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特許7170074仮想店舗管理プログラム、仮想店舗管理システムおよび仮想店舗管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】仮想店舗管理プログラム、仮想店舗管理システムおよび仮想店舗管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221104BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20221104BHJP
   A63F 13/42 20140101ALI20221104BHJP
   A63F 13/655 20140101ALI20221104BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20221104BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
A63F13/69
A63F13/42
A63F13/655
A63F13/35
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021014455
(22)【出願日】2021-02-01
(65)【公開番号】P2022117770
(43)【公開日】2022-08-12
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100155402
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 真
(72)【発明者】
【氏名】津田 真
(72)【発明者】
【氏名】柴田 啓太
(72)【発明者】
【氏名】伏木 真波
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10495878(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0306120(US,A1)
【文献】特開2002-063508(JP,A)
【文献】特表2016-503538(JP,A)
【文献】特開2017-004498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0087888(US,A1)
【文献】特開2002-133223(JP,A)
【文献】韓国登録特許第2294495(KR,B1)
【文献】VRショッピング事例まとめ!買い物もVRでする時代到来!?,online,2020年10月29日,[検索日:2022年1月28日], <URL:https://vrinside.jp/knowledge/vrshopping/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A63F 13/69
A63F 13/42
A63F 13/655
A63F 13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバに、
現実空間に重畳される景観に基づいた拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能と、
を実現させるための仮想店舗管理プログラム。
【請求項2】
前記サーバに、
ユーザと対応付けられた仮想的なアバターを、前記拡張現実ジオラマまたは前記空間領域と共に前記表示装置に表示させる、アバター表示機能と、
前記空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトを前記アバターと組み合わせる、組み合わせ機能とを
実現させるための請求項1に記載の仮想店舗管理プログラム。
【請求項3】
前記サーバに、
前記空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは前記オブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、前記空間領域と対応付けて前記表示装置に表示させる、レジ領域表示機能を
実現させる請求項1または請求項2に記載の仮想店舗管理プログラム。
【請求項4】
前記サーバに、
二つ以上の前記空間領域を結合する、空間領域結合機能を
実現させるための請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
【請求項5】
前記サーバに、
二つ以上の前記拡張現実ジオラマを結合する、拡張現実ジオラマ結合機能を
実現させるための請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
【請求項6】
前記サーバに、
前記拡張現実ジオラマと前記空間領域とをマッチングする、マッチング機能を
実現させ、
前記マッチングとは、リンクの対象となる拡張現実ジオラマおよび空間領域を選出することを意味する、請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
【請求項7】
前記サーバに、
前記拡張現実ジオラマと、一つ以上の前記空間領域との間のリンクを解消する、空間領域リンク解消機能
を実現させるための請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
【請求項8】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備える仮想店舗管理システムであって、
現実空間に重畳される景観に基づいた拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示手段と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク手段と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示手段と、
を含む、仮想店舗管理システム。
【請求項9】
ユーザ端末に、
現実空間に重畳される景観に基づいた拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能と、
を実現させるための仮想店舗管理プログラム。
【請求項10】
コンピュータ装置による仮想店舗管理方法であって、
現実空間に重畳される景観に基づいた拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示処理と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク処理と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示処理とを含む、
仮想店舗管理方法。
【請求項11】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備える仮想店舗管理システムによる、仮想店舗管理方法であって、
現実空間に重畳される景観に基づいた拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示処理と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク処理と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示処理とを含む、
仮想店舗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、仮想店舗管理プログラム、仮想店舗管理システムおよび仮想店舗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上に配置されたウェブサイトにおいて商品を販売する商品販売サイトが知られている。
【0003】
特許文献1には、商品と、商品に対応付けられる投入オブジェクトと、が掲載された商品ページをカスタマに提示する提示部と、カスタマからの指示を受け付ける受付部と、投入オブジェクトに対応付けられる商品を選択する第1指示が受け付けられると、選択された商品をカスタマの電子カートに投入する投入部とを備えた電子取引端末が記載されている。電子取引端末において、提示部は、電子カートへ商品が投入されると、(a)遷移条件が満たされれば、商品ページから、電子カートに既に投入されている商品を購入するための決済を開始する購入ページへ、カスタマに提示すべきページを遷移させる。電子取引端末において、提示部は、(b)遷移条件が満たされなければ、商品ページに示された商品が電子カートに投入された旨を示す投入通知を商品ページと共に提示し、他の商品を選択する第2指示が受付部により受け付けられるまで待機した後、商品ページから、選択された他の商品を示す商品ページへ、カスタマに提示すべきページを遷移させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5801981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、仮想的なオブジェクト等を現実空間に重畳出力する拡張現実(AR)技術が進展している。仮想店舗に相当する空間領域と、この空間領域にリンクされる拡張現実ジオラマとを動的に配置できれば、ユーザは好みに応じた仮想空間上で商品を購入する、サービスの提供を受けるなどの多彩な取引行動を行うことができる。
【0006】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、ユーザが好みに応じた仮想空間上で多彩な取引行動を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る仮想店舗管理プログラムは、サーバに、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能と、を実現させるためのものである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る仮想店舗管理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備える仮想店舗管理システムであって、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示手段と、一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク手段と、前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示手段とを含むものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る仮想店舗管理プログラムは、ユーザ端末に、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能とを実現させるためのものである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る仮想店舗管理方法は、コンピュータ装置による仮想店舗管理方法であって、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示処理と、一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク処理と、前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示処理とを含むものである。
【0011】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係る仮想店舗管理方法は、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備える仮想店舗管理システムによる、仮想店舗管理方法であって、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示処理と、一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク処理と、前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示処理とを含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理システムの構成の例を示す図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理システムの構成の例を示す図である。
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理システムの構成を示すブロック図である。
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図20】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図21】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による拡張現実ジオラマの表示例を示す概念図である。
図22】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による空間領域の表示例を示す概念図である。
図23】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図24】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ユーザへのアバターの対応付けを示す概念図である。
図25】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、アバターのパラメータまたは形態変化を示す概念図である。
図26】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、他ユーザから見た場合のアバターの見え方の例を示す概念図である。
図27】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、仮想的なオブジェクトとアバターとの組み合わせの例を示す概念図である。
図28】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、仮想的なオブジェクトとアバターとの組み合わせの例を示す概念図である。
図29】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図30】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、取引画面の表示例を示す概念図である。
図31】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、実物品に対応したパラメータまたは形態を有する応対キャラクタの表示例を示す概念図である。
図32】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、応対キャラクタの制御例を示す概念図である。
図33】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図34】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、空間領域の結合例を示す概念図である。
図35】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、接続用領域を用いた場合の空間領域の結合例を示す概念図である。
図36】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図37】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマの結合例を示す概念図である。
図38】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマの結合例を示す概念図である。
図39】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマの結合例を示す概念図である。
図40】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
図41】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマと空間領域とのマッチング処理の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローやシーケンスを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0015】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の概要について説明をする。以下では、第1の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理システムの構成の例を示す図である。仮想店舗管理システム100は、仮想店舗管理処理サーバ10(サーバ10)と、仮想店舗管理システム100のユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。仮想店舗管理システム100の構成はこれに限定されない。例えば、仮想店舗管理システム100は、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。仮想店舗管理システム100が複数のサーバを備えてもよい。例えば、仮想店舗管理システム100が他サーバ40を更に備えてもよい。
【0017】
仮想店舗管理システム100は応対者装置60をさらに備えることがある。応対者装置60は、例えば仮想店舗に訪れたユーザに応対する応対者SPが使用する。応対者装置60の具体例として、サーバ装置、クライアント装置、および後述のユーザ端末等がある。
【0018】
サーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30を介したサーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60の相互間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、複数のユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0019】
仮想店舗管理システム100は、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0020】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0021】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、仮想店舗管理システム100にて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。サーバ10は、仮想店舗管理システム100の管理者等によって管理され、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。サーバ10は、AR表示用データをレンダリング可能なゲームサーバなどの情報処理装置によって構成される。
【0022】
ユーザ端末20は、AR表示を伴う情報サービスをユーザに対して提供することが可能な通信端末によって構成される。このような通信端末の例として、例えばスマートフォンなどの携帯電話端末20A、ARグラス20Bおよび20Cなどがある。通信端末は、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、ゲーミングPC、所謂ウェアラブルデバイス、または前述の通信端末を複数組み合わせたものなどであってもよい。仮想店舗管理システム100が含み得るユーザ端末の構成はこれらに限定されず、ユーザがAR表示を視認し得る構成であればよい。
