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特許7169969液体レンズ駆動電圧制御回路及びこれを含むカメラモジュール及び光学機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】液体レンズ駆動電圧制御回路及びこれを含むカメラモジュール及び光学機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/14 20060101AFI20221104BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20221104BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20221104BHJP
【FI】
G02B3/14
G02B7/08 C
G02B7/02 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019522989
(86)(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2017012153
(87)【国際公開番号】W WO2018080279
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】10-2016-0143884
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0025631
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヨンソプ
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0153208(US,A1)
【文献】特開2011-242542(JP,A)
【文献】米国特許第07898302(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0026596(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0211262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/14
G02B 7/08
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結される、液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項2】
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記複数の個別電極のそれぞれは、前記液体レンズの互いに異なる方向に配置された各個別端子に対応する、
請求項1に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項3】
前記複数の個別電極は4個であり、前記複数の第3スイッチは4個である、請求項2に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項4】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結され、
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第4スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第5スイッチと、
第4スイッチと第5スイッチのいずれか一つを選択する第6スイッチとをさらに含み、
前記第6スイッチは前記共通電極と連結され、
前記第4スイッチ及び第5スイッチは前記第6スイッチと連結される液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項5】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結され、
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記第1スイッチは前記複数の個別電極に共通して配置され、前記第3スイッチに含まれたスイッチ素子は前記複数の個別電極ごとに独立的に配置される、液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項6】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結され、
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記第2スイッチは前記複数の個別電極に共通して連結される、液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項7】
前記第3スイッチ及び第6スイッチに含まれたスイッチ素子の個数は前記個別電極及び前記共通電極の数の2倍である、請求項4に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項8】
前記第3スイッチは、
前記個別電極ごとに個別的に連結され、前記第1電圧を選択的に伝達する複数の第1スイッチ素子と、
前記個別電極ごとに個別的に連結され、前記第2電圧を選択的に伝達する複数の第2スイッチとを含む、請求項4に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項9】
前記液体レンズは4個の個別電極と一つの共通電極を含み、前記第1スイッチ~第6スイッチに含まれたスイッチ素子の和は18個である、請求項4に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項10】
前記液体レンズは、
伝導性液体と非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレートと、
前記第1プレート上に配置される第1電極と、
前記第1プレートの下に配置され、複数の電極セクターを含む第2電極と、
前記第1電極上に配置される第2プレートと、
前記第2電極の下に配置される第3プレートとを含む、請求項2~9のいずれか一項に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項11】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結され、
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記第2電圧発生器は、前記第1電圧発生器から前記第1電圧を受信した後、極性を変えて出力するチャージポンプを含む、液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項12】
前記第1電圧は陽極を有し、前記第2電圧発生器は前記第1電圧発生器と独立的に前記第1電圧と同じ大きさの陰極の前記第2電圧を出力する、請求項2~10のいずれか一項に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項13】
前記液体レンズは4個又は8個の個別電極と1個の共通電極を含む、請求項2に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項14】
前記第1スイッチは、
前記複数の第3スイッチに共通して連結された第1接点と前記第1電圧を伝達する配線との間に配置された第3スイッチ素子と、
前記第1接点と前記グラウンド電圧を伝達する配線との間に連結された第4スイッチ素子とを含む、請求項1~10及び請求項12のいずれか一項に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項15】
前記第2スイッチは、
前記複数の第3スイッチに共通して連結された第2接点と前記第2電圧を伝達する配線との間に連結された第5スイッチ素子と、
前記第2接点と前記グラウンド電圧を伝達する配線との間に連結された第6スイッチ素子とを含む、請求項14に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項16】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結され、
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第4スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第5スイッチと、
第4スイッチと第5スイッチのいずれか一つを選択する第6スイッチとをさらに含み、
前記第6スイッチは前記共通電極と連結され、
前記第4スイッチ及び第5スイッチは前記第6スイッチと連結され、
前記第4スイッチは、
前記第1電圧を伝達する配線と前記第6スイッチとの間に連結された第7スイッチと、
前記第7スイッチ前記第6スイッチ間の第3接点と前記グラウンド電圧を伝達する配線との間に連結された第8スイッチ素子とを含む、液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項17】
前記第5スイッチは、
前記第6スイッチと前記第2電圧を伝達する配線との間に連結された第9スイッチ素子と、
前記第9スイッチ素子と前記第6スイッチ間の第4接点と前記グラウンド電圧を伝達する配線との間に連結された第10スイッチ素子とを含む、請求項16に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項18】
第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、
前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、
前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結され、
共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、前記第2電圧又は前記グラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、
