IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヨスパック オサケ ユキチュアの特許一覧

<>
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図1
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図2
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図3
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図4
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図5
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図6
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図7
  • 特許-製品包装容器および包装容器の製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】製品包装容器および包装容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/56 20060101AFI20221107BHJP
   B65D 5/20 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
B65D5/56 A
B65D5/20 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019500026
(86)(22)【出願日】2017-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 FI2017050172
(87)【国際公開番号】W WO2017158239
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2020-03-03
(31)【優先権主張番号】20165216
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(31)【優先権主張番号】20165596
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】518331531
【氏名又は名称】ヨスパック オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スオカス、ヨウニ
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-355318(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0094611(US,A1)
【文献】実開平06-030017(JP,U)
【文献】実開平06-020212(JP,U)
【文献】実開平07-000812(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/56
B65D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品包装容器であって、包装される製品のための凹部(1a)を含み、前記凹部には、底部(5)、折り曲げによって形成された前記底部(5)に関連する側壁および端壁、ならびにコーナー部分(10)が設けられており、この製品包装容器(1)では、前記凹部(1a)のフレーム部分(2)は、再利用可能な繊維材料から形成されており、前記凹部(1a)は、前記フレーム部分(2)から取り外し可能な別個の内張り材(3)で内側に内張りされており、
前記フレーム部分(2)の前記側壁および前記端壁が、前記底部(5)から上に折り曲げられた第1部分(6、8)と、前記第1部分(6、8)から前記底部(5)に向かって折り曲げられた第2部分(7、9)とを備え、前記第2部分の切断縁(12)が、前記製品包装容器(1)の前記凹部(1a)内に嵌め込まれ、前記内張り材(3)が、前記製品包装容器(1)の前記側壁および前記端壁の前記第2部分(7、9)の上に嵌め込まれ、前記切断縁(12)を内側に密封して、閉鎖構造が形成され