【0023】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0024】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0025】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。ユーザ端末20に対して表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置はゲーム画面を表示してもよい。表示装置は、通信ネットワーク30を介して応対者装置60から直接、またはサーバ10等をさらに経由して取得したデータに基づいて、応対者SPの姿を表示してもよい。また、表示装置は、現実空間に対して重畳される拡張現実(AR)表示を行うことができる。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置なども含まれる。図1の例では、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面や、ARグラス20B、および20Cが備えるARディスプレイ等が、表示装置に相当する。
【0026】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面、ARグラス20Bに無線接続あるいは有線接続されたコントローラCTRなどがある。また、ユーザ端末20が備えるカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0027】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して、仮想店舗を利用することに関係する各種の情報を出力する。出力される情報には、例えば、応対者SPが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。他の出力装置は、仮想店舗における音(店内BGMや、店舗内で発生した音)を出力してもよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、他の種類の情報を出力してもよい。例えば仮想店舗が香水を扱う店舗である場合、他の出力装置は匂い情報を出力してよい。仮想店舗が料理を扱う店舗である場合、他の出力情報は味覚情報を出力してよい。その他、ハプティクス技術を用いた他の出力装置が、触覚情報を出力してもよい。
【0028】
他サーバ40は、プロセッサ41と、メモリ42と、記憶装置43とを備える。プロセッサ41は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、他サーバ40がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。他サーバ40は、メモリ42に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ41にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置43に記憶させる。
【0029】
記憶装置43は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置43の構成は特に限定されない。各種情報を記憶する記憶装置は、他サーバ40がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域を他サーバ40の外部に有する構成とされていてもよい。他サーバ40は、仮想店舗管理システム100の管理者等によって管理されても、これ以外の者によって管理されてもよく、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。他サーバ40は、例えば、実物品の製造や配送を管理するサーバであってよい。
【0030】
応対者装置60は、プロセッサ61と、メモリ62と、記憶装置63とを備える。プロセッサ61は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、応対者装置60がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。応対者装置60は、メモリ62に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ61にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置63に記憶させる。記憶装置63は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0031】
応対者装置60は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、ユーザ端末20、または他サーバ40との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。
【0032】
応対者装置60はカメラ64および入力装置65を備える。カメラ64は例えば店舗の店員等である応対者SPを撮像する。応対者SPの姿が映り込んだ撮像画像データは、ユーザが仮想店舗にて商品等を購入する際に、仮想店舗が備える後述のレジ領域において、応対者SPがユーザに応対するために用いられる。入力装置65は応対者SP等による操作入力を受け付ける。応対者SP等による操作入力に応じて、応対者装置60が備えるプロセッサ61が各種の制御処理を実行する。入力装置65の例として、キーボード、マウス、音声操作を行う場合のマイクなどがある。なお、応対者装置60が備えるカメラ64も入力装置に相当し得る。この場合、応対者SPはカメラ64の前で手を動かす等のジェスチャーにより操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0033】
応対者装置60は表示装置66を備える。表示装置66は応対者装置60に内蔵されていてよい。表示装置66は応対者装置60に対して無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置66は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置66は、仮想店舗にて商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザの姿を表示する。表示装置66は、仮想店舗にてユーザが購入する商品の内容、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す情報を表示してもよい。
【0034】
その他、応対者装置60はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、仮想店舗を利用するユーザに係る情報を出力する。仮想店舗を利用するユーザに係る情報には、例えば、仮想店舗にて商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。他の出力装置は、仮想店舗における音(店内BGMや、店舗内で発生した音)を出力してもよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、他の種類の情報を出力してもよい。例えば仮想店舗が香水を扱う店舗である場合、他の出力装置は匂い情報を出力してよい。仮想店舗が料理を扱う店舗である場合、他の出力装置は味覚情報を出力してよい。その他、ハプティクス技術を用いた他の出力装置が、触覚情報を出力してもよい。
【0035】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Aは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103とを少なくとも備える。サーバ10Aが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103とを機能的に実現する。
【0036】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。
【0037】
次に、本発明の第1の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0038】
空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St11)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St12)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St13)。
【0039】
仮想的な空間領域は、仮想空間中の、仮想店舗管理プログラムが管理する仮想店舗に対応する領域である。仮想空間は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を有する仮想的な3次元座標空間であってよい。ただし、仮想空間は3次元空間には限られず、場合によっては2次元空間等であってもよい。空間領域は、室内店舗のように閉じた空間領域であってよい。空間領域は、屋外の店舗やイベント会場などのように、閉じていない空間領域であってもよい。
【0040】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0041】
仮想店舗は、ユーザに対して商品を販売する、または何らかのサービスを提供する仮想的な場を意味する。例えば洋服販売店の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものや、ユーザに対して歌い方を教示する歌唱教室の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものなどが、仮想店舗に該当する。仮想店舗が扱う商品またはサービスの種類は、上記のものに限定されない。
【0042】
拡張現実ジオラマは、現実空間に対して重畳して出力される仮想的なジオラマを意味する。例えば、拡張現実(AR)表示されるための3Dモデルデータとして表現された街、道路、線路、建物、建物群、野球はサッカー等の競技場、神社仏閣、城、山、海、川、沼、林、森、畑、田んぼ、飛行場、地下通路、洞窟等が、拡張現実ジオラマの一例である。なお、拡張現実ジオラマは、必ずしも現実に存在する現代の景観に基づいたものでなくともよい。例えば、中世ヨーロッパの街並みや建造物、アニメーションやコミック等に登場する架空の街並みや建造物なども、拡張現実ジオラマに含まれる。
【0043】
空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせるとは、拡張現実ジオラマと空間領域とを対応付けることを意味する。例えば、拡張現実ジオラマに含まれる建物の2階と、洋服を販売する仮想店舗に相当する空間領域とを対応付けることが、ここでいうリンクに該当する。また、拡張現実ジオラマに含まれる公園と、音楽のライブ映像を再生する場(仮想的に表現されたライブステージ等)とを対応付けることも、ここでいうリンクに該当する。
【0044】
拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための表示用データを出力することを意味する。また、拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0045】
空間領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、空間領域を表示するための表示用データを出力することを意味する。空間領域を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、空間領域を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0046】
第1の実施形態の一側面として、ユーザが好みに応じた仮想空間上で多彩な取引行動を行うことができる。また、仮想的な店舗を拡張現実ジオラマと対応付けた状態で動的に構築することができるので、取引において仮想空間を柔軟に活用することができる。
【0047】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の概要について説明をする。以下では、第2の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載の仮想店舗管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0048】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Bは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、アバター表示部111と、組み合わせ部112とを少なくとも備える。サーバ10Bが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、アバター表示部111と、組み合わせ部112とを機能的に実現する。
【0049】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。
【0050】
アバター表示部111は、ユーザと対応付けられた仮想的なアバターを、拡張現実ジオラマまたは空間領域と共に表示装置に表示させる機能を有する。組み合わせ部112は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトをアバターと組み合わせる機能を有する。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0052】
空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St21)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St22)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St23)。
【0053】
アバター表示部111は、ユーザと対応付けられた仮想的なアバターを、拡張現実ジオラマまたは空間領域と共に表示装置に表示させる(St24)。組み合わせ部112は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトをアバターと組み合わせる(St25)。
【0054】
ステップSt21~St23に係る各用語の意味については第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
アバターとは、分身となるキャラクタを意味する。ユーザは仮想空間で、自身が設定した(あるいはプログラム等によって指定された)キャラクタの外観を選んで、意思表示や行動を行うことができる。なお、アバターの外観は、ユーザの外観を模したものであってもよく、ユーザの外観とは異なるものであってもよい。
【0056】
アバターを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、アバターを表示するための表示用データを出力することを意味する。アバターを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、アバターを表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0057】
仮想的なオブジェクトとは、仮想空間上に出力可能なオブジェクトを意味する。仮想的なオブジェクトの例としては、サービスの提供に係る物品または商品を2Dモデルデータまたは3Dモデルデータ等によって仮想的に表現したものが挙げられる。商品の例としては、服、靴、リュック、人形、パーソナルコンピュータ、携帯電話、自動車、バイク、船などがある。商品はこれらに限定されず、商取引が可能な物品であればよい。サービスの提供に係る物品とは、例えばネイルアートを行うサービスであれば、爪に彩色を施す筆や、つけ爪等のように、サービスに関係する物品を意味する。
【0058】
その他、仮想的なオブジェクトの例としては、仮想空間上に出力(例えば表示)可能なアイテムが挙げられる。アイテムは例えば、剣、盾、兜、鎧、杖、服、宝珠、銃、楽器、乗り物等であってもよい。仮想的なオブジェクトは、商取引に関連するものであるならば、鳥、猫、犬、恐竜、草、木、等の生物であってよく、ドラゴン等の架空の生物であってもよい。例えば、ドラゴンが登場する劇を、仮想店舗である映画館にて仮想的に上映する、等のサービス提供の形態が考えられる。その他、仮想的に表現された建物、街、大陸や惑星、恒星、ビデオゲームに登場するキャラクタ等も、それが商取引に関係するものであれば、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当し得る。上述の空間領域自体や拡張現実ジオラマ自体も、データとしての商取引の対象になり得ることが考えられるので、仮想的なオブジェクトに該当し得る。これらの仮想的なオブジェクトは2Dモデルデータまたは3Dモデルデータなどの形式で、仮想店舗管理システム100に含まれる記憶装置か、仮想店舗管理システム100と接続可能な記憶装置に保存されていてよい。
【0059】
空間領域と仮想的なオブジェクトの間の所定の対応関係とは、例えば、店舗である空間領域に対して、オブジェクトは、店舗によるサービスの提供に係る物品または商品を仮想的に表現したものである、等の関係である。
【0060】
仮想的なオブジェクトをアバターと組み合わせるとは、当該オブジェクトとアバターとを共に用いることを意味する。例えば、オブジェクトが仮想的な服である場合、アバターに服を着せる(試着させる)ことが、ここでいう組み合わせに該当する。オブジェクトが仮想的な自動車である場合は、アバターをこの自動車に乗車させてユーザ操作に基づいて運転を行う(試乗させる)ことが、ここでいう組み合わせに該当する。その他、仮想的なオブジェクトとアバターとの組み合わせには、オブジェクトの種類に応じた種々の態様があってよい。
【0061】
第2の実施形態の一側面として、仮想店舗に訪れたユーザが、自身などを示すアバターによって商品やサービスを購入前に仮想空間上で試すことができる。
【0062】
特に、アバターのサイズをユーザ自身と同様のサイズに設定すれば、ユーザは仮想空間上で試着を行う事ができる。アバターのサイズをユーザの友人と同様のサイズに設定すれば、ユーザは仮想空間上で、友人へのプレゼント用の衣服等を吟味することができる。なお、友人以外の他の人間関係(上司と部下、仕事上のクライアント等)についても同様に、ユーザが他者に代わって商品やサービスの質を試すことができる。
【0063】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の概要について説明をする。以下では、第3の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載の仮想店舗管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0064】
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Cは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、レジ領域表示部121とを少なくとも備える。サーバ10Cが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、レジ領域表示部121とを機能的に実現する。
【0065】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。レジ領域表示部121は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは仮想的なオブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、空間領域と対応付けて表示装置に表示させる機能を有する。
【0066】
次に、本発明の第3の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0067】
