(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】浴室用機能ユニット
(51)【国際特許分類】
E03C 1/10 20060101AFI20221104BHJP
E03C 1/06 20060101ALI20221104BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
E03C1/10
E03C1/06
A47K4/00
(21)【出願番号】P 2018163724
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 俊二
(72)【発明者】
【氏名】坂田 真也
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0003277(KR,U)
【文献】特開2000-217734(JP,A)
【文献】特開2000-262428(JP,A)
【文献】特開2001-107436(JP,A)
【文献】特開2003-174977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00-1/10
A47K 3/02-4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室壁部に固定される、浴室用機能部品を支持するための支持部材と、
前記支持部材とは別体であり、前記支持部材に固定される、原水を改質するための原水改質装置と、を備え
、
前記原水改質装置は、装置本体と、カバーと、を含み、
前記装置本体は、固定具により前記支持部材に固定され、
前記カバーは、前記固定具を覆うように前記装置本体に取り付けられることを特徴とす
る浴室用機能ユニット。
【請求項2】
浴室壁部に固定される、浴室用機能部品を支持するための支持部材と、
前記支持部材とは別体であり、前記支持部材に固定される、原水を改質するための原水改質装置と、を備え
、
前記原水改質装置は、スライド式の嵌合構造により、支持部材に支持されることを特徴とす
る浴室用機能ユニット。
【請求項3】
浴室壁部に固定される、浴室用機能部品を支持するための支持部材と、
前記支持部材とは別体であり、前記支持部材に固定される、原水を改質するための原水改質装置と、を備え
、
前記原水改質装置は、
供給水を原水または改質水に切り替えるための切替機構部と、
カートリッジを収容するためのケーシングと、を含み、
前記切替機構部は、前記支持部材に固定され、
前記ケーシングは、前記原水改質装置の他の部材に対して着脱可能であることを特徴とす
る浴室用機能ユニット。
【請求項4】
前記原水改質装置の一部は、前記支持部材内の収容空間に収容されることを特徴とする請求項1
から3のいずれかに記載の浴室用機能ユニット。
【請求項5】
前記支持部材は、前記収容空間に収容された前記原水改質装置の前記一部の背後で浴室壁部に固定されることを特徴とする請求項
4に記載の浴室用機能ユニット。
【請求項6】
前記支持部材は、原水改質装置の水平方向の移動を規制するよう構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の浴室用機能ユニット。
【請求項7】
前記支持部材は、原水改質装置の鉛直方向の移動を規制するよう構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の浴室用機能ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用機能ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
シャワーヘッド等の吐水装置に供給される水の浄化を目的として、吐水装置に給水するための給水路に浄水カートリッジを組み込む場合がある。たとえば、特許文献1には、シャワーフックがスライド可能なスライドバーの内部に浄水カートリッジを組み込んだ給湯水装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、原水を改質する原水改質装置をスライドバー等の浴室用機能部品に組み付けることを検討している。本発明者は、このような検討の過程で、原水改質装置のコストという観点から、特許文献1の開示技術に関して改良の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、原水改質装置を備える浴室用機能ユニットにおいて、低コスト化を実現できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の浴室用機能ユニットは、浴室壁部に固定される、浴室用機能部品を支持するための支持部材と、支持部材とは別体であり、支持部材に固定される、原水を改質するための原水改質装置と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原水改質装置を備える浴室用機能ユニットにおいて、低コスト化を実現できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態の浴室ユニットを示す斜視図である。
