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特許7170158お薬カレンダー作製方法及びお薬カレンダー作製用装置
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  • 特許-お薬カレンダー作製方法及びお薬カレンダー作製用装置 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】お薬カレンダー作製方法及びお薬カレンダー作製用装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 11/00 20060101AFI20221104BHJP
   A61J 7/04 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B65C11/00
A61J7/04 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022101741
(22)【出願日】2022-06-24
【審査請求日】2022-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503219721
【氏名又は名称】株式会社Windy
(74)【代理人】
【識別番号】100094581
【弁理士】
【氏名又は名称】鯨田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】中村 行延
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-324528(JP,A)
【文献】特許第7049071(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3220617(JP,U)
【文献】特開2001-076386(JP,A)
【文献】特開平07-285525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 11/00
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の各服用回毎の薬剤がそれぞれ収用される各凹状の収容部と前記各収容部を他の収容部と仕切る仕切り部と前記各収容部及び仕切り部を含む全体の外周縁部とから成るお薬カレンダー中の各収容部内に、患者の各服用回毎の薬剤を収容し、このように各服用回毎の薬剤を収容したお薬カレンダーを、基台部上に位置決めされた状態で載置し、前記お薬カレンダーを前記基台部上に載置することと同時に又はこれと相前後して、「表面側には前記各収容部にそれぞれ対応する各服用回の日付又は曜日と時間帯とが分かる情報(以下「服用回情報」という。)が表示され、裏面側には前記仕切り部と対向すべき部分に粘着層が形成されると共に少なくとも前記粘着層を覆う剥離紙が積層されているラベル」を、前記基台部に対し回動可能に接続された回動台部上に、前記ラベルが前記回動台部側に対し静電気により引き寄せられるように前記ラベルを帯電させてから、位置決めして載置し、前記回動台部側に対して静電気により引き寄せられるように載置されたラベルから剥離紙を剥がして前記ラベル中の粘着層を露出させ、前記回動台部を前記基台部に近づくように回動して当接させ、これにより前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダーの前記各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部に粘着又は固定させる、ことを特徴とするお薬カレンダー作製方法。
【請求項2】
患者の各服用回毎の薬剤がそれぞれ収用される各凹状の収容部と前記各収容部を他の収容部と仕切る仕切り部と前記各収容部及び仕切り部を含む全体の外周縁部とから成るお薬カレンダー中の各収容部内に、患者の各服用回毎の薬剤を収容し、このように各服用回毎の薬剤を収容したお薬カレンダーを、基台部上に位置決めされた状態で載置し、前記お薬カレンダーを前記基台部上に載置することと同時に又はこれと相前後して、「表面側には前記各収容部にそれぞれ対応する各服用回の日付又は曜日と時間帯とが分かる情報(以下「服用回情報」という。)が表示され、裏面側には前記仕切り部と対向すべき部分に粘着層が形成されると共に少なくとも前記粘着層を覆う剥離紙が積層されているラベル」を、前記基台部に対し回動可能に接続された回動台部上に位置決めして載置し、前記ラベルが静電気により引き寄せられるように前記ラベルを帯電させ、前記回動台部側に対して静電気により引き寄せられるように載置されたラベルから剥離紙を剥がして前記ラベル中の粘着層を露出させ、前記回動台部を前記基台部に近づくように回動して当接させ、これにより前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダーの前記各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部に粘着又は固定させる、ことを特徴とするお薬カレンダー作製方法。
【請求項3】
