(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】シート積載装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 31/38 20060101AFI20221104BHJP
B65H 31/20 20060101ALI20221104BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20221104BHJP
B65H 29/22 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B65H31/38
B65H31/20
G03G15/00 447
B65H29/22 Z
(21)【出願番号】P 2018172114
(22)【出願日】2018-09-14
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 俊行
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-284792(JP,A)
【文献】特開2013-230891(JP,A)
【文献】特開2013-163557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/38
B65H 31/20
G03G 15/00
B65H 29/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積載する積載手段と、
前記積載手段にシートを排出する排出手段と、
前記
排出手段
が前記積載手段にシート
を排出する排出方向と交差する幅方向
において、互いの間隔が最小となる
第1の位置と
前記第1の位置よりも互いの間隔が
大きい第2の位置とに移動
可能であって、前記幅方向へ移動することで前記第1の位置における間隔以上の幅を有するシートを
前記幅方向に整合可能な一対の整合手段と、
前記第1の位置に位置している状態の前記一対の整合手段の間隔よりも小さい幅
を有する小サイズシートが前記積載手段
に積載される
場合、
前記小サイズシートの前記幅方向における一方の
第1端縁と前記一対の整合手段の
うちの前記第1端縁と対向する一方
との前記幅方向における間隔が
前記小サイズシートの前記幅方向における他方の
第2端縁と前記一対の整合手段のうちの他方との
前記幅方向における間隔よりも小さくなる
位置に前記小サイズシートが積載されるように、前記小
サイズシートを前記幅方向に移動する移動手段と、
を有することを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記移動手段は、シートを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを回転させる第1駆動部と、前記搬送ローラを支持する支持部と、前記搬送ローラによってシートを挟持した状態において前記支持部を前記幅方向へ移動させる第2駆動部と、を有し、
前記排出手段は、前記搬送ローラがシートを搬送する搬送方向において前記搬送ローラよりも下流側に設けられ、シートを前記積載手段に排出する排出ローラを有し、
前記第2駆動部は、前記小サイズシートが
前記搬送ローラに搬送された場合、前記搬送ローラによって前記小
サイズシートを
保持させた状態で前記支持部を前記幅方向に移動させ、
前記第1駆動部は、前記第2駆動部によって前記支持部が移動した位置において前記搬送ローラを回転させ、
前記排出ローラは、前記搬送ローラによって前記幅方向へ移動されたシートを前記積載手段に排出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置
。
【請求項3】
前記排出手段は、シートを排出する排出ローラを有し、
前記移動手段は、前記小サイズシートが前記積載手段
に排出される場合、
前記排出ローラを前記幅方向に移動させることで、前記小
サイズシートの前記
第1端縁と前記一対の整合手段のうちの一方との間隔が前記小
サイズシートの前記
第2端縁と前記一対の整合手段のうちの他方との間隔よりも小さくなるように
、前記積載手段
に排出される前記小
サイズシートを前記幅方向に移動する、
ことを特徴とする
請求項1に記載のシート積載装置
。
【請求項4】
前記排出手段は、シートを排出する排出ローラを有し、
前記積載手段は、前記排出ローラによって排出されたシートを積載する積載トレイを有し、
前記移動手段は、前記小サイズシートが前記積載
トレイに排出される場合、
前記積載トレイを前記幅方向に移動させることで、前記小
サイズシートの前記
第1端縁と前記一対の整合手段のうちの一方との間隔が前記小
サイズシートの前記
第2端縁と前記一対の整合手段のうちの他方との間隔よりも小さくなるように前記積載
トレイに排出される前記小
サイズシートを前記幅方向に移動する、
ことを特徴とする
請求項1に記載のシート積載装置
。
【請求項5】
前記移動手段は、前記
小サイズシートが前記積載手段
へ排出される
場合、前記
小さい幅を有するシート
の前記第1端縁が前記
一対の整合手段
のうちの一方に接触しない
位置に
前記小サイズシート
を移動する、
ことを特徴とする請求項1
乃至請求項4のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記一対の整合手段は、前記小サイズシートが前記積載手段に排出される場合、前記第1の位置で待機する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシート積載装置
。
【請求項7】
前記一対の整合手段は、前記小サイズシートが前記積載手段に排出される場合、前記第1の位置における間隔よりも大きい間隔となる位置で待機し、前記小サイズシートが前記積載手段に排出された後に前記第1の位置に移動する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシート積載装置
