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特許7169878電子地図データを使用して経路を生成する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電子地図データを使用して経路を生成する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20221104BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018548451
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2017057325
(87)【国際公開番号】W WO2017167760
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】16162511.6
(32)【優先日】2016-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】15/275,535
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】307043223
【氏名又は名称】トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ
(73)【特許権者】
【識別番号】515288214
【氏名又は名称】トムトム ナビゲーション ベスローテン フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】TomTom Navigation B.V.
【住所又は居所原語表記】De Ruijterkade 154, 1011 AC, Amsterdam, Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, ヨハネス ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジュバ, タチアナ
(72)【発明者】
【氏名】ケーニヒ, フェリックス ゴーザフォス
(72)【発明者】
【氏名】ホーフェルト, シッセ トマス
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-044192(JP,A)
【文献】特開2002-323335(JP,A)
【文献】特開2008-249507(JP,A)
【文献】特開2007-078530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的エリアにおいてナビゲート可能なネットワークを通る経路を生成する方法であって、前記ナビゲート可能なネットワークは、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能要素を表す複数の区分を含む電子地図により表され、前記複数の区分はノードにより接続されており、各区分はそれと関連付けられた移動方向を有している、前記方法は、
前記電子地図により表された位置を特定する位置データを受信することと、
前記受信された位置データに基づいて前記電子地図により表されたエリアを規定することと、
前記規定されたエリアから出ていく少なくともいくつかの区分を判定することであって、前記出ていく区分は、前記規定されたエリアの内部の第1のノードから前記規定されたエリアの外部の第2のノードへ移動可能な区分である、前記判定することと、
前記規定されたエリアからの前記判定された出ていく区分の各々について、経路計画アルゴリズムを使用して出発地から、前記エリアに入る入ってくる区分の1つを通る、それぞれの出ていく区分の前記第1のノードへの第1の最適コスト経路を判定することであって、各第1の最適コスト経路は当該第1の最適コスト経路と関連するコストを有している、前記判定することと、
前記関連するコストに基づいて、前記第1の最適コスト経路のうちの少なくとも1つを選択することと、
前記少なくとも1つの選択された第1の最適コスト経路の前記エリアからの前記出ていく区分から目的地への第2の最適コスト経路を判定することと、
を有し、
前記出発地から前記目的地への前記生成された経路は、前記選択された第1の最適コスト経路及び前記第2の最適コスト経路を含み、
前記エリアの前記規定することは、前記受信された位置データに基づいて初期エリアを規定することと、前記初期エリアに含まれる前記エリアから出ていく区分の数に基づいて前記初期エリアのサイズを増大することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記判定された第1の最適コスト経路を、それらのコストに従ってランク付けすることをさらに含み、前記第1の最適コスト経路の前記少なくとも1つの前記選択することは、前記ランク付けすることに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置データはユーザから受信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置データにより特定される位置は地点位置であり、前記エリアは前記地点位置を中心とした円として規定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記エリアの前記規定することは、前記初期エリアが、少なくとも予め定められた数の前記エリアから出ていく区分を含むかどうかを判定することと、前記エリアが、少なくとも前記予め定められた数の前記エリアから出ていく区分を含まないと分かった場合、前記エリアが、少なくとも前記予め定められた数の前記エリアから出ていく区分を含むと分かるまで前記初期エリアのサイズを増大することとを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記予め定められた数の前記エリアから出ていく区分は、2つの出ていく区分であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記出発地は、地点位置であり、ユーザの現在位置であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの前記第1の最適コスト経路を選択することは、第1の最適コスト経路のセットを選択することを含み、前記セットは、最も低い関連するコストを有する前記第1の最適コスト経路と、次に低い関連する複数のコストを有する予め定められた数の前記第1の最適コスト経路とを含むことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記目的地は、地点位置であり、ユーザにより選択された位置であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記受信された位置データは前記経路に含まれるべき経由地点を表す複数の位置を特定し、前記複数の位置の各々についてエリアが規定され、前記方法は、前記経路に沿った前記複数の位置が移動される順序を示すデータを受信することをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
各第1の最適コスト経路は少なくとも1つの区分を含み、前記第2の最適コスト経路は、前記第1の最適コスト経路の少なくとも1つ、好適には全ての区分が、前記第2の最適コスト経路の一部を形成することを防止する経路計画アルゴリズムを使用して判定されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
(i)前記生成された経路を示すデータを表示すること、及び、(ii)前記生成された経路に沿ってユーザを案内するナビゲーション命令のセットを出力することのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
地理的エリアにおいてナビゲート可能なネットワークを通る経路を生成するシステムであって、前記ナビゲート可能なネットワークは、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能要素を表す複数の区分を含む電子地図により表され、前記複数の区分はノードにより接続されており、各区分はそれと関連付けられた移動方向を有している、前記システムは、
前記電子地図により表された位置を特定する位置データを受信する手段と、
前記受信された位置データに基づいて前記電子地図により表されたエリアを規定する手段と、
前記規定されたエリアから出ていく少なくともいくつかの区分を判定する手段であって、前記出ていく区分は、前記規定されたエリアの内部の第1のノードから前記規定されたエリアの外部の第2のノードへ移動可能な区分である、前記判定する手段と、
前記規定されたエリアからの前記判定された出ていく区分の各々について、経路計画アルゴリズムを使用して出発地から、前記エリアに入る入ってくる区分の1つを通る、それぞれの出ていく区分の前記第1のノードへの第1の最適コスト経路を判定する手段であって、各第1の最適コスト経路は当該第1の最適コスト経路と関連するコストを有している、前記判定する手段と、
前記関連するコストに基づいて、前記第1の最適コスト経路のうちの少なくとも1つを選択する手段と、
前記少なくとも1つの選択された第1の最適コスト経路の前記エリアからの前記出ていく区分から目的地への第2の最適コスト経路を判定する手段と、
を備え、
前記出発地から前記目的地への前記生成された経路は、前記選択された第1の最適コスト経路及び前記第2の最適コスト経路を含み、
前記エリアを規定する手段は、前記受信された位置データに基づいて初期エリアを規定し、前記初期エリアに含まれる前記エリアから出ていく区分の数に基づいて前記初期エリアのサイズを増大することを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記判定された複数の第1の最適コスト経路を、それらのコストに従ってランク付けする手段をさらに備え、前記第1の最適コスト経路の前記少なくとも1つを選択する前記手段は、前記ランク付けすることに基づくことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
継続性のあるコンピュータ可読媒体に選択的に格納され、コンピュータ装置の少なくとも1つのプロセッサにより実行される場合に前記コンピュータ装置を請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法に従って動作させる命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の規定エリアを通る経路を生成する方法及びシステムに関し、そうした経路を生成するように構成されたナビゲーション装置及びサーバにも及ぶ。従って、本発明は、特定の位置ではなく、地点位置と関連付けられた規定エリアからの経路、当該規定エリアを介する経路/当該規定エリアへの経路を生成することに関する。本発明はその様々な態様において、同一の、すなわち“A-A”タイプの往復経路となる出発地及び目的地の間の経路を生成する際に特に、排他的ではないが役立つものである。本発明の例示的な実施形態は、ポータブルナビゲーション装置(いわゆるPND)、特に全地球測位システム(GPS)信号受信/処理機能性を含むPNDに関する。他の実施形態は、更に一般的には、経路計画機能性を提供し且つ好ましくはナビゲーション機能性を更に提供するためにナビゲーションソフトウェアを実行するように構成される何らかの種類の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号受信/処理機能性を含むポータブルナビゲーション装置(PND)は周知であり、車両搭載型のナビゲーションシステム又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用される。
【0003】
一般に、最近のPNDは、プロセッサ、メモリ(揮発性及び不揮発性の少なくとも一方であり、通常は双方)及び前記メモリ内に格納された地図データを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。更に、PNDの機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的である。
【0004】
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話し且つ装置を制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースとを更に備える。出力インタフェースの例は、表示装置及び可聴出力用スピーカを含む。入力インタフェースの例は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両に組み込まれる場合はステアリングホイール上に存在してもよい)及びユーザの音声を検出するためのマイクを含む。特に好適な構成において、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触れることにより装置を操作できるようにする入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(例えば、タッチセンシティブオーバーレイにより)構成される。
【0005】
また、この種の装置は、装置との間で電力及びオプションとしてデータ信号を送受信可能にする1つ以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びに例えばWi-Fi及びWi-MaxGSM等である他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機とを含むことが多い。
【0006】
この種のPND装置はGPSアンテナを更に含み、これにより場所データを含む衛星放送信号が受信され、その後装置の現在地を判定するために処理される。
【0007】
PND装置は、現在の角加速度及び直線加速度を判定し、GPS信号から導出された場所情報と関連して装置及び装置が搭載されている車両の速度及び相対変位を判定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような特徴を車両搭載型のナビゲーションシステムに提供するのが最も一般的であるが、PND装置に提供するのが好都合な場合はPND装置に提供する。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、第1の場所(通常は出発地又は現在地)と第2の場所(通常は目的地)との間の経路を判定する機能において主に示される。これらの場所は、例えば郵便番号、道路名及び番地、事前に格納された「既知の」目的地(有名な場所、市営の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の地点情報等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪問した目的地である種々の異なる方法のうちのいずれかによって、装置のユーザにより入力可能である。
【0009】
通常、PNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を計算することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度であり、選択された経路は、履歴交通道路情報、既存の交通道路情報、及び/又は、予測された交通道路情報を考慮してもよい。
【0010】
