IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーライ リリー アンド カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図1
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図2
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図3
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図4
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図5
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図6
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図7
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図8
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図9
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図10
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図11
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図12
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図13
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図14
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図15
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図16
  • 特許-瓶のための把持用取り付け具 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】瓶のための把持用取り付け具
(51)【国際特許分類】
   B65D 23/00 20060101AFI20221104BHJP
   B65D 23/10 20060101ALI20221104BHJP
   B65D 23/12 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B65D23/00 B
B65D23/10 A
B65D23/12
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020564825
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019017925
(87)【国際公開番号】W WO2019164733
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-08-12
(31)【優先権主張番号】62/633,206
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】シャルファント,トニヤ リー
(72)【発明者】
【氏名】ルイージ,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ペイジ,キャリー ジャニーン
(72)【発明者】
【氏名】スキレース,マイケル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ターニク,ロバート ルイス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,マシュー スコット
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,トニー ワイ.
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0047967(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0175197(US,A1)
【文献】米国特許第02838226(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0204017(US,A1)
【文献】米国特許第05013074(US,A)
【文献】米国特許第03013691(US,A)
【文献】米国特許第06571976(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0030271(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0325904(US,A1)
【文献】米国特許第05809674(US,A)
【文献】米国特許第09851476(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 23/00
B65D 23/10
