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特許7170033集積光子装置を用いる空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】集積光子装置を用いる空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィー
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20221104BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20221104BHJP
   G02B 6/30 20060101ALI20221104BHJP
   A61B 3/10 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G01N21/17 630
G02B6/125 301
G02B6/30
A61B3/10 100
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020513489
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 US2018032529
(87)【国際公開番号】W WO2018209339
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】62/505,199
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519402443
【氏名又は名称】ジョウ チャオ
(74)【代理人】
【識別番号】100120145
【弁理士】
【氏名又は名称】田坂 一朗
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ チャオ
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0078510(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0357007(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0160488(US,A1)
【文献】米国特許第06330063(US,B1)
【文献】AKCA. I. B. et al.,Integrated-optics based multi-beam imaging for speed improvement of OCT systems,Proceedings of Spie,2017年03月14日,vol. 10056,100560Q-1~5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G01B 9/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィースキャニングに適する集積光学素子であって、前記光学素子が、
1つの基板;
外部光源からの入射単一サンプル測定ビームを受け取るように構成される、1つの光学入力ポート;
サンプルのスキャンされた画像を取得するために、複数のサンプル測定ビームを前記素子から前記サンプルへ伝達するように構成される、複数の光学出力ポート;及び
前記光学入力ポートを前記光学出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多分岐導波管構造であって、前記導波管構造が前記基板に形成される複数の交互接続された導波管チャネルを含む、多分岐導波管構造;
前記光学入力ポートにおいて受け取られる前記入射単一サンプル測定ビームを前記光学出力ポートにおける複数のサンプル測定ビームに分割する、複数のフォトニックスプリッターを含むスプリッター領域を形成するように構成される、前記導波管チャネル;
を含み、
ここで、前記フォトニックスプリッターと前記光学出力ポートとの間の時間遅延領域における前記導波管チャネルの部分が、前記複数のサンプル測定ビームのそれぞれの間の光学時間遅延を創成するために、異なる予め決められた長さを有し、
前記導波管チャネルの間の予め決められた長さの差異が、画像が形成されるときに異なる物理的位置からの信号を異なる周波数帯で検出するために、前記複数のサンプル測定ビームの間の光源のコーヒレンス長より短い光学遅延を生成するように選択され、及び
前記出力ポートが前記入力ポートに垂直である、
光学素子。
【請求項2】
前記フォトニックスプリッターが前記基板上の多数のカスケード列に配置され、前記単一サンプル測定ビームが、前記光学入力ポートと前記光学出力ポートとの間の各列における益々大きな数のサンプル測定ビームを創成するために、前記フォトニックスプリッターにより各列に連続的に分割される、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記出力ポートが、前記光学素子からの前記サンプル測定ビームを前記サンプルへ空気中に直接放出する、請求項1又は2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記出力ポートが、前記サンプルから返還された複数の反射光信号を受け取るために配置され、前記フォトニックスプリッターが、複数の反射光信号を前記光学素子の前記入力ポートから放出される単一の反射光信号に結合するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記複数の光学出力ポートが、前記基板の一方の側に一緒にクラスター化され、及び予め決められたピッチ間隔で離れて均一に配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項6】
前記光学素子における隣接する導波管チャネルのそれぞれの間の長さの差異が同じである、請求項5に記載の光学素子。
【請求項7】
さらに、前記光学素子の前記光学入力ポートに連結する光学ファイバーを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項8】
前記基板が、シリコン、絶縁体上のシリコン、リン化インジウム、ニオブ酸リチウム、窒素化シリコン、及びヒ素化ガリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の光学素子。
【請求項9】
前記時間遅延領域における前記サンプル測定ビームが、前記スプリッター領域における前記サンプル測定ビームの通路に一般的に垂直な通路の中を移動する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項10】
前記導波管チャネルが前記基板の中へエッチングされる、請求項1に記載の光学素子。
【請求項11】
空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィースキャニングに適切な低損失集積光学素子であって、前記光学素子が:
1つの基板;
外部光源からの入射単一サンプル測定ビームを受け取るように構成される、1つの光学入力ポート;
外部参照光源からの参照光を受け取るように構成される、1つの参照光入力ポート;
サンプルのスキャンされた画像を取得するために、複数のサンプル測定ビームを前記素子から前記サンプルへ伝達するように構成される、複数の光学出力ポート;
前記光学入力ポートを前記光学出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多分岐導波管構造であって、前記導波管構造が前記基板に形成される複数の交互接続された導波管チャネルを含み、前記導波管チャネルがスプリッター領域及び干渉計領域を形成する、導波管構造;
前記光学入力ポートにおいて受け取られる前記入射単一サンプル測定ビームを前記光学出力ポートにおける複数のサンプル測定ビームに分割する、複数のフォトニックスプリッターを形成するように構成される、前記スプリッター領域における前記導波管チャネル;を含み、
ここで、前記フォトニックスプリッターと前記光学出力ポートとの間の前記導波管チャネルの部分が、前記複数のサンプル測定ビームのそれぞれの間の光学時間遅延を創成するために、異なる予め決められた長さを有し、;
前記干渉計領域における前記導波管チャネルが、複数の光学干渉計を形成するように構成され、前記光学干渉計が前記スプリッター領域及び前記参照光入力ポートにおける前記導波管チャネルに光学的に連結され、;
ここで、前記光学干渉計が、前記サンプルから返還される複数の反射光信号を受け取るように配置され、前記光学干渉計が、前記光学素子の干渉信号出力ポートから放出される複数の干渉信号を生成するために、前記反射光信号を前記参照光と結合するように構成され、操作可能であり、
前記フォトニックスプリッターが前記基板上の多数のカスケード列に配置され、前記単一サンプル測定ビームが、前記光学入力ポートと前記光学出力ポートとの間の各列において益々大きな数のサンプル測定ビームを創成するために、前記フォトニックスプリッターにより各列において均一に及び連続的に分割され、
前記スプリッター領域の最終列におけるフォトニックスプリッターが2つの入口及び2つの出口を含み、前記2つの入口のうち第1の入口が前列のフォトニックスプリッターの1つの出口に光学的に連結して、前記2つの入口のうち第2の入口が前記複数の光学干渉計のうち1つの光学干渉計に直接光学的に連結し、及び
ここで、前記スプリッター領域の前記最終列における前記フォトニックスプリッターが、
前記第1の入口を通して前記前列からサンプル測定ビームを受け取り、前記受け取られたサンプル測定ビームを2つのサンプル測定ビームに分割し、前記2つの出口を通して前記2つのサンプル測定ビームを出力し、及び前記2つの出口を通して2つの反射光信号を受け取り、前記2つの反射光信号を1つの反射光信号に結合し、前記結合された反射光信号を前記第2の入口を通して前記1つの光学干渉計に直接出力して、前記スプリッター領域におけるフォトニックスプリッターの前列をバイパスする、
ように構成される、光学素子。
【請求項12】
前記光学干渉計が、複数の参照光導波管チャネルを介して前記参照光入力ポートと光学的に連結する、請求項11に記載の光学素子。
【請求項13】