更に、装置は道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの移動に対して経路を変更するように提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し且つ通知システムに情報を供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、通常は車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際は車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路の計算及び計算された経路に沿うナビゲーションの双方を実行するために装置にソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画/ナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動演算リソースにより提供される場合もある。例えば、オンライン経路計画/ナビゲーション機能が、routes.tomtom.comで提供される。この機能により、ユーザは出発地及び目的地を入力でき、その結果、ユーザのPCが接続されるサーバは経路(この経路全般に関してはユーザが指定してもよい)を計算し、地図を生成し、選択された出発地から選択された目的地にユーザを案内するための全ナビゲーション命令の集合を生成する。この機能は、計算された経路の疑似3次元レンダリングと、ユーザが経路に沿って移動することをシミュレートすることにより計算された経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能性とを更に提供する。
【0013】
PNDの場合、経路が計算されると、ユーザはナビゲーション装置と対話し、オプションとして、提案された経路のリストから所望の計算された経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えばある特定の移動に対して特定の経路、道路、場所又は基準が回避されるべきであるか又は必須であると指定することにより、経路選択処理を仲介又は誘導する。PNDの経路計算の側面は1つの主要な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主要な機能である。
【0014】
計算された経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDが、選択された経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地にユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地を示し、従って装置が車両ナビゲーションに使用されている場合はユーザ又はユーザの車両の現在地を示すように、画面上で定期的に更新される。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、通常は装置の現在地を示し、装置の現在地の近傍の現在の道路及び周辺の道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図の特徴と共に中央に配置される。更にナビゲーション情報は、オプションとして、表示された地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示される。ナビゲーション情報の例は、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離を含み、その進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンにより示される。ナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを更に判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は膨大な処理及び解析を必要とする。上述のように、装置とのユーザ対話はタッチスクリーンにより行われてもよく、それに加えて又はその代わりに、ステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の何らかの適切な方法により行われてもよい。
【0016】
装置により提供される更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れる(誤って又は故意に)場合、別の経路がより適切であるとリアルタイムの交通状況が示し且つ装置がそのような状況を適切に自動認識できる場合、あるいはユーザが何らかの理由で能動的に装置に経路の再計算を実行させる場合における自動経路再計算である。
【0017】
経路計算機能及びナビゲーション機能はPNDの総合的な実用性の基本になるものであるが、装置を単に情報表示、すなわち「フリードライビング」のために使用することが可能である。この場合、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、ナビゲーションは現時点で装置により実行されていない。そのような動作モードは、ユーザが移動時に使用するのが望ましい経路を既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能であることが多い。
【0018】
上述の種類の装置は、ユーザが1つの位置から別の位置へナビゲートできるようにする信頼性の高い手段を提供する。
【0019】
選択的に任意の特定の経由地点位置を介する、特定の出発地位置及び目的地位置の間の経路を生成するのに役立つナビゲーションシステムを開発することに相当な努力が捧げられている。しかしながら、様々な文脈で、特定の位置ではなく、より一般的なエリアから、より一般的なエリアへ或いはより一般的なエリアを介した経路を生成することが可能であることが望ましい。例えば、いくつかの状況では、ユーザは、関心のある経路に関する提案、又は、経路上に含まれる正確な位置にそれほど関係しない任意の一般的なエリアを通る経路に関する提案を取得することを望むかもしれない。そうした経路は、いつも当てはまるとは限らないが、しばしば往復経路、すなわち、A-Aタイプの経路ともしばしば称される同一の出発地及び目的地を有する経路であってもよい。ユーザにとって関心のあるそうした経路を生成すること、及び、訪問する領域に関するユーザの何れかの好みを考慮することは、特定の位置間の最も効率的な経路を単に判定することに比べて、ある特定の挑戦をもたらすかもしれない。任意の一般的なエリアから開始する、当該エリアで終了する、或いは、当該エリアを通る経路を生成可能であることは、エリアが必ずしもユーザにより特定されない、他の文脈でも役立つかもしれない。
【0020】
特定の位置ではなく、特定の領域を通過する経路を生成するための任意の技術が、米国特許第6567743号明細書で提案されている。しかしながら、出願人はその方法に更に改良する余地があることを認識している。
【発明の概要】
【0021】
本発明の第1の態様によれば、地理的エリアにおいてナビゲート可能なネットワークを通る経路を生成する方法であって、前記ナビゲート可能なネットワークは、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能要素を表す複数の区分を含む電子地図により表され、前記複数の区分はノードにより接続されており、各区分はそれと関連付けられた移動方向を有している、前記方法は、
前記電子地図により表された位置を特定する位置データを受信することと、
前記受信された位置データに基づいて前記電子地図により表されたエリアを規定することと、
前記規定されたエリアから出ていく少なくともいくつかの区分を判定することと、
前記規定されたエリアからの前記判定された出ていく区分の各々について、経路計画アルゴリズムを使用して出発地からそれぞれの出ていく区分への第1の最適コスト経路を判定することであって、各第1の最適コスト経路は関連するコストを有している、前記判定することと、
前記関連するコストに基づいて、前記第1の最適コスト経路のうちの少なくとも1つを選択することと、
前記少なくとも1つの選択された第1の最適コスト経路の前記エリアからの前記出ていく経路から目的地への第2の最適コスト経路を判定することと、
を有し、
前記出発地から前記目的地への前記生成された経路は、前記選択された第1の最適コスト経路及び前記第2の最適コスト経路を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0022】
本発明は、前記電子地図の規定のエリアを通過する出発地及び目的地の間の経路を生成する方法を提供する。前記エリアは、前記電子地図により表された位置を特定する位置データに基づくものである。前記位置は好適には地点位置であるが、前記規定されたエリアと同一であるエリア、又は、前記規定されたエリアが基づく異なるエリアでもありうる。用語“地点位置(地点ロケーション)”は、前記電子地図のサブ領域を含むエリアとは対照的に特定の位置を指すためにここでは使用される。前記地点位置は、例えば、緯度経度の座標のペアとして規定されてもよい。前記地点位置は、前記電子地図のノードの位置に対応してもよいし、或いは、前記電子地図の区分に沿った位置であってもよい。他の実施形態では、前記地点位置は、POIの位置、又は、(POIが公園等のエリアを指すのであれば)POI内の位置に対応してもよい。エリアを規定する前記受信された位置は、通常の“ハード経由地点”とは対照的にここでは“ソフト経由地点”と称されてもよい。理解されるように、ルーティングエンジンがハード経由地点を介した経路を判定する場合、前記経路はその位置を含むことが必要とされる。これに対して、ソフト経由地点がある場合、前記ルーティングエンジンは、前記ソフトな位置を規定する地点位置と関連付けられたエリアを通過する経路を生成するように構成されるが、その地点位置自体を含む必要はない。換言すれば、前記ソフト経由地点は、経路が前記位置と関連付けられた前記エリアの何れかの部分を通過することを可能にするために任意の曖昧性を組み込んでいる。
【0023】
本発明は、ここに記載の本発明の態様又は実施形態の何れかに従った方法を実行するシステムに及ぶ。
【0024】
従って、本発明の更なる態様によれば、地理的エリアにおいてナビゲート可能なネットワークを通る経路を生成するシステムであって、前記ナビゲート可能なネットワークは、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能要素を表す複数の区分を含む電子地図により表され、前記複数の区分はノードにより接続されており、各区分はそれと関連付けられた移動方向を有している、前記システムは、
前記電子地図により表された位置を特定する位置データを受信する手段と、
前記受信された位置データに基づいて前記電子地図により表されたエリアを規定する手段と、
前記規定されたエリアから出ていく少なくともいくつかの区分を判定する手段と、
前記規定されたエリアからの前記判定された出ていく区分の各々について、経路計画アルゴリズムを使用して出発地からそれぞれの出ていく区分への第1の最適コスト経路を判定する手段であって、各第1の最適コスト経路は関連するコストを有している、前記判定する手段と、
前記関連するコストに基づいて、前記第1の最適コスト経路のうちの少なくとも1つを選択する手段と、
前記少なくとも1つの選択された第1の最適コスト経路の前記エリアからの前記出ていく経路から目的地への第2の最適コスト経路を判定する手段と、
を備え、
前記出発地から前記目的地への前記生成された経路は、前記選択された第1の最適コスト経路及び前記第2の最適コスト経路を含むことを特徴とするシステムが提供される。
【0025】
当業者に理解されるように、本発明のこの更なる態様は、必要に応じて、本発明の他の態様の何れかに関連してここで記載した本発明の好適且つ選択的な特徴の何れか1つ以上又は全てを含みうるものであり、好適には含む。明示的に述べられていなくても、ここでの本発明のシステムは、何れかの態様又は実施形態における本発明の方法に関して記載した何れかのステップを実行する手段を備えてもよく、その逆もまた同じである。本発明はコンピュータで実施発明であり、本発明の何れかの態様又は実施形態に関連して記載した何れかのステップは、1以上のプロセッサのセットの制御下で実行されてもよい。前記システムに関連して記載した何れかのステップを実行する手段は、1以上のプロセッサのセットであってもよい。
【0026】
何れかの態様又は実施形態における本発明の前記システムは、ナビゲーション装置等の任意の適当な装置の形態であってもよい。一般に、本発明の前記システムは、少なくとも1つの処理装置であってもよい。処理装置は、ポータブルナビゲーション装置(PND)又は一体型装置であろうとなかろうと、ナビゲーション装置等のモバイル装置の装置であってもよいし、或いはサーバの装置であってもよい。
【0027】
本発明の前記方法は、好適にはナビゲーション動作との関連で実施される。従って、前記方法は、好適にはナビゲーション機能性を有する装置又はシステムの1つ以上のプロセッサのセットにより実行される。しかし、前記方法は、経路生成機能性を有するものの必ずしもナビゲーション機能性を有さない任意の適当なシステムにより実行されてもよいことが理解されるだろう。例えば、前記方法は、ナビゲーション機能性を有さない、例えばデスクトップ又はラップトップシステムであるコンピュータシステムにより実施されてもよい。ユーザは、続いて印刷されてもよい、或いは、後に経路選択の補助に使用されてもよい生成された経路を提示されてもよく、或いは、例えば、前記経路は、将来の使用のために、例えばナビゲーション装置へのダウンロードのために格納されてもよい。
【0028】
好適な実施形態では、何れかの態様又は実施形態における本発明の前記方法は、ナビゲーション装置等のモバイル装置を使用して実行され、本発明は、本発明の何れかの態様又は実施形態の方法のステップを実行するように構成された、モバイルの、例えばナビゲーション装置に及ぶ。前記ナビゲーション装置は、ポータブルナビゲーション装置(PND)又は一体型装置、例えば車載装置であってもよい。
【0029】
本発明の何れかの態様又は実施形態によれば、前記システム、例えばナビゲーション装置は、電子地図をユーザへ表示するディスプレイと、電子地図データにアクセスして前記ディスプレイを介してユーザに電子地図が表示されるように構成された1つ以上のプロセッサのセットと、前記ユーザが前記装置と対話することを可能にするためのユーザにより操作可能なユーザインタフェースとを備えてもよい。
【0030】
その実施に関わらず、何れかの態様又は実施形態における本発明に従って使用される装置、例えばナビゲーション装置は、プロセッサ、メモリ、及び前記メモリに格納されたデジタル地図データ(又は電子地図)を備えてもよい。前記プロセッサ及びメモリは、協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが構築されてもよい実行環境を提供する。1以上の追加のソフトウェアプログラムが、前記装置の前記機能性が制御されて様々な他の機能を提供するのを可能にするように提供されてもよい。本発明のナビゲーション装置は、好適には全地球航法衛星システム(GNSS)、例えばGPS又はGLONASS、信号受信処理機能性を含んでもよい。理解されるように、前記ナビゲーション装置は、その現在位置を判定するための、例えば、地上波ビーコン、移動体通信ネットワーク等の所望の他の手段を使用してもよい。前記装置は、情報がユーザに伝達されてもよい1つ以上の出力インタフェースを備えてもよい。前記出力インタフェースは、視覚表示装置に加えて可聴出力のためのスピーカを含んでもよい。前記装置は、前記装置のオンオフ操作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタンを含む入力インタフェースを備えてもよい。
【0031】
