(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】溶解を監視する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 9/00 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G01N9/00 D
(21)【出願番号】P 2020543862
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(86)【国際出願番号】 US2018019497
(87)【国際公開番号】W WO2019164512
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホリングスワース, ジャスティン クレイグ
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/140734(WO,A1)
【文献】特表2003-513234(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0017291(US,A1)
【文献】米国特許第06847898(US,B1)
【文献】特表2013-536945(JP,A)
【文献】特開2003-065924(JP,A)
【文献】T. OHSUMI、N. NAKASHIKI、K. SHITASHIMA、K. HIRAMA,“DENSITY CHANGE OF WATER DUE TO DISSOLUTION OF CARBON DIOXIDE AND NEAR-FIELD BEHAVIOR OF CO2 FROM A SOURCE ON DEEP-SEA FLOOR”,ENERGY CONVERSION AND MANAGEMENT,Pergamon Press Ltd,1992年12月31日,Vol.33,No.5-8,pp.685-690
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 9/00 - 9/36
G01N 11/00 - 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバ(104、202)と、
ドライバ(104、202)によって振動可能な振動部材(103、103’、204)と、
振動部材(103、103’、204)の振動を検出するように構成された少なくとも1つのピックオフセンサ(105、105’、209)を備え、
少なくとも1つのピックオフセンサ(105、105’、209)から振動応答を受け取るように構成されたインターフェース(301)、インターフェース(301)に結合された処理システム(303)を備えたメータ電子機器(20)を備え、処理システム(303)は、
ドライバ(104、202)の駆動ゲイン(306)を測定し、
流体の密度(325)を測定し、
駆動ゲイン(306)の変化と測定された流体の密度(325)の変化との組み合わせに基づいて、流体に追加された溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成される、振動計(5、200)。
【請求項2】
処理システム(303)は
、
流体の密度(325)の変化に基づいて、流体に添加された溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成されている、請求項1に記載の振動計(5、200)。
【請求項3】
処理システム(303)は、駆動ゲイン信号ピークの後に駆動ゲイン信号の安定化期間が続くときに、流体に追加された溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成される、請求項1に記載の振動計(5、200)。
【請求項4】
駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルにほぼ等しい信号レベルを含む、請求項
3に記載の振動計(5、200)。
【請求項5】
駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルとは異なる信号レベルを含む、請求項
3に記載の振動計(5、200)。
【請求項6】
更に、振動計(5、200)と流体が行き来する再循環ループ(402)と、
流体を収容するように動作可能な容器(404)とを更に含み、
流体は、容器(404)に戻る前に再循環ループ(402)及び振動計(5、200)を通過する、請求項
3に記載の振動計(5、200)。
【請求項7】
溶液中の溶質の溶解を監視する方法であって、
第1の溶質を流体に添加するステップと、
流体を振動計に曝すステップと、
振動計のドライバの駆動ゲインを測定するステップと、
流体の密度を測定するステップと、
測定された流体の密度の変化と測定された駆動ゲインの変化とに基づいて、溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するステップを含む、方法。
【請求項8】
測定された流体の密度の変化に基づいて、溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するステップを含む、請求項
7に記載の方法
【請求項9】
測定された駆動ゲインに基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解したと決定するステップは、駆動ゲイン信号ピークの後に続く駆動ゲイン信号の安定化期間を測定するステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルにほぼ等しい信号レベルを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルとは異なる信号レベルを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