前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結され、
前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第4スイッチと、
前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第5スイッチと、
第4スイッチと第5スイッチのいずれか一つを選択する第6スイッチとをさらに含み、
前記第6スイッチは前記共通電極と連結され、
前記第4スイッチ及び第5スイッチは前記第6スイッチと連結され
前記第1~6スイッチのスイッチング動作を制御し、前記複数の個別電極の一つと前記共通電極に極性が互いに反対の電圧を印加する、液体レンズ駆動電圧制御回路。
【請求項19】
液体レンズ、及び液体レンズの前面又は後面の少なくとも1ヶ所に配置された少なくとも1個の体レンズを含むレンズアセンブリーと、
前記レンズアセンブリーを介して伝達される光信号を電気信号に変換するイメージセンサーと、
前記液体レンズに駆動電圧を供給する請求項1~18のいずれか一項に記載の液体レンズ駆動電圧制御回路とを含む、カメラモジュール。
【請求項20】
請求項19に記載のカメラモジュールを含む、光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体レンズ駆動電圧制御回路及びこれを含むカメラモジュール及び光学機器に関する。より具体的に、本発明は電気エネルギーを用いて焦点距離を調整することができる液体レンズを制御するための制御モジュール又は制御装置を含むカメラモジュール及び光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用装置の使用者は高解像度を有しながらもサイズが小さくて多様な撮影機能(例えば、オートフォーカシング(Auto-Focusing、AF)機能、手ぶれ補正又はオプティカルイメージスタビライゼーション(Optical Image Stabilizer、OIS)機能など)を有する光学機器を要求している。このような撮影機能は多数のレンズを組み合わせて直接レンズを動かす方法で具現することができるが、レンズの数を増加させる場合、光学機器のサイズが大きくなることがある。オートフォーカス機能及び手ぶれ補正機能は、レンズホルダーに固定されて光軸が整列された多数のレンズモジュールが、光軸方向に又は光軸に垂直な方向に移動するかチルト(Tilting)することによって行い、レンズモジュールを駆動させるために別途のレンズ駆動装置が使われる。しかし、レンズ駆動装置は電力消耗が高く、総厚さが厚くなる。したがって、両液体間の界面の曲率を電気的に調節してオートフォーカシングと手ぶれ補正の機能を行う液体レンズに対する研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、電気エネルギーを用いて焦点距離を調整することができるレンズを含むカメラモジュールにおいてレンズを駆動するための電圧を、スイッチング回路と負電圧(negative voltage)を用いて低電圧でも生成することができるので、レンズを制御する集積回路の大きさを減らすことができる。
【0004】
また、本発明は、焦点距離を調整することができるレンズの複数の端子に低電圧を供給しても共通電極に正電圧(positive voltage)及び負電圧(negative voltage)を交互に供給しながら、レンズを駆動するための高電圧を生成することができる。
【0005】
また、本発明は、焦点距離を調整することができるレンズの駆動電圧を制御するために、フローティング(floating)を用いて共通端子と複数の端子に提供される電圧のパルスより細密に制御することができるので、レンズ制御の分解能(resolution)と範囲(range)を高めることができる。
【0006】
また、本発明は、携帯用装置に適用され、共通端子と複数の端子の間に印加される駆動電圧に対応して焦点距離を調整するレンズを制御する回路がグラウンド電圧(ground voltage)を電源電圧として使うことにより、回路及びカメラモジュールの電力消耗を減らすことができる。
【0007】
また、本発明は、液体レンズを搭載した携帯用装置において、液体レンズを制御、駆動するための制御回路に含まれるスイッチング素子の数を減らすことにより、制御回路の大きさを減らし、製造コスト及び電力消耗を減らすことができる。
【0008】
本発明が達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及しなかった他の技術的課題は下記の記載から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による駆動電圧制御回路は、第1電圧を出力する第1電圧発生器と、
前記第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器と、前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第1スイッチと、前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択して伝達する第2スイッチと、前記第1スイッチで選択された電圧と前記第2スイッチで選択された電圧のいずれか一つを選択して伝達する第3スイッチとを含み、前記第3スイッチは複数であり、前記第1スイッチは複数の第3スイッチに共通して連結されることができる。
【0010】
また、駆動電圧回路は、共通電極及び複数の個別電極を含み、前記共通電極又は個別電極に前記第1電圧、第2電圧又はグラウンド電圧が印加されることによって焦点距離が調節される液体レンズと連動し、前記複数の第3スイッチのそれぞれは前記複数の個別電極のそれぞれに連結されることができる。
【0011】
また、前記複数の個別電極は4個であってもよく、前記複数の第3スイッチは4個であってもよい。
【0012】
また、駆動電圧回路は、前記第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第4スイッチと、前記第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを選択する第5スイッチと、第4スイッチと第5スイッチのいずれか一つを選択する第6スイッチとをさらに含み、前記第6スイッチは前記共通電極と連結され、前記第4スイッチ及び第5スイッチは前記第6スイッチと連結されることができる。
【0013】
また、前記第2電圧発生器は、前記第1電圧発生器から前記第1電圧を受信した後、極性を変えて出力するチャージポンプを含むことができる。
【0014】
また、前記第1電圧は陽極を有し、前記第2電圧発生器は前記第1電圧発生器と独立的に前記第1電圧と大きさの同一である陰極の前記第2電圧を出力することができる。
【0015】
また、前記第1スイッチング部は前記複数の個別電極に共通して配置されることができ、前記第3スイッチに含まれたスイッチ素子は前記複数の個別電極ごとに独立的に配置されることができる。
【0016】
また、前記第2スイッチは前記複数の個別電極に共通して配置されることができる。
【0017】
また、前記液体レンズは4個又は8個の個別電極と一つの共通電極を含むことができる。
【0018】
また、前記第3スイッチ及び第6スイッチ含まれたスイッチ素子の個数は前記個別電極及び前記共通電極の数の2倍であってもよい。
【0019】
また、前記第3スイッチング部は、前記個別電極ごとに個別的に連結され、前記第1電圧を選択的に伝達する複数の第1スイッチ素子と、前記個別電極ごとに個別的に連結され、前記第2電圧を選択的に伝達する複数の第2スイッチ素子とを含むことができる。
【0020】
また、前記液体レンズは4個の個別電極と一つの共通電極を含み、前記第1スイッチ~第6スイッチに含まれたスイッチ素子の和は18個であってもよい。
【0021】
また、前記液体レンズは、伝導性液体と非伝導性液体が配置されるキャビティを含む第1プレートと、前記第1プレート上に配置される第1電極と、前記第1プレートの下に配置され、複数の電極セクターを含む第2電極と、前記第1電極上に配置される第2プレートと、前記第2電極の下に配置される第3プレートとを含むことができる。
【0022】
前記本発明の様態は本発明の好適な実試例の一部に過ぎなく、本発明の技術的特徴が反映された多様な実施例が当該技術分野の通常の知識を有する者によって以下で詳述する本発明の詳細な説明から導出されて理解されることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による液体レンズ駆動電圧制御回路、これを含むカメラモジュール及び光学機器の効果について説明すれば次のようである。
【0024】
本発明は、焦点距離を調整することができるレンズの駆動電圧を負電圧(negative voltage)を用いて生成することにより、レンズを制御する集積回路を構成する素子の設計をより小さくすることができる。
【0025】
また、本発明は、焦点距離を調整することができるレンズを制御する供給電圧を生成する回路の大きさを減らし、低仕様の制御回路によっても分解能と範囲を確保することができるので、生産性を高め、製造コストを低くすることができる。
【0026】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】電気エネルギーを用いて焦点距離を調整することができるレンズを制御する方法の問題点を説明する図である。
図2】カメラモジュールの例を説明する図である。
図3】カメラモジュールに含まれたレンズアセンブリーの例を説明する図である。
図4】駆動電圧に対応して焦点距離を調整するレンズを説明する図である。
図5】制御回路の第1例を説明する図である。
図6】制御回路の第2例を説明する図である。
図7】液体レンズの構造を説明する図である。
図8】カメラ装置内のレンズを制御する第1方法を説明する図である。
図9】カメラ装置内のレンズを制御する第2方法を説明する図である。
図10】第1レンズの第1動作モードを説明する図である。
図11】第1レンズの第2動作モードを説明する図である。
図12】第1レンズの第3動作モードを説明する図である。
図13】第1レンズの第4動作モードを説明する図である。
図14】第1レンズの第5動作モードを説明する図である。
図15】第1レンズの第6動作モードを説明する図である。
図16】制御回路の第3例を説明する図である。