他の実施形態では、何れかの態様又は実施形態における本発明の前記方法は、サーバにより実行されてもよく、本発明は、本発明の何れかの態様又は実施形態の方法のステップを実行するように構成されたサーバに及ぶ。何れかの態様又は実施形態の本発明の前記システムは、例えばサーバの処理装置であるシステムであってもよい。もちろん、何れかの態様又は実施形態における本発明の前記方法の前記ステップは、部分的にサーバにより実行され、部分的にナビゲーション装置により実行されてもよい。例えば、経路生成は、例えばナビゲーション装置の要求に応じてサーバにより実行されて、ユーザへの出力のため当該装置へ提供されてもよい。前記方法の前記ステップは、サーバ上で排他的に、又は、任意の組み合わせにおいていくつかはサーバ上で且つその他はナビゲーション装置上で、又は、ナビゲーション装置上で排他的に、実行されてもよい。前記サーバ上で前記ステップのうちの1つ以上を行うことは効果的であるかもしれず、ナビゲーション装置にかかる計算負荷を低減するかもしれない。或いは、1つ以上のステップが前記ナビゲーション装置で実行されるなら、これにより、ネットワーク通信に必要な何れかの帯域幅が低減されるかもしれない。従って、本発明のシステムは、部分的にナビゲーション装置又は他のモバイル装置により提供され、部分的にサーバにより提供されてもよい。
【0032】
前記ナビゲート可能なネットワークは電子地図により表される。前記電子地図は、ノードにより接続された複数の区分(セグメント)を含んでもよい。前記電子地図(又は、知られているような数学的グラフ)は、最も単純な形式において、効果的には、ノードを表すデータ、道路交差点を最も一般的に表すデータ、及び、交差点間の道路を表すノード間の線を含むデータベースである。より詳細なデジタル地図においては、線は、始点ノード及び終点ノードにより規定された区分に分割されてもよい。これらのノードは、最低限3つの線又は区分が交差する交差点を表すという点で“リアル”であるかもしれないし、或いは、これらのノードは、とりわけ、道路の特定のストレッチ(区間)の形状情報、又は、道路のいくつかの特性、例えば速度制限が変化する当該道路に沿った位置を特定する手段を提供するために、リアルノードにより一端又は両端で規定されていない区分のアンカとして提供される点で“人工的”であるかもしれない。前記ノード及び区分は、前記データベース内のデータにより再び表される様々な属性により更に規定される。例えば、各ノードは、その現実世界の位置、例えば緯度経度を規定するために通常地理的座標を有するだろう。ノードは、交差点においてある道路から別の道路へ移動することが可能かどうかを示す、関連付けられた操作データも通常有するだろうし、前記区分は法定速度制限等の関連する属性も有するだろう。前記区分は関連する移動方向も有しており、移動方向は前記区分が移動されうる可能な(複数の)方向を示す。例えば、前記ナビゲート可能なネットワークが道路ネットワークである場合、区分は、一方通行道路を表してもよく、或いは、幹線道路の一方側の車線を表してもよく、従って、前記区分は一方向であり、すなわち、あるノードから別のノードへの移動を可能にするが他の方向へは可能ではないだろう。或いは、通常はよくあることだが、前記区分は双方向であり、すなわちあるノードから別のノードへの移動を可能にすると共に、その逆も同様であってもよい。それ故、双方向区分は、常にソフトな位置のエリアから出ていく区分でありうるが、これは一方向区分には当てはまらない。
【0033】
本発明の実施形態は、道路区分を参照して記載されているが、本発明は、道、川、運河、自転車道、引き船道、鉄道線路等の区分等、他のナビゲート可能な区分にも適用可能であってもよいことが認識されるべきである。参照の便宜上、これらは道路区分として共通して称されてもよいが、“道路区分”への言及は、“ナビゲート可能な区分”又は何れかの特定の種類のそのような区分への言及により置き換えられてもよい。
【0034】
生成された経路は、出発地及び目的地の間で少なくとも1つの経由地点を介する。いくつかの好適な実施形態では、前記出発地は、前記ユーザの現在位置であり、A-Aタイプの経路(往復経路)の場合には目的地であってもよい。例えば、A-Aタイプの経路モードが選択される或いは推論される場合、前記出発地は更に、自動的に経路の目的地とされてもよい。しかし、前記出発地及び/又は目的地は、ユーザにより選択されるか或いは自動的に選択されるかに関わらず任意の位置であってもよいことが想定される。
【0035】
本発明では、位置を特定する位置データが、例えばユーザから受信され(受け付けられ)、前記受信された位置データに基づいてエリアが規定される。前記位置は、好適には地点位置であるが、前記規定されたエリアと同一のエリアでありうるし、前記規定されたエリアが基づく異なるエリアでもありうる。実施形態では、前記位置が地点位置である場合、前記エリアは前記地点位置を中心とした円として規定されうる。前記円は予め定められた半径であり、例えば、前記半径は選択的にはユーザにより提供される。前記半径は予め設定された半径、例えば500m、1km又は所望の任意の他の値であってもよい。地点位置の指示は、例えば、前記ユーザが前記地点位置を示すデータをアップロードすることを通じて、或いは、前記位置を指示するためにナビゲーション装置と直接対話することを通じて、ユーザから直接的に又は間接的に取得されてもよい。指示は、任意の適当な1以上のユーザ入力を使用して提供されてもよい。地点位置は、前記ユーザの、前記電子地図の少なくとも一部の表示された表現との対話により指示されてもよい。例えば、前記指示は、前記ユーザが装置のタッチスクリーンをタッチすることによって提供されてもよい。前記エリアのサイズは、前記ユーザにより直接特定されてもよいし、或いは、前記1以上のユーザ入力に基づいて推論されてもよい。例えば、前記エリアは、ユーザが前記地点位置を押下する時間長に基づいて判定された半径を有する円であってもよい。地点位置がユーザにより特定されるいくつかの実施形態では、前記方法は、前記ユーザにより指示された前記地点位置を中心とした円を前記ユーザに表示することを含み、前記ユーザが前記地点位置を押下し続ける間、その半径は時間と共に増大する。前記円の前記半径は、前記ユーザが前記地点位置を押下することを止めた時に設定される。このようにして、前記ユーザは最初に前記地点位置を規定し、次にそれに基づいて前記エリアを規定する。例えば、以下でより詳細に議論されるように複数のソフトな経由地点を通る経路が判定される実施形態では、1つ以上の、好適には複数の、経由地点を示す地点位置がユーザから受信されてもよい。
【0036】
自動的に、或いは、ユーザ入力に基づいて、取得された規定されたエリアは、前記方法の残りに直接使用されてもよいが、いくつかの実施形態では、前記エリアは、更なる使用に適することを保証するために検証を受ける。上記の何れかの実施形態に従って規定された前記エリアは、それ故、規定されたエリアを本発明に従った使用に提供するために、検証、必要に応じて修正を受ける初期エリアであってもよい。本発明は、前記経路生成処理用の前記エリアから出ていく区分を特定することに依存している。これを可能にするために、規定された前記エリアは、少なくとも1つの、好適には複数のそうした出ていく区分が特定されることを可能にするために、前記電子地図により表された前記ナビゲート可能なネットワークの十分な部分を包含するべきである。
【0037】
前記エリア又はあるエリアを規定するステップは、上記の方法の何れかに従って前記受信された位置データに基づいて初期エリアを規定することと、前記エリアが、前記電子地図により表されるような前記ナビゲート可能なネットワークの適切な部分をカバーするかどうかを検証することと、前記エリアが前記ネッワークの適切な部分をカバーしないこと、すなわち不十分なサイズであることが分かった場合、前記ネットワークの適切な部分をカバーすること、すなわち十分なサイズであることが分かるまで前記エリアを増大させることとを含んでもよい。例えば、前記エリアは、前記エリアを規定する前記半径を増大させることにより増大されてもよい。前記エリアは、継続的に或いは徐々に増大されてもよい。例えば、前記エリアは、1kmのインクリメントで、或いは、所望の任意の予め定められたサイズのインクリメントで、増大されてもよい。これは、初期エリアが公園を通る区分を有さないかもしれない当該公園のエリアに対応する場合に必要かもしれない。いくつかの実施形態では、前記エリアは徐々に増大され、前記増大したエリアが前記ネットワークの適切な部分をカバーするか、すなわち十分なサイズであるかどうかを判定するために、各増大の後にチェックされる。適切なサイズのエリアに到達すると、初期エリアの増大が必要とされたかどうかに関わらず、前記エリアは、前記方法の前記残りで使用されるための前記規定されたエリアとして考えられる。いくつかの実施形態では、前記ネットワークの前記適切な部分は、前記エリアからの少なくとも1つの出ていく区分が存在するような部分であってもよい。しかしながら、好適には、前記ネットワークの前記適切な部分は、前記エリアから出ていく少なくとも予め定められた数の区分が存在するような部分であり、前記予め定められた数は2以上である。いくつかの実施形態では、前記数は2である。前記数は、利用可能な出ていく区分の数、従って、判定されて考慮される最小コスト経路の数、を増やすために増加されてもよいことが想定される。何れか1つ又は複数、或いは、本発明に従ってユーザ指示された地点位置に基づいて規定される各エリアに関して、検証が実行されてもよいことが理解されるだろう。
【0038】
以下のステップは、前記又は所与のエリアに関して実行されてもよい。初期エリアの検証後かどうかに関わらず、所与のエリアが規定されると、及び、必要に応じて、前記所与の規定されたエリアを提供するためにサイズが増大されると、前記方法は、前記規定されたエリアからの前記出ていく区分を判定することを含む。少なくともいくつか、好適には各、前記エリアと関連付けられた出ていく区分が特定され、前記セットは、前記エリアの前記出ていく区分の各々に対応する。1つ以上のそうした区分、好適には複数の出ていく区分があってもよい。このステップ、及び、前記エリアへの或いは前記エリアからの1つの経路又は複数の経路を生成する後続のステップは、1つ以上の、好適には規定された各所与のエリアについて実行される。以下で前記所与のエリアに関して記載されたステップの何れかは、任意の更なるエリアに対して同様に適用可能である。前記ステップは、前記経路に沿って遭遇(通過)する、例えば存在する、各エリアについて順次実行されてもよい。
【0039】
前記方法は、前記所与のエリアと関連付けられた1つ以上の前記出ていく区分のセットを特定することと、前記セットの各区分について、前記出ていく区分が前記判定された経路の前記目的地を提供するのであれば、前記出発地から前記出ていく区分までの前記電子地図により表されるような前記ナビゲート可能なネットワークを通る最適な経路、好適には最小のコスト経路を判定することとを含む。これは、前記エリアを通る前記出発地からの1つ以上の可能な経路を提供するだろう。前記出発地は、ユーザの現在位置等の地点位置であってもよいし、或いは、前記エリアが第1のソフト経由地点ではない場合、前記出発地は、前のエリアから出ていく区分でありうる。前記出発地又は経由地点は、このステップでの前記経路探索の出発地を形成するだろう。このことは、単に前記エリアに入り、且つ、許可されているUターンにより或いは出た後に前記エリアへ引き返すことにより同一のパスに沿って前記エリアからすぐに出るのではなく、前記判定された経路の各々が前記エリアを通過しなければならないことを保証するので、出ていく区分が特定される。
【0040】
前記所与のエリアについて各々判定された経路は、最適な経路、好適には最小のコスト経路であり、ダイクストラアルゴリズムに基づくアルゴリズム又は類似のもの等の、経路探索アルゴリズムを使用して判定される。従って、複数の可能な経路が判定される場合、各々が最適な経路である。ここで言及されるように経路が最適な(最小コストの)経路である場合、前記経路は、経路生成に使用されている適用可能なコスト関数を参照することにより最適となる。前記コスト関数は、予め定められていてもよいし、或いは、所望のように前記ユーザにより選択されてもよく、例えば、2地点間の最短距離、前記2地点間の最速移動時間、前記2地点間で遭遇する所望の程度の丘陵性、前記2地点間で遭遇する所望の程度の風、前記2地点間の最少燃料消費、又はこれらの所望の組み合わせ、を有する前記2地点間の経路を生成することを目標としてもよい。経路の前記コストは、前記経路を形成する前記少なくとも1つの区分を移動するコストの合計として判定されてもよく、各区分を移動する前記コストは、前記コスト関数を使用して判定され、前記各区分と関連付けられた通常少なくとも1つの属性、例えば前記区分の長さ、前記区分に沿った予想移動速度は、前記区分に沿った高さ、前記区分の曲率(又は形状)等で変化する。
【0041】
前記方法は、前記関連付けられたコストに基づいて少なくとも1つの前記第1の最適コスト経路を選択することを含む。実施形態では、前記方法は、前記規定されたエリアを通る前記判定された最適な、例えば最小の、コスト経路、すなわち前記第1の最適コスト経路を、それらのコストに従ってランク付けすることと、前記ランク付けに基づいて少なくとも1つの前記第1の最適コスト経路を選択することとを含む。前記ランク付けは、通常、各出ていく区分への前記経路の前記コストに基づいて前記規定されたエリアからの前記出ていく区分を順序付けるだろう。このランク付けにより、例えば、前記出ていく区分が、最小コストから最大コストまで、或いは、最大コストから最小コストまで、所望のように、順序付けられることが可能となる。前記順序付けに基づいて、前記規定されたエリアからの最良開始地点のセットが特定されうる。このセットは、通常は、少なくとも1つの、好適には予め定められた数の、出ていく区分である。 例えば、5つの出ていく区分が特定されるが、この数は例示的なものに過ぎない。実施形態では、前記セットは、それ故、最小コストを有する最小コスト経路と関連付けられた少なくとも前記出ていく経路、及び、通常は前記予め定められた数まで次に低い1つ以上の出ていく経路を含むだろう。
【0042】
前記方法は、選択された出ていく経路の前記セットの各々から目的地までの最適な、例えば最小の、コスト経路を判定することを含む。前記経路は、好適には、前記出発地から、前記規定されたエリアからの前記出ていく区分までの前記経路を判定するために使用されたものと同一のルーティングアルゴリズム、ひいては同一のコスト関数を使用して判定される。前記規定されたエリアを通過する前記出発地及び目的地の間の経路は、2つのレグ(区間)、すなわち、前記出発地から前記エリア(選択的には1以上の他のエリアであるが)まで、及び、前記エリアから目的地(選択的には1以上の他のエリアであるが)までに渡る最適コストを有する経路として選択されうる。それ故、理解されるように、複数のソフト経由地点が使用されることにより、経路が複数のエリアを通過する場合、各エリアあいだの前記経路の部分は、前記方法は前記出発地及び前記目的地の間の最適経路を見つけるように動作するので、それ自体は最適な経路ではないかもしれない。
【0043】
前記所与のエリアと関連付けられた複数の出ていく区分のセットのうちの各々への又は各々からの複数の経路が判定される実施形態では、前記経路は、例えばルーティングアルゴリズムの1つ以上のパスにより同時に又は順次判定されてもよい。これは、前記適用可能な地点間の複数の可能な経路のセットを提供するだろう。1つのエリア又は複数のエリアに関して経路、例えば1つ以上のエリアについて入ってくる経路及び/又は出ていく経路、の複数のセットが判定される本発明の何れかの実施形態では、経路のそのようなセットは、前記所与のエリアに関して記載したように順次又は同時に判定されてもよいことが理解されるだろう。
【0044】
明示的には述べられていないが、議論された何れかの実施形態における前記目的地は、地点位置と関連付けられたエリアとしてそれ自体規定されうることが想定される。前記方法は、前記目的地を示す前記エリアから各々出ていく区分を特定することと、最初のエリア、又は、最適経路と関連付けられた(複数の経由地点が使用される)先行エリアでの前記出ていく区分から前記目的地の各出ていく区分までの複数の可能な経路を生成することとを含んでもよい。そうした最適経路は、前記最初のエリア又は最初ではない場合には先行エリアから、前記目的地のエリアまでの前記経路の部分を提供するために選択されてもよい或いは、好適な実施形態では、前記最初のエリア又は先行エリアへの少なくともいくつかの、例えば最適な且つ限定された数の経路が特定されてもよく、そうした各経路と関連付けられた前記最初の又は先行エリアでの前記出ていく区分から、前記目的地エリアでの各出ていく経路までの最適経路が生成されてもよい。続いて、前記出発地から前記目的地までの最適な全体経路を提供する各レグ(区間)についての経路の組み合わせが選択されてもよい。
