(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】通報装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20221107BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20221107BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20221107BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
G02B27/02 Z
G08B25/04 K
G08B21/02
(21)【出願番号】P 2019221965
(22)【出願日】2019-12-09
【審査請求日】2022-06-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-521576(JP,A)
【文献】特表2016-515897(JP,A)
【文献】特開2013-090061(JP,A)
【文献】特表2015-504616(JP,A)
【文献】国際公開第2010/004698(WO,A1)
【文献】特開2008-096867(JP,A)
【文献】特開2008-067218(JP,A)
【文献】特開2008-099834(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155098(WO,A1)
【文献】特表2019-507449(JP,A)
【文献】特開2017-104239(JP,A)
【文献】特開2017-015485(JP,A)
【文献】特開2015-154920(JP,A)
【文献】特表2006-507855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
A61B 3/00-3/18
G02B 27/00-30/60
G08B 23/00-31/00
G08B 19/00-21/24
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1眼対向領域と、第2眼対向領域と、前記第1眼対向領域と前記第2眼対向領域をつなぐブリッジと、前記第1眼対向領域と前記ブリッジの少なくとも一方に取り付けられた第1パッドと、前記第2眼対向領域と前記ブリッジの少なくとも一方に取り付けられた第2パッドを含むアイウエアと、
前記ブリッジに設けられた撮像部と、
前記第1パッドと前記第2パッドの少なくとも一方に設けられた、前記アイウエアを装着した使用者の生体情報を取得する前部センサと、
前記撮像部で得られた画像データと、前記前部センサで得られた前記生体情報を外部の装置に送信する通信部とを備え
、
前記第1眼対向領域と前記第2眼対向領域の少なくとも一方には、電源オフ時には透明で、電源オン時に所定の画像を表示する透過型ディスプレイを含む表示部が設けられ、
前記表示部は、前記透過型ディスプレイよりも使用者から離れた側に設けられた、電源オフ時には透明で、電源オン時に単色の画像を表示するシャッターディスプレイを含み、
前記表示部は、前記第1眼対向領域と前記第2眼対向領域の少なくとも一方のレンズ部が設けられる領域よりも、前記使用者から離れた側に設けられる、
生体情報取得装置。
【請求項2】
前記アイウエアは、前記第1眼対向領域から延びる第1テンプルに取り付けられた第1モダンと、前記第2眼対向領域から延びる第2テンプルに取り付けられた第2モダンを含み、
前記第1モダンには、前記生体情報を取得する第1側部センサが設けられ、
前記第2モダンには、前記生体情報を取得する第2側部センサが設けられる、請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項3】
前記
透過型ディスプレイは、前記第1眼対向領域に設けられた第1透過型ディスプレイと、前記第2眼対向領域に設けられた第2透過型ディスプレイを含み、
立体的な画像を使用者に視認させるために、前記第1透過型ディスプレイで表示される画像と、前記第2透過型ディスプレイで表示される画像とは、前記第1透過型ディスプレイと前記第2透過型ディスプレイの距離だけずれた異なるものであ
る、請求項1または請求項2に記載の生体情報取得装置。
【請求項4】
前記
