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特許7169805ダンパー装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ダンパー装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
B41J2/175 501
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018143948
(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公開番号】P2020019196
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】渥美 英敏
(72)【発明者】
【氏名】上田 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】木下 元邦
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-022229(JP,A)
【文献】特開2006-168350(JP,A)
【文献】特開2011-051201(JP,A)
【文献】特開2017-064971(JP,A)
【文献】特開2012-210824(JP,A)
【文献】特開2017-043056(JP,A)
【文献】特開2014-046607(JP,A)
【文献】国際公開第2004/048071(WO,A1)
【文献】特開2004-291620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部に形成された開口を有し、インクが貯留されるインク室と、
前記インク室の前記開口を覆い、前記インク室内のインクの量に基づいて変形可能であり、透明または半透明なダンパー膜と、
前記ダンパー膜を前記インク室の反対側から覆うように、前記インク室および前記ダンパー膜に対して着脱可能に設けられ、遮光性を有するカバー体と、
を備えた、ダンパー装置。
【請求項2】
前記カバー体は、前記ダンパー膜を覆う側からのみ着脱可能に構成されている、請求項1に記載されたダンパー装置。
【請求項3】
前記インク室が形成されたダンパー本体を備え、
前記カバー体は、前記ダンパー膜を覆うように前記ダンパー本体に着脱可能に取り付けられ
前記カバー体の少なくとも一部は、前記ダンパー本体に接触しており、
前記ダンパー本体は、前記ダンパー膜が設けられた面と直交する側面を有し、
前記カバー体は、前記ダンパー本体の前記側面に接触している、請求項1または2に記載されたダンパー装置。
【請求項4】
2つの前記インク室が形成されたダンパー本体を備え、
前記ダンパー膜は、
一方の前記インク室の前記開口を覆う第1ダンパー膜と、
他方の前記インク室の前記開口を覆う第2ダンパー膜と、
を有し、
前記カバー体は、
前記第1ダンパー膜を一方の前記インク室の反対側から覆うように、一方の前記インク室および前記第1ダンパー膜に対して着脱可能に設けられた第1カバー体と、
前記第2ダンパー膜を他方の前記インク室の反対側から覆うように、他方の前記インク室および前記第2ダンパー膜に対して着脱可能に設けられた第2カバー体と、
を有し、
前記第1カバー体と前記第2カバー体とは、互いに反対方向に着脱可能に構成されている、請求項1または2に記載されたダンパー装置。
【請求項5】
前記インク室内に配置され、前記ダンパー膜に向かって弾性力を付与するバネを備え、
前記カバー体のうち前記開口と対向する領域は、前記ダンパー膜が前記インク室と反対側に向かって撓んだとき、前記ダンパー膜と接触しないように構成されている、請求項1から4までの何れか1つに記載されたダンパー装置。
【請求項6】
前記ダンパー膜よりも前記インク室とは反対側に配置されるように前記ダンパー本体に設けられたアーム部材を備え、
前記アーム部材には、前記ダンパー膜の面に直接または間接的に接触可能な凸部が設けられ、
前記カバー体の少なくとも一部は、前記ダンパー膜と前記アーム部材との間に配置され、
前記カバー体には、前記凸部が挿入可能な孔が形成されている、請求項3または4に記載されたダンパー装置。
【請求項7】
前記インク室の前記開口が開口された方向から見たとき、前記孔は前記アーム部材と重なっている、請求項6に記載されたダンパー装置。
【請求項8】
前記アーム部材は、遮光性を有する材料によって形成されている、請求項6または7に記載されたダンパー装置。
【請求項9】
前記カバー体は、不透明な材料によって形成されている、請求項1から8までの何れか1つに記載されたダンパー装置。
【請求項10】
前記インク室に貯留されるインクは、紫外線硬化インクである、請求項1から9までの何れか1つに記載されたダンパー装置。
【請求項11】
請求項3、4、6、7、8のうちの何れか1つに記載されたダンパー装置を備え、
