(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60L 1/00 20060101AFI20221104BHJP
B60W 10/26 20060101ALI20221104BHJP
B60K 6/46 20071001ALI20221104BHJP
B60W 20/00 20160101ALI20221104BHJP
B60K 6/28 20071001ALI20221104BHJP
B60L 50/15 20190101ALI20221104BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20221104BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B60L1/00 L
B60W10/26 900
B60K6/46 ZHV
B60W20/00
B60K6/28
B60L50/15
B60L58/12
H02J7/00 P
H02J7/00 302B
(21)【出願番号】P 2019161019
(22)【出願日】2019-09-04
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 直紀
(72)【発明者】
【氏名】荒井 雅嗣
(72)【発明者】
【氏名】門田 充弘
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-064450(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047270(WO,A1)
【文献】特開2005-184944(JP,A)
【文献】特開2011-166938(JP,A)
【文献】特開2017-190022(JP,A)
【文献】特開2017-159773(JP,A)
【文献】特開2013-005615(JP,A)
【文献】特開2014-110683(JP,A)
【文献】特開2013-074676(JP,A)
【文献】特開2010-273427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
B60K 6/20 - 6/547
B60W 10/00 - 10/30
B60W 20/00 - 20/50
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪に接続された走行用電動モータに電力を供給するための走行モータ直流ラインと、
前記走行モータ直流ラインに接続され、電気エネルギを熱エネルギに変換して放熱する抵抗器と、
前記走行用電動モータとは電気的に切り離された少なくとも一つの補機に電力を供給するための補機直流ラインと、
前記補機直流ラインに接続されるバッテリーと、
前記補機直流ラインと前記抵抗器を接続する放電用直流ラインと、
前記放電用直流ラインに設けられ、前記補機直流ラインと前記抵抗器の電気的な接続を断接する放電用開閉器と、
前記バッテリーの充放電状態及び前記放電用開閉器の開閉状態を制御するコントローラとを備えることを特徴とする車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両において、
前記走行モータ直流ラインの電圧を検出する電圧計と、
前記放電用開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部とを備え、
前記コントローラは、前記電圧計で検出した電圧と予め決められた閾値を比較し、検出した電圧が閾値以上の時には、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を開に保つように信号を送信し、検出した電圧が閾値未満の時には、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を閉に保つように信号を送信することを特徴とする車両。
【請求項3】
請求項1に記載の車両において、
前記放電用開閉器の状態を判定する開閉器状態判定部と、
前記補機直流ラインと前記バッテリーの間の電力の流れを制御する充放電制御部とを備え、
前記コントローラは、前記開閉器状態判定部が前記放電用開閉器が閉と判定した時に、前記充放電制御部へ前記バッテリーに蓄えられた電力を前記抵抗器に放電するように信号を送信することを特徴とする車両。
【請求項4】
請求項3に記載の車両において、
前記コントローラは、前記開閉器状態判定部が前記放電用開閉器が閉と判定した時に、前記補機に接続された電力変換装置へ前記補機に電力を供給するように信号を送信することを特徴とする車両。
【請求項5】
請求項1に記載の車両において、
前記走行モータ直流ラインの電圧を検出する電圧計と、
前記放電用開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部と、
前記放電用開閉器の状態を判定する開閉器状態判定部とを備え、
前記コントローラは、前記電圧計で検出した電圧と予め決められた閾値を比較し、検出した電圧が閾値以上の時には、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を開に保つように信号を送信し、
前記開閉器状態設定部は、前記コントローラの信号がない時には、前記放電用開閉器を強制的に開に固定することを特徴とする車両。
【請求項6】
請求項1に記載の車両において、
エンジンの動作状態を検出するエンジン動作状態検出部と、
前記放電用開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部とを備え、
前記コントローラは、前記エンジン動作状態検出部にて前記エンジンが稼働していると検出された時に、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を開に保つように信号を送信することを特徴とする車両。
【請求項7】
請求項1に記載の車両において、
エンジンの動作状態を検出するエンジン動作状態検出部と、
前記放電用開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部とを備え、
前記コントローラは、前記エンジン動作状態検出部にて前記エンジンが停止していると検出された時に、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を閉に保つように信号を送信することを特徴とする車両。
【請求項8】
請求項1に記載の車両において、
前記抵抗器と前記走行モータ直流ラインとの間に、前記抵抗器と前記走行モータ直流ラインの電気的な接続を断接する走行モータ直流ライン開閉器を備え、
前記コントローラは、前記車両が稼働している時に前記走行モータ直流ライン開閉器を閉とし、前記車両が停止している時に前記走行モータ直流ライン開閉器を開とすることを特徴とする車両。
【請求項9】
請求項8に記載の車両において、
前記放電用開閉器の開閉状態および前記走行モータ直流ライン開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部を備え、
前記コントローラは、前記車両が稼働している時に、前記開閉器状態設定部へ前記走行モータ直流ライン開閉器を閉とするように信号を送信し、前記車両が停止している時に、前記開閉器状態設定部へ前記走行モータ直流ライン開閉器を開とするように信号を送信することを特徴とする車両。
【請求項10】
請求項1に記載の車両において、
フレームに昇降可能に連結されたボディの昇降状態を検出するボディ昇降状態検出部と、
