(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ロールペーパーディスペンサー
(51)【国際特許分類】
A47K 10/38 20060101AFI20221104BHJP
A47K 10/22 20060101ALI20221104BHJP
A47K 10/36 20060101ALI20221104BHJP
B65D 5/72 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A47K10/38 R
A47K10/22 C
A47K10/36 N
A47K10/38 L
B65D5/72 B
(21)【出願番号】P 2018036203
(22)【出願日】2018-03-01
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100152249
【氏名又は名称】川島 晃一
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】村田 剛
(72)【発明者】
【氏名】古田 明城
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-070197(JP,A)
【文献】登録実用新案第3132893(JP,U)
【文献】特開2010-241467(JP,A)
【文献】実開平07-017195(JP,U)
【文献】実開昭63-144420(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/22,10/36-10/38
B65D 5/72
B65D 85/672
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールペーパーが縦方向に収容される多角形の有底筒状体の筒壁部に、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーを外部へ引き出し可能な引出口が形成され
、底部には、前記底部中央位置から上方に突出し前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側に開口する巻芯に挿入され、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で保持する位置決め手段を備えた保持部が設けられた紙製のロールペーパーディスペンサーであって、
前記有底筒状体は、筒壁部縦折線を介して横方向に連接し、前記筒壁部縦折線から谷折りすることにより前記筒壁部を形成する複数の筒壁部形成パネルと、前記複数の筒壁部形成パネルの内の2枚以上の前記筒壁部形成パネルの下辺に底部横折線を介して連接し、前記底部横折線から谷折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって前記底部を形成する底部形成パネルと、前記底部形成パネルの突き合わせ辺に保持部横折線を介して連接し、前記保持部横折線を谷折りすることにより相互に重なり合って前記保持部を形成する保持部形成パネルとを有するブランクシートで組み立てられたことを特徴とするロールペーパーディスペンサー。
【請求項2】
前記多角形の有底筒状体の筒壁部を形成する複数の前記筒壁部形成パネルは偶数の前記筒壁部形成パネルからなり、前記底部は前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に前記底部横折線を介して連接する2枚の前記底部形成パネルからなり、また、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルと、相互に重なり合った前記保持部形成パネルを固定する固定部材とからなり、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、対向する前記底部形成パネルのそれぞれの先端の前記突き合わせ辺に前記保持部横折線を介して連接する前記突き合わせ辺と略同じ長さを有する広幅面部と、前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な幅を有し前記広幅面部の先端中央から突出する狭幅挿入面部とからなり、前記広幅面部の先端方向長さは、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける位置を前記有底筒状体の底部から上方に間隔を開ける場合の間隔の長さとなっており、また、前記固定部材は、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成された1枚の板状紙片からなり、前記板状紙片の形状は、前記有底筒状体の内形と略同形の形状に形成されており、前記固定部材の前記挿入孔に前記保持部形成パネルの前記狭幅挿入面部を挿入し、前記固定部材が前記保持部形成パネルの前記広幅面部に当接した位置で、前記固定部材の上面が、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で受ける受け面となっていることを特徴とする請求項1に記載のロールペーパーディスペンサー。
【請求項3】
前記多角形の有底筒状体の筒壁部を形成する複数の前記筒壁部形成パネルは偶数の前記筒壁部形成パネルからなり、前記底部は前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に前記底部横折線を介して連接する2枚の前記底部形成パネルからなり、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルと、相互に重なり合った前記保持部形成パネルを固定する固定部材とからなり、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な幅を有しており、また、前記固定部材は、1枚の板状紙片からなり、前記板状紙片は、前記有底筒状体の内形と略同形の形状に形成され、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成され、上面をロールペーパーの下端側を受ける受け面とする固定パネルと、前記固定パネルの外周辺に折線を介して連接し、前記折線から山折りされて脚となる脚パネルを有し、前記脚パネルの先端方向長さは、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を前記受け面で受ける位置が前記有底筒状体の前記底部から上方に間隔を開ける間隔の長さとなっていることを特徴とする請求項1に記載のロールペーパーディスペンサー。
【請求項4】
前記底部は複数の前記筒壁部形成パネルのそれぞれの下辺に前記底部横折線を介して連接する複数の前記底部形成パネルからなり、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルと、相互に重なり合った前記保持部形成パネルを固定する固定部材とからなり、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記保持部横折線から谷折りして側辺同士を相互に重なり合わせることにより前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な筒状柱を形成するようになっており、また、前記固定部材は、1枚の板状紙片からなり、前記板状紙片は、前記有底筒状体の内形と略同形の形状に形成され、その略中央部に