前記ダンパー本体には、前記インク室と連通する流入口、および、前記インク室と連通する流出口が形成され、
インクが貯留されたインクタンクに上流端が接続され、下流端が前記流入口に接続されたインク流路と、
前記流出口と連通し、インクが吐出されるノズルが形成されたインクヘッドと、
を備えた、インクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパー装置、および、ダンパー装置を備えたインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、インクジェットプリンタにおいて、インクタンクとインクヘッドとを繋ぐインク流路の一例であるチューブに設けられた圧力緩衝器が開示されている。この圧力緩衝器は、ダンパー装置の一例であり、インクの圧力変動を緩和させることで、インクの吐出動作を安定させるためのものである。
【0003】
この圧力緩衝器は、一部に形成された開口を有し、インクが貯留されるチャンバーと、チャンバーの上記開口を覆う可撓膜とを備えている。チャンバーはインク室とも言われるものであり、可撓膜はダンパー膜とも言われるものである。例えばチャンバー内のインクの圧力の変動に応じて、可撓膜がチャンバー側またはチャンバーとは反対側に撓む。このことによって、インクヘッドに流れるインクの量が調整されるため、インクヘッドにおけるインクの吐出動作を安定させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-22229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、可撓膜などのダンパー膜が遮光性を有していない場合、チャンバーなどのインク室内のインクは、外部からの光や紫外線が照射されることで硬化し易くなることがあり得る。そのため、例えば不透明な材料を使用して、遮光性を有するダンパー膜とすることで、インク室内のインクを硬化し難くすることができる。しかしながら、不透明な材料で形成されたダンパー膜の場合、仮にダンパー装置に異常が発生したとき、ダンパー膜を通じてインク室を点検することができなかった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インク室内のインクが硬化し難く、かつ、異常が発生したときにインク室内を容易に点検することが可能なダンパー装置およびそれを備えたインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るダンパー装置は、インク室と、ダンパー膜と、カバー体とを備えている。前記インク室は、一部に形成された開口を有し、インクが貯留される。前記ダンパー膜は、前記インク室の前記開口を覆い、前記インク室内のインクの量に基づいて変形可能であり、透明または半透明である。前記カバー体は、前記ダンパー膜を前記インク室の反対側から覆うように着脱可能に設けられ、遮光性を有している。
【0008】
上記ダンパー装置によれば、ダンパー装置を使用する際には、ダンパー膜をインク室の反対側から覆うようにカバー体を設ける。このことによって、外部の光や紫外線は、遮光性を有するカバー体によって遮られるため、インク室内のインクが外部の光や紫外線によって硬化し難くすることができる。また、上記ダンパー装置によれば、ダンパー装置に異常が発生したとき、カバー体を取り外すことで、ダンパー膜を通じてインク室内を点検することができる。よって、ダンパー装置に異常が発生したとき、インク室内を容易に点検することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インク室内のインクが硬化し難く、かつ、異常が発生したときインク室内を容易に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るプリンタの斜視図である。
図2】インク供給システムを示す模式図である。
図3】キャリッジの正面断面図である。
図4】1つのインクヘッドの底面を示す図である。
図5】ダンパー装置の斜視図である。
図6】ダンパー装置の正面断面図である。
図7】ダンパー装置の斜視図であり、第1カバー体、第2カバー体およびアーム部材が省略された図である。
図8】ダンパー装置の斜視図であり、第1カバー体および第2カバー体が省略された図である。
図9】ダンパー装置の斜視図であり、アーム部材が省略された図である。
図10】ダンパー装置の平面図であり、アーム部材の凸部が孔に挿入されていない状態を示す図である。
図11】ダンパー装置の平面図であり、アーム部材の凸部が孔に挿入されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るダンパー装置を備えたインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。以下の説明において、前、後、左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0013】
