IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サトーホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図1
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図2
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図3
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図4
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図5
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図6
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図7
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図8
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図9A
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図9B
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図9C
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図10
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図11
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図12
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図13
  • 特許-プリンタおよび情報処理システム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】プリンタおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20221104BHJP
   A61B 90/96 20160101ALI20221104BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20221104BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20221104BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221104BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221104BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20221104BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20221104BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20221104BHJP
   G06K 19/04 20060101ALI20221104BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20221104BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20221104BHJP
【FI】
B41J5/30 B
A61B90/96
A61G12/00 Z
B41J3/36 Z
B41J29/00 E
B41J29/38 501
B41J29/46 Z
G06F3/12 302
G06F3/12 329
G06F3/12 378
G06K7/10 300
G06K19/04 010
G09F3/00 G
G09F3/00 S
G16H40/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019054979
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020152060
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 一茂
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-097505(JP,A)
【文献】特開2006-285036(JP,A)
【文献】特開2008-176745(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0260524(US,A1)
【文献】特開2002-117144(JP,A)
【文献】特開2010-173127(JP,A)
【文献】特開2008-113720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
A61B 90/96
A61G 12/00
B41J 3/36
B41J 29/00 -29/46
G06F 3/12
G06K 7/10
G06K 19/04
G09F 3/00
G16H 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字面の裏側に粘着面が形成された印字媒体を収容する収容部と、
身体の一部に装着可能であって、患者に固有の患者データに対応する第1コード情報が印字されている装着部材、又は、前記患者データを記憶する記憶装置を有する装着部材から、前記患者データを読み取る読み取り部と、
前記読み取り部によって読み取られた前記患者データに対応する第2コード情報を、前記印字媒体の印字面に印字する印字部と、
前記装着部材が切断されたか否かを示す操作入力を受け付けるための入力部と、
を備え、
前記印字部は、前記操作入力に基づき前記装着部材が切断されたと判断された場合に、前記第2コード情報を印字する、プリンタ。
【請求項2】
前記読み取り部が前記患者データを読み取ってから、所定時間内に前記第2コード情報の印字が完了しない場合、警告出力を行うように制御する第1出力制御部を備えた、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記操作入力に基づき前記装着部材が切断されたと判断されてから、所定時間内に、前記第2コード情報の印字が完了しない場合、警告出力を行うように制御する第2出力制御部を備えた、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項4】
患者に対して手術を開始する予定日時である手術開始予定日時の情報を、当該患者の患者データと対応付けて記憶する第1記憶部と、
前記操作入力によって前記装着部材が切断されたと判断してから所定時間内に当該患者の手術開始予定日時が到来しない場合、警告出力を行うように制御する第3出力制御部と、を備えた、
請求項1から3のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項5】
同一の患者データに対応する前記第2コード情報の印字可能回数を1回に制限する印字制御部を備えた、
請求項1から4のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記印字媒体に印字された前記第2コード情報から、前記患者データを読み取る第2読み取り部を備え、
