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特許7170148可変同調を用いた擬似バードケージコイルおよびその応用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】可変同調を用いた擬似バードケージコイルおよびその応用
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
A61B5/055 350
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021548582
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 US2020019524
(87)【国際公開番号】W WO2020172672
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】62/809,503
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521355832
【氏名又は名称】プロマクソ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】ナセブ、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ギサド、ホセ・ミゲル・アルガリン
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-280652(JP,A)
【文献】特開2008-119091(JP,A)
【文献】特開2007-325826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0280361(US,A1)
【文献】米国特許第06060882(US,A)
【文献】特開2002-224082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01N 24/00 -24/14
G01R 33/20 -33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面式磁気撮像装置であって、
電流を提供する電源と、
前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され、且つ前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状であり、
前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に前記コイルから外向きに電磁場を発生させるように構成される、片面式磁気撮像装置。
【請求項2】
磁気撮像装置であって、
電流を提供する電源と、
前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され、且つ前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状であり、
前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に前記コイルから外向きに電磁場を発生させるように構成されており、
前記電磁場が約1μT乃至約10mTである、磁気撮像装置。
【請求項3】
前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが単一の電流ループを形成するように接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
磁気撮像装置であって、
電流を提供する電源と、
前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され、且つ前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状であり、
前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に前記コイルから外向きに電磁場を発生させるように構成されており、
前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの一方が他方のリングに対して傾斜している、磁気撮像装置。
【請求項7】
前記第1のリングまたは前記第2のリングのうちの一方が他方のリングよりも前記対象領域に近い、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
磁気撮像装置であって、
電流を提供する電源と、
前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され、且つ前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状であり、
前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に前記コイルから外向きに電磁場を発生させるように構成されており、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる材料を含む、磁気撮像装置。
【請求項9】
前記第1のリングおよび前記第2のリングの直径が約10μm乃至約10mである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のリングが前記第2のリングよりも大きい直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のリングの直径が前記対象領域のサイズと前記第1のリングの直径の中間である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記コイルが、前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記コイルが極低温に冷却される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つが液冷のための中空な管を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの少なくとも1つが複数の巻線またはリッツ線を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
磁気撮像装置であって、
電流を提供する電源と、
前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され、且つ前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状であり、
前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に前記コイルから外向きに電磁場を発生させるように構成されており、
前記1つ以上のラングは、前記第1のリングがその第1の部分に取り付けられ、前記第2のリングがその第2の部分に取り付けられたラングを含み、該ラングの前記第1の部分および前記第2の部分が、重畳する接触エリアを形成する、磁気撮像装置。
【請求項20】
前記重畳する接触エリアが調節可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の部分が円筒もしくは管であって前記第2の部分が同心の管であり、またはその逆であり、前記第1の部分および前記第2の部分が互いを通り越してスライドするように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
片面式磁気撮像装置を動作させる方法であって、
電源を用意することと、
前記電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含み、前記コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され
且つ前記コイルは非平面状であり、前記方法がさらに、
前記電源をオンにして前記コイルに電流を流すことにより、外向きに前記コイルから離れた対象領域へ磁場を投射することを含む、片面式磁気撮像装置を動作させる方法。
【請求項23】
磁気撮像装置を動作させる方法であって、
電源を用意することと、
前記電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含み、前記コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され
且つ前記コイルは非平面状であり、前記方法がさらに、
前記電源をオンにして前記コイルに電流を流すことにより、外向きに前記コイルから離れた対象領域へ磁場を投射することを含み、
前記磁場が約1μT乃至約10mTである、磁気撮像装置を動作させる方法。
【請求項24】
前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに備え、前記方法が、
前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
磁気撮像装置を動作させる方法であって、
電源を用意することと、
前記電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含み、前記コイルが第1のリング、第2のリング、および1つ以上の電子部品を備え、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、
前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続されるものであり、
前記コイルは非平面状であり、
前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含み、
前記方法がさらに、
前記電源をオンにして前記コイルに電流を流すことにより、外向きに前記コイルから離れた対象領域へ磁場を投射することと、
前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることと、
電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることとを含む、磁気撮像装置を動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
磁気共鳴撮像システムは、主として密閉型フォームファクタを活用することに集中してきた。このフォームファクタは、電磁場生成材料および撮像システム部品で撮像領域を包囲することを含む。典型的な磁気共鳴撮像システムは円筒形ボア磁石を含み、そこで患者が撮像のために磁石の管内に配置される。そして無線周波数(RF)送信(TX)および受信(RX)コイルなどの部品が、撮像を実行するために患者を効果的に包囲するように患者に対して多くの側に設置される。
【0002】
典型的には、RF-TXコイルは大きく、視野(すなわち、撮像領域)を完全に包囲するのに対して、RF-RXコイルは小さく、ちょうど視野上に設置される。ほとんどの現在の磁気共鳴撮像システムでは、患者を実質的に包囲するように部品を設置することで、患者の移動を厳しく制限し、撮像領域内に患者が出入りする際の追加的負担を引き起こすことがある。他の現在の磁気共鳴撮像システムでは、2つの大きいプレートの間に患者を配置することで、患者配置に対するいくつかの物理的制限を緩和している。それにもかかわらず、患者の快適さおよび煩わしい制限に関する上記の問題をさらに軽減する、次世代の磁気共鳴撮像システムにおける最新の撮像構成を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
さまざまな実施形態によれば、磁気撮像装置が提供される。装置は、電流を提供する電源と、電源に電気的に接続されたコイルとを含む。コイルは第1のリングおよび第2のリングを含み、第1のリングおよび第2のリングは異なる直径を有する。第1のリングおよび第2のリングは1つ以上のラング(rung)を介して接続される。電源は、第1のリング、第2のリング、および1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される。
【0004】
さまざまな実施形態によれば、前記電磁場が約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが単一の電流ループを形成するように接続される。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状である。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの一方が他方のリングに対して傾斜している。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングまたは前記第2のリングのうちの一方が他方のリングよりも前記対象領域に近い。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる材料を含む。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングの直径が約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングが前記第2のリングよりも大きい直径を有する。さまざまな実施形態によれば、前記第2のリングの直径が前記対象領域のサイズと前記第1のリングの直径の中間である。
【0005】
さまざまな実施形態によれば、前記コイルが、前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが極低温に冷却される。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つが液冷のための中空な管を備える。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの少なくとも1つが複数の巻線またはリッツ線を備える。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0006】
さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングが前記1つ以上のラングの第1の部分に取り付けられ、前記第2のリングが前記1つ以上のラングの第2の部分に取り付けられ、前記1つ以上のラングの前記第1の部分および前記第2の部分が、重畳する接触エリアを形成する。さまざまな実施形態によれば、前記重畳する接触エリアが調節可能である。さまざまな実施形態によれば、前記第1の部分が円筒もしくは管であって前記第2の部分が同心の管であり、またはその逆であり、前記第1の部分および前記第2の部分が互いを通り越してスライドするように構成される。
【0007】
さまざまな実施形態によれば、磁気撮像装置を動作させる方法が提供される。方法は、電源を用意することと、電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含む。コイルは第1のリングおよび第2のリングを含み、第1のリングおよび第2のリングは異なる直径を有する。第1のリングおよび第2のリングが1つ以上のラングを介して接続される。方法は、電源をオンにしてコイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることをも含む。
【0008】
さまざまな実施形態によれば、前記磁場が約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに含む。
【0009】
さまざまな実施形態によれば、方法は、前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む。さまざまな実施形態によれば、前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される。さまざまな実施形態によれば、前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0010】
さまざまな実施形態によれば、方法は、電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることをさらに含む。
【0011】
さまざまな実施形態によれば、磁気撮像装置が提供される。磁気撮像装置は、電流を提供する電源と、電源に電気的に接続されたコイルとを含む。コイルは第1のリングおよび第2のリングを含む。第1のリングおよび第2のリングは1つ以上のキャパシタを介して接続される。電源は、第1のリング、第2のリング、および1つ以上のキャパシタに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される。
【0012】
さまざまな実施形態によれば、前記電磁場が約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続される。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状である。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの一方が他方のリングに対して傾斜している。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングまたは前記第2のリングのうちの一方が他方のリングよりも前記対象領域に近い。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる材料を含む。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングの直径が約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、前記第2のリングの直径が前記対象領域のサイズと前記第1のリングの直径の中間である。
【0013】
さまざまな実施形態によれば、前記コイルが、前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに備える。さまざまな実施形態によれば、前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが極低温に冷却される。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つが液冷のための中空な管を備える。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの少なくとも1つが複数の巻線またはリッツ線を備える。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0014】
さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングが前記1つ以上のラングの第1の部分に取り付けられ、前記第2のリングが前記1つ以上のラングの第2の部分に取り付けられ、前記1つ以上のラングの前記第1の部分および前記第2の部分が、重畳する接触エリアを形成する。さまざまな実施形態によれば、前記重畳する接触エリアが調節可能である。さまざまな実施形態によれば、前記第1の部分が円筒もしくは管であって前記第2の部分が同心の管であり、またはその逆であり、前記第1の部分および前記第2の部分が互いを通り越してスライドするように構成される。
【0015】
さまざまな実施形態によれば、磁気撮像装置を動作させる方法が提供される。方法は、電源を用意することと、電源に電気的に接続されたコイルを用意することを含む。コイルは第1のリングおよび第2のリングを含む。第1のリングおよび第2のリングは1つ以上のキャパシタを介して接続される。方法は、電源をオンにしてコイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることをも含む。
【0016】
さまざまな実施形態によれば、前記磁場が約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続される。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、方法は、前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む。さまざまな実施形態によれば、前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される。さまざまな実施形態によれば、前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0017】
さまざまな実施形態によれば、方法は、電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることをさらに含む。
【0018】
さまざまな実施形態によれば、磁気撮像装置が提供される。磁気撮像装置は、電流を提供する電源と、電源に電気的に接続されたコイルとを含む。コイルは金属製中実シートを含み、金属製中実シート内には1つ以上のスリットが配置されている。1つ以上のスリットのうちの少なくとも1つが同調素子を含む。電源は、コイルに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される。
【0019】
さまざまな実施形態によれば、前記電磁場が約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、前記コイルは直径約10μm乃至約10mの外縁を有する。
【0020】
さまざまな実施形態によれば、前記金属製中実シートが、第1の同調素子が内部に配置された第1のスリットを有する第1のシートであり、前記コイルが、第2の同調素子が内部に配置された第2のスリットを有する第2の金属製シートをさらに含む。前記第1のスリットと前記第2のスリットとが回転方向にずれるように前記第2の金属製シートが前記第1のシートの上に積み重ねられる。
【0021】
さまざまな実施形態によれば、前記金属製中実シートが、各スリットが同調素子を有する少なくとも2つのスリットを含み、前記同調素子のそれぞれが互いから等間隔で配置されるように前記少なくとも2つのスリットが前記金属製中実シート内に配置される。
【0022】
さまざまな実施形態によれば、装置は、前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに備え、該1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
さまざまな実施形態によれば、前記金属製中実シートが液冷のための中空な管を備える。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが極低温に冷却される。さまざまな実施形態によれば、前記同調素子がキャパシタを備える。
【0024】
さまざまな実施形態によれば、磁気撮像装置を動作させる方法が提供される。方法は、電源を用意することと、電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含む。コイルは金属製中実シートを含み、金属製中実シート内には1つ以上のスリットが配置されている。1つ以上のスリットのうちの少なくとも1つが同調素子を含む。方法は、電源をオンにしてコイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることをも含む
【0025】
さまざまな実施形態によれば、前記磁場が約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である。さまざまな実施形態によれば、前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに備える。方法は、前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む。さまざまな実施形態によれば、前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される。さまざまな実施形態によれば、前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、前記同調素子がキャパシタを備える。
【0026】
さまざまな実施形態によれば、方法は、電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることをさらに含む。
【0027】
これらおよび他の態様および実装形態が以下で詳細に説明される。上記の情報および下記の詳細な説明は、さまざまな態様および実装形態の説明的な例を含み、特許請求の範囲に記載される態様および実装形態の性質および特徴を理解するための概要または枠組を提供する。図面は、さまざまな態様および実装形態の例示およびさらなる理解を提供し、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
添付の図面は縮尺通りに描かれることを意図していない。さまざまな図面における同様の参照番号および符号は同様の要素を示す。明確さのため、あらゆる部品があらゆる図面でラベル付けされているとは限らない。
【0029】
図1】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0030】
図2】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の例示的な周波数応答を示すグラフ図である。
【0031】
図3】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の回路図の概略図である。
【0032】
図4A-4B】さまざまな実施形態による、容量性重畳を使用して同調を調節するために使用される重畳するコイルラングの概略図である。
【0033】
図5A-5B】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0034】
図6】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0035】
図7A】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0036】
図7B】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0037】
図7C】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0038】
図8】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0039】
図9】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置を動作させる例示的な方法のフローチャートである。
【0040】
図10】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置を動作させる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0041】
図11】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置を動作させる例示的な方法の別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
現代の磁気共鳴撮像システムで使用される典型的なRF-TXコイル構成は、バードケージコイル設計のものである。典型的なバードケージコイルは、撮像領域(すなわち、患者が所在する場所)の両側に設置され1つ以上のラングによってそれぞれ電気的に接続された2つの大きいリングを含む。RF-TXコイルの動作周波数および構成に依存して、ラングまたはリングは容量性同調素子を含む。適正な撮像を保証するため、RF-TXコイル励磁パワーは、撮像領域(本明細書では「対象領域」ともいう)にわたって一様に生成される。バードケージRF-TXコイルは、その大直径のリングおよび整合したラング/リングのサイズにより、その一様なパワープロファイルを得る。コイルが患者をより多く包囲すればするほど撮像信号が改善するので、バードケージコイルは典型的に、撮像領域/患者内から生成される信号が十分に一様となるように、患者を取り囲むように構成される。
【0043】
