(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】灯具および照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20221107BHJP
F21V 21/096 20060101ALI20221107BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221107BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V21/096
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020106350
(22)【出願日】2020-06-19
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2020055929
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】二宮 進
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3211593(JP,U)
【文献】特開2012-248308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 21/096
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源配置面と、前記光源配置面の反対側の裏面とを有するシャーシと、前記光源配置面に配置された複数の光源と、を有する灯具本体と、
前記シャーシの前記裏面に固定された第1磁石または第1磁性体と、
建材の灯具設置面に固定される第2磁石または第2磁性体と、
を備え、
前記灯具本体は、前記建材に形成された取付穴に配置されるアダプタを備え、
前記第1磁石は、前記第2磁石または前記第2磁性体に吸着可能であり、または、
前記第1磁性体は、前記第2磁石に吸着可能である灯具。
【請求項2】
前記シャーシの前記裏面に前記第1磁石が固定され、前記建材の前記灯具設置面に前記第2磁性体が固定される請求項1記載の灯具。
【請求項3】
前記第2磁性体の吸着される面の大きさは、前記第1磁石の吸着される面の大きさよりも大きい請求項2記載の灯具。
【請求項4】
前記アダプタに固定されたアダプタ固定部材と、
前記シャーシの前記裏面に固定されたアダプタ押さえ部材と、
をさらに備え、
前記アダプタ固定部材は、前記シャーシの前記裏面と前記アダプタ押さえ部材との間に挟まれ、且つ前記シャーシの前記裏面に平行な方向に移動可能である請求項1~3のいずれか1つに記載の灯具。
【請求項5】
平面視において、
前記アダプタは前記灯具本体の中央部に配置され、
前記第1磁石または前記第1磁性体は、前記アダプタよりも前記灯具本体の外周に近い位置に配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の灯具。
【請求項6】
前記灯具本体の平面視形状は四角形であり、
前記アダプタは前記灯具本体の中央部に配置され、
前記第1磁石または前記第1磁性体は、前記アダプタよりも前記灯具本体の隅に近い位置に配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の灯具。
【請求項7】
前記灯具本体の平面視形状は四角形であり、
前記アダプタは前記灯具本体の中央部に配置され、
前記第1磁石または前記第1磁性体は、前記アダプタよりも前記灯具本体の四隅に近い位置に配置される請求項1~4のいずれか1つに記載の灯具。
【請求項8】
前記アダプタに固定されたコネクタと、
前記コネクタと前記光源とを接続する電気ケーブルと、
をさらに備える請求項1~7のいずれか1つに記載の灯具。
【請求項9】
前記アダプタに取り付けられた落下防止ワイヤーをさらに備える請求項1~8のいずれか1つに記載の灯具。
【請求項10】
第1の灯具と、第2の灯具と、磁性体または磁石である連結部材とを備える照明装置であって、
前記第1の灯具および前記第2の灯具のそれぞれは、
光源配置面と、前記光源配置面の反対側の裏面とを有するシャーシと、前記光源配置面に配置された複数の光源と、を有する灯具本体と、
前記シャーシの前記裏面に固定された第1磁石または第1磁性体と、を備え、
前記灯具本体は、建材に形成された取付穴に配置されるアダプタを備え、
前記第1の灯具および前記第2の灯具はそれぞれの端部同士を当接させて隣接され、前記連結部材は、前記第1の灯具および前記第2の灯具の前記端部同士の境界をまたぐように、前記第1の灯具および前記第2の灯具のそれぞれの前記シャーシの前記裏面に配置され、前記第1磁石または前記第1磁性体に吸着される照明装置。
【請求項11】
前記連結部材は、磁性体であって、前記シャーシの前記裏面には前記第1磁石が固定されている請求項10記載の照明装置。
【請求項12】
前記第1の灯具および前記第2の灯具のそれぞれは、
前記シャーシの前記裏面に固定された第2磁石または第2磁性体と、
前記建材の灯具設置面に固定される第3磁石または第3磁性体と、
をさらに備え、
前記第2磁石は、前記第3磁石または前記第3磁性体に吸着可能であり、または、
前記第2磁性体は、前記第3磁石に吸着可能である請求項10または11に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
灯具において、外形サイズが大きく薄い複数の灯具を隣接させて設置するにあたっては、灯具が取り付けられる建材(例えば天井面や壁面)に歪み等があると、隣接する灯具間に段差が発生する場合がある。これは、製品の品位を低下させ得る。