。
【請求項8】
前記幅方向において前記一対の整合手段の間に設けられ、前記排出手段によって排出されるシートを前記積載手段へ向けて抑えるシート抑え手段をさらに備え、
前記第1の位置に位置した状態における前記一対の整合手段
は、前記シート抑え手段と接触しない、
ことを特徴とする請求項1乃至
請求項7のいずれか1項に記載のシート積載装置
。
【請求項9】
前記
一対の整合手段は、
前記シート積載装置の前後方向において前記シート抑え手段に対して前側に設けられる第1の整合部材と、前記前後方向において前記シート抑え手段に対して後ろ側に設けられる第2の整合部材とを有し、
前記移動手段は、前記小サイズシートが前記積載手段
に排出される場合、前記小
サイズシートの前記
第1端縁と前記第1の整合部材との間隔が前記小
サイズシートの前記
第2端縁と前記第2の整合部材との間隔よりも小さくなるように前記積載手段
に排出される前記小
サイズシートを前記幅方向に移動する、
ことを特徴とする
請求項8に記載のシート積載装置。
【請求項10】
前記シート抑え手段は、前記幅方向において前記シート積載装置の中央部に設けられる、
ことを特徴とする請求項
8または請求項9に記載のシート積載装置。
【請求項11】
前記第1の位置よりも互いの間隔が狭くなる前記幅方向への前記一対の整合手段
の移動は、前記シート抑え手段によって制限されている、
ことを特徴とする請求項
8乃至請求項10のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項12】
前記小サイズシートの前記
第1端縁と前記一対の整合手段のうちの一方との間隔は、5±2mmである
ことを特徴とする請求項
1乃至請求項1
1のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項13】
前記積載手段に積載されるシートの幅を取得するシート幅取得手段をさらに有し、
前記
移動手段は、前記シート幅取得手段が取得した前記積載手段に積載されるシートが
前記小サイズシートである
場合、前記小サイズシートの前記
第1端縁と前記一対の整合手段のうちの一方との間隔が前記小
サイズシートの前記
第2端縁と前記一対の整合手段のうちの他方との間隔よりも小さくなるように前記積載手段へ排出される前記小
サイズシートを前記幅方向に移動する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項
12のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項14】
前記一対の整合手段は、それぞれ
が前記排出方向に沿って下方に傾斜した形状を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項
13のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項15】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置から排出されるシートを積載する請求項1乃至請求項
14のいずれか1項に記載のシート積載装置と、を有する
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出されるシートを積載するシート積載装置及びシートに画像を形成してシート積載装置に排出する画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されるように、シートを積載する積載トレイに排出されたシートをシート排出方向と交差するシート幅方向に整合可能なシート積載装置が知られている。特許文献1に記載のシート積載装置は、積載トレイの上方で幅方向に移動可能な一対の整合部材を備えており、シートが積載トレイに排出されると、一対の整合部材を幅方向に移動させて、シートの幅方向両端に突き当てることでシートを幅方向に整合する。
【0003】
この際、シートの幅方向を整合するにあたって一方の整合部材を整合基準として固定し、他方の整合部材を幅方向に移動してシートを一方の整合部材に突き当てて幅方向に整合する方法と、整合位置の整合中心にシートを排出して一対の整合部材の両方でシートを挟むようにシートの幅方向に移動して整合を行う方法とがある。
【0004】
これら整合方法は、積載条件やシートのサイズ、種類によって使い分けられ、そのために、一対の整合部材の待機位置とそれら整合部材に対するシートの排出位置とを変える構成となっている。シートの排出位置は、装置内に設けられた、シートをシートの幅方向に移動させるシフトユニットによって行われ、装置内でシートを所定量幅方向に移動させてから積載トレイ上へと排出する。
【0005】
また、特許文献2に示されるように、シートの幅方向を整合する整合部材の他に積載トレイに排出されるシートの上面を抑えるシート抑え部材を合わせ持つ構成が知られている。これは、排出されるシートの上面をシート抑え部材で抑えることでシートの飛び量を制御し、且つ、積載面へと素早く落下させ、積載するシートの挙動を安定させるものである。そしてこのシート抑え部材はシートのサイズによらずに一定の効果を出すために、シートの積載位置に対して中央に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-230891号公報
【文献】特開2014-139105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のシート積載装置のように、積載トレイの積載位置中央部にシート抑え部材が配置されている構成では、このシート抑え部材によって一対の整合部材のシート幅方向に対する可動範囲が限られてしまう。そのため、一定の幅よりも小さい幅のシートに対して整合部材によるシート幅方向の整合を行うことができず、シート幅の小さいシートの場合に乱れた状態で積載トレイ上に積載されてしまうといった不都合があった。
