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特許7169806機器の取り付け構造及び機器の取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】機器の取り付け構造及び機器の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   F16M 13/00 20060101AFI20221104BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20221104BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20221104BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20221104BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
F16M13/00 S
H05K5/02 B
H04N5/64 581A
H05K5/03 A
F16B5/07 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018146967
(22)【出願日】2018-08-03
(65)【公開番号】P2020020459
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】宮里 宏治
(72)【発明者】
【氏名】蒔田 峻輔
(72)【発明者】
【氏名】森崎 雅博
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0097813(US,A1)
【文献】登録実用新案第3003203(JP,U)
【文献】特開2002-307981(JP,A)
【文献】特開2013-057391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 13/00
H05K 5/02
H04N 5/64
H05K 5/03
F16B 5/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
置場所の形状に沿って変形可能なブラケット変形部を少なくとも一部に有し、前記設置場所に固定されるブラケットと、
前記ブラケットに接続されて機器を支持する台座と、
前記ブラケット変形部の変形に従って変形可能なカバー変形部を少なくとも一部に有し、前記カバー変形部によって前記ブラケット変形部を覆って配置されるカバーと、
を備え
前記台座及び前記カバーは、前記ブラケットの表面に沿って互いに並んで配置され、前記ブラケットの表面を分割して覆う機器の取り付け構造。
【請求項2】
前記カバーは、外側に向かって延びる爪部を有し、
前記台座と前記ブラケットとの間に、前記爪部の少なくとも一部を収容する収容部が設けられ、
前記爪部は、前記収容部に挿入され、前記台座と前記ブラケットとの間で挟まれて保持される請求項1に記載の機器の取り付け構造。
【請求項3】
設置場所の形状に沿って変形可能なブラケット変形部を少なくとも一部に有し、前記設置場所に固定されるブラケットと、
前記ブラケットに接続されて機器を支持する台座と、
前記ブラケット変形部の変形に従って変形可能なカバー変形部を少なくとも一部に有し、前記カバー変形部によって前記ブラケット変形部を覆って配置されるカバーと、
を備え、
前記カバーは、外側に向かって延びる爪部を有し、
前記台座と前記ブラケットとの間に、前記爪部の少なくとも一部を収容する収容部が設けられ、
前記爪部は、前記収容部に挿入され、前記台座と前記ブラケットとの間で挟まれて保持される機器の取り付け構造。
【請求項4】
前記爪部は、前記台座に向かって突出する凸部を有する請求項2または請求項3に記載の機器の取り付け構造。
【請求項5】
前記台座は、前記爪部の延伸方向と直交する方向に延びる第1突起部を有し、
前記カバーは、前記第1突起部が挿入される孔部を有する請求項2~請求項4のいずれかに記載の機器の取り付け構造。
【請求項6】
前記カバーは、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延び、前記ブラケットの端部が挿入される凹部を有する請求項2~請求項5のいずれかに記載の機器の取り付け構造。
【請求項7】
前記台座は、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延び、前記カバーと前記ブラケットとの間であって、前記カバーに隣接して配置される第2突起部を有する請求項2~請求項6のいずれかに記載の機器の取り付け構造。