前記放電用開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部とを備え、
前記コントローラは、前記ボディ昇降状態検出部にてボディ上げと検出された時に、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を閉に保つように信号を送信し、前記バッテリーに蓄えられた電力を前記抵抗器に放電し、前記ボディ昇降状態検出部にてボディ上げ以外と検出された時に、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を開に保つように信号を送信し、前記バッテリーからの放電を停止することを特徴とする車両。
【請求項11】
請求項1に記載の車両において、
前記抵抗器と前記走行モータ直流ラインとの間で、前記抵抗器と前記走行モータ直流ラインの電気的な接続を断接する走行モータ直流ライン開閉器と、
フレームに昇降可能に連結されたボディの昇降状態を検出するボディ昇降状態検出部と、
前記放電用開閉器の開閉状態および前記走行モータ直流ライン開閉器の開閉状態を設定する開閉器状態設定部とを備え、
前記コントローラは、前記ボディ昇降状態検出部にてボディ上げと検出された時に、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を閉に保つように信号を送信し、前記開閉器状態設定部へ前記走行モータ直流ライン開閉器を開とするように信号を送信し、前記バッテリーに蓄えられた電力を前記抵抗器に放電し、前記ボディ昇降状態検出部にてボディ上げ以外と検出された時に、前記開閉器状態設定部へ前記放電用開閉器を開に保つように信号を送信し、前記開閉器状態設定部へ前記走行モータ直流ライン開閉器を閉とするように信号を送信し、前記バッテリーからの放電を停止することを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーを備えるダンプトラック等の車両に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば鉱山用ダンプトラックにおいては、エンジンに機械的に接続される発電機により発電した電力によって走行用電動モータ(以下、走行モータと称することがある)を駆動して走行する電気駆動式ダンプトラックがある。この電気駆動式ダンプトラックは、走行用電動モータとは電気的に切り離された補機を備えており、前記補機は、走行用電動モータや発電機などの冷却を行う。前記補機の駆動力には、エンジンに機械的に接続される発電機の他にバッテリーを用いることがある。バッテリーを用いる際には、点検、交換時やメモリ効果を打ち消すために、バッテリーに蓄えられた電力を消費する必要があり、様々な方法により電力を消費する技術が提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1(特許第5356274号公報)においては、電圧の異なる2つのコンデンサの陽極側のみを共通の開閉器により抵抗器に接続することにより、2つのコンデンサに蓄えられた電力を消費する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、鉱山用ダンプトラックのような適用先においては、一般的に補機回路と走行モータ回路は電気的に切り離されており、また、補機回路電圧と走行モータ回路電圧がかなり大きくなるとともに、補機回路電圧<<走行モータ回路電圧(たとえば、走行モータ回路電圧は補機回路電圧の十倍程度)となっている。
【0006】
そのため、上述の特許文献1に所載のような共通の抵抗器に陽極側のみを同時に接続し、電力を消費する方法は適用することができない。また、上述の特許文献1に所載の技術では、開閉器が接続されるタイミングが機器の故障を検知した時のみであり、任意のタイミングでバッテリーの電力を放電することができない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鉱山用ダンプトラックのように走行モータと補機の電圧に大きな差があり、それらの回路が電気的に切り離されている場合でも1つ(共通)の抵抗器を用いてバッテリーの電力を放電することができる車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る車両は、駆動輪に接続された走行用電動モータに電力を供給するための走行モータ直流ラインと、前記走行モータ直流ラインに接続され、電気エネルギを熱エネルギに変換して放熱する抵抗器と、前記走行用電動モータとは電気的に切り離された少なくとも一つの補機に電力を供給するための補機直流ラインと、前記補機直流ラインに接続されるバッテリーと、前記補機直流ラインと前記抵抗器を接続する放電用直流ラインと、前記放電用直流ラインに設けられ、前記補機直流ラインと前記抵抗器の電気的な接続を断接する放電用開閉器と、前記バッテリーの充放電状態及び前記放電用開閉器の開閉状態を制御するコントローラとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、放電用直流ラインとその放電用直流ラインを断接する放電用開閉器を備えることにより、新たに抵抗器を設けることなく、共通の抵抗器を用いてバッテリーを放電する回路を形成できるとともに、放電用開閉器により通常使用時には補機側の回路と走行モータ側の回路を電気的に切り離した状態で使用することができる。そのため、安全にバッテリーの放電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本実施例におけるダンプトラックの内部構成図。
【
図3】実施例1におけるダンプトラックの動力システム図。
【
図4】実施例1におけるパワーコントローラの制御フローチャート。
【
図5】実施例2におけるダンプトラックの動力システム図。
【
図6】実施例2におけるパワーコントローラの制御フローチャート。
【
図7】実施例3におけるパワーコントローラの制御フローチャート。
【
図8】実施例4におけるダンプトラックの動力システム図。
【
図9】実施例4におけるパワーコントローラの制御フローチャート。
【
図10】実施例5におけるダンプトラックの動力システム図。
【
図11】実施例6におけるダンプトラックの動力システム図。
【
図12】実施例6におけるパワーコントローラの制御フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部分には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0012】
[実施例1]
以下では、本実施例における車両の一例として、バッテリーに蓄えられた電力を安全に放電することができるバッテリー放電システムを備えた鉱山向けダンプトラック(以下、ダンプトラックと称する)について説明する。
【0013】
[ダンプトラックの基本構成]
まず、
図1および
図2を用いてダンプトラックの基本的な構成を説明する。
図1および
図2に示すダンプトラックの基本構成は、本実施例1および後述する実施例2~6で共通の構成である。
図1は、本実施例におけるダンプトラックを側面視した外観図、
図2は、本実施例におけるダンプトラックを概略断面視した(補機類を図示した)内部構成図である。
【0014】