前記印字部は、前記第2読み取り部によって読み取られた前記患者データに対応する第1コード情報を、未印字の装着部材に印字する、
請求項1から5のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項7】
患者に対する手術が終了する予定日時である手術終了予定日時の情報を、当該患者の患者データと対応付けて記憶する第2記憶部と、
患者データに対応する手術終了予定日時から所定時間内に前記第2読み取り部が前記患者データの読み取りを行わない場合には、警告出力を行うように制御する第4出力制御部と、を備えた、
請求項6に記載されたプリンタ。
【請求項8】
プリンタと、前記プリンタと通信可能なリーダ装置と、身体の一部に装着可能であって患者に固有の患者データが格納されるICチップとアンテナを含む装着部材と、を含む情報処理システムであって、
前記プリンタは、
印字面の裏側に粘着面が形成された印字媒体を収容する収容部と、
前記印字媒体に印字する印字部と、
前記印字媒体に対する印字を制御する印字制御部と、を備え、
前記リーダ装置は、
前記アンテナと無線通信を行い、前記患者データを読み取る読み取り部と、
前記アンテナとの無線通信の品質が低下したか否か判定する判定部と、を備え、
前記プリンタの印字制御部は、前記アンテナから受信する信号の電波強度が閾値以下となった場合に、前記読み取り部によって読み取られた前記患者データに対応するコード情報を前記印字媒体の印字面に印字するように、前記印字部を制御する、
情報処理システム。
【請求項9】
サーバと、前記サーバと通信可能なプリンタと、前記サーバと通信可能なリーダ装置と、身体の一部に装着可能であって患者に固有の患者データが格納されるICチップとアンテナを含む装着部材と、を含む情報処理システムであって、
前記プリンタは、
印字面の裏側に粘着面が形成された印字媒体を収容する収容部と、
前記印字媒体に印字する印字部と、
前記印字媒体に対する印字を制御する印字制御部と、を備え、
前記リーダ装置は、
前記アンテナと無線通信を行い、前記患者データを読み取る読み取り部と、
前記アンテナとの無線通信の品質が低下したか否か判定する判定部と、
前記アンテナとの無線通信の品質が低下したと判定した場合に、前記サーバに通知する通知部と、を備え、
前記プリンタの印字制御部は、前記アンテナから受信する信号の電波強度が閾値以下となった場合に、前記読み取り部によって読み取られた前記患者データに対応するコード情報を前記印字媒体の印字面に印字するように、前記印字部を制御する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院内で患者の本人確認を容易に、かつ確実に行うために、患者の身体にリストバンドを装着することが行われている。例えば、リストバンドには本人確認用のデータが印字され、あるいは本人確認用のデータが書き込まれたインレイが組み込まれており、当該データを読み取ることで、看護婦等の医療従事者が患者の本人確認を行うことができる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-224569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、点滴針や輸血針等の手術用具を装着する場合に不都合があること等から、例えば、患者が手術を受ける際には、患者の病室でリストバンドを切断することが行われている。そのため、例えば、病室から手術室までの間および手術室内では、患者の本人確認を行うことができないという課題がある。
そこで、本発明は、例えば、病室から手術室までの間および手術室内で患者の本人確認を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、印字面の裏側に粘着面が形成された印字媒体を収容する収容部と、身体の一部に装着可能であって、患者に固有の患者データに対応する第1コード情報が印字されている装着部材、又は、前記患者データを記憶する記憶装置を有する装着部材から、前記患者データを読み取る読み取り部と、前記読み取り部によって読み取られた前記患者データに対応する第2コード情報を、前記印字媒体の印字面に印字する印字部と、前記装着部材が切断されたか否かを示す操作入力を受け付けるための入力部と、を備え、前記印字部は、前記操作入力に基づき前記装着部材が切断されたと判断された場合に、前記第2コード情報を印字する、プリンタである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のある態様によれば、病室から手術室までの間および手術室内で患者の本人確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態のプリンタと、患者の腕に取り付けられた状態のリストバンドとを示す図である。
図2】第1の実施形態に係るプリンタの概略断面図である。
図3】第1の実施形態に係るプリンタに収容されるロール紙を説明する図である。
図4】第1の実施形態のプリンタの内部の構成を示すブロック図である。
図5】患者データベースの構成例を示す図である。
図6】第1の実施形態の第1例に係るリストバンドの平面図である。
図7】第1の実施形態の第2例に係るリストバンドの平面図である。
図8】第1の実施形態のプリンタによって発行されるラベルと、そのラベルの使用方法とを説明する図である。
図9A】第1の実施形態のプリンタの表示例を示す図である。
図9B】第1の実施形態のプリンタの表示例を示す図である。
図9C】第1の実施形態のプリンタの表示例を示す図である。
図10】第2の実施形態の患者管理システムにおいて、プリンタとリーダ装置の配置例を示す図である。
図11】第2の実施形態の患者管理システムの構成を示すブロック図である。
図12】第2の実施形態の患者管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図13】第3の実施形態の患者管理システムの構成を示すブロック図である。
図14】第3の実施形態の患者管理システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において患者の装着部材とは、患者の身体に装着可能であれば如何なる部材であってもよく、例えば、リストバンド、アンクルバンド、カードホルダ等が挙げられる。以下の実施形態の説明において、リストバンドは装着部材の一例である。
本開示において患者データは、患者に固有の固有データ若しくは固有データに関連付けられるデータであれば如何なるデータもよく、例えば、患者の氏名、患者のID、患者の保険証番号等が挙げられる。
本開示に係るプリンタは、患者データに対応する第1コード情報、又は、患者データを記憶する記憶装置から患者データを読み取り、当該患者データに対応する第2コード情報を印字媒体の印字面に印字する。ここで、第1コード情報、第2コード情報は、スキャナ等の読み取りデバイスで読み取り可能な情報であれば如何なる情報であってもよい。以下の実施形態では、第1コード情報が1次元コードであり、第2コード情報が2次元コードである場合を例として説明するが、その限りではない。第1コード情報が2次元コードであってもよいし、第2コード情報が1次元コードであってもよい。
第1コード情報と第2コード情報は、互いに異なるコード化方式としてなくてもよい。例えば、読み取り対象が2次元コードであって、印字対象が同一のコード化方式の2次元コードであってもよい。
患者データを記憶する記憶装置が装着部材に含まれる場合、記憶装置は、例えばICチップの形態であってもよい。その場合、当該ICチップを含むインレイが装着部材に組み込まれてもよいし、当該ICチップを含む無線通信タグ(例えば、NFC(Near Field Communication)等の短距離無線通信タグ)が装着部材に組み込まれてもよい。
【0009】
(1)第1の実施形態