【請求項8】
機器を所定の設置場所に取り付ける機器の取り付け方法であって、
前記機器を支持する台座が接続され、前記設置場所の形状に沿って変形可能なブラケット変形部を少なくとも一部に有するブラケットを、前記設置場所に固定する工程と、
前記ブラケット変形部の変形に従って変形可能なカバー変形部を少なくとも一部に有するカバーを、前記カバー変形部によって前記ブラケット変形部を覆って配置する工程と、
を含み、さらに、
前記カバーを配置する工程では、
前記カバーの外側に向かって延びる爪部を、前記台座と前記ブラケットとの間に挿入し、
前記爪部の延伸方向と直交する方向に延びる前記台座の第1突起部を、前記カバーの孔部に挿入し、
前記ブラケットの端部を、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延びる前記カバーの凹部に挿入する機器の取り付け方法。
【請求項9】
前記爪部の延伸方向と平行な方向に延びて先端に傾斜部を有する前記台座の第2突起部を、前記カバーと前記ブラケットとの間に、前記カバーに隣接して配置する請求項8に記載の機器の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の取り付け構造及び機器の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機器を所定の設置場所に取り付ける機器の取り付け構造に係る技術が種々提案されている。例えば、特許文献1及び2で提案されたテレビジョン受像機及び表示装置はそれぞれ、表示部の支持スタンドを備える。これらの支持スタンドは、例えば机上や床上に載置される板状のベース部(台座部)と、これを覆うカバーと、を有する。これらの支持スタンドは、ベース部(台座部)によって表示部をしっかりと支持することができ、且つカバーによって好適な見栄えを得ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-304079号公報
【文献】特開2007-206278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2で提案された従来技術では、機器の設置場所が曲面である場合、ベース部(台座部)及びカバーと、設置面との間に隙間が生じ、見栄えが悪くなることが課題であった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、機器の取り付け構造及び機器の取り付け方法において、機器の設置場所が曲面であっても、設置場所の形状に沿わせることができ、見栄えを向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る機器の取り付け構造は、機器を所定の設置場所に取り付けて支持する機器の取り付け構造であって、前記設置場所の形状に沿って変形可能なブラケット変形部を少なくとも一部に有し、前記設置場所に接して固定されるブラケットと、前記ブラケットに接続されて前記機器を支持する台座と、前記ブラケット変形部の変形に従って変形可能なカバー変形部を少なくとも一部に有し、前記カバー変形部によって前記ブラケット変形部を覆って配置されるカバーと、を備える構成(第1の構成)である。
【0007】
また、上記第1の構成の機器の取り付け構造において、前記カバーは、外側に向かって延びる爪部を有し、前記台座と前記ブラケットとの間に、前記爪部の少なくとも一部を収容する収容部が設けられ、前記爪部は、前記収容部に挿入され、前記台座と前記ブラケットとの間で挟持される構成(第2の構成)であっても良い。
【0008】
また、上記第2の構成の機器の取り付け構造において、前記爪部は、前記台座に向かって突出する凸部を有する構成(第3の構成)であっても良い。
【0009】
また、上記第2または第3の構成の機器の取り付け構造において、前記台座は、前記爪部の延伸方向と直交する方向に延びる第1突起部を有し、前記カバーは、前記第1突起部が挿入される孔部を有する構成(第4の構成)であっても良い。
【0010】
また、上記第2から第4の構成の機器の取り付け構造において、前記カバーは、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延び、前記ブラケットの端部が挿入される凹部を有する構成(第5の構成)であっても良い。
【0011】
また、上記第2から第5の構成の機器の取り付け構造において、前記台座は、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延び、前記カバーと前記ブラケットとの間であって、前記カバーに隣接して配置される第2突起部を有する構成(第6の構成)であっても良い。