図17】制御回路の第4例を説明する図である。
図18】制御回路の第5例を説明する図である。
図19図18に示した制御回路の第1動作例を説明する図である。
図20図18に示した制御回路の第2動作例を説明する図である。
図21】制御回路の第6例を説明する図である。
図22】制御回路の第7例を説明する図である。
図23】制御回路の第8例を説明する図である。
図24図23に示した制御回路の第1動作例を説明する図である。
図25図23に示した制御回路の第2動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて実施例を詳細に説明する。実施例は多様に変更可能であり、さまざまな形態を有することができるが、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、実施例の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0029】
“第1”、“第2”などの用語は多様な構成要素を説明するのに使えるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。また、実施例の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は実施例を説明するためのものであるだけ、実施例の範囲を限定するものではない。
【0030】
実施例の説明において、各要素(element)の“上又は下(on or under)”に形成されるものとして記載される場合、上又は下(on or under)は二つの要素(element)が互いに直接(directly)接触するかあるいは一つ以上の他の要素(element)が前記二つの要素(element)の間に配置されて(indirectly)形成されるものを全て含む。また“上又は下(on or under)”と表現される場合、一つの要素(element)を基準に上方のみでなく下方の意味も含むことができる。
【0031】
また、以下に使われる“上/上部/上の”及び“下/下部/下の”などの関係的用語は、そのような実体又は要素間のある物理的又は論理的関係又は手順を必ず要求するか内包しなく、ある一つの実体又は要素を他の実体又は要素と区別するためにのみ用いることもできる。
【0032】
図1は電気エネルギーを用いて焦点距離を調整することができるレンズを制御する方法の問題点を説明する。具体的に、(a)はレンズに駆動電圧を印加する制御回路を説明し、(b)はレンズに駆動電圧を印加する方法を説明する。
【0033】
まず、(a)を参照すると、制御回路は、供給電圧VINを入力されて電圧レベルを増加させる電圧ブースター12、電圧ブースター12の出力を安定させるための電圧安定部14、及びレンズ10に電圧ブースター12の出力を選択的に供給するためのスイッチング部16を含むことができる。
【0034】
ここで、スイッチング部16は、通常的にHブリッジ(H Bridge)と呼ばれる回路の構成を含んでいる。電圧ブースター12から出力された高電圧がスイッチング部16の電源電圧に印加される。スイッチング部16は印加される電源電圧とグラウンド電圧(ground voltage)を選択的にレンズ10の両端に供給することができる。
【0035】
図1の(b)を参照すると、レンズ10の両端、すなわち共通端子C0と個別端子L1にパルス状電圧が印加されることができる。パルス状電圧は既設定の幅を有することができる。レンズ10に印加される駆動電圧Vopは共通端子C0に供給される電圧と個別端子L1に供給される電圧の差である。したがって、同じレベルの電圧が共通端子C0と個別端子L1に印加される場合、0Vの駆動電圧Vopが印加されたものと見なすことができる。(b)を参照すると、個別端子L1と同一の電圧が共通端子C0を介して印加されても、個別端子L1に印加される電圧の時間、時点が変わることによってパルス幅を有する駆動電圧Vop1、Vop2がレンズ10の両端に印加されるものと見なすことができる。
【0036】
ここで、電圧ブースター12から出力される動作電圧は約70Vのレベルを有することができる。この場合、スイッチング部16に含まれる素子なども70Vのレベルの高電圧で駆動可能でなければならない。高電圧で駆動可能でなければならない素子は小型化しにくい。高電圧で駆動可能な素子は降伏電圧(breakdown voltage)、活性状態抵抗(specific on-resistance)、安全動作領域(Safe Operating Area、SOA)、最大順方向電圧(maximum forward voltage)などの特性を満たさなければならない。高電圧で動作する素子をあまりにも小さくする場合、トランジスタのような素子はスイッチング、増幅などの機能を果たすことができないことがあり得る。このような理由で、レンズ10の駆動電圧を供給する制御回路を小型化するのに難しさがあり、生産性が落ちてコストが上昇する問題が発生し得る。
【0037】
図2はカメラモジュールの例を説明する。
【0038】
図示のように、カメラモジュールは、レンズアセンブリー22及びイメージセンサーを含むことができる。レンズアセンブリー22は、印加される電圧に対応して焦点距離を調整する液体レンズを含むことができる。カメラモジュールは、共通端子と複数の個別端子の間に印加される駆動電圧に対応して焦点距離を調整する第1レンズを含む複数のレンズを含むレンズアセンブリー22、第1レンズに駆動電圧を供給するための制御回路24、及びレンズアセンブリー22に整列され、レンズアセンブリー22を介して伝達される光を電気信号に変換するイメージセンサー26を含むことができる。
【0039】
図2を参照すると、カメラモジュールは、一つのプリント基板(PCB)上に形成された回路24、26と複数のレンズを含むレンズアセンブリー22を含むことができるが、これは一例に過ぎないもので、発明の範囲を限定しない。制御回路24の構成はカメラモジュール又は装置に要求される仕様によって違って設計されることができる。特に、レンズアセンブリー22に印加される動作電圧の大きさを減らす場合、制御回路24は単一チップ(single chip)から具現されることができる。これにより、携帯用装置に搭載されるカメラモジュール又は装置の大きさをもっと減らすことができる。
【0040】
図3はカメラモジュールに含まれたレンズアセンブリー22の例を説明する。
【0041】
図示のように、レンズアセンブリー22は、第1レンズ部100、第2レンズ部200、液体レンズ部300、レンズホルダー400及び連結端500を含むことができる。図示したレンズアセンブリー22の構造は一例に過ぎず、カメラモジュール又は装置に要求される仕様によってレンズアセンブリー22の構造が変わることができる。例えば、図示の例では液体レンズ部300が第1レンズ部100と第2レンズ部200の間に位置しているが、他の例では液体レンズ部300が第1レンズ部100より上部(前面)に位置することもでき、第1レンズ部100又は第2レンズ部200のいずれか一つは省略することもできる。
【0042】
図3を参照すると、第1レンズ部100はレンズアセンブリーの前方に配置され、レンズアセンブリーの外部から光が入射する部位である。第1レンズ部100は少なくとも一つのレンズを備えることができ、あるいは2個以上の複数のレンズが中心軸PLを基準に整列されて光学系をなすこともできる。
【0043】
第1レンズ部100及び第2レンズ部200はレンズホルダー400に装着されることができる。ここで、レンズホルダー400には貫通孔が形成され、貫通孔に第1レンズ部100及び第2レンズ部200が配置されることができる。また、レンズホルダー400に配置される第1レンズ部100と第2レンズ部200間の空間には液体レンズ部300が挿入されることができる。
【0044】
一方、第1レンズ部100は、露出レンズ110を含むことができる。露出レンズ110はレンズホルダー400の外部に突出して外部に露出されることができるレンズを言う。露出レンズ110は外部に露出されることによってレンズの表面が損傷されることがある。仮に、レンズの表面が損傷される場合、カメラモジュールで撮影されるイメージの画質が低下することがある。露出レンズ110の表面損傷を防止又は抑制するために、カバーガラスを配置するかコーティング層を形成するか露出レンズ110を表面損傷の防止のための耐磨耗性素材から構成する方法などを適用することができる。措置が必要であり得る。
【0045】
第2レンズ部200は第1レンズ部100及び液体レンズ部300の後方に配置され、外部から第1レンズ部100に入射する光は液体レンズ部300を透過して第2レンズ部200に入射することができる。第2レンズ部200は第1レンズ部100から離隔し、レンズホルダー400に形成された貫通孔に配置されることができる。
【0046】
一方、第2レンズ部200は少なくとも一つのレンズを備えることができ、2個以上の複数のレンズを含む場合、中心軸PLを基準に整列されて光学系をなすこともできる。
【0047】
液体レンズ部300は第1レンズ部100と第2レンズ部200の間に配置され、レンズホルダー400の挿入口410に挿入されることができる。挿入口410はレンズホルダーの側面の一部領域が開放して形成されることができる。すなわち、液体レンズはホルダーの側面の挿入口410を通して挿入されて配置されることができる。液体レンズ部300も第1レンズ部100及び第2レンズ部200と同様に中心軸PLを基準に整列されることができる。
【0048】
液体レンズ部300はレンズ領域310を含むことができる。レンズ領域310は第1レンズ部100を通過した光が透過する部位であり、少なくとも一部に液体を含むことができる。例えば、レンズ領域310は2種、すなわち導電性液体と非導電性液体をともに含むことができ、導電性液体と非導電性液体は互いに混じらないで境界面を成すことができる。連結端500を介して印加される駆動電圧によって導電性液体と非導電性液体間の境界面が変形して液体レンズ部300の曲率、つまり焦点距離が変更されることができる。このような境界面の変形又は曲率を制御すれば、液体レンズ部300とこれを含むレンズアセンブリー及びカメラモジュール又は装置はオートフォーカシング機能、手ぶれ補正機能などを果たすことができる。
【0049】
図4は駆動電圧に対応して焦点距離を調整するレンズを説明する。具体的に、(a)はレンズアセンブリー22(図3参照)に含まれた液体レンズ28を説明し、(b)は液体レンズ28の等価回路を説明する。