請求項1に記載のお薬カレンダー作製方法のために使用されるお薬カレンダー作製用装置であって、前記基台部と、前記回動台部と、近傍に配置された静電気発生装置により帯電される静電気板であって服用回情報を印字するプリンタから排出されたラベルが接触され帯電されるように前記プリンタの排出口下側に配置される静電気板を含み、前記ラベルが前記回動台部上に載置される前に前記ラベルを帯電させ、これにより前記ラベルが前記回動台部上に載置されたとき前記回動台部側に引き寄せられるようにするラベル帯電手段と、を含むことを特徴とする、お薬カレンダー作製用装置。
【請求項4】
請求項2に記載のお薬カレンダー作製方法のために使用されるお薬カレンダー作製用装置であって、前記基台部と、前記回動台部と、前記ラベルに接近させて前記ラベルを帯電させることができるヘッド部を含み、前記ラベルが前記回動台部上に載置された後に前記ラベルを帯電させ、これにより前記ラベルが前記回動台部側に引き寄せられるようにするラベル帯電手段と、を含むことを特徴とする、お薬カレンダー作製用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一人の患者が数日以上継続して服用する一つ又は複数の薬剤を各服用回別に分けて(分包化して)各凹状の収容部に収容し当該複数の収容部を複数の服用回に渡って一覧できるように縦及び横方向に並べて配置したお薬カレンダーの作製方法及びお薬カレンダー作製用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各患者が薬剤の服用を忘れたり薬剤の種類や量を間違った服薬をすることを防止し適正かつ容易な服薬管理を可能にするためのツールとして、「患者毎に日付又は曜日と時間帯とにより特定される各服用回にそれぞれ対応する一種類又は複数種類の薬剤を収容した収容部が、1日当たり3回又は4回などの複数回分として例えば約4週間分などとなる例えば計約21回又は計約28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応するように、縦及び横方向に並べて(いわばカレンダー形式で)配置されて成るお薬カレンダー」が知られている。
【0003】
このような「お薬カレンダー」には、様々なタイプのものがあるが、代表的なものは、例えば図4に示すようなものである(特許文献1,2参照)。図4において、13はある患者が各服用回毎に複数すべき薬剤を収容する凹状の収容部で、この例では、図示縦方向に1週間分(7日間分)の7行、図示横方向に約4週間分の4列の計28個の収容部13が形成、配置されている。これらの各収容部13は、図4(b)に示すように、お薬カレンダーの外周枠となる外縁部15と略格子状の断面凸状(収容部15の底部13aから見ると断面凸状)の仕切り部12とによりその周囲が画され(仕切られ)ている(以下、前記の外縁部15と仕切り部12とを併せて「仕切り部12,15」ということがある)。前記仕切り部12,15中には、切り取り線12aが形成されている。この切り取り線12aは、患者が各服用回毎に対応する「収容部13及びその周囲を画する仕切り部12,15の一部」(図4の符号11に示す部分)だけを他の部分から切り取り切り離すときの便宜のために、形成されている。これらの各収容部13には、その開口部側(図4(c)の図示左側)から内部へと、各服用回に対応する薬剤を薬剤師が収容する。なお、図4において、17は、患者がお薬カレンダーを自宅の壁などに掛けるためなどに利用可能な孔である。
【0004】
次に図5は、前記お薬カレンダーの各収容部13内にそれぞれ収容された薬剤を、前記各収容部13の開口部(図4(c)の符号14参照)をそれぞれ覆うことにより前記薬剤を封止するラベルの一例を示す図である。図5において、符号61は前記各収容部13(各服用回毎の薬剤が収容されている凹状の空洞部分)の開口部14を覆うことによりその内部の薬剤を封止するためのラベルである。なお、21は、前記ラベル61の全体の一部として、各収容部13の開口部14をそれぞれ覆う部分を示している。前記ラベル61中には、患者がお薬カレンダー(図4参照)中の各服用回毎に対応する「収容部13及びその周囲を画する仕切り部12,15の一部」(図4の符号11に示す部分)だけを他の部分から切り取り切り離す際に、前記ラベル61(図5参照)中の「前記の切り離す収容部12に対応する部分21」も一緒に容易に切り取り切り離し易いように、格子状の切り取り線22が形成されている。また、図5に示すように、前記ラベル61中の「前記各収容部13(図4参照)に対応する部分21(図5参照)」には、「前記お薬カレンダーの各収容部13にそれぞれ対応する各服用回の日付又は曜日と時間帯とを患者が認識できる情報(以下、本明細書において「服用回情報」という。)が、文字、数字又はバーコードなどの形態で、前記ラベル61中において各服用回分毎に(前記ラベル61中の各収容部13に対応する部分21毎に)表示されている。
【0005】