【0012】
本発明に係る機器の取り付け方法は、機器を所定の設置場所に取り付ける機器の取り付け方法であって、前記機器を支持する台座が接続され、前記設置場所の形状に沿って変形可能なブラケット変形部を少なくとも一部に有するブラケットを、前記設置場所に固定する工程と、前記ブラケット変形部の変形に従って変形可能なカバー変形部を少なくとも一部に有するカバーを、前記カバー変形部によって前記ブラケット変形部を覆って配置する工程と、を含む。さらに、前記カバーを配置する工程では、前記カバーの外側に向かって延びる爪部を、前記台座と前記ブラケットとの間に挿入し、前記爪部の延伸方向と直交する方向に延びる前記台座の第1突起部を、前記カバーの孔部に挿入し、前記ブラケットの端部を、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延びる前記カバーの凹部に挿入する構成(第7の構成)である。
【0013】
また、上記第7の構成の機器の取り付け方法において、前記爪部の延伸方向と平行な方向に延びて先端に傾斜部を有する前記台座の第2突起部を、前記カバーと前記ブラケットとの間に、前記カバーに隣接して配置する構成(第8の構成)であっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、ブラケットが設置場所の形状に沿って固定され、さらにカバーがブラケットの変形に従ってブラケットを覆う。したがって、機器の取り付け構造及び機器の取り付け方法において、機器の設置場所が曲面であっても、設置場所の形状に沿わせることができ、見栄えを向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の機器の取り付け構造の一例を示す外観斜視図
図2】機器の取り付け構造の上面図
図3】機器の取り付け構造の側面図
図4】機器の取り付け構造の下面図
図5】機器の取り付け構造の分解上面図
図6】機器の取り付け構造のカバーの斜視図
図7図4に示す機器の取り付け構造のVII-VII線における垂直断面図
図8図7に示す機器の取り付け構造のVIII部の詳細図
図9】カバーの爪部を示す部分上面図
図10図4に示す機器の取り付け構造のX-X線における垂直断面図
図11図10に示す機器の取り付け構造のXI部の詳細図
図12図4に示す機器の取り付け構造のXII-XII線における垂直断面図
図13図4に示す機器の取り付け構造のXIII-XIII線における垂直断面図
図14図13に示す機器の取り付け構造のXIV-XIV線における垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0017】
<1.機器の取り付け構造の概略>
図1は、実施形態の機器の取り付け構造1の一例を示す外観斜視図である。図2は、機器の取り付け構造1の上面図である。図3は、機器の取り付け構造1の側面図である。図4は、機器の取り付け構造1の下面図である。
【0018】
本書では、説明の便宜上、図1及び図3における上下方向が、設置状態にある機器の取り付け構造1の上下方向であるとして各部の形状及び位置関係を説明する。なお、この上下方向の定義が機器の取り付け構造1の使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。すなわち、図3に示す設置面Fが水平面ではなく、垂直面、傾斜面であっても良い。さらに、機器の取り付け構造1を構造物の下面にぶら下げる状態で設置しても良い。
【0019】
機器の取り付け構造1は機器Eを所定の設置場所に取り付けて支持する。機器Eとしては特に限定されないが、例えばスピーカー、カメラ、ディスプレイ(表示装置)などである。これらの機器Eは車載装置であって良い。すなわち、機器Eは、例えば車室内で使用されるドライブレコーダー、ETC(Electronic Toll Collection System)装置などの車載装置を含む。機器Eが車載装置である場合、機器Eの設置場所としては、例えば車室内のダッシュボード上面などであって良い。なお、機器EはケーブルEcを有する。機器EはケーブルEcを介して、電力の供給を受け、さらに情報の授受を行う。
【0020】
機器の取り付け構造1は上方から見て円形の外形を有する円盤状に構成される。機器の取り付け構造1の上面は上方から見た中央部が上方に向かって凸となる湾曲面で構成される。機器の取り付け構造1は、ブラケット2と、台座3と、カバー4と、を有する。
【0021】
