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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/10 20060101AFI20221104BHJP
   G11C 5/14 20060101ALI20221104BHJP
   G11C 11/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G11C16/10
G11C5/14 300
G11C11/00 100
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021195124
(22)【出願日】2021-12-01
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】矢野 勝
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-288646(JP,A)
【文献】特開2003-316664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/00
G11C 16/10
G11C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NOR型またはNAND型フラッシュメモリ構造を有する第1のメモリセルアレイと、抵抗変化型メモリ構造を有する第2のメモリセルアレイとを含むメモリセルアレイと、
第1のメモリセルアレイまたは第2のメモリセルアレイの選択されたメモリセルの読み書きを制御する制御手段と、
電源電圧がパワーダウンレベルに降下したことを検出する第1の検出手段とを含み、
前記制御手段は、第1のメモリセルアレイへの書込み動作中に前記第1の検出手段によってパワーダウンレベルが検出されたとき、少なくとも第1のメモリセルアレイへの書込みが完了していない未書込みデータを第2のメモリセルアレイへ書込む、半導体記憶装置。
【請求項2】
半導体記憶装置はさらに、電源電圧がパワーオンレベルになったことを検出する第2の検出手段を含み、
前記制御手段は、第2の検出手段によりパワーオンレベルが検出されたとき、第2のメモリセルアレイから前記未書込みデータを読出し、読み出した未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記制御手段はさらに、未書込みデータとともに第1のメモリセルアレイへの書込みを行うためのアドレスを第2のメモリセルアレイに書込み、
前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出されたアドレスに従い前記未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込む、請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記制御手段はさらに、未書込みデータとともに第1のメモリセルアレイへの書込みを行うためのコマンドを第2のメモリセルアレイに書込み、
前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出されたコマンドに従い前記未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込む、請求項1ないし3いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
半導体記憶装置はさらに、外部から入力されたデータを保持するデータ保持手段を含み、
前記制御手段は、前記データ保持手段に保持されたデータを第1のメモリセルアレイに書込み、前記パワーダウンレベルが検出されたとき前記データ保持手段に保持された未書込みデータを第2のメモリセルアレイに書込む、請求項1ないし4いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記データ保持手段は、外部から入力されたページデータを保持し、前記制御手段は、外部から入力されたページ書込みコマンドに基づき第1のメモリセルアレイの選択された行に前記データ保持手段に保持されたページデータを書込み、さらに前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出された未書込みデータを前記選択された行に書込む、請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記データ保持手段は、外部から入力されたバイトデータを保持し、前記制御手段は、外部から入力されたバイト書込みコマンドに基づき第1のメモリセルアレイの選択された行に前記データ保持手段に保持されたバイトデータを書込み、さらに前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出された未書込みデータを前記選択された行に書込む、請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
半導体記憶装置はさらに、前記データ保持手段に保持されたデータを選択するデータ選択手段を含み、
前記制御手段は、前記データ選択手段によって選択されたデータを第1のメモリセルアレイの選択されたメモリセルに書込み、前記データ選択手段によって選択されなかったデータを第2のメモリセルアレイに書込む、請求項5ないし7いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記制御手段は、パワーダウンレベルと第2のメモリセルアレイの書込み限界となる最小電圧との間の電圧を用いて第2のメモリセルアレイに未書込みデータを書込む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記メモリセルアレイは、第1のメモリセルアレイと第2のメモリセルアレイに共通のビット線と、第1のメモリセルアレイと第2のメモリセルアレイとの間に接続され、前記ビット線を選択的に第2のメモリセルアレイに接続または非接続するエントリーゲートとを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
第2のメモリセルアレイは、1ページから構成され、第2のメモリセルアレイは、ビット線を選択するためのビット線選択回路の下方に配置される、請求項10に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NOR型フラッシュメモリと抵抗変化型メモリとを集積させた半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NOR型フラッシュメモリは、ビット線とソース線との間に1つのメモリセルを配置し、メモリセルへのランダムアクセスが可能な不揮発性メモリである。また、その集積度の向上を図るために、仮想接地方式や多値方式を採用している(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、NOR型フラッシュメモリに代わる不揮発性メモリとして、可変抵抗素子を利用した抵抗変化型メモリがある。抵抗変化型メモリは、可変抵抗素子にパルス電圧を印加し、可変抵抗素子を可逆的かつ不揮発的に高抵抗状態または低抵抗状態にすることでデータを記憶する(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-192346号公報