患者の快適さをさらに改善し、現在の磁気共鳴撮像システムの煩わしい移動制限を低減するため、片面式磁気共鳴撮像システムが開発されている。本明細書に記載される開示は一般に、片面式磁気共鳴撮像システムの磁気撮像装置およびその応用に関する。特に、記載される技術は、片面式磁気共鳴撮像システムで動作するように構成された、可変同調を用いた擬似バードケージコイルを有する磁気撮像装置に関する。本明細書に記載されるように、開示される片面式磁気共鳴撮像システムは、小さいスケールであり限定された視野を有し患者の四肢を撮像するシステムと比較して、患者を撮像することができる。さらに、システムは、電磁場生成材料および撮像システム部品によって患者が片側で覆われるが完全には包囲されないように構成され得る。本明細書に記載される構成では、患者が磁気共鳴撮像システムに出入りする際の不要な負担が削減される一方、患者が動くことへの制限が少ない。換言すれば、患者は、患者の片側のみに擬似バードケージコイルが設置されることで、磁気共鳴撮像システムに閉じ込められているような感じを受けない。
【0044】
本明細書に開示される技術は、片面式コイルの新規な構成と、片面式コイルからRF送信パルスを発生させる方法とを含む。本明細書に記載される片面式コイルは、コイル自体から離して一様磁場を発生させる1つ以上のコイル構成を含む。開示される構成は、片面式磁気共鳴撮像システムにおいて撮像のためにコイルが患者をもはや包囲することができないため、外向きにコイルから離れた所へ投射される一様磁場を発生させることを意図している。換言すれば、RF-TXコイルが片面式磁気共鳴撮像システムで動作するために、撮像のために必要とされる一様なRF磁場は、コイル自体から離して発生されなければならない。外向きに片面式コイルから離れた所へ磁場を投射するために、開示されるコイル構成は、1つ以上のラングを介して接続された相異なるサイズのリングを含む。本明細書に記載されるさまざまな実施態様では、片面式コイルは、異なるサイズのリングと、さまざまなリング間距離およびリングの材料とを用いて構成され得る。さまざまな実施態様では、コイルは電磁シールドを有してもよく、電磁シールドは、シールドの方向から離れた電磁場の投射をさらに改善するために、コイルの片側に設置される。
【0045】
本明細書に開示されるように、対象領域(撮像領域)およびその領域におけるRFパワーの一様性を位置決めするために、リングの等しくないサイズ設定およびラングの曲率が調節される。リングのサイズが等しくなると、視野はコイル中心に向かって内側に移動するため、従来のバードケージコイルと類似する。リングのサイズが変わると、一様領域はコイル自体から離れて外向きに広がり、患者による移動の抑制またはアクセスが可能となる。
【0046】
さらに、本明細書に記載される片面式RF-TXコイルの構成は、視野内すなわち撮像領域内のプロトンを効果的に励起するのに必要とされる適切な範囲の無線周波数を発生させることができる。片面式磁気共鳴撮像システムのフォームファクタは典型的には大きい信号帯域幅を有する線型磁場勾配を有するので、本明細書に記載されるRF-TXコイル構成は、プロトン励起に必要な広範囲の無線周波数に対応することを意図している。
【0047】
図1は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置100の例示的実施態様の概略図を示す。図1に示すように、装置100は無線周波数送信(RF-TX)コイル120を含み、これは外向きにコイル120から離れた所へRFパワーを投射する。コイル120は、1つ以上のラング126によって接続された2つのリング122および124を有する。図1に示すように、コイル120は電源150aおよび/または電源150b(本明細書ではまとめて「電源150」という)にも接続される。さまざまな実施形態によれば、電源150aおよび150bは電力入力および/または信号入力のために構成されることが可能であり、一般的にコイル入力と呼ぶことができる。さまざまな実施態様では、電源150aおよび/または150bは、電気接点152および154を1つ以上のラング126に取り付けることによって、電気接点152aおよび/または152b(本明細書ではまとめて「電気接点152」という)、ならびに電気接点154aおよび/または154b(本明細書ではまとめて「電気接点154」という)を介して接点を提供するように構成される。コイル120は、視野140内に一様なRF磁場を投射するように構成される。さまざまな実施態様では、視野140は、患者が所在する磁気共鳴撮像のための対象領域(すなわち、撮像領域)である。患者はコイル120から離れて視野140に所在するので、装置100は片面式磁気共鳴撮像システムにおける使用に適している。
【0048】
さまざまな実施態様では、コイル入力150aおよび150bは、例えば直交励磁によって、位相が互いに90度ずれた2つの信号によって電力供給され得る。さまざまな実施態様では、ただ1つのコイル入力150aが存在してもよく、したがって他方のコイル入力150bは、直線偏波モードで電力供給されるようにコイル120を調整するために、例えば、図3に示す回路図300に概略が示されているように、同調方法を使用して動的に構成され得る。
【0049】
さまざまな実施態様では、図1に示すように、コイル120は、同じ軸に沿って同軸であるが互いにある距離に離して配置されるリング122およびリング124を含む。さまざまな実施態様では、リング122およびリング124は約0.1mから約10mまでにわたる距離だけ分離される。さまざまな実施態様では、リング122およびリング124は約0.2mから約5mまで、約0.3mから約2mまで、約0.2mから約1mまで、約0.1mから約0.8mまで、または約0.1mから約1mまで、にわたる距離だけ分離され、これらの間の任意の分離距離を含む。さまざまな実施態様では、コイル120は、非同軸であるが同じ方向に沿って約0.2mから約5mまでにわたるある距離で分離されたリング122およびリング124を含む。さまざまな実施態様では、リング122およびリング124は互いに対して傾斜することも可能である。さまざまな実施態様では、傾斜角は1度から90度まで、1度から5度まで、5度から10度まで、10度から25度まで、25度から45度まで、および45度から90度までであり得る。
【0050】
さまざまな実施態様では、リング122およびリング124は同じ直径を有する。さまざまな実施態様では、図1に示すように、リング122およびリング124は異なる直径を有し、リング122はリング124よりも大きい直径を有する。さまざまな実施態様では、リング122およびリング124は異なる直径を有し、リング122はリング124よりも小さい直径を有する。さまざまな実施態様では、コイル120のリング122およびリング124は、視野140内に一様なRFパワープロファイルを含む撮像領域140を生成するように構成され、視野はRF-TXコイル内にセンタリングされず、代わりにコイル自体から空間的に外向きに投射される。
【0051】
さまざまな実施態様では、リング122の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、リング122の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0052】
さまざまな実施態様では、リング124の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、リング124の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0053】
さまざまな実施態様では、図1に示すように、リング122およびリング124は1つ以上のラング126によって接続される。さまざまな実施態様では、1つ以上のラング126は単一の電気回路ループ(または単一の電流ループ)を形成するようにリング122および124に接続される。図1に示すように、例えば、1つ以上のラング126の1つの端部が電源150の電気接点152に接続され、1つ以上のラング126の別の端部が電気接点154に接続されることで、リング120は電気回路を完成する。
【0054】
さまざまな実施態様では、リング122は不連続リングであり、電気接点152および電気接点154は、電源150によって電力供給される電気回路を形成するようにリング122の2つの反対側の端部に電気的に接続され得る。同様に、さまざまな実施態様では、リング124は不連続リングであり、電気接点152および電気接点154は、電源150によって電力供給される電気回路を形成するようにリング124の2つの反対側の端部に電気的に接続され得る。
【0055】
さまざまな実施態様では、リング122および124は非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る。さまざまな実施態様では、リング122および124は、2つの異なる軸平面において変化する断面を有してもよく、一次軸は円形であり、二次軸は正弦波形状または何らかの他の幾何形状を有する。さまざまな実施態様では、コイル120は2つのリング122および124より多くを含んでもよく、それぞれが、すべてのリングにまたがり接続するラングによって接続される。さまざまな実施態様では、コイル120は2つのリング122および124より多くを含んでもよく、それぞれが、リング間の接続点を互い違いにするラングによって接続される。さまざまな実施態様では、リング122はアクセスのための物理的開口を含んでもよい。さまざまな実施態様では、リング122は物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0056】
さまざまな実施態様では、コイル120は約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を生じさせる。さまざまな実施態様では、コイル120は、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を生じさせることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0057】
さまざまな実施態様では、コイル120は、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状にされた電磁場を発生させる。さまざまな実施態様では、コイル120は、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状にされた磁場を発生させる(数値間の任意の周波数を含む)。
【0058】
さまざまな実施態様では、コイル120は対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施態様では、リング122、リング124、および1つ以上のラング126は互いに対して非平面状である。別の言い方をすれば、リング122、リング124、および1つ以上のラング126は、患者が所在する対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。さまざまな実施態様では、図1に示すように、リング122はリング124よりも対象領域に近い。さまざまな実施態様では、対象領域は約0.1mから約1mのサイズを有する。さまざまな実施態様では、対象領域はリング122の直径よりも小さい。さまざまな実施態様では、図1に示すように、対象領域は、リング124の直径およびリング122の直径の両方よりも小さい。さまざまな実施態様では、対象領域は、リング122の直径よりも小さくリング124の直径よりも大きいサイズを有する。
【0059】
さまざまな実施態様では、リング122、リング124、またはラング126は同じ材料を含む。さまざまな実施態様では、リング122、リング124、またはラング126は異なる材料を含む。さまざまな実施態様では、リング122、リング124、またはラング126は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施態様では、中空な管または中実な管は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施態様では、リング122またはリング124またはラング126のそれぞれが1つ以上の電気伝導性の巻線を含む。さまざまな実施態様では、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。これらの追加的な巻線は、所望の周波数における巻線の抵抗を低下させることによってパフォーマンスを改善するために使用され得る。さまざまな実施態様では、リング122、リング124、またはラング126は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施態様では、リング122、リング124、またはラング126はメタマテリアルを含んでもよい。
【0060】
さまざまな実施態様では、リング122、リング124、またはラング126は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施態様では、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0061】
さまざまな実施態様では、コイル120は、磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を含む。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチ、固体リレー、または機械式リレーを含み得る。さまざまな実施態様では、コイルは、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施態様では、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施態様では、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施態様では、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施態様では、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施態様では、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0062】
さまざまな実施態様では、コイル120は、視野にわたって磁場勾配を有する磁気共鳴撮像システムのために構成される。磁場勾配は、追加的な電磁勾配を使用せずに視野のスライスを撮像することを可能にする。本明細書で開示されるように、コイルは、それぞれが固有の帯域幅を有する複数の中心周波数を組み合わせることによって大きい帯域幅を生成するように構成され得る。それぞれの帯域幅を有するこれらの複数の中心周波数を重畳することにより、コイル120は約1kHz乃至約2GHzの所望の周波数範囲にわたる大きい帯域幅を効果的に生成することができる。さまざまな実施態様では、コイル120は、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数のパルス状である磁場を発生させる(数値間の任意の周波数を含む)。