【
図3】
図1の水栓装置から吐水装置に至る給水路を示す図である
【
図4】
図1の原水改質装置とその周辺を示す左側面図である。
【
図5】
図1の原水改質装置とその周辺を示す正面図である。
【
図6】
図1の原水改質装置とその周辺を示す分解斜視図である。
【
図13】
図13(a)~(d)はそれぞれ、カバーの左側面図、正面図、右側面図、背面図である。
【
図14】第2ホース接続部とその周辺を示す分解斜視図である。
【0010】
以下、実施の形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
【0011】
図1は、実施の形態の浴室ユニット10を示す斜視図である。
図2は、機能ユニット26を示す側面図である。浴室ユニット10は、浴槽12と、浴槽12に隣り合う位置に設けられる洗い場床14と、浴室空間を内部に画定する複数の浴室壁部16と、水栓装置18と、吐水装置20と、一次側ホース22と、二次側ホース24と、機能ユニット26と、を備える。
【0012】
水栓装置18は、入浴者による操作に応じて、吐水装置20から吐き出される水の流量や温度を調整する。
【0013】
機能ユニット26は、浴室用機能部品であるスライドバー36と、スライドバー36を支持する支持部材44、46と、原水を改質するための原水改質装置54と、を含む。スライドバー36は、シャワーフック40や入浴者の荷重を受けるとともにシャワーフック40をスライド可能に支持する。スライドバー36は、水栓装置18から分離している。シャワーフック40には、シャワーヘッドである吐水装置20が掛けられる。
【0014】
支持部材44、46は、浴室壁部16にビス等の固定具により固定される。本実施の形態のスライドバー36は、鉛直方向に延び、その上端部が支持部材44を介して浴室壁部16に支持され、その下端部が支持部材46を介して浴室壁部16に支持される。原水改質装置54は、操作部材60に対する入浴者の操作に応じて、吐水装置20に原水と改質水とを切替えて供給する。
【0015】
一次側ホース22は水栓装置18と原水改質装置54を接続し、二次側ホース24は原水改質装置54と吐水装置20を接続する。
【0016】
図3は、水栓装置18から吐水装置20に至る給水路28を示す図である。給水路28の途中には原水改質装置54のカートリッジ62および弁機構58が設けられる。カートリッジ62は、一次側周面部66に供給された原水を改質して二次側内部水路68に供給する。給水路28は、原水改質装置54に設けられる一次側通水路30、二次側通水路32および原水通水路34を有する。原水通水路34には、一次側通水路30を介して一次側ホース22から原水Lbが供給される。弁機構58が開状態のときは、原水通水路34の原水Lbは、弁機構58および二次側通水路32を介して二次側ホース24に供給水Lcとして供給される。弁機構58が閉状態のときは、原水通水路34の原水Lbは、カートリッジ62によって改質水Laに改質され、二次側通水路32を介して二次側ホース24に供給水Lcとして供給される。
【0017】
図4は、原水改質装置54とその周辺を示す左側面図である。
図5は、原水改質装置54とその周辺を示す正面図である。
図6は、原水改質装置54とその周辺を示す分解斜視図である。
【0018】
以下、便宜的に浴室壁部16の法線方向を方向Pと表記し、鉛直方向を方向Qと表記する。本実施の形態では、方向Pおよび方向Qは互いに直交する。なお、方向Pおよび方向Qと直交する方向を左右方向と呼ぶこともある。
【0019】
原水改質装置54は、装置本体50と、カバー74と、を含む。装置本体50は、水路形成体52と、カートリッジ62と、カートリッジ62を収容するケーシング64と、一次側ホース22が接続される第1ホース接続部55と、二次側ホース24が接続される第2ホース接続部56と、を含む。
【0020】
第1ホース接続部55は、ケーシング64の下部に設けられる。第2ホース接続部56は、水路形成体52の左側面部に設けられる。第1ホース接続部55には、上述の一次側通水路30が形成され、水路形成体52および第2ホース接続部56には、上述の二次側通水路32が形成される。
【0021】
水路形成体52は、切替機構部48を含む。切替機構部48は、操作部材60に対する操作に応じて弁機構58(
図4~6では不図示)を開閉することにより、供給水Lcを、原水Lbまたは改質水Laに切り替える。
【0022】