【文献】特許6810725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NOR型フラッシュメモリは、メモリセルへのランダムアクセスが可能であるが、NANDフラッシュメモリなどとの互換性を図るため、ページ単位の書込み(プログラム)が可能である。NOR型フラッシュメモリは、例えば、ホストコンピュータから出力されるデータ入力コマンドに応じてページデータやアドレスを受け取り、次いでページ書込みコマンドに応じて選択ページにページデータを書込む。NOR型フラッシュメモリは、受け取ったページデータをデータレジスタに保持し、データレジスタから選択されたデータを選択ページに書込む。そして、ホストコンピュータは、ページ書込みが正常に完了したことをチェックするためにステータス情報を読出す。
【0006】
しかしながら、ページ書込みを行っている最中に、NOR型フラッシュメモリへの電源電圧が遮断したり、あるいは電源電圧が動作を保証する最低電圧よりも低下してしまうと、書込みが中断されてしまう。ページデータを保持しているデータレジスタは揮発性であるため、電源電圧が動作保証電圧よりも降下してしまうと、データレジスタに保持したページデータは消失されてしまい、仮に電源電圧が復旧しても、NOR型フラッシュメモリは、ページ書込みを再開することができない。また、ホストコンピュータは、電源電圧の復旧後に、ステータス情報から書込みが正常に完了できなかったことを知ることができるが、どこまでのデータが正しく書込まれたかを知ることができないため、結局の所、初めからページ書込みをやり直さなければならない。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、電源電圧の瞬停や変動などにより中断された書込みを復旧させることができる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体記憶装置は、NOR型またはNAND型フラッシュメモリ構造を有する第1のメモリセルアレイと、抵抗変化型メモリ構造を有する第2のメモリセルアレイとを含むメモリセルアレイと、第1のメモリセルアレイまたは第2のメモリセルアレイの選択されたメモリセルの読み書きを制御する制御手段と、電源電圧がパワーダウンレベルに降下したことを検出する第1の検出手段とを含み、前記制御手段は、第1のメモリセルアレイへの書込み動作中に前記第1の検出手段によってパワーダウンレベルが検出されたとき、少なくとも第1のメモリセルアレイへの書込みが完了していない未書込みデータを第2のメモリセルアレイへ書込む。
【0009】
ある態様では、半導体記憶装置はさらに、電源電圧がパワーオンレベルになったことを検出する第2の検出手段を含み、前記制御手段は、第2の検出手段によりパワーオンレベルが検出されたとき、第2のメモリセルアレイから前記未書込みデータを読出し、読み出した未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込む。ある態様では、前記制御手段はさらに、未書込みデータとともに第1のメモリセルアレイへの書込みを行うためのアドレスを第2のメモリセルアレイに書込み、前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出されたアドレスに従い前記未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込む。ある態様では、前記制御手段はさらに、未書込みデータとともに第1のメモリセルアレイへの書込みを行うためのコマンドを第2のメモリセルアレイに書込み、前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出されたコマンドに従い前記未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込む。ある態様では、半導体記憶装置はさらに、外部から入力されたデータを保持するデータ保持手段を含み、前記制御手段は、前記データ保持手段に保持されたデータを第1のメモリセルアレイに書込み、前記パワーダウンレベルが検出されたとき前記データ保持手段に保持された未書込みデータを第2のメモリセルアレイに書込む。ある態様では、前記データ保持手段は、外部から入力されたページデータを保持し、前記制御手段は、外部から入力されたページ書込みコマンドに基づき第1のメモリセルアレイの選択された行に前記データ保持手段に保持されたページデータを書込み、さらに前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出された未書込みデータを前記選択された行に書込む。ある態様では、前記データ保持手段は、外部から入力されたバイトデータを保持し、前記制御手段は、外部から入力されたバイト書込みコマンドに基づき第1のメモリセルアレイの選択された行に前記データ保持手段に保持されたバイトデータを書込み、さらに前記制御手段は、第2のメモリセルアレイから読み出された未書込みデータを前記選択された行に書込む。ある態様では、半導体記憶装置はさらに、前記データ保持手段に保持されたデータを選択するデータ選択手段を含み、前記制御手段は、前記データ選択手段によって選択されたデータを第1のメモリセルアレイの選択されたメモリセルに書込み、前記データ選択手段によって選択されなかったデータを第2のメモリセルアレイに書込む。ある態様では、前記制御手段は、パワーダウンレベルと第2のメモリセルアレイの書込み限界となる最小電圧との間の電圧を用いて第2のメモリセルアレイに未書込みデータを書込む。ある態様では、前記メモリセルアレイは、第1のメモリセルアレイと第2のメモリセルアレイに共通のビット線と、第1のメモリセルアレイと第2のメモリセルアレイとの間に接続され、前記ビット線を選択的に第2のメモリセルアレイに接続または非接続するエントリーゲートとを含む。ある態様では、第2のメモリセルアレイは、1ページから構成され、第2のメモリセルアレイは、ビット線を選択するためのビット線選択回路の下方に配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源電圧のパワーダウンレベルが検出されたとき、第1のメモリセルアレイへの書込みが完了していない未書込みデータを第2のメモリセルアレイに書込むようにしたので、未書込みデータの消失を回避し、電源電圧が回復したときに未書込みデータを第1のメモリセルアレイに書込み、中断した書込みを復旧させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係る不揮発性メモリの全体構成を示す図である。
図2】本発明の実施例に係るメモリセルアレイの構成を示す模式図である。
図3】本発明の実施例に係るNOR型メモリセルアレイの一部の回路図である。
図4】本発明の実施例に係る抵抗変化型メモリセルアレイの一部の回路図である。
図5図5(A)は、本実施例のNOR型メモリセルアレイの概略断面図、図5(B)は、本実施例の抵抗変化型メモリセルアレイの概略断面図である。
図6】本発明の実施例に係る読み書き制御部の構成を示す図である。
図7】本発明の実施例に係るパワーダウン検出時の書込みデータのリカバリー動作を説明するフローである。
図8】本発明の実施例に係るパワーオン検出時の書込みデータのリカバリー動作を説明するフローである。
図9】本発明の実施例に係るページ書込み時のページデータのリカバリー例を示す図である。
図10】本発明の第2の実施例に係る不揮発性メモリを説明する図である。
図11】本発明の第3の実施例に係る不揮発性メモリを説明する図である。