、前記保持部形成パネルで形成される前記筒状柱を挿入する挿入孔が形成され、上面をロールペーパーの下端側を受ける受け面とする固定パネルと、前記固定パネルの外周辺に折線を介して連接し、前記折線から山折りされて脚となる脚パネルを有し、前記脚パネルの先端方向長さは、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を前記受け面で受ける位置が前記有底筒状体の前記底部から上方に間隔を開ける間隔の長さとなっていることを特徴とする請求項1に記載のロールペーパーディスペンサー。
【請求項5】
ロールペーパーが縦方向に収容される多角形の有底筒状体の筒壁部に、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーを外部へ引き出し可能な引出口が形成され、底部には、前記底部中央位置から上方に突出し前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側に開口する巻芯に挿入され、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で保持する位置決め手段を備えた保持部が設けられた紙製のロールペーパーディスペンサーであって、
前記有底筒状体は、筒壁部縦折線を介して横方向に連接し、前記筒壁部縦折線から谷折りすることにより前記筒壁部を形成する複数で偶数からなる筒壁部形成パネルと、前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に立ち上げ部横折線を介して連接し、前記立ち上げ部横折線から谷折りすることにより立ち上げられる立ち上げ部形成パネルと、前記立ち上げ部形成パネルの下辺に底部横折線を介して連接し、前記底部横折線から山折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって前記底部を形成する底部形成パネルと、前記底部形成パネルの突き合わせ辺に保持部横折線を介して連接し、前記保持部横折線を谷折りすることにより相互に重なり合って前記保持部を形成する保持部形成パネルとを有するブランクシートで組み立てられたことを特徴とするロールペーパーディスペンサー。
【請求項6】
前記立ち上げ部形成パネルを立ち上げ部横折線から谷折りして立ち上げ、前記底部形成パネルを底部横折線から山折りして形成される前記底部の上面は、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で受ける受け面となっており、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な幅を有しており、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、底部横折線から山折りされた前記底部形成パネルの前記受け面となる上面と、前記保持部形成パネルとからなることを特徴とする請求項5に記載のロールペーパーディスペンサー。
【請求項7】
前記有底筒状体の前記筒壁部に形成された前記引出口は、縦長状に形成され、前記引出口の下辺の位置と前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける受け面とが一致していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1に記載のロールペーパーディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製のロールタオル、ロールティシュ、ロール式キッチンペーパー等(以下、総称して「ロールペーパー」という。)を収容でき、且つ収容したロールペーパーを容易に取り出すことができるロールペーパーディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
ロールペーパーのディスペンサーとして、バー等でロールペーパーの巻芯を支えるタイプのものや、ロールペーパーの全体を収容して壁等に固定するボックスタイプのものがある。
バー等でロールペーパーの巻芯を支えるタイプのものとして、ロールペーパーの一端側の巻芯に挿入される下側ロールペーパ保持部と、ロールペーパーの他端側の巻芯に挿入される上側ロールペーパ保持部とを備えたロールペーパーディスペンサーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ボックスタイプのものとして、ハウジングと、ロールペーパーの一端側の巻芯に挿入される左側ロールペーパ保持部と、ロールペーパーの他端側の巻芯に挿入される右側ロールペーパ保持部とを備え、ハウジング内にロールペーパーを収容して左側ロールペーパ保持部と右側ロールペーパ保持部とで保持し、ハウジングに設けた取り出し口からロールペーパーの端部を引き出すようにしたロールペーパーディスペンサーが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5791175号公報
【文献】特表平10-500068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロールペーパーは汚れを拭き取るために用いるものであることから、衛生が保たれていることが好ましい。しかしながら、特許文献1に記載のロールペーパーディスペンサーは、ロールペーパーの表面が外部に露出した状態で使用されるため、キッチン等で使用する際、水、油又は食材から飛散する汚れ等の汚染物質が付着し易く、衛生面に対する配慮が無いといった問題がある。また、特許文献2に記載のロール状ウエブディスペンサーは、ロールペーパーをハウジング内に収容しているので、ロールペーパーの衛生は保たれるが、構成が大がかりなものとなっている。そのため、大型化を余儀なくされ、設置場所も限られ、使い勝手が悪く、また高価であるといった問題がある。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成で、ロールペーパーの表面を覆って汚染物質の付着を抑えることができる、使い勝手の良いロールペーパーディスペンサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ロールペーパーが縦方向に収容される多角形の有底筒状体の筒壁部に、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーを外部へ引き出し可能な引出口が形成され、底部には、前記底部中央位置から上方に突出し前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側に開口する巻芯に挿入され、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で保持する位置決め手段を備えた保持部が設けられた紙製のロールペーパーディスペンサーであって、
前記有底筒状体は、筒壁部縦折線を介して横方向に連接し、前記筒壁部縦折線から谷折りすることにより前記筒壁部を形成する複数の筒壁部形成パネルと、前記複数の筒壁部形成パネルの内の2枚以上の前記筒壁部形成パネルの下辺に底部横折線を介して連接し、前記底部横折線から谷折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって前記底部を形成する底部形成パネルと、前記底部形成パネルの突き合わせ辺に保持部横折線を介して連接し、前記保持部横折線を谷折りすることにより相互に重なり合って前記保持部を形成する保持部形成パネルとを有するブランクシートで組み立てられたことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、有底筒状体に収容されたロールペーパーは、筒壁部により表面が覆われるので、汚染物質が飛散した場合でも、ロールペーパーへ汚染物質が付着することを抑えることができる。
