のビームのうちの各ビームの放射パターン、角度、或いはその両方を調整又は更新するように使用されうる。
【0046】
幾つかの実装では、通信コントローラ108は更に、第1の平面フェーズドアレイアンテナ132のアクティブチャネルが、第2の平面フェーズドアレイアンテナ134上に利用可能な代替アクティブチャネルがないという判断に応じて、次の接続途絶を示すアクティブチャネルに関連付けられたユーザーデバイスにメッセージを送信できるように構成されている。このメッセージは、接続(例えば、通信リンク)を維持するため、ユーザーデバイスが別のHAPビークルに移行することを可能にする。
【0047】
複数のフェーズドアレイアンテナをビークル102に固定的に据え付けることによって、ビークル102は、最大走査角を調整することなく、また、システムの機械的な位置決めシステム又は回転システムを含めることなく、サービスカバレージエリアを拡大させうる。したがって、機械的な位置決めシステム又は回転システムを備えるビークルと比較して、ビークル102は重量及び寸法を軽減し、且つ性能を高めうる。例えば、ビークル102は長期間にわたって、又はより高い高度で、或いはその両方で動作しうる。
【0048】
図2は、フィーダリンクアンテナ208及び複数のフェーズドアレイアンテナ210~218を含むビークルの上面図202、側面図204、及び正面図206を示すダイアグラム200である。ビークルは、図1のビークル102を含むか、これに相当しうる。フィーダリンクアンテナ208は、図1のフィーダリンクアンテナ110を含むか、これに相当しうる。ダイアグラム200では、複数のフェーズドアレイアンテナ210~218はビークルに固定的に据え付けられ、複数のフェーズドアレイアンテナは平面フェーズドアレイアンテナである。このような実装では、複数のフェーズドアレイアンテナ210~218は、回転可能に据え付けられることはない(例えば、ジンバルを介してビークルに据え付けられる)。複数のフェーズドアレイアンテナ210~218は、図1の複数のフェーズドアレイアンテナ106を含むか、これらに相当しうる。複数のフェーズドアレイアンテナ210~218の各フェーズドアレイアンテナは、対応する法線ベクトルを有しうる。例えば、各フェーズドアレイアンテナは、対応する法線ベクトル(例えば、アンテナ面の平面に垂直なベクトル)を有する平面アンテナ面を有しうる。加えて、複数の平面フェーズドアレイアンテナの一又は複数は、互いに非平行な法線ベクトルを有しうる。特定の実施例では、複数の平面フェーズドアレイアンテナの各々は、互いに非平行な法線ベクトルを有しうる。別の特定の実施例では、2つ以上の平面フェーズドアレイアンテナは平行な又は実質的に平行な法線ベクトルを有しうる。例えば、サービスカバレージエリアの一部にサービスを提供するのに必要な平面フェーズドアレイアンテナのサイズが大きすぎて実現可能でない(例えば、ビークルの操作を妨げる、法外な費用を要する、など)場合には、サービスカバレージエリアの当該部分にサービスを提供するため、実質的に同様の法線ベクトルを有する2つの小さな平面フェーズドアレイアンテナが使用されうる。
【0049】
図2に描かれたダイアグラム200の上面図202は、フィーダリンクアンテナ208、第1のフェーズドアレイアンテナ210、第2のフェーズドアレイアンテナ212、第3のフェーズドアレイアンテナ214、第4のフェーズドアレイアンテナ216、及び第5のフェーズドアレイアンテナ218の特定の配置を示す。フィーダリンクアンテナ208及び複数のフェーズドアレイアンテナ210~218はビークルの底部に配置されてもよいが、わかりやすくするため、上面図202に示されている。他の実装では、フィーダリンクアンテナ208及び複数のフェーズドアレイアンテナ210~218は異なる配置を有しうる。加えて、ビークルは、数に違いはあるものの、フィーダリンクアンテナ、フェーズドアレイアンテナ、或いはその両方を含みうる。第1のフェーズドアレイアンテナ210は、前方のフェーズドアレイアンテナを含むか、これに相当しうる。第1のフェーズドアレイアンテナ210は平面フェーズドアレイアンテナであってもよく、ビークルの胴体230の第1の部分(例えば、前方部分)に固定的に据え付けられてもよい。
【0050】
第2のフェーズドアレイアンテナ212は最下方(底)のフェーズドアレイアンテナを含むか、これに相当し、円形の態様を有しうる。第2のフェーズドアレイアンテナ212は平面フェーズドアレイアンテナであってもよく、ビークルの胴体230の第2の部分(例えば、中間部分)に固定的に据え付けられうる。第3のフェーズドアレイアンテナ214は尾部(後方)のフェーズドアレイアンテナを含むか、これに相当しうる。第3のフェーズドアレイアンテナ214は平面フェーズドアレイアンテナであってもよく、ビークルの胴体230の第3の部分(例えば、後方部分)に固定的に据え付けられうる。
【0051】
第4のフェーズドアレイアンテナ216は、右側(例えば、右舷側)のフェーズドアレイアンテナ216を含むか、これに相当しうる。第4のフェーズドアレイアンテナ216は平面フェーズドアレイアンテナであってもよく、ビークルの右舷側翼232に固定的に据え付けられうる。第5のフェーズドアレイアンテナ218は、左側(例えば、左舷側)のフェーズドアレイアンテナを含むか、これに相当しうる。第5のフェーズドアレイアンテナ218は平面フェーズドアレイアンテナであってもよく、ビークルの左舷側翼234に固定的に据え付けられうる。図2に示したように、第4のフェーズドアレイアンテナ216及び第5のフェーズドアレイアンテナ218は、翼232、234の翼下方部分250に固定的に据え付けられる。複数のフェーズドアレイアンテナ210~218は図2に平面フェーズドアレイアンテナとして示されているが、他の実装では、複数のフェーズドアレイアンテナ210~218は、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナを含むか、これに相当しうる。このような実装では、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは複数の法線ベクトルを含み、各コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは、他のフェーズドアレイアンテナの1つの少なくとも1つの法線ベクトルに平行でない少なくとも1つの法線ベクトルを含みうる。
【0052】
図2に描かれた側面図204は、フィーダリンクアンテナ208、第1のフェーズドアレイアンテナ210、第2のフェーズドアレイアンテナ212、第3のフェーズドアレイアンテナ214、並びに、第1、第2、及び第3のフェーズドアレイアンテナ210~214の対応する法線ベクトルを示す。例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ210は、前方に配向された第1の法線ベクトル220を有し、第2のフェーズドアレイアンテナ212は、下方に配向された第2の法線ベクトル222を有し、第3のフェーズドアレイアンテナ214は、後方に配向された第3の法線ベクトル224を有する。側面図204は、ビークルの前方(例えば、正面又は第1の)部分240、中央(又は第2の)部分242、尾部(例えば、後方又は第3の)部分244、上方部分(又は、表面)246、及び下方部分(又は、表面)248を示す。
【0053】
図2に描かれた正面図206は、第4のフェーズドアレイアンテナ216、第5のフェーズドアレイアンテナ218、及び、第4及び第5のフェーズドアレイアンテナ216、218の対応する法線ベクトルを示す。例えば、第4のフェーズドアレイアンテナ216は右舷側方向252に配向された第4の法線ベクトルを有し、第5のフェーズドアレイアンテナ218は左舷側方向254に配向された第5の法線ベクトル228を有する。図2は航空機を示しているが、他の実装では、HAPから操作可能な他のビークルも使用されうる。特定の実装では、ビークルは飛行船(例えば、小型飛行船)であってもよい。
【0054】
