(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ヘテロ環式化合物、それを含んだ有機発光素子及び電子装置
(51)【国際特許分類】
C07D 519/00 20060101AFI20221104BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221104BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221104BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221104BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
H05B33/22 B
H05B33/22 D
H05B33/14 B
H05B33/12 C
H01L27/32
G09F9/30 365
(21)【出願番号】P 2018142926
(22)【出願日】2018-07-30
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】10-2017-0100434
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】沈 文 基
(72)【発明者】
【氏名】朴 俊 河
(72)【発明者】
【氏名】李 孝 榮
(72)【発明者】
【氏名】金 榮 國
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲暫▼ 煥
【審査官】東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/126270(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1627691(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0286249(US,A1)
【文献】特開2003-045662(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0200902(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0318510(US,A1)
【文献】特開2016-006039(JP,A)
【文献】特開2010-182637(JP,A)
【文献】特開2017-031131(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0156013(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0104718(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で示されるヘテロ環式化合物。
【化1】
前記化学式1で、
L
1
は、置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環式基、または置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環式基であり、
L
2
及びL
3
は、互いに独立して、置換もしくは非置換のフェニレン基、または置換若しくは非置換のナフチレン基であり、
a1は、0、1、2、3、4または5であり、
a2及びa3は、互いに独立して、1または2であり、
a1が0である場合、
L
1
は、単結合であり、
a1が2以上である場合、L
1は、互いに同一であり又は異なっており、a2が
2である場合、L
2は、互いに同一であり又は異なっており、a3が
2である場合、L
3は、互いに同一であり又は異なっており
、
R
1
からR
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)から選択され、
R
1
は、置換もしくは非置換のトリフェニレニル基、置換もしくは非置換のフェナントロリニル基及び置換もしくは非置換のアザトリフェニレニル基ではなく、
L
1
は、置換もしくは非置換のトリフェニレニレン基、置換もしくは非置換のフェナントロリニレン基及び置換もしくは非置換のアザトリフェニレニレン基ではなく、
b1からb3は、互いに独立して、1、2、3、4、5、6または7であり、
b1が2以上である場合、R
1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、b2が2以上である場合、R
2は、互いに同一であっても異なっていてもよく、b3が2以上である場合、R
3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
前記置換されたC
3-C
60炭素環式基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環式基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
1-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニル基及びターフェニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)から選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);から選択され、
前記Q
1からQ
3、Q
11からQ
13、Q
21からQ
23及びQ
31からQ
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニル基及びターフェニル基から選択される。
【請求項2】
L
1
は、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタセニレン基、ヘキサセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、カルバゾリレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、オキサジアゾリレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基及びジベンゾカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基のうち少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタセニレン基、ヘキサセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、カルバゾリレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、オキサジアゾリレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基及びジベンゾカルバゾリレン基;から選択されることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【請求項3】
前記a1は、0であり、
前記a2及びa3のうち少なくとも一つは1であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【請求項4】
前記a1、a2及びa3は、いずれも1であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【請求項5】
R
1からR
3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基
、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基
、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基
、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基
、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32)のうち少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基
、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基
、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基;並びに
-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)及び-P(=O)(Q
1)(Q
2);から選択され、
前記前記Q
1からQ
3及びQ
31からQ
33は、互いに独立して、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基及びターフェニル基;並びに
-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換されたフェニル基から選択されたことを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【請求項6】
R
1は、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;並びに
下記化学式5-1から5-
20で示される官能基;から選択され、
R
2及びR
3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;から選択されることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【化2】
【化3】
【化4】
前記化学式5-1から5-
20で、
Y
31は、O、S、C(Z
33)(Z
34)、N(Z
35)またはSi(Z
36)(Z
37)であり、
Z
31からZ
37は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基
、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基
、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基から選択され、
e2は、0から2の整数であり、
e3は、0から3の整数であり、
e4は、0から4の整数であり、
e5は、0から5の整数であり、
e6は、0から6の整数であり、
e7は、0から7の整数であり、
e9は、0から9の整数であり、
*及び*’は、隣接する原子との結合サイトである。
【請求項7】
【請求項8】
前記化学式1のトリアジンコアを中心に対称構造を有することを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【請求項9】
化学式1は、下記化学式1-1から1-4で示されることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【請求項10】
前記化学式1-1から1-4で、
前記L
2及びL
3は、互いに同一であることを特徴とする請求項10に記載のヘテロ環式化合物。
【請求項11】
下記化合物1から
124のうち一つであることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ環式化合物。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【請求項12】
第1電極と、
前記第1電極に対向した第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置されて発光層を含む有機層と、を含み、
前記有機層は、請求項1から
11のうちいずれか1項に記載のヘテロ環式化合物を1種以上含んだ有機発光素子。
【請求項13】
前記第1電極がアノードであり、
前記第2電極がカソードであり、
前記有機層が、i)前記第1電極と前記発光層との間に配置され、正孔注入層、正孔輸送層、バッファ層、電子阻止層、またはそれらの任意の組み合わせを含む正孔輸送領域及びii)前記発光層と前記第2電極との間に配置され、正孔阻止層、電子輸送層、電子注
入層、またはそれらの任意の組み合わせを含む電子輸送領域を含むことを特徴とする請求項
12に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記電子輸送領域に、前記ヘテロ環式化合物が1種以上含まれていることを特徴とする請求項
13に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記電子輸送領域が電子輸送層及び電子注入層を含み、
前記電子輸送層に、前記ヘテロ環式化合物が1種以上含まれていることを特徴とする請求項
13に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記正孔輸送領域は、p型ドーパントを含み、
