(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】メモリ装置及びメモリモジュール
(51)【国際特許分類】
G06F 12/02 20060101AFI20221104BHJP
G11C 8/16 20060101ALI20221104BHJP
G11C 11/405 20060101ALI20221104BHJP
G11C 11/4096 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G06F12/02 580G
G11C8/16
G11C11/405
G11C11/4096 300
(21)【出願番号】P 2018137468
(22)【出願日】2018-07-23
【審査請求日】2021-04-14
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張, 牧 天
(72)【発明者】
【氏名】牛, 迪 民
(72)【発明者】
【氏名】ズン, 宏 忠
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-151095(JP,A)
【文献】特開2001-351378(JP,A)
【文献】米国特許第07221580(US,B1)
【文献】特開昭55-025860(JP,A)
【文献】特開2013-008431(JP,A)
【文献】特開昭63-053796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/02
G11C 11/405
G11C 11/4096
G11C 8/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)セルの複数の列とDRAMセルの複数の行で配列される複数のDRAMセルアレイと、
メモリ装置内部にあり、前記複数のDRAMセルアレイに連結され、前記メモリ装置に入力される命令を受信可能であり、そして前記複数のDRAMセルアレイへの列優先アクセス及び行優先アクセスを制御する前記受信された命令に応答するメモリコントローラと、を有し、
前記複数のDRAMセルアレイは、それぞれ、複数の列感知増幅器と、複数の行感知増幅器と、を含み、
前記複数の列感知増幅器は、複数の列ビットラインにそれぞれ連結され、
前記複数の行感知増幅器は、複数の行ビットラインにそれぞれ連結され、
前記複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器であ
り、
前記メモリ装置は、前記複数の列感知増幅器の出力に連結される列バッファと、前記複数の行感知増幅器の出力に連結される行バッファと、前記列バッファと前記行バッファとに連結されるマルチプレクサとグローバル感知増幅器と、をさらに有し、
前記マルチプレクサとグローバル感知増幅器は、前記メモリ装置に格納されるデータを受信するように、又は前記メモリ装置からデータを出力するように構成されることを特徴とするメモリ装置。
【請求項2】
各DRAMセルは、二つのトランジスター、一つのキャパシター(2T1C)メモリセルを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記2T1Cメモリセルの各トランジスターは、前記キャパシターのストレージノードに直接に連結される端子を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のメモリ装置。
【請求項4】
前記2T1Cメモリセルの第1トランジスターは、前記キャパシターのストレージノードに直接に連結される端子を含み、そして前記2T1Cメモリセルの第2トランジスターは、前記キャパシターのストレージノードに直接に連結されるゲート端子を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のメモリ装置。
【請求項5】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)セルの複数の列とDRAMセルの複数の行を含むように配列され、複数の列ワードラインドライバラインと複数の行ワードラインドライバラインと、をさらに含み、各列ワードラインドライバラインは、DRAMセルの列の対応するDRAMセルに連結され、そして各行ワードラインドライバラインは、DRAMセルの行の対応するDRAMセルに連結される複数のDRAMセルアレイと、
各列ワードラインドライバは、DRAMセルの列の対応するDRAMセルに連結される複数の列ワードラインドライバと、
各行ワードラインドライバは、DRAMセルの行の対応するDRAMセルに連結される複数の行ワードラインドライバと、
メモリ装置内部にあり、前記複数の列ワードラインドライバと前記複数の行ワードラインドライバと連結され、前記メモリ装置に入力される命令を受信可能であり、そして前記複数のDRAMセルアレイへのアクセスを提供するように前記複数の列ワードラインドライバと前記複数の行ワードラインドライバを制御する前記受信された命令に応答するメモリコントローラと、を有し、
前記複数のDRAMセルアレイは、それぞれ、複数の列感知増幅器と、複数の行感知増幅器と、を含み、
前記複数の列感知増幅器は、複数の列ビットラインにそれぞれ連結され、
前記複数の行感知増幅器は、複数の行ビットラインにそれぞれ連結され、
前記複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器であ
り、
前記メモリ装置は、前記複数の列感知増幅器の出力に連結される列バッファと、前記複数の行感知増幅器の出力に連結される行バッファと、前記列バッファと前記行バッファとに連結されるマルチプレクサとグローバル感知増幅器と、をさらに有し、
前記マルチプレクサとグローバル感知増幅器は、前記メモリ装置に格納されるデータを受信するように、又は前記メモリ装置からデータを出力するように構成されることを特徴とするメモリ装置。
【請求項6】
前記複数の列ビットラインの各々は、対応する列のDRAMセルに連結され、そして前記複数の行ビットラインの各々は、対応する行のDRAMセルに連結され
、