【0008】
特に、シートの積載枚数が増えるにつれ、機内の温度が上昇や帯電が進行していくと、シート同士が貼り付くなど、積載枚数が増えれば増えるほど積載トレイ上に積載されているシートの乱れは大きくなってしまう。
【0009】
そこで、このシートの積載乱れを防止するために、シート幅の小さいシートの場合は積載トレイに積載可能な枚数を限定するといった対策をとる方法もあるが、それではシートの積載容量を低下させてしまうといった別の問題につながる不都合があった。
【0010】
本発明は、以上の事情に鑑みなされたもので、積載トレイ上に排出されるシートに対し整合手段が作用できない場合でも整合性を向上させることのできるシート積載装置及び画像形成システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、シートを積載する積載手段と、前記積載手段にシートを排出する排出手段と、前記排出手段が前記積載手段にシートを排出する排出方向と交差する幅方向において、互いの間隔が最小となる第1の位置と前記第1の位置よりも互いの間隔が大きい第2の位置とに移動可能であって、前記幅方向へ移動することで前記第1の位置における間隔以上の幅を有するシートを前記幅方向に整合可能な一対の整合手段と、前記第1の位置に位置している状態の前記一対の整合手段の間隔よりも小さい幅を有する小サイズシートが前記積載手段に積載される場合、前記小サイズシートの前記幅方向における一方の第1端縁と前記一対の整合手段のうちの前記第1端縁と対向する一方との前記幅方向における間隔が前記小サイズシートの前記幅方向における他方の第2端縁と前記一対の整合手段のうちの他方との前記幅方向における間隔よりも小さくなる位置に前記小サイズシートが積載されるように、前記小サイズシートを前記幅方向に移動する移動手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置から排出されるシートを積載する積載手段と、前記積載手段にシートを排出する排出手段と、前記排出手段が前記積載手段にシートを排出する排出方向と交差する幅方向において、互いの間隔が最小となる第1の位置と前記第1の位置よりも互いの間隔が大きい第2の位置とに移動可能であって、前記幅方向へ移動することで前記第1の位置における間隔以上の幅を有するシートを前記幅方向に整合可能な一対の整合手段と、前記第1の位置に位置している状態の前記一対の整合手段の間隔よりも小さい幅を有する小サイズシートが前記積載手段に積載される場合、前記小サイズシートの前記幅方向における一方の第1端縁と前記一対の整合手段のうちの前記第1端縁と対向する一方との前記幅方向における間隔が前記小サイズシートの前記幅方向における他方の第2端縁と前記一対の整合手段のうちの他方との前記幅方向における間隔よりも小さくなる位置に前記小サイズシートが積載されるように、前記小サイズシートを前記幅方向に移動する移動手段とを有する画像形成システムとするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、積載トレイ上に排出されるシートに対し整合手段が作用できない場合でも整合性を向上させることのできるシート積載装置及び画像形成システムを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの概略正面断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る
図1の画像形成システムを制御するための制御構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る
図1のシート処理装置200の拡大正面断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る
図2の横レジ検知ユニット300を、シートの搬送方向下流側から見た構成図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る
図2のシフトユニット400を、シートの搬送方向下流側から見た構成図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る
図2に示される上トレイ揃え部215の構成を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る
図6に示される揃え部材217a、217bの昇降駆動構成を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る
図6に示される揃え部材217a、217bの拡大斜視図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る
図3における上トレイ揃え部215周辺の構成を示す構成図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係るシートを揃え部材217a、217bと上トレイ213上に積載されるシートとの位置関係を示すシートの搬送方向下流側から見た側面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る
図3のシート処理装置200を制御するための制御構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る
図11のCPU601のフローチャートである。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る揃え部材217a、217bと上トレイ213上に積載されるシートとの位置関係を示すシートの搬送方向下流側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。尚、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、特許請求の範囲に係る本発明はそれら構成要素のみに限定されるものではない。