また、前記引出口からのペーパーの引き出しに際しては、有底筒状体に収容されたロールペーパーの下端側に開口する巻芯に前記底部に設けられた前記保持部が挿入されているので、ペーパーを引き出したとき、ロールペーパー表面と筒面との摩擦が低減することで前記保持部を軸心とする回転が得られ、容易に引き出すことができる。
また、前記有底筒状体は、筒壁部縦折線を介して横方向に連接し、前記筒壁部縦折線から谷折りすることにより前記筒壁部を形成する複数の筒壁部形成パネルと、前記複数の筒壁部形成パネルの内の2枚以上の前記筒壁部形成パネルの下辺に底部横折線を介して連接し、前記底部横折線から谷折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって前記底部を形成する底部形成パネルと、前記底部形成パネルの突き合わせ辺に保持部横折線を介して連接し、前記保持部横折線を谷折りすることにより相互に重なり合って前記保持部を形成する保持部形成パネルとを有するブランクシートで組み立てられたものであることから、製造が容易であり、且つブランクシートの状態又は筒壁部の端部を接続して扁平に折り畳んだ筒体の状態でユーザーに提供し、ユーザー自身が組み立てるといったこともできる。
また、ブランクシートの状態又は筒壁部の端部を接続して扁平に折り畳んだ筒体の状態にしておくことにより嵩張らず、組み立て前の保管や搬送に便利である。
更には、ブランクシートは紙製であるため、使用後の廃棄が容易で、また紙資源として再利用することもできる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記多角形の有底筒状体の筒壁部を形成する複数の前記筒壁部形成パネルは偶数の前記筒壁部形成パネルからなり、前記底部は前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に前記底部横折線を介して連接する2枚の前記底部形成パネルからなり、また、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルと、相互に重なり合った前記保持部形成パネルを固定する固定部材とからなり、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、対向する前記底部形成パネルのそれぞれの先端の前記突き合わせ辺に前記保持部横折線を介して連接する前記突き合わせ辺と略同じ長さを有する広幅面部と、前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な幅を有し前記広幅面部の先端中央から突出する狭幅挿入面部とからなり、前記広幅面部の先端方向長さは、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける位置を前記有底筒状体の底部から上方に間隔を開ける場合の間隔の長さとなっており、また、前記固定部材は、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成された1枚の板状紙片からなり、前記板状紙片の形状は、前記有底筒状体の内形と略同形の形状に形成されており、前記固定部材の前記挿入孔に前記保持部形成パネルの前記狭幅挿入面部を挿入し、前記固定部材が前記保持部形成パネルの前記広幅面部に当接した位置で、前記固定部材の上面が、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で受ける受け面となっていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、相互に重なり合った前記保持部形成パネルは固定部材により固定されるので、前記引出口からのペーパーの引き出しに際し、ロールペーパーの回転による前記保持部の変形を抑えることができ、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
また、前記固定部材は、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成された板状紙片からなるので、前記板状紙片に形成された前記挿入孔に前記前記保持部形成パネルを挿入するといった簡単な作業で前記保持部形成パネルを容易に固定することができる。
また、前記固定部材の上面は、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける前記受け面となっているので、前記受け面は平な1面で構成されることになり、ロールペーパーを安定した状態で且つ抵抗の少ない状態で受けることになるので、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の、前記多角形の有底筒状体の筒壁部を形成する複数の前記筒壁部形成パネルは偶数の前記筒壁部形成パネルからなり、前記底部は前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に前記底部横折線を介して連接する2枚の前記底部形成パネルからなり、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルと、相互に重なり合った前記保持部形成パネルを固定する固定部材とからなり、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な幅を有しており、また、前記固定部材は、1枚の板状紙片からなり、前記板状紙片は、前記有底筒状体の内形と略同形の形状に形成され、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成され、上面をロールペーパーの下端側を受ける受け面とする固定パネルと、前記固定パネルの外周辺に折線を介して連接し、前記折線から山折りされて脚となる脚パネルを有し、前記脚パネルの先端方向長さは、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を前記受け面で受ける位置が前記有底筒状体の前記底部から上方に間隔を開ける間隔の長さとなっていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、相互に重なり合った前記保持部形成パネルは固定部材により固定されるので、前記引出口からのペーパーの引き出しに際し、ロールペーパーの回転による前記保持部の変形を抑えることができ、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
また、前記固定部材は、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成された板状紙片からなるので、前記板状紙片に形成された前記挿入孔に前記前記保持部形成パネルを挿入するといった簡単な作業で前記保持部形成パネルを容易に固定することができる。