前記導波管チャネルの間の前記予め決定される長さにおける差異が、画像が生成されるときに異なる物理的位置からの信号が異なる周波数バンドで検出されるように、前記複数のサンプル測定ビームの間の前記光源のコーヒレンス長より短い光学遅延を生成するように選択される、請求項11に記載の光学素子。
【請求項14】
低損失集積光学素子を用いる空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィーシステムにおいて光を処理する方法であって、前記方法が:
1つの光学入力ポート、複数の光学出力ポート、及び前記光学入力ポートを前記光学出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多分岐導波管構造であって、前記導波管構造が前記光学素子に形成される複数の交互接続された導波管チャネルを含む導波管構造を含む、光学素子を提供すること;
前記光学入力ポートにおける光源から単一サンプル測定ビームを受け取ること;
前記光学素子のスプリッター領域における前記導波管チャネルにより形成される複数のインチップフォトニックスプリッターを用いて、前記サンプル測定ビームを複数のサンプル測定ビームに分割すること;
前記サンプル測定ビーム分割後に各導波管チャネルの長さを変動させることにより、前記複数のサンプル測定ビームの間の時間遅延を創成すること;及び
前記光学出力ポート通してスキャンされるサンプルに向けて、前記複数のサンプル測定ビームを同時に並行して放出すること;
前記光学出力ポートにおける前記サンプルから返還される複数の反射光信号を受け取ること;
前記光学素子の干渉計領域における前記導波管チャネルにより形成される複数の光学干渉計に前記反射光信号を伝達すること;
複数の干渉信号を発生するために、前記複数の干渉計を用いて前記反射光信号を参照光信号と結合すること;及び
前記光学素子の干渉出力ポートから前記干渉信号を放出すること;
を含み、
ここで、前記フォトニックスプリッターが前記基板上の多数のカスケード列に配置され、前記単一サンプル測定ビームが、前記光学入力ポートと前記光学出力ポートとの間の各列において益々大きな数のサンプル測定ビームを創成するために、前記フォトニックスプリッターにより各列において均一に及び連続的に分割され、
前記スプリッター領域の最終列におけるフォトニックスプリッターが2つの入口及び2つの出口を含み、前記2つの入口のうち第1の入口が前列のフォトニックスプリッターの1つの出口に光学的に連結して、前記2つの入口のうち第2の入口が前記複数の光学干渉計のうち1つの光学干渉計に直接光学的に連結し、及び
ここで、前記スプリッター領域の前記最終列における前記フォトニックスプリッターが、
前記第1の入口を通して前記前列からサンプル測定ビームを受け取り、前記受け取られたサンプル測定ビームを2つのサンプル測定ビームに分割し、前記2つの出口を通して前記2つのサンプル測定ビームを出力し、及び前記2つの出口を通して2つの反射光信号を受け取り、前記2つの反射光信号を1つの反射光信号に結合し、前記結合された反射光信号を前記第2の入口を通して前記1つの光学干渉計に直接出力して、前記スプリッター領域におけるフォトニックスプリッターの前列をバイパスする、
ように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年5月12日に出願された米国暫定特許出願番号62/505,199の利益を請求し、その全体は参照により本願に取り込まれる。
【0002】
政府の利益の声明
この発明は、国家健康研究所(NIH R21 EY-026380, K99/R00 EB-010071)及び国家科学財団(NSF DBI-1455613, IIP-1640707, and IIP-1623823)下の政府援助によりなされた。政府は本発明における特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
本願発明は、一般に、光学コーヒレンストモグラフィー(OCT)画像化システムに関連し、及び特に、集積光子素子を取り込むシステムなどに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像化速度の改善は、光学コーヒレンストモグラフィー(OCT)の発達の主要な駆動力である。空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィー(OCT)(SDM-OCT)は、多重速度改善を達成するために用いられる最近開発された並行OCT画像化方法である。しかしながら、このようなシステムで従来用いられている多数ファイバー光学部品の組立は、労働集約型であり、それを大量生産に挑戦させるエラーに影響を受けやすい可能性がある。さらに、OCTシステムの多くの部品はスペースを消費し、様々な医学診断装置又はその他の用途に用いることができるコンパクトな画像化装置への取り込みに容易に受け入れられない。SDM-OCTシステムにおける改善が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
SDM-OCT技術の広範な普及を可能とする高精細及び低単位コストの集積光子素子(photonic chip)を用いる広域高速度SDM-OCTシステムを開示する。本願の素子はシリコンフォトニクス領域における発展に利益がある。1つの態様において、本願の光学素子は、装置の信頼性を改善し、大量生産可能なコンパクトSDM-OCT画像化装置の創造を可能とするために、少なくとも従来のOCTシステムのファイバーを用いる光学部品をオンチップのフォトニック部品に置き換える。
【0006】
本願のマイクロチップを用いるSDM-OCTシステムは、眼科、血管イメージング、癌イメージング、歯科適用、研究イメージング適用などを含む様々な応用において、感度を維持しながら、10以上のファクターにより画像化速度を改善することができる。

【0007】
1つの態様において、前記光子素子は、オンチップ結合分配器(splitter)及び光学分配器を定義する基板において形成される複数の相互接続された分岐導波路(interconnected branched waveguides)により形成される光学時間遅延領域又は面積を含むことができる。多数の導波路分岐及び分配器のカスケード行を、前記素子から出力される複数のサンプル採取(sampling)ビームへ各列の入射単一サンプル採取ビームを連続的に分離するために、いくつかの構成で提供することができる。前記導波路は、光信号又は光波に前記導波路を巡らせる屈折の微分指数を生成する基板のドーピングのようなエッチング又は露光により生成されるチャネルであり得る。いくつかの態様において、前記基板は、シリコン単独又はインシュレータ(insulator)上の複合シリコーン(SOI)から生成することができる。
【0008】
前記素子は、長いコーヒレンス光源により生成されるサンプル採取光ビームを受け取る単一の光学入力ポート、及び前記SDM-OCTシステムによりスキャンされるサンプルの表面に多数のサンプル採取ビームを同時に平行にスキャンするために空間的に分離された複数の光出力ポートを含むことができる。各出力ポートに関連する導波管チャネルのターミナル部分は、前記サンプルの空間分割多重化OCTスキャン画像の取得用の各サンプル採取ビーム間の光学時間遅延を生成するために異なる予め決められた長さをもつ。前記サンプルから反射したサンプル採取光信号は、本願発明で記載される1又は複数の干渉計(interferometer)及び追加の画像処理装置を用いて前記サンプルのデジタル画像を生成するために、同じオンチップ分配器及び本願発明で記載されるような更なる処理のために前記サンプル採取光路を逆方向に向かう時間遅延構造により同時に平行に返還される。
【0009】
他の態様において、低挿入損失光子素子(low insertion loss photonic chip)が本願発明において開示され、これは更に、オンチップ光子干渉計ユニット、前記素子による異なるサンプル採取及び反射光信号路、及び参照光入力ポートを含む。様々な導波管チャネルは、前記素子上に干渉信号を創成するためにサンプル採取光信号、反射光信号、及び参照光信号を処理するように構成され、動作することができる。複数の干渉信号は、前記素子から同時に平行に放出され、本願発明において更に記載されるように、前記サンプルのデジタルスキャン画像を生成するために、さらに処理される。
【0010】
1つの側面において、空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィーのスキャンに適切な集積光子素子は、基板、外部光源から発生単一サンプル採取ビームを受け取るように構成される光入力ポート、前記サンプルのスキャン画像を取得するために複数のサンプル採取ビームを前記素子からサンプルへ伝達するように構成される複数の光出力ポート、及び前記入力ポートを前記出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多数の分岐導波管構造であって、前記基板に形成される複数の相互接続された導波管チャネルを含む前記導波管構造、前記導波管チャネルは、前記入力ポートで受け取られる前記発生単一サンプル採取ビームを前記出力ポートにおける複数のサンプル採取ビームに分割する、複数のフォトニック分配器を定義するように構成され、ここで、前記フォトニック分配器と出力ポートとの間の前記導波管チャネルの部分は、複数のサンプル採取ビームのそれぞれの間の光学時間遅延を創成するために異なる予め決められた長さをもつ。前記光源は、1つの態様において、波長を調節可能な長いコーヒレンス光源であり得る。前記導波管チャネル間の前記予め決められた長さにおける差異は、画像が形成されるときに異なる物理的位置からの信号が異なる周波数バンドで検出されるために、前記複数のサンプル採取ビーム間の光源のコーヒレンス長より短い光学遅延を創成するために、選択される。
【0011】