図12】第3の実施例によるページバッファ/センス回路と抵抗変化型アレイとの接続関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る半導体記憶装置は、NOR型フラッシュメモリと抵抗変化型メモリとを組み合わせた不揮発性メモリに関する。NOR型フラッシュメモリでは、高集積化が進んでいるが、書込みや消去のために比較的大きな電圧を必要とし、低電力化は必ずしも十分ではない。他方、抵抗変化型メモリは、NOR型フラッシュメモリのような消去を必要とせず、低電圧でデータを書き換えることが可能であるが、メモリサイズが大きいためNOR型フラッシュメモリのような集積度には及ばない。また、抵抗変化型メモリは、NOR型フラッシュメモリよりも高いエンデュランス特性(書き換え可能な回数)を備えている。
【0013】
本発明のある態様では、NOR型フラッシュメモリの構造を有するメモリセルアレイと抵抗変化型メモリの構造を有するメモリセルアレイとが共通の基板上に集積される。また、別の態様では、NOR型フラッシュメモリのチップ上に抵抗変化型メモリのチップが積層される。
【実施例
【0014】
次に、本発明の実施例に係る不揮発性メモリの詳細について説明する。図1は、本実施例に係る不揮発性メモリ100の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、不揮発性メモリ100は、例えば、シリコン等の基板上に、メモリセルアレイ110、アドレスバッファ120、セクタ/ゲート選択回路130、ワード線デコーダ140、Yデコーダ150、入出力回路160、パワーオン検出部170、パワーダウン検出部172および読み書き制御部180などを集積して構成され、これらの各部は、アドレス、データ、制御信号等を送受可能な内部バス等によって接続される。なお、同図は、主要な構成を示しており、電圧生成回路等は省略してある。
【0015】
図2は、メモリセルアレイの構成を模式的に示した平面図である。メモリセルアレイ110は、NOR型フラッシュメモリの構造を有する第1のメモリセルアレイ(以下、NOR型アレイと称す)110Aと、抵抗変化型メモリの構造を有する第2のメモリセルアレイ(以下、抵抗変化型アレイと称す)110Bとを含む。NOR型アレイ110Aは、抵抗変化型アレイ110Bに比較して高集積化が可能であり、抵抗変化型アレイ110Bは、NOR型アレイ110Aに比較して低電力動作が可能である。
【0016】
メモリセルアレイ110は、列方向にNOR型アレイ110Aと抵抗変化型アレイ110Bとを配置させ、NOR型アレイ110Aと抵抗変化型アレイ110Bとの上方には列方向にグローバルビット線GBLが延在する。NOR型アレイ110Aや抵抗変化型アレイ110Bのメモリサイズは特に限定されないが、例えば、NOR型アレイ110Aは16Mbであり、抵抗変化型アレイ110Bは1Mbである。
【0017】
NOR型アレイ110Aは、列方向に消去単位である複数のセクタ(またはブロック)0、1、・・・Pを含み、各セクタは、セクタ内を列方向に延在するローカルビット線LBLを選択するためのLBL選択ゲート110Dを含む。NOR型アレイ110Aの最後のセクタPと抵抗変化型アレイ110Bとの間にエントリーゲート110Cが形成される。エントリーゲート110Cは、抵抗変化型アレイ110B内を列方向に延在するローカルビット線を選択するとともに、NOR型アレイ110Aがアクセスされるとき抵抗変化型アレイ110BをNOR型アレイ110Aから隔離する。
【0018】
メモリセルアレイ110の列方向に複数のグローバルビット線GBL0、1、2、・・・、m(総称するときグローバルビット線GBL)が形成される。グローバルビット線GBLは、NOR型アレイ110Aの各セクタのLBL選択ゲート110Dに接続されるとともに、エントリーゲート110Cに接続され、つまり、グローバルビット線GBLは、NOR型アレイ110Aおよび抵抗変化型アレイ110Bによって共有される。
【0019】
複数のワード線がメモリセルアレイ110の行方向に形成される。セクタ0の行方向にはワード線WL00~WL0nが形成され、セクタ1の行方向にはワード線WL10~1nが形成され、同様にセクタPの行方向にはワード線WLP0~Pnが形成され、抵抗変化型アレイ110Bの行方向にワード線WLQ0~Qjが形成される。
【0020】
セクタ0のLBL選択ゲート110Dにはセクタ/ゲート選択回路130からの4ビットの選択信号線SEL_0[0:3]が供給され、セクタ1のLBL選択ゲート110Dには選択信号線SEL_1[0:3]が供給され、同様にセクタPのLBL選択ゲート110Dには選択信号線SEL_P[0:3]が供給され、エントリーゲート110Cには
選択信号線SEL_Q[0:3]が供給される。セクタ/ゲート選択回路130は、行アドレスの一部(上位ビット)によりNOR型アレイ110Aのセクタを選択し、選択されたセクタに対応するLBL選択ゲート110Dに選択信号線が供給される。
【0021】
図3に、セクタ0の一部の回路構成を示す。同図に示すように、LBL選択ゲート110Dは、1つのグローバルビット線GBLを4つのローカルビット線LBL0~LBL3に分割するように行方向に延在する。つまり、m本のグローバルビット線GBLは、LBL選択ゲート110Dによってm×4本に分割される。
【0022】
1つのグローバルビット線GBLと4つのローカルビット線LBL0~LBL3との間には、並列に接続された4つのNMOSトランジスタQ0、Q1、Q2、Q3が形成される。トランジスタQ0の各ゲートには、行方向に延在する選択信号線SEL0が共通に接続され、トランジスタQ1の各ゲートには、行方向に延在する選択信号線SEL1が共通に接続され、トランジスタQ2の各ゲートには、行方向に延在する選択信号線SEL2が共通に接続され、トランジスタQ3の各ゲートには、行方向に延在する選択信号線SEL3が共通に接続される。
【0023】
セクタ/ゲート選択回路130は、行アドレスの上位ビットに従いセクタを選択し、かつ列アドレスに従い選択したセクタのLBL選択ゲート110Dに接続された選択信号線を選択する。例えば、セクタ0が選択されたとき、選択信号線SEL_0[0:3]が選択される。読み書き制御部180は、選択された選択信号線のいずれかをHレベルに駆動し、残りをLレベルに駆動する。例えば、選択信号線SEL0がHレベルに駆動され、残りの選択信号線SEL1~SEL3がLレベルに駆動され、これにより、LBL選択ゲート110Dのm個のトランジスタQ0がオンし、m本のグローバルビット線GBLが対応するm個のローカルビット線LBL0に選択的に接続される。他方、トランジスタQ1~Q3がオフし、ローカルビット線LBL1~LBL3がグローバルビット線GBLから切り離される。
【0024】
各セクタ内には、複数のメモリセルが行列状に形成される。列方向に隣接するメモリセルのドレイン領域が共通に接続され、このドレイン領域がローカルビット線に接続される。また、行方向のメモリセルの各ゲートは、行方向のワード線に共通に接続され、行方向のメモリセルの各ソース領域が行方向のソース線に共通に接続される。例えば、メモリセルMC0、MC1のゲートは、ワード線WL00、01に接続され、メモリセルMC0、MC1の共通のドレイン領域がローカルビット線LBL0に接続され、メモリセルMC0のソース領域がソース線SL00に接続され、メモリセルMC1のソース領域がソース線SL01に接続される。セクタ/ゲート選択回路130は、列アドレスに従い選択されたセクタのソース線を選択し、読み書き制御部180の制御により選択したソース線に動作電圧を印加する。
【0025】