前記p型ドーパントは、シアノ基含有化合物を含むことを特徴とする請求項
13に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記発光層は、ピレン含有化合物、アリールアミン系化合物及びスチリル系化合物のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項
12に記載の有機発光素子。
【請求項18】
前記発光層は、第1の色の光を放出する第1発光層であり、
前記第1電極と第2電極との間に、i)第2の色の光を放出する少なくとも1層の第2発光層が追加して含まれているか、あるいはii)第2の色の光を放出する少なくとも1層の第2発光層及び少なくとも第3の色の光を放出する少なくとも1層の第3発光層が追加して含まれており、
前記第1の色の光の最大発光波長、前記第2の色の光の最大発光波長及び前記第3の色の光の最大発光波長は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
前記第1の色の光と前記第2の色の光とが互いに混合された混色光、または前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光が互いに混合された混色光が放出されることを特徴とする請求項
12に記載の有機発光素子。
【請求項19】
薄膜トランジスタ及び請求項
12に記載の有機発光素子を含み、
前記薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極、活性層及びゲート電極を含み、
前記有機発光素子の第1電極と、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のうち一つとが互いに電気的に連結されている電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロ環式化合物及びそれを含む有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、自発光型素子であり、視野角が広く、コントラストにすぐれるだけではなく、応答時間が短く、輝度、駆動電圧及び応答速度の特性にすぐれ、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
有機発光素子は、基板上部に第1電極が配置されており、第1電極上部に、正孔輸送領域、発光層、電子輸送領域及び第2電極が順次に形成されている構造を有することができる。第1電極から注入された正孔は、正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、第2電極から注入された電子は、電子輸送領域を経由して発光層に移動する。正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子を生成する。励起子が励起状態から基底状態に変わりながら光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、新規なヘテロ環式化合物及びそれを含んだ有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、下記化学式1で示されるヘテロ環式化合物が提供される。
【化1】
化学式1で、
L
1からL
3は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環式基、または置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環式基であり、
a1からa3は、互いに独立して、0、1、2、3、4または5であり、
a1からa3がそれぞれ0である場合、L
1からL
3は、それぞれ単結合であり、
a1が2以上である場合、L
1は、互いに同一であり又は異なっており、a2が2以上である場合、L
2は、互いに同一であり又は異なっており、a3が2以上である場合、L
3は、互いに同一であり又は異なっており、
a1からa3は、式a1+a2+a3≧1を満足し、R
1からR
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)から選択され、
b1からb3は、互いに独立して、1、2、3、4、5、6または7であり、
b1が2以上である場合、R
1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、b2が2以上である場合、R
2は、互いに同一であっても異なっていてもよく、b3が2以上である場合、R
3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
置換されたC
3-C
60炭素環式基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環式基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
1-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニル基及びターフェニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)から選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);から選択されて、
Q
1からQ
3、Q
11からQ
13、Q
21からQ
23、及びQ
31からQ
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニル基及びターフェニル基から選択される。
【0007】
他の実施形態によれば、第1電極と、第1電極に対向された第2電極と、第1電極及び第2電極の間に配置されて発光層を含んだ有機層と、を含み、有機層が、前述のようなヘテロ環式化合物を1種以上含んだ有機発光素子が提供される。
【0008】
さらに他の実施形態によれば、薄膜トランジスタ及び有機発光素子を含み、薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極、活性層及びゲート電極を含み、有機発光素子の第1電極と、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のうち一つとが互いに電気的に連結されている電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の、ヘテロ環式化合物を含んだ有機発光素子は、低駆動電圧、高効率及び長寿命の特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図2】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図3】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図4】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[置換基の一般的な定義]
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1から60の線状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基はC1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0012】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素二重結合を含んだ炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0013】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素三重結合を含んだ炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0014】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0015】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、炭素数3から10の一価飽和炭化水素単環式基を意味し、その具体例な例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0016】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、Si、P及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含んだ炭素数1から10の一価単環式基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0017】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、炭素数3から10の一価単環式基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0018】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、Si、P及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含んだ炭素数1から10の一価単環式基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0019】
本明細書において、C6-C60アリール基は、炭素数6から60の炭素環式芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、炭素数6から60の炭素環式芳香族系を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などが含まれる。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されてもよい。
【0020】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、N、O、Si、P及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、炭素数1から60のヘテロ環式芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、Si、P及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、炭素数1から60のヘテロ環式芳香族系を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などが含まれる。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されてもよい。
【0021】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、C6-C60アリール基である)を示し、C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、C6-C60アリール基である)を示す。
【0022】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数8から60を有する)を意味する。一価非芳香族縮合多環基の具体例には、フルオレニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0023】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素以外に、N、O、Si、P及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1から60を有する)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、カルバゾリル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0024】
本明細書において、C5-C60炭素環式基とは、環形成原子として炭素のみを含んだ炭素数5から60の単環式基または多環式基を意味する。C5-C60炭素環式基は、芳香族炭素環式基または非芳香族炭素環式基であってもよい。C5-C60炭素環式基は、ベンゼンのような環、フェニル基のような一価基、またはフェニレン基のような二価基であってもよい。または、C5-C60炭素環式基に連結された置換基の個数により、C5-C60炭素環式基は、三価基または四価基であってもよいというように、多様な変形が可能である。
【0025】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環式基とは、C5-C60炭素環式基と同一構造を有するが、環形成原子として、炭素(炭素数は、1から60でもある)以外に、N、O、Si、P及びSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む基を意味する。