他の態様において、空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィースキャンに適切な低損失の集積光子素子は、基板、外部光源から発生単一サンプル採取ビームを受け取るように構成される光入力ポート、外部参照光源から参照光を受け取るように構成される参照光入力ポート、サンプルのスキャン画像を取得するために前記素子から前記サンプルへ複数のサンプル採取ビームを伝達するように構成される複数の光出力ポート、前記入力ポートを前記出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多数の分岐導波管構造であって、前記基板に形成される複数の相互接続された導波管チャネルを含む前記導波管構造、分配器領域及び干渉計領域を定義する前記導波管チャネル、前記入力ポートで受け取られる前記発生単一サンプル採取ビームを前記出力ポートにおける複数のサンプル採取ビームに分割する、複数の光学分配器を定義するように構成される前記導波管チャネルであって、ここで、前記光学分配器と出力ポートとの間の前記導波管チャネルの部分は、前記複数のサンプル採取ビームのそれぞれの間の光学時間遅延を創生するために異なる予め決められた長さをもつ。複数のフォトニック干渉計を定義するように構成される前記干渉計領域における前記導波管チャネルであって、前記フォトニック干渉計は前記時間遅延領域における前記導波管チャネル及び前記参照光に光学的に連結される前記導波路チャネル、ここで、前記フォトニック干渉計は前記サンプルから変換される複数の反射光信号を受け取るために配置され、前記光子素子の干渉信号出力ポートから放出される複数の干渉信号を生成するために前記参照光と前記反射光信号を結合するように前記干渉計は構成され、動作することができる。前記光源は、1つの態様において、波長を調節できる長いコーヒレンス光源であり得る。前記導波管チャネル間の前記予め決められた長さにおける違いは、画像が形成されるときに異なる物理的位置からの信号が異なる周波数バンドで検出されるように、前記複数のサンプル採取ビーム間の光源のコーヒレンス長より短い光学遅延を生成するために、選択される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前記例示の態様の特徴は、以下の図を参照して記載され、ここで類似の要素には同様に番号が付される。
【0013】
図1図1は、本願開示の1つの態様にしたがった光子素子を取り込む空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィー(SDM-OCT)システムの回路図である。
【0014】
図2図2は、例示の導波管構造図を示す、図1の光子素子の回路図である。
【0015】
図3図3は、米国通貨と大きさを比較した、図1のプロトタイプ素子の写真画像である。
【0016】
図4図4は、対数目盛を用いた、前記素子を用いるSDM-OTCの中央ビームのロールオフ測定(roll-off measurement)を示す図又はチャートである。
【0017】
図5図5は、前記素子を用いるSDM-OTCプロトタイプのシステムの横分解能(transverse resolution)を示す、1951USAF分解能試験の対象図である。
【0018】
図6図6は、本願開示のもう一つの態様にしたがった、低挿入損失光子素子を取り込む空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィー(SDM-OCT)システムの回路図である。
【0019】
図7図7は、1つの例示の導波管構造図を示す、図6の光子素子の回路図である。
【0020】
図8図8は、前記光子素子により創成された前記オンチップ導波管フォトニック装置により置き換えることができるシステムの前記標準の非オンチップ光学部品及び装置を示す図6の回路図である。
【0021】
図9図9は、オンチップ光学検出器が直に装着される、図7の素子の第1代替の態様の回路図である。
【0022】
図10図10は、前記素子で集積して形成されるインチップ光学検出器が直に埋め込まれた、図7の素子の第2代替の態様の回路図である。
【0023】
本願において示される全ての図は図式的なものであり、大きさを示すものではない。1つの図における参照番号が付される部分は、異なる部分番号が付され、かつ本願発明において記載されない限り、簡潔さのため参照番号なしで他の図に現れる場合、同じ部分であると考えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願発明の特徴及び利益は、非限定的な例示の態様を参照して本願発明において図示及び記載される。前記態様の記載は、全体の記載の部分と考えられる随伴する図と関連して意図して読まれる。したがって、本願発明は、単独の特徴又は他の特徴の組合せとして存在し得る、ある可能性のある非限定的な特徴の組合せを図示するような態様に表現として限定されるべきではなく、本願発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定義される。
【0025】
本願発明に開示される態様の記載において、いかなる方向又は指向への参照も単に記載の利便性を意図するもので、本願発明の範囲を如何なる方法でも限定することを意図するものではない。「下方の(lower)」、「上方の(upper)」、「水平の(horizontal)」、「垂直の(vertical)」、「上の(above)」、「下の(below)」、「頂上の(top)」、「底の(bottom)」などの関連用語は、それらの派生語(例えば、「水平に(horizontally)」、「下方に(downwardly)」、「上方に(upwardly)」など)と同様に図に記載され、示されるようにその方向性を参照することを議論のもと解釈すべきである。これらの関連用語は、記載の利便性のためのみであり、前記装置が特定の方向性に構成又は操作されることは必要とされない。「付着した(attached)」、「貼付しれた(affixed)」、「接続した(connected)」、「連結した(coupled)」、「相互接続した(interconnected)」などの用語及び類似語は、別に明示的に記載されていない限り、両方とも移動可能又は固定アタッチメント又は関係と同様、介在する構造によって直接的又は間接的に互いに確保又は付着可能である関係のことをいう。
【0026】
最近、その全体が参照により本願発明に取り込まれる共有米国特許9,400,169において、平行OCT法、すなわち、空間分割多重化OCT(SDM-OCT)が単一ソース及び検出ユニットに基づき開示される。SDM-OCTにおいて、サンプルのアームビーム(arm beam)は、同時に検出することができる多重化干渉信号を生成するために各チャネルに異なる光学遅延(optical delays)をともなって多数チャネルに分割される。前記光学遅延は、平面光波回路スプリッター(planar light wave circuit splitter)を含む光学ファイバーに基づくエレメント及びそれぞれが前記サンプルに伝達されて前記サンプルから反射して返還される光ビームのサンプル採取において異なる光学遅延を生成するために異なる長さをもつ複数の光学ファイバーを含む光学遅延エレメントを備える1つの態様において創成された(例えば、米国特許9,400,169の図1参照)。分割ビームは前記サンプルの異なるセグメントを画像化するために用いられ、したがって、その画像化速度はビーム数に等しい因子によって増加した。800,000A-スキャン/秒の高速画像化速度は、100kHzにおける長いコーヒレンス長VCSELレーザー運転を用いて8ビーム照明を創成することにより、この初めてのプロトタイプシステムで証明された。
【0027】
上述のSDM-OCTは単一のシステム構成を備えて大規模に実現可能な速度改善を提供したが、本発明者らは、前記多数の既成のファイバー部品を組立て及び各チャネルについて光学遅延を制御するために、初めの研究室プロトタイプのSDM-OCTが多くの時間及び手作業の努力を要し、このことで前記SDM-OCT技術の広範な普及が制限されることを見出した。
【0028】
プロトタイプの集積光子素子を備えるSDM-OCTシステム
【0029】
SDM-OCTを容易に、信頼性をもって構築するために、本願開示はシリコンフォトニクスを用いて置き換えられる上記の光学ファイバーを用いる遅延エレメントを排除する。本願発明は、サンプル採取及びリターンパスの光ビームにおいて光学遅延を生成するように構成されるフォトニック部品を含む集積光子素子101を備えるSDM-OCTシステム100を提供する。光子素子へのそのような部品の集積は、システムの費用、大きさ、及び安定性の有意性を有する。これらのフォトニック集積回路(PICs)のナノ/マイクロの加工における進歩は、シリコンを用いる処理能力における重要な進歩を活用してきたが、このことが次にそのような技術の大規模製造における重要なコスト削減をもたらす。前記PICsは、また、増加した収率で新しい機能性を達成し、パッケージ化におけるエラーを低減する性能を提供する。光子素子に関する干渉計及び光学測定器のようなOCT部品の集積は、すでに報告されてきた。SDM-OCTシステムの場合には、既定の光学遅延及び各出力ビーム間の間隔はその加工工程の間においてサブミクロン誤差で精細にリソグラフ的に形成することができるから、PIC素子を用いてファイバーを空間分割多重化部品で置き換えることは潜在的な優位性をもつ。
【0030】
図1は、そのようなシステムの性能を証明するための試験装置に用いられるプロトタイプの光子素子を用いるSDM-OCTシステム100の回路図である。このプロトタイプにおいて、平面光波回路スプリッター(planar light wave circuit splitter)及び異なる光学遅延をもつファイバーアレイを含む、前記サンプル採取ビームのチャネル又はパスの間の光学遅延を生成するために用いられる従来のファイバーを用いる部品は、単一集積光子素子101により置き換えられた。前記シリコンを用いる光子素子101の回路図レイアウトは、図2に示される。図3は、前記加工されたプロトタイプの素子の実際の写真画像を図示する。光子素子101は、それらの間で測定される厚さTを形成する2つの相対する主な平行面101a、101b、及び前記素子の周囲を形成する4つの垂直の側面101cを含む1つの態様において、一般に長方形プリズム又は直方体の配座をもつことができる基板102を含む。基板102は、第1反射指数RI-1をもつ材料で形成される。前記プロトタイプのシステムにおいて、前記基板102は約1-2mmの厚さT1をもった。しかしながら、他の厚さも基板102に用いることができる。
【0031】