前記側壁および前記端壁の前記第2部分(7、9)が、前記第1部分(6、8)に取り付けるために、前記製品包装容器(1)の上縁から内側に折り曲げられ、前記第1部分(6、8)に固定され
前記製品包装容器(1)の上縁に、外側を向いており、且つ前記第1部分(6、8)と前記第2部分(7、9)との間に追加の折り畳みによって形成された縁フランジが設けられ ることを特徴とする、製品包装容器。
【請求項2】
前記フレーム部分(2)の前記側壁および前記端壁の上縁ならびに前記コーナー部分(10)の上縁が前記凹部(1a)の上縁(5a)を形成し、その上縁(5a)は、前記内張り材(3)の固定面として機能するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の製品包装容器。
【請求項3】
前記内張り材(3)は、前記凹部(1a)の上縁(5a)を越えて延在する縁部分(4)を備え、前記内張り材(3)のための前記凹部(1a)の前記上縁(5a)の固定面は折り畳み部分(7a、9a)であり、上向き壁部分(6、8)は下向き壁部分(7、9)に折り畳まれ、前記凹部(1a)の前記コーナー部分(10)上の前記固定面は、互いに重なり合うように固定された2つのコーナーピース(10a)の上縁であり、前記側壁および前記端壁の前記折り畳み部分(7a、9a)の上面ならびに前記コーナー部分(10)の上縁が、前記フレーム部分(2)および同時に前記凹部(1a)の実質的に一体の前記上縁(5a)を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の製品包装容器。
【請求項4】
前記製品包装容器(1)の上縁に、外側に向いており、且つ前記コーナー部分(10)において追加の折り畳みによって形成された縁フランジが設けられることを特徴とする請求項1、2または3に記載の製品包装容器。
【請求項5】
前記凹部(1a)の上縁(5a)の材料厚さは、実質的に包装容器ブランク(2a)の材料厚さの1~2倍の間にあることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の製品包装容器。
【請求項6】
前記製品包装容器(1)が、前記フレーム部分(2)の前記材料として再利用可能なボードを有する食品包装容器であり、前記内張り材(3)が食品用プラスチックであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の製品包装容器。
【請求項7】
製品包装容器を製造する方法であって、この製品包装容器(1)は包装される製品のための凹部(1a)を含み、前記凹部には、底部(5)、折り曲げによって形成された側壁および端壁、ならびにコーナー部分(10)が設けられており、この方法では、前記凹部(1a)のフレーム部分(2)は、再利用可能な繊維材料から形成され、前記凹部(1a)は、前記フレーム部分(2)から取り外し可能な別個の内張り材(3)で内側に内張りされており、
前記フレーム部分(2)の前記側壁および前記端壁が、第1部分(6、8)および第2部分(7、9)から形成され、前記底部(5)から始まる前記第1部分(6、8)を折り曲げ、前記第1部分(6、8)から始まる前記第2部分(7、9)を前記底部(5)に向かって、前記第1部分(6、8)の上に折り曲げ、前記第2部分の切断縁(12)を前記製品包装容器(1)の前記凹部(1a)の内側に嵌め込むことによって形成され、
前記内張り材(3)が、前記製品包装容器(1)の前記底部(5)の上ならびに前記側壁および前記端壁の前記第2部分(7、9)の上に固定され、同じ前記内張り材(3)で、前記製品包装容器(1)の前記切断縁(12)が内側に密封されて、閉鎖構造が形成され
前記側壁および前記端壁の前記第2部分(7、9)が、前記第1部分(6、8)に取り付けるために、前記製品包装容器(1)の上縁から内側に折り曲げられ、前記第1部分(6、8)に固定され
前記第1部分(6、8)と前記第2部分(7、9)との間に形成された追加の折り畳みによって、前記製品包装容器(1)の上縁に、外側に向いている縁フランジが形成されてい ることを特徴とする、方法。
【請求項8】