以下、図1図3を参照して、第1の実施形態のプリンタ1について説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1と、患者の腕に取り付けられた状態のリストバンド60Aとを示す図である。図2は、本実施形態に係るプリンタ1の概略断面図である。図3は、本実施形態に係るプリンタ1に収容されるロール紙を説明する図である。
【0010】
本実施形態のプリンタ1は、病院内(例えばナースカート)に設置されるプリンタであり、患者の身体に貼付可能なラベルを発行するために設けられる。当該ラベルには、患者データに対応するコード情報が印字されている。患者データに対応するコード情報を含むラベルを患者の身体に貼付する利点は以下のとおりである。
すなわち、病院内では、患者の身体に患者データに対応するコード情報としてバーコード(第1コード情報の例)が印字されたリストバンド60Aが取り付けられているため、患者の本人確認が可能となっている。しかし、患者に対して手術を行うときに患者にリストバンド60Aが装着されたままでは手術に支障が生ずることから、手術前において患者の病室内でリストバンド60Aを切断し、患者からリストバンド60Aを取り外す。そのため、仮に何らの手段も講じないとしたならば、病室から手術室までの間、および、手術室内で本人確認を行うことができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、看護師等の医療従事者がプリンタ1を使用し、患者に装着されているリストバンド60Aを切断する直前、又は直後にリストバンド60Aのバーコードを読み取る。後述するように、本実施形態のプリンタ1はバーコードを読み取ると、当該バーコードに対応する患者データの2次元コード(第2コード情報の例)が印字された、貼付可能なラベルを発行する。そして、患者の病室内で当該ラベルを患者の身体に貼付することで、病室から手術室までの間、および、手術室内で患者の本人確認を行うことができるようになる。
【0011】
(1-1)例示的なプリンタの構造
以下、図1図3を参照して、第1の実施形態の例示的なプリンタ1の構造について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態のプリンタ1は、筐体102と、カバー103と、表示パネル14aと、プラテンローラ105と、サーマルヘッド106と、収容部108と、補助ローラ113,117と、および、コードスキャナ18を備える。なお、図2では、コードスキャナ18の記載を省略してある。
【0012】
図2に示すように、収容部108は、筐体102の内部に設けられてロール紙Rを収容する。カバー103は、収容部108を開放または閉鎖するカバーであり、シャフト131によって揺動可能に筐体102に支持されている。
図1に示すように、カバー103の表側には表示パネル14aが設けられている。表示パネル14aは、例えばタッチパネル機能を備えた液晶表示パネルであり、カバー103が閉鎖した状態においてユーザに対する入出力インタフェースを提供する。
【0013】
図2に示すように、筐体102の搬送方向下流側には、プラテンローラ105が正逆方向に回動自在の状態で軸支されている。プラテンローラ105は、ロール紙Rから繰り出される連続紙CPを搬送する搬送手段であり、連続紙CPの幅方向に沿って延在した状態で形成されている。筐体102側には補助ローラ113が設けられ、カバー103側には補助ローラ117が設けられている。図6に示すように、カバー103が閉鎖状態のときには、補助ローラ113,117が連続紙CPを挟んで対向し、連続紙CPのプラテンローラ105への搬送を補助する。
【0014】
図3に示すように、ロール紙Rは、帯状の連続紙CPがロール状に巻回されたものである。図示の例では、連続紙CPは、帯状の台紙PMと、台紙上に予め決められた間隔毎に仮着された複数枚のラベルPLとを備えている。ラベルPLは、感熱紙を使用する場合と普通紙を使用する場合とがある。感熱紙の場合は、その表面(つまり、印字面)に、予め決められた温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)に発色する感熱発色層が形成されている。ラベルPLの裏面は、粘着剤がコーティングされた粘着面である。台紙PMにおいてラベルPLの粘着面が接触する面には、シリコーン等のような剥離剤がコーティングされており、ラベルPLを容易に剥離することが可能になっている。
本実施形態のプリンタ1では、プラテンローラ105の回転によってロール紙Rから連続紙CPが繰り出される。
【0015】
サーマルヘッド106は、カバー103が閉鎖状態のときにプラテンローラ105と対向するように、カバー103に配置されている。サーマルヘッド106は、ロール紙Rから繰り出される連続紙CPのラベルPL上に情報を印字する印字部の一例であり、複数の発熱素子がライン上に配置されている。サーマルヘッド106は、カバー103が閉鎖状態のときにはサーマルヘッド106の印字面が連続紙CPの搬送路に向き、かつプラテンローラ105に対向する。
【0016】
図2に示すように、カバー103が閉鎖状態において、プラテンローラ105が順方向に駆動されると、ロール紙Rから繰り出される連続紙CPは、補助ローラ113,117に挟持されつつプラテンローラ105へ向かう。プラテンローラ105に対向するサーマルヘッド106によって印字された連続紙CPは、カバー103と閉鎖状態のときの筐体102とカバー103の隙間である発行口107からプリンタ1の外部に排出される。
【0017】
コードスキャナ18は、ケーブルを介して筐体102に設けられた図示しないコネクタに接続されており、1次元コード情報および2次元コード情報(以下、総称して「コード情報」という。)を読み取る。コードスキャナ18は、読み取り部、第2読み取り部の例である。
【0018】
(1-2)プリンタの内部構成の例
次に、図4および図5を参照して、本実施形態のプリンタ1の内部の構成の例について説明する。図4は、本実施形態のプリンタ1の内部の構成を示すブロック図である。図5は、患者データベースの構成例を示す図である。
図4を参照すると、プリンタ1は、制御部11、ストレージ12、操作入力部13、表示部14、モータ駆動部15、ヘッド駆動部16、通信部17、および、コードスキャナ18を備える。
【0019】
制御部11は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory))を含み、プリンタ1の動作を制御する。マイクロコンピュータは、プリンタ1の起動時にROMに記憶されているファームウェアを読み出して実行する。
【0020】
ストレージ12は、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)等の記憶デバイスである。ストレージ12には、ラベルPLのレイアウトおよびフォーマットのデータが記録されており、ラベルPLを印字するときにファームウェアにより読み出される。
制御部11は、ファームウェアを実行することで、例えばコードスキャナ18が読み取った患者データを2次元コードに変換する。2次元コードは、いくつかの規格に基づくコードが知られており、特に限定するものではないが、例えばQRコード(登録商標)を適用することができる。制御部11は、2次元コードと、ストレージ12に記録されたラベルPLのレイアウトおよびフォーマットのデータとに基づいて、印字すべきデータ(印字データ)を作成する。制御部11はさらに、作成した印字データを含む印字指令をモータ駆動部15およびヘッド駆動部16に送出する。
【0021】