前記光子素子101の基板102は、例えば、限定なくシリコン又はシリコンオンインシュレーター(silicon-on-insulator)(SOI)のような導波管を備える光子素子構築用に従来から用いられる単一材料又は多層複合材料組合せの適切ないかなるものでも作成することができる。1つの態様において、光子素子101はSOI基板で構築される。典型的に、SOI素子はシリコン(Si)基板層、中間の二酸化ケイ素(SiO)絶縁体層、及び典型的には前記絶縁体層よりも薄い厚さをもつ薄いトップ結晶性シリコン層を含む。前記光ビーム及び光波を導波する前記トップシリコン層は反射指数n=3.45を有し、前記SiO2絶縁体は反射指数n=1.45を有する。しかしながら、他の態様においては、リン化インジウム(InP)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、窒化ケイ素(Si)及びヒ化ガリウム(GaAs)等のようなシリコン以外の材料も用いることができる。
【0032】
図2を引き続き参照すると、前記光子素子101は1つのアレイ及び複数の相互接続分岐導波路をもつ導波管構造でパターンが形成される。前記導波管は、オンチップ光学ビームスプリッター及び光学時間遅延ユニット又は領域を生成するように構成される、前記図示態様において、導波管チャネル103の形態であり得る。導波管チャネル103は、前記素子を通して前記図に示される前記光学光路を伝播し追跡するために、前記現存ビームを指揮し先導し、これにより、空間分割多重化OCTシステム用の前記チャネルの間の光学遅延を創成する時間遅延領域において異なる長さのチャネルが生成されることが可能になる。
【0033】
前記パターン化された導波管チャネル103は、従来の半導体加工技術又は同技術における既知の方法により基板102に形成することができる。用いることのできる適切な半導体法の1例は、前記導波管を形成するSOI素子101の場合に前記SOIトップ層の選択的エッチングに続き、所望の導波管チャネルパターン形成のためのフォトリトグラフィー又は深部UV(紫外線)リトグラフィーの組合せである。前記SiO絶縁体層(n=1.45)と上記Siトップ層(n=3.45)との間の上記反射指数における比較的大きな差異は、前記光子素子101において導波管チャネル103の制限内に、前記光学スペクトルにおける前記電磁気光学信号又は波の移動の原因となる、前記トップSi層への電磁気領域を制限する。
【0034】
導波管チャネル103を形成するために用いられるもう1つの例示の方法は、周知の半導体加工で用いられる様式における基板のドーピングである。ドーピングは、導波管チャネルの所望のパターンを形成するためにドーバント元素を前記シリコン基板の選択的な領域に導入するために、拡散又はイオン注入のような処理を含む。前記ドーピングされたチャネルは、前記基板シリコン材料反射指数RI-1とは異なる反射指数RI-2を有する。しかしながら、シリコンフォトニクスにおいて用いられる上記のものを超える、他の半導体加工技術は他の態様で用いることができる。
【0035】
前記プロトタイプの素子を用いるSDM-OCTシステム100において、光源110からの増幅された現存ビームは、図1に示される前記サーキュレーター140から光学ファイバー104を備える素子101へ直接連結し、入力された。素子101は、入力光学ファイバー104に直接連結する前記側面101cの第1面上に形成される入力ポート106、及び前記側面101cの異なる第2の面状に形成される複数の出力ボート105を含む。もちろん他の態様において、前記入力及び出力ポート106、105は、前記スキャン装置に望まれるこれらのポートの位置によって、前記光子素子101の如何なる2つの異なる側面101cにも形成することができる。入力及び出力ポート106、105用に選択される側は、前記素子の大きさを最小化及び/又は前記素子が集積される前記物理的機器及び装置用の配置を最適化するために変動することができ、独立している。したがって、前記配置は本願発明を限定するものではなく、前記図示態様は多くの可能な構成の1つを示す。
【0036】
前記プロタイプの素子101は以下のデザインパラメータを有した。波長範囲:1310±60nm; カップリング:入力及び出力において一致SMF-28ファイバーモード(9,2μmMFD); 出力ピッチp=250μm(0.25mm); 導波路長さの違いΔL=2.5mm; 指標コントラスト:1.5%; 導波管の寸法:4.0μm(幅)×4.5μm(高さ); 及び曲げ半径:2.3mm。他のデザインパラメータは他の態様及び応用に用いることができる。
【0037】
前記プロトタイプの光子素子101は、オンチップスプリッター及び前記導波管チャネル103を用いて創成される前記多数の分岐導波管構造を特に構成することにより生成される時間遅延を含む。前記プロトタイプにおいて、制限のない1つの例として、多数の分岐オンチップ導波管チャネル103により生成される1×2光学導波管スプリッター107の水平3列カスケードが、前記初期単一ビーム又はチャネルから最終8ビーム又はチャネルへ各列に(前記素子上に各列のスプリッターを示す、図2におけるダッシュ線)前記現行サンプル取得光S1を等しく徐々に分割するために用いられた。各導波管スプリッター107は、前記入力サンプル採取ビームS1を2つの出力サンプル採取光S1ビームに等しく(すなわち、50/50)分割する、前記波導管における分岐により形成される。このことは、前記図示プロトタイプの進歩した態様における前記8つの出力サンプル採取ビームS1を生成する便宜用の3列の波導管スプリッターのそれぞれにおいてうまく発生する。しかしながら、他の態様において、ただ単一のスプリッター列(例えば、この例において1×8スプリッター)を含むより少ない又はより多い数の列が、前記サンプル採取光S1を前記サンプルのスキャン用の前記所望の数のサンプル採取ビームに分割するために用いることができる。用いられるスプリッターの列の数は、本願発明を制限するものではなく、前記提供される応用に所望とされる前記光学素子101の形状及び/又は大きさにより、いくつかの態様において言及される。多かれ少なかれ8つのサンプル採取ビーム又はチャネルが必要とされる他の態様において用いることができ、本願発明が前記8つのビームプロトタイプの態様に制限されないことに、さらに注意すべきである。
【0038】
8つのビームのサンプル採取光S1のそれぞれが、次に前記素子を通して分離波導管チャネル103において伝達され、これにより図2に示される基板102の1つの側101cにある一緒にクラスター化された複数の出力ポート105を通して光子素子101から放出される複数の出力ビーム又はチャネルが形成される。この図には、これらを隔てるピッチp=0.25mm(又は250μm)をもつ出力ビームチャネルを生成する8つの導波管出力ポート105を示す、前記素子の出力ポート105のズームイン図を含まれる。8つの波導管チャネル103のそれぞれの間の光学遅延は、第3列光学スプリッター107と出力ポート105との間の各チャネル用の異なる末端パス又はチャネルを設定することにより、多重化干渉信号を生成するために、前記波導管における約2.5mm又は隣接するチャネルの間の空気における約3.7mmの光学遅延のこの非限定の態様における物理的長さ(光学遅延)差異ΔLをもって、前記光子素子101に創成された。前記時間又は光学遅延は、前記波導管スプリッター107の第3列と図示される前記出力ポート105との間の各波導管チャネル103の長さを変動させることにより創成された。1つの好ましい態様において、前記差異ΔLは、画像が生成されるときに異なる物理的位置からの信号が異なる周波数バンドにおいて検出されるために、複数のサンプル採取ビームの間の前記光源のコーヒレンス長より短い光学遅延を生成するために選択される。
【0039】
1つの態様において、各隣接する波導管チャネル103の間の長さΔLにおける均一又は同一の差異を異なるバンドにおける全ての波長のサンプル採取光を伝達するために提供することができる。しかしながら、前記遅延は均一である必要はない。いくつかの態様において、1つの例のように、前記システムデザイナーは、例えば、前記サンプルから返還されるスキャンされた画像を最適化するために前記サンプルが非均一な及び/又は非平面な面形状をもつ場合、スキャンされる特定のサンプル形状を収容するために、意図的に非均一の遅延を用いることができる。したがつて、本願発明は、各隣接の波導管チャネル103の間の長さΔLにおける均一の差異に限定されない。
【0040】
前記波導管光子素子101の前記出力ポート105は、逆反射を低減させるために磨かれた8度の角度であった。前記光学素子の全体の大きさは、米国のクォーターコインの大きさ(例えば、図3の写真図を参照)に近い約2.5×2.0cmであった。
【0041】
図2に示される光子素子101のプロタイプの配置において、前記3列のカスケードスプリッターは第1方向(本図において下向き)前記サンプル採取光S1ビームを分割及び誘導するように配置される。複数のサンプル採取ビーム又はチャネルのそれぞれの間の光学時間遅延を創成するために異なる予め決められた長さを有する、前記素子の時間遅延領域における各出力ポートと関連する前記導波管チャネル103の端末部分は、前述のスプリッター領域における前記導波管チャネル103に一般に垂直に配置される。したがって、少なくとも前記プロトタイプの素子において、前記該当サンプル採取光S1は前記時間遅延領域における前記導波管路にしたがって移動し、大きさを最小にするために前記素子101上の空間を有利に保持する前記スプリッター領域における前記サンプル採取光路に一般に垂直に進み、これにより極端に小さなフォトニックスプリッター及び時間遅延ユニットの創成を可能となる。前記用語「一般に」は、前記スプリッター領域における前記スプリッター光S1が、前記個別の光学スプリッター107の曲がり角度のついた部分を通して伝播する場合、前記時間遅延における前記サンプル採取光に完全に垂直に移動する必要はなく、むしろこれらの領域を通した前記サンプル採取光の全体の流れがこの非限定の態様において互いに垂直であることを暗示するために用いられる。他の態様において、サンプル採取光の流れは、前記スプリッター及び時間遅延領域において互いに斜めに角度があり又は相対的に平行であることができる。したがって、本願発明は、図2の態様において図示される素子101を通してサンプル採取光の流れに限定されない。
【0042】
上述のプロトタイプ以外の他の態様において、チャネル、出力間隔、研磨角度、素子寸法、及び導波管配置の異なる数を用いることができる。したがって、本願発明は、前記プロトタイプの実証システムにおいて上述のデザイン及びこれらのパラメーターの参照値に明示的に限定されない。ゆえに、他の態様はこれらの側面において異なることができ、本願発明の制限とはならない。