第1の溶質が実質的に完全に溶解していると決定された後にのみ、第2の溶質を流体に加えるステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項13】
測定された駆動ゲインに基づいて第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された駆動ゲインを所定の駆動ゲインと比較するステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項14】
測定された駆動ゲインに基づいて第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された駆動ゲインを機械学習された駆動ゲインと比較するステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項15】
測定された密度に基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された密度を所定の密度と比較するステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項16】
測定された密度に基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された密度を機械学習された密度と比較するステップを含む、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振動計に関し、より詳細には溶媒中の溶質の溶解を監視する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デンシトメータは、当該技術分野で一般に知られており、流体の密度を測定するために使用される。流体は、液体、気体、浮遊粒子及び/又は混入気体を含む液体、またはそれらの組み合わせを含むことができる。振動式デンシトメータは、通常、測定されるべき流体材料の存在下で振動する振動要素の動きを検出することによって動作する。密度、粘度、温度などの流体材料に関連する特性は、振動要素に関連する動作トランスデューサから受信した測定信号を処理することによって決定され得る。振動要素システムの振動モードは、一般に、振動要素と周囲の流体材料の質量、剛性、及び減衰特性の組み合わせによって影響を受ける。
【0003】
振動式デンシトメータ及びコリオリ流量計は、一般的に知られており、流量計の導管を通って流れる材料の質量流量および他の情報を測定するために使用されている。典型的なコリオリ流量計が、いずれもJ.E.Smithらの米国特許第4109524号、米国特許第4491025号、及び再発行特許第31450号に開示されている。これらの流量計は、直線状または湾曲状の構成の1つ以上の導管を有している。コリオリ質量流量計における各導管構成が、単純な曲げ、ねじり、または結合型であってよい一組の固有振動モードを有している。各導管は、好ましいモードで振動するように駆動することができる。一部のタイプの質量流量計、特にコリオリ流量計は、密度の直接測定を実行して、密度に対する質量の商を通じて体積情報を提供する方法で操作され得る。未知の多相流体の密度を測定するためにコリオリ流量計を使用するネットオイルコンピュータについてRueschに付与された米国特許第4872351号を参照。Buttlerに付与された米国特許第5687100号は、振動管型デンシトメータとして動作する質量流量計の質量流量効果の密度測定値を補正するコリオリ効果のデンシトメータを開示している。
【0004】
材料は、流量計の入口側に接続されたパイプラインから流量計に流れ込み、導管を通って導かれ、流量計の出口側から流量計を出る。振動システムの固有振動モードは、導管と導管内を流れる材料の質量の組み合わせによって部分的に定義される。
【0005】
振動式デンシトメータの他の例は、振動要素の原理に基づいて動作し、該振動要素は、測定される液体に浸された細長い音叉または同様の構造である。従来の音叉は一般的には平らなまたは円形の断面の2つの歯で構成されており、それらは横梁に取り付けられ、該横梁はさらに取付け構造に取り付けられている。音叉は例えば圧電クリスタルなどのドライバによって励起されて振動し、第1の歯の根元で内部的に固定されている。振動の周波数は、第2の歯の付け根に固定された第2の圧電クリスタルによって検出される。トランスデューサセンサは、メータ電子機器に配置された増幅回路によって、周囲の流体によって修正されたその第1の固有共振周波数で駆動される。
【0006】
フォークが流体に浸され、その共振周波数で励起されると、フォークは歯の動きによって流体を動かす。振動の共振周波数は、フォークの表面が押し付ける流体の密度に強く影響される。周知の原理によれば、歯の共振周波数は、導管に接触している流体の密度に反比例して変化する。
【0007】
振動計ドライバを介して接続されたメータ電子機器は、駆動信号を生成してドライバを操作し、ピックオフから受信した信号からプロセス材料の密度や他の特性を決定する。ドライバは、圧電ドライバ又は対向する駆動コイルを有する磁石などの多くの周知の構成のうちの1つを含む。交流がドライバに通されて、所望の振幅及び周波数で導管を振動させる。また、ドライバ構成と非常に類似した構成でピックオフを提供することも当該技術分野で知られている。しかしながら、ドライバが運動を誘発する電流を受け取る一方、ピックオフは、ドライバによって提供される運動を使用して電圧を誘発する。ピックオフによって測定される時間遅延の大きさは非常に小さく、多くの場合、ナノ秒単位で測定される。従って、トランスデューサの出力を非常に正確にする必要がある。
