(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】地球に豊富な遷移金属フリ-触媒による芳香族複素環のシリル化
(51)【国際特許分類】
C07F 7/08 20060101AFI20221104BHJP
C07F 7/10 20060101ALI20221104BHJP
C07D 209/12 20060101ALI20221104BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20221104BHJP
B01J 31/12 20060101ALI20221104BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20221104BHJP
【FI】
C07F7/08 R
C07F7/08 S
C07F7/10 V
C07D209/12
C07D495/04 105A
B01J31/12 Z
C07B61/00 300
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021017770
(22)【出願日】2021-02-05
(62)【分割の表示】P 2017506415の分割
【原出願日】2015-08-05
【審査請求日】2021-02-18
(32)【優先日】2014-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508032284
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100119530
【氏名又は名称】冨田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エム ストルツ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エイチ グラブズ
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ フョードロフ
(72)【発明者】
【氏名】アントン トートフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンボ リュー
(72)【発明者】
【氏名】ケリー ベッツ
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0094607(US,A1)
【文献】特開2013-158740(JP,A)
【文献】特開平05-255351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C07D
B01J 31/
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘテロアリール構造が含まれる有機基質を、(a)少なくとも一のヒドロシランおよび(b)水酸化カリウム(KOH)が含まれる混合物と接触させて、シリル化されたヘテロアリール生成物をもたらすことを含み、
前記ヘテロアリール構造には、随意に置換されるフラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾフラン、イソベンゾチオフェン、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、2,3-ジヒドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、キサンテン、又はジベンゾチオフェンが含まれる、方法。
【請求項2】
前記ヘテロアリール構造には、随意に置換されるフラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、キサンテン、又はジベンゾチオフェンが含まれる、請求項1の方法。
【請求項3】
前記基質には、次の構造の少なくとも一が含まれる、請求項1の方法:
【化1】
式中、Xは、OまたはSであり、
pは、0ないし4であり、
R'は、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルカリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ハロカルボニル、アルキルカルボナト、アリールカルボナト、カルボキシラト(-COO-)、ジアルキル置換カルバモイル、ジハロアルキル置換カルバモイル、ジアリール置換カルバモイル、ジアルキル置換チオカルバモイル、ジアリール置換チオカルバモイル、ジ-N-アルキル,N-アリール置換チオカルバモイル、シアノ、シアナト、チオシアナト、ジアルキル置換アミノ、ジアリール置換アミノ、アリールイミノ〔-CR=N(アリール)、ここで、R=アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル〕、ニトロ、ニトロソ、アルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、ボロナト〔-B(OR)
2、ここで、Rはアルキルまたは他のヒドロカルビルである。〕、または(R')
pには、随意に置換される縮合脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリール構造が
含まれる。
【請求項4】
前記基質には、随意に置換されるフランが含まれる、請求項1の方法。
【請求項5】
前記基質には、随意に置換されるチオフェンが含まれる、請求項1の方法。
【請求項6】
前記混合物および基質は、遷移金属化合物が実質フリーである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも一のヒドロシランには、式(I)または式(II)のオルガノシランが含まれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法:
(R)
4-mSi(H)
m・・・(I) R-[-SiH(R)-O-]
n-R・・・(II)
式中、mは、1、2、または3(好ましくは1または2)であり、
nは、10ないし100であり、および
各Rは、無関係に、随意に置換されるC
1-12アルキルまたはC
1-12ヘテロアルキル、随意に置換されるC
5-20アリールまたはC
4-20ヘテロアリール、随意に置換されるC
6-30アルカリールまたはC
4-30ヘテロアルカリール、随意に置換されるC
6-30アラルキルまたはC
4-30ヘテロアラルキル、随意に置換される-O-C
1-12アルキルまたはC
1-12ヘテロアルキル、随意に置換される-O-C
5-20アリールまたはC
4-20ヘテロアリール、随意に置換される-O-C
6-30アルカリールまたはC
4-30ヘテロアルカリール、または随意に置換される-O-C
6-30アラルキルまたはC
4-30ヘテロアラルキル、および、置換される場合、置換基は、ホスホナト、ホスホリル、ホスファニル、ホスフィノ、スルホナト、C
1-C
20アルキルスルファニル、C
5-C
20アリールスルファニル、C
1-C
20アルキルスルホニル、C
5-C
20アリールスルホニル、C
1-C
20アルキルスルフィニル、C
5-C
20アリールスルフィニル、スルホンアミド、アミノ、アミド、イミノ、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシル、C
1-C
20アルコキシ、C
5-C
20アリールオキシ、C
2-C
20アルコキシカルボニル、C
5-C
20アリールオキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシラト、メルカプト、フォルミル、C
1-C
20チオエステル、シアノ、シアナト、チオシアナト、イソシアナート、チオイソシアナート、カルバモイル、エポキシ、スチレニル、シリル、シリルオキシ、シラニル、シロキサザニル、ボロナト、ボリル、またはハロゲン、または金属含有もしくはメタロイド含有基であり、そこでは、メタロイドは、SnまたはGeであり、そこでは、置換基は、随意に不溶性または難溶性のアルミナ、シリカ、または炭素が含まれる支持媒体にテザーを提供する。
【請求項8】
前記ヒドロシランは(R)
3SiHであり、各Rは無関係にC
1-6アルキルである、請求項7の方法。
【請求項9】
前記ヒドロシランは(R)
2SiH
2である、請求項7の方法。
【請求項10】
前記シリル化されたヘテロアリール生成物は、当該シリル化生成物が、ビアロマティック生成物を形成するために第二芳香族化合物と接合されるのに十分な条件下、さらに反応させられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記シリル化されたヘテロアリール生成物は、当該シリル化されたヘテロアリール生成物を、保護若しくは遊離ヒドロキシル化生成物、アルコキシル化生成物、アリールオキシル化生成物、アルキルカルボキシル化生成物、またはアリールカルボキシル化生成物に変換させるのに十分な条件下、さらに反応させられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記シリル化されたヘテロアリール生成物は、当該シリル化されたヘテロアリール生成物を、芳香族アルファオレフィン生成物に変換させるのに十分な条件下、さらに反応させられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記シリル化されたヘテロアリール生成物は、当該シリル化されたヘテロアリール生成物を、芳香族ハライド、ナイトラートまたはナイトライトに変換させるのに十分な条件下、さらに反応させられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記シリル化されたヘテロアリール生成物は、当該シリル化されたヘテロアリール生成物を、芳香族ボロン酸ハライドまたはボロン酸エステルに変換させるのに十分な条件下、さらに反応させられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基質が、チオフェンであり、
シリル化チオフェン生成物は、当該シリル化チオフェン生成物を、交互チオフェン-ペルフルオロアレーンコポリマーに変換させるのに十分な条件下、さらに反応させられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法を30℃から165℃の温度で実施する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
各Rは無関係にC
1-6アルキルである、請求項9の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は2014年8月6日付け出願の米国特許出願番号第62/033,975号;2014年12月19日
付け出願の同第62/094,381号、および2015年4月2日付け出願の同第62/141,905号に対して
優先権を主張し、それらの内容をすべての目的のためにここに参照することによって組み
込む。
【0002】
政府の権利
この発明は、ナショナル・サイエンス・ファウンデ-ション(連邦政府科学財団)によ
って与えられた認可番号第CHE1212767号の下で政府支援により行われた。政府は本発明に
おいて一定の権利をもつ。
【0003】
技術的分野
本発明は、芳香族基質で、複素環式芳香族化合物の基質を含めたものを、水酸化物(特
に水酸化カリウム)およびシラン試薬を用いてシリル化するための方法に指向する。
【背景技術】
【0004】
有機部分をシリル化する能力は、シリル化された物質をそれ自体で、またはたとえば、
農薬、製薬、および電子材料の用途において、使用される他の重要な物質のための中間体
としての利用のため近年著しい注目を集めている。さらに、多核芳香族化合物をオルガノ
シランにより官能化する能力は、これらの材料の興味深い特性を利用する機会を提供する
。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
歴史的に、芳香族化合物のシリル化は、熱的、光化学的、または他の方法によって導か
れるラジカル源を伴うフリ-ラジカルプロセスを介して達成されてきた。芳香族化合物は
、500-850℃での気相において、350-500℃での自圧下の(under autogeneous pressure)
液相において、気相凝縮下に135℃で過酸化物の存在下において、および放電反応を用い
て、水素化ケイ素と反応することが知られている。そのような反応条件は、不揮発性また
は熱感受性材料に適していない。
【0006】
現在、複素環式芳香族化合物のC-Si結合構築についての最も一般的なアプロ-チは、ヘ
テロアリ-ルリチウムまたはマグネシウム試薬をシリコン求電子剤により妨害することを
含む。しかしながら、この方法は、しばしば範囲が制限されており、および自燃性の有機
金属種を化学量論的な量において使用することによって、ヘテロアレ-ンのプレ官能基化
を必要とする。たとえば、ミニスキ(Minisci)型ラジカル置換およびフリ-デル-クラフ
ツ反応などのような強力な複素環式芳香族官能化戦略は、対応するシリルラジカルおよび
シリリウムイオンを生成することが困難であるため、C-Si結合構築のためにはあまり役に
立たない。
【0007】
より一層最近では、遷移金属媒介の芳香族C-Hシリル化が説明され、たとえば、Co、Rh
、Ir、Fe、Ru、Os、Ni、Pd、およびPt触媒に基づいて説明される異なるシステムを伴う。
しかし、一定のエレクトロニクス用途では、そのような残留物の存在が低レベルであって
も、シリル化材料の性能に悪影響を及ぼすことがある。同様に、一定の製薬または電子用
途では、残留遷移金属での制限が相当厳しく、およびそれらを回避する才能は合成後検査
中に利点を提供する。
【0008】
本発明は、これまでに知られている方法に関連する問題の少なくともいくつかを回避す
るために、ここに言及する発見を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、芳香族基質のブトキシド触媒によるシリル化に関して新しい情報、ならびに
KOH(水酸化カリウム)が本反応において触媒として機能されうるという最近の発見を提
供する。以前の発見とは対照的に、今回KOHは、一定の条件下で複素環式芳香族物質をヒ
ドロシランにより直接シリル化するための有効な触媒でありうることが見出された。今回
、このKOH触媒システムは、反応条件を修飾することによって、あらゆる基質と共に用い
ることができることが明らかにされ、カリウムtert-ブトキシド(または他の「強塩基」
)は有効であると以前に示されたが、以前はKOHが実行不可能であることが示され、たと
えば、米国特許出願番号第14/043,929号明細書および国際出願番号第PCT/US2013/062963
号、共に2013年10月2日付け出願され、それらに記載されるようなものである。KOHの使用
は、たとえば、より一層低いコストおよび毒性、取扱いの容易さ、および反応のセットア
ップおよび精製の促進などのような重要な実用上の利益を提供する。さらに、そのことに
より、アルコキシドを含めて、より一層強い塩基を用いる反応には見られない選択性が提
供される。
【0010】
この明細にはまた、以前には明示的に説明されていない、カリウムtert-ブトキシドに
関して記載される追加の実施態様を開示し、これらの方法の多様性のより一層完全なセッ
トの例が示される。
【0011】
本発明の様々な実施態様は、有機化合物をシリル化するための化学的システムを提供し
、各システムは、(a)少なくとも一のオルガノシランおよび(b)少なくとも一の強塩基
の混合物を含むか、または本質的にそれらから構成され、前記強塩基の規定にはまた、今
回KOHを含み、また、前記システムは、好ましくは、遷移金属化合物が実質フリ-であると
き(遷移金属化合物を実質的に含まないとき)、芳香族前駆体をシリル化するために操作
することができる。本システムは、少なくとも一の有機芳香族基質をさらに含む。
【0012】
他の実施態様は、方法類を提供し、各方法には、有機芳香族基質を、(a)少なくとも
一のオルガノシランおよび(b)少なくとも一の強塩基が含まれるか、またはそれらから
本質的に構成される混合物と接触させることが含まれ、前記強塩基の規定にはまた、今回
、KOHが含まれ、基質をシリル化するのに十分な条件下で行われる。いくつかの実施態様
では、前記混合物および基質は、好ましくは、しかし必ずしもではないが、遷移金属化合
物が実質フリ-である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本出願は、添付の図面と併せて読むときさらに理解される。主題を説明する目的のため
に、主題の例示的な実施態様が図面に示されるが、しかしながら、ここに開示される主題
は、開示された特定の方法、装置、およびシステムに制限されない。さらには、図面は、
必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面では以下のものが示される。
【0014】
【
図1】
図1Aおよび1Bは、ここに記載の方法によって利用可能な反応のいくつかの例を示す。
【
図2-1】インド-ルの塩基触媒シリル化の範囲を示す。これらの例では、KO-t-Buを例示的な塩基として用いる。[Si]-H=Et
3SiH、Et
2SiH
2、EtMe
2SiH、PhMe
2SiHまたはn-Bu
3SiH。MOM、メトキシメチル;SEM、2-[(トリメチルシリル)エトキシ]メチル。
【
図3-1】N-、O-およびS-含有ヘテロアレ-ンの塩基触媒シリル化の範囲を示す。これらの例では、KO-t-Buを例示的な塩基として使用する。詳細は例6.9.1ないし6.9.51を参照。[Si]-H=Et
3SiH、Et
2SiH
2、EtMe
2SiH、PhMe
2SiHまたはn-Bu
3SiH。
【
図4-1】
図4A-4Eは、塩基触媒C-Hシリル化の一定の合成適用を示す。これらの例では、KO-t-Buを例示的な塩基として使用する。
図4Aは、142gのC2-シリル化インド-ルビルディングブロック2aの調製についての概略図を示す。
図4Bは、クロスカップリングにおけるヘテロアリ-ルシランの一定の適用およびベンゾチオフェンのC7における正式なC-Hボリル化(ホウ素化)を示す。
図4Cは、高度な材料およびポリマ-に対する選択的前駆体の一定の具体化された合成を示す。
図4Dは、活性な薬学的成分の後期化学的および位置選択的修飾を調製するために使用される本発明の方法の選択的例を示す。
図4Eは、酸素指向sp
2、および生得的ベンジルsp
3 C-Hシリル化によるアレ-ンの官能化の例を示す。詳細については、例6.7.1ないし6.7.4を参照。[Si]=Et
3Si;i-Pr、イソプロピル;dba、ジベンジリデンアセトン;Bpin、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン;TMEDA、テトラメチルエチレンジアミン; EDOT、3,4-エチレンジオキシチオフェン。
【
図5】
図5A/Bは、Et
3SiHの3当量および45℃での異なるKOH負荷(分単位の時間およびパ-セント単位の変換)を用いる1-メチルインド-ルのシリル化についての変換対時間デ-タを示す。
図5Aは時間の関数としての全体の変換を示し、および
図5Bは時間の関数としてのC2:C3の比を示す。上の曲線(四角)は20モル%KOHについてであり、および下の曲線は5モル%についてである。
【
図6】3当量のEt
3SiHによる65℃での1-メチルインド-ルのシリル化のためのKOH触媒負荷デ-タを示す。
【
図7】KOH触媒系によりシリル化された代表的な基質をテストした結果を示す。条件A:出発物質(0.5ミリモル、1当量);KOH(0.1ミリモル、5.6mg、20モル%);SiEt
3H(1.5ミリモル、3当量、240μL)の65℃でのTHF(0.5mL)においてである。条件B:出発物質(0.5ミリモル、1当量);KOH(0.1ミリモル、5.6mg、20モル%); SiEt
3H(0.6ミリモル、1.2当量、96μL)の45℃でのTHF(0.5mL)においてである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、一連の反応に基づいており、それらの各々はオルガノシランおよび強塩基の
単純な混合物に依存し、前記強塩基の規定は今回また水酸化物、特にKOHも含まれ、それ
は共にインシトゥ(その場、現場とも言う)システムを形成し(活性種の構造および性質
はまだ知られていないが)、液相において、遷移金属触媒、UV放射または電気(プラズマ
を含む)放電の存在なしに、芳香族分子、特にヘテロアリ-ル化合物をシリル化すること
ができる。これらの反応は、製薬およびエレクトロニクス用途に重要な製品の調製のため
の実用的な方法を開発する上で重要な進歩として関連している。重要なことに、この反応
は大変興味深く、それは、副生成物として環境に優しいシリケ-トおよび二水素のものだ
けを生成し、そしてこの目的のために文献において提案されている他のほとんどすべての
アプロ-チにより観察されるような有毒金属廃棄物ストリ-ムを避けることができるからで
ある。これらのシステムの少なくともいくつかによって示される顕著な容易さおよびレジ
オ(位置)特異性(regiospecificity)は、これらの分野の化学者のキットにおいて有用
なツ-ルを提供する。
【0016】
本開示は、2013年10月2日に出願された米国特許出願番号第14/043,929号明細書および
国際出願第PCT/US2013/062963号において以前に提示されているいくつかの情報、ならび
に先に明示的に記載されていないが、カリウムtert-ブトキシドに関して記載される新し
い追加の実施態様を含み、これらの方法の多機能性のより一層十分なセットの実施態様が
示される。この開示はさらに、KOH(水酸化カリウム)、および他の水酸化物が本発明の
反応において触媒として機能させることができるという最近の発見に関するデ-タを提供
する。以前の知見に反して、KOHが一定の条件下でヘテロ芳香族物質をヒドロシランで直
接シリル化するための有効な触媒でありうることを今回見出した。ここで提供される多く
の例は、tert-ブトキシド、水素化物、などに関して記載されるが、これらの例はまた、K
OHが有効に作用する触媒であるものを含むように拡張させることができ、および前者に関
して記載する実施態様は後者を用いるものにまで拡張する。同様に、tert-ブトキシド系
の操作性(たとえば、官能基に対する耐性)に関するコメントは、KOH系の操作性にも反
映されることが明示的に意図される。
【0017】
ここに記載されるシリル化反応は、水素受容体、配位子または添加剤が不在の場合、穏
やかな条件下で進行し、および随意に無溶媒条件下で100グラムよりも多くに拡大可能で
ある。貴金属触媒で活性化することが困難な基質クラスは良好な収率において、および優
れたレジオ選択性を伴ってシリル化される。誘導されたヘテロアリ-ルシラン生成物は、
ヘテロ芳香族合成化のための新しい合成戦略を可能にする多彩な転換に容易に関与し、そ
して製薬および材料科学の応用分野において独自に(in theirownright)有用である。
【0018】
本発明は、添付の図および例に関連して行われる以下の説明を参照することによって、
より一層難なく理解することができ、それらのすべてが本開示の一部を形成する。この発
明は、ここに記載または示される特定の生成物、方法、条件またはパラメ-タに制限され
ず、およびここに使用される用語は、特定の実施態様を一例として記載することだけを目
的とするものであり、およびクレ-ムされた発明を制限することを意図しない。同様に、
特に明記しない限り、可能なメカニズムまたは動作のモ-ドまたは改善のための理由に関
する任意の説明は単に例示的であることだけを意味し、およびここにおいて本発明は、任
意のそのような提案されたメカニズムまたは作用のモ-ドまたは改善のための理由の正確
性または不正確さによって束縛されるものではない。このテキストの全体にわたって、説
明は組成物および前記組成物を製造および使用する方法に言及することが認識される。す
なわち、本開示が、組成物または組成物を製造または使用する方法に関連する特徴または
実施態様を記載し、または請求する場合、そのような記載または請求は、これらの特徴ま
たは実施態様を、これらの文脈(すなわち、組成物、作成方法、および使用方法)の各々
において実施態様にまで拡げられることを意図されると理解される。
【0019】
本開示では、単数形「一つ(a)」、「an(母音の前の不定冠詞)」、および「その(t
he)」には、複数への参照が含まれ、および文脈上他に明示しない限り、特定の数値への
言及には、少なくともその特定の値が含まれる。したがって、たとえば、「物質」への言
及は、そのような物質およびこの技術において熟練した者(当業者)に知られるその等価
物、その他等々の少なくとも一つへの言及である。
【0020】
値が記述子「約」を使用して近似値として表されるとき、特定の値が別の実施態様を形
成することが理解される。概して、用語「約」の使用は、開示された主題によって得られ
ることが求められる望ましい特性に応じて変動しうる近似を示し、そしてその機能に基づ
いて、使用される特定の文脈において解釈される。これは当業者によって日常的な問題と
して解釈されうるであろう。いくらかの場合には、特定の値に使用される有効数字の数は
、単語「約」の程度を決定する非制限的な方法の一つでありうる。他の場合には、一連の
値に使用されるグラデ-ションが、各値について用語「約」に使用可能な意図された範囲
を定めるために使用される。存在する場合、すべての範囲は包括的であり、かつ、組み合
わせ可能である。つまり、範囲内に記載された値への参照には、その範囲内のあらゆる値
が含まれる。
【0021】
明確にするために、ここにおいて別個の実施態様の文脈で説明される本発明の一定の特
徴はまた、単一の実施態様において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。す
なわち、明白に両立しがたいか、または具体的に除外されない限り、各個々の実施態様は
任意の他の実施態様(またはその群)と組み合わせ可能であるとみなされ、およびそのよ
うな組合せは別の実施態様とみなされる。逆に、簡潔にするため、また、単一の実施態様
の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別々にか、または任意のサブコンビネ-ショ
ンにおいて提供されてもよい。最後に、ある実施態様は一連のステップの一部またはより
一層一般的な構造の一部として説明することもできるが、前記各ステップはまた、他のも
のと組合せ可能なそれ自体独立した実施態様と考えることもできる。
【0022】
移行的な用語「含む」、「から本質的になる」、および「からなる」は、特許専門語に
おいて一般的に受け入れられる意味を暗示することを意図し、すなわち、(i)「含む」
、それは、「含める」、「含有する」、または「によって特徴づけられる」と同義語であ
り、包括的で、または限度を設定せず(open-ended)、および追加の、引用されていない
要素または方法ステップを排除するものではなく;(ii)「からなる」は、クレ-ムにお
いて特定されていない任意の要素、ステップ、または成分を除外し;(iii)「から本質
的になる」は、クレ-ムの範囲を、請求される発明の特定の物質またはステップで「およ
び基本的および新規な特徴(または群)に実質的に影響を与えないもの」に制限する。語
句「含む」(またはその等価物)に関して記載される実施態様はまた、実施態様として、
それらが「からなる」および「から本質的になる」に関して無関係に記載されるものを提
供する。「から本質的になる」に関して提供されるそれらの実施態様について、基本的お
よび新規な特徴(群)は、芳香族有機部分をシリル化するために、方法(またはそのよう
な方法またはそれに由来する組成物に使用されるシステム)の操作が容易であることであ
る。システムまたは方法を提供するそれらの実施態様には、基質、オルガノシラン(ある
いはまた、ヒドロシランに言及され)、および強塩基(強塩基の定義には、今回はまた、
水酸化物、特にKOHも含まれ)から本質的になる混合物の使用が含まれ、このシステムは
、追加の(たとえば、遷移金属)触媒またはプラズマまたはUV放射線源なしに、ここに記
載される同等の条件下で、ここに記載される速度に対応するもので基質をシリル化すると
いう事実に関連する。いくらかのレベルの遷移金属が存在してもよいが、それらは方法の
操作性のために必要ではなく、およびこの反応の目的のためにスペクテ-タ-(傍観体)と
みなされてもよい。実際、広範な実験および分析は、偶発的な遷移金属残渣による触媒作
用を排除した(例3.1ないし3.3参照)。同様に、他の以前のシリル化反応は、プラズマま
たはUV照射を使用して動作するが、本発明はこれらのエネルギ-源を必要としない。これ
らのエネルギ-源の追加の存在は、本方法の操作性の根底にある基礎を置き換えるものと
見なすべきではない。
【0023】
リストが提示される場合、他に記載されていない限り、そのリストの各個々の要素、お
よびそのリストのあらゆる組み合わせは、別個の実施態様であると理解されるべきである
。たとえば、「A、B、またはC」として提示される実施態様のリストは、実施態様で、「A
」、「B」、「C」、「AまたはB」、「AまたはC」、「BまたはC」または「A、B、またはC
」が含まれるとして解釈されるべきである。同様に、たとえば、C1-3などのような名称に
は、別個の実施態様としてC1、C2、C3、C1-2、C2-3、C1,3、ならびに、C1-3が含まれる。
【0024】
この明細を通して、関連する技術分野において当業者に理解されるように、単語はそれ
らの通常の意味が与えられるべきである。しかし、誤解を避けるために、一定の用語の意
味が具体的に定義され、または明確化されるであろう。
【0025】
ここで使用する用語「アルキル」は、線状、分枝状、または環状の飽和炭化水素基で、
典型的には、必ずしも含むものではないが、1ないし約24個の炭素原子、好ましくは、1な
いし約12個の炭素原子で、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、tert-ブチル、オクチル、デシル、およびその他同種類のものなどの
ようなもので、ならびに、シクロアルキル基、たとえば、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、およびその他同種類のものなどのようなものに言及する。概して、必ずしもそうでは
ないが、ここでのアルキル基は、1ないし約12個の炭素原子を含む。用語「低級アルキル
」は、1ないし6個の炭素原子のアルキル基を意図し、および特定の用語「シクロアルキル
」は、環状アルキル基で、典型的には4ないし8個、好ましくは5ないし7個の炭素原子を有
するものを意図する。「置換アルキル」という用語は、一またはそれよりも多く(一以上
)の置換基で置換されたアルキル基に言及し、および「含ヘテロ原子アルキル」および「
ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも一の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられた
アルキル基に言及する。別段の指示がない限り、用語「アルキル」および「低級アルキル
」には、それぞれ、線状、分枝状、環状、非置換、置換、および/または含ヘテロ原子ア
ルキルおよび低級アルキル基が含まれる。
【0026】
ここで使用される「アルキレン」という用語は、二官能性の線状、分枝状、または環状
アルキル基に言及し、そこでは「アルキル」は上記に規定するようなものである。
【0027】
ここで使用される用語「アルケニル」は、線状、分枝状、または環状の炭化水素基で、
少なくとも一の二重結合を含む2ないし約24個の炭素原子のもので、たとえば、エテニル
、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、
テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニル、およびその他同種類
のものなどのようなものに言及される。ここでの好ましいアルケニル基には、2ないし約1
2個の炭素原子が含まれる。「低級アルケニル」という用語は、2ないし6個の炭素原子の
アルケニル基を意図し、および「シクロアルケニル」という特定の用語は、環状アルケニ
ル基、好ましくは5ないし8個の炭素原子のものが意図される。用語「置換アルケニル」は
、一以上の置換基で置換されたアルケニル基に言及され、および用語「含ヘテロ原子アル
ケニル」および「ヘテロアルケニル」は、少なくとも一の炭素原子がヘテロ原子で置き換
えられたアルケニル基に言及される。別段の指示がない限り、「アルケニル」および「低
級アルケニル」という用語には、それぞれ、線状、分枝状、環状、非置換、置換、および
/または含ヘテロ原子アルケニルおよび低級アルケニル基が含まれる。
【0028】
ここで使用される「アルケニレン」という用語は、二官能性の線状、分枝状、または環
状アルケニル基に言及し、そこでは「アルケニル」は上記で規定するようなものである。
【0029】
ここで使用される用語「アルキニル」は、線状または分枝状の炭化水素基で、少なくと
も一の三重結合を含む、2ないし約24個の炭素原子のもので、たとえば、エチニル、n-プ
ロピニル、およびその他同種類のものなどのようなものに言及される。ここでの好ましい
アルキニル基は、2ないし約12個の炭素原子を含む。用語「低級アルキニル」は2ないし6
個の炭素原子のアルキニル基を意図する。「置換アルキニル」という用語は、一以上の置
換基で置換されたアルキニル基に言及し、および「含ヘテロ原子アルキニル」および「ヘ
テロアルキニル」という用語は、少なくとも一の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられた
アルキニルに言及する。他に示されない限り、「アルキニル」および「低級アルキニル」
という用語には、それぞれ、線状、分枝状、非置換、置換、および/または含ヘテロ原子
アルキニル基および低級アルキニル基が含まれる。
【0030】
ここで使用される「アルコキシ」という用語は、単一の、末端エ-テル連結を介して結
合したアルキル基を意図し;すなわち、「アルコキシ」基は、-O-アルキルとして表すこ
とができ、そこで、アルキルは上記で規定するようなものである。「低級アルコキシ」基
は1ないし6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意図する。類似して、「アルケニルオキシ
」および「低級アルケニルオキシ」は、単一の、末端エ-テル連結を介して結合したアル
ケニルおよび低級アルケニル基にそれぞれ言及し、および「アルキニルオキシ」および「
低級アルキニルオキシ」は、それぞれ、単一の、末端エ-テル連結を介して結合したアル
ケニルおよび低級アルケニル基に言及する。
【0031】
「芳香族」という用語は、芳香族性についてHuckel(ヒュッケル)の4n+2ル-ルを満足
する環部分に言及し、そしてアリ-ル(即ち、炭素環式)およびヘテロアリ-ル(また複素
環式芳香族化合物と称される)構造の双方が含まれ、アリ-ル、アラルキル、アルカリ-ル
(アルカリルとも言う)、ヘテロアリ-ル、ヘテロアラルキル、またはアルク-ヘテロアリ
-ル部分(alk-heteroaryl moieties)、またはそれらのプレポリマ-(例は、モノマ-、ダ
イマ-)、オリゴマ-またはポリマ-アナログ(重合体類似体)が含まれる。KOHを包含する
方法およびシステムの記載がヘテロ芳香族基質に関して提供されるが、それらの操作性が
好ましい場合、それらはアリ-ル基質に対しても作用すると合理的に信じられる。
【0032】
ここで使用されるように、および他に特定しない限り、「アリ-ル」という用語は、一
緒に縮合し、直接連結し、または間接的に連結される単一の芳香族環または複数の芳香族
環を含む芳香族置換基または構造に言及する(そうして異なる芳香族環は共通の基、たと
えば、メチレンまたはエチレン部分などのようなものに結合する)。別段の変更がない限
り、用語「アリ-ル」は炭素環式構造に言及する。好ましくは、アリ-ル基は5ないし24個
の炭素原子を含み、および特に好ましくは、アリ-ル基は5ないし14個の炭素原子を含む。
模範的なアリ-ル基は、一の芳香族環または二の縮合または連結芳香族環、たとえば、フ
ェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエ-テル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノ
ン、およびその他同種類のものなどが含まれる。「置換アリ-ル」は、一以上の置換基で
置換されたアリ-ル部分に言及し、および用語「含ヘテロ原子アリ-ル」および「ヘテロア
リ-ル」は、以下にさらに詳細に説明するように、少なくとも一の炭素原子がヘテロ原子
で置換されるアリ-ル置換基に言及する。
【0033】
ここで使用するように「アリ-ルオキシ」という用語は、単一の、末端エ-テル連結を介
して結合したアリ-ル基に言及し、そこでは、「アリ-ル」は上記で規定するようなもので
ある。「アリ-ルオキシ」基は、-O-アリ-ルとして表すことができ、式中、アリ-ルは上記
で規定するようなものである。好ましくは、アリ-ルオキシ基は5ないし24個の炭素原子を
含み、および特に好ましくは、アリ-ルオキシ基は5ないし14個の炭素原子を含む。アリ-
ルオキシ基の例には、制限されることはないが、フェノキシ、o-ハロ-フェノキシ、m-ハ
ロ-フェノキシ、p-ハロ-フェノキシ、o-メトキシフェノキシ、m-メトキシフェノキシ、p-