記コーナー部分(10)に形成された追加の折り畳みによって、前記製品包装容器(1)の上縁に、外側に向いている縁フランジが形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記内張り材(3)の前記固定に関連して、前記凹部(1a)の上縁(5a)を越えて延在する前記内張り材(3)の部分(4)が、固定面として機能する前記凹部(1a)の前記上縁(5a)に対して前記内張り材(3)を引っ張るために使用され、前記製品包装容器(1)の蓋(11)が、前記凹部(1a)の前記上縁(5a)を越えて延在する前記内張り材(3)の前記部分(4)に固定されることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記製品包装容器(1)の蓋(11)が、ヒートシールまたは他の適切な固定方法で、前記凹部(1a)の上縁(5a)を越えて延在する前記内張り材(3)の部分(4)に固定され、前記ヒートシールまたは他の固定を前記内張り材(3)の前記部分(4)上に直接行うことによって固定されることを特徴とする、請求項7、8または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、主に再利用可能な繊維材料から製造された請求項1のプリアンブルに示された食品包装容器などの製品包装容器、および請求項7のプリアンブルに示された前記製品包装容器の製造方法である。有利な代替材料は、段ボール、ボードまたは他の適切な再利用可能な繊維材料であり得る。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野では、電子レンジで加熱することができ、または対応することができる、例えば、インスタント食品が包装される様々な食品包装容器が知られている。これらの種類の包装容器のほとんどは、今日は再利用できないプラスチックからもっぱら製造されている。これは大きな環境問題を引き起こす。包装容器のフレームは、いくつかの適切なプラスチックから製造され、別の食品フィルムで内部が内張りされている。包装容器は、所望の量の食品を包装することができるように、適切な形状に成形される。成形はまた、包装容器の上縁の全体を一周する水平な縁フランジを含み、このフランジは、固定面として意図され、包装容器蓋のシール底部として意図され、包装容器蓋により包装容器が充填され、場合によっては中の食品が調理された後、例えばヒートシールによってリークタイトな方法で閉じられる。多くの場合、包装容器内の食品は、インスタント食品として販売するため先に渡すことができる前に、完全に調理しなければならない。調理が高温で行われる場合、包装容器箱のすべてのプラスチックが耐えられるわけではなく、高価な特別なプラスチックを箱に使用しなければならないという問題が生じる。
【0003】
また、当該分野で公知である食品包装容器は、従来のプラスチック包装容器と同様に、例えばボードからまたはそれに相当するものから製造され、内側が別個の食品フィルムで内張りされる。そのような解決策の1つが、特許文献1に開示される。議論の明細書に記載されたボードから製造された食品包装容器の上縁は、前述したプラスチック包装容器と同様に、蓋を固定するための横方向を向く実質的に水平な平面縁フランジである。包装容器は、フィルムが縁フランジの先端にも来るような方法で、食品フィルムで内側にさらに内張りされる。この解決策における問題は、とりわけ、縁フランジを作ることがボード包装容器の製造を複雑にすることである。
【0004】
前述の解決策、すなわちプラスチック包装容器およびボード包装容器の両方において、別の問題は、蓋を固定するための縁フランジが包装容器の外形寸法を増加させることであり、その結果、包装容器は、縁フランジがない場合と比較して水平方向に20%のさらなる空間を占める。多数の包装容器が並べて格納される場合は、必要な空間が少ないということは非常に有利である。さらに、縁フランジを有する包装容器は、縁フランジがない包装容器が必要とするよりも多くの材料を必要とし、コストが増大する。
【0005】