【0016】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムの概略正面断面図である。
【0017】
図1において、画像形成システム1は、複写機本体100と、シート処理装置200とを備え、シート処理装置200は、複写機本体100に接続されている。
【0018】
複写機本体100内のカセット101a又は101bから供給されるシートは、画像形成部としてのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム102a~102d等によって4色のトナー像が転写され、さらに定着器103に搬送されてこれらトナー画像がシートに定着され、排紙ローラ104によりシート処理装置200へ排出される。なお、105は、ユーザによる各種入力や表示を行う操作部である。
【0019】
図2は、
図1の画像形成システムを制御するための制御構成を示すブロック図である。
【0020】
図2において、CPU回路部10は、CPU11、ROM12、RAM13を有している。CPU回路部10は、画像信号制御回路23、プリンタ制御回路24、シート処理装置制御回路26、外部インターフェース22の制御を行う。CPU回路10は、ROM11に格納されているプログラム、及び、操作部105よりの設定に従って制御動作を行う。
【0021】
プリンタ制御回路24は
図1の複写機本体100を制御し、シート処理装置制御回路25は
図1のシート処理装置200を制御する。RAM13は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェース22は、外部コンピュータ(PC)21からのインターフェースであり、外部インターフェース22を介してPC21とCPU回路部10とで双方向に信号のやりとりが行われる。
【0022】
また、PC21からは、プリントデータが外部インターフェース22を介して画像信号制御回路23に送られ、画像信号制御回路23ではその送られたプリントデータを画像信号に展開してプリンタ制御回路24に出力する。そして、画像信号制御回路23からプリンタ制御回路24へ出力された画像信号は
図1で示した画像形成部へ入力される。
【0023】
図3は、
図1のシート処理装置200の拡大正面断面図である。
【0024】
図3において、
図1の複写機本体100から排出されたシートはシート処理装置200へ取り込まれ、シート処理装置200の積載手段としての上トレイ213及び下トレイ214のいずれかに積載される。
【0025】
シート処理装置200は、
図1の複写機本体100から排出されたシートがシート処理装置200内に搬送されてきたことを検知する入口センサS1と、搬送されてきたシートを内部に案内するための入口ローラ201を有している。この入口ローラ201で受け取られたシートは、搬送ローラ対202、シフトユニット400内の搬送ローラ対401、402、搬送ローラ対203~206へと順次搬送される。
【0026】
この時、横レジ検知ユニット300によってシートのシート搬送方向と交差する方向(以下、シート幅方向という)の位置が検知される。ユーザが
図1の操作部105で仕分け設定を行った場合、横レジ検知ユニット300でシートのシート幅方向の位置が検知されると、その検知結果に基づいて、シフトユニット400によりシートを搬送方向と交差する方向へ所定の仕分け位置まで移動させる。
【0027】
その後、搬送ローラ対206まで送られたシートは、下流に配置された切り替えフラッパ207によって、排出手段としての排出ローラ対208から積載手段の1つである上トレイ213に向けて排出され、積載されるか、もしくは搬送ローラ対209~211へと搬送され、排出ローラ212によりもう一方の積載手段である下トレイ214に向けて排出され、積載される。
【0028】
この時、切り替えフラッパ207切り替えは不図示のソレノイドのON/OFFにより行っている。上トレイ213に積載されるシートは上トレイ揃え部215によってシート排出方向と交差する方向(以下、シート幅方向という)が整合される。また、下トレイ214に積載されるシートは、整合手段としての下トレイ揃え部216によってシート幅方向が整合される。
【0029】
図4は、
図2の横レジ検知ユニット300を、シートの搬送方向下流側から見た構成図である。
【0030】
図4において、搬送ガイド307、308から構成された搬送パス309内をシートが通過する際に、横レジ検知センサS2によってシートのシート幅方向端部が検知され、シートの搬送時における搬送パス309内のシート幅方向の位置を特定可能に構成されている。横レジ検知センサS2には、軸受303、304が備えられている。これらの軸受303、304は、それぞれシート処理装置200に固定されたガイド305、306に沿って矢印X方向に移動可能に構成されている。
【0031】
また、横レジ検知センサS2は、複写機本体100の操作部105から入力されたシートサイズ情報に基づいて、シートサイズに応じた位置に予め移動している。この横レジ検知センサS2は凹部を有しており、この凹部に進入してきたシートのシート幅方向端部を検知する。横レジ検知センサS2を移動させるための駆動源は横レジ検知駆動モータM1である。
【0032】
そして、この横レジ検知駆動モータM1に設けられたプーリ313とシート処理装置200に固定されたプーリ312とにより、タイミングベルト311が動作される。横レジ検知センサS2とタイミングベルト311とは、固定板310によって接続されており、タイミングベルト311の動作に伴って、横レジ検知センサS2を移動させることができるようになっている。
【0033】
この時、固定板310に設けられた固定板フラグ部310aをシート処理装置200に取り付けられた横レジ検知HPセンサS3で検知することで横レジ検知センサS2のホームポジション決定し、ホームポジションから所定パルス横レジ検知駆動モータM1を駆動し、複写機本体100の操作部105から入力されたシートサイズに応じた位置へと移動する。