【0063】
図2は、磁気撮像装置100の例示的な周波数応答を示すグラフ図200である。図2に示すように、所望される理論的帯域幅220が、所望されるRF周波数範囲202にわたるRF-TXパワー損失204とともにグラフ図200に示されている。いくつかの場合には、帯域幅250が広すぎるために、サイズ制限または同調素子の制限により、所望される理論的帯域幅220は単一のコイルによって生成できない。しかし、さまざまな実施形態によれば、コイル120は、選択的に作動される同調回路を使用することにより、例えば、別個の帯域幅250a、250b、250c、および250dを生成するように構成され得る。例えば、選択された同調回路が作動されると、新しいコイル同調プロファイルが選択されることが可能であり、異なる周波数帯域幅プロファイルが生成され得る。これらの新しい帯域幅が重畳されると、組み合わされた帯域幅250は、所望される理論的帯域幅250に類似した、または実質的に類似した、より大きい帯域幅を形成することができる。このようにして、周波数範囲を時間的に多重化することにより、単一の周波数同調されたコイルを用いるよりも大きい周波数範囲が実現され得る。さまざまな実施態様では、帯域幅250a、250b、250c、および250dのそれぞれは、コイル120の制御および電力供給のために1つ以上のPINダイオード、MEMS、固体リレー、電気機械式リレーまたは容量性スイッチおよび/またはバラクタを含む駆動回路を構成することにより選択的にオンまたはオフにされ得る。さまざまな実施態様では、帯域幅250a、250b、250c、および250dのそれぞれは、駆動回路内の1つ以上の部品を機械的に移動させ、またはその材料特性を変化させることにより同調され得る。換言すれば、磁気撮像装置100は、複数の連続する狭い周波数範囲をスキャンするように電気的な制御回路により単一のハードウェア、すなわちコイル120、を制御し、組み合わされた帯域幅250を生成するようにそれらの連続する周波数範囲で測定されるRF-TX損失を重畳することによって、大きい帯域幅250を生成するように構成され得る。さまざまな実施態様では、周波数間のスイッチング時間は約1μsから約5秒まで、約10μsから約1秒まで、50μsから約500msまで、100μsから約100msまで、または1msから約50msまでをとり得る。さまざまな実施態様では、スイッチング時間は、使用されるスイッチング方法の種類に依存し、固体部品は迅速にスイッチングし、機械式部品は最も遅く変化する。
【0064】
さまざまな実施態様では、可能な帯域幅はコイル120内のラング126のサブセットを作動させることによって選択され得る。さまざまな実施態様では、システムは、すべてのラング126、例えば8個のラング、が作動するときに、所与の周波数を有してもよい。その場合、周波数を調整するには、電気機械的手段、固体リレー、スイッチング可能RFチョーク、MEMSスイッチ、キャパシタ、または機械的分離のうちの1つを使用することにより、1つおきのラングを無効化し、またはコイル120セットアップから電気的に除去してもよい。これらのラングをコイルシステムから除去すれば、システムのために新しい同調周波数を発生させることになり、これはおそらくは元の同調周波数よりも大きい可能性がある。
【0065】
さまざまな実施態様では、コイル120は、任意の数の別個の帯域幅を生成し得る。図2に示す帯域幅250a、250b、250c、および250dは例示目的のためであり、したがって非限定的な例であって、大きい帯域幅250を形成するために任意の数の別個の帯域幅が生成され得る。さまざまな実施態様では、帯域幅250a、250b、250c、および250dは、類似した、または実質的に類似した帯域幅を有する。さまざまな実施態様では、帯域幅250a、250b、250c、および250dは、異なる帯域幅を有する。さまざまな実施態様では、帯域幅250a、250b、250c、および250dのそれぞれは、約1kHz乃至約2GHzの帯域幅を有する。さまざまな実施態様では、帯域幅250a、250b、250c、および250dのそれぞれは、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの帯域幅を有することが可能である(数値間の任意の帯域幅を含む)。
【0066】
図3は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の例示的な回路図300の概略図である。図3に示すように、回路図300は、電源350および同調回路330に接続されたRFコイル320を示しており、同調回路330は、PINダイオードおよびキャパシタの直列接続332のいくつかのセットならびにバラクタ336を含む。回路図300は、本明細書には例示目的のために含まれており、したがって非限定的な例であって、コイル320を駆動するのに好適な任意の回路が、任意の所望される周波数範囲をスキャンするために使用可能である。本明細書に記載されるさまざまな実施態様では、回路図300内の同調素子のそれぞれは外部信号によって制御可能であり、それによりRF-TXの帯域幅および中心周波数を電子的に調整することが可能である。例えば、中心周波数および帯域幅を変化させるために1つ以上の直列接続332がオンまたはオフにされ得る。
【0067】
図4Aおよび図4Bは、さまざまな実施形態による、容量性重畳を使用して同調を調節するために使用される重畳するコイルラングの概略図である。図4に示すように、重畳ラングシステム400は、同軸かつ同心である内側ラング410および外側ラング420を含む。さまざまな実施態様では、ラング410および420は、例えば、図1に示すリング122および124に接続される。さまざまな実施態様では、内側ラング410は中実な管または中空な管であることが可能であり、外側ラング420は、内側ラング410を例えばスライドして出し入れするように収容するための中空な管である。さまざまな実施態様では、システム400は、ラング410と420との間の重畳430の量を動的に調節することによって同調され得る。図4Aは重畳450の量を示す一方、図4Bは重畳460の量を示す。2つのリング(例えば、リング122および124)の空間的分離を調節することにより、2つのラング410および420の間の重畳430の量は450から460まで図示のように変化し得る。空間的重畳450および470の変化は、ラングシステム400のキャパシタンスの変化を引き起こし、構造体の共鳴周波数の変化を可能にする。
【0068】
さまざまな実施態様では、重畳したラング410および420は分離層480を含み、これは空気または任意の他の好適な誘電体材料を含んでもよい。さまざまな実施態様では、分離層480は冷却材料層を含んでもよい。さまざまな実施態様では、冷却材料層は、セラミック、流動する高熱容量の流体もしくは気体、または流動する極低温の流体もしくは気体を含み得る。
【0069】
図5Aおよび図5Bは、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置500の実施態様のそれぞれ概略側面図および上面図を示す。図5Aおよび図5Bに示すように、装置500は無線周波数送信(RF-TX)コイルであり、これは外向きにコイル自体から離れた所へRFパワーを投射する。図5Aおよび図5Bに示すように、装置500は、装置500に電流を流すことにより対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源590に接続される。さまざまな実施形態によれば、電源590は、図1に関して図示し説明した電源150(例えば、電源150aおよび/または電源150b)に類似している。装置500は、図1に関して図示し説明したコイル120に実質的に類似している。コイル120が1つ以上のラング126によって接続された第1のリング122および第2のリング124を含むのと同様に、装置500は、1つ以上のラング530によって接続された第1のリング510および第2のリング520を有する無線周波数送信コイルである。リング510および520はリング122および124と同じであるため、さらに詳細には説明しない。
【0070】
コイル120と同様に、装置500は、視野内に一様なRF磁場を投射するために電源に接続され得る。図1の装置と同様に、装置500によって生成される視野は、磁気共鳴撮像のための対象領域(すなわち、撮像領域)を含むことができ、したがって片面式磁気共鳴撮像システムにおける使用に適している。コイル120と同様に、装置500は、磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を含むように構成され得る。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチ、固体リレー、または機械式リレーを含み得る。さまざまな実施態様では、装置500は、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施態様では、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施態様では、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施態様では、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施態様では、装置500は、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施態様では、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0071】
図1では、コイル120のラング126は、リング122およびリング124をそれらのそれぞれの最近接位置で接続する単純なラングとして示されている。図5Aおよび図5Bでは、ラング530は、リング510および520上の最近接点ではない位置でリング510およびリング520を接続するように構成される。いくつかの実施形態によれば、接続点が図1に示すものよりも遠く離れているため、ラング530は図1のラング126よりも比較的長い。
【0072】
図5Bに示すように、ラング530はリング510および520とともに螺旋形コイルを形成する。さまざまな実施形態によれば、装置500の形状は、動作中に磁場の形状を調整する無線周波数磁場を効果的に生成する。さまざまな実施形態によれば、装置500は5個のラング530のみを有して示されているが、装置500は、所望される無線周波数磁場強度および/または一様性を生成するために任意の数のラングを含み得る。さまざまな実施形態によれば、装置500はある特定の寸法を有するリング510および520を有して示されているが、リング510および520の寸法は、図1に関して図示し説明したように、リング122および124の寸法と同じであり得る。
【0073】
さまざまな実施態様では、図5Aおよび図5Bに示すように、装置500は、同じ軸に沿って同軸であるが互いにある距離に離して配置されるリング510およびリング520を含む。さまざまな実施態様では、リング510およびリング520は約0.1mから約10mまでにわたる距離だけ分離される。さまざまな実施態様では、リング510およびリング520は約0.2mから約5mまで、約0.3mから約2mまで、約0.2mから約1mまで、約0.1mから約0.8mまで、または約0.1mから約1mまで、にわたる距離だけ分離され、これらの間の任意の分離距離を含む。さまざまな実施態様では、装置500は、非同軸であるが同じ方向に沿って約0.2mから約5mまでにわたるある距離で分離されたリング510およびリング520を含む。さまざまな実施態様では、リング510およびリング520は互いに対して傾斜することも可能である。さまざまな実施態様では、傾斜角は1度から90度まで、1度から5度まで、5度から10度まで、10度から25度まで、25度から45度まで、および45度から90度までであり得る。
【0074】
さまざまな実施態様では、リング510およびリング520は同じ直径を有する。さまざまな実施態様では、図5Aおよび図5Bに示すように、リング510およびリング520は異なる直径を有し、リング520はリング510よりも大きい直径を有する。さまざまな実施態様では、装置500のリング510およびリング520は、視野内に一様なRFパワープロファイルを含む撮像領域を生成するように構成され、視野は装置500内にセンタリングされず、代わりにコイル自体から空間的に外向きに投射される。
【0075】
さまざまな実施態様では、リング510の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、リング510の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0076】
さまざまな実施態様では、リング520の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、リング520の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0077】
さまざまな実施態様では、リング510およびリング520は非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る。さまざまな実施態様では、リング510およびリング520は、2つの異なる軸平面において変化する断面を有してもよく、一次軸は円形であり、二次軸は正弦波形状または何らかの他の幾何形状を有する。さまざまな実施態様では、装置500は2つのリング、すなわちリング510およびリング520、よりも多くのリングを含んでもよく、それぞれが、すべてのリングにまたがり接続するラング530によって接続される。さまざまな実施態様では、装置500はリング510およびリング520よりも多くのリングを含んでもよく、それぞれが、リング間の接続点を互い違いにするラングによって接続される。さまざまな実施態様では、リング510はアクセスのための物理的開口を含んでもよい。さまざまな実施態様では、リング510は物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0078】