メモリセルは、例えば、基板表面上に電荷をトラップするための蓄積領域として機能する酸化膜-窒化膜-酸化膜(ONO)を含み、その上にポリシリコンまたは金属等の導電性のゲートを含む。メモリセルは、例えば、ソース/ドレイン領域間に電流が流されたときに生じるホットエレクトロンをONO膜にトラップすることでデータをプログラムすることができる。但し、それ以外にも、ファウラーノルドハイム(FN)トンネリングにより電荷をONO膜にトラップさせてもよい。トラップされた電荷は、例えばFNトンネリングやホットホール注入により消去することができる。
【0026】
図5(A)に、メモリセルMC0、MC1の列方向の概略断面を示す。P型のシリコン基板またはPウエル領域200内に、フィールド酸化膜またはトレンチアイソレーションにより形成されたアクティブ領域内にメモリセルMC0、MC1が形成される。メモリセルMC0、MC1のゲートは、行方向のワード線WL00、WL01を構成する。メモリセルMC0、MC1のドレイン領域は共通であり、当該ドレイン領域は、ビアコンタクトV0を介して列方向のローカルビット線LBL0に電気的に接続される。メモリセルMC0、MC1のソース領域は、ビアコンタクトV1を介して行方向のソース線SL00、SL01に電気的に接続される。上記の例では、ソース線が基板上の導電層によって形成されたが、これに限らず、基板内の埋め込み拡散領域によってソース線を形成するようにしてもよい。この場合、行方向のメモリセルの各ソース領域が共通に接続される。
【0027】
また、メモリセルMC0と隣接するアクティブ領域に、LBL選択ゲート110DのトランジスタQ0が形成される。トランジスタQ0のゲートは、行方向の選択信号線SEL0を構成し、ドレイン領域がビアコンタクトV2を介して列方向のグローバルビット線GBL0に電気的に接続され、ソース領域がビアコンタクトV0を介してローカルビット線LBL0に電気的に接続される。
【0028】
LBL選択ゲート110Dによって形成された複数のローカルビット線LBL0~LBL3は、セクタ0の最後のメモリセルWL0n-1とWL0nとの共通ドレイン領域に接続され、そこで終端する。他のセクタ1~Pもセクタ0と同様に構成される。
【0029】
次に、エントリーゲート110Cについて説明する。エントリーゲート110Cは、図2に示すように、NOR型アレイ110Aの最後のセクタPと抵抗変化型アレイ110Bとの境界に形成される。エントリーゲート110Cは、LBL選択ゲート110DのトランジスタQ0~Q3とゲート幅、ゲート長が同じサイズのトランジスタQ0~Q3を含んで構成されが、LBL選択ゲート110Dと異なり、1つのグローバルビット線GBLを2つのローカルビット線LBL0、LBL1に分割するように、グローバルビット線GBLに接続される。
【0030】
図4に、エントリーゲート110Cと抵抗変化型アレイ110Bの一部の回路構成を示す。エントリーゲート110Cは、1つのグローバルビット線GBLと4つの犠牲ローカルビット線S_LBL0~S_LBL3との間に並列に接続されたトランジスタQ0~Q3を含む。トランジスタQ0~Q3のゲートには、セクタ/ゲート選択回路130からの選択信号線SEL_Q[0:3]が接続される。
【0031】
犠牲ローカルビット線S_LBL0とこれに隣接する犠牲ローカルビット線S_LBL1とを短絡することでローカルビット線LBL0が形成され、犠牲ローカルビット線S_LBL2とこれに隣接する犠牲ローカルビット線S_LBL3とを短絡することでローカルビット線LBL1が形成される。
【0032】
読み書き制御部180は、NOR型アレイ110Aをアクセスするとき、セクタ/ゲート選択回路130を介して選択信号線SEL_Q[0:3]をLレベルに駆動し、全てのトランジスタQ0~Q3をオフにし、抵抗変化型アレイ110BをNOR型アレイ110Aから隔離する。また、読み書き制御部180は、抵抗変化型アレイ110Bをアクセスするとき、セクタ/ゲート選択回路130を介して選択信号線SEL_QのいずれかをHレベルに駆動し、トランジスタQ0~Q3のいずれかをオンさせ、選択されたローカルビット線をグローバルビット線に接続する。
【0033】
本実施例では、抵抗変化型アレイ110Bのローカルビット線LBL0/LBL1のピッチは、NOR型アレイ110Aのローカルビット線LBL0/LBL1、LBL2/LBL3のピッチの2倍である。また、エントリーゲート110Cでは、1つのローカルビット線に2つのトランジスタが並列に接続されるため、抵抗変化型アレイ110Bの1つのローカルビット線に供給できる電流は、NOR型アレイ110Aの1つのローカルビット線に供給する電流の2倍である。抵抗変化型アレイ110Bのローカルビット線間のピッチがNOR型アレイ110Aよりも大きいのは、NOR型アレイ110Aの集積度が抵抗変化型アレイ110Bの集積度よりも高いためである。上記構成は一例であり、必ずしもこのような構成に限定される必要はなく、例えば、NOR型アレイ110Aのピッチを抵抗変化型アレイ110Bのピッチに等しくしてもよい。
【0034】
抵抗変化型アレイ110Bには、複数のメモリセルが行列状に形成される。1つのメモリセルは、1つのアクセストランジスタと1つの可変抵抗素子を含んで構成される。行方向のアクセストランジスタの各ゲートは、行方向のワード線に共通に接続され、列方向に隣接する一対のアクセストランジスタのソース領域が共通に対応するソース線に接続され、アクセストランジスタのドレイン領域に可変抵抗素子の一方の電極が接続され、可変抵抗素子の他方の電極がローカルビット線に接続される。例えば、メモリセルMC0、MC1のゲートは、ワード線WLQ0、Q1に接続され、メモリセルMC0、MC1の共通のソース領域がソース線SLQ0に接続され、メモリセルMC0のドレイン領域が可変抵抗素子を介してローカルビット線LBL0に接続され、メモリセルMC1のドレイン領域が可変抵抗素子を介してローカルビット線LBL0に接続される。
【0035】
可変抵抗素子は、例えば、酸化ハフニウム(HfOx)等の遷移金属の薄膜酸化物から構成され、書込みパルス電圧の極性および大きさによってセットまたはリセットされる。可変抵抗素子は、例えば、ビット線側からソース線側に向けて電流を流したとき低抵抗状態にセットされ、ソース線側からビット線側に向けて電流を流したとき、高抵抗状態にリセットされる。
【0036】
図5(B)に、抵抗変化型アレイ110BのメモリセルMC0、MC1の列方向の概略断面を示す。P型のシリコン基板またはPウエル領域200内に、フィールド酸化膜またはトレンチアイソレーションにより形成されたアクティブ領域内にメモリセルMC0、MC1が形成される。メモリセルMC0、MC1のアクセストランジスタのゲートは、行方向のワード線WLQ0、WLQ1を構成し、アクセストランジスタの共通のソース領域は、ビアコンタクトV1を介して行方向のソース線SLQ0に電気的に接続される。メモリセルMC0のアクセストランジスタのドレイン領域は、ビアコンタクトV1を介して可変抵抗素子VR0に接続され、さらに可変抵抗素子VR0は、ビアコンタクトV3を介して列方向のローカルビット線LBL0に電気的に接続される。メモリセルMC1のアクセストランジスタのドレイン領域は、ビアコンタクトV1を介して可変抵抗素子VR1に接続され、さらに可変抵抗素子VR1は、ビアコンタクトV3を介してローカルビット線LBL0に電気的に接続される。
【0037】
メモリセルMC0と隣接するアクティブ領域に、エントリーゲート110CのトランジスタQ0が形成される。トランジスタQ0のゲートは、行方向の選択信号線SEL0を構成し、ドレイン領域がビアコンタクトV2を介してグローバルビット線GBL0に電気的に接続され、ソース領域がビアコンタクトV0を介してローカルビット線LBL0に電気的に接続される。