【0034】
図5は、
図2のシフトユニット400を、シートの搬送方向下流側から見た構成図である。
【0035】
図5において、搬送ガイド403a、403bによって搬送パス403が構成されている。また、搬送ローラ401a、401bによって
図3に示される搬送ローラ対401が、搬送ローラ402a、402bによって
図3に示される搬送ローラ対402がシートを挟持搬送可能に構成されている。搬送ローラ401b、402bは、シフト搬送モータM2にギア415、416を介して接続されており、モータM2の回転に応じて正逆回転可能に構成されている。
【0036】
搬送ローラ401a、402aおよび搬送ガイド403a、403bは、フレーム405、406、407、408によって支持されている。また、フレーム405、406、407、408に固定された軸受409、410、411、412は、ガイド413、414に沿って移動可能に構成されている。また、軸受410は、固定板419によってタイミングベルト418に接続されている。この固定板419は、シフトモータM3およびプーリ420、421によりタイミングベルト418を介して移動可能に構成されている。
【0037】
シフトユニット400のホームポジションはフレーム406内のフラグ部406aをシート処理装置200に取り付けられたシフトユニットHPセンサS4で検知することで決められている。このホームポジションから所定パルスシフトモータM3を駆動し、複写機本体100の操作部105から入力される仕分けに応じた位置、または後述する上トレイ揃え部215、下トレイ揃え部材216から所定の隙間をあけた位置にシートをシフトさせる。
【0038】
図6は、図
3に示される上トレイ揃え部215の構成を示す斜視図で、
図6の(A)は、シートの搬送方向下流側から見た斜視図、
図6の(B)は、シートの搬送方向上流側から見た斜視図ある。なお、図
3に示される下トレイ揃え部216も上トレイ揃え部215と同様の構成となる。
【0039】
図6において、揃え部材217a、217bはそれぞれ第一揃え支軸218a、218bに回転可能に支持されている。また、揃え部材217a、217bはそれぞれスライド部材219a、219bに外側をガイドされ、スライド部材219a、219bの前奥の移動に追従する(以下の説明において、シート処理装置200を
図3に示した方向から見て、奥行方向の手前側を前、奥側を奥と表す。)。
【0040】
スライド部材219a、219bは揃え部材217a、217bと同様にそれぞれ第一揃え支軸218a、218bに回転可能に支持され、また、第二揃え支軸220a、220bにそれぞれ回転止めとして支持されている。そして、スライド部材219a、219bとスライド位置検知部材221a、221bとによって、第二スライド駆動伝達ベルト223a、223bをそれぞれ挟み込み、これら三部品はそれぞれビスにより結合されている。
【0041】
第二スライド駆動伝達ベルト223a、223bは両端を一対のスライド駆動伝達プーリ224a、224bにそれぞれ支持されている。また、スライド駆動伝達プーリ224a、224bは段プーリとなっていて、それぞれ一対の一方が第一スライド駆動伝達ベルト222a、222bとも係合しており、第一スライド駆動伝達ベルト222a、222bはそれぞれ揃え部材スライドモータM4、M5のプーリ部と係合している。つまり、揃え部材スライドモータM4、M5の駆動がそれぞれ第一スライド駆動伝達ベルト222a、222b、スライド駆動伝達プーリ224a、224b、第二スライド駆動伝達ベルト223a、223b、スライド部材219a、219bを介して、揃え部材217a、217bへと伝わり、揃え部材217a、217bはそれぞれ第一揃え支軸218a、218bにガイドされながら前奥へと移動する。
【0042】
また、スライド駆動伝達プーリ224a、224bはそれぞれプーリ支軸225a、225bにより支持され、プーリ支軸225a、225bはそれぞれプーリ支板226a、226bにカシメ結合されている。第一揃え支軸218a、218b、第二揃え支軸220a、220bの両端はEリングによってプーリ支板226a、226bに留められている。そして、揃え部材217a、217b、プーリ支板226a、226b等はユニット化され、上ステイ227へと取り付けられている。
【0043】
また、揃え部材スライドモータM4、M5はスライドモータ支板228a、228bと共に上ステイ227に取り付けられている。さらに、揃え部材217a、217bの位置を検知する揃え部材HPセンサS5、S6が揃え位置検知支板229a、229bと共にそれぞれ上ステイ227に取り付けられている。
【0044】
以上のように、前側と奥側の揃え部材217a、217bが対を成してシート排出方向と交差する方向にスライドすることでシートの整合が行われる。
【0045】
図7は、
図6に示される揃え部材217a、217bの昇降駆動構成を示す斜視図で、
図7の(A)は、揃え部材217aが降下した状態の分解斜視図、図
7の(B)は、揃え部材217aが降下した状態の組付け斜視図、図
7の(C)は、揃え部材217aが上昇した状態の組付け斜視図である。なお、揃え部材217bも揃え部材217aと同様の構成となる。
【0046】
図7において、前述したように、揃え部材217aは第一揃え支軸218aに支持されていて、さらに回転止めとして、第三揃え支軸230aに係合している。第三揃え支軸230aは両端が一対の揃え部材昇降プーリ231aのそれぞれの穴部231cに嵌合することで支持されていて、揃え部材昇降プーリ231aも揃え部材217aと同様に第一揃え支軸218aに支持されている。
【0047】
第一揃え支軸218aと一対の揃え部材昇降プーリ231aは平行ピンにより係合しているため、一対の揃え部材昇降プーリ231aの回転は同期する。一対の揃え部材昇降プーリ231aが回転すると第三揃え支軸230aも、第一揃え支軸218aを中心に回転移動するため、係合している揃え部材217aも回転して昇降する。