このようなお薬カレンダーは、多くは調剤薬局などが作製し患者に交付する。図6は従来より調剤薬局で行なわれている、お薬カレンダーの作製過程の一例を示すものである。この作製過程では、お薬カレンダーの各収容部内に、それぞれ対応する薬剤を「手撒きボード」(薬剤師が各服用回毎の薬剤を各凹状の収容部13内に収容し易いように、各収容部13毎にテーパ状に孔が形成された、お薬カレンダーの上に一時的に載置する透明のプラスチック製ボード)を介して収容し(図6(a)~(c)参照)、その後、表面側に各「服用回情報」が表示され裏面側に粘着層と剥離紙が積層されたラベル(患者が指で比較的容易に断裂等できるような、例えば紙製のラベル)を、前記各収容部内の薬剤が封止されるように、前記お薬カレンダー側に粘着(接着)させて前記各収容部13の開口部14を塞ぐ(図6(d)参照)。これにより、各収容部毎の「服用回情報」が患者に分かり易いように表示されたお薬カレンダーが作製される。患者は、調剤薬局から交付されたお薬カレンダーを例えば自宅の壁などに掛けておき、毎日、その朝、昼、夕及び寝る前の計4回(又は朝、昼及び夕の計3回)ずつ、各服用回毎に例えば同図の下側の左から右方向に、さらに日が替わる毎に、例えば下側から上側方向に順次切り離し取り出すなどして、服用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第7049071号公報
【文献】特許第6548844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来より、調剤薬局がこのようなお薬カレンダーを作製する場合においては、お薬カレンダーの各収容部への薬剤の収容作業は、薬剤師の手作業による場合だけでなく機械装置による自動化も実用化されている。また、同各収容部への薬剤の収容後の薬剤師の目視による薬剤監査の前の、お薬カレンダーの各収容部内の薬剤の画像に基づくコンピュータによる事前監査も、実用化されている。
【0008】
しかしながら、お薬カレンダーの各収容部内の薬剤に対する監査の後における、お薬カレンダーの各収容部内の薬剤の封止のためのラベルの貼り付けは、現状、図6(d)のように手作業で行なわれているため、お薬カレンダーへのラベルの貼り付けによる各収容部内の薬剤の封止を効率的にできない、もし貼り付けの際にお薬カレンダー中の各収容部とラベル中の各「服用回情報」の表示との間で位置ズレが生じてしまうと商品価値が減損してしまい、もしラベルを貼り直すことになると作業効率が大幅に低下してしまうなどの問題が生じていた。
【0009】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目して為されたものであって、お薬カレンダーへのラベルの貼り付け及び各収容部内の薬剤の封止作業を効率的に行ないながらお薬カレンダーを製作することができる、お薬カレンダー作製方法及びお薬カレンダー作製用装置を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るお薬カレンダー作製方法は、患者の各服用回毎の薬剤がそれぞれ収用される各凹状の収容部と前記各収容部を他の収容部と仕切る仕切り部と前記各収容部及び仕切り部を含む全体の外周縁部とから成るお薬カレンダー中の各収容部内に、患者の各服用回毎の薬剤を収容し、このように各服用回毎の薬剤を収容したお薬カレンダーを、基台部上に位置決めされた状態で載置し、前記お薬カレンダーを前記基台部上に載置することと同時に又はこれと相前後して、「表面側には前記各収容部にそれぞれ対応する各服用回の日付又は曜日と時間帯とが分かる情報(以下「服用回情報」という。)が表示され、裏面側には前記仕切り部と対向すべき部分に粘着層が形成されると共に少なくとも前記粘着層を覆う剥離紙が積層されているラベル」を、前記基台部に対し回動可能に接続された回動台部上に、前記ラベルが前記回動台部側に対し静電気により引き寄せられるように前記ラベルを帯電させてから、位置決めして載置し、前記回動台部側に対して静電気により引き寄せられるように載置されたラベルから剥離紙を剥がして前記ラベル中の粘着層を露出させ、前記回動台部を前記基台部に近づくように回動して当接させ、これにより前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダーの前記各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部に粘着又は固定させることを特徴とするものである
【0011】
また、本発明に係るお薬カレンダー作製方法は、患者の各服用回毎の薬剤がそれぞれ収用される各凹状の収容部と前記各収容部を他の収容部と仕切る仕切り部と前記各収容部及び仕切り部を含む全体の外周縁部とから成るお薬カレンダー中の各収容部内に、患者の各服用回毎の薬剤を収容し、このように各服用回毎の薬剤を収容したお薬カレンダーを、基台部上に位置決めされた状態で載置し、前記お薬カレンダーを前記基台部上に載置することと同時に又はこれと相前後して、「表面側には前記各収容部にそれぞれ対応する各服用回の日付又は曜日と時間帯とが分かる情報(以下「服用回情報」という。)が表示され、裏面側には前記仕切り部と対向すべき部分に粘着層が形成されると共に少なくとも前記粘着層を覆う剥離紙が積層されているラベル」を、前記基台部に対し回動可能に接続された回動台部上に位置決めして載置し、前記ラベルが静電気により引き寄せられるように前記ラベルを帯電させ、前記回動台部側に対して静電気により引き寄せられるように載置されたラベルから剥離紙を剥がして前記ラベル中の粘着層を露出させ、前記回動台部を前記基台部に近づくように回動して当接させ、これにより前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダーの前記各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部に粘着又は固定させる、ことを特徴とするものである