ブリッジは、第1ブリッジと、前記第1ブリッジよりも上方に位置する第2ブリッジを有し、
前記第1ブリッジと前記第2ブリッジは、少なくとも一部が金属で構成され、
前記第1ブリッジと前記第2ブリッジの金属で構成された部分は、前記通信部のアンテナに含まれる給電素子として用いられる領域と、前記アンテナに含まれる無給電素子として用いられる領域を有する
、
請求項1~請求項3
のいずれかに記載の生体情報取得装置。
【請求項5】
前記アイウエアには、位置情報を取得する外部情報取得部が設けられ、
前記通信部は、前記画像データと前記生体情報を、前記位置情報と共に、前記外部の装置に送信する、請求項1~請求項4のいずれかに記載の生体情報取得装置。
【請求項6】
前記外部情報取得部は、気温と気圧と湿度の少なくとも1つを含む環境情報を取得するものであり、
前記通信部は、前記画像データと前記生体情報を、前記位置情報と前記環境情報と共に、前記外部の装置に送信する、請求項5に記載の生体情報取得装置。
【請求項7】
前記アイウエアの智部には、前記生体情報取得装置の電気部材の操作のために使用される操作ボタンが設け
られる、
請求項1~請求項6のいずれかに記載の生体情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者に装着される生体情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、使用者に異常が生じている場合などに、信号を外部の装置に送信するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用者の生体情報を取得する必要がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、使用者が意識しにくい状態で生体情報を取得出来る生体情報取得装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る生体情報取得装置は、第1眼対向領域と、第2眼対向領域と、第1眼対向領域と第2眼対向領域をつなぐブリッジと、第1眼対向領域とブリッジの少なくとも一方に取り付けられた第1パッドと、第2眼対向領域とブリッジの少なくとも一方に取り付けられた第2パッドを含むアイウエアを備える。
生体情報取得装置は、ブリッジに設けられた撮像部を備える。
生体情報取得装置は、第1パッドと第2パッドの少なくとも一方に設けられた、アイウエアを装着した使用者の生体情報を取得する前部センサを備える。
生体情報取得装置は、撮像部で得られた画像データと、前部センサで得られた生体情報を外部の装置に送信する通信部とを備える。
【0007】
アイウエアのパッド(第1パッド、第2パッド)に生体情報を取得する前部センサが設けられるので、アイウエアを装着した使用者が意識にしにくい状態で当該使用者の生体情報を取得することが可能になる。
ブリッジに撮像部が設けられており、生体情報取得装置の前方を撮影する。
撮像部で得られた画像データは、生体情報と共に外部の装置に送信される。
このため、生体情報取得装置のアイウエアを装着した使用者の眼で見える風景に対応する画像の画像データに基づいて、当該生体情報を取得した時の使用者の状況を知ることが可能になる。
【0008】
また、使用者が生体情報取得装置を取り外し、所定の場所に載置した場合には、撮像部は、所定の場所から撮像部が向く方向の領域(監視対象領域)を撮影することが出来る。
このため、監視カメラと気づかれにくい状態で、生体情報取得装置を監視カメラとして使用することが可能になる。
【0009】
好ましくは、アイウエアは、第1眼対向領域から延びる第1テンプルに取り付けられた第1モダンと、第2眼対向領域から延びる第2テンプルに取り付けられた第2モダンを含む。
第1モダンには、生体情報を取得する第1側部センサが設けられる。
第2モダンには、生体情報を取得する第2側部センサが設けられる。
【0010】
第1側部センサと第2側部センサを設けたことにより、使用者の頭部の左右で生体情報を取得することが出来る。
これにより、生体情報について使用者の頭部の左右の差異や、前部センサで得られた生体情報との差異を知ることが可能になる。
【0011】
さらに好ましくは、第1眼対向領域と第2眼対向領域の少なくとも一方には、不使用時には透明で、使用時に所定の画像を表示する透過型ディスプレイを含む表示部が設けられる。