ケーシング64は、原水改質装置54の他の部材、本実施の形態では水路形成体52の下部に、着脱自在に取り付けられる。ケーシング64には、カートリッジ62を収容するための収容部64sが設けられる。ケーシング64は、上端に開口部64aが設けられ、下端は閉塞されている。カートリッジ62は、開口部64aから出し入れされる。
図4に示すように、収容部64sの内部空間は、カートリッジ62の周囲に上述の原水通水路34を構成する。第1ホース接続部55に形成された一次側通水路30は、ケーシング64の下部の背面側に形成された開口を通じて収容部64sの内部空間と連通する。
【0023】
原水改質装置54は、支持部材46とは別体であり、ビス等の固定具72により支持部材46に固定される。ここで、原水改質装置54を支持部材46と一体の1つの部品にすると、浴室用機能部品であるスライドバー36の種類ごとに専用の原水改質装置を用意しなければならず、コストが高くなる。一方、本実施の形態のように原水改質装置54を支持部材46とは別体として、原水改質装置54を支持部材46に固定するようにすれば、スライドバー36の種類ごとに専用の支持部材46を用意すれば原水改質装置54は共用できるので、コストを抑えられる。
【0024】
図7は、
図5のA-A線断面図である。
図8~12はそれぞれ、
図4のB-B線断面図
、C-C線断面図、D-D線断面図、E-E線断面図、F-F線断面図である。
【0025】
図7等に示すように、水路形成体52は、支持部材46内の収容空間46sに収容される。支持部材46には、水路形成体52の背後に挿通孔46hが形成されている。支持部材46は、この挿通孔46hに固定具38を挿通して、つまり収容空間46sに収容された水路形成体52の背後の固定具38で、浴室壁部16に固定される。これにより、支持部材46から突出する原水改質装置54の部分の鉛直方向の寸法を短くでき、すっきりとした見た目を実現できる。
【0026】
図8等に示すように、原水改質装置54は、スライド式の嵌合構造により、支持部材46に支持される。本実施の形態では、水路形成体52の左右の側面52aのそれぞれに、前後に延びる2本の突条52bが形成され、水路形成体52の左右の側面52aに対向する支持部材46の内壁面46aのそれぞれに、前後に延びる2本の溝46bが形成されている。水路形成体52は、突条52bが溝46bに挿入されるように水平方向にスライドされて、支持部材46の収容空間46sに収容される。溝46bの内周面により、突条52bひいては原水改質装置54が支持される。この場合、突条52bおよび溝46bを比較的長く形成することで、それらの接触面積(支持面積)を大きくでき、また支持スパンを長くできるため、支持部材46によって原水改質装置54の鉛直荷重をしっかり支持できる。なお、支持部材46に突条が形成され、水路形成体52に溝が形成されてもよい。
【0027】
支持部材46は、上述したように、水路形成体52の左右の側面52aに対向する内壁面46aを有する。この内壁面46aにより、水路形成体52ひいては原水改質装置54の左右の移動や回転が規制される。また支持部材46は、水路形成体52の上面52cに対向する天面46cを有する。この天面46cと、突条52bが挿入される溝46bにより、水路形成体52ひいては原水改質装置54の上下の移動や回転が規制される。これにより、原水改質装置54がガタつくのが抑えられる。
【0028】
水路形成体の左右の側面52aと、支持部材46の左右の内壁面46aとは、好ましくは、相補的な形状を有する、言い換えると対応する形状を有する、さらに言い換えると実質的に同一の断面形状を有する。同様に、水路形成体52の上面52cと、支持部材46の天面46cとは、好ましくは、相補的な形状を有する。これにより、水路形成体52に荷重がかかったときに、支持部材46はその荷重を面で受けられる。これにより、水路形成体52および支持部材46に局所的に大きな負荷がかかるのが抑止され、それらが摩耗、変形、破損等するのが抑止される。
【0029】
図4~6、8等に示すように、カバー74は、支持部材46ごと水路形成体52を覆う。カバー74により固定具38が覆われるため、原水改質装置54を支持部材46に固定具38でしっかりと固定しつつも、良好な美観を確保できる。本実施の形態のカバー74は、第1カバー体76と、第2カバー体78と、を含む。図示の例では、第1カバー体76により固定具38が覆われている。
【0030】
本実施の形態の第1カバー体は、水路形成体52の正面と両側面の一部分とを覆う第1部分76mと、水路形成体52の両側面の他の一部を覆う第2部分76nと、を含む。第1部分76mは、正面側に凸に湾曲した略半円筒形状を有する。第2部分76nは、第1部分76mの両端部から後方に延びる板形状を有する。第2部分76nの鉛直方向における寸法は、第1部分76mの鉛直方向における寸法の略半分である。第1カバー体76は、正面視で縦長の矩形形状を呈し、側面視で逆向きのL字形状を呈する。
【0031】