【0012】
上記のように、本発明によるお薬カレンダーの作製方法においては、前記ラベルが前記回動台部側に載置されるに際し前記ラベルを帯電させて前記ラベルが前記回動台部側に引き寄せられるようにすることが望ましい
【0013】
また、本発明に係るお薬カレンダー作製用装置は、前記基台部と、前記回動台部と、前記ラベルが前記回動台部上に載置されるとき又はその前に前記ラベルを帯電させ、これにより前記ラベルが前記回動台部側に引き寄せられるように付着されるようにするラベル帯電手段とを含むことを特徴とするものである
【0014】
また、本発明に係るお薬カレンダー作製用装置は、前記基台部と、前記回動台部と、前記ラベルが前記回動台部上に載置されるとき又はその後に前記ラベルを帯電させ、これにより前記ラベルが前記回動台部側に引き寄せられるように付着されるようにするラベル帯電手段とを含むことを特徴とするものである
【0015】
さらに、本発明によるお薬カレンダー作製方法は、お薬カレンダー中の各服用回毎の薬剤がそれぞれ収用される各収容部及びその周囲と他の部分との間を仕切る仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部を含む。以下同じ。)に対し、「表面側には前記各収容部にそれぞれ対応する服用回の日付又は曜日と時間帯とに関する情報(以下「服用回情報」という。)が表示され、裏面側には前記仕切り部と対向すべき部分に粘着層が形成されると共に少なくとも前記粘着層を覆う剥離紙が積層されているラベル」を粘着又は固定させて前記各収容部の開口部を覆うことにより、前記各収容部内の薬剤を封止すると共に患者が前記各収容部にそれぞれ対応する「服用回情報」を各服用回毎に認識しながら服用できるようにするお薬カレンダーを製作するための、お薬カレンダーへのラベル貼付方法であって、基台部に前記お薬カレンダーを各収容部内に薬剤が収容された状態で且つ位置決めされた状態で載置するお薬カレンダー載置ステップと、前記お薬カレンダー載置ステップと同時に又はこれと相前後して、前記ラベルが前記基台部と回動可能に接続された回動台部側に載置されるとき又はその前後に、前記ラベルを帯電させて前記ラベルが前記回動台部側に引き寄せられるようにするラベル帯電ステップと、前記お薬カレンダー載置ステップ及び/又は前記ラベル帯電ステップと同時に又はこれと相前後して、前記ラベルを、前記ラベルが前記ラベル中の各「服用回情報」の表示部分が前記お薬カレンダー中の各収容部に位置的に対応し前記ラベル中の粘着層が前記お薬カレンダー中の各収容部及びその周囲と他の部分とを画する仕切り部に対応するように前記基台部に載置されたお薬カレンダーとの関係でその向きをも含めて位置決めされた状態で、前記回動台部に載置するラベル載置ステップと、前記回動台部側に載置されたラベルから剥離紙を剥がして前記ラベル中の粘着層を露出させる粘着層露出ステップと、前記回動台部を前記基台部に近づくように回動して当接させ、これにより前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダーの前記各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部に粘着又は固定させる回動ステップとを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるお薬カレンダー作製方法及び作製用装置においては、前記お薬カレンダーが前記各収容部内に薬剤が収容され且つ位置決めされた状態で載置される基台部と、前記ラベルが、前記ラベル中の各「服用回情報」の表示部分が前記お薬カレンダー中の各収容部に位置的に対応し、前記ラベル中の粘着層が前記お薬カレンダー中の前記各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部を含む。以下同じ。)に対応するように、前記基台部に載置されたお薬カレンダーとの関係でその向きをも含めて(向きが異なると前記仕切り部と前記粘着層との対応関係がズレてしまうため)位置決めされた状態で、且つ少なくとも前記ラベルから前記剥離紙を剥がす際には前記ラベルが位置ズレしないように載置されている回動台部とを備えるようにし、前記ラベルから剥離紙を剥離した後に前記基台部に対し前記回動台部を回動、当接させることにより、前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダー中の各収容部及びその周囲と他の部分とを仕切る仕切り部に粘着させるようにしたので、貼り付けの際にお薬カレンダー中の各収容部とラベル中の各「服用回情報」の表示との間で位置ズレが生じてしまうことを有効に防止してお薬カレンダーへのラベルの貼り付け及び各収容部内の薬剤の封止を正確に且つ効率的に行ないながら、お薬カレンダーを作製できるようになる。また特に本発明のように、ラベルの裏面側の粘着層が、ラベルの裏面中の、前記各凹状の収容部間の仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部を含む、前記各収容部の底部より突出した部分)に対応する部分(例えば格子状に延びる帯状部分とお薬カレンダーの外周縁部)のみに形成されている場合において、ラベル貼り付けの際にお薬カレンダー側の仕切り部とラベル側の粘着層との間で位置ズレが生じてしまい各凹状の収容部内の薬剤の封止が不完全になってしまうという不都合を、有効に防止することができる。