【0012】
第1眼対向領域と第2眼対向領域の少なくとも一方に、透過型ディスプレイを含む表示部を設けることにより、不使用時は通常のアイウエアとして使用し、使用時に情報を表示して使用者に視認させることが可能になる。
【0013】
さらに好ましくは、表示部は、透過型ディスプレイよりも使用者から離れた側に設けられた、不使用時には透明で、使用時に単色の画像を表示するシャッターディスプレイを含む。
【0014】
シャッターディスプレイを設けることで、透過型ディスプレイに画像を表示させる際に背面からの光が入って当該画像が見えにくくなるのを防止出来る。
【0015】
さらに好ましくは、アイウエアには、位置情報を取得する外部情報取得部が設けられる。
通信部は、画像データと生体情報を、位置情報と共に、外部の装置に送信する。
【0016】
外部情報取得部が位置情報を取得することにより、生体情報を取得した時の生体情報取得装置の位置情報を知ることが可能になる。
生体情報の他に、位置情報を取得することにより、生体情報だけを取得する形態に比べて、使用者が危険な状況にあるか否かを正確に判断することが可能になる。
【0017】
さらに好ましくは、外部情報取得部は、気温と気圧と湿度の少なくとも1つを含む環境情報を取得するものである。
通信部は、画像データと生体情報を、位置情報と環境情報と共に、外部の装置に送信する。
【0018】
外部情報取得部が環境情報を取得することにより、生体情報を取得した時の生体情報取得装置の周囲の環境(気温など)を知ることが可能になる。
生体情報の他に、位置情報や環境情報を取得することにより、生体情報だけを取得する形態に比べて、使用者が危険な状況にあるか否かを正確に判断することが可能になる。
【0019】
さらに好ましくは、ブリッジは、少なくとも一部が金属で構成される。
ブリッジは、通信部と外部情報取得部のアンテナに含まれる放射素子として用いられる。
【0020】
ブリッジの一部を、通信部や外部情報取得部のアンテナの放射素子として活用することにより、別途アンテナを設ける形態に比べて部品点数を少なくすることが可能になる。
【0021】
さらに好ましくは、ブリッジは、少なくとも一部が金属で構成される。
ブリッジは、通信部のアンテナに含まれる放射素子として用いられる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、使用者が意識しにくい状態で生体情報を取得出来る生体情報取得装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態における生体情報取得装置の斜視図である。
【
図2】生体情報取得装置の各部の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0025】
(生体情報取得装置1)
本実施形態における生体情報取得装置1は、メガネやサングラスなどのアイウエア(メガネ型装具)である。
当該アイウエアは、眼対向領域(第1眼対向領域11a、第2眼対向領域11b)、パッド(第1パッド13a、第2パッド13b)、ブリッジ(第1ブリッジ15a、第2ブリッジ15b)、智部(第1智部17a、第2智部17b)、テンプル(第1テンプル19a、第2テンプル19b)、モダン(第1モダン21a、第2モダン21b)を有する。
【0026】
(眼対向領域)
第1眼対向領域11aは、使用者の右目に対向する位置に設けられたレンズ部であり、第2眼対向領域11bは、使用者の左目に対向する位置に設けられたレンズ部である。
第1眼対向領域11aと第2眼対向領域11bのレンズは、視力矯正のための度付きのもので構成されてもよいし、視力矯正を考慮しない度が無いもので構成されてもよい。
第1眼対向領域11aと第2眼対向領域11bは、レンズの周囲にフレームが設けられてもよいし、レンズの周囲にフレームが設けられなくてもよい。
また、第1眼対向領域11aと第2眼対向領域11bは、レンズを省略し、フレームだけで構成されてもよい。
【0027】
(パッド)
パッド(第1パッド13a、第2パッド13b)は、使用者の鼻を挟んで当該アイウエアを支えるための部材である。
第1パッド13aは、使用者の鼻の右側と接し、第2パッド13bは、使用者の鼻の左側と接する。
第1パッド13aは、クリングス(パッドアーム)を介して、第1眼対向領域11aに取り付けられる。