プリンタ10は、インクジェット方式のプリンタであり、記録媒体5(図1参照)に印刷を行う。記録媒体5は、例えばロール状の記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。記録媒体5は、シート状の記録媒体、例えば樹脂製のシートであってもよい。
【0014】
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体11と、プラテン13と、ガイドレール15と、キャリッジ17とを備えている。プラテン13は、プリンタ本体11に固定されている。プラテン13には、記録媒体5が載置される。ここでは、プラテン13には、円筒状のグリットローラ21が設けられている。グリットローラ21は、その上面部を露出させた状態でプラテン13に埋設されている。グリットローラ21には、図示しないフィードモータが接続され、このフィードモータの駆動によってグリットローラ21は回転する。
【0015】
ガイドレール15は、プラテン13の上方に配置されている。ガイドレール15は、プラテン13と平行に配置され、左右方向に延びている。ガイドレール15の下方には、複数のピンチローラ22が略等間隔に配置されている。ピンチローラ22は、グリットローラ21に対向している。ピンチローラ22は、記録媒体5の厚さに応じて上下方向の位置を設定可能に構成されており、グリットローラ21との間に記録媒体5を挟み込む。グリットローラ21およびピンチローラ22は、記録媒体5を挟持しながら前後方向に搬送可能に構成されている。
【0016】
キャリッジ17は、ガイドレール15に係合している。キャリッジ17は、ガイドレール15に沿って左右方向に摺動可能に構成されている。図示は省略するが、ガイドレール15の左端側および右端側には、それぞれローラが設けられている。これらローラのうち何れか一方には、キャリッジモータ(図示せず)が接続されている。また、ガイドレール15の左右両端側に設けられたローラには、無端状のベルト19が巻き掛けられている。キャリッジ17は、ベルト19に固定されている。上記キャリッジモータが駆動して、上記ローラが回転することでベルト19が走行する。このことで、キャリッジ17は左右方向に移動する。
【0017】
図2は、インク供給システム30を示す模式図である。プリンタ10は、複数のインク供給システム30(図2参照)を備えている。インク供給システム30は、後述のインクタンク33から後述のインクヘッド31に向かってインクを供給するシステムである。本実施形態では、インク供給システム30は、インクヘッド31の1つの後述するノズル列32a(図2参照)ごとに設けられている。言い換えると、インク供給システム30は、1つのインクタンク33ごとに設けられている。図3は、キャリッジ17の正面断面図であり、ダンパー装置50とインクヘッド31との位置関係を示した図である。図3に示すように、ここではノズル列32aの数が「8」であるため、インク供給システム30の数は「8」である。ただし、インク供給システム30の数は特に限定されない。なお、複数のインク供給システム30は、それぞれ同じ構成をしている。そのため、以下では、1つのインク供給システム30の構成について詳述する。
【0018】
図2に示すように、インク供給システム30は、インクヘッド31と、インクタンク33と、インク流路35と、圧力制御弁38と、供給ポンプ39と、ダンパー装置50と、を備えている。
【0019】
インクヘッド31は、プラテン13(図1参照)に載置された記録媒体5にインクを吐出するものである。図4は、1つのインクヘッド31の底面を示す図である。図4に示すように、インクヘッド31の底面には、インクを吐出する複数のノズル32が形成されている。ノズル32からインクが吐出される。これらノズル32は、前後方向に並んでいる。ここでは、前後方向に並んだノズル32の列のことをノズル列32aという。本実施形態では、1つのインクヘッド31につき、2つのノズル列32aが形成されている。2つのノズル列32aは、左右方向に並んで配置されている。ここでは、図3に示すようにインクヘッド31の数が4つであるため、ノズル列32aの数は8つである。ただし、インクヘッド31およびノズル列32aの数は特に限定されない。インクヘッド31は、キャリッジ17に搭載されている。インクヘッド31は、キャリッジ17の側壁17aに囲まれるように、キャリッジ17内に配置されている。インクヘッド31は、キャリッジ17と共にガイドレール15(図1参照)に沿って左右方向に移動可能である。
【0020】
図2に示すように、インクタンク33は、インクを貯留するものである。インクタンク33とは、例えばインクカートリッジのことである。本実施形態では、インクタンク33の数は、ノズル列32aの数と同じであり、ここでは「8」である。1つのインクタンク33には、1つのノズル列32aを構成するノズル32が接続されている。本実施形態では、インクタンク33は、プリンタ本体11に着脱自在に設けられている。詳しくは、例えば図1に示すように、プリンタ本体11の右側上部には、収容部33aが設けられている。複数のインクタンク33は、収容部33aに収容されている。ただし、インクタンク33の配置位置は特に限定されず、例えばインクタンク33は、キャリッジ17に着脱自在に設けられていてもよい。