【0017】
また、本発明において、前記基台部及び回動台部にそれぞれ前記お薬カレンダー及び前記ラベルを位置決めするための「突部又は凹部もしくは孔部等から成る位置決め部」を備えるようにしたときは、前記基台部及び回動台部側での前記お薬カレンダー及び前記ラベルの位置決めを正確に且つ効率的に行ないながら、お薬カレンダーを作製できるようになる
【0018】
また、本発明において、前記基台部及び回動台部にそれぞれ前記お薬カレンダー及び前記ラベルを位置決めするための突部又は凹部もしくは孔部を備えるようにし、さらに前記突部又は又は凹部もしくは孔部を、前記回動台部が前記基台部側に回動して前記ラベルが前記お薬カレンダーに当接される際に前記突部が前記凹部もしくは孔部内に挿入されるようにしたときは、前記基台部及び回動台部側での前記お薬カレンダー及び前記ラベルの位置決めを正確に且つ効率的に行ないながら、お薬カレンダーを作製できるようになる
【0019】
また、本発明においては、前記位置ズレ予防手段により前記ラベルが前記回動台部側で位置ズレしないようにしながら、前記回動台部側に位置決めされて載置されているラベルから剥離紙を剥離して粘着層を露出させ、その後、前記ラベルを載置した回動台部を、前記各収容部内に薬剤が収容され且つ位置決めされたお薬カレンダーを載置した基台部に対して回動、当接させて前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダー中の各収容部及びその周囲を他の部分と仕切る仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部を含む。以下同じ。)に粘着させるようにしたので、お薬カレンダーへのラベルの貼り付け及び各収容部内の薬剤の封止を正確に且つ効率的に行ないながら、お薬カレンダーを作製できるようになる。また特に、本発明のように、ラベルの裏面側の粘着層が、ラベルの裏面中の、前記各凹状の収容部及びその周囲を他の部分と仕切る仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部をも含む突出部分)に対応する部分(例えば格子状に延びる帯状部分)のみに形成されている場合において、ラベル貼り付けの際にお薬カレンダー側の仕切り部とラベル側の粘着層との間で位置ズレが生じてしまい各凹状の収容部内の薬剤の封止が不完全になってしまうという不都合を、有効に防止することができる。
【0020】
また、本発明において、前記ラベルが前記回動台部側に載置されるとき又はその前後に、前記ラベル帯電手段により前記ラベルを帯電させて前記ラベルが静電気により前記回動台部側に引き寄せられて付着されるようにしたときは、前記ラベルから剥離紙を剥離して粘着層を露出させるとき及び前記回動台部側を前記基台部側に回動させるときなどにおいて、前記ラベルが前記回動台部側において位置ズレしてしまうことを有効に防止しながら、お薬カレンダーを作製できるようになる
【0021】
さらに、本発明では、基台部上に前記お薬カレンダーを位置決めされた状態で載置するお薬カレンダー載置ステップと、前記お薬カレンダー載置ステップと同時に又はこれと相前後して前記ラベルを帯電させて前記ラベルが前記回動台部側に引き寄せられるようにするラベル帯電ステップと、前記お薬カレンダー載置ステップ及び/又は前記ラベル帯電ステップと同時に又はこれと相前後して、前記ラベルを前記基台部に載置されたお薬カレンダーに対し位置決めされた状態で前記回動台部に載置するラベル載置ステップと、前記回動台部側に載置されたラベルから剥離紙を剥がして前記ラベルの粘着層を露出させる粘着層露出ステップと、前記ラベルに表示された前記各「服用回情報」が前記お薬カレンダー中の各収容部に対応して表示されるように且つ前記ラベル中の粘着層が前記お薬カレンダー中の各収容部及びその周囲と他の部分とを画する仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部を含む。以下同じ。)に当接できるように前記回動台部を前記基台部に近づくように回動、当接させて前記ラベルの粘着層を前記お薬カレンダーの各収容部及びその周囲と他の部分とを画する仕切り部に粘着させる回動ステップとを含むようにしたので、お薬カレンダーへのラベルの貼り付け及び各収容部内の薬剤の封止を正確に且つ効率的に行ないながら、お薬カレンダーを作製できるようになる。また特に、本発明のように、ラベルの裏面側の粘着層が、ラベルの裏面中の、前記各凹状の収容部及びその周囲と他の部分との間の仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部をも含む突出部分)に対応する部分(例えば格子状に延びる帯状部分)のみに形成されている場合において、ラベル貼り付けの際にお薬カレンダー側の仕切り部とラベル側の粘着層との間で位置ズレが生じてしまい各凹状の収容部内の薬剤の封止が不完全になってしまうという不都合を、有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】(a)は本発明の一実施形態に係るお薬カレンダーの作製方法に使用される、お薬カレンダーへのラベル貼付装置を示す側面図(回動台部が回動する途中の状態を示す側面図)、(b)はその平面図(回動台部が基台部に対して約180度に開いた状態を示す平面図)である。