前記メモリ装置内部にある
前記メモリコントローラは、前記列バッファ及び前記行バッファにさらに連結され、そして前記受信された命令に応答して前記列バッファ及び前記行バッファの動作を制御する、ことを特徴とする請求項1又は5に記載のメモリ装置。
【請求項7】
前記複数の列ビットラインの各々及び前記複数の行ビットラインの各々に連結されるプリチャージ回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載のメモリ装置。
【請求項8】
前記メモリ装置は、DIMM(Dual In-line Memory Module)の部分である、ことを特徴とする請求項6に記載のメモリ装置。
【請求項9】
各DRAMセルは、二つのトランジスター、一つのキャパシター(2T1C)メモリセルを含む、ことを特徴とする請求項5に記載のメモリ装置。
【請求項10】
前記2T1Cメモリセルの各トランジスターは、前記キャパシターの第1端子に直接に連結される端子を含む、ことを特徴とする請求項9に記載のメモリ装置。
【請求項11】
前記2T1Cメモリセルの第1トランジスターは、前記キャパシターの第1端子に直接に連結される端子を含み、そして前記2T1Cメモリセルの第2トランジスターは、前記キャパシターの第1端子に直接に連結されるゲート端子を含む、ことを特徴とする請求項9に記載のメモリ装置。
【請求項12】
DRAMセルの複数の列とDRAMセルの複数の行で配列される複数のDRAMセルアレイと、
メモリモジュール内部にあり、前記複数のDRAMセルアレイに連結され、前記メモリモジュールに入力される命令を受信可能であり、そして前記複数のDRAMセルアレイへの列優先アクセス及び行優先アクセスを制御するように前記受信された命令に応答するメモリコントローラと、を有し、
DIMM(Dual In-line Memory Module)フォームファクタ(form factor)をさらに含み、
前記複数のDRAMセルアレイはそれぞれ、複数の列ビットライン及び複数の行ビットラインと、複数の列感知増幅器と、複数の行感知増幅器と、をさらに含み、各列ビットラインは対応する列のDRAMセルに連結され、そして各行ビットラインは対応する行のDRAMセルに連結され、
前記複数の列感知増幅器は、前記複数の列ビットラインにそれぞれ連結され、
前記複数の行感知増幅器は、前記複数の行ビットラインにそれぞれ連結され、
前記複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器であり、
前記メモリモジュールは、
前記複数の列感知増幅器の出力に連結される列バッファと、前記複数の行感知増幅器の出力に連結される行バッファと、前記列バッファと前記行バッファとに連結されるマルチプレクサとグローバル感知増幅器と、をさらに有し、
前記マルチプレクサとグローバル感知増幅器は、前記メモリモジュールに格納されるデータを受信するように、又は前記メモリモジュールからデータを出力するように構成され、
前記メモリモジュール内部にある前記メモリコントローラは、前記列バッファ及び前記行バッファにさらに連結され、そして前記受信された命令に応答して前記列バッファ及び前記行バッファの動作を制御することを特徴とするメモリモジュール。
【請求項13】
前記複数の列ビットラインの各々及び前記複数の行ビットラインの各々に連結されるプリチャージ回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載のメモリモジュール。
【請求項14】
各DRAMセルは、二つのトランジスター、一つのキャパシター(2T1C)メモリセルを含む、ことを特徴とする請求項12に記載のメモリモジュール。
【請求項15】
前記2T1Cメモリセルの各トランジスターは、前記キャパシターのストレージノードに直接に連結される端子を含む、ことを特徴とする請求項14に記載のメモリモジュール。
【請求項16】
前記2T1Cメモリセルの第1トランジスターは、前記キャパシターのストレージノードに直接に連結される端子を含み、そして前記2T1Cメモリセルの第2トランジスターは、前記キャパシターのストレージノードに直接に連結されるゲート端子を含む、ことを特徴とする請求項14に記載のメモリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリ装置及びメモリモジュールに係り、より詳細にはDRAM(Dynamic Random Access Memory)セルアレイへの列優先アクセス、行優先アクセスの全てを制御するメモリコントローラを含むメモリ装置及びメモリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
転置(transpose)、反転(inversion)、乗算、及び加算のような、しかし、これに限定されない行列演算は、ディープラーニング(deep learning)、コンピュータビジョン(computer vision)、及びイメージプロセッシング(image processing)のような、計算中心応用プログラム(applications)に最近よく利用される。しかしながら、このような演算の一部は相当な行へのアクセスを使用する。例えば、転置演算は、列をリード(read)し、行にリードした列を格納することを要求する。乗算演算は、行列Aから一つの列、及び行列Bから一つの行をリードすることを含み、そしてその二つの積は計算されて格納される。
【0003】
一般的なDRAMは、列にアクセスするのは、一つの列の活性化を含む「列優先(row-major)」の列アクセスを支援するように構成され、列にアクセスするのは相対的に速くて効率的である。行にアクセスするのは、所望の行と交差する各列を活性化することを含むので、もっと難しく、相対的に遅くて非効率的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国登録特許第4896294A号公報
【文献】米国登録特許第6141250A号公報
【文献】米国登録特許第6195305B1号公報
【文献】米国登録特許第6301649B1号公報
【文献】米国登録特許第7408218B2号公報