また、前記固定部材の上面は、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける前記受け面となっているので、前記受け面は平な1面で構成されることになり、ロールペーパーを安定した状態で且つ抵抗の少ない状態で受けることになるので、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の、前記底部は複数の前記筒壁部形成パネルのそれぞれの下辺に前記底部横折線を介して連接する複数の前記底部形成パネルからなり、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルと、相互に重なり合った前記保持部形成パネルを固定する固定部材とからなり、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記保持部横折線から谷折りして側辺同士を相互に重なり合わせることにより前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な筒状柱を形成するようになっており、また、前記固定部材は、1枚の板状紙片からなり、前記板状紙片は、前記有底筒状体の内形と略同形の形状に形成され、その略中央部に、前記保持部形成パネルで形成される前記筒状柱を挿入する挿入孔が形成され、上面をロールペーパーの下端側を受ける受け面とする固定パネルと、前記固定パネルの外周辺に折線を介して連接し、前記折線から山折りされて脚となる脚パネルを有し、前記脚パネルの先端方向長さは、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を前記受け面で受ける位置が前記有底筒状体の前記底部から上方に間隔を開ける間隔の長さとなっていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、相互に重なり合った前記保持部形成パネルは固定部材により固定されるので、前記引出口からのペーパーの引き出しに際し、ロールペーパーの回転による前記保持部の変形を抑えることができ、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。そして、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記保持部横折線から谷折りして側辺同士を相互に重なり合わせることにより前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な筒状柱を形成するので、前記引出口からのペーパーの引き出しに際して、ペーパーを引き出したとき、ロールペーパーに前記保持部を軸心とするスムーズな回転が得られ、ペーパーを一層容易に引き出すことができる。
また、前記固定部材は、その略中央部に、重なり合う前記保持部形成パネルを挿入する挿入孔が形成された板状紙片からなるので、前記板状紙片に形成された前記挿入孔に前記保持部形成パネルを挿入するといった簡単な作業で前記保持部形成パネルを容易に固定することができる。
また、前記固定部材の上面は、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける前記受け面となっているので、前記受け面は平な1面で構成されることになり、ロールペーパーを安定した状態で且つ抵抗の少ない状態で受けることになるので、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、
ロールペーパーが縦方向に収容される多角形の有底筒状体の筒壁部に、前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーを外部へ引き出し可能な引出口が形成され、底部には、前記底部中央位置から上方に突出し前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側に開口する巻芯に挿入され、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で保持する位置決め手段を備えた保持部が設けられた紙製のロールペーパーディスペンサーであって、前記有底筒状体は、筒壁部縦折線を介して横方向に連接し、前記筒壁部縦折線から谷折りすることにより前記筒壁部を形成する複数で偶数からなる筒壁部形成パネルと、前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に立ち上げ部横折線を介して連接し、前記立ち上げ部横折線から谷折りすることにより立ち上げられる立ち上げ部形成パネルと、前記立ち上げ部形成パネルの下辺に底部横折線を介して連接し、前記底部横折線から山折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって前記底部を形成する底部形成パネルと、前記底部形成パネルの突き合わせ辺に保持部横折線を介して連接し、前記保持部横折線を谷折りすることにより相互に重なり合って前記保持部を形成する保持部形成パネルとを有するブランクシートで組み立てられたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、有底筒状体に収容されたロールペーパーは、筒壁部により表面が覆われるので、汚染物質が飛散した場合でも、ロールペーパーへ汚染物質が付着することを抑えることができる。
また、前記引出口からのペーパーの引き出しに際しては、有底筒状体に収容されたロールペーパーの下端側に開口する巻芯に前記底部に設けられた前記保持部が挿入されているので、ペーパーを引き出したとき、ロールペーパー表面と筒面との摩擦が低減することで前記保持部を軸心とする回転が得られ、容易に引き出すことができる。
また、前記有底筒状体は、前記有底筒状体は、筒壁部縦折線を介して横方向に連接し、前記筒壁部縦折線から谷折りすることにより前記筒壁部を形成する複数で偶数からなる筒壁部形成パネルと、前記偶数の筒壁部形成パネルの内の対向する2枚の前記筒壁部形成パネルの下辺に立ち上げ部横折線を介して連接し、前記立ち上げ部横折線から谷折りすることにより立ち上げられる立ち上げ部形成パネルと、前記立ち上げ部形成パネルの下辺に底部横折線を介して連接し、前記底部横折線から山折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって前記底部を形成する底部形成パネルと、前記底部形成パネルの突き合わせ辺に保持部横折線を介して連接し、前記保持部横折線を谷折りすることにより相互に当接し合って前記保持部を形成する保持部形成パネルとを有するブランクシートで組み立てられたものであることから、製造が容易であり、且つブランクシートの状態又は筒壁部の端部を接続して扁平に折り畳んだ筒体の状態でユーザーに提供し、ユーザー自身が組み立てるといったこともできる。
また、ブランクシートの状態又は筒壁部の端部を接続して扁平に折り畳んだ筒体の状態にしておくことにより嵩張らず、組み立て前の保管や搬送に便利である。
更には、ブランクシートは紙製であるため、使用後の廃棄が容易で、また紙資源として再利用することもできる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の、前記立ち上げ部形成パネルを立ち上げ部横折線から谷折りして立ち上げ、前記底部形成パネルを底部横折線から山折りして形成される前記底部の上面は、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で受ける受け面となっており、前記保持部を形成する前記保持部形成パネルは、前記ロールペーパーの巻芯に挿入可能な幅を有しており、前記保持部に備えた前記位置決め手段は、底部横折線から山折りされた前記底部形成パネルの前記受け面となる上面と、前記保持部形成パネルとからなることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、前記底部形成パネルを底部横折線から山折りして形成される前記底部の上面が、前記ロールペーパーを前記有底筒状体の下端から間隔を空けた位置で受ける受け面となっているので、前記受け面は平な面で構成されることになり、ロールペーパーを安定した状態で且つ抵抗の少ない状態で受けることになるので、ロールペーパーにスムーズな回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1に記載の、 