図1B】本実施形態において基台部と回動台部とを互いに回動可能に接続する蝶番の一例を示す斜視図である。
図2】本実施形態における帯電装置及びその動作等を説明するための斜視図である。
図3】本実施形態において基台部側に仮想的に載置されたときのお薬カレンダーと回動台部側に仮想的に載置されたときのラベル、及びそれらの動作を説明するための斜視図である。
図4】従来のお薬カレンダーの一例を示す平面図である。
図5】従来のお薬カレンダー側に貼付されるラベルの一例を示す平面図である。
図6】従来のお薬カレンダーの製作過程の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係るお薬カレンダーの作製方法について、図面を用いて説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係るお薬カレンダーの作製方法に使用されるお薬カレンダーへのラベル貼付装置を示す側面図(回動台部の回動途中の状態を示す側面図)、同(b)は本実施形態に係るお薬カレンダーの作製方法に使用されるラベル貼付装置の平面図、同(c)は本実施形態に係るお薬カレンダーの作製方法に使用されるラベル貼付装置において基台部と回動台部とを互いに回動可能に接続する蝶番3の一例を示す斜視図である。
【0024】
図1において、1はお薬カレンダー7が載置される基台部、2はこの基台部1の一端に後述の蝶番3を介して基台部1と接続された回動台部(外枠)、3は前記回動台部2を前記基台部1に対し回動可能に接続する蝶番(図1(c)参照)、4は前記回動台部2の表面側(ラベル8が載置される側)に取り付けられた支持板であって、帯電させられた例えば紙製のラベル(後述)が載置される例えばプラスチック製の支持板(帯電されたラベルが静電気によって引き寄せられて付着されるような材質の支持板)、5は前記回動台部2及び支持板4の一端部の複数箇所に備えられたピン(突部)であって、ラベルの一端部に形成された複数の孔にそれぞれ挿入され更に回動台部2が基台部1側に回動、当接されたとき基台部1側の複数箇所に備えられた凹部(穴)6内に挿入可能に配置されたピン(突部)である。このピン(突部)5は、例えば前記回動台部2内に設けられたスプリング(図示省略)に支持されることなどにより、前記支持板4を介して図示上下動可能に(前記回動台部2の平面に対し直交する方向に移動可能に、すなわち前記支持板4表面から伸縮可能に。図1の矢印B参照)構成されている。
【0025】
また図1において、7は、患者毎に日付又は曜日と時間帯とにより特定される各服用回にそれぞれ対応する薬剤を収容した各収容部が、1日当たり3回又は4回などの複数回分として例えば約4週間分などとなる例えば計約21回又は計約28回などの所定回数の各服用回にそれぞれ対応するように、縦及び横方向に並べて配置されて成るお薬カレンダーである(図4図6参照)。このお薬カレンダー7の容器の一端部には、前記基台部1に載置されたとき前記基台部1に形成された前記各凹部6に対応する孔が形成されている。このお薬カレンダー7(各収容部内に薬剤が収容され薬剤師の監査も受けたがラベルが未だ貼り付けられていない段階のお薬カレンダー)が前記基台部1に載置されるときは、例えば前記各凹部6内にそれぞれ嵌り込む突出枠を有する複数の孔をお薬カレンダー7の一端部に形成しておき、そのお薬カレンダー7側の突出枠を前記基台部1側の凹部6内に挿入するなどの方法により、前記お薬カレンダー7が位置決めされ、その状態で載置される。
【0026】
また図1において、8は、前記お薬カレンダー7の各収容部にそれぞれ対応する服用回の日付又は曜日と時間帯とに関する情報(以下「服用回情報」という。)が印字、表示されたラベルである(図5図6(d)参照)。前記支持板4上には前記ラベル8が載置されるが、その場合、例えば前記ラベル8の一端部に、前記回動台部2側から前記支持板4を介して突出するピン5がそれぞれ挿入され得る複数の孔を形成しておき、そのラベル8側の孔に前記回動台部2側のピン5を挿入するなどの方法により、前記ラベル8が位置決めされ、その状態で載置される。
【0027】
本実施形態では、前記ラベル8は、例えば「裏面側(服用回情報が印刷されていない側)に粘着層と剥離紙が積層されたラベル用紙」の表面側に、プリンタで「服用回情報」が印字されることにより作製される。本実施形態では、前記ラベル8の裏面側の粘着層は、前記ラベル8の裏面側中の、「前記お薬カレンダー7中の各服用回毎の薬剤がそれぞれ収用される各収容部及びその周囲と他の部分とを仕切る断面凸状の仕切り部(お薬カレンダーの外周縁部を含む、略格子状の帯状部分)」と対向・粘着される部分にのみ、形成されている。
【0028】
本実施形態では、各患者毎の「服用回情報」が印字されたラベル8は、前記支持板4に載置される前に、帯電装置(静電気発生装置)により帯電させられ、その帯電させられた状態で、前記回動台部2上のプラスチック製支持板4に載置される。図2は本実施形態において使用される帯電装置(静電気発生装置)の帯電動作等を示す図である。本実施形態では、図2に示すように、ラベル用紙(予め粘着層と剥離紙が積層された紙)の表面側に各患者毎の「服用回情報」が印字されたラベル8が、プリンタ11の排出口から排出されると、その排出されたラベル8は、プリンタ11の排出口の下側に配置された静電気板12(例えばアルミ製の板で、その近傍に在る静電気発生装置により帯電させられている板)に接触し帯電されて、静電気板12に引き寄せられる。この前記ラベル8が静電気板12に引き寄せられた状態にあるとき、前記ラベル8の剥離紙の一端部8aを少しめくっておくことが望ましい(前記ラベル8が前記回動台部2上の支持板4に載置されたとき、剥離紙を前記ラベル8から容易に剥離できるようにするためである)。