B65D 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤瓶の取り扱いを容易にするための把持用取り付け装置であって、前記薬剤瓶は、長手方向軸と平行に延在する円筒壁を有する容器を含み、前記容器は、基部壁によって一方の端部において閉鎖されており且つ対向する開口端部を有し、前記容器は、前記容器を取り囲むように前記開口端部においてキャップを受容し、
前記把持用取り付け装置は、
スリーブ部分であって、前記容器と前記スリーブ部分との間の相対移動を阻止するために前記容器の壁に取り外し可能に取り付けられるように構成された内部円筒面を画定するスリーブ壁を有する前記スリーブ部分と、
前記スリーブ部分の把持を容易にするように前記スリーブ部分に接続されたレバレッジ構成要素と
を備え、
前記スリーブ部分は、容器上で受容されたときに、前記基部壁を少なくとも部分的に覆う底部壁を含み、
前記底部壁は、前記開口部を通じた前記容器の前記基部壁の接触を可能にする中央開口部を含み、
前記把持用取り付け装置は、シリンジを含むための空洞をさらに備え、前記スリーブ部分が、シリンジを含むための表面構造を備える半径方向拡大基部を含む、前記把持用取り付け装置。
【請求項2】
前記レバレッジ構成要素が、粘着性の外面を有する前記スリーブ壁を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スリーブ壁が、円筒外面を備え、前記レバレッジ構成要素が、前記スリーブ壁から離れて前記円筒外面から突出する表面特徴を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記表面特徴が、垂直リブを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記表面特徴が、水平リブを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記表面特徴が、テクスチャ加工された表面で構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記スリーブ壁が、円筒外面を含み、前記レバレッジ構成要素が、前記円筒外面から外側へ延在するノブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ノブが、前記容器から外側へ長手方向に延在する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記スリーブ壁が、円筒外面を備え、前記レバレッジ構成要素が、前記円筒外面から外側へ延在するハンドルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ハンドルが、前記スリーブ壁から前記容器の前記長手方向軸に対して垂直な方向に延在する第1の部分と、前記第1の部分から前記容器の前記長手方向軸と平行な方向に延在する第2の部分と、を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の部分が、前記容器の前記開口端部に隣接して配置され、前記第2の部分が、前記容器の前記開口端部から離間された位置で終端する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の部分が、前記容器の前記開口端部に隣接して配置され、前記第2の部分が、前記容器の前記円筒壁と接合される位置で終端する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記スリーブ部分の前記底部壁が、溝を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記スリーブ部分が、前記把持用取り付け装置を支持面に静置するための、半径方向拡大基部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記スリーブ部分が、前記薬剤容器の前記外面の直径に類似する直径を有し、前記半径方向拡大基部が、前記薬剤容器の前記外面からより遠くへと延在する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記半径方向拡大基部が、前記支持面に対する回転に抵抗するように構成された底面を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記基部の前記底面が、高摩擦材料を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記基部の前記底面が、少なくとも吸着カップを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
薬剤瓶の取り扱いを容易にするための把持用取り付け装置であって、前記薬剤瓶は、長手方向軸と平行に延在する円筒壁を有する容器を含み、前記容器は、基部壁によって一方の端部において閉鎖されており且つ対向する開口端部を有し、前記容器は、前記容器を取り囲むように前記開口端部においてキャップを受容し、
前記把持用取り付け装置は、
スリーブ部分であって、前記容器と前記スリーブ部分との間の相対移動を阻止するために前記容器の壁に取り外し可能に取り付けられるように構成された内部円筒面を画定するスリーブ壁を有する前記スリーブ部分と、
前記スリーブ部分の把持を容易にするように前記スリーブ部分に接続されたレバレッジ構成要素と、
シリンジを含むための空洞と
を備え、
前記スリーブ部分が、シリンジを含むための表面構造を備える半径方向拡大基部含む、前記把持用取り付け装置。
【請求項20】