【0021】
1つのインクタンク33に貯留されているインクは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、および、ブラックインクなどのプロセスカラーインクと、ホワイトインク、メタリックインク、オレンジインク、および、クリアインクなどの特色インクのうち何れかのインクである。また、インクタンク33に貯留されているインク、言い換えるとインクヘッド31のノズル32から吐出されるインクは、いわゆる紫外線硬化インクである。紫外線硬化インクは、紫外線が照射されると硬化が促進されるインクである。そのため、本実施形態では、図3に示すように、キャリッジ17の左方および右方には、紫外線照射装置18が設けられていてもよい。この紫外線照射装置18は、記録媒体5に吐出されたインクに向かって紫外線を照射する装置であり、図示は省略するが、紫外線照射装置18の底面には、紫外線が照射される照射口が形成されている。なお、ノズル32から吐出されるインクは紫外線硬化インクに限定されない。
【0022】
図2に示すように、インク流路35は、インクタンク33に貯留されたインクを、ノズル列32aを形成するノズル32に供給する流路である。インク流路35は、本実施形態のように、いわゆる循環型の流路であってもよいし、循環型の流路でなくてもよい。インク流路35は、導入流路41と、通常流路42と、循環流路43とを備えている。
【0023】
導入流路41は、インクタンク33に貯留されたインクを通常流路42に供給する。導入流路41の一端はインクタンク33に着脱可能に接続され、導入流路41の他端は通常流路42に接続されている。本実施形態では、導入流路41は、第1導入部41aと、第2導入部41bとを有している。第1導入部41aは、インクタンク33に着脱可能に接続されている。第2導入部41bは、第1導入部41aよりもインクヘッド31側に配置され、通常流路42に接続されている。
【0024】
通常流路42は、導入流路41に供給されたインクをインクヘッド31のノズル列32aに供給する流路である。通常流路42の一端は、導入流路41の他端に接続され、通常流路42の他端は、ダンパー装置50を介してノズル列32aを構成するノズル32に接続されている。本実施形態では、通常流路42は、第1通常部42aと、第2通常部42bと、第3通常部42cとを有している。第1通常部42aは、第2導入部41bに接続されている。第2通常部42bは、第1通常部42aよりもインクヘッド31側に配置され、第1通常部42aと第3通常部42cとの間に位置している。第3通常部42cは、第2通常部42bよりもインクヘッド31側に配置され、ダンパー装置50を介してインクヘッド31に接続されている。
【0025】
循環流路43は、ダンパー装置50内のインクを通常流路42へ流す流路であり、インク流路35内のインクを循環させる流路である。循環流路43の一端はダンパー装置50を介してノズル列32aを構成するノズル32に接続され、循環流路43の他端は導入流路41の他端、および、通常流路42の一端に接続されている。本実施形態では、循環流路43は、第1循環部43aと、第2循環部43bとを有している。第1循環部43aは、インクヘッド31に接続されている。第2循環部43bは、第1循環部43aよりもインクタンク33側に配置され、第2導入部41bおよび第1通常部42aに接続されている。
【0026】
導入バルブ36は、導入流路41を開閉する。導入バルブ36は、導入流路41に設けられている。詳しくは、導入バルブ36は、第1導入部41aと第2導入部41bとの間に設けられている。循環バルブ37は、循環流路43を開閉する。循環バルブ37は、循環流路43に設けられている。詳しくは、循環バルブ37は、第1循環部43aと、第2循環部43bとの間に設けられている。なお、導入バルブ36および循環バルブ37の種類は特に限定されない。例えば導入バルブ36および循環バルブ37は、それぞれ電気的に制御されるバルブである。
【0027】
圧力制御弁38は、印刷時、インクの圧力変動を緩和するように機能する。圧力制御弁38は、インクを吐出していないとき、インクヘッド31内を負圧(詳しくは、外圧(例えば大気圧)よりも低い圧力)に保つものである。このことによって、インクヘッド31内のインクがノズル32から外部に垂れ落ちることを抑制することができる。本実施形態では、圧力制御弁38は、通常流路42に設けられている。詳しくは、圧力制御弁38は、第1通常部42aと第2通常部42bとの間に設けられている。なお、圧力制御弁38の構成は特に限定されず、各種の弁体を採用することができる。例えば、圧力制御弁38は、電磁制御される電磁弁であってもよい。