正面図206は、胴体230の下方部分248に連結されたコンフォーマルフェーズドアレイアンテナ262の例示的な実施例を含む。コンフォーマルフェーズドアレイアンテナ262はフェーズドアレイアンテナ210~214の1つとして示されているが、他の実装では、第4のフェーズドアレイアンテナ216、第5のフェーズドアレイアンテナ218、或いはその両方がコンフォーマルフェーズドアレイアンテナになりうる。図2に示されているように、コンフォーマルフェーズドアレイアンテナ262は、第6の法線ベクトル264及び第7の法線ベクトル266など、複数の異なる(例えば、非平行な)法線ベクトルを有する。加えて、正面図206はまた、第4のフェーズド(又は、右フェーズド)アレイアンテナ216の第1の最大走査角256、及び第5のフェーズド(又は、左フェーズド)アレイアンテナ218の第2の最大走査角258を示している。図2に示したように、最大走査角256、258は、法線ベクトル(例えば、第4の法線ベクトル226及び第5の法線ベクトル228)からの角度によって画定される方位角の最大走査角である。最大走査角256、258は異なってもよい。例えば、ビークルが動作する際のビークルのバンク角によって、第1の最大走査角256は第2の最大走査角258よりも大きくなりうる。
【0055】
ビークルのフェーズドアレイアンテナは異なるアスペクト比を有してもよい。例示した非限定的な実施例のように、特定のフェーズドアレイアンテナ(例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ210、第2のフェーズドアレイアンテナ212、第3のフェーズドアレイアンテナ214、或いはこれらの組み合わせ)の第1のアスペクト比は、他のフェーズドアレイアンテナ(例えば、第4のフェーズドアレイアンテナ216、第5のフェーズドアレイアンテナ218、或いはその両方)の第2のアスペクト比274と異なってもよい。
【0056】
複数のフェーズドアレイアンテナの少なくとも2つの法線ベクトルが非平行になるように、複数のフェーズドアレイアンテナを固定的に据え付けることによって、複数のフェーズドアレイアンテナは、少ない歪みでより大きなカバレージエリアにサービス提供することができ、複数のフェーズドアレイアンテナを回転及び傾斜させる機械システム(例えば、ジンバル)の重量が加わることもなく、保守も必要としない。
【0057】
図3は、HAPとして動作するビークル302を含む無線通信システム300の実施例のダイアグラムである。ビークル302は、図1のビークル102、図2のビークル、或いはその両方を含むか、これに相当しうる。無線通信システム300は、ビークル302、衛星304、複数の基地局312~318、複数のユーザーデバイス322~328、及びゲートウェイアンテナ306を含みうる。
【0058】
ビークル302は、飛行経路342に従って動作しうる。飛行経路342は、パターンを含むか、これに相当しうる。例えば、飛行経路342は、ループ、円、楕円、8の字、或いはこれらの組み合わせを含みうる。飛行経路342は、ゲートウェイアンテナ306から受信されうる、又はビークル302のメモリに保存されうる飛行経路データによって示されうる。衛星304は、ビークル302、複数の基地局312~318、複数のユーザーデバイス322~328、及びゲートウェイアンテナ306、或いはこれらの組み合わせと通信するように構成されうる。
【0059】
複数の基地局312~318は、ビークル302、衛星304、複数のユーザーデバイス322~328、ゲートウェイアンテナ306、或いはこれらの組み合わせと通信するように構成されうる。複数の基地局312~318は、無線通信システム300の地上セルラーネットワークを形成するか、これに含まれうる。複数の基地局312~318は、通信リンクとやりとりする信号を送受信するように構成されうる。複数の基地局312~318は、ユーザーデバイスからの信号を受信し、別のユーザーデバイスに信号を送信するように構成されうる。加えて、複数の基地局312~318は、ユーザーデバイス、別の基地局、ビークル302、或いはこれらの組み合わせから信号を受信し、別のユーザーデバイス、別の基地局、ビークル302、或いはこれらの組み合わせに信号を送信するように構成されうる。
【0060】
複数のユーザーデバイス322~328は、第1のユーザーデバイス322、第2のユーザーデバイス324、第3のユーザーデバイス326、及び第4のユーザーデバイス328を含む。複数のユーザーデバイス322~328は、無線通信システム300の一又は複数のコンポーネントを介して、他のユーザーデバイスと通信するように構成されうる。
【0061】
図3に示した具体的な実施例では、第1の基地局312は第1のユーザーデバイス322に関連付けられうる(例えば、通信リンクをサポートしうる)。第2の基地局314は第2のユーザーデバイス324に関連付けられうる。第3の基地局316は第3のユーザーデバイス326に関連付けられうる。第4の基地局318は第4のユーザーデバイス328に関連付けられうる。
【0062】
ゲートウェイアンテナ306は、図1のフィーダリンクアンテナ110又は図2のフィーダリンクアンテナ208など、ビークル302のフィーダリンクアンテナと通信するように構成されうる。ゲートウェイアンテナ306は、eNodeb機器、コアネットワーク機器、ビームフォーマ(例えば、図1のビームフォーマ142)、或いはこれらの組み合わせなどの、ゲートウェイ機器を含みうる。ゲートウェイ機器は、インターネット、地上セルラーネットワーク(例えば、複数の基地局312~318)、衛星(例えば、衛星304)、或いはこれらの組み合わせと連結されてもよく、通信してもよい。
【0063】
無線通信システム300の動作中、第1のユーザーデバイス322は、衛星304を介して、第2のユーザーデバイス324と第1の通信リンク332を確立しうる。第1のユーザーデバイス322及び第2のユーザーデバイス324は、第1のユーザーデバイス322と第2のユーザーデバイス324との間の無線通信を可能にするため、衛星304を介して信号を送受信しうる。
【0064】
ゲートウェイアンテナ306は、データを送受信するため、ビークル302と第2の通信リンク334を確立しうる。例えば、ゲートウェイアンテナ306は、ビークル302のフィーダリンクアンテナに、飛行経路データ又はサービスカバレージデータを送信しうる。ビークル302はゲートウェイアンテナ306から飛行経路データを受信し、飛行経路データによって示された飛行経路342に従って、動作を開始しうる。幾つかの実装では、ビークル302はセンサデータなどのデータをゲートウェイアンテナ306に送信し、ゲートウェイアンテナ306は第2の通信リンク334を介してビーム形成ウェイトをビークル302に送信しうる。
【0065】
ビークル302は、複数のユーザーデバイス322~328の各デバイスに対して通信リンクをサポートするように構成されうる。例えば、ビークル302は、第3のユーザーデバイス326及び第4のユーザーデバイス328への第3の通信リンク336をサポート(又は、提供)しうる。ビークル302は、第3のユーザーデバイス326から第1の信号を受信し、第4のユーザーデバイス328に信号を送信しうる。ビークル302は、複数のフェーズドアレイアンテナを使用して、信号を送受信しうる。特定の実施例では、ビークル302は、複数のフェーズドアレイアンテナの第1のフェーズドアレイアンテナを介して第1の信号を受信し、第1のフェーズドアレイアンテナを介して第2の信号を送信しうる。別の特定の実施例では、ビークル302は、複数のフェーズドアレイアンテナの第1のフェーズドアレイアンテナを介して第1の信号を受信し、複数のフェーズドアレイアンテナの第2のフェーズドアレイアンテナを介して第2の信号を送信しうる。追加的に、又は代替的に、ビークル302は、第4のユーザーデバイス328から第3の通信リンク336に対応する信号を受信し、第3の通信リンク336に対応する信号を第3のユーザーデバイス326に送信しうる。
【0066】
別の実施例として、ビークル302は、第3のユーザーデバイス326及び第4のユーザーデバイス328への第4の通信リンク338をサポートしうる。第4のユーザーデバイス328は、第3の信号を第4の基地局318に送信しうる。第4の基地局318は第3の信号をビークル302にリレーしうる。例えば、第4の基地局318は、第3の信号に基づいて第4の信号を生成し、第4の信号をビークル302に送信しうる。ビークル302は、複数のフェーズドアレイアンテナを介して第4の信号を受信し、第5の信号を第3のユーザーデバイス326に送信しうる。追加的に、又は代替的に、ビークル302は、第3のユーザーデバイス326から第4の通信リンク338に対応する信号を受信し、第4の通信リンク338に対応する信号を、第4の基地局318を介して第4のユーザーデバイス328に送信しうる。
【0067】
第1の通信リンク332の信号は遠くまで伝播し、地球大気の複数の層(例えば、オゾン層)を通過しなければならないため、第3の通信リンク336の信号及び第4の通信リンク338の信号は、第1の通信リンク332の信号よりも低い出力、又は低いゲインで送信されうる。加えて、ビークル302は特定の基地局よりも大きなサービスエリアにサービス提供しうる。例えば、ビークル302は、複数のユーザーデバイス322~328のうちの多重ユーザー(multiple user)デバイスから信号を送受信しうる。