【0003】
例えば、特許文献1には、2つの照明ユニットを連結する際に、一方の照明ユニットのエンドカバーに設けられた突出部が、他方の照明ユニットのエンドカバーに設けられた挿入孔に挿入される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-185910号公報
【文献】特開平7-99006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば四角形状の灯具の2以上の辺をそれぞれ2以上の他の灯具に隣接させる場合、特許文献1のような連結方式では、各灯具の仕様が複雑になってしまう。
【0006】
本発明は、隣接して設置された灯具間の段差を抑制することができる灯具および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、灯具は、光源配置面と、前記光源配置面の反対側の裏面とを有するシャーシと、前記光源配置面に配置された複数の光源と、を有する灯具本体と、前記シャーシの前記裏面に固定された第1磁石または第1磁性体と、建材の灯具設置面に固定される第2磁石または第2磁性体と、を備える。前記灯具本体は、前記建材に形成された取付穴に配置されるアダプタを備える。前記第1磁石は、前記第2磁石または前記第2磁性体に吸着可能であり、または、前記第1磁性体は、前記第2磁石に吸着可能である。
本発明の他の一態様によれば、照明装置は、第1の灯具と、第2の灯具と、磁性体または磁石である連結部材とを備える。前記第1の灯具および前記第2の灯具のそれぞれは、光源配置面と、前記光源配置面の反対側の裏面とを有するシャーシと、前記光源配置面に配置された複数の光源と、を有する灯具本体と、前記シャーシの前記裏面に固定された第1磁石または第1磁性体と、を備える。前記灯具本体は、前記建材に形成された取付穴に配置されるアダプタを備える。前記第1の灯具および前記第2の灯具はそれぞれの長手方向の端部同士を当接させて隣接され、前記連結部材は、前記第1の灯具および前記第2の灯具の前記端部同士の境界をまたぐように、前記第1の灯具および前記第2の灯具のそれぞれの前記シャーシの前記裏面に配置され、前記第1磁石または前記第1磁性体に吸着される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、隣接して設置された灯具間の段差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の灯具が天井板に設置された状態を模式的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態の灯具の天井板への取付方法を模式的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態の灯具が天井板に設置された状態を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図3に示す要素のうち天井板の裏側に配置された要素を模式的に示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態の光源モジュールの発光面側を模式的に示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態の光源モジュールを模式的に示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態の灯具の裏面の一部分を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図7におけるVIII-VIII断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態の取付金具を模式的に示す斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態の取付金具とアダプタとの嵌合構造を模式的に示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態の取付金具とアダプタとの嵌合構造を模式的に示す断面斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態の磁性体が天井板に固定された状態を模式的に示す平面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態の灯具を模式的に示す裏面図である。
【
図14】本発明の他の実施形態の灯具を模式的に示す側面図である。
【
図15】本発明の他の実施形態の灯具の一部分を拡大して模式的に示す斜視図である。
【
図16】本発明のさらに他の実施形態の灯具の一部分を拡大して模式的に示す斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態の光源モジュールの他の例を模式的に示す平面図である。
【
図18】本発明の実施形態の光源の他の例を模式的に示す斜視図である。
【
図19】本発明のさらに他の実施形態の灯具の裏面を模式的に示す斜視図である。
【
図20A】2つの
図19に示す灯具の隣接部分を模式的に示す裏面図である。
【
図21】2つの
図19に示す灯具の隣接部分を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態の灯具100が、建材としての天井板300に設置された状態を模式的に示す斜視図である。
【0012】