【文献】米国登録特許第9343138B2号公報
【文献】米国登録特許第9672895B2号公報
【文献】米国特許公開第20090327660A1号公報
【文献】米国特許公開第20100054035A1号公報
【文献】米国特許公開第20100080064A1号公報
【文献】韓国登録特許第10-1736884B1号公報
【文献】韓国特許公開第2015-0071732A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した技術的課題を解決するためのものであって、本発明は、二重の列優先、行優先DRAMを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるメモリ装置は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)セルの複数の列とDRAMセルの複数の行で配列される複数のDRAMセルアレイと、メモリ装置内部にあり、前記複数のDRAMセルアレイに連結され、前記メモリ装置に入力される命令を受信可能であり、そして前記複数のDRAMセルアレイへの列優先アクセス及び行優先アクセスを制御する前記受信された命令に応答するメモリコントローラと、を有し、前記複数のDRAMセルアレイは、それぞれ、複数の列感知増幅器と、複数の行感知増幅器と、を含み、前記複数の列感知増幅器は、複数の列ビットラインにそれぞれ連結され、前記複数の行感知増幅器は、複数の行ビットラインにそれぞれ連結され、前記複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器であり、前記メモリ装置は、前記複数の列感知増幅器の出力に連結される列バッファと、前記複数の行感知増幅器の出力に連結される行バッファと、前記列バッファと前記行バッファとに連結されるマルチプレクサとグローバル感知増幅器と、をさらに有し、前記マルチプレクサとグローバル感知増幅器は、前記メモリ装置に格納されるデータを受信するように、又は前記メモリ装置からデータを出力するように構成されることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するためになされた本発明によるメモリ装置は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)セルの複数の列とDRAMセルの複数の行を含むように配列され、複数の列ワードラインドライバラインと複数の行ワードラインドライバラインと、をさらに含み、各列ワードラインドライバラインは、DRAMセルの列の対応するDRAMセルに連結され、そして各行ワードラインドライバラインは、DRAMセルの行の対応するDRAMセルに連結される複数のDRAMセルアレイと、各列ワードラインドライバは、DRAMセルの列の対応するDRAMセルに連結される複数の列ワードラインドライバと、各行ワードラインドライバは、DRAMセルの行の対応するDRAMセルに連結される複数の行ワードラインドライバと、メモリ装置内部にあり、前記複数の列ワードラインドライバと前記複数の行ワードラインドライバと連結され、前記メモリ装置に入力される命令を受信可能であり、そして前記複数のDRAMセルアレイへのアクセスを提供するように前記複数の列ワードラインドライバと前記複数の行ワードラインドライバを制御する前記受信された命令に応答するメモリコントローラと、を有し、前記複数のDRAMセルアレイは、それぞれ、複数の列感知増幅器と、複数の行感知増幅器と、を含み、前記複数の列感知増幅器は、複数の列ビットラインにそれぞれ連結され、前記複数の行感知増幅器は、複数の行ビットラインにそれぞれ連結され、前記複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器であり、前記メモリ装置は、前記複数の列感知増幅器の出力に連結される列バッファと、前記複数の行感知増幅器の出力に連結される行バッファと、前記列バッファと前記行バッファとに連結されるマルチプレクサとグローバル感知増幅器と、をさらに有し、前記マルチプレクサとグローバル感知増幅器は、前記メモリ装置に格納されるデータを受信するように、又は前記メモリ装置からデータを出力するように構成されることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明によるメモリモジュールは、DRAMセルの複数の列とDRAMセルの複数の行で配列される複数のDRAMセルアレイと、メモリモジュール内部にあり、前記複数のDRAMセルアレイに連結され、前記メモリモジュールに入力される命令を受信可能であり、そして前記複数のDRAMセルアレイへの列優先アクセス及び行優先アクセスを制御するように前記受信された命令に応答するメモリコントローラと、を有し、DIMM(Dual In-line Memory Module)フォームファクタ(form factor)をさらに含み、前記複数のDRAMセルアレイはそれぞれ、複数の列ビットライン及び複数の行ビットラインと、複数の列感知増幅器と、複数の行感知増幅器と、をさらに含み、各列ビットラインは対応する列のDRAMセルに連結され、そして各行ビットラインは対応する行のDRAMセルに連結され、前記複数の列感知増幅器は、前記複数の列ビットラインにそれぞれ連結され、前記複数の行感知増幅器は、前記複数の行ビットラインにそれぞれ連結され、前記複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器であり、前記メモリモジュールは、前記複数の列感知増幅器の出力に連結される列バッファと、前記複数の行感知増幅器の出力に連結される行バッファと、前記列バッファと前記行バッファとに連結されるマルチプレクサとグローバル感知増幅器と、をさらに有し、前記マルチプレクサとグローバル感知増幅器は、前記メモリモジュールに格納されるデータを受信するように、又は前記メモリモジュールからデータを出力するように構成され、前記メモリモジュール内部にある前記メモリコントローラは、前記列バッファ及び前記行バッファにさらに連結され、そして前記受信された命令に応答して前記列バッファ及び前記行バッファの動作を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、複数の列及び行の両者が実質的に同一の速度と効率でアクセスされるように列優先アクセス及び行優先アクセスの全てを支援するDRAMアーキテクチァー(architecture)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下に、本明細書に開示する本発明の態様は、図面に示した例示的な実施例を参照して説明する。