【0008】
振動式デンシトメータの他のスタイルは、試験中の流体に曝される円筒形振動部材を含む。振動式デンシトメータの一例は、片持ち式に取り付けられた円筒状導管を含み、入口端部が既存のパイプラインまたは他の構造に結合され、出口端部が自由に振動する。導管が振動されて共振周波数が測定され、これにより、テスト中の流体の密度を決定することができる。
【0009】
特にバッチ混合操作において、密度測定法を用いて溶質の溶解を監視するための方法及び装置が提供される。振動要素デンシトメータを使用して、混合操作を監視する。再循環ループを備えたシステムが提供され、溶質の溶解を測定するために振動式デンシトメータが利用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に従って、振動計が配備される。振動計はドライバ、ドライバによって振動可能な振動部材、及び振動部材の振動を検出するように構成された少なくとも1つのピックオフセンサを備える。メータ電子機器が配備されて、該メータ電子機器は少なくとも1つのピックオフセンサから振動応答を受け取るように構成されたインターフェース、ドライバの駆動ゲインを測定し、駆動ゲインの変化に基づいて、流体に加えられた溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成されたインターフェースに結合された処理システムを備える。
【0011】
実施形態に従って、溶液中の溶質の溶解を監視する方法が提供される。方法は、第1の溶質を流体に添加するステップと、流体を振動計に曝すステップとを含む。振動計のドライバの駆動ゲインが測定され、第1の溶質は、測定された駆動ゲインの変化に基づいて、実質的に完全に溶解したと決定される。
【0012】
態様
一態様に従って、振動計はドライバ、ドライバによって振動可能な振動部材、及び振動部材の振動を検出するように構成された少なくとも1つのピックオフセンサを備え、メータ電子機器は少なくとも1つのピックオフセンサから振動応答を受け取るように構成されたインターフェース、ドライバの駆動ゲインを測定し、駆動ゲインの変化に基づいて、流体に加えられた溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成されたインターフェースに結合された処理システムを備える。
【0013】
好ましくは、処理システムは、流体の密度を測定し、流体の密度の変化に基づいて、流体に添加された溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成されている。
好ましくは、処理システムは、流体の密度を測定し、駆動ゲインの変化と測定された流体の密度の変化との組み合わせに基づいて、流体に追加された溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成される。
好ましくは、処理システムは、駆動ゲイン信号ピークの後に駆動ゲイン信号の安定化期間が続くときに、流体に追加された溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するように構成される。
【0014】
好ましくは、駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルにほぼ等しい信号レベルを含む。
好ましくは、駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルとは異なる信号レベルを含む。
好ましくは、振動計は、振動計と流体が行き来する再循環ループと、流体を収容するように動作可能な容器とを更に含み、流体は、容器に戻る前に再循環ループ及び振動計を通過する。
【0015】
一態様に従って、溶液中の溶質の溶解を監視する方法は、第1の溶質を流体に添加するステップと、流体を振動計に曝すステップと、振動計のドライバの駆動ゲインを測定するステップと、測定された駆動ゲインの変化に基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解したと決定するステップを含む。
【0016】
好ましくは、方法は、流体の密度を測定するステップと、測定された流体の密度の変化に基づいて、溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するステップを含む。
好ましくは、方法は、流体の密度を測定するステップと、測定された流体の密度の変化と測定された駆動ゲインの変化とに基づいて、溶質が実質的に完全に溶解したことを決定するステップを含む。
好ましくは、測定された駆動ゲインに基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解したと決定するステップは、駆動ゲイン信号ピークの後に続く駆動ゲイン信号の安定化期間を測定するステップを含む。
【0017】
好ましくは、駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルにほぼ等しい信号レベルを含む。
好ましくは、駆動ゲイン信号の安定化期間は、測定された駆動ゲイン信号のピークの前に観測された信号レベルとは異なる信号レベルを含む。
好ましくは、方法は第1の溶質が実質的に完全に溶解していると決定された後にのみ、第2の溶質を流体に加えるステップを含む。
【0018】