【0068】
ビークルをHAPとして動作することによって、無線通信システムは、衛星を介して提供される通信リンクよりも低い出力を使用する通信リンクを提供(又は、サポート)しうる。加えて、HAPとして動作するビークルは、地上局などの地上機器よりも良い見通し線(line of site)を提供しうる。また、地上機器よりも良いカバレージを提供、又はより大きな通信リンク領域をサービスしうる。しかも、HAPとして動作するビークルは、遠隔領域(例えば、地上基地局インフラのない領域)に、地上基地局インフラが商業的に実現できない地勢を有する領域に、及び/又は、気象などが原因でインフラが障害を受ける領域に、無線通信サービスを提供しうる。
【0069】
図4は、複数のフェーズドアレイアンテナの具体的な構成によって生成されたビームマップ402の実施例400を示す図である。ビームマップ402は、HAPとして動作するビークルに含まれる図1及び図2の複数のアンテナによって生成されるビームに対応しうる。特定の実装では、ビークルは地上17kmから22kmの間で動作する航空機である。例えば、ビークルは、図1のビークル102、図2のビークル、図3のビークル302、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。ビームマップ402は、サービスカバレージエリアに関連付けられ、サービスカバレージエリアに通信リンクを提供する地上カバレージパターンを生成しうる。
【0070】
図4に示した実施例400では、ビームマップ402は5つのセクションを含み、直径100kmのサービスカバレージエリアを有する。各セクションは、複数のセルにサービスを提供する複数ビームと、特定のフェーズドアレイアンテナに相当する複数のビームを含む。例えば、複数の第1のビーム412は、最下方フェーズドアレイアンテナによって生成され、複数の第2ビーム414は右フェーズドアレイアンテナによって生成されうる。幾つかの実装では、各セルは同様のサイズを有しうる。例えば、特定のセクションの各セルは同様のサイズを有しうる。例えば、右舷側フェーズドアレイアンテナに相当するセクション(例えば、右舷側アンテナセクション)の各セルは、3.5km×7kmの大きさを有しうる。他の実装では、特定のセクションの各セル、又は異なるセクションのセルは、異なるサイズを有しうる。例えば、最下方アンテナセクションの近傍に配置された左舷側アンテナセクションのセルは、左舷側アンテナセクションの外縁の近傍に配置された左舷側アンテナセクション内のセルよりも小さくなりうる。別の実施例として、一番下の最下方アンテナセクションのセルは、一又は複数の他のセクションのセルよりも小さくなりうる。例えば、最下方アンテナセクションのセルは、1.7km×3.5kmで、他のセクションのセルは3.5km×7kmになりうる。
【0071】
追加的に、又は代替的に、複数のセルは同様の形状を有しうる。例えば、特定のセクションの各セルは同様の形状を有しうる。別の実施例として、複数のセクションの各セルは同様の形状を有しうる。例示的な非限定的な実施例として、この形状は、六角形、菱形、八角形、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。
【0072】
複数のフェーズドアレイアンテナの各フェーズドアレイアンテナは、方位角と仰角の座標での動作走査角を有しうる。図4に示した実施例400では、前方フェーズドアレイアンテナ、最下方フェーズドアレイアンテナ、及び尾部フェーズドアレイアンテナは各々、±35度の動作方位角走査角を有する。最下方フェーズドアレイアンテナは、実質的に円形の地上カバレージパターンを提供する円形の態様を有しうる。左フェーズドアレイアンテナ及び右フェーズドアレイアンテナはそれぞれ、±55度の動作仰角走査角を有する。他の実装では、フェーズドアレイアンテナは、異なる動作走査角を有しうる。動作走査角は、複数のフェーズドアレイアンテナの最大走査角に基づきうる。
【0073】
複数のフェーズドアレイアンテナの各フェーズドアレイアンテナは、座標系の第1平面及び第2平面内に最大走査角を有しうる(フェーズドアレイアンテナは座標系の第3平面に配向されている)。複数のフェーズドアレイアンテナがビークルに据え付けられた後、第1平面及び第2平面内の最大走査角は、最大方位角走査角及び最大仰角走査角まで転移する。図4に示した実施例400では、前方フェーズドアレイアンテナ、最下方フェーズドアレイアンテナ、及び尾部フェーズドアレイアンテナは各々、±35度以上の最大方位角走査角を有しうる。左フェーズドアレイアンテナ及び右フェーズドアレイアンテナは各々、±55度以上の最大仰角走査角を有しうる。他の実装では、フェーズドアレイアンテナは異なる最大走査角を有しうる。
【0074】
複数のアンテナは、第1のフェーズドアレイアンテナに関連付けられた第1の潜在的地上カバレージエリアが、第2のフェーズドアレイアンテナに関連付けられた第2の潜在的地上カバレージエリアと部分的に重なるように、配置されうる。例えば、最下方フェーズドアレイアンテナは(複数の第1のビーム412を使用して)サービスカバレージエリアの第1の部分にサービス提供し、右フェーズドアレイアンテナは(複数の第2のビーム414を使用して)サービスカバレージエリアの第2の部分にサービス提供しうる。右フェーズドアレイアンテナは、最下方フェーズドアレイアンテナの複数の第1のビーム412によってサービス提供される、サービスカバレージエリアの第1の部分の一部416に対する通信をサポートすることができる。重なり合うカバレージエリア(例えば、部分416)を有することによって、ビームハンドオフ操作は最大走査角に到達する前に実行されうる。
【0075】
複数のセルの中の各セルは関連する周波数(又は、周波数範囲)を有しうる。複数のセルは周波数(又は、周波数範囲)を再利用しうる。例えば、特定のセクションの特定のセルに関連付けられた周波数(又は、周波数範囲)は、特定のセクションの他のセルとは異なりうる。図5を参照して説明されるように、特定の実装では、周波数の再利用を可能にするため、特定のセルは周囲のセルの周波数(又は、周波数範囲)とは異なる周波数を有しうる。
【0076】
図5は、フェーズドアレイアンテナによってサービス提供されるセルに対する周波数再利用の実施例500を示している。フェーズドアレイアンテナは、図1の複数のフェーズドアレイアンテナ106の中の1つのフェーズドアレイアンテナ、図2のフェーズドアレイアンテナ210~218、図4のフェーズドアレイアンテナ、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。
【0077】
周波数再利用は、無線通信システム又はHAPに割り当てられた周波数の範囲(例えば、周波数帯域)がパターン内のサービスカバレージエリアのセルで再利用されるときに、行われる。周波数帯域は複数のチャネルを含みうる。チャネル(例えば、周波数の範囲の周波数サブセット)は、3色、4色、7色、20色などの周波数再利用パターンに従って、各ビームに動的に割り当てられうる。
【0078】
図5に示した実施例500では、ダイアグラム502は、クラスタパターンなどのように、7つのセルに対する7色周波数再利用パターンを示している。図4を参照して説明されるように、セルは六角形で示されているが、他の形状も使用されうる。加えて、各セルは、セルに関連付けられた場所の地勢や人口密度などの他のサービス特性に応じて、異なるサイズや形状を有しうる。ダイアグラム504は、7つの等しいセグメント又はチャネルに分割された周波数を示している。例えば、700メガヘルツ(MHz)周波数帯域に関しては、第1のチャネルは周波数帯域の最初の100MHzに対応し、第2のチャネルは周波数帯域の2番目の100MHzなどに対応してもよい。図5では各チャネルは同一の幅すなわち帯域幅を有するように示されているが、他の実装では、チャネルは様々な幅すなわち帯域幅を有しうる。ダイアグラム506は、複数のセル(例えば、サービスカバレージエリアの一部)に対して複製された、ダイアグラム502の周波数再利用パターンを示している。ダイアグラム506は、それぞれがダイアグラム502の7色周波数再利用パターンを有する4つのクラスタ512~518を示している。ダイアグラム506では、複数の第1のセルは、第1の周波数532(又は、第1の周波数の範囲)を有する第1のビームセット522によってサービス提供されてもよく、複数の第2のセルは、第2の周波数534(又は、第2の周波数の範囲)を有する第2のビームセット524によってサービス提供されてもよい。第1のビームセット522及び第2のビームセット524は、同一のフェーズドアレイアンテナ又は異なるフェーズドアレイアンテナによって生成されうる。