ダンプトラック100は、フレーム36上に土砂等を積載するためのボディ4が搭載され、両者がホイストシリンダ33により連結されている。また、フレーム36には、図示しない機構部品を介して前輪7、後輪8、作動油タンク6、燃料タンク5が取り付けられている。後輪8の回転軸部には、駆動輪である後輪8を駆動するための走行モータ10と、後輪8と走行モータ10とを機械的に接続する減速機9が収められている。フレーム36にはさらに、オペレータが歩行可能なデッキ38が取り付けられている。デッキ38上面にはダンプトラック100の操作を行うためにオペレータが搭乗するキャブ2、各種電力機器が収納されたコントロールキャビネット1、余剰エネルギを熱として放散(放熱)するための複数のグリッドボックス3が搭載されている。さらに、デッキ38には、デッキ38上面やキャブ2にオペレータが搭乗するためのラダー37が取り付けられている。また、
図1で前輪7により隠れた部分には、エンジン11および走行モータ用電力源としての主発電機12、補機類用電力源としての補助発電機13、油圧機器用油圧源としての不図示のメインポンプなどが搭載されている(
図3等も併せて参照)。
【0015】
また、ダンプトラック100には、補機類として、
図2に示すように、グリッドボックス3にグリッドボックスファン19(
図3)を有するグリッドボックス冷却ブロワ23が取り付けられ、フレーム36に走行モータ10を冷却するための走行モータ冷却ブロワ28や発電機(主発電機12、補助発電機13)を冷却するための発電機冷却ブロワ22が取り付けられ、後輪8に減速機冷却油を循環させるための減速機冷却油ポンプ29が取り付けられている。
【0016】
次に、ダンプトラック100の操作方法について説明する。キャブ2内には不図示のアクセルペダル、ブレーキペダル、ホイストレバー、ハンドルが設置されている。オペレータは、キャブ2内のアクセルペダル、ブレーキペダルの踏み込み量によりダンプトラック100の加速力、制動力を制御することができる(後述)。さらにオペレータは、ハンドルを左右に回転させることによって油圧駆動による操舵操作を行い、ホイストレバーを前後に倒すことにより油圧駆動(ホイストシリンダ33の油圧駆動)によるボディ昇降操作を行う。なお、操舵操作、ボディ昇降操作のシステムについては、本実施例においては従来同様であるため、詳述しない。
【0017】
[ダンプトラックの動力システム]
次に、
図3を用いて、本実施例におけるダンプトラック100の動力システムを説明する。以下では、ダンプトラック100の動力システムの基本的な構成(従来の機器構成と概ね共通する機器構成)を説明した後に、本実施例の特徴構成(従来の機器構成に対する追加構成)を説明する。なお、
図2および以下の説明では、フレーム36に対して左側の後輪8、減速機9、走行モータ10、走行モータ用インバータをそれぞれ8L、9L、10L、15Lと表記し、フレーム36に対して右側の後輪8、減速機9、走行モータ10、走行モータ用インバータをそれぞれ8R、9R、10R、15Rと表記する。
【0018】
基本的な構成として、走行モータ用電力源としての主発電機12、補機類用電力源としての補助発電機13は、エンジン11に機械的に接続されており、エンジン11により駆動される。
【0019】
主発電機12の三相交流出力は、主発電機用ダイオードブリッジ21、高圧直流ライン(走行モータ直流ライン)56を介して、高圧側電力変換装置としての走行モータ用インバータ15L,15Rに入力されており、走行モータ用インバータ15L,15Rの出力はそれぞれ走行モータ10L,10Rに接続されている。走行モータ10L,10Rの出力軸は減速機9L,9Rを介して後輪8L,8Rと機械的に接続している。また、高圧直流ライン56は前述の走行モータ用インバータ15L,15Rの直流入力部に加え、グリッドボックス3に搭載されるグリッドボックス抵抗(抵抗器)53およびチョッパ16にも接続している。高圧直流ライン56には電圧を検出するための電圧計55も接続されている。
【0020】
一方、補助発電機13の三相交流出力は、補助発電機用ダイオードブリッジ17、補機直流ライン57を介して、低圧側電力変換装置としてのグリッドボックスファンモータ用インバータ18に接続しており、グリッドボックスファンモータ用インバータ18の出力はグリッドボックス冷却ブロワ23の複数のグリッドボックスファンモータ54に接続されている。また、グリッドボックスファンモータ54の出力軸はグリッドボックスファン19に機械的に接続されている。
【0021】
ダンプトラック100のメインコントローラ50は、ダンプトラック100の状態やオペレータの操作入力を基にエンジン11やパワーコントローラ51を統合的に制御している。パワーコントローラ51は、メインコントローラ50の制御に従い、走行モータ用インバータ15L,15R、チョッパ16、グリッドボックスファンモータ用インバータ18の半導体スイッチ(不図示)に適宜オン-オフ信号を入力し、走行モータ10L,10R、グリッドボックス抵抗53、グリッドボックスファンモータ54を適切なタイミング、出力で駆動させることにより、回路内の電力の流れを制御している。
【0022】
なお、メインコントローラ50およびパワーコントローラ51は、CPU(Central Processing Unit)、CPUによる処理を実行するための各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disc Drive)などの記憶装置、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)等を含むマイクロコンピュータ(マイコン)で構成されている。
【0023】
次に、主発電機12で発生した電力の詳細な流れを説明する。
【0024】
エンジン11により主発電機12が駆動されると、発生した三相交流電圧は、主発電機用ダイオードブリッジ21によって直流電圧に変換され、高圧直流ライン56を介して走行モータ用インバータ15R,15Lに入力される。この状態でオペレータがアクセルペダルを踏み込む、又は、自動運転機能によりパワーコントローラ51にアクセル信号が出力されると、パワーコントローラ51は走行モータ用インバータ15L,15Rに加速のための制御信号を入力し、走行モータ10L,10Rに電力を供給する。この電力により、走行モータ10L,10Rは減速機9L,9Rを介して後輪8L,8Rを駆動させて、車体を前進あるいは後進させる。一方、降坂時や停車時において制動動作を行うためにオペレータがブレーキペダルを踏みこむ、又は、自動運転機能によりパワーコントローラ51にブレーキ信号が出力されると、パワーコントローラ51は走行モータ用インバータ15L,15Rに減速のための制御信号を入力し、走行モータ10L,10Rは車体の運動エネルギを電気エネルギに変換する。すなわち走行モータ10L,10Rは発電機としての動作を行う。このとき、走行モータ10L,10Rには回転方向と逆方向にトルクが発生する。この時発生した電力は走行モータ用インバータ15L,15Rの高圧直流ライン56に直流電圧として蓄えられるが、安全に蓄えられる電力には限界があるため、放電機能が必要となる。そこで、高圧直流ライン56に設けられた電圧計55により検出した直流電圧が規定値を超えた場合には、パワーコントローラ51はチョッパ16に放電をするための制御信号を入力し、グリッドボックス抵抗53に電力を供給する。これにより、主発電機12から走行モータ10L,10Rへのエネルギの流れを走行モータ10L,10Rからグリッドボックス抵抗53への流れへと切り替え、グリッドボックス抵抗53に直流電圧を印可することで、電気エネルギを熱として消費することを可能にしている。グリッドボックス抵抗53の熱は、通常は周囲の大気により自然空冷されている。しかし、発熱エネルギが大きい場合はグリッドボックス抵抗53の温度が上昇し、高温による損傷を引き起こす可能性がある。このため、グリッドボックスファン19を駆動させ、強制空冷によりグリッドボックス抵抗53の冷却を行っている。