メトキシフェノキシ、2,4-ジメトキシ-フェノキシ、3,4,5-トリメトキシ-フェノキシ、お
よびその他同種類のものなどが含まれる。
【0034】
用語「アルカリ-ル」はアルキル置換基を伴うアリ-ル基に言及し、および用語「アラル
キル」はアリ-ル置換基を伴うアルキル基に言及し、そこでは「アリ-ル」および「アルキ
ル」は上記に規定するようなものである。好ましいアルカリ-ルおよびアラルキル基には
、6ないし24個の炭素原子が含まれ、特に好ましいアルカリ-ルおよびアラルキル基には、
6ないし16個の炭素原子が含まれる。アルカリ-ル基には、たとえば、p-メチルフェニル、
2,4-ジメチルフェニル、p-シクロヘキシルフェニル、2,7-ジメチルナフチル、7-シクロオ
クチルナフチル、3-エチル-シクロペンタ-1,4-ジエン、およびその他同種類のものなどが
含まれる。アラルキル基の例には、制限されることはないが、ベンジル、2-フェニル-エ
チル、3-フェニル-プロピル、4-フェニル-ブチル、5-フェニル-ペンチル、4-フェニルシ
クロヘキシル、4-ベンジルシクロヘキシル、4-フェニルシクロヘキシルメチル、4-ベンジ
ルシクロヘキシルメチル、およびその他同種類のものなどが含まれる。用語「アルカリ-
ルオキシ」および「アラルキルオキシ」は、式-ORの置換基に言及し、式中、Rは直前に規
定したアルカリ-ルまたはアラルキルである。
【0035】
用語「アシル」は、式-(CO)-アルキル、-(CO)-アリ-ル、または-(CO)-アラルキルをも
つ置換基に言及し、用語「アシルオキシ」は、式-O(CO)-アルキル、-O(CO)-アリ-ル、ま
たは-O(CO)-アラルキルであり、式中、「アルキル」、「アリ-ル」、および「アラルキル
」は上記に規定するようなものである。
【0036】
「環式」および「環」という用語は、置換され、および/または含ヘテロ原子であって
もなくてもよく、および単環式、二環式または多環式であってもよい脂環式または芳香族
基に言及する。「脂環式」という用語は、芳香族環式部分とは対照的に、脂肪族環式部分
を指すために慣習的な意味において用いられ、単環式、二環式、または多環式であっても
よい。用語「非環式」は、環構造内に二重結合が含まれない構造を意味する。
【0037】
用語「ハロ」、「ハロゲン化物」、および「ハロゲン」は、クロロ、ブロモ、フルオロ
、またはヨ-ド置換基に言及するために慣習的な意味において使用される。
【0038】
「ヒドロカルビル」は、1ないし約30個の炭素原子、好ましくは1ないし約24個の炭素原
子、最も好ましくは1ないし約12個の炭素原子を含む一価ヒドロカルビル基に言及し、線
状、分枝状、環状、飽和、および不飽和種、たとえば、アルキル基、アルケニル基、アリ
-ル基、およびその他同種類のものなどのようなものが含まれる。「低級ヒドロカルビル
」という用語は、1ないし6個の炭素原子、好ましくは1ないし4個の炭素原子のヒドロカル
ビル基を意図し、および用語「ヒドロカルビレン」は、1ないし約30個の炭素原子、好ま
しくは1ないし約24個の炭素原子、最も好ましくは1ないし約12個の炭素原子を含む二価の
ヒドロカルビル部分を意図し、線状、分枝状、環状、飽和および不飽和種が含まれる。用
語「低級ヒドロカルビレン」は1ないし6個の炭素原子のヒドロカルビレン基を意図する。
「置換ヒドロカルビル」は一以上の置換基により置換されたヒドロカルビルに言及し、お
よび「含ヘテロ原子ヒドロカルビル」および「ヘテロヒドロカルビル」という用語は、少
なくとも一の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたヒドロカルビルに言及する。同様に
、「置換ヒドロカルビレン」は、一以上の置換基で置換されたヒドロカルビレンに言及し
、および「含ヘテロ原子ヒドロカルビレン」および「ヘテロヒドロカルビレン」という用
語は、少なくとも一の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたヒドロカルビレンに言及す
る。他に指示さない限り、用語「ヒドロカルビル」および「ヒドロカルビレン」は、置換
および/または含ヘテロ原子ヒドロカルビルおよびヒドロカルビレン部分をそれぞれ含む
と解釈されるべきである。
【0039】
「含ヘテロ原子ヒドロカルビル基」でのような「含ヘテロ原子」という用語は、一以上
の炭素原子が炭素以外の原子、例は、窒素、酸素、硫黄、リンまたはケイ素、典型的には
、窒素、酸素または硫黄により置換された炭化水素分子またはヒドロカルビル分子フラグ
メントに言及する。同様にして、用語「ヘテロアルキル」は含ヘテロ原子であるアルキル
置換基に言及し、用語「複素環式(ヘテロ環)」は含ヘテロ原子である環式置換基に言及
し、用語「ヘテロアリ-ル」および「ヘテロ芳香族」は、それぞれ、含ヘテロ原子、およ
びその他同種類のものなどである「アリ-ル」および「芳香族」置換基に言及する。「複
素環式」基または化合物は、芳香族であってもなくてもよく、そしてさらに「複素環式」
基または化合物は、用語「アリ-ル」に関して上記のように単環式、二環式または多環式
であってもよいことに注目すべきである。ヘテロアルキル基の例には、アルコキシアリ-
ル、アルキルスルファニル置換アルキル、N-アルキル化アミノアルキル、およびその他同
種類のものなどが含まれる。ヘテロアリ-ル置換基の非限定的な例には、ピロリル、ピロ
リジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4-
トリアゾリル、テトラゾリル、等が含まれ、および含ヘテロ原子脂環式基の例には、ピロ
リジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノ、等が含まれる。
【0040】
ここに用いるように「基質」または「有機基質」という用語は、別個の小分子(「有機
化合物」として記載されることもある)およびそのような「芳香族部分」を含むオリゴマ
-およびポリマ-の双方を意味することを意図する。用語「芳香族部分」は、指示される芳
香族構造の少なくとも一を有する化合物、プレポリマ-(即ち、重合可能なモノマ-化合物
)、オリゴマ-、またはポリマ-のそれらの部分に言及することを意図する。構造として示
される場合、それらの部分は、少なくとも示されているものだけでなく、ここで「Fn」と
記載されている官能化を含むが、これに制限されず、さらなる官能化、置換基、または双
方を含む。
【0041】
上記の定義のいくつかにおいて示唆されているように、「置換ヒドロカルビル」、「置
換アルキル」、「置換アリ-ル」、およびその他同種類のものなどにおいてのような「置
換」によって、ヒドロカルビル、アルキル、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、または他の一部分
において、炭素(または他の)原子に結合した少なくとも一の水素原子は、一以上の非水
素置換基で置換される。そのような置換基の例には、制限されないが、「Fn」としてここ
に言及される官能基で、たとえば、ハロ(例は、F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、スルフ
ヒドリル、C1-C24アルコキシ、C2-C24アルケニルオキシ、C5-C24アリ-ルオキシ、C6-C24
アラルキルオキシ、C6-C24アルカリルオキシ、アシル〔C1-C24アルキルカルボニル(-CO-
アルキル)およびC6-C24アリ-ルカルボニル(-CO-アリ-ル)が含まれる〕、アシルオキシ〔-
O-アシルで、C2-C24アルキルカルボニルオキシ(-O-CO-アルキル)およびC6-C24アリ-ルカ
ルボニルオキシ(-O-CO-アリ-ル)が含まれる〕、C2-C24アルコキシカルボニル((CO)-O-
アルキル)、C2-C24アルコキシカルボニル((CO)-O-アルキル)、C6-C24アリ-ルオキシカル
ボニル(-(CO)-O-アリ-ル)、ハロカルボニル(-CO)-X(式中、Xはハロである)、C2-C24ア
ルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C6-C24アリ-ルカルボナト(-O-(CO)-O-アリ-ル)
、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO-)、カルバモイル(-(CO)-NH2)、モノ-(C1-C2
4アルキル)-置換カルバモイル(-(CO)NH(C1-C24アルキル))、ジ-(C1-C24アルキル)-置換カ
ルバモイル(-(CO)-N(C1-C24アルキル)2)、モノ-(C1-C24ハロアルキル)-置換カルバモイル
(-(CO)-NH(C1-C24アルキル))、ジ-(C1-C24ハロアルキル)-置換カルバモイル(-(CO)-N(C1-
C24アルキル)2)、モノ-(C5-C24アリ-ル)-置換カルバモイル(-(CO)-NH-アリ-ル)、ジ-(C5-
C24アリ-ル)置換カルバモイル(-(CO)-N(C5-C24アリ-ル)2)、ジ-N-(C1-C24アルキル)、N-(
C5-C24アリ-ル)-置換カルバモイル、チオカルバモイル(-(CS)-NH2)、モノ-(C1-C24アルキ
ル)-置換チオカルバモイル(-(CO)-NH(C1-C24アルキル))、ジ-(C1-C24アルキル)-置換チオ
カルバモイル(-(CO)-N(C1-C24アルキル)2)、モノ-(C5-C24アリ-ル)置換チオカルバモイル
(-(CO)-NH-アリ-ル)、ジ-(C5-C24アリ-ル)-置換チオカルバモイル(-(CO)-N(C5-C24アリ-
ル)2)、ジ-N-(C1-C24アルキル)、N-(C5-C24アリ-ル)-置換チオカルバモイル、カルバミド
(-NH-(CO)-NH2)、シアノ(-C≡N)、シアナト(-O-C=N)、チオシアナト(-S-C=N)、ホルミル(
-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH2)、モノ-(C1-C24アルキル)-置換アミノ
、ジ-(C1-C24アルキル)-置換アミノ、モノ-(C5-C24アリ-ル)置換アミノ、ジ-(C5-C24アリ
-ル)-置換アミノ、C1-C24アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C6-C24アリ-ルアミド(-N
H-(CO)-アリ-ル)、イミノ(-CR=NH、式中、R=水素、C1-C24アルキル、C5-C24アリ-ル、C6-
C24アルクアリ-ル、C6-C24アルアルキル、等)、C2-C20アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)
、式中、R=水素、C1-C24アルキル、C5-C24アリ-ル、C6-C24アルクアリ-ル、C6-C24アルア
ルキル、等)、アリ-ルイミノ(-CR=N(アリ-ル)、式中、R=水素、C1-C20アルキル、C5-C24
アリ-ル、C6-C24アルクアリ-ル、C6-C24アルアルキル、等)、ニトロ(-NO2)、ニトロソ(-N
O)、スルホ(-SO2OH)、スルホナト(SO2O-)、C1-C24アルキルスルファニル(-S-アルキル;
また「アルキルチオ」とも称される)、C5-C24アリ-ルスルファニル(-S-アリ-ル;また「
アリ-ルチオ」とも称される)、C1-C24アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C5-C24ア
リ-ルスルフィニル(-(SO)-アリ-ル)、C1-C24アルキルスルホニル(-SO2-アルキル)、C1-C2
4モノアルキルアミノスルホニル-SO2-N(H)アルキル)、C1-C24ジアルキルアミノスルホニ
ル-SO2-N(アルキル)2、C5-C24アリ-ルスルホニル(-SO2-アリ-ル)、ボリル(-BH2)、ボロノ
(-B(OH)2)、ボロナト〔-B(OR)2、式中、Rはアルキルまたは他のヒドロカルビル〕、ホス
ホノ(-P(O)(OH)2)、ホスホナト(-P(O)(O)2)、ホスフィナト(P(O)(O-))、ホスホ(-PO2)、
およびホスフィン(-PH2);およびヒドロカルビル部分C1-C24アルキル(好ましくはC1-Cl2
アルキル、より一層好ましくはC1-C6アルキル)、C2-C24 アルケニル(好ましくはC2-C12
アルケニル、より一層好ましくはC2-C6アルケニル)、C2-C24アルキニル(好ましくはC2-
C12アルキニル、より一層好ましくはC2-C6アルキニル)、C5-C24 アリ-ル(好ましくはC5
-C24アリ-ル)、C6-C24アルクアリ-ル(好ましくはC6-C16アルクアリ-ル)、およびC6-C2
4アルアルキル(好ましくはC6-C16アルアルキル)が含まれる。これらの置換基構造内で、
「アルキル」、「アルキレン」、「アルケニル」、「アルケニレン」、「アルキニル」、
「アルキニレン」、「アルコキシ」、「芳香族」、「アリ-ル」、「アリ-ルオキシ」、「
アルカリル」、および「アラルキル」部分は随意にフッ素化または全フッ素置換しうる。
加えて、アルコ-ル、アルデヒド、アミン、カルボン酸、ケトン、または他の同様の反応
性官能基への言及にはまた、それらの保護されたアナログも含まれる。たとえば、ヒドロ
キシまたはアルコ-ルへの言及にはまた、以下のような置換基も含まれ、そこでは、ヒド
ロキシは、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn、Bnl)、β-メトキシエト
キシメチルエ-テル(MEM)、ジメトキシトリチル、[ビス-(4-メトキシフェニル)フェニル
メチル](DMT)、メトキシメチルエ-テル(MOM)、メトキシトリチル[(4-メトキシフェニ
ル)ジフェニルメチル、MMT]、p-メトキシベンジルエ-テル(PMB)、メチルチオメチルエ-
テル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)
、トリチル(トリフェニルメチル、Tr)、シリルエ-テル〔最も一般的なものには、トリ
メチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリ-イソ-プロピルシリ
ルオキシメチル(TOM)、およびトリイソプロピルシリル(TIPS)エ-テルが含まれる〕、
エトキシエチルエ-テル(EE)が含まれる。アミンへの言及にはまた、以下のような置換
基も含まれ、そこでは、アミンは、BOCグリシン、カルボベンジルオキシ(Cbz)、p-メト
キシベンジルカルボニル(MozまたはMeOZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)、9-
フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベ
ンジル(Bn)、カルバマ-ト、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DM
PM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル(Ts)基、またはスルホンアミド(Nosyl&Np
s)基によって保護される。カルボニル基を含む置換基への言及にはまた、以下のような
置換基も含まれ、そこでは、カルボン酸またはカルボキシラ-ト基にはまた、以下のよう
な置換基も含まれ、そこでは、カルボン酸またはカルボキシラ-ト基はそのメチルエステ
ル、ベンジルエステル、tert-ブチルエステル、2,6-二置換フェノ-ルのエステル(例は、
2,6-ジメチルフェノ-ル、2,6-ジイソプロピルフェノ-ル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル
)、シリルエステル、オルトエステル、またはオキサゾリンによって保護される。好まし
い置換基は、シリル化の化学に影響しないか、またはそれほど影響を及ぼさないとしてこ
こに識別される置換基であり、たとえば、アルキル、アルコキシド、アリ-ルオキシド、
アラルキルアルコキシド、保護されたカルボニル基で;随意にF、Cl、-CF3により置換さ
れるもの、アリ-ルで、随意にF、Cl、-CF3により置換されるもの;エポキシド;N-アルキ
ルアジリジン;シス-およびトランス-オレフィン;アセチレン類;ピリジン、第一級、第
二級および第三級アミン;ホスフィン;および水酸化物が含まれる置換基を含む。
【0042】
「官能化ヒドロカルビル」、「官能化アルキル」、「官能化オレフィン」、「官能化環
状オレフィン」、およびその他同種類のものなどにおける「官能化」によって、ヒドロカ
ルビル、アルキル、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、オレフィン、環状オレフィン、または他の
一部分において、炭素(または他の)原子に結合した少なくとも一の水素原子が、一以上
の官能基で、たとえば、ここで、および上記に記載したものなどのようなものにより置換
されることを意味する。用語「官能基」は、ここに記載の用途に適した任意の機能性種を
含むことを意味する。特に、ここで使用されるように、官能基は、必然的に、基材表面上
の対応する官能基と反応するか、または結合する能力を有するであろう。
【0043】
さらに加えて、上述の官能基は、特定の基が許容する場合、一以上の追加の官能基で、
または一以上のヒドロカルビル部分、たとえば、上記に具体的に列挙したものなどのよう
なものによりさらに置換される。類似して、上記のヒドロカルビル部分は、一以上の官能
基または追加のヒドロカルビル部分で、たとえば、具体的に列挙されたものなどのような
ものによりさらに置換されてもよい。
【0044】
「随意の」または「随意に」は、その後に説明される状況が起こっても起こらなくても
よいことを意味し、その結果、その説明には、その状況が起こる場合および起こらない場
合が含まれる。たとえば、語句「随意に置換される」は、非水素置換基が所定の原子上に
存在しても存在しなくてもよいことを意味し、そしてしたがって、その説明には、非水素
置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造が含まれる。
【0045】
ここで使用されるように、「シリル化」という用語は、概して、以前に炭素-水素結合
によって占められていた位置、概して、非活性化C-H結合での炭素-シリコン結合の形成に
言及する。ここに記載の条件下、C-H結合をC-Si結合と直接に置換する能力は、これまで
にないものと考えられる。
【0046】
本発明には、芳香族化合物および芳香族部分をシリル化するための化学システムおよび
方法に関する実施態様が含まれる。特定の実施態様は芳香族化合物および芳香族部分をシ
リル化する化学的システム群を提供し、各システムには(a)少なくとも一のオルガノシ
ランおよび(b)少なくとも一の強塩基の混合物が含まれ、前記強塩基の規定には、今回
また水酸化物、特にKOHが含まれ、前記システムには、好ましくは、必須ではないが、遷
移金属化合物を実質的に含まない。
【0047】
異なる条件(主としてより一層高い温度)下で、芳香族化合物および芳香族部分のシリ
ル化を提供するシステムおよび反応は、芳香族基質内のC-O、C-N、C-S結合を開裂するこ
とも可能であることが認識される。この後者の還元的切断の特徴は、2013年10月2日付け
で出願された同時係属の米国特許出願第14/043,917号明細書で、「Transition-Metal-Fre
e Reductive Cleavage of Aromatic C-O、C-N、and C-S Bonds by Activated Silanes(
活性化シランによる芳香族C-O、C-N、およびC-S結合の遷移金属フリ-還元的開裂)」と題
するものの対象であり、これはまた、すべての目的のためにその全体が参照により組み込
まれる。システムおよび方法が作動する機構は、たとえば、シリル化が中間ステップであ
るか、または開裂反応の副産物もしくは副生成物であるか(特定の観察では示唆されない
)、まだ理解されていないが、各マニホ-ルドの相対的な寄与は反応条件によって処理す
ることができる。たとえば、他の因子が類似または同等であり、および一定の例外を除き
、シリル化反応(比較的穏やかな温度で生じる)よりも高い温度およびより一層長い反応
時間がC-O、C-NおよびC-S結合の開裂に有利であると考えられる。同様に、水素および水
素ドナ-(供与体)分子が存在しないで(より一層高温であっても)、および化学量論量
以下の強塩基を使用すると、水酸化物、特にKOH(オルガノシランに対して)が含まれる
強塩基の規定はシリル化反応に好都合であり、およびC-X開裂を不利にする。
【0048】
ヘテロ芳香族化合物の少なくともシリル化についての予備的な機械的研究は、連続した
機構が作動可能であるが、ラジカル種の関与を示唆する。基本的なシリルラジカル生成-
置換機構は、電子不足ヘテロアレ-ン、たとえば、ピリジンのようなものとの不十分な反
応性のために起こり難いと考えられる(たとえば、例6.9.49ないし51)。さらに、シリル
化の速度は、内部競合研究において観察されるように、含酸素ヘテロアレ-ンにおいてよ
りも含硫黄ヘテロアレ-ンにおいてより速く、含窒素ヘテロアレ-ンにおいてよりも含酸素
ヘテロアレ-ンにおいて速く(たとえば、例7.1参照)、それは求電子置換およびMinisci
型反応に対して相補的な反応性を提供した。これらの観察結果は、既知のヘテロ芳香族C-
H官能化反応とは異なる根底にあるメカニズムを指摘した。
【0049】
ここに使用されるように、用語「遷移金属化合物の実質フリ-(実質含まない)」用語
は、本システムが、芳香族化合物および芳香族部分をここに記載の比較的穏やかな条件下
、さらに任意の外因性の(すなわち、故意に添加され、または別のそうでないもの)遷移
金属触媒(群、複数を含む意味)の不存在下においてさえシリル化する意図された目的に
ついて有効である。一定の実施態様は、遷移金属で、シリル化反応を触媒することができ
るものを含め、そのような触媒活性に通常関連するレベルでここに記載するシステムまた
は方法内に存在しうることを提供するが、そのような金属(触媒またはスペクテ-タ-化合
物としてのいずれか)の存在は必要でなく、多くの場合、望ましくはない。そのようなも
のとして、好ましい実施態様において、本システムおよび方法は「遷移金属化合物の実質
フリ-」である。そこで、特に明記しない限り、「遷移金属化合物の実質フリ-」という用
語は、遷移金属の合計レベルがシリル化システム内で、有機基質と無関係にか、またはそ
の存在下で、以下の例3.3に記載のようにICP-MSによって測定して、約5ppm未満である。
さらなる実施態様はまた、遷移金属の濃度が、約10重量%、5重量%、1重量%、100ppm、
50ppm、30ppm、25ppm、20ppm、15ppm、10ppm、または5ppmないし約1ppmまたは0ppm未満で
あることを提供する。ここで使用する「遷移金属」という用語は、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、
Os、Ni、Pd、Pt、Cu、またはこれらの組合せを含むと規定される。さらなる一定の独立し
た実施態様では、ICP-MSによって測定されるように、Niの濃度は、25ppm未満、10ppm未満
、5ppm未満、または1ppm未満である。
【0050】
これらのシステムは、典型的には、炭化水素またはエ-テル系溶媒を含むか、または本
システムは溶媒を伴わずに操作されることができる。ここに記載されるように、溶媒、た
とえば、ベンゼン、トルエン、メシチレン、およびテトラヒドロフラン(2-メチルテトラ
ヒドロフランを含む)などのようなものが、良好に作用することを示されている。一定の
実施態様において、反応はニ-ト基質(純粋な基質)において行われる。
【0051】
水および酸素へのシステムの曝露を制限する必要はないかもしれないが、いくらかの実
施態様において、本化学システムおよび方法は、水、酸素、または水および酸素の双方を
実質含まない環境において行われる。他の実施態様において、空気および/または水が存
在する。別段の指定がない限り、用語「水を実質含まない」は、約500ppm未満の水のレベ
ルを指し、および「酸素を実質含まない」は、1torr未満の分圧に対応する酸素レベルを
指す。記載される場合、追加の無関係な実施態様は、「水を実質含まない」ことが、水の
レベルで1.5%、1%、0.5%、1000ppm、500ppm、250ppm、100ppm、50ppm、10ppm、50ppm
、10ppm、または1ppm未満であり、および「酸素を実質含まない」ことが、50トル、10ト
ル、5トル、1トル、500ミリトル、250ミリトル、100ミリトル、50ミリトル、または10ミ
リトル未満の分圧に対応する酸素レベルを指すことを提供することができる。ここに記載
の基本手順(ジェネラル・プロシ-ジャ-、General Procedure)において、特に明記しな
い限り、水および酸素の双方を排除するために意図的な努力がなされた。
【0052】
本システムおよび方法を説明するために、ここで使用するように、用語「オルガノシラ
ン(有機シランとも言う。)」または「ヒドロシラン」は互換的に使用することができ、
および少なくとも一のケイ素-水素(Si-H)結合をもつ化合物または反応物質に言及する
。オルガノシランは、ケイ素-炭素、ケイ素-酸素、ケイ素-窒素結合、またはそれらの組
合せをさらに含んでもよく、および単量体であってもよく、またはオリゴマ-またはポリ
マ-骨格内に含まれてもよく、異質または同室の支持体構造につながれるものが含まれる
。一定の実施態様において、これらのオルガノシランは、式(I)または式(II)の少な
くとも一の化合物を含みうる。
(R)4-mSi(H)m (I)
R-[-SiH(R)-O-]n-R (II)
式中、mは1、2、または3、好ましくは1または2であり;
【0053】
nは約5から約500まで、約10から約100まで、または約25から約50までの範囲であり;お
よび
【0054】
各Rは、無関係に、随意に置換のC1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換のC5
-20アリ-ルまたはC4-20ヘテロアリ-ル、随意に置換のC6-30アルカリ-ルまたはC4-30ヘテ
ロアルカリ-ル、随意に置換のC6-30アラルキルまたはC4-30ヘテロアラルキル、随意に置
換の-O-C1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換の-O-C5-20アリ-ルまたは-O-C4
-20ヘテロアリ-ル、随意に置換の-O-C6-30アルカリ-ルまたは-O-C4-30ヘテロアルカリ-ル
、または随意に置換の-O-C6-30アラルキルまたは-O-C4-30ヘテロアラルキル、および、置
換される場合、置換基は、ホスホナト、ホスホリル、ホスファニル(phosphanyl)、ホス
フィノ、スルホナト、C1-C20アルキルスルファニル、C5-C20アリ-ルスルファニル、C1-C2
0アルキルスルホニル、C5-C20アリ-ルスルホニル、C1-C20アルキルスルフィニル、C5-C20
アリ-ルスルフィニル、スルホンアミド、アミノ、アミド、イミノ、ニトロ、ニトロソ、
ヒドロキシ、C1-C20アルコキシ、C5-C20アリ-ルオキシ、C2-C20アルコキシカルボニル、C
5-C20アリ-ルオキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシラト、メルカプト、ホルミル
、C1-C20チオエステル、シアノ、シアナト、チオシアナト、イソシアナト、チオイソシア
ナト、カルバモイル、エポキシ、スチレニル、シリル、シリルオキシ、シラニル、シロキ
サザニル、ボロナト、ボリル、またはハロゲン、または金属含有またはメタロイド(半金
属)含有基でよく、そこでは、メタロイドはSnまたはGeであり、そこでは、置換基は、随
意に、アルミナ、シリカ、または炭素が含まれる不溶性または難溶性の支持媒体にテザ-
を提供することができる。模範的な非制限的なオルガノシランには、(R)3SiHで、そこで
はRはC1-6アルキル、特にトリエチルシランおよびトリブチルシランであり、混合アリ-ル
アルキルシランで、たとえば、PhMe2SiHなどのようなもの、およびポリマ-材料で、たと
えば、ポリメチルヒドロシロキサン(PMHS)が含まれる。一般構造(R)2SiH2のオルガノシ
ランの使用も良好に機能し、およびカップリング反応または架橋反応の機会を提供する。
【0055】
ここで使用される用語「強塩基」は、非水性媒体中で水素原子に対して特に強い親和性
を有する化合物に言及する。特定の無関係な実施態様において、少なくとも一つの強塩基
は、アルカリ金属またはアルカリ金属水素化物またはアルコキシドを包含する。そこで、
この定義は、水素化物の共役酸が二水素であるため、古典的な共役酸系塩基モデルに厳密
には制限されないことを理解すべきである。この「強い親和性」の一つの尺度は、強塩基
が、水と反応する場合、そこからの水酸化物の実際に完全な生成に反応することでよい。
他の「強塩基」は、アルキルリチウム化合物またはアミドイオン、たとえば、カリウムビ
ス(トリメチルシリル)アミドを含むものとして考えてよい。ここでも、これらの説明は
、アルコキシド、アルキル(例は、アルキルリチウム化合物)、アミドイオン、水素化物
、および他の非常に強い塩基を説明するために使用された。先の開示の文脈において、こ
れらの記載は、「ス-パ-ベ-ス(超強塩基)」として説明される物質に関して用いられた
。用語「強塩基」がまた、水酸化物、特にこの発明の範囲内のKOH(水酸化カリウム)を
包含すると考えられうると今回見出される。
【0056】
有用なアルコキシドには、C1-12線状または分枝のアルキル部分(alkyl moietird)ま
たはC5-10芳香族部分またはC4-10ヘテロ芳香族部分、たとえば、メトキシド、エトキシド
、プロポキシド、ブトキシド、2-エチル-ヘキシルオキシド、またはベンジルオキシドな
どのようなものが含まれるものが包含される。これらの各々は同等の反応性を示すと考え
られる。さらに、カウンタ-(対とも言う)カチオン(陽イオンとも言う)の選定は、化
学的システムの活性の有効性にも影響し、それはカリウムが好ましい。より一層具体的に
は、カリウムメトキシド、エトキシド、およびtert-ブトキシドおよびセシウム2-エチル-
ヘキシルアルコキシドが、この役割において有効であることが示された。これと比較して
、Et3SiHとリチウムまたはナトリウムtert-ブトキシドとの反応は、ほとんどまたは全く
反応性を提供せず、対イオンが活性なシリル化種の生成において、および、恐らく基質エ
-テルの活性化において、またはその双方において重要な役割を果たすことが示唆される
。同様に、カリウムキレ-ト剤として作用するのに十分な18-クラウン-6の存在下でカリウ
ムtert-ブトキシドと反応させることは、反応のほぼ完全な抑制をもたらした。
【0057】
水酸化物で、たとえば、水酸化カリウム(KOH)のようなものは、最初に本発明の方法
において塩基の有用な供給源であると考えられる。水酸化物、KOHは、たとえば、メタリ
ック(未化合の)金属(例は、カリウム)と水との反応によって、インサイチュで形成さ
れうるが、好ましい実施態様では、そのように水酸化物(例は、KOH)を意図的に添加し
、および好的には無水的である(すなわち、水がない場合)。先に述べた反応の条件が、
この能力において作用するにはそのために十分なKOHを生成するとは考えられない。
【0058】
オルガノシランと強塩基との相対量、ここでは、水酸化物、特にKOHも含まれる前記強
塩基の規定は、双方が十分な量で存在する限り、特に重要であるとは考えられていないが
、一定の実施態様、オルガノシランおよび少なくとも一つの強塩基において、前記強塩基
の規定はまた、今回、水酸化物、特にKOHを含み、互いに関して、モル比で約20:1から約
1:1までの範囲において一緒に存在する。他の実施態様では、これらの比は、約5:1ない
し約1:1、約3:1から約1:1まで、または約3:2から約1:1までのオ-ダ-でありうる。シ
リル化反応はまた、それらの条件に有利に見え、そこでは、塩基は、基質に関して、特に
、より一層活性なシステムに対して、下位の化学量論的に(sub-stoichiometric)、0.01
:1ないし0.9:1未満である。さらなる実施態様は、塩基が基質に対して約0.01:1から約
0.6まで、または約0.1:1から約0.6までの比で存在することを与える。たとえば、表6を
参照。
【0059】
さらなる実施態様は、たとえば、随意に置換されたテトラアルキルエチレンジアミン(
例は、テトラメチルエチレンジアミン)、随意に置換された1,10-フェナントロリン誘導
体、随意に置換された2,2'-ビピリジン誘導体、および随意に置換された4-ジメチルアミ
ノピリジン誘導体がさらに含まれるシステムを提供する。たとえば、例2および表2を参照
。
【0060】
この点に関して、本発明は、芳香族化合物または部分をシリル化することができる化学
的システムに関して説明されているが、本発明はまた、これらの転換を遂行する方法も含
むと考えるべきでもある。すなわち、種々の追加の実施態様は、芳香族部分が含まれる有
機基質を、基質の少なくとも一部をシリル化するのに十分な条件下、上記の化学系のいず
れかと接触させる、そのような方法を含む。すなわち、一定の実施態様は方法を提供し、
各方法は、芳香族部分が含まれる有機基質を、(a)少なくとも一のオルガノシランおよ
び(b)少なくとも一の強塩基の混合物と接触させることを含み、前記強塩基の規定には
また、今回、特にKOHが含まれ、基質をシリル化するのに十分な条件下であり、そこでは
、前記混合物および基質は、必ずしもそうである必要はないが、遷移金属化合物を実質含
まないことが好ましい。これらの実施態様は、概して、UV照射または電気またはプラズマ
放電条件なしに、液相において行われる。
【0061】
いくつかの実施態様において、有機基質をシリル化するのに十分な条件は、(a)少な
くとも一のオルガノシランおよび(b)少なくとも一の強塩基の混合物と共に基質を加熱
することを含み、前記強塩基の規定はまた、今回、約10℃~約165℃の範囲の温度で、水
酸化物、特にKOHを含む。いくらかのケ-スでは、温度は、約20℃、約30℃、約40℃、約50
℃、約60℃、または約80℃から約165℃、約150℃、約125℃、約100℃、またはおよそ約80
℃までの範囲において適用しうる。例において記載されるいずれの温度も、無関係な実施
態様と考えうる。典型的な操作反応時間は、約2時間から、約4時間から、約6時間から、
または約10時間から、約28日間、約14日間、約7日間、約4日間、約3日間、約48時間まで
、約24時間まで、約12時間まで、または約6時間まででありうる。
【0062】
上述のように、芳香族化合物および芳香族部分をシリル化するための化学的システムに
関連して説明されるそれらの特徴は、これらの芳香族化合物および芳香族部分をシリル化
する方法にも関係する。たとえば、種々の実施態様において、本方法は、システムが水、
酸素、または水と酸素の両方を実質含まないことを提供する。
【0063】
他の実施態様において、少なくとも一のオルガノシランには、次の式(I)または式(I
I)のオルガノシランが含まれる。
(R)4-mSi(H)m (I)
R-[-SiH(R)-O-]n-R (II)
式中、mは1、2、または3(好ましくは1または2)であり、
nは10ないし100であり、および
各Rは、無関係に、随意に置換のC1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換のC5
-20アリ-ルまたはC4-20ヘテロアリ-ル、随意に置換のC6-30アルカリ-ルまたはC4-30ヘテ
ロアルカリ-ル、随意に置換のC6-30アラルキルまたはヘテロアラルキル、随意に置換の-O
-C1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換の-O-C5-20アリ-ルまたは-O-C4-20ヘ
テロアリ-ル、随意に置換の-O-C6-30アルカリ-ルまたはC4-30ヘテロアルカリ-ル、または
随意に置換の-O-C6-30アラルキルまたは-O-C4-30ヘテロアラルキル、および、置換される
場合、置換基は、ホスホナト、ホスホリル、ホスファニル(phosphanyl)、ホスフィノ、
スルホナト、C1-C20アルキルスルファニル、C5-C20アリ-ルスルファニル、C1-C20アルキ
ルスルホニル、C5-C20アリ-ルスルホニル、C1-C20アルキルスルフィニル、C5-C20アリ-ル
スルフィニル、スルホンアミド、アミノ、アミド、イミノ、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキ
シ、C1-C20アルコキシ、C5-C20アリ-ルオキシ、C2-C20アルコキシカルボニル、C5-C20ア
リ-ルオキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシラト、メルカプト、ホルミル、C1-C2
0チオエステル、シアノ、シアナト、チオシアナト、イソシアナト、チオイソシアナト、
カルバモイル、エポキシ、スチレニル、シリル、シリルオキシ、シラニル、シロキサザニ
ル、ボロナト、ボリル、またはハロゲン、または金属含有またはメタロイド(半金属)含
有基でよく、そこでは、メタロイドはSnまたはGeであり、そこでは、置換基は、随意に、
アルミナ、シリカ、または炭素が含まれる不溶性または難溶性の支持媒体にテザ-を提供
することができる。
【0064】
さらに他の実施態様において、オルガノシランは、(R)3SiHであり、そこではRはC1-6ア
ルキル、好ましくは、Et3SiHまたはEt2MeSiH、または(R)2SiH2である。少なくとも一の強
塩基には、上記のように、アルカリまたはアルカリ金属水素化物、たとえば、水素化カル