【0043】
前記プロトタイプの素子を用いるSDM-OCTシステム100の部品の残りの部分は、図1をさらに参照して記載される。前記光源110は、最適の画像化深さの範囲を提供するために、商業上利用可能な波長調節可能な長コーヒランス光源であり得る。1つの態様において、制限なく、前記コーヒレンス長は前記SDM-OCTシステム用の適切な画像化範囲を達成するために5mmより大きくすることができる。前記プロトタイプのシステムに用いられる前記長コーヒレンス光源110は、VCSEL(vertical-cavity surface-emitting laser:垂直キャビティ面発光レーザー)波長調節可能レーザーダイオード(例えば、SL1310V1、Thorlabs Inc.:トールラブ社、米国:コーヒレンス長>50mm)であり得る。他の態様において、5mmよりも大きな他のコーヒレンス長を用いることができる。ブースター光増幅器(booster optical amplifier:BOA)111(例えば、BOA1130s、トールラブ社、米国)を、前記レーザー出力を約27mWから約100mWに引き上げるための市販のVCSEL波長調節可能レーザー光源(例えば、SL1310V1、トールラブ社、米国)の直後に前記光学路において採用することができる。前記長コーヒレンス光源110は光学ファイバー104を介して前記BOA111に光学的に連結した。光学ファイバー104を、下記において記載されない限り、図1に示されるようにSDM-OCTシステムの残っている光学部品及び装置と一緒に光学的に連結して用いることができることに留意すべきである。コーニング(登録商標)SMF-28(登録商標)などのような市販で利用可能な光学ファイバーを前記デバイスに光学的に相互接続して用いることができる。
【0044】
前記BOA111から放出される前記増幅光は、95/5光学カプラー120を通して、位相校正のための約38.7mmの光学遅延をもつ特注のマッハツェンダー干渉計(custom Mach-Zender interferometer:MZI)に配送される5%の光及びOCTイメージング用に用いられる残りの95%の光とともに、通過した。前記MZI光ビームは、図示されるMZI112の50/50光学カプラー121上流を通して、初めに伝達された。カプラー121からの両方の出力は干渉信号を生成する前記MZIに方向づけられる。
【0045】
前記OCTイメージング用の光学カプラー120から放出される95%の光は、前記参照アームRに送られる電源の10%及び前記サンプルアームSで用いられる電源の90%と一緒に、90/10光学カプラー130によりさらに分割された。適切な光学カプラーは、ACフォトニクス社、トールラブ社、又は他の供給先から入手可能な光学ファイバーカプラーを含む。
【0046】
カプラー130からの前記該当参照アームR光ビームは、サーキュレーター150及び偏光コントローラー151(例えば、トールラブ社、米国及びその他から市販可能なファイバー偏光コントローラーFPC)を通して通過する。変更制御は、干渉信号を最適化して最良な画像品質を達成するために、前記サンプル及び参照アームS、Rの偏光状態を一致させるために有用である。前記参照光ビームは、次に、参照ミラー160へ前記参照光ビームの焦点を集中する、コリメーター152及びレンズ153を通して伝達される。前記参照アームRは、前記サンプルからの反射光信号と結合するための干渉信号を創成するために、前記光路長を変化させる必要のない固定光学長の非スキャン参照アームである。ミラー160から反射される前記参照光は、前記干渉信号の創成用のサーキュレーター150へ上述の参照アームRを通して逆に通過する。
【0047】
カプラー130からの前記当該サンプル採取光S1ビームは、サーキュレーター140(例えば、ACフォトニクス社)及び偏光コントローラー154を通して、サンプルアーム上の前記集積光子素子に連結された。直接空気を通して出力ポート105を介して前記素子から出力される前記8ビームサンプル採取光S1は、多数の異なるスポットに焦点を集中し、前記サンプル191の表面を横切る位置をサンプル採取するためにコリメーター170により、補足され、平行にされた。第1の30mmレンズ171及び第2の50mmレンズ172を装着した望遠鏡を前記サンプル採取ビームの大きさを拡大するために用いた。大スキャンレンズ190(例えば、LSM05対物レンズ、トールラブ社、米国)を、SDM-OCTをもつ前記サンプル191の広範囲の体積イメージングを達成するために、振動XY検流計(galvanometer)ミラー173を有する検流計のようなデバイスをスキャン後に前記サンプルアームSに搭載した。前記スキャンレンズ190は有効な110mmの焦点長及び93.8mmの動作距離を有し、これは焦点平面における前記隣接ビーム間の約1.7mmの間隔及びUSAF対象(例えば、図5のグループ4、エレメント5を参照)で測定される約20μmの横分解能であった。前記サンプルの入射電力(Incident power)は各ビームについて約3mWであった。前記サンプル191の横に及び空間的に分離された部分は、前記サンプルのデジタル画像を捕捉するために、前記サンプル採取ビームで照射した。
【0048】
前記サンプル191は、検流計ミラー173を用いた光子素子101から8つの出力ポート105のそれぞれにより放出されるサンプル採取光S1により同時にスキャンできることに留意すべきである。前記検流計は、モーター軸により駆動する斜めの振動(例えば、上下に)ミラー173をもつガルボモーターを含む。各スキャン用出力ポート105からのサンプル採取光ビームは、検流計スキャナーミラー173により前記サンプル191の表面を横切って独立して伝達し、スキャンされ、これにより、前記出力ポートの1つにそれぞれ対応した区別され、独立した照射されるサンプル採取スポット又は位置が生成される。前記検流計ミラー173は、前記所望の画像情報を捕捉するために、前記サンプル採取ビームS1を前記サンプルに如何なる適切なパターンでも投影することができる。スキャン装置の他の変化及びタイプを用いることができる。いくつかの非限定的な例において、前記検流計スキャナー200は、ケンブリッジテクノロジー社(Cambridge Technologies)、モデル6215H又はトールラブ社、GVS102であり得る。
【0049】
サンプル191上の各サンプル採取位置から同時に返還されてきた反射サンプル光信号S2及びミラー160からの参照アームRからの参照光R1は、本願発明で前述した上流の光学サーキュレーター140及び150を介して50/50光学カプラー141に道づけられた。この過程で、反射したサンプル光信号は、前記サンプルアームレンズ190、171及び172、コリメーター170を通して、光子素子101へ移動して返還される。前記複数の反射光信号S2は、前記出力ポート105により捕捉され、次に前記時間遅延及びスプリッター領域における前記複数の導波管チャネル103を通して、サンプル採取光信号S1のパス及び方向へ逆のパス及び方向で逆向きに伝達した。前記複数の反射光信号は、前記サンプル光入力ポート106を通して放出して光学カプラー141に向かう、単一反射光信号S2へと結合する。前記反射光信号は異なるバンドの前記スキャンされた画像情報を含む複数の反射光信号を含むことに留意すべきである。カプラー141は、複数の反射光信号S2及び参照光R1に基づく複数の干渉信号を含む結合した反射光干渉信号を生成するために動作する。
【0050】
カプラー141を介する前記OCT及びMZI112により生成される干渉信号の両方からの反射光干渉信号は、デュアルバランス検出器180及び181(例えば、PDB480C-AC、1.6GHz、トールラブ社)により検出され、それらの出力は1.5GS/sのサンプル採取速度で動作するデュアルチャネル高速データ取得カード(dual-channel high-speed data acquisition car)183(例えば、ATS9373、アラザールテクノロジーズ社(Alazar Technologies Inc.))により同時に取得された。前記サンプル採取速度は、前記レーザーの掃引速度及びチューニング範囲のような情報、及び8つの平行画像化チャネルにより必要とされる全体画像化深度に基づくフリンジ周波数により評価された。前記サンプル採取速度は、ナイキストサンプル採取要件(Nyquist sampling requirement)を満たすために少なくとも二回の最小フリンジ周波数で保った。測定された全体イメージング深度は、空気中~31.6mm又は組織内~23.8mmであり、これは異なる光学遅延で分離される全ての8つのビームから前記OCT信号をカバーするのに十分であった。前記検出された信号は、前記高速度データ取得カード183によりデジタル化され、SDM-OCTシステム100により捕捉される前記サンプル191のOCTスキャン画像を生成するために適当に配置されたコンピューター184へストリーミングされた。
【0051】
前記データ取得カード183から取得された信号データは、適当に配置されたポートを通して、コンピューター184のメモリー又はもう1つの適切なプロセッサーを用いる装置又はPLC(programmable logic controller:プログラミング可能な論理コントローラー)にアクセス可能なメモリーに連続的にストリーミングされる。
【0052】
本願発明で記載される「コンピューター」184は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラ、又はコンピューター・プログラム命令(例えば、コード)を実行して、データ取得カード183から取得された信号データを処理するために構成される計算データ処理装置又はサーキットを備える如何なる適当なコンピューター又はサーバー装置の代表である。これは、限定なく例えば、デスクトップコンピューター、パーソナルコンピューター、ラップトップ、ノートブック、タブレット、及び適切な処理能力及び速度を有するその他の処理装置を含むことができる。コンピューター184は、限定なく適当にプログラム化した処理装置、メモリー装置、電源、ビデオカード、視覚表示装置又はスクリーン(例えば、グラフィカルユーザーインターフェイス)、ファームウエア、ソフトウエア、ユーザー入力装置(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンなど)、取得サンプル採取画像を伝達するための有線及び/又は無線の通信機器(例えば、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)など)のような装置に関連する全ての通常の付属品を含むことができる。したがって、本願発明は処理装置を用いる如何なる特定のタイプの装置によっても限定されない。