【0079】
周波数再利用パターンに従ってチャネルをビームに割り当てることによって、通信リンク間の干渉は、周波数再利用パターンを使用しないシステムと比較して低減されうる。更に、チャネル間の再利用距離は増大し、その結果、同一チャネル干渉を閾値レベル(例えば、許容可能なレベル又はユーザーが感知できないレベル)未満に保つのに十分なサイドローブ抑制(信号漏洩軽減)を生み出す。
【0080】
図6は、ビークルの複数のフェーズドアレイアンテナによって生成される複数のビームのビームカバレージ及びビーム形状の実施例600を示すダイアグラムである。例えば、ビークルは、図1のビークル102、図2のビークル、図3のビークル302、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。フェーズドアレイアンテナは、図1の複数のフェーズドアレイアンテナ106の中の1つのフェーズドアレイアンテナ、図2のフェーズドアレイアンテナ210~218、図4のフェーズドアレイアンテナ、或いはこれらの組み合わせを含むか、これらに相当しうる。
【0081】
図6に示した実施例600では、カバレージパターンのダイアグラム602は、HAPとして動作するビークルの複数のフェーズドアレイアンテナ地上カバレージ(例えば、サービスカバレージエリア602)を示す。ビームマップダイアグラム604は、対応するビーム形状がカバレージパターンダイアグラム602の地上カバレージを生成するために使用されることを示している。図6に示されているように、カバレージパターンダイアグラム602のセルサイズは実質的に一様になりうる。例えば、黒い輪の内側のセルサイズは互いにほぼ同等で、また、黒い輪の外側のセルサイズも互いにほぼ同等である。例えば、ビームマップダイアグラム604の外側付近に位置するビームは、ビームが地上に投射されたときにセルサイズがほぼ一様になるように、ビームマップダイアグラム604の中心付近に位置するビームよりも小さい。
【0082】
飛行経路内では、ビークルが常にサービスカバレージエリアのほぼ中心付近で動作しうるように、ビークルは動作中に飛行経路に従って動作しうる。幾つかの実装では、ビークルは、あるエリアで、或いはそのエリア内で、直径1~2kmの円形飛行経路に従って動作しうる。飛行経路はまた、ビークルの高度を示しうる。例えば、ビークルは高度22kmで円形飛行経路に沿って移動し、飛行経路の中心はサービスカバレージエリアの中心又は中心付近に位置しうる。加えて、飛行経路は、飛行経路の直径、位置、高度、或いはこれらの組み合わせに対する範囲又は許容誤差を示しうる。他の実装では、ビークルは楕円飛行経路又は連珠形(例えば、8の字形)飛行経路に従って動作しうる。例えば、飛行制限又は、空域制限によって、サービスカバレージエリアの一部の上空でのビークルの動作は制限されうる。図3を参照して説明されるように、ビークルは無線通信システムの一部であってもよく、サービスカバレージエリアの通信リンクをサポートしてもよい。
【0083】
例示した非限定的な実施例のように、ビークルの第1のフェーズドアレイアンテナは、サービスカバレージエリアの第1の部分612にサービス提供可能であってもよく、第2のフェーズドアレイアンテナはサービスカバレージエリアの第2の部分614(破線によって定義される)にサービス提供可能であってもよい。ビームハンドオフ操作により多くの時間をかけられるようにするため、サービスカバレージエリアの第1の部分612は、第2の部分614に部分的に重なりうる。
【0084】
図7は、ビークルに搭載の複数のフェーズドアレイアンテナを介した通信方法のうちの1つの方法700の特定の例を示している。方法700は、図1のシステム100、図2のビークル102、図3のビークル302、或いはこれらの組み合わせによって実行されうる。方法700は、フェーズドアレイアンテナシステムを介した通信方法を含むか、これに相当しうる。
【0085】
方法700は、702において、航空機に固定的に据え付けられた第1の平面フェーズドアレイアンテナを介して、通信リンクに対応する第1の信号を受信することを含む。例えば、第1の平面フェーズドアレイアンテナは、図1の第1のフェーズドアレイアンテナ132、図1の第2のフェーズドアレイアンテナ134、又は図2のフェーズドアレイアンテナ210~218のうちの1つのフェーズドアレイアンテナを含むか、これらに相当しうる。航空機は、図1のビークル102を含むか、これに相当しうる。例えば、図3を参照して、ビークル302は、第3のユーザーデバイス326と第4のユーザーデバイス328との間の第3の通信リンク336に対応する第3のユーザーデバイス326から第1の信号を受信しうる。幾つかの実装では、データは、図1の複数のセンサ114など、ビークルに搭載の複数のセンサからのセンサデータを含む。
【0086】
方法700は、704において、航空機に固定的に据え付けられた第2の平面フェーズドアレイアンテナを介して、通信リンクに対応する第2の信号を送信することを含む。第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の法線ベクトルは、第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の法線ベクトルに対して平行でないことがありうる。例えば、第2の平面フェーズドアレイアンテナは、図1の第1のフェーズドアレイアンテナ132、図1の第2のフェーズドアレイアンテナ134、又は図2のフェーズドアレイアンテナ210~218のうちの1つのフェーズドアレイアンテナを含むか、これらに相当しうる。例えば、図3を参照して、ビークル302は、第3の通信リンク336に対応する第4のユーザーデバイス328に第2の信号を送信しうる。
【0087】
幾つかの実装では、通信リンクに対応する第1の信号は、第1のユーザーデバイス又は第1の地上局から受信されうる。通信リンクに対応する第2の信号は、第2のユーザーデバイス又は第2の地上局に送信されうる。例えば、第1の信号及び第2の信号は、図3の第3の通信リンク336、図3の第4の通信リンク338、又はその両方を含むか、これらに相当しうる。第1の地上局及び第2の地上局の各々は、図3の複数の基地局312~318のうちの1つの基地局を含むか、これらに相当しうる。
【0088】
方法700は、HAPとして動作するビークルが無線通信システムの通信リンクに対応する信号を送受信することを可能にしうる。方法700は、衛星やオゾン層の上方で動作する他のHAPビークルと比較して、より少ない電力の消費で、セルラ装置と互換性のある周波数で動作しうる。方法700は、地上インフラの建物と比較して人口密度の流入が予測される領域(例えば、コンサートやイベント)に、大きな帯域幅をより迅速かつ効率的に提供しうる。方法700は、遠隔領域(例えば、地上インフラがない領域)に、地上インフラが商業的に利用可能でない地勢の領域に、及び/又は気象などによりインフラが障害を受けた領域に、無線通信サービスを提供しうる。
【0089】
図8図10は、図7の方法700の操作に加えて実行されうる一又は複数の追加の操作を示している。方法800、900、950、1000、及び1050の操作は、図1のシステム100、図1のビークル102、図3のビークル302、或いはこれらの組み合わせによって実行されうる。図8を参照すると、方法800は、フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するとき、ビームを生成及び調整するための例示的な方法を含むか、これに相当しうる。
【0090】
方法800は、操作802~808のうちの一又は複数を含みうる。図8に示したように、方法800は、802において、航空機の高度、航空機の姿勢、サービスカバレージエリアの第1の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の素子セットによって第1のビームを生成することを含む。第1の信号は第1のビームを介して受信されうる。方法800は、804において、高度、姿勢、サービスカバレージエリアの第2の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の素子セットを生成することを含む。第2の信号は第2のビームを介して送信されうる。図1を参照して説明されるように、例えば、第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットは第1のビームを生成し、第2のフェーズドアレイアンテナ134の素子セットは、センサデータ、飛行経路データ、及びサービスカバレージデータに基づいて、第2のビームを生成しうる。