空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St31)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St32)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St33)。
【0068】
レジ領域表示部121は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは仮想的なオブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、空間領域と対応付けて表示装置に表示させる(St34)。
【0069】
空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは仮想的なオブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、空間領域と対応付けて表示装置に表示させる(St34)。
【0070】
ステップSt31~St33に係る各用語の意味、および、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトの意味については、第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
所定の権限とは、現実空間または仮想空間上のオブジェクトに対してユーザが取得可能な各種の権限を意味する。例えば、現実空間上のオブジェクトについては、購入によりそのオブジェクトを所有する権限、使用許諾を受けることによりそのオブジェクトを使用する権限、貸与されることによりそのオブジェクトを一時的に管理できる権限、および、他者への譲渡または貸渡の許諾を得ることによりそのオブジェクトの譲渡または貸渡しを行う権限等が、ここでいう権限に該当する。仮想空間上のオブジェクトについては、例えば、課金によりそのオブジェクトを一定期間または無期限で使用する権限、複製についての許諾を得ることによりそのオブジェクトを複製する権限、および、他者への譲渡または貸与についての許諾を得ることによりそのオブジェクトを他のユーザに譲渡または貸与する権限等が、ここでいう権限に該当する。なお、許可を得てそのオブジェクトを変形、拡大、縮小、合体、進化、退化等させる権限も、ここでいう権限に該当し得る。
【0072】
仮想的なレジ領域とは、上述の権限をユーザに取得させるために、仮想空間に表示される領域を意味する。例えば、現実の店舗内にあるレジカウンターを2Dまたは3Dモデリングデータ等により仮想的に表現したものが、当該レジ領域の一例である。なお、レジ領域は、ユーザが当該レジ領域にて権限取得の対価(金銭、ポイント等)を支払うものであってよく、例えば無償譲渡のように、対価を支払わないものであってもよい。
【0073】
仮想的なレジ領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なレジ領域を表示するための表示用データを出力することを意味する。仮想的なレジ領域を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なレジ領域を表示するための指令を出力することを意味してもよい。仮想的なレジ領域を空間領域と対応付けて表示装置に表示させるとは、例えば、仮想店舗に相当する空間領域の中や近傍などの、空間領域と所定の関係にある位置に表示させることを意味する。
【0074】
第3の実施形態の一側面として、仮想店舗に訪れたユーザが、例えば商品を購入する、使用権限を得る等の種々の便益を、仮想空間上で受けることができる。なお、ユーザが権限取得の対価を支払う場合、ユーザはレジ領域において商取引または決済を行うことができる。
【0075】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の概要について説明をする。以下では、第4の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載の仮想店舗管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0076】
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Dは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、空間領域結合部131とを少なくとも備える。サーバ10Dが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、空間領域結合部131とを機能的に実現する。
【0077】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。空間領域結合部131は、二つ以上の空間領域を結合する機能を有する。
【0078】
次に、本発明の第4の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図9は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0079】
空間領域結合部131は、二つ以上の空間領域を結合する(St41)。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St42)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St43)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St44)。
【0080】
ステップSt42~St44に係る各用語の意味については、第1から第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
二つ以上の空間領域を結合するとは、例えば洋服を販売する仮想店舗に相当する空間領域と、靴を販売する仮想店舗に相当する空間領域とを繋ぐ、などのように、複数の空間領域を一つにすることを意味する。
【0082】
第4の実施形態の一側面として、店舗に相当する空間領域を動的に結合することができる。そのため、仮想的な複合店舗や仮想的なショッピングモールをユーザのニーズに合わせて柔軟に構築することができ、ユーザは自身の嗜好に合致した仮想的な複合店舗や仮想的なショッピングモールで取引を行うことができる。
【0083】
また、空間領域結合部131を制御する権限をユーザが取得した場合、ユーザ自身が、所望の仮想的な複合店舗や仮想的なショッピングモールを構築、またはカスタマイズすることができる。これにより、ユーザ自身または当該ユーザと所定の関係性を有する他者(友人、家族、ユーザが動画投稿サイトに投稿した動画の視聴者、SNS上で繋がりのある人物等)は、ユーザが望むように配置された複数の仮想店舗に来店して取引を行うことができる。
【0084】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の概要について説明をする。以下では、第5の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載の仮想店舗管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0085】
図10は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Eは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、拡張現実ジオラマ結合部141とを少なくとも備える。サーバ10Eが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、拡張現実ジオラマ結合部141とを機能的に実現する。
【0086】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。拡張現実ジオラマ結合部141は、二つ以上の拡張現実ジオラマを結合する機能を有する。
【0087】
次に、本発明の第5の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図11は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0088】
拡張現実ジオラマ結合部141は、二つ以上の拡張現実ジオラマを結合する(St51)。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St52)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St53)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St54)。
【0089】
ステップSt52~St54に係る各用語の意味については、第1から第4の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
二つ以上の拡張現実ジオラマを結合するとは、例えば秋葉原の街並みを再現した拡張現実ジオラマと、池袋の街並みを再現した拡張現実ジオラマとを繋ぐなどのように、複数の拡張現実ジオラマを一つにすることを意味する。なお、結合対象となる複数の拡張現実ジオラマは、現実世界において隣り合っていなくともよい。また、拡張現実ジオラマ結合部141は、現実世界を模した拡張現実ジオラマと、仮想世界(例えばコミックに登場した架空の街)を模した拡張現実ジオラマとを結合してもよい。拡張現実ジオラマ結合部141は、仮想世界を模した複数の拡張現実ジオラマ同士を結合してもよい。
【0091】
第5の実施形態の一側面として、異なる場所を模した複数の拡張現実ジオラマを結合することで、現実世界における地理的な制約を超えた自由な街並みをAR空間上で再現することができる。さらにユーザは、現実世界における地理的な制約を超えた街並みの中に配置された仮想店舗(空間領域)を利用することにより、より柔軟で自由な取引を行うことができる。
【0092】
また、拡張現実ジオラマ結合部141を制御する権限をユーザが取得した場合、ユーザ自身が、所望の拡張現実ジオラマ同士を結合させて新たな拡張現実ジオラマを構築することができる。これにより、ユーザ自身または当該ユーザと所定の関係性を有する他者(友人、家族、ユーザが動画投稿サイトに投稿した動画の視聴者、SNS上で繋がりのある人物等)は、ユーザが望むように構築された拡張現実ジオラマに配置された複数の仮想店舗で取引を行うことができる。
【0093】
さらに、第1の人物が構築した拡張現実ジオラマと、第2の人物が構築した拡張現実ジオラマとを結合することができるので、これら両者のコラボレーションにより、創作性の高い拡張現実ジオラマを構築することができる。ユーザは、複数人のコラボレーションによって構築された拡張現実ジオラマに配置された複数の仮想店舗で取引を行うことができる。
【0094】
なお、第5の実施形態に限らず、拡張現実ジオラマの構築、改変、結合、あるいは分離等をする主体は、店舗を運営する業者であっても、一般的なユーザであってもよく、例えば動画や仮想現実ジオラマなどのコンテンツを扱う投稿サイトにコンテンツを投稿する者、またはSNS(Social Networking Service)のユーザであってもよい。
【0095】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の概要について説明をする。以下では、第6の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、図1に記載の仮想店舗管理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0096】
図12は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Fは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、マッチング部151とを少なくとも備える。サーバ10Fが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、マッチング部151とを機能的に実現する。
【0097】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。マッチング部151は、拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングする機能を有する。
【0098】
次に、本発明の第6の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図13は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0099】
マッチング部151は、拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングする(St61)。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St62)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St63)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St64)。
【0100】
ステップSt62~St64に係る各用語の意味については、第1から第5の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0101】
拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングするとは、ステップSt62におけるリンクの対象となる拡張現実ジオラマおよび空間領域を選出することを意味する。例えば、複数の空間領域の中から、所定の拡張現実ジオラマとリンク可能な空間領域を選出することが、マッチングに該当する。また、複数の拡張現実ジオラマの中から、所定の空間領域とリンク可能な拡張現実ジオラマを選出することも、マッチングに該当する。何らかの基準(年代、地域、ユーザの属性情報等)やテーマ(秋の味覚、元気になる場所や物、等)に基づいて、相互にリンク可能な空間領域と拡張現実ジオラマとを選出することも、マッチングに該当する。なお、ユーザの属性情報は、例えばユーザの性別、年齢、出身地、居住地、および、購入履歴等の情報から推測される購入可能性の高い商品などであってよいが、これらには限られない。
【0102】
第6の実施形態の一側面として、例えば記憶装置に多数登録された空間領域および/または拡張現実ジオラマの中から、リンクの対象となる空間領域および/または拡張現実ジオラマを所定の基準に応じて見つけ出すことができる。
【0103】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態の概要について説明をする。以下では、第7の実施形態として、仮想店舗管理システムを例示して説明する。
【0104】
図14は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理システムの構成の例を示す図である。仮想店舗管理システム100Aは、仮想店舗管理処理サーバ10(サーバ10)と、仮想店舗管理システム100Aのユーザが使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。仮想店舗管理システム100Aの構成はこれに限定されない。例えば、仮想店舗管理システム100Aは、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。仮想店舗管理システム100Aが複数のサーバを備えてもよい。例えば、仮想店舗管理システム100Aが他サーバ40を更に備えてもよい。
【0105】
仮想店舗管理システム100Aは応対者装置60をさらに備えることがある。応対者装置60は、例えば仮想店舗に訪れたユーザに応対する応対者SPが使用する。応対者装置60の具体例として、サーバ装置、クライアント装置、およびユーザ端末等がある。
【0106】
サーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30を介したサーバ10、ユーザ端末20、他サーバ40、および応対者装置60の相互間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、複数のユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0107】
仮想店舗管理システム100Aは、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0108】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0109】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、仮想店舗管理システム100Aにて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。サーバ10は、仮想店舗管理システム100Aの管理者等によって管理され、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。サーバ10は、AR表示用データをレンダリング可能なゲームサーバなどの情報処理装置によって構成される。
【0110】
ユーザ端末20は、AR表示を伴う情報サービスをユーザに対して提供することが可能な通信端末によって構成される。このような通信端末の例として、例えばスマートフォンなどの携帯電話端末20A、ARグラス20Bおよび20Cなどがある。通信端末は、据置型ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、ゲーミングPC、所謂ウェアラブルデバイス、または前述の通信端末を複数組み合わせたものなどであってもよい。仮想店舗管理システム100Aが含み得るユーザ端末の構成はこれらに限定されず、ユーザがAR表示を視認し得る構成であればよい。
【0111】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0112】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10、他サーバ40、または応対者装置60を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0113】
ユーザ端末20には表示装置が内蔵されていてよい。ユーザ端末20に対して表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置はゲーム画面を表示してもよい。表示装置は、通信ネットワーク30を介して応対者装置60から直接、またはサーバ10等をさらに経由して取得したデータに基づいて、応対者SPの姿を表示してもよい。また、表示装置は、現実空間に対して重畳される拡張現実(AR)表示を行うことができる。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置なども含まれる。図14の例では、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面や、ARグラス20B、および20Cが備えるARディスプレイ等が、表示装置に相当する。
【0114】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、携帯電話端末20Aが備えるタッチパネル画面、ARグラス20Bに無線接続あるいは有線接続されたコントローラCTRなどがある。また、ユーザ端末20が備えるカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0115】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して、仮想店舗を利用することに関係する各種の情報を出力する。出力される情報には、例えば、応対者SPが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。他の出力装置は、仮想店舗における音(店内BGMや、店舗内で発生した音)を出力してもよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、他の種類の情報を出力してもよい。例えば仮想店舗が香水を扱う店舗である場合、他の出力装置は匂い情報を出力してよい。仮想店舗が料理を扱う店舗である場合、他の出力情報は味覚情報を出力してよい。その他、ハプティクス技術を用いた出力装置が、他の触覚情報を出力してもよい。