【0045】
本発明の何れかの実施形態によれば、前記地点位置がユーザにより選択される場合、ユーザにより特定されてもよい経由地点を示す地点位置の数は、前記経路の計算の複雑さを最小化するために、例えば3に限定されてもよい。しかしながら、いつもこうであるとは限らず、任意の限定が必要とされるかどうかは、経路を判定することに関与しているシステムの能力に依存してもよく、及び、採用される方法、例えば、複数の経路が各ステージで考慮されるかどうか、或いは、最適経路がエリアで選択されて、それと関連付けられた出ていく区分が前記経路の連続のために前記出発地として使用されるかどうか、に依存してもよい。
【0046】
1つよりも多い地点位置がユーザにより規定される実施形態では、経由地点に関して、或いは、目的地又は出発地或いはその組み合わせに関してかどうかに関わらず、前記地点位置は、経路生成開始の前に全て指示されてもよく、或いは前記ユーザが後に、例えば前記経路の少なくとも一部分が生成された後に、地点位置を追加又は修正してもよいことが想定される。これは、例えば地点位置の追加又は除去、或いは、地点位置の順序の変更の観点で、前記経路の再生成を必要としてもよい。ここで言及される経路の前記生成は、前記ユーザにより指示された1つ以上の地点位置の第1のセットの観点で経路の初期生成であってもよいし、或いは、例えば1つ以上の地点位置の追加、削除及び/又は変更の後に、前記ユーザにより指示された1つ以上の地点位置の修正されたセットに基づく経路の事後生成であってもよい。前記経路の前記生成は異なる時間に行われてもよいことも想定される。例えば、第1の部分は、初期に指示されている単一経由地点を示す地点位置に基づいて生成されてもよい。更なる経由地点を示す更なる地点位置が後に追加されるなら、前記第1の経由地点への前記経路の前記第1の部分が保持されてもよく、前記第1の経由地点から前記第2の経由地点、そして前記目的地までの新規の第2の部分が判定されてもよい。しかしながら、通常は、全体として前記経路がより容易に最適化されるのを可能にする、指示された地点位置への変更があれば、経路全体が再計算されるだろう。出発地、目的地又は経由地点を示す地点位置の追加、除去又は順序付けへの参照がここでなされてもよい。前記地点位置は、前記経路に含まれなければならない特定の地点位置というよりはむしろ、もちろん“ソフトな”出発地、目的地又は経由地点、すなわち、前記経路が通る領域、或いは、前記経路が開始又は終了する領域を示すものであることが理解されるだろう。
【0047】
前記方法は、前記出発地及び目的地の間の前記経路に含まれるべき複数の経由地点を示す複数の地点位置の指示、及び、前記経路に沿った前記地点位置の順序の指示をユーザから受信する(受け付ける)ことを含んでもよい。前記地点位置の順序を示すデータは、前記ユーザが各地点位置を指示する順序から判定されてもよい。これは、前記領域を通る移動方向を提供してもよい。或いは又は更に、前記方法は、前記地点位置の間の所望の移動方向の指示を受信する(受け付ける)ことを含んでもよい。例えば、前記ユーザは、前記地点位置の間の時計回り又は反時計回りに指示する適切なジェスチャを提供してもよい。前記方法は、前記地点位置が移動されるべき順序を示すデータを格納することを含んでもよい。更に他の実施形態では、前記領域を通る移動方向は自動的に判定されてもよいことが想定される。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記ユーザは、前記指示された地点位置の少なくともいくつかの順序を変更してもよいことが想定される。例えば、前記ユーザは、適切なジェスチャを使用して新規の移動方向を指示することが可能であってもよいし、或いは、新規の順序を指示するための前記地点位置を示すアイコンをタッチ又は操作することが可能であってもよい。この再度の順序付けステップの後の前記地点位置の順序は、前記地点位置(及びそれにより示される領域)と関連付けられた新規の順序として格納されてもよく、前記新規の順序は前の順序に取って代わる。
【0049】
同様に、ユーザは前記地点位置を修正してもよい。例えば、前記地点位置の順序を変更することに加えて又はその代わりに、ユーザは、前記経路が前記出発地及び目的地の間で通ることが望まれる領域を示す1つ以上の地点位置を追加又は削除してもよい。理解されるように、少なくとも前記経路に新規の地点位置を追加する時、前記ユーザは前記経路と関連付けられた順序で前記新規の地点位置の位置を指示してもよい。
【0050】
例えば、1つ以上の地点位置の追加又は削除による、且つ/又は、前記地点位置を再度順序付けすることによる、前記修正又は地点位置の再度の順序付けは、前記出発地及び目的地の間の初期経路が判定された後に行われてもよいことが想定される。そうした実施形態では、前記経路生成方法は、一般に、前記地点位置に対して行われた修正を考慮して繰り返されるだろう。エリアを規定するステップは、任意の新規の地点位置について実行されるだろう。ユーザによる地点位置の修正又は再度の順序付けは、前記ユーザの直接的又は間接的なアクションを通じて、どのような方法で実行されてもよい。
【0051】
実施形態では、ユーザにより指示された各地点位置と関連付けられた1つ以上のエリアを通過する前記出発地及び目的地の間の経路が生成された後、ユーザは“逆”経路が判定されることを望むことを指示することができる。逆経路では、逆の順序に、すなわち、初期に生成された経路と関連付けられた方向の反対に、指示された地点位置と関連付けられた前記又は各エリアを通過するように、前記地点位置を通る前記経路が判定される。これらの実施形態は、前記経路が、出発地及び目的地が同一である“A-A”タイプの経路である場合に特に適用可能である。
【0052】
出願人は、本発明の何れかの態様又は実施形態によれば、経路は第1の経由地点を超えて更なる経由地点又は前記目的地まで続いており、前記出発地及び目的地の間の経路の第2の又は後続のレグ(区間)を判定する際、前記第2の又は後続のレグ(区間)が前記出発地又は前の経由地点に即座に戻らないことが望ましいことを認識している。これは、同一の出発地及び目的地を有する前記A-Aタイプの前記経路の場合、特に、唯一の経由地点が存在する場合に当てはまるが、これから記載される技術はより広範に適用可能であり、このタイプの経路に限定されるものではない。前記経路の前のレグ(区間)に沿って不必要に戻る経路の連続を回避するためのいくつかの技術が記載されるだろうし、それは上記の何れかの実施形態に適用されてもよい。
【0053】
上記の本発明の態様によれば、前記所与のエリアが経由地点を示す場合、前記所与のエリア(又は任意の他のエリア)と関連付けられた前記出ていく区分から経由地点又は目的地までの前記経路の連続を判定する際、前記方法は、好適には、前記ナビゲート可能なネットワークの連続するノードを示す前記電子地図の2つのノードを接続する任意の区分が、前記目的地又は経由地点への前記経路の連続の一部分を形成することを防止することを含み、前記ナビゲート可能なネットワークの連続するノードは、前記出発地又は経由地点から前記出ていく区分までの判定された経路の一部も形成している。前記ノードは、前記出発地又は経由地点から前記所与のエリアまでの経路、すなわち入ってくる経路において連続するノードとして現れる現実世界のノードである。前記所与のエリアで単一の出ていく区分のみから前記経路の連続が判定されるかどうかに関わらず、或いは、前記経路の連続を提供する複数の可能な経路が、前記出発地から前記所与のエリアまでの可能な経路と関連付けられた複数の出ていく区分から判定されるかどうかに関わらず、これは適用可能であり、例えば前記最適な経路、及び限定された数の次に最適な経路、の1つを形成すことが判定される。
【0054】
前記エリアが経由地点を示す実施形態では、前記方法は、前記エリアと関連付けられた1つ以上の出ていく区分のセットを特定することと、1つ以上の出ていく区分の前記セットのうちの各々について、前記出発地又は経由地点から前記出ていく区分までの前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路を判定することと、前記出ていく区分は前記判定された経路の前記目的地を提供しており、それにより前記出発地又は前記経由地点から前記所与のエリアまでの及び当該所与のエリアを通る1つ以上の可能な経路のセットを提供することと、及び、前記エリアと関連付けられた1つ以上の出ていく区分のセットを特定することと、1つ以上の出ていく区分の前記セットの各々について、前記出ていく区分から前記目的地又は経由地点までの前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路を判定することと、前記出ていく区分は前記判定された経路の前記出発地を提供しており、それにより前記所与のエリアから前記目的地又は経由地点までの1つ以上の可能な経路のセットを提供することとを含み、前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークの連続するノードを示す前記地図の2つのノードを接続する任意の区分が、前記出ていく区分から前記目的地又は経由地点までの経路の一部を形成することを防止することを含み、前記ナビゲート可能なネットワークの連続するノードは前記出発地又は経由地点から出ていく区分までの判定された経路の一部も形成している。
【0055】
前記出発地又は経由地点から、区分が経路の連続に含まれることが防止される前記出ていく区分までの前記判定された経路は、前記出発地又は経由地点から前記出ていく区分まで判定された1つ以上の可能な経路のセットのうちの何れか1つであってもよい。複数の可能な経路が判定される場合、前記経路は、前記複数の経路のうちの最適な1つであってもよい。前記出発地又は経由地点から、前記所与のエリアにおける各出ていく区分までの複数の可能な経路が判定されるいくつかの実施形態では、前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図の2つのノードを接続する何れかの区分が、前記目的地又は経由地点までの前記経路の前記連続の一部を形成することを防止することを含み、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードが、前記出発地又は経由地点から前記所与のエリアまで判定された前記複数の他の可能な経路の少なくともいくつかのうちの何れか1つの一部も形成している。前記複数の他の可能な経路の前記少なくともいくつかは、好適には、前記出発地又は経由地点と前記所与のエリアとの間の最適な経路及び限定された数の次に最適な経路を含むか、或いは、それらに対応しており、前記複数の可能な経路が最適化に従ってランク付けされる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図の2つのノードを接続する何れかの区分が、前記目的地又は経由地点までの前記経路の前記連続の一部を形成することを防止することを含み、前記ナビゲート可能なネットワークのノードが、前記出発地又は経由地点から前記所与のエリアまで判定された前記複数の他の可能な経路の何れか1つの一部も形成している。
【0056】
例えば、出発地から経由地点までの第1の経路を形成する、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図の2つのノードを接続する何れかの区分が、前記経由地点から目的地までの第2の経路に含まれることを防止する、これらの技術には独自の利点があると考えられる。
【0057】
従って、本発明の更なる態様によると、経由地点を介して地理的エリアにおいてナビゲート可能なネットワークを通る出発地及び目的地の間の経路を生成する方法であって、前記ナビゲート可能なネットワークは、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能区分を表す複数の区分を含む電子地図により表され、前記方法は、
経路探索アルゴリズムを使用して前記電子地図の区分の第1のセットを探索することにより、コスト関数に従って前記出発地から前記経由地点までの第1の最小コスト経路を判定することと、
前記第1の最小コスト経路を形成する前記1以上の区分を特定して、前記特定された1以上の区分を含む区分の第2のセットを規定することと、
経路探索アルゴリズムを使用して前記電子地図の区分の第3のセットを探索することにより、前記コスト関数に従って前記経由地点から前記目的地までの第2の最小コスト経路を判定することであって、区分の前記第3のセットは区分の前記第2のセットを含まない、前記判定することと、
を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0058】
本発明は、ここに記載される本発明の態様又は実施形態の何れかに従った方法を実行するシステムに及ぶ。
【0059】
本発明の更なる態様によれば、経由地点を介して地理的エリアにおいてナビゲート可能なネットワークを通る出発地及び目的地の間の経路を生成するシステムであって、前記ナビゲート可能なネットワークは、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能区分を表す複数の区分を含む電子地図により表され、前記システムは、
経路探索アルゴリズムを使用して前記電子地図の区分の第1のセットを探索することにより、コスト関数に従って前記出発地から前記経由地点までの第1の最小コスト経路を判定する手段と、
前記第1の最小コスト経路を形成する前記1以上の区分を特定して、前記特定された1以上の区分を含む区分の第2のセットを規定する手段と、
経路探索アルゴリズムを使用して前記電子地図の区分の第3のセットを探索することにより、前記コスト関数に従って前記経由地点から前記目的地までの第2の最小コスト経路を判定する手段であって、区分の前記第3のセットは区分の前記第2のセットを含まない、前記判定する手段と、
を備えることを特徴とするシステムが提供される。
【0060】
当業者に理解されるように、本発明のこれらの更なる側面は、必要に応じて、本発明の他の態様の何れかに関してここに記載される本発明の好適な且つ選択的な特徴のうちの何れか1つ以上又は全てを含みうるものであり、好適には含む。
【0061】
本発明のこれらの更なる態様によれば、前記経路は好適には、往復経路又は両者が同一である出発地及び目的地を有する“A-A”タイプの経路である。出願人は、前述の態様及び実施形態の“ソフト経由地点” 、又は従来の“ハード”経由地点、又はその組み合わせであろうとなかろうと、1つ以上の経由地点を有する経路に関するこれらの技術の使用は、役立つ往復経路タイプの経路を取得することを容易にすることを発見している。
【0062】
複数の経由地点があってもよい。前記又は各経由地点はユーザにより特定されてもよい。前記方法は、前記ユーザが複数の経由地点、及び前記経由地点の順序を指示することを含んでもよい。これは、本発明の前述の態様に関して議論された技術の何れかに従って達成されてもよい。
【0063】
前記経路が複数の経由地点を含みうる実施形態では、前記経路の前記第2の部分は、前記経路に沿って遭遇されうる第1の経由地点から第2の経由地点までの部分である。前記方法は、存在する場合には前記第2の経由地点及び第3の経由地点から始まる、連続経由地点の前記又は各後続のペア間の1つ以上の更なる経路、及び最終経由地点と前記目的地との間の前記経路の最終部分を生成することを含み、前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図のノードを接続する何れかの区分が、前記経路の更なる部分に含まれることを防止することを含み、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードは前記経路の先行部分の一部も形成している。