【0025】
グリッドボックスファン19の駆動方法を次に示す。
【0026】
エンジン11により補助発電機13が駆動されると、発生した三相交流電圧は、補助発電機用ダイオードブリッジ17によって直流電圧に変換され、補機直流ライン57を介してグリッドボックスファンモータ用インバータ18に入力される。グリッドボックス抵抗53の冷却が必要な場合は、パワーコントローラ51からグリッドボックスファンモータ用インバータ18にグリッドボックスファン用モータ駆動のための制御信号が入力され、グリッドボックスファンモータ54に電力が供給される。この電力により、グリッドボックスファンモータ54は機械的に接続されたグリッドボックスファン19を回転させる。グリッドボックスファン19の回転により発生した風はグリッドボックス抵抗53に当たることにより、グリッドボックス抵抗53を冷却する。
【0027】
また、補機直流ライン57には充放電制御部61を介してバッテリー60が接続されている。バッテリー60は、補助発電機13の代わりに(充放電制御部61、補機直流ライン57を介して)グリッドボックスファンモータ用インバータ18に電力を供給し、グリッドボックスファンモータ54を駆動させる。また、バッテリー60に蓄電された電力、ひいてはバッテリー60に設けられた電圧計67で取得される電圧が低下した際には、パワーコントローラ51は、充放電制御部61を介して補助発電機13からバッテリー60に電力を供給し、充電を行う。なお、エンジン11が停止している際には、バッテリー60は充電も放電も行わない。
【0028】
上記の動作により、ダンプトラック100は、制動動作時において、車体の持つ運動エネルギを一時的に電気エネルギに変換し、抵抗器としてのグリッドボックス抵抗53を用いて熱エネルギに変換することで制動力を得ている。また、グリッドボックス抵抗53で発生した熱をグリッドボックスファン19により強制空冷し、大気中に放出することにより、安定的な制動力を確保している。なお、図示していないが、ダンプトラック100は機械式のブレーキシステムを有しており、状況に応じて電気による減速と機械式のブレーキシステムを使い分けて車体の速度を低下させることも可能である。
【0029】
続いて、本実施例におけるダンプトラック100の動力システムの特徴構成を説明する。本実施例は、前述した機器構成に加え、さらに後述する数点の機器(特に、
図3の一点鎖線で囲われた機器)を備えた構成である。
【0030】
本実施例では、前述の構成に加え、低圧側バイパスライン62、高圧側バイパスライン63、開閉器(放電用開閉器)64、開閉器状態設定部65を備えている。補機直流ライン57は、低圧側バイパスライン62、開閉器64、高圧側バイパスライン63を介してグリッドボックス抵抗(抵抗器)53の両極に接続されている。換言すれば、低圧側バイパスライン62は、補機直流ライン57(補機回路)の低圧側とグリッドボックス抵抗(抵抗器)53の低圧側を接続し、高圧側バイパスライン63は、補機直流ライン57(補機回路)の高圧側とグリッドボックス抵抗(抵抗器)53の高圧側を接続するとともに、低圧側バイパスライン62と高圧側バイパスライン63に開閉器64が備えられている。開閉器64が間に介装された低圧側バイパスライン62と高圧側バイパスライン63によって、補機直流ライン57とグリッドボックス抵抗53を接続する放電用直流ライン69が構成されている(後述)。放電用直流ライン69に設けられた開閉器64は、開閉器状態設定部65を介してパワーコントローラ51により開閉状態を操作される。これにより、開閉器64は、放電用直流ライン69上で補機直流ライン57とグリッドボックス抵抗53との電気的な接続を断接する。
【0031】
次に、本実施例におけるバッテリー60の電力の流れを説明する。ダンプトラック100が稼働している際の動作については上述した動作と同様である。一方、ダンプトラック100が停止し、エンジン11を切った状態では、バッテリー60の電力の流れが異なる。エネルギの流れを順を追って説明する。
【0032】
まず、ダンプトラック100が停止し、エンジン11を切るまでは、上述した動作と同様にバッテリー60から充放電制御部61、補機直流ライン57を介してグリッドボックスファンモータ用インバータ18に電力を供給し、グリッドボックスファンモータ54を駆動させる。このとき、パワーコントローラ51は、開閉器状態設定部65へ開閉器64を開に保つように信号を送信し、パワーコントローラ51からの信号を受信した開閉器状態設定部65は、開閉器64を開にしたままにする。
【0033】
エンジン11を切るとバッテリー60からグリッドボックスファンモータ用インバータ18への電力供給は停止する。エンジン11が切られた状態で運転手、又は、メインコントローラ50からバッテリー放電信号がパワーコントローラ51に入力されると、パワーコントローラ51は、電圧計55から取得した高圧直流ライン56の電圧Vと予め決められたバッテリー放電時電圧閾値Vth(以下、単に閾値Vthと称することがある)と比較する。電圧Vが閾値Vth以上の場合、パワーコントローラ51は、開閉器状態設定部65へ開閉器64を開に保つように信号を送信し、パワーコントローラ51からの信号を受信した開閉器状態設定部65は、開閉器64を開に切り替える、又は、開にしたままにする。電圧Vが閾値Vth未満の場合、パワーコントローラ51は、開閉器状態設定部65へ開閉器64を閉に保つように信号を送信し、パワーコントローラ51からの信号を受信した開閉器状態設定部65は、開閉器64を閉に切り替える、又は、閉にしたままにする。また、電圧Vが閾値Vth未満の場合、パワーコントローラ51は、充放電制御部61へバッテリー60の電圧Vb(電圧計67の検出値)が予め決められた最低電圧Vminになるまで放電するように信号を送信する。パワーコントローラ51からの信号を受信した充放電制御部61は、バッテリー60に蓄えられた電力を補機直流ライン57へ放電する。つまり、充放電制御部61は、補機直流ライン57とバッテリー60の間の電力の流れ(方向)を制御して、バッテリー60の充放電を制御するものである。放電された電力は、補機直流ライン57、低圧側バイパスライン62、(閉状態の)開閉器64、高圧側バイパスライン63を介してグリッドボックス抵抗53へ流れる。グリッドボックス抵抗53へ流れた電力は、熱として大気に放出(放熱)され、消費される。バッテリー60に蓄えられた電力がグリッドボックス抵抗53によって消費されることで、バッテリー60の電圧Vbが低下していき、最低電圧Vminとなった場合に、パワーコントローラ51は、充放電制御部61へ停止するように信号を送信する、または、放電信号を止める。これにより、バッテリー60の電圧Vbは最低電圧Vminに保たれる。最低電圧Vminは、例えば、バッテリー60を廃棄するときに作業員が感電してもけがをしないための電圧に設定すればよい。また、バッテリー放電時電圧閾値Vthは、例えば、補機直流ライン57の定格の電圧値とすればよい。
【0034】
[パワーコントローラにおけるバッテリーの放電制御]
次に、
図4を用いて、パワーコントローラ51におけるバッテリー60の放電終了までの制御の流れを順に説明する。
【0035】
{S101}
本パワーコントローラ51の制御は、車体の起動と共に開始する。
【0036】
{S102}
高圧直流ライン56の電圧Vを電圧計55から取得するとともに、バッテリー放電信号の状態を取得する。