【0116】
他サーバ40は、プロセッサ41と、メモリ42と、記憶装置43とを備える。プロセッサ41は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、他サーバ40がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。他サーバ40は、メモリ42に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ41にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置43に記憶させる。
【0117】
記憶装置43は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置43の構成は特に限定されない。各種情報を記憶する記憶装置は、他サーバ40がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域を他サーバ40の外部に有する構成とされていてもよい。他サーバ40は、仮想店舗管理システム100Aの管理者等によって管理されても、これ以外の者によって管理されてもよく、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。他サーバ40は、例えば、実物品の製造や配送を管理するサーバであってよい。
【0118】
応対者装置60は、プロセッサ61と、メモリ62と、記憶装置63とを備える。プロセッサ61は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、応対者装置60がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。応対者装置60は、メモリ62に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ61にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置63に記憶させる。記憶装置63は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0119】
応対者装置60は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10、ユーザ端末20、または他サーバ40との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。
【0120】
応対者装置60はカメラ64および入力装置65を備える。カメラ64は例えば店舗の店員等である応対者SPを撮像する。応対者SPの姿が映り込んだ撮像画像データは、ユーザが仮想店舗にて商品等を購入する際に、仮想店舗が備える後述のレジ領域において、応対者SPがユーザに応対するために用いられる。入力装置65は応対者SP等による操作入力を受け付ける。応対者SP等による操作入力に応じて、応対者装置60が備えるプロセッサ61が各種の制御処理を実行する。入力装置65の例として、キーボード、マウス、音声操作を行う場合のマイクなどがある。なお、応対者装置60が備えるカメラ64も入力装置に相当し得る。この場合、応対者SPはカメラ64の前で手を動かす等のジェスチャーにより操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0121】
応対者装置60は表示装置66を備える。表示装置66は応対者装置60に内蔵されていてよい。表示装置66は応対者装置60に対して無線接続あるいは有線接続されていてもよい。表示装置66は静止画や動画などの画像を表示する。表示装置66は、仮想店舗にて商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザの姿を表示する。表示装置66は、仮想店舗にてユーザが購入する商品の内容、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す情報を表示してもよい。
【0122】
その他、応対者装置60はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、仮想店舗を利用するユーザに係る情報を出力する。仮想店舗を利用するユーザに係る情報には、例えば、仮想店舗にて商品を購入するか、サービスの提供を受けるユーザが発した音声などが含まれる。他の出力装置は、ユーザが購入する商品、またはユーザが提供を受けるサービスの内容を示す音声情報を出力してよい。他の出力装置は、仮想店舗における音(店内BGMや、店舗内で発生した音)を出力してもよい。なお、他の出力装置は音声出力装置には限られず、他の種類の情報を出力してもよい。例えば仮想店舗が香水を扱う店舗である場合、他の出力装置は匂い情報を出力してよい。仮想店舗が料理を扱う店舗である場合、他の出力装置は味覚情報を出力してよい。その他、ハプティクス技術を用いた他の出力装置が、触覚情報を出力してもよい。
【0123】
図15は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理システムの構成を示すブロック図である。仮想店舗管理システム100Aは、拡張現実ジオラマ表示部501と、空間領域リンク部502と、空間領域表示部503とを少なくとも備える。仮想店舗管理システム100Aが備える一つ以上のプロセッサは、仮想店舗管理システム100Aが備える一つ以上の記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部501と、空間領域リンク部502と、空間領域表示部503とを機能的に実現する。
【0124】
拡張現実ジオラマ表示部501は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部502は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部503は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。
【0125】
次に、本発明の第7の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図16は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0126】
空間領域リンク部502は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St71)。拡張現実ジオラマ表示部501は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St72)。空間領域表示部503は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St73)。
【0127】
仮想的な空間領域は、仮想空間中の、仮想店舗管理プログラムが管理する仮想店舗に対応する領域である。仮想空間は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を有する仮想的な3次元座標空間であってよい。ただし、仮想空間は3次元空間には限られず、場合によっては2次元空間等であってもよい。空間領域は、室内店舗のように閉じた空間領域であってよい。空間領域は、屋外の店舗やイベント会場などのように、閉じていない空間領域であってもよい。
【0128】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0129】
仮想店舗は、ユーザに対して商品を販売する、または何らかのサービスを提供する仮想的な場を意味する。例えば洋服販売店の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものや、ユーザに対して歌い方を教示する歌唱教室の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものなどが、仮想店舗に該当する。仮想店舗が扱う商品またはサービスの種類は、上記のものに限定されない。
【0130】
拡張現実ジオラマは、現実空間に対して重畳して出力される仮想的なジオラマを意味する。例えば、拡張現実(AR)表示されるための3Dモデルデータとして表現された街、道路、線路、建物、建物群、野球はサッカー等の競技場、神社仏閣、城、山、海、川、沼、林、森、畑、田んぼ、飛行場、地下通路、洞窟等が、拡張現実ジオラマの一例である。なお、拡張現実ジオラマは、必ずしも現実に存在する現代の景観に基づいたものでなくともよい。例えば、中世ヨーロッパの街並みや建造物、アニメーションやコミック等に登場する架空の街並みや建造物なども、拡張現実ジオラマに含まれる。
【0131】
空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせるとは、拡張現実ジオラマと空間領域とを対応付けることを意味する。例えば、拡張現実ジオラマに含まれる建物の2階と、洋服を販売する仮想店舗に相当する空間領域とを対応付けることが、ここでいうリンクに該当する。また、拡張現実ジオラマに含まれる公園と、音楽のライブ映像を再生する場(仮想的に表現されたライブステージ等)とを対応付けることも、ここでいうリンクに該当する。
【0132】
拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための表示用データを出力することを意味する。また、拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための指令を出力することを意味してもよい。なお、拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる処理を行う主体と、表示装置を備える装置とは、同一の装置となることもある。
【0133】
空間領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、空間領域を表示するための表示用データを出力することを意味する。空間領域を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、空間領域を表示するための指令を出力することを意味してもよい。なお、空間領域を表示装置に表示させる処理を行う主体と、表示装置を備える装置とは、同一の装置となることもある。
【0134】
第7の実施形態の一側面として、ユーザが好みに応じた仮想空間上で多彩な取引行動を行うことができる。また、仮想的な店舗を拡張現実ジオラマと対応付けた状態で動的に構築することができるので、取引において仮想空間を柔軟に活用することができる。
【0135】
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態の概要について説明をする。以下では、第8の実施形態として、ユーザ端末において実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。なお、ユーザ端末20Zは、図1または図14に示された複数のユーザ端末20,20A~20Cのうちのいずれかであってよい。
【0136】
図17は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。ユーザ端末20の構成の例であるユーザ端末20Zは、拡張現実ジオラマ表示部201と、空間領域リンク部202と、空間領域表示部203とを少なくとも備える。ユーザ端末20Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部201と、空間領域リンク部202と、空間領域表示部203とを機能的に実現する。
【0137】
拡張現実ジオラマ表示部201は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部202は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部203は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。
【0138】
次に、本発明の第8の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。図18は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0139】
空間領域リンク部202は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St81)。拡張現実ジオラマ表示部201は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St82)。空間領域表示部203は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St83)。
【0140】
仮想的な空間領域は、仮想空間中の、仮想店舗管理プログラムが管理する仮想店舗に対応する領域である。仮想空間は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を有する仮想的な3次元座標空間であってよい。ただし、仮想空間は3次元空間には限られず、場合によっては2次元空間等であってもよい。空間領域は、室内店舗のように閉じた空間領域であってよい。空間領域は、屋外の店舗やイベント会場などのように、閉じていない空間領域であってもよい。
【0141】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0142】
仮想店舗は、ユーザに対して商品を販売する、または何らかのサービスを提供する仮想的な場を意味する。例えば洋服販売店の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものや、ユーザに対して歌い方を教示する歌唱教室の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものなどが、仮想店舗に該当する。仮想店舗が扱う商品またはサービスの種類は、上記のものに限定されない。
【0143】
拡張現実ジオラマは、現実空間に対して重畳して出力される仮想的なジオラマを意味する。例えば、拡張現実(AR)表示されるための3Dモデルデータとして表現された街、道路、線路、建物、建物群、野球はサッカー等の競技場、神社仏閣、城、山、海、川、沼、林、森、畑、田んぼ、飛行場、地下通路、洞窟等が、拡張現実ジオラマの一例である。なお、拡張現実ジオラマは、必ずしも現実に存在する現代の景観に基づいたものでなくともよい。例えば、中世ヨーロッパの街並みや建造物、アニメーションやコミック等に登場する架空の街並みや建造物なども、拡張現実ジオラマに含まれる。
【0144】
空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせるとは、拡張現実ジオラマと空間領域とを対応付けることを意味する。例えば、拡張現実ジオラマに含まれる建物の2階と、洋服を販売する仮想店舗に相当する空間領域とを対応付けることが、ここでいうリンクに該当する。また、拡張現実ジオラマに含まれる公園と、音楽のライブ映像を再生する場(仮想的に表現されたライブステージ等)とを対応付けることも、ここでいうリンクに該当する。
【0145】
拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための表示用データを出力することを意味する。また、拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0146】
空間領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置または表示装置に対して、空間領域を表示するための表示用データを出力することを意味する。空間領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置または表示装置に対して、空間領域を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0147】
第8の実施形態の一側面として、ユーザが好みに応じた仮想空間上で多彩な取引行動を行うことができる。また、仮想的な店舗を拡張現実ジオラマと対応付けた状態で動的に構築することができるので、取引において仮想空間を柔軟に活用することができる。
【0148】
[第9の実施形態]
本発明の第9の実施形態の概要について説明をする。以下では、第9の実施形態として、サーバにおいて実行される仮想店舗管理プログラムを例示して説明する。
【0149】
図19は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Zは、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、空間領域リンク解消部104とを備える。サーバ10Zはさらに、アバター表示部111と、組み合わせ部112と、アバターリンク部113と、アバター編集部114と、プライバシー保護部115とを備える。サーバ10Zはさらに、レジ領域表示部121と、応対キャラクタ表示部122とを備える。サーバ10Zはさらに、空間領域結合部131と、空間領域選択部132とを備える。サーバ10Zはさらに、拡張現実ジオラマ結合部141と、拡張現実ジオラマ選択部142とを備える。サーバ10Zはさらに、マッチング部151と、調整部152とを備える。サーバ10Zはさらに、第1配置部161と、第2配置部162とを備える。
【0150】
サーバ10Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持(インストール)された仮想店舗管理プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、拡張現実ジオラマ表示部101と、空間領域リンク部102と、空間領域表示部103と、空間領域リンク解消部104と、アバター表示部111と、組み合わせ部112と、アバターリンク部113と、アバター編集部114と、プライバシー保護部115と、レジ領域表示部121と、応対キャラクタ表示部122と、空間領域結合部131と、空間領域選択部132と、拡張現実ジオラマ結合部141と、拡張現実ジオラマ選択部142と、マッチング部151と、調整部152と、第1配置部161と、第2配置部162とを機能的に実現する。
【0151】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる機能を有する。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる機能を有する。空間領域リンク解消部104は、拡張現実ジオラマと、一つ以上の空間領域との間のリンクを解消する機能を有する。
【0152】
図20は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0153】
空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St111)。空間領域リンク解消部104は、拡張現実ジオラマと、一つ以上の空間領域との間のリンクを解消する(St112)。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマと再びリンクさせる(St113)。このように、サーバ10Zは、空間領域と拡張現実ジオラマとをリンクさせることができ、リンクを解消することもできる。これにより、拡張現実ジオラマに対して、仮想店舗に相当する空間領域を自由に配置および撤去できるようになる。
【0154】
拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St114)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St115)。