【0064】
これらの更なる態様及び実施形態は、往路及び復路が重複しない経由地点を介した往復経路を達成するのを助ける、単一の経由地点がある場合に特に役立つものとなる。いくつかの好適な実施形態では、単一の経由地点のみが存在し、前記経路の前記第2の部分は、第1の経由地点から前記目的地までである。
【0065】
(複数の)区分が経路の連続に含まれるのを防止される本発明の更なる態様又は実施形態の何れかによれば、これは、前記経路生成プロセスで前記(複数の)区分をブロックすることにより達成されてもよい。例えば、前記(複数の)区分は、前記経路に含まれていなくてもよいことを示すためにフラグを立てられてもよい。換言すると、“既に訪問した”区分はフラグを立てられる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記又は各区分が前記経路の前記第2の部分の一部を形成しないことを示すために、前記経路の前記第1の部分に含まれている前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図のノードの各ペア間に延びる前記又は各区分にフラグを立てるステップを含む。
【0066】
現実世界において前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図の2つのノードを接続する前記又は各区分は、前記経路の連続に含まれることを防止される。多くの場合、区分は双方向的である。従って、既に移動された区分が前記経路の連続の一部を形成することを防止することは、前記経路の連続が、逆方向に同一区分に沿って移動することを防止するだろう。しかしながら、区分は、具体的に第1の方向及び逆方向に前記ノード間を移動する時用に提供されるが、いくつかの場合、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを接続する区分は一方向的である。前記区分はわずかに形状が異なっていてもよい。これは、多数の自動車道を有する、或いは、移動の各方向に関して前記区分が湖等のバリアにより分離される、幹線道路タイプの区分により多くあるかもしれない。本発明によれば、前記適用可能な既に生成された経路部分に含まれる2つのノード、そのノードは前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示している、を接続する前記又は各区分は、前記経路の連続に含まれることを防止され、たとえ前方向及び逆方向の移動の区分が異なる場合であっても、前記経路の前記連続が、以前に移動されたパスに対応する区分を含むことができないことを保証する。いくつかの状況では前記電子地図は前記連続ノードを示すノード間に人工ノードを含むかもしれないが、前記ナビゲート可能なネットワークの前記連続ノードを示す前記電子地図の前記ノード、すなわち現実世界のノードは、通常は連続ノードであるだろうことが理解されるだろう。従って、区分の前記第2のセットは、前記特定された(複数)区分に加えて1以上の区分を更に含んでもよく、その各々は前記特定された(複数)区分の1つに対応するが、反対方向に移動可能である。
【0067】
本発明のこれらの更なる態様において、何れか1つ又は複数の、或いは前記又は各経由地点は、座標、POI又は区分等の、前記経路に含まれうる特定の位置を示す従来の“ハード”経由地点であってもよいし、或いは、本発明の前述の態様に関して記載されたように、前記経路が通過するべき規定されたエリアの形式における“ソフト”経由地点であってもよいことが理解されるだろう。“ハード”経由地点及び“ソフト”経由地点の組み合わせが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の経由地点(又は前記又は各経由地点)は、地点位置と関連付けられた規定されたエリアの形式である。前記地点位置は、本発明の前述の態様に記載されるように自動的に判定されてもよいし、或いはユーザにより特定されてもよい。前記エリアは、同様にユーザにより特定されてもよいし、或いは自動的に規定されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、前記経路の前記第1の部分は、前記出発地と前記第1の経由地点との間に生成された前記経路の複数の可能な第1の部分のうちの1つである。前記経路の複数の可能な第1の部分が判定される場合、前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードを示す前記電子地図の2つのノードを接続する何れかの区分が、前記経路の前記第2の部分に含まれることを防止することを含んでもよく、前記ナビゲート可能なネットワークの連続ノードは、前記出発地から前記第1の経由地点までの前記経路の前記生成された複数の可能な第1の区分の少なくともいくつかのうちの何れか1つの一部も形成している。前記経路の前記複数の可能な第1の部分の前記少なくともいくつかは、前記経路の前記生成された可能な第1の部分の全てであってもよいし、或いは、少なくとも最適なそうした経路であってもよい。前記方法は、前記経路の最適な可能な第1の部分、及び1つ以上の次に最適な可能な第1の部分に対応する、前記可能な第1の経路部分のサブセットを取得するために前記経路の前記生成された可能な第1の部分をランク付けすることを含んでもよい。前記少なくともいくつかの第1の部分は、前記経路の前記最適な第1の部分及び次に最適な第1の部分に対応してもよい。
【0069】
前記方法は、前記経路の前記可能な第1の部分の1つを、前記出発地及び前記目的地の間の最終経路、例えばユーザに出力するための経路、に含めるための前記第1の部分として選択することを含んでもよい。例えば、前記複数の可能な第1の部分の最適な1つが選択されてもよい。他の実施形態では、前記方法は、前記出発地及び前記目的地の間の前記経路の各更なる経路部分に関して複数の可能な部分を生成することと、前記出発地及び前記目的地の間の最適経路全体を共に提供する前記経路の前記可能な部分のいくつかを選択することとを含んでもよい。前記経路の複数の可能な第1の部分が生成されるこれらの実施形態では、前記経路の前記第2の部分は、生成される前記経路の複数の可能な第2の部分のうちの1つであってもよい。
【0070】
様々な態様及び実施形態に従った本発明は、最適経路を判定し、及び、最適化の観点で相互に経路をランク付けしようとしてもよい。前記経路は、上述したように、コスト関数の参照により評価される。
【0071】
本発明は、コンピュータ実施発明であり、本発明の態様又は実施形態の何れかに関して記載されたステップの何れかは、1以上のプロセッサのセットの制御下で実行されてもよい。前記システムに関して記載されたステップの何れかを実行する手段は、1以上のプロセッサのセットであってもよい。
【0072】
何れかの態様又は実施形態における本発明によれば、前記出発地及び目的地の間に経路、すなわち全体経路または最終経路、或いはその部分、が生成されると、前記方法は、前記経路又はその部分を示すデータを前記ユーザへ出力することを含んでもよい。前記方法は、生成された前記経路又はその部分に沿ってユーザを案内するナビゲーション命令を生成すること、及び/又は、前記経路又はその部分を示すデータを格納することを含んでもよい。或いは又は更に、前記方法は、前記経路又はその部分を示すデータを前記ユーザに表示することを含んでもよい。従って、前記第1及び第2の態様では、前記第1のエリアで複数の可能な経路の前記セットのうちの前記選択された1つ、及び、前記出発地と前記目的地との間の前記全体経路に含めるために選択された何れかの後続の1又は複数の経路について、前記方法は、これらの方法の何れかで、前記経路を示すデータを前記ユーザへ出力することを含んでもよい。
【0073】
本発明に従った方法の何れかは、少なくとも部分的にソフトウェア、例えばコンピュータプログラムを使用して実施されてもよい。従って、本発明は、本発明の態様又は実施形態の何れかに従った方法を行うこと或いはナビゲーション装置及び/又はサーバに行わせることを実行可能なコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムにも及ぶ。
【0074】
本発明は、データ処理手段を含むシステム又は装置を動作させるために使用される場合に、前記データ処理手段と共に、前記装置又はシステムに、本発明の方法のステップを実行させる当該ソフトウェアを含むコンピュータソフトウェアキャリアにも相応に及ぶ。そうしたコンピュータソフトウェアキャリアは、ROMチップ、CDROM又はディスク等の非一時的な(継続性のある)物理的な記憶媒体でありえ、或いは、有線の電気信号、光学信号又は衛星に関する無線信号等の信号でありうる。本発明は、機械により読み出された場合に、本発明の態様又は実施形態の何れかの方法に従って前記機械を動作させる命令を含む機械可読媒体を提供する。
【0075】
その実施に関わらず、本発明に従って使用されるナビゲーション装置は、プロセッサ、メモリ、及び前記メモリ内に格納されたデジタル地図データを含んでもよい。前記プロセッサ及びメモリは、ソフトウェアオペレーティングシステムが構築されてもよい実行環境を協働して提供する。1以上の追加のソフトウェアプログラムが、前記装置の機能性が制御されること、様々な他の機能を提供することを可能にするために提供されてもよい。本発明のナビゲーション装置は、好適には、GPS(全地球測位システム)信号受信処理機能を含んでもよい。前記装置は、前記ユーザに情報が伝達されてもよい1以上の出力インタフェースを備えてもよい。前記出力インタフェースは、視覚ディスプレイに加えて可聴出力のためのスピーカを含んでもよい。前記装置は、前記装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1以上の物理ボタンを含む入力インタフェースを備えてもよい。
【0076】
他の実施形態では、前記ナビゲーション装置は、特定のナビゲーション装置の一部を構成しない処理装置のアプリケーションにより少なくとも部分的に実施されてもよい。例えば、本発明は、ナビゲーションソフトウェアを実行するように構成された適当なコンピュータシステムを使用して実施されてもよい。前記システムは、モバイル又はポータブルのコンピュータシステム、例えば携帯電話又はラップトップであってもよいし、或いは、デスクトップシステムであってもよい。
【0077】
明示的に述べられていなくても、本発明は、その態様の何れかにおいて、相互に排他的ではない程度に本発明の他の態様又は実施形態に関して記載された特徴の何れか又は全てを含んでもよいことが理解されるだろう。特に、前記方法で及び前記装置により実行されてもよい様々な実施形態の動作が記載されているが、これらの動作の何れか1つ以上又は全てが、前記方法及び前記装置により、必要に応じて、所望のように、任意の組み合わせで実行されてもよいことが理解されるだろう。
【0078】
1つ以上の区分に関して “それと関連付けられた”というフレーズは、データ記憶位置に何れかの特定の制限を要求するものと解釈されるべきではないことが留意されるべきである。そのフレーズは、前記特徴が識別可能(特定可能に)に区分と関連していることのみを要求している。それ故、関連付けは、例えば、遠隔サーバに潜在的に位置する、サイドファイルの参照によって達成されてもよい。
【0079】
上記の実施形態の利点は以下に記載され、上記の各実施形態の更なる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明中で定義される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
本発明の実施形態が、ほんの一例として、添付図面を参照して記載されるだろう。
図1図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の例示的な部分の概略図である。
図2図2は、ナビゲーション装置及びサーバの間の通信のための通信システムの概略図である。
図3図2のナビゲーション装置又は任意の他の適当なナビゲーション装置の電子構成要素の概略図である。
図4図4は、ナビゲーション装置を取り付ける及び/又はドッキングする構成の概略図である。
図5A】、
図5B図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態に従った単一のソフト経由地点を介した往復経路を生成する方法を示す。
図6図6A乃至図6Fは、様々な段階における本発明に従って往復経路を生成する方法を実施する際のナビゲーション装置の表示を示す。
図7図7は、図5A及び図5Bの方法に従って出発地及び第1のエリアの間に経路が生成される方法をより詳細に示す。
図8図8は、本発明の例示的な一実施形態に従って2つのソフト経由地点を介した往復経路を生成する方法を示す。
図9図9は、図8の方法に従って出発地/目的地及び第1及び第2のソフト経由地点の間の経路が生成される方法をより詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
特にPNDを参照して、本発明の実施形態を以下に説明する。尚、本発明の教示はポータブルナビゲーション装置(PND)に限定されず、経路計画/ナビゲーション機能性を提供するためにポータブルにナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも例外なく適用可能である。従って、本出願において、ナビゲーション装置は、PND、自動車等の車両、あるいは実際は経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行するポータブル演算リソース、例えばポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話、あるいはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)等として実現されるかに関わらず、どんな種類の経路計画/ナビゲーション装置も含む(それらに限定されない)ことを意図する。
【0082】
さらに、本発明の実施形態は、道路区分(セグメント)を参照して記載されている。本発明は、道、川、運河、自転車道、引き船道、鉄道線路等の、他のナビゲート可能な区分にも適用可能であってもよいことが認識されるべきである。参照の便宜上、これらは道路区分として共通して称される。
【0083】
また、ユーザが1つの地点から別の地点にナビゲートする方法に関する命令を求めているのではなく所定の場所のビューを単に提供されたい状況においても本発明の教示が有用であることは以下の説明から明らかとなるだろう。そのような状況において、ユーザにより選択された「目的地」の場所は、ユーザがナビゲーションを開始したい対応する出発地を有する必要がない。そのため、本明細書において「目的地」の場所又は実際は「目的地」ビューを参照することは、経路の生成が必須であること、「目的地」への移動が必ず行われること、あるいは実際は目的地の存在が対応する出発地の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0084】
上記の条件を考慮して、図1の全地球測位システム(GPS)等は、種々の目的で使用される。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を判定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をGPSデータとしてどんな数の受信ユニットにも中継できる。しかしながら、GLONASS、欧州ガリレオ測位システム、COMPASS測位システム又はIRNSS(インド地域航法衛星システム)等の全地球測位システムが使用できることが理解されるだろう。
【0085】