好ましくは、測定された駆動ゲインに基づいて第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された駆動ゲインを所定の駆動ゲインと比較するステップを含む。
好ましくは、測定された駆動ゲインに基づいて第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された駆動ゲインを機械学習された駆動ゲインと比較するステップを含む。
好ましくは、測定された密度に基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された密度を所定の密度と比較するステップを含む。
好ましくは、測定された密度に基づいて、第1の溶質が実質的に完全に溶解していることを決定するステップは、測定された密度を機械学習された密度と比較するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に従った振動式デンシトメータを示す。
【
図2】実施形態に従った振動式デンシトメータを示す。
【
図5】実施形態に従った溶質分解システムの例を示す。
【
図6】監視された溶液への溶質添加を示す例示的なグラフである。
【
図7】監視された溶液への溶質添加を示す別の例示的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1乃至
図7及び以下の説明は、当業者に本発明の実施の形態の最良の態様を製作および使用する方法を教示するための具体的な例を示している。本発明の原理を教示する目的において、一部の従来からの態様は、簡略化または省略されている。当業者であれば、本明細書の技術的範囲に包含されるこれらの実施の形態からの変形例を理解できるであろう。当業者であれば、後述される特徴を種々の方法で組み合わせて本発明の多数の変形例を形成できることを、理解できるであろう。結果として、後述される実施の形態は、後述される具体的な例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ限定される。
【0021】
図1及び
図2はデンシトメータ200を示す。振動部材204が固有振動数(即ち、共振周波数)にて、又は固有振動数の近くで振動される。流体の存在下で振動部材204の共振周波数を測定することにより、流体の密度を決定することができる。振動部材204は金属から形成され、均一な厚さから構成されて、振動部材の壁の変形及び/又は欠陥は、振動シリンダの共振周波数に影響を与えない。この例のデンシトメータ200は、少なくとも部分的にハウジング210内に配置された円筒形の振動部材204を含む。ハウジング210または振動部材204は、デンシトメータをパイプラインまたは同様の流体搬送デバイスに流体が漏れないように動作可能に結合するためのフランジまたは他の部材を含み得る。図示の例では、振動部材204は、入口端部206でハウジング210に片持ち梁式に取り付けられており、反対側の端部は自由に振動することができる。振動部材204は流体がデンシトメータ200に入り、流体がハウジング210と振動部材204の間を流れることを許す複数の流体開口207を含む。従って、流体は振動部材204の内側と外側に接触する。ドライバ202と振動センサ(ピックオフ)209は、振動部材204の近傍に位置する。ドライバ202はメータ電子機器20から駆動信号を受信し、共振周波数又は共振周波数の近くで振動部材204を振動させる。振動センサ209は振動部材204の振動を検出し、処理のために振動情報をメータ電子機器20に送信する。メータ電子機器20は振動部材204の共振周波数を決定し、測定された共振周波数から密度測定を生成する。
【0022】
実施形態に従って、振動式デンシトメータ200はハウジング210の内側に振動部材204を含む。振動部材204は、恒久的又は取り外し可能にハウジング210に取り付けられる。定量化される流体は、ハウジング210に導入されるか、またはハウジング210を通過する。幾つかの実施形態では、振動部材204は、ハウジング210内で実質的に同軸であってもよい。しかし、振動部材204は、断面形状においてハウジング210に完全に対応する必要はない。振動部材204は、管、棒、フォーク、または当該技術分野で知られている任意の他の部材であってよい。
【0023】
一実施形態において、振動部材204は振動式デンシトメータ200に設置され、振動部材204の入口端部206はハウジング210に結合され、出口端部208は自由に振動する。図示の実施形態では、振動部材204はハウジング210に直接結合されておらず、代わりに、ベース201がハウジング210に結合されており、出口端部208は自由に振動する。結果として、振動部材204は、ハウジング210に片持ち梁式に取り付けられる。これは単なる例である、何故なら他の部材取り付け構成が考えられ、当業者に知られているからである。
【0024】
実施形態に従って、振動式デンシトメータ200は、ドライバ202と、中央タワー212に結合され得る少なくとも1つの振動センサ209とをさらに含む。ドライバ202は、1つ以上の振動モードで振動部材204を振動させるように適合される。ドライバ202は、振動部材204内に配置された中央タワー212内に配置されて示されているが、幾つかの実施形態では、ドライバ202は、例えば、ハウジング210と振動部材204との間に配置され得る。更に、ドライバ202は入口端部206の近くに配置されて示されているが、ドライバ202は任意の所望の場所に配置され得ることを理解されたい。実施形態に従って、ドライバ202は、リード211を介してメータ電子機器20から電気信号を受信することができる。示される実施形態では、少なくとも1つの振動センサ209は、ドライバ202と同軸に整列される。他の実施形態では、少なくとも1つの振動センサ209は、他の場所で振動部材204に結合されてもよい。例えば、少なくとも1つの振動センサ209は、振動部材204の外面に配置されてもよい。さらに、少なくとも1つの振動センサ209は振動部材204の外側に配置され、一方、ドライバ202が振動部材204の内側に配置されてもよく、逆もまた同様である。