【0053】
メモリーは、ランダムアクセスメモリー(RAM)及び様々なそのタイプ、リードオンリーメモリー(ROM)及び様々なそのタイプ、USBフラッシュメモリー、及び磁気又は光学データストレージ装置(例えば、内部/外部ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープCD-ROM、DVD-ROM、光学ディスク、ZIP(商標)ドライブ、ブルーレイディスクなど)を含む如何なる適切な揮発性又は非揮発性のメモリーなど、限定なく、如何なる適切な非一過性の記憶媒体であり得る。
【0054】
本願発明の態様の様々な側面は、ソフトウエア、ファームウエア、又はそれらの組合せにおいて実行されることが更に評価されるであろう。本願発明で記載されるコンピューター・プログラムは如何なる特定の態様にも限定されず、オペレーティング・システム、アプリケーション・プログラム、前景又は背景プロセス、ドライバー、又は如何なるこれらの組合せにおいても、単一のコンピューター又はサーバープロセッサー又は多数のコンピューター又はサーバープロセッサー上でも実行することができる。
【0055】
SDM-OCTシステム100のセントラルビーム用の感度ロールオフ測定の結果を図4に示す。素子を用いるSDM-OCTの感度は、前記サンプルとして校正済み-47.2dB反射鏡を用いて、約91dBと測定された。約2dBのロールオフは約27mmの深度範囲を超えて観察された。軸方向分解能は、全体の画像化深度を通して、空気中で約11μm又は組織中で8.3μmに維持された。光学素子101を備えたSDM-OCTシステム100の性能は、米国特許9,400,169に開示されたものと同様の初期非素子SDM-OCTプロトタイプのシステムで達成された良好な成績と同様であつた。
【0056】
100kHzにおいて同じVCSEL運転を備える単一スポットSS-OCTに比較して、有利にも、画像化速度で8倍の上昇、約800,000A-スキャン/秒に実現した本願発明のSDM-OCTシステム100が、素子を用いるSDM-OCTシステムを備えて実現された。約91dBの感度が前記素子を用いたSDM-OCTで測定された。高速度の素子を用いたSDM-OCTの実現可能性が広範囲画像化性能を備えて実証された。Ex vivoブタ眼及びin vivoヒト指紋の3次元(3D)の体積画像化(700×1200A-スキャン)が18.0×14.3mmまでの大きな画像化面積をカバーして、約1秒で得られた。ヒト指の爪の高精細度(High-definition)3D OCT画像(1500×1600A-スキャン)が約3秒で得られた。集積光学装置を高精細度及び低ユニットコストで信頼性をもって製造することができ、前記SDM-OCT技術の配備及び採用が可能とされている。
【0057】
試験の間、以下の2つのスキャンプロトコルがSDM-OCTシステム100を用いた広範囲OCT体積画像化のために採用された。すなわち、(1)高速スキャンモード:全ての8つのビームについて700×1200A-スキャンの全体数(700×150A-スキャンが各ビームについて取得された)で構成されるOCT体積データが約1秒で得られた。これにより、動きアーチファクト(motion artifacts)が、特にin vivo画像化について、最小化が可能となる。(2)高精細モード:ナイキストサンプル採取の横分解能(Nyquest sampled transverse resolution)を達成して前記サンプルの詳細を保存するために、全ての8つのビームについて1500×1500A-スキャン(1500×200A-スキャンが各ビームについて取得された)で構成されるOCT体積データが約3秒で得られた。各OCT体積データの大きさは、高速スキャンモードで役3.3GB及び高精細モードで~9.3GBであった。スキャンの間、各ビームは前記高速スキャン軸方向において約18mm及び遅い軸方向で約2.4mmまで上昇した。広範囲OCTデータは全ての8つのビームから3D OCT画像を縫い合わせる(stitching)ことにより得られた。
【0058】
上述の光学カプラー又はスプリッター(例えば、120、130など)に関し、該当ビーム(例えば、5/95、10/90など)の百分率として定義された入力光ビームの如何なる適切な光学分割又は分裂も、意図される応用及びシステムパラメーターに依存して用いることができることが評価されるであろう。したがって、前記カプラーに用いられる可能性がある多くの可能性のあるデザインのうちの単にいくつかを表すに過ぎない本願発明に開示される光分割又は分裂の百分率に、本願発明は明示的に限定されることはない。前記光学分割比の決定が、如何なる量の光が各サンプル及び参照アームの方向に向けることが意図されるかに依存することは当該技術の当業者によって評価されるであろう。サンプルへの電力が安全域内に保たれる間、サンプルにできるだけ多くの電力を有することが望ましい。一方、ショットノイズで制限される感度を得るために前記参照アームには十分な電力が必要される。
【0059】
図5は、前記最初のプロトタイプの素子を用いるSDM-OCTシステムの横分解能を示す、1951USAF分解能試験ターゲット画像である。前記USAFターゲットは、顕微鏡のような光学画像化システムの分解能を試験することに広く認められている。前記最初のプロトタイプの素子を用いるSDM-OCTシステムの横分解能は、USAFターゲット(グループ4、エレメント5ははっきりと視認できる)を用いて約20μmと測定された。SDM-OCTシステムの横分解能が対象レンズの数値の口径に依存し、異なる応用の必要に合わせて大きくなったり小さくなったりすることに留意すべきである。
【0060】
集積光子素子101を用いる空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィーにおいて光を処理する方法を簡潔に説明する。1つの態様において、前記方法は、1つの光学入力ポート、複数の光学出力ポート、及び前記入力ポートを前記出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多分岐導波管構造を含み、前記導波管構造が前記素子に形成された複数の相互接続された導波管チャネルを含む、光子素子を提供すること;前記入力ポートにおける光源からの単一のサンプルビームを受け取ること;前記サンプルビームを、前記スプリッター領域における前記導波管チャネルにより形成される複数のインチップ光学スプリッターを用いて複数のサンプル採取ビームへ分割すること;前記サンプル採取ビームの分割後に各導波管チャネルの長さを変動させることにより前記複数のサンプル採取ビームの間の時間遅延を創成すること;及び前記出力ポートを通してスキャンされるサンプルに向かって前記複数のサンプル採取ビームを同時に平行に放出すること、を含む。
【0061】
さらに前記方法は、前記出力ポートにおける前記サンプルから帰ってくる複数の反射光信号を受け取る;前記反射光信号を前記時間遅延領域を通して前記光子素子の前記スプリッター領域に伝達する;前記反射光信号を単一の反射光信号に結合する;及び前記光子素子の前記入力ポートから前記単一の反射光信号を放出する;ステップを含む。さらに前記方法は、前記反射光信号を参照光信号と結合することにより干渉信号を創成する;前記干渉信号に基づいてデジタイザーを用いて前記サンプルのデジタル画像を生成する;ステップを含むことができる。1つの態様において、前記複数のサンプル採取ビームは、前記複数のサンプル採取ビームの間の前記時間遅延を創成するために異なる長さの前記時間遅延領域における導波管チャネルを通して伝達される。
【0062】
低挿入損失SDM-OCT及び光子素子
【0063】
典型的に、上述のように、光が光子素子101を用いて1ファイバーからN出力チャネルへ分裂するとき、前記各出力ファイバーの強度は前記入力強度の約1/Nである。これにより、サンプル採取のため前記光子素子の全ての前記出力チャネルを通して前記光の均一な分配が可能になる。反射光が集められ、逆の方向に再び前記入力ファイバー104を通して逆に通過する前記サンプルから返還されるとき、反射光の約1/Nのみがサーキュレーター140に前記反射光を導きもどす前記素子に前記入力ファイバー104において結合する。この挿入損失は前記光学素子101が前記光を分裂させるチャネルの数に比例する。前記反射光のための挿入損失を最小化するために、前記素子201を備えた光子素子を用いるSDM-OCTシステム200の代替的な態様が図6及び7に示される。
【0064】
SDM-OCTシステム200は、前記光学素子201の入力/出力において返還光学損失及び結合損失を低減することを追求する。このデザインにより、前記光子素子101を通して前記サンプル191への最初の通過においてのみ光が分裂されることになる。前記サンプルから返還される逆反射光は、前記オンチップ光学スプリッター及び前記入力ポート106及びかなり低下した損失をもたらすこの素子トポロジーに関連する入力ファイバー104を避ける。上述の図1-3の前記光子素子101とは異なり、前記サンプルのデジタル化画像を生成する前記サンプル採取過程の間に前記サンプル191から返還される反射光信号は、本願発明の低損失光子素子201の前記入力ファイバー104を通して通過しない。しかしながら、光子素子201の前記鍵となるデザインは、前記返還される反射光信号S2が「サンプルスプリッター」を示す図7の長方形のボックスにおいて示されるカプラー又はスプリッター230の一列を通して通過のみであろうという点である。前記信号は、参照光を干渉するように道づけられるであろう。このように、前記入力からのカプラー又はスプリッター230のトップ2列(各列は3dB損失を生成する)は6dB光損失を避けるためにバイパスされるであろう。ゆえに、前記入力ポート206及びファイバー204をバイパスすることは、このバイパスデザインの実装の結果であって前記鍵となるファクターそれ自身ではないということに留意すべきである。
【0065】