【0037】
{S103}
バッテリー放電信号の状態がONであるかの確認と、電圧Vとバッテリー放電時電圧閾値Vthの比較を行う。バッテリー放電信号の状態がONであり、かつ、V<Vthの時は{S104}に進む。バッテリー放電信号の状態がOFFの時とV≧Vthの時は{S109}に進む。
【0038】
{S104}
開閉器状態設定部65へ閉信号を送信し、電圧計67からバッテリー電圧Vbを取得する。
【0039】
{S105}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S106}に進む。Vb≦Vminの時は{S109}に進む。
【0040】
{S106}
充放電制御部61へ放電信号を送信し、バッテリー電圧Vbを取得する。
【0041】
{S107}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S106}に進む。Vb≦Vminの時は{S108}に進む。
【0042】
{S108}
充放電制御部61への放電信号の送信を停止する、又は、停止信号を送信する。
【0043】
{S109}
開閉器状態設定部65へ開信号を送信する。
【0044】
{S110}
一連の動作を終了し、再度{S101}から制御を開始する。
【0045】
パワーコントローラ51は、この{S101}~{S110}までの流れを車体の機能が開始してから停止するまで繰り返し行う。
【0046】
以上のように本実施例を適用することにより、すなわち、バッテリー60が接続されている補機直流ライン57とグリッドボックス抵抗(抵抗器)53を接続する放電用直流ライン69(低圧側バイパスライン62、高圧側バイパスライン63)と、放電用直流ライン69に設けられ、補機直流ライン57とグリッドボックス抵抗(抵抗器)53の電気的な接続を断接する開閉器(放電用開閉器)64と、バッテリー60の充放電状態及び開閉器64の開閉状態を制御するパワーコントローラ51とを備えることにより、新たに抵抗器を設けることなく、共通のグリッドボックス抵抗(抵抗器)53を用いてバッテリー60を放電する回路を形成できるとともに、開閉器64により通常使用時には補機側の回路と走行モータ側の回路を電気的に切り離した状態で使用することができる。そのため、バッテリー60の点検時や交換時にバッテリー60に蓄えられた電力を安全な領域まで低下させることができる。また、高圧直流ライン56の電圧が高い時には開閉器状態設定部65により開閉器64を開に固定しているため、高圧直流ライン56から補機直流ライン57へ高い電圧が入って補機直流ライン57に接続されている機器が破損することはなく、安全性が保たれている。
【0047】
バッテリー60を放電する際のバッテリー最低電圧Vminをバッテリー60の定格の使用範囲における最低電圧に設定できるようにしておけば、バッテリー60を繰り返し使用している際に発生するメモリ効果を打ち消すために本実施例を応用することができる。
【0048】
また、
図2に示すように、グリッドボックス抵抗53はブレーキ時の電力を消費するためにデッキ38の1/6程度を占めるほどの大きさがある。このようにグリッドボックス抵抗53は大きくなりやすく、バッテリー放電用のグリッドボックス抵抗53をさらに搭載する場合、デッキの1/3近くをグリッドボックス抵抗53が占めることになる。その場合、デッキ38上のスペースの減少、車体の重量バランスの悪化や運転席からの周囲の視認性の低下を招いてしまう。このようにグリッドボックス抵抗53を複数用意することは難しいため、本実施例を適用することにより、ブレーキ時の電力を消費するためのグリッドボックス抵抗53とバッテリー放電用のグリッドボックス抵抗53を共通にでき、デッキ38上のスペースの減少などの問題を解決できる。
【0049】
[実施例2]
本実施例2では、上述した実施例1との共通点についての繰り返し説明は省略し、実施例1との相違点についてのみ説明する。
【0050】
図5を用いて、本実施例におけるダンプトラック100の機器構成を説明する。本実施例の機器の構成は上述した実施例1とほとんど同じであるが、パワーコントローラ51が開閉器状態判定部66を備えていることが異なる。
【0051】
開閉器状態判定部66は、開閉器状態設定部65が取得した開閉器64の状態を受け取り、開閉器64の状態から放電するか否かの判定を行い、充放電制御部61の動作を制御する。実施例1では、開閉器64は開閉器状態設定部65により開閉状態を切換えていたが、本実施例2では、開閉器状態設定部65はパワーコントローラ51の信号を受けると開閉器64を開閉どちらの状態でも操作することができるようにし、パワーコントローラ51の信号がないときには開閉器64を強制的に開に固定する。これにより、開閉器64を手動にて操作できるようにしていても安全に開閉器64の切換えを行うことができる。
【0052】
[パワーコントローラにおけるバッテリーの放電制御]
図6を用いて、本実施例における開閉器状態判定部66を含んだパワーコントローラ51のバッテリー60の放電終了までの制御の流れを順に説明する。
【0053】
{S201}
本パワーコントローラ51の制御は、車体の起動と共に開始する。
【0054】
{S202}
充放電制御部61への放電信号の送信を停止する。また、高圧直流ライン56の電圧Vを電圧計55から取得するとともに、バッテリー放電信号の状態を取得する。
【0055】
{S203}
バッテリー放電信号の状態がONであるかの確認と、電圧Vとバッテリー放電時電圧閾値Vthの比較を行う。バッテリー放電信号の状態がONであり、かつ、V<Vthの時は{S204}に進む。バッテリー放電信号の状態がOFFの時とV≧Vthの時は{S209}に進む。
【0056】
{S204}
開閉器状態設定部65への開信号の送信を停止し、電圧計67からバッテリー電圧Vbを取得する。
【0057】
{S205}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S205-1}に進む。Vb≦Vminの時は{S209}に進む。
【0058】
{S205-1}
開閉器状態判定部66にて開閉器64の状態を取得する。
【0059】
{S205-2}
開閉器64の状態が閉であるか否かの判定を行う。開閉器64の状態が閉の場合は{S206}に進む。開閉器64の状態が開の場合は{S202}に進む。
【0060】
{S206}
充放電制御部61へ放電信号を送信し、バッテリー電圧Vbを取得する。
【0061】
{S207}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S205-1}に進む。Vb≦Vminの時は{S208}に進む。
【0062】
{S208}
充放電制御部61への放電信号の送信を停止する、又は、停止信号を送信する。
【0063】
{S209}
開閉器状態設定部65へ開信号を送信する。
【0064】
{S210}
一連の動作を終了し、再度{S201}から制御を開始する。
【0065】
パワーコントローラ51は、この{S201}~{S210}までの流れを車体の機能が開始してから停止するまで繰り返し行う。
【0066】
以上のように本実施例を適用することにより、すなわち、開閉器状態判定部66が開閉器状態設定部65が取得した開閉器64の状態を判定することにより、開閉器64を手動で操作できるものにした場合でも、実施例1と同様に、バッテリー60の点検時や交換時にバッテリー60に蓄えられた電力を安全な領域まで低下させることができる。
【0067】
[実施例3]
本実施例3では、上述した実施例2との共通点についての繰り返し説明は省略し、実施例2との相違点についてのみ説明する。