【0025】
少なくとも1つの振動センサ209は、リード211を介してメータ電子機器20に信号を送信することができる。メータ電子機器20は、少なくとも1つの振動センサ209によって受信された信号を処理して、振動部材204の共振周波数を決定することができる。一実施形態にて、ドライバ202及び振動センサ209は、振動部材204に磁気的に結合され、従って、ドライバ202は、磁場を介して振動部材204に振動を誘発し、振動センサ209は、近接する磁場の変化を介して振動部材204の振動を検出する。テスト中の流体が存在する場合、当該技術分野で知られているように、振動部材204の共振周波数は流体密度に反比例して変化する。反比例する変化は、例えば、初期較正中に決定され得る。示される実施形態では、少なくとも1つの振動センサ209はまた、コイルを備える。ドライバ202は、電流を受けて振動部材204に振動を誘発し、少なくとも1つの振動センサ209は、ドライバ202によって生成された振動部材204の動きを使用して、電圧を誘発する。コイルドライバ及びセンサは当該技術分野で周知であり、それらの動作の更なる記載は説明の簡略化から省略される。
更に、ドライバ202及び少なくとも1つの振動センサ209は、コイルに限定されず、例えば圧電センサ、ひずみゲージ、光学センサまたはレーザセンサなどの様々な他の周知の振動構成要素を含み得ることを理解されたい。従って、本実施形態は、決して磁石/コイルに限定されるべきではない。更に、当業者はドライバ202及び少なくとも1つの振動センサ209の特定の配置が、本実施形態の範囲内に留まりながら変更され得ることを容易に認識するであろう。
【0026】
メータ電子機器20は経路26又は他の通信リンクに連結される。メータ電子機器20は、経路26を介して密度測定値を通信する。メータ電子機器20は、経路26を介して任意の他の信号、測定値、またはデータを送信することもできる。更に、メータ電子機器20は、経路26を介して、命令、プログラミング、他のデータ、またはコマンドを受け取ることができる。
【0027】
一実施形態にて、振動部材204の壁はドライバ202又は他の励起機構によって半径方向及び半径方向振動モードで励起される。次に、振動部材204の壁は、対応する放射状モードで振動するが、長い振動部材204と周囲の流れ流体の共振周波数で振動する。振動の駆動力と管壁の非対称性の関係により、1つ以上のモード形状が励起される。
振動部材204は得られた振動モードを少なくとも所定の周波数差だけ分離し、振動モード間の識別を実用的にする。その結果、振動式デンシトメータ200は、少なくとも1つの振動センサ209によって拾われた振動モードをフィルタリングするか、さもなければ分離または識別することができる。例えば、振動部材204は、より低い周波数の半径方向振動モードをより高い周波数の半径方向振動モードから分離及び離間することができる。
【0028】
振動部材204の構築中に、振動部材204及びベース201が形成される。一実施形態では、振動部材204は、機械加工によって少なくとも部分的に形成される。一実施形態にて、振動部材204は、少なくとも部分的に放電加工によって形成される。これらの方法は、可能性のある構築手法の非限定的な例を提供し、他の構築手法の使用を制限しない。
【0029】
振動部材204はベース201と同じ材料片であってもよい。一実施形態では、振動部材204が形成され、その後、ベース201に固定される。幾つかの実施形態では、振動部材204は、ベース201に溶接又はろう付けされてもよい。しかしながら、振動部材204は、永久的または取り外し可能にベース201に取り付けられることを含む、任意の適切な方法でベース201に取り付けられてもよいことを理解されたい。
【0030】
ここでの議論は、一端部で固定され、他端部で自由である振動管に関するものであるが、この概念及び例は、両端部で固定され、半径方向モードで振動する管にも適用されることを理解されたい。更に、円筒形の振動部材を有する構造が記載されているが、本発明が振動フォーク型デンシトメータで実施できることは当業者には明らかであろう。
【0031】
振動式デンシトメータ200は、気体、液体、混入気体を含む液体、浮遊粒子及び/又は気体を含む液体、またはそれらの組み合わせなどの流体の密度を決定するように構成され得る。幾つかの実施形態では、振動式デンシトメータ200は、その中に溶質を有する液体の密度を決定するように構成されてもよい。
【0032】
図3は、例えば、コリオリ流量計/デンシトメータなどの任意の振動計とすることができる流量計5を示すが、これらに限定されない。流量計5は、センサアセンブリ10及びメータ電子機器20を備える。センサアセンブリ10は、プロセス材料の質量流量および密度に応答する。メータ電子機器20は、リード100を介してセンサアセンブリ10に接続され、経路26を介して密度、質量流量及び温度情報、ならびに他の情報を提供する。
センサアセンブリ10は、フランジ101及び101’、一対のマニホールド102及び102'、一対の平行導管103(第1の導管)及び103'(第2の導管)、ドライバ104、抵抗温度検出器(RTD)などの温度センサ106、磁石/コイルのピックオフ、ひずみゲージ、光学センサ、または当該技術分野で知られている他の任意のピックオフなどの一対のピックオフ105および105'を含む。導管103及び103’は、夫々入口脚部107及び107’及び出口脚部108及び108’を有する。導管103と103’は、長さに沿って少なくとも1つの対称的な位置で曲がり、長さ全体にわたって基本的に平行である。各導管103、103’は、夫々軸W及びW’を中心に振動する。