シウムまたは水素化カリウムが含まれうる。少なくとも一の強塩基には、上記のように、
アルカリまたはアルカリ金属アルコキシドが含まれてよく、たとえば、そこでは、少なく
とも一のアルコキシドには、C1-12の線状または分枝状のアルキル部分またはC5-10アリ-
ルまたはC4-10ヘテロアリ-ルの部分、好ましくは、メトキシド、エトキシド、プロポキシ
ド、ブトキシド、または2-エチル-ヘキシルアルコキシドが包含される。アルカリ金属カ
チオンは、好ましくは、カリウムまたはセシウムである。最も好ましい実施態様において
、オルガノシランは、トリエチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルメチルシラン、ジ
エチルシラン、ジメチルシラン、ジメチルエチルシラン、エチルジメチルシラン、ジメチ
ルフェニルシラン、ジエチルフェニルシランであり、および強塩基はカリウムtert-ブト
キシドである。強塩基には、今回水酸化カリウムが含まれる。他の組合せまたは例示され
た反応物は、この点に関してさらなる実施態様を提供する。
【0065】
一定の実施態様、オルガノシラン(またはモノマ-同等物)および少なくとも一の強塩
基では、前記強塩基の規定はまた、今回水酸化物で、特にKOHをも含み、お互いに関し、
一緒にモル比で約20:1から約1:1までの範囲内で存在する。一定の実施態様では、少な
くとも一の強塩基は、KOH、および有機基質を含め、互いに関し、約0.01:1から約5:1ま
でのモル比で一緒に存在する。好ましくは、塩基は有機基質に関して、下位の化学量論的
-、すなわち、0.01:1ないし0.9:1の比においてである。すなわち、本方法は、ここで企
図される塩基に関して触媒的であると考えられうる。
【0066】
さらに、本方法の関連で、「遷移金属化合物の実質フリ-(実質含まない)」という用
語は、化学的システムに関して上に記載したのと同じ含意および関連する実施態様を伴い
、すなわち、意図的に添加された遷移金属触媒(群)がなんら存在しない場合に本方法が
効果的に行われることを反映する。他に記載がない限り、方法またはシステムを記載する
場合、本用語は、以下の例3.3に記載するようにICP-MSによって測定されるような、遷移
金属の合計レベルが約50ppm未満であることを反映するように規定される。さらなる実施
態様はまた、遷移金属の濃度が合計システムの重量に対して(すなわち、シリル化システ
ムならびにシリル化システムおよび有機基質の双方に対して)、約10重量%、5重量%、1
重量%、100ppm、50ppm、30ppm、25ppm、20ppm、15ppm、10ppm、または5ppm未満から約1p
pmまたは0ppmまでであることを提供する。ここで使用するように、「遷移金属」という用
語は、少なくとも、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Os、Ni、Pd、Pt、Cu、またはそれらの組合せを
含むものと規定される。さらに無関係な実施態様においては、ICP-MSによって測定される
ように、Niの濃度は、25ppm未満、10ppm未満、5ppm未満、または1ppm未満である。ここで
は、化学的システムの一定の実施態様は、少なくとも一のオルガノシランおよび強塩基を
含みうることが留意され、前記強塩基の規定はまた、今回水酸化物、特にKOHも含み、無
関係な実施態様は、これらの混合物の組合せのそれぞれを考慮するとき、遷移金属のレベ
ルを、今正に説明するレベルよりも低く維持することを提供すると理解すべきである。
【0067】
さらなる実施態様は、本方法が、さらにN-ベ-スの化合物の下位の化学量論的量(基質
に対して)を用いることを含み、(好ましくはNベ-スのキレ-ト剤)、たとえば、随意に
置換されるテトラアルキルエチレンジアミン(例は、テトラメチルエチレンジアミン)、
随意に置換される1,7-フェナントロリン誘導体、随意に置換される1,10-フェナントロリ
ン誘導体、随意に置換される2,2'-ビピリジン誘導体、および随意に置換される4-ジメチ
ルアミノピリジン誘導体が含められる。
【0068】
これらの方法は、基質に関してかなり柔軟であり、およびアリ-ル部分とヘテロアリ-ル
部分の双方を含むものの両方に適応する。アリ-ル部分を含む模範的な基質には、随意に
置換されるベンゼン(メシチレンおよびトルエンが含まれる)、ビフェニル、ナフタレン
、アントラセン、または高級多芳香環構造を含むものが含まれる。これらの純粋な炭化水
素基質は概して、ヘテロアリ-ル系よりも環炭素をシリル化するためにより多くの強制条
件を必要とする。例6.4を参照。それにもかかわらず、これらの炭化水素環構造を官能化
する能力は、これらの方法およびシステムの重要な特徴である。
【0069】
アリ-ルまたはヘテロアリ-ル部分が、随意に置換されるC1-6アルキル基におけるように
、α-メチルまたはメチレンCH結合を含む場合(例において、トルエン、メシチレン、1,2
-ジメチルインド-ル、または2,5-ジメチルチオフェンのメチル基によって例示されるよう
に)、本反応は環式炭素をシリル化するのに必要な温度よりも低い温度で反応が進行して
アルファシランを形成すると考えられる。ここで使用されるように、用語「アルファ炭素
」は、芳香族部分に対して環外に位置する第一の炭素に言及し、および「アルファメチル
またはメチレン」におけるように「アルファ」は芳香族環に直接付着する第一のエキソサ
イクリック炭素上のメチルまたはメチレンを指すことを意図する。用語「アルファシラン
」は、アルファ炭素に結合したシランを指す。用語「アルファ」は、6員アリ-ル芳香族化
合物についてのベンジル炭素を包含すると考えられる。そのようなシリル化をもたらす方
法は、本発明の範囲内である。
【0070】
他の環外環置換基は、環外芳香族C-X結合をもつものを含め、概して、ここに説明する
方法に従って反応する。「環外」という用語は、芳香族環系に関してO、N、またはSの位
置を指す。たとえば、「環外」という用語は、炭素が芳香族環システム内に含まれる結合
を指すが、それぞれの酸素、窒素、または硫黄原子ではなく、および、(窒素の場合には
)その逆でもある。たとえば、フェノ-ル、ジメチルアニリン、1-メチル-1H-ピロ-ル、お
よびベンゼンチオ-ルは、環外芳香族C-O、C-N、およびC-S結合を、それぞれ含む。模範的
な有機基質は、制限されないが、随意に置換されるフェニルエ-テル、フェニルアミン、
フェニルスルフィド、ナフチルエ-テル、ナフチルアミン、またはナフチルスルフィド部
分、N-アルキルまたはN-アリ-ルピロ-ル、またはそれらの組合せを含む。
【0071】
XがOまたはNである場合、反応は、オルト環または環外C-X結合を含む炭素に隣接する炭
素でのシリル化に有利である。電子リッチなシステムまたは電子供与性の基または置換基
は、概して電子不足システムまたは電子求引基または置換基よりも反応性が高いと考えら
れ;後者は、前者よりも多くの強制条件を必要とすることがあるが、より一層高い温度に
由来するより一層多くの強制条件が、C-X開裂マニホ-ルドの駆動をもたらすことに注目さ
れる。たとえば、2013年10月2日付け出願の同時出願の米国特許出願第14/043,917号で、
「Transition-Metal-Free Reductive Cleavage of Aromatic C-O、C-N、and C-S Bonds b
y Activated Silanes.(活性化シランによる芳香族C-O、C-N、およびC-S結合の遷移金属
非含有還元的開裂)」と題されるもの参照。アニソ-ルおよび2-メトキシナフタレンはオ
ルト位置への特定の好みを示し、およびこの選択性は、そのような基質のオルトシリル化
を含む実施態様についての基礎を提供する。たとえば、例6.7.1ないし6.7.4を参照。
【0072】
これらの化合物が、ポリマ-またはオリゴマ-についての代替物とみなされ得ることは注
目される。たとえば、ジメトキシベンゼン、ジフェニルエ-テル、および3-メトキシナフ
タレンをシリル化するための実証された能力は、以下のような連結もつポリマ-をシリル
化する能力についての支持を可能にする、たとえば:
【化1】
などのようなもので、たとえば、フェニレンオキシド、ナフタレンオキシド、またはアル
キレンフェニレンオキシドのポリマ-またはコポリマ-などのようなものが含まれ、および
これらの転換に影響を及ぼす方法は本開示の範囲内にあると考えられる。
【0073】
興味深いことに、また対照的に、そのような基質は、環外芳香族C-X結合で、式中、Xが
S-アルキルであるものをもつが、異なる反応性を提供し、芳香族環システムよりもむしろ
アルキル基をシリル化する傾向が示される。たとえば、例6.7.5を参照。この反応性パタ-
ンは、そのような実施態様で、そのような基質のβ-シリル化を含むものについて基礎を
提供する。
【0074】
一定の実施態様では、本方法は、ヘテロアリ-ル部分が含まれる有機基質に適用される
。非制限的なヘテロアリ-ル部分には、そのような、随意に置換されるフラン、ピロ-ル、
チオフェン、ピラゾ-ル、イミダゾ-ル、トリアゾ-ル、イソキサゾ-ル、オキサゾ-ル、チ
アゾ-ル、イソチアゾ-ル、オキサチアゾ-ル、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラ
ジン、トリアゾン、ベンゾフラン、ベンゾピロ-ル、ベンゾチオフェン、イソベンゾフラ
ン、イソベンゾピロ-ル、ベンゾチオフェン、インド-ル、イソインド-ル、インドリジン
、インダゾ-ル、アザインド-ル、ベンズイソオキサゾ-ル、ベンズオキサゾ-ル、キノリン
、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、ナフチリジン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、
2,3-ジヒドロベンゾピロ-ル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、キサン
テン、ジベンゾピロ-ル、ジベンゾチオフェンが含まれる。より一層好ましい態様におい
て、基質には、隋意に置換されるフラン、ピロ-ル、チオフェン、ピラゾ-ル、イミダゾ-
ル、ベンゾフラン、ベンゾピロ-ル、ベンゾチオフェン、インド-ル、アザインド-ルジベ
ンゾフラン、キサンテン、ジベンゾピロ-ル、またはジベンゾチオフェン部分を含む部分
が含まれる。独立する実施態様は、本方法がここに記載のように置換されるシリル化生成
物を産生することを提供する。
【0075】
他の特定の実施態様では、本方法は、以下の部分を含む基質上で操作可能である:
【化2】
式中、XはN-R’’、O、またはSであり、
YはH、N(R’’)
2、O-R’’、またはS-R’’であり、
pは0ないし4、0ないし3、0ないし2、または0ないし1であり、
R’は、上記のように、官能基「Fn」であり、または(R’)
pには、縮合脂環式、ヘテロ
脂環式(例は、メチレン、エチレン、またはプロピレンリンク(結合)ジエ-テル)、ア
リ-ルまたはヘテロアリ-ル部分が含まれ、および
R’’は、アミン保護基または随意に置換されるアルキル、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、
アルカリ-ルまたはアルカヘテロアリ-ル、好ましくは随意に置換されるC
1-C
6アルキル、
フェニル、トリル、ベンジル、またはフェネチルである。
【0076】
模範的な縮合複素環部分には、たとえば、以下の基が含まれる:
【化3】
しかし、エチレンジオキソチオフェンは、そのようなヘテロアリ-ルジエ-テルの一例に
過ぎない。
【0077】
一定のより一層具体的な実施態様では、本方法は、以下の部分を含む有機基質上で操作
可能である:
【化4】
式中、X、Y、R'、R''およびpは上記に規定するようなものである。なお、いずれの場合
も、表示
【化5】
は、いずれかの芳香環上の置換を可能にすることが意図されることに注目される。
【0078】
ヘテロアリ-ル部分は、それらのアリ-ルコゲナ-よりも穏やかな条件下で本発明の方法
に従って反応すると考えられ、その結果、混合アリ-ル-ヘテロアリ-ル系システムにおい
て、反応が概してヘテロアリ-ル環を優先的にシリル化するように進行する。
【0079】
また、5員ヘテロアリ-ル部分は、6員ヘテロアリ-ル部分よりも穏和である条件下に、本
発明の方法に従って反応すると考えられる。たとえば、例6.9.26ないし9.9.29に示される
ように、1H-ピロロピリジンは、分子の5員複素環部分において優先的にシリル化すること
が示される。また、双方の環はピリジンよりもはるかに穏やかな条件下でシリル化する。
【0080】
5員ヘテロアリ-ル部分を含む基質とのシリル化反応も、著しくクリ-ンで、および見か
け上調整可能な位置選択性を提供する。OまたはNが含まれる5員ヘテロアリ-ル環を含む基
質は、時間および温度に依存してC-2位またはC-3位でシリル化することができるが、より
一層マイルドな条件はC-2位での置換がより好ましいと考えられる。特定の理論の正確さ
または不正確性に拘束される意図ではないが、C-2位置でのシリル化は反応の反応速度論
的結果を表し、一方でC-3位置でのシリル化は熱力学的に好ましいと考えられる。「動力
学的」および「熱力学的」経路に関して記載されるが、C-3位置でのシリル化が必ずC-2中
間体を通って進行するかは明らかではない。実際、1,2ジメチルインド-ルおよび2,5-ジメ
チルチオフェンを用いる実験で、ここでは、C-2位がメチル基によってブロックされ、反
応は、C-3位置におけるシリル化の証拠なしに、アルファ-メチル基を優先的にシリル化す
るように進行した。
【0081】
別段の記載がない限り、特定の位置でのシリル化への言及は、約80%を超えるその位置
での生成物の位置選択性または位置特異性を暗示することを意図する。しかし、他の実施
態様は、その位置での位置特異性が約50%より大きく、約75%より大きく、約90%より大
きく、または約95%よりも大きいことを提供する。
【0082】
シリル化反応はまた、ある範囲の官能基に対して非常に寛容である(たとえば、例7.2
参照)。カルボニル基は概して許容されないが、対応するアセタ-ルまたはケタ-ルとして
保護される場合適合性にすることができる。アリ-ル-F、アリ-ル-Cl、アリ-ル-CF3、エポ
キシド、N-アルキルアジリジン、シス-およびトランス-オレフィン、アセチレン、ピリジ
ン、および第3級アミンおよびホスフィン部分はすべてシリル化の化学的性質に適合する
。遊離のOH基およびNH基であっても、その場でヘテロ原子の偶然のシリル保護のために、
明らかにいくらかの程度許容される。対照的に、アリ-ル-Br、アリ-ル-I、アリ-ル-CN、
およびアリ-ル-NO2の存在は、すべて反応を妨げると考えられる。この多機能性は、目下
の方法を、たとえば、アルカロイド天然物の合成および製薬科学の用途への適用のために
、初期段階または高度中間体機能化のいずれかに重要である。
【0083】
本発明の方法の生成物は、以下に記載するように、農薬、製薬、およびエレクトロニク
ス用途の範囲において有用である。ヘテロアリ-ルシラン誘導体、たとえば、ここに記載
されるものなどのようなものは、様々な強力な合成転換を受けることが知られ;いくつか
の代表的な例がここに示される(
図4B)。ここでも、これらの下流転換の各々は、本発明
のプロセスのためにアクセス可能であり、および従って、これらの下流ステップは(本発
明のシリル化と組み合わせるとき)、本発明の範囲内であると考えられる。
【0084】
芳香族シラン、たとえば、ここに記載のものなどのようなものの使用は、ビアリ-ル/ビ
アロマティック(二芳香族、biaromatic)化合物の調製のために有用なシントンであり、
たとえば、当該技術分野において概して認識されているヒヤマ(Hiyama)カップリング法
が使用される。当業者に理解されるように、「二芳香族」という用語は、単結合によって
接合される二つの無関係な芳香族/ヘテロ芳香族環システム、たとえば、ビフラン、ビフ
ェニル、ビピリジン、ビチオフェン、フェニル-ピリジンなどのようなものを指す。熟練
者は、これらのヒヤマカップリング方法の教示を、過度の実験をすることなくここに示し
たものと組み合わせてビアリ-ル/二芳香族化合物を調製することができ、およびそのよう
な調製物は本発明の範囲内にあると考えられる。Ball(ボ-ル)および同僚ら〔Ballら、S
cience(サイエンス)、2012年9月28日:第337巻、第6102号、pp.1644-1648、その触媒、
方法、および基質の教示についてここに参考として援用される)は、より一層最近別の方
法を記載し、金触媒を用い、トリアルキルシラン、たとえば、ここに記載のものなどのよ
うなものをカップリングさせ、ビアリ-ル/二芳香族化合物を形成する。再度、当業者は、
Ballの参考文献において教示または示唆される少なくとも第二のアリ-ル化合物を含むBal
lカップリングの教示を、また過度の実験をせずに、ビアリ-ルまたは二芳香族化合物を調
製するために、十分に組み合わせることができ、およびそのような方法および調製は、本
発明の範囲内と考えられる。そのような実施態様では、本発明のシリル化生成物は、分離
されてもその場で生成されても、シリル化生成物を第二の芳香族化合物と結合させるのに
十分な条件下に(適切な遷移金属触媒の存在を含んで)さらに反応させられ、ビアリ-ル
または二芳香族生成物を調製する。ここで意図されるように、第二の芳香族化合物には、
随意に置換される芳香族部分が含まれ、随意に置換されるアリ-ルおよびヘテロアリ-ル部
分が含まれ、そこでは、用語「随意に置換される」、「芳香族」、「アリ-ル」、および
「ヘテロアリ-ル」は、ここで既に説明するのと同じ規定をもつ。
【0085】
そのような転換をここに示す。たとえば、Zhao(チャオ)およびSnieckus(スニ-クス
)の方法によるC2 Si指向性のSuzuki-Miyaura(スズキ-ミヤウラ)のクロスカップリング
、またはHiyama-Denmark(ヒヤマ- デンマ-ク)のヘテロアリ-ルシラノ-ル6を介するクロ
スカップリングは、2-アリ-ル化インド-ルを提供した。シリル化された前駆体4hからのブ
ロッキング基の戦略(ストラテジ-)を用いることにより、ボロネ-トエステル7および8が
与えられるベンゾチオフェンの珍しい直接的C7官能化が達成された。例8.4.1および8.4.2
を参照。この全体的な転換(すなわち、一定の好ましい位置を保護/脱保護するために本
発明のシリル化を使用すること)は、本発明の範囲内であると考えられる。実際、例8.4.
1および8.4.2は、インド-ルのC2位の関連で(および伸長、ベンゾフランおよびチオフェ
ンによって)これを示しているが、シリル基を位置特異的に配置して次いで除去する能力
は、化学者の蓄積において価値がある新しいツ-ルである。
【0086】
芳香族シラン、ここに記載のものなどのようなものの変換(転化とも言う)率は、よく
知られるフレミング・タマオ(Fleming-Tamao)酸化法を用いて、芳香族ヒドロキシ化合
物に変換可能であることも知られる。当業者は、これらのフレミング・タマオ酸化の教示
を、過度の実験を伴わずにここに提示したものと組み合わせ、ヒドロキシル化芳香族化合
物を良好に調製することができ、およびそのような方法および調製は本発明の範囲内であ
ると考えられる。そのような実施態様では、本発明の芳香族シリル化生成物は、分離され
てもその場で生成されても、シリル化生成物をヒドロキシル化芳香族生成物に変換するの
に十分な条件下に(適切な遷移金属触媒の存在を含めて)さらに反応させる。ヒドロキシ
ル化されると、芳香族生成物は、慣習的な方法によって、対応するアルキルまたはアリ-
ルエ-テル、アルキルまたはアリ-ルエステル、ハロゲン化物(クロロ、ブロモ、フルオロ
、ヨ-ド)、ナイトラ-ト(硝酸塩など)、ナイトライト(亜硝酸塩など)、または他の類
似の官能基に変換することができる。アリ-ルまたはヘテロアリ-ルヨ-化物は、カップリ
ング反応のある範囲のための特別に便利な前駆体である〔たとえば、Nishihara(西原)
ら、Tetrahedron Letters(テトラヘドロン・レタ-ズ)、50(2009)4643-4646に記載さ
れているような、アルキニルシランを用いたそのような化合物のパラジウム/銅触媒され
たsila-Sonogashira(シラ-ソノガシラ)反応を参照〕。すべてのそのような転換および
それから生じる生成物は、本発明の範囲内であると考えられる(本発明のシリル化と併せ
て行われるとき)
【0087】
また、本発明がアルファ-炭素置換基(または環外硫黄の場合にはβ-シリル基)を提供
するためにシリル化物(シリル酸塩など)を提供する能力はまた、それらの生成物がPete
rson(ピ-タ-ソン)オレフィン化反応のためのシントンとして使用されうることを提供す
る。アルケ-メチレンプロトンの脱プロトン化の既知の容易さ(「アルファケイ素効果」
)は、アルファ-シリルカルバニオンを産生するためにシランシリコンに隣接するときに
は、このオレフィン化反応のための都合の良い前駆体を形成することができる。当業者で
あれば、これらのピ-タ-ソンオレフィン化反応の教示をここに提示したものと良好に組み
合わせ、再度過度な実験をせずに、アルファシリル基をアルファオレフィンで置き換える
ことができ、およびそのような方法および調製物は本発明の範囲内にあると考えられる。
そのような実施態様では、本発明の芳香族シリル化生成物は、分離されてもその場で生成
されても、シリル化生成物を芳香族α-オレフィン生成物に変換するのに十分な条件下に
(適切な遷移金属触媒の存在を含めて)さらに反応させられる。
【0088】
追加の実施態様は、本発明の芳香族シリル化生成物が、分離されるかまたはその場で生
成されるものであっても、アルファシリル化生成物を相当するカルボン酸に転換するのに
十分な条件下に(適切な遷移金属触媒の存在を含め)、たとえば、Mita(ミタ)ら、Orga
nic Letters(オ-ガニック・レタ-ズ)、2012、第14巻、第13号、3462-3465に記載の方法
を用いてさらに反応させる。当業者は、これらの反応の教示をここに提示したものと良好
に組み合わせ、やはり過度な実験を伴うことなく、カルボキシル化芳香族化合物を調製す
ることができ、およびそのような方法および調製物は本発明の範囲内であると考えられる
。
【0089】
さらに別の実施態様は、本発明の芳香族シリル化生成物が、分離されまたは現場で生成
されるものであっても、芳香族シリル化生成物をボロン酸ハロゲン化物およびエステル、
ハロゲン化物(クロロ、ブロモ、およびヨ-ドを含め)、およびニトロソ基に変換するの
に十分な条件下に(適切な遷移金属触媒の存在を含め)、たとえば、Zhaoら、Organic Le
tters、2005、7巻、13号、2523-2526)に記載される方法を用いてさらに反応させる。当
業者は、これらの反応の教示をここに提示したものと十分に組み合わせ、やはり過度の実
験を伴わずに、カルボキシル化芳香族化合物を調製することができ、およびそのような方
法および調製物は本発明の範囲内であると考えられる。さらに、Zhaoの参考文献に記載さ
れているように、本発明に由来するこれらの芳香族シリル化前駆体は、芳香族ハロゲン化
物との上述のSuzuki-Miyauraクロスカップリングのプロトコルを用いてクロスカップリン
グして二芳香族生成物に到達させることもできる。
【0090】
置換チオフェンおよびタ-チオフェンをシリル化する実証された能力はまた、これらの
生成物をペルフルオロアレ-ンとさらに反応させて、Wang(ワン)Y.およびWatson(ワト
ソン)M.、J. Amer. Chem. Soc.(ジャ-ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
ティ)、2006、128、2536-2537において記載のように、交互チオフェン-ペルフルオロア
レ-ンコポリマ-を提供する。当業者であれば、WangおよびWatsonの教示を、やはり過度の
実験をせずに、ここに示したものと良好に組み合わせて、遷移金属を含まない交互のチオ
フェン-ペルフルオロアレ-ンコポリマ-を調製することができ、そしてそのような方法お
よびそれから導き出される生成物は本発明の範囲内である。
【0091】
オルガノシリコン(有機ケイ素化合物とも言う)は、シリコンのユニ-クな物理的およ
び化学的特性のために、高度な材料の開発において広範に研究されている。この関連内で
、本開示は、化合物および転換の例を提供シ、それは物質および製薬の関連において価値
がある(たとえば、
図4Cおよび例8.8.1ないし8.8.5を参照)。しかしながら、一例では、
シラ-複素環9は、分子内シリル化に続く分子内シリル化に関与する前例のない二重C-H官
能化によって、商業上入手可能な非官能化ヘテロアレ-ンから直接的な一段階において調
製された。チオフェンオリゴマ-10の高収率ビスシリル化は、交互共重合体への完全に遷
移金属を含まない触媒経路のための出発物質を供給した。最後に、3,4-エチレンジオキシ
チオフェンモノマ-のモノ選択的シリル化は、ポリチオフェン由来物質の修飾のための潜
在的戦略を提供した(
図4C、11)。チオフェン(EDOTを含む)およびタ-チオフェンをシ
リル化する包括的な能力は、本発明の多くの重要な態様の一つである。
【0092】
シラ薬物アナログ(Sila-drug analogues)は、それらが親となるすべての炭素化合物
と比較して(comparedwith)改善された安定性、溶解性および薬物動態学的特性を与える
ことができるので、薬理化学者から多くの注目を集めている。さらに、取り付けられたオ
ルガノシリコン官能基は、その後の精緻化のための合成ハンドルとして役立つことができ
、ライブラリ-合成を容易にし、および構造-活性関係研究を可能にする。結果として、含
オルガノシリコン小分子は薬科学分野での関心が高まっており、および従ってリ-ド化合
物の直接シリル化は薬物発見における新しい可能性のある強力なツ-ルとなるであろう。
そのような後期C-H官能化の用途のための本方法を評価するために、抗ヒスタミン薬のテ
ナリジンおよび抗血小板薬のチクロピジンを代表的な触媒的シリル化条件に供した。双方
の活性薬剤成分の場合に反応はスム-ズに進行し、優れた化学選択性および位置選択性を
伴い56%-68%の収率において含Si標的化合物12および13a-cが産生された(
図4D)。ピペ
リジン、アニリン、ベンジルC-H結合および塩化アリ-ル部分はすべて、観察された副反応
なしで許容された。アザアナログ14のシリル化も良好に進行し、潜在的な薬学的重要性の
含ピリジン複合分子とのこれらの方法の適合性が実証された。最後に、これらの研究の間
に、周囲温度での小量のsp
2およびsp
3C-Hシリル化副生成物がそれぞれメトキシ置換およ
びメチル置換インド-ルの場合に観察された(すなわち、15および16;
図4E)。単純なア
レ-ンは同様に反応する。アニソ-ルのオルトシリル化およびトルエンの指示基を含まない
C(sp
3)-Hシリル化が発見され、それぞれシリル化誘導体17aおよび18aが提供された。四
つの追加的な例が実証され、優れた選択性を有するシリルアレ-ン(17bおよび17c)およ
びベンジルシラン(18bおよび18c)が供給される。特に注目すべきは、2,6-ルチジンのC
(sp
3)-Hシリル化であり、電子不足システムにおいてC-Hシリル化の例が供給される。興
味深いことに、メトキシトルエン19およびベンジルエ-テル21は、双方とも潜在的に反応
性のsp
2およびsp
3C-H結合が含まれ、反対の選択性によりシリル化され、20および22を産
生した。22の場合、反応はSi置換キラル中心を導入した。
【0093】
実施態様の以下のリストは前の説明を置き換えたり、または取り替えたりすると言うよ
りはむしろ補足することを意図する。
【0094】
実施態様1.芳香族部分を含む有機基質をシリル化するための化学システムであって、
前記システムには、(a)少なくとも一のオルガノシランおよび(b)少なくとも一の強塩
基の混合物が含まれるか、またはそれから本質的に構成され、前記強塩基の規定には、ま
た今回、水酸化物、特にKOHが含まれ、前記システムは、好ましくは、必須ではないが、
遷移金属化合物が実質的に含まれず、強塩基は、遷移金属触媒、プラズマ、またはUV照射
を伴わずに有機部分のシリル化を達成するのに十分である。
【0095】
実施態様2.実施態様1のシステムで、遷移金属化合物は、全システムの重量に対して10
ppm未満で存在する。
【0096】
実施態様3.実施態様1または2のシステムで、随意に置換されるテトラアルキルエチレ
ンジアミン(例は、テトラメチルエチレンジアミン)、随意に置換される1,7-フェナント
ロリン誘導体、随意に置換される1,10-フェナントロリン誘導体、随意に置換される2,2'-
ビピリジン誘導体、または随意に置換される4-ジメチルアミノピリジン誘導体がさらに含
まれる。
【0097】
実施態様4.実施態様1ないし3のいずれか一のシステムで、それは水、酸素、または水
と酸素の双方を実質的に含まず、好ましくは嫌気性および無水性である。
【0098】
実施態様5.実施態様1ないし4のいずれか一のシステムで、少なくとも一のオルガノシ
ランには、次の式(I)または式(II)のオルガノシランが含まれる。
(R)4-mSi(H)m (I)
R-[-SiH(R)-O-]n-R (II)
式中、mは1、2、または3であり、
nは10ないし100であり、および
各Rは、無関係に、随意に置換のC1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換のC5
-20アリ-ルまたはC4-20ヘテロアリ-ル、随意に置換のC6-30アルカリ-ルまたはヘテロアル
カリ-ル、随意に置換のC5-30アラルキルまたはヘテロアラルキル、随意に置換の-O-C1-12
アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換の-O-C5-20アリ-ルまたは-O-C4-20ヘテロア
リ-ル、随意に置換の-O-C5-30アルカリ-ルまたはヘテロアルカリ-ル、または随意に置換
の-O-C5-30アラルキルまたはヘテロアラルキル、および、置換される場合、置換基は、ホ
スホナト、ホスホリル、ホスファニル、ホスフィノ、スルホナト、C1-C20アルキルスルフ
ァニル、C5-C20アリ-ルスルファニル、C1-C20アルキルスルホニル、C5-C20アリ-ルスルホ
ニル、C1-C20アルキルスルフィニル、C5-C20アリ-ルスルフィニル、スルホンアミド、ア
ミノ、アミド、イミノ、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、C1-C20アルコキシ、C5-C20アリ
-ルオキシ、C2-C20アルコキシカルボニル、C5-C20アリ-ルオキシカルボニル、カルボキシ
ル、カルボキシラト、メルカプト、ホルミル、C1-C20チオエステル、シアノ、シアナト、
チオシアナト、イソシアナト、チオイソシアナト、カルバモイル、エポキシ、スチレニル
、シリル、シリルオキシ、シラニル、シロキサザニル、ボロナト、ボリル、またはハロゲ
ン、または金属含有またはメタロイド(半金属)含有基でよく、そこでは、メタロイドは
SnまたはGeであり、そこでは、置換基は、随意に、アルミナ、シリカ、または炭素が含ま
れる不溶性または難溶性の支持媒体にテザ-を提供することができる。
【0099】
実施態様6.実施態様5のシステムで、オルガノシランは、(R)3SiHまたは(R)2SiH2であ
り、そこではRはアリ-ル、アラルキル、またはC1-6アルキルである。
【0100】
実施態様7.実施態様1ないし6のいずれか一のシステムで、少なくとも一の強塩基には
、アルカリまたはアルカリ金属水素化物またはアルコキシドが含まれる。
【0101】
実施態様8.実施態様1ないし7のいずれか一のシステムで、少なくとも一の強塩基には
、アルカリまたはアルカリ金属水素化物が含まれる。
【0102】
実施態様9.実施態様8に記載のシステムで、少なくとも一の強塩基には、水素化カルシ
ウムまたは水素化カリウムが含まれる。
【0103】
実施態様10.実施態様1ないし7のいずれか一のシステムで、少なくとも一の強塩基には
、アルカリまたはアルカリ金属アルコキシドが含まれる。
【0104】
実施態様11.実施態様10のシステムで、少なくとも一のアルコキシドには、C1-12の線
状または分枝状アルキル部分またはC5-10芳香族またはヘテロ芳香族部分が含まれる。
【0105】
実施態様12.実施態様11のシステムで、少なくとも一のアルコキシドには、メトキシド
、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、または2-エチルヘキシルアルコキシドが含ま
れる。
【0106】
実施態様13.実施態様7ないし12のいずれか一のシステムで、アルカリまたはアルカリ
金属水素化物またはアルコキシド塩基はカリウムまたはセシウムアルコキシドである。
【0107】
実施態様14.実施態様1ないし13のいずれか一のシステムで、オルガノシランはトリエ
チルシランであり、および強塩基はカリウムtert-ブトキシドである。
【0108】
実施態様15.実施態様1ないし7のいずれか一のシステムで、少なくとも一の強塩基には
、水酸化カリウム(KOH)が含まれる。
【0109】
実施態様16.実施態様1ないし15のいずれか一のシステムで、オルガノシランおよび少
なくとも一の強塩基は、互いに約モル比で約20:1から約1:1までの範囲で一緒に存在す
る。
【0110】
実施態様17.実施態様1ないし15のいずれか一のシステムで、有機芳香族化合物がさら
に含まれ、前記化合物は、溶媒、基質、または溶媒と基質の双方である。
【0111】
実施態様18.実施態様17のシステムで、有機化合物には、随意に置換されるベンゼン、
ビフェニル、ナフタレン、またはアントラセン環構造が含まれる。
【0112】
実施態様19.実施態様17または18のシステムであり、有機芳香族化合物には、ヘテロア
リ-ル部分が含まれる。
【0113】
実施態様20.実施態様19のシステムで、有機芳香族化合物には、随意に置換されるフラ
ン、ピロ-ル、チオフェン、ピラゾ-ル、イミダゾ-ル、トリアゾ-ル、イソキサゾ-ル、オ
キサゾ-ル、チアゾ-ル、イソチアゾ-ル、オキサジアゾ-ル、ピリジン、ピリダジン、ピリ
ミジン、ピラジン、トリアゾン(triazone)、ベンゾフラン、ベンゾピロ-ル、ベンゾチ
オフェン、イソベンゾフラン、イソベンゾピロ-ル、イソベンゾチオフェン、インド-ル、
イソインド-ル、インドリジン、インダゾ-ル、アザインド-ル、ベンズイソキサゾ-ル、ベ
ンゾキサゾ-ル、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、ナフチリジン、2,3
-ジヒドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾピロ-ル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン、
ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾピロ-ル(dibenzopyrol)、またはジベンゾチオ
フェン部分が含まれる。
【0114】
実施態様21.実施態様19または20で、有機芳香族化合物には、随意に置換されるフラン
、ピロ-ル、チオフェン、ピラゾ-ル、イミダゾ-ル、ベンゾフラン、ベンゾピロ-ル、ベン
ゾチオフェン、インド-ル、アザインド-ル、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾピロ
-ル、ジベンゾチオフェン、またはヒンダ-ド(妨げられた)ジベンゾフラン、ジベンゾピ
ロ-ル、またはジベンゾチオフェン部分が含まれる。
【0115】
実施態様22.実施態様17ないし21のいずれか一のシステムで、有機芳香族化合物には、
以下の部分の少なくとも一が含まれる。
【化6】
式中、XはN-R’’、O、またはSであり、
YはH、N(R’’)
2、O-R’’、またはS-R’’であり、
pは0ないし4、0ないし3、0ないし2、または0ないし1であり、
R’は、上記のように、官能基「Fn」であり、または(R’)
pには、随意に置換される縮
合脂環式、ヘテロ脂環式(例は、メチレン、エチレン、またはプロピレン結合ジエ-テル
)、アリ-ルまたはヘテロアリ-ル部分が含まれ、および
R’’は、アミン保護基または随意に置換されるアルキル、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、
アルカリ-ルまたはアルカヘテロアリ-ル、好ましくは随意に置換されるC
1-C
6アルキル、
フェニル、トリル、ベンジル、またはフェネチルである。
【0116】
実施態様23.実施態様17ないし22のいずれか一のシステムで、基質には、次の部分の少
なくとも一が含まれる。
【化7】
式中、X、Y、R'、R''およびpは上記に規定するようなものである。各場合において、表
示
【化8】
は、いずれかの芳香環上の置換を可能にすることが意図される。
【0117】
実施態様24.実施態様17ないし22のいずれか一の方法のシステムで、芳香族有機化合物
には、少なくとも一のアルファ-メチルまたはメチレンC-H結合が含まれ、前記方法はアル
ファシランの形成をもたらす。
【0118】
実施態様25.芳香族部分を含む基質をシリル化する方法であって、ある量の有機基質を
実施態様1ないし24のいずれか一のシステムと接触させることを含む。
【0119】
実施態様26.芳香族部分を含む有機基質を、基質をシリル化するのに十分な条件下で、
(a)少なくとも一のオルガノシランおよび(b)少なくとも一の強塩基を含むか、または
それらから本質的に構成される混合物と接触させることを含む方法であって、前記強塩基