【0028】
供給ポンプ39は、インクタンク33に貯留されたインクをインクヘッド31に供給すると共に、インクヘッド31からインクを吐出させることを促進させるためのポンプである。また、インク流路35のインクが循環しているとき、インクの循環を促進させるためのポンプである。なお、供給ポンプ39の種類は特に限定されない。例えば、供給ポンプ39は、チューブポンプである。例えば、チューブポンプは、内部に内部チューブと、ローラと、ローラに接続された駆動モータとを備えている。この駆動モータが駆動して、ローラで内部チューブを押し潰しながらローラを遊星回転させることによって、ローラの進行方向にインクを送液する。このことによって、インクタンク33からインクヘッド31にインクが供給される。本実施形態では、供給ポンプ39は、通常流路42に設けられており、圧力制御弁38よりもインクヘッド31側に配置されている。詳しくは、供給ポンプ39は、第2通常部42bと第3通常部42cとの間に設けられている。
【0029】
本実施形態では、導入バルブ36、循環バルブ37、圧力制御弁38および供給ポンプ39は、制御装置80(図1参照)に通信可能に接続されている。制御装置80は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという)と、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えていてもよい。
【0030】
次に、ダンパー装置50について説明する。ダンパー装置50は、インクの圧力変動を緩和させて、ノズル32からのインク吐出動作を安定させるものである。本実施形態では、図3に示すように、1つのダンパー装置50で2つのインク供給システム30用のダンパー50a、50bが実現されている。以下、ダンパー装置50のうち、任意の1つのインク供給システム30に設けられるダンパーを第1ダンパー50aと称する。ダンパー装置50のうち、任意の他の1つにインク供給システム30に設けられるダンパーを第2ダンパー50bと称する。本実施形態では、第1ダンパー50aと第2ダンパー50bとをあわせてダンパー装置50という。
【0031】
第1ダンパー50aは、第1ダンパー50aに流入するインクの流量を検出する。そして、第1ダンパー50aのインクの流量の検出結果に基づいて、第1ダンパー50aが設けられたインク供給システム30の供給ポンプ39の駆動が制御される。また、第2ダンパー50bは、第2ダンパー50bに流入するインクの流量を検出する。そして、第2ダンパー50aのインクの流量の検出結果に基づいて、第2ダンパー50bが設けられたインク供給システム30の供給ポンプ39の駆動が制御される。
【0032】
本実施形態では、図2に示すように、ダンパー装置50(詳しくは、第1ダンパー50aおよび第2ダンパー50b)は、通常流路42の第3通常部42cおよび循環流路43の第1循環部43aに接続されている。
【0033】
図5は、ダンパー装置50の斜視図である。図6は、ダンパー装置50の正面断面図である。図6では、アーム部材58は省略されている。図7図8図9は、それぞれダンパー装置50の斜視図である。図7では、第1カバー体61、第2カバー体62およびアーム部材58が省略されており、図8では、第1カバー体61および第2カバー体62が省略されており、図9では、アーム部材58が省略されている。図10図11は、ダンパー装置50の平面図である。図10は、アーム部材58の凸部59が孔65に挿入されていない状態を示す図であり、図11は、アーム部材58の凸部59が孔65に挿入されている状態を示す図である。本実施形態では、図6に示すように、ダンパー装置50は、ダンパー本体51と、第1ダンパー50aと、第1カバー体61と、第2ダンパー50bと、第2カバー体62とを備えている。
【0034】
ダンパー本体51は、矩形状であり、中空のものである。ダンパー本体51は、遮光性を有し、かつ、不透明な材料によって形成されている。ダンパー本体51は、例えば樹脂製である。しかしながら、ダンパー本体51の形状および材質は特に限定されない。
【0035】
ここでは、ダンパー本体51を左右方向で二等分にしたとき、右側の部位に第1ダンパー50aを構成する部位や部材が配置されており、左側の部位に第2ダンパー50bを構成する部位や部材が配置されている。第1ダンパー50aと第2ダンパー50bとは、左右対称となるように配置されている以外、同じ構成である。そのため、以下では、第1ダンパー50aについて詳述し、第2ダンパー50bの説明は適宜省略する。ここでは、第2ダンパー50bを構成する部位や部材に付された符号は、第1ダンパー50aを構成する部位や部材に付された符号に対応している。
【0036】