図6、8~10等に示すように、第1カバー体76は、その上端部に、内側に張り出す張出部76aを有する。また、支持部材46の両側面に対向する第1カバー体76の内壁面76bには、前後に延びる2本の突条76cが形成されている。2本の突条76cは、張出部76aよりも下方に位置する。支持部材46の上面の左右両端には、前後に延びる、下側に凹んだ凹部46dが形成されている。第1カバー体76は、張出部76aと突条76cとが支持部材46の上側部分を上下に挟み込むように支持部材46の前方側から水平方向にスライドされて、支持部材46に嵌合される。
【0032】
第2部分76nから張り出している張出部76aの部分は、凹部46dに収容される。張出部76aの当該部分は、後ろ側ほどそれらの間隔W1が広くなるように形成されている。同様に、支持部材46の凹部46dは、周壁面46eの間隔W2が後ろ側ほど広くなるように構成されている。これにより、第1カバー体76を支持部材46に嵌め込むときに、張出部76aと凹部46dとが摺動するのが抑止され、第1カバー体76の組み付け性が向上する。
【0033】
図10に示すように、第1カバー体76には、張出部76aの後方側に、左右内側に突出する爪76dが形成されている。支持部材46の後方上側には、爪76dに対応する、左右内側に凹んだ凹部46fが形成されている。爪76dは、凹部46fに係合する。
【0034】
図11に示すように、第1カバー体76には、後方下側に、左右内側に凹んだ凹部76eが形成されている。第2カバー体78の後方上側には、凹部76eに対応する、左右内側に突出する爪78aが形成されている。凹部76eには、爪78aが係合する。
【0035】
図10に示した爪76dと凹部46fとの係合は、第1カバー体76の上側を広げることで解除され、
図11に示した爪78aと凹部76eとの係合は、第1カバー体76の下側を狭めることで解除される。つまり、第1カバー体76は、上下で逆に変形させることで取り外せる。これにより、意図せず取り外れるのが抑止される。
【0036】
図4、6等に示すように、第2カバー体78は、水路形成体52の左右の側面52aのうち、第1カバー体76によって覆われていない部分を覆う一対のカバー部78bと、一対のカバー部78bを接続する接続部78cと、を含む。カバー部78bは板形状を有する。一対のカバー部78bが一体の1つの部品として構成されるため、部品点数を減らすことができ、コストを低減できる。カバー部78bの一方側には、第2ホース接続部56が挿通される切欠き78fが形成されている。なお、切欠き78fの代わりに挿通孔が形成されてもよい。
【0037】
図4、7等に示すように、第2カバー体78の接続部78cには固定具が挿通される挿通孔78gが形成されている。第2カバー体78は、支持部材46とともに、浴室壁部16に固定具38で固定(例えば共締め)される。これにより、第2カバー体78と支持部材46とを別々の固定具で浴室壁部16に固定する場合と比べて部品点数を減らすことができ、コストを低減できる。
【0038】
図6、9等に示すように、第2カバー体78および支持部材46は、第2カバー体78を位置決めするための位置決め構造を有する。支持部材46の左右の側面46gには、係合凹部46iが設けられている。支持部材46の左右の側面46gに対向するカバー部78bの対向面78hには、係合凸部78iが設けられている。第2カバー体78は、係合凸部78iと係合凹部46iとが係合するように支持部材46の後方側から水平方向にスライドされて、支持部材46に嵌合される。これにより、第2カバー体78は上下に位置決めされる。また、第2カバー体78の上下の移動が規制される。なお、支持部材46に係合凸部が形成され、第2カバー体78に係合凹部が形成されてもよい。
【0039】
ここで、図示は省略するが、第2カバー体78は平面視で角張ったU字形状を有する。上述の係合凸部78iは、カバー部78bに加えて接続部78cにも接続されている。したがって、係合凸部78iは、第2カバー体78のU字形状が変形するのを抑止する補強部としても機能する。なお、第2カバー体78には、係合凸部78iとは別に、リブ等の補強部が設けられてもよい。
【0040】
図4、8、9、12等に示すように、第1カバー体76と第2カバー体78は、第1接合部81と、第1接合部81とは交差する方向に延びる第2接合部82との2箇所で接合している。図示の例では、第1接合部81と第2接合部82は直交している。具体的には、第1接合部81は前後方向に延び、第2接合部82は上下に延びている。
【0041】
前後方向に延びる第1カバー体76と第2カバー体78との第1接合部81は、第1カバー体76の外倒れを規制するように(裏を返せば第2カバー体78の内倒れを規制するように)構成され、上下方向に延びる第1カバー体76と第2カバー体78との第2接合部82は、第1カバー体76の内倒れを規制するように(裏を返せば第2カバー体78の外倒れを規制するように)構成される。つまり、第1カバー体76および第2カバー体78はいずれも、内倒れおよび外倒れの両方が規制される。なお、第1接合部81が第1カバー体76の内倒れを抑止するよう構成され、第2接合部82が第1カバー体76の外倒れを抑止するよう構成されてもよい。