の規定には、また、今回水酸化物、特にKOHが含まれ、前記混合物および基質は、好まし
くはあるが、必ずしもではなく、遷移金属化合物を実質的に含まない。
【0120】
実施態様27.実施態様26の方法で、遷移金属化合物は総システムの重量に対して10ppm
未満で存在する。
【0121】
実施態様28.実施態様26または27の方法で、混合物にはさらに、随意に置換されるテト
ラアルキルエチレンジアミン(例は、テトラメチルエチレンジアミン)、随意に置換され
る1,7-フェナントロリン誘導体、随意に置換される1,10-フェナントロリン誘導体、随意
に置換される2,2'-ビピリジン誘導体、または随意に置換される4-ジメチルアミノピリジ
ン誘導体が含まれる。
【0122】
実施態様29.実施態様26ないし28のいずれか一の方法で、水、酸素、または水と酸素の
双方を実質的に含まない。
【0123】
実施態様30.実施態様26ないし29のいずれか一の方法で、少なくとも一のオルガノシラ
ンには、次の式(I)または式(II)のオルガノシランが含まれる。
(R)4-mSi(H)m (I)
R-[-SiH(R)-O-]n-R (II)
式中、mは1、2、または3(好ましくは1または2)であり、
nは10ないし100であり、および
および各Rは、無関係に、随意に置換のC1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置
換のC5-20アリ-ルまたはC4-20ヘテロアリ-ル、随意に置換のC6-30アルカリ-ルまたはヘテ
ロアルカリ-ル、随意に置換のC6-30アラルキルまたはヘテロアラルキル、随意に置換の-O
-C1-12アルキルまたはヘテロアルキル、随意に置換の-O-C5-20アリ-ルまたはC4-20ヘテロ
アリ-ル、随意に置換の-O-C6-30アルカリ-ルまたは-O-C4-30ヘテロアルカリ-ル、または
随意に置換の-O-C6-30アラルキルまたは-O-C4-30ヘテロアラルキル、および、置換される
場合、置換基は、ホスホナト、ホスホリル、ホスファニル(phosphanyl)、ホスフィノ、
スルホナト、C1-C20アルキルスルファニル、C5-C20アリ-ルスルファニル、C1-C20アルキ
ルスルホニル、C5-C20アリ-ルスルホニル、C1-C20アルキルスルフィニル、C5-C20アリ-ル
スルフィニル、スルホンアミド、アミノ、アミド、イミノ、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキ
シ、C1-C20アルコキシ、C5-C20アリ-ルオキシ、C2-C20アルコキシカルボニル、C5-C20ア
リ-ルオキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシラト、メルカプト、ホルミル、C1-C2
0チオエステル、シアノ、シアナト、チオシアナト、イソシアナト、チオイソシアナト、
カルバモイル、エポキシ、スチレニル、シリル、シリルオキシ、シラニル、シロキサザニ
ル、ボロナト、ボリル、またはハロゲン、または金属含有またはメタロイド(半金属)含
有基でよく、そこでは、メタロイドはSnまたはGeであり、そこでは、置換基は、随意に、
アルミナ、シリカ、または炭素が含まれる不溶性または難溶性の支持媒体にテザ-を提供
することができる。
【0124】
実施態様31.実施態様26ないし30のいずれか一の方法で、オルガノシランは(R)3SiH、
式中、Rは無関係にC1-6アルキルである。
【0125】
実施態様32.実施態様26ないし31のいずれか一の方法で、少なくとも一の強塩基には、
アルカリまたはアルカリ金属水素化物またはアルコキシドが含まれる。
【0126】
実施態様33.実施態様26ないし32のいずれか一の方法で、前記少なくとも一の強塩基に
は、アルカリまたはアルカリ金属水素化物が含まれる。
【0127】
実施態様34.実施態様33の方法で、前記少なくとも一の強塩基には、水素化カルシウム
または水素化カリウムが含まれる。
【0128】
実施態様35.実施態様26ないし34のいずれか一の方法で、少なくとも一の強塩基には、
アルカリまたはアルカリ金属アルコキシドが含まれる。
【0129】
実施態様36.実施態様35の方法で、少なくとも一のアルコキシドには、C1-12の線状ま
たは分枝状アルキル部分またはC5-10アリ-ルまたはC4-10ヘテロアリ-ル部分が含まれる。
【0130】
実施態様37.実施態様36の方法で、少なくとも一のアルコキシドには、メトキシド、エ
トキシド、プロポキシド、ブトキシド、または2-エチル-ヘキシルアルコキシドが含まれ
る。
【0131】
実施態様38.実施態様32ないし37のいずれか一の方法で、アルカリまたはアルカリ金属
水素化物またはアルコキシドは、カリウムまたはセシウムアルコキシドである。
【0132】
実施態様39.実施態様26ないし38のいずれか一の方法で、オルガノシランはトリエチル
シランであり、および強塩基はカリウムtert-ブトキシドである。
【0133】
実施態様40.実施態様26の方法で、有機シランはトリエチルシランであり、および強塩
基は水酸化カリウムである。
【0134】
実施態様41.実施態様26ないし29のいずれか一の方法で、オルガノシランおよび少なく
とも一の強塩基で、今回、強塩基の規定は、水酸化物で、特にKOHを含み、互いに関し、
モル比で一緒に、約20:1から約1:1までの範囲内で存在する。
【0135】
実施態様42.実施態様26ないし41のいずれか一の方法で、少なくとも一の強塩基で、強
塩基の規定は、今回、水酸化物で、特にKOHが含まれ、および基質は、互いに関し、モル
比で一緒に、約0.01:1から約5:1までの範囲内、好ましくは約0.01:1から約0.9:1まで
の範囲内で存在する。
【0136】
実施態様43.実施態様26ないし42のいずれか一の方法で、有機基質には、随意に置換さ
れるベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、またはアントラセン環構造が含まれる。
【0137】
実施態様44.実施態様26ないし43のいずれか一の方法で、有機基質には、環外芳香族C-
X結合が含まれ、式中、XはN、O、またはSである。
【0138】
実施態様45.実施態様26ないし44のいずれか一の方法で、有機基質には、環外芳香族C-
X結合が含まれ、およびシリル化は環外C-X結合に対してオルト位で起こり、式中、XはN、
OまたはSである。
【0139】
実施態様46.実施態様26ないし45のいずれか一の方法で、有機基質には、ヘテロアリ-
ル部分が含まれる。
【0140】
実施態様47.実施態様26ないし46のいずれか一の方法で、基質には、随意に置換される
フラン、ピロ-ル、チオフェン、ピラゾ-ル、イミダゾ-ル、トリアゾ-ル、イソキサゾ-ル
、オキサゾ-ル、チアゾ-ル、イソチアゾ-ル、オキサジアゾ-ル、ピリジン、ピリダジン、
ピリミジン、ピラジン、トリアゾン、ベンゾフラン、ベンゾピロ-ル、ベンゾチオフェン
、イソベンゾフラン、イソベンゾピロ-ル、イソベンゾチオフェン、インド-ル、イソイン
ド-ル、インドリジン、インダゾ-ル、アザインド-ル、ベンズイソキサゾ-ル、ベンゾオキ
サゾ-ル、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、ナフチリジン、2,3-ジヒ
ドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾピロ-ル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン、ジベ
ンゾフラン、キサンテン、ジベンゾピロ-ル、またはジベンゾチオフェン部分が含まれる
。
【0141】
実施態様48.実施態様26ないし47のいずれか一の方法で、基質には、随意に置換される
ピロ-ル、チオフェン、ピラゾ-ル、イミダゾ-ル、ベンゾフラン、ベンゾピロ-ル、ベンゾ
チオフェン、インド-ル、アザインド-ル、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾピロ-
ル、またはジベンゾチオフェンが含まれる。
【0142】
実施態様49.実施態様26ないし48のいずれか一の方法で、有機芳香族基質には、以下の
部分の少なくとも一が含まれる。
【化9】
式中、XはN-R’’、O、またはSであり、
YはH、N(R’’)
2、O-R’’、またはS-R’’であり、
pは0ないし4、0ないし3、0ないし2、または0ないし1であり、
R’は、上記のように、官能基「Fn」であり、または(R’)
pは、随意に置換される縮合
脂環式、ヘテロ脂環式、アリ-ルまたはヘテロアリ-ル部分であり、および
R’’は、アミン保護基または随意に置換されるアルキル、アリ-ル、ヘテロアリ-ル、
アルカリ-ルまたはアルカヘテロアリ-ル、好ましくは随意に置換されるC
1-C
6アルキル、
フェニル、トリル、ベンジル、またはフェネチルである。
【0143】
実施態様50.実施態様26ないし48のいずれか一の方法で、基質には、次の部分の少なく
とも一が含まれる。
【化10】
式中、X、Y、R'、R''およびpは上記に規定するようなものである。各場合において、表
示
【化11】
は、いずれかの芳香環上の置換を可能にすることが意図される。
【0144】
実施態様51.実施態様26ないし50のいずれか一の方法で、有機基質には、構造:
【化12】
のヘテロアリ-ル部分が含まれ、およびシリル化はヘテロアリ-ル環のC-2位置で起こる。
【0145】
実施態様52.実施態様26ないし51のいずれか一の方法で、有機基質には、構造:
【化13】
のヘテロアリ-ル部分が含まれ、およびシリル化はヘテロアリ-ル環のC-3位置で起こる。
【0146】
実施態様53.実施態様26ないし52のいずれか一の方法であり、芳香族基質には、少なく
とも一のアルファ-メチルまたはメチレンC-H結合を含み、前記方法はアルファシランの形
成をもたらす。
【0147】
実施態様54.実施態様26ないし53のいずれか一の方法で、芳香族基質はポリマ-または
ポリマ-前駆体である。
【0148】
実施態様55.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、芳香族シリル化生成物は、シ
リル化生成物が第二の芳香族化合物と接合し、二芳香族生成物を調製するのに十分な条件
下でさらに反応させる。
【0149】
実施態様56.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、芳香族シリル化生成物は、シ
リル化生成物が芳香族ヒドロキシル化(保護されたまたは遊離ヒドロキシル)、アルコキ
シル化(またはアリ-ルオキシル化)、またはアルキルまたはアリ-ルカルボキシル化生成
物に変換するのに十分な条件下でさらに反応させる。
【0150】
実施態様57.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、芳香族シリル化生成物は、シ
リル化生成物が芳香族アルファ-オレフィン生成物に変換するのに十分な条件下でさらに
反応させる。
【0151】
実施態様58.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、芳香族シリル化生成物は、シ
リル化生成物が芳香族ハロゲン化物(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨ-ド)、ナイトラ-ト
(硝酸塩)、またはナイトライト(亜硝酸塩)に変換するのに十分な条件下でさらに反応
させる。
【0152】
実施態様59.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、芳香族シリル化生成物は、シ
リル化生成物が芳香族アルファカルボン酸またはカルボン酸アルキルまたはアリ-ルエス
テルに変換するのに十分な条件下でさらに反応させる。
【0153】
実施態様60.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、芳香族シリル化生成物は、シ
リル化生成物が芳香族ホウ素ハロゲン化物またはボロン酸エステルに変換するのに十分な
条件下でさらに反応させる。
【0154】
実施態様61.実施態様26ないし54のいずれか一の方法で、シリル化チオフェン生成物は
、シリル化生成物が交互のチオフェン-ペルフルオロアレ-ンコポリマ-に変換するのに十
分な条件下でさらに反応させる。
【実施例】
【0155】
以下の例は、本開示内に記載された概念のいくつかを説明するために提供される。各例
は、組成物、調製方法および使用の特定の個々の実施態様を提供することが考えられるが
、例のいずれも、ここに説明するより一層一般的な実施態様を制限するものとみなされる
べきではない。
【0156】
以下の例において、使用される数(たとえば、量、温度、など)に関する正確さを保証
する努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。他に指
示がない限り、温度は℃であり、圧力は大気圧またはそれに近い圧力である。
【0157】
例1:一般的情報
【0158】
すべての反応は、標準的なシュレンク(Schlenk)ライン技術を用いてアルゴン雰囲気
下に乾燥ガラス器具(例は、オ-ブン乾燥または火炎乾燥)において、または特記しない
限り、窒素雰囲気下に真空雰囲気グロ-ブボックス(Vacuum Atmospheres Glovebox)にお
いて行った。
【0159】
アルゴン下に活性アルミナカラムを通過させることにより溶媒を乾燥させた。薄層クロ
マトグラフィ-(TLC)、UHPLC-LCMSまたはGC-FID分析によって反応の進行をモニタ-した
。TLCは、E. Merck(メルク)シリカゲル60F254プレコ-トガラスプレ-ト(0.25mm)を用
いて行い、およびUV蛍光消光、リンモリブデン酸、またはKMnO4染色によって視覚化した
。Silicycle SiliaFlash(シリサイクル・シリアフラッシュ)P60アカデミックシリカ(A
cademic Silica)ゲル(粒子サイズ40-63nm)をフラッシュクロマトグラフィ-に使用した
。
【0160】
メシチレン〔純度99.0%(GC)以上〕をナトリウム/ベンゾフェノンで還流し、次いで
蒸留した。テトラヒドロフランを溶媒精製カラムに通して精製し、次いでナトリウム-カ
リウム合金上でさらに蒸留し、およびアルゴンにより脱気した。他のすべての溶媒は、溶
媒精製カラムを通過させて精製し、さらにアルゴンにより脱気した。空気に敏感な実験の
ためのNMR溶媒をCaH2上で乾燥させ、および真空シュレンクフラスコに真空移送または蒸
留し、続いてアルゴンにより脱気した。トリエチルシラン(99%)をSigma-Aldrich(シ
グマ・アルドリッチ社)から購入し、モレキュラ-シ-ブ上で還流し、および次いで蒸留し
た。その後、使用前に3回の凍結-ポンプ-解凍サイクルによって脱気し、および続いて中
性アルミナを通過させた。重水素トリエチルシラン(97原子%D)をSigma-Aldrichから購
入し、使用前に3回の凍結-ポンプ-解凍サイクルで脱気し、および他の市販の液体試薬を
同様に処理した。フェニルジメチルシラン(≧98%)、エチルジメチルシラン(98%)お
よびジエチルシラン(99%)をSigma-Aldrichから購入し、およびCaH2で蒸留し、および
使用前に3回の凍結-ポンプ-解凍サイクルで脱気した。他の市販の液体試薬も同様に処理
した。1-メチルインド-ル(≧97%)、ベンゾフラン(99%)、チアナフテン(98%)、1
-メトキシナフタレン(≧98%)、アニソ-ル(99%)およびチオアニソ-ル(99%)はSig
ma-Aldrichから購入し、および使用前に蒸留した。2-メトキシナフタレンを沸騰Et2Oから
2回再結晶させた。1-フェニルピロ-ル(99%)をEt2Oに溶解し、および活性アルミナに通
した。エ-テルを減圧除去し、および固形残留物を無水EtOH/水の3:1混合物から2回再結
晶させた。1-フェニルピロ-ル(99%)、ジフェニルエ-テル(≧99%)、ジベンゾチオフ
ェン(≧99%)をSigma-Aldrichから購入し、そのまま使用した。4-メトキシピリジン(9
7%)および2,6-ジメトキシピリジン(98%)をSigma-Aldrichから購入し、および中性の
活性アルミナに数回通し、および使用前に3回の凍結-ポンプ-解凍サイクルに供した。1-
メチル-7-アザインド-ルは、Cheve(シェブ)、G.ら、Medchemcomm(メドケムコム)2012
,3,第778の手順に従って調製した。昇華グレ-ドKOt-Bu(99.99%)をSigma-Aldrichから
購入し、および使用前に真空昇華(30 mTorr、160℃)に供した。ジ-4-(メチル)フェニル
エ-テル、1-ナフト-ル、2-ナフト-ル、4-tert-ブチルアニソ-ル、4-メチルアニソ-ル、1,
3-ジフェノキシベンゼン、2-メトキシナフタレン、および1.0Mテトラブチルアンモニウム
フルオライドTHF溶液は、Sigma-Aldrichから購入し、および受け取ったまま使用する。文
献の手法に従って、4-(メトキシ)ジベンゾフラン、ジ-4-(tert-ブチル)フェニルエ-テル
、ナフチルエ-テル、4-(フェニル)フェニルフェニルエ-テル、2-エトキシナフタレン、2-
ネオペンチルオキシナフタレン、2-tert-ブチルオキシナフタレンを合成した。
【0161】
ヘテロ芳香族基質は、Aldrich、TCI、またはAcros(アクロス社)から購入するか、ま
たは文献の手順に従い合成し、たとえば(a)Kong(コン), A.;Han(ハン), X.;Lu(
ル-), X.、Org. Lett.(オ-ガニック・レタ-ズ)2006、8、1339、(b)Islam(イスラム
), S.;Larrosa(ラロ-サ), I.、Chem.-Eur. J.(ケミストリ--ア・ヨ-ロピアン・ジャ
-ナル)2013、19、15093、(c)Huestis(ヒュエスティス), M. P.;、Fagnou(ファグ
ヌ), K.、Org. Lett. 2009、11、1357、(d)Mahadevan(マハ-ドファン), I.;Rasmus
sen(ラスマッセン), M.、Tetrahedron(テトラヘドロン)、1993、49、7337である。さ
らに、以下の化合物が合成され、および以前に米国特許第9,000,167号明細書において報
告されている:4-(トリエチルシリル)ジベンゾフラン(3);4,6-ビス(トリエチルシ
リル)ジベンゾフラン(4);3-(トリエチルシリル)ビフェニル-2-オ-ル(5);(3'-
トリエチルシリル)ビフェニル-2-オ-ル(6);3,3'-ビス(トリエチルシリル)ビフェニ
ル-2-オ-ル(7);o-トリエチルシリルジフェニルエ-テル。
【0162】
標準NMR分光法実験は、Varian Mercury(バリアン・マ-キュリ-)(1H、300MHz)分光
計、Varian Inova(バリアン・イノ-バ)400MHz分光計、AutoX(オ-トX)プロ-ブを備え
たVarian(バリアン)500MHz分光計、またはTriax(トリアックス)プロ-ブを備えたVari
an 600MHz分光計にて行った。化学シフトは、残留溶媒ピ-クを内部標準として使用するこ
とにより、Me4Siからダウンフィ-ルド(低磁場)のppmで報告される。スペクトルは、Mes
tReNova(メストレノ-バ)Ver. 7(バ-ジョン7)を用いて分析し、および処理した。IRス
ペクトルは、Perkin Elmer Spectrum(パ-キン・エルマ-・スペクトラム)BXII分光計に
て、NaClプレ-ト上に堆積した薄膜を用いて得られ、および吸収の周波数(cm-1)におい
て報告された。UHPLC-LCMS分析は、Agilent EclipsePlus(アジレント・エクリプスプラ
ス)C18 RRHD1.8μMカラムを備えたAgilent(アジレント)1290超高速液体クロマトグラ
フィ-/質量分析法で取得した。GC-FID分析は、HP-5(5%-フェニル)-メチルポリシロキ
サンキャピラリ-カラム(Agilent)を備えたAgilent 6890Nガスクロマトグラフで得られ
た。GC-MS分析は、HP-5(5%-フェニル)-メチルポリシロキサンキャピラリ-カラム(Agi
lent)を備えたAgilent 6850ガスクロマトグラフで得られた。高分解能質量スペクトル(
EIおよびFAB)は、カリフォルニア工科大学質量分析施設によって取得された。EPRスペク
トルはBruker(ブルカ-)EMS分光計で記録した。
【0163】
例2:塩基アクチベ-タ-の評価
【0164】
この明細を通して、N-メチルインド-ルは、この発明の化学に関連する反応性の優れた
例として作用することが示されている。種々の塩基の効果を、以下の名目上の条件の下で
評価した。その結果を表1に示す。
【化14】
【表1】
【0165】
表1からの結果は、C-Hシリル化反応のための良好な触媒が、嵩高い塩基性アニオンおよ
びカリウムカチオンの組合せによって分類されることを明らかにしている:KOt-Buは理想
的な触媒であり、およびニ-ト条件下、またはTHFおよびMeOt-Bu(見出し18、20および22
)において操作されるが、しかしKHMDS(見出し21)およびKOTMS(見出し24)もまた有効
であることが判明した。LiOt-BuおよびNaOt-Bu(見出し1および2)との反応性の完全な欠
如、ならびに18-クラウン-6がKOt-Bu(見出し23)に添加されたときの反応性の急激な低
下は、カリウムカチオンの、未知ではあるが、重大な役割を支持する。変換は、化学量論
的反応における塩基性と大雑把に相関する(すなわち、Ot-Bu>OEt>Ome;見出し5-7)。触
媒が存在しないこと、またはKH、KOH、KOAcおよびCs2CO3が採用されるとき(見出し9-12
)の生成物は、これらの条件下で観察されなかった。KOHがこれらの反応において非反応
性であったという以前の知見が確認されたが、反応条件を変えることにより、今回この触
媒によるこれらの変換を実現することが可能であることに注目される(KOHについて例9参
照)。有機塩基DABCOおよびシリコン用の一般的なフッ化物ベ-スの活性化剤-TBAF、CsF、
およびKFもまた研究され、および出発物質の転化に失敗した(見出し13-16)。好首尾の
シリル化反応のヘッドスペ-スGCTCD分析はH2の形成を指し示した。
【0166】
興味深いことに、他の可能性のあるキレ-ト剤は、システムの収率および選択性の双方
を抑制することなく、および多くの場合、それを改善した。この効果はあまり理解されて
いない。この理論または他の任意の理論の正確さに拘束されることなく、カリウムカチオ
ンをキレ-ト化するこれらのリガンド(配位子)が提案されることが可能である。ビピリ
ジンベ-スのリガンド足場ならびにTMEDA(示されていない)は、シリル化反応において高
い選択性および効率を促進するのに最も有効であることが実証された。このことは、カリ
ウムをキレ-ト化することができない1,7-フェナントロリンとの反応によって裏付けられ
、より一層低い収率が与えられる。
【化15】
【表2】
【0167】
本発明のシステムおよび方法の活性は異なる塩基負荷(塩基ロ-ディング)に顕著な耐
性があった。N-メチルインド-ルモデルシステムでは、たとえば、塩基負荷を減少させる
ことだけで、効率を穏やかに低下させた。注目すべきことに、KOtBuは1モル%まで有効で
あり、および主要なC2生成物は65%の収率および対応する89%のC2選択率をもたらした。
この負荷は、最先端にある遷移金属系芳香族C-Hシリル化システムに必要とされるものよ
りもさらに低いかまたは等しい。
【化16】
【0168】
例3:コントロ-ル実験および微量金属分析
【0169】
例3.1:商業上入手可能なKOt-Bu、再昇華したKOt-Bu、および新たに調製したKOt-Buと
のコントロ-ル反応。3つの反応を平行して行った(THF、45℃、1-メチルインド-ル、20モ
ル%KOt-Bu、0.2ミリモルスケ-ル):a)KOt-Bu〔Aldrich(アルドリッチ社製)、昇華グ
レ-ド、99.99%、微量金属ベ-ス〕を受け取って使用した;b)KOt-Bu(Aldrich、昇華グ
レ-ド、99.99%微量金属ベ-ス)を、真空下で材料を加熱することによって再昇華後に使
用した;およびc)KOt-Buを、カリウム金属を無水t-BuOHと反応させ、続いてt-BuOHを蒸
発させ、および固体を昇華させて新たに調製し、使用した。これらの反応における転化率
および選択率の差は認められなかった。
【0170】
例3.2:異なるベンダ-から購入した異なる等級のKOt-Buとのコントロ-ル反応。四つの
反応を並行して行った(THF、45℃、1-ベンジルインド-ル、20mol%KOt-Bu、a)KOt-Bu(
アルドリッチ、昇華グレ-ド、99.99%微量金属ベ-ス)、b)KOt-Bu〔Strem(ストレム社
製)、98%)、c)KOt-Bu(TCI、> 97%)、およびd)KOt-Bu〔Alfa-Aesar(アルファ-エ
イサ-社製)、97%〕。UHPLC-LCMSによって反応をモニタ-した。生成物への転化率は90時
間後に90%以上であり、およびこれらの四つの反応における転化率および選択率には顕著
な差は認められなかった。
【0171】
例3.3:四つの異なるベンダ-(ストレム、アルドリッチ、TCI、アルファ-エイサ-)か
らの500mgのKOt-Buの各サンプル、1-ベンジルインド-ル、Et
3SiH、THF、および標準反応
混合物(0.5mmolスケ-ルの混合物、103.5mgの1-Bn-インド-ル、アルドリッチからの11.2m
gのKOt-Bu、0.5mLのTHF中の173.5mgのEt
3SiHにより一般手順に従って調製し、およびグロ
-ブボックス中で72時間攪拌した)を分析した。各サンプルを50mLのDigiTUBE消化管〔SCP
Science(SCPサイエンス社製)〕に加え、続いて3.0mLのPlasma Pure(プラズマピュア
)硝酸(SCPサイエンス)を添加し、および75℃で36時間加熱した。消化後、各サンプル
をMilli(ミリ)Q水を用いて50mLに希釈し、およびサンプル分析をAgilent(アジレント
社製)7900 ICP-MS分光計で行った。LODは検体の濃度が測定器の最下限検出値を下回って
いることを示す。値はppb(マイクログラム/リットル)である。
【表3】
【0172】
例4:KOt-Bu触媒作用C-Hシリル化の根源的な性質に関する究明
【0173】
反応メカニズムに関する洞察を得るために多数の実験を行った。最初の研究として、ラ
ジカルトラップTEMPOおよびガルビノキシルの存在下で反応を行った。そうでなければN-
メチルインド-ルのシリル化に寄与する条件下で、双方の添加剤はC-Hシリル化を妨げた。
【化17】
【0174】
第二の実験セットにおいて、TEMPOの役割を調べるための三つのコントロ-ル実験。微量
のトリエチルシリル保護生成物IIは、1当量のTEMPOが、おそらくはシリルラジカルおよび
TEMPOそれ自体のラジカル結合から生じ、それにより23℃で観察された。生成物IIは、温
度を65℃に上昇させると、混合物の主成分となり、シリル化反応においてシリルラジカル
種の関与が支持された。対照的に、この保護された化合物IIは、KOt-Buの不存在下では観
察されず、触媒がシリルラジカルを生成するのに重要であることが示される。
【0175】
極性機構の可能な寄与(すなわち、シリルアニオンの形成)を評価するために、添加剤
としてシクロヘキセンオキシド(エポキシドで、シクロヘキセンオキシドが含まれ、シリ
ルアニオンによって求核開環を受けることが知られる)の存在下に基質としてベンゾチオ
フェン3hを用いたKOt-Bu触媒反応において実験を行った。しかしながら、試験に用いた標
準的な周囲条件下に、エポキシドは反応後に定量的に回収され、望ましいシリル化生成物
4hが中程度の収率で得られ、別個のシリルアニオンの生成に対する証拠が提供された。
【化18】
【0176】
例5:基本手順
【0177】
窒素充填グロ-ブボックスにおいて、2ドラムシンチレ-ションバイアルまたは4mLスクリ
ュ-キャップバイアルに、対応する基質(0.1-0.5mmol、1当量)、塩基(例は、KOt-Buま
たはKOH、0.1-5当量)およびマグネチックスタ-ラ-バ-を入れ、溶媒(1mL)およびシラン
(使用前に活性アルミナの短いパッドを通してろ過した1-5当量)をシリンジで添加する
。反応バイアルを密閉し、および混合物を指示された温度で指示された時間攪拌した。バ
イアルをグロ-ブボックスから取り出し、反応混合物をジエチルエ-テル(2mL)で希釈し
、および減圧下で濃縮した。位置選択性(C2シリル化生成物:C3シリル化生成物:C2:C3
)は、粗混合物の1H NMRまたはGC分析によって決定した。残留物をシリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィ-で精製して望ましい生成物を与えた。
【0178】
他に記載がない限り、調製実験において、2%を超える全収率を有する生成物のみが分
離され、および特性決定された。ナフチルアルキルエ-テルの場合、異なるワ-クアップ(
精密検査)手順が用いられた。冷却後、反応生成物をジクロロメタン(5mL)で希釈し、
および2mLの1N HCl水溶液で慎重にクエンチした。トリデカンを添加し、および混合物を
分液漏斗に移した。有機相を分離し、および水層をジクロロメタン(3mL)で抽出した。
合わせた有機層を無水MgSO4で乾燥させ、およびろ過した。すべての反応について、GC/MS
およびGC/FIDおよびNMRを用いて、オ-センティック(真正)のサンプルと比較して生成物
を識別した。ナフチルアルキルエ-テルの還元で観察される微量の可溶性副生成物には、
ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、および5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフト-
ルが含まれた。
【0179】
ほとんどの場合、生成物は、NMRおよび/またはGC-MSによる特徴付けの前に、独立した
スペクトル分析または真正のサンプルとの比較、またはその双方のいずれかによって分離
および精製された。生成物が分離および精製されていない場合、GC-MSおよび/またはGC-F
ID分析に基づいて特徴付けを行った。
【0180】
例6:選定反応
【0181】
例6.1:4-(トリエチルシリル)ジベンゾフラン
【化19】
【0182】
本反応は、一般手順にしたがって、4-Et3Si-ジベンゾフラン(3、141mg、0.5mmol、1当
量)、KOt-Bu(112mg、1mmol、2当量)およびEt3SiH(401マイクロリッタ-、2.5ミリモル
、5当量)のトルエン2ml溶液を100℃で20時間加熱した。酸性水溶液でワ-クアップ後、粗
反応混合物をヘキサンおよびヘキサン-エ-テル(10:1)を用いたシリカクロマトグラフ
ィ-で精製し、2-フェニルフェノ-ル(2、30mg、0.177mmol、35%)、2-トリエチルシリル
-6-フェニルフェノ-ル(5、37mg、0.134mmol、26%)、2-(3-トリエチルシリルフェニル)
フェノ-ル(6、17mg、0.063mmol、12%)を分離した。使用されていない3および生成物1
、4および7の量は、対応する混合フラクション(画分)のポストクロマトグラフィ-GC-FI
D分析を用いて取得した。
【0183】
例6.2:C-O結合開裂のための中間体としてのシリル化ジベンゾフランの研究:KOt-Buに
よる開裂の試み
【化20】
【0184】
出発物質3(14.1mg、0.05mmol、1当量)を、0.8mlのd-トルエン中、KOt-Bu(それぞれ5
.6mgまたは11.2mg、1または2当量)と共に100℃で20時間、窒素下のJ. Young(ヤング)
チュ-ブにおいて加熱した。1H NMRによる反応の進行をモニタ-することは、双方の場合に
おいて3の変換を示さなかった。同様に、出発物質3(28.2mg、0.1mmol、1当量)または4
(39.6mg、0.1mmol、1当量)を、0.3mLのメシチレン中、KOt-Bu(36.6mg)と共に160℃で
20時間加熱した。GC-FIDまたは1H NMRによる粗製反応混合物のその後の分析は、3の場合
に1への3%の変換、4から3への5%の変換を明らかにした。
【0185】
例6.3:4-(メトキシ)ジベンゾフランの高温での反応
【化21】
【0186】
本反応は、4-MeO-ジベンゾフラン(8,89mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(112mg、1mmol
、2当量)およびEt3SiH(401マイクロリッタ-、2.5mmol、5当量)のトルエン2ml溶液を10
0℃で20時間加熱することによってジェネラルプロシ-ジャ-(基本手順)に従って行った
。水性ワ-クアップの後、消費されてない出発物質8(3mg、0.015mmol、3%)を回収する
ために、粗反応混合物をシリカ上でのクロマトグラフィ-によってヘキサンおよびヘキサ
ン-エ-テルを用いて精製し、およびジベンゾフラン(1、8.4mg、0.05mmol、10%;1の画
分に少量の出発物質8が含まれていたので、内部標準としてCH2Br2を用いて1H-NMRによっ
て定量化を行う)、1,1'-ビフェニル-2-オ-ル(2、4.3mg、0.025mmol、5%)、4-Et3Si-
ジベンゾフラン(3、11mg、0.039mmol、8%)、2-メトキシ-6-フェニル-フェノ-ル(9、m
g、0.025mmol、5%)、2-(3'-メトキシフェニル)フェノ-ル(10、47mg、0.235mmol、47%
)を分離した。注:収率が2%を超える化合物のみが特徴付けられた。1Hおよび13C NMRス
ペクトル割り当て9および10は参考文献報告と一致した。
【0187】
例6.4:アレ-ンのトリエチルシリル化
【0188】
【0189】
多くの場合、溶媒由来(solvent-derived)シリル化生成物の形成は、還元的開裂反応
に使用される高温にて溶媒としてトルエンまたはメシチレンを使用するとき、C-O、C-N、
またはC-S結合開裂を目的とした実験中に高温で観察された。得られた生成物をカラムク
ロマトグラフィ-または蒸留によってそれらのそれぞれの親溶媒から分離することは不可
能であったため、この時点でそれらの収率を評価することは困難であったが、Et3SiHに基
づいてそれらは5-10%の範囲であると暫定的に推定される。トルエンの場合、得られたNM
Rスペクトルを文献デ-タ〔Rychnovsky(リュヒノフスキ-)ら、J. Org. Chem.(ザ・ジャ
-ナル・オブ・オ-ガニック・ケミストリ-)2003、68、10135〕と比較することによって生
成物の同一性を確認した。このように、主要生成物がベンジルトリエチルシラン(17)で
あり、それはまた異性体生成物の断片化パタ-ンのGC-MS分析と一致する。同様に、メシチ
レンのシリル化は、主にベンジル(またはアルファ)位に進行すると考えられる。HRMS[C
15H26Si]計算値234.1804、測定値234.1804)。
【0190】
例6.4.2。直接C(sp
3)-Hシリル化反応
【化23】
【0191】
ベンジルトリエチルシラン18a:反応は、基本手順に従いKOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20
mol%)、トルエン(46mg、0.5mmol、1当量)、Et
3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)およ
びDME(0.5mL)を65℃で108時間加熱することによって行った。C(sp
3):C(sp
2)=18:1で
ある。望ましい生成物18aのGC収率は53%である。分析的に純粋な生成物(25.0mg、収率2
4%)を、出発物質および真空下での揮発性物質(60ミリト-ル、23℃)の蒸発後に無色油
状物として取得した。注:化合物18aは揮発性であり、および真空下で容易に除去される
。Rf=0.8(100%ヘキサン)。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ7.22(m、2H)、7.09-7.05(m、1H)
、7.05-7.02(m、2H)、2.12(s、2H)、0.96-0.91(t、9H)、0.53(q、J=7.9Hz、6H)。
【化24】
【0192】
トリエチル((4'-メチル-[1,1'-ビフェニル]-4-イル)メチル)シラン18b:本反応は、基
本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、23mol%)、4,4'-ジメチル-1,1'-ビフェニル
(80.0mg、0.44mmol)、Et
3SiH(240μL、1.5mmol、3.4当量)、および0.5mLのTHFを85℃
で96時間加熱することによって行った。モノシリル化生成物対ビスシリル化生成物の比は
16:1である。望ましい生成物18bおよび出発物質4,4'-ジメチル-1,1'-ビフェニルの混合
物(69.7mgの混合物、56.6mgの18bを含有、43%収率、1H NMRに基づいて算出)は、シリ
カゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製後に取得した。分析的
に純粋な化合物18bの小画分を、その後のシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-による
精製の後に無色の油状物として取得した。Rf=0.5(100%ヘキサン)。
1H NMR(500MHz、CD
Cl
3)δ7.50-7.47(m、2H)、7.46-7.42(m、2H)、7.25-7.21(m、2H)、7.11-7.04(m、2H)、2.