第1ダンパー50aは、インク室52と、ダンパー膜53と、検出機構54(図8参照)とを備えている。インク室52は、ダンパー本体51内に形成されており、一部に形成された開口を有している。図6に示すように、第1ダンパー50aのインク室52は、右方に向かって開口した開口を有しており、第2ダンパー50bのインク室52は、左方に向かって開口した開口を有している。インク室52には、インクが一時的に貯留されている。ここでは、インク室52は、通常流路42、循環流路43およびインクヘッド31の1つのノズル列32aと連通している。本実施形態では、図7に示すように、ダンパー本体51の上部には、流入口55aおよび循環流出口55bが形成されている。ダンパー本体51の下部には、ヘッド流出口55cが形成されている。ただし、流入口55a、循環流出口55bおよびヘッド流出口55cの形成位置は特に限定されない。本実施形態に係るヘッド流出口55cは、本発明の「流出口」に対応している。流入口55a、循環流出口55bおよびヘッド流出口55cは、インク室52と連通している。ここでは、図2に示すように、流入口55aには、通常流路42の第3通常部42cが接続されている。循環流出口55bには、循環流路43の第1循環部43aが接続されている。ヘッド流出口55cには、インクヘッド31の1つのノズル列32aを構成するノズル32が接続されている。例えば第1ダンパー50aは、印刷時には、流入口55aからインク室52に流入したインクは、ヘッド流出口55cを通じてインクヘッド31のノズル32へ流れるように構成されている。一方、インク循環時には、第1ダンパー50aは、流入口55aからインク室52に流入したインクは、循環流出口55bに流れるように構成されている。
【0037】
図7に示すように、ダンパー膜53は、インク室52の開口を覆うようにダンパー本体51に設けられている。ここでは、図6に示すように、ダンパー膜53とダンパー本体51によって囲まれた空間がインク室52である。ダンパー膜53は、例えば可撓性を有する樹脂製のフィルムによって構成されている。ダンパー膜53は、例えば不透明である。しかしながら、ダンパー膜53は、半透明であってもよい。ダンパー膜53を形成する材料は特に限定されない。ダンパー膜53は、インク室52内のインクの貯留量や、インク室52内の圧力に基づいて、インク室52の内側および外側に変形可能である。ダンパー膜53は、インク室52の内側および外側にそれぞれ撓むことができる程度の張力で、ダンパー本体51に取り付けられている。
【0038】
本実施形態では、インク室52内には、バネ55が設けられている。バネ55は、圧縮された状態でインク室52内に配置されており、ダンパー膜53に向かって弾性力を付与する。ここでは、バネ55は、ダンパー膜53のインク室52側の面に設けられている。なお、バネ55の種類は特に限定されない。例えばバネ55はコイルバネである。本実施形態では、バネ55とダンパー膜53との間には、板状の押圧体57が設けられている。
【0039】
図8に示すように、検出機構54は、インク室52内の圧力を検出する機構である。検出機構54の構成は特に限定されない。本実施形態では、検出機構54は、アーム部材58を備えている。アーム部材58は、前後方向に延びた部材であり、後端がダンパー本体51に接続されている。アーム部材58は、後端を軸にして、左右方向に揺動自在となるように構成されている。ここでは、第1ダンパー50aにおいて、右側面視において、押圧体57はアーム部材58と重なっている。右側面視において、押圧体57はアーム部材58に覆われている。本実施形態では、図10に示すように、アーム部材58におけるダンパー膜53と接触可能な部位には、凸部59が設けられている。この凸部59がダンパー膜53と接触する。ここで、「ダンパー膜53と接触する」には、ダンパー膜53に直接接触する以外にも、他の部材を介してダンパー膜53に間接的に接触している場合も含まれるものとする。凸部59は、アーム部材58のインク室52側の部位に設けられている。
【0040】
図6に示すように、第1カバー体61は、第1ダンパー50aのダンパー膜53を覆う部材である。第1カバー体61は、本発明のカバー体の一例である。ここでは、第1カバー体61は、ダンパー膜53をインク室52と反対側から覆うようにダンパー本体51に取り付けられている。なお、第1カバー体61をダンパー本体51に取り付ける構造は、特に限定されない。例えば、第1カバー体61には、フックが設けられており、ダンパー本体51には、上記フックが引っ掛けられる引っ掛け孔が形成されていてもよい。本実施形態では、図9に示すように、第1カバー体61は、第1ダンパー50aのダンパー膜53と対向する位置に配置される対向面63aと、対向面63の上端から左方に延びた上面63bと、対向面63の前端から左方に延びた前面63cと、対向面63の後端から左方に延びた後面63dと、対向面63の下端から左方に延びた下面63e(図6参照)とを有している。
【0041】