さまざまな実施態様では、装置500は約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置500は、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0079】
さまざまな実施態様では、装置500は、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状にされた電磁場を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置500は、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状にされた磁場を発生させるように構成されることが可能である(数値間の任意の周波数を含む)。
【0080】
さまざまな実施態様では、装置500は対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施態様では、リング510、リング520、および1つ以上のラング530は互いに対して非平面状である。別の言い方をすれば、リング510、リング520、および1つ以上のラング530は、患者が所在する対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。さまざまな実施態様では、リング510はリング520よりも対象領域に近い。さまざまな実施態様では、対象領域は約0.1mから約1mのサイズを有する。さまざまな実施態様では、対象領域はリング510の直径よりも小さい。さまざまな実施態様では、対象領域は、リング520の直径およびリング510の直径の両方よりも小さい。さまざまな実施態様では、対象領域は、リング510の直径よりも小さくリング520の直径よりも大きいサイズを有する。
【0081】
さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530は同じ材料を含む。さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530は異なる材料を含む。さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施態様では、中空な管または中実な管は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530のそれぞれが1つ以上の電気伝導性の巻線を含む。さまざまな実施態様では、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。これらの追加的な巻線は、所望の周波数における巻線の抵抗を低下させることによってパフォーマンスを改善するために使用され得る。さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530はメタマテリアルを含んでもよい。
【0082】
さまざまな実施態様では、リング510、リング520、または1つ以上のラング530は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施態様では、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0083】
図6は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置600の実施態様の概略図である。図6に示すように、装置600は無線周波数送信(RF-TX)コイルであり、これは外向きにコイル自体から離れた所へRFパワーを投射する。図6に示すように、装置600は、装置600に電流を流すことにより対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源690に接続される。
【0084】
図6は、装置600の上面図を示し、図5Bの装置500に類似している。装置600は、図1に関して図示し説明したコイル120に類似している。コイル120が第1のリング122および第2のリング124を含むのと同様に、装置600は内側リング610および外側リング620を含む。リング610および620はリング122および124と同じであるため、さらに詳細には説明しない。コイル120が1つ以上のラング126によって接続された第1のリング122および第2のリング124を含み、または装置500が1つ以上のラング530によって接続された第1のリング510および第2のリング520を含むのとは異なり、装置600は接続するラングを含まない。代わりに、図6に示すように、内側リング610が1つ以上のラング615を含み、外側リング620が1つ以上のラング625を含む。図6に示すように、1つ以上のラング615は外側に向いているのに対して、1つ以上のラング625は内側に向いている。
【0085】
さまざまな実施形態によれば、電源690は、例えば内側リング610と外側リング620との間で、いくつかの場所で装置600に接続され得る。さまざまな実施形態によれば、電源690は、1つ以上のラング625および1つ以上のラング615を介して装置600に接続され得る。さまざまな実施形態によれば、電源690は、内側リング610および/または外側リング620のいずれかに挿入されたキャパシタの両端で装置600に接続され得る。さまざまな実施態様では、装置600は、例えば、装置600への直接接続を確立することなしに、装置600に誘導結合された別のコイルを使用して無線で電力供給され得る。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、交互噛合ラング615および625は物理的に接しておらず、交互噛合ラング615および625の配置による容量性効果を介して電気的にのみ接している。いくつかの実施形態によれば、交互噛合ラング615および625(本明細書では「ヤスデコイル」構成ともいう)は、交互噛合ラング615と625との間にキャパシタンスを形成するように構成されることにより、キャパシタンスは交互噛合ラング615および625のパラメータを変化させることによって変化または調節され得る。例えば、交互噛合ラング615および625を互いに近づけることにより、交互噛合ラング615および625の隣り合うセット間の距離が変化し得る。交互噛合ラング615および625の変化する距離は、装置600のキャパシタンスの変化につながる。結果として、さまざまな実施形態によれば、交互噛合ラング615および625は、交互噛合ラング615および625に関連するキャパシタンスを変化させることによって、装置600の共鳴周波数に調節するように実現され得る。
【0087】
さらに、装置600は、磁場の共鳴周波数に調節するための1つ以上の電子部品を含むように構成され得る。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチ、固体リレー、または機械式リレーを含み得る。さまざまな実施態様では、装置600は、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施態様では、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施態様では、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施態様では、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施態様では、装置600は、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施態様では、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0088】
さまざまな実施態様では、図6に示すように、装置600は、同じ軸(紙面から外に出る)に沿って同軸に配置されるリング610およびリング620を含む。さまざまな実施態様では、リング610およびリング620は約0.1mから約10mまでにわたる距離だけ分離される。さまざまな実施態様では、リング610およびリング620は約0.2mから約5mまで、約0.3mから約2mまで、約0.2mから約1mまで、約0.1mから約0.8mまで、または約0.1mから約1mまで、にわたる距離だけ分離され、これらの間の任意の分離距離を含む。さまざまな実施態様では、装置600は、非同軸であるが同じ方向に沿って約0.2mから約5mまでにわたるある距離で分離されたリング610およびリング620を含む。さまざまな実施態様では、リング610およびリング620は互いに対して傾斜することも可能である。さまざまな実施態様では、傾斜角は1度から90度まで、1度から5度まで、5度から10度まで、10度から25度まで、25度から45度まで、および45度から90度までであり得る。
【0089】
さまざまな実施態様では、リング610およびリング620は同じ直径を有する。さまざまな実施態様では、図6に示すように、リング610およびリング620は異なる直径を有し、リング620はリング610よりも大きい直径を有する。さまざまな実施態様では、装置600のリング610およびリング620は、視野内に一様なRFパワープロファイルを含む撮像領域を生成するように構成され、視野は装置600内にセンタリングされず、代わりにコイル自体から空間的に外向きに投射される。
【0090】
さまざまな実施態様では、リング610の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、リング610の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0091】
さまざまな実施態様では、リング620の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、リング620の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0092】
さまざまな実施態様では、リング610およびリング620は非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る。さまざまな実施態様では、リング610およびリング620は、2つの異なる軸平面において変化する断面を有してもよく、一次軸は円形であり、二次軸は正弦波形状または何らかの他の幾何形状を有する。さまざまな実施態様では、リング610はアクセスのための物理的開口を含んでもよい。さまざまな実施態様では、リング610は物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0093】
さまざまな実施態様では、装置600は約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置600は、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0094】
さまざまな実施態様では、装置600は、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状にされた電磁場を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置600は、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状にされた磁場を発生させるように構成されることが可能である(数値間の任意の周波数を含む)。
【0095】
さまざまな実施態様では、装置600は対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施態様では、リング610、リング620、および1つ以上のラング630は互いに対して非平面状である。別の言い方をすれば、リング610、リング620、および1つ以上のラング630は、患者が所在する対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。さまざまな実施態様では、リング610はリング620よりも対象領域に近い。さまざまな実施態様では、対象領域は約0.1mから約1mのサイズを有する。さまざまな実施態様では、対象領域はリング610の直径よりも小さい。さまざまな実施態様では、対象領域は、リング620の直径およびリング610の直径の両方よりも小さい。さまざまな実施態様では、対象領域は、リング610の直径よりも小さくリング620の直径よりも大きいサイズを有する。
【0096】
さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630は同じ材料を含む。さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630は異なる材料を含む。さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施態様では、中空な管または中実な管は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630のそれぞれが1つ以上の電気伝導性の巻線を含む。さまざまな実施態様では、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。これらの追加的な巻線は、所望の周波数における巻線の抵抗を低下させることによってパフォーマンスを改善するために使用され得る。さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630はメタマテリアルを含んでもよい。
【0097】
さまざまな実施態様では、リング610、リング620、または1つ以上のラング630は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施態様では、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0098】
図7Aは、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置700aの実施態様の概略図である。図7Aに示すように、装置700aは導電性金属の中実シート710を備えたコイルである。図7Aに示すように、装置700aは、装置700aに電流を流すことにより対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源790aに接続される。
【0099】