包装容器は十分にリークタイトに蓋を固定することは困難であるため、縁フランジはヒートシールで蓋を締める際に問題を引き起こす可能性もある。ヒートシールが行われるとき、蓋の縁が縁フランジに押し付けられる。しかしながら、すべてのプレスがシール箇所に加えられるわけではなく、代わりにプレスの一部が、プラスチック蓋よりも厚い縁フランジ上のより広い領域に分布するという問題がある。その結果、適切なシールが必ずしも結果として得られるわけではない。縁フランジの厚さもまた変化する可能性があり、シールの成功に影響を及ぼし得る。加熱中にそこに飛び散る汚れや食べ物は、場合によっては縁フランジにも付着することがある。これらの場合のタイプには、シールは必ずしも十分ではない。シールが確実に成功せず、包装容器が十分にリークタイトでない場合、包装容器は別のプラスチックの内部に包まなければならず、材料コストおよび空間要求が増加し、この追加のラッピングがない場合ほど包装容器は外観が簡潔ではない。ボード包装容器の1つの問題は、縁フランジの切断縁、すなわちトリミングされていない縁であり、縁が覆われておらず、したがって多孔性であり、容易に水分を吸収する。このため、水分や不純物が縁フランジを介して包装容器内に侵入する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2009/138786号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の欠点を排除し、空間効率が良く、コスト効率の高い安価で柔軟な製品包装容器を提供することである。目的はまた、製品包装容器を提供することでもあり、その蓋の固定は確実であり、したがって、製品包装容器は、蓋で閉じたときにリークタイトである。別の目的はまた、外気または接触している製品包装容器の内容物の水分の影響を受け易い、露出した多孔質の切断縁、すなわちトリミングされていない縁を有さない製品包装容器を提供することである。本発明による製品包装容器は、請求項1の特徴部分に開示されていることを特徴とする。これに対応して、前述の製品包装容器を製造するための本発明による方法は、請求項7の特徴部分に開示されていることを特徴とする。本発明の他の実施形態は、他の請求項に開示されていることを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
好ましくは、本発明による製品包装容器は、包装する製品のための少なくとも1つの凹部を含み、凹部には底部が設けられ、底部に関連する壁も設けられており、この場合、凹部のフレーム部分は、再利用可能な繊維材料からの折り畳みによって形成され、前記凹部は、前記フレーム部分から取り外し可能な別個の内張り材で内側に内張りされている。本発明の特徴は、側部および端部の折り畳みが製品包装容器の底部に向かって内向きに、すなわち凹部の側面に向けて折り返され、繊維材料の切断面、すなわちトリミングされていない縁が、内張り材の下に残り、この場合、それらは外気または製品包装容器の内容物と直接接触していない。内張り材は、内側に折り返された部分の上に製品包装容器の側壁および端壁の凹部内に嵌め込まれ、このように形成された閉鎖構造の内側にトリミングされていない縁を密封する。
【0009】
本発明による方法は、側部および端部の折り畳みが、製品包装容器の底部に向かって、すなわち凹部の側面に向かって内側に折り返され、内張り材が製品包装容器の内部に配置され、繊維材料の切断面、すなわちトリミングされていない縁が、形成された密封された構造内に、内張り材の下に残ることを特徴とする。
【0010】
本発明による解決策の1つの利点はとりわけ、製品包装容器が再利用可能な材料から主に製造され、これはプラスチック包装容器に関連する環境問題をほぼ完全に排除することである。もう1つの利点は、再利用可能な材料の覆われていない切断面、すなわちトリミングされていない面が、内張り材の下の乾燥空間に残り、この空間が製品包装容器の内容物または外気と接触しないため、有害な不純物および水分は製品包装容器に集まることはできない。また、別の利点は、製品包装容器の閉鎖が蓋でしっかりと確実に行われ、これにより包装容器がリークタイトになるということである。これにより、可能性のある追加の包装プラスチックが必要でないという利点が得られる。1つの利点は、本発明による製品包装容器の上縁には、横方向に延びる厚いプラスチック、ボードまたは他の材料で作られた縁フランジがないことであり、その結果、製品包装容器は、同じサイズの凹部を有する当該技術分野において既知の製品包装容器よりも外側寸法が小さい。このことから、製品包装容器は、当該技術分野において既知の包装容器よりも少ない空間を占めるという利点がある。最大20%の空間を節約することが可能である。縁フランジを省略すると、製造材料が節約され、製品包装容器の製造が容易になる。別の利点はまた、製品包装容器の成形が容易であり、その結果、包装容器のコーナーが、例えば丸みを帯びることができ、その場合包装容器が内側にあるとき、尖ったコーナーが、例えば、ビニール袋を破らない。