【0091】
方法800は、806において、高度、姿勢、サービスカバレージエリアの第1の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、第1のビームの形状を調整することを含む。方法800は、808において、高度、姿勢、サービスカバレージエリアの第2の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、第2のビームの形状を調整することを含む。図1を参照して説明されるように、例えば、ビームフォーマ142は、第1のビーム及び第2のビームの形状を調整するため、第1の素子セット及び第2の素子セットを生成した信号の位相、振幅、或いはその両方を調整しうる。
【0092】
図9は方法900及び方法950を示す。方法900は、フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するとき、ビームを調整する別の例示的な方法を含むか、これに相当しうる。方法950は、フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するとき、飛行経路データ及び/又はサービスカバレージデータを受信(又は、更新)する例示的な方法を含むか、これに相当しうる。
【0093】
図8の操作806を参照して説明されるように、方法900は、操作902~906のうちの一又は複数を含みうるか、第1のビームの形状の調整の特定の実施例に対応しうる。図9に示した方法900では、第1のビームは第1のビーム形成ウェイトに基づいて生成され、サービスカバレージエリアの第1の部分に通信リンクを提供する。特定の実装では、第1のビーム形成ウェイトは、航空機の第1の高度、航空機の第1の姿勢、航空機に対するサービスカバレージエリアの第1の部分の配置、或いはこれらの組み合わせに基づいて、決定されうる。
【0094】
方法900は、902において、航空機の一又は複数のセンサ、航空機の第2の高度、航空機の第2の姿勢、或いはこれらの組み合わせから受信することを含む。方法900はまた、904において、第2の高度、第2の姿勢、航空機に対するサービスカバレージエリアの第1の部分の配置、或いはこれらの組み合わせに基づいて、サービスカバレージエリアの第1の部分に第1のビームを提供する第2のビーム形成ウェイトを決定することを含む。方法900は更に、906において、第2のビーム形成ウェイトに基づいて調整された第1のビームを生成することを含む。第1のビームは、調整された第1のビームの第2の形状とは異なる第1の形状を有しうる。
【0095】
方法950を参照すると、方法950は、952において、通信アップリンクを介して飛行経路データを受信することを含む。例えば、ビークル302は、飛行経路データ、サービスカバレージデータ、或いはその両方を、フィーダリンクアンテナを介してゲートウェイアンテナ306から受信しうる。方法950は、954において、飛行経路データに基づいて航空機を操作することを含む。例えば、ビークル302は、飛行経路データに基づいて、飛行経路342に従って操作されうる。方法950は、956において、図1のフィーダリンクアンテナ110又は図2のフィーダリンクアンテナ208などの通信アップリンクを介して、飛行経路に関連付けられたサービスカバレージデータを受信することを含む。
【0096】
図10は方法1000及び方法1050を示す。方法1000は、フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するときに、ハンドオフ(例えば、イントラアンテナハンドオフ)を実行するための例示的な方法を含むか、これに相当しうる。方法1050は、フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するときに、ハンドオフ(例えば、インターアンテナハンドオフ)を実行するための別の例示的な方法を含むか、これに相当しうる。
【0097】
方法1000は、一又は複数の操作1002~1006を含み、ソフトハンドオフ(例えば、メイクビフォアブレークハンドオフ)又はハードハンドオフ(例えば、メイクビフォアブレークハンドオフ)に相当しうる。図10に示した方法1000では、第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に通信リンクを提供する。このような実装では、方法1000は、1002において、第1の素子セットによって、サービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクの提供を停止することを含む、第1の平面フェーズドアレイアンテナに対してビームハンドオフを実行することを含む。方法1000は更に、1004において、第1の平面フェーズドアレイアンテナの第2の素子セットによって、サービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクの提供を含む。通信リンクを提供することは、通信リンクに対応する信号を送受信することを含みうる。幾つかの実装では、第1の素子セットが特定の部分への通信リンクの提供を停止する前に、第2の素子セットは、サービスの特定の部分への通信リンクを提供しうる。図1を参照して説明されるように、例えば、図1の第1のフェーズドアレイアンテナ132の第2の素子セットは、第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットが第1の信号の生成を停止する、或いは、サービスカバレージエリアの別の部分をカバーするように第1の信号を調整する前に、第2の信号を生成しうる。
【0098】
他の実装では、ビームハンドオフを実行することは、第1の素子セットによって、サービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクの提供を停止することを含む。例えば、第1の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクの提供を停止、或いはカバレージエリアの別の部分へのサービスの提供を開始しうる。ビームハンドオフの実行は更に、第2の平面フェーズドアレイアンテナの第1の素子セットによって、サービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクの提供を含みうる。幾つかの実装では、第1の素子セットが特定の部分への通信リンクの提供を停止する前に、第2の素子セットは、サービスの特定の部分への通信リンクを提供しうる。図1を参照して説明されるように、例えば、図1の第2のフェーズドアレイアンテナ134の素子セットは、図1の第1のフェーズドアレイアンテナ132の第1の素子セットが特定の部分への通信リンクの提供を停止する前に、サービスの特定の部分への通信リンクを提供しうる。幾つかの実装では、第1のフェーズドアレイアンテナのソフトハンドオフ、ハードハンドオフ、或いはその両方は、パケット境界で起こりうる。
【0099】
方法1050を参照すると、方法1050は、1052において、通信リンクのパケット境界で、第1の素子セットから第2の素子セットへのビームハンドオフを実行することを含む。例えば、図1の通信コントローラ108は、通信リンクの第1のパケットの終わり及び第2のパケットの始まり、或いはその近傍でビームハンドオフ(例えば、インターアンテナハンドオフ)を実行しうる。特定の実装では、通信コントローラ108は、ビームハンドオフを開始するため、複数のフェーズドアレイアンテナのうちの一又は複数のフェーズドアレイに制御信号を送信しうる。例えば、制御信号は、第1の平面フェーズドアレイアンテナ及び第2の平面フェーズドアレイアンテナに送信され、航空機の予測される飛行経路及び予測される姿勢に基づいて特定の通信リンクを維持するため、第1の平面フェーズドアレイアンテナから第2の平面フェーズドアレイアンテナへのハンドオフを示しうる。
【0100】
