(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20221104BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221104BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221104BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B41J29/42 F
G03G21/00 386
B41J29/00 Z
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2018205483
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和久
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-110321(JP,A)
【文献】特開2009-083186(JP,A)
【文献】特開2008-009291(JP,A)
【文献】特開2010-224890(JP,A)
【文献】特開2004-013682(JP,A)
【文献】特開2006-323452(JP,A)
【文献】特開平10-105000(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0373213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
G03G 21/00
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部と、
画像形成に係る設定画面を表示する表示部と、
ユーザーからの指令を受け付ける操作部と、
記憶部と、
前記画像形成部、表示部、操作部および記憶部を制御する制御部とを備え、
前記表示部が前記設定画面を表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記設定画面の設定内容を前記設定画面の画像とともに前記記憶部に記憶させ、
前記操作部が前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された設定内容に係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させ、
前記操作部が前記設定画面の画像のリストのうち一の画像の選択指令を受け付けた場合、前記制御部は、選択された画像に係る設定内容を反映させた設定画面を前記表示部に表示させ
、
画像データを入力する画像入力部をさらに備え、
前記画像入力部に画像データを入力した後に設定可能な設定内容を有する設定画面を前記表示部が表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記画像データの入力前後の前記設定画面の設定内容を前記設定画面の画像とともに前記記憶部に記憶させ、
前記操作部が画像データの入力前に前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記画像データの入力前の設定内容に係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させ、
一方、前記操作部が画像データの入力後に前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記画像データの入力後の設定内容に係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ユーザー認証部をさらに備え、
前記ユーザー認証部によってユーザーが認証された後、前記表示部が前記設定画面を表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記設定画面の設定内容を前記設定画面の画像および認証された前記ユーザーの情報とともに前記記憶部に記憶させ、
前記ユーザー認証部によってユーザーが認証された後、前記操作部が前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された設定内容のうち、認証された前記ユーザーに係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部が前記設定画面を表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記設定画面の設定内容が前記記憶部に既に記憶された設定内容と重複しているか否かを判定し、
重複している場合は、前記設定画面の設定内容を上書きして前記設定画面の画像とともに前記記憶部に記憶させる請求項1
または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定内容は、前記設定画面の背景画像および画像の配置に係る画像設定の内容を含む請求項1~
3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の電子機器のユーザー認証方法としては、ICカード認証やログイン認証、クイック認証など、さまざまな認証方法が存在する。
【0003】
クイック認証は、ログイン名(またはアカウント)およびパスワードを要求する従来のログイン認証をさらに簡略化した認証方法であり、
図3に示すように、該当するユーザーのアイコンを選択するだけでログインできる認証方法である。
【0004】
クイック認証は、ログイン認証と異なり、ログイン名やパスワードの設定が不要であるため、ユーザーが手軽にログインすることができ、出張などで急遽ログインが必要になったときに有用な認証方法である。
また、クイック認証は、ログイン操作を簡略化し、各個人の設定を素早く呼び出すことができる利便性もある。
【0005】
このように、クイック認証は、ログイン時の操作に高い利便性を有する反面、ログイン後の印刷条件等の設定を行う場合は、従来と同様に手動で設定を行う必要があるため、手間がかかっていた。
【0006】
このようなログイン後の印刷条件等の設定を容易にする発明として、従来、画像形成ジョブを実行するときに、画像形成ジョブの設定項目に対するユーザー設定を自動的に記憶し、その後、記憶されたユーザー設定の中から適当なユーザー設定を操作者が選択して設定することによって、面倒な設定値の記憶を手動で行うことなく、ユーザー設定を記憶させることができる画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、クイック認証後の印刷条件等の設定が、ユーザーの意図した設定になっているか否かを知るには、逐一設定画面を確認する必要があるため、非常に手間がかかる。
また、同一ユーザーであっても設定を頻繁に変更することもあるため、どの設定が有効になっているのか、実際に設定を確認するまで分からないことも多い。
それゆえ、ログイン後にしばしばユーザーの意図しない設定で印刷等を行ってしまう問題もある。