【0042】
本実施の形態の第1接合部81では、第1カバー体76と第2カバー体78との端面にはそれぞれ、相補形状の段部が形成される。具体的には、第1カバー体76には、左右内側ほど高くなる(すなわち左右内側ほど下に位置する)段部76fが形成され、第2カバー体78には、左右外側ほど高くなる段部78dが形成される。これにより、第2カバー体78によって第1カバー体76の外倒れが規制され、反対に、第1カバー体76によって第2カバー体78の内倒れが規制される。
【0043】
同様に、本実施の形態の第2接合部82では、第1カバー体76と第2カバー体78との端面にはそれぞれ、相補形状の段部が形成される。具体的には、第1カバー体76には、左右外側ほど高くなる(すなわち左右外側ほど後ろに位置する)段部76gが形成され、第2カバー体78には、内側ほど高くなる(すなわち内側ほど前に位置する)段部78eが形成される。これにより、第2カバー体78によって第1カバー体76の内倒れが規制され、反対に、第1カバー体76によって第2カバー体78の外倒れが規制される。
【0044】
このように、第1カバー体76および第2カバー体78の両方の、内倒れおよび外倒れが規制されることで、第1カバー体76と第2カバー体78の外表面を実質的に面一に保つことができ、良好な美観を確保できる。
【0045】
また、上述したように2つの接合部が交差するように延びることで、各カバー体の回転も規制され、カバー体が回転して外れるのを抑止できる。
【0046】
上述したように、第1カバー体76、第2カバー体78はそれぞれ、反対向きに水平方向にスライドされて支持部材46に嵌合され、その結果、第1カバー体76と第2カバー体78との接合部の段部が嵌合する。つまり、第1カバー体76と第2カバー体78とは、相互にスライドされて嵌合される。
【0047】
図13(a)~(d)はそれぞれ、カバー74を示す左側面図、正面図、右側面図、背面図である。
図5、6、8~13等に示すように、第1カバー体76は、左右対称に形成される。第2カバー体78は、一方のカバー部78bに形成された切欠き78fを除いて、当該第1カバー体76の中心を前後に延びる所定の軸に関して180度回転対称(二回対称)に形成される。また、第2カバー体78は、上下対称に形成される。したがって、
図8、9に示すように、第2カバー体78には、第1カバー体76と接合していない下側の端面にも、段部78dが形成されている。また、図示は省略するが、第2カバー体78には、第1カバー体76と接合していない下側の後方にも、左右内側に突出する爪78aが形成されている。
【0048】
ここで、本実施の形態では、水路形成体52の左側の側面52aに第2ホース接続部56が設けられているが、変形例として、水路形成体52の右側の側面52aに第2ホース接続部56が設けられてもよい。すなわち、水路形成体52および第2ホース接続部56が、図示の例とは左右反転しててもよい。
【0049】
上述のように第1カバー体76が左右対称に形成され、第2カバー体78が180度回転対称に形成されるため、水路形成体52の右側の側面52aに第2ホース接続部56が設けられる場合は、切欠き78fがあるカバー部78bが右側にくるように左右を入れ替えて第2カバー体78を取り付けることができる。つまり、水路形成体52の左側に第2ホース接続部56が設けられる場合と右側に第2ホース接続部56が設けられる場合で第2カバー体78を共通にでき、これによりコストを低減できる。
【0050】
図14は、第2ホース接続部56とその周辺を示す分解斜視図である。第2ホース接続部56は、エルボ管86と、カバー90と、抜け止め部材92と、を含む。
図15は、カバー90の斜視図である。
図5、8、14、15を参照する。
【0051】
エルボ管86は、樹脂製であり、一端が、カバー74から突出する水路形成体52の突出管部52dに接続され、他端が、二次側ホース24(
図5、8、14、15では不図示)に接続される。
【0052】
エルボ管86は、水路形成体52から突き出るように設けられる第1管部86aと、第1管部86aと実質的に直交する方向に延在する第2管部86bと、第1管部86aと第2管部86bとを接続する接続部86cと、を含む。本実施の形態では、第1管部86aは水路形成体52から左側に延び、第2管部86bは接続部86cから鉛直下方に延びる。
【0053】
カバー90は、エルボ管86の接続部の少なくとも角部86dを覆うように構成される。これにより、エルボ管86の外観によらず、カバー90により意匠性を確保できる。カバー90には、意匠性を考慮して、その外表面にメッキが施されてもよい。本実施の形態のカバー90は、一端側が閉塞された筒状であり、当該閉塞部が上を向いた状態で第2管部86bと接続部86cを覆っている。カバー90には、第1管部86aが突き出る切欠き90aが形成されている。