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合にGPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号のみから判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは既知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算により既知の方法でその3次元位置を計算できるだろう。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0086】
図1に示されるように、GPSシステム100は、地球104を周回する複数の衛星102を含む。GPS受信機106は、GPSデータを、多数の複数の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星データ信号108として受信する。スペクトル拡散データ信号108は各衛星102から連続的に送信され、送信されるスペクトル拡散データ信号108は各々、データストリームが発せられる特定の衛星102を識別する情報を含む当該データストリームを含む。GPS受信機106は、一般に、2次元位置を算出可能にするために少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。第4のスペクトル拡散データ信号の受信により、GPS受信機106は、既知の技術を使用して、3次元位置を算出することができる。
【0087】
図2に移ると、GPS受信機装置106を含む又はそれと接続されたナビゲーション装置200(すなわちPND)は、必要に応じて、デジタル接続、例えば既知のBluetooth技術を介するデジタル接続、を確立するために、移動装置(不図示)、例えば移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等、を介して「モバイル」ネットワーク又は通信ネットワークのネットワークハードウェアとのデータセッションを確立可能である。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ150とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するため移動装置であってもよく、多くの場合は移動装置である)とサーバ150との間に確立されうる。
【0088】
例えばインターネットを使用した移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ150等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われうる。この観点で、任意の数の適切なデータ通信プロトコル、例えばTCP/IP階層プロトコルが採用されうる。さらに、移動装置は、CDMA2000、GSM、IEEE 802.11 a/b/c/g/n等のどんな数の通信規格も利用できる。
【0089】
従って、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されうるインターネット接続が利用されてもよいことが分かる。
【0090】
不図示ではあるが、ナビゲーション装置200は、もちろん、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、内部構成要素を含むことができ且つ/あるいは例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュールカード、すなわちSIMカード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかの移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ150との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0091】
電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0092】
図2において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル152を介してサーバ150と通信しているものとして示される。通信チャネル152は、一般に、ナビゲーション装置200及びサーバ150を接続する伝播媒体又はパスを表す。通信チャネル152を介する接続がサーバ150とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ150及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0093】
通信チャネル152は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル152は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル152は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル152は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル152は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、自由空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル152は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0094】
1つの例示的な構成において、通信チャネル152は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル152は、無線通信、例えば、赤外線通信、マイクロ波周波数通信等の無線周波数通信等に対応できてもよい。更に、通信チャネル152は衛星通信に対応できる。
【0095】
通信チャネル152を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル152を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0096】
サーバ150は、不図示の他の構成要素に加えて、メモリ156に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続158を介して大容量データ記憶装置160に動作可能に更に接続されるプロセッサ154を含む。大容量記憶装置160は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置160はサーバ150とは別個の装置であってもよく、あるいはサーバ150に組み込まれてもよい。プロセッサ154は、通信チャネル152を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び受信するために、送信機162及び受信機164に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機162及び受信機164は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機162及び受信機164の機能は信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0097】
上述したように、ナビゲーション装置200は、通信チャネル152を介して信号及び/又はデータを送受信する送信機166及び受信する受信機168を使用して、通信チャネル152を介してサーバ150と通信するように構成されることができる。尚、これらの装置はサーバ152以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機166及び受信機168はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、図2に関して上述したように送信機166及び受信機168の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。もちろん、ナビゲーション装置200は、更に詳細に後述されるような他のハードウェア部品及び/又は機能部品を備えている。
【0098】
サーバメモリ156に格納されたソフトウェアは、プロセッサ154に命令を提供し、サーバ150がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ150により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置160からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ150により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0099】
サーバ150は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なデータのリモートソースを含む。サーバ152は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
【0100】
サーバ150はデスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル152はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータがナビゲーション装置200とサーバ150との間に接続されて、サーバ150とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。
【0101】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ150から情報を受信してもよい。情報は、自動的に、時々、又はユーザがサーバ150にナビゲーション装置200を接続する際に更新されてもよく、並びに/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ150とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際により動的に更新されてもよい。多くの動的計算のため、サーバ150内のプロセッサ154が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ(図2において不図示)も同様に、多くの場合はサーバ150への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0102】
図3を参照するに、尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。ナビゲーション装置200は、例えば上述したプロセッサ202を備える処理回路を含み、プロセッサ202は、入力装置204及び表示装置、例えば表示画面206に接続される。ここでは単数の入力装置204への参照がなされているが、当業者は、入力装置204は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含む任意の数の入力装置を表すことを理解すべきである。同様に、表示画面206は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等の何らかの種類の表示画面を含むことができる。
【0103】
一つの構成において、入力装置204、タッチパネル、及び表示画面206の一態様は、情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするためにタッチパッド又はタッチスクリーン入力250(図4)を含む一体型入力表示装置を提供するために一体化される。その結果、ユーザは、複数の表示選択の1つを選択するために又は複数の仮想ボタン又は“ソフト”ボタンの1つを起動するために表示画面206の部分にタッチしさえすればよくなる。この点、プロセッサ202は、タッチスクリーンと共に動作するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をサポートする。
【0104】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ202は、接続210を介して入力装置204から入力情報を受信可能に動作可能に接続され、且つ、情報を出力するために、各出力接続212を介して表示画面206及び出力装置208の少なくとも一方に動作可能に接続される。ナビゲーション装置200は、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置208を含んでもよい。出力装置208がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置204は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解されるべきである。さらに、ナビゲーション装置200は、例えば可聴入出力装置等の任意の追加の入力装置204及び/又は任意の追加の出力装置も含むことができる。
【0105】
プロセッサ202は、接続216を介してメモリ214に動作可能に結合され、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート218は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置222に接続可能である。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置222への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のために例えばハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0106】
ナビゲーション装置200のメモリ214は、(例えばプログラムコードを格納するための)不揮発性メモリの一部及び(プログラムコードが実行される時にデータを格納するための)揮発性メモリの一部を含む。ナビゲーション装置は、取り外し可能なメモリカード(一般にカードと称される)を装置200に追加可能にするために、接続230を介してプロセッサ202と通信するポート228も備える。記載されている実施形態では、ポートはSD(セキュアデジタル)カードを追加可能に構成される。他の実施形態では、ポートは、(コンパクトフラッシュ(CF)カード、メモリスティック、xDメモリカード、USB(ユニバーサルシリアルバス)フラッシュドライブ、MMC(マルチメディア)カード、スマートメディアカード、マイクロドライブ等の)他のフォーマットのメモリが接続されることを可能にしてもよい。
【0107】
図3は、接続226を介するプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機224は、例えばGPSアンテナ/受信機であり、そのため図1のGPS受信機106として機能するだろう。符号224で示されるアンテナ及び受信機は図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるべきである。
【0108】
もちろん、図3に示す電子構成要素は従来の方法で1つ以上の電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当該電源は、内部バッテリ及び/又は低電圧DC供給又は任意の他の適当な構成のための入力部を含んでもよい。当業者に理解されるように、図3に示す構成要素の異なる構成が考慮される。例えば図3に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、ここに記載されるナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200であってもよい。