前記有底筒状体の前記筒壁部に形成された前記引出口は、縦長状に形成され、前記引出口の下辺の位置と前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける受け面とが一致していることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、前記有底筒状体の前記筒壁部に形成された前記引出口は、縦長状に形成され、前記引出口の下辺の位置と前記有底筒状体内に収容された前記ロールペーパーの下端側を受ける受け面とが一致しているので、引出口からペーパーを引き出す時に、ペーパーが前記引出口の下端に引っかかり、ペーパーが引き出し難くなったり、また破れてしまうといった事態を防ぐことができ、ペーパー下端まで容易に切り取ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るロールペーパーディスペンサーによれば、ロールペーパーの表面を覆うことにより汚染物質の付着を抑えることができ、また、簡単に組み立てられ且つ折り畳みが可能であり使い勝手が良く、また、廃棄も容易であり、更には、安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第1例を示す斜視図である。
【
図2】第1例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図である。
【
図3】第1例における底部形成パネルで形成された底部と、保持部形成パネルで形成された保持部を示す斜視図である。
【
図4】第1例における相互に重なり合って保持部を形成する保持部形成パネルを固定する固定部材の一例を示す斜視図である。
【
図5】第1例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【
図6】第1例のロールペーパーディスペンサーの使用状態を示す説明図である。
【
図7】本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第2例を示す斜視図である。
【
図8】第2例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図である。
【
図9】本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第3例を組み立てるブランクシートを示す平面図である。
【
図10】第3例における相互に重なり合って保持部を形成する保持部形成パネルを固定する固定部材を形成する板状紙片を示す平面図である。
【
図11】
図10に示す板状紙片で形成された固定部材の正面図である。
【
図12】第3例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【
図13】本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第4例を組み立てるブランクシートを示す平面図である。
【
図14】第4例における底部形成パネルで形成された底部と、保持部形成パネルで形成された保持部を示す平面図である。
【
図15】第4例における相互に重なり合って保持部を形成する保持部形成パネルを固定する固定部材を形成する板状紙片を示す平面図である。
【
図16】第4例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【
図17】本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第5例を組み立てるブランクシートを示す平面図である。
【
図18】第5例における底部形成パネルで形成された底部と、保持部形成パネルで形成された保持部を示す説明図である。
【
図19】第5例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【
図20】ロールペーパーディスペンサーの引出口の他例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至
図6は、本発明に係るロールペーパーディスペンサーの第1例を示すもので、
図1は第1例のロールペーパーディスペンサーを示す斜視図、
図2は第1例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図、
図3は第1例における底部形成パネルで形成された底部と、保持部形成パネルで形成された保持部を示す斜視図、
図4は第1例における相互に重なり合って保持部を形成する保持部形成パネルを固定する固定部材の一例を示す斜視図、
図5は第1例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図、
図6は第1例のロールペーパーディスペンサーの使用状態を示す説明図である。
【0024】
本例のロールペーパーディスペンサーは、ロールペーパー100が縦方向に収容される8角形の有底筒状体1の筒壁部2に、有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100を外部へ引き出し可能な引出口3が形成され、底部4には、底部4の中央位置から上方に突出し有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の下端100a側に開口する巻芯100bに挿入される保持部5が設けられている。
【0025】
有底筒状体1の筒壁部2に形成された引出口3は、縦長状に形成され、引出口3の下辺3aの位置と有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6と一致しているか、或いは、受け面6よりも下方に位置している。本例では、引出口3の下辺3aの位置は受け面6と一致するように形成されている。また、本例では、引出口3は筒壁部2の上辺側が開放された切り欠き溝状となっている。
また、引出口3は、片方又は双方の縦辺3bに波線状の歯部7が形成されている。本例では、引出口3の双方の縦辺3bに歯部7が形成されている。
【0026】
このような構成となっている有底筒状体1は、紙を基材とする一枚のブランクシート20によって組み立てられている。
ブランクシート20は、
図2に示すように、筒壁部縦折線21,21,21,21,21,21,21を介して横方向に連接し、筒壁部縦折線21,21,21,21,21,21,21から谷折りすることにより筒壁部2を形成する8枚の筒壁部形成パネル22,22,22,22,22,22,22、22と、8枚の筒壁部形成パネル22,22,22,22,22,22,22、22の内の2枚の筒壁部形成パネル22,22の下辺に底部横折線23,23を介して連接し、底部横折線23,23から谷折りすることにより中央で先端が相互に突き合わせ状態となって底部4を形成する底部形成パネル24,24と、底部形成パネル24,24の突き合わせ辺25,25に保持部横折線26,26を介して連接し、保持部横折線26,26を谷折りすることにより対向する面が相互に重なり合って保持部5を形成する保持部形成パネル27,27とを有している。
【0027】