【
図1】本発明による2T1C DRAMセルの第1構成の例示的な実施例の回路図を示す。
【
図2】本発明による複数のDRAMセルを含むDRAMセルアレイの例示的な実施例の回路図を示す。
【
図3】本発明によるDRAMメモリの二重の列優先アクセス、行優先アクセスの例示的な実施例の回路図を示す。
【
図4】本発明による2T1C DRAMセルの第2講成の例示的な実施例の回路図を示す。
【
図5】本発明による複数のDRAMセルを含むDRAMセルアレイの二重の列優先アクセス、行優先アクセスの例示的な実施例の回路図を示す。
【
図6】本発明によるDRAMメモリの二重の列優先アクセス、行優先アクセスの例示的な実施例の回路図を示す。
【
図7】本発明による列(又は行)をリードした後、行(又は列)がリードされる状況でDRAMセルを含むメモリに対するデータの一貫性を提供するプロセスの例示的な実施例の順序図を示す。
【
図8】本発明による列優先アクセス及び行優先アクセスを提供するDRAMアレイを含むDIMMの例示的な実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明において、多様で特定の説明が本明細書の完全な理解を提供するために提示される。しかしながら、開示する態様が、当業者にとって、このような特定の説明がなくても実施され得るのが理解されるはずである。他の例において、よく知られた方法、手順、構成及び回路は、本明細書に開示する本発明を曖昧にしないため、詳細に説明しない。
【0012】
本明細書の全体にわたって、「一実施例」又は「実施例」を参照するのは、実施例と関連して説明する特定の特徴、構造又は特性が本明細書に開示した少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書の全体にわたる多様な「一実施例において」又は「実施例において」又は「一実施例によって」という語句(又は類似の意味を有する他の語句)は、全て同一の実施例を必ず示すとは限らない。なお、特定の特徴、構造、又は特性は、一つ以上の実施例において任意の適した方法として結合される。これと関連して、本明細書に使用する「例示的な」という単語は、「例、例示、又は図示を提供する」を意味する。「例示的な」ものとして本明細書にて説明する任意の実施例は、必ず他の実施例より望ましいか、必ず有利なものとして解釈してはならない。なお、本明細書における論議の文脈によって、単数は、該当する複数の形態を含み、そして複数の用語は、該当する単数の形態を含む。本明細書にて示して論議する(ブロック構成図を含む)多様な図面は、ただ例示的な目的のためのものであり、そして実際の尺度として描かれたものではないことに留意しなければならない。同様に、多様な波形及びタイミング図は、ただ例示的な目的のために示す。例えば、一部要素の寸法は、明確性のために他の要素に比して誇張される。なお、適切なものと考慮される場合、参照符号は、該当する及び/又は類似の要素を示すために図面で反復する。
【0013】
本明細書において使用する用語は、ただ特定の例示的な実施例を説明するためのものであり、請求する発明の範囲を制限しようとするものではない。本明細書において使用する単数形態「一」及び「一つ」は、文脈上明確に別に指示しない限り、複数形態も含むものと意図する。本明細書において使用する「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、特徴、整数、段階、演算、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、しかし、一つ以上の他の特徴、整数、段階、演算、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しないというのがもっと理解されるはずである。本明細書において使用する「第1」、「第2」などの用語は、先行する名詞のラベル(labels)として使用し、明示的に定義しない限り、任意の類型の順序(例えば、空間的、時間的、論理的など)を暗示しない。なお、同一であるか、類似の機能を有する部分、構成、ブロック、回路、ユニット、又はモジュールを参照するため、二つ以上の図面にわたって同一の参照番号を利用する。しかしながら、このような利用は、説明の簡素化及び論議の容易さのためのである。このような構成又はユニットの構成又は構造的細部事項が、全ての実施例にわたって同一であるのを示さないか、又は共通に参照された部分/モジュールが本明細書に開示する特定の実施例の教示を具現する唯一の方法であることを示さない。
【0014】
別に定義しない限り、本明細書において使用する(技術的及び科学的な用語を含む)全ての用語は、本発明が属する技術の分野における当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。
【0015】
本明細書において使用する「モジュール」という用語は、モジュールと関連して本明細書に説明する機能を提供するように構成されるソフトウェア、ファームウェア(firmware)及び/又はハードウェアの任意の組み合わせを参照する。本明細書に説明する任意の具現に適用されるものとして、「ソフトウェア」という用語は、ソフトウェアパッケージ、コード、及び/又は命令セット又は複数の命令として具現される。本明細書に説明する任意の具現に適用されるものとして、「ハードウェア」という用語は、例えば、単一又は任意の組み合わせのハードワイヤード(hardwired)回路、プログラマブル(programmable)回路、状態マシン回路、及び/又はプログラマブル回路によって実行される命令を格納するファームウェアを含む。モジュールは、集合的に又は個別的に、集積回路(IC)、システムオン-チップ(SoC)などのもっと大きなシステムの一部を形成するソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアとして具現される。