前記表面構造が、前記シリンジを受容するように構成された切り欠きを備える、請求項1~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記表面構造が、シリンジを受容するように構成された空洞を備える、請求項1~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記薬剤の投与計画と相関する表面構造を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
7つの表面構造が提供され、各表面構造が、曜日を表すようにマーク付けされる、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本開示は、使用中に薬剤瓶に固定して、瓶の取り扱いを容易にするための、把持用取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤は、しばしば、様々な種類の瓶で提供される。そうした瓶は、取り外し可能なキャップによって一方の端部が閉鎖された容器を含む。容器は、ガラス、プラスチック、金属、または他の材料から作製することができる。キャップは、スナップ嵌め、ねじ接続、などで構成することができる、容器に固定するための機構を含む。容器へのキャップの取り付けは、キャップが偶発的に外れるのを回避するために、十分に固定するように行われる。いくつかの場合において、キャップは、子供に安全な固定具として容器に取り付けられる。
【0003】
個人が薬剤容器に対してキャップを取り外す、および/または再び取り付けることは困難であり得る。特に子供に安全なシステムによって、キャップを取り外す、および/または再び取り付ける際に、容器に対してキャップを操作することが困難になり得る。これは、年齢または医学的状態のため、物理的な体力または器用さが低下してきた個人に特に当てはまる。
【発明の概要】
【0004】
薬剤容器に対するキャップの適用および取り外しを容易にする把持用取り付け具を提供する。把持用取り付け具は、容器とスリーブ部分との間の相対回転を阻止するために薬剤瓶の円筒壁に取り外し可能に取り付けるように構成された内部円筒面を画定する円筒壁を有する、スリーブ部分を含む。把持用取り付け具は、スリーブ部分に固定され、かつ薬剤容器およびキャップの取り扱いを容易にする、レバレッジ構成要素をさらに含む。把持用取り付け具は、キャップの取り付けおよび取り外しを改良すること、ならびに、正確にかつ限られた漏出で用量を分注または取り出しながら、容器を保持するのを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の特徴および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すると、当業者にさらに明らかになるであろう。
【0006】
図1】薬剤瓶に固定された例示的な把持用取り付け具の実施形態の斜視図である。
図2】薬剤瓶に取り付けられ、また、垂直リブを有する、代替的な把持用取り付け具の斜視図である。
図3図2の把持用取り付け具の底面図である。
図4】薬剤瓶上にあり、かつ外側へ延在するノブを含む把持用取り付け具の一実施形態の側面図である。
図5図4の把持用取り付け具の正面図である。
図6図4の把持用取り付け具の平面図である。
図7】薬剤瓶に固定され、かつハンドルを含む把持用取り付け具の側面図である。
図8】ユーザによって保持されている図7の把持用取り付け具の斜視図である。
図9】代替のハンドル構成を有する把持用取り付け具の側面図である。
図10】基部に溝を含む把持用取り付け具の側面図である。
図11】シリンジを受容するための空洞を有する拡大基部を含む把持用取り付け具の斜視図である。
図12】シリンジを薬剤容器に固定する連結部材の斜視図である。
図13】シリンジを保持するための拡大上部分および切り欠きを含む把持用取り付け具の斜視図である。
図14】吸着カップを含む拡大基部を含む把持用取り付け具を示す側面図である。
図15】曜日識別子を選択するためのスライダを有する把持用取り付け具の斜視図である。
図16】薬剤瓶のための把持用取り付け具として有効なバンドの平面図である。
図17】把持用取り付け具として機能するように薬剤瓶に適用したときの図15のバンドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の原理の理解を促進するために、次に、図面に例示された実施形態を参照し、特定の言語を使用して、これを説明しよう。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるであろう。
【0008】
本発明の把持用取り付け具は、薬剤容器を覆って受容されるスリーブ部分を備える。スリーブ部分は、薬剤容器に厳密に嵌合し、密着するように構成された円筒壁を備える。把持用取り付け具はまた、容器に対するキャップの適用または取り外しを行ったときに、相対回転に対する容器の保持を容易にするために、レバレッジ構成要素も含む。
【0009】
本明細書で使用するとき、「円筒」という用語は、典型的な薬剤容器の長手方向壁に厳密に合致する形状を指す。かかる容器は、一般に、その長さの大部分にわたって均一な断面を有し、この断面は、円形、楕円形、長方形(正方形を含む)、六角形、などを含む、任意の幾何学形状を有することができる。把持用取り付け具のスリーブ部分は、薬剤容器の断面に一致するように予め成形することができる。代替的に、把持用取り付け具のスリーブ部分は、それを覆って適用されたときに、薬剤容器の壁に合致する、柔軟な材料を備えることができる。一態様では、スリーブ部分は、薬剤瓶を覆って延伸する可撓性材料で構成することができる。スリーブ部分は、望ましくは、ユーザが満足し、かつ把持の目的のために機能する、弾性のゴム触感を有する。