第2パッド13bは、クリングス(パッドアーム)を介して、第2眼対向領域11bに取り付けられる。
ただし、第1パッド13aと第2パッド13bは、クリングスを介して、第1ブリッジ15a若しくは第2ブリッジ15bに取り付けられてもよい。
【0028】
(ブリッジ)
ブリッジは、第1眼対向領域11aと第2眼対向領域11bをつなぐ部材である。
ブリッジは、装着時に、使用者の鼻の斜め前上方に位置する。
第1ブリッジ15aは、第1眼対向領域11aの上下方向の中央付近と、第2眼対向領域11bの上下方向の中央付近とをつなぐ。
第2ブリッジ15bは、第1眼対向領域11aの上端と、第2眼対向領域11bの上端とをつなぐ。
第1ブリッジ15aと第2ブリッジ15bは、一方だけが設けられる形態であってもよい。
【0029】
第1ブリッジ15aと第2ブリッジ15bの少なくとも一方の一部は、金属で構成され、当該金属で構成された部分は、後述する通信部47及び外部情報取得部49のアンテナに含まれる放射素子(給電素子、若しくは無給電素子)として用いられるのが望ましい。
【0030】
(智部、テンプル、モダン)
智部は、眼対向領域の両端に設けられる。
テンプルは、眼対向領域の左右方向の端部から後方に延びる。
モダンは、テンプルの更に後方に位置し、使用者の耳に掛けられる部材である。
第1テンプル19aは、第1智部17aやヒンジを介して、第1眼対向領域11aに取り付けられる。
第1モダン21aは、第1テンプル19aの後端に設けられる。
第2テンプル19bは、第2智部17bやヒンジを介して、第2眼対向領域11bに取り付けられる。
第2モダン21bは、第2テンプル19bの後端に設けられる。
【0031】
(電気部材の構成)
生体情報取得装置1は、当該アイウエアに、後述する電気部材が設けられる。
当該電気部材は、撮像部31、前部センサ(第1前部センサ33a、第2前部センサ33b)、側部センサ(第1側部センサ35a、第2側部センサ35b)、表示部(第1表示部37a、第2表示部37b)、音出力部(第1音出力部39a、第2音出力部39b)、電源部(第1電源部41a、第2電源部41b)、制御部43、操作部45、通信部47、外部情報取得部49を有する。
【0032】
(撮像部31)
撮像部31は、アイウエアの前方を撮影する。
撮像部31は、第1ブリッジ15aに設けられる。
ただし、撮像部31は、第2ブリッジ15aに設けられてもよい。
【0033】
(前部センサ)
前部センサ(第1前部センサ33a、第2前部センサ33b)は、使用者の顔の前部と接触し、当該使用者の生体情報を取得する。
具体的には、前部センサは、生体情報として、使用者の体温、脈拍、におい、汗に含まれる成分などを検知する。
第1前部センサ33aは、第1パッド13aに設けられ、使用者の鼻の右斜面と接する。
第2前部センサ33bは、第2パッド13bに設けられ、使用者の鼻の左斜面と接する。
第1前部センサ33aと第2前部センサ33bは、2つ設けられてもよいし、いずれか一方だけが設けられてもよい。
【0034】
(側部センサ)
側部センサ(第1側部センサ35a、第2側部センサ35b)は、使用者の頭の側部(耳近傍)と接触し、当該使用者の生体情報を取得する。
具体的には、側部センサは、生体情報として、使用者の体温、脈拍、におい、汗に含まれる成分などを検知する。
第1側部センサ35aは、第1モダン21aに設けられ、使用者の右耳の周囲と接する。
第2側部センサ35bは、第2モダン21bに設けられ、使用者の左耳の周囲と接する。
【0035】
(表示部)
表示部(第1表示部37a、第2表示部37b)は、眼対向領域に設けられ、使用者の眼の方向に対して画像を表示する。
表示部は、不使用時(電源オフ時)に略透明な板状部材となり、使用時(電源オン時)に所定の画像を表示する透過型ディスプレイ(第1透過型ディスプレイ37a1、第2透過型ディスプレイ37b1)を有する。
透過型ディスプレイとしては、透過型有機ELディスプレイ、透過型無機ELディスプレイ、透過型液晶ディスプレイなどが考えられる。
【0036】
また、表示部は、透過型ディスプレイに加えて、当該透過型ディスプレイよりも外側(使用者から離れる側)に、不使用時(電源オフ時)に略透明な板状部材となり、使用時(電源オン時)に黒などの単色の画像を表示するシャッターディスプレイ(第1シャッターディスプレイ37a2、第2シャッターディスプレイ37b2)を含むのが望ましい。