【0016】
本明細書に開示する本発明は、複数の列及び複数の行の両者が実質的に同一の速度と効率でアクセスされるように、列優先(row-major)アクセス及び行優先(column-major)アクセスの両者を支援するDRAMアーキテクチァーを提供する。DRAMアーキテクチァーは、二つのトランジスター、一つのキャパシター(2T1C)のDRAMセルの二つの構成、DRAMアーキテクチァーを制御するDRAM命令、及び2T1C DRAMアーキテクチァーの二つの構成を制御し、ある一貫性の問題を解決する内部コントローラを含む。
【0017】
図1は、本発明による2T1C DRAMセル100の第1構成の例示的な実施例の回路図を示す。DRAMセル100は、第1トランジスターT101、第2トランジスターT102,及びキャパシターC101を含む。第1及び第2トランジスターT101、T102は、キャパシターC101に貯蔵された電圧を開放したり、貯蔵したりするスイッチとして動作する。DRAMセル100の構成に対するリード動作は破壊的であることに留意しなければならない。
【0018】
第1トランジスターT101の第1端子(terminal)は、列ビットライン(row bit line; RBL)に連結され、第1トランジスターT101の第2端子は、キャパシターC101の第1端子に連結される。第1トランジスターT101のゲート端子は、列ワードライン(row word line; RWL)に連結される。第2トランジスターT102の第1端子は、行ビットライン(column bit line; CBL)に連結され、第2トランジスターT102の第2端子は、キャパシターC101の第1端子に連結される。第2トランジスターT102のゲート端子は、行ワードライン(column word line; CWL)に連結される。キャパシターC101の第1端子は、ストレージノード(storage node)と見なされる。キャパシターC101の第2端子は、接地(ground)に連結される。
【0019】
図2は、本発明による複数のDRAMセル100を含むDRAMセルアレイ200の例示的な実施例の回路図を示す。
図2に示した例示的な実施例は、4個の列と4個の行に配列される16個のDRAMセル100を含む。DRAMセルアレイ200は、
図2に示したDRAMセル100の個数より多いか、又は少ないDRAMセルを含むことが理解されるべきである。さらに、DRAMセルアレイ200は、
図2に示した複数の列及び/又は複数の行より多いか、又は少ない複数の列及び/又は複数の行を含む。
【0020】
DRAMセルアレイ200は、プリチャージ回路(precharge circuits)201a乃至201h、列ワードラインドライバ(row wordline drivers)202a乃至202d、行ワードラインドライバ(column wordline drivers)203a乃至203d、及び列感知増幅器(row sense amplifiers; row SA)204a乃至204d、列ライトドライバ(row write drivers)205a乃至205d、行感知増幅器206a乃至206d、及び行ライトドライバ207a乃至207dをさらに含む。一実施例において、複数の列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動(differential)増幅器である。
【0021】
プリチャージ回路201a乃至201dは、列ビットライン208a乃至208dにそれぞれ連結される。プリチャージ回路201e乃至201hは、行ビットライン209a乃至209dにそれぞれ連結される。列ワードラインドライバ202a乃至202dの出力は、列ワードライン210a乃至210dにそれぞれ連結される。行ワードラインドライバ203a乃至203dの出力は、行ワードライン211a乃至211dにそれぞれ連結される。列感知増幅器204a乃至204dの入力は、列ビットライン208a乃至208dにそれぞれ連結される。列ライトドライバ205a乃至205dの出力は、列ビットライン208a乃至208dにそれぞれ連結される。行感知増幅器206a乃至206dの入力は、行ビットライン209a乃至209dにそれぞれ連結される。行ライトドライバ207a乃至207dの出力は、行ビットライン209a乃至209dにそれぞれ連結される。
【0022】
図3は、本発明によるDRAMメモリ300の二重の列優先アクセス、行優先アクセスの例示的な実施例の回路図を示す。DRAMメモリ300は、4個の列及び4個の行で配列される16個のDRAMセルアレイ200(
図2参照)を含む。DRAMメモリ300は、
図3に示したDRAMセルアレイ200の個数より多いか、又は少ないDRAMセルアレイを含むことが理解されるべきである。DRAMメモリ300は、
図3に示した複数の列及び/又は複数の行より多いか、又は少ない複数の列及び/又は複数の行を含むのも、また理解されるべきである。列感知増幅器204は行に配列され、DRAMセルアレイ200(即ち、
図2の上側及び下側へのアレイ)によって共有されるように構成される。同様に、行感知増幅器206は列に配列され、DRAMセルアレイ200(即ち、
図3の左側及び右側へのアレイ)によって共有されるように構成される。
【0023】
DRAMメモリ300は、列バッファ(row buffer)301、行バッファ302、マルチプレクサ(multiplexer)とグローバル(global)感知増幅器303、及び内部コントローラ304をさらに含む。列バッファ301は、列感知増幅器204のそれぞれの出力に連結され、そして行バッファ302は、行感知増幅器206のそれぞれの出力に連結される。列バッファ301と行バッファ302は、マルチプレクサとグローバル感知増幅器303に連結される。マルチプレクサとグローバル感知増幅器303は、DRAMメモリ300に格納されるデータを受信するように及び/又はDRAMメモリ300からデータを出力するように構成される。内部コントローラ304は、列バッファ301、行バッファ302、及びマルチプレクサとグローバル感知増幅器303に連結されて、これらのそれぞれの動作を制御する。DRAMメモリ300を形成する多様な構成要素は、一つの集積回路に集積されるか、又は一つ以上のモジュールにより形成される。