【0026】
本明細書において、置換されたC5-C60炭素環式基、置換されたC1-C60ヘテロ環式基、置換されたC3-C10シクロアルキレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換されたC3-C10シクロアルケニレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換されたC6-C60アリーレン基、置換されたC1-C60ヘテロアリーレン基、置換された二価非芳香族縮合多環基、置換された二価非芳香族ヘテロ縮合多環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)から選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);から選択され、
Q11からQ13、Q21からQ23、及びQ31からQ33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニル基及びターフェニル基から選択されてもよい。
【0027】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0028】
本明細書において、「ビフェニル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0029】
本明細書において、「ターフェニル基」は、「ビフェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0030】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該化学式において隣接する原子との結合サイトを意味する。
【0031】
本発明のヘテロ環式化合物は、下記化学式1で示される。
【化2】
前記化学式1で、
L
1からL
3は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC
3-C
60炭素環式基または置換もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環式基であってもよい。
【0032】
一実施形態によれば、前記L1からL3は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタセニレン基、ヘキサセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、カルバゾリレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、オキサジアゾリレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基及びジベンゾカルバゾリレン基;並びに
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基のうち少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタセニレン基、ヘキサセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、カルバゾリレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、オキサジアゾリレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基及びジベンゾカルバゾリレン基;から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0033】
例えば、L
1からL
3は、互いに独立して、下記化学式3-1から3-41で示される官能基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0034】
化学式3-1から3-41で、
Y1は、O、S、C(Z3)(Z4)、N(Z5)またはSi(Z6)(Z7)であり、
Z1からZ7は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基から選択され、
d2は、0から2の整数であり、
d3は、0から3の整数であり、
d4は、0から4の整数であり、
d5は、0から5の整数であり、
d6は、0から6の整数であり、
d8は、0から8の整数であり、
*及び*’は、隣接する原子との結合サイトである。
【0035】
化学式1で、a1からa3は、互いに独立して、0、1、2、3、4または5であってもよく、a1からa3がそれぞれ0である場合、L1からL3は、それぞれ単結合である。
【0036】
一実施形態によれば、a1は、0であり、a2及びa3のうち少なくとも一つは、1から5の整数であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0037】
例えば、a1は、0であり、a2及びa3のうち少なくとも一つは、1であってもよい。例えば、a1は、0であり、a2及びa3は、いずれも1であってもよい。例えば、a1及びa3は、0であり、a2は、1であってもよい。例えば、a1及びa2は、0であり、a3は、1であってもよい。
【0038】
他の実施形態によれば、a1は、1から5の整数であり、a2及びa3は、いずれも0であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0039】
例えば、a1は、1であり、a2及びa3は、いずれも0であってもよい。例えば、a1は、1であり、a2は、0であり、a3は、1であってもよい。例えば、a1は、1であり、a2は、1であり、a3は、0でであってもよい。
【0040】
他の実施形態によれば、a1、a2及びa3は、それぞれ1から5の整数であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0041】
例えば、a1、a2及びa3は、いずれも1であってもよい。例えば、a1、a2及びa3は、互いに独立して、1、2、または3であってもよい。
【0042】
化学式1で、a1が2以上である場合、L1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、a2が2以上である場合、L2は、互いに同一であっても異なっていてもよく、a3が2以上である場合、L3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0043】
化学式1で、a1からa3は、式a1+a2+a3≧1を満足してもよい。すなわち、a1からa3は、互いに独立して、0から5の整数であって、この式を満足してもよい。
【0044】
化学式1で、R1からR3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)及び-P(=O)(Q1)(Q2)から選択されてもよい。
【0045】
一実施形態によれば、R1からR3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうち少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基;並びに
-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)及び-P(=O)(Q1)(Q2);から選択されてもよいが、それらに限定されるものではなく、
Q1からQ3、及びQ31からQ33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基及びターフェニル基;並びに
-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換されたフェニル基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0046】
例えば、R1からR3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、カルバゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、カルバゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)及び-B(Q31)(Q32)のうち少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、カルバゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)及び-P(=O)(Q1)(Q2);から選択されてもよく、
Q1からQ3、及びQ31からQ33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基及びターフェニル基;並びに
-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換されたフェニル基から選択されてもよい。
【0047】
例えば、R
1からR
3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;並びに
下記化学式5-1から5-73で示される官能基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0048】
化学式5-1から5-73で、
Y31は、O、S、C(Z33)(Z34)、N(Z35)またはSi(Z36)(Z37)であり、
Z31からZ37は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、チアジアゾリル基及びイミダゾピリジニル基から選択され、
e2は、0から2の整数であり、
e3は、0から3の整数であり、
e4は、0から4の整数であり、
e5は、0から5の整数であり、
e6は、0から6の整数であり、
e7は、0から7の整数であり、
e9は、0から9の整数であり、
*及び*’は、隣接する原子との結合サイトである。
【0049】
例えば、R1は、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;並びに
化学式5-1から5-24で示される官能基;から選択されてもよく、
R2及びR3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;から選択されてもよい。
【0050】
化学式1で、b1からb3は、互いに独立して、1、2、3、4、5、6または7であってもよい。
【0051】
一実施形態によれば、b1からb3は、互いに独立して、1、2、3、4または5であってもよいが、それらに限定されるものではない。例えば、b1からb3は、互いに独立して、1、2、または3であってもよい。例えば、b1からb3は、互いに独立して、1または2であってもよい。
【0052】
化学式1で、b1が2以上である場合、R1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、b2が2以上である場合、R2は、互いに同一であっても異なっていてもよく、b3が2以上である場合、R3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0053】
【0054】
化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、化学式1のトリアジンコアを中心に対称構造を有してもよい。
【0055】
一実施形態によれば、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、下記化学式2で示されるヘテロ環式化合物において、A軸を中心に対称構造を有してもよい。
【化13】
【0056】
化学式1は、下記化学式1-1から1-4でも示される。
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0057】
化学式1-1から1-4で、L1からL3、a1からa3、R1からR3及びb1からb3についての定義は、それぞれ前述の通りである。
【0058】
化学式1-1から1-4で、L2及びL3は、互いに同一であってもよい。
【0059】
化学式1-1から1-4で、L2及びL3は、互いに異なっていてもよい。
【0060】
化学式1-1から1-4で、a1からa3、R
1からR
3及びb1からb3は、前述の通りであり、
L
1からL
3は、互いに独立して、下記化学式4-1から4-11で示される官能基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【化18】
【0061】
*及び*’は、隣接する原子との結合サイトである。
【0062】
化学式1-1から1-4で、
L
1からL
3、a1からa3及びb1からb3は、それぞれ前述の通りであり、
R
1は、下記化学式6-1から6-12で示される官能基から選択され、
R
2及びR