本実施形態では、図5および図8に示すように、第1カバー体61の一部は、ダンパー膜53とアーム部材58との間に配置されている。ここでは、対向面63aがダンパー膜53とアーム部材58との間に配置されている。第1カバー体61の少なくとも一部は、ダンパー本体51に接触している。例えば、第1カバー体61の上面63b、前面63c、後面63d、下面63eなどは、ダンパー本体51に接触している。図6に示すように、第1カバー体61の一部(ここでは、対向面63aであって、インク室52の開口と対向する領域61a)は、ダンパー膜53がインク室52と反対側に撓んだ場合であっても、インク室52と反対側に撓んだダンパー膜53の部位とは接触しないように構成されている。
【0042】
図9に示すように、対向面63aには、孔65が形成されている。図11に示すように、孔65には、アーム部材58の凸部59が挿入される。そのため、孔65は、凸部59よりも大きい形状を有している。例えば、孔65の周の長さは、凸部59の外周の長さよりも長い。本実施形態では、図5および図9に示すように、右側面視において、孔65はアーム部材58と重なっている。すなわち、右側面視において、孔65はアーム部材58によって隠れている。
【0043】
本実施形態では、図10に示すように、上面63bには、平面視において流入口55aが露出する流入用切り欠き66aが形成されている。この流入用切り欠き66aを通じて流入口55aが露出していることで、流入口55aを通常流路42に接続することができる。また、上面63bには、平面視において循環流出口55bが露出する循環用切り欠き66bが形成されている。この循環用切り欠き66bを通じて循環流出口55bが露出することで、循環流出口55bを循環流路43に接続することができる。なお、図示は省略するが、第1カバー体61の下面には、底面視においてヘッド流出口55cが露出する流出用切り欠きが形成されている。
【0044】
第2カバー体62は、第2ダンパー50bのダンパー膜53を覆う部材である。第2カバー体62は、第1カバー体61と左右対称に構成されている。そのため、第2カバー体62の説明は省略する。第1カバー体61の説明において、第1ダンパー50aを第2ダンパー50bに読み替え、かつ、左を右に読み替えることで、第2カバー体62に関する説明となる。
【0045】
本実施形態では、第1カバー体61および第2カバー体62は、遮光性を有し、かつ、不透明な材料によって形成されている。第1カバー体61および第2カバー体62は、例えば樹脂製である。第1カバー体61および第2カバー体62は、例えばPOM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、またはABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)によって形成されている。第1カバー体61および第2カバー体62は、それぞれ一体的に形成されている。しかしながら、第1カバー体61および第2カバー体62は、それぞれ一部が別体に形成されていてもよい。
【0046】
以上、本実施形態に係るプリンタ10について説明した。本実施形態では、ダンパー装置50をキャリッジ17(図3参照)内に設置する際、ダンパー本体51には、第1カバー体61および第2カバー体62が取り付けられている。このとき、第1カバー体61および第2カバー体62もキャリッジ17内に設置されている。なお、図3では、第1カバー体61および第2カバー体62は省略されている。図5に示すように、第1カバー体61および第2カバー体62は、1つのダンパー本体51に対して取り付けられるものである。図5および図9に示すように、1つのダンパー装置50において、第1ダンパー50aのインク室52の開口方向から見たとき(ここでは、右側面視において)、第1カバー体61の孔65は、第1ダンパー50aのアーム部材58と重なっており、第1ダンパー50aのアーム部材58によって隠れた位置に配置されている。同様に、第2ダンパー50aのインク室52の開口方向から見たとき(ここでは、左側面視において)、第2カバー体62の孔65は、第2ダンパー50bのアーム部材58と重なっており、第2ダンパー50aのアーム部材58によって隠れた位置に配置されている。
【0047】
以上、本実施形態では、図6に示すように、第1カバー体61および第2カバー体62は、ダンパー膜53をインク室52の反対側から覆うように着脱自在に設けられている。このことによって、ダンパー装置50を使用する際には、ダンパー膜53を覆うように第1カバー体61および第2カバー体62を設けるとよい。この場合、外部の光や紫外線は、遮光性を有する第1カバー体61および第2カバー体62によって遮られるため、インク室52内のインクが外部の光や紫外線によって硬化し難くすることができる。また、本実施形態では、ダンパー装置50に異常が発生したとき、第1カバー体61および第2カバー体62をダンパー本体51から取り外すことで、ダンパー膜53を通じてインク室52内を点検することができる。よって、ダンパー装置50に異常が発生したとき、インク室52内を容易に点検することができる。
【0048】