方法1050は、1054においてソフトハンドオフを実行すること、又は、1056においてハードハンドオフを実行することを含む。例えば、方法1050は、1054において、第1の素子セットがサービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクを提供した第1のビーム生成を停止する前に、サービスカバレージエリアの特定部分への通信リンクを提供する第2のビームを生成する第2の素子セットを含む。代替的に、方法1050は、1056において、第2の素子セットがサービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクを提供する第2のビームを生成する前に、サービスカバレージエリアの特定の部分への通信リンクを提供した第1のビームの生成を停止する第1の素子セットを含む。幾つかの実装では、通信コントローラ108は、ソフトハンドオフ及びハードハンドオフの両方を実行するように構成されうる。他の実装では、ハンドオフの実行は複数のパケットの上で起こりうる。例えば、ソフトハンドオフ(例えば、メイクビフォアブレークハンドオフ)を実行するときには、第1の平面フェーズドアレイアンテナ及び第2の平面フェーズドアレイアンテナの両方は、複数のパケットが送信及び/又は受信される間に、通信リンクを維持しうる。
【0101】
図11及び図12を参照すると、本開示の実施例は、図11のフロー図によって示されているビークルの製造及びサービスの方法1100、及び図12のブロックダイアグラムによって示されているビークルシステム1200との関連で説明されている。図11のビークルの製造及びサービスの方法1100、及び図12のビークル1202は、例示的な非限定的な実施例として、航空機、飛行船、又はその他のビークルを含みうる。ビークル1202は、有人或いは無人(例えば、ドローン又は無人航空機(UAV))であってもよい。ビークル1202はHAPとして動作しうる。
【0102】
図11を参照すると、複数のフェーズドアレイアンテナを介した通信のためのシステム(例えば、通信システム)を操作する方法の実施例のフロー図が1100で示され指定されている。製造前段階では、例示的な方法1100は、102において、図1のビークル102又は図12を参照して説明されるビークル1202など、ビークルの仕様及び設計を含む。ビークルの仕様及び設計の作成中に、方法1100は、送受信機、複数のフェーズドアレイアンテナ、通信コントローラ、或いはこれらの組み合わせの仕様を決定することを含みうる。送受信機及び複数のフェーズドアレイアンテナはそれぞれ、送受信機104及び複数のフェーズドアレイアンテナ106を含むか、これらに相当しうる。通信コントローラは、通信コントローラ108を含むか、これらに相当しうる。1104では、方法1100は材料の調達を含む。例えば、方法1100は、通信システムのための材料(例えば、図1の送受信機104、図1の複数のフェーズドアレイアンテナ106、図1の通信コントローラ108、或いはこれらの組み合わせ)の調達を含みうる。
【0103】
製造中、方法1100は、1106におけるコンポーネント及びサブアセンブリの製造を含み、808におけるビークルのシステムインテグレーションを含む。方法800は、通信システムのコンポーネント及びサブアセンブリの製造(例えば、図1の送受信機104の製造、図1の複数のフェーズドアレイアンテナ106、図1の通信コントローラ108、或いはこれらの組み合わせ)、及び複数のフェーズドアレイアンテナを介した通信システムのシステムインテグレーション(例えば、通信コントローラ108を複数のフェーズドアレイアンテナ106に連結すること)を含みうる。方法1100は、1110でのビークルの認可及び納品、1112でのビークルの運航開始を含む。認可及び納品は、通信システムの認可を含みうる。方法1100は、通信システムの運用開始を含みうる。顧客により運航される間に、ビークルは、定期的な整備及び保守(改造、再構成、改修なども含みうる)が予定されうる。方法1100は、1114において、ビークル上での整備及び保守を実行することを含む。方法1100は、通信システムの整備及び保守を実行することを含みうる。例えば、通信システムの整備及び保守は、図1の送受信機104、図1の複数のフェーズドアレイアンテナ106、図1の通信コントローラ108、或いはこれらの組み合わせのうちの一又は複数を交換することを含みうる。
【0104】
方法800のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行され、又は実施されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレータとは、限定するものではないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者とは、限定するものではないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0105】
図12を参照すると、複数のフェーズドアレイアンテナを介して通信するシステムのコンポーネントを含むビークルの例示的な実装のブロックダイアグラムが1200で示され指定されている。例えば、ビークル1202は、図1のビークル102を含むか、これに対応しうる。例えば、ビークル1202は、例示的な非限定的な実施例として、航空機を含みうる。ビークルは、図11の方法1100の少なくとも一部によって製造されうる。図1に示したように、ビークル1202(例えば、航空機)は、複数のセンサ114、機体1218、内装1222、前方部分1242、後方部分1244、上部表面1246、下部表面1248、及び通信システム1201を含む複数のシステム1220を含みうる。複数のシステム1220は、推進システム1224、電気システム1226、環境システム1228、又は油圧システム1230のうちの一又は複数を含みうる。通信システム1201は、図1を参照して説明されるシステム100のコンポーネントを含み、送受信機104、複数のフェーズドアレイアンテナ106、及び通信コントローラ108を含みうる。幾つかの実装では、ビークル1202の通信コントローラ108はビームフォーマ142を含みうる。ビームフォーマ142は、図1を参照して説明されるようにビーム形成ウェイト1252を決定する。ビームフォーマ142は、図1を参照して説明されるように、第1のビーム形成ウェイト1252を調整することによって、第2のビーム形成ウェイト1254を決定しうる。
【0106】
加えて、送受信機104連結されたメモリ(図示せず)、通信コントローラ108、或いはその両方など、任意の数の他のシステムが含まれうる。メモリは、図1のメモリ116を含むか、これに相当しうる。例えば、送受信機108、通信コントローラ108、或いはその両方は、メモリ内に保存されたコンピュータ実行可能命令(例えば、一又は複数の命令のプログラム)を実行するように構成されてもよい。命令が実行されると、送受信機104、通信コントローラ108、或いはその両方は、図7の方法700、図8の方法800、図9の方法900及び950、図10の方法1000、或いはこれらの組み合わせのうちの一又は複数の操作を実行する。
【0107】
本書に含まれる装置及び方法は、図11の方法1100の一又は複数の任意の段階で採用されうる。例えば、製造プロセス1108に対応するコンポーネントまたはサブアセンブリは、例えば、限定するものではないが、1112において、ビークル1202の運航中に製造されるコンポーネントまたはサブアセンブリと同様の方法で作製または製造されうる。また、一又は複数の装置の実装、方法の実装、或いはこれらの組み合わせは、例えば、ビークル1202の組立てを実質的に効率化するか、又はビークル1202のコストを低減することにより、製造段階(例えば、方法1100の段階1102~1110)で利用することができる。同様に、装置の実装、方法の実装、或いはこれらの組み合わせのうちの一又は複数を、ビークル1202の運航中に、例えば、限定するものではないが、1114における整備及び保守に利用することができる。
【0108】
本書に記載の実施例の図は、様々な実装の構造の概略的な理解をもたらすことを意図している。これらの図は、本書に記載された構造又は方法を利用する装置及びシステムのすべての要素及び特徴を網羅的に説明することを意図していない。本開示を精査することで、当業者には、他の多くの実装が明らかになりうる。本開示の範囲を逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更が行うことができるように、他の実装を利用し、他の実装を本開示から引き出すことができる。例えば、方法動作を図に示す順序とは異なる順序で実行してもよく、或いは、一又は複数の方法動作を省略してもよい。したがって、本開示及び図は、限定的というよりは、むしろ例示的なものと見なすべきである。
【0109】