39(s、3H)、2.14(s、2H)、0.95(t、J=7.9Hz、9H)、0.54(q、J=8.0Hz、6H);
13CNMR(126MH
z、CDCl
3)δ139.7、138.5、136.7、136.5、129.6、128.6、126.8、126.7、21.4、21.2、7
.5、3.1;IR〔ニ-トフィルム(Neat Film)、NaCl〕3022、2951、2909、2873、1610、149
7、1455、1416、1238、1209、1153、1005、845、806、773、729cm
-1;HRMS(EI+)C
20H
28Si
[M+]について算出:296.1960、知見296.1954。
【化25】
【0193】
本反応は、2-メチル-6-((トリエチルシリル)メチル)ピリジン18cの調製:基本手順
に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、2,6-ルチジン(53.5mg、0.5mmol)、Et
3
SiH(240μL、1.5mmol、3当量)、および0.5mLのTHFを65℃で120時間加熱することによっ
て行った。望ましい生成物18c(58.6mg、収率53%)は、シリカゲルフラッシュクロマト
グラフィ-(勾配溶出、ヘキサン中5%→10%EtOAc)による無色油状物の精製の後に無職
油状物として取得された。注:化合物18cは揮発性であり、および真空下で容易に除去さ
れる。Rf=0.3(ヘキサン中5%EtOAc);
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ7.36(t、J=7.6Hz、1H)
、6.90-6.73(m、2H)、2.47(s、3H)、2.32(s、2H)、0.98-0.83(m、9H)、0.58-0.48(m、6H)
;
13C NMR(126MHz、CDCl
3)δ160.8、157.4、135.9、119.0、118.4、25.4、24.5、7.2、3.3
;IR(Neat Film、NaCl)3060、2951、2874、1587、1575、1450、1414、1372、1269、1238
、1145、1078、1016、919、796、748、726cm
-1;HRMS(EI+)C
13H
24NSi[M+H]+について算出
:222.1678、知見222.1666。
【化26】
【0194】
2,5-ジメチルチオフェンのシリル化:本反応は、基本手順に従い、2,5-ジメチルチオフ
ェン(56mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、0.2当量)およびEt
3SiH(3
当量)をテトラヒドロフラン中で45時間65℃にて加熱することによって行った。粗生成物
混合物のGC-MSは、モノシラン化誘導体に関連がある質量ピ-クを生じた。
1H NMRデ-タは
、2-メチル-5-(トリエチルシリルメチル)チオフェンの形成と一致した。
1H NMR(500MHz、
THF-d8)δ6.52-6.42(m、1H)、6.41-6.29 (m、1H)、2.35(s、3H)、2.23(s、2H)、1.00-0.9
2(m、9H)、0.63-0.53(m、6H)。
13C NMR(126MHz、THF-d8)δ140.78、136.28、125.96、124
.03、15.73、15.45、7.97、4.08。HRMS:[C
12H
22SSi]計算値226.1212、測定値226.1220。
【化27】
【0195】
N-メチル-2-メチルインド-ルのシリル化:本反応は、基本手順に従い、1,2-ジメチルイ
ンド-ル(73mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(17mg、0.15mmol、0.3当量)およびEt
3SiH(
319マイクロリットル、2.0mmol、4当量)を、テトラヒドロフランの1mL中で65時間65℃
にて加熱することによって行った。水性ワ-クアップの後、粗反応混合物を、それぞれヘ
キサン:Et
2O:Et
3Nの80:1:4混合物を用いるシリカでのクロマトグラフィ-によって精
製し、表題の化合物74mg(57%)を無色油状物として取得した。
1H NMR(500MHz、THF-d
8)
δ7.35-7.29(m、1H)、7.19(dd、J=8.1、0.9Hz、1H)、6.97(ddd、J=8.2、7.1、1.2Hz、1H)
、6.90(ddd、J=8.0、7.1、1.1Hz、1H)、6.06(d、J=0.8Hz、1H)、3.64(s、3H)、2.25(d、J
=0.7Hz、2H)、0.96(t、J=7.9Hz、9H)、0.71-0.58(m、6H)。
13C NMR(126MHz、THF-d
8)δ13
9.50、138.30、129.69、120.24、119.70、119.47、109.27、98.96、29.75、11.73、7.62
、4.16。HRMS:[C
16H
25NSi]計算値259.1756、測定値259.1754。この反応生成物のHSQCス
ペクトルは以前に米国特許第9,000,167号明細書に報告された。
【化28】
【0196】
トリエチル(フェノキシ(フェニル)メチル)シラン22:本反応は、基本手順に従い、KOt-
Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、(ベンジルオキシ)ベンゼン21(92.0mg、0.5mmol)
、Et3SiH(240μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.25mLを65℃で120時間加熱すること
によって行った。望ましい生成物22(68.4mg、収率46%)は、シリカゲルフラッシュクロ
マトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製後に無色油状物として取得された。Rf=0.3(
100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.46-7.37(m、4H)、7.38-7.28(m、4H)、7.30
-7.20(m、2H)、5.80(s、1H)、0.92(t、J=7.9Hz、9H)、0.66-0.55(m、6H);13C NMR(126MH
z、CDCl3)δ145.3、128.1、128.1、126.9、126.9、126.4、126.3、6.7、4.9;IR(Neat Fi
lm、NaCl)3063、3026、2954、2875、1598、1492、1454、1413、1302、1239、1188、1090
、1065、1006、974、833、740、700cm-1;HRMS(EI+)C19H25OSi[(M+H)-H2]+について計算
:297.1675、知見297.1668。
【0197】
芳香族アミンもまたシリル化を受け入れる。以下の場合、GC-MSは、以下のスキ-ムが提
供された条件下で操作可能であることを確認した。
【化29】
より一層低い温度では、この反応は生成物の混合物を提供すると考えられ、単一の生成
物を同定することはできなかった。環外アミンに対してオルトをシリル化するための見か
けの通常の傾向は、二つのメチル基に関係がある立体的なバルクによって抑制されること
は、確認されていないが、可能である。
【0198】
例6.5:ジベンゾフランの高温でのシリル化
【0199】
実験は、他に指示がない限り、基本手順を用いて行った。収率は±2%以内で再現可能
であった。ここで注目すべきは、これらの高温でさえ基質に対する低レベルの塩基、特に
基質に対する準化学量論量(substoichiometric amount)の塩基が、開裂生成物と比較し
てシリル化生成物の最高収率をもたらしたことである。
【表4-1】
【表4-2】
【0200】
例6.6:高温でのアリ-ルアルキルエ-テルのシリル化
【0201】
高温でのアリ-ルアルキルエ-テルのシリル化は、sp
2対sp
3のC-O結合の開裂選択性を調
べるためにジアリ-ルエ-テルに適用される条件下で行った。これらの実験の高められた温
度にて、2-メトキシナフタレンの反応は、中程度の収率で主要な生成物として2-ナフト-
ルを与えた(スキ-ム1)。粗反応混合物のGC-MS分析は、2-メチルナフタレンおよびさら
に還元された種とともに微量のナフタレンの存在を示し、部分的芳香族還元の生成物が含
まれる。おそらく2-ナフト-ルシリル化に由来する化合物も検出された。同様に、2-エト
キシナフタレンを同じ条件下で開裂させると、2-ナフト-ルがわずかに高い収率で得られ
たが、同じか、または類似の副生成物が伴われる。C-O結合開裂の汎用性および可能なメ
カニズムを調べるために、立体的により一層嵩高いエ-テルを研究した。エ-テル酸素に隣
接する大きなアルキル置換基にもかかわらず、2-ネオペンチルオキシナフタレンの反応は
、より一層嵩張っていない基質とほぼ同じ収率で2-ナフト-ルを提供した。2-tert-ブチル
オキシナフタレンでさえも開裂して、期待されるナフト-ルを収率55%で与えた(スキ-ム
1)。トリエチルシランを用いずに同一条件で行ったコントロ-ル実験は、2-エトキシ-お
よび2-tert-ブチルオキシナフタレンの場合に2-ナフト-ルを提供したが、収率は実質的に
低下した。そのようなシランフリ-開裂において2-メトキシ-および2-ネオペンチルオキシ
基質は無傷のままであるので、b排除機構が適切に作用する可能性が高い。標準条件下に4
-tert-ブチルおよび4-メチルアニソ-ルを還元しようとすると、対応するフェノ-ルの収率
は高く、それは恐らくは立体的理由から置換フェニル環のシリル化がより一層困難なため
である(スキ-ム2)。
【化30】
【0202】
全体として、アルキルC-O結合切断についての選択性は、アリ-ルC-O還元が起こるNiお
よびボラン触媒C-O開裂反応において観察されるものとは対照的である。これらの条件下
では、痕跡量のナフタレン環水素化生成物しか観察されず、それは文献に報告されている
シランベ-スのイオン性水素化の結果とは対照的であることも注目に値する。
【0203】
メトキシ置換ジアリ-ルエ-テル8および11(スキ-ム2)の開裂を上記の結果と比較する
ことは有益であった。アリ-ルアルキルエ-テルは、アリ-ル酸素結合に対してアルキル酸
素の還元について強い好みを示すが、スキ-ム2の双方のメトキシ基質は位置選択性の逆転
を示し、ほぼ専らアリ-ル酸素結合破裂生成物がもたらされる。この理論の正確さに拘束
される意図はないが、この効果は、破裂を受けるC-O結合に対してオルトのドナ-酸素原子
の存在に起因すると考えられる。この推論を支持することは、主に10に至るジベンゾフラ
ン誘導体8の還元的開環の高い選択性である。同様に、フェノ-ルおよびアニソ-ルの好ま
しい形成は、リグニンモデル11の開裂におけるフェノ-ル12および13に対する同様の選択
性と共に観察される。そのような効果は、破壊されているC-O結合の求電子活性化中に正
電荷蓄積の酸素原子共鳴安定化によって合理化することができると推測しうる。この仮説
を試験するために、化合物3を反応条件に供し、および脱シリル化生成物1および2と共に
開環フェノ-ル5および6を分離した(スキ-ム2、挿入
図C)。共鳴安定化がない場合、開裂
の選択性は異性体5の方が逆になった。1および2の形成が示すように、シリル化反応はこ
のようにして典型的な反応条件下に可逆的であることは注目すべきである。困難な4-O-5
リグニンモデル8および11の可能性を示した後、この方法を六つのC
ar-O結合を含むオリゴ
マ-エ-テル14により試験した(スキ-ム2、挿入D)。注目すべきことに、メシチレンにお
ける165℃で、14の定量的変換が達成され、およびフェノ-ル、ベンゼン、レゾルシノ-ル
および他の未確認の生成物にアリ-ル酸素結合当り0.5当量のシランだけが与えられた。
【0204】
スキ-ム2において、化合物1ないし7は、例6.5に記載の対応する化合物を指す。
【0205】
【0206】
【0207】
例6.7:周囲温度または周囲付近温度でのアリ-ルアルキルエ-テルおよびチオエ-テルの
シリル化
【0208】
例6.7.1:トリエチル(2-メトキシフェニル)シラン
【化33】
【0209】
反応は、基本手順に従い、アニソ-ル(54mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(11mg、0.1mm
ol、0.2当量)およびEt3SiH(239μl、1.5mmol、3当量)を1mLのテトラヒドロフランにお
いて65℃で65時間加熱することによって行った。水性ワ-クアップ後、粗製の反応混合物
をヘキサン(アイソクラティック、isochratic)を用いるシリカクロマトグラフィ-によ
り精製し、59mg(54%)の表題化合物を無色油状物として取得した。1H NMR(500MHz、THF
-d8)δ7.40-7.17(m、2H)、7.01-6.81(m、2H)、3.77(s、3H)、1.02-0.85(m、9H)、0.87-0.
74(m、6H)。13C NMR(126MHz、THF-d8)δ164.58、135.52、130.42、123.92、120.08、109.
23、54.09、6.93、3.22。
【0210】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、アニソ-ル(54.0m
g、0.5mmol、1当量)、およびEt3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)を、85℃で72時間溶媒
を添加することなく加熱することにより行った。オルソ:(メタ+パラ)>20:1。望ましい
生成物17aのGC収率は65%である。分析的に純粋な生成物(47.7mg、収率43%)を、真空
下(60ミリト-ル、23℃)で出発物質および揮発性物質の蒸発後に無色油状物として取得
した。注:化合物17aは揮発性であり、および真空下で取り出すことができる。Rf=0.3(ヘ
キサン中10%Et2O)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.41-7.30(m、2H)、6.97(m、1H)、6.87-6.8
1(m、1H)、3.80(s、3H)、1.05-0.90(m、9H)、0.91-0.77(m、6H)。
【0211】
例6.7.2:トリエチル(3-メトキシナフタレン-2-イル)シラン
【化34】
【0212】
本反応は、基本手順に従い、2-メトキシナフタレン(79mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu
(19.6mg、0.18mmol、0.35当量)およびEt3SiH(319μl、2.0mmol、4当量)を、テトラヒ
ドロフラン1mLにおいて65℃で48時間加熱することによって行った。水性ワ-クアップの後
、粗反応混合物をヘキサン(アイソクラティク、等放性)で溶出するシリカでのクロマト
グラフィ-によって精製して、79mg(58%)の表題化合物を無色油状物として取得した。1
H NMR(500MHz、THF-d8)δ7.84(s、1H)、7.78-7.73(d、1H)、7.73-7.68(d、1H)、7.38(ddd
、J=8.2、6.8、1.3Hz、1H)、7.27(ddd、J=8.1、6.8、1.2Hz、1H)、7.15(s、1H)、3.90(s
、3H)、1.01-0.90(m、9H)、0.68-0.53(m、6H)。13C NMR(126MHz、THF-d8)δ163.03、137.
88、136.83、130.10、128.58、128.09、127.29、127.21、124.03、104.57、55.25、8.02
、7.48。HRMS:[C17H24OSi]計算値272.1608、測定値272.1596。2-メトキシナフタレンおよ
びその反応生成物のHSQCスペクトルは、以前に米国特許第9000167号明細書に報告されて
いる。
【0213】
興味深いことに、1-メトキシナフタレンで開始する反応はシリル化生成物をもたらさな
かった。
【化35】
本反応は、基本手順に従い、1-メトキシナフタレン(79mg、0.5ミリモル、1当量)、KO
t-Bu(11.2mg、0.1ミリモル、0.1当量)およびEt
3SiH(240マイクロリットル、1.5ミリモ
ル、3当量)を1mLのテトラヒドロフランにおいて65℃で65時間加熱することによって行っ
た。反応物をジエチルエ-テル(1mL)で希釈し、水(0.5mL)でクエンチし、および有機
相をGC-MS、GC-FIDおよび1H NMR分析によって分析した。GC-MSおよびGC-FID(トリデカン
標準)による分析は、アリ-ルC-O開裂生成物ナフタレンおよびアルキルC-O結合開裂生成
物ナフト-ルの生成をそれぞれ13%および8%の収率で、特にシリル化種を完全に除外する
ことを明らかにした。
【0214】
例6.7.3ジフェニルエ-テルのシリル化
【化36】
本反応は、基本手順に従い、フェニルエ-テル(85mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(11m
g、0.10mmol、0.2当量)およびEt
2SiH
2(194μl、1.5mmol、3当量)を、テトラヒドロフ
ラン1mLにおいて65℃で65時間加熱することによって行った。水性ワ-クアップの後、粗反
応混合物を、ヘキサン:トリエチルアミンの80:2混合物を用いるシリカでのクロマトグ
ラフィ-によって精製して、68mg(20%)の表題化合物を無色油状固体として取得した。
1
H NMR(500MHz、THF-d
8)δ7.64-7.57(m、2H)、7.55(dd、J=7.3、1.8Hz、1H)、7.41(ddd、J
=8.3、7.2、1.8Hz、1H)、7.15(dd、J=8.3、1.0Hz、1H)、7.14-7.09(m、2H)、4.34(Si-H)(
p-様、J=1.2Hz、1H)、1.06-0.95(m、12H)、0.92-0.82(m、8H)。
13C NMR(126MHz、THF-d
8)
δ166.04、161.43、139.74、137.00、135.55、135.05、132.12、130.19、128.79、123.56
、123.37、118.41、9.06、7.93、6.70、4.83。HRMS:[C
20H
27OSi
2]計算値339.1601、測定
値339.1607。
【0215】
反応混合物の第二の画分は環化誘導体の34mg(39%)を産生した。1H NMR(500MHz、THF
-d8)δ7.57-7.50(m、2H)、7.40(ddd、J=8.3、7.2、1.8Hz、2H)、7.15(dd、J=8.6、0.7Hz
、2H)、7.11(td、J=7.2、1.0Hz、2H)、0.99-0.95(m、4H)、0.92-0.86(m、6H)。13C NMR(1
26MHz、THF-d8)δ161.54、134.96、132.07、123.41、118.80、117.39、7.95、6.72。HRMS
:[C16H19OSi]計算値255.1205、測定値255.1206。これらの反応生成物のHSQCスペクトルは
、以前に米国特許第9000167号明細書に報告されている。
【0216】
第三の画分が取得され、低収率(約7%)の生成物が含有され、その分光特性が上記に
示すモノシリル化生成物の構造と一致するように考えられる。
【0217】
第二の組の実験では、溶媒としてオキシジベンゼンを使用するとき、反応はより一層き
れいにモノシリル化誘導体であるトリエチル(2-フェノキシフェニル)シラン17bを生産
した。
【化37】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、オキシジベンゼン
(85.0mg、0.5mmol)、およびEt
3SiH(240μL、1.5mmol、3当量)を溶媒なしで85℃にて1
20時間加熱することによって行った。望ましい生成物17b(84.5mg、収率55%)は、シリ
カゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製後に無色油状物として
取得された。Rf=0.4(100%ヘキサン)。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ7.52-7.46(m、1H)
、7.38-7.25(m、3H)、7.10(t、J=7.4Hz、2H)、7.00(d、J=7.9Hz、2H)、6.81(d、J
=8.1Hz、1H)、0.97(t、J=7.9Hz、9H)、0.85(q、J=7.9Hz、6H)。
【0218】
例6.7.4:1,4-ジメトキシベンゼンのシリル化:
【化38】
【0219】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、1,4-ジメトキシベ
ンゼン(69.1mg、0.5mmol)、およびEt3SiH(240μL、1.5mmol、3当量)を、0.5mLのTHF
において65℃で72時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラ
フィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物17c(53.1mg、収率42%)およ
びビスシリル化副産物SI-17c(16.1mg、8%収率)を取得した。
【0220】
(2,5-ジメトキシフェニル)トリエチルシラン17c:無色油状物、Rf=0.5(100%ヘキサ
ン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ6.93(d、J=3.1Hz、1H)、6.85(dd、J=8.8、3.1Hz、1H)、6
.76(d、J=8.8Hz、1H)、3.80(s、3H)、3.74(s、3H)、0.99-0.91(m、9H)、0.85-0.74(m、6H
);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ158.8、153.3、126.7、122.2、122.3、114.1、55.7、55.5、
7.6、3.7;IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2873、1580、1478、1463、1398、1272、1220、
1177、1050、1026、872、800、769、732cm-1;HRMS(EI+)C14H24O2Si[M+]について算出:252
.1546、知見252.1540。
【0221】
(2,5-ジメトキシ-1,4-フェニレン)ビス(トリエチルシラン)SI-17c:白色固体、Rf=0.8(
100%ヘキサン);
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ6.81(s、2H)、3.75(s、6H)、0.95(td、J=7.9、
0.9Hz、9H)、0.85-0.77(m、6H);
13CNMR(126MHz、CDCl
3)δ158.5、127.1、116.9、55.6、7
.7、3.8;IR(ニ-トフィルム、NaCl)2948、2870、1459、1418、1345、1262、1203、1107、
1045、999、868、727、700cm
-1;HRMS(EI+)C
20H
38Si
2O
2[M+]について算出:366.2410、知
見366.2415。
【化39】
【0222】
トリエチル(2-メトキシ-5-メチルフェニル)シラン20:本反応は、基本手順に従い、K
Ot-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、1-メトキシ-4-メチルベンゼン19(61.0mg、0.5mmo
l)、およびEt3SiH(240μL、1.5mmol、3当量)を、85℃で120時間加熱することによって
行った。望ましい生成物20(38.5mg、収率32%)は、シリカゲルフラッシュクロマトグラ
フィ-(100%ヘキサン)による精製後に無色油状物として取得された。Rf=0.4(100%ヘ
キサン)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.17-7.08(m、2H)、6.74(dt、J=8.7、1.3Hz、1
H)、3.76(s、3H)、2.30(s、3H)、0.97-0.92(m、9H)、0.85-0.79(m、6H);13C N
MR(126MHz、CDCl3)δ162.7、136.7、130.9、129.2、125.0、109.5、55.2、20.8、7.8、
3.7;IR(ニ-トフィルム、NaCl)2951、2883、1595、1480、1464、1385、1238、1175、11
47、1081、1034、1004、876、806、708cm-1;HRMS(EI+)C14H24OSi[M+・]について算出
:236.1596、知見236.1598。
【0223】
例6.7.5:トリエチル((フェニルチオ)メチル)シラン
【化40】
【0224】
本反応は、基本手順に従い、チオアニソ-ル(62mg、0.5ミリモル、1当量)、KOt-Bu(1
1mg、0.1ミリモル、0.2当量)およびEt3SiH(239マイクロリットル、1.5ミリモル、3当量
)を1mLのテトラヒドロフラン中にて65℃で65時間加熱することにより行った。水性ワ-ク
アップの後、粗反応混合物はヘキサン(アイソクラティック)を用いるシリカ上でのクロ
マトグラフィ-によって精製し、81mg(68%)の表題化合物を無色油状物として取得した
。1H NMR(500MHz、THF-d8)δ7.31-7.26(m、2H)、7.25-7.19(m、2H)、7.11-7.01(m
、1H)、1.03(t、J=7.9Hz、9H)、0.78-0.60(m、6H)。13C NMR(126MHz、THF-d8)δ1
40.73、128.31、125.69、124.19、13.01、6.62、3.06。HRMS:[C13H21SSi]計算値は237.1
140、測定値は237.1133であった。チオアニソ-ルおよびその反応生成物のHSQCスペクトル
は、以前に米国特許第9000167号明細書に報告されている。
【0225】
例6.8:C-NおよびC-Sヘテロアリ-ル化合物の高温での実験
【0226】
C-NおよびC-Sヘテロアリ-ル化合物を用いた実験も行った。C-N結合を含む化合物の場合
、反応性はC-O結合に対して見られるものと類似していると考えられ、後者に使用される
広範囲の方法が前者において同様の反応性をもたらすことが合理的に予想される:
【化41】
【0227】
CS化合物を含む化合物の場合、本方法は、少なくともこれらの実験の積極的条件下で、
概して分子の完全脱硫をもたらすと考えられ、これらのタイプの基質のより一層高い反応
性が反映される(なお、例6.9.34ないし38との比較)。この反応性の差は、C-O、C-N、お
よびC-S結合間の結合エネルギ-での差を反映しうる〔フェノ-ル(111)、アニリン(104
)、およびチオフェノ-ル(85、すべてkcal/mol)でのC-X結合解離エネルギ-を比較する
)。比較的穏やかな条件下で妨害されるジベンゾチオフェンでの脱硫がさらに特に興味深
い。これらの変換のいずれでも、単一のC-S生成物が検出されなかった:
【化42】
【0228】
例6.9:周囲または周囲付近温度でのヘテロアリ-ル化合物を用いた実験
【0229】
いくつかのより一層反応性の高いヘテロアリ-ル化合物の位置選択性を試験するために
、周囲温度または周囲付近温度(65℃またはそれよりも低い)で一連の実験を行った。試
験条件および結果を以下に示す。すべての反応についての収率は、分離〔シリカゲルでの
クロマトグラフィ-、または球対球蒸留(bul-to-bulb distillation)〕または定量のた
めの内部標準を使用するGC-FIDまたはNMR分析のいずれかである。いくつかの場合、C-3シ
リル化ヘテロアリ-ルがシリカゲル上でのプロトデシル化をされ易いことが分かった。こ
れらの場合、球対球蒸留を使用し、または代わりに、約(ca.)3%トリエチルアミンを溶
離液に添加するか、または双方の方法を組み合わせるシリカゲルクロマトグラフィ-であ
る。生成物は、1H、13C NMR、および異核単一量子コヒ-レンス(Heteronuclear Single Q
uantum Coherence、HSQC)分光法、またはGC-MS、または双方の組合せによって示される
ように識別され、可能であれば基準試料との比較が用いられた。
【0230】
例6.9.1:1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2a
【化43】
【0231】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチルインド-
ル1a(65.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)を、45℃にて
96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。望ましい生成物2a(95.6mg
、78%収率)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中2→3
%CH2Cl2)による精製後、無色油状物として取得した。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.70(dt
、J=7.9、1.1Hz、1H)、7.40(dq、J=8.3、1.0Hz、1H)、7.30(ddd、J=8.3、7.0、1.3Hz、1H
)、7.16(ddd、J=7.9、6.9、1.0Hz、1H)、6.81(d、J=1.1Hz、1H)、3.90(s、3H)、1.13-1.0
5(m、9H)、1.03-0.95(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.4、138.3、128.7、122.0、
120.7、119.1、113.1、109.1、33.1、7.7、4.2。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2909
、2874、1492、1464、1415、1372、1356、1299、1233、1166、1101、1069、1007、973、7
97cm-1;HRMS(ESI+)C15H24NSi[M+H]+について算出:246.1673、知見246.1674。
【0232】
この物質もまた以下のようにして規模を拡大して作成された。撹拌棒を備え、およびゴ
ムの隔壁で栓をした500mLオ-ブン乾燥シュレンク(Schlenk)フラスコを排気し、および
アルゴンを一回補充した。KOt-Bu(18.8グラム、167.9ミリモル、20モル%)をベンチ上
で秤量し、および強いアルゴン流下でフラスコに添加した。次いで、充填したフラスコを
排気し、およびアルゴンで再充填した。あらかじめ脱気した1-メチルインド-ル〔95%純
度、AKSci(AKサイエンティフィック社)、蒸留していない、黄色油状物;95.1mL、762.4
mmol、1.0当量〕およびEt3SiH(182.6mL、1142mmol、1.5当量)を注射器で隔壁を通して
加えた。次いで、混合物を-78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン)、およびアルゴンで
三サイクル排気/再充填した。冷却浴を除去し、およびアルゴンの陽圧下でフラスコを室
温に温めた。次いで、フラスコを45℃に設定した加熱マントルに移し、72時間撹拌した。
得られた濃赤紫色溶液を伴うフラスコを加熱から除き、および室温に冷却し、無水Et2O(
50mL)で希釈し、およびろ過して固形残留物を除去した。溶媒を真空中で除去した後、撹
拌棒を入れ、透明な深い琥珀色の溶液を高真空下(100ミリトル)で数時間撹拌して、残
留揮発性物質を取り出した。次いで、混合物を真空下で蒸留に供した。望ましい生成物2a
を淡黄色油状物として取得した(141.88g、収率76%)。
【0233】
例6.9.2:1-メチル-3-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル
【化44】
【0234】
本反応は、基本手順に従い、N-メチルインド-ル(66mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(5
6mg、0.5mmol、1当量)およびEt3SiH(88マイクロリッタ-、0.55mmol、1.1当量)を、テ
トラヒドロフラン1mLにおいて、23℃にて312時間加熱した。水性ワ-クアップの後、粗反
応混合物を95:5ヘキサン:NEt3(アイソクラティック)で溶離するシリカでのクロマト
グラフィ-によって精製し、103mg(84%)の表題化合物を無色の油状物として取得した。
1H NMR(500MHz、THF-d8)δ7.63(dt、J=7.9、1.0Hz、1H)、7.32(dt、J=8.2、0.9Hz、
1H)、7.15(s、1H)、7.12(ddd、1H)、7.01(ddd、J=8.0、7.0、1.1Hz、1H)、3.78(
s、3H)、1.06-0.95(m、9H)、0.95-0.83(m、6H)。13C NMR(126MHz、THF-d8)δ138.