【0033】
導管103と103’の脚部107、107’、108、108’は導管取付けブロック109、109’に固定して取り付けられ、これらのブロックがマニホールド102、102’に固定して取り付けられる。これにより、センサアセンブリ10を通る連続的な閉じた材料経路が提供される。
【0034】
フランジ101及び101’が、測定されるべきプロセス材料を搬送するプロセスライン(図示せず)に接続されると、材料は、フランジ101の第1のオリフィス(
図3では見えない)を通って流量計5の第1の端部110に入り、マニホールド102を通って導管取付けブロック109に導かれる。マニホールド102内で、材料は分割され、導管103及び103’を通って送られる。導管103及び103’を出ると、プロセス材料はマニホールド102’内で単一の流れに再結合され、その後、フランジ101’によってプロセスライン(図示せず)に接続された第2の端部112を出るように送られる。
【0035】
導管103及び103'が選択され、導管取付けブロック109及び109'に適切に取り付けられ、曲げ軸W-W及びW'-W'についての質量分布、慣性モーメント、及びヤング率が夫々実質的に同じになるようにする。導管103、103'のヤング率が温度とともに変化し、この変化が流れと密度の計算に影響を与えるので、温度センサ106が導管の温度を継続的に測定するために少なくとも1つの導管103、103'に取り付けられている。導管の温度、従って温度センサ106を通過する所与の電流に対して温度センサ106の両端に現れる電圧は、主に導管を通過する材料の温度によって支配される。温度センサ106の両端に現れる温度に依存した電圧は、周知の方法でメータ電子機器20によって使用され、導管103、103’の温度の変化による導管103、103’の弾性率の変化を補償する。温度センサ106は、メータ電子機器20に接続されている。
【0036】
両方の導管103、103’は、夫々の曲げ軸W及びW'の周りで反対方向にドライバ104によって駆動され、これは流量計の第1の逆位相曲げモードと呼ばれる。このドライバ104は、導管103’に取り付けられた磁石及び導管103に取り付けられた対向コイルなど、両方の導管を振動させるために交流が通過する、多くの周知の構成のいずれか1つを含む。適切な駆動信号が、メータ電子機器20によってリード113を介してドライバ104に加えられる。説明は2つの導管103、103’を指向しているが、他の実施形態では、単一の導管のみが提供されてもよく、または3つ以上の導管が提供されてもよいことを理解されたい。複数のドライバに複数の駆動信号を生成すること、及びドライバが第1の逆位相曲げモード以外のモードで導管を駆動することも本発明の範囲内である。
【0037】
メータ電子機器20は、リード114上の温度信号を受け取り、リード115及び115’上に夫々現れる左及び右の速度信号を受け取る。メータ電子機器20は、リード113に現れる駆動信号をドライバ104に生成し、導管103、103’を振動させる。メータ電子機器20は、左右の速度信号と温度信号を処理して、センサアセンブリ10を通過する物質の質量流量と密度を計算する。この情報は、他の情報と共に、経路26を介してメータ電子機器20によって利用手段に付与される。メータ電子機器20の回路の説明は、本発明を理解するのに必要ではなく、この説明を簡潔にするために省略される。
図1乃至
図3は、幾つかの可能性がある振動計の動作の例としてのみ提供されており、本発明の教示を限定することを意図していないことは理解されるべきである。
【0038】
コリオリ流量計の構造が説明されており、当業者には明らかであろうが、本発明は、上記のように、コリオリ質量流量計によって提供される追加の測定機能なしで、振動管又はフォークデンシトメータで実施することができる。更に、振動部材という用語は、本明細書では、導管を指す場合がある。
【0039】
振動式デンシトメータ200が正確な密度測定値を得るためには、共振周波数は理想的には安定しているべきである。所望の安定性を達成するための1つのアプローチは、振動部材204を半径方向振動モードで振動させることである。半径方向振動モードでは、振動部材の長手方向軸は基本的に静止したままであるが、振動部材の壁の少なくとも一部は並進及び/又は回転して静止位置から離れる。半径方向振動モードは自己バランスが取れている傾向があるため、振動部材の取付け特性は、他の幾つかの振動モードと比較してそれほど重要ではない。しかしながら、他の振動モードが実施形態のために企図されている。
【0040】
振動式デンシトメータに密度の異なる2つの流体相が存在する場合、これらの2つの流体相の間に発生するデカップリングがあり、しかもデカップリングは、キャリア相の粘度と導管の振動周波数とともに、キャリア相(この場合は液体)と粒子相(固体)の密度と粒子サイズの差の関数であることはよく理解される。この減衰は、2つの流体相の存在を高感度に検出する方法である。この減衰自体は、駆動ゲインとピックオフの振幅の両方で振動式デンシトメータに現れる。液体プロセス内の気体の場合、例えば、これに限定されないが、駆動ゲインは、約2%-5%から約100%に急速に上昇する。
【0041】
エネルギー入力とその結果の振幅に対する減衰の組み合わされた効果は、拡張された駆動ゲインと呼ばれ、これは100%を超えるパワーが利用可能である場合に、目標物の振動振幅を維持するために必要なパワーの概算を表す。
【0042】
【数1】