保持部形成パネル27,27にあっては、本例では底部形成パネル24,24のそれぞれの先端の突き合わせ辺25,25と接し、突き合わせ辺25,25と略同じ長さを有する広幅面部27a,27aと、ロールペーパー100の巻芯100bに挿入可能な幅を有し広幅面部27a,27aの先端中央から突出する狭幅挿入面部27b,27bとからなっている。広幅面部27a,27aの先端方向長さは、後述するように、有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6を有底筒状体1の底部4から上方に間隔を開ける場合の間隔の長さとなる。
【0028】
また、8枚の筒壁部形成パネル22,22,22,22,22,22,22、22の内の1枚の筒壁部形成パネル22に、引出口3となる切り欠き部28が形成されている。
また、ブランクシート20は、端側にある片方の筒壁形成パネル22の側辺に連接し、他方の筒壁部形成パネル22の側辺に接着される糊代パネル29を有し、更には、いずれか1の筒壁部形成パネル22の上辺に蓋部横折線30を介して連接し、蓋部横折線30から谷折りすることにより筒壁部2の上部開口部を閉じる蓋部形成パネル31を有している。
【0029】
ブランクシート20を形成する紙基材にあっては、曲げ強度30MPa以上、曲げ荷重20N以上の強度を有する紙基材であることが好ましい。紙基材としては、例えば、シクラパック(登録商標 日本製紙株式会社製)が使用される。
【0030】
また、本例では、保持部5には、相互に重なり合った保持部形成パネル27,27を固定する固定部材32が備えられている。
本例では、
図3に示すように、固定部材32は、その略中央部に、重なり合う保持部形成パネル27,27を挿入する挿入孔33が形成された1枚の板状紙片34からなる。板状紙片34の形状は、有底筒状体1の内形と略同形の形状に形成されている(
図4参照)。
そして、板状紙片34に形成された挿入孔33に重なり合う保持部形成パネル27,27を挿入することにより保持部形成パネル27,27を重なり合った状態で固定するようになっている。保持部形成パネル27,27を固定した固定部材32の上面は、有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6となっている。板状紙片34はブランクシート20を形成する紙基材と同じ紙基材で形成されている。
【0031】
また、本例では、保持部形成パネル27,27は、広幅面部27a,27aと狭幅挿入面部27b,27bとからなっており、固定部材32の挿入孔33は狭幅挿入面部27b,27bを挿入可能となっている。これにより、保持部形成パネル27,27の狭幅挿入面部27b,27bを挿入した固定部材32の下面は、広幅面部27a,27aの上辺に当接することになり、固定部材32の上面で構成される受け面6は、有底筒状体1の底部4から上方に広幅面部27a,27aの先端方向長さに応じた間隔を開けた位置に形成される。
【0032】
このように構成される第1例のロールペーパーディスペンサーは、次のようにして組み立てられる。
【0033】
先ず、ブランクシート20に有する筒壁部形成パネル22,22の下辺に底部横折線23,23を介して連接している底部形成パネル24,24を、底部横折線23,23から谷折りし、底部形成パネル24,24の突き合わせ辺25,25に保持部横折線26,26を介して連接している保持部形成パネル27,27を谷折りする。
【0034】
次に、この状態から、筒壁部形成パネル22,22,22,22,22,22,22、22を筒壁部縦折線21,21,21,21,21,21,21から谷折りして筒状にし、この過程で底部形成パネル24,24の突き合わせ辺25,25に連接し保持部横折線26,26から谷折りされている保持部形成パネル27,27を相互に重なり合うようにして、谷折りした端側にある片方の筒壁形成パネル22の側辺に連接している糊代パネル29を他方の筒壁形成パネル22の側辺に接着して筒状部2を形成し、同時に底部形成パネル24,24で底部4を形成し、保持部形成パネル27,27で底部4の中央位置から上方に突き出した保持部5を形成する(
図3参照)。このようにして有底筒状体1を形成する。
【0035】
次に、有底筒状体1内に上部開口部から固定部材32を挿入し、固定部材32に形成されている挿入孔33に保持部5となる重なり合う保持部形成パネル27,27を挿入して保持部形成パネル27,27を固定する(
図5参照)。
【0036】
このようにして組み立てられた第1例のロールペーパーディスペンサーによれば、有底筒状体1に収容されたロールペーパー100は、筒壁部2により表面が覆われるので、外部の汚染物質がロールペーパー100に付着することを抑えることができる。
【0037】
また、本例では、筒壁形成パネル22の上辺に蓋部横折線30を介して連接し、蓋部横折線30から谷折りすることにより筒壁部2の上部開口部を閉じる蓋パネル31を有しているので、蓋パネル31を有底筒状体1の蓋体35として使用することにより、有底筒状体1内に収容されているロールペーパー100に対する外部の汚染物質の付着を一層効果的に抑えることができる。
【0038】
また、引出口3からのペーパーの引き出しに際しては、有底筒状体1に収容されたロールペーパー100の下端100a側に開口する巻芯100bに底部4に設けられた保持部5が挿入されているので、ペーパーを引き出したとき、ロールペーパー100に保持部5を軸心とする回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
【0039】
また、本例では、有底筒状体1の筒壁部2に形成された引出口3は、縦長状に形成され、引出口3の下辺3aの位置と有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6とが一致しているので、引出口3からペーパーを引き出す時に、ペーパーが引出口3の下端3aに引っかかり、ペーパーが引き出し難くなったり、また破れてしまうといった事態を防ぐことができる。
【0040】
また、本例では、引出口3は筒壁部2の上辺側が開放された切り欠き溝状となっているので、引出口3からペーパーを引き出す初期段階で、ペーパー端部を引出口3に容易に通すことができる。
【0041】
また、本例では、有底筒状体1の筒壁部2に形成された引出口3は、片方又は双方の縦辺3bに波線状の歯部7が形成されているので、引出口3から引き出したペーパーを歯部7に引っかけることにより容易にペーパーを切り取ることができる。ペーパーに切り取り用のミシン目が形成されている場合には、一層容易にペーパーを切り取ることができる。
【0042】
また、本例では、ブランクシート20は、曲げ強度30MPa以上、曲げ荷重20N以上の強度を有する紙基材から形成されているので、組み立てた有底筒状体1にロールペーパー100を保持する強度と、筒壁部2に形成された引出口3にペーパーをカットする強度を得ることができる。
【0043】
なお、本例では有底筒状体1は8角形となっているが、角数にあっては特に限定されない。
また、本例では、底部4の中央位置から上方に突き出した保持部5を形成する保持部形成パネル27,27を固定部材32で固定しているが、必ずしも固定しなければならないものではない。しかし、ロールペーパー100の安定した回転を得るためには固定したほうが好ましい。
保持部形成パネル27,27を固定する手段としては、本例のような固定部材32に限定されるものではなく、例えば、有底筒体1を組み立てた後、重なり合う保持部形成パネル27,27を身近にある接着剤で接着し、或いは粘着テープを巻き付けて固定するようにしてもよい。
【0044】
図7、
図8は、本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第2例を示すものであり、
図7は第2例のロールペーパーディスペンサーを示す斜視図、