【0010】
使用中の薬剤容器の把持を容易にする把持用取り付け具を提供する。図1を参照すると、薬剤瓶12に固定される把持用取り付け具10が示されている。瓶12は、一方の端部が基部壁18(図3)によって閉鎖され、他方の端部が開口された円筒容器壁16を有する容器14を含む。容器14は、開口端部に隣接して雄ねじ(図示せず)を含み、また、容器14を取り囲むように雌ねじ付きキャップ20を受容する。ねじ付きキャップ20は、通常の操作のために構成することができ、または軸方向に押圧することなどの、ねじ接続を解放するために特別な労力を必要とする「子供に安全な」種類のものとすることができる。キャップは、代替的に、押圧またはスナップ嵌めなどを通して、他の閉鎖システムによって容器に固定することができる。
【0011】
把持用取り付け具10は、薬剤瓶に取り付けたときに円筒壁24を有する、スリーブ部分22を備える。円筒スリーブ壁24は、容器14の外壁面26と厳密に合致して、強固に取り付けられるように構成された内面を画定する。把持用取り付け具10は、容器に対するキャップの適用または取り外し中の、ならびに他の時点での容器14の保持を容易にするために、レバレッジ構成要素を備える。
【0012】
例示的な一実施形態において、レバレッジ構成要素28は、高摩擦材料30で構成され、さらにはわずかに「粘着性の」触感を備えることができる、スリーブ部分の表面として提供される。この目的に好適な材料としては、例えば、ネオプレン、SCUBA発泡ゴム、連続気泡または独立気泡ポリウレタン、および約30~約70のデュロメータを有する他のウレタンの組み合わせが挙げられる。材料は、様々な色とすることができ、随意に、布地材料で覆うことができる。
【0013】
薬剤瓶には、典型的に、含まれる薬剤の性質および投与要件に関する重要な情報を提供するラベルを含む。したがって、把持用取り付け具は、ラベルを視認することを可能にするように戦略的に配置された位置に視認部分を備える。視認部分は、把持用取り付け具のスリーブ部分のその一部分の材料が存在しないように形成された、透明材料または開口部を備えることができる。それによって、視認部分は、下層の薬剤ラベルに対する可視性を提供する。加えて、視認部分は、どのくらいの薬剤が薬剤容器内に残っているかをユーザが見ることを可能にする。
【0014】
図1を参照すると、把持用取り付け具10は、図1の瓶12を通して視認可能な1つ以上の狭い垂直開口部34を含む。これらは、把持用取り付け具によって包含される薬剤容器の実質的にすべての高さにわたる可視性を提供する。加えて、把持用取り付け具10は、薬剤ラベル32の少なくとも一部分を視認することを可能にする、比較的大きい視認部分36を含む。視認部分36は、薬剤ラベル32の主要な部分を視認することを可能にするようにサイズ決定され、また、薬剤ラベル上に提供されているすべての情報へのアクセスを可能にすることができる。
【0015】
把持用取り付け具10は、薬剤瓶12の容器14に容易に取り付けられるように構成される。スリーブ部分22は、使用中に容器14の外壁面26に対して位置付けられる内面38(図3)を含む。内面38は、本明細書で説明するような使用に対して十分な外壁面26の摩擦係合を提供するように構成される。この目的のために、内面38は、高摩擦面で形成すること、またはそれを備えることができる。いくつかの実施形態では、別のコーティングが内面38に適用される。しかしながら、内面38と外壁面26との間の摩擦係合の量は、瓶上に存在する薬剤ラベルの過度の損傷を伴うことなく、スリーブ22の取り付けを可能にするように、さらに、他の薬剤容器のその後の使用のために容器から取り外すことを可能にするように、制限される。
【0016】
スリーブ22の外壁面26との係合は、ユーザが、通常の使用中に把持用取り付け具を保持する際に、外壁面26に対してスリーブ22を自然に押圧するという事実によって強化される。したがって、スリーブ22と容器14との摩擦係合は、ユーザが、キャップの取り付けおよび/または取り外し中に把持用取り付け具を保持している間、把持用取り付け具と容器との間の相対回転が防止される量であれば十分である。同時に、スリーブ部分22を直接把持しない状態での摩擦係合は、過度の労力または薬剤ラベルへ損傷を伴うことなく容器14に対するスリーブ部分22の取り付けおよび取り外しを行うことができるように、十分に低減させることができる。
【0017】
把持用取り付け具の表面特徴は、把持用取り付け具の薬剤容器への配置を、ならびに使用中の把持用取り付け具の外面の堅固な把持を容易にする。これらの表面特徴はまた、把持用取り付け具を薬剤容器から分離するべきときに、把持用取り付け具を操作することも容易にする。例示的な一実施形態において、把持用取り付け具は、薬剤容器の底面を露出させる底部開口部を含む。一実施例として、図2および図3は、把持用取り付け具の代替形態を表す。図3は、把持用取り付け具40の底面図を提供する。把持用取り付け具40は、中央開口44を画定する底部壁42(図3)を含む。使用中に、容器14は、底部壁42の上面に隣接して静置されるまで、把持用取り付け具40のスリーブ部分22の中へ押し下げられる。容器14から把持用取り付け具40を取り外すには、ユーザは、スリーブ部分22を保持し、基部壁18に対して押圧して、容器14をスリーブ部分22に対して上向きに押し出す。
【0018】