【0038】
メモリセルアレイ110は、多層配線構造によって形成されるが、図5(A)、(B)に示すように、抵抗変化型アレイ110Bおよびエントリーゲート110Cは、NOR型アレイ110Aと互換性のある構成であることが理解される。
【0039】
再び図1を参照する。アドレスバッファ120は、入出力回路160からアドレスを受け取り、受け取ったアドレスをセクタ/ゲート選択回路130、ワード線デコーダ140、Yデコーダ150および読み書き制御部180に提供する。セクタ/ゲート選択回路130は、行アドレスに基づきセクタを選択し、列アドレスに基づき選択されたセクタに対応する選択信号線SEL0~SEL3をHレベルまたはLレベルで駆動する。さらにセクタ/ゲート選択回路130は、列アドレスに従い、選択されたセクタに対応するソース線に動作電圧を印加する。選択信号線やソース線に印加する電圧は、読み書き制御部180によって制御される。
【0040】
Yデコーダ150は、列アドレスに基づきグローバルビット線GBL0~GBLmを選択する。選択されたグローバルビット線GBLには、読み書き制御部180の制御に従い、読出し電圧、書込み(プログラム)電圧、消去電圧などが印加される。
【0041】
ワード線デコーダ140は、アドレスバッファ120からの行アドレスに基づきNOR型アレイ110Aのワード線を選択する。選択されたワード線には、読み書き制御部180の制御に従い、読出し、書込み(プログラム)、消去に応じた電圧が印加される。NOR型アレイ110Aのセクタ内のメモリセルのデータを全て消去する場合には、セクタ内の全てのワード線が選択される。また、抵抗変化型アレイ110Bへのアクセスが行われるとき、ワード線デコータ140には、読み書き制御部180から行アドレスが供給され、ワード線デコーダ140は、この行アドレスに基づき抵抗変化型アレイ110Bのワード線を選択する。選択されたワード線には、読み書き制御部180の制御に従い、読出し、書込みに応じた電圧が印加される。
【0042】
入出力回路160は、外部のホストコンピュータからコマンドやデータを受け取ったり、メモリセルアレイ110から読み出されたデータを外部に出力する。受け取られたアドレスはアドレスバッファ120に提供され、書込みすべきデータやコマンドが読み書き制御部180へ提供される。
【0043】
パワーオン検出部170は、外部から電源電圧VDD(バッテリーを含む)が投入されたときのパワーオンレベルを検出し、この検出結果を読み書き制御部180へ提供する。読み書き制御部180は、パワーオンレベルが検出されるとパワーオンシーケンスを実行し、例えば、予め用意された記憶領域から設定情報を読出し、当該設定情報に従い回路部の動作パラメータなどを調整する。また、本実施例のパワーオンシーケンスは、後述するように、抵抗変化型アレイ110Bに書込まれたデータを読出し、読み出したデータをNOR型アレイ110Aに書込むリカバリー機能を備える。
【0044】
パワーダウン検出部172は、電源電圧VDDがパワーダウンレベルに低下したことを検出し、この検出結果を読み書き制御部180に提供する。例えば、停電により電源電圧VDDが瞬停したり、ピーク消費電流による電源電圧VDDが一時的に降下したり、電力供給源がバッテリーである場合にバッテリー残量が減少することで電源電圧VDDが降下したとき、パワーダウンレベルが検出される。読み書き制御部180は、パワーダウンレベルが検出されると、パワーダウン動作を実行し、例えば、チャージポンプ回路の動作を停止したり、CPUやロジック等をリセットする。また、本実施例のパワーダウン動作は、後述するように、NOR型アレイ110Aへのデータ書込みを行っている場合には、未書込みデータが消失されないように未書込みデータを抵抗変化型アレイ110Bへ書込む機能を備える。
【0045】
読み書き制御部180は、例えば、マイクロコントローラ、センスアンプS/A、書込みアンプW/A等を含み、不揮発性メモリ100の全体の動作を制御する。読み書き制御部180は、入出力回路160から受け取ったコマンドを解読し、解読結果に基づき読出し、書込み、消去を行う。
【0046】
[読出し動作]
外部から読出しコマンドおよびアドレスが入力されると、ワード線デコーダ140は、行アドレスに従いNOR型アレイ110Aのワード線を選択し、セクタ/ゲート選択回路130は、行アドレスに基づき選択されるセクタに対応するLBL選択ゲート110Dの選択信号線SEL0~SEL3を選択し、かつ列アドレスに従いソースSLを選択する。Yデコーダ150は、列アドレスに従いグローバルビット線を選択する。読み書き制御部180は、NOR型アレイ110Aへのアクセスが行われる期間中、エントリーゲート110Cを非選択とし(選択信号線SEL0~SEL3は全てLレベル)、抵抗変化型アレイ110BをNOR型アレイ110Aから切り離す。
【0047】
例えば、NOR型アレイ110AのメモリセルMa(図3を参照)が選択される場合、選択ワード線WL01に読出し電圧が印加され、ソース線SL01にGNDが供給される。また、選択信号線SEL2がHレベルに駆動され、トランジスタQ2がオンし、Yデコーダ150は、グローバルビット線GBL0を選択し、読み書き制御部180は、グローバルビット線GBL0に読出し電圧を印加する。メモリセルMaは、記憶したデータ「0」、「1」に応じてオン/オフし、センスアンプは、グローバルビット線GBL0の電圧または電流を感知する。
【0048】
また、抵抗変化型アレイ110BのメモリセルMb(図4を参照)が選択される場合、選択ワード線WLQ2に読出し電圧が印加され、アクセストランジスタがオンされ、セクタ/ゲート選択回路130によって選択されたソース線SLQ1にGNDが供給される。また、エントリーゲート110Cの選択信号線SEL2がHレベルに駆動され、トランジスタQ2がオンし、Yデコーダ150によってグローバルビット線GBL0が選択され、読み書き制御部180は、グローバルビット線GBL0に読出し電圧を印加する。可変抵抗素子が低抵抗状態または高抵抗状態によりグローバルビット線GBL0からソース線SLQ1に流れる電流が異なり、この電圧または電流がセンスアンプによって感知される。
【0049】
[書込み動作]
読み書き制御部180は、外部から入力される書込みコマンド、アドレス、データに応じてNOR型アレイ110Aへの書込みを行う。例えば、NOR型アレイ110AのメモリセルMaにデータ「0」を書き込む場合、選択ワード線WL01に書込み電圧を印加し、選択されたグローバルビット線GBL0に書込み電圧を印加し、選択されたソース線SL01にGNDを印加する。
【0050】
抵抗変化型アレイ110BのメモリセルMbにデータ「0」を書き込む場合、選択ワード線WLQ2に書込み電圧を印加してアクセストランジスタをオンさせ、選択されたグローバルビット線GBL0に書込み電圧を印加し、選択されたソース線SLQ1にGNDを印加する。メモリセルMBにデータ「1」を書込む場合には、グローバルビット線にGNDを印加し、ソース線に書込み電圧を印加する。
【0051】
[消去動作]
読み書き制御部180は、外部から入力される消去コマンド、アドレスに応じてNOR型アレイ110Aのメモリセルのデータの消去を行う。NOR型アレイ110Aのセクタの消去を行う場合、当該セクタの全てのワード線が選択され、選択したワード線にGNDに印加される。また、セクタ/ゲート選択回路130は、選択されたLBL選択ゲート110DのトランジスタQ0~Q3を全てオフにし、ローカルビット線LBL0~LBL3をフローティング状態にし、選択したセクタ内の全てのソース線に消去電圧を印加する。これにより、セクタ内の全てのメモリセルのゲートとソース領域間に高電圧が印加され、メモリセル内の電子がソース側に抜け、メモリセルの閾値が下がり、データが「1」となる。