ストレージ12(第1記憶部、第2記憶部の例)は、図5に例示する患者データベースを格納する。患者データベースは、病院内において手術を受ける予定の1又は複数の患者に関するレコードを含む。図5に示す例では、患者データベースの各レコードは、患者ID、患者の氏名、患者の性別、リストバンド切断日時、手術開始予定日時、手術終了予定日時の各フィールドのデータを含む。なお、図5に示す管理データベースは一例に過ぎず、患者を識別するデータ(例えば、患者ID又は患者の氏名)のみを含む構成であってもよい。
【0022】
なお、患者データベースに、患者データに対応する各レコードにおいてラベルPLが発行済みであるか否かを示すフラグを設けてもよい。当該フラグの初期値は、ラベルPLが発行済みではないことを示す値である。この場合、制御部11は、患者データに対応するラベルPLに対応する印字データの印字が完了した場合に、当該患者データに対応するフラグを、発行済みを示す値に書き換える。このように患者データベースを構成することで、2次元コードC2の印字が完了したか否か(つまり、ラベルPLが発行されたか否か)を判断することができる。
【0023】
コードスキャナ18は、LED等の光源、光学機構、イメージセンサ、および、デジタル処理回路等を含む。コードスキャナ18は、光源からの出射光を外部のコード情報に照射し、当該コード情報によって反射された反射光を、光学機構を介してイメージセンサに結像する。コードスキャナ18のデジタル処理回路は、イメージセンサによって光電変換された信号をデジタル化して解析することで、コード情報に含まれる患者データを抽出する(読み取る)。
コードスキャナ18は、後述するインレイINLとRFID通信が可能な構成としてもよい。
【0024】
モータ駆動部15は、プラテンローラ105の回転を制御するステッピングモータ(図示せず)を駆動することによって、プリンタ1内に収容されるロール紙Rから連続紙CPを引き出して搬送させる。
モータ駆動部15は、制御部11からの印字指令に応じて、当該印字指令によって指定される搬送方向(順方向あるいは逆方向)および搬送量で連続紙CPを搬送させる。指定された搬送方向および搬送量は、例えばステッピングモータの回転方向およびステップ数に対応している。モータ駆動部15は、当該回転方向およびステップ数に基づいてステッピングモータを駆動する。
【0025】
ヘッド駆動部16は、制御部11から印字データを含む印字指令を受けた場合、サーマルヘッド106の各発熱素子に電流を選択的に流す。電流により発熱した発熱素子がプラテンローラ105によって搬送されたラベルPLに押し当てられると、発熱素子に押し当てられたラベルPLの部分が発色することでラベルPLに印字が行われる。
【0026】
操作入力部13は、例えば各種操作ボタンを含む入力装置あるいは表示パネル14aに設けられたタッチパネル入力機構と、ボタン操作あるいはタッチパネル操作による操作入力を受け付ける入力インタフェース回路とを含む。
表示部14は、表示パネル14a(図1参照)と、表示パネル14aに画像を表示する駆動回路とを含み、ファームウェアの実行結果を表示する。
通信部17は、外部装置と通信を行うための通信インタフェース回路を含む。
【0027】
(1-3)リストバンド
次に、本実施形態のプリンタ1の読み取り対象となるリストバンドの例について、図6および図7を参照して説明する。図6は、本実施形態の第1例に係るリストバンド60Aの平面図である。リストバンド60Aは、図1に示したものと同じリストバンドである。図7は、本実施形態の第2例に係るリストバンド60Bの平面図であり、一部を剥離した状態で示している。
【0028】
図6に示すように、リストバンド60Aには、患者データとしての患者IDおよび患者氏名を含む文字情報61と、文字情報61に対応するバーコードC1(第1コード情報の一例)とが印字されている。リストバンド60Aには、複数の突起62が設けられており、いずれか2つの突起62を孔63に挿入(セット)することで、患者の手首に装着するように構成されている。リストバンド60AのバーコードC1を読み取るには、図1に示したように、プリンタ1のコードスキャナ18からの出射光をバーコードC1に照射する。
【0029】
図7のリストバンド60Bにおいて、図6のリストバンド60Aと同じ部位については同一の符号を付している。リストバンド60Bは、突起62および孔63が形成された取付部66と、文字情報61やバーコードC1が印字される印字部65とからなり、印字部65が取付部66よりも拡幅した構成となっている。リストバンド60Bがリストバンド60Aと異なるのは、バンド本体にインレイINLが内蔵されている点である。
インレイINLは、印字部65に内蔵され、患者データを格納するICチップ(記憶装置の一例)と、当該ICチップに接続されたアンテナとを含み、パッシブ方式により外部のリーダ装置とRFID通信を行う。パッシブ方式のRFID通信では、ICチップに給電するバッテリをリストバンド60B内に設ける必要はなく、リーダ装置からの電磁波をエネルギー源として動作する。図7に示す例では、アンテナがリストバンド60Bの印字部65の全体に亘って形成され、ループコイルを形成している。
リストバンド60BのインレイINLに格納される患者データを読み取るには、プリンタ1にリーダ装置(後で参照する図11には図示せず)を設けるようにする。この場合、プリンタ1に接続されるリーダ装置は、リストバンド60BのインレイINLとRFID通信を行って、インレイINLに記録されている患者データを読み取る。
なお、図7に例示するリストバンド60Bは、印字部65に患者データが印字される例が示されるが、その限りではない。プリンタ1は患者データをインレイINLから取得可能であるため、患者データをリストバンド60Bに印字することは必須ではない。
【0030】
(1-4)実施形態のプリンタによって発行されるラベルの使用例
次に、図8を参照して、本実施形態のプリンタ1によって発行されるラベルPLの使用例ついて説明する。図8は、本実施形態のプリンタ1によって発行されるラベルPLと、ラベルPLの使用方法とを説明する図である。
【0031】
図1に示したように、看護師は、プリンタ1のコードスキャナ18を患者の手首に装着されたリストバンド60Aに向け、コードスキャナ18がリストバンド60Aに印字されたバーコードC1(図6参照)から患者データを読み取る。プリンタ1の制御部11は、コードスキャナ18によって読み取られた患者データを基に印字データを作成し、印字データを含む印字指令をモータ駆動部15およびヘッド駆動部16に送出する。当該指令に応じて、モータ駆動部15およびヘッド駆動部16が動作することにより、連続紙CPの搬送とラベルPLに対する印字が行われ、印字されたラベルPLがプリンタ1の発行口107から排出される。
排出されたラベルPLの一例が図8に示される。図8に示すように、発行されるラベルPLには、2次元コードC2(第2コード情報の一例)が印字されている。2次元コードC2の種類を特に限定するものではないが、2次元コードC2として例えばQRコード(登録商標)が挙げられる。
【0032】
なお、患者の手首に装着されたリストバンドがリストバンド60Aではなくリストバンド60B(図7参照)の場合も同様である。すなわち、プリンタ1に接続されたリーダ装置(図示せず)がリストバンド60Bに組み込まれたインレイINLと無線通信を行い、患者データを読み取る。制御部11は同様に、読み取った患者データを基に印字データを作成する。
【0033】
プリンタ1によるラベルPLの発行は、例えば、スキャンしたリストバンド60A又はリストバンド60B(以下、総称して「リストバンド60」)を装着する患者が手術室に向かう前に、当該患者の病室で行われる。ラベルPLが発行されると、看護師がリストバンド60を切断して患者から取りはずし、代わりに、発行されたラベルPLを台紙PMから剥がして患者の身体に貼着する。なお、リストバンド60を患者から取り外した後に、リストバンド60に印字されたバーコードC1をスキャンしてラベルPLを発行してもよい。
【0034】