【0068】
本実施例の機器の構成は上述した実施例2と同様である。本実施例ではパワーコントローラ51の制御の流れが実施例2と異なる。
【0069】
[パワーコントローラにおけるバッテリーの放電制御]
図7を用いて、本実施例における開閉器状態判定部66を含んだパワーコントローラ51のバッテリー60の放電終了までの制御の流れを順に説明する。
【0070】
{S301}
本パワーコントローラ51の制御は、車体の起動と共に開始する。
【0071】
{S302}
充放電制御部61への放電信号の送信を停止する。また、高圧直流ライン56の電圧Vを電圧計55から取得するとともに、バッテリー放電信号の状態を取得する。
【0072】
{S303}
バッテリー放電信号の状態がONであるかの確認と、電圧Vとバッテリー放電時電圧閾値Vthの比較を行う。バッテリー放電信号の状態がONであり、かつ、V<Vthの時は{S304}に進む。バッテリー放電信号の状態がOFFの時とV≧Vthの時は{S309}に進む。
【0073】
{S304}
開閉器設定状態部65への開信号の送信を停止し、電圧計67からバッテリー電圧Vbを取得する。
【0074】
{S305}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S305-1}に進む。Vb≦Vminの時は{S309}に進む。
【0075】
{S305-1}
開閉器状態判定部66にて開閉器64の状態を取得する。
【0076】
{S305-2}
開閉器64の状態が閉であるか否かの判定を行う。開閉器64の状態が閉の場合は{S306}に進む。開閉器64の状態が開の場合は{S302}に進む。
【0077】
{S306}
充放電制御部61へ放電信号を送信、グリッドボックスファンモータ用インバータ18へ駆動信号を送信し、バッテリー電圧Vbを取得する。
【0078】
{S307}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S305-1}に進む。Vb≦Vminの時は{S308}に進む。
【0079】
{S308}
グリッドボックスファンモータ用インバータ18への駆動信号の送信を停止する、又は、停止信号を送信し、充放電制御部61への放電信号の送信を停止する、又は、停止信号を送信する。
【0080】
{S309}
開閉器状態設定部65へ開信号を送信する。
【0081】
{S310}
一連の動作を終了し、再度{S301}から制御を開始する。
【0082】
パワーコントローラ51は、この{S301}~{S310}までの流れを車体の機能が開始してから停止するまで繰り返し行う。
【0083】
すなわち、本実施例3では、{S306}および{S308}が上述した実施例2の{S206}および{S208}と異なり、パワーコントローラ51は、開閉器状態判定部66が開閉器(放電用開閉器)64が閉と判定した時(のみ)に、充放電制御部61へ放電するように信号を送信するに当たって、グリッドボックスファンモータ用インバータ18へ駆動信号(つまり、グリッドボックスファンモータ54に電力を供給して駆動する信号)を送信する。
【0084】
以上のように本実施例を適用することにより、すなわち、開閉器状態判定部66が開閉器64が閉と判定したとき(のみ)にグリッドボックスファンモータ用インバータ(低圧電力変換装置)18へ補機であるグリッドボックスファンモータ54に電力を供給するように駆動信号を送信することにより、実施例2と同様の効果を得るとともに、グリッドボックスファンモータ用インバータ18で電力を消費する分、グリッドボックス抵抗53のみで電力を消費するよりも速い速度でバッテリー60の点検時や交換時にバッテリー60に蓄えられた電力を安全な領域まで低下させることができる。具体的には、グリッドボックス抵抗53の抵抗値をR、補機直流ライン57の電圧をVa、グリッドボックスファンモータ54で消費される電力をPm、グリッドボックス抵抗53のみで放電した際の放電にかかる時間をt1、本実施例を適用した際の放電にかかる時間をt2とすると、t2≒t1÷(1+Pm÷(Va^2÷R))となる。等号ではないのは、グリッドボックスファンモータ54で電力を消費する分、補機直流ライン57の電圧が変化するためである。
【0085】
[実施例4]
本実施例4では、上述した実施例1との共通点についての繰り返し説明は省略し、実施例1との相違点についてのみ説明する。
【0086】
図8を用いて、本実施例におけるダンプトラック100の機器構成を説明する。本実施例の機器の構成は上述した実施例1と同じであるが、メインコントローラ50にエンジン11の状態が入力される点が異なる。
【0087】
メインコントローラ50は、エンジン11の状態を受け取り、バッテリー放電信号と共にパワーコントローラ51へ渡す。すなわち、本実施例においてメインコントローラ50は、エンジン11の動作状態を検出するエンジン動作状態検出部として機能する。
【0088】
パワーコントローラ51は、高圧直流ライン56の電圧の判定を行う代わりにメインコントローラ50から受け取ったエンジン11の状態からエンジン11が停止しているか否かを判定するとともに、バッテリー放電信号が入力されているか否かを判定する。エンジン11が停止し、かつ、バッテリー放電信号が入力されていると判定した場合には、パワーコントローラ51は、開閉器状態設定部65へ閉信号を送信し、バッテリー電圧(電圧計67の検出値)を取得し、実施例1に記載しているような処理を実行する。
【0089】
[パワーコントローラにおけるバッテリーの放電制御]
図9を用いて、本実施例におけるパワーコントローラ51のバッテリー60の放電終了までの制御の流れを順に説明する。
【0090】
{S401}
本パワーコントローラ51の制御は、車体の起動と共に開始する。
【0091】
{S402}
エンジン11の状態を取得するとともに、バッテリー放電信号の状態を取得する。
【0092】
{S403}
バッテリー放電信号の状態がONであるかの確認と、エンジン11の状態が停止であるかの確認を行う。バッテリー放電信号の状態がONであり、かつ、エンジン11の状態が停止の時は{S404}に進む。バッテリー放電信号の状態がOFFの時とエンジン11の状態が稼働の時は{S409}に進む。
【0093】
{S404}
開閉器状態設定部65へ閉信号を送信し、電圧計67からバッテリー電圧Vbを取得する。
【0094】
{S405}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S406}に進む。Vb≦Vminの時は{S409}に進む。
【0095】
{S406}
充放電制御部61へ放電信号を送信し、バッテリー電圧Vbを取得する。
【0096】
{S407}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S406}に進む。Vb≦Vminの時は{S408}に進む。
【0097】
{S408}
充放電制御部61への放電信号の送信を停止する、又は、停止信号を送信する。
【0098】
{S409}
開閉器状態設定部65へ開信号を送信する。
【0099】
{S410}
一連の動作を終了し、再度{S401}から制御を開始する。
【0100】
パワーコントローラ51は、この{S401}~{S410}までの流れを車体の機能が開始してから停止するまで繰り返し行う。
【0101】