【0052】
次に、NOR型アレイ110Aへの書込み中に電源電圧VDDの瞬停や変動が発生したときのリカバリーについて説明する。読み書き制御部180は、NOR型アレイ110Aへの書込み中にパワーダウン検出部172によりパワーダウンが検出されると、電源電圧VDDの降下中に未書込みデータを抵抗変化型アレイ110Bに書込むことを可能にする。その後、電源電圧VDDが復旧し、パワーオン検出部170によりパワーオンが検出されると、パワーオンシーケンスにおいて抵抗変化型アレイ110Bに書込まれている未書込みデータを読出し、読み出した未書込みデータをNOR型アレイ110Aに書込み、これにより、中断された書込み動作をリカバリーする。
【0053】
図6は、本実施例の読み書き制御部180のリカバリー機能に関連する構成を示す図である。同図に示すように、読み書き制御部180は、NOR型アレイ110Aへの書込みを制御するNOR書込み部200と、NOR型アレイ110Aの選択されたメモリセルに書込むためのデータを選択するデータ選択部210と、入出力回路160を介して受け取ったデータDATAまたはRRAM読出し部250で読み出された未書込みデータDATA_RRAMを保持するデータレジスタ220と、抵抗変化型アレイ110Bへの書込みを制御するRRAM書込み部230と、入出力回路160を介して受け取ったアドレスADDおよびデータ選択部210によって選択されたデータの位置を示すアドレスADD_SELを保持するアドレス保持部240と、抵抗変化型アレイ110Bからリカバリーのためのデータを読み出すRRAM読出し部250とを含む。
【0054】
NOR型アレイ110Aへの書込みが行われるとき、入出力回路160を介して入力されたデータDATAがデータレジスタ220に保持され、アドレスADDがアドレス保持部240に保持される。書込みは、例えば、ビット単位の書込み以外にも、バイト単位のバイト書込みやページ単位のページ書込みが可能であり、バイト書込みやページ書込みは、書込みコマンドによって指定することができる。バイト書込みやページ書込みは、NOR型アレイ110Aの同一行への連続的なデータの書込みを可能にする。ワード線デコーダ140は、入力された行アドレスに基づきワード線を選択し、Yデコーダ150は、入力された列アドレスに基づきグローバルビット線を選択する。ページ書込みやバイト書込みのためのビット線の選択方法は特に限定されないが、例えば、ページまたはバイトの先頭アドレスや最終アドレスを指定するためのアドレスを入力するようにしてもよいし、先頭アドレスのみを指定し、以後のアドレスは、例えばアドレスカウンタによって生成するようにしてもよい。後者の場合、Yデコーダ150は、入力された列アドレスをアドレスカウンタにセットし、以後、内部クロック信号によりアドレスカウンタをインクリメントさせ、列アドレスを生成する。
【0055】
データレジスタ220は、例えば1ページ分のデータを保持可能なラッチ回路によって構成される。もし、バイト書込みであれば、入力されたバイトデータがデータレジスタ220に保持され、ページ書込みであれば、入力されたページデータがデータレジスタ220に保持される。
【0056】
データ選択部210は、データレジスタ220に保持されたデータを選択し、選択したデータをNOR書込み部200に提供する。データ選択部210は、例えば、データレジスタ220のアドレスを指定するカウンタまたはアドレスポインタを含み、指定されたアドレスのデータを選択する。例えば、NOR型アレイが図3に示すような構成であれば、複数のメモリセルへ同時にデータを書込みことが可能であり、このような場合には、複数のデータが同時に選択される。
【0057】
NOR書込み部200は、データ選択部210によって選択されたデータ「0」、「1」に応じた書込みバイアスを生成し、これにより、選択されたメモリセルにデータの書込みが行われる。もし、ページ書込みであれば、データレジスタ220に保持されたページデータは、NOR型アレイ110Aの選択されたページ(例えば、ワード線WL00に接続されたメモリセル)のメモリセルに書込まれる。また、データ選択部210は、選択したデータの位置を示すアドレスデータADD_SELをアドレス保持部240に提供する。
【0058】
NOR型アレイ110Aへの書込み動作中に電源電圧VDDがパワーダウンレベルに降下すると、NOR書込み部200は、パワーダウン検出部172からのパワーダウン検出信号PD_DETに応答してNOR型アレイ110Aへの書込み動作を中断する。他方、RRAM書込み部230は、この検出信号PD_DETに応答して未書込みデータを抵抗変化型アレイ110Bに書込む。
【0059】
RRAM書込み部230は、内部で生成された行アドレスおよび列アドレスをワード線デコーダ140、Yデコーダ150、セクタ/ゲート選択回路130に提供する。行アドレスおよび列アドレスは、抵抗変化型アレイ110Bの決められた領域に未書込みデータを書込むために生成される。ワード線デコーダ140は、行アドレスに基づき抵抗変化型アレイ110Bのワード線を選択し、Yデコーダ150は、列アドレスに基づきグローバルビット線GBLを選択する。また、セクタ/ゲート選択回路130は、列アドレスに基づき抵抗変化型アレイ110Bのソース線SLQを選択し、さらにエントリーゲート110Cを活性化させるために選択信号線SEL_Qを選択し、エントリーゲート110CのトランジスタQ0~Q3が選択信号線SEL_Qによってオン/オフされ、グローバルビット線に接続されるローカルビット線が選択される。
【0060】
こうして、抵抗変化型アレイ110Bのメモリセル(可変抵抗素子)が選択され、RRAM書込み部230は、書込むデータ「0」、「1」に応じて、セット書込みまたはリセット書込みのためのバイアス電圧をグローバルビット線GBL、ソース線を介して選択されたメモリセルに印加する。
【0061】
RRAM書込み部230は、データレジスタ220に保持された未書込みデータDATA_RRAMと、アドレス保持部240に保持されたアドレスデータADD_RRAMとを抵抗変化型アレイ110Bの決められた領域に書込む。さらにNOR型アレイ110Aへの書込みコマンド(またはバイト書込みやページ書込みを識別するデータ)を未書込みデータと一緒に書込むようにしてもよい。未書込みデータDATA_RRAMは、書込み動作が中断されたときのNOR型アレイ110Aに書込まれていないデータであり、言い換えれば、データ選択部210によって選択されていないデータである。また、アドレスデータADD_RRAMは、NOR型アレイ110Aへの書込みのために入出力回路160を介して外部から入力されたアドレスADDと、データ選択部210によって選択されたデータの位置を示すアドレス(または未選択のデータの位置を示すアドレス)ADD_SELとを含む。
【0062】
NOR型アレイ110Aの書込みは、選択ワード線等に高電圧を印加する必要があり、パワーダウンレベル以上の電圧は、そのような書込みを保証する。他方、抵抗変化型アレイ110Bへの書込みは、NOR型アレイ110Aに要する書込み電圧よりも十分に低く、電源電圧VDDがパワーダウンレベル以下に降下しても、そのような電圧を用いて書込みを行うことが可能である。それ故、NOR型アレイ110Aの未書込みデータDATA_RRAMとアドレスデータADD_RRAMは、パワーダウンレベルと抵抗変化型アレイ110Bの書込み限界となる最小電圧との間の電圧を用いて実施される。