ラベルPLの貼着部位は限定しないが、患者の年令に関わらず安定的に貼着状態が維持される観点から、患者の爪(図8の例では、患者の足の親指の爪)に貼着することが好ましい。これによって、皮膚の弱い患者であってもラベルPLを身体に貼着することに支障がない。
ラベルPLを患者の身体に装着後、当該患者は手術を受けるために病室から手術室に向かい、手術室で手術を受ける間、ラベルPLが貼着されたままの状態となる。例えば、図8に示すように、患者の爪に貼着する場合には、リストバンド60と異なり、手術に何らの支障がないため、手術室内で本人確認を可能としつつ患者に対する手術を支障無く行うことができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、患者の身体に装着されたリストバンド60Aに印字されたバーコード(第1コード情報の例)から患者データを読み取り、読み取った患者データに対応するQRコード(登録商標)等の2次元コードを含むラベルを発行する。あるいは、本実施形態のプリンタ1は、患者の身体に装着されたリストバンド60Bに組み込まれたインレイから患者データを読み取り、読み取った患者データに対応する2次元コードを含むラベルを発行する。発行されるラベルの裏面は粘着面となっており、患者の身体の任意の場所に貼着することが可能である。そのため、手術の準備あるいは手術中に支障となりうるリストバンド60の代わりに、プリンタ1によって発行されたラベルPLを患者の身体に貼着することで、病室から手術室までの間、手術室内で本人確認が可能としつつ、患者に対する手術を支障無く行うことができる。
【0036】
(1-5)好ましい変形例
以下、上述した実施形態の好ましい変形例について説明する。なお、以下の説明においても、リストバンド60A,60Bを総称して「リストバンド60」と表記する。
【0037】
(第1の変形例)
第1の変形例について、図9A図9Cを参照して説明する。図9A図9Cはそれぞれ、本変形例においてプリンタ1の表示例を示す図である。
【0038】
上述した実施形態のプリンタ1では、コードスキャナ18によって患者のリストバンド60を読み取った後にラベルPLを発行するが、看護師の不注意により、ラベルPLを発行したものの患者のリストバンド60を取り外し忘れることがあり得る。その場合、患者がリストバンド60を装着したまま手術室に入る状況が生じ得る。そこで、このような不注意が発生する可能性を低減させるため、ラベルPLを発行する際にリストバンド60を切断したことを看護師自らが確認する手順を加えることが好ましい。
【0039】
かかる観点から、本変形例では、コードスキャナ18によって患者のリストバンド60を読み取ったことのみではラベルPLを発行せず、プリンタ1の表示パネル14a上で適切な操作を行った場合にラベルPLが発行されるように構成されている。
具体的な手順の例について、図9A図9Cを参照して以下説明する。
先ず、コードスキャナ18によって患者のリストバンド60が読み取られた場合、プリンタ1の表示パネル14aに図9Aに例示する画面G1を表示させ、ラベルPLの発行前にコードスキャナ18によって患者のリストバンド60を読み取った目的(モード選択)を看護師に確認することを促す。画面G1には、ボタンb1(「3点照合」)とボタンb2(「リストバンド切断」)が表示され、ボタンb2を操作した場合に限り、コードスキャナ18によって読み取った患者データに対応するラベルPLが発行される。
図9Aの画面G1に示すように、患者のリストバンド60を読み取る目的は複数想定されるため、最初に複数の目的の各々に対応する複数の選択肢を提示し、その中から目的に応じた選択肢を選択可能となるように表示することが好ましい。
画面G1においてボタンb2(「リストバンド切断」)が操作されると、図9Bに示す画面G2に遷移する。画面G2は、ラベルPLの発行前にリストバンド60を切断したことを看護師に確認することを促すように構成される。画面G2には、ボタンb21(「はい」)とボタンb22(「いいえ」)が表示され、ボタンb21を操作した場合に限り、コードスキャナ18によって読み取った患者データに対応するラベルPLが発行される。
この場合、プリンタ1の制御部11は、操作入力部13によって入力された入力結果に基づきリストバンド60が切断されたと判断した場合に、患者データに対応する2次元コードC2を含むラベルPLを発行する。また、制御部11は、ボタンb21(「はい」)が入力された日時をリストバンド切断日時として患者データベースに書き込んでもよい。
【0040】
他方、図9Aの画面G1においてボタンb1(「3点照合」)が選択された場合には、3点照合処理に進む。詳細は図示しないが、3点照合とは、医師からのオーダーに対する処置について、看護師、医師等の、現場で患者に薬剤を投与する者(以下、「薬剤投与者」という。)、薬剤、および、患者のデータを読み取り、読み取ったデータをデータベースに登録する、あるいは読み取ったデータをデータベースにあるデータと照合する処理である。3点を照合することが、投薬ミスや患者取り違いミス等による医療事故を防止する上で有効であると考えられている。
なお、3点照合の場合には、看護師、薬剤、薬剤投与者に対応する3個のデータをスキャンするため、例えば、先に薬剤のデータを読み取った場合には、自動的に3点照合が行われると判断して図9Aの画面G1の表示は省略し、3点照合のための別の画面に遷移するようにしてもよい。
【0041】
画面G2においてボタンb21(「はい」)が入力された場合、図9Cに示す画面G3に遷移してもよい。画面G3では、発行されたラベルPLを貼付すべき患者の身体の位置を指示するメッセージが表示される。
この身体の位置の指定は、例えば左右で同じ臓器(肺、腎臓等)や左右で同じ部位(手足や目、耳等)の手術を行う場合には、手術の対象となる臓器等の左右に合わせた側(左側又は右側)の身体の位置を指定することにより行うことが好ましい。例えば、左側の腎臓を手術する場合には、患者の左側の足の爪にラベルPLを貼付するように指示するメッセージが表示される。手術室の申し送り時には、患者確認・手術部位の確認が主治医・麻酔医・看護師の間で行われるが、手術対象の臓器、部位の位置に合わせた側にラベルPLを貼付することで、誤った臓器等に手術を行うことをさらに確実に防止する効果が見込まれる。
左又は右の貼付位置の指定は、例えば患者データベースを参照することによって行うようにすることができる。この場合、患者データベースには、患者の手術部位に関する情報として、左側又は右側のいずれかの情報が含まれるようにする。そして、プリンタ1の制御部11は、画面G3を表示するに当たって、患者データベースに含まれる患者の手術部位に関する情報を参照して、画面G3の表示内容を決定する。
【0042】
本変形例では、プリンタ1の制御部11(第1出力制御部の一例)は、コードスキャナ18が患者データを読み取ってから所定時間内にラベルPLに対して2次元コードC2の印字が完了しない場合、警告出力を行うように制御してもよい。すなわち、コードスキャナ18が患者データを読み取ったにも関わらず、ラベルPLが発行されない場合には、警告出力を行って看護師に入力操作を促すことが好ましい。それによって、看護師がコードスキャナ18を使って患者のリストバンド60を読み取ったにも関わらずラベルPLを発行し忘れることを防止することができるとともに、リストバンド60を切断することを喚起することができる。
警告出力方法は限定しないが、例えば、画面G2に強調表示(例えば、「早く発行作業してください」等のテキストの表示)を付加することや、図4に図示しない音声出力部から音声出力を行うことが挙げられる。
【0043】
看護師が画面G2でボタンb21(「はい」)を操作したにも関わらず、プリンタ1の用紙詰まり(ジャム)のエラー発生等によってラベルPLの発行が完了しない場合、ラベルPLを患者に貼付されない状態は生じうる。このような状況が生じた場合、エラー解消後に看護師が再度のラベル発行を忘れてしまう場合がある。