更に、本書では具体的な実施例を例示且つ説明してきたが、同一又は類似の結果を実現するよう設計された任意の後続の構成を、図示の特定の実装と置き換えてよいことを理解されたい。本開示は、様々な実装の後続する任意の又はすべての適用例又は変形例を含むことが意図されている。上述の実装の組み合わせ、及び、本書で特段に説明していない他の実装は、本明細書を精査することで当業者には明らかになろう。
【0110】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
【0111】
条項1. 胴体(230)と、
前記胴体に連結された翼(232、234)と、
送受信機(104)と、
前記送受信機に連結され、前記胴体又は前記翼の少なくとも1つに固定的に据え付けられた複数の平面フェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)であって、第1の法線ベクトル(220~228、264)を有する第1の平面フェーズドアレイアンテナ(132、210~218)及び第2の法線ベクトル(222~228、264)を有する第2の平面フェーズドアレイアンテナ(134、210~218)を含み、前記第1の法線ベクトルは前記第2の法線ベクトルに対して平行ではない、複数の平面フェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)と
を備える航空機。
【0112】
条項2. 前記複数の平面フェーズドアレイアンテナは、胴体下方部分(124、248)及び翼下方部分(250)のうちの少なくとも1つに固定的に据え付けられており、2つ以上の複数の平面フェーズドアレイアンテナは互いに非平行な法線ベクトルを有し、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは前記第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2のアスペクト比(274)とは異なる第1のアスペクト比(272)を有する、条項1に記載の航空機。
【0113】
条項3. 前記複数の平面フェーズドアレイアンテナは更に、
前記胴体の第1の部分(240)に固定的に据え付けられた第3の平面フェーズドアレイアンテナ(214)と、
前記胴体の第2の部分(242)に固定的に据え付けられた第4の平面フェーズドアレイアンテナ(216)と、
前記航空機の前記胴体の第3の部分(244)に固定的に据え付けられた第5の平面フェーズドアレイアンテナ(218)とを含み、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは前記翼の右舷側翼(232)に固定的に据え付けられ、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナは前記翼の左舷側翼(234)に固定的に据え付けられている、条項1に記載の航空機。
【0114】
条項4. 前記胴体、前記翼、前記送受信機、及び前記複数の平面フェーズドアレイアンテナは無人航空機を構成し、前記第1の法線ベクトルは前記無人航空機に対して右舷側方向(252)に配向され、前記第2の法線ベクトルは前記無人航空機に対して左舷側方向(254)に配向される、条項3に記載の航空機。
【0115】
条項5. 前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の最大走査角(258)とは異なる第1の最大走査角(256)を有し、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナに関連付けられた第1の潜在的地上カバレージエリア(612)は、前記第2のフェーズドアレイアンテナに関連付けられた第2の潜在的地上カバレージエリア(614)と部分的に重なる、条項1に記載の航空機。
【0116】
条項6. 前記第1の平面フェーズドアレイアンテナは複数の第1のビーム(412)を生成するように構成され、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナは複数の第2のビーム(414)を生成するように構成され、前記複数の第1のビームは前記複数の第2のビームと重ならない、条項5に記載の航空機。
【0117】
条項7. 高度、姿勢、位置、或いはこれらの組み合わせを示すセンサデータ(1214)を生成するように構成された複数のセンサ(114)と、
前記送受信機に連結され、前記高度、前記姿勢、及び前記位置に対するサービスカバレージエリアの配置に基づいて、ビーム形成ウェイト(1252)を決定し、調整するように構成された通信コントローラ(108)と
を更に備える、条項1に記載の航空機。
【0118】
条項8. 前記通信コントローラは更に、前記複数の平面フェーズドアレイアンテナの1つの特定の平面フェーズドアレイアンテナが、第1の周波数(532)を有する第1のビームセット(522)及び第2の周波数(534)を有する第2のビームセット(524)を生成するように構成されている、条項7に記載の航空機。
【0119】
条項9. 前記第1のビームセットの各ビームは通信リンク(332~338)に対応する信号の送受信をサポートし、前記第1のビームセットは、前記第1の周波数の周波数再利用を可能にするため、前記第2のビームセットの中に散在する、条項8に記載の航空機。
【0120】
条項10. 前記通信コントローラは更に、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナから前記第2の平面フェーズドアレイアンテナへのハンドオフを示す制御信号を前記送受信機に提供するように構成される、条項7に記載の航空機。
【0121】
条項11. 前記制御信号は予測される飛行経路に基づいて生成され、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナから前記第2の平面フェーズドアレイアンテナへの前記ハンドオフはメイクビフォアブレークハンドオフを含む、条項10に記載の航空機。
【0122】
条項12. 前記制御信号は予測される飛行経路に基づいて生成され、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナから前記第2の平面フェーズドアレイアンテナへの前記ハンドオフは、パケット境界を使用するブレークビフォアメイクハンドオフを含む、条項10に記載の航空機。
【0123】
条項13. 前記通信コントローラは更に、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナで利用可能な代替的なアクティブチャネルがないという判断に応じて、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナのアクティブチャネルが、次の接続途絶を示す前記アクティブチャネルに関連するユーザーデバイスにメッセージを送信するように構成されている、条項7に記載の航空機。
【0124】
条項14. 飛行経路データを保存するように構成されたメモリ(116)と、
前記飛行経路データによって示された飛行経路(342)に基づいて、前記翼を制御するように構成されたフライトコントローラ(112)とを更に備え、前記飛行経路は、ループ、円、楕円、8の字、或いはこれらの組み合わせを含み、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナ及び前記第2の平面フェーズドアレイアンテナは、前記受信したビーム形成ウェイトに基づいて複数のビームを生成する、条項1に記載の航空機。
【0125】
条項15. フェーズドアレイアンテナシステムを介して通信するための方法(700)であって、前記方法は、
航空機(1202)に固定的に据え付けられた第1の平面フェーズドアレイアンテナ(132)を介して、通信リンク(336)に対応する第1の信号を受信すること(702)と、
前記航空機に固定的に据え付けられた第2の平面フェーズドアレイアンテナ(134)を介して、前記通信リンクに対応する第2の信号を送信すること(704)とを含み、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の法線ベクトル(220)は、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナの第2の法線ベクトル(222)に対して平行ではない、方法(700)。
【0126】
条項16. 前記通信リンクに対応する前記第1の信号は、第1のユーザーデバイス(322~328)又は第1の地上局(312~318)から受信されるか、