【0011】
以下では、添付の簡略化された図面を参照して、実施形態の2つの例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による1つの製品包装容器を側面および上方から斜めから見た図を示す。
図2】製品包装容器に折り畳まれる前の展開したブランクの本発明による1つの製品包装容器の上面図を示す。
図3図2による製品包装容器の1つの側壁断面の正確な縮尺率ではない簡略化した側面図を示す。
図4】蓋を固定した、本発明による製品包装容器断面の正確な縮尺率ではない簡略化した側面図である。
図5】蓋を固定した、図2および図4による製品包装容器の1つの側壁断面の、正確な縮尺率ではない簡略化された側面図である。
図6】内張り材および蓋のない、本発明による第2製品包装容器を側面および上方から斜めから見た図を示す。
図7】内張り材および蓋のない、図6による製品包装容器の側壁の断面部分の簡略化され拡大された端面図を示す。
図8】内張り材が取り付けられた、図6による製品包装容器断面の簡略化された端面図を示し、一定の縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明による製品包装容器1を側面および上方から斜めから見た図であり、図2は、展開した製品包装容器を上方から示す。好ましくは、本発明による製品包装容器1は、例えば、調理済み食料用の食品包装容器である。製品包装容器1は、フレーム部分2と、フレーム部分2の上縁を越えて延在する縁、すなわち縁部分4とを有する内張り材3を備える。フレーム部分2は、底部、2つの側壁、2つの端壁、およびそれらの間のコーナー部分10を備える。フレーム部分2の製造材料として、適切な再利用可能な繊維材料が使用される。好ましくは、材料は、例えば、段ボール、ボードまたはその他の適切な再利用可能な繊維材料である。内張り材3は食品プラスチックであり、使用後にフレーム部分2から容易に取り外すことができ、その場合にはフレーム部分2を再利用に配送することができる。フレーム部分2は、図2に示されるブランク2aから図1に示されたその形状に、例えば機械的にそれを折り畳むことによって製造される。ブランク2aは、所望の形状およびサイズの製品包装容器1が、折り畳むことによって得られるように予め切断され、この製品包装容器には、壁が設けられた凹部1aを含み、凹部は、食品部分などの包装される食品用である。
【0014】
図2に示すフレーム部分2のブランク2aには、底部5と、2つの部分6および7からなる側壁と、また2つの部分8および9からなる端壁と、さらにコーナーピース10aがある。ブランク2aは、側壁および端壁の第1部分6および8が、底部5の縁から始まり第1方向に、すなわち折り畳み点6aおよび8aから実質的に上方に、底部5に対して所望の角度に折り畳まれるように、組み立てられたフレーム部分2に折り畳まれるように配置される。これに対応して、側壁および端壁の第2部分7および9は折り畳み点7aおよび9aから第2方向、すなわち下方に折り畳まれ、第2部分7および9が、第1部分6および8から始まり、製品包装容器1の底部5に向かって、凹部1a側、すなわち製品包装容器の内側に折り畳まれる。壁の第2部分7および9は、第1部分6および8に取り付けるために折り畳まれ、例えば糊付けによって第1部分6および8に固定される。この場合、側壁の第1部分6および第2部分7は共に製品包装容器1のフレーム部分の側壁を形成し、側壁の厚さはブランク材の厚さの実質的に2倍であり、それに対応して端壁の第1部分8および第2部分9は共に製品包装容器1のフレーム部分の端壁を形成し、端壁の厚さはブランク材の厚さの実質的に2倍である。
【0015】
フレーム部分2の折り畳みは、ブランク2aのコーナーピース10aが互いに重なり、糊で互いに固定されるように配置されており、この場合、コーナーピース10aは、フレーム部分2の側壁と端壁との間にコーナー部分10を形成する。コーナー部分10は、本実施形態に示すように湾曲していてもよく、この場合それらは丸みのあるコーナーを形成する。コーナー部分10は、矩形の箱のように面取りしたコーナーまたは直角コーナーを形成することもできる。
【0016】
図3は、図2に示されるブランク2aから作られた製品包装容器1の1つの側壁断面の簡略化した側面図を示す。図3は、正確な縮尺で示されておらず、ブランク材の厚さは誇張されている。
【0017】