【0044】
そこで本変形例では、プリンタ1の制御部11(第2出力制御部の一例)は、リストバンド60が切断されたと判断されてから、所定時間内に患者データに対応するラベルPLに対して2次元コードC2の印字が完了しない場合、警告出力を行うように制御してもよい。すなわち、操作入力13によって入力された入力結果に基づきリストバンド60が切断されたと判断されたにも関わらず、2次元コードC2を含むラベルPLが発行されない場合には、警告出力を行って看護師に発行作業を促すことが好ましい。それによって、看護師が発行作業を忘れることを防止することができるとともに、2次元コードC2を含むラベルPLの確実に発行することができる。
警告出力方法は限定しないが、例えば、画面G1に強調表示(例えば、「早く発行作業してください」等のテキストの表示)を付加することや、図4に図示しない音声出力部から音声出力を行うことが挙げられる。
【0045】
(第2の変形例)
本変形例では、プリンタ1の制御部11(第3出力制御部の一例)は、画面G2のボタンb21(「はい」)の操作入力によって患者のリストバンド60が切断されたと判断してから所定時間内に当該患者の手術開始予定日時が到来しない場合、警告出力を行うように制御することが好ましい。すなわち、患者のリストバンド60が切断されたと判断してから所定時間内に当該患者の手術開始予定日時が到来しない場合には、手術予定の患者の誤り(取り違え)の可能性があるため、警告出力を行うことが好ましい。
警告出力の是非を判定するため、制御部11は、コードスキャナ18によって読み取られた患者データに含まれる患者ID又は患者氏名と、患者データベースに含まれる対応するレコードとを照合し、患者の手術終了予定日時を特定する。そして、特定した手術終了予定日時が現在から所定時間以内に到来するか否かに基づいて警告出力の是非が判断される。
【0046】
(第3の変形例)
病院内での患者の本人確認を確実にするためには、同じ患者に対して、当該患者の患者データに対応する2次元コードが印字されたラベルPLを2以上発行しないようにすることが好ましい。
その観点から、プリンタ1の制御部11(印字制御部の一例)は、同一の患者データに対応する2次元コードC2の印字可能回数を1回に制限してもよい。その場合、患者データベースに、患者データに対応する各レコードにおいてラベルPLが発行済みであるか否かを示すフラグを設ける。当該フラグの初期値は、ラベルPLが発行済みではないことを示す値である。制御部11は、ラベルの印字指令を行う前に当該フラグの値をチェックし、当該フラグが、ラベルPLが発行済みでないことを示す値である場合に限り、印字指令を送出する。そして、制御部11は、患者データに対応するラベルPLに対応する印字データの印字が完了した場合に、当該患者データに対応するフラグを、発行済みを示す値に書き換える。
【0047】
(第4の変形例)
本変形例では、患者に対する手術が終了した後に、病院内で患者に装着するリストバンド60を再度発行する場合を想定する。
リストバンド60を再度発行するには先ず、プリンタ1の収容室に、図3のロール紙Rに代えて、例えば未印字の複数のリストバンドを含む連続紙を巻回したロール紙(図示せず)を挿入する。次いで、プリンタ1のコードスキャナ18を、患者に貼着されているラベルPLの2次元コードC2(図8参照)に向ける。それによって、コードスキャナ18が2次元コードC2から患者データを読み取る。プリンタ1の制御部11は、コードスキャナ18によって読み取られた患者データを基に印字データを作成し、印字データを含む印字指令をモータ駆動部15およびヘッド駆動部16に送出する。当該指令に応じて、モータ駆動部15およびヘッド駆動部16が動作することにより、連続紙の搬送とリストバンドに対する印字が行われ、印字されたリストバンドがプリンタ1の発行口107から排出される。排出されるリストバンドは、例えば図1に示したリストバンド60Aと同様のものである。すなわち、プリンタ1は、リストバンド60A上に、ラベルPLから読み取った患者データに対応するバーコードC1を印字する。
リストバンドを再発行することで、患者の手術後においても、患者に対して、手術前と同様の本人確認方法を適用することができる。
【0048】
なお、病院内での患者の本人確認を確実にするためには、同じ患者に対して、当該患者の患者データに対応する2次元コードが印字されたリストバンドの再発行は1回のみに限定することが好ましい。この場合も、前述した、ラベルPLが発行済みであるか否かを示すフラグと同様に、リストバンドが再発行済みであるか否かを示すフラグを患者データベースの各レコードで管理するように構成すればよい。
【0049】
プリンタ1の制御部11(第4出力制御部の例)は、患者データに対応する手術終了予定日時から所定時間内にコードスキャナ18が2次元コードC2に対応する患者データの読み取りを行わない場合には、警告出力を行うように制御してもよい。すなわち、患者の手術終了予定日時から所定時間内にコードスキャナ18が読み取りを行わない場合には、手術が終了したにも関わらずリストバンドの再発行を忘れている可能性があるため、警告出力を行うことが好ましい。それによって、患者の手術後において病院内で当該患者の本人確認ができないという状況を回避することが可能となる。
【0050】
警告出力の是非を判定するため、患者データベースに、患者データに対応する各レコードにおいてリストバンドが再発行済みであるか否かを示すフラグを設ける。当該フラグの初期値は、リストバンドが再発行済みではないことを示す値である。リストバンドに対する印字指令を行った場合、制御部11は、当該フラグを、リストバンドが再発行済みであることを示す値に書き換える。
制御部11は、逐次(例えば3分おきに)、患者データベースのレコードのうちリストバンドが再発行済みではないことを示すフラグのレコードの中から、現在時刻を基準として、手術終了予定日時から所定時間経過した時刻を過ぎているレコードを検索する。そのようなレコードが検出された場合、制御部11は、当該レコードに対応する患者データと関連付けて警告出力を行う。
警告出力方法は限定しないが、例えば、表示パネル14aに警告対象となる患者データとともに「早く○○さんのリストバンドを再発行してください」等のテキストを表示することや、図4に図示しない音声出力部から音声出力を行うことが挙げられる。
【0051】
また、患者データベースにはリストバンド切断日時が記録されているため、リストバンド切断日時から所定時間経過後に、リストバンドの再発行を促す報知出力を行うように構成してもよい。
【0052】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態の患者管理システム7(情報処理システムの一例)について説明する。本実施形態の患者管理システム7は、プリンタ1に加え、リーダ装置3を含む。
第1の実施形態では、例えば看護師がプリンタ1のコードスキャナ18を用いてバーコードC1をスキャンすることによって患者データをプリンタ1に取り込む例を示したが、本実施形態では、患者データを格納するインレイが組み込まれたリストバンド60Bを患者に装着し、リーダ装置3が患者データをインレイから読み取る。そのため、看護師がバーコードをスキャンする操作は必要ない。
また、リーダ装置3は、リストバンド60Bが切断されたことをリーダ装置3が検出するように構成される。すなわち、看護師は、プリンタ1の画面にリストバンドを切断したことを示す操作入力を行う必要がない。そのため、当該操作入力の手間が削減されるだけでなく、実際にはリストバンドを切断していないのにも関わらずラベルPLを発行するという事態も避けられる。
【0053】
以下、図10図12を参照して、第2の実施形態の患者管理システム7について説明する。