【0063】
RRAM読出し部250は、電源電圧VDDが復旧したとき、パワーオン検出部170からのパワーオン検出信号PO_DETに応答して、抵抗変化型アレイ110Bの決められた領域から未書込みデータDATA_RRAMおよびアドレスデータADD_RRAMを読出す。
【0064】
読み出された未書込みデータDATA_RRAMは、データレジスタ220に転送され、未書込みデータのアドレスADD_SELに従い書込み中断前の状態となるようにデータレジスタ220にセットされる。また、読み出されたアドレスADD_SELがデータ選択部210に提供され、データ選択部210は、アドレスADD_SELに従いデータレジスタ220からデータを選択し、選択したデータをNOR書込み部200に提供する。さらに読み出されたアドレスADDがNOR書込み部200に提供され、NOR書込み部200は、行アドレスおよび列アドレスをワード線デコーダ140、Yデコーダ150、セクタ/ゲート選択回路130に提供する。また、抵抗変化型アレイ110BにNOR型アレイ110Aへの書込みコマンドまたはそれを識別するデータが書込まれている場合には、読み出された書込みコマンドまたは識別するデータがNOR書込み部200に提供される。
【0065】
こうして書込みが中断された前の書込み状態が復元され、NOR書込み部200は、中断されたNOR型アレイ110Aの書込みを再開させることができる。
【0066】
図7は、NOR型アレイへの書込み中にパワーダウンが生じたときのリカバリー動作を説明するフローチャートである。ここでは、書込みは、ページ書込みと仮定する。ホストコンピュータから出力されたページ書込みコマンド、アドレス、ページデータが入出力回路160を介して受け取られる(S100)。読み書き制御部180は、ページデータをデータレジスタ220に保持し、かつページ書込みコマンドを解読し、ページ書込み動作を開始する(S110)。NOR書込み部200は、アドレスに従い選択ページのメモリセルを選択し(S120)、選択メモリセルにページデータの書込みを行う(S130)。例えば、図3に示すようなアレイ構成であれば、複数のデータが選択され、選択された複数のデータが複数の選択メモリセルに同時に書き込まれる。
【0067】
NOR書込み部200は、書込み中にパワーダウン検出信号PD_DETを受け取ると(S140)、NOR型アレイ110Aへの書込みを中断し、代わりにRRAM書込み部230が未書込みデータやアドレス等を抵抗変化型アレイ110Bの決められた領域に書込む(S150)。他方、書込み中にパワーダウンが検出されなかった場合には(S140)、ステップS120~S140が繰り返され、データレジスタ220に保持された全てのページデータが選択ページに書込まれる(S160、S170)。
【0068】
図8は、パワーオン時に抵抗変化型アレイに書込まれた未書込みデータをNOR型アレイにリカバリーさせるときの動作を説明するフローである。不揮発性メモリ100への電源電圧VDDが投入/回復され(S200)、パワーオン検出部170によってパワーオンレベルが検出されると(S210)、この検出信号PO_DETに応答してRRAM書込み部230は、抵抗変化型アレイ110Bの決められた領域から未書込みデータおよびアドレス等を読み出す(S220)。読み出された未書込みデータがデータレジスタ220にセットされ(S230)、データ選択部210によって未書込みデータがNOR書込み部200に提供される。NOR書込み部200は、読み出されたアドレスに従いメモリセルを選択し(S240)、選択メモリセルに未書込みデータを書込む(S250)。全ての未書込みデータの書込みが終了するまでステップS240、S250が繰り返される(S260、S270)。
【0069】
図9は、ページ書込みが中断されたときのページ書込みのリカバリー動作の一例を示す図である。図9(A)は、電源電圧VDDと書込み時間との関係を示すグラフ、図9(B)は、ページデータの遷移例を示す。
【0070】
時刻t1でページデータが入力され、ページデータがデータレジスタ220に保持される。時刻t2で電源電圧VDDが電圧V1まで降下しパワーダウンが検出される。このとき、ページデータの一部はNOR型アレイ110Aに書込まれているが、残りが未書込みデータDATA_RRAMである。時刻t2で、書込みに高電圧を必要とするNOR型アレイ110Aへの書込みが中断され、比較的低電圧での書込みが可能な抵抗変化型アレイ110Bに未書込みデータDATA_RRAMやアドレスADD_RRAM等が書込まれる。
【0071】
電源電圧VDDが抵抗変化型アレイ110Bの機能限界電圧V2に到達するまでの間に、抵抗変化型アレイ110Bへの未書込みデータ等の書込みが行われ、時刻t3で未書込みデータ等の書込みが完了する。その後、電源電圧VDDが投入ないし回復し、時刻t4でパワーアップシーケンスが実行されるとき、抵抗変化型アレイ110Bから読み出された未書込みデータがNOR型アレイ110Aに書込まれる。
【0072】
こうして、NOR型アレイ110Aへのページ書込みが中断された場合でも、ページデータを消失させることなくページ書込みを自動的に復旧させることができる。その結果、ホストコンピュータによるページ書込みの再実行は不要となり、システムの負荷を軽減させることができる。また、NOR型アレイ110Aと抵抗変化型アレイ110Bとを搭載することで、NOR型アレイ110Aによる高集積化の長所と抵抗変化型アレイ110Bによる低電力動作の長所とを併せ持つことができる。
【0073】
なお、抵抗変化型アレイ110Bへの未書込みデータの書込みは、パワーダウン検出レベルV1と抵抗変化型アレイ110Bの機能限界の電圧V2との間に実施する必要があり、未書込みデータの書込みに要する時間や消費電力を考慮して電圧V1を設定することが望ましい。また、上記実施例は、ページ書込みを例示したが、これに限らずバイト書込みや複数ビットの書込みにも同様に適用することができる。
【0074】
上記実施例では、LBL選択ゲート110Dは、1つのグローバルビット線を4つのローカルビット線に分割したが、これは一例であり、1つのグローバルビット線から分割されるローカルビット線の数は任意である。また、エントリーゲート110Cにより分割されるローカルビット線間のピッチは、LBL選択ゲート110Dによって分割されるローカルビット線間のピッチの2倍としたが、これは一例であり、両者のピッチの比は任意である。
【0075】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、NOR型アレイ110Aの最遠端に抵抗変化型アレイ110Bを構成したが、第2の実施例では、抵抗変化型アレイ110Bを1ページ(ワード線1本)で構成し、抵抗変化型アレイ110BをYデコーダ150の下方に配置する。
【0076】
図10は、第2の実施例の不揮発性メモリ100Aの構成を示す図であり、図1に示す構成と同一のものについては同一参照番号を附してある。同図に示すように、Yデコーダ150は、列アドレスに基づきNOR型アレイ110Aのグローバルビット線を選択するための回路および選択信号線SEL_Qに基づき抵抗変化型アレイ110Bのローカルビット線を選択するためのエントリーゲート110Cとを含む。また、Yデコーダ150の下方に抵抗変化型アレイ110Bが形成され、読み書き制御部180は、事実上、グローバルビット線を介することなく抵抗変化型アレイ110Bのメモリセルをアクセスする。
【0077】