図1に示す例では、4つの灯具100が天井板300に設置されている。それぞれの灯具100の平面視形状は例えば正方形であり、4つの灯具100が並べられ、全体として1つの灯具100よりも大きな正方形状の発光面を形成している。1つの灯具100の異なる2辺のそれぞれは、他の灯具100の1辺に隣接している。なお、天井板300に並べて設置する灯具100の数は3つ以下、または5つ以上であってもよい。
【0013】
図2は、1つの灯具100の天井板300への取付方法を模式的に示す斜視図である。
【0014】
天井板300には取付穴300aが形成される。取付穴300aは、灯具100の発光面よりも小さい例えば円形の穴である。
【0015】
取付穴300aに取付金具60が嵌め込まれる。灯具100における天井板300に対向する裏面の中央部にはアダプタ40が設けられている。このアダプタ40が、取付穴300aに配置される。具体的には、アダプタ40が取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60に嵌め込まれることで、灯具100は天井板300に取り付けられる。
【0016】
また、灯具100の裏面には磁石1が固定されている。例えば、4つの磁石1が灯具100の裏面における四隅に近い位置に固定されている。一方、天井板300における灯具設置面には磁性体2が固定されている。4つの磁石1に対応して、4つの磁性体2が天井板300に固定されている。
【0017】
磁石1は、永久磁石であり、例えばネオジムを含む。磁性体2は、磁石1の磁力によって磁性を帯びる金属板であり、例えば鉄を含む。
【0018】
灯具100がアダプタ40を介して天井板300に取り付けられると、灯具100に固定された磁石1が、天井板300に固定された磁性体2に吸着する。灯具100の天井板300への設置状態において、磁石1および磁性体2は使用者から見えない位置にある。
【0019】
図3は、1つの灯具100が天井板300に設置された状態を模式的に示す側面図である。
図4は、
図3に示す要素のうち天井板300の裏側に配置された要素を模式的に示す斜視図である。
【0020】
アダプタ40の上面は、天井板300の裏側の空間に露出する。そのアダプタ40の上面に、例えばソケット構造の灯具側コネクタ43が固定されている。また、天井板300の裏側の空間には電源ユニット50が配置される。電源ユニット50は、外部電源と接続可能な端子台52、53を有する。電源ユニット50からは電気ケーブル51が導出されている。端子台52、53の端子は、電源ユニット50の回路基板に電気接続され、その回路基板に電気ケーブル51が電気接続されている。電気ケーブル51の端部には電源側コネクタ51aが設けられ、電源側コネクタ51aは灯具側コネクタ43に接続される。
【0021】
図5は、光源モジュール20の発光面側を模式的に示す平面図である。
図6は、光源モジュール20を模式的に示す断面図である。
図7は、灯具100の裏面の一部分を模式的に示す平面図である。
図8は、
図7におけるVIII-VIII断面図である。
【0022】
灯具100は、灯具本体10と、アダプタ40と、アダプタ固定部材80と、アダプタ押さえ部材70とを有する。
【0023】
図6に示すように、灯具本体10は、シャーシ11と、光源モジュール20と、透光性のカバー30とを有する。
【0024】
シャーシ11は、光源配置面11aと、光源配置面11aの反対側の裏面11bとを有する。光源モジュール20は、シャーシ11の光源配置面11aに取り付けられ、カバー30は光源モジュール20を覆うようにシャーシ11に取り付けられる。シャーシ11は、例えば金属板であり、光源モジュール20の補強板および放熱板として機能する。
【0025】
光源モジュール20は、少なくとも複数の光源22を有し、例えば基板21と、複数の光源22とを有する。基板21の裏面21bがシャーシ11の光源配置面11aに接する。
図5に示すように、複数の光源22は、基板21の光源配置面21a上に周期配列されている。光源22は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子23と、蛍光体層24と、樹脂部材25とを含む。発光素子23は、基板21に形成された導体パターンを介して、アダプタ40の上面に設けられた灯具側コネクタ43と電気接続している。
【0026】
蛍光体層24は、例えば波長変換部材を含んだ透光性の樹脂からなる。この蛍光体層24は、発光素子23を覆い、さらに透光性の樹脂部材25が蛍光体層24を覆っている。樹脂部材25において発光素子23の上面の中心付近を覆う部分が凹んでおり、このような形状の樹脂部材25は、光源22にバットウイング形の配光特性を与えるレンズとして機能する。
【0027】
カバー30は、光源22が発する光に対する透光性を有する。カバー30は、例えば透光性の樹脂部材に酸化チタン等を分散させた光拡散性を有し、色は乳白色である。
【0028】
図8に示すように、アダプタ40は、アダプタ固定部材80の上に固定されている。アダプタ40は、アダプタ固定部材80に例えばネジ止めされている。アダプタ固定部材80は、金属板であり、例えばアルミニウム板である。
【0029】
シャーシ11の裏面11bには、アダプタ押さえ部材70が固定されている。アダプタ押さえ部材70は、例えば電気亜鉛めっき鋼板である。
【0030】
アダプタ押さえ部材70は、下段部72と、上段部71とを有する。下段部72は、シャーシ11に対して例えばネジ止めされている。上段部71は、下段部72よりもシャーシ11の裏面11bから離れた位置にあり、上段部71とシャーシ11の裏面11bとの間にスペースが形成される。そのスペースに、アダプタ固定部材80が配置されている。