すなわち、本実施例4では、{S402}および{S403}が上述した実施例1の{S102}および{S103}と異なり、パワーコントローラ51は、電圧計55から取得した高圧直流ライン56の電圧の判定を行う代わりにメインコントローラ50から受け取ったエンジン11の状態からエンジン11が停止しているか否かを判定する。
【0102】
以上のように本実施例を適用することにより、すなわち、パワーコントローラ51が、メインコントローラ(エンジン動作状態検出部)50にて検出したエンジン11の動作状態を受信し、メインコントローラ(エンジン動作状態検出部)50にてエンジン11が稼働していると検出された時に、開閉器状態設定部65へ開閉器64を開に保つように信号を送信し、メインコントローラ(エンジン動作状態検出部)50にてエンジン11が停止していると検出された時に、開閉器状態設定部65へ開閉器64を閉に保つように信号を送信することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、本実施例は、実施例1と同様の処理を行わせたが、実施例2に記載した開閉器状態判定部66を備えた構成においても適用することができる。
【0103】
また、実施例1に記載した高圧直流ライン56の電圧Vの判定とエンジン11が停止しているか否かの判定を組み合わせてもよい。その場合には、電圧V<閾値Vth、かつ、エンジン11が停止、かつ、バッテリー放電信号=ONである場合に、バッテリー放電処理へと進む。これにより、例えば、高圧直流ライン56に備えられているキャバシタの容量が大きくエンジン11が停止していても高圧直流ライン56の電圧が下がりにくい場合でも、電圧Vでの判定を組み合わせることで、安全な電圧かを判定することができる。また、高圧直流ライン56の電圧Vが閾値Vth未満であったとしてもエンジン11が駆動している場合、エンジン制御や運転手操作により高圧直流ライン56の電圧Vが上昇し、作業者が感電する、バッテリー60が損傷するなどの危険性があるが、上記のように高圧直流ライン56の電圧Vの判定とエンジン11が停止しているか否かの判定を組み合わせることにより、危険性を回避することができる。
【0104】
[実施例5]
本実施例5では、上述した実施例1との共通点についての繰り返し説明は省略し、実施例1との相違点についてのみ説明する。
【0105】
図10を用いて、本実施例におけるダンプトラック100の機器構成を説明する。本実施例の機器の構成は上述した実施例1とほとんど同じであるが、グリッドボックス抵抗(抵抗器)53の陽極側に開閉器(走行モータ直流ライン開閉器)68を備えた点が異なる。
【0106】
グリッドボックス抵抗(抵抗器)53と高圧直流ライン56との間に介装された開閉器68は、開閉器状態設定部65を介してパワーコントローラ51により開閉状態を操作される。これにより、開閉器68は、グリッドボックス抵抗(抵抗器)53と高圧直流ライン56との電気的な接続を断接する。
【0107】
なお、本例では、パワーコントローラ51が、開閉器状態設定部65を介して開閉器68の開閉状態を制御しているが、たとえば直接開閉器68(の開閉状態)を制御してもよい。
【0108】
開閉器68は、ダンプトラック100が稼働している際は常に閉状態となり(つまり、パワーコントローラ51は、開閉器状態設定部65に開閉器68を閉状態にするような信号を送信し続け)、ダンプトラック100は、実施例1に記載した動作と同じ動きをする。ダンプトラック100が停止しており、バッテリー60を放電する条件が成立すると、パワーコントローラ51は、開閉器状態設定部65に開閉器68を開状態にするような信号を送信する。パワーコントローラ51からの信号を受信した開閉器状態設定部65は、開閉器68を開に切り替える、又は、開にしたままにする。これにより、グリッドボックス抵抗53は高圧直流ライン56から電気的に切り離された状態となる。なお、チョッパ16はパワーコントローラ51により操作され、バッテリー60を放電する条件が成立しているときにはチョッパ16は駆動しないようになっている。
【0109】
以上のように本実施例を適用することにより、すなわち、グリッドボックス抵抗(抵抗器)53と高圧直流ライン56との間に開閉器(高圧直流ライン開閉器)68を介装し、ダンプトラック100が稼働している時に開閉器68を常に閉状態とし(開閉器状態設定部65へ開閉器68を閉とするように信号を送信し)、ダンプトラック100が停止している時に開閉器68を開状態とする(開閉器状態設定部65へ開閉器68を開とするように信号を送信する)ことにより、グリッドボックス抵抗53の陽極側が高圧直流ライン56から切り離され、開閉器64を閉状態とした場合でも補機直流ライン57と高圧直流ライン56が電気的に切り離されるため、例えば誤作動によりエンジン11が駆動し、高圧直流ライン56の電圧が上昇した場合でも、補機直流ライン57に接続された複数の機器が損傷することを防ぐことができる。
【0110】
[実施例6]
本実施例6では、上述した実施例5との共通点についての繰り返し説明は省略し、実施例5との相違点についてのみ説明する。なお、
図11および以下の説明では、フレーム36に対して左側のホイストシリンダ33を33Lと表記し、フレーム36に対して右側のホイストシリンダ33を33Rと表記する。
【0111】
図11を用いて、本実施例におけるダンプトラック100の機器構成を説明する。本実施例では、上述した実施例5の構成に加え、エンジン11により駆動され、作動油タンク6(
図1)内の作動油を吸い込んでホイストシリンダ33L,33Rに油(油圧)を供給する油圧ポンプ73と、油圧ポンプ73からホイストシリンダ33L,33Rに供給される油の向きを制御するホイストバルブ72と、オペレータの操作に従いホイストバルブ72を切り替える信号をメインコントローラ50へ送信するホイストレバー71を備えている。
【0112】
次に、本実施例のダンプトラック100の動作について説明する。本実施例では、オペレータがホイストレバー71を操作することによりホイストバルブ72を切り替え、ホイストシリンダ33に供給される油の向きを変え、ボディ4を昇降させている。具体的には、ホイストシリンダ33のボトム側に油を供給するようにホイストバルブ72を切り替えることでホイストシリンダ33を伸ばし、ホイストシリンダ33に接続されるボディ4を持ち上げる。ボディ4を下げる際にはホイストシリンダ33のロッド側に油を供給するようにするか、ボトム側とロッド側、作動油タンク6(
図1)で油が行き来できるようにホイストバルブ72を切り替える。ロッド側に油を供給するようにした場合には、ボディ4を供給される油の流量の分だけ速く下げることができる。ボトム側とロッド側、作動油タンク6で油が行き来できるようにした場合には、ボディ4の重量によってボトム側から押し出された油がロッド側に供給されることによってボディ4を下げることができる。説明を簡便にするため、
図11では、ホイストバルブ72を、ホイストシリンダ33を伸長させてボディ4を持ち上げる上げ位置と、ホイストシリンダ33を縮小させてボディ4を下降させる下げ位置と、の2ポジションバルブとして扱うが、一般的なホイストバルブは、それらの切り替え位置以外に、ボディの自重によってホイストシリンダを縮小させてボディの自重落下を許す浮き位置と、バルブを閉じることにより油の供給・排出を停止してホイストシリンダの動きを止める中立位置とからなる4つの切り替え位置を有している場合が多い。このように、オペレータはホイストレバー71を操作することによりボディ4を昇降させている。ボディ4を昇降させる場合、一般的にダンプトラック100は停車した状態で行われる。その際、タイヤ(前輪7や後輪8)は図示しない機械式のブレーキにより固定されており、高圧直流ライン56からグリッドボックス抵抗53へ電流は流れていない。この時、オペレータの操作によりバッテリー放電信号がメインコントローラ50に入力されると、ホイストレバー操作状態とバッテリー放電信号の状態が、メインコントローラ50からパワーコントローラ51に送られる。すなわち、本実施例においてメインコントローラ50は、ホイストレバー操作状態、ひいてはフレーム36に昇降可能に連結されたボディ4の昇降状態を検出するボディ昇降状態検出部として機能する。