【0029】
なお、例えば帯電装置に含まれる電極内蔵の小型ヘッド部を前記ラベル8に近接させる方法により帯電させるときは、前記ラベル8を回動台部2側(支持板4を含む)に載置した後に前記ヘッド部をラベルに接近させて帯電させて前記ラベル8を前記回動台部2側に対し引き寄せられるように付着させるようにしてもよい。また、本実施形態において使用される帯電装置(静電気発生装置)は、従来より周知の市販品を使用することができる。周知の市販品として、例えば、アズワン株式会社(大阪市西区江戸堀二丁目1番27号)製のコロナ帯電ガン、株式会社グリーンテクノ(神奈川県川崎市高津区子母口438)製のコロナ帯電ガン、有限会社学林社(兵庫県丹波市氷上町朝阪157-1)製の小型静電高圧発生装置などの様々な市販製品が使用可能である。
【0030】
次に本実施形態の動作を説明する。まず、従来例に関して説明した図6(a)~(c)に示すように、各患者毎の処方箋情報に基づき、当該患者用の各服用回毎の薬剤(サプリメントを含む)をお薬カレンダーの各収容部内に収容する。その後、必要な薬剤を各収容部に収容したお薬カレンダー(まだ各収容部内の薬剤がラベルで封止されていない段階のもの)を、図1の基台部1上に位置決めした状態で載置する。なお、図6(a)~(c)においては、上記の薬剤収容作業を薬剤師等による手作業で行なっている例を示したが、本発明においてはこれに限られるものではなく、例えば前記薬剤の各収容部への収容、及び当該収容が終了した後の前記基台部1への載置などの一連の作業を、機械装置により自動化された作業として行なうこともできる。
【0031】
次に、上記お薬カレンダー7に関する作業と並行的に(前記作業と同時に又は相前後して)行なわれる前記ラベル8に関する作業について説明する。前述のように、各患者毎の処方箋情報に基づく「服用回情報」(各服用回の薬剤、日時、時間帯などを示す情報)がプリンタによりラベル用紙に印字されて排出されると(図2(a))、そのラベル8はプリンタ下方の静電気板12に接触して帯電されて静電気板12に引き寄せられて付着される(図2(b)及び(c))。本実施形態では、前述のように、この段階で、前記静電気板12に付着した帯電ラベル8の裏面側の剥離紙の一部8a(例えば図2(d)の左下端部)を少しめくっておくことが望ましい。
【0032】
そして、このように帯電させたラベル8は、図1の回動台部2及び支持板4上に、「服用回情報」が印字された表面側が前記支持板4と対向できるように位置決めされた状態で載置され(図3参照)、さらに前記ラベル8から剥離紙8aが剥離されて、粘着面が露出される。なお、本実施形態はまだ試作段階であるため、これを説明するための図3においては、前記基台部1は図示省略しており、また、お薬カレンダー7についてもその各収容部には便宜上薬剤がまだ収容されていない状態で示している(実際のお薬カレンダーの製作過程では、基台部1上に載置されるお薬カレンダー7は、既に各収容部内に薬剤が収容されたものである)。すなわち、図3は、本実施形態において基台部側に仮想的に載置されたときのお薬カレンダー7と回動台部側に仮想的に載置されたときのラベル8を示している。
【0033】
なお、図2及び図3においては、上記のラベル8を帯電させる作業、帯電されたラベル8を図1の回動台部2及び支持板4上に位置決めされた状態で載置する作業、並びに前記ラベル8から剥離紙8aを剥離する作業はいずれも薬剤師等による手作業で行なっている例を示したが、本発明においてはこれに限られるものではなく、上記のラベル8の帯電、帯電されたラベル8の前記回動台部2及び支持板4への位置決め及び載置、並びにラベル8の剥離紙の剥離などの一連の作業を、機械装置により自動化された作業として行なうこともできる。
【0034】
次に、前述のように前記お薬カレンダー7(まだ各収容部がラベル8で封止されていないもの)を前記基台部1に位置決めして載置すると共に、表面側に「服用回情報」が印字され且つ帯電されたラベル8を前記回動台部2及び支持板4に位置決めして載置した後は、前記回動台部2及び支持板4を前記基台部1側に回動させ(図1の矢印A参照)、前記回動台部2及び支持板4上のラベル8(裏面側において露出された粘着面)を前記基台部1上のお薬カレンダー7と当接、押圧する。これにより、前記ラベル8の粘着層が前記お薬カレンダー7の前記仕切り部に貼付・貼着される。
【0035】