【0054】
抜け止め部材92は、カバー90とともにエルボ管86を環囲するようにカバー90に係合する。具体的には、カバー90は上からエルボ管86に被せられ、抜け止め部材92は下から挿入されてカバー90に係合される。カバー90と抜け止め部材92とが係合されることで、特にカバー90と抜け止め部材92とでエルボ管86を環囲するように係合されることで、エルボ管からのカバーの抜けが規制される。当然に、抜け止め部材92が外れるのも抑止される。
【0055】
抜け止め部材92は、カバー90の切欠90aきを塞ぐカバー部92aを含む。カバー90と、抜け止め部材92のカバー部92aとは、実質的に面一となるように形成される。カバー90と、抜け止め部材92との境界96は、エルボ管の中心軸線Cよりも曲げ内側に位置する。別の言い方をする、抜け止め部材92は、エルボ管86の中心軸線Cよりも曲げ内側にのみ露出する。これにより、切欠き90aからエルボ管86が露出せず、かつ、カバー90と抜け止め部材92との境界96が目立たないため、意匠性が向上する。
【0056】
以上、実施の形態について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0057】
実施の形態では、カバー90がエルボ管86の第2管部86bおよび接続部86cを覆うように構成されている場合について説明したが、これには限定されず、上述したようにカバーはエルボ管86の少なくとも角部86dを覆うように構成されればよい。
図16は、カバー90の変形例の一例を示す。
図16は
図5に対応する。この変形例では、カバー90は、第2管部86bおよび接続部86cに加えて、第1管部86aを覆うように構成されている。
【0058】
実施の形態では、機能ユニット26がスライドバーを含む場合について説明したが、これには限定されない。例えば機能ユニット26がスライドバーの代わりに単なる手すりを含み、この手すりを支持部材44、46が支持してもよい。つまり支持部材44、46は、浴室に関連する機能(例えば浴室用物品や入浴者の荷重を受ける機能)を発揮する浴室用機能部品を支持するものであればよい。
【0059】
実施の形態では、原水改質装置54のカバー74の内倒れおよび外倒れを抑止する技術思想について説明したが、この技術思想は、原水改質装置54には限定されず、水路が形成された部材を覆う複数のカバー体を備える他の装置にも適用できる。
【0060】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0061】
以上の実施の形態および変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。
本発明のある態様の浴室用機能ユニットは、浴室壁部に固定される、浴室用機能部品を支持するための支持部材と、支持部材とは別体であり、支持部材に固定される、原水を改質するための原水改質装置と、を備える。
【0062】
この態様によると、浴室用機能部品ごとに専用の支持部材を用意すれば、原水改質装置は共用できるので、コストを抑えられる。
【0063】
原水改質装置の一部は、支持部材内の収容空間に収容されてもよい。
【0064】
支持部材は、収容空間に収容された原水改質装置の一部の背後で浴室壁部に固定されてもよい。
【0065】
これらの場合、支持部材から突出する原水改質装置の部分の鉛直方向の寸法を短くでき、すっきりとした見た目を実現できる。
【0066】
原水改質装置は、装置本体と、カバーと、を含んでもよい。装置本体は、固定具により支持部材に固定され、カバーは、固定具を覆うように装置本体に取り付けられてもよい。
【0067】
この場合、原水改質装置を支持部材に固定具でしっかりと固定しつつも、良好な美観を確保できる。
【0068】
原水改質装置は、スライド式の嵌合構造により、支持部材に支持されてもよい。この場合、支持部材によって原水改質装置の鉛直荷重をしっかり支持できる。
【0069】
支持部材は、原水改質装置の水平方向の移動を規制するよう構成されていてもよい。
【0070】
支持部材は、原水改質装置の鉛直方向の移動を規制するよう構成されていてもよい。
【0071】
これらの場合、原水改質装置がガタつくのが抑えられる。
【0072】
原水改質装置は、供給水を原水または改質水に切り替えるための切替機構部と、カートリッジを収容するためのケーシングと、を含んでもよい。切替機構部は、支持部材に固定され、ケーシングは、原水改質装置の他の部材に対して着脱可能であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
26 機能ユニット、 36 スライドバー、 46 支持部材、 54 原水改質装置。