【0009】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明は、画像形成部と、画像形成に係る設定画面を表示する表示部と、ユーザーからの指令を受け付ける操作部と、記憶部と、前記画像形成部、表示部、操作部および記憶部を制御する制御部とを備え、前記表示部が前記設定画面を表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記設定画面の設定内容を前記設定画面の画像とともに前記記憶部に記憶させ、前記操作部が前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された設定内容に係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させ、前記操作部が前記設定画面の画像のリストのうち一の画像の選択指令を受け付けた場合、前記制御部は、選択された画像に係る設定内容を反映させた設定画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0011】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー)機能を有する複写機や複写以外の機能をも含むMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできる画像形成装置を提供するものである。
【0013】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(2)ユーザー認証部をさらに備え、前記ユーザー認証部によってユーザーが認証された後、前記表示部が前記設定画面を表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記設定画面の設定内容を前記設定画面の画像および認証された前記ユーザーの情報とともに前記記憶部に記憶させ、前記ユーザー認証部によってユーザーが認証された後、前記操作部が前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された設定内容のうち、認証された前記ユーザーに係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0014】
「ユーザーの情報」は、ユーザーの名前や顔写真、メールアドレス、ID等のユーザーを特定するための情報である。
【0015】
このようにすれば、ログインしたユーザーが登録した設定画面のリストのみが呼び出されるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできる画像形成装置が実現される。
【0016】
(3)画像データを入力する画像入力部をさらに備え、前記画像入力部に画像データを入力した後に設定可能な設定内容を有する設定画面を前記表示部が表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記画像データの入力前後の前記設定画面の設定内容を前記設定画面の画像とともに前記記憶部に記憶させ、前記操作部が画像データの入力前に前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記画像データの入力前の設定内容に係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させ、一方、前記操作部が画像データの入力後に前記設定の呼び出し指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記画像データの入力後の設定内容に係る設定画面の画像のリストを前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0017】
このようにすれば、スキャン時の設定などのように、入力データがあることを前提として設定される項目がある場合において、入力データがないにもかかわらず再設定すると不具合が発生したり、設定内容が反映されなくなったりする問題を事前に防ぐことが可能となるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできる画像形成装置が実現される。
【0018】
(4)前記表示部が前記設定画面を表示しているときに前記操作部が設定の登録指令を受け付けた場合、前記制御部は、前記設定画面の設定内容が前記記憶部に既に記憶された設定内容と重複しているか否かを判定し、重複している場合は、前記設定画面の設定内容を上書きして前記設定画面の画像とともに前記記憶部に記憶させるものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、すでに登録された設定画面と重複する設定画面を登録する際も、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできる画像形成装置が実現される。
【0020】
(5)前記設定内容は、前記設定画面の背景画像および画像の配置に係る画像設定の内容を含むものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、ユーザーは、設定項目や設定値の登録に関する特別な知識や手順なしに、ユーザーがカスタマイズした画面構成を手軽に保存して呼び出すことが可能になるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできる画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】この発明の実施形態1に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すデジタル複合機によるクイック認証画面の一例を示す説明図である。
【
図4】
図1に示すデジタル複合機の設定内容の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示すデジタル複合機の登録内容の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図1に示すデジタル複合機の表示部に表示された画面の一例を示す説明図である。
【
図7】
図1に示すデジタル複合機の表示部に表示された画面の一例を示す説明図である。
【
図8】
図1に示すデジタル複合機の表示部に表示された設定画面の一例を示す説明図である。
【
図9】
図1に示すデジタル複合機の表示部に表示された設定画面の一例を示す説明図である。
【
図10】
図1に示すデジタル複合機の登録内容の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。
なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0024】
〔実施形態1〕
図1~
図3に基づき、この発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、
図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。また、
図3は、
図1に示すデジタル複合機1によるクイック認証画面の一例を示す説明図である。
【0025】
なお、この発明は、デジタル複合機1に限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等のログイン機能を有するすべての機器に適用可能である。
【0026】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0027】
また、デジタル複合機1は、操作部172や通信部15を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信等のジョブを実行する。
【0028】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像入力部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、パネルユニット17およびユーザー認証部18を備える。