3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【化19】
【0063】
*は、隣接する原子との結合サイトである。
【0064】
化学式1-1から1-4で、
a1からa3、b1からb3は、前述の通りであり、
L1からL3は、互いに独立して、化学式4-1から4-11で示される官能基から選択され、
R1は、化学式6-1から6-12で示される官能基から選択され、
R2及びR3は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;から選択されてもよい。
【0065】
化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、下記化合物1から141のいずれかであってもよいが、それらに限定されるものではない。
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【0066】
化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、ヘテロ環を含むことにより、ガラス転移温度(Tg)及び融点が高くなり、発光素子駆動時、発生するジュール熱に対する耐熱性及び高温環境下での耐性が増大する。
【0067】
化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、トリアジンに、フェナントロリニル基が少なくとも2個結合されることにより、1個のフェナントロリンを含む2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)または4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)に比べ、強い電子輸送特性を有する。また、化学式1で示されるヘテロ環式化合物に含まれるフェナントロリン基は、2個の窒素原子が、金属原子と配位結合を形成することができるために、電子輸送層において、電子注入特性改善のために含まれるn型ドーパントと錯体を形成することができ、その結果、層間の混和性が改善されて抵抗が低くなり、駆動電圧の低下が期待できる。それだけではなく、負極側から発光層に拡散される金属原子との錯体形成を介して、金属拡散防止層を形成し、その結果、暗点のような不良を減らし、高効率、高輝度を有することができる。
【0068】
また、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、中心コアとして、トリアジン基を採用する。トリアジン構造は、六員環を構成する原子として、電気陰性度が高い窒素原子(N)を3個有する電子欠乏性(electron deficient)基であり、電子輸送材料として、汎用される。また、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、3個の置換されたフェナントロリン環の水素原子と、トリアジンの窒素原子とが水素結合を形成して、化合物全体として平面性を維持する。その結果、積層時、稠密なパッキング(dense packing)が可能である。また、電荷の移動に関する観点では、分子間の間隔だけではなく、分子間の対面型のオーバーラップ(cofacial overlap)の傾向が高いため、電子カップリング(electronic coupling)値が極大化され、電荷輸送能が高くなる。トリアジン構造は、隣接分子と対面型のオーバーラップを誘導する特性を有するので、電子輸送材料として優秀な電子輸送能を発揮することができる。したがって、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、フェナントロリン基がトリアジン基に連結されることにより、ピリミジンやベンゼンなどに連結された場合に比べ、さらに電子輸送能にすぐれる。
【0069】
さらには、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、フェナントロリン基がリンカー(例えば、L2及び/またはL3)を介してトリアジンに結合した構造を有する。一方、トリアジンとフェナントロリンが直接結合する場合、トリアジン基とフェナントロリン基が電子分布を引っぱって結合に寄与する電子密度が低くなるので、結合が弱くなる可能性がある。しかし、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、少なくとも1つのリンカーを介してフェナントロリン基がトリアジン基に結合することにより、トリアジン基とフェナントロリン基のとの電子分布が補強され、化合物の構造的安定性をもたらすことができる。
【0070】
化学式1で示されるヘテロ環式化合物の合成方法は、後述する実施例を参照し、当業者が認識することができるであろう。
【0071】
化学式1で示されるヘテロ環式化合物のうち少なくとも一つは、有機発光素子の1対の電極間に使用されてもよい。例えば、ヘテロ環式化合物は、正孔輸送領域、電子輸送領域及び発光層のうち少なくとも一つに含まれてもよい。または、化学式1で示されるヘテロ環式化合物は、有機発光素子の1対の電極の外側に位置するキャッピング層材料として使用されてもよい。
【0072】
したがって、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置され、発光層を含んだ有機層と、を含み、有機層は、ヘテロ環式化合物を1種以上含んだ有機発光素子が提供される。
【0073】
本明細書において、「(有機層)がヘテロ環式化合物を1種以上含む」というのは、「(有機層)が化学式1の範疇に属する1種のヘテロ環式化合物、または互いに異なる2種以上のヘテロ環式化合物を含んでもよい」と解釈されてもよい。
【0074】
例えば、第1電極がアノードであり、第2電極がカソードであり、有機層は、第1電極と発光層との間に介在された正孔輸送領域及び発光層と第2電極との間に介在された電子輸送領域をさらに含み、正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはそれらの任意の組み合わせを含み、電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0075】
一実施形態によれば、電子輸送領域に、ヘテロ環式化合物が1種以上含まれてもよい。
【0076】
例えば、電子輸送領域が、電子輸送層及び電子注入層を含み、電子輸送層に、ヘテロ環式化合物が1種以上含まれてもよい。
【0077】
正孔輸送領域は、p型ドーパントを含み、p型ドーパントは、後述するシアノ基含有化合物を含んでもよい。
【0078】
発光層は、ピレン含有化合物、アリールアミン系化合物及びスチリル系化合物のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0079】
有機発光素子において、発光層は、第1の色の光を放出する第1発光層であり、
第1電極と第2電極との間に、i)第2の色の光を放出する少なくとも1層の第2発光層が追加して含まれているか、あるいはii)第2の色の光を放出する少なくとも1層の第2発光層及び第3の色の光を放出する少なくとも1層の第3発光層が追加して含まれており、
第1の色の光の最大発光波長、第2の色の光の最大発光波長及び第3の色の光の最大発光波長は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
第1の色の光と第2の色の光とが互いに混合された混色光、または第1の色の光、第2の色の光及び第3の色の光が互いに混合された混色光が放出される。
【0080】
有機発光素子は、発光層で生成された光が、第1電極を経て外部に取り出される経路に配置された第1キャッピング層及び発光層で生成された光が、第2電極を経て外部に取り出される経路に配置された第2キャッピング層のうち少なくとも1層をさらに含み、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層が、化学式1で示されるヘテロ環式化合物を1種以上含んでもよい。
【0081】
例えば、有機発光素子は、i)第1電極、有機層、第2電極及び第2キャッピング層が順次に積層された構造、ii)第1キャッピング層、第1電極、有機層及び第2電極が順次に積層された構造またはiii)第1キャッピング層、第1電極、有機層、第2電極及び第2キャッピング層が順次に積層された構造を有し、第1キャッピング層及び第2キャッピング層のうち少なくとも1層に、ヘテロ環式化合物が含まれてもよい。
【0082】
一実施形態によれば、薄膜トランジスタ及び有機発光素子を含み、
薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極、活性層及びゲート電極を含み、
有機発光素子の第1電極と、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のうち一つとが互いに電気的に連結されている電子装置が提供される。
【0083】
本明細書において、「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に介在された単一及び/または複数の全層を示す用語である。「有機層」の層に含まれた物質は、有機物に限定されるものではない。
【0084】
[
図1についての説明]
図1は、本発明の一実施形態による有機発光素子10の断面図を概略的に図示したものである。有機発光素子10は、第1電極110、有機層150及び第2電極190を含む。
【0085】
以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態による有機発光素子10の構造及び製造方法について説明すれば、次の通りである。
【0086】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下部、または第2電極190の上部には、基板が追加して配置されてもよい。基板としては、機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性にすぐれるガラス基板またはプラスチック基板を使用してもよい。
【0087】
第1電極110は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成される。第1電極110がアノードである場合、正孔注入が容易であるように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質から選択されてもよい。
【0088】
第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極であってもよい。透過型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)及びそれらの任意の組み合わせから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。または、半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)及びそれらの任意の組み合わせから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0089】
第1電極110は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有してもよい。例えば、第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有してもよいが、それに限定されるものではない。
【0090】
[有機層150]
第1電極110上部には、有機層150が配置されている。有機層150は、発光層を含む。
【0091】
有機層150は、第1電極110と発光層との間に介在された正孔輸送領域及び発光層と第2電極190との間に介在された電子輸送領域をさらに含んでもよい。
【0092】
[有機層150における正孔輸送領域]
正孔輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有してもよい。
【0093】
正孔輸送領域は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光補助層及び電子阻止層(EBL)から選択された少なくとも1層を含んでもよい。
【0094】
例えば、正孔輸送領域は、複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造を有するか、あるいは第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有してもよいが、それらに限定されるものではない。
【0095】
正孔輸送領域は、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、メチル化されたNPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式201で示される化合物及び下記化学式202で示される化合物から選択された少なくとも一つを含んでもよい。