この場合、前記ラベル8は静電気により前記支持板4側に引き寄せられる付着されているので、前記回動台部2が前記基台部1側に回動する過程で前記ラベル8が位置ズレしてしまうことはない。またこの場合、前記回動台部2の図示下端部から突設されたピン5(前記ラベル8に形成された孔をも通過して突出するピン5)は、前述のように前記回動台部2内に内蔵されたコイルバネ等により上下動可能に構成されており(図1の矢印B参照)、且つ前記回動台部2側が前記基台部1側に回動されたとき基台部1側の凹部6内に(前記お薬カレンダー7に形成された孔をも通過して)挿入されるので、前記お薬カレンダー7と前記ラベル8との相互の位置ズレも防止される。なお、上記の図1等を参照した説明においては、前記回動台部2の前記基台部1側への回動、及び前記ラベル8の前記お薬カレンダー7への当接、押圧による貼付・貼着などの作業をいずれも薬剤師等による手作業で行なっている例を示したが、本発明においてはこれに限られるものではなく、前記回動台部2の基台部1側への回動、及び前記ラベル8のお薬カレンダー7への当接、押圧による貼付・貼着などの一連の作業を、機械装置により自動化された作業として行なうこともできる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、前記お薬カレンダーが各収容部内に薬剤が収容され且つ位置決めされた状態で載置される基台部1と、前記各「服用回情報」がお薬カレンダー7中の各収容部に対応して表示されるように、前記ラベル8から前記剥離紙8aを剥がす際に前記ラベル8が位置ズレしないように前記ラベル8が帯電された状態で付着されるように、前記ラベル8が前記基台部1に載置されたお薬カレンダーとの関係でその向きなどをも含めて(向きが異なると前記仕切り部と前記粘着層との対応関係がズレてしまうため)位置決めされた状態で載置される回動台部とを備えており、前記ラベル8から剥離紙8aを剥離した後に前記基台部に対し前記回動台部2を回動、当接させることにより、前記ラベル8の粘着層を前記お薬カレンダー7中の各収容部及びその周囲を他の部分と仕切る仕切り部上に粘着させるようにしたので、お薬カレンダー7へのラベル8の貼り付け及び各収容部内の薬剤の封止を効率的に且つ正確に行うことができ、貼り付けの際にお薬カレンダー7とラベル8との間で位置ズレが生じてしまうことによる作業効率の低下及び前記各収容部内の薬剤の封止不良を、有効に防止できるようになる。
【0037】
また、本実施形態においては、前記基台部1及び回動台部2にそれぞれ、前記お薬カレンダー7及び前記ラベル8を位置決めするための凹部6及びピン(突部)5を備えるようにしているので、前記基台部1及び回動台部2上での前記お薬カレンダー7及び前記ラベル8の位置決めをより確実に且つ効率的に行なうことができる。またさらに、本実施形態において、前記凹部6及びピン5を、前記回動台部2が前記基台部1側に回動して前記ラベル8が前記お薬カレンダー7に当接されるとき前記ピン5が前記凹部6内に挿入されるように配置しているので、前記お薬カレンダー7と前記ラベル8との間での位置決めを一層確実に且つ効率的に行なうことができる。
【0038】
さらに、本実施形態においては、前記ラベル8が前記回動台部2上に載置されるとき又はその前後に、前記帯電装置により前記ラベル8を帯電させて静電気の作用により前記ラベル8が前記回動台部2側に引き寄せられて付着(ある程度強く付着)されるようにしたので、前記ラベル8から剥離紙8aを剥離して粘着層を露出させるとき及び前記回動台部2及び支持板4を前記基台部1側に回動させるときに、前記ラベル8が前記回動台部2及び支持板4上で位置ズレしてしまうことを有効に防止できるようになる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態では、前記ラベルを帯電装置により帯電させた後に前記回動台部2及び支持板4側に載置するようにして前記ラベル8を前記回動台部2側にある程度強く付着させるようにしたが、電極内蔵の小型ヘッド部を前記ラベル8に近接させて帯電させる方法によるときなどは、前記ラベル8を回動台部2側(支持板4を含む)に載置した後に前記ヘッド部をラベルに接近させて帯電させるようにして前記ラベル8を前記回動台部2側にある程度強く付着させるようにしてもよい。また、前記実施形態では、前記お薬カレンダー7及び前記ラベル8の位置決めのため、前記回動台部2及び支持板4側に複数のピン(突部)5を備えると共に前記基台部1側に複数の孔6を備えるようにしたが、本発明ではこれに限られることなく、例えば前記回動台部2及び支持板4側に複数の孔を備えると共に前記基台部1側に複数のピン(突部)を備えるようにしてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
1 基台部
2 回動台部
3 蝶番
4 支持板
5 ピン
6 凹部(孔)
7 お薬カレンダー
8 ラベル
12(図2) 静電気板
【要約】
【目的】 お薬カレンダーへのラベルの貼り付け及び各収容部内の薬剤の封止を効率的に且つ商品価値を減損させることなく行うことができる、お薬カレンダーへのラベル貼付用具、装置及び方法を提供する。
【構成】 前記お薬カレンダーが各収容部内に薬剤が収容され且つ位置決めされた状態で載置される基台部と、前記基台部と回動可能に接続された回動台部であって、前記ラベルが、前記ラベル中の各服用回情報の表示部分が前記お薬カレンダー中の各収容部に対応し、前記ラベル中の粘着層が前記お薬カレンダー中の前各収容部及びその周囲を他の部分と画する仕切り部に対応するように、前記基台部に載置されたお薬カレンダーとの関係でその向きをも含めて位置決めされた状態で載置される回動台部と、を備えている。
【選択図】 図1A
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6