【0050】
まず、(a)を参照すると、駆動電圧に対応して焦点距離を調整するレンズ28は個別端子L1、L2、L3、L4を介して動作電圧を受けることができる。個別端子はそれぞれ同じ距離を有することができ、互いに異なる方向に配置された4個の個別端子を含むことができる。個別端子L1、L2、L3、L4を介して動作電圧が印加されれば、印加された動作電圧は後述する共通端子C0に印加される電圧と相互作用して、レンズ領域310に配置された導電性液体と非導電性液体間の境界面を変形することができる。
【0051】
また、(b)を参照すると、レンズ28の一側は互いに異なる個別端子L1、L2、L3、L4から動作電圧を受け、他側は共通端子C0と連結された複数のキャパシター30であると説明することができる。ここで、等価回路に含まれた複数のキャパシター30は約200ピコファラッド(pF)水準の小さなキャパシタンスを有することができる。
【0052】
図5は制御回路の第1例を説明する。ここで、制御回路は駆動電圧に対応して焦点距離を調整するレンズ28(図4参照)に動作電圧を印加するための回路である。等価回路を用いて説明すれば、レンズ28は複数のキャパシター30を含むものであると説明することができ、それぞれのキャパシター30に動作電圧を供給する個別端子L1、L2、L3、L4は独立的に制御が可能である。以下では、説明の便宜のために、制御回路の説明において一つの個別端子に連結された一つのキャパシター30を例として説明する。
【0053】
図示のように、制御回路は、個別端子制御部34及び共通端子制御部36を含むことができる。個別端子制御部34及び共通端子制御部36はグラウンド電圧(ground voltage)と電圧ブースター32からの駆動電圧の1/2の大きさを有する動作電圧を受けることができる。本明細書上のグラウンド電圧(ground voltage)は制御回路において基準電位であってもよく、グラウンド電圧は制御回路の基準電圧であってもよい。個別端子制御部34は、キャパシター30の個別端子に正電圧(positive voltage)と負電圧(negative voltage)の形態で動作電圧を供給することができ、共通端子制御部36はキャパシター30の共通端子に正電圧(positive voltage)と負電圧(negative voltage)の形態で動作電圧を供給することができる。個別端子制御部34は、グラウンド電圧、基準電位又は基準電圧を0Vであると見なすとき、個別端子に正電圧(positive voltage)と負電圧(negative voltage)の形態で動作電圧を供給することができ、共通端子制御部36はキャパシター30の共通端子に正電圧(positive voltage)と負電圧(negative voltage)の形態で動作電圧を供給することができる。個別端子制御部34及び共通端子制御部36は実質的に同一の構成を有することができる。以下では、個別端子制御部34をより具体的に説明する。
【0054】
個別端子制御部34は、電圧ブースター32から提供される動作電圧を負電圧の形態に調整するための電荷ポンプ46を含むことができる。また、個別端子制御部34は、複数のスイッチを含むスイッチング部を含むことができる。スイッチング部は、グラウンド電圧と動作電圧のいずれか一つを選択するための第1スイッチ42、電荷ポンプ46の出力とグラウンド電圧のいずれか一つを選択するための第2スイッチ48、及び第1スイッチ42と第2スイッチ48の出力のいずれか一つを選択してキャパシター30の個別端子に印加する第3スイッチ44を含むことができる。ここで、第1スイッチ42、第2スイッチ48及び第3スイッチ44は少なくとも一つのトランジスタを含むことができる。また、各スイッチは二つのトランジスタを含むことができる。
【0055】
一方、個別端子制御部34内の第1スイッチ42と第2スイッチ48はグラウンド電圧をさらに他の入力端と見なし、キャパシター30の個別端子又は共通端子に印加される動作電圧を決定することができる。
【0056】
また、制御回路は、供給電圧VINを動作電圧の大きさに変換する電圧ブースター(booster)32をさらに含むことができる。例えば、電圧ブースター32に入力される供給電圧は2.5~3.0Vのレベルを有し、電圧ブースター32が出力する動作電圧は30~40Vのレベルを有することができる。ここで、電圧ブースター32に入力される供給電圧はカメラモジュール又は装置が搭載された携帯用装置又は光学機器の動作電圧であってもよい。
【0057】
一方、個別端子制御部34及び共通端子制御部36は、液体レンズ28を駆動しないうちに液体レンズ28を制御するための制御部34、36の一部にグラウンド電圧を伝達することができる。これは、電圧ブースター32の出力である高電圧が使われないうちに制御部34、36に印加される場合に比べて電力消耗の増加を減らすことができる。
【0058】
図6は制御回路の第2例を説明する。
【0059】
図示のように、供給電圧VINを受けて動作電圧を出力する電圧ブースター32に連結される制御回路はキャパシター30の個別端子に印加される電圧を制御することができる。
【0060】
制御回路は、電圧ブースター32の出力を安定させるための第1電圧安定部52を含むことができる。また、電圧ブースター32の出力は第1電荷ポンプ(charge pump)46に伝達することができる。第1電荷ポンプ46は、グラウンド電圧を選択的に伝達する第1素子、動作電圧を選択的に伝達する第2素子、及び第1素子及び第2素子出力とスイッチング部の間に位置する第1キャパシターを含むことができる。ここで、第1素子及び第2素子はトランジスタから具現されることができる。
【0061】
一方、グラウンド電圧と動作電圧のいずれか一つを選択するための第1スイッチ42は、グラウンド電圧を選択的に伝達するための第3素子、及び動作電圧を選択的に伝達するための第4素子を含むことができる。
【0062】
また、第1電荷ポンプ46の出力とグラウンド電圧のいずれか一つを選択するための第2スイッチ48は、第1電荷ポンプ46の出力を選択的に伝達するための第5素子、及びグラウンド電圧を選択的に伝達するための第6素子を含むことができる。
【0063】
これにより、第1スイッチ42と第2スイッチ48はいずれも選択的にグラウンド電圧を伝達することができる。キャパシター30の一側に印加される動作電圧として、第1スイッチ42と第2スイッチ48はいずれもグラウンド電圧を伝達することができるから、仮に二つのうち一方が動作電圧を伝達する場合、他方はグラウンド電圧と連結されることができるので、正電圧又は負電圧の形態の動作電圧が印加されることができる。液体レンズの界面に対応するキャパシター30は動作電圧の絶対値に対応して動作し、正電圧又は負電圧の形態の極性は界面の動きに影響を与えないことができる。
【0064】
また、第1スイッチ42と第2スイッチ48の出力のいずれか一つを選択してキャパシター30の個別端子に印加する第3スイッチ44は、第1スイッチ42の出力を選択的に伝達するための第7素子、及び第2スイッチ48の出力を選択的に伝達するための第8素子を含むことができる。
【0065】
また、制御回路は、共通端子制御部36を含むことができる。共通端子制御部36は、第2電圧安定部54、第2電荷ポンプ66、第4スイッチ62、第5スイッチ68、及び第6スイッチ64を含むことができる。ここで、第2電圧安定部54は第1電圧安定部54と同じ構成を有し、第2電荷ポンプ66は第1電荷ポンプ46と同じ構成を有することができる。また、第4スイッチ62は第1スイッチ42と同じ構成を有し、第5スイッチ68は第2スイッチ48と同じ構成を有し、第6スイッチ64は第3スイッチ44と同じ構成を有することができる。
【0066】
図7は液体レンズの構造を説明する。
【0067】
図示のように、液体レンズ28は、液体、第1プレート及び電極を含むことができる。液体レンズ28に含まれる液体122、124は伝導性液体及び非伝導性液体を含むことができる。第1プレートは、伝導性液体及び非伝導性液体が配置されるキャビティ(cavity)150を含むことができる。キャビティ150は、傾斜面を含むことができる。電極132、134は第1プレート114上に配置されることができ、第1プレート114の上部又は第1プレート114の下部に配置されることができる。液体レンズ28は、電極132、134の上部(下部)に配置されることができる第2プレート112をさらに含むことができる。また、液体レンズ28は、電極132、134の下部(上部)に配置されることができる第3プレート116をさらに含むことができる。図示したように、液体レンズ28の一実施例は、互いに異なる2種の液体122、124がなす界面130を含むことができる。また、液体レンズ28に電圧を供給する少なくとも一つの基板142、144を含むことができる。液体レンズ28の縁部は液体レンズ28の中心部より厚さが薄くても良い。
【0068】
液体レンズ28は相異なる2種の液体、例えば伝導性液体122と非伝導性液体124を含み、2種の液体がなす界面130の曲率又は形状は液体レンズ28に供給される駆動電圧によって調整することができる。液体レンズ28に供給される駆動電圧は第1基板142及び第2基板144を介して伝達されることができる。第2基板144は互いに区別される4個の個別駆動電圧を伝達することができ、第1基板142は一つの共通電圧を伝達することができる。第2基板144と第1基板142を介して供給される電圧は液体レンズ28の各エッジ部に露出される複数の電極134、132に印加されることができる。
【0069】
また、液体レンズ28は、透明な素材を含む第3プレート116、第2プレート112、及び第3プレート116と第2プレート112の間に位置し、既設定の傾斜面を有する開口領域を含む第1プレート114を含むことができる。
【0070】
また、液体レンズ28は、第3プレート116、第2プレート112及び第1プレート114の開口領域によって決定されるキャビティ150を含むことができる。ここで、キャビティ150は互いに異なる性質(例えば、伝導性液体及び非伝導性液体)の2種の液体122、124が充填されることができ、互いに異なる性質の2種の液体122、124の間には界面130が形成されることができる。
【0071】