【0024】
図4は、本発明による2T1C DRAMセル400の第2構成の例示的な実施例の回路図を示す。DRAMセル400は、第1トランジスターT401、第2トランジスターT402、及びキャパシターC401を含む。第1及び第2トランジスターT401、T402は、キャパシターC401に貯蔵された電圧を開放するようにスイッチとして動作する。DRAMセル400の構成に対するリード動作は、破壊的でないことに留意しなければならないが、列と行が共通のビット及びワードラインを共有するために、同時(concurrent)リード動作はDRAMセル400に許容されない。
【0025】
第1トランジスターT401の第1端子は、ライトビットライン(WBL)に連結され、そして第1トランジスターT401の第2端子は、キャパシターC401の第1端子に連結される。第1トランジスターT401のゲート端子は、ライトワードライン(WWL)に連結される。第2トランジスターT402の第1端子は、列ビットライン/行ワードライン(RBL/CWL)に連結され、そして第2トランジスターT402のゲート端子は、キャパシターC401の第1端子に連結される。第2トランジスターT402の第2端子は、列ワードライン/行ビットライン(RWL/CBL)に連結される。キャパシターC401の第1端子は、ストレージノードと見なされる。キャパシターC401の第2端子は接地に連結される。
【0026】
DRAMセル400の構成は、列リードとライトのアクセス、行リードを提供するが、行基盤のライトは提供しない。ライトは、常に列基盤のライトであり、即ち、列ライト及び行ライトの両者は、常に列優先(row-major)アクセスである。さらに、DRAMセル400は、非破壊的なリードの利点を提供し、且つもっと短い列サイクル時間(row cycle times)を提供する。DRAMセル400に連結される列ビットライン(RBL)と行ワードライン(CWL)は、交替可能であり、そしてDRAMセル400を含むアレイの同一のポート(port)に選択可能(selectably)に連結される。同様に、列ワードライン(RWL)と行ビットライン(CBL)は交替可能であり、そしてDRAMセル400を含むアレイの同一のポートに選択可能に連結される。DRAMセル400が、列優先アクセスとしてリードされると、第2トランジスターT402の第1端子は選択可能に列ビットライン(RBL)に連結され、そして第2トランジスターT402の第2端子は選択可能に列ワードライン(RWL)に連結される。DRAMセル400が、行優先(column-major)アクセスとしてリードされると、第2トランジスターT402の第1端子は選択可能に行ワードライン(CWL)に連結され、そして第2トランジスターT402の第2端子は選択可能に行ビットライン(CBL)に連結される。
【0027】
DRAMセル400が活性化されずに待機モード(standby mode)にあれば、第1トランジスターT401に連結されるライトビットライン(WBL)及びライトワードライン(WWL)ノードの両者と第2トランジスターT402に連結される列ビットライン(RBL)/行ワードライン(CWL)及び列ワードライン(RWL)/行ビットライン(CBL)の両者は、VDDからプリチャージされる。列のリード中に、列ワードライン(RWL)は、VDDから接地に遷移(transition)される。キャパシターC401のストレージノードがハイ(high)であれば、列ビットライン(RBL)上の電圧はVDD-ΔVに、即ち、VDDより低い電圧に下がる(pull down)。キャパシターC401のストレージノードがロー(low)であれば、列ビットライン(RBL)上の電圧はVDDに維持される。列感知増幅器は、列ビットライン(RBL)上の結果電圧(resulting voltage)を感知し、そして格納されたビットの値を出力する。行リードも類似した方式で動作する。
【0028】
図5は、本発明による複数のDRAMセル400を含む、DRAMセルアレイ500の二重の列優先アクセス、行優先アクセスの例示的な実施例の回路図を示す。
図5に示したDRAMセルアレイ500の例示的な実施例は、4個の列と4個の行で配列される16個のDRAMセル400を含み、これらのうち、ただ一つのDRAMセル400を点線で囲んで表示した。DRAMセルアレイ500は、
図5に示したDRAMセル400の個数より多いか、又は少ないDRAMセルを含むことができるのを理解するべきである。さらに、DRAMセルアレイ500は、
図5に示した列及び/又は行より多いか、又は少ない列及び/又は行を含むことができる。
【0029】
DRAMセルアレイ500は、プリチャージ回路501a乃至501l、列ワードラインドライバ502a乃至502d、行ワードラインドライバ503a乃至503d、列感知増幅器504a乃至504d、列ライトドライバ505a乃至505d、行感知増幅器506a乃至506d、及びライトワードラインドライバ507a乃至507dをさらに含む。一実施例において、列感知増幅器及び行感知増幅器は、差動増幅器である。
【0030】
プリチャージ回路501a乃至501dは、ライトビットライン508a乃至508dにそれぞれ連結される。プリチャージ回路501e乃至501hは、列ビットライン/行ワードライン509a乃至509dに連結される。プリチャージ回路501i乃至501lは、列ワードライン/行ビットライン510a乃至510dにそれぞれ連結される。列ワードラインドライバ502a乃至502dの出力は、なお列ワードライン/行ビットライン510a乃至510dにそれぞれ連結される。行ワードラインドライバ503a乃至503dの出力は、列ビットライン/行ワードライン509a乃至509dにそれぞれ連結される。列感知増幅器504a乃至504dの入力は、列ビットライン/行ワードライン509a乃至509dにそれぞれ連結される。列ライトドライバ505a乃至505dの出力は、ライトビットライン508a乃至508dにそれぞれ連結される。行感知増幅器506a乃至506dの入力は、列ライトライン/行ビットライン510a乃至510dにそれぞれ連結される。ライトワードラインドライバ507a乃至507dの出力は、ライトワードライン511a乃至511dにそれぞれ連結される。