図7を参照すると、前記低損失光学素子201は、その間に厚さT2を形成する主な平行面201a、202b、及び前記素子の周囲を形成する4つの垂直な側面201cを含む1つの態様において、一般的に長方形のプリズム又は直方体の配置をもつことができる基板202を含む。基板202は、第1反射指数Ri1をもつ材料で形成される。前記プロトタイプのシステムにおいて、前記基板202は、約1-2mmの厚さT2をもつことができる。しかしながら、他の厚さを基板202に用いることができる。前記基板202は、上述の基板102として光子素子を構築するため、如何なる同一材料でも適切な材料で作成することができる。1つの態様において、限定なく、前記基板はシリコンで形成することができる。
【0066】
低損失光子素子201は、その中にある導波管チャネルを通して移動し又は伝わる前記素子から受け取る及び前記素子へ伝達するための複数の異なる入力及び出力ポートを有する。1つの態様において、素子201は、前記サンプルアームSからの入力サンプル光信号を受け取るサンプルビーム入力ポート206、光源101により生成されるサンプルビーム入力光学ファイバー204、サンプルビームS1を前記サンプル291に伝達及び前記サンプルから返還される反射光信号S2を受け取る複数の出力ポート205、前記参照アームRからの参照信号R1を受け取る参照信号入力ポート207、及びデジタル平衡検出器280に干渉信号を伝達する複数の干渉信号出力ポート208をもつことができる。前記導波管光子素子101の出力ポート205は、反射を低減してもどすために研磨された8度の角度であり得る。他の研磨角度は表面反射の量を制御するために用いられる。
【0067】
光子素子101と同様に、複数の導波管チャネル203を含む多分岐導波管構造が低損失素子201に形成され、同じ水平参照平面に配置できる。光子素子201は、スプリッター領域、時間遅延領域、及び干渉計を形成するように構成される、1つのアレイ又は複数の導波管チャネル203でパターン形成される。素子101と同様に、前記導波管チャネル203及びペース基板202のインターフェースにおいて反射指数の違いは、前記光信号が前記導波管チャネル203内を前記基板の隣接する基板部分へ最小限で又は光の散乱なしに移動することを制限する又は引き起こす。
【0068】
図7を参照すると、前記導波管チャネル203はいくつかの構成において同じ断面形状をもつことができる。1つの態様において、前記導波管チャネル203は1060nm光の操作のために最適化することができる。眼科用掃引光源OCTシステムは、典型的に、1310nmのバンド幅における高い吸収を避けるために、1060nm中央波長において動作する。それゆえに前記導波管チャネル203の断面形状は、前記ターゲット波長において光信号の効率的な伝播を確保するためにデザインし直さなければならない。前記導波管チャネルは、意図されたスキャン応用及び要件に依存した他の態様において他の中央波長用にデザインすることができる。
【0069】
前記導波管チャネル203は、前記発生単一サンプルビームを非限定の図示された素子の例における8つの出力サンプル採取ビーム又はチャネルへと分裂させるために、素子101と同様に、3列のサンプルスプリッター領域を形成するようにパターン形成される。他の数の出力サンプル採取ビームを他の態様において用いることができる。最後又は第3列のサンプルスプリッター位置は図7に示される第1ラベルの破線のボックス(第1及び第2のスプリッター列は前記破線のボックスの上に示される)により示される。区別された干渉計領域は、前記サンプル291から返還される反射光を集める前記サンプル採取スプリッター領域から受け取られる反射光信号S2を干渉するそれぞれ4つの参照光信号R1を受け取る、第2ラベルの破線のボックスで示される前記素子201上にパターン形成される。前記発生単一の参照光信号R1は、前記反射光導波管チャネル203を示されるような適当な数の分岐でパターン形成することにより、前記4つの参照光信号R1に分割される。1つの態様において、全ての前記参照光R1導波管チャネルは、同じ光学路長をもつことができ、一方、前記サンプルアームサンプル採取光S1導波管チャネルは前記光学時間遅延を生成するために異なる光学路長を有する。
【0070】
しかしながら、もう1つの態様において、全てのサンプル採取光S1導波管チャネル203は同じ光学路長をもつことができ、一方、前記参照光R1導波管チャネル203はその代わり、上述のチャネル間の光学遅延に類似する異なる光学路長を有する。実際、サンプルアーム及び参照アーム導波管レイアウトデザインは、異なる画像化チャネルから由来する異なる干渉信号の間の同一の異なる光学路長遅延を発生するために用いられる。前記光学路長の差異は、前記干渉信号の周波数を異なる画像化チャネルから異なる周波数バンドへシフトさせるために用いられ、これは前記取得されたOCT画像における異なる深度範囲に相当する。したがって、本願発明は、前記サンプルアームS又は参照アームRのいずれかについて同じ光学路長を必ず有することに限定されない。異なるチャネルからの前記干渉信号は、個別のサンプルアームと参照アームとの間の前記光学路長の差異が特異であるとき、異なる周波数バンドへ形成される。全ての前記干渉信号は異なる周波数バンドにあるため、単一の光検出器を一度に同時に並行して全ての信号検出のために用いることができる。
【0071】
図6は、前記集積低損失光子素子201を備える前記SDM-OCTシステム200を示す。図6及び7を参照すると、システム200の外部装置の前記光子素子201の様々な導波管チャネルポートへの光学的連結は、示される前記SDM-OCTシステムのその他の部品へ接続するために、光学ファイバー204を用いて行うことができる。光は、本願発明で上述した前記長いコーヒレンス掃引光源110から光学ファイバー104を通して20/80光学カプラー210に伝達される。この態様における光源110は、容認される感度のために十分な滞留時間を可能とする一方、効率的なAスキャン速度を最大化するために200kHz掃引光源レーザーであり得る。前記カプラー210は、前記参照アームRのサーキュレーター211における3つのポートの1つに光学ファイバーを介して指令された光の20%を向ける。カプラー210から放出される光の残りの80%は、前記サンプル採取光S1を提供するために、光学ファイバーを介して前記サンプル採取アームS及び光学素子201へ向かう。カプラー210の他の分割は、他の態様において適切に用いることができる。前記サンプル採取光S1は前記素子の入力ポート206で受け取られる。
【0072】
前記発生単一のビームサンプル採取光S1は、前記各列における発生光を最終の8つの出力サンプル採取ビームS1へと同等に及び徐々に分割する導波管チャネル203により形成される素子201における光学導波管スプリッター230の3列のカスケードを通して移動する。各光学導波管スプリッター230は、前記入力サンプル採取ビームS1を2つの出力サンプル採取ビームS1へ同等に(すなわち、50/50)分割する前記導波管の分岐により形成される。これは、前記図示態様における8つの出力サンプル採取ビームを徐々に創成するために導波管スプリッターを本願発明において前述される他の態様において用いることができる。時間遅延は、画像が生成されるときに異なる物理的位置からの信号が異なる周波数バンドで検出されるように、複数のサンプル採取ビーム間の前記光源のコーヒレンス長より短い光学遅延を生成するために導波管チャネルの間の前記予め決定される長さにおける差異ΔLが選択される、前記スプリッター230と出力ポート205との間の前記サンプル採取光S1のそれぞれの間に生成される。次に、前記素子201から出力される前記8つのビームサンプル採取光S1は、多数の区別されるスポットに焦点を当てる又は前記サンプル291の表面を横切って位置をサンプル採取するために、コリメーター270により並行にされる。前記複数の異なるサンプル採取ビームS1は、SDM-OCTによる前記サンプル191の広範囲体積画像化を達成するために、振動XYガルバノメーターミラー173へ伝達される。大規模スキャンレンズ290(対物レンズ)は前記サンプル採取ビームS1と一緒に前記サンプル291を受け取り、照射する。
【0073】
サンプル291から返還された反射光信号S2は光子素子201により捕捉される。反射されるサンプル光信号S2は、前記サンプルアームスキャンレンズ290及びコリメーター170を通して逆に移動し、及び光子素子101上の前記出力ポート205により受け取られる。光信号S2はそれぞれ、前記8つの区別される導波管チャネル203の1つを通して導波管スプリッター230の最後の3番目の列へ逆に移動する。本願発明の態様において、最後の3番目の水平列における前記導波管スプリッター230は、前記スプリッター領域の第1及び第2列において示される前記スプリッター230のような1つの入口及び2つの出口の代わりに2つの入口及び2つの出口を備えて構成される。3番目の列におけるスプリッター230の第1の入口は、サンプル採取光S1を受け取り、及び前記光を、前記2つの第1及び第2の出口を通して伝達される2つのサンプル採取光ビームに分裂させる。前記2番目入口は、サンプル291から返還される前記反射光信号を光子素子201の前記干渉計ユニット又は領域へと向ける、出力される反射サンプル光S2を形成し、ここで、前記ユニット又は領域は、4つの分岐を又もつ導波管カプラー又はスプリッター230により形成される複数の導波管光学干渉計231を順に含む。各第3列の導波管スプリッター230は、示されるような4つの反射光信号を生成するために8つの反射光信号S2の2つを結合する。
【0074】
各導波管フォトニック干渉計231は、前記光子素子201による前記参照アームRから受け取られる前記単一参照光信号R1をスプリッターの2つの列カスケードを介して4つに分割する、前述の第3列導波管スプリッター230により伝達される4つの反射サンプル光S2信号の1つ、及び導波管スプリッター230により生成される4つの対応する参照光信号R1の1つを受け取る。
【0075】
サンプル291から返還される反射光信号S2及び参照アームRからの参照光R1は、複数の干渉信号Iを創成するために結合する。各導波管光学干渉計231により発生する前記干渉信号Iは、素子201の前記干渉信号出力ポート208に伝達される、示される2つの干渉信号Iへと分裂される。前記出力ポート208は、それぞれが複数の光学ファイバー204を含む、2つのファイバーの束FB1及びFB2にグループ化される。前記ファイバー204は、干渉信号Iを単一の分岐検出器280に伝達する。検出器280からの前記出力信号は、デュアルチャネル高速データ取得カード183により取得される。前記検出された信号は、前記高速データ取得カードでデジタル化され、SDM-OCTシステム200により捕捉されたサンプルのOCTスキャンデータを発生するためにコンピューター184にストリームされる。