図8は第2例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図である。
【0045】
第2例のロールペーパーディスペンサーは、第1例のロールペーパーディスペンサーと基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
第2例と第1例との違いは、第1例における筒壁部形成パネル22の上辺に蓋部横折線30を介して連接した蓋部形成パネル31の有無のみである。 第2例では、筒壁部形成パネル22の上辺には、第1例における蓋部形成パネル31と同様の構成は無い。
その他の構成は、第1例と同様であり、第2例のロールペーパーディスペンサーは、第1例と同様にして組み立てられる。
【0046】
このようにして組み立てられた第2例のロールペーパーディスペンサーによれば、第1例との比較において、蓋部形成パネル31が無いので、その分取扱や組み立てが容易となり、更には紙基材の使用量が低減する。
その他の作用効果は第1例と同様であり、第1例の作用効果を援用する。
【0047】
図9乃至
図12は、本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第3例を示すものであり、
図9は第3例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図、
図10は第3例における相互に重なり合って保持部を形成する保持部形成パネルを固定する固定部材を形成する板状紙片を示す平面図、
図11は
図10に示すシート材で形成された固定部材の正面図、
図12は第3例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【0048】
第3例のロールペーパーディスペンサーは、第1例のロールペーパーディスペンサーと基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
第3例と第1例との違いは、保持部5の形状と、保持部5を形成する保持部形成パネル27,27を固定する固定部材32の形状にある。
【0049】
本例では、底部形成パネル27,27の突き合わせ辺25,25に保持部横折線26,26を介して連接し、保持部横折線26,26から谷折りすることにより相互に突き合わせ状態となって保持部5を形成する保持部形成パネル27,27は、ロールペーパー100の巻芯100aに挿入可能な幅を有する狭幅挿入面部27b,27bだけで構成されている。
【0050】
そして、保持部5に備えられ、相互に重なり合った保持部形成パネル27,27を固定する固定部材32は、その略中央部に、保持部形成パネル27,27を挿入する挿入孔33が形成され、上面をロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6とする1枚の固定パネル36と、固定パネル36の外周辺に折線37を介して連接し、折線37から山折りされて脚38となる脚パネル39を有する板状紙片40で形成されている(
図10,
図11参照。)。板状紙片40はブランクシート20を形成する紙基材と同じ紙基材で形成されている。
【0051】
その他の構成は、第1例と同様であり、第3例のロールペーパーディスペンサーは、第1例と同様にして組み立てられる。そして、固定部材32にあっては、固定パネル36の外周辺に折線37を介して連接している脚パネル39を折線37から山折りして脚38を形成し、脚38側から有底筒状体1内に挿入し、固定部材32に形成されている挿入孔33に保持部5となる保持部形成パネル27,27を、脚38が底部4に当接するまで挿入して保持部形成パネル27,27を固定している(
図12参照。)。
【0052】
このようにして組み立てられた第2例のロールペーパーディスペンサーによれば、固定部材32は、有底筒状体1内に脚38が底部4に当接するまで挿入するので、有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の重量による受け面6の変形が抑えられ、ロールペーパー100をしっかりと支えることができるので、ペーパーを円滑に引き出すことができる。
【0053】
その他の作用効果は第1例と同様であり、第1例の作用効果を援用する。
なお、本例では有底筒状体は8角形となっているが、第1例と同様、角数にあっては特に限定されない。また、本例では、底部4の中央位置から上方に突き出した保持部5を形成する保持部形成パネル27,27を固定部材32で固定しているが、必ずしも固定しなければならないものではない。しかし、ロールペーパー100の安定した回転を得るためには固定したほうが好ましい。
【0054】
図13乃至
図16は、本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第4例を示すものであり、
図13は第4例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図、
図14は第4例における底部形成パネルで形成された底部と、保持部形成パネルで形成された保持部を示す平面図、
図15は第4例における相互に重なり合って保持部を形成する保持部形成パネルを固定する固定部材を形成する板状紙片示す平面図、
図16は第4例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【0055】
第4例のロールペーパーディスペンサーは、第1例のロールペーパーディスペンサーと基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
第4例と第1例との違いは、有底筒状体1の角数、底部4の形状、保持部5の形状、保持部5を形成する保持部形成パネル27を固定する固定部材32の形状にある。
【0056】
本例では、有底筒状体は6角形であり、筒壁部2を形成する6枚の筒壁部形成パネル22,22,22,22,22,22の全ての下辺に、底部4を形成する底部形成パネル24,24,24,24,24,24が底部横折線23,23,23,23,23,23を介して連接している。この底部形成パネル24,24,24,24,24,24の形状は、筒壁部形成パネル22,22,22,22,22,22を筒壁部縦折線21,21,21,21,21から谷折りして筒状にし、底部形成パネル24,24,24,24,24,24を底部横折線23,23,23,23,23,23から谷折りしたとき、底部形成パネル24,24,24,24,24,24の側辺同士が当接して底部4を構成する形状となっている(
図14参照)。
【0057】
そして、底部形成パネル24,24,24,24,24,24の先端には、保持部横折線26,26,26,26,26,26を介して保持部形成パネル27,27,27,27,27,27が連接している。
【0058】
保持部5にあっては、底部形成パネル24,24,24,24,24,24の先端に連接している保持部形成パネル27,27,27,27,27,27を保持部横折線26,26,26,26,26,26から谷折りし、保持部形成パネル27,27,27,27,27,27の側辺同士を相互に重なり合わせることにより筒状柱41を形成し、筒状柱41とした保持部形成パネル27,27,27,27,27,27で保持部5を形成している(
図14、
図16参照。)。
【0059】