シャッターディスプレイは、隣接する透過型ディスプレイで画像を表示させる際にオン状態となって、シャッターディスプレイを介して外部からの光が透過型ディスプレイに入り込まないようにする。
シャッターディスプレイは、隣接する透過型ディスプレイで画像を表示させない時にオフ状態となって、シャッターディスプレイを介して外部からの光が透過型ディスプレイに入り込むことを許容する。
【0037】
第1表示部37aは、第1眼対向領域11aに設けられる。
第1透過型ディスプレイ37a1は、後側、すなわち、第1シャッターディスプレイ37a2よりも使用者の眼に近い側に設けられる。
第1シャッターディスプレイ37a2は、前側、すなわち、第1透過型ディスプレイ37a1よりも使用者から離れた側に設けられる。
【0038】
第2表示部37bは、第2眼対向領域11bに設けられる。
第2透過型ディスプレイ37b1は、第2シャッターディスプレイ37b2よりも使用者の眼に近い側に設けられる。
第2シャッターディスプレイ37b2は、第2透過型ディスプレイ37b1よりも使用者から離れた側に設けられる。
【0039】
第1表示部37aは、外形が第1眼対向領域11aの外形と同じであってもよい。
第2表示部37bは、外形が第2眼対向領域11bの外形と同じであってもよい。
【0040】
第1透過型ディスプレイ37a1と第2透過型ディスプレイ37b1で表示される画像は、制御部43若しくは別途設けられた記録部(不図示)に記録された画像データに基づくものであってもよいし、通信部47を介して外部の装置100から送信された画像データに基づくものであってもよいし、撮像部31で得られた画像データに基づくものであってもよい。
【0041】
立体的な画像を使用者に視認させるために、第1透過型ディスプレイ37a1で表示される画像と、第2透過型ディスプレイ37b1で表示される画像とは、視差によるズレを考慮し、第1透過型ディスプレイ37a1と第2透過型ディスプレイ37b1の距離だけずれた異なるものであってもよい。
【0042】
画像表示は、第1表示部37aと第2表示部37bの両方で行われてもよいし、一方だけで行われてもよい。
【0043】
(音出力部)
音出力部(第1音出力部39a、第2音出力部39b)は、音声を出力する。
第1音出力部39aは、第1モダン21aに設けられる。
第2音出力部39bは、第2モダン21bに設けられる。
音出力部は、モダンに設けられて、使用者の耳の周囲から音を発する形態であってもよいが、イヤホンなど、耳の孔に挿入された状態で音を発する形態であってもよい。
音声出力は、第1音出力部39aと第2音出力部39bの両方で行われてもよいし、一方だけで行われてもよい。
【0044】
(電源部)
電源部(第1電源部41a、第2電源部41b)は、バッテリーやキャパシタなどの蓄電装置と、充電装置で構成され、外部の電力供給装置(不図示)から供給された電力を貯め、生体情報取得装置1の電気部材に電力を供給する。
第1電源部41aは、第1モダン21aに内蔵される。
第2電源部41bは、第2モダン21bに内蔵される。
電源部は、第1電源部41aと第2電源部41bのいずれか一方だけが設けられる形態であってもよい。
電源部を内蔵する部材はモダンに限るものではなく、テンプルなど他の部材であってもよい。
電源部に電力を供給する部材として、太陽光発電、熱発電、自動巻き発電などの発電装置を電源部が備える形態であってもよい。例えば、太陽光発電用のソーラーパネル(不図示)がモダンなど、アイウエアを構成する部材の表面に設けられる。この場合には、充電装置が省略されてもよい。
【0045】
(制御部43)
制御部43は、生体情報取得装置1の電気部材の各部を制御する。
例えば、撮像部31で得られた画像データを、通信部47に、外部の装置100に送信させたり、第1表示部37aと第2表示部37bに表示させたりする。
制御部43のメモリ若しくは、制御部43とは別体の記録部(不図示)には、生体情報取得装置1を動作させるアプリケーション(ソフトウエア)がインストールされている。
また、制御部43のメモリ若しくは、制御部43とは別体の記録部には、撮像部31で得られた画像データ、第1表示部37aと第2表示部37bに表示させる画像データ、第1音出力部39aと第2音出力部39bに出力させる音声データなどが記録されている。
制御部43は、第1ブリッジ15aに設けられる。