63、135.94、133.37、121.44、120.88、118.79、108.96、104.39、31.61、7.04、4.11。
この反応生成物のHSQCスペクトルは、以前に米国特許第9000167号明細書に報告されてい
る。
【0235】
例6.9.3:1-メチル-3-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2b
【化45】
【0236】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジルインド
-ル1b(103.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5 mmol、3当量)当量)および0
.5mLのTHFを45℃で40時間加熱して行った。C2:C3>20:1である。シリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィ-(ヘキサン中10%CH2Cl2)によって精製した後、望ましい生成物2b(1
32.2mg、収率82%)を無色油状物として取得した。Rf=0.3(ヘキサン中10%CH2Cl2)。1H
NMR(500MHz、CDCl3)δ7.81-7.77(m、1H)、7.38-7.29(m、3H)、7.26-7.19(m、3H
)、7.02(ddd、J=6.9、2.2、1.0Hz、2H)、6.97(s、1H)、5.59(s、2H)、1.08-1.04
(m、9H)、0.94-0.89(m、6H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.2、138.5、138.3、12
9.1、128.7、127.3、125.9、122.3、120.7、119.5、114.1、110.2、50.2、7.5、4.0。IR
(ニ-トフィルム、NaCl)3060、3029、2954、2909、2875、1606、1495、1466、1452、141
6、1377、1353、1333、1300、1238、1196、1164、1115、1096、1014、798、734cm-1;C21
H28NSi[M+H]+について算出したHRMS(ESI+):322.1986、知見322.1985。
【0237】
本反応は、基本手順に従い、1-ベンジルインド-ル(62mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu
(11mg、0.1mmol、0.2当量)およびそしてEt3SiH(239マイクロリッタ-、1.5mmol、3当量
)を、テトラヒドロフラン1mLにおいて、23℃にて48時間加熱することによって行った。
水性ワ-クアップの後、粗反応混合物をヘキサン(アイソクラティック)を用いるシリカ
でのクロマトグラフィ-によって精製して、表題化合物50mg(31%)を無色油状固体とし
て取得した。1H NMR(500MHz、THF-d8)δ7.56(ddd、J=7.7、1.3、0.7Hz、1H)、7.25-7
.07(m、4H)、7.02(ddd、J=8.2、6.9、1.3Hz、1H)、6.98(ddd、J=7.9、6.9、1.1Hz、
1H)、6.92-6.86(m、2H)、6.80(d、J=0.9Hz、1H)、5.52(s、2H)、1.06-0.88(m、9
H)、0.85-0.69(m、6H)。
【0238】
例6.9.4:1-エチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2c:
【化46】
【0239】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-エチルインド-
ル1c(72.5mg、0.5mmol、1当量)、およびEt3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)を60℃で84
時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。望ましい生成物2c(92.4mg、
収率71%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中5%CH2Cl2)による
精製の後、無色の油状物として取得した。Rf=0.4(ヘキサン中10%CH2Cl2)。1H NMR(50
0MHz、CDCl3)δ7.67(dt、J=7.9、0.9Hz、1H)、7.40(dt、J=8.2、0.9Hz、1H)、7.25
(ddd、J=8.2、7.0、1.2Hz、1H)、7.13(ddd、J=7.9、7.0、1.0Hz、1H)、6.75(d、J=1
.0Hz、1H)、4.31(q、J=7.2Hz、2H)、1.46(t、J=7.2Hz、3H)、1.08-1.04(m、9H)、
0.99-0.92(m、6H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ139.0、137.4、129.1、121.7、120.7
、119.0、113.0、109.4、41.5、15.5、7.5、4.0。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2909
、2874、1491、1466、1416、1378、1347、1335、1234、1218、1165、1090、1069、1012、
956、900、820、778、773、750、733cm-1;C16H26NSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM
:ESI-APCI+):260.1829、知見260.1829。
【0240】
例6.9.5:1-フェニル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2d:
【化47】
【0241】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(7.4mg、0.07mmol、20mol%)、N-フェニルインド
-ル1d(63.2mg、0.33mmol、1当量)、およびEt3SiH(160μL、 1.0mmol、3当量)を、60
℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲルフラッシ
ュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%CH2Cl2)による精製の後、望ましい生成物2d(45.6
mg、45%収率)を白色固体として取得した。Rf=0.5(ヘキサン中の10%CH2Cl2)。1H NMR
(500MHz、CDCl3)δ7.74-7.67(m、1H)、7.58-7.47(m、3H)、7.44-7.36(m、2H)、7
.21-7.12(m、2H)、7.12-7.05(m、1H)、6.93(d、J=0.9Hz、1H)、0.92(t、J=7.9Hz
、9H)、0.68-0.55(m、6H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ141.6、140.8、139.1、129.2
、128.8、128.7、128.3、122.4、120.5、119.8、114.9、110.5、7.5、4.0。IR(ニ-トフ
ィルム、NaCl)3058、2952、2909、2873、1597、1498、1465、1428、1362、1297、1237、
1214、1122、1071、1012、976、922、820、793、736cm-1;C20H26NS1[M+H]+について算出
されるHRMS(MM:ESI-APCI+):308.1829、知見308.1824。
【0242】
例6.9.6:1-(メトキシメチル)-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2e:
【化48】
【0243】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メトキシメチル
インド-ル1e(80.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)を、6
0℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3=10:1。望ましい生成物2e(75.1mg
、収率55%)をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%EtOAc)による
精製後に無色油状物として取得した。Rf=0.3(ヘキサン中5%EtOAc)。1H NMR(500MHz、
CDCl3)δ7.67(dt、J=7.8、1.0Hz、1H)、7.53(dq、J=8.3、0.9Hz、1H)、7.28(ddd、
J=8.3、7.0、1.2Hz、1H)、7.17(ddd、J=7.9、7.0、1.0Hz、1H)、6.86(d、J=0.9Hz、1
H)、5.55(s、2H)、3.30(s、3H)、1.10-1.01(m、9H)、1.01-0.92(m、6H);13C NM
R(125MHz、CDCl3)δ140.7、138.3、129.2、122.6、120.8、120.0、115.6、109.8、76.8
、55.6、7.5、4.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2908、2874、1495、1466、1416、1
393、1344、1311、1293、1344、1311、1299、1224、1166、1126、1104、1091、1045、100
4、961、913、797、762、735cm-1;C16H26NOSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-
APCI+):276.1778、知見276.1769。
【0244】
例6.9.7:2-(トリエチルシリル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イン
ド-ル2f:
【化49】
【0245】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-(2-トリメチル
シリル-エトキシメチル)-1H-インド-ル1f(123.5mg、0.5mmol、 1当量)およびEt3SiH(2
43μL、1.5mmol、3当量)を60℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1
である。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中15%CH2Cl2)による精製
の後、望ましい生成物2f(121.4mg、収率67%)を無色油状物として取得した。Rf=0.2(
ヘキサン中の10%CH2Cl2)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.62(dt、J=7.8、1.0Hz、1H)
、7.50(dq、J=8.3、0.9Hz、1H)、7.24(ddd、J=8.3、7.0、1.2Hz、1H)、7.12(ddd、J
=7.9、7.0、0.9Hz、1H)、6.80(d、J=0.9Hz、1H)、5.54(s、2H)、3.54-3.48(m、2H
)、1.04-0.98(m、9H)、0.96-0.90(m、8H)、-0.02(s、9H);13C NMR(125MHz、CDC
l3)δ140.5、138.1、129.1、122.4、120.7、119.9、115.3、109.8、75.2、65.6、18.1、
7.6、4.0、-1.3。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2875、1495、1466、1443、1417、137
8、1343、1312、1299、1249、1167、1081、1003、972、939、894、859、836、796、760、
749、734cm-1;C20H36NOSi2[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):362.2330
、知見362.2340。
【0246】
例6.9.8:4-メチル-N-メチルインド-ルのEt
3SiHとの反応:
【化50】
【0247】
本反応は基本手順に従って行われた。条件Aについて:本反応は、KOt-Bu(11.2mg、0.1
mmol、20mol%)、4-メチル-N-メチルインド-ル1g(72.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH
(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5mLと共に、25℃にて120時間実行した。C2
:C3>20:1である。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中2
→3%CH2Cl2)による精製の後、望ましいモノシリル化生成物2g(61.8mg、48%収率)お
よびビスシリル化16(9.7mg、5%収率)を取得した。条件Bについて:本反応は、KOt-Bu
(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、4-メチル-N-メチルインド-ル1g(72.5mg、0.5mmol、1当
量)およびEt3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)と共に45℃にて84時間実行した。C2:C3>
20:1である。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%CH2Cl2)による
精製の後、モノシリル化生成物2g(89.7mg、69%収率)だけが形成され、および取得され
た。
【0248】
1,4-ジメチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2g:無色油状物;Rf=0.4(ヘキサ
ン中10%CH2Cl2)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.23-7.14(m、2H)、6.91(dt、J=6.7、
1.0Hz、1H)、6.75(d、J=0.9Hz、1H)、3.85(s、3H)、2.60(s、3H)、1.07-1.00(m
、9H)、0.98-0.92(m、6H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.2、137.6、130.2、128.6
、122.2、119.4、111.5、106.8、33.2、18.8、7.7、4.3。IR(ニ-トフィルム、NaCl)295
3、2910、2874、1586、1502、1454、1415、1366、1323、1280、1238、1160、1140、1077
、1004、953、765、752、735cm-1;C16H26NSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-A
PCI+):260.1829、知見260.1823。
【0249】
1-メチル-2-(トリエチルシリル)-4-((トリエチルシリル)メチル)-1H-インド-ル1
6:無色油状物。Rf=0.4(ヘキサン中10%CH2Cl2)。1H NMR(500MHz、C6D6)δ7.28(dd
、J=8.2、7.1Hz、1H)、6.98(d、J=8.3Hz、1H)、6.97-6.94(m、2H)、3.31(s、3H)
、2.50(s、2H)、1.01(t、J=7.8Hz、9H)、0.95(t、J=7.9Hz、9H)、0.83(q、J=7.8H
z、6H)、0.58(q、J=7.9Hz、6H)。13C NMR(125MHz、C6D6)δ141.1、136.0、133.3、1
22.8、118.9、113.0、105.8、32.9、19.2、7.7、4.5、4.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2
952、2909、2874、1579、1498、1454、1443、1414、1359、1322、1285、1237、1151、107
0、1008、980、774、734cm-1;C22H39NSi2[M・+]について算出されるHRMS(EI+):373.2
621、知見373.2624。
【0250】
例6.9.9:1,5-ジメチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2h:
【化51】
【0251】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、5-メチル-N-メチ
ルインド-ル1h(72.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およ
びTHFの0.5mLを25℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シ
リカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中10%CH2Cl2)による精製の後、望ま
しい生成物2h(88.7mg、収率68%)を無色の油状物として取得した。Rf=0.3(ヘキサン中
10%CH2Cl2)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.39(s、1H)、7.25-7.19(m、1H)、7.05(
dd、J=8.4、1.6Hz、1H)、6.63(d、J=0.8Hz、1H)、3.81(s、3H)、2.45(s、3H)、1.
03-0.97(m、9H)、0.93-0.86(m、6H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ138.8、138.3、12
8.9、128.3、123.6、120.2、112.4、108.8、33.1、21.5、7.7、4.1。IR(ニ-トフィルム
、NaCl)2952、2909、2873、1505、1456、1358、1321、1236、1181、1104、1069、1003、
833、788、736cm-1;C16H26NSi[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):260.1826、知見
260.1827。
【0252】
例6.9.10:5-メチル-N-メチルインド-ルのEt
3SiHとの反応:
【化52】
【0253】
本反応は基本手順に従って行われた。条件Aについて:本反応は、KOt-Bu(11.2mg、0.1
mmol、20mol%)、6-メチル-N-メチルインド-ル1i(72.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH
(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5mLと共に、25℃にて120時間実行した。C2
:C3>20:1である。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中2
→3%CH2Cl2)による精製後、望ましいモノシリル化生成物2i(69.5mg、54%収率)およ
びビスシリル化SI-2i(5.2mg、3%収率)を取得した。条件Bについて:本反応は、KOt-Bu
(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、6-メチル-N-メチルインド-ル1i(72.5mg、0.5mmol、1当
量)およびEt3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)と共に45℃にて84時間実行した。C2:C3>
20:1である。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%CH2Cl2)による
精製の後、モノシリル化生成物2i(108.1mg、収率83%)だけが形成され、および取得さ
れた。
【0254】
1,6-ジメチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2i:無色油状物;Rf=0.4(ヘキサ
ン中10%CH2Cl2);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.55(d、J=8.0Hz、1H)、7.18(s、1H)
、6.98(ddd、J=8.0、1.4、0.7Hz、1H)、6.73 (d、J=0.9Hz、1H)、3.85(s、3H)、2.
57(s、3H)、1.08-1.03(m、9H)、0.98-0.92(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ1
40.9、137.6、131.8、126.7、121.0、120.3、113.0、109.1、33.0、22.0、7.6、4.2。IR
(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2910、2874、1617、1480、1451、1413、1376、1360、133
3、1296、1233、1065、1003、941、808、781、736cm-1;C16H26NSi[M+H]+について算出さ
れるHRMS(ESI+):260.1826、知見260.1823。
【0255】
1-メチル-2-(トリエチルシリル)-6-((トリエチルシリル)メチル)-1H-インド-ルSI-2i:
無色油状物;Rf=0.4(ヘキサン中10%CH2Cl2);1H NMR(500MHz、C6D6)δ7.64(dd、J=
7.9、0.8Hz、1H)、6.99-6.93(m、2H)、6.81(d、J=0.9Hz、1H)、3.41(s、3H)、2.3
1(s、2H)、1.02-0.93(m、18H)、0.79(q、J=7.7Hz、6H)、0.58(q、J=7.9Hz、6H)
;13C NMR(125MHz、C6D6)δ141.9、136.3、134.6、126.7、121.2、120.9、114.0、108.
3、32.7、22.4、7.8、7.7、4.5、3.7。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2909、2874、16
15、1568、1479、1463、1414、1361、1336、1319、1299、1234、1195、1157、1090、1065
、1009、948、842、817、787、771、736cm-1;C22H39NS2[M+]について算出されるHRMS(E
I+):373.2621、知見373.2609。
【0256】
例6.9.11:1,7-ジメチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2j:
【化53】
【0257】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、7-メチル-N-メチ
ルインド-ル1j(72.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt3SiH(243μL 、1.5mmol、3当量)を
、45℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲルフラ
ッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%CH2Cl2)による精製の後、望ましい生成物2j(
78.9mg、収率61%)を無色の油状物として取得した。Rf=0.4(ヘキサン中10%CH2Cl2);
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.43(d、J=7.7Hz、1H)、6.94-6.87(m、2H)、6.66(s、1H)、4.11
(s、3H)、2.80(s、3H)、1.03-0.97(m、9H)、0.92-0.85(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)
δ139.2、139.1、129.7、125.0、121.0、119.4、119.0、113.6、36.8、20.6、7.7、4.2。
IR(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2909、2873、1503、1459、1415、1396、1377、1358、134
0、1315、1304、1238、1156、1113、1086、1063、1004、861、798、742cm-1;C16H26NSi[
M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):260.1826、知見260.1828。
【0258】
例6.9.12:N-メチル-5-メトキシインド-ル1kのEt
3SiHとの反応:
【化54】
【0259】
本反応は基本手順に従って行われた。条件Aについて:本反応は、KOt-Bu(11.2mg、0.1
mmol、20mol%)、N-メチル-5-メトキシインド-ル1k(80.7mg、0.5mmol、1当量)、Et3Si
H(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5mLと共に25℃にて120時間実行した。C2:
C3>20:1である。C2-シリル化生成物2k(58.7mg、43%収率)、C6-シリル化生成物15(1
2.5mg、9%収率)およびビスシリル化生成物SI-2k(42.9mg、22%収率)を、シリカゲル
フラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶出、ヘキサン中5→10→25%CH2Cl2)により精製し
た後に取得した。条件Bについて:本反応は、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-
メチル-5-メトキシインド-ル1k(80.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol
、3当量)、およびTHFの0.5mLと共に、25℃にて72時間で実行した。C2:C3>20:1である
。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶出、ヘキサン中5→10→25%CH2Cl2)
による精製後に望ましい生成物2k(87.6mg、収率64%)が得られ、および少量(<5%)の
副生成物が観察された。
【0260】
5-メトキシ-1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2k:白色固体;Rf=0.2(ヘ
キサン中33%CH2Cl2);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.21(s、1H)、7.07(d、J=2.4Hz、1H)、6.
89(dd、J=8.8、2.5Hz、1H)、6.63(d、J=0.8Hz、1H)、3.85(s、3H)、3.81(s、3H)、1.03-0
.96(m、9H)、0.93-0.86(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ154.0、139.0、135.9、128.8
、112.6、112.3、109.8、102.0、56.1、33.2、7.7、4.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2950
、2909、2872、1503、1450、1413、1334、1237、1208、1173、1147、1102、1072、1027、
997、843、801、735、716cm-1;C16H26NOSi[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):276.1
778、知見276.1776。
【0261】
5-メトキシ-1-メチル-2,6-ビス(トリエチルシリル)-1H-インド-ルSI-2k:白色固体、
Rf=0.6(ヘキサン中33%CH2Cl2);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.30(s、1H)、7.01(s、1H)
、6.64(d、J=0.8Hz、1H)、3.85(s、3H)、3.83(s、3H)、1.06-0.97(m、18H)、0.95-0.86(m
、12H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ159.1、138.9、136.1、130.1、120.8、116.3、112.2
、99.7、55.5、33.2、7.9、7.7、4.3、4.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2874、2908
、1608、1556、1475、1454、1407、1363、1337、1236、1205、1172、1144、1123、1072、
1004、971、837cm-1;C22H40NOSi2[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):390.2643、知
見390.2632。
【0262】
5-メトキシ-1-メチル-6-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル15:無色の油状物;Rf=0.
4(ヘキサン中33%CH2Cl2);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.27(s、1H)、7.01(s、1H)、7.00
(d、J=3.0Hz、1H)、6.38(dd、J=3.0、0.8Hz、1H)、3.82(s、3H)、3.78(s、3H)、1.00-0.9
4(m、9H)、0.91-0.83(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ159.2、132.5、130.1、129.3、1
20.2、116.5、100.4、100.3、55.5、33.0、7.9、4.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2950、29
08、2873、1612、1554、1505、1471、1414、1310、1268、1231、1190、1148、1123、1059
、1017、984、831cm-1;C16H26NOSi[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):276.1778、知
見276.1765。
【0263】
例6.9.13:5-(ベンジルオキシ)-1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2l
:
【化55】
【0264】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチル-5-ベン
ジルオキシインド-ル1l(118.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量
)、および0.5mLのTHFを45℃で64時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1であ
る。望ましい生成物2l(119.4mg、収率68%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフ
ィ-(ヘキサン中の25%CH2Cl2)による精製の後、黄色固体として取得した。Rf=0.4(ヘ
キサン中5%EtOAc)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.48(d、J=7.0Hz、2H)、7.41-7.36(
m、2H)、7.35-7.29(m、1H)、7.22(d、J=8.9Hz、1H)、7.14(d、J=2.4Hz、1H)、6.9
7(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、6.62(d、J=0.8Hz、1H)、5.11(s、2H)、3.81(s、3H)
、1.04-0.96(m、9H)、0.96-0.84(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ153.3、139.1
、138.1、136.2、129.0、128.6、127.8、127.6、113.4、112.5、109.8、104.0、71.3、33
.2、7.6、4.2。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2951、2908、2872、1492、1452、1422、1336
、1288、1237、1192、1150、1102、1075、1018、840、812、751、735cm-1;C22H30NOSi[M+
H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):352.2091、知見352.2093。
【0265】
例6.9.14:5-(メトキシメチル)-N-メチルインド-ル1mのEt
3SiHとの反応:
【化56】
【0266】
本反応は、基本手順に従って、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、5-(メトキシメ
チル)-N-メチルインド-ル1m(87.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt3SiH(243μL、1.5mmo
l、3当量)を、45℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シ
リカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中の25→50%CH2Cl2)によ
る精製の後、望ましい生成物2m(69.3mg、48%収率)、副生成物1h(2.5mg、2%収率)お
よび2h(11.3mg、9%)を取得した。
【0267】
5-(メトキシメチル)-1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2m:無色油状
物、Rf=0.4(50%CH2Cl2ヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.59(d、J=0.8Hz、1H)、7.
33(d、J=8.4Hz、1H)、7.25(d、J=8.4Hz、1H)、6.73(d、J=0.8Hz、1H)、4.59(s、2H)、3.8
5(s、3H)、3.38(s、3H)、1.06-0.99(m、9H)、0.96-0.90(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3
)δ140.0、138.9、128.8、128.5、122.6、120.5、113.0、109.1、75.6、57.6、33.2、7.6
、4.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2873、2817、1504、1455、1415、1357、1324、12
97、1236、1188、1153、1137、1094、1069、1004、971、878、840、798、783、726cm-1;
C17H28NOSi[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):290.1935、知見290.1948。
【0268】
例6.9.15:1-メチル-5-フェニル-2-(トリエチルシリル)-1H-インド-ル2n:
【化57】
【0269】
本反応は、基本手順に従って、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、5-フェニル-N-
メチルインド-ル1n(103.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、
および0.5mLのTHFを、45℃にて108時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1であ
る。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中5→10%CH2Cl2)に
よる精製後、望ましい生成物2n(77.8mg、収率48%)を白色固体として取得した。Rf=0.3
(ヘキサン中10%CH2Cl2);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.90(s、1H)、7.72(d、J=7.6H
z、2H)、7.55(d、J=8.5Hz、1H)、7.53-7.47(m、2H)、7.44(d、J=8.5Hz、1H)、7.3
7(t、J=7.4Hz、1H)、6.85(s、1H)、3.91(s、3H)、1.09(t、J=7.8Hz、9H)、1.03-
0.95(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ142.9、140.0、139.3、132.8、129.2、128.
7、127.5、126.3、122.0、119.2、113.5、109.4、33.2、7.6、4.2。IR(ニ-トフィルム、
NaCl)2950、2908、2873、1600、1485、1455、1361、1325、1301、1214、1162、1074、10
04、1086、887、820、807、787、759、733cm-1;C21H28NSi[M+H]+について算出されるHRM
S(MM:ESI-APCI+):322.1986、知見322.1984。
【0270】
例6.9.16:N-メチルインド-ル1aのEt
2SiH
2との反応:
【化58】
【0271】
本反応は、基本手順に従って、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチルインド
-ル1a(65.5mg、0.5mmol、1当量)、Et2SiH2(194μL、1.5mmol、3当量)、および0.5mL
のTHFを、45℃にて72時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲ
ルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中の1→2→5%CH2Cl2)による精製
の後、シリル化生成物2o(73.4mg、収率68%)および副ビスインドリルシラン副生成物SI
-2oを取得した。
【0272】
2-(ジエチルシリル)-1-メチル-1H-インド-ル2o:無色の油状物;Rf=0.4(ヘキサン中
10%のCH2Cl2);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.66(dt、J=7.9、1.0Hz、1H)、7.37(dt、
J=8.3、1.1Hz、1H)、7.28-7.25(m、1H)、7.16-7.09(m、1H)、6.79(d、J=0.9Hz、1H
)、4.50-4.43(m、1H)、3.88(s、3H)、1.14-1.06(m、6H)、1.00-0.93(m、4H);1
3C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.2、136.6、128.6、122.2、120.8、119.3、112.8、109.3
、32.8、8.4、3.7。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2954、2908、2872、2110、1492、1464、1
412、1371、1357、1327、1301、1233、1166、1101、1071、1009、974、987、815、785cm-
1;C13H20NSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):218.1360、知見218.1354。
【0273】
ジエチルビス(1-メチル-1H-インド-ル-2-イル)シランSI-20o:無色油状物;Rf=0.2(
10%CH2Cl2ヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.68(dt、J=7.9、1.0Hz、2H)、7.
31(dt、J=8.3、1.0Hz、2H)、7.25(ddd、J=8.2、6.9、1.2Hz、2H)、7.13(ddd、J=7.9
、6.9、1.1Hz、2H)、6.92(d、J=0.9Hz、2H)、3.57(s、6H)、1.31(q、J=8.4Hz、4H
)、1.07(t、J=7.9Hz、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.7、136.5、128.7、122.5
、120.9、119.4、113.8、109.4、32.7、7.5、4.5。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2955、287
4、1492、1463、1414、1355、1327、1299、1233、1166、1101、1072、1008、799、751cm-
1;C22H27N2Si[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):347.1938、知見347.19
34.
【0274】
例6.9.17:1-ベンジル-2-(ジエチルシリル)-1H-インド-ル2p:
【化59】
【0275】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジルインド
-ル1b(103.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt2SiH2(194μL、1.5mmol、3当量)を、60℃
にて72時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィ-(ヘキサン中5%CH2Cl2)による精製の後、望ましい生成物2p(114.1m
g、78%収率)を無色油状物として取得した。Rf=0.5(25%CH2Cl2ヘキサン中);1H NMR(
500MHz、CDCl3)δ7.75(dt、J=7.7、1.0Hz、1H)、7.36-7.26(m、4H)、7.26-7.15(m
、2H)、7.07-7.01(m、2H)、6.94(d、J=0.9Hz、1H)、5.56(s、2H)、4.44(p、J=3.
3Hz、1H)、1.12-1.03(m、6H)、0.94-0.79(m、4H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140
.1、138.5、136.7、129.0、128.7、127.4、126.1、122.5、120.8、119.6、113.7、110.1
、49.8、8.3、3.6。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2954、2873、2114、1605、1494、1466、1
450、1413、1353、1334、1301、1233、1198、1164、1116、1095、972、815cm-1;C19H24N
Si[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):294.1673、知見294.1668。
【0276】
例6.9.18:2-(ジエチルシリル)-1-フェニル-1H-インド-ル2q:
【化60】
【0277】
本反応は、基本手順に従って、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-フェニルイン
ド-ル1d(96.5mg、0.5mmol、1当量)、Et2SiH2(194μL、1.5mmol、3当量)、および0.5m
LのMeOt-Buを55℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。望ま
しい生成物2q(76.9mg、収率55%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキ
サン中10%CH2Cl2)による精製の後、黄色油状物として取得した。Rf=0.6(10%CH2Cl2ヘ
キサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.76-7.74(m、1H)、7.60-7.55(m、2H)、7.5
3-7.47(m、3H)、7.30-7.17(m、3H)、7.03(d、J=0.9Hz、1H)、4.30(p、J=3.3Hz、1
H)、1.02-0.98(m、6H)、0.79-0.63(m、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ141.1、14
0.3、137.1、129.4、128.8、128.1、128.0、122.8、120.7、120.1、115.1、110.5、8.2、
3.4。IR(ニ-トフィルム、NaCl)3058、2953、2872、2117、1597、1498、1466、1433、14
15、1363、1300、1215、1202、1146、1121、1072、1013、978、921、902、823、759、748
、737cm-1;C18H22NSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):280.1516、知
見280.1515。
【0278】
例6.9.19:2-(ジエチルシリル)-1-(メトキシメチル)-1H-インド-ル2r:
【化61】
【0279】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メトキシメチル
インド-ル1e(80.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt2SiH2(193μL、1.5mmol、3当量)を、
60℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。望ましい生成物2r
(81.0mg、収率66%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%EtOA
c)による精製後に無色の油状物として取得した。Rf=0.3(ヘキサン中5%EtOAc);1H NM
R(500MHz、CDCl3)δ7.67(dt、J=7.9、1.0Hz、1H)、7.54(ddd、J=8.3、2.0、0.9Hz、
1H)、7.29(ddd、J=8.3、7.0、1.2Hz、1H)、7.18(ddd、J=7.9、7.0、1.0Hz、1H)、6.
88(d、J=0.9Hz、1H)、5.60(s、2H)、4.49(p、J=3.3Hz、1H)、3.29(s、3H)、1.14
-1.08(m、6H)、1.03-0.94(m、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.4、136.6、129.
2、122.8、120.9、120.2、115.1、109.9、76.6、55.6、8.3、3.8。IR(ニ-トフィルム、N
aCl)2954、2874、2819、2115、1496、1467、1443、1413、1393、1360、1344、1314、130
0、1282、1226、1190、1166、1127、1102、1091、1047、1009、974、914、896、818、749
、736cm-1;C14H22NOSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):248.1465、知
見248.1459。
【0280】
例6.9.20:2-(ジエチルシリル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-
1H-インド-ル2s:
【化62】
【0281】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-(2-トリメチル
シリル-エトキシメチル)-1H-インド-ル1f(123.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt2SiH2(
194μL、1.5mmol、3当量)を、60℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3>20
:1である。望ましい生成物2s(106.7mg、収率64%)は、シリカゲルフラッシュクロマト
グラフィ-(ヘキサン中14%CH2Cl2)による精製の後に無色油状物として取得された。Rf=
0.2(10%CH2Cl2ヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.65(dt、J=7.9、1.0Hz、1H
)、7.53(dt、J =8.3、0.9Hz、1H)、7.27(ddd、J=8.3、7.0、1.2Hz、1H)、7.15(ddd
、J=7.9、7.0、0.9Hz、1H)、6.84(d、J=0.8Hz、1H)、5.61(s、2H)、4.48(p、J=3.3
Hz、1H)、3.55-3.48(m、2H)、1.14-1.04(m、6H)、1.03-0.88(m、6H)、-0.02(s、
9H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.2、136.5、129.1、122.7、120.8、120.1、114.7
、110.1、75.0、65.6、18.0、8.4、3.7、-1.3。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2874、
2116、1496、1466、1443、1413、1379、1343、1318、1300、1249、1219、1165、1081、10
10、974、922、895、859、835、748、735cm-1;C18H32NOSi2[M+H]+について算出されるHR
MS(MM:ESIAPCI+):334.2017、知見334.2028。
【0282】
例6.9.21:2-(ジエチルシリル)-1,3-ジメチル-1H-インド-ル2t:
【化63】
【0283】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、1,3-ジメチル-1H-
インド-ル1t(72.6mg、0.5mmol、1当量)、Et2SiH2(193μL、1.5mmol、3当量)、および
THFの0.5mLを、65℃にて120時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュク
ロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製後、望ましい生成物2t(84.2mg、収率65%
)を無色油状物として取得した。Rf=0.6(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、C6D6)δ7.
67(d、J=7.9Hz、1H)、7.30(dd、J=8.3、6.9Hz、1H)、7.22(t、J=7.4Hz、1H)、7.10
(d、J=8.2Hz、1H)、4.59(p、J=3.7Hz、1H)、3.31(s、3H)、2.46(s、3H)、0.98(
t、J=7.8Hz、6H)、0.77(qd、J=7.9、3.9Hz、4H);13C NMR(125MHz、C6D6)δ140.6、
131.5、129.8、122.7、122.3、119.4、119.0、109.4、32.4、10.9、8.8、4.7。IR(ニ-ト
フィルム、NaCl)2952、2871、2125、1509、1460、1351、1317、1237、1167、1138、1011
、975、839、803、737cm-1;C14H21NSi[M+]について算出されるHRMS(EI+):231.1443、
知見231.1446。
【0284】
例6.9.22:2-(エチルジメチルシリル)-1-メチル-1H-インド-ル2u:
【化64】
【0285】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチルインド-
ル1a(66.8mg、0.5mmol、1当量)、EtMe2SiH(197μL、1.5mmol、3当量)および0.5mLのM
eOt-Buを、45℃にて120時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%CH2Cl2)による精製後、望ましい生成
物2u(58.5mg、54%収率)を無色油状物として取得した。Rf=0.4(10%CH2Cl2ヘキサン中
);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.67(dt、J=7.8、1.0Hz、1H)、7.37(dd、J=8.3、0.9H
z、1H)、7.28(ddd、J=8.2、6.9、1.1Hz、1H)、7.14(ddd、J=7.9、6.9、1.0Hz、1H)
、6.77(d、J=0.9Hz、1H)、3.89(s、3H)、1.11-1.02(m、3H)、0.95-0.90(m、2H)
、0.43(s、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.3、140.2、128.5、122.1、120.7、11
9.2、112.0、109.1、33.1、7.8、7.6、-2.6。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2954、2908、28
73、1492、1464、1418、1356、1326、1300、1249、1233、1166、1131、1101、1071、1007
、958、897、821cm-1;C13H19NSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):217
.1280;測定値217.1287。
【0286】
この生成物はまた、N-メチルインド-ル1a(62mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(11mg、0
.1mmol、0.2当量)およびEtMe2SiH(198マイクロリットル、1.5mmol、3当量)を、1mLの
テトラヒドロフラン中、23℃にて48時間加熱することによって調製した。水性ワ-クアッ
プ後、粗反応混合物を、ヘキサン(アイソクラティック)を用いるシリカでのクロマトグ
ラフィ-によって精製し、80mg(74%)の表題化合物を無色油状物として取得した。1H NM
R(500MHz、THF-d8)δ7.48(d、J=7.9Hz、1H)、7.31(dd、J=8.4、1.0Hz、1H)、7.10
(ddd、J=8.2、6.9、1.2Hz、1H)、6.95(ddd、J=7.9、6.9、0.9Hz、1H)、6.64(d、J=0
.9Hz、1H)、3.84(s、3H)、1.05-0.95(m、3H)、0.89(d、J=7.9Hz、2H)、0.38(s、
6H)。13C NMR(126MHz、THF-d8)δ140.45、138.94、128.58、121.45、120.10、118.51
、113.53、111.90、108.67、32.17、7.37、6.77、-3.67。
【0287】
例6.9.23:1-ベンジル-2-(エチルジメチルシリル)-1H-インド-ル2v:
【化65】
【0288】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジルインド
-ル1b(102.5mg、0.5mmol、1当量)、EtMe2SiH(197μL、1.5mmol、3当量)およびTHF(0
.5mL)を、45℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中10%CH2Cl2)による精製の後、望ましい
生成物2v(87.9mg、60%収率)を無色油状物として取得した。Rf=0.3(10%CH2Cl2ヘキサ
ン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.75-7.69(m、1H)、7.34-7.23(m、3H)、7.23-7.
11(m、3H)、6.96(ddd、J=6.8、2.2、1.2Hz、2H)、6.88(s、1H)、5.54(s、2H)、1
.00(t、J=7.9Hz、3H)、0.79(q、J=7.8Hz、2H)、0.32(s、6H);13C NMR(125MHz、C
DCl3)δ140.5、140.1、138.4、128.9、128.7、127.3、125.9、122.4、120.8、119.6、11
2.9、110.1、50.1、7.8、7.5、-2.6。IR(ニ-トフィルム、NaCl)3060、3028、2954、291
0、2873、1605、1495、1466、1450、1377、1353、1334、1300、1249、1196、1164、1115
、1096、1014、958、823、780、725cm-1;C19H23NSi[M+H]+ について算出されるHRMS(MM
:ESI-APCI+):算出値293.1600、知見293.1590。
【0289】
第二の実験では、1-ベンジルインド-ル(104mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(17mg、0.
15mmol、0.3当量)およびEtMe2SiH(198マイクロリッタ-、1.5mmol、3当量)を1mLのテト
ラヒドロフラン中25℃にて65時間撹拌する。水性ワ-クアップ後、粗反応混合物を、それ
ぞれヘキサン:ジエチルエ-テル:トリエチルアミンの80:1:4混合物を用いるシリカク
ロマトグラフィ-により精製して、107mg(73%)の表題化合物を無色油状物として取得し
た。1H NMR(500MHz、THF-d8)δ7.55(ddd、J=7.7、1.4、0.8Hz、1H)、7.22-7.16(m、
2H)、7.16-7.09(m、2H)、7.02(ddd、J=8.2、6.9、1.4Hz、1H)、6.97(ddd、J=8.0、
6.9、1.2Hz、1H)、6.86(ddd、J=7.2、1.3、0.7Hz、2H)、6.78(d、J=0.9Hz、1H)、5.
51(d、J=1.1Hz、2H)、0.95-0.90(m、3H)、0.24(s、6H)。13C NMR(126MHz、THF-d8
)δ141.31、140.50、139.94、130.09、129.39、127.90、126.71、122.96、121.45、120.