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0096】
化学式201及び202で、
L201からL204は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択され、
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、置換もしくは非置換のC1-C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2-C20アルケニレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択され、
xa1からxa4は、互いに独立して、0から3の整数であり、
xa5は、1から10の整数であり、
R201からR204及びQ201は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択されてもよい。
【0097】
例えば、化学式202で、R201とR202は、選択的に、単結合、ジメチルメチレン基またはジフェニルメチレン基を介して互いに連結され、R203とR204は、選択的に、単結合、ジメチルメチレン基またはジフェニルメチレン基を介して互いに連結されてもよい。
【0098】
一実施形態によれば、化学式201及び202で、
L201からL205は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)及び-N(Q31)(Q32)から選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;から選択され、
Q31からQ33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択されてもよい。
【0099】
他の実施形態によれば、xa1からxa4は、互いに独立して、0、1または2であってもよい。
【0100】
さらに他の実施形態によれば、xa5は、1、2、3または4であってもよい。
【0101】
さらに他の実施形態によれば、R201からR204及びQ201は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)及び-N(Q31)(Q32)から選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;から選択されてもよい。
【0102】
Q31からQ33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0103】
さらに他の実施形態によれば、化学式201で、R201からR203のうち少なくとも一つは、互いに独立して、
フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基から選択された少なくとも一つで置換された、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0104】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で、i)R201とR202は、単結合を介して互いに連結されてもよく、かつ/またはii)R203とR204は、単結合を介して互いに連結されてもよい。
【0105】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で、R201からR204のうち少なくとも一つは、
カルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基から選択された少なくとも一つで置換されたカルバゾリル基;から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0106】
化学式201で示される化合物は、下記化学式201Aでも示される。
【化42】
【0107】
例えば、化学式201で示される化合物は、下記化学式201A(1)でも示されるが、それに限定されるものではない。
【化43】
【0108】
さらに他の例として、化学式201で示される化合物は、下記化学式201A-1でも示されるが、それに限定されるものではない。
【化44】
【0109】
一方、化学式202で示される化合物は、下記化学式202Aでも示される。
【化45】
【0110】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で示される化合物は、下記化学式202A-1でも示される。
【化46】
【0111】
化学式201A,201A(1),201A-1,202A及び202A-1で、L201からL203、xa1からxa3、xa5及びR202からR204についての説明は、本明細書に記載されたところを参照し、R211及びR212についての説明は、本明細書におけるR203についての説明を参照する。また、R213からR217は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基から選択されてもよい。
【0112】
正孔輸送領域は、下記化合物HT1からHT39から選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【0113】
正孔輸送領域の厚みは、約10nmから約1,000nm、例えば、約10nmから約100nmであってもよい。正孔輸送領域が、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層を含むのであるならば、正孔注入層の厚みは、約10nmから約900nm、例えば、約10nmから約1000nmであり、正孔輸送層の厚みは、約5nmから約200nmであり、例えば、約10nmから約150nmであってもよい。正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0114】
発光補助層は、発光層で放出される光の波長による光学的共振距離を補償し、光放出効率を上昇させる役割を行う層であり、電子阻止層は、電子輸送領域からの電子注入を防止する役割を行う層である。発光補助層及び電子阻止層には、前述のような物質が含まれてもよい。
【0115】
[p型ドーパント]
正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質をさらに含んでもよい。電荷生成物質は、正孔輸送領域内に、均一にまたは不均一にも分散している。
【0116】
電荷生成物質は、例えば、p型ドーパントでもある。
【0117】
一実施形態によれば、p型ドーパントのLUMO(lowest unoccupied molecular orbital)は、-3.5eV以下であってもよい。
【0118】
p型ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物から選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0119】
例えば、p型ドーパントは、
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)のようなキノン誘導体;
タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;
1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN);並びに
下記化学式221で示される化合物;から選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化54】
【化55】
【化56】
【0120】
化学式221で、
R221からR223は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択されるが、R221からR223のうち少なくとも一つは、シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、-Fで置換されたC1-C20アルキル基、-Clで置換されたC1-C20アルキル基、-Brで置換されたC1-C20アルキル基及び-Iで置換されたC1-C20アルキル基から選択された少なくとも1つの置換基を有する。
【0121】
[有機層150における発光層]
有機発光素子10がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、個別の副画素ごとに、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層にパターニングされてもよい。また、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層から選択された2以上の層が接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質から選択された2以上の物質が、層の区分なく混合された構造を有し、白色光を放出してもよい。
【0122】
発光層は、ホスト及びドーパントを含んでもよい。ドーパントは、リン光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0123】
発光層のうちドーパントの含量は、一般的に、ホスト約100重量部に対して、約0.01から約15重量部の範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
【0124】
発光層の厚みは、約10nmから約100nm、例えば、約20nmから約60nmであってもよい。発光層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。
【0125】
[発光層におけるホスト]
ホストは、下記化学式301で示される化合物を含んでもよい。
【化57】
【0126】
化学式301で、
Ar301は、置換もしくは非置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
xb11は、1、2または3であり、
L301は、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択され、
xb1は、0から5の整数であり、
R301は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)及び-P(=O)(Q301)(Q302)から選択され、
xb21は、1から5の整数であり、
Q301からQ303は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0127】
一実施形態によれば、化学式301でAr301は、
ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)から選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基;から選択され、
Q31からQ33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0128】
化学式301で、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介して互いに連結される。
【0129】
他の実施形態によれば、化学式301で示される化合物は、下記化学式301-1または301-2でも示される。
【化58】
【化59】
【0130】
化学式301-1から301-2で、
A301からA304は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピリジン、ピリミジン、インデン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、インドール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ナフトフラン、ベンゾナフトフラン、ジナフトフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ナフトチオフェン、ベンゾナフトチオフェン及びジナフトチオフェンのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基から選択され、
X301は、O、SまたはN-[(L304)xb4-R304]であり、
R311からR314は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)から選択され、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L301、xb1、R301、及びQ31からQ33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
L302からL304についての説明は、互いに独立して、L301についての説明を参照し、
xb2からxb4についての説明は、互いに独立して、xb1についての説明を参照し、
R302からR304についての説明は、互いに独立して、R301についての説明を参照する。