ブラケット2は機器の取り付け構造1の下部に配置される。ブラケット2は設置場所の設置面Fと対向し、設置面Fの表面に沿って延びる板状である。ブラケット2は、例えば金属材料で構成される。ブラケット2は固定部材5を介して、設置面Fに接して固定される。固定部材5は、例えばシート状の両面テープであるが、接着剤等であっても良い。
【0022】
台座3及びカバー4はそれぞれ、ブラケット2の上方に配置される。機器の取り付け構造1の上部を横方向に二分する一方の構造体が台座3であり、他方の構造体がカバー4である。台座3と、カバー4とは互いに横方向に隣接して配置される。台座3の上面及びカバー4の上面は上方に向かって凸となる湾曲面で構成される。台座3の下部、及び台座3のカバー4との境界部3aは開口する。カバー4の下部、及びカバー4の台座3との境界部4aは開口する。台座3と、カバー4との境界部3a、4aは上方から見て円弧状である。
【0023】
台座3は、例えば硬質の樹脂材料で構成される。台座3は接続部材6を介して、ブラケット2の上面に接続される。接続部材6は、例えばネジであるが、接着剤等であっても良い。台座3は支持部31を有する。支持部31は台座3の上面に配置され、例えば上方から見て円形である。台座3には機器Eが取り付けられる。すなわち、台座3は支持部31を介して、機器Eを支持する。
【0024】
カバー4は切り欠き部41を有する。切り欠き部41は、例えばカバー4の外周縁の中央部に配置される。切り欠き部41にはカバー4の内部から外部に向かって延びるケーブルEcが配置される。
【0025】
<2.機器の取り付け構造の詳細>
図5は、機器の取り付け構造1の分解上面図である。図6は、機器の取り付け構造1のカバー4の斜視図である。
【0026】
ブラケット2は、図4及び図5に示すブラケット変形部21を有する。ブラケット変形部21はカバー4の下方の領域に配置される。ブラケット変形部21は複数の小片部21aを備える。複数の小片部21aは、ブラケット変形部21がカバー4側の外縁部の周方向に関して分割されることで構成される。複数の小片部21aはそれぞれ、台座3側からカバー4側の外縁部に向かって延びる。複数の小片部21aはそれぞれ、個別に独立して設置場所の設置面Fの形状に沿って変形する。
【0027】
なお、ブラケット変形部21はブラケット2の全体に設けても良いし、一部に設けても良い。すなわち、ブラケット2は設置場所の設置面Fの形状に沿って変形可能なブラケット変形部21を少なくとも一部に有する。
【0028】
カバー4はカバー変形部42を有する。カバー変形部42はカバー4の全体に設けても良いし、一部に設けても良い。本実施形態では、カバー変形部42はカバー4の全体に設けられる。カバー変形部42、すなわち本実施形態のカバー4の全体は、例えば弾性材料で構成される。カバー変形部42はブラケット変形部21の変形に従って変形可能である。すなわち、カバー4はブラケット変形部21の変形に従って変形可能なカバー変形部42を少なくとも一部に有する。
【0029】
カバー4はカバー変形部42によってブラケット変形部21を覆って配置される。また、カバー4は自身の弾性力を利用して、ブラケット2の上面に着脱可能に配置される。
【0030】
上記実施形態の構成によれば、機器の取り付け構造1は、ブラケット2が設置場所の設置面Fの形状に沿って固定され、さらにカバー4がブラケット2の変形に従ってブラケット2を覆う。したがって、機器の取り付け構造1は機器Eの設置場所が曲面であっても、設置場所の形状に沿わせることができ、見栄えを向上させることが可能になる。
【0031】
カバー4は、図5及び図6に示す爪部43を有する。爪部43はカバー4の台座3との境界部4aの両端それぞれに配置される。2つの爪部43は機器の取り付け構造1の中央部に関して互いに対向する。爪部43はカバー4の境界部4aから外側に向かって延びる。より詳細には、爪部43は台座3に向かって延びる。
【0032】
図7は、図4に示す機器の取り付け構造1のVII-VII線における垂直断面図である。図8は、図7に示す機器の取り付け構造1のVIII部の詳細図である。
【0033】
機器の取り付け構造1は、図7及び図8に示す爪部43の収容部7を有する。収容部7は台座3のカバー4との境界部3aに隣接し、境界部3aの両端それぞれに配置される。収容部7は台座3とブラケット2との間に設けられる。収容部7は境界部3aから台座3の内部に向かって延びる凹状に構成される。
【0034】
爪部43は、内側部43aと、外側部43bと、を有する。内側部43aはブラケット2の上面2aの上に隣接して配置され、台座3の外縁部よりも内側に位置する。外側部43bは、台座3の外縁部の下面3bの下に隣接して配置され、ブラケット2の外縁部よりも外側に位置する。2つの爪部43の内側部43aはそれぞれ、2つの収容部7に個別に挿入される。すなわち、収容部7は爪部43の少なくとも一部を収容する。