【0031】
アダプタ固定部材80は外縁部80aを有する。その外縁部80aと、アダプタ押さえ部材70の下段部72との間には、隙間73が形成されている。上段部71とシャーシ11の裏面11bとの間のスペースは、
図8における紙面を貫く方向においては開放されている。
【0032】
図7に示すように、アダプタ押さえ部材70の上段部71には開口71aが形成されている。アダプタ40は、その開口71a内に位置する。
図7に示す上面視において、アダプタ固定部材80は、アダプタ40の下およびアダプタ押さえ部材70の上段部71の下に隠れている。アダプタ固定部材80の外縁部80aは、開口71aの縁よりも外側に位置する。
【0033】
図8に示すように、アダプタ固定部材80の一部は、アダプタ押さえ部材70の上段部71と、シャーシ11の裏面11bとの間に挟まれ、シャーシ11に対しては固定されていない。すなわち、アダプタ固定部材80に固定されたアダプタ40と、灯具本体10とは、シャーシ11の裏面11bに平行な方向に相対的に移動可能となっている。ここでの移動は、直線移動に限らず、回転移動も含む。
【0034】
アダプタ固定部材80の外縁部80aと、アダプタ押さえ部材70の下段部72との間の隙間73や、上段部71に形成された開口71aの縁と、アダプタ40の側面との間の隙間によって、アダプタ40に対する灯具本体10の相対移動が許容される。アダプタ固定部材80の外縁部80aとアダプタ押さえ部材70の下段部72との当接や、アダプタ40の側面と開口71aの縁との当接により、アダプタ40に対する灯具本体10の相対移動が規制される。
【0035】
天井板300への取り付け後において、灯具本体10の位置調整が必要な場合には、天井板300に対して固定されたアダプタ40およびアダプタ固定部材80に対して、灯具本体10を設置面(天井面)に沿う方向にスライド移動(回転も含む)させることで、灯具本体10の取付位置を調整できる。
【0036】
アダプタ40を灯具本体10に固定させるのではなく、アダプタ40と灯具本体10とを相対移動可能な状態とすることによって、アダプタ固定部材80の外縁部80aと、アダプタ押さえ部材70の下段部72との間の隙間73や、上段部71に形成された開口71aの縁と、アダプタ40の側面との間の隙間によって形成される位置調整代の分、天井板300に取り付け後において、灯具本体10の位置調整が可能になる。
【0037】
これにより、複数の灯具100を並べて設置する際に、天井板300に形成した複数の取付穴300aの位置のばらつきが発生しても、複数の灯具100の発光面をシームレスに配置することが可能になる。
【0038】
図9は、天井板300の取付穴300aに取り付けられる取付金具60を模式的に示す斜視図である。
【0039】
取付金具60は環状で、その内側に開口64を有する。取付金具60の側面には、板ばね構造の複数の取付ばね63が設けられている。取付金具60の下面には、環状のフランジ61が設けられている。フランジ61の外径は、天井板300に形成された円形の取付穴300aの直径よりも大きい。フランジ61の上面には、開口64の縁に沿って受け板62が設けられている。
【0040】
取付金具60の側面と取付穴300aの内壁との間に、取付ばね63が自然状態から変形した状態で配置される。この取付ばね63の復元力により、取付金具60は上方に付勢され、フランジ61の上面が天井板300の表側の面に押し当たることで(
図11参照)、取付金具60が取付穴300aに嵌合した状態が保持される。
【0041】
取付金具60を取付穴300aに嵌め込む前に、必要に応じて、天井板300の裏側に、
図3、4に示す電源ユニット50が配置される。電源ユニット50は、取付穴300aから天井板300の裏側に通され、天井板300の裏側において取付穴300aに重ならない位置に配置される。または、既に天井板300の裏側に設置済みの電源ユニット50をそのまま使う場合には、電源ユニット50を天井板300の裏側に設置する作業は不要となる。
【0042】
灯具100が天井板300に取り付けられる前の状態において、電気ケーブル51は、取付穴300a、およびその取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60の内側の開口64を通され、電源側コネクタ51aが天井板300の表側に出される。
【0043】
灯具100の取付作業を行う作業者は、灯具100を天井板300に近づけ、灯具100を片手で保持しつつ、もう一方の手で、取付穴300aから垂下する電気ケーブル51の電源側コネクタ51aをつかんで、アダプタ40の上面に固定された灯具側コネクタ43に電源側コネクタ51aを接続する。
【0044】
電源側コネクタ51aを灯具側コネクタ43に接続した後、アダプタ40を、取付穴300aに嵌め込まれた取付金具60の内側の開口64に嵌め込む。
【0045】
図10は、取付金具60とアダプタ40との嵌合構造を模式的に示す斜視図である。
図11は、取付金具60とアダプタ40との嵌合構造を模式的に示す断面斜視図である。
【0046】
アダプタ40は、上ケース41と、下ケース42と、2つのスライド部材45と、2つのスライド部材45を連結するばね47とを有する。
【0047】
それぞれのスライド部材45の先端には、傾斜面をもつ爪部44が設けられている。ばね47の伸縮に伴う2つのスライド部材45のスライド移動により、爪部44は上ケース41と下ケース42との間に形成された開口を通じてケース41、42の内側に引っ込んだり、ケース41、42の外側に突出することが可能となっている。