また、液体レンズ28に含まれる2種の液体122、124の少なくとも一つは伝導性を有し、液体レンズ28は第1プレート114の上部及び下部に配置される二つの電極132、134及び伝導性を有する液体が接触し得る傾斜面に配置される絶縁層118をさらに含むことができる。ここで、絶縁層118は二つの電極132、134の一電極(例えば、第2電極134)を覆い、他の電極(例えば、第1電極132)の一部を露出させることにより、伝導性液体(例えば、122)に電気エネルギーが印加されるようにすることができる。ここで、第1電極132は少なくとも一つ以上の電極セクター(例えば、C0)を含み、第2電極134は二つ以上の電極セクター(例えば、図4のL1、L2、L3、L4)を含むことができる。例えば、第2電極134は、光軸を中心に時計方向に順次配置される複数の電極セクターを含むことができる。
【0072】
液体レンズ28に含まれた二つの電極132、134に駆動電圧を伝達するための一つ又は二つ以上の基板142、144が連結されることができる。駆動電圧に対応して液体レンズ28内に形成される界面130の屈曲、傾斜度などが変わることによって液体レンズ28の焦点距離が調整されることができる。
【0073】
図8はカメラ装置内のレンズを制御する第1方法を説明する。
【0074】
図示のように、レンズには4個の個別電極L1、L2、L3、L4と共通電極C0が連結されることができる。4個の個別電極L1、L2、L3、L4に供給される動作電圧は独立的に制御され、互いに異なっても良い。ここでは、説明の便宜のために、同じ(既設定の時間幅を有する)パルス状電圧が印加されるものとして説明した。
【0075】
レンズの個別電極L1、L2、L3、L4だけでなく共通電極C0にも正電圧(positive voltage)と負電圧(negative voltage)形態の動作電圧が供給されることができる。例えば、個別電極L1と共通電極C0に同じレベルの電圧が供給されれば、二つの電極間の電圧差は0Vであるが、仮に同じレベルの電圧であるとしても一方は正電圧であり、他方は負電圧である場合には、二つの電極間の電圧差は動作電圧の二倍となることができる。このような原理を用いれば、制御回路と連結された電圧ブースター32(図5参照)は70Vの高電圧を出力する必要がない。電圧ブースター32が35Vの電圧のみを出力しても、制御回路はレンズの二つの電極の間に印加される電圧の差が70Vとなるように制御することができる。
【0076】
このような方法を用いる場合、レンズの二つの電極(個別電極と共通電極、L1、C0)の間に印加される駆動電圧Vop-L1は、共通電極C0に動作電圧(例えば、35V)が負電圧の形態で印加され、個別電極(例えば、L1)にグラウンド電圧が印加されるときの第1電圧(例えば、+35V)、共通電極C0に動作電圧が負電圧の形態で印加され、個別電極(例えば、L1)に動作電圧が正電圧の形態で印加されるときの第2電圧(例えば、+70V)、共通電極C0にグラウンド電圧が印加され、個別電極(例えば、L1)に動作電圧が正電圧の形態で印加されるときの第3電圧(例えば、+35V)、共通電極C0に動作電圧が正電圧の形態で印加され、個別電極(例えば、L1)にグラウンド電圧が印加されるときの第4電圧(例えば、-35V)、共通電極C0に動作電圧が正電圧の形態で印加され、個別電極(例えば、L1)に動作電圧が負電圧の形態で印加されるときの第5電圧(例えば、-70V)、及び共通電極C0にグラウンド電圧が印加され、個別電極(例えば、L1)に動作電圧が負電圧の形態で印加されるときの第6電圧(例えば、-35V)を含むことができる。
【0077】
前述した駆動電圧Vop-L1は、個別電極L1、L2、L3、L4と共通電極C0に印加される動作電圧が正電圧の形態であるか負電圧の形態であるかによって変更できる。
【0078】
図9はカメラ装置内のレンズを制御する第2方法を説明する。
【0079】
図示のように、制御回路は、個別電極L1、L2、L3、L4又は共通電極C0に印加される動作電圧を既設定の時間の間にフローティング(floating)するようにすることができる。例えば、制御回路は、第1スイッチ42(図5参照)又は第2スイッチ48(図5参照)の連結を制御することができる。
【0080】
制御回路は、前記動作電圧が共通電極及び複数の個別電極に互いに逆方向に供給される区間で前記フローティングを発生させることができる。例えば、図8を参照すると、レンズの個別電極L1に正電圧の形態の動作電圧が印加され、共通電極C0に負電圧の形態の動作電圧が印加されることで、レンズの両端に動作電圧の二倍の駆動電圧Vop-L1が印加されるうちに個別電極L1の連結をフローティング(floating)させることができる。個別電極L1の連結をフローティングさせれば、該当時間の間にレンズの両端に印加される駆動電圧Vop-L1がなくなる。
【0081】
共通電極C0及び個別電極L1、L2、L3、L4には既設定のパルス幅を有する動作電圧が印加されることができる。しかし、このようなパルス幅を維持し生成するためには、別途の位相固定ループ(Phase Locked Loop、PLL)のような回路を備える必要がある。時間を基準にパルス幅を縮め、正確な位相(パルス幅)を有する動作電圧を生成しようとすれば製造コストが増加することがある。したがって、周波数の高いパルス信号を生成する位相固定ループ(PLL)を使う代わり、共通電極又は複数の個別電極をフローティングさせることによって周波数の高いパルス信号を生成する位相固定ループ(PLL)の代わりをすることができる。
【0082】
図10図15は第1レンズの動作モードを説明する。具体的に、図10は第1レンズの第1動作モードを説明し、図11は第1レンズの第2動作モードを説明し、図12は第1レンズの第3動作モードを説明する。また、図13は第1レンズの第4動作モードを説明し、図14は第1レンズの第5動作モードを説明し、図15は第1レンズの第6動作モードを説明する。第1動作モード~第6動作モードで駆動電圧が印加される経路は別途の線(一点鎖線)で表示する。
【0083】
図10を参照すると、第1動作モードは、レンズ28内の個別電極と共通電極の間に配置されることができる等価回路であるキャパシター30の両端にグラウンド電圧が印加されている。グラウンド電圧が印加される経路上のスイッチ(又はトランジスタ)はオン(ON)となり、その他のスイッチ(又はトランジスタ)はオフ(OFF)となることができる。
【0084】
図11を参照すると、第2動作モードは、レンズ28内の個別電極と共通電極の間に配置されることができる等価回路であるキャパシター30の一側には電圧ブースター32から出力される動作電圧(正電圧)が印加され、他側にはグラウンド電圧が印加されている。動作電圧(正電圧)とグラウンド電圧が印加される経路上のスイッチ(又はトランジスタ)はオン(ON)となり、その他のスイッチ(又はトランジスタ)はオフ(OFF)となることができる。
【0085】
図12を参照すると、第3動作モードは、レンズ28内の個別電極と共通電極の間に配置されることができる等価回路であるキャパシター30の一側には電圧ブースター32から出力される正電圧の形態の動作電圧が印加され、他側には電圧ブースター32から出力される動作電圧が電荷ポンプを介して負電圧の形態で印加されている。正電圧及び負電圧の形態の動作電圧が印加される経路上のスイッチ(又はトランジスタ)はオン(ON)となり、その他のスイッチ(又はトランジスタ)はオフ(OFF)となることができる。
【0086】
図13を参照すると、第4動作モードは、レンズ28内の個別電極と共通電極の間に配置されることができる等価回路であるキャパシター30の一側には電圧ブースター32から出力される動作電圧が電荷ポンプを介して負電圧の形態で印加され、他側にはグラウンド電圧が印加されている。負電圧の形態の動作電圧とグラウンド電圧が印加される経路上のスイッチ(又はトランジスタ)はオン(ON)となり、その他のスイッチ(又はトランジスタ)はオフ(OFF)となることができる。
【0087】
図14を参照すると、第5動作モードは、レンズ28内の個別電極と共通電極の間に配置されることができる等価回路であるキャパシター30の両端に電圧ブースター32から出力される動作電圧が電荷ポンプを介して負電圧の形態で印加される。負電圧の形態の動作電圧が印加される経路上のスイッチ(又はトランジスタ)はオン(ON)となり、その他のスイッチ(又はトランジスタ)はオフ(OFF)となることができる。
【0088】
図15を参照すると、第6動作モードはレンズ28内の個別電極と共通電極の間に配置されることができる等価回路であるキャパシター30の一側はフローティング(floating)しており、他側は電圧ブースター32から出力される動作電圧が電荷ポンプを介して負電圧の形態で印加されている。この場合には、キャパシター30の一側がフローティングしているから、他側に電圧が印加されても駆動電圧は0Vであり得る。フローティングする経路上のスイッチ(又はトランジスタ)はオフ(OFF)となることができる。
【0089】
一方、図15でフローティングするスイッチは図14で説明した第5動作モードに引き続いて第6動作モードが行われる場合に選択されたものである。仮に、フローティングモードが他の動作モードの直後に発生する場合には、フローティングするスイッチが変更されることができる。
【0090】
前述した第1動作モード~第6動作モードによって、制御回路が複数のスイッチを含む場合、スイッチオン及びオフの制御のみでレンズに印加される駆動電圧の大きさ及び方向を調節することができる。
【0091】
図16は制御回路の第3例を説明する。
【0092】
図示のように、制御回路は、極性(陽極又は陰極)を有する既設定の大きさの電圧を出力する駆動電圧出力部230A、駆動電圧出力部230Aから受けた電圧とグラウンド電圧(接地電圧)の一つを選択的に伝達する第1スイッチング部240、及び第1スイッチング部240から伝達される駆動電圧を選択的に液体レンズ28(図7参照)の電極260に伝達する第2スイッチング部250を含むことができる。
【0093】
駆動電圧出力部230Aは、電源電圧又は供給電圧に基づいて既設定の大きさに電圧を増加させて第1電圧を出力する第1電圧発生器232、及び第1電圧発生器232から第1電圧を受け、極性を変えて第2電圧として出力するチャージポンプ234を含むことができる。例えば、第1電圧が正電圧(positive voltage)であれば、第2電圧は負電圧(negative voltage)であってもよい。実施例によって、第1電圧と第2電圧の極性は反対であってもよい。
【0094】