【0031】
図6は、本発明によるDRAMメモリ600の二重の列優先アクセス、行優先アクセスの例示的な実施例の回路図を示す。DRAMメモリ600は、4個の列と4個の行で配列される16個のDRAMセルアレイ500(
図5参照)を含む。DRAMメモリ600は、
図6に示したDRAMセルアレイ500の個数より多いか、又は少ないDRAMセルアレイを含むことが理解されるべきである。DRAMメモリ600は、
図6に示した複数の列及び/又は複数の行より多いか、又は少ない列及び/又は行を含むのもまた理解されるべきである。列感知増幅器504は、行に配列され、DRAMセルアレイ500(即ち、
図6の上側及び下側へのアレイ)によって共有されるように構成される。同様に、行感知増幅器506は、列に配列され、DRAMセルアレイ500(即ち、
図6の左側及び右側へのアレイ)によって共有されるように構成される。(DRAMセル400)を利用するDRAMメモリ600に対するライト経路は、(DRAMセル100)を利用するDRAMメモリ300と同一であり、そしてライト経路は、従来のDRAMと同一であり、即ち、ライト経路は、列優先アクセスに基づく。
【0032】
DRAMメモリ600は、列バッファ601、行バッファ602、マルチプレクサとグローバル感知増幅器603、及び内部コントローラ604をさらに含む。列バッファ601は、列感知増幅器504のそれぞれの出力に連結され、そして行バッファ602は、行感知増幅器506のそれぞれの出力に連結される。列バッファ601と行バッファ602は、マルチプレクサとグローバル感知増幅器603に連結される。内部コントローラ604は、列バッファ601、行バッファ602、及びマルチプレクサとグローバル感知増幅器603に連結されて、これらのそれぞれの動作を制御する。DRAMメモリ600を形成する多様な構成要素は、一つの集積回路に集積されるか、又は一つ以上のモジュールから形成される。
【0033】
内部コントローラ304(
図3参照)及び内部コントローラ604(
図6参照)は、列バッファ301、601と行バッファ302、602を利用する命令に応答し、DRAMメモリの列優先アクセスとDRAMメモリの行優先アクセスの両者を提供するように構成される。さらに、内部コントローラ304、604は、列及び行バッファを利用してバッファヒット(buffer hit)の状況においてDRAMメモリ300、600へのアクセスを減らす。
【0034】
列優先アクセス機能のために、内部コントローラ304、604は、選択された列を活性化する列活性化(activate row, ACT_R)命令、選択された列をリードする列リード(activate row, ACT_R)命令、選択された列にライトする列ライト(write row、 WR_R)及び選択された列をプリチャージする列プリチャージ(precharge row、 PRE_R)命令のような新しい命令に応答する。行優先アクセス機能のために、内部コントローラ304、604は、選択された行を活性化する行活性化(activate column, ACT_C)命令、選択された行をリードするリード(read column, RD_C)命令、選択された行にライトする行ライト(write column、 WR_C)命令、及び選択された行をプリチャージする行プリチャージ(precharge column, PRE_C)命令のような新しい命令に応答する。内部コントローラ304、604の両者が応答できる他の命令は、例えば、選択されたバンク(bank)をリフレッュ(refresh)するリフレッシュ(REF)、例えば、選択されたバンクをパワーダウン(power down)するパワーダウン(PD)、そして選択されたバンクをセルフ-リフレッシュ(self-refresh)するセルフ-リフレッシュ(SR)を含むが、これに限定されない。
【0035】
CPU(central processing unit)又はGPU(graphics processing unit)の部分であり得るが、本明細書に開示した内部コントローラ304又は604の部分ではないメモリコントローラは、データの一貫性(consistency)を提供するように構成される。例えば、列(又は行)をリードした後、行(又は列)をリードさせる状況におけるDRAMセル100に対し、DRAMセル100のリード動作は破壊的であり、一回目のリードは、二回目のリードの内容(contents)の一部を破壊する。DRAMセル400に対するリード動作は破壊的でなく、列(又は行)をリードした後に行(又は列)をリードさせる状況は、データの一貫性問題をもたらさない。従って、本明細書に開示されたDRAMアーキテクチャは、同時列活性化(ACT_R)及び行活性化(ACT_C)命令を許容するが、メモリコントローラが列リード(RD_R)及び行リード(RD_C)命令を発行しようとすれば、メモリコントローラ304は、リードの両者に対してリードされたセルに衝突があるかを先に判別でき、そしてメモリコントローラ304は、二回目のリード命令前にプリチャージ命令を伝送して衝突するDRAMセルの内容を復旧(restore)する。
【0036】