【0155】
仮想的な空間領域は、仮想空間中の、仮想店舗管理プログラムが管理する仮想店舗に対応する領域である。仮想空間は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を有する仮想的な3次元座標空間であってよい。ただし、仮想空間は3次元空間には限られず、場合によっては2次元空間等であってもよい。空間領域は、室内店舗のように閉じた空間領域であってよい。空間領域は、屋外の店舗やイベント会場などのように、閉じていない空間領域であってもよい。
【0156】
現実空間は、現実世界における空間を意味する。現実空間を拡張する仮想空間とは、現実空間に重畳して出力されることが可能な仮想空間(AR空間)を意味する。
【0157】
仮想店舗は、ユーザに対して商品を販売する、または何らかのサービスを提供する仮想的な場を意味する。例えば洋服販売店の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものや、ユーザに対して歌い方を教示する歌唱教室の実店舗を3Dデータによって仮想的に表現したものなどが、仮想店舗に該当する。仮想店舗が扱う商品またはサービスの種類は、上記のものに限定されない。
【0158】
拡張現実ジオラマは、現実空間に対して重畳して出力される仮想的なジオラマを意味する。例えば、拡張現実(AR)表示されるための3Dモデルデータとして表現された街、道路、線路、建物、建物群、野球はサッカー等の競技場、神社仏閣、城、山、海、川、沼、林、森、畑、田んぼ、飛行場、地下通路、洞窟等が、拡張現実ジオラマの一例である。なお、拡張現実ジオラマは、必ずしも現実に存在する現代の景観に基づいたものでなくともよい。例えば、中世ヨーロッパの街並みや建造物、アニメーションやコミック等に登場する架空の街並みや建造物なども、拡張現実ジオラマに含まれる。
【0159】
空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせるとは、拡張現実ジオラマと空間領域とを対応付けることを意味する。例えば、拡張現実ジオラマに含まれる建物の2階と、洋服を販売する仮想店舗に相当する空間領域とを対応付けることが、ここでいうリンクに該当する。また、拡張現実ジオラマに含まれる公園と、音楽のライブ映像を再生する場(仮想的に表現されたライブステージ等)とを対応付けることも、ここでいうリンクに該当する。
【0160】
拡張現実ジオラマと空間領域との間のリンクを解消するとは、拡張現実ジオラマと空間領域との間の対応付けを無くすことを意味する。
【0161】
拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための表示用データを出力することを意味する。また、拡張現実ジオラマを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、拡張現実ジオラマを現実空間に重畳するように表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0162】
空間領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、空間領域を表示するための表示用データを出力することを意味する。空間領域を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、空間領域を表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0163】
図21は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による拡張現実ジオラマの表示例を示す概念図である。ユーザが、タブレット端末であるユーザ端末20を現実空間R1に向けている。ユーザ端末20は表示装置DISPを備えている。表示装置DISPは、本例においてはユーザ端末20が備えるタッチパネルディスプレイである。ユーザ端末20が備えるカメラ(図示省略)が撮像した撮像画像が表示装置DISPにより表示されている。表示装置DISPには、拡張現実ジオラマARDが現実空間R2に重畳して表示されている。なお、現実空間R1は実際の現実空間であり、現実空間R2は表示装置DISPに表示された現実空間である。ARグラス等を用いる場合は、現実空間R1がそのままユーザの視野に入り込む。拡張現実ジオラマARDは表示装置DISPによって3D表示されている。拡張現実ジオラマARDには多数の建物や道路等が配置されている。ユーザは、拡張現実ジオラマARDに含まれる、店舗に相当する領域を選択する。この選択は、本例においてはタッチパネルディスプレイの所定の領域をタップすることにより行われる。なお、コントローラCTRや、ジェスチャー入力等によりこの選択が行われてもよい(図1または図14参照)。店舗に相当する領域が選択されると、次に、店舗に相当する空間領域が表示装置に表示される(図22参照)。
【0164】
図22は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、表示装置による空間領域の表示例を示す概念図である。表示装置DISPには、洋服を販売する店舗に相当する仮想的な空間領域SRが3D表示されている。空間領域SRは仮想的な店舗(仮想店舗)に相当する。空間領域SRは現実空間に重畳して表示(AR表示)されてもよく、現実空間に重畳せずに表示(VR表示)されてもよい。ユーザは、表示装置DISPに表示された仮想店舗である空間領域SRにて商品を購入することができ、サービスの提供を受けることもできる。図22においては、ユーザが購入可能な商品である洋服に対応する仮想的なオブジェクトOBJ1が表示装置DISPに表示されている。なお、仮想的なレジ領域RRおよび応対キャラクタRCHについては後述する。
【0165】
(アバターの表示および仮想的なオブジェクトとの組み合わせ)
次に、図19を再び参照し、アバターの表示および仮想的なオブジェクトとの組み合わせについて説明する。アバター表示部111は、ユーザと対応付けられた仮想的なアバターを、拡張現実ジオラマまたは空間領域と共に表示装置に表示させる機能を有する。組み合わせ部112は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトをアバターと組み合わせる機能を有する。アバターリンク部113は、入力情報に応じて複数の仮想的なアバターのうちいずれか一つ以上をユーザと対応付ける機能を有する。アバター編集部114は、入力情報に応じてアバターのパラメータまたは形態を変化させる機能を有する。プライバシー保護部115は、ユーザと対応付けられたアバターが有する一以上のパラメータが、ユーザとは異なる他ユーザに対して開示されることを制限する機能を有する。
【0166】
図23は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0167】
アバターリンク部113は、入力情報に応じて複数の仮想的なアバターのうちいずれか一つ以上をユーザと対応付ける(St121)。アバター編集部114は、入力情報に応じてアバターのパラメータまたは形態を変化させる(St122)。プライバシー保護部115は、ユーザと対応付けられたアバターが有する一以上のパラメータが、ユーザとは異なる他ユーザに対して開示されることを制限する(St123)。空間領域リンク部102は、一つ以上の仮想的な空間領域を拡張現実ジオラマとリンクさせる(St124)。拡張現実ジオラマ表示部101は、現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる(St125)。空間領域表示部103は、拡張現実ジオラマとリンクされている空間領域を表示装置に表示させる(St126)。アバター表示部111は、ユーザと対応付けられた仮想的なアバターを、拡張現実ジオラマまたは空間領域と共に表示装置に表示させる(St127)。組み合わせ部112は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトをアバターと組み合わせる(St128)。
【0168】
アバターとは、分身となるキャラクタを意味する。ユーザは仮想空間で、自身が設定した(あるいはプログラム等によって指定された)キャラクタの外観を選んで、意思表示や行動を行うことができる。なお、アバターの外観は、ユーザの外観を模したものであってもよく、ユーザの外観とは異なるものであってもよい。アバターは椅子や机、武器などの無生物であってもよい。また、ここでいうアバターは、ユーザ自身のアバターであってもよく、ユーザ以外の主体(友人、家族、他人、有名人、ペット等)のアバターでもよい。すなわちアバターは現実世界における、ユーザ本人に限られない主体に対する分身であってよい。
【0169】
アバターのパラメータとはそのアバターの属性を示す値である。例えば身長、体重、胸囲、座高などのボディサイズを示す値が、パラメータの一例である。アバターの形態とは、所定の基本姿勢におけるアバターの外観(形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合)を意味する。
【0170】
アバターを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、アバターを表示するための表示用データを出力することを意味する。アバターを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、アバターを表示するための指令を出力することを意味してもよい。
【0171】
仮想的なオブジェクトとは、仮想空間上に出力可能なオブジェクトを意味する。仮想的なオブジェクトの例としては、サービスの提供に係る物品または商品を2Dモデルデータまたは3Dモデルデータ等によって仮想的に表現したものが挙げられる。商品の例としては、服、靴、リュック、人形、パーソナルコンピュータ、携帯電話、自動車、バイク、船などがある。商品はこれらに限定されず、商取引が可能な物品であればよい。サービスの提供に係る物品とは、例えばネイルアートを行うサービスであれば、爪に彩色を施す筆や、つけ爪等のように、サービスに関係する物品を意味する。
【0172】
その他、仮想的なオブジェクトの例としては、仮想空間上に出力(例えば表示)可能なアイテムが挙げられる。アイテムは例えば、剣、盾、兜、鎧、杖、服、宝珠、銃、楽器、乗り物等であってもよい。仮想的なオブジェクトは、商取引に関連するものであるならば、鳥、猫、犬、恐竜、草、木、等の生物であってよく、ドラゴン等の架空の生物であってもよい。例えば、ドラゴンが登場する劇を、仮想店舗である映画館にて仮想的に上映する、等のサービス提供の形態が考えられる。その他、仮想的に表現された建物、街、大陸や惑星、恒星、ビデオゲームに登場するキャラクタ等も、それが商取引に関係するものであれば、ここでいう仮想的なオブジェクトに該当し得る。上述の空間領域自体や拡張現実ジオラマ自体も、データとしての商取引の対象になり得ることが考えられるので、仮想的なオブジェクトに該当し得る。これらの仮想的なオブジェクトは2Dモデルデータまたは3Dモデルデータなどの形式で、仮想店舗管理システム100に含まれる記憶装置か、仮想店舗管理システム100と接続可能な記憶装置に保存されていてよい。
【0173】
空間領域と仮想的なオブジェクトの間の所定の対応関係とは、例えば、店舗である空間領域に対して、オブジェクトは、店舗によるサービスの提供に係る物品または商品を仮想的に表現したものである、等の関係である。
【0174】
仮想的なオブジェクトをアバターと組み合わせるとは、当該オブジェクトとアバターとを共に用いることを意味する。例えば、オブジェクトが仮想的な服である場合、アバターに服を着せる(試着させる)ことが、ここでいう組み合わせに該当する。オブジェクトが仮想的な自動車である場合は、アバターをこの自動車に乗車させてユーザ操作に基づいて運転を行う(試乗させる)ことが、ここでいう組み合わせに該当する。その他、仮想的なオブジェクトとアバターとの組み合わせには、オブジェクトの種類に応じた種々の態様があってよい。
【0175】
図24は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、ユーザへのアバターの対応付けを示す概念図である。ユーザ端末20の表示装置DISPには、ユーザが選択可能な3体のアバターA1、A2、およびA3が表示されている。ユーザはタッチパネルディスプレイをタップする等して、1体以上のアバターを選択する。図24の例では、ユーザはアバターA2を選択する。このアバター選択を示す情報は、入力情報としてユーザ端末20からサーバ10Zへと、通信ネットワーク30を介して送信される。アバターリンク部113は、当該入力情報に応じて複数のアバターA1,A2、およびA3のうちの一つであるアバターA2をユーザと対応付ける(ステップSt121)。
【0176】
なお、ユーザが選択可能なアバターのデータ(2Dデータ、3Dモデリングデータ等)は、サーバ10Zまたはユーザ端末20等からアクセス可能な記憶装置にあらかじめ保存されていてよい。その他、例えばユーザのボディサイズを測定可能な手段がユーザのボディサイズを測定して、測定値に基づいていずれかのコンピュータがアバターのデータを新たに生成してもよい。ボディサイズを測定可能な手段としては、例えばユーザが中に入ることが可能なボックス型のスキャン装置がある。その他、スマートフォンであるユーザ端末20が備えるカメラを用いてユーザの身体を種々の角度から撮像し、ユーザ端末20、サーバ10、または他サーバ40等が、撮像画像に基づいてボディサイズを推定してもよい。また、その他の手段によって、ボディサイズを取得してもよい。
【0177】
図25は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、アバターのパラメータまたは形態変化を示す概念図である。選択によりユーザと対応付けられたアバターA2がユーザ端末20の表示装置DISPに表示されている。ユーザは、アバターA2が有するパラメータである足の長さを増減させる為に表示されたコントロールボックスCB内のボタンをタップして、アバターA2の足の長さを変化させる。図25の例では、ユーザは+ボタンを4回タップすることにより、アバターA2の足の長さを4cm増やしている。その結果、アバターA2の足の長さは70cmから74cmへと増加し、これに伴い身長が172cmから176cmへと増加している。このようなアバターA2のパラメータまたは形態変化の制御は、アバター編集部114が、ユーザからの入力情報に基づいて行う。なお本例においては、+ボタンがタップされたことを示す情報が入力情報としてユーザ端末20からサーバ10Zへと送信される。アバター編集部114をユーザ端末20が備え、編集が完了したアバターの3Dモデルデータそのものをユーザ端末20がサーバ10Zへと送信してもよい。
【0178】
図26は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、他ユーザから見た場合のアバターの見え方の例を示す概念図である。アバターA2と対応付けられたユーザを第1ユーザとし、他ユーザを第2ユーザとする。第2ユーザが用いるユーザ端末の表示装置DISP2に、第1ユーザと対応付けられたアバターA2を表示した場合であっても、身長、胴囲、足の長さなどのパラメータの数値は表示されない。アバターA2が有する身長、胴囲、足の長さ等のパラメータは、第1ユーザの実際の体のサイズに基づいて設定されていることもある。つまりこれらのパラメータは第1ユーザの個人情報であるため、プライバシー保護の観点から、プライバシー保護部115が第2ユーザへのパラメータの開示を制限している。なお、複数あるパラメータのうち、どのパラメータを他ユーザに対して開示不可とするかは、パラメータが示す内容に応じて適宜決定することができる。
【0179】
図27は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、仮想的なオブジェクトとアバターとの組み合わせの例を示す概念図である。なお、本例においては、仮想的なオブジェクトOBJ2は商品として空間領域SR内に配置されていた洋服であり、アバターA2との組み合わせは、試着に該当する。アバター表示部111は、ユーザと対応付けられた仮想的なアバターA2を、仮想店舗に相当する空間領域SRと共に表示装置DISPに表示させる(ステップSt127)。なお、アバターA2は現実空間に重畳して表示(AR表示)されてもよい。
【0180】
仮想店舗に相当する空間領域SR内には、商品が陳列されている。衣服の形状を呈する仮想的なオブジェクトOBJ1およびOBJ2は、仮想店舗の商品に該当する。ユーザ(第1ユーザ。以下同様)は、空間領域SR内に陳列された商品のうち、試着したい商品をタップする等して、アバターA2と組み合わせる対象となる仮想的なオブジェクトOBJ2を選択する。すると、組み合わせ部112は、空間領域SRと所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトOBJ2をアバターA2と組み合わせる(ステップSt128)。本例における所定の対応関係とは、空間領域SRは洋服を販売する仮想店舗であり、仮想的なオブジェクトOBJ2は仮想店舗の商品であるという関係である。ただし、空間領域と仮想的なオブジェクトとの関係性は前記の関係性には限られない。組み合わせの結果、アバターA2が仮想的な洋服を試着している。なお、上述のように、アバターA2のボディサイズは、ユーザの実際の体のサイズに基づいたものであってもよく、ユーザと所定の関係を有する他者の体のサイズに基づいたものであってもよい。
【0181】
図28は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、仮想的なオブジェクトとアバターとの組み合わせの例を示す概念図である。なお、本例においては、仮想的なオブジェクトOBJ3は、現実空間の自動車を3Dモデル化した仮想的な自動車である。空間領域SR(図示省略)は、自動車販売店が運営する仮想的なショールームである。アバターA2とオブジェクトOBJ3との組み合わせは、仮想的な自動車の試乗に該当する。アバター表示部111は、ユーザと対応付けられた仮想的なアバターA2を、拡張現実ジオラマARDと共に表示装置DISPに表示させる(ステップSt127)。
【0182】
ユーザ端末20の表示装置DISPには、拡張現実ジオラマARDの一部である建物が現実空間R1に重畳して表示されている。現実空間R1に存在するコップが、表示装置DISPに映り込んでいる。仮想的なオブジェクトOBJ3とアバターA2とが組み合わされて、表示装置DISPに表示されている。なお、アバターA2は仮想的な自動車であるオブジェクトOBJ3に乗車して、これを運転する。すなわちユーザはアバターA2を介して、仮想的な自動車に試乗することができる。
【0183】
ユーザは操作入力として、ユーザ端末20が備えるタッチパネルディスプレイへのタップ、ユーザ端末20を傾けるもしくは左右に振る等のジェスチャー動作等を行うことができる。ユーザの操作入力は、コントローラCTR(図1または図14参照)へのボタン入力、またはユーザ端末20が備えるカメラの前で手を振る等のジェスチャー入力等であってもよい。サーバ10Zはこれらの操作入力に基づいて、仮想的な自動車であるオブジェクトOBJ3の拡張現実ジオラマARD内または空間領域SR内の移動を制御してよい。なお、サーバ10ZによるオブジェクトOBJ3の移動制御は、現実世界の自動車と同様の操作特性(加速性能、コーナリング性能、振動吸収性等)をシミュレートした状態で行われてよい。このようにすることで、ユーザは現実空間に存在する商品の品質を、仮想空間上でアバターを介して試すことができる。
【0184】
なお、アバターと組み合わせる対象となるオブジェクトは、サービスの提供に係る物品を仮想的に表現したものであってもよい。これにより、ユーザは現実空間で受けるサービスの品質を、仮想空間上でアバターを介して試すことができる。
【0185】
(レジ領域の表示)
次に、図19を再び参照し、レジ領域の表示について説明する。レジ領域表示部121は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは前記オブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、空間領域と対応付けて表示装置に表示させる機能を有する。応対キャラクタ表示部122は、ユーザに応対する一以上の応対キャラクタをレジ領域と共に表示装置に表示させる機能を有する。