【0035】
なお、爪部43が台座3に向かって延びる方向、すなわち図5における上下方向が、爪部43の延伸方向である。カバー4を機器の取り付け構造1に装着する際、爪部43は、爪部43の延伸方向に沿って収容部7に挿入される。収容部7に挿入された爪部43は台座3とブラケット2との間で挟持される。
【0036】
この構成によれば、爪部43の箇所において、カバー4の上下方向における位置決めを行うことができる。これにより、台座3とカバー4との境界部3a、4aの両端において、カバー4と台座3との間に上下方向に段差が生じることを抑制することができる。したがって、見栄えを向上させることが可能になる。また、ブラケット2が設置場所の形状に沿って変形しても、爪部43が収容部7から抜けることを抑制することができる。これにより、機器の取り付け構造1からのカバー4の脱落を抑制することが可能になる。
【0037】
図9は、カバー4の爪部43を示す部分上面図である。爪部43は、図9に示す凸部43cを有する。凸部43cは爪部43の内側部43aの外周面であって、外側部43bの上方に配置される。本実施形態では、凸部43cは複数が周方向に並べて配置されるが、単数であっても良い。凸部43cは横方向に台座3の内面3cと対向し、台座3に向かって突出する。本実施形態では、凸部43cは上下方向に延びるリブ形状であるが、例えば台座3に向かって突出する半球形状であっても良い。
【0038】
この構成によれば、爪部43の箇所において、上方から見て円形の機器の取り付け構造1の径方向におけるカバー4の位置決めを行うことができる。これにより、台座3とカバー4との境界部3a、4aの両端において、カバー4と台座3との間に当該径方向に段差が生じることを抑制することができる。したがって、見栄えを向上させることが可能になる。
【0039】
図10は、図4に示す機器の取り付け構造1のX-X線における垂直断面図である。図11は、図10に示す機器の取り付け構造1のXI部の詳細図である。
【0040】
台座3は、図10及び図11に示す第1突起部32を有する。第1突起部32は、図5に示すように、カバー4との境界部3aの中央部であって、境界部3aよりも内側に配置される。第1突起部32は台座3の内部天井部から下方に向かって延びる。すなわち、第1突起部32は爪部43の延伸方向(横方向)と直交する方向に延びる。第1突起部32は板状である。
【0041】
カバー4は、図5図10及び図11に示す突出部44を有する。突出部44は、台座3との境界部4aの中央部であって、境界部4aよりも外側に配置される。突出部44はカバー4の境界部4aから台座3側に向かって突出する。突出部44は台座3の下方に配置される。突出部44は板状である。
【0042】
突出部44は孔部45を有する。孔部45は突出部44を上下方向に貫通する。孔部45には台座3の第1突起部32が挿入される。すなわち、カバー4は第1突起部32が挿入される孔部45を有する。
【0043】
この構成によれば、カバー4の台座3との境界部4aの中央部において、台座3に接近、離間する方向におけるカバー4の位置決めを行うことができる。これにより、機器の取り付け構造1の上方から見た中央部において、カバー4と台座3との間に隙間が生じることを抑制することができる。さらに、カバー4の台座3との境界部4aの中央部において、カバー4が上方に変位することを抑制することができる。これにより、機器の取り付け構造1の上方から見た中央部において、カバー4と台座3との間に上下方向に段差が生じることを抑制することができる。したがって、見栄えを向上させることが可能になる。さらに、機器の取り付け構造1からのカバー4の脱落を抑制することが可能になる。
【0044】
図12は、図4に示す機器の取り付け構造1のXII-XII線における垂直断面図である。ブラケット2は、図4図5及び図12に示す屈曲部22を有する。屈曲部22はブラケット変形部21に設けられる。屈曲部22はブラケット変形部21の、カバー4側の外縁部の周方向に関して分割された複数の小片部21aのうち、周方向の中央に並ぶ2つの小片部21aに設けられる。屈曲部22は2つの小片部21aそれぞれの外縁部に配置される。屈曲部22では小片部21aの端部が上方に向かってクランク状に屈曲する。
【0045】