図7は、本発明によって列(又は行)をリードした後、行(又は列)がリードされる状況において、DRAMセル100を含むDRAMメモリ300に対するデータの一貫性を提供するプロセス700の例示的な実施例の順序図を示す。プロセス700は、S701にてスタートする。S702において、メモリコントローラが、列からデータの部分集合、そして行からデータの部分集合をリードするように要請される。これは、列リード(RD_R)命令の前に来る列活性化(ACT_R)命令、そして行リード(RD_C)命令の前に来る行活性化(ACT_C)命令を含む。S702において、メモリコントローラは、先ず列活性化(ACT_R)命令を発列して列優先アクセスを利用して、全体の選択された列を活性化する。メモリコントローラは、その次に列リード(RD_R)命令を発列して活性化された列のターゲットデータ(target data)をリードできる。S703において、行活性化(ACT_C)命令及び行リード(RD_C)命令を発列する前に、メモリコントローラは、先ず行リードのために目標となったDRAMセル100中、任意のセルが列リードのために目標となったDRAMセル100中、任意のセルと重なるか、又は衝突するか否かを判別できる。例えば、S703において衝突がなければ、流れは、S704に続けてメモリコントローラは行優先アクセスを利用して行活性化(ACT_C)命令を発行し、そして行リード(RD_C)命令を発行して活性化された行のターゲットデータをリードできる。列と行の両者からデータがメモリコントローラに戻ると(return)、流れはS708で終わる。
【0037】
S703において衝突があれば、流れはS705に続けてメモリコントローラは、列プリチャージ(PRE_R)命令を発列して活性化された列を閉じ、DRAMセルの既存内容(original contents)を復旧する。流れは、S706に続けてメモリコントローラは、その次の行活性化(ACT_C)命令を発行し、そしてS707において行リード(RD_C)命令を発列して選択された行の目標となったデータをリードする。列と行を活性化し、リードする順序は逆になることができ、衝突がある場合、メモリコントローラは、S705において行プリチャージ(PRE_C)命令を発行して、活性化された行を閉じることが理解されるべきである。S706において、メモリコントローラは、その次の列活性化(ACT_R)命令を発行し、そしてS707において行リード(RD_C)命令を発行して選択された列の目標となったデータをリードできる。
【0038】
発生する他のデータの一貫性問題は、列(又は行)ライト動作の後に、行(又は列)リード動作を伴う状況においてDRAMセル100,400の全てに対して生じる。この状況において、ライト動作後のリード動作は、ライト動作がバッファ段階にありえるので、以前のデータをリードできる。このようなデータの一貫性問題を避けるために、外部メモリコントローラは、リード動作前にバッファを閉じる。
【0039】
発生するもう一つのデータの一貫性問題は、列(又は行)ライト動作の後に、行(又は列)ライト動作を伴う状況においてDRAMセル100、400の全てに対して生じる。この状況において、行バッファが、列バッファ前に閉じると(又は行バッファが列バッファより先ず閉じると)、列バッファでライトされた以前のデータは、アレイをアップデートするのに利用される。このようなデータの一貫性問題を避けるために、ライトされた最後のバッファがDRAMメモリを最後に復元するようにメモリコントローラは、ライト動作と同一の順序でプリチャージ命令をスケジューリング(scheduling)する。
【0040】
発生する、もう一つのデータの一貫性問題は、列(又は行)リード動作の後に、行(又は列)ライト動作を伴う状況においてDRAMセル100、400の全てに対して生じる。行バッファが、列バッファ前に閉じると(又は、行バッファが列バッファより先ず閉じると)、以前のデータ(列バッファのリードデータ)がDRAMメモリを復元するのに利用される。このようなデータの一貫性問題を避けるために、外部メモリコントローラは、リード/ライト動作の順序でプリチャージ命令をスケジューリングする。
【0041】
図8は、本発明によって、列優先アクセス及び行優先アクセスを提供するDRAMアレイを含むDIMM(Dual In-line Memory Module)の例示的な実施例を示す。DIMM800は、PCB(Printed Circuit Board)803に実装された(mounted)複数のメモリチップ801及びモジュールコントローラ802を含む。PCB803は、複数のピン804を含む。一実施例において、DIMM800は、一つ以上の偏極溝(polarization notches)805を含む。少なくとも一つのメモリチップ801は、本明細書に開示したDRAMセルアレイ200及び/又はDRAMセルアレイ500と類似の、列優先アクセス及び列優先アクセスを提供する一つ以上のDRAMセルアレイを含む。モジュールコントローラ802は、DIMM800に対する機能の制御を提供する。DIMM800は、SIMM(Single In-line Memory Module)及び/又はDIMMと関連したフォームファクタ(form factor)をさらに含む。DIMM800は、
図8に示したメモリチップ801の個数とモジュールコントローラ802の個数より多いか、又は少ないメモリチップとモジュールコントローラを含むことが理解されるべきである。
【0042】
当業者が認識できるように、本明細書に説明した画期的な概念は、広範囲な応用分野にわたって修正されて変更できる。したがって、請求する発明の範囲は、前述した任意の特定の例示的な教示に制限されてはならず、以下の請求項によって定義される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、効率的な列アクセス、行アクセスのためのDRAMシステムに有用である。
【符号の説明】
【0044】
100、400 DRAMセル
200、500 DRAMセルアレイ
201、501 プリチャージ回路
202、502 列ワードラインドライバ
203、503 行ワードラインドライバ
204、504 列感知増幅器
205、505 列ライトドライバ
206、506 行感知増幅器
207 行ライトドライバ
208 列ビットライン
209 行ビットライン
210 列ワードライン
211 行ワードライン
300、600 DRAMメモリ
301、601 列バッファ
302、602 行バッファ
303、603 マルチプレクサとグローバル感知増幅器
304、604 内部コントローラ
507 ライトワードラインドライバ
510 列ワードライン/行ビットライン
511 ライトワードライン
800 DIMM
801 メモリチップ
802 モジュールコントローラ
803 PCB
804 ピン
805 偏極溝