【0186】
レジ領域表示部121は、取引用の取引画面を表示装置に表示させてよい。
【0187】
応対キャラクタ表示部122は、ユーザが現実空間で使用可能な実物品に対応したパラメータまたは形態を有する応対キャラクタをレジ領域と共に表示装置に表示させてよい。
【0188】
応対キャラクタは自動制御されるものであってよく、ユーザ以外の人間により制御可能であってもよい。
【0189】
なお、応対キャラクタ表示部122は、ユーザに応対する複数の応対キャラクタをレジ領域と共に表示装置に表示させてもよい。複数の応対キャラクタの中に、自動制御される応対キャラクタと、ユーザ以外の人間により制御可能な応対キャラクタとが混在していてもよい。さらに、レジ領域と共に表示された複数の応対キャラクタの中から、ユーザに応対する一以上の応対キャラクタをユーザが選択可能なようにしてもよい。
【0190】
図29は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0191】
レジ領域表示部121は、空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは前記オブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、空間領域と対応付けて表示装置に表示させる(St131)。応対キャラクタ表示部122は、ユーザに応対する一以上の応対キャラクタをレジ領域と共に表示装置に表示させる(St132)。なお、ステップSt132を設けないことも当然ながら可能である。つまり、応対キャラクタを表示せずに、仮想的なレジ領域だけを表示し、レジ領域をタップするなどして選択することにより取引画面へと遷移してもよい。また、レジ領域と取引画面とは一体化されていてもよいし、別々に表示されてもよい。
【0192】
所定の権限とは、現実空間または仮想空間上のオブジェクトに対してユーザが取得可能な各種の権限を意味する。例えば、現実空間上のオブジェクトについては、購入によりそのオブジェクトを所有する権限、使用許諾を受けることによりそのオブジェクトを使用する権限、貸与されることによりそのオブジェクトを一時的に管理できる権限、および、他者への譲渡または貸渡の許諾を得ることによりそのオブジェクトを譲渡または貸渡しを行う権限等が、ここでいう権限に該当する。例えば、仮想空間上のオブジェクトについては、課金によりそのオブジェクトを一定期間または無期限で使用する権限、複製についての許諾を得ることによりそのオブジェクトを複製する権限、および、他者への譲渡または貸与についての許諾を得ることによりそのオブジェクトを他のユーザに譲渡または貸与する権限等が、ここでいう権限に該当する。なお、許可を得てそのオブジェクトを変形、拡大、縮小、合体、進化、退化等させる権限も、ここでいう権限に該当し得る。
【0193】
仮想的なレジ領域とは、上述の権限をユーザに取得させるために、仮想空間に表示される領域を意味する。例えば、現実の店舗内にあるレジカウンターを2Dまたは3Dモデリングデータ等により仮想的に表現したものが、当該レジ領域の一例である。なお、レジ領域は、ユーザが当該レジ領域にて権限取得の対価(金銭、ポイント等)を支払うものであってよく、例えば無償譲渡のように、対価を支払わないものであってもよい。
【0194】
仮想的なレジ領域を表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なレジ領域を表示するための表示用データを出力することを意味する。仮想的なレジ領域を表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、仮想的なレジ領域を表示するための指令を出力することを意味してもよい。仮想的なレジ領域を空間領域と対応付けて表示装置に表示させるとは、例えば、仮想店舗に相当する空間領域の中や近傍などの、空間領域と所定の関係にある位置に表示させることを意味する。
【0195】
取引とは、商品を購入する、譲り受ける、またはサービスを受けるなどのように、ユーザが何らかの便益を受ける行為を意味する。
【0196】
応対キャラクタとは、例えば店舗の店員等のように、ユーザと対話するなどしてユーザに応対するキャラクタを意味する。応対キャラクタを表示装置に表示させるとは、表示装置を備える装置(例えばユーザ端末20など)または表示装置に対して、応対キャラクタを表示するための表示用データを出力することを意味する。応対キャラクタを表示装置に表示させるとは、表示用データを既に有している装置(例えば、表示用データを生成または記憶可能なユーザ端末20など)または表示装置に対して、応対キャラクタを表示するための指令を出力することを意味してもよい。応対キャラクタをレジ領域と共に表示装置に表示させるとは、例えばレジ領域の中や近傍などの、レジ領域と所定の関係にある位置に表示させることを意味する。
【0197】
ユーザが現実空間で使用可能な実物品に対応したパラメータまたは形態を有する応対キャラクタとは、例えばユーザが現実空間に存在するフィギュアを購入した場合に、このフィギュアに対応したパラメータまたは形態を有する応対キャラクタ等を意味する。なお、ユーザが現実空間で使用可能な実物品は、人型の物品には限られない。
【0198】
ここで、図22を再び参照する。ユーザ端末20が備える表示装置DISPには空間領域SRが表示されている。レジ領域表示部121が、仮想的なレジ領域RRを空間領域SRと対応付けて表示装置DISPに表示させている。応対キャラクタ表示部122は、応対キャラクタRCHをレジ領域RRと共に表示装置DISPに表示させている。レジ領域や応対キャラクタを空間領域SRに対応付けて配置することにより、仮想店舗を利用するユーザは、決済などの取引を行う為にどこで何をすればよいかを明確に理解することができ、仮想店舗で取引を行うことができる。
【0199】
図30は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、取引画面の表示例を示す概念図である。ユーザ端末20が備える表示装置DISPには空間領域SRが表示されている。なお、空間領域SRの壁や、陳列されている商品等については図示を省略している。レジ領域表示部121は、取引用の取引画面TRAを表示装置DISPに表示させる。取引画面TRAのレイアウトやユーザインタフェースについては特に限定しない。本例においては、取引画面TRAには、購入対象の商品である洋服のサムネイル画像と、当該洋服のサイズ、色、購入金額等が表示されている。また、本例における取引画面TRAには、BuyボタンとCancelボタンとが表示されている。ユーザはBuyボタンをタップすることにより、洋服を購入することができる。ユーザがCancelボタンをタップすると、例えば、取引画面TRAが非表示となる。
【0200】
図31は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、実物品に対応したパラメータまたは形態を有する応対キャラクタの表示例を示す概念図である。ユーザ端末20が備える表示装置DISPには空間領域SRがAR表示されている。なお、空間領域SRの壁や、陳列されている商品等については図示を省略している。表示装置DISPには、レジ領域RRと応対キャラクタRCHとが表示されている。本例においては応対キャラクタRCHの発言内容を示す吹き出しの形態として、取引画面TRAが表示されている。ただし、応対キャラクタRCHは音声を出力することにより発言してもよい。応対キャラクタRCHはジェスチャー等によってユーザとコミュニケーションを行ってもよい。また、ユーザ端末20が備えるマイクや、ユーザ側に向けられたカメラ等によって、ユーザの発言や表情等を示すユーザ情報をユーザ端末20が取得した上で、応対キャラクタRCHは、これらのユーザ情報に基づいてユーザとコミュニケーションを行ってもよい。
【0201】
ここで、表示装置DISPには、現実空間に存在するコップCとフィギュアFとが映り込んでいる。応対キャラクタRCHは、実物品であるフィギュアFに対応した形態を有している。このように、ユーザが保持するフィギュアF等の物品に応じて、応対キャラクタRCHを好みのパラメータまたは形態を有するものに変えることができる。なお、応対キャラクタ表示部122は、実物品に対応して、声質などのパラメータが変更された応対キャラクタRCHを表示装置DISPに表示させてよい。すなわちユーザは、自身に対して応対を行う応対キャラクタRCHを、現実空間に存在する物品を介して自由に選択することができる。
【0202】
図32は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、応対キャラクタの制御例を示す概念図である。ユーザ端末20が備える表示装置DISPには空間領域SRがAR表示されている。なお、空間領域SRの壁や、陳列されている商品等については図示を省略している。表示装置DISPには、レジ領域RRと応対キャラクタRCHとが表示されている。
【0203】
本例では、応対キャラクタRCHの動作は応対者SPの動作と連動している。応対者SPはユーザ端末20を保持するユーザ以外の人間である。応対者装置60が備えるカメラ64が応対者SPの姿を撮像し、この撮像画像に基づいて、応対キャラクタRCHの動作が制御される(図1および図14参照)。なお、応対キャラクタRCHの動作制御の主体はサーバ10Zであっても、ユーザ端末20であってもよい。
【0204】
応対キャラクタRCHは、応対者SPと同じ形態を有していてもよい。すなわち、応対者SPを撮像した撮像画像そのものが、表示装置DISP上に応対キャラクタRCHとして表示されてもよい。応対キャラクタRCHは、応対者SPとは異なる外観を有する、応対者SPのアバターであってもよい。
【0205】
また、図示は省略するが、応対キャラクタRCHの動作や発言等は、キャラクタを制御するプログラム等を用いることにより、自動制御されてもよい。キャラクタを制御するプログラムは、人工知能(たとえばキャラクタAI)を用いて実装されてもよい。
【0206】
応対キャラクタRCHが自動制御される場合、仮想店舗の運営者はユーザに対して接客を行うための人的資源を削減することができる。
【0207】
応対キャラクタRCHを人間が制御する場合、ユーザは現実世界で実際の店員と接するかのように自然な状態で、仮想店舗を利用した取引を行うことができる。また、店員は遠隔地に居るユーザに対して、仮想店舗を介して商品販売やサービス提供を行うことができる。さらに、仮想店舗における応対キャラクタの制御者という新たな雇用機会の創出にも寄与することができる。また、応対キャラクタRCHが応対者SPとは異なる外観を有する応対者SPのアバターである場合は、応対者SPが有する変身願望をも満たすことができる。
【0208】
(空間領域同士の結合)
次に、図19を再び参照し、空間領域同士の結合について説明する。空間領域結合部131は、二つ以上の空間領域を結合する機能を有する。空間領域選択部132は、ユーザによる入力情報と所定の蓄積情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、空間領域結合機能による結合対象となる二つ以上の空間領域を選択する機能を有する。
【0209】
空間領域結合部131は、結合対象となる少なくとも一つの空間領域を、結合対象となる他の少なくとも一つの空間領域に応じて変更した上で、両者を結合させてよい。
【0210】
空間領域結合部131は、結合対象となる少なくとも一つの空間領域と、結合対象となる他の少なくとも一つの空間領域との間に、接続用領域を設けた上で、両者を結合させてよい。
【0211】
図33は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0212】
空間領域選択部132は、ユーザによる入力情報と所定の蓄積情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、空間領域結合機能による結合対象となる二つ以上の空間領域を選択する(St141)。空間領域結合部131は、二つ以上の空間領域を結合する(St142)。
【0213】
二つ以上の空間領域を結合するとは、例えば洋服を販売する仮想店舗に対応する空間領域と、靴を販売する仮想店舗に対応する空間領域とを繋ぐ、などのように、複数の空間領域を一つにすることを意味する。
【0214】
空間領域を変更するとは、変更前後で比較した場合に空間領域に何らかの差が生じるような処理を行うことをいう。例えば、空間領域を拡大、縮小、または変形する、空間領域の一部を削除する等が、空間領域の変更に該当する。また、空間領域に含まれるオブジェクトのパラメータまたは形態を変更する、空間領域に含まれるオブジェクトを削除する、空間領域に新規にオブジェクトを追加する、などの、空間内部について何かしらの変化を生じさせる処理もまた、空間領域の変更に該当する。
【0215】
接続用領域とは、ある空間領域と別の空間領域とを接続する際に、両者を円滑に接続できるように介在させる領域を意味する。例えば、2つの空間を互いに連絡する連絡通路型の領域等が、接続用領域に該当する。また、一方の空間領域から他方の空間領域へと移動する為の扉や窓、机の引き出し等を3Dデータとして表現した領域もまた、接続用領域に該当する。その他、例えば直方体状の空間領域と三角錐状の空間領域とを接続する際に、これらの間を埋めるような形状を呈する空間領域なども、接続用領域に該当する。
【0216】
ユーザによる入力情報とは、ユーザに起因する入力情報を意味する。例えば、ユーザ端末20を介して入力された情報が、ユーザによる入力情報に該当する。なお、サーバ10Zはユーザ端末20から通信ネットワーク30を介して入力情報を取得してよい。
【0217】
また、ユーザ端末20を介在させずにサーバ10Zが別途取得した入力情報が、ユーザによる入力情報として用いられてよい。例えば、ユーザに対応付けられたアバターが拡張現実ジオラマまたは空間領域の中で過去に行動した際の行動履歴情報をサーバ10Zがログデータとして取得している場合、このログデータがユーザによる入力情報に該当し得る。また、サーバ10Zが他サーバ40等の外部システムから取得した、ユーザに係る情報もまた、ユーザによる入力情報に該当する。例えば、ユーザが他の商品販売サイトを利用して商品を購入した場合の購入履歴情報や、ユーザが電車などの交通機関を利用した場合の利用履歴情報、ユーザがSNSサービスで投稿したコンテンツデータや、SNSサービスを介して行った発言を示すテキスト情報なども、ここでいうユーザによる入力情報に含まれ得る。
【0218】
蓄積情報とは、処理主体(ここではサーバ10Z)からアクセス可能な記憶装置に蓄積された情報を意味する。例えば、記憶装置に保存された、ある日におけるある店舗の商品売上数を示す情報や、当該店舗の所定の時間帯についての来客数を示す情報などが、蓄積情報に該当する。記憶装置に保存されている、バランスシートや損益計算書に記載の数値等のような、店舗の財務情報なども、蓄積情報に該当する。蓄積情報は統計情報に限られない。例えばSNSでの口コミや有識者のコメントを示すデータ等が記憶装置に保存されていれば、これらもまた蓄積情報に該当し得る。すなわち蓄積情報は、ユーザ個人に関係する情報には限定されない種々の情報である。なお、蓄積情報には、空間領域が有する各種の属性情報や、拡張現実ジオラマが有する各種の属性情報も含まれてよい。
【0219】
図34は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、空間領域の結合例を示す概念図である。ユーザがユーザ端末20に、就職活動に必要な物をまとめて購入したい旨を示す情報を入力した。この入力情報を通信ネットワーク30経由で取得したサーバ10Zの空間領域選択部132が、ユーザによる入力情報に基づいて、結合対象となる二つの空間領域SR1およびSR2を選択した。空間領域SR1は、服を販売する仮想店舗に相当する。空間領域SR2は、靴を販売する仮想店舗に相当する。これらの複数の仮想店舗を1つに結合できれば、ユーザは就職活動に必要な服と靴とをまとめて購入することができる。なお本例においては、空間領域選択部132は「就職活動」というキーワードから、服および靴という購入対象商品を類推している。キーワードと購入対象商品との対応表などが記憶装置に予め記憶されていてよく、空間領域選択部132はこの対応表に基づいて、服を販売する仮想店舗と靴を販売する仮想店舗とを抽出している。ただし前記はあくまで一例であり、対応表以外の方式を用いて空間領域を選択するアルゴリズムをサーバ10Zに実装してもよい。
【0220】
ここで、服を販売する仮想店舗である空間領域SR1は、服についての仮想的なレジ領域RR1を含んでおり、白色を基調とした内装を有している。一方、靴を販売する仮想店舗である空間領域SR2は、靴についての仮想的なレジ領域RR2を含んでおり、茶色を基調とした内装を有している。なお図34において、茶色を基調にした内装を斜線によって表現している。
【0221】
あくまで一例であるが、結合後の仮想店舗について内装の統一感を演出する観点から、空間領域結合部131は、結合対象となる空間領域SR2を結合対象となる他の空間領域SR1に応じて変更した上で、両者を結合させる。具体的には、空間領域SR1との結合によりレジ領域が重複することを避ける為に、空間領域結合部131は空間領域SR2に含まれていたレジ領域RR2を削除する。また、空間領域結合部131は空間領域SR2が有する内装を、空間領域SR1が有する内装に合わせるように、白を基調とした内装へと変更する。
【0222】
そして空間領域結合部131は、空間領域SR1と空間領域SR2とを結合する。結合後の空間領域SR3は、服および靴についての仮想的なレジ領域RR3を1つ含む。また、結合後の空間領域SR3は、白を基調とした内装を有する。この結合後の空間領域SR3が、ユーザ端末20が備える表示装置に表示されることになる。
【0223】
上記の例のように、サーバ10Zが取得可能な種々の情報に基づいて、ユーザに適した複数の空間領域を選択し、適宜変更を行った上でそれらを結合させる。これにより、ユーザのニーズに合致した種々の商品やサービスを扱う仮想店舗を動的に構築し、ユーザに提供することができる。
【0224】
なお、空間領域選択部132を用いずに、ユーザ、サーバ10Zの管理者、仮想店舗の運営者、拡張現実ジオラマの構築者等が直接、結合対象となる複数の空間領域を選択してもよい。一方の空間領域だけを人間が特定して、他方の空間領域を空間領域選択部132が選択(レコメンド)してもよい。
【0225】
図35は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、接続用領域を用いた場合の空間領域の結合例を示す概念図である。なお、図34と同様の要素については説明を省略する。空間領域結合部131は、空間領域SR1と空間領域SR2とを結合する。このとき空間領域結合部131は、空間領域SR1と空間領域SR2との間に接続用領域を設けた上で、両者を結合させる。本例においては、接続用領域として、ドアD1、ドアD2、および通路Pが設けられている。通路Pは、空間領域SR1と空間領域SR2との間をユーザが仮想的に移動するために空間領域結合部131によって追加された接続用領域である。ドアD1およびドアD2はそれぞれ、ユーザが通路Pを仮想的に通る時に開ける。接続用領域は、上記の例には限られない。
【0226】
このように、接続用領域を設けることにより、複数の空間領域を円滑に接続することができ、ユーザが複数の仮想店舗を仮想的に渡り歩いて、商品の購買等を楽しく行うことができる。
【0227】
(拡張現実ジオラマ同士の結合)
次に、図19を再び参照し、拡張現実ジオラマ同士の結合について説明する。拡張現実ジオラマ結合部141は、二つ以上の拡張現実ジオラマを結合する機能を有する。拡張現実ジオラマ選択部142は、ユーザによる入力情報と所定の蓄積情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、拡張現実ジオラマ結合機能による結合対象となる二つ以上の拡張現実ジオラマを選択する機能を有する。
【0228】
拡張現実ジオラマ結合部141は、結合対象となる少なくとも一つの拡張現実ジオラマを、結合対象となる他の少なくとも一つの拡張現実ジオラマに応じて変更した上で、両者を結合させてよい。