【0048】
図8は、揃え部材217a、217bの拡大斜視図で、
図8の(A)は、揃え部材217aの手前側周辺の拡大斜視図、
図8の(B)は揃え部材217aの奥側周辺の拡大斜視図である。
【0049】
図8の(A)において、第二昇降プーリ232a、232bから駆動伝達ベルト233a、233bを介して揃え部材昇降プーリ231a、231bへそれぞれ回転駆動が伝えられる。第二昇降プーリ232a、232bは昇降伝達軸234にそれぞれDカットで取り付けられているため、昇降伝達軸234の回転と第二昇降プーリ232a、232bの回転は同期する。また、昇降伝達軸234に取り付けられている第三昇降プーリ235も平行ピンにより係合しているため、第三昇降プーリ235の回転と昇降伝達軸234の回転も同期する。つまり、第二昇降プーリ232a、232b、昇降伝達軸234、第三昇降プーリ235の回転が同期する。
【0050】
揃え部材昇降モータM6の駆動が駆動伝達ベルト236を介して第三昇降プーリ235へと伝わり、さらに昇降伝達軸234、第二昇降プーリ232a、232b、駆動伝達ベルト233a、233b、揃え部材昇降プーリ231a、231b、第三揃え支軸233a、233b、揃え部材217a、217bへと伝わり、揃え部材昇降モータM6により揃え部材217a、217bの昇降駆動が行われる。
【0051】
また、
図8の(B)において、最奥の揃え部材昇降プーリ231aはフラグ部231cを備え、このフラグ部231cが揃え部材217a、217bの昇降位置を検出する揃え部材昇降HPセンサS7をON/OFFすることで、揃え部材217a、217bの昇降位置を検出・制御する。
【0052】
このようにして、揃え部材昇降モータM6の駆動が前側/奥側両方の揃え部材217a、217bの昇降へと伝達され、前側と奥側の揃え部材217a、217b昇降は同期しながら、回転・位置制御される。
【0053】
以上により、
図3の排出ローラ対208から排出されるシートのうちシート排出方向と交差するシート幅方向のサイズが所定サイズよりも大きなシートについては、シートの幅方向を揃え部材217a、217bにより整合しながら上トレイ213へと積載し、ユーザの指定した所定枚数を積載した後に、揃え部材217a、217bを上昇させて、整合位置から退避させるようになっている。
【0054】
図9は、
図3における上トレイ揃え部215周辺の構成を示す構成図で、
図9の(A)は、
図3の排出ローラ対208周辺の構成をシートの搬送方向下流側から見た斜視図、
図9の(B)は、排出ローラ対208周辺の構成を示す正面図である。なお、
図3の排出ローラ対209周辺の構成も同様の構成である。
【0055】
図9において、上トレイ213に積載されるシートを上方から抑えるため、シート抑え部材237が上トレイ213のシート幅方向の中央部に配置されている。シート抑え部材237は、排出ローラ対208の上方に支持軸により支持されている。一対の揃え部材217a、217bは、このシート抑え部材237を挟んで配置されるため、シート排出方向と交差する幅方向で、上トレイ213の中央部寄りの可動領域が制限される。そのため、シート排出方向と交差する幅方向のサイズがその可動領域よりも小さいシートに対しては、揃え部材217a、217bをシートに当接させることができない。つまり、上記可動領域よりも小さいシートに対しては整合動作をすることができない。
【0056】
図10は、シートを揃え部材217a、217bと上トレイ213上に積載されるシートとの位置関係を示すシートの排出方向下流側から見た側面図である。
【0057】
図10において、シート幅方向のサイズが揃え部材217a、217bにより整合可能なシートを排出する場合には、
図10の(A)に示されるように、揃え部材217a、217bが整合位置に対して所定距離離れた状態で待機し、シートが排出ローラ208から排出されると、
図10の(B)に示されるように、揃え部材217a、217bが矢印の方向にスライドしシートを整合する。この時、揃え部材217a、217bの両方をスライドさせる場合と、揃え部材217a、217bのうちどちらか一方をスライドさせてもう一方に側に突き当てて整合する場合とがあり、シートの積載条件によって変更される。
【0058】
一方で、シート幅方向のサイズが揃え部材217a、217bの可動領域よりも小さいシートに対しては、排出ローラ208でシートを排出する際に、
図10の(C)に示されるように、揃え部材217a、217bを可動領域の最も幅の狭い位置とし、排出ローラ208で排出されるシートを、シートのシート幅方向片側のいずれか一方が揃え部材217a又は揃え部材217b(本実施形態では揃え部材217b)の位置(以下、ガイド位置という)からシート幅方向に所定距離d内側に向けて排出されるように寄せて排出する。そのために、予めシフトユニット400によってシート排出前にシートのシート幅方向片側がシートを揃え部材217bから所定距離d内側の位置となるようにシートをシート幅方向へと移動させるようになっている。
【0059】
これにより、排出ローラ208を抜けた排出されたシートが、上トレイ213の上面とシートとの間、もしくは既に上トレイ213に積載されているシートとの間に生じる空気の層の影響で、揃え部材217bに向かって上記所定距離dを縮める方向にずれようとした場合に、シートのシート幅方向端縁が揃え部材217bに当接し、そのずれが規制される。つまり、排出されたシートは、揃え部材217bによって片側方向のずれ量が規制され、上トレイ213上の整合性を向上させることができる。
【0060】
なお、シートを揃え部材217bのガイド位置より所定距離d内側に排出するのは、排出中のシートが揃え部材217bに当たると、シートによって揃え部材217bがこすれて傷つくことや、排出中のシートが揃え部材217bに当たった反動で却って整合性を損なう恐れがあるからである。この所定距離dとしては、5±2mm程度に設定されるのが好ましく、