代替的に、レバレッジ構成要素28は、高められた把持を提供する様々な他の表面特徴を備えることができる。更なる一実施例として、離間された垂直リブ48を含むスリーブ部分46を含む、把持用取り付け具40を図3に示す。リブ48は、ユーザが、キャップ20の適用または取り外しを行うために、容器14に対してキャップ20を回転させるときに、有用な把持位置を提供するようにサイズ決定、成形、および離間される。リブ48は、好ましくは、快適な触感をユーザに提供する。したがって、リブ48は、丸みのある縁部を有する比較的軟かい材料で形成することができる。代替的に、または加えて、リブ48は、水平に、もしくはある角度で、または異なる配向の組み合わせとして延在させることができる。表面特徴はまた、表面のテクスチャ加工を備えることもできる。
【0019】
把持用取り付け具の外側へ延在するノブを備えるレバレッジ構成要素28の一実施例を図4図6に示す。把持用取り付け具50は、先に説明したように容器14に取り付けられたスリーブ部分52を含む。把持用取り付け具50は、スリーブ部分52の外側に、好ましくは容器14に対して長手方向に沿って延在する、ノブ54をさらに含む。使用中に、ユーザは、容器に対するキャップの取り付けまたは取り外しを行っている間、スリーブ52およびノブ54を把持して、容器14を一定の回転位置に保持する。
【0020】
代替の例示的な実施形態を図7図8に示す。把持用取り付け具60は、使用中に薬剤容器14に固定されたスリーブ部分62を含む。把持用取り付け具60は、スリーブ部分62に取り付けられたハンドル部材64をさらに含む。ハンドル部材64は、スリーブ部分62と実質的に平行に延在する直立部分66を含む。図7に示す一実施形態において、直立部分66は、スリーブ部分62の上端部に隣接してスリーブ部分62に取り付けられた上部接続部材68によって取り付けられる。したがって、ハンドル部材64は、スリーブ壁から容器の長手方向軸に対して略垂直な方向に延在する部分と、第1の部分からスリーブ壁と平行な方向に延在する部分と、を含む。したがって、ハンドル部材64は、容器の開口端部に隣接して配置された部分と、スリーブ壁から離間された位置で終端する部分と、を有する。
【0021】
代替の実施形態において、直立部分66は、スリーブ部分の下端部に隣接してスリーブ部分62に取り付けられた下部接続部材によってスリーブ部分62に取り付けることができる。ハンドルはまた、上部接続部分および下部接続部分の両方によってスリーブ部分に取り付けることもできる。後者の場合、ハンドル部材は、容器の開口端部に隣接して直立部分を接続する部分と、スリーブ壁の下部位置で直立部分に接続する部分と、を有する。
【0022】
図8に示すように、ハンドル部材64は、望ましくは、ユーザの1本以上の指を受容して、容器14に対するスリーブ部分62の把持を容易にするように構成される。これは、キャップの取り付けまたは取り外し中に、キャップ20に対する把持用取り付け具60および薬剤容器14の回転に抵抗するユーザの能力を高める。
【0023】
図9を参照すると、本明細書で想到される把持用取り付け具のさらに別の実施形態が示されている。把持用取り付け具70は、容器14に固定されたスリーブ部分72を含む。親指ハンドル74は、スリーブ部分72に取り付けられる。親指ハンドル74は、図7図8のハンドル部材64に類似するが、代わりに、ユーザの親指を受容するようにサイズ決定される。親指ハンドル74は、単独でスリーブ部分72に提供することができる。しかしながら、代替の実施形態では、指グリップ76も提供される。指グリップ76は、スリーブ部分72の半径方向外側に延在するストラット78と、ストラット78の上側および下側に延在する指支持体80と、を備える。ユーザは、親指を親指ハンドル74の中へ配置することによって、および指をストラット78の片側の指支持体80の下側に配置することによって、薬剤瓶12を把持する。本明細書で説明する他の設計に関して、この構成は、ユーザが、キャップ20の取り付けまたは取り外し中に、容器14に対してスリーブ部分72を把持すること、およびキャップ20に対する把持用取り付け具70および薬剤容器14の回転に抵抗することを可能にする。
【0024】
図10に示すように、さらに別の例示的な実施形態において、把持用取り付け具90は、使用中に、薬剤容器14に固定されるスリーブ部分92を含む。把持用取り付け具90は、薬剤瓶12から下側に延在する底部壁94を含む。横溝96は、底部壁94の底面98を横断して直径方向に形成される。よって、ユーザは、指を溝98内に延在させて、容器14をさらに安定させ、かつ回転に抵抗する様態で、スリーブ部分92を把持することができる。
【0025】
スリーブ部分102および基部104を含む代替的な把持用取り付け具100を図11に示す。基部104は、スリーブ部分102および容器14と比較して、半径方向に拡大され、よって、把持用取り付け具100は、薬剤容器の外面に類似する直径の部分と、外面からより遠くに離れて延在する部分と、を含む。これは、瓶12を支持するためのより大きい底面106を提供し、したがって、支持面に配置したときの薬剤瓶12の安定性を高める。
【0026】
随意の特徴は、シリンジ、通常は経口投与シリンジを含むための、把持用取り付け具の表面構造の提供である。表面構造は、薬剤の投与計画と相関させるように提供することができる。図11に示すように、例えば、基部104は、拡大基部104の1つ以上の空洞108によって提供することができる。一実施形態において、基部104は、曜日に対応する7つの空洞を備える。空洞は、各週日を示すようにラベル付けすることができ、シリンジの使用に対応する曜日にシリンジ110を配置することができる。例えば、シリンジは、シリンジを次に使用するべき日に対応する、ラベル付けされた空洞に配置することができる。
【0027】