【0229】
拡張現実ジオラマ結合部141は、結合対象となる少なくとも一つの拡張現実ジオラマと、結合対象となる他の少なくとも一つの拡張現実ジオラマとの間に、接続用領域を設けた上で、両者を結合させてよい。
【0230】
図36は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0231】
拡張現実ジオラマ選択部142は、ユーザによる入力情報と所定の蓄積情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、拡張現実ジオラマ結合機能による結合対象となる二つ以上の拡張現実ジオラマを選択する(St151)。拡張現実ジオラマ結合部141は、二つ以上の拡張現実ジオラマを結合する(St152)。
【0232】
二つ以上の拡張現実ジオラマを結合するとは、例えば秋葉原の街並みを再現した拡張現実ジオラマと、池袋の街並みを再現した拡張現実ジオラマとを繋ぐなどのように、複数の拡張現実ジオラマを一つにすることを意味する。なお、結合対象となる複数の拡張現実ジオラマは、現実世界において隣り合っていなくともよい。また、拡張現実ジオラマ結合部141は、現実世界を模した拡張現実ジオラマと、仮想世界(例えばコミックに登場した架空の街)を模した拡張現実ジオラマとを結合してもよい。拡張現実ジオラマ結合部141は、仮想世界を模した複数の拡張現実ジオラマ同士を結合してもよい。
【0233】
拡張現実ジオラマを変更するとは、変更前後で比較した場合に拡張現実ジオラマに何らかの差が生じるような処理を行うことをいう。例えば、拡張現実ジオラマを拡大、縮小、または変形する、拡張現実ジオラマの一部を削除する等が、拡張現実ジオラマの変更に該当する。拡張現実ジオラマにリンクされていた空間領域のリンクを解消する、拡張現実ジオラマに新たに別の空間領域をリンクさせる処理もまた、拡張現実ジオラマの変更に該当する。また、拡張現実ジオラマに含まれるオブジェクトのパラメータまたは形態を変更する、拡張現実ジオラマに含まれるオブジェクトを削除する、拡張現実ジオラマに新規にオブジェクトを追加する、などの、拡張現実ジオラマの内部について何かしらの変化を生じさせる処理もまた、拡張現実ジオラマの変更に該当する。
【0234】
接続用領域とは、ある空間領域と別の空間領域とを接続する際に、両者を円滑に接続できるように介在させる領域を意味する。例えば、2つの拡張現実ジオラマの間に挟まれるように配置される、3Dデータとして表現された森林領域または壁領域等が接続用領域に該当する。また、一方の拡張現実ジオラマから他方の拡張現実ジオラマへと移動する為の扉や門等を3Dデータとして表現した領域もまた、接続用領域に該当する。その他、仮想的な重力方向に沿って平面に投影した場合に長方形となる拡張現実ジオラマと、円形となる拡張現実ジオラマとを接続する際に、これらの間を埋めるような形状を呈する空間領域も、接続用領域に該当する。
【0235】
ユーザによる入力情報および蓄積情報については上述と同様であるため、説明を省略する。
【0236】
図37は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマの結合例を示す概念図である。ユーザがユーザ端末20に、地域1と、地域2とを合体させた拡張現実ジオラマを構築したい旨を示す情報を入力した。なお、現実には、地域1と地域2とは互いに離れた位置に存在する。入力情報を通信ネットワーク30経由で取得したサーバ10Zの拡張現実ジオラマ選択部142が、ユーザによる入力情報と、ユーザの勤務地である地域1の住所を示す蓄積情報と、地域2に建築された電波塔付近に観光客が多いことを示す蓄積情報とに基づいて、結合対象となる拡張現実ジオラマARD1およびARD2を選択した。拡張現実ジオラマARD1は地域1を再現した拡張現実ジオラマである。拡張現実ジオラマARD2は地域2を再現した拡張現実ジオラマである。
【0237】
拡張現実ジオラマ結合部141は、拡張現実ジオラマARD1とARD2とを結合する。図37は、拡張現実ジオラマの結合方式について、パターンAとパターンBの2つを例示している。パターンAの場合は、拡張現実ジオラマARD1に相当する3次元空間と、拡張現実ジオラマARD2に相当する3次元空間とを相互に接続することにより、結合を行っている。一方、パターンBの場合は、拡張現実ジオラマARD1に相当する3次元空間に、拡張現実ジオラマARD2に含まれていた建物や電波塔などの建造物の一部を追加することにより、結合を行っている。この時、拡張現実ジオラマARD1に存在していた一部の建造物等を削除してから、拡張現実ジオラマARD2に含まれていた建造物の一部を追加してよい。例えばこのように、結合対象となる拡張現実ジオラマARD1を、結合対象となる他の拡張現実ジオラマARD2に応じて変更した上で、拡張現実ジオラマARD1およびARD2とを結合してよい。また、上記の2つの結合パターンはあくまで例示であり、他の結合パターンによって拡張現実ジオラマ同士を結合してもよい。
【0238】
図38は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマの結合例を示す概念図である。拡張現実ジオラマ結合部141は、拡張現実ジオラマARD1とARD2とを、上述のパターンA方式によって結合している。拡張現実ジオラマ結合部141は、拡張現実ジオラマARD1とARD2との間に、接続用領域CRを設けた上で、拡張現実ジオラマARD1とARD2とを結合している。本例においては、接続用領域CRは、地域1と地域2とを繋ぐ魔法の森を表現している。なお、接続用領域CRは、例えばテーマパークを模した拡張現実ジオラマにおける異なるエリア同士を接続する、タイムスリップ現象を伴う不思議な山や川などを表現した領域であってもよい。
【0239】
図39は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマの結合例を示す概念図である。拡張現実ジオラマ結合部141は、拡張現実ジオラマARD1とARD2とを、上述のパターンB方式によって結合している。ただし、拡張現実ジオラマARD1は第n年の地域1を再現している一方、拡張現実ジオラマARD2は第n+2年の地域2を再現している。nは自然数である。第n年において、電波塔は完成していなかった。そこで、拡張現実ジオラマ結合部141は、結合対象となる拡張現実ジオラマARD2を、第n年の頃を再現するように変更した上で、拡張現実ジオラマARD1と結合させる。これは例えば、サーバ10Zからアクセス可能な記憶装置に、同じ対象を再現する拡張現実ジオラマを複数の年代について記憶しておくことにより実現可能である。
【0240】
上記の例のように、サーバ10Zが取得可能な種々の情報に基づいて、ユーザに適した複数の拡張現実ジオラマを選択し、適宜変更を行った上でそれらを結合させる。これにより、ユーザのニーズに合致した拡張現実ジオラマを動的に構築し、ユーザに提供することができる。
【0241】
なお、拡張現実ジオラマ選択部142を用いずに、ユーザ自身、サーバ10Zの管理者、仮想店舗の運営者、拡張現実ジオラマの構築者等が直接、結合対象となる複数の拡張現実ジオラマを選択してもよい。一方の拡張現実ジオラマだけを人間が特定して、他方の拡張現実ジオラマを拡張現実ジオラマ選択部142が選択(レコメンド)してもよい。
【0242】
上記の例のように、拡張現実ジオラマ同士を結合することで、新たな拡張現実ジオラマを構築することができる。また、結合対象の拡張現実ジオラマの作成者が異なる場合、共同作業により新たな拡張現実ジオラマを構築することができる。また、種々の拡張現実ジオラマを合わせる楽しみも得ることができる。さらに、結合対象となる複数の拡張現実ジオラマの地域や年代、作風等が異なっていても、少なくとも一方の拡張現実ジオラマを変更する、または結合領域を設けるなどにより、円滑に拡張現実ジオラマ同士を結合することができる。
【0243】
(拡張現実ジオラマと空間領域とのマッチング)
次に、図19を再び参照し、拡張現実ジオラマと空間領域とのマッチングについて説明する。マッチング部151は、拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングさせる機能を有する。調整部152は、表示対象となる少なくとも一つの拡張現実ジオラマおよび少なくとも一つの空間領域のうち少なくとも一方を、他方に応じて変更する機能を有する。
【0244】
マッチング部151は、一つ以上の拡張現実ジオラマを、拡張現実ジオラマが有する属性値に基づいて抽出することによりマッチングを行ってよい。マッチング部151は、一つ以上の空間領域を、記空間領域が有する属性値に基づいて抽出することによりマッチングを行ってよい。マッチング部151は、拡張現実ジオラマと空間領域との間の適合度に基づいて、一つ以上の拡張現実ジオラマと一つ以上の空間領域のうち少なくともいずれか一方を抽出することによりマッチングを行ってよい。
【0245】
図40は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する仮想店舗管理処理の例を示すフローチャートである。
【0246】
マッチング部151は、拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングさせる(St161)。調整部152は、表示対象となる少なくとも一つの拡張現実ジオラマおよび少なくとも一つの空間領域のうち少なくとも一方を、他方に応じて変更する(St162)。
【0247】
拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングさせるとは、リンクさせる対象となる拡張現実ジオラマと空間領域とのうち少なくともいずれか一方を抽出することを意味する。例えば、ある空間領域が指定された時に、この空間領域をリンクさせる拡張現実ジオラマを複数の拡張現実ジオラマの中から抽出する処理が、マッチングに該当する。これとは逆に、ある拡張現実ジオラマが指定されたときに、この拡張現実ジオラマにリンクさせる空間領域を複数の空間領域の中から抽出する処理が、マッチングに該当する。なお、所定の基準に従って、拡張現実ジオラマと空間領域の両方を抽出する処理もまた、マッチングに該当する。
【0248】
拡張現実ジオラマの変更、および空間領域の変更については、上述と同様であるため説明を省略する。
【0249】
図41は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、拡張現実ジオラマと空間領域とのマッチング処理の例を示す概念図である。サーバ10Zからアクセス可能な記憶装置(例えば図1または図14に記載の記憶装置13)に、複数の拡張現実ジオラマARD1、ARD3、およびARD4に係る3Dモデリングデータが記憶されている。同様に、サーバ10Zからアクセス可能な記憶装置に、複数の空間領域SR1、SR3、およびSR4に係る3Dモデリングデータが記憶されている。
【0250】
拡張現実ジオラマARD1は、現代の地域1を再現した拡張現実ジオラマである。拡張現実ジオラマARD1には、鉄筋コンクリート製のビル等が配置されている。拡張現実ジオラマARD3は、縄文時代のある地域を再現した拡張現実ジオラマである。拡張現実ジオラマARD3には、縄文時代の竪穴式住居が配置されている。拡張現実ジオラマARD4は、西暦2100年の月面都市を再現した拡張現実ジオラマである。なお、拡張現実ジオラマは、コミックに登場する都市等をモチーフにした、空想上の街並みを再現していてもよい。拡張現実ジオラマARD4には、ドーム状の基地と、4本のアームによって月面の地表から離隔された居住ブロックとが配置されている。
【0251】
空間領域SR1は、現代の洋服を販売する仮想店舗に相当する。この仮想店舗でユーザが購入した洋服は、郵送によりユーザの自宅へと配送される。空間領域SR3は、未来の宇宙服を販売する仮想店舗に相当する。この仮想店舗でユーザが宇宙服を購入した場合、宇宙服の形状を呈する寝袋が、郵送によりユーザの自宅へと配送される。空間領域SR4は、縄文時代の石槍と、獣の皮製の衣服とを販売する仮想店舗に相当する。この仮想店舗でユーザが石槍を購入した場合、ユーザがプレイ中のロールプレイングゲームにおいて、プレイヤーキャラクタが装備可能なアイテム「石槍」および「皮の服」のデータを入手することができる。
【0252】
マッチング部151は、一つ以上の拡張現実ジオラマを、拡張現実ジオラマが有する属性値に基づいて抽出することによりマッチングを行ってよい。例えば、ユーザがユーザ端末20を操作して、空間領域SR1を指定した上で、空間領域SR1と適合しそうな拡張現実ジオラマを検索したい旨の指示をサーバ10Zへと送信したとする。マッチング部151はこの入力情報に基づいて、2000年~2020年(現代)の日本におけるいずれかの地域を再現している拡張現実ジオラマを抽出する。なお、抽出の結果、該当する拡張現実ジオラマが複数存在してもよい。マッチング部151は例えば、一つ以上の拡張現実ジオラマを、拡張現実ジオラマが有する属性値「拡張現実ジオラマが再現している年代」に基づいて抽出する。本例では、拡張現実ジオラマARD1が抽出される。なお、拡張現実ジオラマのデータには、保有する属性値を示すタグ情報等が付加されていてよい。抽出に用いられる拡張現実ジオラマの属性値は、上記のものには限られない。例えば、拡張現実ジオラマが再現している地域、拡張現実ジオラマの広さ、人気度、使用された回数、その拡張現実ジオラマが使用された回数、拡張現実ジオラマが属するジャンル(近未来、現代、中世、古代、異世界、等)、拡張現実ジオラマの製作者、製作日時、拡張現実ジオラマの製作者のSNSサービスにおける人気度、拡張現実ジオラマの製作者が公開している投稿動画の再生回数などのように、種々の属性値が抽出に用いられてよい。
【0253】
マッチング部151は、一つ以上の空間領域を、空間領域が有する属性値に基づいて抽出することによりマッチングを行ってよい。例えば、ユーザがユーザ端末20を操作して、拡張現実ジオラマARD4を指定した上で、拡張現実ジオラマARD4と適合しそうな空間領域を検索したい旨の指示をサーバ10Zへと送信したとする。マッチング部151はこの入力情報に基づいて、未来の宇宙都市に関係しそうな商品を販売している仮想店舗に相当する空間領域を抽出する。なお、抽出の結果、該当する空間領域が複数存在してもよい。マッチング部151は例えば、一つ以上の空間領域を、空間領域が有する属性値「仮想店舗で扱っている商品の対象地域」に基づいて抽出する。本例では、空間領域SR3が抽出される。なお、空間領域のデータには、保有する属性値を示すタグ情報等が付加されていてよい。抽出に用いられる空間領域の属性値は、上記のものには限られない。例えば、空間領域に相当する仮想店舗(単に仮想店舗と表記する)が販売している商品のジャンル(飲食店、日用雑貨、スポーツ用品、等)、仮想店舗が提供しているサービスの種類(歌唱技術の教示、コンテンツの代理製作等)、仮想店舗と関係のある実店舗が存在する地域、仮想店舗のターゲット層、仮想店舗または商品の認知度、仮想店舗または商品の消費者からの評価、仮想店舗を提供する企業と関係する別ブランドの商品のジャンル、空間領域の製作者、製作日時、空間領域の製作者のSNSサービスにおける人気度、空間領域の製作者が公開している投稿動画の再生回数などのように、種々の属性値が抽出に用いられてよい。
【0254】
マッチング部151は、拡張現実ジオラマと空間領域との間の適合度に基づいて、一つ以上の拡張現実ジオラマと一つ以上の空間領域のうち少なくともいずれか一方を抽出することによりマッチングを行ってよい。マッチング部151は、例えば、拡張現実ジオラマのデータに付加されたタグ情報(属性値)と、空間領域のデータに付加されたタグ情報(属性値)とに基づいて、両者の適合度を数値化する。例えば、拡張現実ジオラマと空間領域との間で、年代のズレが所定の年数以内であれば+10ポイント、などのようにポイント化し、それぞれの属性ごとのポイントを合算して適合度を数値化してよい。また、ある拡張現実ジオラマと、ある空間領域とをリンクさせた場合の、ユーザからの評価を示す値(Goodボタンが押された回数や、ユーザによる利用回数など)に基づいて、適合度を数値化してもよい。その他、拡張現実ジオラマと空間領域とをリンクさせた場合の、ユーザからの評価を示す値を機械学習させて学習済みモデルを予め作成しておいてもよい。例えば拡張現実ジオラマが有する属性値と、空間領域が有する属性値とをニューラルネットワークに入力し、ユーザからの評価を示す値を教師データとして教師あり学習を行う。このようにして作成された学習済みモデルをサーバ10Zの記憶装置13に記憶しておく。すると、マッチング部151が、拡張現実ジオラマが有する属性値と、空間領域が有する属性値とを学習済みモデルに入力することにより、ユーザからの評価に相当する推定値が出力される。マッチング部151はこの推定値を、拡張現実ジオラマと空間領域との間の適合度として用いてもよい。マッチング部151は、これら以外の当業者に知られた方法を用いて、拡張現実ジオラマと空間領域との間の適合度を計算してよい。
【0255】
そしてマッチング部151は、計算された適合度が所定の値よりも高いような拡張現実ジオラマおよび/または空間領域を抽出する。その結果、例えば、拡張現実ジオラマARD1と空間領域SR1の組と、拡張現実ジオラマARD3と空間領域SR4の組と、拡張現実ジオラマARD4と空間領域SR3の組とが、適合度が高い組であるとして抽出される。
【0256】
ここで、調整部152は、表示対象となる少なくとも一つの拡張現実ジオラマおよび少なくとも一つの空間領域のうち少なくとも一方を、他方に応じて変更する機能を有する。調整部152は、拡張現実ジオラマおよび空間領域のうち少なくとも一方を、上述の適合度の値が増加するように変更してよい。例えば調整部152は、拡張現実ジオラマの街並みを、空間領域が適合する年代の街並みへと変更する。また、例えば調整部152は、空間領域である仮想店舗の内装を、拡張現実ジオラマと適合する外観となるように変更する。
【0257】
以上のように、マッチング部151が、拡張現実ジオラマと空間領域とをマッチングさせることにより、拡張現実ジオラマに適合する空間領域や、空間領域に適合する拡張現実ジオラマを容易に探し出して、仮想店舗管理システム100の利用者に提供することができる。なお、仮想店舗管理システム100の利用者には、拡張現実ジオラマの製作者、仮想店舗に相当する空間領域の製作者、およびユーザ端末20を有するユーザ等が含まれる。
【0258】
また、調整部152が、表示対象となる少なくとも一つの拡張現実ジオラマおよび少なくとも一つの空間領域のうち少なくとも一方を、他方に応じて変更することにより、互いにリンクさせる拡張現実ジオラマと空間領域との適合度を上げることができる。
【0259】
(仮想的なオブジェクトの配置)
次に、図19を再び参照し、仮想的なオブジェクトの配置機能について説明する。第1配置部161は、仮想的なオブジェクトを空間領域に配置する機能を有する。第2配置部162は、仮想的なオブジェクトを拡張現実ジオラマに配置する機能を有する。
【0260】
上述のように、仮想的なオブジェクトとは、仮想空間上に出力可能なオブジェクトを意味する。拡張現実ジオラマは、現実空間に対して重畳して表示される仮想的なジオラマを意味する。仮想的な空間領域は、仮想空間中の、仮想店舗管理プログラムが管理する仮想店舗に対応する領域である。すなわち、拡張現実ジオラマおよび空間領域はいずれも仮想空間であるから、仮想的なオブジェクトを配置することができる。
【0261】
第1配置部161により、例えば仮想店舗の運営者は自身の仮想店舗に、サービスの提供に係る物品または商品を仮想的なオブジェクトとして配置することができる。すなわち、仮想店舗の運営者は、仮想店舗をカスタマイズすることができるようになる。
【0262】
第2配置部162により、拡張現実ジオラマの製作者、仮想店舗の運営者、およびユーザ等は、拡張現実ジオラマに、建物、サービスの提供に係る物品、商品、および自身のアバター等を仮想的なオブジェクトとして配置することができる。すなわち、拡張現実ジオラマの景観をカスタマイズすることができ、拡張現実ジオラマの中で、サービスの提供に係る物品または商品を試すまたは他者に試させることができる。
【0263】
第9の実施形態の一側面として、ユーザが好みに応じた仮想空間上で多彩な取引行動を行うことができる。また、仮想的な店舗を拡張現実ジオラマと対応付けた状態で動的に構築することができるので、取引において仮想空間を柔軟に活用することができる。