ここに付与された実施形態の目的から、幾つかの実施形態にて、駆動ゲインという用語は駆動電流、ピックオフ電圧、または特定の振幅で振動計を駆動するのに必要な電力量を示す、測定または導出された信号を指す。関連した実施形態では、駆動ゲインという用語は、ノイズレベル、信号の標準偏差、減衰関連測定、及び混相流を検出するために当該技術分野で知られている他の手段など、多相流を検出するために利用される任意の測定基準(metric)を包含するように拡張され得る。実施形態にて、これらの測定基準は混合相を検出するために、ピックオフセンサ間で比較される。
【0043】
振動計内の全ての流体が密度に関して均一である限り、振動部材は、最初の共振周波数で振動を維持するために非常に小さなエネルギーを必要とする。密度の異なる2つ(またはそれ以上)の非混和性成分で構成される流体の場合、導管の振動により、各成分の変位の大きさが異なる。この変位又はデカップリングの違い、及びこのデカップリングの大きさは、成分の密度の比率と逆ストークス数に依存することが示されている。
【数2】
【数3】
ここでωは振動の周波数であり、vは流体の動粘度、rは粒子の半径である。気泡の場合のように、粒子は流体よりも密度が低い場合があることに注意する必要がある。
【0044】
成分間で発生するデカップリングにより、導管の振動にて減衰が発生し、一定量のエネルギー入力に対して、振動を維持するためにより多くのエネルギーが必要になるか、振動の振幅が減少する。
【0045】
図4は、一実施形態に従ったメータ電子機器20のブロック図である。動作にて、デンシトメータ5、200は、密度、質量流量、体積流量、個々の流れ成分の質量と体積流量、例えば、個々の流れ成分の体積と質量の両方を含む総流量の測定値または平均値の1つ以上を含む、出力可能なさまざまな測定値を提供する。
【0046】
デンシトメータ5、200は、振動応答を生成する。振動応答は、メータ電子機器20によって受信されて処理され、1つ又は複数の流体測定値を生成する。値は監視され、記録され、保存され、合計され、及び/又は出力される。
メータ電子機器20は、インターフェース301、インターフェース301と通信する処理システム303、及び処理システム303と通信する記憶システム304を含む。これらの構成要素は別個のブロックとして示されているが、メータ電子機器20は、統合された構成要素及び/又は個別の構成要素の様々な組み合わせから構成され得ることを理解されたい。
【0047】
インターフェース301は、リード100、211に結合し、例えば、ドライバ104、202、ピックオフ/振動センサ105、105'、209、及び温度センサ106と信号を交換するように構成され得る。インターフェース301は、通信経路26を介して、例えば、外部デバイスと通信するようにさらに構成され得る。
【0048】
処理システム303はあらゆる方法の処理システムを含む。処理システム303は、デンシトメータ5、200を操作するために、記憶されたルーチンを検索及び実行するように構成される。記憶システム304は、一般的なメータルーチン305及び駆動ゲインルーチン313を含むルーチンを記憶することができる。記憶システム304は、測定値、受信した値、作業値、及び他の情報を記憶することができる。幾つかの実施形態において、記憶システムは、質量流量(m)321、密度(p)325、密度閾値326、粘度(m)323、温度(T)324、圧力309、駆動ゲイン306、駆動ゲイン閾値302、及び当該技術分野で知られている任意の他の変数を格納する。ルーチン305、313は、示された任意の信号、並びに当該技術分野で知られている他の変数を含むことができる。他の測定/処理ルーチンが企図され、これは詳細な説明及び特許請求の範囲内である。
【0049】
一般的なメータルーチン305は、流体の定量化及び流量測定の値を、生成及び保存することができる。これらの値は、実質的に瞬間的な測定値を含むことができ、または合計または累積された値を含むことができる。例えば、一般的なメータルーチン305は、質量流量測定値を生成し、それらを、例えば、記憶システム304の質量流量321記憶部に記憶させることができる。同様に、一般的なメータルーチン305は例えば、密度測定値を生成し、それらを記憶システム304の密度325記憶部に記憶させることができる。質量流量321及び密度325の値は、前述のように及び当該技術分野で知られているように、振動応答から決定される。質量流量及び他の測定の値は、実質的に瞬間的な値を含むことができ、サンプルを含むことができ、時間間隔に亘る平均値を含むことができ、または時間間隔に亘る累積値を含むことができる。時間間隔は、特定の流体状態が検出される時間のブロックに対応するように選択することができ、特定の流体状態は例えば、液体のみの流体状態、あるいは、液体、混入気体、及び/又は固体、及び/又は溶質を含む流体状態である。更に、他の質量及び体積流量及び関連する定量化が考えられ、それらは詳細な説明及び特許請求の範囲内である。
【0050】
駆動ゲイン閾値302を使用して、混合相の流れを区別し、溶質の溶解を監視することができる。密度325の読み取りに適用される密度閾値326も、個別に又は駆動ゲインと一緒に使用されて、混合相の流れと溶質の溶解を区別する。駆動ゲイン306は、溶質が溶解した様々な状態の流体の存在に対する、例えばデンシトメータ5、200の導管または振動部材の振動の感度の測定基準として利用されるが、これらに限定されない。
【0051】