【0048】
図10および
図11は、爪部44がケース41、42の外側に突出して、取付金具60の受け板62の上面に乗り上がった状態を示す。
図11に示すように、上ケース41から下方に突出するストッパー41aがスライド部材45の上面に形成された凹部46内に位置し、ストッパー41aと凹部46の壁面との当接により、2つのスライド部材45の互いに離隔する方向への移動が規制される。
【0049】
通常、爪部44はケース41、42の外側に突出している。アダプタ40を取付金具60の内側に嵌め込むときに、取付金具60のフランジ61の内周壁および受け板62の内周壁に、爪部44の傾斜面を当接させる。爪部44がフランジ61の内周壁および受け板62の内周壁から受ける力により、2つのスライド部材45はばね47を圧縮させて互いに近づくようにスライド移動する。爪部44はケース41、42の内側に引っ込み、取付金具60の内側へのアダプタ40の嵌め込みを許容する。
【0050】
そして、爪部44が受け板62よりも上方の位置まで移動すると、爪部44が受け板62の内周壁から受ける力が解除され、ばね47の復元力により2つのスライド部材45は互いに離隔する方向に付勢される。爪部44はケース41、42の外側に突出し、爪部44の下面が受け板62の上面に乗り上げる。これにより、アダプタ40、およびアダプタ40と固定された灯具本体10の、取付金具60からの落下が防止される。
【0051】
アダプタ40が取付金具60に嵌合し、灯具100が天井板300に取り付けられた状態において、アダプタ40は建材の最下面(この例では天井板300の下面)よりも上に位置し、シャーシ11の裏面11bに固定された磁石1(
図2に示す)が、天井板300に固定された磁性体2に吸着する。
【0052】
灯具本体10の裏面が磁石1を介して天井板300に密着される。これにより、複数の灯具100を並べて設置した場合において、隣接する灯具100間の段差を抑制し、シームレスな大面積の発光面が得られる。
【0053】
また、磁石1と磁性体2との吸着は、高さ方向の吸着であり、天井板300に固定されたアダプタ40に対する灯具本体10の天井面に沿う方向の水平移動を妨げるものではない。したがって、磁石1と磁性体2とが吸着された状態において、前述したようにアダプタ40に対して灯具本体10を面方向に移動させることで、灯具本体10の面内位置の調整が可能である。
【0054】
灯具本体10の平面視形状は四角形(例えば正方形)であり、アダプタ40は灯具本体10の中央部に配置されている。このような構成において、特に灯具100の平面サイズが大きくなると、天井板300に取り付けられたアダプタ40が配置された中央部から遠い外周側部分(辺部や四隅)が下方に下がりやすくなる。
【0055】
4つの磁石1のそれぞれは、アダプタ40よりも灯具本体10の外周(例えば四隅)に近い位置に配置されている。これら磁石1が天井板300に固定された磁性体2に吸着することで、平面サイズが大きな灯具100に対して外周側部分を天井板300に確実に密着させることができる。
【0056】
天井板300は例えば石膏ボードで構成されることが多い。そのような石膏ボードに対してまずアンカー部材が打ち込まれる。天井板300に打ち込まれたアンカー部材を覆うように磁性体2が天井板300に重ねられ、
図12に示すように磁性体2を貫通してアンカー部材にねじ6がねじ込まれる。磁性体2は、ねじ6の頭部で天井板300に対して押しつけられる。天井板300の裏側においては、ねじ6がねじ込まれることでアンカー部材の一対の脚部が互いに離隔する方向に開かれ、石膏ボードからの抜け止めがされる。これにより、石膏ボードのような脆い部材に対しても磁性体2を強固にねじ止めすることができる。
【0057】
なお、灯具100に磁性体を固定し、天井板300に磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。または、灯具100に磁石を固定し、天井板300にも磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。
【0058】
また、灯具100の設置施工者が天井板300に磁石をねじ止めする際に磁石を破損させてしまうことが懸念されるため、天井板300には磁性体(例えば鉄などの金属板)を固定し、工場での製造段階において灯具100に磁石を固定(例えばねじ止め)することが望ましい。
【0059】
また、前述した取付後の面内方向の位置調整代を確保するため、磁石と、これに吸着する磁性体(または磁石)のうちの一方の吸着面の大きさは、他方の吸着面の大きさよりも大きくすることが望ましい。
【0060】
磁石の材料として用いられる例えばネオジムは、薄く且つ面積が大きくなると、50℃をこえる温度で磁力が低下する特性をもつものがある。したがって、点灯時に発熱する灯具100に磁石1を固定する場合には、天井板300に固定する磁性体2の吸着面の大きさを磁石1の吸着面の大きさよりも大きくすることが望ましい。
【0061】
実施形態の灯具100は、天井板300に対する取付方法と同様の方法で、鉛直方向に平行または傾斜した壁に対しても取り付けることができる。
【0062】
図13は、本発明の他の実施形態の灯具200を模式的に示す裏面図である。
図14は、本発明の他の実施形態の灯具200を模式的に示す側面図である。
図15は、本発明の他の実施形態の灯具200の裏面側の一部分を模式的に示す拡大斜視図である。
【0063】
灯具200の外形は例えば長尺の矩形状で、矩形状の発光面231を有する。灯具200は、矩形板状のシャーシ211と、透光性のカバー230と、アダプタ240と、灯具側コネクタ243とを有する。