【0264】
第9の実施形態の一側面として、仮想店舗に訪れたユーザが、自身などを示すアバターによって商品やサービスを購入前に仮想空間上で試すことができる。
【0265】
第9の実施形態の一側面として、アバターが現実空間に居るかのような状態で、商品やサービスを試すことができる。
【0266】
第9の実施形態の一側面として、ユーザの体をスキャン等して新たにアバターを作成する必要なく、テンプレートとして保存されているアバターを活用することができる。
【0267】
第9の実施形態の一側面として、アバターをカスタマイズして、商品やサービスを試すのに適切なパラメータまたは形態を有するアバターを得ることができる。
【0268】
第9の実施形態の一側面として、アバターが有するパラメータのうち、ユーザの個人情報に相当する情報を他者に知られないようにすることができる。
【0269】
第9の実施形態の一側面として、仮想店舗に訪れたユーザが、例えば商品を購入する、使用権限を得る等の種々の便益を、仮想空間上で受けることができる。なお、ユーザが権限取得の対価を支払う場合、ユーザはレジ領域において商取引または決済を行うことができる。
【0270】
第9の実施形態の一側面として、ユーザが取引画面を介して仮想店舗の商品またはサービスについての取引を行うことができる。
【0271】
第9の実施形態の一側面として、応対キャラクタを介してユーザに接客することができる。
【0272】
第9の実施形態の一側面として、ユーザが有するフィギュア等の実物品に応じて、ユーザが所望の応対キャラクタに応対してもらうことができる。
【0273】
第9の実施形態の一側面として、仮想店舗における接客のための人員を削減することができる。
【0274】
第9の実施形態の一側面として、仮想店舗の店員などの種々の人間が仮想店舗を介してユーザに対して接客を行うことができる。
【0275】
第9の実施形態の一側面として、拡張現実ジオラマから空間領域を取り外すことができる。
【0276】
第9の実施形態の一側面として、店舗に相当する空間領域を動的に結合することができる。そのため、仮想的な複合店舗や仮想的なショッピングモールをユーザのニーズに合わせて柔軟に構築することができ、ユーザは自身の嗜好に合致した仮想的な複合店舗や仮想的なショッピングモールで取引を行うことができる。
【0277】
第9の実施形態の一側面として、互いに適合するように変更した状態の複数の空間領域を結合させることができる。
【0278】
第9の実施形態の一側面として、空間領域同士を円滑に結合させることができる。
【0279】
第9の実施形態の一側面として、結合対象となる空間領域をシステム側で提示することができる。
【0280】
第9の実施形態の一側面として、異なる場所を模した複数の拡張現実ジオラマを結合して一つの拡張ジオラマにすることで、現実世界における地理的な制約を超えた自由な街並みをAR空間上で再現することができる。さらにユーザは、現実世界における地理的な制約を超えた街並みの中に配置された仮想店舗(空間領域)を利用することにより、より柔軟で自由な取引を行うことができる。
【0281】
第9の実施形態の一側面として、互いに適合するように変更した状態の複数の拡張現実ジオラマを結合させることができる。
【0282】
第9の実施形態の一側面として、拡張現実ジオラマ同士を円滑に結合させることができる。
【0283】
第9の実施形態の一側面として、結合対象となる拡張現実ジオラマをシステム側で提示することができる。
きる。
【0284】
第9の実施形態の一側面として、例えば記憶装置に多数登録された空間領域および/または拡張現実ジオラマの中から、リンクの対象となる空間領域および/または拡張現実ジオラマを所定の基準に応じて見つけ出すことができる。
【0285】
第9の実施形態の一側面として、例えば仮想店舗の運営者等が好む拡張現実ジオラマを、属性値に基づいて抽出することができる。
【0286】
第9の実施形態の一側面として、例えば拡張現実ジオラマの製作者等が好む空間領域を、属性値に基づいて抽出することができる。
【0287】
第9の実施形態の一側面として、互いに対して適合度の高い拡張現実ジオラマおよび空間領域の組を、システム側で提示することができる。
【0288】
第9の実施形態の一側面として、互いにリンクさせる拡張現実ジオラマと空間領域との適合度を上げることがきる。
【0289】
第9の実施形態の一側面として、例えば仮想店舗の運営者等が自身の仮想店舗に、サービスの提供に係る物品または商品を仮想的なオブジェクトとして配置することができる。これにより、仮想店舗をカスタマイズすることができる。
【0290】
第9の実施形態の一側面として、拡張現実ジオラマの製作者、仮想店舗の運営者、およびユーザ等が、拡張現実ジオラマに、建物、サービスの提供に係る物品、商品、および自身のアバター等を仮想的なオブジェクトとして配置することができる。これにより、拡張現実ジオラマの景観をカスタマイズすることができ、拡張現実ジオラマの中で、サービスの提供に係る物品または商品を試すまたは他者に試させることができる。
【0291】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0292】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20、20A~20Cとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、仮想店舗管理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0293】
また、仮想店舗管理システム100および仮想店舗管理システム100Aの構成は、上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されない。例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20、20A~20Cの何れかが実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部(記憶装置)の一部または全部を複数のユーザ端末20、20A~20Cの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、仮想店舗管理システム100または仮想店舗管理システム100Aにおける、ユーザ端末とサーバのどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0294】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0295】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
サーバに、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能と、
を実現させるための仮想店舗管理プログラム。
[2-1]
前記サーバに、
ユーザと対応付けられた仮想的なアバターを、前記拡張現実ジオラマまたは前記空間領域と共に前記表示装置に表示させる、アバター表示機能と、
前記空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトを前記アバターと組み合わせる、組み合わせ機能とを
実現させるための[1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[2-2]
前記アバター表示機能では、前記アバターを表示装置にAR表示させる機能を
実現させるための[2-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[2-3]
前記サーバに、
入力情報に応じて複数の仮想的なアバターのうちいずれか一つ以上を前記ユーザと対応付ける、アバターリンク機能を
実現させるための[2-1]または[2-2]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[2-4]
前記サーバに、
入力情報に応じて前記アバターのパラメータまたは形態を変化させる、アバター編集機能を
実現させるための[2-1]から[2-3]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[2-5]
前記サーバに、
前記ユーザと対応付けられた前記アバターが有する一以上のパラメータが、前記ユーザとは異なる他ユーザに対して開示されることを制限する、プライバシー保護機能を
実現させるための[2-1]から[2-4]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[3-1]
前記サーバに、
前記空間領域と所定の対応関係を有する仮想的なオブジェクトまたは前記オブジェクトと対応する現実空間上のオブジェクトに対する所定の権限をユーザに取得させるための仮想的なレジ領域を、前記空間領域と対応付けて前記表示装置に表示させる、レジ領域表示機能を
実現させる[1]から[2-5]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[3-2]
前記レジ領域表示機能では、取引用の取引画面を前記表示装置に表示させる機能を
実現させるための[3-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[3-3]
前記サーバに、
前記ユーザに応対する一以上の応対キャラクタを前記レジ領域と共に前記表示装置に表示させる、応対キャラクタ表示機能を
実現させるための[3-1]または[3-2]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[3-4]
前記応対キャラクタ表示機能では、前記ユーザが現実空間で使用可能な実物品に対応したパラメータまたは形態を有する前記応対キャラクタを前記レジ領域と共に前記表示装置に表示させる機能を
実現させるための[3-3]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[3-5]
前記応対キャラクタが自動制御される、[3-3]または[3-4]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[3-6]
前記応対キャラクタが前記ユーザ以外の人間により制御可能である、[3-3]または[3-4]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[4]
前記サーバに、
前記拡張現実ジオラマと、一つ以上の前記空間領域との間のリンクを解消する、空間領域リンク解消機能
を実現させるための[1]から[3-6]のうちいずれか一項に仮想の店舗管理プログラム。
[5-1]
前記サーバに、
二つ以上の前記空間領域を結合する、空間領域結合機能を
実現させるための[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[5-2]
前記空間領域結合機能では、結合対象となる少なくとも一つの前記空間領域を、結合対象となる他の少なくとも一つの前記空間領域に応じて変更した上で、両者を結合させる機能を
実現させるための[5-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[5-3]
前記空間領域結合機能では、結合対象となる少なくとも一つの前記空間領域と、結合対象となる他の少なくとも一つの前記空間領域との間に、接続用領域を設けた上で、両者を結合させる機能を
実現させるための[5-1]または[5-2]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[5-4]
前記サーバに、
ユーザによる入力情報と所定の蓄積情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、前記空間領域結合機能による結合対象となる二つ以上の前記空間領域を選択する、空間領域選択機能を
実現させるための[5-1]から[5-3]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[6-1]
前記サーバに、
二つ以上の前記拡張現実ジオラマを結合する、拡張現実ジオラマ結合機能を
実現させるための[1]から[5-4]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[6-2]
前記拡張現実ジオラマ結合機能では、結合対象となる少なくとも一つの前記拡張現実ジオラマを、結合対象となる他の少なくとも一つの前記拡張現実ジオラマに応じて変更した上で、両者を結合させる機能を
実現させるための[6-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[6-3]
前記拡張現実ジオラマ結合機能では、結合対象となる少なくとも一つの前記拡張現実ジオラマと、結合対象となる他の少なくとも一つの前記拡張現実ジオラマとの間に、接続用領域を設けた上で、両者を結合させる機能を
実現させるための[6-1]または[6-2]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[6-4]
前記サーバに、
ユーザによる入力情報と所定の蓄積情報のうち少なくともいずれか一方に基づいて、前記拡張現実ジオラマ結合機能による結合対象となる二つ以上の前記拡張現実ジオラマを選択する、拡張現実ジオラマ選択機能を
実現させるための[6-1]から[6-3]のいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[7-1]
前記サーバに、
前記拡張現実ジオラマと前記空間領域とをマッチングする、マッチング機能を
実現させるための[1]から[6-4]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[7-2]
前記マッチング機能では、一つ以上の前記拡張現実ジオラマを、前記拡張現実ジオラマが有する属性値に基づいて抽出することにより前記マッチングを行うことを特徴とする、[7-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[7-3]
前記マッチング機能では、一つ以上の前記空間領域を、前記空間領域が有する属性値に基づいて抽出することにより前記マッチングを行うことを特徴とする、[7-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[7-4]
前記マッチング機能では、前記拡張現実ジオラマと前記空間領域との間の適合度に基づいて、一つ以上の前記拡張現実ジオラマと一つ以上の前記空間領域のうち少なくともいずれか一方を抽出することにより前記マッチングを行うことを特徴とする、[7-1]に記載の仮想店舗管理プログラム。
[7-5]
前記サーバに、
表示対象となる少なくとも一つの前記拡張現実ジオラマおよび少なくとも一つの前記空間領域のうち少なくとも一方を、他方に応じて変更する、調整機能を
実現させるための[1]から[7-4]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[8]
前記サーバに、
仮想的なオブジェクトを前記空間領域に配置する、第1配置機能を
実現させるための[1]から[7-5]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[9]
前記サーバに、
仮想的なオブジェクトを前記拡張現実ジオラマに配置する、第2配置機能を
実現させるための[1]から[8]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラム。
[10]
[1]から[9]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのプログラム。
[11]
[1]から[9]のうちいずれか一項に記載の仮想店舗管理プログラムがインストールされたサーバ。
[12]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備える仮想店舗管理システムであって、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示手段と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク手段と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示手段と、
を含む、仮想店舗管理システム。
[13]
ユーザ端末に、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能と、
を実現させるための仮想店舗管理プログラム。
[14]
[13]に記載の仮想店舗管理プログラムがインストールされたユーザ端末。
[15]
コンピュータ装置に、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示機能と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク機能と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示機能と、
を実現させるための仮想店舗管理プログラム。
[16]
コンピュータ装置による仮想店舗管理方法であって、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示処理と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク処理と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示処理とを含む、
仮想店舗管理方法。
[17]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備える仮想店舗管理システムによる、仮想店舗管理方法であって、
現実空間に重畳される拡張現実ジオラマを表示装置に表示させる、拡張現実ジオラマ表示処理と、
一つ以上の仮想的な空間領域を前記拡張現実ジオラマとリンクさせる、空間領域リンク処理と、
前記拡張現実ジオラマとリンクされている前記空間領域を前記表示装置に表示させる、空間領域表示処理とを含む、
仮想店舗管理方法。
【産業上の利用可能性】
【0296】
本発明の実施形態の一つによれば、ユーザが好みに応じた仮想空間上で多彩な取引行動を行える仮想店舗管理プログラム、仮想店舗管理システムおよび仮想店舗管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0297】
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10Z サーバ
11、21、41、61 プロセッサ
12、22、42、62 メモリ
13、23、43、63 記憶装置
20、20A、20B、20C、20Z ユーザ端末
30 通信ネットワーク
40 他サーバ
60 応対者装置
64 カメラ
65 入力装置
66 表示装置
100、100A 仮想店舗管理システム
101 拡張現実ジオラマ表示部
102 空間領域リンク部
103 空間領域表示部
104 空間領域リンク解消部
111 アバター表示部
112 合わせ部
113 アバターリンク部
114 アバター編集部
115 プライバシー保護部
121 レジ領域表示部
122 応対キャラクタ表示部
131 空間領域結合部
132 空間領域選択部
141 拡張現実ジオラマ結合部
142 拡張現実ジオラマ選択部
151 マッチング部
152 調整部
161 第1配置部
162 第2配置部
201 拡張現実ジオラマ表示部
202 空間領域リンク部
203 空間領域表示部
501 拡張現実ジオラマ表示部
502 空間領域リンク部
503 空間領域表示部
ARD、ARD1、ARD2、ARD3、ARD4 拡張現実ジオラマ
CR 接続用領域
CTR コントローラ
D1、D2 ドア
DISP、DISP2 表示装置
RCH 応対キャラクタ
RR、RR1、RR2、RR3 レジ領域
SR、SR1、SR2、SR3、SR4 空間領域
図1
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