ただし、制御部43は、第2ブリッジ15aや他の部位に設けられてもよい。
【0046】
また、制御部43は、前部センサ(第1前部センサ33a、第2前部センサ33b)と側部センサ(第1側部センサ35a、第2側部センサ35b)の少なくとも1つで得られた生体情報などに基づいて、使用者に警告情報を出力するか否か、及び外部の装置100に警告情報を送信するか否かを判断する。
【0047】
例えば、前部センサと側部センサの少なくとも1つで得られた生体情報に含まれる体温が体温閾値よりも高く、且つ外部情報取得部49で得られた環境情報に含まれる周囲の温度が気温閾値よりも低い場合には、制御部43は、使用者に警告情報を出力すると判断し、外部の装置100に警告情報を送信すると判断する。
具体的には、制御部43は、第1表示部37aと第2表示部37bの少なくとも一方に体温が高く危険な状態である旨の警告表示を行わせる、そして/または、第1音出力部39aと第2音出力部39bの少なくとも一方に体温が高く危険な状態である旨の音声出力を行わせる。
また、制御部43は、通信部47に、前部センサなどで取得した生体情報と、外部情報取得部49で取得した環境情報と位置情報と、生体情報取得装置1の識別情報と、使用者の体温が高く危険な状態である旨の警告情報を、外部の装置100に送信させる。
【0048】
なお、前部センサなどで取得した生体情報と、外部情報取得部49で取得した環境情報と位置情報と、生体情報取得装置1の識別情報は、警告情報の出力時に限らず、定期的に、外部の装置100に送信されてもよい。
【0049】
(操作部45)
操作部45は、電源オンオフや表示画像の選択など、生体情報取得装置1の電気部材の操作のために使用される。
本実施形態では、第1智部17aに一つだけ操作部45の操作ボタンが設けられる例を示すが、複数の操作ボタンが設けられてもよいし、他の部位に設けられてもよい。
【0050】
(通信部47)
通信部47は、無線通信で、外部の装置100に信号送信を行う。
無線通信の通信手段は、電話回線、RFタグの通信方式の他、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するもので、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))や、IEEE802.11(無線LAN)などが考えられる。
【0051】
無線通信は、データ通信によるもの、通話によるものなどが考えられる。
データ通信による無線通信の場合には、通信部47は、所定の外部の装置100のメールアドレス若しくは電話番号若しくは所定のアプリケーションソフトウエアのユーザーIDに対して、電子メールやショートメールなどで、「生体情報取得装置1の使用者の体温が高く危険な状態である。」などのメッセージを送信する。
通話による無線通信の場合には、通信部47は、所定の外部装置の電話番号若しくは所定のアプリケーションソフトウエアのユーザーIDに対して、発呼を行い、スピーカーやマイク(不図示)を介した通話が可能な状態にする、若しくは、「生体情報取得装置1の使用者の体温が高く危険な状態である。」などのメッセージを音声出力する。
【0052】
通信部47が外部の装置100に送信するメッセージには、外部情報取得部49で得られた生体情報取得装置1の位置情報が含まれるのが望ましい。
【0053】
(外部情報取得部49)
外部情報取得部49は、衛星測位や基地局測位などを使って、生体情報取得装置1の位置情報を取得する。
外部情報取得部49は、生体情報取得装置1の周囲の環境情報を取得する。
具体的には、外部情報取得部49は、環境情報として、生体情報取得装置1の周囲の気温、気圧、湿度、におい、空気中の特定の成分の含有率などを検知する。
生体情報取得装置1の位置情報と環境情報は、通信部47が外部の装置100へ送信するメッセージに含まれる。
また、生体情報取得装置1の位置情報は、外部の装置100が複数ある場合に、信号送信する送り先(外部の装置100)を選定するのに使用される。
【0054】
(外部の装置100)
外部の装置100は、救急相談センター、警察署、消防署などの施設に設けられた端末であってもよいし、親族など生体情報取得装置1の使用者の知人の端末であってもよい。
外部の装置100のメールアドレス若しくは電話番号は、予め制御部43のメモリ若しくは、制御部43とは別体の記録部に記録されている。