図7Aは、装置700aの上面図を示し、図5Bの装置500および図6の装置600に類似している。装置700aは、導電性金属の中実シート710内に形成されたスリット720を含む。図7Aに示すように、装置700aはスリット720内に同調素子730をも含む。さまざまな実施形態によれば、導電性金属の中実シート710は、対象領域にわたって無線周波数パワーの等しい分布を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、同調素子730は装置700aの共鳴周波数に調節するように構成される。
【0100】
さまざまな実施形態によれば、電源790aは、キャパシタなどの同調素子730の両端で装置700aに接続され得る。さまざまな実施態様では、装置700aは、例えば、装置700aへの直接接続を確立することなしに、装置700aに誘導結合された別のコイルを使用して無線で電力供給され得る。
【0101】
さまざまな実施形態によれば、同調素子730は、磁場の共鳴周波数に調節するための1つ以上の電子部品を含み得る。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチ、固体リレー、または機械式リレーを含み得る。さまざまな実施態様では、装置700aは、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施態様では、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施態様では、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施態様では、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施態様では、装置700aは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施態様では、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0102】
さまざまな実施態様では、装置700aの直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、装置700aの直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0103】
さまざまな実施態様では、装置700aは、非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る外縁740を有する。さまざまな実施態様では、外縁740の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、外縁740の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0104】
さまざまな実施態様では、図7Aに示すように、装置700aはアクセスのための物理的開口750を含む。さまざまな実施態様では、物理的開口750は約10μm乃至約1mの開口部を有する。さまざまな実施態様では、物理的開口750は約0.001m乃至約0.9m、約0.01m乃至約0.8m、約0.03m乃至約0.6m、約0.05m乃至約0.5m、約0.05m乃至約0.3m、約0.05m乃至約0.2m、約0.1m乃至約0.2m、約0.05m乃至約0.1m、または約0.01m乃至約0.1mの開口部を有する(数値間の任意の直径を含む)。
【0105】
さまざまな実施態様では、装置700aは物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0106】
さまざまな実施態様では、装置700aは約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置700aは、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0107】
さまざまな実施態様では、装置700aは、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状にされた電磁場を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置700aは、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状にされた磁場を発生させるように構成されることが可能である(数値間の任意の周波数を含む)。
【0108】
さまざまな実施態様では、装置700aは対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施態様では、装置700aは、患者が所在する対象領域を包囲する非平面状の3次元構造体である。さまざまな実施態様では、装置700aは、導電性金属の中実シート710が2つの開口部、すなわち外縁740および物理的開口750、を接続する漏斗の形状を有する。さまざまな実施態様では、側面図において、導電性金属の中実シート710は、漏斗の形状に類似する直線である。さまざまな実施態様では、側面図において、導電性金属の中実シート710は、半球形のボウル形状に類似する曲面(または、2次元の側面図では曲線として示される)を含んでもよい。
【0109】
さまざまな実施態様では、装置700aの導電性金属の中実シート710は、導電性金属の中実シート710内に1つ以上の中空部分を含んでもよい。さまざまな実施態様では、1つ以上の中空部分は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施態様では、導電性金属の中実シート710は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含み得る。さまざまな実施態様では、導電性金属の中実シート710はメタマテリアルを含んでもよい。
【0110】
さまざまな実施態様では、導電性金属の中実シート710は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施態様では、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0111】
図7Bは、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置700bの実施態様の概略図(上面図)である。図7Bに示すように、装置700bは、互いの上に積層されたコイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4を含む。さまざまな実施形態によれば、コイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4のそれぞれは装置700a内のコイルと同一であるため、さらに詳細には説明しない。さまざまな実施形態によれば、コイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4は、同一の、実質的に類似の、または相異なるスリット寸法および/または同調素子を含んでもよい。さまざまな実施形態によれば、コイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4のそれぞれのスリット寸法および/または同調素子により、装置700bの共鳴周波数の調節または選択されることが可能となる。
【0112】
図7Bに示すように、装置700bは、スリットまたは同調素子に関して互いに90度だけ回転方向にずらされた積層コイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4を含む。図7Bには示していないが、装置700bは、図示されたコイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4以外に追加的なコイルを含んでもよい。互いに90度だけずらされるように示されているが、コイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4は、所望の共鳴周波数に調節するために、異なる角度量だけずらされてもよい。
【0113】
図7Cは、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置700cの実施態様の概略図(上面図)である。装置700cは、互いの上に直接に積み重ねられた積層コイル700b-1、700b-2、700b-3、および700b-4の例示である。図7Cに示すように、装置700cは、装置700cに電流を流すことにより対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源790cに接続される。
【0114】
さまざまな実施形態によれば、電源790cは、キャパシタなどの同調素子730の両端で装置700cに接続され得る。さまざまな実施態様では、装置700cは、例えば、装置700cへの直接接続を確立することなしに、装置700cに誘導結合された別のコイルを使用して無線で電力供給され得る。
【0115】
図8は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置800の実施態様の概略図(上面図)である。図8に示すように、装置800は導電性金属の中実シート810を備えたコイルを含み、複数のスリット820が導電性金属の中実シート810内に形成されている。図8に示すように、装置800は、装置800に電流を流すことにより対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源890に接続される。
【0116】
図8に示すように、装置800は、複数のスリット820内に複数の同調素子830をも含む。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の同調素子830が複数のスリット820のそれぞれの内部に含まれ得る。図8に示すように、装置800は90度ごとに形成された4個のスリット820を含む。図8には示していないが、装置800は任意の数のスリット820を含んでもよく、したがってそれに応じて、スリット820が互いから等間隔となるように隣り合うスリット820間の角度距離を変化させてもよい。さまざまな実施形態によれば、スリット820の数と、その内部に配置される同調素子830の対応する数とは、装置800の所望の共鳴周波数に調節するように構成され得る。
【0117】
さまざまな実施形態によれば、電源890は、キャパシタなどの1つ以上の同調素子830のうちのいずれかの両端で装置800に接続され得る。さまざまな実施態様では、装置800は、例えば、装置800への直接接続を確立することなしに、装置800に誘導結合された別のコイルを使用して無線で電力供給され得る。
【0118】
さまざまな実施形態によれば、装置800は、対象領域にわたって無線周波数パワーの等しい分布を生成するように構成され得る。さまざまな実施形態によれば、複数の同調素子830もまた、装置800の共鳴周波数に調節するように構成され得る。さまざまな実施形態によれば、複数の同調素子830は、磁場の共鳴周波数に調節するための1つ以上の電子部品を含み得る。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチ、固体リレー、または機械式リレーを含み得る。さまざまな実施態様では、装置800は、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施態様では、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施態様では、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施態様では、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施態様では、装置800は、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施態様では、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0119】
さまざまな実施態様では、装置800の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、装置800の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0120】
さまざまな実施態様では、装置800は、非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る外縁840を有する。さまざまな実施態様では、外縁840の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施態様では、外縁840の直径は約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0121】
さまざまな実施態様では、図8に示すように、装置800はアクセスのための物理的開口850を含む。さまざまな実施態様では、物理的開口850は約10μm乃至約1mの開口部を有する。さまざまな実施態様では、物理的開口850は約0.001m乃至約0.9m、約0.01m乃至約0.8m、約0.03m乃至約0.6m、約0.05m乃至約0.5m、約0.05m乃至約0.3m、約0.05m乃至約0.2m、約0.1m乃至約0.2m、約0.05m乃至約0.1m、または約0.01m乃至約0.1mの開口部を有する(数値間の任意の直径を含む)。
【0122】
さまざまな実施態様では、装置800は物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0123】
さまざまな実施態様では、装置800は約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置800は、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0124】
さまざまな実施態様では、装置800は、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状にされた電磁場を発生させるように構成され得る。さまざまな実施態様では、装置800は、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状にされた磁場を発生させるように構成されることが可能である(数値間の任意の周波数を含む)。
【0125】