図10(C)に示されるように、揃え部材217aとシートのシート幅方向の他方の端部との間隔d2よりも狭い間隔となる。
【0061】
なお、下トレイ214に排出する場合も同様である。
【0062】
本実施の形態では、シート処理装置200の手前側の揃え部材217bがシートをガイドするシート処理装置200の手前側にシートを移動させるようになっている。これにより、上トレイ213にシートを積載する際に、シート処理装置200の手前側の整列性が向上する。そのため、ユーザが上トレイ213上に積載されたシートを取り出す際に、シートの取り出し側であるシート処理装置本体200の手前側の整列性が向上し、ユーザのシート取り出し利便性を上げることが可能となる。
【0063】
また、シート揃え部材217a、217bは、排出ローラ208により上方から排出されるシートの排出方向に向かって下方向に傾斜するように構成されている。これによって、排出ローラ208から上トレイ213に排出されるシートの先端が重力の方向に垂れ下がりながら上トレイ213上に排出される。
【0064】
排出ローラ208から上トレイ213上に排出されるシートのシート排出方向の先端側は、後端側が排出ローラ208にニップされた状態で上トレイ213の上面もしくは既に積載されているシートに接しながら排出される。一方、排出ローラ208から排出された排出直後のシートの後端側は、排出ローラ208のニップによる規制がなくなり空中に浮いた状態となるため、先端側と比較してずれが生じ易くなるが、シート揃え部材217a、217bがシートの排出方向に上方から下方向に傾斜した形状であるため、積載完了前に空中に浮いた状態となるシート後端側のずれを規制する効果が得られる。
【0065】
なお、下トレイ揃え部216についても同様である。
【0066】
図11は、シート処理装置200を制御するための制御構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、
図4の制御構成をシート処理装置200に搭載した構成として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図2のCPU回路200として複写機本体100側に設け、複写機本体100側からシート処理装置200を制御するようにしてもよい。
【0067】
図11において、CPU601は、ROM603格納されているプログラムに従って
図11の回路全体を制御する。RAM602は、CPU601の制御データを一時的に保持し、またCPU601の制御に伴う演算の作業領域として用いられる。
【0068】
また、CPU601は、I/O604を介して積載部制御回路605及び搬送部制御部606を制御する。
【0069】
さらに、CPU601は、通信インターフェース607、ネットワークインターフェース608を介して複写機本体100を含む外部装置と通信する。
【0070】
搬送部制御回路605は、前述した入口センサS1、横レジ検知センサS2、横レジ検知HPセンサS3、シフトユニットHPセンサS4からの信号を入力し、これら信号に応じて横レジ検知駆動モータM1、シフト搬送モータM2、シフトモータM3を制御する。
【0071】
積載部制御回路606は、前述した奥揃え部材HPセンサS5、前揃え部材HPセンサS6、揃え部材昇降HPセンサS7からの信号を入力し、これら信号に応じて奥揃え部材スライドモータM4、前揃え部材スライドモータM5、揃え部材昇降モータM6を制御する。
【0072】
次に、シート処理装置200おけるシートの排出方向と交差する幅方向のサイズが揃え部材217a、217bの可動領域よりも小さい幅のサイズ(例えばA6サイズ)が選択された場合の動作について、
図12に示す
図11のCPU601のフローチャートに従って説明する。
【0073】
操作部105からユーザによりA6サイズのシートのジョブが入力されると、ステップS01で、シフトモータM3を駆動してシフトユニット400をシフトユニットHPセンサS4が検知する位置へ移動させ、ステップS02で、奥揃え部材スライドモータM4、前奥揃え部材スライドモータM5を駆動し、奥揃え部材HPセンサS5、前揃え部材HPセンサS6の検知に基づいてシートをガイドするガイド位置へ揃え部材217a、217bを移動させる。ステップS03で、横レジ検知駆動モータM1を駆動し、横レジ検知センサS2をシートサイズに応じた位置へと移動させる。
【0074】
ステップS04で、シートが搬送されてシートの後端が入口センサS1を通過して入口センサS1がオフすると、ステップS05で、シフトユニット400において、入口センサS1がオフしてから所定時間経過後にシートを揃え部材217bのガイド位置に応じてシートの幅方向へシフトモータM3により移動させる。その後、排出ローラ208へとシートが搬送され、上トレイ213へシートが積載される。
【0075】
そして、ステップS06で、ジョブが終了するまでシート搬送が繰り返され、ジョブの終了が判定されると、ステップS07でスライドモータM4、M5により揃え部材217a、217bを奥揃え部材HPセンサS5、前揃え部材HPセンサS6が検知するホームポジションへ移動させて待避状態とし、一連の動作を終了する。
【0076】
なお、シートのサイズは、操作部105から入力するのではなく、シート供給カセット或いはシート搬送中に従来公知の方法で自動検知するようにしても良い。
【0077】
また、揃え部材217aまたは揃え部材217bのガイド位置は、シート幅方向の可動領域内で最も上トレイ213の中央部に近づけた位置でも良いし、可動領域内の任意の位置でも良い。所定の位置にガイド位置を決定し、その位置に応じてシフトユニット400でシートをシート幅方向へと移動させる。
【0078】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と異なる点のみを説明し、他は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、以下の説明で、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付してある。