【0131】
例えば、化学式301,301-1及び301-2で、L301からL304は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)から選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;から選択される。Q31からQ33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0132】
他の例として、化学式301,301-1及び301-2で、R301からR304は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)から選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;から選択される。Q31からQ33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0133】
さらに他の例として、ホストは、アルカリ土類金属錯体を含んでもよい。例えば、ホストは、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体及びZn錯体から選択されてもよい。
【0134】
ホストは、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフタレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼン(mCP)、1,3,5-トリ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(TCP)、及び下記化合物H1からH55から選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
【化66】
【0135】
[有機層150における発光層に含まれたリン光ドーパント]
リン光ドーパントは、下記化学式401で示される有機金属錯体を含んでもよい:
【化67】
【化68】
【0136】
化学式401及び402で、
Mは、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ロジウム(Rh)及びツリウム(Tm)から選択され、
L401は、化学式402で示されるリガンドから選択され、xc1は、1、2または3であり、xc1が2以上である場合、2以上のL401は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
L402は、有機リガンドであり、xc2は、0から4の整数であり、xc2が2以上である場合、2以上のL402は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
X401からX404は、互いに独立して、窒素または炭素であり、
X401とX403は、単結合または二重結合を介して連結され、X402とX404は、単結合または二重結合を介して連結され、
A401及びA402は、互いに独立して、C5-C60炭素環式基またはC1-C60ヘテロ環式基であり、
X405は、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q411)-*’、*-C(Q411)(Q412)-*’、*-C(Q411)=C(Q412)-*’、*-C(Q411)=*’または*=C=*’であり、Q411及びQ412は、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基またはナフチル基であり、
X406は、単結合、OまたはSであり、
R401及びR402は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは非置換のC1-C20アルキル基、置換もしくは非置換のC1-C20アルコキシ基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)、及び-P(=O)(Q401)(Q402)から選択され、Q401からQ403は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、C6-C20アリール基及びC1-C20ヘテロアリール基から選択され、
xc11及びxc12は、互いに独立して、0から10の整数であり、
化学式402で、*及び*’は、化学式401におけるMとの結合サイトである。
【0137】
一実施形態によれば、化学式402で、A401及びA402は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、インデン、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、キノキサリン、キナゾリン、カルバゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基から選択されてもよい。
【0138】
他の実施形態によれば、化学式402で、i)X401は、窒素であり、X402は、炭素であってもよいし、あるいはii)X401とX402とがいずれも窒素であってもよい。
【0139】
さらに他の実施形態によれば、化学式402で、R401及びR402は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、フェニル基、ナフチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基及びノルボルネニル基から選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基から選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)及び-P(=O)(Q401)(Q402);から選択され、
Q401からQ403は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基及びナフチル基から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0140】
さらに他の実施形態によれば、化学式401で、xc1が2以上である場合、2以上のL401において2個のA401は、選択的に、連結基であるX407を介して互いに連結されてもよいし、あるいは2個のA402は、選択的に、連結基であるX408を介して互いに連結されてもよい(下記化合物PD1からPD4、及びPD7参照)。X407及びX408は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q413)-*’、*-C(Q413)(Q414)-*’または*-C(Q413)=C(Q414)-*’(ここで、Q413及びQ414は、互いに独立して、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基またはナフチル基)であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0141】
化学式401でL402は、任意の一価、二価または三価の有機リガンドであってもよい。例えば、L402は、ハロゲン、ジケトン(例えば、アセチルアセトネート)、カルボン酸(例えば、ピコリネート)、-C(=O)、イソニトリル、-CN及びホスホロス(例えば、ホスフィン(phosphine)、ホスファイト(phosphite)から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0142】
また、リン光ドーパントは、例えば、下記化合物PD1からPD25から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【化69】
【化70】
【化71】
【0143】
[発光層における蛍光ドーパント]
蛍光ドーパントは、アリールアミン化合物またはスチリルアミン化合物を含んでもよい。
【0144】
蛍光ドーパントは、下記化学式501で示される化合物を含んでもよい。
【化72】
【0145】
化学式501で、
Ar501は、置換もしくは非置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
L501からL503は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択され、
xd1からxd3は、互いに独立して、0から3の整数であり、
R501及びR502は、互いに独立して、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択され、
xd4は、1から6の整数である。
【0146】
一実施形態によれば、化学式501でAr501は、
ナフタレン、ヘプタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン及びインデノフェナントレンのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、ヘプタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン及びインデノフェナントレンのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基;から選択されてもよい。
【0147】
他の実施形態によれば、化学式501で、L501からL503は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基から選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基;から選択されてもよい。
【0148】
さらに他の実施形態によれば、化学式501で、R501及びR502は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)から選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;から選択され、
Q31からQ33は、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択されてもよい。
【0149】
さらに他の実施形態によれば、化学式501でxd4は、2であってもよいが、それに限定されるものではない。
【0150】
例えば、蛍光ドーパントは、下記化合物FD1からFD22から選択されてもよい。
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】
【化81】
【0151】
また、蛍光ドーパントは、下記化合物から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【化82】
【化83】
【0152】
[有機層150における電子輸送領域]
電子輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有してもよい。
【0153】
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層(ETL)及び電子注入層から選択された少なくとも1層を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0154】
例えば、電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層、またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有してもよいが、それらに限定されるものではない。
【0155】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、π電子欠乏性含窒素環を少なくとも一つ含む金属を含まない化合物を含んでもよい。
【0156】
「π電子欠乏性含窒素環」は、環形成部分であり、少なくとも1つの*-N=*’部分を有するC1-C60ヘテロ環式基を意味する。
【0157】
例えば、「π電子欠乏性含窒素環」は、i)少なくとも1つの*-N=*’部分を有する5員から7員のヘテロ単環式基であるか、ii)少なくとも1つの*-N=*’部分を有する5員から7員のヘテロ単環式基のうち2以上が互いに縮合されているヘテロ多環式基であるか、あるいはiii)少なくとも1つの*-N=*’部分を有する5員から7員のヘテロ単環式基のうち少なくとも一つと、少なくとも1つのC5-C60炭素環式基とが互いに縮合されているヘテロ多環式基であってもよい。
【0158】
π電子欠乏性含窒素環の具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、アザカルバゾールなどを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0159】
一実施形態によれば、電子輸送領域は、前述の化学式1で示されるヘテロ環式化合物を含んでもよい。
【0160】