図5に示した実施形態において、バッチ混合操作を監視するためのプロセス及びシステム400は、容器404の再循環ループ402上のデンシトメータ5、200を備える。流体は、ポンプ又は同様の装置によって推進され、流体は、容器404、再循環ループ402、及びデンシトメータ5、200を通って再循環する。成分が溶液に順次追加されると、溶液の密度の変化により、いつどのくらいの量の成分が追加されたかが判る。この方法により、レシピのステップを見逃したり、及び/又はバッチから成分が取り残されたりすることがなくなる。プロセスの他の態様の1つは、追加された成分が溶液に次の成分を追加する前に完全に溶解していることの確認である。更に、最終製品に溶解していない固体が残っていないことの確認を監視することができる。
【0052】
再循環の他に、バッチ移送も考えられることに注意すべきである。例えば、流体は、ポンプ又は同様の装置によって推進され、流体は、容器404からデンシトメータ5、200を通って、第2の容器に移送される。この方法は品質管理手段を提供し、レシピのどのステップも見逃されないこと、及び/又はバッチから成分が取り残されないことを保証する。限定されない例は、飲料の場合であって、生産者は小売り用容器に存在する固形物の量を最小化することを望む。デンシトメータ5、200を設置して、充填機/ディスペンサの近くの固形物、または固形物が沈殿する貯蔵タンクの出口を監視することは、ここで説明する再循環設備の代替手段である。
【0053】
図6を参照して、グラフは駆動ゲインを監視することにより、溶液内の固体の存在を検出するのに、駆動ゲインが如何に使用されるかの例を示している。提供されたグラフの例において、溶質はA、B、Cの3点で追加される。溶質が溶液に追加されると、駆動ゲインが急激に増加し、これは溶質の追加A、B、Cに対応するピークによって示される。これには、密度の対応する上昇も伴う。駆動ゲインは、ピーク後に安定したベースラインa、b、cに戻り、これは、溶質が溶解されたことを示している。溶質を追加するたびに密度トレースが安定するが、溶液の密度は全体的に増加することに注意されたい。一実施形態では、安定した溶質添加後のベースラインの検出は、溶質が溶液に入ったことを示す。
【0054】
駆動ゲインのピークA、B、Cは明らかに認識される。しかし、一実施形態にて、溶質の添加が、図に示されているような密度に大きな影響を与える場合、密度の変化及び/又は密度の安定性が溶解の主要な指標として利用でき、駆動ゲインが確認変数として利用される。
【0055】
図7を参照して、
図6に示すものとは異なる溶解プロファイルを有する溶質が提示される。この例において、DとEの地点で溶質を追加すると、駆動ゲインがゆっくりと増加し、溶質が溶解すると安定する。駆動ゲインはこの高いレベルで維持される。再び、これは、溶解の指標としてのみ使用され、又は溶質が正しい量で追加され、完全に溶解したことを、密度とともに二次指標として使用される。公称駆動ゲインと密度の全体的なシフトは、溶質が正しい量で追加されたことを示し、駆動ゲイン信号の安定性は、溶質が完全に溶解したことを示す。
【0056】
図6及び
図7のグラフは、可能性のある溶質添加の測定の例としてのみ提供されている。曲線の形状、ピークの強度、勾配、ベースラインに戻るかどうか、及び示されている他の特性は単なる例である。当業者ならば、異なる溶質と異なる溶液は、潜在的に独自の曲線形状、独自のピーク形状とサイズ、独自の勾配、ベースラインへの独自の戻り、前述の独自の組み合わせ、そして一般的に独自の痕跡や駆動ゲイン/密度の動作を示し、多すぎて説明しきれないことは理解されるだろう。
【0057】
実施形態にて、各溶質の信号痕跡、同じ溶質の複数回の追加、及び/又は全体的なレシピの進行と終了は、監視システムに保存され、溶質の追加を監視及び検証することができる。これにより、人的エラーが減少し、所望の溶液が作成されたことを正確に検証することができる。各溶質の添加又はレシピ全体の進行は、メータ電子機器に、又はメータ電子機器と通信するデバイスに事前にプログラムさえ得る。他の実施形態において、当業者に理解されるように、機械学習アルゴリズムが、密度と駆動ゲインの痕跡を調べることにより、プロセス内の異なる成分を認識するようにトレーニングされている。一実施形態にて、測定された駆動ゲイン及び/又は密度の痕跡が所定のまたは機械学習された駆動ゲイン及び/又は密度の痕跡と所定の量を超えて異なる場合、そのような表示が生成され得る。そのような表示はアラーム及び/又は通知を含む。一実施形態にて、駆動ゲインルーチン313は、本明細書に記載されるように、駆動ゲイン及び溶質添加の分析を実行するように構成され得る。
【0058】
多くの動作が乾燥成分を液体プロセスに混合することを扱っているが、バッチ品質を監視するためのオフラインサンプリングには、多くの分析機器が採用されている。時間領域分析を実施することにより、溶解を実行する可能性、つまり品質監視を、比較的安価でありながら非常に正確な振動式デンシトメータで達成することができる。
【0059】
上記の実施形態の詳細な説明は、本明細書の範囲内であると本発明者らが企図するすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者であれば、上記の実施形態の特定の要素を様々に組み合わせるか、または削除して別の実施形態を創出してもよく、またこのような別の実施形態が本明細書の範囲および教示内容に含まれることを認識する。また、当業者には、上記の実施形態の全体または一部を組み合わせて、本明細書の範囲および教示内容内にある追加の実施形態を創出してもよいことが明らかである。
【0060】
従って、特定の実施形態を例示の目的で本明細書に記載しているが、当業者が認識するように、本明細書の範囲内で種々の均等な修正が可能である。本明細書で提供している教示内容を、他の振動システムに適用することができ、これらは、上述し、かつ添付の図面に示した実施形態にのみ適用されるものではない。従って、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。