【0109】
更に、図3のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
【0110】
図4を参照すると、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置206及び図2の他の構成要素(内部GPS受信機224、プロセッサ2202、電源(不図示)、メモリシステム214等を含むが、それらに限定されない)を含むユニットであってもよい。
【0111】
ナビゲーション装置200はアーム252上に位置してもよく、アーム252自体は吸着カップ254を使用して車両のダッシュボード/窓等に固定されてもよい。このアーム252は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。ナビゲーション装置200は、例えばアーム252にナビゲーション装置200を嵌合接続することにより、ドッキングステーションのアーム252にドッキングされるか又は接続されうる。この場合、ナビゲーション装置200は、アーム252上で回動可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するには、例えばナビゲーション装置200上のボタン(不図示)が押下されてもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとを接続及び分離する他の同様に適切な構成は当業者には既知である。
【0112】
記載されている実施形態では、ナビゲーション装置のプロセッサ202は、アンテナ224により受信されたGPSデータを受信するように、且つ、時々、ナビゲーション装置の位置の記録を蓄積するために、そのGPSデータを、GPSデータが受信された時のタイムスタンプと共にメモリ214に格納するようにプログラムされる。そのようにして格納された各データ記録は、GPSフィックスとして考えられてもよく、すなわち、それはナビゲーション装置の位置の固定であり、緯度、経度、タイムスタンプ及び正確なレポートを含む。
【0113】
一実施形態では、データは、例えば5秒ごとである実質的に周期的に格納される。当業者は、他の周期が可能であること、及び、データ分解能及びメモリ容量の間のバランスがあること、すなわち、データの分解能がより多くのサンプルを取ることにより増大するにつれて、データを保持するためにより多くのメモリが必要とされることを理解するだろう。しかしながら、他の実施形態では、分解能は、実質的に、1秒ごと、10秒ごと、15秒ごと、20秒ごと、30秒ごと、45秒ごと、1分ごと、2.5分ごと(或いは実際には、これらの周期の間の任意の周期)であるかもしれない。従って、装置のメモリ内に、複数時点での装置200の位置の記録が蓄積される。
【0114】
いくつかの実施形態では、周期が増加するにつれて取得データの質は低下し、低下の程度はナビゲーション装置200が移動していた速度に少なくとも部分的に依存するだろうが、約15秒の周期が適当な上限を提供するかもしれないことが分かるだろう。
【0115】
ナビゲーション装置200は、その位置の記録を蓄積するように一般に構成されるが、いくつかの実施形態は、移動の開始又は終了時に、所定周期及び/又は距離のデータを記録しない。そうした構成は、彼/彼女の自宅及び他の頻繁な目的地を保護する可能性があるのでナビゲーション装置200のユーザのプライバシを保護することを助ける。例えば、ナビゲーション装置200は、移動の最初の約5分間及び/又は移動の最初の約1マイルデータを格納しないように構成されてもよい。
【0116】
他の実施形態では、GPSは、周期的に格納されなくてもよく、所定のイベントが起こった時にメモリに格納されてもよい。例えば、プロセッサ202は、装置が道路ジャンクションを通る時、道路の変更時、又は他のそのようなイベント時にGPSデータを格納するようにプログラムされてもよい。
【0117】
更に、プロセッサ202は、時々、装置200の位置の記録(すなわちGPSデータ及びタイムスタンプ)をサーバ150にアップロードするように構成される。ナビゲーション装置200がそれをサーバ150に接続する、永続的な又は少なくとも略存在する通信チャネル152を有するいくつかの実施形態では、データのアップロードは、例えば24時間ごとの周期で行われる。当業者は、他の周期が可能であること、及び、他の周期は実質的には以下の周期、すなわち15分ごと、30分ごと、1時間ごと、2時間ごと、5時間ごと、12時間ごと、2日ごと、1週間ごと、或いはこれらの間の任意の時間ごと、の何れかであってもよいことを理解するだろう。実際には、そのような実施形態では、プロセッサ202は、実質的にリアルタイムベースで位置の記録をアップロードするように構成されてもよいが、このことは必然的に、実際には、送信間の比較的短い周期で時々送信され、そのため疑似リアルタイムとしてより正確に考えられてもよいことを意味する。そのような疑似リアルタイムの実施形態では、ナビゲーション装置は、GPSフィックスをメモリ214内のバッファ及び/又はポート228に挿入されたカード上のバッファに格納し、且つ所定数が格納された時にこれらを送信するように構成されてもよい。この所定数は、約20、36、100、200又はその間の任意の数であってもよい。当業者は、所定数はメモリ214又はポート228内のカードのサイズにより部分的に左右されることを理解するだろう。
【0118】
略存在する通信チャネル152を有しない他の実施形態では、プロセッサ202は、通信チャネル152が作成された時にサーバ142へ記録をアップロードするように構成されてもよい。これは、例えば、ナビゲーション装置200がユーザのコンピュータに接続される時であってもよい。先と同様に、そのような実施形態では、ナビゲーション装置は、GPSフィックスを、メモリ214内のバッファ又はポート228に挿入されたカード上のバッファに格納するように構成されてもよい。メモリ214又はポート228に挿入されたカードがGPSフィックスで一杯になると、ナビゲーション装置は、最も古いGPSフィックスを削除するように構成されてもよく、そのためそれは先入れ先出し(FIFO)バッファとして考えられてもよい。
【0119】
記載されている実施形態では、位置の記録は、各軌跡が24時間以内のナビゲーション装置200の移動を表す1つ以上の軌跡を含む。各24は、暦日と一致するように構成されるが、他の実施形態ではこうである必要はない。
【0120】
一般的に、ナビゲーション装置200の使用は、装置の位置の記録がサーバ150にアップロードされることに対する彼/彼女の同意を付与する。同意が付与されない場合、記録はサーバ150にアップロードされない。ナビゲーション装置それ自体、及び/又は、ナビゲーション装置が接続されるコンピュータは、位置の記録のそのような使用への彼/彼女の同意をユーザに尋ねるように構成されてもよい。
【0121】
サーバ150は、装置の位置の記録を受信するように、且つ、処理のために大容量データ記憶装置160内にこれを格納するように構成される。従って、時間が経つにつれて大容量データ記憶装置160は、アップロードされたデータを有するナビゲーション装置200の位置の複数の記録を蓄積する。
【0122】
上述したように、大容量データ記憶装置160は地図データも含む。当該地図データは、道路区分の位置、着目地点についての情報及び地図上で一般的に見られる他のそのような情報を提供する。
【0123】
本発明の任意の実施形態に従った往復経路を生成する方法が記載されるだろう。
【0124】
本発明は、PND又は一体型車載装置等のナビゲーション装置により表示された電子地図との対話を介してユーザにより行われた指示に基づいて往復(ラウンドトリップ)が生成される構成を参照して記載されるだろう。本発明は特定のナビゲーション装置を使用する必要無しに実施されてもよく、経路計画機能性を有する任意のシステムを使用して実行されてもよいことが理解されるだろう。さらに、ステップの少なくともいくつかは、サーバにより実行されてもよい。
【0125】
本発明の一実施形態に従った方法のステップが、図5A及び図5Bのフローチャートを参照して記載されるだろう。
【0126】
ユーザは、ナビゲーション装置のタッチスクリーンを介して電子地図の表示を提示され、往復経路の“ソフト経由地点”を提供するために使用された1つ以上の地点位置を特定するためにユーザはそれと対話してもよい-ステップ1。この表示及び関連付けられた機能性は、ユーザが装置のメニューから適切な経路計画オプションを選択する時に取得されてもよい。電子地図は、道路区分の形式で、ナビゲート可能な区分のネットワークを表している。そうした表示の一例が図6Aに示される。ユーザの現在位置を示すアイコン22が地図上に示されている。ユーザがそうでないことを特定しない限り、これは経路の出発地及び目的地であるとみなされる。ユーザは地点位置を特定するために必要に応じて地図をスクロール又はズームしてもよい。この例では、ユーザは、経路が通過することをユーザが望む領域における地点位置を示すために地点24でスクリーンの地点をタップする-ステップ3.その地点位置は、経路がこの特定の地点を必ず通過することをユーザが必要としていない点で、“ハード地点位置”ではない。代わりに、地点位置は、経路が通過することをユーザが望む一般領域、すなわち“ソフト経由地点”を示している。或いは、ユーザは、所望のソフト経由地点と関連付けられた特定の位置を示すために、道路の区分、又は着目地点(POI)をタッチしてもよい。
【0127】
図6Bは、そうした第1の地点位置が追加されている地図を示し、経由地点アイコン26が地点位置を示している。例示された実施形態には示されていないが、ユーザは、1つ以上の追加の地点位置をタッチしてもよく、それにより更なる経由地点アイコンが生成されることになる。ソフト経由地点を示す多数の地点位置が存在する経路を生成する方法が、以下に記載される。
【0128】
ユーザは例えば適当なジェスチャを使用して経由地点間の移動の方向を指示してもよいし、移動の方向は時計周り又は反時計回りの何れかとして予め設定されてもよいし、更に他の構成ではシステムが移動の方向をランダムに選択してもよい。多数の地点位置が選択される場合、それらがタッチされた順序から順序が推論されてもよい。
【0129】
ステップ5によれば、例示されるように経由地点を示す選択された単一の地点位置が存在する場合、指示された地点位置を含むエリアが規定(定義)される。
【0130】
本発明によれば、経路が通過することをユーザが望む領域を指示するために地点位置をタッチした時、システムは、その地点を含む電子地図のエリアを自動的に規定する。エリアは、タッチされた地点位置を中心とした固定半径、例えば1kmの円の形式であってもよい。他の実施形態では、ユーザにより指示された所与の地点位置を含むエリアは、自動的に規定されるのではなく、ユーザにより規定されてもよいことが想定される。例えば、ユーザが地点位置を押下し続けるなら、ユーザが地点位置を押下し続ける限り段階的に増加する半径の地点位置を中心とした円をユーザは提示されてもよい。ユーザが経路に含めることを望む領域、すなわちソフト経由地点、を示すエリアが所望のサイズである時、ユーザは地点位置を押下することを停止してもよく、それにより所望のサイズにエリアのサイズを固定する。
【0131】
本発明は、経路に含まれるべき領域を示す各エリア、すなわちソフト経由地点、での多数の出ていく区分を特定可能であることに依存する。方法は、自動的に規定されようとユーザに規定されようと、指示された地点位置に基づいて取得されたエリアが、電子地図により表されるようなナビゲート可能なネットワークの十分な部分を包含することを保証するために、すなわち、多数の出ていく区分を含むように、有効性チェックを行うことを含んでもよい。例えば、地点位置が公園の中央にあるなら、最初の1km半径の円形エリアはナビゲート可能な区分を全く包含しないか、或いは単一のナビゲート可能な区分のみを包含するかもしれない。その場合、円の半径は、電子地図により表されたネットワークの適当な部分をカバーするエリアが取得されるまで、すなわち2以上の出ていく区分を有するまで、例えば1kmずつ増加されてもよい。
【0132】
多数の地点位置がユーザにより指示されている場合、各位置に関してエリアが規定される。
【0133】
経路生成を進める方法が、単一のソフト経由地点25が存在する図6Aの例示された例を参照して記載されるだろう。ステップ7において、地点位置26と関連付けられたエリアからの各出ていく区分が特定される。このプロセスは、図7に例示される。図6Aの実施形態の適用上、第1の経由地点26と関連付けられたエリアのみが存在する。ここで、ソフト経由地点26を表すエリアは、A-Gでラベル付けされた7つの出ていく区分を有する。出発地からエリアまでの或いは出発地からエリアを通る複数の可能な経路を提供するために、出発地から、これらの特定された出ていく区分の各々までの最適経路が生成される-ステップ9。これらの経路の1つは、所望の経路の第1の区間を形成するだろう。それらの経路は適用可能なコスト関数の参照により最適なものであり、すなわち最も少ないコストの経路である。取得される経路の数は、エリアでの出ていく区分の数に依存するだろうし、エリアサイズ、エリアによりカバーされる領域の種類、すなわち都会か田舎か等の要因に依存するだろう。例として、20の経路が判定されるかもしれないし、例示されるように7の経路が判定されるかもしれない。出発地からエリアの出ていく区分までの経路が生成されると、経路は、エリアに入って即座に出ていくのではなく、当該エリアを移動するであろうことが保証される。これが、本発明の実施形態において、エリアまで生成された全ての経路が、エリアの出ていく区分まで生成される理由である。結果として、取得された経路は、ユーザにより特定された、着目エリアを適切に“訪問”するだろう。
【0134】
その場合、地点位置26と関連付けられたエリアから目的地までの経路を判定することが必要である。これは、全体経路の第2の、この場合は最終の区間である。ステップ11において、出発地からエリアまで或いは出発地からエリアを通る経路の第1の区間に関して取得された複数の可能な経路は、最適化に従って(適用可能なコスト関数に基づいて)ランク付けされる。各経路は出発地から特定の出ていく区分までの最適経路であるが、経路は互いに異なる最適化であるだろう。最適経路、及び次に最適な経路の限定されたセットを含む可能な経路のサブセットが特定される-ステップ13。最適経路、及び次に最適な経路の限定されたセットを含む経路の全体数はほんの一例として5であってもよい。図7の例を参照すると、出発地から、経由地点26と関連付けられたエリアまで或いは当該エリアを通る最適経路は、出ていく区分Dまでの経路であってもよい。次の4つの最適経路は、区分A、F及びEまでの経路であってもよい。その場合、出発地から区分A、D、E及びFまでの経路は、ステップ13において取得された可能な経路のサブセットを規定するだろう。
【0135】
ステップ15において、可能な経路のサブセットの各々と関連付けられたエリアでの出ていく区分から目的地までの最適経路が判定される。図7の例において、これらは、区分A、D、E及びFの各々から出発地/目的地22までの最適経路だろう。経路は、順次に、或いは経路化アルゴリズムの単一パスで生成されてもよい。これは、ここで言及されたように生成された経路の任意の他のセットについても当てはまるだろう。これは、第1のエリアから目的地までの可能な経路のセットを提供する。出発地から第1のエリアまでの最適経路、及び限定された数の次に最適な経路と関連付けられた、第1のエリアでの出ていく区分のサブセットから開始する、経路のこの第2の区間についての可能な経路が判定されるのみなので、必要な処理の量は管理可能な程度に限定される。サブセットにおける経路の数は、考慮するより大多数の可能な経路を作成することと、処理要求を管理可能なレベルに維持することとのバランスを提供するために所望のように選択されてもよい。
【0136】