【0064】
アダプタ240は、シャーシ211の裏面211bに固定されている。アダプタ240は、シャーシ211の裏面211bから垂直方向に突出している。アダプタ240は、例えば金属部材である。アダプタ240は、灯具200の長手方向の中央部に配置されている。
【0065】
灯具側コネクタ243は、アダプタ240に固定されている。灯具側コネクタ243は、シャーシ211の裏面211bから離隔している。
【0066】
また、灯具200は、前述した実施形態と同様の光源モジュールを有する。光源モジュールは、シャーシ211の裏面211bの反対側の光源配置面に取り付けられている。光源モジュールの光源は、前述した実施形態と同様に、LED等の発光素子と蛍光体層とを含むことができる。灯具側コネクタ243は、電気ケーブル250を介して、光源と電気接続している。
【0067】
カバー230は、光源が発する光に対する透光性を有する。カバー230は、例えばアクリルなどの透光性樹脂部材に酸化チタン等を分散させた光拡散性を有し、色は乳白色である。カバー230は、光源モジュールを覆うように、シャーシ211に保持されている。
【0068】
本実施形態においても、シャーシ211の裏面211bに磁石201が固定されている。
図14に示すように、例えば2つの磁石201が、灯具200の長手方向の中央部に配置されたアダプタ240を長手方向に挟むように対称配置されている。それぞれの磁石201は、アダプタ240と、灯具200の長手方向の端部205との間に位置する。それぞれの磁石201は、アダプタ240よりも、端部205に近い位置に配置されている。
【0069】
本実施形態の灯具200は、磁石201によって、天井板が張られている建材に取り付けることができるが、その他、天井板が張られていない建材(金属製のフレーム)にも取り付けることができる。金属製のフレームのように、フレーム自体が磁性体の場合(フレームと磁性体が一体構成の場合)、磁石201が直接フレームに吸着される。または、フレームに、磁石201が吸着する磁性体を別途設けてもよい。アダプタ240は、フレームとフレームとの間のスペース(取付穴)に配置され、建材の最下面(この例ではフレームの下面)よりも上に位置する。磁石201の吸着力のみを利用して、灯具200を容易に着脱することができる。または、フレームに磁石を固定し、灯具200に磁性体を固定して、それら両者を吸着させてもよい。または、フレームに磁石を固定し、灯具200に磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。
【0070】
図13に示すように、灯具に設けられる磁石201は、金具270に固定されている。金具270には灯具200の長手方向に沿った長穴270aが形成されている。長穴270aにはねじ271が挿入され、そのねじ271はシャーシ211にねじ込まれる。ねじ271の締結力によって、ねじ271の頭部が金具270をシャーシ11に押しつけることで、磁石201はシャーシ211に対して固定される。ねじ271を緩めて、金具270を灯具200の長手方向にスライドさせることでシャーシ211に対する磁石201の長手方向の位置を調整することができる。金具270および磁石201を、例えば、
図13の状態から矢印A方向に10mm程度スライドさせることができる。
【0071】
灯具側コネクタ243はアダプタ240に固定されているため、取付作業などの際に、灯具側コネクタ243ごと電気ケーブル250が引っ張られることを抑制できる。このため、電気ケーブル250が引っ張られることによる光源モジュール側への応力の付与を防止できる。
【0072】
また、
図15に示すように、アダプタ240に落下防止ワイヤー260が取り付けられている。この落下防止ワイヤー260を建材(例えばフレーム)に巻き付けることで、灯具200の予期しない落下を防ぐことができる。
【0073】
図16は、本発明のさらに他の実施形態の灯具400の裏面側の一部分の拡大斜視図である。
【0074】
この灯具400の外形も、上記灯具200と同様、例えば長尺の矩形状で、矩形状の発光面を有する。灯具400は、灯具本体410と、透光性のカバー430と、アダプタ460とを有する。
【0075】
灯具本体410は、矩形板状のシャーシ411を有する。シャーシ411の裏面411bに、アダプタ460が設けられている。例えば、灯具400の長手方向の中央部にアダプタ460が配置されている。アダプタ460の上面に、例えばソケット構造の灯具側コネクタ443が固定されている。
【0076】
灯具400は、前述した実施形態と同様の光源モジュールを有する。光源モジュールは、シャーシ411の裏面411bの反対側の光源配置面に取り付けられている。光源モジュールの光源は、前述した実施形態と同様に、LED等の発光素子と蛍光体層とを含むことができる。灯具側コネクタ443は、電気ケーブルを介して、光源と電気接続している。
【0077】
カバー430は、光源が発する光に対する透光性を有する。カバー430は、例えばアクリルなどの透光性樹脂部材に酸化チタン等を分散させた光拡散性を有し、色は乳白色である。カバー430は、光源モジュールを覆うように、シャーシ411に保持されている。
【0078】
アダプタ460に、例えば2つの取付ばね463が固定されている。取付ばね463は、アダプタ460に例えばねじ止めされている。2つの取付ばね463は、アダプタ460をシャーシ411の長手方向に挟んで位置する。
【0079】
アダプタ460は、2つの板状の突出部461を有する。2つの突出部461は、アダプタ460をシャーシ411の長手方向に挟んで位置する。