第1スイッチング部240は、第1サブスイッチング部240_1及び第2サブスイッチング部240_2を含むことができる。第1サブスイッチング部240_1は第1電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを出力し、第2サブスイッチング部240_2は第1電圧と反対の極性を有する第2電圧とグラウンド電圧のいずれか一つを出力することができる。第1サブスイッチング部240_1と第2サブスイッチング部240_2の構成は類似していてもよい。実施例によって、第1サブスイッチング部240_1と第2サブスイッチング部240_2の構成を異にすることもできる。
【0095】
具体的に、第1スイッチング部240は、第1電圧発生器232から伝達された第1電圧を選択的に伝達することができる第1スイッチ242及び第1グラウンド電圧を選択的に伝達することができる第2スイッチ244を含むことができる。また、第1スイッチング部240は、第2電圧発生器236から伝達された第2電圧を選択的に伝達することができる第4スイッチ246及び第2グラウンド電圧を選択的に伝達することができる第5スイッチ248をさらに含むことができる。
【0096】
第1スイッチング部240は、互いに異なる二つの入力端及び互いに異なる二つの出力端を含むことができる。また、第1グラウンド電圧と第2グラウンド電圧は電気的に連結されることができる。
【0097】
第2スイッチング部250は、第1電圧及び第1グラウンド電圧のいずれか一つが伝達されれば選択的に液体レンズ電極260に供給することができる第3スイッチ252及び第2電圧及び第2グラウンド電圧のいずれか一つが伝達されれば選択的に液体レンズ電極260に供給することができる第6スイッチ254を含むことができる。
【0098】
第1スイッチング部240は液体レンズ28に含まれた電極に共通して配置されることができる。例えば、液体レンズに含まれた複数の個別電極の間に第1スイッチング部240が共有されることで、少なくとも一つの第1スイッチング部240を介して複数の個別電極に駆動電圧を伝達することもできる。
【0099】
一方、第2スイッチング部250は液体レンズ28に含まれた電極ごとに個別的に配置される必要がある。例えば、液体レンズ28に含まれた複数の個別電極ごとに独立的な第2スイッチング部250が連結されることができるので、第2スイッチング部250は液体レンズ電極260に共有されていなくてもよい。
【0100】
図17は制御回路の第4例を説明する。
【0101】
図示のように、制御回路は、既設定の極性及び大きさを有する電圧を生成する電圧生成部232、電圧生成部232で生成された電圧の極性を変換するチャージポンプ234、液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に駆動電圧を伝達するための複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、244c、244d、244e、246a、246b、248a、248b、及び複数のスイッチング素子から伝達される電圧を液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に選択的に伝達するための複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eを含むことができる。ここで、複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、244c、244d、244e、246a、246b、248a、248bは図8で説明した第1スイッチング部240に対応することができる。電圧生成部232は電圧ブースターなどを含むことができる。
【0102】
チャージポンプ234に含まれた3個のスイッチ素子を除き、図8で説明した制御回路によれば、液体レンズ電極260ごとに6個のスイッチ素子が連結されることができる。しかし、図17で説明した制御回路では、液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0のうち個別電極L1、L2、L3、L4に配置される一部のスイッチ素子を共通して連結することによってスイッチ素子の数を減らすことができる。例えば、液体レンズが4個の個別電極と一つの共通電極を含む場合、図16で説明した制御回路は総30個(5×6)のスイッチング素子を含むことができるが、図17で説明した制御回路は総21個のスイッチング素子を含むことができる。
【0103】
図18は制御回路の第5例を説明する。
【0104】
図示のように、制御回路は、既設定の極性及び大きさを有する電圧を生成する電圧生成部232、電圧生成部232で生成された電圧の極性を変換するチャージポンプ234、液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に駆動電圧を伝達するための複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、246a、246b、248a、248b、及び複数のスイッチング素子から伝達される電圧を液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に選択的に伝達するための複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eを含むことができる。ここで、複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、246a、246b、248a、248bは図16で説明した第1スイッチング部240に対応することができる。
【0105】
チャージポンプ234に含まれた3個のスイッチ素子を除き、液体レンズが4個の個別電極と一つの共通電極を含む場合、図9で説明した制御回路は21個のスイッチング素子を含むことができるが、図18で説明した制御回路は18個のスイッチング素子を含むことができる。液体レンズに含まれた個別電極ごとにグラウンド電圧を選択的に伝達するためのスイッチング素子を個別的に配置しないで共通して連結する方法で図18のように制御回路に含まれたスイッチング素子の数をもっと減らすことができる。スイッチング素子の数を減らせば、制御回路の全体大きさを減らし、消費電力を減らすことができる。
【0106】
図18を参照すると、図8で説明した第1スイッチング部240に対応する複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、246a、246b、248a、248bの個数は液体レンズに含まれた電極の数に関係なく固定されることができる。例えば、液体レンズに含まれた個別電極の数が4個、8個、12個、又は16個であるかに関わらず、8個のスイッチング素子のみで図8で説明した第1スイッチング部240を具現することができる。一方、複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eに含まれたスイッチング素子の個数は液体レンズに含まれた電極の数、すなわち個別電極と共通電極の和に対応することができる。すなわち、複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eに含まれたスイッチング素子の個数は液体レンズに含まれた個別電極と共通電極の個数の和の二倍であってもよい。例えば、液体レンズに含まれた個別電極が4個であり、共通電極が一つであれば、電極の数は5個であり、複数の第2スイッチング部に含まれたスイッチング素子の個数は10個であってもよい。
【0107】
仮に、液体レンズに含まれた個別電極が8個であり、共通電極が一つであれば、電極の数は9個であり、複数の第2スイッチング部に含まれたスイッチング素子の個数は18個であってもよい。一方、実施例によって、液体レンズに含まれた電極の数が変わっても駆動電圧制御回路に含まれたスイッチング素子の個数は固定されることもできる。
【0108】
図19図18に示した制御回路の第1動作例を説明する。説明の便宜のために、第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧を中心に説明する。一方、同じ時間tに他の個別電極L2、L3、L4は第1個別電極L1と同一の駆動電圧が印加されることもでき、違う駆動電圧が印加されることができる。特に、図19は共通電極C0に正電圧が印加される場合を説明する。
【0109】
図示のように、タイミング図を参照すると、駆動電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるタイミングによって複数の動作モード1、2、3、4、5(図面上では、これらの算用数字が○で囲まれている。以下の動作モード1~5についても同様である。)があり得る。まず、第1モード1では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第2モード2では、共通電極C0に電圧生成部232で生成された正電圧が印加され、第1個別電極L1にはグラウンド電圧が印加される。第3モード3では、共通電極C0に電圧生成部232で生成された正電圧が印加され、第1個別電極L1にはチャージポンプから伝達された負電圧が印加される。第4モード4では、共通電極C0にグラウンド電圧が印加され、第1個別電極L1には負電圧が印加される。第5モード5では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第1モード~第5モード1、2、3、4、5で液体レンズ28(図7参照)に含まれた界面130の動きは共通電極C0と第1個別電極L1の間に印加される駆動電圧Vopの大きさによって決定されることができる。ここで、駆動電圧Vopの極性に関係なく大きさの絶対値によって界面130の動きを制御することができる。
【0110】
第1モード~第5モード1、2、3、4、5で第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧は制御回路に含まれた複数のスイッチ素子のオン(ON)/オフ(OFF)によって決定されることができる。グラウンド電圧、正電圧、又は負電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるとき、どの経路とどのスイッチ素子を介して伝達されることができるかは図19のように点線と矢印で表示することができる。
【0111】
一方、図19の回路図上に表示された点線と矢印の経路は一例であるだけであって、実施例によって相異なる経路の多様な組合せで第1個別電極L1と共通電極C0に駆動電圧を伝達することができる。