10、113.93、110.81、50.62、8.50、7.93、-2.40。
【0290】
例6.9.24:1-ベンジル-2-(ジメチル(フェニル)シリル)-1H-インド-ル2w:
【化66】
【0291】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジルインド
-ル1b(103.5mg、0.5mmol、1当量)、PhMe2SiH(230μL、1.5mmol、3当量)およびTHFの0
.5mLを45℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲル
フラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中2%EtOAc)による精製後、出発材料1bおよび
生成物2wの混合物(174.5mgの混合物、133.9mgの2w、78%収率、1H NMRに基づいて算出)
を取得した。分析的に純粋な化合物2wを、分取HPLC(ヘキサン中3%EtOAc)によるその後
の精製の後に白色固体として取得した。Rf=0.4(5%EtOAcヘキサン中);1H NMR(500MHz
、CDCl3)δ7.71-7.66(m、1H)、7.51-7.48(m、2H)、7.40-7.35(m、1H)、7.34-7.29
(m、2H)、7.21-7.16(m、3H)、7.14-7.08(m、3H)、6.90(d、J=0.7Hz、1H)、6.78-
6.75(m、2H)、5.25(s、2H)、0.50(s、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.4、13
9.4、138.3、137.5、134.2、129.6、128.9、128.6、128.1、127.2、125.9、122.6、121.0
、119.6、114.1、110.2、50.0、-1.7。IR(ニ-トフィルム、NaCl)3064、3027、2956、16
05、1587、1494、1466、1450、1427、1353、1335、1301、1250、1197、1164、1116、1106
、1096、1014、905、822cm-1;C23H24NSi[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+
):342.1673、知見342.1676。
【0292】
例6.9.25:1-メチル-2-(トリブチルシリル)-1H-インド-ル2x:
【化67】
【0293】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチルインド-
ル1a(65.6mg、0.5mmol、1当量)、n-Bu3SiH(385μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0
.5mLを、35℃にて65時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲ
ルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製後、望ましい生成物2x(12
3.5mg、収率75%)を白色固体として取得した。Rf=0.5(100%ヘキサン)。1H NMR(500M
Hz、CDCl3)δ7.61(dt、J=7.9、1.0Hz、1H)、7.37-7.30(m、1H)、7.22(ddd、J=8.2
、6.9、1.1Hz、1H)、7.08(ddd、J=7.9、6.9、1.0Hz、1H)、6.69(d、J=0.9Hz、1H)、
3.84(s、3H)、1.38-1.27(m、12H)、0.94-0.86(m、15H);13C NMR(125MHz、CDCl3
)δ140.2、139.0、128.6、121.7、120.5、118.9、112.7、108.9、32.9、26.6、26.1、13
.6、12.7;IR(ニ-トフィルム、NaCl)2955、2922、2871、2855、1492、1464、1411、137
5、1356、1325、1298、1232、1196、1166、1102、1070、897、885、799、788、749、732c
m-1;C21H35NSi[M+]について算出されるHRMS(EI+):329.2539、知見329.2523。
【0294】
例6.9.26:1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン4a:
【化68】
【0295】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(4.5mg、0.04mmol、20mol%)、N-メチル-4-アザ
インド-ル3a(26.4mg、0.2mmol、1当量)、Et3SiH(98μL、0.6mmol、3当量)およびTHF
の0.2mLを、45℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3=6:1。シリカゲルフラ
ッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中50%EtOAc)による精製の後、C2-およびC3-シリル
化生成物の混合物(16.2mg、収率33%)を取得した。分析的に純粋なC2-シリル化4aを分
取TLC(ヘキサン中の50%EtOAc)によるその後の精製の後に無色の油状物として取得した
。Rf=0.1(33%EtOAcヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.44(dd、J=4.6、1.4Hz
、1H)、7.60(dt、J=8.3、1.2Hz、1H)、7.09(dd、J=8.3、4.6Hz、1H)、6.90(d、J=0
.9Hz、1H)、3.83(s、3H)、1.03-0.97(m、9H)、0.96-0.89(m、6H);13C NMR(125M
Hz、CDCl3)δ147.0、143.0、142.7、133.0、116.4、116.1、113.8、33.1、7.6、4.0。IR
(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2909、2874、1596、1557、1455、1434、1413、1355、131
7、1288、1237、1134、1064、1004、800cm-1;C14H23N2Si[M+H]+について算出されるHRMS
(ESI+):247.1625、知見247.1621。
【0296】
例6.9.27:1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン4b:
【化69】
【0297】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチル-5-アザ
インド-ル3b(66.0mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およびT
HFの0.5mLを、45℃にて120時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。望
ましい生成物4b(37.9mg、収率31%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100
%EtOAc)による精製の後、黄色の油状物として取得した。Rf=0.2(100%EtOAc);1H NMR
(500MHz、CDCl3)δ8.87(d、J=1.1Hz、1H)、8.28(d、J=5.9Hz、1H)、7.24-7.18(m
、1H)、6.80(d、J=0.9Hz、1H)、3.82(s、3H)、1.02-0.96(m、9H)、0.94-0.87(m
、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ143.7、143.6、140.8、140.4、125.7、112.9、104.
5、32.9、7.6、4.0。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2909、2874、1597、1563、1485、
1463、1435、1415、1368、1334、1310、1291、1219、1184、1123、1069、1004、900、809
cm-1;C14H23N2Si[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):247.1625、知見247.1626。
【0298】
例6.9.28:1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン4c:
【化70】
【0299】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(5.8mg、0.52mmol、20mol%)、N-メチル-6-アザ
インド-ル3c(35.0mg、0.26mmol、1当量)、Et3SiH(126μL、0.78mmol、3当量)、およ
びTHFの0.3mLを、45℃にて94時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。
シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、CH2Cl2中の2.5→5%MeOH)による
精製の後、所望の生成物4c(32.9mg、50%収率)を黄色油状物として得た。Rf=0.3(CH2C
l2中5%MeOH);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.76(s、1H)、8.20(d、J=5.5Hz、1H)、7.
47(dd、J=5.5、1.1Hz、1H)、6.68(d、J=0.8Hz、1H)、3.93(s、3H)、1.03-0.97(m
、9H)、0.95-0.89(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ143.5、138.1、137.2、133.0
、132.6、114.7、112.0、33.3、7.5、3.9。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2952、2909、2874
、1594、1559、1496、1475、1457、1415、1358、1333、1315、1286、1241、1167、1120、
1070、1004、817、808cm-1;C14H23N2Si[M+H]+について算出されるHRMS(ESI+):247.16
25、知見247.1620。
【0300】
例6.9.29:1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン<br/> 4d:
【化71】
【0301】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-メチル-7-アザ
インド-ル3d(66mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、および0.5
mLのTHFを35℃にて63時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。望ましい
生成物4d(87.1mg、収率71%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶出
、ヘキサン中の0→10%EtOAc)による精製後に無色の油状物として取得した。Rf=0.3(10
%EtOAcヘキサン中);1HNMR(500MHz、CDCl3)δ8.33(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、7.87(
dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.02(dd、J=7.8、4.7Hz、1H)、6.67(s、1H)、3.95(s、3H
)、1.04-0.97(m、9H)、0.96-0.88(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ151.0、143
.2、139.2、128.3、120.7、115.3、111.0、31.4、7.6、3.9。IR(ニ-トフィルム、NaCl)
3052、2953、2910、2874、1590、1570、1489、1444、1403、1302、1286、1226、1162、11
34、1107、1066、1004、906、804、772、739cm-1;C14H23N2Si[M+H]+について算出される
HRMS(FAB+):247.1631、知見247.1637。この反応生成物のHSQCスペクトルは前に米国特
許第9,000,167号明細書に報告してある。
【0302】
例6.9.30:1-メチル-2-(トリエチルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン4e:
【化72】
【0303】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジル-7-ア
ザインド-ル3e(104.0mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およ
びTHFの0.5mLを、45℃にて144時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。
望ましい生成物4e(89.4mg、収率56%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(
勾配溶離、ヘキサン中の2.5→5%EtOAc)による無色の油として精製して取得した。Rf=0.
3(5%EtOAcヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.34(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、7
.94(dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、7.25-7.16(m、3H)、7.07(dd、J=7.8、4.6Hz、1H)、6
.87-6.85(m、2H)、6.79(s、1H)、5.69(s、2H)、0.91-0.83(m、9H)、0.74-0.69(
m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ151.2、143.7、139.04、138.96、128.6、128.4、1
27.0、125.9、120.5、115.7、112.2、47.8、7.4、3.7。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2954
、2874、1589、1570、1495、1452、1439、1422、1378、1357、1309、1239、1157、1103、
1004、909、803、777cm-1;C20H27N2Si[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESIAPCI+)
:323.1938、知見323.1947。
【0304】
例6.9.31:1-ベンジル-2-(ジエチルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン4f:
【化73】
【0305】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジル-7-ア
ザインド-ル3e(104.5mg、0.5mmol、1当量)およびEt2SiH2(194μL、1.5mmol、3当量)
を、60℃にて84時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲルフ
ラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%EtOAc)による精製の後、望ましい生成物4f
(96.2mg、収率65%)を黄色の油状物として取得した。Rf=0.4(10%EtOAcヘキサン中);
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.37(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、7.95(dd、J=7.8、1.6Hz、1
H)、7.30-7.16(m、3H)、7.09(dd、J=7.8、4.6Hz、1H)、7.01-6.99(m、2H)、6.80
(s、1H)、5.71(s、2H)、4.32(p、J=3.3Hz、1H)、0.95(t、J=7.9Hz、6H)、0.78-0
.63(m、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ150.9、143.8、138.9、137.4、128.6、128.5
、127.2、126.6、120.5、115.8、111.7、47.6、8.1、3.4。IR(ニ-トフィルム、NaCl)29
55、2873、2120、1590、1568、1495、1453、1439、1422、1358、1300、1235、1156、1100
、1009、973、910、808cm-1;C18H23N2Si[M+H]+について算出されるHRMS(MM:ESI-APCI+
):295.1625、知見295.1636。
【0306】
例6.9.32:1-ベンジル-2-(ジメチル(フェニル)シリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
4g:
【化74】
【0307】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、N-ベンジル-7-ア
ザインド-ル3e(103.9mg、0.5mmol、1当量)およびPhMe2SiH(230μL、1.5mmol、3当量)
を、60℃にて96時間加熱することによって行った。C2:C3>20:1である。シリカゲルフ
ラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中3%EtOAc)による精製の後、望ましい生成物4g
(118.0mg、収率69%)を黄色の油状物として取得した。Rf=0.4(10%EtOAcヘキサン中)
;1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.35(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、7.97(dd、J=7.8、1.6Hz
、1H)、7.49-7.45(m、2H)、7.41-7.38(m、1H)、7.37-7.32(m、2H)、7.20-7.13(m
、3H)、7.08(dd、J=7.8、4.6Hz、1H)、6.84(s、1H)、6.77-6.68(m、2H)、5.46(s
、2H)、0.42(s、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ151.3、144.0、140.0、138.8、136
.9、134.2、129.7、128.8、128.5、128.1、127.0、126.1、120.4、115.9、112.2、47.6、
-2.0。IR(ニ-トフィルム、NaCl)3050、3027、2956、1589、1569、1495、1439、1427、1
359、1309、1250、1156、1107、1029、987、910、822cm-1;C22H23N2Si[M+H]+について算
出されるHRMS(MM:ESI-APCI+):343.1625、知見343.1635。
【0308】
例6.9.33:ベンゾフラン-2-イルトリエチルシラン
【化75】
【0309】
本反応は、基本手順に従い、ベンゾフラン(59mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(19.6mg
、0.18mmol、0.35当量)およびEt3SiH(239マイクロリッタ-、1.5mmol、 3当量)を、1mL
のテトラヒドロフラン中で60℃にて45時間加熱することによって行った。水性ワ-クアッ
プの後、粗反応混合物をヘキサン(アイソクラティック)により溶離するシリカのクロマ
トグラフィ-によって精製して44mg(38%)の表題化合物を無色油状物として取得した。1
H NMR(500MHz、アセトン-d6)δ7.64(ddd、J=7.7、1.3、0.7Hz、1H)、7.53(dd、J=8.
2、0.9Hz、1H)、7.30(ddd、J=8.3、7.2、1.3Hz、1H)、7.22(ddd、J=7.7、7.2、1.0Hz
、1H)、7.16(d、J=1.0Hz、1H)、1.09-0.98(m、9H)、0.92-0.84(m、6H)。この反応
生成物のHSQCスペクトルは前に米国特許第9,000,167号明細書に報告してある。
【0310】
例6.9.34:ベンゾ[b]チオフェン-2-イルトリエチルシラン4h:
【化76】
【0311】
(注:この反応の生成物は、以前はベンゾ[b]チオフェン-3-イルトリエチルシランと誤
認されていた。スペクトルデ-タは、ここで与えられた構造を与えるように再解釈された
)。本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、ベンゾ[b]チオ
フェン3h(67.0mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHF
の0.5mLを、25℃にて60時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマ
トグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4h(120.3,97%収率)を
無色油状物として取得した。Rf=0.6(100%ヘキサン)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.91
(m、1H)、7.87-7.81(m、1H)、7.49(m、1H)、7.41-7.29(m、2H)、1.07-1.03(m、
9H)、0.96-0.85(m、6H)。この反応生成物のHSQCスペクトルは前に米国特許第9,000,16
7号明細書に報告してある。
【0312】
この材料もまた以下のようにして製造された。窒素で満たしたグロ-ブボックスにおい
て、KOt-Bu(1.7g、15mmol、20mol%)、ベンゾ[b]チオフェン3h(10.1g、75mmol、1当量
)、Et 3 SiH(23.3mL、146mmol、2当量)、および75mLのTHFを、マグネチックスタ-ラ-
バ-を備えた250mLのメディア(媒体)ジャ-(瓶)に加え、そしてポリプロピレンキャッ
プで密封した。反応混合物を25℃で60時間撹拌した。次いで、ジャ-をグロ-ブボックスか
ら取り出し、慎重に開封し(注意:ガスが放出された!)、および無水Et2O(30mL)によ
り希釈した。反応生成物をろ過し、溶媒を真空中で除去し、および残留揮発物を高真空下
(30ミリトル、23℃)で除去した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキ
サン)による精製の後、望ましい生成物4h(17.3g、収率93%)を無色油状物として取得
した。
【0313】
例6.9.35:ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチル(フェニル)シラン4i:
【化77】
【0314】
(注:この反応の生成物は、以前はベンゾ[b]チオフェン-3-イルジメチル(フェニル)
シランとして誤って特徴付けられていた。スペクトルデ-タはここで与えられる構造を提
供するために再解釈された。この反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、2
0mol%)、ベンゾ[b]チオフェン3h(67.0mg、0.5mmol、1当量)、PhMe2SiH(230μL、1.5
mmol、3当量)、およびTHFの0.5mLを、25℃にて60時間加熱することによって行った。シ
リカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成
物4i(116.6mg、収率87%)を無色油状物として取得した。Rf=0.5(100%ヘキサン)。1H NM
R(500MHz、CDCl3)δ7.94-7.87(m、1H)、7.87-7.79(m、1H)、7.68-7.59(m、2H)、7.51(
d、J=0.8Hz、1H)、7.46-7.39(m、3H)、7.38-7.31(m、2H)、0.69(s、6H)。
13C NMR(126MHz、CDCl3)δ144.01、141.12、140.18、137.29、134.13、132.41、129.70
、128.09、124.45、124.18、123.69、122.33、-1.42。HRMS:[C16H16SSi]算出268.0743、
測定268.0742
【0315】
例6.9.36:2-(5-(トリエチルシリル)チオフェン-2-イル)ピリジン4j:
【化78】
【0316】
本反応は基本手順に従って行った。条件A:本反応は、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mo
l%)、2-(チオフェン-2-イル)ピリジン3j(80.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243
μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5mLを、25℃で35時間により行った。シリカゲル
フラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中5%EtOAc)による精製の後、所望の生成物4j
(129.3mg、収率94%)を無色油状物として取得した。条件B:本反応は、KOt-Bu(19.6mg
、0.18mmol、3.5mol%)、2-(チオフェン-2-イル)ピリジン3j(0.81g、5mmol、1当量)
、Et3SiH(2.43mL、15mmol、3当量)、および3.0mLのTHFを、25℃にて96時間により行っ
た。望ましい生成物4j(1.13g、収率82%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-
(ヘキサン中5%EtOAc)による精製の後、無色の油状物として取得した。Rf=0.3(5%EtOA
cヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.56(d、J=4.7Hz、1H)、7.61(dt、J=3.9、1
.7Hz、3H)、7.23(d、J=3.3Hz、1H)、7.08(q、J=4.8Hz、1H)、1.01(t、J=7.9Hz、9H)、
0.82(q、J=7.9Hz、6H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ152.8、149.8、149.6、139.7、136
.6、135.6、125.7、121.8、119.0、7.4、4.5;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3054、3001、29
53、2909、2874、1585、1563、1528、1517、1464、1436、1422、1377、1315、1290、1238
、1207、1151、1077、1066、1047、1007、990、962、807、774、737cm-1;C15H22NSSi[M+H
]+について算出HRMS(FAB+):276.1242、知見276.1239。
【0317】
例6.9.37:2-(5-(エチルジメチルシリル)チオフェン-2-イル)ピリジン4k:
【化79】
【0318】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、2-(チオフェン-2
-イル)ピリジン3j(80.5mg、0.5mmol、1当量)、EtMe2SiH(198μL、1.5mmol、3当量)
およびTHFの0.5mLを、35℃にて48時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシ
ュクロマトグラフィ-(ヘキサン中10%Et2O)による精製の後、望ましい生成物4k(107.4
mg、収率87%)を無色油状物として取得した。Rf=0.4(10%Et2Oヘキサン中);1H NMR(500
MHz、CDCl3)δ8.58(ddd、J=4.9、1.8、1.1Hz、1H)、7.72-7.63(m、2H)、7.62(d、J=3.
5Hz、1H)、7.24(d、J=3.5Hz、1H)、7.13(ddd、J=6.7、4.9、2.0Hz、1H)、1.05-0.96(m
、3H)、0.78(qd、J=7.8、0.8Hz、2H)、0.32(s、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ152.7
、149.7、149.6、141.9、136.6、135.0、125.6、121.7、118.9、8.3、7.2、-2.5;IR(ニ-
トフィルム、NaCl)3054、3001、2953、2909、2874、1585、1563、1528、1517、1464、14
36、1422、1315、1290、1248、1207、1151、1077、1066、1047、1007、990、964、836、8
12、774、752、737、712cm-1;C13H18NSSi [(M+H)+-H2]について算出HRMS(FAB+):248.09
29、知見248.0935。
【0319】
例6.9.38:2-(5-(ジメチル(フェニル)シリル)チオフェン-2-イル)ピリジン4l:
【化80】
【0320】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、2-(チオフェン-2
-イル)ピリジン3j(80.5mg、0.5mmol、1当量)、PhMe2SiH(230μL、1.5mmol、3当量)
、およびTHFの1.0mLを、35℃にて48時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッ
シュクロマトグラフィ-(ヘキサン中10%Et2O)による精製後、望ましい生成物4l(118.1
mg、収率80%)を無色油状物として取得した。Rf=0.3(10%Et2Oヘキサン中);1H NMR(500
MHz、CDCl3)δ8.60-8.54(m、1H)、7.72-7.56(m、5H)、7.43-7.33(m、3H)、7.26(m、1
H)、7.14(m、1H)、0.63(s、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ152.4、150.3、149.5、140
.6、137.3、136.6、136.0、133.8、129.3、127.8、125.6、121.8、118.9、-1.6;IR(ニ-
トフィルム、NaCl)3067、2955、1586、1563、1527、1463、1423、1316、1290、1249、12
07、1151、1112、1077、1005、989、963、807、773、731cm-1;C17H18NSSi[M+H]+について
算出HRMS(FAB+):296.0929、知見296.0938。
【0321】
例6.9.39:トリエチル(5-ペンチルチオフェン-2-イル)シラン4m:
【化81】
【0322】
本反応は基本手順に従い行った。条件A:本反応は、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol
%)、2-ペンチルチオフェン3m(77.0mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol
、3当量)、および0.5mLのTHFを、25℃にて48時間により行った。シリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4m(130.0mg、収
率96%)を無色油状物として取得した。条件B:本反応は、KOt-Bu(5.6mg、0.05mmol、1m
ol%)、2-ペンチルチオフェン3m(770.4mg、5.0mmol、1当量)、Et3SiH(2.43mL、15mmo
l、3当量)、および3.0mLのTHFを、25℃にて96時間により行った。シリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4m(1.23g、収率9
2%)を無色油状物として取得した。Rf=0.6(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7
.12(dd、J=3.3、1.5Hz、1H)、6.91(dt、J=3.3、1.0Hz、1H)、2.90(td、J=7.7、1.2Hz
、2H)、1.81-1.71(m、2H)、1.48-1.36(m、4H)、1.06(t、J=7.8Hz、9H)、0.99-0.94(m
、3H)、0.84(qd、J=7.8、1.0Hz、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ151.6、134.7、134.1
、125.5、31.7、31.6、30.2、22.6、14.1、7.5、4.7;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3054、2
955、2934、2874、1750、1528、1456、1438、1413、1378、1339、1235、1213、1058、101
1、988、799、736cm-1;C15H27SSi[(M+H)-H2]+について算出HRMS(FAB+):267.1603、知見
267.1609。
【0323】
例6.9.40:トリエチル(5-ペンチルフラン-2-イル)シラン4n:
【化82】
【0324】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(8.4mg、0.075mmol、1.5mol%)、2-ペンチルフラ
ン3n(691mg、5.0mmol、1当量)、Et3SiH(2.43mL、15mmol、3当量)、および3mLのTHFを
、25℃にて96時間加熱することによって行った。望ましい生成物4n(1.15g、収率91%)
を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製後に無色油状
物として取得した。Rf=0.6(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ6.53(d、J=3.0Hz
、1H)、5.96(dt、J=3.0、0.9Hz、1H)、2.67-2.60(m、2H)、1.64(dq、J=9.4、7.4Hz、2
H)、1.36-1.28(m、4H)、1.05-0.95(m、9H)、0.92-0.85(m、3H)、0.74(qd、J=7.8、0.
8Hz、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ161.2、156.2、121.5、104.6、31.6、28.3、27.9、
22.6、14.1、7.5、3.6;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3108、2954、2933、2874、1807、1721
、1588、1493、1459、1414、1378、1340、1237、1186、1173、1118、1084、1011、962、9
23、782、736、724cm-1;C15H27OSi[(M+H)-H2]+について算出HRMS(FAB+):251.1831、知
見251.1821。
【0325】
この物質はまた、4時間のマルチグラムスケ-ル合成と同じ手順を用いて規模を拡大して
作製した(made at scale)。本反応は、KOt-Bu(1.6g、14.6mmol、20mol%)、2-ペンチ
ルフラン3n(10.1g、73mmol、1当量)、Et3SiH(23.3mL、146mmol、2当量)、および73mL
のTHFを、25℃にて72時間により行った。ろ過、高真空下(30ミリト-ル、23℃)での揮発
性物質の除去およびシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精
製の後、望ましい生成物4n(17.4g、95%収率)を無色油状物として取得した。
【0326】
例6.9.41:2-ペンチルフラン3nのEt
2SiH
2との反応
【化83】
【0327】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、2-ペンチルフラン
3n(69.1mg、0.5mmol、1当量)、Et2SiH2(195μL、1.5mmol、3当量)、および0.5mLのTH
Fを、25℃にて76時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラ
フィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4o(87.4mg、収率78%)および
ケイ素結合生成物(silicon-tethered product)SI-4o(12.4mg、8%収率)を取得した。
【0328】
ジエチル(5-ペンチルフラン-2-イル)シラン4o:無着色油状物、Rf=0.6(100%ヘキサ
ン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ6.63(d、J=3.1Hz、1H)、6.00(dt、J=3.1、0.9Hz、1H)、
4.21(p、J=3.2Hz、1H)、2.75-2.64(m、2H)、1.73-1.62(m、2H)、1.38-1.32(m、4H)、
1.11-1.04(m、6H)、0.95-0.90(m、3H)、0.88-0.81(m、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3)
δ161.8、153.7、122.7、105.0、31.6、28.4、27.9、22.6、14.1、8.1、3.2;IR(ニ-トフ
ィルム、NaCl)2955、2931、2873、2120、1588、1493、1461、1233、1082、1010、974、9
25、798、715cm-1;C13H23OSi[(M+H)-H2]+について算出HRMS(FAB+):223.1518、知見223.
1519。
【0329】
ジエチルビス(5-ペンチルフラン-2-イル)シランSI-4o:無着色油状物、Rf=0.7(100%
ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ6.62(d、J=3.1Hz、2H)、5.98(dt、J=3.1、0.9Hz
、2H)、2.69-2.61(m、4H)、1.70-1.59(m、4H)、1.36-1.30(m、8H)、1.08-1.01(m、6H
)、1.01-0.93(m、4H)、0.93-0.81(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ161.5、153.7、1
22.8、104.8、31.4、28.2、27.7、22.4、13.9、7.2、4.2;IR(ニ-トフィルム、NaCl)295
5、2928、2873、2859、1587、1493、1461、1378、1233、1187、1122、1010、961、925、7
83、726cm-1;C22H36O2Si[M・+]について算出HRMS(EI+):360.2485、知見360.2468。
【0330】
例6.9.42:トリブチル(5-ペンチルフラン-2-イル)シラン4p:
【化84】
【0331】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、2-ペンチルフラン
3n(69.1mg、0.5mmol、1当量)、n-Bu3SiH(386μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5
mLを、25℃にて108時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4p(137.8mg、82%収率)を
無色油状物として取得した。Rf=0.71(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ6.50(d
、J=3.0Hz、1H)、5.95(d、J=3.0、1H)、2.67-2.60(m、2H)、1.69-1.59(m、2H)、1.39-
1.24(m、16H)、0.94-0.83(m、12H)、0.79-0.69(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ16
1.0、156.8、121.3、104.7、31.6、28.3、28.0、26.7、26.2、22.6、14.1、13.9、12.3;I
R(ニ-トフィルム、NaCl)3107、2956、2923、2871、2857、2099、1677、1588、1493、14
64、1410、1376、1341、1296、1271、1217、1187、1175、1082、1050、1010、961、925、
885、781、759、732cm-1;C21H40OSi[M・+]について算出HRMS(EI+):336.2848、知見336.
2859。
【0332】
例6.9.43:2,5-ビス(トリエチルシリル)チオフェン4q:
【化85】
【0333】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、チオフェン3q(42
.1mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5mLを、25
℃にて72時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(1
00%ヘキサン)による精製後、望ましい生成物4q(134.2mg、収率86%)を無色油状物と
して取得した。Rf=0.6(100%ヘキサン)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.40(s、2H)、1
.02-0.99(m、18H)、0.83-0.79(m、12H)。
【0334】
例6.9.44:1-ベンジル-1H-ピロ-ル3sのEt
3SiHとの反応:
【化86】
【0335】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、1-ベンジル-1H-ピ
ロ-ル3s(78.5mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの
0.5mLを、25℃にて108時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマト
グラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4s(100.3mg、74%収率)
およびビス-シリル化生成物SI-4s(9.6mg、5%)を取得した。
【0336】
1-ベンジル-2-(トリエチルシリル)-1H-ピロ-ル4s:無色油状物、Rf=0.3(100%ヘキサ
ン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.40-7.32(m、2H)、7.32-7.25(m、1H)、7.04-6.98(m、
2H)、6.86(dd、J=2.4、1.5Hz、1H)、6.51(dd、J=3.5、1.5Hz、1H)、6.30(dd、J=3.4、
2.4Hz、1H)、5.22(s、2H)、0.95(t、J=7.8Hz、9H)、0.73(q、J=7.8Hz、6H);13C NMR(
125MHz、CDCl3)δ139.2、129.9、128.7、127.5、126.62、126.56、120.9、108.9、53.5、
7.6、4.2;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3088、3064、3029、2952、2908、2873、1516、1506
、1495、1454、1418、1353、1329、1288、1237、1175、1112、1080、1008、969、760cm-1
;C17H25NSi[M・+]について算出HRMS(EI+):271.1756、知見271.1755。
【0337】
1-ベンジル-2,5-ビス(トリエチルシリル)-1H-ピロ-ルSI-4s:無色の油状物、Rf=0.4
(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.29-7.21(m、2H)、7.21-7.15(m、1H)、6.
72(dq、J=7.1、1.0Hz、2H)、6.52(s、2H)、5.28(s、2H)、0.85-0.82(m、18H)、0.63-
0.52(m、12H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.4、135.6、128.2、126.9、125.5、121.2
、53.3、7.4、3.9;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3027、2952、2909、2874、1605、1498、14
85、1454、1416、1377、1343、1277、1237、1161、1075、1002、912、775、764、731cm-1
;C23H39NSi2[M・+]について算出HRMS(EI+):385.2621、知見385.2638。
【0338】
例6.9.45:1-メチル-5-(トリエチルシリル)-1H-ピラゾ-ル4t:
【化87】
【0339】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、1-メチル-1H-ピラ
ゾ-ル3t(41.1mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの
0.5mLを、25℃にて120時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマト
グラフィ-(1:1のEt2O:ヘキサン)による精製後、望ましい生成物4t(72.6mg、収率74
%)を無色油状物として取得した。Rf=0.3(1:1のEt2O:ヘキサン)。〔Despotopoulou
(デスポットプロ), C.ら、P Org. Lett. 2009、11、3326〕1H NMR(500MHz、CDCl3)δ
7.47(d、J=1.9Hz、1H)、6.37(d、J=1.8Hz、1H)、3.95(s、3H)、0.96(m、9H)、0.