また、電子輸送領域は、下記化学式601で示される化合物を含んでもよい。
【化84】
【0161】
化学式601で、
Ar601は、置換もしくは非置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
xe11は、1、2または3であり、
L601は、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換の二価非芳香族縮合多環基及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基から選択され、
xe1は、0から5の整数であり、
R601は、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは非置換のC6-C60アリール基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602)から選択され、
Q601からQ603は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基またはナフチル基であり、
xe21は、1から5の整数である。
【0162】
一実施形態によれば、xe11個のAr601及びxe21個のR601のうち少なくとも一つは、前述のようなπ電子欠乏性含窒素環を含んでもよい。
【0163】
一実施形態によれば、化学式601で環Ar601は、
ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾールのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)から選択される少なくとも一つで置換された、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾールのいずれかであり、1個以上の水素が置換されうる官能基;からも選択され、
Q31からQ33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択されてもよい。
【0164】
化学式601で、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介して互いに連結されてもよい。
【0165】
他の実施形態によれば、化学式601でAr601は、アントラセンであり、1個以上の水素が置換されてもよい。
【0166】
さらに他の実施形態によれば、601で示される化合物は、下記化学式601-1でも示される。
【化85】
【0167】
化学式601-1で、
X614は、NまたはC(R614)であり、X615は、NまたはC(R615)であり、X616は、NまたはC(R616)であり、X614からX616のうち少なくとも一つは、Nであり、
L611からL613は、互いに独立して、L601についての説明を参照し、
xe611からxe613は、互いに独立して、xe1についての説明を参照し、
R611からR613は、互いに独立して、R601についての説明を参照し、
R614からR616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基から選択されてもよい。
【0168】
一実施形態によれば、化学式601及び601-1で、L601及びL611からL613は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基から選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0169】
他の実施形態によれば、化学式601及び601-1で、xe1及びxe611からxe613は、互いに独立して、0、1または2であってもよい。
【0170】
さらに他の実施形態によれば、化学式601及び601-1で、R601及びR611からR613は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基から選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602);から選択され、
Q601及びQ602についての説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0171】
電子輸送領域は、下記化合物ET1からET36から選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【化92】
【化93】
【化94】
【化95】
【化96】
【化97】
【0172】
また、電子輸送領域は、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、3-(ビフェニル-4-イル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール(TAZ)及びNTAZから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【化98】
【0173】
バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約2nmから約100nm、例えば、約3nmから約30nmであってもよい。バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔阻止特性または電子調節特性を得ることができる。
【0174】
電子輸送層の厚みは、約10nmから約100nm、例えば、約15nmから約50nmであってもよい。電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0175】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0176】
金属含有物質は、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体から選択された少なくとも一つを含んでもよい。アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン及びCsイオンから選択されてもよく、アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン及びBaイオンから選択されてもよい。アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0177】
例えば、金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(リチウムキノレート(LiQ))またはET-D2を含んでもよい。
【化99】
【0178】
電子輸送領域は、第2電極190からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。電子注入層は、第2電極190と直接接触してもよい。
【0179】
電子注入層は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有してもよい。
【0180】
電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせを含んでもよい。
【0181】
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb及びCsから選択されてもよい。一実施形態によれば、アルカリ金属は、Li、NaまたはCsであってもよい。他の実施形態によれば、アルカリ金属は、LiまたはCsであってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0182】
アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択されてもよい。
【0183】
希土類金属は、Sc、Y、Ce、Tb、Yb及びGdから選択されてもよい。
【0184】
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及び希土類金属化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の、酸化物及びハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)から選択されてもよい。
【0185】
アルカリ金属化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物及びLiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIのようなアルカリ金属ハロゲン化物から選択されてもよい。一実施形態によれば、アルカリ金属化合物は、LiF、Li2O、NaF、LiI、NaI、CsI、KIから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0186】
アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)のようなアルカリ土類金属化合物から選択されてもよい。一実施形態によれば、アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO及びCaOから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0187】
希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、ScO3、Y2O3、Ce2O3、GdF3及びTbF3から選択されてもよい。一実施形態によれば、希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0188】
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンを含み、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンから選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0189】
電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせだけからなるか、あるいは有機物をさらに含んでもよい。電子注入層が有機物をさらに含む場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせは、有機物からなるマトリックスに均一にも不均一にも分散している。
【0190】
電子注入層の厚みは、約0.1nmから約10nm、約0.3nmから約9nmであってもよい。電子注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0191】
[第2電極190]
前述のような有機層150上部には、第2電極190が配置されている。第2電極190は、電子注入電極であるカソードであってもよいが、このとき、第2電極190用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの組み合わせを使用することができる。
【0192】
第2電極190は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、ITO及びIZOから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0193】
第2電極190は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極であってもよい。
【0194】
第2電極190は、単一層である単層構造,または複数の層を有する多層構造を有してもよい。
【0195】
[
図2から
図4についての説明]
一方、
図2の有機発光素子20は、第1キャッピング層210、第1電極110、有機層150及び第2電極190が順に積層された構造を有し、
図3の有機発光素子30は、第1電極110、有機層150、第2電極190及び第2キャッピング層220が順に積層された構造を有し、
図4の有機発光素子40は、第1キャッピング層210、第1電極110、有機層150、第2電極190及び第2キャッピング層220が順に積層された構造を有する。
【0196】
図2から
図4において、第1電極110、有機層150及び第2電極190についての説明は、
図1についての説明を参照する。
【0197】
有機発光素子20,40の有機層150において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極110及び第1キャッピング層210を経て、外部に取り出され、有機発光素子30,40の有機層150において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極190及び第2キャッピング層220を経て、外部に取り出される。
【0198】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220は、補強干渉の原理により、外部発光効率を向上させる役割を行うことができる。