【0029】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0030】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、パネルユニット17等、あらゆる負荷の監視・制御をおこなう。
【0031】
画像入力部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。また、外部の情報処理装置(不図示)またはファクシミリ装置(不図示)等で生成された画像データを取得する部分である。
【0032】
なお、画像入力部11が画像データを外部の情報処理装置等から取得する場合、有線または無線ネットワークを経由して画像データを取得するものであっても、またはUSB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、また、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0033】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、画像入力部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0034】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0035】
画像処理部14は、画像入力部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、画像入力部11から入力された画像データを操作部172からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理をおこなう部分である。
【0036】
通信部15は、ネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、電子メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0037】
給紙部16は、給紙カセット、手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0038】
パネルユニット17は、表示部171および操作部172を備える。
【0039】
表示部171は、各種情報の表示をおこなう部分である。表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示をおこなう。
【0040】
操作部172は、タッチパネル1721および表示操作部1722を備え、ユーザーからの入力(指令)を受け付ける部分である。
【0041】
ユーザー認証部18は、ICカード認証や、ユーザーのログイン認証、クイック認証など、予め定められた複数の認証方法のうち、ユーザーによって選択された認証方法にしたがって、ユーザー認証を行う部分である。
【0042】
クイック認証を行う場合、ユーザー認証部18は、
図3に示すように、操作部172によって選択されたユーザーの画像に関連付けられたユーザー情報と、記憶部13に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う。
【0043】
ログイン認証を行う場合、ユーザー認証部18は、操作部172から入力されたログイン名やパスワード等の情報に関連付けられたユーザー情報と、記憶部13に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う。
【0044】
また、デジタル複合機1は、通信部15を介してユーザーの携帯端末等からユーザー情報を入力できるようにしてもよい。
【0045】
<デジタル複合機1の設定内容の登録処理の一例>
次に、
図4~
図9に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の設定の一例について説明する。
図4は、
図1に示すデジタル複合機1の設定内容の登録処理の一例を示すフローチャートである。また、
図5は、
図1に示すデジタル複合機1の登録内容の設定処理の一例を示すフローチャートである。また、
図6および
図7は、
図1に示すデジタル複合機1の表示部171に表示された画面の一例を示す説明図である。また、
図8および
図9は、
図1に示すデジタル複合機1の表示部171に表示された設定画面の一例を示す説明図である。
【0046】
図4に基づき、デジタル複合機1の設定内容の登録処理の流れについて説明する。
【0047】
図4のステップS1において、制御部10は、登録ボタン表示アイコン101が選択されたか否かを判定する(ステップS1)。
【0048】
図6に示すように、登録ボタン表示アイコン101は、表示部171に表示された画面の右上部分において、左向きの矢印を含むアイコンとして表示されている。
【0049】
図4のステップS1において、登録ボタン表示アイコン101が選択された場合(ステップS1の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS2において、登録ボタン102を表示する(ステップS2)。
【0050】
図6において、登録ボタン表示アイコン101が選択された場合、
図7に示すように、登録ボタン102が表示される。
また、このとき、登録ボタン非表示アイコン104を選択することで、
図6の画面に戻ることもできるようにしてもよい。
【0051】
次に、
図4のステップS3において、登録ボタン102が選択された場合(ステップS3)、制御部10は、ステップS4において、登録ボタン102の選択時の設定画面および設定値を記憶部13に記憶させ(ステップS4)、登録処理を終了させる。
【0052】
次に、
図5に基づき、デジタル複合機1の登録内容の設定処理の流れについて説明する。
【0053】
図5のステップS11において、制御部10は、設定画面リスト表示アイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS11)。
【0054】
図6において、設定画面リスト表示アイコンとして、登録ボタン表示アイコン101と共通のアイコンを使用しているが、別々のアイコンを表示部171に表示させるようにしてもよい。
【0055】
図5のステップS11において、設定画面リスト表示アイコンが選択された場合(ステップS11の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS12において、登録されたすべての設定画面をリスト表示する(ステップS12)。
【0056】
なお、登録された設定画面のリスト103は、新しく登録された設定画面が一番上に来るように並べるようにしてもよいし、また、過去に呼び出された設定画面の回数順に並べるようにしてもよい。
【0057】
次に、ステップS13において、リストから一の登録画面が選択された場合(ステップS13)、制御部10は、ステップS14において、選択された設定画面を表示部171に全体表示し、当該設定画面に対応する設定値を反映させる(ステップS14)。
【0058】
図7の例において、設定画面のリスト103のうち、一番上の設定画面が選択された場合、
図8に示すように、選択された設定画面を表示部171に全体表示する。
また、このときの設定値は、登録された設定を反映させる。
【0059】
また、
図7の例において、設定画面のリスト103のうち、上から2番目の設定画面が選択された場合、
図9に示すように、選択された設定画面を表示部171に全体表示する。
また、このときの設定値は、登録された設定を反映させる。
【0060】
このように、登録ボタン102が選択されたとき、設定値を設定画面と関連付けて保存し、登録された設定画面のリスト103から一の設定画面が選択されたとき、関連付けられた設定値を反映した設定画面を表示部171に表示させる。