【0079】
図13は、揃え部材217a、217bと上トレイ213上に積載されるシートとの位置関係を示すシートの排出方向下流側から見た側面図である。上トレイ213上にはシート幅方向に並列にシートが積載される例を示す。第1実施形態と同様に並列に積載されたシートのシート幅方向の端部を揃え部材217a、217bにて整合することができない。
【0080】
図13において、シート排出方向と交差するシート幅方向におけるサイズが揃え部材217a、217bの可動領域よりも小さいシートを、シート幅方向に所定の間隔をあけて並列に排出する。この場合、
図13の(A)、(B)に示されるように、揃え部材217aと揃え部材217bのそれぞれが、シート幅方向に所定の間隔をあけて並列に排出されるシートの、それぞれのシートのシート幅方向で上トレイ213の中央部から離れる外側の端部から所定距離d離れたガイド位置へと移動する。シフトユニット400は、このガイド位置から所定距離d内側の位置に、シートのシート幅方向の端部が合うようにシフトユニット400によりシートをシート幅方向へ移動させて排出ローラ208により排出させる。
【0081】
本実施形態においては、
図13の(A)のように、まず、揃え部材217bのガイド位置から所定距離d離内側へとシフトユニット400でシートを移動し、次に、排出ローラ208で排出される後続のシートを
図13の(B)のように揃え部材217aのガイド位置から所定距離d離内側へとシートを移動させるようになっている。この時、揃え部材217bに近い方に移動されたシートのシート幅方向の一方の端部と揃え部材217bとの間の間隔dは、シートの幅方向の他方の端部と揃え部材217aとの間の間隔d3よりも狭い間隔となる。さらに、揃え部材217aに近い方に移動されたシートのシート幅方向の一方の端部と揃え部材217aとの間の間隔dは、シートの幅方向の他方の端部と揃え部材217bとの間の間隔d4よりも狭い間隔となる。
【0082】
このように、シート処理装置200の手前側と奥側に交互にシートを移動させて上トレイ213に積載することによって、シートをシート幅方向に並列に積載することができるため、積載容量を大幅に増加させることが可能となる。
【0083】
この時、排出ローラ208を構成するローラ208a、208bのいずれか一方でシートの幅方向片側をニップして搬送する位置へシフトユニット400によりシートを移動させ、それに対してシートの幅方向逆側をそれぞれ揃え部材217b、217aでガイドする。ローラがシートをニップしている側はローラによる掻き落とし効果でシートの挙動が安定しやすく、シートの挙動が不安定な逆側を揃え部材217a、217bでガイドすることができるため、シート積載の乱れを招くことはなく、積載性を向上させることが可能となる。
【0084】
本実施形態ではシートを並列した2列に積載する構成を説明したが、上トレイ213、下トレイ214、排出ローラ208、212をシート幅方向へと移動させ、それを組み合わせることで、3列、4列といった多数列にシートを積載することが可能である。
【0085】
なお、第1、第2実施形態では、揃え部材217a又は揃え部材217bのガイド位置に対してシート幅方向に所定距離d内側に向けてシートを排出するようにしているが、揃え部材217a、揃え部材217bの材質等によって、排出中のシートが揃え部材217a、揃え部材217bに当たってこすれることで揃え部材217a、揃え部材217bを傷つけることや、揃え部材217a、揃え部材217bに当たった反動で却ってシートの整合性を損なうといったことを考慮する必要がない場合には、シートを揃え部材217a、揃え部材217bに接触するように排出しても良い。
【0086】
また、第1、第2実施形態では、シート処理装置200内で排出ローラ対208の上流に設けたシフトユニット400でシートを移動してシートの排出位置を変えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、排出ローラ対208をシート幅方向に移動してシートの排出位置を変えることや、上トレイ213、下トレイ214をシート幅方向に移動させること、また、排出ローラ対208、212と、上トレイ213、下トレイ214の両方を移動させるようにしても良い。
【0087】
また、第1、第2実施形態では、シートの幅方向のサイズが揃え部材217a、217bの可動領域よりも小さい幅である場合に、揃え部材217a、217bをガイド位置で待機させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、揃え部材217a、217bをガイド位置より外側に移動させた状態でシートをガイド位置若しくはガイド位置より外側に排出させて、その後揃え部材217a、217bをガイド位置に移動させることでシートを整合するようにしても良い。
【0088】
また、一対の揃え部材217a、217bの可動領域よりも小さい幅のシートであれば同幅のシートに限らない。異なる幅を混ぜて積載する異幅混載にも本発明は適用できるものである。
【0089】
また、第1、第2実施形態では、一対の揃え部材217a、217bの可動領域は、シート抑え部材237によって制限されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成により可動領域が制限されるものであっても本発明は適用できるものである。
【符号の説明】
【0090】
1…画像形成システム
100…複写機本体
105…操作部
200…シート処理装置
208…排出ローラ対
212…排出ローラ対
213…上トレイ
214…下トレイ
215…上トレイ揃え部
216…下トレイ揃え部
217a…揃え部材
217b…揃え部材
237…シート抑え部材
300…横レジ検知ユニット
400…シフトユニット
601…CPU