代替的に、把持用取り付け具は、別個のシリンジ取り付け具と組み合わせて使用することができる。図12に示すように、連結部材112は、容器14の首部116を覆って受容されたスリーブ114を含む。連結部材112は、シリンジを容器に固定する開口部118をさらに含む。
【0028】
把持用取り付け具の他の設計を図13に示す。把持用取り付け具120は、拡大基部122と、より拡大させた上部分124と、を含む。切り欠き126は、シリンジ128を受容するように、上部分124に形成される。
【0029】
把持用取り付け具はまた、支持面に対する把持用取り付け具の回転の抵抗を高めるように構成することもできる。一態様において、把持用取り付け具は、支持面に接触する高摩擦材料を備えることができる。別の態様において、把持用取り付け具130(図14)は、容器14を受容するスリーブ部分132を含む。吸着カップ134は、把持用取り付け具130の底部に提供され、また、支持面に係合するように使用可能である。
【0030】
把持用取り付け具を使用して情報を追跡する代替の方法を図15に示す。把持用装置140は、瓶12に嵌合した形態のスリーブ部分142を備える。スライダ144は、ウインドウ146内で受容され、また、様々な半径方向位置に移動可能である。曜日などに関する識別情報148は、ウインドウ146内に提供される。ユーザは、スライダ144をウインドウ146内の異なる位置に移動させて、ウインドウ内に列記された所望の識別情報148を示す。例えば、スライダを移動させて、薬剤を投与するべき次の曜日を示すことができる。
【0031】
毎日の投与を説明してきたが、他の投与計画も追跡することができる。投与計画としては、例えば、1日複数回、週に1回、または任意の他の所定のスケジュール、で投与することを挙げることができる。
【0032】
把持用取り付け具の代替の固定方法を図16に示す。把持用取り付け具150は、材料のバンド152を備える。バンド152は、例えば、薬剤容器に対して強固に保持するようにサイズ決定された円筒形状を形成するためにばね付勢される、金属またはプラスチックによって形成される。バンド152は、円筒の外側にバンドを撓曲させることによって開口させることができる、円筒の形態である、非取り付け状態を有することができる。よって、バンド152は、拡大させたバンドの中へ瓶を挿入するのに十分な、限られた距離だけしか開口する必要がなく、その時点で、バンド152は、瓶に対して内側に閉鎖することが可能である。
【0033】
図16に示すように、代替的な手法において、バンド152は、本質的に平坦な形態である安定した状態を有することができる。しかしながら、バンドはまた、バンドが素早く円筒形状になる状態も有する。バンド152は、瓶に対して偏平なバンドを配置し、次いで端部を内側へ付勢することによって薬剤瓶に適用され、これは、バンド152を瓶の周囲で円筒形状にすることを誘発する。
【0034】
いずれの実施形態においても、バンド152は、薬剤瓶の周囲に堅固に嵌合し、それによって、本明細書で開示する他のスリーブ部分と同じ様態で機能するスリーブ部分を形成するようにサイズ決定される。さらに、バンド152は、先に説明した様々なレバレッジ構成要素のいずれかを備えることができる。バンドの使用は、把持用取り付け具の薬剤瓶への適用を、同じく薬剤瓶からの取り外しをより容易にすることができる。また、瓶に存在するラベルに損傷を与える可能性を低くすることもできる。
【0035】
一態様において、バンド152の端部は、瓶の周囲で受容されるときに相互係止を形成するように成形される。例えば、図16に示すように、バンド152は、バンドの一方の側部に沿った突起部分156を有する第1の端部154と、バンドの他方の側部に沿った突起部分160を有する第2の端部158と、を有する。図17に示すように、バンド152は、薬剤瓶12に固定されたときに、突起部分156が突起部分160に隣接して厳密に受容されるようにサイズ決定される。
【0036】
把持用取り付け具は、薬剤および/または取り付け具の使用に関連する補助情報を提供するために、マーキングを含むことができる。例えば、把持用取り付け具は、「使用する前に振ること(Shake Before Using)」または「要冷蔵(Keep Refrigerated)」といった表記を含むことができる。マーキングは、「底部開口部を通して上向きに押して取り外す(To Remove,Press Upwardly Through Bottom Opening)」などの、把持用取り付け具を適切に取り外す方法を指示することができる。
【0037】
把持用取り付け具は、識別された特徴を提供する任意の材料から形成することができる。把持用取り付け具は、好ましくは再使用可能であり、そのために、スリーブ部分は、簡単な取り付け、取り外し、および再取り付けを行うように構成される。把持用取り付け具は、好ましくは、容易に洗浄される耐久性材料である材料から形成される。
【0038】
把持用取り付け具の使用は、キャップの適用または取り外しを行いながら使用することに加えて、多数の利点を提供する。把持用取り付け具は、薬剤を分注または取り出すなどの、薬剤容器の内容物にアクセスするユーザの能力を高めるのに有用である。把持用取り付け具によって提供される容器のより高度な制御もまた、精度を高め、漏出を低減させることができる。特定の実施形態において、把持取り付け具は、薬剤瓶が転倒する可能性を低減させる。薬剤瓶に損傷を与える可能性およびその内容物を喪失する可能性が低くなる。使用中および支持面に静置しているときの両方における薬剤瓶の追加的な安定性の観点から、他の利点もまた達成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17