図10は、本実施形態の患者管理システム7において、プリンタ1とリーダ装置3の配置例を示す図である。図11は、本実施形態の患者管理システム7の構成を示すブロック図である。図12は、本実施形態の患者管理システム7の動作を示すシーケンスチャートである。
【0054】
図10に示すように、本実施形態の患者管理システム7は、プリンタ1およびリーダ装置3を含む。システムの運用例では、プリンタ1およびリーダ装置3は共に、ナースカート等のカートCTに配置される。本実施形態のプリンタ1は、コードスキャナ18が必要ない点を除けば第1の実施形態のプリンタ1と同じであり、詳細な説明を省略する。
本実施形態の患者管理システム7では、病院内の各患者が本人確認のために図7に示したリストバンド60B(インレイINLが組み込まれたもの)を装着しているものとする。リーダ装置3は、患者がカートCTに近接した位置にいるときに当該患者が装着しているリストバンド60BのインレイINLとRFID通信を行い、インレイINLに格納されている患者データを読み取る。
【0055】
第1の実施形態では、プリンタ1の表示画面(図9参照)上でリストバンドの切断有無の入力を行うように構成しているが、本実施形態の患者管理システム7では、リーダ装置3がリストバンド60Bの切断有無を判定するように構成している点で異なる。図7に示したように、リストバンド60Bには、インレイINLのアンテナがリストバンド60Bの印字部65の全体に亘って形成され、ループコイルを形成している。そのため、リストバンド60Bの印字部65を切断した場合、アンテナ(ループコイル)が断線されることにより、リーダ装置3からの電磁波を受信することができなくなる。そのため、リーダ装置3とリストバンド60BのインレイINLとの間の無線通信品質が大きく低下する。
そこで、リーダ装置3が、インレイINLとの無線通信の確立後にリストバンド60Bからの受信信号の信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を常に測定する。RSSIが閾値以下に低下した場合には、リストバンド60Bが切断されたと判断することができる。
なお、患者の退院時には、リストバンド60Bの取付部66を切断する運用とすれば、手術前のリストバンド60Bの切断と誤検出することはない。
【0056】
図11において、プリンタ1の内部構成は、コードスキャナ18がないことを除けば図4に示したものと同じであるため、重複説明を行わない。
図11に示すように、リーダ装置3は、制御部31、読み書き部32、および、通信部33を備える。
読み書き部32は、通信可能範囲内に位置するインレイINLとの間でRFID通信を行い、インレイINLに格納されるデータを読み取り、あるいはインレイINLにデータを書き込む。
制御部31は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、リーダ装置3の動作を制御する。例えば、制御部31は、読み書き部32がインレイINLとのRFID通信を行っている間、インレイINLからの受信信号のRSSIを監視し、当該RSSIに基づいてリストバンド60Bが切断されたか否かを判断する。つまり、RSSIが閾値以上であるか否かに基づいてリストバンド60Bの切断有無が判断される。制御部31は、インレイINLの無線通信の品質が低下したか否かを判定する判定部として機能する。
通信部33は、プリンタ1との通信を行うように構成されている通信インタフェースである。プリンタ1との通信は無線でもよいし有線でもよい。また、プリンタ1との間の通信プロトコルは問わない。制御部31によってリストバンド60Bが切断されたと判断された場合には、通信部33によってプリンタ1に対して通知される。
【0057】
次に、図12を参照して、本実施形態の患者管理システム7の動作を説明する。
手術予定の患者が手術室に移動する前の病室で、手術室までの移動中および手術室内での本人確認のためにラベルPLを発行する場合を想定する。この場合、看護師がカートCTを引いて患者の病室に行く。
患者の病室内では、カートCTに配置されているリーダ装置3が患者に装着されているリストバンド60BのインレイINLとの間でRFID通信を確立する(ステップS10)。
その後、看護師が患者に装着しているリストバンド60Bの印字部65を切断すると、リーダ装置3は、リストバンド60BのインレイINLからの受信信号のRSSIの低下に応じて、リストバンド60Bの切断を検出し(ステップS14)、切断したことを通知するための切断通知をプリンタ1に送信する(ステップS16)。なお、リーダ装置3からの切断通知には、切断されたリストバンド60Bに対応する患者データが含まれる。
【0058】
リーダ装置3から切断通知を受信したプリンタ1は、その受信日時がリストバンド切断日時として記録されるように患者データベースを更新し(ステップS22)、切断通知に含まれる患者データに対応する2次元コードを含むラベルPL(図8参照)を発行する(ステップS24)。このとき、好ましくは、切断通知に含まれる患者データが適切な患者に対応するデータである場合に限り(ステップS18:YES)、ステップS22,S24を実行してもよい。
ステップS18において適切な患者とみなされない場合とは、例えば、以下の場合である。
(i) 切断通知を受信した日時から所定時間内に、対応する患者の手術開始予定日時が到来しない場合
(ii) 患者データベースにおいて既に「リストバンド切断日時」のフィールドに既にデータが書き込まれている場合
(i)の場合には手術予定の患者の誤り(取り違え)の可能性があり、(ii)の場合には同一の患者に対してラベルを重複発行する可能性があるためである。
ステップS18において適切な患者とみなされない場合には(ステップS18:NO)、プリンタ1は警告出力を行う(ステップS20)。
【0059】
本実施形態の患者管理システム7においても第1の実施形態と同様、プリンタ1によって発行されたラベルPLを患者の身体に貼着することで、病室から手術室までの間、および、手術室内で本人確認が可能としつつ患者に対する手術を支障無く行うことができる。しかも、第1の実施形態と比較して、看護師による操作労力の低減、および、ラベルの発行の自動化が可能となるという利点がある。
また、本実施形態の患者管理システム7では、リストバンド60Bが切断されて初めてプリンタ1からラベルPLが発行されるため、同じ患者に対して重複してラベルが発行されることを防止できる。
【0060】
本実施形態では、リストバンド60Bに組み込まれているインレイINLに患者データが格納されている場合について説明したが、その限りではない。発行対象のラベルに印字すべき2次元コードに対応する患者データを特定できる限り、リーダ装置3から取得する情報は患者データ自体でなくてもよい。
例えば、患者データベースにおいて、患者データに対応する各レコードにUID(Unique ID)が含まれており、リストバンドに組み込まれているインレイINLにはUIDのみが記録されている場合が想定される。この場合、リーダ装置3からプリンタ1に送信される切断通知には、切断を検出したリストバンドのインレイINLのUIDが含まれる。切断通知を受信したプリンタ1は、当該切断通知に含まれるUIDをキーとして患者データベースを検索して患者データを特定し、特定した患者データに対応する2次元コードを印字したラベルを発行する。
【0061】
本実施形態のリーダ装置3として、カートCTに据え置き型の装置ではなく、携帯型リーダ装置を適用することができる。例えば、看護師の手首等に装着するリーダ装置を適用してもよい。あるいは、スマートフォン等の携帯端末にジャケット形式若しくはドック形式で取付可能なリーダ装置であって、携帯端末のコネクタと接続して読み取り結果を携帯端末の画面に表示するように構成されたリーダ装置を適用してもよい。