ステップ17において、出発地から目的地までの最適な全体経路を提供する、エリアから目的地までの当該経路の連続と共に、出発地からエリアまでの可能な経路のサブセットの1つが選択される。従って、単純に出発地からエリアまでの第1の区間の最適経路を取り、出発地からエリアまでの最適経路と関連付けられた出ていく区分から目的地までの最適経路を判定し、出発地から目的地までの全体往復経路を提供するためにこれら2つの経路を使用するというよりはむしろ、経路の1つの区間についての最適経路は、経路の第2の区間を提供する経路と組み合わされた時に最適な全体経路とはならないかもしれないことが認識されている。従って、図7を参照すると、出発地からエリアまでの、エリアでの出ていく区分Dまでの、最適経路は、出ていく区分Dから出発地/目的地まで戻る経路の連続と組み合わされた時に最適な全体経路を提供しないことが分かるかもしれない。代わりに、出発地からエリアでの出ていく区分Eへ、その後出発地に戻る経路が実際には最適な全体経路であることが分かるかもしれない。各区間について多数の可能な経路から各区間について経路が選択されるこれらの好適な実施形態は、全体経路がより効率的に最適化されるのを可能にする。しかしながら、他の実施形態では、全体経路は、出発地からエリアまでの最適経路を取り、次に出発地からエリアまでの最適経路と関連付けられたエリアでの出ていく経路から目的地までの最適経路を生成することによって、取得されてもよいことが想定される。
【0137】
ステップ19において、図6Cに示されるように、判定された全体経路30の表現がユーザに表示される。経路に沿って定期間隔で方向矢印32が示されることが分かるかもしれない。経路情報バー34がディスプレイの右底部に示される。経路情報バー34は、経路の継続時間及び長さを示し、“乗車(Ride)”ボタンを含む。ユーザは、経路に沿ったナビゲーションを開始するために“乗車”ボタンを選択してもよい。経路に沿ってユーザを案内するナビゲーション命令のセットが生成されるだろう。
【0138】
その場合、ユーザは乗車ボタンを選択してナビゲーションを開始してもよい。しかしながら、ユーザが乗車ボタンを押下するまで、画面はまだ、ソフト経由地点が追加/消去又は修正されるのを可能にするモードであってもよい。ユーザは、経路に対して更なる“ソフト経由地点”を追加することを決定してもよい。例として、ユーザが表示された地図を位置36でタップするなら、(図6Dに示される)アイコン38により示される新規のソフト経由地点が追加される。タッチされた位置36と関連付けられたエリアが、位置24と同様に規定される。経路30の表現はもはや表示されず、タッチされた地点位置24及び36を含む領域と関連付けられたエリアを通過することを考慮した新規の経路が計算される。経路の方向は、ユーザが地点位置をタッチした順序から推論される(が、或いはユーザは例えばジェスチャ又はその他の方法等を使用して方向を指示してもよい)。
【0139】
図8及び図9を参照して、時計回りの移動の方向を仮定して、2つの地点位置と関連付けられたエリアを通過する経路が生成される方法が記載されるだろう。ステップ40において、経路に沿って遭遇されるであろう第1のソフト経由地点38と関連付けられた第1のエリアでの各出ていく区分が特定される。図9の例では、これらの区分は、出ていく区分H、I、J、K及びLである。既に記載された単一のソフト経由地点が存在する場合と同様に、(経路の第1の区間について)複数の可能な経路のセットを提供するために出発地からそのような各出ていく区分までの最適経路が生成される-ステップ42。次に、経路は最適化に従ってランク付けされ、最適経路及び限定された数の次に最適な経路を含む複数の可能な経路のサブセットが取得される-ステップ44。例として、サブセットは、区分K及びJへの経路である次に最適な2つの経路と共に、区分Lへの経路である最適な経路に対応してもよい。第2の経由地点26における各出ていく区分が特定される-ステップ46。これらは区分A-Gである。その場合、経路のサブセットのうちの各々の経路と関連付けられた第1のエリアにおける出ていく区分から、第2のソフト経由地点26、すなわち第2のエリアにおける出ていく区分のうちの各々までの最適経路が生成される-ステップ46。従って、区分L、K及びJの各々から区分A-Gの各々までの経路が生成される。これは、第1及び第2の経由地点38及び26と関連付けられた第1及び第2のエリア間の複数の可能な経路のセットを提供する(経路の第2の区間)。その場合、これらの経路は最適化に従ってランク付けされ、そうした最適経路、及び限定された数の次に最適な経路を含む第1の経由地点から第2の経由地点までの複数の可能な経路のサブセットが取得される-ステップ48。例えば、図9の構成では、これらの経路は、区分Kから区分Gまでの最適経路、及び、区分Kから区分Bまで及び区分Lから区分Fまでである次に最適な2つの経路であってもよい。その場合、経路のサブセットのうちの各々の経路と関連付けられた第2のエリアにおける出ていく区分から目的地(全体経路の第3の区間且つ最終区間)最適経路が生成される-ステップ50。従って、図9の例では、区分G、B及びFから出発地/目的地22までの経路が生成されてもよい。経路の種々の区間に関して取得された可能な経路の各サブセットからの経路が、すなわち、出発地から第1の経由地点38まで、第1の経由地点から第2の経由地点26まで、及び、第2の経由地点26から目的地までの経路が選択され、それらは、出発地から目的地までの最適な全体往復経路を共に提供する-ステップ52。従って、これらは、出発地から区分Kへ、そして区分Gへ、そして出発地/目的地に戻る経路かもしれない。出発地からエリア38までの最適経路は区分Lへかもしれないが、この例では、これは、第2のエリア26へ、そして出発地に戻る連続が考慮される時、最適な全体経路とはならない。第2の区間の選択は、第1の区間の選択等により制限されるだろうことが理解されるだろう。従って、出発地から第1のエリアにおける区分Kまでの経路が、Kから第2のエリアにおける出ていく区分の1つまでの経路の連続等と組み合わされる必要があるだろう。全体経路は、従前に生成された経路の組み合わせに制約され、すなわち、エリアにおける出ていく区分を接続する追加の経路を生成しない。
【0140】
もちろん、経路の次の区間について多数の経路オプションを判定する際に用いる経路の1つの区間について可能な経路のサブセットを判定するのではなく、代わりに、経路は、出発地から第1のエリアまでの最適経路、当該最適経路と関連付けられた出ていく区分から第2のエリアにおける出ていく区分までの最適経路、及び、第2のエリアに至る最適経路と関連付けられた第2のエリアにおける出ていく区分から目的地までの最適経路から、作成されてもよい。
【0141】
その場合、図6Eに示されるように、図6Eの参照により記載されるような方向指示と共に、全体経路50がユーザに対して表示される。新規の経路の長さ及び継続時間が示される。ユーザは再び経由地点を修正してもよいし、これは経由地点の消去又は並べ替えを含んでもよく、或いはユーザは“乗車”ボタンを選択してもよい。ユーザが提案された経路を受け入れることを望むことを示す乗車ボタンをユーザが選択すると、ユーザがソフト経由地点を特定できる装置の経路計画モードが終了し、通常のナビゲーションモード機能が使用可能となる。推定到着時間、着目地点/経路に沿ったスピード違反取締カメラと共に、経路に沿った進捗を示す経路バー60が示される。ナビゲーション命令は通常の方法で出力されるだろう。経路に含まれなければならない特定の地点である従来の“ハード”経由地点と違って、ユーザにより指示された“ソフト経由地点”は、経路バーに現れていないことが分かる。
【0142】
2より多いソフト経由地点が規定される場合、(図9を参照して)第1及び第2の経由地点と関連付けられたエリア間の経路を取得することに関して記載されたプロセスが、更なる経由地点が存在しなくなるまで、経由地点の各後続ペアと関連付けられたエリアについて繰り返されるだろうことが理解されるだろう。その場合、最終エリアから目的地までの経路は、2つの経由地点のみが存在する場合に第2の経由地点と関連付けられたエリアに関して記載されたようにして取得されるだろう。
【0143】
従前に特定された経由地点に従った経路がまだ生成されている前又は間にソフト経由地点を提供する指示された地点位置をユーザが修正する場合、経路生成プロセスは停止されてもよく、新規の経由地点の指示に基づいて再開されてもよい。
【0144】
出願人は、第1のソフト経由地点、すなわちユーザにより特定された地点位置に基づいて規定されたエリア、を通過した生成経路の連続が、同一パスに沿って戻って継続することを防止することが望ましいことを認識している。これは、排他的ではないが、単一のソフト経由地点がある場合、同一の出発地及び目的地を有する往復経路において特に望ましい。単に出発地/目的地から経由地点までの出ていく区間の逆であることは、経由地点から出発地/目的地までの帰路の第2の区間にとって明らかに望ましくない。この問題を回避するために本技術が開発されている。参照しやすいように、本技術は、単一のソフト経由地点を含む往復経路である図6Cに示される種類の経路に関して記載されるだろうが、本技術は、“ハード”経由地点を含む経路、及び/又は往復経路ではない経路に同様に適用可能である。
【0145】
図6Cにおいて経路を取得するプロセスは、図7を参照して記載される通りであるだろうが、ステップ15に変更がある。エリアにおける出ていく区分から目的地までの経路の何れか1つを生成する際、電子地図により表された道路ネットワークの連続ノードを接続する任意の区分は、それらが、エリアから目的地まで継続する生成経路の何れかに含まれることを防止するようにブロックされ、連続ノードは出発地からエリアまで及び当該エリアを通る複数の可能な経路(すなわち最適経路及び限定された数の次に最適な経路)のサブセットのうちの1つの部分を形成している。これは、前の経路に沿って位置することを示すフラグを区分と関連付けることにより行われる。経路の連続を生成する際、経路化アルゴリズムは、フラグ付けされているあらゆる区分を無視するだろう。例えば、図7を参照すると、経由地点26から出発地/目的地までの経路を生成する際、出発地/目的地から、出ていく区分A、D、E又はFまでの経路と関連付けられた区分がブロックされるだろうし、それらの経路は出発地から第1の経由地点までの可能な経路のサブセットを規定する。
【0146】
このようにして、出発地及びエリアの間の経路のサブセットの1つの部分を少なくとも形成するあらゆる既に“訪問された”区分がブロックされる。地図により表されたネットワークの連続ノード(すなわち、電子地図に存在する人工ノードではなく、現実世界ノードを示すノード)間の前方向のパス及び逆方向のパスは、同一区分をたどってもよいし、或いは、異なる区分をたどってもよく、ここで、異なる区分は前方向及び逆方向にノード間を移動するために提供されることが理解されるだろう。各移動方向についての異なる区分は、各方向において異なる形状を有する自動車道を有する、或いは、各方向における移動の区分が湖等のバリアにより分離される、幹線道路の場合に提供されてもよい。反対の移動方向における連続ノード間の移動について異なる区分が提供される場合、これらは、必ずしもそうである必要はないが通常は平行な区分であるだろう。本発明によると、連続ノード間に延びる任意の区分は、その方向が何であれ、外に向かう経路に反対に続く経路の連続を防止するために、出発地から目的地までの外に向かう経路のサブセットの1つに存在する。そうした区分は、経路と“関連付けられた”区分として称されてもよい。従って、ブロックされる区分は、既に“訪問された”区分により接続されたノード間に延びる、これらの状況において既に訪問されていない区分を含んでもよい。同様に、2つの経由地点が存在する場合、図9に関して上記したように、このプロセスは、出発地から第1のエリア38まで生成された経路のサブセットの何れか1つと関連付けられた区分が、第1のエリア38から第2のエリア26まで生成された経路のうちの1つの一部を形成することをブロックするために行われるだろう。第2のエリア26から出発地までの経路を生成する際、第1のエリア38から第2のエリア26まで取得された可能な経路のサブセットの何れか1つと関連付けられた区分は、第2のエリアから目的地までの経路に含まれることを防止されるようにフラグ付けされる。
【0147】
経路の連続を生成する際に出発地からエリアまでの可能な経路のサブセットの各々と関連付けられた区分をブロックするのではなく、可能な経路の最適な1つのみと関連付けられた区分がブロックされてもよい。このことは、経路の次の区間を生成する際に可能な経路のサブセットを考慮し、且つ、第2の区間の経路オプションが判定されると経路の第1の区間を提供するためにサブセットの中から経路を選択するのではなく、出発地からエリアまでの最適経路が第1の区間の経路とされ、そのエリアにおける経路と関連付けられた出ていく区分から目的地までの最適経路が生成される場合に適切であるだろう。出発地からエリアまでの複数の経路のサブセットが、経路の連続を生成する際に使用される場合、理想的には、これらの経路の各々と関連付けられた区分は、少なくとも最初にこれらの経路の何れかに続く経路の連続を防止するためにブロックされるべきである。経路のサブセットの何れかは、最終の全体経路の部分を形成するために選択されてもよいことが可能であるので、経路の何れか1つと関連付けられた区分をブロックすることが好ましい。
【0148】
これらの技術は、ハード経由地点が使用される場合、及び/又は、経路の各区間について単一の経路が生成される場合にも同様に適用されてもよいことが理解されるだろう。例えば、ハード経由地点から続く経路の第2の区間が生成される時、出発地から当該経由地点までの経路の区間と関連付けられた任意の区分がブロックされるだろう。
【0149】
上述した様々な実施形態における本発明によれば、経路化アルゴリズムは任意の適当なコスト関数を利用してもよい。適用可能なコスト関数に従って、最適な、或いは最適化に関してランク付けされた経路が考慮される。特に、往復経路を生成する際は、例えばA-Bタイプの経路にしばしば要求されるような最速又は最短の経路を提供するよりも、ユーザにとって関心がある経路を提供することがしばしば重要である。例えば図6A-6Eに示される経路計画表示は、アイコン26及び27を含む上部バー25を含むことが分かるだろう。これらのアイコンは、生成された経路の所望のレベルの屈曲すなわち曲率、及び、丘陵性すなわち高度変化を特定するためにユーザによって使用されてもよい。
【0150】
(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)本明細書に開示された特徴の全て、及び/又は、そのような開示された任意の方法又はプロセスのステップの全ては、そうした特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
【0151】
(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)本明細書に開示された各特徴は、そうではないと明確に述べられていない限り、同一物、均等物又は類似目的を供給する代替特徴により置換されてもよい。従って、そうではないと明確に述べられていない限り、開示された各特徴は、一連の汎用の均等物又は類似特徴のほんの一例である。
【0152】
本発明は、前述の任意の実施形態の詳細に制限されない。本発明は、(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)本明細書に開示された特徴の任意の新規な1つ又は任意の新規な組み合わせ、又は、そのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規な1つ又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。特許請求の範囲は、前述の実施形態をカバーするように構成されるだけではなく、特許請求の範囲に含まれる任意の実施形態をカバーするように構成されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9