本実施形態では、図7および図9に示すように、インク室52の開口が開口された方向から見たとき(ここでは、右側面視において)、第1ダンパー50aのダンパー膜53は第1カバー体61と重なっている。このことによって、第1ダンパー50aのダンパー膜53を第1カバー体61によって覆われた状態にすることができる。よって、ダンパー膜53が外部の光や紫外線に晒され難くすることができる。
【0049】
本実施形態では、図5に示すように、第1カバー体61および第2カバー体62は、ダンパー膜53を覆うようにダンパー本体51に着脱可能に取り付けられている。ここでは、第1カバー体61および第2カバー体62のそれぞれの少なくとも一部は、ダンパー本体51に接触している。このことによって、第1カバー体61および第2カバー体62とダンパー本体51とを接近させた状態にすることができるため、第1カバー体61および第2カバー体62とダンパー本体51との隙間から外部の光や紫外線が入り難くすることができる。
【0050】
本実施形態では、図6に示すように、バネ55は、インク室52内に配置され、ダンパー膜53に向かって弾性力を付与する。第1カバー体61および第2カバー体62のうち開口部分と対向する領域61aは、ダンパー膜53がインク室52の外側に向かって撓んだとき、ダンパー膜53と接触しないように構成されている。このことによって、第1カバー体61または第2カバー体62にダンパー膜53が接触することに起因して、インク室52内のインクの圧力が正確に測定できなくなることを防止することができる。
【0051】
本実施形態では、図8に示すように、アーム部材58は、ダンパー膜53よりもインク室52とは反対側に配置されるようにダンパー本体51に設けられている。図10に示すように、アーム部材58には、インク室52とは反対側のダンパー膜53の面に直接または間接的に接触可能な凸部59が設けられている。例えば第1カバー体61(詳しくは、対向面63a)は、第1ダンパー50aのダンパー膜53とアーム部材58との間に配置されている。図9に示すように、第1カバー体61には、凸部59が挿入可能な孔65が形成されている。このことによって、孔65を通じて凸部59をダンパー膜53に接触させることができる。よって、第1カバー体61に凸部59が接触し難くすることができる。
【0052】
本実施形態では、図5および図9に示すように、第1ダンパー50aのインク室52の開口が開口された方向から見たとき、孔65はアーム部材58と重なっている。このことによって、孔65に入ろうとする外部の光や紫外線は、アーム部材58によって遮られ易くなる。そのため、孔65を通じてインク室52内のインクに、外部の光や紫外線を照射し難くすることができる。
【0053】
本実施形態では、アーム部材58は、遮光性を有する材料によって形成されている。このことによって、孔65に入ろうとする外部の光や紫外線を、アーム部材58によってより遮り易くすることができる。
【0054】
本実施形態では、第1カバー体61および第2カバー体62は、不透明な材料によって形成されている。このことによって、第1カバー体61および第2カバー体62がダンパー本体51に取り付けられている状態において、外部の光や紫外線がインク室52に入り込み難くすることができる。
【0055】
本実施形態では、インク室52に貯留されるインク、すなわち、インクタンク33に貯留されるインクは、紫外線硬化インクである。そのため、インク室52に貯留されたインクに外部の光や紫外線が照射されると、インクの硬化が促進される。本実施形態では、インク室52およびダンパー膜53は、第1カバー体61または第2カバー体62に覆われている。このことによって、インク室52内のインクが紫外線硬化インクであっても、インクを硬化し難くすることができる。
【0056】
以上、一実施形態に係るプリンタ10について説明した。上記実施形態では、ダンパー装置50は、第1ダンパー50aおよび第2ダンパー50bを備えていた。しかしながら、第1ダンパー50aおよび第2ダンパー50bの何れか一方は省略されてもよい。すなわち、ダンパー装置50には、1つのインク室52、1つのダンパー膜53、および、1つの検出機構54が備えられていてもよい。この場合、第1カバー体61および第2カバー体62のうちの何れかは省略されてもよい。
【0057】
上記実施形態において、ダンパー膜53とアーム部材58の凸部59との間には、他の部材(例えば、押圧体57)が設けられていてもよい。この場合、凸部59は他の部材を介してダンパー膜53に間接的に接触可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
31 インクヘッド
32 ノズル
35 インク流路
50 ダンパー装置
51 ダンパー本体
52 インク室
53 ダンパー膜
55 バネ
58 アーム部材
59 凸部
61 第1カバー体(カバー体)
62 第2カバー体
65 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11