ブランク2aが凹部1aを含む箱型フレーム部分2に完全に折り畳まれると、側壁の第1部分6と第2部分7ならびに端壁の第1部分8と第2部分9の間の折り畳み点7aおよび9aと、コーナー部分10の上縁とは、フレーム部分2および同時に凹部1aの実質的に一体の上縁5aを形成する。フレーム部分2の上縁5aには、当該技術分野で知られている解決策のように、横方向に延在する縁フランジは存在しないが、実質的に湾曲した、おそらく上方に凸状の折り畳み点7aおよび9aのみが存在し、内張り材3の固定面として機能する。
【0018】
図4および図5は、蓋11が所定の位置に固定された、本発明による製品包装容器1断面の簡略化した側面図を示す。製品包装容器1は一定の縮尺で示されておらず、明確にするために、材料の厚さは通常よりも厚く示されている。図4図5において、製品包装容器1の上縁5aの外側に延在する内張り材3および蓋11の部分は、明瞭化のために水平断面として示されているが、実際には、蓋11の材料が許す限り下方に曲がることが多い。蓋11の材料が薄く柔らかい場合、製品包装容器1が通常の位置、例えばテーブルまたは他の平面上にあるとき、上縁5aの上記外側部分は、上縁5aの表面の形状に従って自由に、最大でほぼ垂直に下方に曲がる。内張り材3および蓋11は、それ自体で下方に曲がらないが、代わりにそれらは意図的に下方に折り畳まれ、実質的に水平のままであるか、あるいは斜めにまたは直角に上方に折り畳まれるように作ることができる。
【0019】
内張り材3は、フレーム部分2に固定されており、包装容器を蓋11と共に気密にするように構成されている。内張り材3の固定は、例えば、負圧がフレーム部分2の下方に形成され、正圧がフレーム部分2の上方に形成されるように実行される。負圧によって、その底面に接着剤を有する内張り材3は、フレーム部分2の内側表面に取り付けるために吸引されるように構成されている。これは、負圧によってフレーム部分2を介して、フレーム部分2とその内部に配置された内張り材3との間から空気を吸い出すことによって行われる。包装容器の上の正圧は、固定をさらに助ける。上述した方法では、内張り材3は、フレーム部分2の内側表面にリークタイトに取り付けられている。
【0020】
上述したように、フレーム部分2は、側方に延びる縁フランジを全く有さない。代わりに、内張り材3は、フレーム部分2の上縁5aを超えて延び、縁フランジに似た実質的に狭い縁部分4を形成するような寸法にされる。製品包装容器1の蓋11は、例えば、ヒートシールまたは他の適切な固定方法によって、この縁4に固定されるように配置されている。内張り材3の薄いプラスチック上に直接ヒートシールを行うことは、プラスチックの下により厚い縁フランジがある場合と比較して、かなり容易で信頼性が高い。これは、圧縮力を蓋11と内張り材3の間の接合部に直接加えることができるためであり、その場合、接合部上に及ぼされる圧縮力は信頼できるリークタイトな接合部を達成するのに確実に十分である。
【0021】
フレーム部分2の側壁および端壁の第2部分7および9は、製品包装容器1の底部5に向かって凹部1aの方向に曲げられて、製品包装容器1の内壁を形成する。側壁および端壁の第2部分7および9のボードの切断縁12は、フレーム部分のボード材に典型的な被覆がないので、いわゆるトリミングされていない縁である。多孔質の切断縁12は、製品包装容器1の内張り材3の下の保護された乾燥空間に配置されているので、包装容器の内容物または外気と直接接触していない。この結果、水分または他の不純物は、切断縁12を介して製品包装容器1のフレーム部分2に浸透することができない。
【0022】
前述したように、凹部1aの上縁5aには、側方方向に延在する縁フランジは存在しないが、内張り材3を固定するための実質的にブランク2aの材料の厚さによって決定される固定面のみである。この場合、凹部1aの実質的に一体の上縁5aの材料厚さは、製品包装容器1の壁の構造に依存して、実質的に包装容器ブランク2aの材料厚さの約1~2倍である。
【0023】
図6図8は、本発明による第2製品包装容器1を示し、製品包装容器のフレーム部分2の上縁に、フレーム部分2の上縁を一周する実質的に平坦な固定面5aが、追加の折り畳みによって形成されている。この場合、フレーム部分2の上縁は、側方に延在する縁フランジを有する。図6は、側面から斜め上方から見た縁フランジを備えた製品包装容器1を示し、図7は、内張り材3および蓋11のない、図6による製品包装容器の側壁の断面部分の簡略化され拡大された端面図を示す。これに対応して、図8は、内張り材3が取り付けられた、図6による製品包装容器1断面の簡略化された端面図を示す。図6図8は、一定の縮尺で示されておらず、ブランク材の厚さは、図7および図8では誇張されている。