【0113】
パワーコントローラ51は、メインコントローラ50から受け取ったホイストレバー操作状態がボディ上げのとき、かつ、バッテリー放電信号がONの場合に、バッテリー60に蓄えられた電力をグリッドボックス抵抗53に放電する。バッテリー60から放電中にホイストレバー操作状態がボディ上げからそのほかの操作状態に変わった場合には、パワーコントローラ51は、バッテリー60からの放電を停止させる。
【0114】
[パワーコントローラにおけるバッテリーの放電制御]
次に、
図12を用いて、本実施例におけるパワーコントローラ51のバッテリー60の放電終了までの制御の流れを順に説明する。
【0115】
{S601}
本パワーコントローラ51の制御は、車体の起動と共に開始する。
【0116】
{S602}
ホイストレバー操作状態を取得するとともに、バッテリー放電信号の状態を取得する。
【0117】
{S603}
バッテリー放電信号の状態がONであるかの確認と、ホイストレバー操作状態がボディ上げであるかの確認を行う。バッテリー放電信号の状態がONであり、かつ、ホイストレバー操作状態がボディ上げの時は{S604}に進む。バッテリー放電信号の状態がOFFの時とホイストレバー操作状態がボディ上げ以外の時は{S609}に進む。
【0118】
{S604}
開閉器状態設定部65へ閉信号を送信し、電圧計67からバッテリー電圧Vbを取得する。
【0119】
{S605}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S606}に進む。Vb≦Vminの時は{S609}に進む。
【0120】
{S606}
充放電制御部61へ放電信号を送信し、バッテリー電圧Vb、ホイストレバー操作状態を取得する。
【0121】
{S606-1}
ホイストレバー操作状態がボディ上げであるかの判定を行う。正の時は{S607}に進む。否の時は{S608}に進む。
【0122】
{S607}
バッテリー電圧Vbとバッテリー最低電圧Vminの比較を行う。Vb>Vminの時は{S606}に進む。Vb≦Vminの時は{S608}に進む。
【0123】
{S608}
充放電制御部61への放電信号の送信を停止する、又は、停止信号を送信する。
【0124】
{S609}
開閉器状態設定部65へ開信号を送信する。
【0125】
{S610}
一連の動作を終了し、再度{S601}から制御を開始する。
【0126】
パワーコントローラ51は、この{S601}~{S610}までの流れを車体の機能が開始してから停止するまで繰り返し行う。
【0127】
上記フローチャートにおいて開閉器状態設定部65は、パワーコントローラ51から閉信号を受け取ると開閉器68を開き、開閉器64を閉じるように動作し、パワーコントローラ51から開信号を受け取ると開閉器64を開き、開閉器68を閉じるように動作する。
【0128】
以上のように本実施例を適用することにより、すなわち、メインコントローラ(ボディ昇降状態検出部)50にてボディ上げと検出された時に、開閉器状態設定部65へ開閉器64を閉に保つように信号を送信し、バッテリー60に蓄えられた電力をグリッドボックス抵抗(抵抗器)53に放電し、メインコントローラ(ボディ昇降状態検出部)50にてボディ上げ以外と検出された時に、開閉器状態設定部65へ開閉器64を開に保つように信号を送信し、バッテリー60からの放電を停止することにより、ボディ4を昇降させている間にバッテリー60に蓄えられた電力をグリッドボックス抵抗53で消費することができる。一般的にボディ4を昇降させている間はダンプトラック100は走行を行うことはなく、エンジン11のみが回転している状態となる。このようなときにバッテリー60に蓄えられた電力をグリッドボックス抵抗53で消費することにより、実稼働の途中でバッテリー60のメモリ効果を打ち消すことができ、バッテリー60の放電に必要な時間を削減することができる。
【0129】
本実施例では、バッテリー放電の条件としてホイストレバー操作状態を使用したが、ボディ4が上がっていることがわかればそのほかの情報を使用してもよい。例えば、ボディ4とフレーム36との接触を検知するセンサの信号であったり、ボディ4とフレーム36との回転角センサの信号を使用してもよい。
【0130】
また、本実施例においては、グリッドボックスファンモータ用インバータ18を駆動し、グリッドボックス冷却ブロワ23のグリッドボックスファンモータ54で電力を消費したが、電力を消費する補機としてはこれに限るものではない。例えば、走行モータ10を冷却するための走行モータ冷却ブロワ28や、発電機(主発電機12、補助発電機13)を冷却するための発電機冷却ブロワ22、減速機冷却油を循環させるための減速機冷却油ポンプ29といった補機直流ライン57に接続されるその他の機器で電力を消費してもよい。
【0131】
また、上述した実施例においては、バッテリー放電システムを備えた鉱山向けダンプトラックを例示したが、本発明は、ダンプトラックのほかに、ホイールローダやフォークリフト等の様々な作業車両に適用できる。
【0132】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0133】
また、上述した実施例のコントローラの各機能は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計することによりハードウェアで実現してもよい。また、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0134】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1 コントロールキャビネット
2 キャブ
3 グリッドボックス
4 ボディ
5 燃料タンク
6 作動油タンク
7 前輪
8 後輪(駆動輪)
9 減速機
10 走行モータ(走行用電動モータ)
11 エンジン
12 主発電機
13 補助発電機
15 走行モータ用インバータ(高圧側電力変換装置)
16 チョッパ
17 補助発電機用ダイオードブリッジ
18 グリッドボックスファンモータ用インバータ(低圧側電力変換装置)
19 グリッドボックスファン
21 主発電機用ダイオードブリッジ
22 発電機冷却ブロワ
23 グリッドボックス冷却ブロワ
28 走行モータ冷却ブロワ
29 減速機冷却油ポンプ
33 ホイストシリンダ
36 フレーム
37 ラダー
38 デッキ
50 メインコントローラ(エンジン動作状態検出部、ボディ昇降状態検出部)
51 パワーコントローラ(コントローラ)
53 グリッドボックス抵抗(抵抗器)
54 グリッドボックスファンモータ(補機)
55 電圧計
56 高圧直流ライン(走行モータ直流ライン)
57 補機直流ライン
60 バッテリー
61 充放電制御部
62 低圧側バイパスライン
63 高圧側バイパスライン
64 開閉器(放電用開閉器)
65 開閉器状態設定部
66 開閉器状態判定部
67 電圧計
68 開閉器(走行モータ直流ライン開閉器)
69 放電用直流ライン
71 ホイストレバー
72 ホイストバルブ
73 油圧ポンプ
100 ダンプトラック(車両)