【0076】
前述のスキームにおいて、各サンプル採取光S1の間の所望の光学遅延が、本願発明において前述したように、同じ方法で各チャネル間の遅延を創成するために前記光学素子201の時間遅延領域109における必要とされる各導波管チャネル203の長さを変動させることにより調節することができる。前記の一時的遅延は前記チャネルのそれぞれの光学路長の機能である。この態様において、容認可能な感度のための十分な滞留時間を可能とする一方、前記効率的なAスキャン速度を最大化するために、当該技術における当業者は200kHzの掃引光源レーザーと一緒に用いる前記光学又は時間の遅延を最適化することができる。また、前記出力サンプル採取光S1ビーム間の間隔を、画像化領域間の前記サンプル面上における特定の物理的分離で前記サンプル上のビームを投射するために、独立して調節することができる。
【0077】
図7に示されるように、前記カスケードサンプルビームスプリッター及び干渉計のような前記導波管チャネル203及び構造は、1つの態様において光子素子201上の同じ水平平面において形成することができる。前記導波管チャネル203のいくつかの部分は示されるように互いに交差又は横切っているが、交差点における前記導波管チャネルの間のクロストークは、当該技術で既知の方法(例えば、ワイ.マら,「SOI光学相互接続のための超低単一層サブミクロンのシリコン導波管交差点」、オプティクス・エキスプレス、21巻24号、29374-29382頁、2013年)にしたがった適切なデザインによれば非常に小さい(-40dB)であろう。他の態様において、光子素子201における前記導波管チャネルの光学構造は、当該技術で既知の半導体加工技術を用い及び多レベル回路を構築するために用いられる素子の中で、異なる光学構造が2又は3の垂直層又はレベルに見つけることができるように、3次元様式で配置することができる。そのような素子構造は、実質的にクロストークを避けて均一でより良い性能を提供するために、前記導波管の間の横切り及び交差を完全に又は実質的に避けることができた。
【0078】
図8は、如何に全ての従来の光学的カプラー/スプリッター装置が、図7に示される上述のオンチツプパターン形成光学部品及び導波管構造を備える前記単一の低損失光子素子201により有利に置き換えることができるかを説明する。破線のボックス内に示される全ての従来の光学装置は、前記光子素子により置き換えられる。
【0079】
図9は、前記低損失光子素子201のもう1つの態様を図示する。前記素子のレイアウトは、入力ファイバー(FB1s及びFB2s)は完全に排除されることを除き、図7と同様である。そのかわり、前記干渉計231からの出力は、前記平衡検出器280用に用いられる前記+及び-光学検出器304、306(PD+及びPD-)へグループ化及び連結される。前記PD+及びPD-は、前記光子素子を前記検出電子機器に集積するために、前記光子素子の側面に、例えばエポキシ化のように直接接着することができる。この態様の利点は、前記ファイバーの束の結合及び伝達損失が排除されることである。
【0080】
さらに、図10は、前記低損失光子素子の1つの態様が図示され、ここで、光学検出器304、306(PD+及びPD-)及び検出電子機器は、起動部品として前記素子上に直接集積することができる。実際、前記シリコン基板は、光学検出器、位相変調器、及び偏光コントローラーなどを含む電子光学装置を開発するためによく用いられる。そのような技術は、例えば、エー・クトロら、「低損失単一モードSOI導波管に集積された3端末装置に基づくシリコン電子光学変調器」、ジャーナル・オブ・ライトウェイブ・テクノロジー、15巻、3号、505-518、1997年及びその他の技術出版物に記載されている。したがって、位相変調器302及び偏光コントローラー300は、図9及び10の両方の態様において示される前記サンプル採取チャネルのそれぞれに含むことができる。これにより、前記サンプルに起こる光の位相及び偏光状態の個別の制御が可能になり、最適のOCT画像品質を達成するために前記干渉計にもどる。
【0081】
低損失集積光子素子201を用いる空間分割多重化光学コーヒレンストモグラフィーにおける光処理の方法について、簡潔に記載する。1つの態様において、前記方法は、1つの光学入力ポート、複数の光学出力ポート、及び前記入力ポートを前記出力ポートのそれぞれに光学的に連結する多分岐導波管構造を含み、前記導波管構造が前記素子に形成された複数の相互接続された導波管チャネルを含む、光子素子を提供すること;前記入力ポートにおける光源からの単一のサンプルビームを受け取ること;前記サンプルビームを、前記スプリッター領域における前記導波管チャネルにより形成される複数のインチップフォトニックスプリッターを用いて複数のサンプル採取ビームへ分割すること;前記サンプル採取ビームの分割後に各導波管チャネルの長さを変動させることにより前記複数のサンプル採取ビームの間の時間遅延を創成すること;及び前記出力ポートを通してスキャンされるサンプルに向かって前記複数のサンプル採取ビームを同時に平行に放出すること;前記出力ポートにおいて前記サンプルから返還される複数の反射光信号を受け取ること;前記反射光信号を、前記光子素子の干渉計領域における前記導波管チャネルにより形成される複数の干渉計に伝達すること;前記反射光信号を、複数の干渉信号を発生するために複数の干渉計を用いて参照光信号と結合すること;及び前記光子素子の干渉出力ポートから前記干渉信号を放出すること、を含む。
【0082】
いくらか明確なオンチップフォトニックビームスプリッター及び光学時間遅延領域が、デザイン及び加工の簡潔のため光学子子101及び201の前記図示態様において示されるが、本願発明が前記ビーム分裂及び時間遅延機能が前記素子の分離された領域又はエリアで実行されることを必ずしも要求しないことに、特に留意すべきである。したがって、前記ビーム分裂及び時間遅延機能は、光学光路長を熟考した他の態様における前記光子素子の単一結合の又は混合のスプリッター及び時間遅延領域又はエリアにおいて実行することができる。例えば、異なる光学路又は導波管チャネル長は、前記光学遅延を創成するためにスプリッターの連続する列の間で用いることができる。
【0083】
いくつかの直線状の列のインチップフォトニックスプリッター107、230が本願発明に開示されるが、他の態様が、直線状でなく及び/又は列に整列されていない、よりランダムで互い違いのスプリッターの配置をもつことができることに特に留意すべきである。したがって、本願発明は、前記導波管チャネル103及び203により形成することができる、多くの可能性のある配置又は配列のスプリッターの単なる1つで代表されるスプリッターのカスケード直線状の列の形成に限定されない。
【0084】
前述の記載及び図は本願発明の実施態様を表すが、添付される特許請求の範囲の等価物の本質、範囲及び射程から乖離せずに、様々な追加、修飾及び置換を本願発明においてできることが理解されるであろう。特に、本願発明は、その本質又は本質的な特徴から乖離せずに、他の形態、構造、配置、割合、大きさで、及び他の要素、材料、及び部品とともに、具体化することができることは、当該技術における当業者にとって明らかであろう。さらに、本願発明に記載される適用可能な方法/プロセスにおける数字の変動は、本願発明の本質から乖離せずに、実施することができる。さらに、本願発明は、構造、配置、割合、大きさ、材料、の多くの修飾をともなって用いることができ、及びその他、本願発明の原理から乖離せずに、特定の環境及び動作要件に特に採用される、本願発明の実施に用いることができることを当該技術における当業者は評価するであろう。ゆえに、本願発明に開示された態様は、全ての観点において実例として非限定的に考慮されるべきであり、本願発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその等価物により定義され、及び前述の記載及び態様に限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は本願発明の他の変化物及び態様を含むように広く解釈されるべきであり、このことは本願発明の範囲及び等価物の範囲から乖離せずに当該技術における当業者がなすことができる。
【符号の説明】
【0085】
100 SDM-OCTシステム
101 単一集積光子素子
101a 相対する主な平行面
101b 相対する主な平行面
101c 第1の側面
102 基板
103 導波管チャネル
104 入力光学ファイバー
105 出力ポート
106 出力ポート
107 光学導波管スプリッター
109 時間遅延領域
110 光源
111 ブースター光増幅器(BOA)
112 マッハツェンダー干渉計(MZI)
120 光学カプラー
121 50/50光学カプラー
130 90/10光学カプラー
140 サーキュレーター
141 50/50光学カプラー
150 サーキュレーター
151 偏光コントローラー
152 コリメーター
153 レンズ
154 偏光コントローラー
160 参照ミラー
170 コリメーター
171 30mmレンズ
172 50mmレンズ
173 振動XY検流計ミラー
180 デュアルバランス検出器
181 デュアルバランス検出器
183 デュアルチャネル高速データ取得カード
184 コンピューター
191 サンプル
200 光子素子を用いるSDM-OCTシステム
201 光子素子
201a 主な平行面
201b 主な平行面
201c 垂直な側面
202 基板
203 導波管チャネル
204 サンプルビーム入力光学ファイバー
205 出力ポート
206 サンプルビーム入力ポート
207 参照信号入力ポート
208 干渉信号出力ポート
210 20/80光学カプラー
211 サーキュレーター
230 カプラー又はスプリッター
231 導波管光学干渉計
270 コリメーター
280 デジタル平衡検出器
290 大規模スキャンレンズ(対物レンズ)
291 サンプル
304 +光学検出器
306 -光学検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10