【0080】
シャーシ411の裏面411bに、例えば2つの押さえ部材440が固定されている。2つの押さえ部材440が、アダプタ460をシャーシ411の長手方向に挟んで位置する。
【0081】
押さえ部材440においてアダプタ460から遠い側の一端部は、シャーシ411に対して例えばネジ止めされている。押さえ部材440においてシャーシ411に固定された部分からアダプタ460に向けて延在する部分は、シャーシ411の裏面411bから離隔し、アダプタ460の突出部461の上に重なっている。突出部461は、押さえ部材440と、シャーシ411の裏面411bとの間のスペースに配置されている。
【0082】
突出部461は、押さえ部材440と、シャーシ411の裏面411bとの間に挟まれ、突出部461はシャーシ411に対して固定されていない。すなわち、アダプタ460およびこれに固定された取付ばね463は、シャーシ411に対して固定されていない。取付ばね463と灯具本体410とは、シャーシ411の裏面411bに平行な方向に相対的に移動可能となっている。
【0083】
アダプタ460および取付ばね463を、天井板の取付穴を通して天井板の裏側の空間に入れる。アダプタ460は、天井板に形成された取付穴に嵌め込まれ、建材の最下面(この例では天井板の下面)よりも上に位置する。そして、アダプタ460の側面と、天井板の取付穴の内壁との間に、取付ばね463が自然状態から変形した状態で配置される。この取付ばね463の復元力により、アダプタ460は上方に付勢されつつ天井板に対して固定され、灯具本体410は天井板の表側の面(下面)に押し付けられるように天井板に取り付けられる。なお、前述した実施形態と同様、灯具400は、天井板に限らず、壁にも取り付けることができる。
【0084】
天井板に固定されたアダプタ460の突出部461と、灯具本体410に固定された押さえ部材440とは互いに固定されずに相対移動可能である。すなわち、灯具本体410は、天井板に固定されたアダプタ460に対して相対移動可能である。そのため、取り付け後において、灯具本体410の位置調整が必要な場合には、天井板に対して固定されたアダプタ460に対して、灯具本体410を設置面(天井面)に沿う方向にスライド移動させることで、灯具本体410の取付位置を調整できる。
【0085】
これにより、複数の灯具400を並べて設置する際に、天井板に形成した複数の取付穴の位置のばらつきが発生しても、複数の灯具400の発光面をシームレスに配置することが可能になる。
【0086】
さらに、本実施形態においても、シャーシ411の裏面411bに磁石201を固定し、天井板に磁性体を固定し、それら両者を吸着させることで、灯具400における中央部から遠い部分を磁石201を介して天井板に密着させることができる。これにより、複数の灯具400を並べて設置した場合において、隣接する灯具400間の段差を抑制し、シームレスな大面積の発光面が得られる。
【0087】
また、磁石と磁性体との吸着は、高さ方向の吸着であり、天井板に取り付けられたアダプタ460に対する灯具本体410の天井面に沿う方向の水平移動を妨げるものではない。したがって、磁石と磁性体とが吸着された状態において、前述したようにアダプタ460に対して灯具本体410を面方向に移動させることで、灯具本体410の面内位置の調整が可能である。
【0088】
なお、灯具400に磁性体を固定し、天井板に磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。または、灯具400に磁石を固定し、天井板にも磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。
【0089】
灯具100、200、400の平面視形状は、四角形に限らず、円形であってもよい。
【0090】
灯具200に取り付けた
図15に示す落下防止ワイヤー260は、灯具100または灯具400に対しても取り付けることができる。
【0091】
図17は、実施形態の光源モジュール20の他の例を模式的に示す平面図である。
【0092】
複数の第1光源22aおよび複数の第2光源22bが、基板21の光源配置面21aに周期配列されている。
図17において、第1光源22aを斜線のハッチングで表し、第2光源22bをドットパターンで表す。
【0093】
図18は、第1光源22aおよび第2光源22bを模式的に示す斜視図である。
【0094】
第1光源22aおよび第2光源22bのそれぞれは、発光素子23と、蛍光体層24と、透光性の樹脂部材25とを含む。蛍光体層24は発光素子23を覆い、さらに樹脂部材25が蛍光体層24を覆っている。樹脂部材25において発光素子23の上面の中心付近を覆う部分が凹んでおり、このような形状の樹脂部材25は、光源22a、22bに前述したバットウイング形の配光特性を与えるレンズとして機能する。
【0095】
第1光源22aおよび第2光源22bは同じ要素を有するが、互いに異なる相関色温度の白色光を出射する。例えば、第1光源22aが2700Kの相関色温度の白色光を、第2光源22bが5000Kの相関色温度の白色光を出射することができる。これらを調整して発光させることで、光源モジュール20は種々の相関色温度の白色光を出射することが可能となる。
【0096】
図17に示すように、第1方向(
図17において縦方向)に互いに近接して配置された1つの第1光源22aと1つの第2光源22bとからなる光源の組が複数組配置されている。第1方向に配列された複数組の光源は電気的に直列接続されている。第1方向に直交する第2方向(
図17において横方向)に配列された複数組の光源は電気的に並列関係にある。