【0061】
それゆえ、ユーザーは設定画面を開くことなく、登録ボタン102を押すだけで簡単に設定項目を保存することができる。
また、ユーザーは表示部171に表示された設定画面のリスト103を確認し、所望の設定画面を選択するだけで簡単に呼び出すことができるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできるデジタル複合機1を実現することができる。
【0062】
(変形例1)
実施形態1の変形例として、設定画面に限らず、壁紙やボタンの配置の設定など、ユーザーがカスタマイズした画面構成の設定を保存するようにしてもよい。
【0063】
このようにすれば、ユーザーは、設定項目や設定値の登録に関する特別な知識や手順なしに、カスタマイズした画面構成の設定を従来よりも簡単かつ迅速に保存し、呼び出すことが可能になるデジタル複合機1を実現することができる。
【0064】
〔実施形態2〕
次に、
図10に基づき、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の登録内容の設定処理の流れについて説明する。
【0065】
図10は、
図1に示すデジタル複合機1の登録内容の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
なお、
図10のステップS21,S25およびS26の処理はそれぞれ、
図5のステップS11,S13およびS14の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図5と異なるステップS22~S24の処理について説明する。
【0067】
図10のステップS21において、設定画面リスト表示アイコンが選択された場合(ステップS21の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS22において、入力データが存在するか否かを判定する(ステップS22)。
【0068】
ここで、スキャンのように原稿のスキャンによって得られる入力データの有無によって設定内容が異なるジョブについては、入力データがあることを前提として設定される項目があるため、入力データの有無によって異なる処理が行われる。
【0069】
例えば、A4サイズの原稿がスキャンされた場合、A4サイズの原稿に係る設定画面がリスト表示されるが、原稿がスキャンされる前は、任意のサイズの原稿の設定画面がリスト表示される。
【0070】
具体的には、ステップS22において、入力データが存在する場合(ステップS22の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS23において、当該データ入力後の登録されたすべての設定画面をリスト表示する(ステップS23)。
【0071】
一方、入力データが存在しない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS24において、データ入力前の登録されたすべての設定画面を表示する(ステップS24)。
【0072】
制御部10は、ステップS23またはS24の処理を終えた後、ステップS25の処理を行う(ステップS25)。
【0073】
このようにして、スキャンジョブにおいて、入力データがあることを前提として設定される項目がある場合において、入力データがないにもかかわらず再設定すると不具合が発生したり、設定内容が反映されなくなったりする問題を事前に防ぐことが可能となるデジタル複合機1を実現することができる。
【0074】
〔実施形態3〕
実施形態3として、すでに登録された設定と重複する設定について登録ボタン102が選択された場合、古い設定に新しい設定を上書きするか、あるいは、登録ボタン102が選択されたときに「同じ設定がすでに登録されていますが、登録してもよろしいですか?」というメッセージを表示部171に表示させるようにしてもよい。
【0075】
なお、設定内容が同じであっても、壁紙やボタンの配置の設定など、ユーザーがカスタマイズした画面構成が異なる場合は、別々の設定画面として保存するようにしてもよい。
【0076】
このようにして、すでに登録された設定と重複する設定を登録する際も、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできるデジタル複合機1を実現することができる。
【0077】
〔実施形態4〕
実施形態4として、設定画面のリスト103に表示部171に現在表示させているジョブの画面に関連する設定画面のみをリスト表示させるようにしてもよい。
【0078】
例えば、表示部171に印刷ジョブに係る画面を表示させているときに、ユーザーが設定画面リスト表示アイコンを選択した場合、当該印刷設定に関連する設定画面のリスト103のみを表示させる。
【0079】
一方、ポータル画面などの初期画面が表示部171に表示されているときに、ユーザーが設定画面リスト表示アイコンを選択した場合、すべての設定画面のリスト103を表示させる。
【0080】
このようにして、現在のジョブに関連する設定画面のみが設定画面のリスト103としてユーザーに表示されるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできるデジタル複合機1を実現することができる。
【0081】
(変形例)
実施形態4の変形例として、現在のジョブに関連する設定画面のみが設定画面のリスト103として表示されているときにユーザーが一の設定画面を選択した場合、現在の設定からの設定の変更箇所を表示部171に表示してユーザーに確認するメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0082】
例えば、現在の設定において、カラーモードが「フルカラー」になっているときに、ユーザーが選択した設定画面に係る設定のカラーモードが「白黒」の場合、以下のメッセージを表示部171に表示させて、ユーザーの確認を促す。
「カラーモードが『フルカラー』から『白黒』に変更されます。これでよろしければ、OKを押してください」
【0083】
このようにして、設定画面を変更する際にどの設定が変更されるか表示部171に表示され、変更点が明らかになるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできるデジタル複合機1を実現することができる。
【0084】
〔実施形態5〕
実施形態5として、複数ユーザーの共有に係る画面が表示されている場合、設定画面のリスト103には、各ユーザーが登録した設定画面を表示させるようにしてもよい。
【0085】
このとき、ユーザーの違いが一目で分かるように、設定画面に各ユーザー名または各ユーザーのアイコン等などの目印を表示させるようにしてもよい。
【0086】
このようにして、複数のユーザーが共有の設定画面を利用する場合も、各ユーザーの個別設定を簡単に呼び出すことができるため、設定の登録および呼び出しを従来よりも簡単かつ迅速に行うことのできるデジタル複合機1を実現することができる。
【0087】
この発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0088】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像入力部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:パネルユニット、 18:ユーザー認証部、 101:登録ボタン表示アイコン、 102:登録ボタン、 103:設定画面のリスト、 104:登録ボタン非表示アイコン、 121:LSU、 171:表示部、 172:操作部、 1721:タッチパネル、 1722:表示操作部