このような携帯型リーダ装置を使用することで、プリンタ1とリーダ装置3をカートCTに載せて病室間を移動する場合と比較して、看護師の労力が低減されるとともにカートCTの運搬による騒音を無くすことが可能となる。例えば、看護師が携帯型リーダ装置のみを持って病室にいる患者の元に行き、患者データを読み取り、カートCTのある場所に戻ってプリンタ1によりラベルを発行する、という運用を行うことができる。
【0062】
本実施形態の患者管理システム7は、1つのプリンタによって実現することもできる。すなわち、リーダ装置をプリンタ内に内蔵するように構成しても、プリンタ単独で本実施形態の患者管理システム7と同一の動作を行うことができる。
【0063】
(3)第3の実施形態
本実施形態の患者管理システム8(情報処理システムの一例)では、第2の実施形態と患者管理システム7と類似しているが、ネットワーク上のサーバが患者データベースを一元管理する点が第2の実施形態と異なる。
以下、図13および図14を参照して、第2の実施形態の患者管理システム8について説明する。
図13は、本実施形態の患者管理システム8の構成を示すブロック図である。図14は、本実施形態の患者管理システム8の動作を示すシーケンスチャートである。
【0064】
図13に示すように、本実施形態の患者管理システム8は、プリンタ1、リーダ装置3、および、サーバ5を含む。プリンタ1とサーバ5、および、リーダ装置3とサーバ5は、それぞれネットワークNWを介して通信可能であるが、プリンタ1とリーダ装置3はプリンタ1とリーダ装置3は直接通信可能でなくてもよい。プリンタ1およびリーダ装置3は、第2の実施形態と同様の構成でよい。本実施形態において、リーダ装置3においてリストバンド60Bが切断されたか否か検出される。すなわち、リーダ装置3の制御部31は、インレイINLの無線通信の品質が低下したか否かを判定する判定部として機能する。
【0065】
システムの運用例では、プリンタ1およびリーダ装置3は共に、ナースカート等のカートCTに配置される。サーバ5は、例えば、病院内の管理室等に設けられ、各病室に設けられるアクセスポイントを介してプリンタ1およびリーダ装置3がそれぞれサーバ5に接続可能に構成される。
【0066】
図13においてプリンタ1およびリーダ装置3の構成は、第2の実施形態と同じでよく、詳細な説明を省略する。なお、本実施形態では、患者データベースは、プリンタ1のストレージ12ではなくサーバ5のストレージ52に格納される。
サーバ5の通信部53は、プリンタ1の通信部17およびリーダ装置3の通信部33と通信を行うための通信インタフェースである。
制御部51は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、サーバ5の動作を制御する。例えば、病院内のすべての患者に対応する患者データを患者データベースにおいて一元管理する。例えば、制御部51は、図示しない病院内の情報処理装置から送信されるデータに基づいて患者の手術開始予定日時、手術開始予定日時を更新し、又は、患者の入院若しくは退院に応じて患者データベースのレコードの追加若しくは削除等を行う。また、後述するように、制御部51は、病院内のリーダ装置3から受信する切断通知に基づいて患者データベースを更新するとともに、プリンタ1に切断通知を送信する。
【0067】
次に、図14を参照して、本実施形態の患者管理システム8の動作を説明する。図14のシーケンスチャートにおいて、図12と同一の処理については同一の符号を付して重複説明を省略する。
ステップS10~S14の各処理は、図12と同じである。本実施形態の患者管理システム8では、リーダ装置3がリストバンド60Bの切断を検出した場合、患者データを含む切断通知をサーバ5に送信する(ステップS15)。サーバ5は、切断通知をそのままプリンタ1に転送してもよいが、好ましくは、図12のステップS18と同様に、患者データが適切な患者に対応するデータであるか否か判定する(ステップS16a)。患者データが適切な患者に対応するデータである場合には(ステップS16a:YES)、ステップS15の受信日時がリストバンド切断日時として記録されるように患者データベースを更新する(ステップS16b)。ステップS16aの判定結果の如何に関わらず、切断通知がプリンタ1に送信される(ステップS17)。
ステップS17において送信される切断通知には、患者データに加え、ステップS16aの判定結果も含まれる。切断通知を受信するとプリンタ1は、切断通知に含まれる判定結果が適切な患者であることを示す場合には(ステップS18:YES)、切断通知に含まれる患者データに対応する2次元コードを含むラベルを発行する(ステップS24)。切断通知に含まれる判定結果が適切な患者でないことを示す場合には(ステップS18:NO)、プリンタ1は警告出力を行う(ステップS20)。
【0068】
以上、プリンタおよび患者管理システムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
【0069】
例えば、上述した実施形態では、リストバンドから患者データを読み取る場合について説明したが、他のデータも読み取って患者データと関連付けてもよい。例えば、看護師を特定する看護師IDに対応するバーコードが印字された看護師カードを各看護師が所持し、リストバンド60AのバーコードC1をスキャンするときに看護師カードのバーコードもスキャンしてもよい。あるいは、リストバンド60Bを切断するときに看護師カードのバーコードをスキャンしてもよい。その場合、読み取った看護師IDを患者データに対応付けて患者データベースに書き込んでもよい。それによって、リストバンドを切断した看護師を記録することができる。
【0070】
上述した実施形態では、リストバンドに組み込まれるインレイがパッシブ方式である場合について言及したが、その限りではなく、アクティブ方式(電池を内蔵し、自らの電力で電磁波を放射するタイプ)でもセミアクティブ方式でもよい。セミアクティブ方式は、電池を内蔵している点では合うアクティブ方式と同じであるが、特定のエリアでのみ自らの電力で電磁波を放射する点でアクティブ方式と異なる。
【0071】
上述した各実施形態および変形例において説明した事項は、適宜組み合わせることができる。例えば、第1の実施形態の各変形例は、第2の実施形態および第3の実施形態に適用してもよい。
【0072】
リーダ装置の設置位置は、図10に例示したカートCTでなくてもよい。例えば、リーダ装置は、各病室の特定の場所(例えば天井等)に据え置くこともできる。
上述した実施形態では、2次元コードのみが印字されたラベルが発行される場合について説明したが、その限りではない。ラベルに患者を特定する文字(患者の氏名等)を印字してもよい。
上述した実施形態では、1枚のラベルを発行する場合について説明したが、その限りではなく複数枚同時に発行してもよい。その場合、患者の身体に貼着するラベル以外のラベルについては、目視確認用や医療文書貼付用等の他の目的に使用することもできる。
【符号の説明】
【0073】
1…プリンタ
11…制御部
12…ストレージ
13…操作入力部
14…表示部
15…モータ駆動部
16…ヘッド駆動部
17…通信部
18…コードスキャナ
102…筐体
103…カバー
14a…表示パネル
106…サーマルヘッド
107…発行口
18…コードスキャナ
3…リーダ装置
31…制御部
32…ストレージ
33…通信部
5…サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
60(60A,60B)…リストバンド
61…文字情報
62…突起
63…孔
7,8…患者管理システム
R…ロール紙
CP…連続紙
PL…ラベル
PM…台紙
INL…インレイ
C1…バーコード
C2…2次元コード
G1~G3…画面
b1,b2,b21,b22…ボタン
CT…カート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14