【0097】
図19は、本発明のさらに他の実施形態の灯具500の裏面を模式的に示す斜視図である。
【0098】
灯具500は、前述した
図16に示す灯具400と同様に、灯具本体410と、透光性のカバー430と、アダプタ460とを有する。灯具本体410は、矩形板状のシャーシ411を有する。また、灯具500は、前述した実施形態と同様の光源モジュールを有する。光源モジュールは、シャーシ411の裏面411bの反対側の光源配置面に取り付けられている。光源モジュールの光源は、前述した実施形態と同様に、LED等の発光素子と蛍光体層とを含むことができる。灯具側コネクタ443は光源と電気接続している。
【0099】
2つのアダプタ460がシャーシ411の裏面411bに設けられている。一方のアダプタ460の上面に灯具側コネクタ443が固定されている。2つのアダプタ460が、シャーシ411の長手方向の中心を挟んで、シャーシ411の長手方向に離間して配置されている。
【0100】
シャーシ411の裏面411bに、例えば2つの磁石202が固定されている。磁石202は、前述した実施形態の磁石と同様、永久磁石であり、例えばネオジムを含む。それぞれの磁石202は、アダプタ460よりも、灯具500の長手方向の端部に近い位置に配置されている。
【0101】
図20Aは、2つの灯具500の隣接部分を模式的に示す裏面図である。
図20Bは、
図20Aに連結部材203を加えた裏面図である。
図21は、2つの灯具500の隣接部分を模式的に示す側面図である。
【0102】
照明装置は、少なくとも2つの灯具500を有する。2つの灯具500は、それぞれの長手方向の端部同士を当接させて隣接した状態で天井板300に取り付け可能である。隣接した2つの灯具500は、それぞれアダプタ460を介して天井板300に取り付けられる。
【0103】
2つの灯具500の隣接部分には、2つの灯具500に共通に連結部材203が取り付けられる。連結部材203は、2つの灯具500の端部同士の境界をまたぐように、それぞれの灯具500の端部近傍のシャーシ411の裏面411bに配置される。連結部材203の配置位置と、磁石202の配置位置とが重なる。連結部材203は、磁性体であり、例えば、電気亜鉛メッキした鋼板の板状部材である。したがって、連結部材203は、隣接する灯具500のそれぞれの端部の近くに固定された磁石202に吸着する。
【0104】
連結部材203の厚みは例えば0.6mmである。
図21に示すように、灯具500が天井板300に取り付けられた状態において、連結部材203は、シャーシ411の裏面411bと、天井板300との間の隙間に収まることができる。
【0105】
互いに隣接する2つの灯具500の端部は、磁石202によって共通の連結部材203に吸着し、2つの灯具500の隣接部分における、灯具設置面(この例では天井板)に垂直な方向の段差(位置ずれ)を規制できる。これにより、例えば、天井板に歪み等があっても、また灯具500の端部が重力により下方に変位しやすくても、2つの灯具500の隣接部分に段差が発生しない。すなわち、隣接する2つの灯具500の発光面の間に継ぎ目を意識させずに一体感をもたせることが可能となる。
【0106】
連結部材203は天井板300には固定されず、天井板300に取り付けられたアダプタ460に対する灯具本体410の天井面に沿う方向の水平移動は妨げられない。したがって、前述したようにアダプタ460に対して灯具本体410を面方向に移動させることで、灯具本体410の面内位置の調整が可能である。
【0107】
なお、ここでは、連結部材203が、磁性体であって、シャーシ411の裏面411bには第1磁石202が固定されている形態で説明したが、連結部材203が磁石であって、シャーシ411の裏面411bには磁性体が固定されている形態でもよい。ただし連結部材203は、例えば0.6mmと薄いことと強度との両立が必要とされる点で、連結部材203には磁性体を用いることがよい。また、連結部材203を使った2つの灯具の連結構造は、長尺の矩形状の灯具同士の連結に限らず、
図1に示すような正方形状の灯具同士が隣接する場合にも適用することができる。
【0108】
また、
図19に示すように、シャーシ411の裏面411bに、連結部材203に吸着する第1磁石202とは別の第2磁石(天井板に対する吸着用磁石)204を固定し、天井板300に磁性体を固定し、それら両者を吸着させることで、灯具500における中央部から遠い部分を、磁石204(磁石202とは別の磁石)によって、天井板300に密着させてもよい。なお、灯具500に磁性体を固定し、天井板300に磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。または、灯具500に磁石を固定し、天井板300にも磁石を固定して、それら両者を吸着させてもよい。
【0109】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0110】
1…磁石、2…磁性体、10…灯具本体、11…シャーシ、20…光源モジュール、22…光源、30…カバー、40…アダプタ、50…電源ユニット、60…取付金具、70…アダプタ押さえ部材、80…アダプタ固定部材、100…灯具、200…灯具、201…磁石、202…磁石、203…連結部材、204…磁石、211…シャーシ、240…アダプタ、243…、灯具側コネクタ、250…電気ケーブル、260…落下防止ワイヤー、300天井板、400…灯具、410…灯具本体、411…シャーシ、440…押さえ部材、443…灯具側コネクタ、460…アダプタ、463…取付ばね、500…灯具