前記通信リンクに対応する前記第2の信号は、第2のユーザーデバイス(322~328)又は第2の地上局(312~318)へ送信されるか、の少なくとも一方である、条項15に記載の方法。
【0127】
条項17. 前記航空機の高度、前記航空機の姿勢、サービスカバレージエリアの第1の部分、飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第1の平面フェーズドアレイアンテナ(210)の第1の素子セットによって第1のビーム(412)を生成すること(802)であって、前記第1の信号は前記第1のビームを介して受信される、生成すること(802)と、
前記高度、前記姿勢、前記サービスカバレージエリアの第2の部分、前記飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第2の平面フェーズドアレイアンテナ(212)の第2の素子セットによって第2のビーム(414)を生成すること(804)であって、前記第2の信号は前記第2のビームを介して送信される、生成すること(804)と
を更に含む、条項15に記載の方法。
【0128】
条項18. 前記高度、前記姿勢、前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分、前記飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第1のビームの形状を調整すること(806)と、
前記高度、前記姿勢、前記サービスカバレージエリアの前記第2の部分、前記飛行経路、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記第2のビームの形状を調整すること(808)とを更に含む、条項17に記載の方法。
【0129】
条項19. 前記第1のビームは第1のビーム形成ウェイト(1252)に基づいて生成され、前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分への前記通信リンクに対応する信号の送受信をサポートし、
前記第1のビーム形成ウェイトは前記航空機の第1の高度、前記航空機の第1の姿勢、前記航空機に対する前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分の配置、或いはこれらの組み合わせに基づいて決定され、
前記第1のビームの形状を調整することは、
前記航空機の一又は複数のセンサ(114)から、前記航空機の第2の高度、前記航空機の第2の姿勢、或いはこれらの組み合わせを受信すること(902)と、
前記第2の高度、前記第2の姿勢、前記航空機に対する前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分の配置、或いはこれらの組み合わせに基づいて、前記サービスカバレージエリアの前記第1の部分に調整された第1のビームを提供するための第2のビーム形成ウェイト(1254)を決定すること(904)と、
前記第2のビーム形成ウェイトに基づいて調整された第1のビームであって、前記調整された第1のビームの第2の形状とは異なる第1の形状を有する第1のビームを生成すること(906)とを含む、条項18に記載の方法。
【0130】
条項20. 通信アップリンク(110)を介して飛行経路データを受信すること(952)と、
前記飛行経路データに基づいて、フライトコントローラ(112)によって、前記航空機を操作すること(954)と、
前記通信アップリンクを介して前記飛行経路に関連するサービスカバレージデータを受信すること(956)と
を更に含む、条項15に記載の方法。
【0131】
条項21. 前記第1の平面フェーズドアレイアンテナの第1の素子セットは、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して前記通信リンクを提供し、前記通信リンクを提供することは、前記通信リンクに対応する信号を送受信することを含み、また、更に、
前記第1の素子セットによって、前記サービスカバレージエリアの前記特定の部分に対して前記通信リンクを提供すること(1002)を停止することと、
前記第1の平面フェーズドアレイアンテナの第2の素子セットによって、前記サービスカバレージエリアの前記特定の部分に対して前記通信リンクを提供すること(1004)と
を含む前記第1の平面フェーズドアレイアンテナのビームハンドオフを実行することを含む、条項15に記載の方法。
【0132】
条項22. 前記通信リンクのパケット境界において第1の素子セットから第2の素子セットへのビームハンドオフを実行すること(1052、1054)であって、前記第2の素子セットは、前記第1の素子セットが、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して通信リンクを提供した第1のビームの生成を停止する前に、前記サービスカバレージエリアの前記特定の部分に対して前記通信リンクを提供する第2のビームを生成する、ビームハンドオフを実行すること(1052、1054)と、
前記通信リンクのパケット境界において第1の素子セットから第2の素子セットへのビームハンドオフを実行すること(1052、1056)であって、前記第1の素子セットは、前記第2の素子セットが、サービスカバレージエリアの特定の部分に対して通信リンクを提供する第2のビームを生成する前に、前記サービスカバレージエリアの前記特定の部分に対して前記通信リンクを提供した第1のビームの生成を停止する、ビームハンドオフを実行すること(1052、1056)とのうちの少なくとも1つを更に含む、条項15に記載の方法。
【0133】
条項23. 複数の外表面(122、124、230、232、234、1246、1248)と、
送受信機(104)と、
前記送受信機に連結され、前記複数の外表面の少なくとも1つに固定的に据え付けられた複数のフェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)であって、第1の法線ベクトル(220)を有する第1のフェーズドアレイアンテナ(132)及び第2の法線ベクトル(222)を有する第2のフェーズドアレイアンテナ(134)を含み、前記第1の法線ベクトルは前記第2の法線ベクトルに対して平行でない、複数のフェーズドアレイアンテナ(106、132、134、210~218、262)と
を備えるビークル。
【0134】
条項24. 前記ビークルはヘリコプタ、商用航空機、自家用飛行機、又は小型飛行船に相当し、前記第1のフェーズドアレイアンテナはコンフォーマルフェーズドアレイアンテナ(262)を備え、前記コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは前記複数の外表面の特定の外表面(122、124)の一部の第2の形状に対応する第1の形状を有し、前記コンフォーマルフェーズドアレイアンテナは複数の法線ベクトル(264、266)を有する、条項23に記載のビークル。
【0135】
条項25. 前記送受信機と前記複数のフェーズドアレイアンテナに連結された通信コントローラ(108)を更に備え、前記通信コントローラは、
前記複数のフェーズドアレイアンテナの各フェーズドアレイアンテナに複数のビームを生成させ、
前記複数のビームの各ビームをサービスカバレージエリア(602)の対応する部分に位置合わせするため、前記複数のビームのビーム形成ウェイト(1252、1254)を調整するように構成される、条項23に記載のビークル。
【0136】
本開示の「要約」は、特許請求の範囲又は意味を解釈したり、又は限定したりするために使用されるものではないとの理解のもとに、提出される。加えて、上記の「発明を実施するための形態」においては、本開示を簡潔にする目的で、様々な特徴が、グループ化されたり、又は、単一の実装形態内で説明されたりする場合がある。上述の実施例は、本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。本発明の原理に従って多くの修正例及び変形例が可能であることを理解されたい。むしろ、下記の特許請求の範囲において反映されているように、特許請求される主題は、開示された任意の実施例の全ての特徴よりも少ない特徴を対象としている場合がある。したがって、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲及びその任意の均等物によって規定されるものである。
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