カバー4は、図4図5図6及び図12に示す凹部46を有する。凹部46はカバー4の内部に設けられる。凹部46は切り欠き部41を挟んで横方向の両側それぞれに配置される。凹部46は、図5における上下方向、すなわち爪部43の延伸方向と平行な方向に延びる。2つの凹部46それぞれには屈曲部22が個別に挿入される。すなわち、カバー4はブラケット2の端部が挿入される凹部46を有する。
【0046】
この構成によれば、カバー4の外周縁の中央部において、カバー4が上方に変位することを抑制することができる。したがって、見栄えを向上させることが可能になる。さらに、機器の取り付け構造1からのカバー4の脱落を抑制することが可能になる。
【0047】
なお、機器Eを所定の設置場所に取り付ける際、機器Eを支持する台座3が接続され、設置場所の形状に沿って変形可能なブラケット変形部21を少なくとも一部に有するブラケット2を、設置場所に固定する。続いて、ブラケット変形部21の変形に従って変形可能なカバー変形部42を少なくとも一部に有するカバー4を、カバー変形部42によってブラケット変形部21を覆って配置する。
【0048】
カバー4を配置する工程では、カバー4の外側に向かって延びる爪部43を、台座3とブラケット2との間の収容部7に挿入する。また、カバー変形部42の弾性力に抗してカバー4の境界部4aの中央部を下方に押しながら、突出部44を台座3の第1突起部32の下方に挿入する。そして、境界部4aの中央部を押す力を緩めることで、爪部43の延伸方向と直交する方向に延びる台座3の第1突起部32を、カバー4の孔部45に挿入する。そして、ブラケット2の端部の屈曲部22を、爪部43の延伸方向と平行な方向に延びるカバー4の凹部46に挿入する。
【0049】
また、カバー4を機器の取り付け構造1から取り外す際、カバー変形部42の弾性力に抗してカバー4の境界部4aの中央部を下方に押すことで、台座3の第1突起部32を、カバー4の孔部45から抜く。そして、カバー4の境界部4aの中央部を下方に押しながら、カバー4を台座3から離隔する方向(図5の下方向)に引っ張る。このとき、同時に、カバー4の爪部43を収容部7から引き出し、ブラケット2の屈曲部22をカバー4の凹部46から引き出す。
【0050】
図13は、図4に示す機器の取り付け構造1のXIII-XIII線における垂直断面図である。図14は、図13に示す機器の取り付け構造1のXIV-XIV線における垂直断面図である。なお、図14では、機器の取り付け構造1の下部の構造の記載を省略した。
【0051】
台座3は、図5図13及び図14に示す第2突起部33を有する。第2突起部33は、カバー4との境界部3aの中央部に対して横方向の両側それぞれに配置される。2つの第2突起部33はカバー4の突出部44が挿入される空間を隔てて離間する。第2突起部33は板状である。なお、本実施形態では、ケーブルEcに隣接する、図5における右側の第2突起部33がケーブルEcを挟んで横方向に分割されているが、これらを一体で構成しても良い。
【0052】
第2突起部33は台座3の境界部3aからカバー4側に向かって突出する。より詳細には、第2突起部33は、図5における上下方向、すなわち爪部43の延伸方向と平行な方向に延びる。第2突起部33はカバー4とブラケット2との間であって、カバー4に隣接して配置される。言い換えると、第2突起部33はカバー4の下方に、カバー4に隣接して配置される。
【0053】
この構成によれば、カバー4の台座3との境界部4aの中央部の左右両側において、カバー4が下方に変位することを抑制することができる。これにより、機器の取り付け構造1の上方から見た中央部周辺において、カバー4と台座3との間に上下方向に段差が生じることを抑制することができる。したがって、見栄えを向上させることが可能になる。
【0054】
また、第2突起部33は、図14に示す傾斜部33aを有する。傾斜部33aは第2突起部33の先端に、カバー4に隣接して配置される。傾斜部33aを有することで、第2突起部33は先端に向かうにつれて上下方向の厚みが薄くなる。この構成によれば、機器の取り付け構造1に対してカバー4を着脱する際、カバー4の台座3との境界部4aが第2突起部33の傾斜部33a上を滑る。したがって、機器の取り付け構造1に対するカバー4の着脱が容易である。
【0055】
<3.その他>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0056】
1 機器の取り付け構造
2 ブラケット
3 台座
4 カバー
21 ブラケット変形部
22 屈曲部
32 第1突起部
33 第2突起部
33a 傾斜部
42 カバー変形部
43 爪部
43c 凸部
44 突出部
45 孔部
46 凹部
E 機器
F 設置面
図1
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