救急相談センターなど地域ごとに複数の施設が設けられているものが外部の装置100として設定されている場合には、当該複数の施設のうち、生体情報取得装置1の位置情報に近い位置情報を有するものの端末に対して、信号送信が行われるのが望ましい。
記録部などに記録される送り先情報やメッセージの内容は、外部の装置100や、別の端末が、通信部47を介して、生体情報取得装置1と通信を行って、書き込みされる。
【0055】
(前部センサと撮像部31と通信部47を設けたことの効果)
アイウエアのパッド(第1パッド13a、第2パッド13b)に生体情報を取得する前部センサ(第1前部センサ33a、第2前部センサ33b)が設けられるので、アイウエアを装着した使用者が意識にしにくい状態で当該使用者の生体情報を取得することが可能になる。
ブリッジ(第1ブリッジ15a若しくは第2ブリッジ15b)に撮像部31が設けられており、生体情報取得装置1の前方を撮影する。
撮像部31で得られた画像データは、生体情報と共に外部の装置100に送信される。
このため、生体情報取得装置1のアイウエアを装着した使用者の眼で見える風景に対応する画像の画像データに基づいて、当該生体情報を取得した時の使用者の状況を知ることが可能になる。
【0056】
また、使用者が生体情報取得装置1を取り外し、所定の場所に載置した場合には、撮像部31は、所定の場所から撮像部31が向く方向の領域(監視対象領域)を撮影することが出来る。
このため、監視カメラと気づかれにくい状態で、生体情報取得装置1を監視カメラとして使用することが可能になる。
【0057】
(2つの側部センサを設けたことの効果)
第1側部センサ35aと第2側部センサ35bを設けたことにより、使用者の頭部の左右で生体情報を取得することが出来る。
これにより、生体情報について使用者の頭部の左右の差異や、前部センサで得られた生体情報との差異を知ることが可能になる。
【0058】
(表示部を設けたことの効果)
第1眼対向領域11aと第2眼対向領域11bの少なくとも一方に、透過型ディスプレイを含む表示部を設けることにより、不使用時は通常のアイウエアとして使用し、使用時に情報を表示して使用者に視認させることが可能になる。
【0059】
(シャッターディスプレイを設けたことの効果)
表示部には、透過型ディスプレイと共にシャッターディスプレイが設けられる。
シャッターディスプレイを設けることで、透過型ディスプレイに画像を表示させる際に背面からの光が入って当該画像が見えにくくなるのを防止出来る。
【0060】
(外部情報取得部49を設けたことの効果)
外部情報取得部49が位置情報を取得することにより、生体情報を取得した時の生体情報取得装置1の位置情報を知ることが可能になる。
外部情報取得部49が環境情報を取得することにより、生体情報を取得した時の生体情報取得装置1の周囲の環境(気温など)を知ることが可能になる。
生体情報の他に、位置情報や環境情報を取得することにより、生体情報だけを取得する形態に比べて、使用者が危険な状況にあるか否かを正確に判断することが可能になる。
【0061】
(ブリッジをアンテナとして活用することの効果)
第1ブリッジ15aや第2ブリッジ15bの一部を、通信部47や外部情報取得部49のアンテナの放射素子として活用することにより、別途アンテナを設ける形態に比べて部品点数を少なくすることが可能になる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0063】
1 生体情報取得装置
11a 第1眼対向領域
11b 第2眼対向領域
13a 第1パッド
13b 第2パッド
15a 第1ブリッジ
15b 第2ブリッジ
17a 第1智部(ヨロイ)
17b 第2智部(ヨロイ)
19a 第1テンプル(つる)
19b 第2テンプル(つる)
21a 第1モダン(先セル)
21b 第2モダン(先セル)
31 撮像部
33a 第1前部センサ
33b 第2前部センサ
35a 第1側部センサ
35b 第2側部センサ
37a 第1表示部
37a1 第1透過型ディスプレイ
37a2 第1シャッターディスプレイ
37b 第2表示部
37b1 第2透過型ディスプレイ
37b2 第2シャッターディスプレイ
39a 第1音出力部
39b 第2音出力部
41a 第1電源部
41b 第2電源部
43 制御部(通信部、位置情報取得部)
45 操作部
47 通信部
49 外部情報取得部
100 外部の装置