【0112】
図20図18に示した制御回路の第2動作例を説明する。説明の便宜のために、第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧を中心に説明する。一方、同じ時間tに他の個別電極L2、L3、L4は第1個別電極L1と同一の駆動電圧が印加されることもでき、違う駆動電圧が印加されることができる。特に、図20は共通電極C0に負電圧が印加される場合を説明する。
【0113】
図示のように、タイミング図を参照すると、駆動電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるタイミングによって複数の動作モード1、2、3、4、5があり得る。まず、第1モード1では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第2モード2では、共通電極C0に電圧生成部232で生成された正電圧がチャージポンプによって変更された負電圧が印加され、第1個別電極L1にはグラウンド電圧が印加される。第3モード3では、共通電極C0にチャージポンプによって変更された負電圧が印加され、第1個別電極L1には電圧生成部232で生成された正電圧が印加される。第4モード4では、共通電極C0にグラウンド電圧が印加され、第1個別電極L1には電圧生成部232で生成された正電圧が印加される。第5モード5では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第1モード~第5モード1、2、3、4、5で液体レンズ28(図7参照)に含まれた界面130の動きは共通電極C0と第1個別電極L1の間に印加される駆動電圧Vopの大きさによって決定されることができる。ここで、駆動電圧Vopの極性に関係なく大きさの絶対値によって界面130の動きが制御されることができる。
【0114】
第1モード~第5モード1、2、3、4、5で第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧は制御回路に含まれた複数のスイッチ素子のオン(ON)/オフ(OFF)によって決定されることができる。グラウンド電圧、正電圧、又は負電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるとき、どの経路とどのスイッチ素子を介して伝達されることができるかは図20のように点線と矢印で表示することができる。
【0115】
一方、図20の回路図上に表示された点線と矢印の経路は一例であるだけであって、実施例によって相異なる経路の多様な組合せで第1個別電極L1と共通電極C0に駆動電圧を伝達することができる。
【0116】
図19及び図20を参照すると、第1個別電極L1と共通電極C0に互いに極性の反対の電圧を印加することで、電極に印加される電圧の大きさの2倍の駆動電圧が液体レンズに印加されるようにすることができる。これにより、液体レンズに含まれた界面の動きを制御するために約70Vの駆動電圧が必要な場合、第1個別電極L1と共通電極C0に互いに異なる極性の約35Vの電圧を印加することで、約70Vの駆動電圧が印加したものと実質的に同一な効果を得ることができる。より低い電圧を選択的に伝達するスイッチング素子であればあるほどより小さく作ることができ、これにより制御回路の小型化を実現し、集積度を高めることができる。
【0117】
図21は制御回路の第6例を説明する。
【0118】
図示のように、制御回路は、極性(陽極又は陰極)を有する既設定の大きさの複数の電圧を出力する駆動電圧出力部230B、駆動電圧出力部230Bから受けた電圧とグラウンド電圧(接地電圧)のいずれか一つを選択的に伝達する第1スイッチング部240、及び第1スイッチング部240から伝達される駆動電圧を選択的に液体レンズ28(図7参照)の電極260に伝達する第2スイッチング部250を含むことができる。
【0119】
駆動電圧出力部230Bは、電源電圧又は供給電圧に基づいて既設定の大きさに電圧を増加させて第1電圧を出力する第1電圧発生器232及び電源電圧又は供給電圧に基づいて既設定の大きさに電圧を増加させて第1電圧と反対の極性を有する第2電圧を出力する第2電圧発生器236を含むことができる。図16で説明した制御回路と比較すると、駆動電圧出力部230Bはチャージポンプ234を使う代わりに、個別的に第2電圧を発生させることができる第2電圧発生器236を含むことができる。
【0120】
第1スイッチング部240は、第1電圧発生器232から伝達された第1電圧を選択的に伝達することができる第1スイッチ242及び第1グラウンド電圧を選択的に伝達することができる第2スイッチ244を含むことができる。また、第1スイッチング部240は、チャージポンプ234から伝達された第2電圧を選択的に伝達することができる第4スイッチ246及び第2グラウンド電圧を選択的に伝達することができる第5スイッチ248をさらに含むことができる。実施例によって、第1スイッチング部240は、図16で説明したように、第1サブスイッチング部及び第2サブスイッチング部を含むものに設計されることもできる。
【0121】
第1スイッチング部240は、互いに異なる二つの入力端と互いに異なる二つの出力端を含むことができる。また、第1グラウンド電圧と第2グラウンド電圧は電気的に連結されることができる。
【0122】
第2スイッチング部250は、第1電圧及び第1グラウンド電圧のいずれか一つが伝達されれば選択的に液体レンズ電極260に供給することができる第3スイッチ252及び第2電圧及び第2グラウンド電圧のいずれか一つが伝達されれば選択的に液体レンズ電極260に供給することができる第6スイッチ254を含むことができる。
【0123】
第1スイッチング部240は液体レンズ28に含まれた電極に共通して配置されることができる。例えば、液体レンズに含まれた複数の個別電極の間に第1スイッチング部240が共有されることで、少なくとも一つの第1スイッチング部240を介して複数の個別電極に駆動電圧を伝達することもできる。
【0124】
一方、第2スイッチング部250は液体レンズ28に含まれた電極ごとに個別的に配置される必要がある。例えば、液体レンズ28に含まれた複数の個別電極ごとに独立的な第2スイッチング部250が連結されることができるので、第2スイッチング部250は液体レンズ電極260に共有されなくてもよい。
【0125】
図22は制御回路の第7例を説明する。
【0126】
図示のように、制御回路は、既設定の極性及び大きさを有する電圧を生成する第1電圧生成部232、第1電圧生成部232とは独立的に第1電圧生成部232から出力される電圧と反対の極性を有する電圧を生成する第2電圧生成部236、液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に駆動電圧を伝達するための複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、244c、244d、244e、246a、246b、248a、248b、及び複数のスイッチング素子から伝達される電圧を液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に選択的に伝達するための複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eを含むことができる。ここで、複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、244c、244d、244e、246a、246b、248a、248bは図12で説明した第1スイッチング部240に対応することができる。例えば、第1電圧生成部は電圧ブースターを含むことができ、第2電圧生成部は第1電圧生成部と類似した形態に具現されることができる。
【0127】
図21で説明した制御回路によれば、液体レンズ電極260ごとに6個のスイッチ素子が連結されることができる。しかし、図22で説明した制御回路では、液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0のうち個別電極L1、L2、L3、L4に配置される一部のスイッチ素子を共通して連結することによってスイッチ素子の数を減らすことができる。例えば、液体レンズが4個の個別電極と一つの共通電極を含む場合、図13で説明した制御回路には総30個(5×6)のスイッチング素子が含まれることができるが、図14で説明した制御回路は総21個のスイッチング素子が含まれることができる。
【0128】
図23は制御回路の第8例を説明する。
【0129】
図示のように、制御回路は、既設定の極性及び大きさを有する電圧を生成する第1電圧生成部232、第1電圧生成部232とは独立的に第1電圧生成部232から出力される電圧と反対の極性を有する電圧を生成する第2電圧生成部236、液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に駆動電圧を伝達するための複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、246a、246b、248a、248b、及び複数のスイッチング素子から伝達される電圧を液体レンズに含まれた複数の電極L1、L2、L3、L4、C0に選択的に伝達するための複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eを含むことができる。ここで、複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、246a、246b、248a、248bは図16で説明した第1スイッチング部240に対応することができる。
【0130】
液体レンズが4個の個別電極と一つの共通電極を含む場合、図22で説明した制御回路は21個のスイッチング素子を含むことができるが、図23で説明した制御回路は18個のスイッチング素子を含むことができる。液体レンズに含まれた個別電極ごとにグラウンド電圧を選択的に伝達するためのスイッチング素子を個別的に配置しないで共通して連結する方法で図23のように制御回路に含まれたスイッチング素子の数をもっと減らすことができる。スイッチング数を減らせば、制御回路全体の大きさを減らし、消費電力を減らすことができる。
【0131】