そして、保持部5に備えられ、筒状柱41を形成している保持部形成パネル27,27,27,27,27,27を固定する固定部材32は、第3例と同様に、その略中央部に、筒状柱41を形成している保持部形成パネル27,27,27,27,27,27を挿入する挿入孔33が形成され、上面を有底筒状体1内に収容されたロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6とする1枚の固定パネル37と、固定パネル36の外周辺に折線37を介して連接し、折線37から山折りされて脚38となる脚パネル39を有する板状紙片40で形成されている。挿入孔33は、保持部形成パネル27,27,27,27,27,27で形成される筒状柱41と同形に形成されている。
【0060】
本例では、保持部5を形成する保持部形成パネル27,27,27,27,27,27は側辺同士を相互に重なり合わせることにより筒状柱41を形成し、筒状柱41としているので、重なり合わせた保持部形成パネル27,27,27,27,27,27の側辺同士のズレを防止し、筒状柱41を効果的に維持させるためのズレ防止手段を備えることが望ましい。ズレ防止手段にあっては、重なり合わせた保持部形成パネル27,27,27,27,27,27の側辺同士のズレが防止できるものであれば、特に限定されない。
【0061】
その他の構成は、第1例と同様であり、第4例のロールペーパーディスペンサーは、第1例と同様にして組み立てられる。そして、固定部材32にあっては、第3例と同様に、脚38側から有底筒状体1内に挿入し、固定部材32に形成されている挿入孔33に保持部5となる筒状柱41を形成している保持部形成パネル27,27,27,27,27,27を、脚38が底部4に当接するまで挿入して保持部形成パネル27,27,27,27,27,27を固定している。
【0062】
このようにして組み立てられた第4例のロールペーパーディスペンサーによれば、保持部5は筒状柱42となる保持部形成パネル27,27,27,27,27,27で形成されているので、引出口3からのペーパーの引き出しに際して、ペーパーを引き出したとき、ロールペーパー100に保持部5を軸心とする円滑な回転が得られ、ペーパーを容易に引き出すことができる。
その他の作用効果は第1例と同様であり、第1例の作用効果を援用する。
【0063】
なお、本例では有底筒状体は6角形となっているが、第1例と同様、角数にあっては特に限定されない。
【0064】
図17乃至
図19は、本発明に係るロールペーパーディスペンサーの実施の形態の第5例を示すものであり、
図17は第5例のロールペーパーディスペンサーを組み立てるブランクシートを示す平面図、
図18は第5例における底部形成パネルで形成された底部と、保持部形成パネルで形成された保持部を示す説明図、
図19は第5例のロールペーパーディスペンサーの一部拡大断面図である。
【0065】
第5例のロールペーパーディスペンサーは、第1例のロールペーパーディスペンサーと基本構成において変わるところはなく、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
第5例と第1例との違いは、有底筒状体1の底部4の形状、保持部5の形状にある。
【0066】
本例では、2枚の筒壁部形成パネル22,22の下辺に立ち上げ部横折線43,43を介して立ち上げ部形成パネル42,42が連接し、立ち上げ部形成パネル42,42の下辺に底部横折線44,44を介して底部形成パネル24,24が連接している。底部形成パネル24,24には、第2例と同様の保持部5を形成する保持部形成パネル27,27が連接している。
【0067】
そして、底部4の形成にあっては、先ず、筒壁部形成パネル22,22の下辺に連接している立ち上げ部形成パネル42,42を立ち上げ部横折線43,43から谷折りして、立ち上げ部形成パネル42,42を筒壁部形成パネル22,22に重ねる。
次に、立ち上げ部形成パネル42,42に連接している底部形成パネル24,24を底部横折線44,44から山折りし、底部形成パネル24,24の突き合わせ辺25,25に保持部横折線26,26を介して連接している保持部形成パネル27,27を谷折りし、保持部形成パネル27,27を相互に重なり合わせることにより保持部5を形成している(
図18、
図19参照。)。
【0068】
立ち上げ部形成パネル42,42は、その長さが、立ち上げ部形成パネル42,42を立ち上げ部横折線43,43から谷折りして筒壁部形成パネル22,22に重ねたとき、その先端辺が筒壁部2に形成された引出口3の下辺3aの位置と一致する長さとなっている。底部形成パネル42,42により形成された底部4にあっては、その上面がロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6となる。
【0069】
なお、保持部5を形成する相互に重なり合わせられた保持部形成パネル27,27は、固定することが好ましい。保持部形成パネル27,27を固定する手段としては、例えば、有底筒体1を組み立てた後、重なり合う保持部形成パネル27,27を身近にある接着剤で接着し、或いは粘着テープを巻き付けて固定することができる。
【0070】
その他の構成は、第1例と同様であり、第5例のロールペーパーディスペンサーは、第1例と同様にして組み立てられる。
なお、保持部5を形成する相互に重なり合わせられた保持部形成パネル27,27は、固定することが好ましい。保持部形成パネル27,27を固定する手段としては、例えば、有底筒体1を組み立てた後、重なり合う保持部形成パネル27,27を身近にある接着剤で接着し、或いは粘着テープを巻き付けて固定することができる。
【0071】
このようにして組み立てられた第5例のロールペーパーディスペンサーによれば、ロールペーパー100の下端100a側を受ける受け面6を容易に形成することができる。
その他の作用効果は第1例と同様であり、第1例の作用効果を援用する。
【0072】
なお、本例では有底筒状体は8角形となっているが、角数にあっては偶数であれば特に限定されない。
【0073】
図20はロールペーパーディスペンサーの引出口の他例を示す平面図である。
第1例、第2例、第3例、第4例、第5例にあっては、引出口3はいずれも筒壁部2の上辺側が開放された切り欠き溝状となっているが、
図20に示すように、開放辺のない打ち抜き状に形成してもよい。引出口3が打ち抜き状に形成したものであると、引出口3にロールペーパー100をカットする場合のペーパーカット負荷に耐える強度が向上する。
【0074】
また、第3例、第4例、第5例にあっては、いずれも筒壁部形成パネル22の上辺に蓋部横折線30を介して連接した蓋部形成パネル31を有しているが、他の実施の形態例として、図示しないが、第3例、第4例、第5例から、筒壁部形成パネル22の上辺に蓋部形成パネル31を除いた構成とした実施の形態例が挙げられる。
【0075】
このように構成された他の実施の形態例のロールペーパーディスペンサーによれば、第2例と同様、蓋部形成パネル31が無いので、その分取扱や組み立てが容易となり、更には紙基材の使用量が低減する。
その他の作用効果は第3例、第4例、第5例と同様である。
【符号の説明】
【0076】
1 有底筒状体
2 筒壁部
3 引出口
3a 下辺
3b 縦辺
4 底部
5 保持部
6 受け面
7 歯部
20 ブランクシート
21 筒壁部縦折線
22 筒壁部形成パネル
23 底部横折線
24 底部形成パネル
25 突き合わせ辺
26 保持部横折線
27 保持部形成パネル
27a 広幅面部
27b 狭幅挿入面部
28 切り欠き部
29 糊代パネル
30 蓋部横折線
31 蓋部形成パネル
32 固定部材
33 挿入孔
34 板状紙片
35 蓋体
36 固定パネル
37 折線
38 脚
39 脚パネル
40 板状紙片
41 筒状柱
42 立ち上げ部形成パネル
43 立ち上げ部横折線
44 底部横折線
100 ロールペーパー
100a 下端
100b 巻芯