【0024】
図6図8に示す製品包装容器1は、実質的には、本特許出願で先に提示した製品包装容器1と実質的に類似しているが、フレーム部分2の上縁は横方向に延在する縁フランジである点においてのみ、先に提示した製品包装容器1と異なり、上縁は、側壁および端壁の頂部における追加の折り畳みによって形成され、縁フランジは図7および図8により詳細に示されている。側壁および端壁の外向きに曲がった縁フランジの上面およびコーナー部分の上面は、フレーム部分2、および同時に凹部1aの実質的に一体の上縁5aを形成する。図7および図8は、端壁の構造および縁フランジは実質的に類似しているため、側壁のみの構造を示している。
【0025】
以下では、側壁のみの構造が提示されるが、実質的に類似しているため、同時にこれは端壁の構造およびコーナー部分の構造にも言及する。
【0026】
図6図8による製品包装容器1の側壁の第1部分6は、この構造では、下側壁部分6’と上側フランジ部分6’’とを含む。壁部分6’とフランジ部分6’’との間には追加の折り畳み6bがあり、ここでフランジ部分6’’は、壁部分6’と角度を成して、実質的に製品包装容器1の底部5の平面の方向に、かつ製品包装容器1から外側に折り畳まれている。これに対応して、製品包装容器1の側壁の第2部分7は、この構造において、下側壁部分7’と上側フランジ部分7’’とを含む。壁部分7’とフランジ部分7’’との間には追加の折り畳み7bがあり、ここで壁部分7’がフランジ部分7’’と角度を成して、フランジ部分7’’もまた底部5の平面の方向にあるように、実質的に第1部分6の壁部分6’の方向に折り畳まれている。側壁の第1部分6および第2部分7は、既に製品包装容器1と関連して先に示したように、製品包装容器の凹部1aに向かって折り畳み点7aで内側に折り畳まれている。
【0027】
縁フランジの上面、すなわち、側壁のフランジ部分7’’の上面と、端壁およびコーナー部分の対応する部分の上面は、内張り材3用の固定面5aとして機能する。内張り材3が所定の位置に固定されると、側部7の切断面12は、内張り材3の下にあり、水分および他の不純物から保護される。
【0028】
少なくとも1つの縁フランジには、上に内張り材3が延在するように配置された引き裂き孔13もある。このようにして、再利用のために製品包装容器1を配送する際に、引き裂き孔13によって内張り材3を容易に取り外すことができる。
【0029】
本発明は上記の例にのみ限定されるものではなく、以下に示す特許請求の範囲内で変更可能であることは、当業者には明らかである。したがって、例えば、いくつかの構造的解決策は、上に提示されたものとは異なることもある。この場合、例えば、図2図5に示されるフレーム部分の側壁および端壁の内層は、実質的に外層よりも狭くすることができ、この場合、内層は壁の上縁から短い距離だけ下方に延びているが、壁の上縁を強化し、かつ1つの壁層よりも広い固定面を可能にするのに十分に遠く下方に延び、内張り材および切断縁、すなわちトリミングされていない縁が、間違いなく内張り材の下に覆われたままになる。一実施形態では、側壁および端壁の第2部分は外側に、すなわち凹部から離れるように曲げることができる。
【0030】
当業者であれば、製品包装容器はまた、上に提示したものと形状が異なっていてもよいことは明らかである。製品包装容器の最も単純で最も一般的なフレーム部分は、すべての図の実施形態として示される矩形である。しかしながら、包装容器の形状は、箱の矩形形状以外であってもよい。したがって、形状は、例えば、ブランクに予め製作された折り線に依存して、多角形または円形または楕円形であってもよい。
【0031】
当業者であればさらに、製品包装容器は、リ再利用可能な繊維材料以外の材料であってもよいことは明らかである。したがって、製品包装容器のフレーム部分は、段ボール以外の折り畳み可能な材料から製造することができる。製品包装容器のフレーム部分は、例えば、異なるボード、ボール紙または紙から、あるいは織り材料から、あるいは異なる材料の組み合わせから製造することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8