83(m、6H)。
【0340】
例6.9.46:ジベンゾ[b、d]チオフェン-4-イルトリエチルシラン4u:
【化88】
【0341】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、ジベンゾチオフェ
ン3u(92mg、0.5mmol、1.0当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3.0当量)、および3mLの
ジオキサンを、85℃にて72時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロ
マトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4u(55.4mg、収率38%
)を無色油状物として取得した。Rf=0.7(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ
8.17(m、2H)、7.86(m、1H)、7.58(m、1H)、7.45(m、3H)、1.10-0.93(m、15H)
;13C NMR(125MHz、CDCl3)δ145.6、139.3、135.4、134.7、133.7、131.5、126.5、124
.2、123.7、122.4、122.2、121.4、7.4、3.2。IR(ニ-トフィルム、NaCl)3060、2953、2
908、2873、1450、1440、1415、1366、1283、1250、1238、1098、1080、1042、1019、100
3、972、812、749、733cm-1;C18H22SSI[M+]について算出HRMS(EI+):298.1212、実測
値298.1214。この反応生成物のHSQCスペクトルは、以前に米国特許第9000167号に報告さ
れた。
【0342】
例6.9.47:ジベンゾ[b,d]フラン3vのEt
3SiHとの反応:
【化89】
【0343】
本反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、ジベンゾ[b,d]フ
ラン3v(84.1mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0
.5mLを、65℃にて65時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物4v(100.2mg、収率71%)お
よびビスシリル化生成物SI-4v(6.9mg、4%収率)を取得した。
【0344】
ジベンゾ[b,d]フラン-4-イルトリエチルシラン4v:無色油状物、Rf=0.6(100%ヘキサ
ン)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.01-7.94(m、2H)、7.61-7.50(m、2H)、7.46(td
、J=7.7、1.4Hz、1H)、7.34(td、J=7.6、4.4Hz、2H)、1.02(m、15H)。
【0345】
4,6-ビス(トリエチルシリル)ジベンゾ[b,d]フランSI-4v:白色固体、Rf=0.7(100%
ヘキサン)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.99(dd、J=7.6、1.4Hz、2H)、7.54(dd、J=7
.1、1.4Hz、2H)、7.35(t、J=7.4Hz、2H)、1.12-0.96(m、30H)。
【0346】
例6.9.48:トリエチル(6-メトキシジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)シラン4w:
【化90】
【0347】
反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、4-メトキシジベンゾ
[b,d]フラン3w(99.0mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)、およ
びTHFの0.5mLを、65℃にて65時間加熱することによって行った。望ましい生成物4w(99.9
mg、収率64%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精
製の後、無色の油状物として取得した。Rf=0.3(100%ヘキサン)。1H NMR(500MHz、CDC
l3)δ7.94(dd、J=7.6、1.4Hz、1H)、7.53(ddd、J=15.4、7.4、1.2Hz、2H)、7.37-7.30
(m、1H)、7.24(t、J=7.8Hz、1H)、6.99(dd、J=8.0、1.0Hz、1H)、4.09(s、3H)、1.08
-0.95(m、15H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ161.1、145.7、145.3、133.4、126.1、123.0
、122.8、122.3、121.5、120.4、112.9、111.0、56.9、7.4、3.5;IR(ニ-トフィルム、Na
Cl)3052、2952、2925、2873、2852、2361、1627、1596、1576、1497、1483、1456、1432
、1387、1322、1308、1270、1220、1180、1168、1147、1125、1038、1006、854、836、76
7、752、729cm-1;C19H24O2Si[M・+]について算出HRMS(EI+):312.1546、知見312.1555。
【0348】
【0349】
本反応は、基本手順に従い、ピリジン(40mg、0.5mmol、1当量)、KOt-Bu(17mg、0.15
mmol、0.3当量)およびEt3SiH(240マイクロリッタ-、1.5mmol、3当量)を1mLのテトラヒ
ドロフラン中にて65℃で65時間加熱することによって行った。水性ワ-クアップの後、粗
反応混合物を、それぞれヘキサン:ジエチルエ-テル:トリエチルアミンの80:1:4混合
物を用いるシリカクロマトグラフィ-によって精製し、14mg(15%)の表題化合物を無色
油状固形物として取得した。1H NMR(500MHz、THF-d8)δ8.99-8.16(m、2H)、7.62-7.07
(m、2H)、1.01-0.93(m、6H)、0.91-0.79(m、4H)。13C NMR(126MHz、THF-d8)δ149.88
、129.76、129.29、7.70、3.66。HRMS:[C11H20NSi]算出194.1365、測定194.1367。
【0350】
この実験を再現させようとする試みは、ピリジンについて変動可能な収率をもたらし、
典型的には指示された生成物の約5%未満しか生じさせない。比較可能な条件下で、他の
電子不足型ヘテロアレ-ン、たとえば、キノリン、イソキノリン、およびアクリジンなど
のようなものを用いた実験も同様に、低収率(<5%)または反応なしのいずれかをもたら
した。
【0351】
例6.9.50:4-メトキシピリジンの試みられたシリル化
【化92】
【0352】
本反応は、基本手順に従い、4-メトキシピリジン(55mg、0.5ミリモル、1当量)、KOt-
Bu(17mg、0.15ミリモル、0.3当量)およびEt3SiH(240マイクロリットル、1.5ミリモル
、3当量)を、テトラヒドロフラン1mLにおいて65℃にて65時間加熱することによって行っ
た。反応物を、ジエチルエ-テル(1mL)により希釈し、水(0.5mL)でクエンチし、およ
び有機相をGC-MS、GC-FIDおよび1H NMR分析によって解析し、そして出発物質のシリル化
生成物への明らかな変換はなかった。
【0353】
例6.9.51:2,6-ジメトキシピリジンの試みられたシリル化
【化93】
【0354】
本反応は、基本手順に従い、2,6-ジメトキシピリジン(70mg、0.5mmol、1当量)、KOt-
Bu(17mg、0.15mmol、0.3当量)およびEt3SiH(240マイクロリッタ-、1.5mmol、3当量)
を、テトラヒドロフラン1mLにおいて、65℃にて65時間加熱することによって行った。反
応物をジエチルエ-テル(1mL)で希釈し、水(0.5mL)でクエンチし、そして有機相をGC-
MS、GC-FIDおよび1H NMR分析によって解析した。GC-MS分析は、2つのシリル化生成物異性
体ならびにいくつかの未確認生成物の形成に対応する主要な質量ピ-クを明らかにした。
【0355】
例7.拡大反応シナリオ-基質の感受性および官能基耐性
【0356】
本方法の包括的かつ広範な有用性は、ここに既に記載されているが、完全性のために、
さらなる特定の例および反応スキ-ムがここに提供される。また、これらの材料の調製お
よび特性評価のための新しい方法論も含まれる。
【0357】
先の例に対する拡張として、窒素上のMe、エチル(Et)、ベンジル(Bn)、フェニル(
Ph)および容易に開裂可能なメトキシメチルおよび2-[(トリメチルシリル)エトキシ]メチ
ル基を有する種々のインド-ルは評価され(evalyated)、およびすべてが中間体から良好
な収率で位置選択的シリル化に導かれた(
図2、化合物2a-2f)。インド-ル核の種々の位
置における置換基の影響を試験すると、Me、OMe、OBn、CH
2OMeおよびPhはすべて適合性で
あり、48%-83%の収率で望ましい生成物2g-2nを与えることが示された。いくつかのヒド
ロシランを調べ、および良好な収率でシリル化生成物(2o-2x)を取得した。ピリジン含
有足場(4a-4gおよび4j-4l)を含め、多様な範囲の含N-、O-およびS-ヘテロ芳香族化合物
(
図3)が高い位置選択性で反応を受けた。減少した触媒負荷(1-3.5mol%;4j、4mおよ
び4n)でのおよび大規模(4hおよび4n)での反応は、本プロセスの堅牢性(「ロ-バスト
性」とも言う)および調製規模の有用性を実証した。手続き的に好都合な条件下で触媒活
性を失うことなく、反応は100gよりも大きくなった(
図4A)。包括的に、本反応は、電子
中性および電子リッチな複素環に対して選択的であることが判明し、電子吸引基を有する
インド-ルは反応しないようであった。
【0358】
例7.1.チオフェン、フランおよびピロ-ルとの競合実験。
【0359】
KOt-Bu触媒C-Hシリル化による含窒素、酸素および硫黄芳香族複素環の相対的反応性を
調べるために、1当量のEt
3SiHおよび1当量の各ヘテロアレ-ンを用いて二つの内部競争実
験を行った(スキ-ム1)。反応をEt
3SiHの部分的消費まで行い、およびシリル化されたヘ
テロアレ-ンの相対量を
1H NMR分析によって定めた。結果は、5員環ヘテロアレ-ンについ
て、反応性の相対的な速度は、チオフェン3q>フラン3r>1-メチルピロ-ル3xのように推移
することを示した。
【化94】
この傾向は、置換チオフェン3mおよびフラン3nとの間の競争において裏付けられた。競
争実験の手順は次のとおりである。
【0360】
反応(a)について:窒素充填グロ-ブボックスにおいて、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、2
0mol%)、チオフェン3q(42.1mg、0.5mmol、1当量)、フラン3r(34.0mg、0.5mmol、1当
量)および1-メチルピロ-ル3x(40.5mg、0.5mmol、1当量)を、磁気撹拌棒を備えた2ドラ
ムシンチレ-ションバイアルに加えた。THF(0.3mL)およびEt3SiH(81μL、0.5mmol、1当
量-使用前に活性アルミナの短いパッドを通してろ過したもの)を添加した。バイアルを
密閉し、23℃で約8時間撹拌した。バイアルをグロ-ブボックスから取り出し、ジエチルエ
-テル(2mL)で希釈し、および減圧下で濃縮した。粗反応混合物を1H NMRで分析すると、
SI-4q:SI-4r:4xの比は5:1:0であった。
【0361】
反応(b)について:窒素充填グロ-ブボックスにおいて、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、2
0mol%)、2-ペンチルチオフェン3m(77.0mg、0.5mmol、1当量)、および2-ペンチルフラ
ン3n(69.1mg、0.5mmol、1当量)を、磁気撹拌棒を備えた2ドラムシンチレ-ションバイア
ルに加えた。THF(0.3mL)およびEt3SiH(81μL、0.5mmol、1当量-使用前に活性アルミナ
の短いパッドを通してろ過したもの)を添加した。バイアルを密閉し、および23℃にてお
よそ8時間撹拌した。バイアルをグロ-ブボックスから取り出し、ジエチルエ-テル(2mL)
で希釈し、および減圧下で濃縮した。粗反応混合物を1H NMRで分析したところ、4m:4nの
比は5:1であった。
【0362】
例7.2.官能基の適合性の評価。シリル化反応のための官能基耐性の包括的な処理を提
供するために、Glorius(グロリウス)の方法に従った「ロバストネススクリ-ン」を行っ
た(以下の表5)。一定の一般化はそれらの結果からを行うことができる。たとえば、カ
ルボニル基は反応を停止させる(エントリ-16,17)。それにもかかわらず、ベンズアルデ
ヒドジメチルアセタ-ルのようなアセタ-ルとしての保護は十分に許容される(見出し18)
。アリ-ル-X基で、式中、X=Br、I、CN、NO2のようなものも、同様に反応性を妨げる(見
出し7、8、19および20)。興味深いことに、これらの官能基は、ほとんどの場合、無傷の
ままである。しかしながら、アルケン、アルキン、Ar-F、Ar-Cl、Ar-CF3、第三級アミン
、ピリジン、およびホスフィン部分は適合性である(見出し2-6、9、11、23-26)。明ら
かなヒドロシリル化、またはアルケンおよびアルキンの還元は起こらない。遊離のOH基お
よびNH基でさえも、おそらく、ヘテロ原子のその場での偶然のシリル保護のために許容さ
れ、BnOTESを添加剤として使用することによって確認された(見出し12、13、および15)
。さらに、エポキシドおよびアジリジンも許容され、これらの添加剤の求核開環は観察さ
れなかった(見出し21、22)。
【0363】
【0364】
例8.調製されたシランの転換
【0365】
例8.1.ワンポットSi指向性イプソ置換/スズキ-ミヤウラ・クロスカップリング
【化95】
【0366】
0℃で、CH2Cl2(4mL)でのインド-ルシラン2a(98.2mg、0.4mmol)の撹拌溶液に、N2下
にCH2Cl2でのBCl3(1.0M、0.48mL、0.48mmol)の溶液をシリンジによって加えた。混合物
を室温で3時間撹拌し、その時間後、溶媒を減圧除去した。残渣を高真空下で20分間乾燥
した後、4-ヨ-ドアニソ-ル(94.0mg、0.4mmol)、Pd(PPh3)4(23.2mg、5mol%)、DME(4
mL、脱気したもの)および2MのNa2CO3水溶液(1mL、脱気したもの)を加え、そして混合
物を還流下で5時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、および水(20mL)を
添加した。混合物をEt2Oにより抽出し(3×30mL)、合わせた有機抽出物をブラインで洗
浄し、Na2SO4にて乾燥し、および濃縮した。望ましい2-(4-メトキシフェニル)-1-メチ
ル-1H-インド-ル5(71.9mg、収率76%)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(
勾配溶出、ヘキサン中の10→33%CH2Cl2)による精製後に白色固形物として取得した)。
Rf=0.4(ヘキサン中10%EtOAc)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.63(d、J=7.7Hz、1H)、7.
49-7.39(m、2H)、7.36(d、J=8.2Hz、1H)、7.24(dt、J=8.2、1.2Hz、1H)、7.14(dt、J
=7.9、1.0Hz、1H)、7.05-6.96(m、2H)、6.51(br s、1H)、3.88(s、3H)、3.73(s、3H)
.。
【0367】
例8.2。ヘテロアリ-ルシラノ-ルの合成およびデンマ-ク・ヒヤマクロスカップリングに
おける応用
【化96】
【0368】
撹拌棒を備えた5mLフラスコに、化合物2o(44.5mg、0.2mmol)および[RuCl2(p-シメン)
]2(6.3mg、0.01mmol)を添加した。フラスコをセプタムで密閉し、および高真空下に5分
間置いた後、O2バル-ンに接続し、O2で再充填した後、アセトニトリル(1mL)およびH2O
(7.4μL、0.4mmol)をシリンジによってセプタムを通して加えた。反応混合物を室温で1
2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶離、
ヘキサン中の10→20%EtOAc)による精製の後、生成物6(36.0mg、収率77%)を無色の油
状物として取得した。Rf=0.2(10%EtOAcヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.66(dt
、J=7.9、1.0Hz、1H)、7.37(dd、J=8.3、1.0Hz、1H)、7.28(ddd、J=8.3、6.9、1.2Hz、
1H)、7.13(ddd、J=7.9、6.9、1.0Hz、1H)、6.80(d、J=0.9Hz、1H)、3.93(s、3H)、2.1
2(br s、1H)、1.12-1.05(m、6H)、1.02-0.95(m、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.
4、138.1、128.4、122.6、121.1、119.4、112.7、109.4、33.1、7.1、6.7。IR(ニ-トフ
ィルム、NaCl)3315、2956、2876、1493、1463、1413、1357、1328、1300、1234、1166、
1102、1075、1007、960、897、839、798、751、732cm-1;C13H20NOSi[M+H]+について算出H
RMS(MM:ESI-APCI+):234.1309、知見234.1305。
【0369】
例8.3。2-(4-メトキシフェニル)-1-メチル-1H-インド-ル5:
【化97】
【0370】
窒素充填したグロ-ブボックスにおいて、撹拌棒を備えた2ドラムバイアルにNaOt-Bu(2
6.8mg、0.28mmol)およびCuI(26.6mg、0.14mmol)、4-ヨ-ドアニソ-ル(33.0mg、0.14mm
ol)、Pd(dba)2(8.2mg、0.014mmol、10mol%)およびトルエンの0.2mLを入れた。混合
物をキャップで密封し、および10分間撹拌した。次いで、この混合物をシリンジにより、
シラノ-ル6(33.1mg、0.14mmol)を含む別の2ドラムバイアルに移した。バイアルをトル
エンで洗浄し(2×0.4mL)、およびそのすすぎ液を反応混合物に加えた。反応物を30℃で
4時間撹拌した後、出発物質を完全に変換した(TLCでモニタ-した)。シリカゲルフラッ
シュクロマトグラフィ-(勾配溶離、ヘキサン中10→50%CH2Cl2)による精製の後、望ま
しい生成物5(28.1mg、収率84%)を白色固体として取得した。
【0371】
例8.4。Siブロッキング基戦略による直接C7リチオ化-ホウ素化。この総合的な変換(す
なわち、ベンゾフラン、インド-ル、およびチオフェンにおけるC2位の保護/脱保護で、こ
れらのシリル化誘導体のC7リチオ化-ホウ素化を含めたもの)は、本発明の範囲内である
と考えられる。
【0372】
例8.4.1。トリエチル(7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)
ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)シラン7。
【化98】
【0373】
セプタムでキャップし、撹拌棒を有し、充填された、火炎乾燥した丸底フラスコに、お
よびアルゴンの定常流下で、ベンゾ[b]チオフェン-2-イルトリエチルシラン4h(992mg、4
.0mmol、1当量)、ペンタン(5.0mL)およびTMEDA(0.703g、0.907mL、1.5当量)を23℃
で加えた。内温が22および25℃の間になるようにn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、3.
78mL、1.5当量)を滴下した(温度の内部監視のために熱電対がセプタムを通して直接溶
液中に挿入された)。得られた暗褐色の溶液は22℃で20時間撹拌することを許された。次
いで、溶液を-78℃(ドライアイス/アセトン)に冷却し、およびTHF(8.06mL)において1
M溶液としてi-PrOBPin(1.52g、1.64mL、8.06mmol、2.0当量)を滴下して加え、温度は-7
5℃以下に保たれるようにされた(注意深い温度制御は再現性にとって重要である)。得
られる溶液は-78℃で1時間撹拌を許され、その時間の後冷却浴を除去した。溶液を自然に
23℃まで温められてよく、およびその温度でさらに1時間撹拌された。得られる濁った黄
色の反応混合物をNH4Cl(5mL)で注意深くクエンチした。混合物をEt2O(3×10mL)で抽
出し、合わせた有機画分をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、そして溶媒を
蒸発させて粘性の褐色液体を与えられた。望ましい生成物7(926mg、収率64%)は、シリ
カゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン中の勾配溶出0→3%EtOAc)による精製の
後、無色の固体として取得された。Rf=0.2(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.
91(dd、J=8.0、1.3Hz、1H)、7.80(dd、J=7.0、1.3Hz、1H)、7.48(s、1H)、7.35(dd、
J=7.9、7.0Hz、1H)、1.42(s、12H)、1.10-1.00(m、9H)、0.89(m、6H);13C NMR(125MH
z、CDCl3)δ149.7、140.8、139.8、132.0、131.4、126.4、123.4、84.3、25.1、7.6、4.4
. IR(ニ-トフィルム、NaCl)2955、2937、1375、1367、1359、1134、1059、854、735cm-
1;C20H31BSSiO2[M・+]について算出HRMS(EI+):374.1907、知見374.1907。
【0374】
例8.4.2。2-(ベンゾ[b]チオフェン-7-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサ
ボロラン8。
【化99】
【0375】
磁気攪拌子およびトリエチル(7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-
イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)シラン7(300mg、0.80mmol)を充填したバイアルに
、室温でCH2Cl2(0.3mL)およびトリフルオロ酢酸(306μL、4.0mmol、5.0当量)を添加
した。反応物は3時間撹拌することを許され、その時間の後、混合物を水(0.5mL)でクエ
ンチし、Et2O(3×5mL)で抽出し、および合わせた有機画分をブライン(5mL)で洗浄し
た。溶媒を除去して、さらに精製することなく8(203.8mg、98%)を白色固体として取得
した。Rf=0.4(3%EtOAcヘキサン中);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.92(dd、J=7.9、1.3Hz
、1H)、7.83(dd、J=7.1、1.3Hz、1H)、7.48(d、J=5.5Hz、1H)、7.38(dd、J=7.9、7.0H
z、1H)、7.34(d、J=5.5Hz、1H)、1.41(s、12H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ145.8、139
.4、132.0、127.5、126.7、123.7、123.4、84.4、25.1。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2977
、1564、1504、1461、1372、1330、1300、1267、1199、1165、1135、1097、1038、969、8
51、829、801、714、672cm-1;C14H17BSO2[M・+]について算出HRMS(EI+):260.1042、知
見260.1039。
【0376】
例8.5。分子間/分子内二重C-Hシリル化によるシラ複素環の合成:9,9-ジエチル-9H-ベ
ンゾ[d]ピロロ[1,2-a][1,3]アザシロ-ル9。
【化100】
【0377】
本反応は、基本手順に従って、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、1-フェニル-1H-
ピロ-ル(72.0mg、0.5mmol、1当量)、Et2SiH2(97μL、0.75mmol、1.5当量)、およびTH
Fの0.5mLを、35℃で72時間、次いで65℃で72時間加熱することによって行った。シリカゲ
ルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、望ましい生成物9(4
8.8mg、収率43%)を無色針状晶として取得した。Rf=0.6(100%ヘキサン);1H NMR(500MH
z、CDCl3)δ7.51(ddd、J=7.1、1.4、0.6Hz、1H)、7.46-7.33(m、2H)、7.31(dt、J=7.9
、0.7Hz、1H)、7.09(td、J=7.2、1.0Hz、1H)、6.52(dd、J=3.3、1.0Hz、1H)、6.41(dd
、J=3.3、2.6Hz、1H)、1.05-0.96(m、6H)、0.96-0.79(m、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3
)δ148.0、134.1、130.8、129.4、128.5、123.9、117.5、117.1、113.3、111.6、7.5、4.
4;IR(ニ-トフィルム、NaCl)2958、2921、2873、2849、1658、1598、1462、1471、1451
、1377、1332、1260、1086、1017、799、755、717cm-1;C14H18NSi[M+H]+について算出HRM
S(FAB+):228.1208、知見228.1206。この反応生成物のHSQCスペクトルは、以前に米国特
許第9000167号に報告されている。
【0378】
例8.6。タ-チオフェンのC-Hシリル化
【化101】
【0379】
本反応は基本手順に従い行った。条件Aについて:KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%
)、2,2':5',2''-タ-チオフェン(124mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(243μL、1.5mmol
、3当量)、およびTHFの0.5mLを25℃で40時間により反応を行った。シリカゲルフラッシ
ュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)による精製の後、生成物10(204.7mg、収率86%
)およびSI-10(23.5mg、収率13%)を取得した。条件Bについて:KOt-Bu(11.2mg、0.1m
mol、20mol%)、2,2':5'、2''-タ-チオフェン(124mg、0.5mmol、1当量)、Et3SiH(24
3μL、1.5mmol、3当量)、および0.5mLのTHFを45℃で65時間により反応を行った。シリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィ-(100%ヘキサン)によって精製した後、生成物10(22
8.6mg、収率96%)を取得した。SI-10は1H NMRおよびGC-MSによって微量生成物として観
察されたが、単離されなかった。
【0380】
5,5''-ビス(トリエチルシリル)-2,2':5',2''-タ-チオフェン10:黄色油状物、Rf=0.5
(100%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.25(d、J=3.5Hz、2H)、7.14(d、J=3.5
Hz、2H)、7.10(s、2H)、1.03(m、18H)、0.82(m、12H)。13C NMR(125MHz、CDCl3)δ14
2.4、136.7、136.5、135.7、124.9、124.5、7.2、4.4;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3057
、2953、2934、2908、2874、1750、1455、1428、1417、1377、1303、1236、1212、1198、
1068、988、1009、911、892、792、736、723cm-1;C24H36S3Si2[M・+]について算出HRMS(
EI+):476.1518、知見476.1534。
【0381】
[2,2':5',2''-タ-チオフェン]-5-イルトリエチルシランSI-10:黄色油状物、Rf=0.4(1
00%ヘキサン);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.24(d、J=3.4Hz、1H)、7.21(dd、J=5.1、
1.2Hz、1H)、7.17(dd、J=3.6、1.2Hz、1H)、7.14(dd、J=3.4、1.6Hz、1H)、7.09(q、J
=3.7Hz、2H)、7.02(dd、J=5.1、3.6Hz、1H)、1.07-0.98(m、9H)、0.82(qd、J=7.8、0.
9Hz、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ142.3、137.5、136.8、136.6、136.4、135.6、128.
0、125.0、124.6、124.5、124.5、123.8、7.5、4.6;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3068、29
53、2873、1458、1425、1377、1235、1195、1069、1011、989、913、865、836、793、737
cm-1;C18H23S3Si [M+H]+について算出HRMS(FAB+):363.0731、知見363.0742。
【0382】
例8.7。EDOTのC-Hシリル化:(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-5-イル)
トリエチルシラン11。
【化102】
【0383】
反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、EDOT(2,3-ジヒドロ
チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン、Et3SiH(240μL、1.5mmol、3当量)、およびTHFの0.5mL
を45℃で72時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-
(勾配溶出、ヘキサン中の0→5%EtOAc)による精製の後、濁った黄色の油状物として、
望ましい生成物11(79.3mg、収率62%)を取得した。Rf=0.3(100%ヘキサン);1H NMR
(500MHz、CDCl3)δ6.56(s、2H)、4.17(s、4H)、0.98(td、J=7.8、0.8Hz、9H)、0.84-
0.74(m、6H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ147.5、142.5、108.7、105.0、64.5、64.5、7.
4、3.9;IR(ニ-トフィルム NaCl)2952、2873、1468、1440、1422、1361、1244、1181、1
151、1072、1042、1009、899、721cm-1;C12H21O2SSi [M+H]+について算出HRMS(EI+):25
7.1032、知見257.1064。
【0384】
例8.8。活性な薬学的成分(APIs)の後期シリル化。
【0385】
例8.8.1。1-メチル-N-フェニル-N-((5-(トリエチルシリル)チオフェン-2-イル)メ
チル)ピペリジン-4-アミン12:
【化103】
【0386】
KOt-Bu(2.2mg、0.02mmol、20mol%)、テナリジン(28.2mg、0.1mmol、1当量)、Et3S
iH(48μL、0.3mmol、3当量)、および0.1mLのTHFを45℃で72時間加熱することによって
反応を行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘキサン:EtOAc:Et3N=100:
100:1)による精製の後、望ましい生成物12(24.9mg、62%収率)を無色油状物として取
得した。Rf=0.2(ヘキサン:EtOAc:Et3N=20:20:1);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.24-
7.17(m、2H)、7.05(d、J=3.4Hz、1H)、6.97(d、J=3.3Hz、1H)、6.82(dt、J=7.8、1.0
Hz、2H)、6.72(tt、J=7.2、1.0Hz、1H)、4.62(s、2H)、3.70(tt、J=11.6、4.0Hz、1H)
、2.96-2.92(m、2H)、2.30(s、3H)、2.07(td、J=11.9、2.5Hz、2H)、1.93-1.85(m、2
H)、1.85-1.73(m、2H)、0.97(t、J=7.9Hz、9H)、0.76(q、J=7.8Hz、6H);13C NMR(125
MHz、CDCl3)δ151.0、149.0、135.2、134.7、129.3、125.3、117.3、113.8、55.8、55.6
、46.4、46.0、29.6、7.5、4.6. IR(ニ-トフィルム、NaCl)2951、2873、2780、2734、1
597、1574、1503、1459、1377、1352、1278、1237、1207、1131、1068、1008、987、850
、802、745cm-1;C23H37N2SSi [M+H]+について算出HRMS(MM:ESI-APCI+):401.2441、知見
401.2460。
【0387】
例8.8.2:5-(2-クロロベンジル)-2-(トリエチルシリル)-4,5,6,7-テトラヒドロチ
エノ[3,2-c]ピリジン13a:
【化104】
【0388】
反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、チクロピジン(132.
5mg、0.5mmol、1当量)、Et
3SiH(243μL、1.5mmol、3当量)および0.5mLのTHFを45℃で4
8時間加熱することによって行った。望ましい生成物13a(107.7mg、57%収率)を、シリ
カゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶出、ヘキサン中5→10%Et
2O)による精製の
後、無色の油状物として取得した。Rf=0.4(ヘキサン中10%Et
2O);
1H NMR(500MHz、CD
Cl
3)δ7.56(dd、J=7.5、1.8Hz、1H)、7.37(dd、J=7.8、1.5Hz、1H)、7.25(td、J=7.4
、1.5Hz、1H)、7.20(td、J=7.6、1.9Hz、1H)、6.86(s、1H)、3.84(s、2H)、3.67(d、
J=1.6Hz、2H)、2.94(t、J=5.9Hz、2H)、2.87(t、J=5.4Hz、2H)、1.02-0.98(m、9H)、0
.80-0.74(m、6H);
13C NMR(125MHz、CDCl
3)δ139.2、136.5、135.6、134.4、134.0、133
.2、130.8、129.6、128.3、126.8、58.7、53.3、51.0、26.1、7.5、4.6。IR(ニ-トフィ
ルム、NaCl)2952、2908、2873、2805、2763、1462、1443、1413、1375、1360、1347、13
03、1289、1234、1169、1125、1106、1047、1032、1018、991、907、835、752cm
-1;C
20H
2
9ClNSSi[M+H]+について算出HRMS(MM:ESI-APCI+):378.1473、知見378.1480。
【化105】
【0389】
反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、チクロピジン(134.
5mg、0.5mmol、1当量)、Et2SiH2(194μL、1.5mmol、3当量)、および0.5mLのTHFを45℃
で108時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配
溶出、ヘキサン中5→50%Et2O)による精製の後、生成物13b(97.9mg、56%収率)および
SI-13b(27.3mg、18%収率)取得した。
【0390】
5-(2-クロロベンジル)-2-(ジエチルシリル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]
ピリジン13b:無色油状物、Rf=0.4(ヘキサン中10%Et2O);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7
.56(dd、J=7.6、1.8Hz、1H)、7.38(dd、J=7.8、1.4Hz、1H)、7.26(td、J=7.4、1.5Hz
、1H)、7.21(td、J=7.6、1.9Hz、1H)、6.93(s、1H)、4.30(p、J=3.2Hz、1H)、3.84(s
、2H)、3.67(t、J=1.7Hz、2H)、2.96-2.94(m、2H)、2.88-2.85(m、2H)、1.05(t、J=7
.8Hz、6H)、0.83(qd、、J=7.5、3.3Hz、4H);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.0、136.4、
135.9、134.4、134.2、131.3、130.8、129.6、128.3、126.8、58.6、53.2、50.9、26.1、
8.1、4.5。IR(ニ-トフィルム、NaCl)2953、2909、2872、2805、2112、1456、1447、136
1、1348、1303、1290、1231、1169、1125、1106、1048、1033、1009、992、907、810、75
2cm-1;C18H25ClNSSi[M+H]+について算出HRMS(MM:ESI-APCI+):350.1160、知見350.1155
。
【0391】
ビス(5-(2-クロロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-イル
)ジエチルシランSI-13b:無色油状物、Rf=0.3(50%Et2Oヘキサン中);1H NMR(500MHz
、CDCl3)δ7.55(dd、J=7.6、1.8Hz、2H)、7.37(dd、J=7.8、1.5Hz、2H)、7.25(td、J=
7.4、1.5Hz、2H)、7.20(td、J=7.6、1.9Hz、2H)、6.92(s、2H)、3.83(s、4H)、3.65(
t、J=3.3Hz、4H)、2.94(t、J=5.4Hz、4H)、2.86(t、J=5.6Hz、4H)、1.09-0.95(m、10H
);13C NMR(125MHz、CDCl3)δ140.2、136.4、135.8、134.53、134.45、132.4、130.9、12
9.6、128.3、126.8、58.7、53.2、50.9、26.1、7.5、6.5。IR(ニ-トフィルム、NaCl)30
59、2953、2913、2868、2806、1471、1453、1446、1361、1289、1125、1105、1033、989
、907、839、805、753cm-1;C32H37Cl2N2S2Si [M+H]+について算出HRMS(MM:ESI-APCI+):
611.1539、知見611.1523。
【0392】
例8.8.3。5-(2-クロロベンジル)-2-(ジメチル(フェニル)シリル)-4,5,6,7-テト
ラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン13c:
【化106】
【0393】
反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(11.2mg、0.1mmol、20mol%)、チクロピジン(134.
5mg、0.5mmol、1当量)、PhMe2SiH(230μL、1.5mmol、3当量)、および0.5mLのTHFを45
℃で108時間加熱することによって行った。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(ヘ
キサン中3%Et2O)による精製の後、生成物13c(135.4mg、収率68%)を無色油状物とし
て取得した。Rf=0.3(ヘキサン中10%Et2O)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.58-7.52(m、
3H)、7.39-7.34(m、4H)、7.25-7.18(m、2H)、6.87(s、1H)、3.82(s、2H)、3.64(t、
J=1.7Hz、2H)、2.95-2.92(m、2H)、2.88-2.84(m、2H)、0.56(s、6H);13C NMR(125MHz
、CDCl3)δ140.1、138.2、136.4、135.9、135.2、134.4、134.1、133.9、130.8、129.6、
129.4、128.3、128.0、126.8、58.6、53.2、50.9、26.1、-1.1。IR(ニ-トフィルム、NaC
l)3067、2953、2918、2806、2764、1652、1471、1446、1427、1361、1248、1169、1109
、1033、990、907、832、810、777、753cm-1;C22H25ClNSSi[M+H]+について算出HRMS(MM:
ESI-APCI+):398.1160、知見398.1152。
【0394】
例8.8.4。5-(ピリジン-2-イルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン
SM-14
【化107】
【0395】
火炎乾燥した(flame-dried)50mLシュレンクフラスコに、4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジンHCl塩(1.0g、5.7mmol)、2-(ブロモメチル)ピリジンHBr塩(2.18g
、8.6mmol、1.5当量)、Bu4NHSO4(0.20g、0.6mmol、10mol%)、K2CO3(3.94g、28.5mmo
l、5当量)、および10mLのアセトニトリルを添加した。フラスコをアルゴンでパ-ジし、
および反応物を70℃で18時間撹拌した。望ましい生成物SM-14(346.5mg、収率26%)は、
シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ-(勾配溶出、ヘキサン中50→100%Et2O)による
精製の後、黄色油状物として取得した。Rf=0.1(ヘキサン中50%Et2O)。1H NMR(500MHz
、CDCl3)δ8.58(ddd、J=4.9、1.8、0.9Hz、1H)、7.67(td、J=7.6、1.8Hz、1H)、7.51(
dt、J=7.9、1.0Hz、1H)、7.19(ddd、J=7.5、4.8、1.2Hz、1H)、7.07(dt、J=5.1、0.7Hz
、1H)、6.70(d、J=5.1Hz、1H)、3.89(s、2H)、3.64(t、J=1.7Hz、2H)、2.96 -2.83(m
、4H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ158.79、149.20、136.52、133.78、133.36、125.22、
123.13、122.63、122.13、63.82、53.22、50.89、25.50;IR(ニ-トフィルム、NaCl)3403
、3062、2918、2813、1648、1588、1569、1473、1431、1356、1320、1236、1167、1109、
1053、1015、993、905、840、809、761cm-1;C13H13SN2[(M+H)-H2]+について算出HRMS(EI
+):229.0799、知見229.0806。
【0396】
例8.8.5。5-(ピリジン-2-イルメチル)-2-(トリエチルシリル)-4,5,6,7-テトラヒド
ロチエノ[3,2-c]ピリジン14:
【化108】
【0397】
反応は、基本手順に従い、KOt-Bu(4.5mg、0.04mmol、20mol%)、5-(ピリジン-2-イ
ルメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジンSM-14(46.1mg、0.2mmol)、Et
3SiH(96μL、0.6mmol、3当量)、およびTHFの0.2mLを45℃で72時間加熱することによっ
て行った。望ましい生成物14(49.1mg、収率71%)は、シリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィ-(勾配溶出、ヘキサン中75→100%Et2O)による精製の後、無色油状物として取得
された。Rf=0.5(ヘキサン中75%Et2O);1H NMR(500MHz、CDCl3)δ8.56(ddd、J=4.9、1
.8、0.9Hz、1H)、7.66(td、J=7.7、1.8Hz、1H)、7.50(dt、J=7.8、1.0Hz、1H)、7.17(
ddd、J=7.5、4.9、1.2Hz、1H)、6.83(s、1H)、3.87(s、2H)、3.64(t、J=1.6Hz、2H)、
2.94(tt、J=5.3、1.5Hz、2H)、2.86(dd、J=5.9、5.0Hz、2H)、0.97(t、J=7.9Hz、9H)
、0.74(qd、J=7.7、0.8Hz、6H);13C NMR(126MHz、CDCl3)δ158.9、149.1、138.9、136.
5、135.3、133.8、133.0、123.1、122.1、63.9、53.2、50.9、25.8、7.4、4.4;IR(ニ-ト
フィルム、NaCl)3048、2951、2873、2806、1588、1569、1448、1430、1361、1289、1235
、1169、1114、1031、1005、992、908、835、757、735、718cm-1;C19H29N2SSi[M+H]+につ
いて算出HRMS(EI+):345.1821、知見345.1835。
【0398】
例9.水酸化カリウム(KOH)によって触媒されるシリル化の選択された例
【0399】
以前の所見とは対照的に、KOHは、特定の条件下でヘテロ芳香族物質をヒドロシランで
直接シリル化するための有効な触媒でありうることが今回発見された。この触媒系は目下
、反応条件を変更することによって、カリウムtert-ブトキシド(または他の強塩基)が
以前に有効であることが示されたすべての基質とともに使用することができると考えられ
、それは、ここに記載されるように、米国特許出願第14/043,929号および国際出願第PCT/
US2013/062963号で、共に2013年10月2日に出願されているものに記載されているようにで
ある。しかし、KOHの使用は、コストおよび毒性の低下、反応のセットアップおよび精製
の促進などの重要な実用上の利点を提供する。さらに、条件のわずかな変化は再現性のあ
る置換度を変えることができることに注目される(たとえば、
図7参照、そこでは、フラ
ンおよびビチオフェンの操作温度の変化により、選択的なモノ-(45℃で>10:1のモノ-:
ビス-;1.2当量のシラン)およびビス-シリル置換(65℃で>10:1のビス-:モノ-;3当量
のシラン)が可能にされる)。
【0400】
上記の例2、表1に示すように、KOHはスクリ-ニング試験条件下この関連で完全に非反応
性であることが見出され、それでこの化学の分野において完全に不活性であると考えられ
た。表1に記載された条件下で反応が進行しないことが繰り返され、および確認された:
【化109】
【0401】
しかし、反応条件を調整することによって、反応は良好な転化率で進行することが判明
した。温度の僅かな上昇のみでのこの反応性の顕著な変化は全く予想外であった。
【化110】
【0402】
【0403】
この触媒系がブトキシド/ヒドリド系について記載したのと同じ範囲の基質上で作用す
ることができることは、以下の基質の範囲の今回発見された操作性によって裏付けられる
(
図7)。
【0404】
当業者には理解されるように、これらの教示に照らし、本発明の多数の修飾および変形
が可能であり、およびすべてのそのようなものがここで考慮される。たとえば、ここに説
明される実施態様に加え、本発明は、ここで引用された発明の特徴および引用される先行
技術文献のものとの組合せから生じるそれらの発明を予期し、および請求し、それらは本
発明の特徴を補完する。同様に、何らかの説明された物質、特徴、または物品は、任意の
他の物質、特徴、または物品と組み合わせて使用されてもよく、およびそのような組合せ
は、本発明の範囲内であると考えられると理解されるであろう。
【0405】
以下の参考文献の一部または全部が、本発明のいくつかの要素またはその背景原理を理
解する上で有用でありうる。
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【0406】
ここに引用または記載された各特許、特許出願および刊行物は、すべての目的のために
、その全体が参照によりここに組み込まれる。