図23を参照すると、図21で説明した第1スイッチング部240に対応する複数のスイッチング素子242a、242b、244a、244b、246a、246b、248a、248bの個数は液体レンズに含まれた電極の数と関係なく固定されることができる。例えば、液体レンズに含まれた個別電極の数が4個、8個、12個、又は16個であるかに関わらず、8個のスイッチング素子のみで図21で説明した第1スイッチング部240を具現することができる。一方、複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eに含まれたスイッチング素子の個数は液体レンズに含まれた電極の数、すなわち個別電極と共通電極の和に対応することができる。すなわち、複数の第2スイッチング部250a、250b、250c、250d、250eに含まれたスイッチング素子の個数は液体レンズに含まれた個別電極と共通電極の個数の和の二倍であってもよい。例えば、液体レンズに含まれた個別電極が4個であり、共通電極が一つであれば、電極の数は5個であり、複数の第2スイッチング部に含まれたスイッチング素子の個数は10個であってもよい。
【0132】
仮に、液体レンズに含まれた個別電極が8個であり、共通電極が一つであれば、電極の数は9個であり、複数の第2スイッチング部に含まれたスイッチング素子の個数は18個であってもよい。一方、実施例によって、液体レンズに含まれた電極の数が変わっても駆動電圧制御回路に含まれたスイッチング素子の個数は固定されることもできる。
【0133】
図24図23に示した制御回路の第1動作例を説明する。説明の便宜のために、第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧を中心に説明する。一方、同じ時間tに他の個別電極L2、L3、L4は第1個別電極L1と同一の駆動電圧が印加されることもでき、違う駆動電圧が印加されることができる。特に、図24は共通電極C0に正電圧が印加される場合を説明する。
【0134】
図示のように、タイミング図を参照すると、駆動電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるタイミングによって複数の動作モード1、2、3、4、5があり得る。まず、第1モード1では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第2モード2では、共通電極C0に第1電圧生成部232で生成された正電圧が印加され、第1個別電極L1にはグラウンド電圧が印加される。第3モード3では、共通電極C0に第1電圧生成部232で生成された正電圧が印加され、第1個別電極L1には第2電圧生成部236から伝達された負電圧が印加される。第4モード4では、共通電極C0にグラウンド電圧が印加され、第1個別電極L1には第2電圧生成部236から伝達された負電圧が印加される。第5モード5では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第1モード~第5モード1、2、3、4、5で液体レンズ28(図7参照)に含まれた界面130の動きは共通電極C0と第1個別電極L1の間に印加される駆動電圧Vopの大きさによって決定されることができる。ここで、駆動電圧Vopの極性に関係なく大きさの絶対値によって界面130の動きが制御されることができる。
【0135】
第1モード~第5モード1、2、3、4、5で第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧は制御回路に含まれた複数のスイッチ素子のオン(ON)/オフ(OFF)によって決定されることができる。グラウンド電圧、正電圧、又は負電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるとき、どの経路とどのスイッチ素子を介して伝達されることができるかは図16のように点線と矢印で表示することができる。
【0136】
一方、図24の回路図上に表示された点線と矢印の経路は一例であるだけであって、実施例によって相異なる経路の多様な組合せで第1個別電極L1と共通電極C0に駆動電圧を伝達することができる。
【0137】
図25図23に示した制御回路の第2動作例を説明する。説明の便宜のために、第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧を中心に説明する。一方、同じ時間tに他の個別電極L2、L3、L4は第1個別電極L1と同一の駆動電圧が印加されることもでき、違う駆動電圧が印加されることができる。特に、図25は共通電極C0に負電圧が印加される場合を説明する。
【0138】
図示のように、タイミング図を参照すると、駆動電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるタイミングによって複数の動作モード1、2、3、4、5があり得る。まず、第1モード1では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第2モード2では、共通電極C0に第2電圧生成部236で生成された負電圧が印加され、第1個別電極L1にはグラウンド電圧が印加される。第3モード3では、共通電極C0に第2電圧生成部236で生成された負電圧が印加され、第1個別電極L1には第1電圧生成部232で生成された正電圧が印加される。第4モード4では、共通電極C0にグラウンド電圧が印加され、第1個別電極L1には電圧生成部232で生成された正電圧が印加される。第5モード5では、共通電極C0と第1個別電極L1の両方にグラウンド電圧が印加される。第1モード~第5モード1、2、3、4、5で液体レンズ28(図7参照)に含まれた界面130の動きは共通電極C0と第1個別電極L1の間に印加される駆動電圧Vopの大きさによって決定されることができる。ここで、駆動電圧Vopの極性に関係なく大きさの絶対値によって界面130の動きが制御されることができる。
【0139】
第1モード~第5モード1、2、3、4、5で第1個別電極L1と共通電極C0に印加される駆動電圧は制御回路に含まれた複数のスイッチ素子のオン(ON)/オフ(OFF)によって決定されることができる。グラウンド電圧、正電圧、又は負電圧が第1個別電極L1と共通電極C0に印加されるとき、どの経路とどのスイッチ素子を介して伝達することができるかは図25のように点線と矢印で表示することができる。
【0140】
一方、図25の回路図上に表示された点線と矢印の経路は一例であるだけであって、実施例によって相異なる経路の多様な組合せで第1個別電極L1と共通電極C0に駆動電圧を伝達することができる。
【0141】
図24及び図25を参照すると、第1個別電極L1と共通電極C0に互いに極性の反対の電圧を印加することにより、電極に印加される電圧の大きさの2倍の駆動電圧が液体レンズに印加されるようにすることができる。これにより、液体レンズに含まれた界面の動きを制御するために約70Vの駆動電圧が必要な場合、第1個別電極L1と共通電極C0に互いに異なる極性の約35Vの電圧を印加することで、約70Vの駆動電圧が印加したものと実質的に同一の効果を得ることができる。より低い電圧を選択的に伝達するスイッチング素子であればあるほどより小さく作ることができ、これにより制御回路の小型化を実現し、集積度を高めることができる。
【0142】
前述した液体レンズはカメラモジュールに含まれることができる。カメラモジュールは、ハウジングに実装される液体レンズ及び液体レンズの前面又は後面に配置されることができる少なくとも一つの固体レンズを含むレンズアセンブリー、レンズアセンブリーを介して伝達される光信号を電気信号に変換するイメージセンサー、及び液体レンズに駆動電圧を供給するための制御回路を含むことができる。
【0143】
本発明を実施例に基づいて前述したようにいくつかのみを記述したが、これら以外にも多様な形態の実施が可能である。前述した実施例の技術的内容は互いに両立することができない技術ではない限り、多様な形態に組み合わせられることができ、これにより新たな実施形態に具現されることもできる。
【0144】
前述したカメラモジュールを含む光学機器(Optical Device、Optical Instrument)を具現することができる。ここで、光学機器は光信号を加工するか分析することができる装置を含むことができる。光学機器の例としては、カメラ/ビデオ装置、望遠鏡装置、燎微鏡装置、干渉計装置、光度計装置、偏光計装置、分光計装置、反射計装置、オートコリメーター装置、レンズメーター装置などがあり得、液体レンズを含むことができる光学機器に本発明の実施例を適用することができる。また、光学機器は、スマートフォン、ノートブック型パソコン、タブレットコンピュータなどの携帯用装置に具現されることができる。このような光学機器は、カメラモジュール、映像を出力するディスプレイ部、カメラモジュール及びディスプレイ部を実装する本体ハウジングを含むことができる。光学機器は、本体ハウジングに他の機器と通信することができる通信モジュールが実装されることができ、データを記憶することができるメモリ部をさらに含むことができる。
【0145】
上述した実施例による方法はコンピュータで実行されるプログラムに製作されてコンピュータ可読の記録媒体に記録されることができ、コンピュータ可読の記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などが含まれる。
【0146】
コンピュータ可読の記録媒体はネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読めるコードが記録されて実行されることができる。そして、上述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード及びコードセグメントは実施例が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論可能である。
【0147】
本発明は本発明の精神及び必須の特徴を逸脱しない範囲内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。よって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものと考慮されなければならない。本発明の範囲は添付の請求項の合理的な解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
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