【0199】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220は、互いに独立して、有機物からなる有機キャッピング層、無機物からなる無機キャッピング層、または有機物及び無機物を含んだ複合キャッピング層であってもよい。
【0200】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環式化合物、ヘテロ環式化合物、アミン系化合物、ポルフィン誘導体(porphine derivatives)、フタロシアニン誘導体(phthalocyanine derivatives)、ナフタロシアニン誘導体(naphthalocyanine derivatives)、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体から選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。炭素環式化合物、ヘテロ環式化合物及びアミン系化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br及びIから選択された少なくとも1つの元素を含んだ置換基でも置換される。一実施形態によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、アミン系化合物を含んでもよい。
【0201】
他の実施形態によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化学式201で示される化合物、または化学式202で示される化合物を含んでもよい。
【0202】
さらに他の実施形態によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化合物HT28からHT33及び下記化合物CP1からCP5から選択された化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化100】
【0203】
以上、有機発光素子について、
図1から
図4を参照して説明したが、それらに限定されるものではない。
【0204】
正孔輸送領域に含まれる各層、発光層及び電子輸送領域に含まれる各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザー熱転写法(LITI:laser induced thermal imaging)のような多様な方法を利用して、所定領域に形成される。
【0205】
真空蒸着法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100から約500℃の蒸着温度、約10-8から約10-3torrの真空度及び約0.01から約10nm/secの蒸着速度の範囲内で、形成しようとする層に含まれる材料及び形成しようとする層の構造を考慮して選択されてもよい。
【0206】
スピンコーティング法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、コーティング条件は、例えば、約2,000rpmから約5,000rpmのコーティング速度、及び約80℃から200℃の熱処理温度の範囲内で、形成しようとする層に含まれる材料及び形成しようとする層の構造を考慮して選択されてもよい。
【実施例】
【0207】
以下、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施形態による化合物及び有機発光素子について、さらに具体的に説明する。下記合成例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量は、互いに同一である。
【0208】
【0209】
[中間体1-1の合成]
8-アミノ-キノリン 1.44g(10mmol)、4-ブロモベンズアルデヒド 1.85g(10mmol)、ブチルビニルエーテル 1.00g(10mmol)、ヨード 0.25g(1mmol)を、テトラヒドロフラン(THF) 150mLに溶かした後、80℃で24時間撹拌した。反応溶液を常温に冷却させた後、チオ硫酸ナトリウムでクエンチングした後、水 60mLとジエチルエーテル 60mLとで3回抽出した。そこから得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体1-1を1.5g(収率45%)得た。生成された化合物は、LC-MS(liquid chromatography-mass spectrometry)により確認した。
C18H11BrN2:M+1 335.18
【0210】
[中間体1-2の合成]
中間体1-1 3.35g(10mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン 3.05g(12mmol)、Pd(PPh3)Cl2 0.35g(0.5mmol)、酢酸カリウム 3g(30mmol)を、トルエン 150mLに溶かした後、105℃で24時間撹拌した。反応溶液を常温に冷却させた後、水 60mLとジエチルエーテル 60mLとで3回抽出した。そこから得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体1-2を3.06g(収率80%)得た。生成された化合物は、LC-MSにより確認した。
C24H23BN2O2:M+1 382.26
【0211】
[化合物1の合成]
中間体1-2 7.65g(20mmol)、2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン 2.15g(9。5mmol)、Pd(PPh3)4 1.16g(1mmol)、K2CO3 8.3g(60.0mmol)を、THF/H2O(2/1)混合溶液 300mLに溶かした後、80℃で16時間撹拌した。反応溶液を常温に冷却させた後、水 200mLとジエチルエーテル 150mLとで3回抽出した。そこから得られた有機層に析出された有機物を、水とジエチルエーテルとで減圧濾過し、化合物1 4.65g(収率70%)を得た。生成された化合物は、LC-MSと1H NMRにより確認した。
C45H27N7:M+1 665.75
【0212】
【0213】
[化合物3の合成]
化合物1の合成と同一方法で、2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに、2,4-ジクロロ-6-(4-フルオロフェニル)-1,3,5-トリアジンを使用し、化合物3 6.0g(収率80%)を得た。生成された化合物は、LC-MSと1H NMRにより確認した。
C45H26FN7:M+1 683.73
【0214】
【0215】
[化合物5の合成]
化合物1の合成と同一方法で2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに、4-(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ベンゾニトリルを使用し、化合物5 4.7g(収率68%)を得た。生成された化合物は、LC-MSと1H NMRにより確認した。
C46H26N8:M+1 690.76
【0216】
【0217】
[中間体11-1の合成]
中間体1-1の合成と同一方法で4-ブロモベンズアルデヒドの代わりに、4-ブロモ-1-ナフトアルデヒドを使用し、中間体11-1 1.54g(収率40%)を得た。生成された化合物は、LC-MSにより確認した。
C22H13BrN2:M+1 385.25
【0218】
[中間体11-2の合成]
中間体1-2の合成と同一方法で、中間体1-1の代わりに、中間体11-1を使用し、中間体11-2 3g(収率70%)を得た。生成された化合物は、LC-MSにより確認した。
C28H25BN2O2:M+1 432.30
【0219】
[化合物11の合成]
化合物1の合成と同一方法で、中間体1-2の代わりに、中間体11-2を使用し、化合物11 5.36g(収率70%)を得た。生成された化合物は、LC-MSと1H NMRとにより確認した。
C53H31N7:M+1 765.86
【0220】
【0221】
[中間体94-1の合成]
5-ブロモ-1、10-フェナントロリン 2.59g(10mmol)、(4-ブロモフェニル)ボロン酸 2g(10mmol)、Pd(PPh3)4 0.58g(0.5mmol)、K2CO3 4.15g(30.0mmol)を、THF/H2O(2/1)混合溶液 180mLに溶かした後、80℃で16時間撹拌した。反応溶液を常温に冷却させた後、水 100mLとジエチルエーテル 100mLとで3回抽出した。そこから得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体94-1を2.0g(収率60%)得た。生成された化合物は、LC-MSにより確認した。
C18H11BrN2:M+1 335.18
【0222】
[中間体94-2の合成]
中間体1-2の合成と同一方法で、中間体1-1の代わりに、中間体94-1を使用し、中間体94-2 2.87g(収率75%)を得た。生成された化合物は、LC-MSにより確認した。
C24H23BN2O2:M+1 382.24
【0223】
[化合物94の合成]
化合物1の合成と同一方法で、中間体1-2の代わりに、中間体94-2を使用し、化合物94 4.32g(収率65%)を得た。生成された化合物は、LC-MSと1H NMRとにより確認した。
C45H27N7:M+1 665.73
【0224】
合成例1から5で合成された化合物の1H NMR及びMS(mass spectrometry)/FAB(fast atom bombardment)を表1に示す。
【0225】
表1に示された化合物以外の他の化合物も、前述の合成経路及び原料物質を参照し、当業者であるならば、その合成方法を容易に認識することができるであろう。
【表1】
【0226】
[実施例1]
アノードは、ITO/Ag/ITOが7/100/7nmに蒸着されたITO基板を、50mm×50mm×0.5mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、それぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置にガラス基板を設けた。
【0227】
ITO基板上部に、公知の物質であるN-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-9,9-ジメチル-N-(4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル)-9H-フルオレン-2-アミン(下記301)及びF4-TCNQを、98:2の重量比で真空共蒸着して10nm厚の正孔注入層を形成した後、次に、正孔注入層上部に化合物301を真空蒸着し、120nm厚の第1正孔輸送層を形成し、第1正孔輸送層上部に、公知の化合物であるN,N-ジ([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4’-(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4-アミン(化合物HA)を真空蒸着し、10nm厚の第2正孔輸送層を形成した。第2正孔輸送層上部に、公知の青色蛍光ホストである9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)と、公知の青色蛍光ドーパントであるN,N,N’,N’-テトラフェニル-ピレン-1,6-ジアミン(TPD)とを98:2の重量比で共蒸着し、30nm厚の発光層を形成した。
【0228】
次に、発光層上部に、化合物1及びLiQを5:5で共蒸着し、30nm厚の電子輸送層を形成した後、電子輸送層上部に、ハロゲン化アルカリ金属であるLiFを電子注入層として1.0nm厚に蒸着し、Mg及びAgを90:10の重量比で共蒸着し、12.0nmのカソード電極を形成することにより有機電界発光素子を製造した。
【化106】
【0229】
[実施例2から5及び比較例1から4]
電子輸送層の形成時、化合物1の代わりに、下記表2に記載された化合物を使用したという点を除いては、実施例1と同一方法を利用し、有機電界発光素子を作製した。
【表2】
【化107】
【化108】
【0230】
表2から、実施例1から5の有機発光素子の駆動電圧、効率、寿命特性が、比較例1から4の有機発光素子の駆動電圧、効率、寿命特性に比べ、優秀であるということを確認することができる。
【0231】
本発明について、合成例及び実施例を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本発明のヘテロ環式化合物及びそれを含んだ有機発光素子は、例えば、発光に関連する技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0233】
10,20,30,40 有機発光素子
110 第1電極
150 有機層
190 第2電極
210 第1キャッピング層
220 第2キャッピング層