読み書き制御部180は、第1の実施例のときと同様に、パワーダウン検出部172からのパワーダウン検出信号PD_DETに応答して、データレジスタ220の未書込みデータをエントリーゲート110Cを介して抵抗変化型アレイ110Bの選択されたメモリセルに書込む。この場合、抵抗変化型アレイ110Bのワード線は1本であるため、このワード線の選択/駆動は、ワード線デコーダ140を用いることなく読み書き制御部180が直接行うようにしてもよい。
【0078】
その後、パワーオン検出部170からのパワーオン検出信号PO_DETに応答してパワーオンシーケンスが実行されるとき、読み書き制御部180は、抵抗変化型アレイ110Bから未書込みデータを読出し、読み出した未書込みデータをNOR型アレイ110Aの該当するページの残りのメモリセルに書込む。
【0079】
このように本実施例によれば、Yデコーダ150の下方に抵抗変化型アレイ110Bを配置するようにしたので、読み書き制御部180は、NOR型アレイ110A上を延在するグローバルビット線を実質的に経由することなく抵抗変化型アレイ110Bのメモリセルをアクセスすることができ、これにより、パワーダウン検出後に抵抗変化型アレイ110Bのメモリセルに書込みを行うときの配線抵抗や寄生容量が低減され、少ない消費電力を用いて短時間で未書込みデータを抵抗変化型アレイ110Bに書込むことができる。
【0080】
また、抵抗変化型アレイ110Bは1ページから構成され、未書込みデータの書込みに繰り返し使用されるが、可変抵抗素子のエンデュランス特性(書き換え可能な回数)は、NOR型の記憶素子よりも十分に高いため繰り返し使用することが可能である。この結果、抵抗変化型アレイの占有スペースを削減し、メモリセルアレイの小型化を図ることができる。
【0081】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例は、第2の実施例のNOR型アレイ110Aの代わりにNAND型アレイを有し、NAND型アレイへの書込み中にパワーダウンが検出された場合、ページバッファに保持されたページデータを抵抗変化型アレイにバックアップする。
【0082】
図11は、本発明の第3の実施例に係る不揮発性メモリ100Bの概略構成を示す図、図12は、ページバッファ/センス回路と抵抗変化型アレイとの接続関係を示す。NAND型アレイ300は、複数のグローバルビット線GBLの各々に接続された複数のNANDストリング310を含み、NANDストリング310は、グローバルビット線に接続されるビット線側選択トランジスタSGDと、ワード線WL0~WLnに接続された複数のメモリセルと、共通ソース線SLに接続されるソース線側選択トランジスタSGSとを含む。
【0083】
ページバッファ/センス回路320は、選択ビット線をプリチャージしたり、選択メモリセルのデータセンシングするためにプリチャージトランジスタBLPRE、クランプトランジスタBLCMP、ビット線接続トランジスタBLCNなどを含む。さらにページバッファ/センス回路320は、センスノードSNSから転送されるデータや書込み時に入出力回路160から受け取られたデータを保持するラッチ330を含む。図12には、1ビットのデータを保持するラッチ330が示されているが、ラッチ330は、1ページ分のデータを保持する。
【0084】
抵抗変化型アレイ110Bは、1ページ(ワード線1本)から構成され、ページバッファ/センス回路320の下方に配置される。図12に示すように、ラッチ330のノードNには、エントリーゲート110CとしてのトランジスタQが接続され、トランジスタQのゲートには選択信号線SELQ0が接続される。また、トランジスタQに直列にメモリセルMC0が接続される。メモリセルMC0は、アクセストランジスタと可変抵抗素子とを含み、アクセストランジスタのゲートにワード線WLQ0が接続され、可変抵抗素子の一方の端子にソース線SLQ0が接続される。
【0085】
トランジスタQは、高耐圧用のトランジスタから構成され、NAND型アレイ300がアクセスされるときトランジスタQはオフされ、メモリセルMC0に未書込みデータを書込むときトランジスタQはオンされる。こうして、メモリセルMC0は、NAND型アレイ300に印加される高電圧等から保護する。
【0086】
読み書き制御部180は、ホストコンピュータからの読出しコマンドまたは書込みコマンドに応じてNAND型アレイ300の選択ページからデータを読出しまたはそこにデータを書込む。読出しや書込みはページ単位で行われる。書込みが行われるとき、入出力回路160から入力されたページデータがページバッファ/センス回路320のラッチ330に保持され、アドレスがワード線デコーダ140、Yデコーダ150および読み書き制御部180に提供される。その後、NAND型アレイ300の選択ページにページデータが書き込まれる。
【0087】
もし、選択ページへの書込みが完了する前に電源電圧VDDがパワーダウンレベルに降下した場合、読み書き制御部180は、パワーダウン検出信号PD_DETに応答してトランジスタBLCNをオフし、NAND型アレイ300への書込みを中断し、その代わりに、エントリーゲート110CのトランジスタQをオンさせ、ワード線WLQ0に書込み電圧を印加し、さらにラッチ330に保持されたデータに応じてソース線SLQ0にセットまたはリセット書込みのバイアスを印加する。こうして、ページバッファ/センス回路320に保持された未書込みのページデータが抵抗変化型アレイ110に書込まれる。本例の場合、1ページ分の全てのデータが未書込みデータとなる。この際、読み書き制御部180は、NAND型アレイの選択ページを特定するためのアドレスを抵抗変化型アレイ110の冗長領域に書込む。
【0088】
その後、電源電圧VDDが復旧し、パワーオン検出部170によってパワーオンレベルが検出されると、読み書き制御部180は、パワーオンシーケンスを実行し、抵抗変化型アレイ110Bの1ページ分の未書込みデータを読出し、これをラッチ330にセットし、次いで、冗長領域から読み出されたアドレスに基づきNAND型アレイ300のページを選択し、ラッチ330に保持された未書込みデータを選択ページに書込む。これにより、電源電圧VDDの変動により中断された書込みをパワーオン時に自動的に回復させることができる。
【0089】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
100:不揮発性メモリ
110:メモリセルアレイ
110A:NOR型アレイ(第1のメモリセルアレイ)
110B:抵抗変化型アレイ(第2のメモリセルアレイ)
110C:エントリーゲート
110D:セクタ選択ゲート
120:アドレスバッファ
130:ゲート選択回路
140:ワード線デコーダ
150:Yデコーダ
160:入出力回路
170:パワーオン検出部
172:パワーダウン検出部
180:読み書き制御部
【要約】
【課題】 電源電圧の瞬停や変動などにより中断された書込みを自動復旧させることができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 本発明の不揮発性メモリ100は、NOR型アレイ110Aと、抵抗変化型アレイ110Bとが形成されたメモリセルアレイ110を含む。読み書き制御部180は、NOR型アレイ110Aへの書込み中に電源電圧VDDがパワーダウンレベルに降下した場合、未書込みデータを抵抗変化型アレイ110Bに書込む。その後、電源電圧VDDのパワーオンが検出されたとき、読み書き制御部180は、抵抗変化型アレイ110Bから未書込みデータを読出し、未書込みデータをNOR型アレイ110Aに書込むことで、中断した書込みを復旧する。
【選択図】 図1
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