さまざまな実施態様では、装置800は対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施態様では、装置800は、患者が所在する対象領域を包囲する非平面状の3次元構造体である。さまざまな実施態様では、装置800は、導電性金属の中実シート810が2つの開口部、すなわち外縁840および物理的開口850、を接続する漏斗の形状を有する。さまざまな実施態様では、側面図において、導電性金属の中実シート810は、漏斗の形状に類似する直線である。さまざまな実施態様では、側面図において、導電性金属の中実シート810は、半球形のボウル形状に類似する曲面(または、2次元の側面図では曲線として示される)を含んでもよい。
【0126】
さまざまな実施態様では、装置800の導電性金属の中実シート810は、導電性金属の中実シート810内に1つ以上の中空部分を含んでもよい。さまざまな実施態様では、1つ以上の中空部分は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施態様では、導電性金属の中実シート810は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含み得る。さまざまな実施態様では、導電性金属の中実シート810はメタマテリアルを含んでもよい。
【0127】
さまざまな実施態様では、導電性金属の中実シート810は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施態様では、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0128】
図9は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置(例えば、装置100、500、または600)を動作させる例示的な方法S100のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S100は、ステップS110で、電源を用意することを含む。図9に示すように、方法S100は、ステップS120で、電源に電気的に接続されたコイルを用意することを含む。いくつかの実施形態によれば、コイルは第1のリングおよび第2のリングを含み、第1のリングおよび第2のリングは異なる直径を有する。いくつかの実施形態によれば、第1のリングおよび第2のリングは、例えば装置100、500、または600の、1つ以上のラングを介して接続される。
【0129】
図9に示すように、方法S100は、ステップS130で、電源をオンにしてコイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることを含む。さまざまな実施形態によれば、磁場は約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、磁場は約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である。
【0130】
さまざまな実施形態によれば、コイルは1つ以上の電子部品をさらに含む。図9に示すように、方法S100は、ステップS140で、コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して磁場を同調させることを任意選択的に含む。さまざまな実施形態によれば、磁場を同調させることは、1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、第1のリング、第2のリング、および1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0131】
本明細書に開示されるさまざまな実施形態によれば、ステップS150で、方法S100は、電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることを任意選択的に含む。
【0132】
図10は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置(例えば、装置100、500、または600)を動作させる例示的な方法S200の別のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S200は、ステップS210で、電源を用意することを含む。図10に示すように、方法S200は、ステップS220で、電源に電気的に接続されたコイルを用意することを含む。いくつかの実施形態によれば、コイルは第1のリングおよび第2のリングを含み、例えば装置100、500、または600に関して図示し説明したように、第1のリングは第2のリングよりも大きい直径を有する。
【0133】
ステップS230で、方法S200は、電源をオンにしてコイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることを含む。さまざまな実施形態によれば、磁場は約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、磁場は約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である。
【0134】
さまざまな実施形態によれば、コイルは1つ以上の電子部品をさらに含む。図10に示すように、方法S200は、ステップS240で、コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して磁場を同調させることを任意選択的に含む。さまざまな実施形態によれば、磁場を同調させることは、1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、第1のリング、第2のリング、および1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0135】
本明細書に開示されるさまざまな実施形態によれば、ステップS250で、方法S200は、電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることを任意選択的に含む。
【0136】
図11は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置(例えば、装置700a、700b、700c、または800)を動作させる例示的な方法S300の別のフローチャートである。さまざまな実施形態によれば、方法S300は、ステップS310で、電源を用意することを含む。図11に示すように、方法S300は、ステップS320で、電源に電気的に接続されたコイルを用意することを含む。いくつかの実施形態によれば、コイルは金属製中実シートを含み、金属製中実シートはシート内に配置された1つ以上のスリットを有する。いくつかの実施形態によれば、1つ以上のスリットのうちの少なくとも1つが、例えば装置700a、700b、700c、または800の、同調素子を含む。
【0137】
図11に示すように、方法S300は、ステップS330で、電源をオンにしてコイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることを含む。さまざまな実施形態によれば、磁場は約1μT乃至約10mTである。さまざまな実施形態によれば、磁場は約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である。
【0138】
さまざまな実施形態によれば、コイルは1つ以上の電子部品をさらに含む。図11に示すように、方法S300は、ステップS340で、コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して磁場を同調させることを任意選択的に含む。さまざまな実施形態によれば、磁場を同調させることは、1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、第1のリング、第2のリング、および1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される。
【0139】
本明細書に開示されるさまざまな実施形態によれば、ステップS350で、方法S300は、電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることを任意選択的に含む。
【0140】
実施形態の列挙
1.磁気撮像装置であって、電流を提供する電源と、前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続され、前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される、磁気撮像装置。
【0141】
2.前記電磁場が約1μT乃至約10mTである、実施形態1の装置。
【0142】
3.前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である、実施形態1~2のうちのいずれか1つの装置。
【0143】
4.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが単一の電流ループを形成するように接続される、実施形態1~3のうちのいずれか1つの装置。
【0144】
5.前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態1~4のうちのいずれか1つの装置。
【0145】
6.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状である、実施形態1~5のうちのいずれか1つの装置。
【0146】
7.前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの一方が他方のリングに対して傾斜している、実施形態1~6のうちのいずれか1つの装置。
【0147】
8.前記第1のリングまたは前記第2のリングのうちの一方が他方のリングよりも前記対象領域に近い、実施形態1~7のうちのいずれか1つの装置。
【0148】
9.前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる材料を含む、実施形態1~8のうちのいずれか1つの装置。
【0149】
10.前記第1のリングおよび前記第2のリングの直径が約10μm乃至約10mである、実施形態1~9のうちのいずれか1つの装置。
【0150】
11.前記第1のリングが前記第2のリングよりも大きい直径を有する、実施形態1~10のうちのいずれか1つの装置。
【0151】
12.前記第2のリングの直径が前記対象領域のサイズと前記第1のリングの直径の中間である、実施形態1~11のうちのいずれか1つの装置。
【0152】
13.前記コイルが、前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに備える、実施形態1~12のうちのいずれか1つの装置。
【0153】
14.前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態13の装置。
【0154】
15.同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む、実施形態13~14のうちのいずれか1つの装置。
【0155】
16.前記コイルが極低温に冷却される、実施形態1~15のうちのいずれか1つの装置。
【0156】
17.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つが液冷のための中空な管を備える、実施形態1~16のうちのいずれか1つの装置。
【0157】
18.前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの少なくとも1つが複数の巻線またはリッツ線を備える、実施形態1~17のうちのいずれか1つの装置。
【0158】
19.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される、実施形態1~18のうちのいずれか1つの装置。
【0159】
20.前記第1のリングが前記1つ以上のラングの第1の部分に取り付けられ、前記第2のリングが前記1つ以上のラングの第2の部分に取り付けられ、前記1つ以上のラングの前記第1の部分および前記第2の部分が、重畳する接触エリアを形成する、実施形態1~19のうちのいずれか1つの装置。
【0160】
21.前記重畳する接触エリアが調節可能である、実施形態20の装置。
【0161】
22.前記第1の部分が円筒もしくは管であって前記第2の部分が同心の管であり、またはその逆であり、前記第1の部分および前記第2の部分が互いを通り越してスライドするように構成される、実施形態20~21のうちのいずれか1つの装置。
【0162】
23.磁気撮像装置を動作させる方法であって、電源を用意することと、前記電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含み、前記コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる直径を有し、前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続されるものであり、前記方法がさらに、前記電源をオンにして前記コイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることを含む、磁気撮像装置を動作させる方法。
【0163】
24.前記磁場が約1μT乃至約10mTである、実施形態23の方法。
【0164】
25.前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である、実施形態23~24のうちのいずれか1つの方法。
【0165】
26.前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに備え、前記方法が、前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む、実施形態23~25のうちのいずれか1つの方法。
【0166】
27.前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される、実施形態26の方法。
【0167】
28.前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態26の方法。
【0168】
29.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される、実施形態23~28のうちのいずれか1つの方法。
【0169】
30.電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることをさらに含む、実施形態23~29のうちのいずれか1つの方法。
【0170】
31.磁気撮像装置であって、電流を提供する電源と、前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のキャパシタを介して接続され、前記電源は、前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のキャパシタに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される、磁気撮像装置。
【0171】
32.前記電磁場が約1μT乃至約10mTである、実施形態31の装置。
【0172】
33.前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である、実施形態31~32のうちのいずれか1つの装置。
【0173】
34.前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続される、実施形態31~33のうちのいずれか1つの装置。
【0174】
35.前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態31~34のうちのいずれか1つの装置。
【0175】
36.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングが互いに対して非平面状である、実施形態31~35のうちのいずれか1つの装置。
【0176】
37.前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの一方が他方のリングに対して傾斜している、実施形態31~36のうちのいずれか1つの装置。
【0177】
38.前記第1のリングまたは前記第2のリングのうちの一方が他方のリングよりも前記対象領域に近い、実施形態31~37のうちのいずれか1つの装置。
【0178】
39.前記第1のリングおよび前記第2のリングが異なる材料を含む、実施形態31~38のうちのいずれか1つの装置。
【0179】
40.前記第1のリングおよび前記第2のリングの直径が約10μm乃至約10mである、実施形態31~39のうちのいずれか1つの装置。
【0180】
41.前記第2のリングの直径が前記対象領域のサイズと前記第1のリングの直径の中間である、実施形態31~40のうちのいずれか1つの装置。
【0181】
42.前記コイルが、前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに備える、実施形態31~41のうちのいずれか1つの装置。
【0182】
43.前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態42の装置。
【0183】
44.同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む、実施形態42~43のうちのいずれか1つの装置。
【0184】
45.前記コイルが極低温に冷却される、実施形態31~44のうちのいずれか1つの装置。
【0185】
46.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つが液冷のための中空な管を備える、実施形態34~45のうちのいずれか1つの装置。
【0186】
47.前記第1のリングおよび前記第2のリングのうちの少なくとも1つが複数の巻線またはリッツ線を備える、実施形態31~46のうちのいずれか1つの装置。
【0187】
48.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される、実施形態34~47のうちのいずれか1つの装置。
【0188】
49.前記第1のリングが前記1つ以上のラングの第1の部分に取り付けられ、前記第2のリングが前記1つ以上のラングの第2の部分に取り付けられ、前記1つ以上のラングの前記第1の部分および前記第2の部分が、重畳する接触エリアを形成する、実施形態34~48のうちのいずれか1つの装置。
【0189】
50.前記重畳する接触エリアが調節可能である、実施形態49の装置。
【0190】
51.前記第1の部分が円筒もしくは管であって前記第2の部分が同心の管であり、またはその逆であり、前記第1の部分および前記第2の部分が互いを通り越してスライドするように構成される、実施形態49~50のうちのいずれか1つの装置。
【0191】
52.磁気撮像装置を動作させる方法であって、電源を用意することと、前記電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含み、前記コイルが第1のリングおよび第2のリングを備え、前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のキャパシタを介して接続されるものであり、前記方法がさらに、前記電源をオンにして前記コイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることを含む、磁気撮像装置を動作させる方法。
【0192】
53.前記磁場が約1μT乃至約10mTである、実施形態52の方法。
【0193】
54.前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である、実施形態52~53のうちのいずれか1つの方法。
【0194】
55.前記第1のリングおよび前記第2のリングが1つ以上のラングを介して接続される、実施形態52~54のうちのいずれか1つの方法。
【0195】
56.前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに備え、前記方法が、前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む、実施形態52~55のうちのいずれか1つの方法。
【0196】
57.前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される、実施形態56の方法。
【0197】
58.前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態56の方法。
【0198】
59.前記第1のリング、前記第2のリング、および前記1つ以上のラングのうちの少なくとも1つがキャパシタに接続される、実施形態55~58のうちのいずれか1つの方法。
【0199】
60.電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることをさらに含む、実施形態52~59のうちのいずれか1つの方法。
【0200】
61.磁気撮像装置であって、電流を提供する電源と、前記電源に電気的に接続されたコイルとを備え、該コイルが金属製中実シートを備え、該金属製中実シート内には1つ以上のスリットが配置されており、前記1つ以上のスリットのうちの少なくとも1つが同調素子を含み、前記電源は、前記コイルに電流を流すことにより、対象領域に電磁場を発生させるように構成される、磁気撮像装置。
【0201】
62.前記電磁場が約1μT乃至約10mTである、実施形態61の装置。
【0202】
63.前記電磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数のパルス状である、実施形態61~62のうちのいずれか1つの装置。
【0203】
64.前記コイルが非平面状であり、前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態61~63のうちのいずれか1つの装置。
【0204】
65.前記コイルが直径約10μm乃至約10mの外縁を有する、実施形態61~64のうちのいずれか1つの装置。
【0205】
66.前記金属製中実シートが、第1の同調素子が内部に配置された第1のスリットを有する第1のシートであり、前記コイルが、第2の同調素子が内部に配置された第2のスリットを有する第2の金属製シートをさらに備え、前記第1のスリットと前記第2のスリットとが回転方向にずれるように前記第2の金属製シートが前記第1のシートの上に積み重ねられる、実施形態61~65のうちのいずれか1つの装置。
【0206】
67.前記金属製中実シートが、各スリットが同調素子を有する少なくとも2つのスリットを備え、前記同調素子のそれぞれが互いから等間隔で配置されるように前記少なくとも2つのスリットが前記金属製中実シート内に配置される、実施形態61~66のうちのいずれか1つの装置。
【0207】
68.前記電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品をさらに備え、該1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態61~67のうちのいずれか1つの装置。
【0208】
69.同調のために使用される前記1つ以上の電子部品が、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む、実施形態68の装置。
【0209】
70.前記金属製中実シートが液冷のための中空な管を備える、実施形態61~69のうちのいずれか1つの装置。
【0210】
71.前記コイルが極低温に冷却される、実施形態61~70のうちのいずれか1つの装置。
【0211】
72.前記同調素子がキャパシタを備える、実施形態61~71のうちのいずれか1つの装置。
【0212】
73.磁気撮像装置を動作させる方法であって、電源を用意することと、前記電源に電気的に接続されたコイルを用意することとを含み、前記コイルが金属製中実シートを備え、該金属製中実シート内には1つ以上のスリットが配置されており、前記1つ以上のスリットのうちの少なくとも1つが同調素子を含むものであり、前記方法がさらに、前記電源をオンにして前記コイルに電流を流すことにより対象領域に磁場を発生させることを含む、磁気撮像装置を動作させる方法。
【0213】
74.前記磁場が約1μT乃至約10mTである、実施形態73の方法。
【0214】
75.前記磁場が約1kHz乃至約2GHzの無線周波数(RF)のパルス状である、実施形態73~74のうちのいずれか1つの方法。
【0215】
76.前記コイルが1つ以上の電子部品をさらに備え、前記方法が、前記コイルに備えられた1つ以上の部品を使用して前記磁場を同調させることをさらに含む、実施形態73~75のうちのいずれか1つの方法。
【0216】
77.前記磁場を同調させることが、前記1つ以上の電子部品の電流を変化させることまたは前記1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることのうちの少なくとも1つによって実行される、実施形態76の方法。
【0217】
78.前記1つ以上の電子部品が、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態76~77のうちのいずれか1つの方法。
【0218】
79.前記同調素子がキャパシタを備える、実施形態73~78のうちのいずれか1つの方法。
【0219】
80.電子部品の特定のセットを選択的にオンにすることにより、前記磁場をより狭い周波数範囲のパルス状にすることをさらに含む、実施形態73~79のうちのいずれか1つの方法。
【0220】
本明細書は多くの具体的な実装形態の詳細を含むが、これらは任意の発明または特許請求の範囲となり得る対象の範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実装に固有の特徴の記述と解釈されるべきである。個別の実装形態の文脈で本明細書に記載されるいくつかの特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装されることも可能である。逆に、単一の実装形態の文脈で記載されるさまざまな特徴は、個別に複数の実装形態で、または、任意の好適な部分的組合せにおいて実装されることも可能である。さらに、諸特徴はいくつかの組合せにおいて作用するものとして上記に記載され、そのようなものとして最初に特許請求の範囲に記載されているかもしれないが、特許請求の範囲の組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってその組合せから削除されることが可能であり、特許請求の範囲の組合せは部分的組合せを、または部分的組合せの変形を対象としてもよい。
【0221】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序もしくは逐次的順序で実行されること、または図示された動作のすべてが実行されることを要求していると理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上記の実装形態におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実装形態におけるそのような分離を要求していると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品に統合されること、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることが可能であると理解されるべきである。
【0222】
「または」への言及は、「または」を用いて記載される任意の用語が、記載された用語の単一、複数、およびすべてのもののいずれをも示し得るように包括的と解釈され得る。「第1」、「第2」、「第3」などのラベルは、順序を示すことを必ずしも意味せず、同様または類似の項目または要素間を単に区別するために一般的に使用される。
【0223】
本開示に記載される実装形態へのさまざまな変更は当業者には直ちに明らかであろうし、本明細書に規定される一般的原理は本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の実装形態にも適用可能であろう。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示、すなわち本明細書に開示される原理および新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4A-4B】
図5A-5B】
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11