(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
A63F5/04 620
A63F5/04 651
(21)【出願番号】P 2021165893
(22)【出願日】2021-10-08
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(73)【特許権者】
【識別番号】598098526
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 龍明
(72)【発明者】
【氏名】野口 将也
(72)【発明者】
【氏名】森田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小黒 和音
(72)【発明者】
【氏名】川島 拓
(72)【発明者】
【氏名】森口 友樹
(72)【発明者】
【氏名】小松 宏大
(72)【発明者】
【氏名】平岡 風花
(72)【発明者】
【氏名】升田 勝則
【審査官】木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-142819(JP,A)
【文献】特開2018-201718(JP,A)
【文献】特開2016-077676(JP,A)
【文献】特開2018-078985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部と、
1以上のゲーム数からなるゲーム数セットを複数管理するゲーム数管理部と、を備え、
前記複数の役は、前記複数個のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役を含み、
前記ゲーム数管理部は、
前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、前記複数個のゲーム数セットそれぞれの前記ゲーム数を減少させる処理、が実行可能であり、
前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セットのゲーム数を増加させる処理、が実行可能であ
り、
前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが内部当せんまたは入賞することを契機として、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セットのゲーム数が増加し、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セット以外のゲーム数セットの前記ゲーム数を減少させる処理が実行可能である、遊技機。
【請求項2】
図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部と、
1以上のゲーム数からなるゲーム数セットを複数管理するゲーム数管理部と、を備え、
前記ゲーム数セットそれぞれに、前記ゲーム数の初期値が設定されており、
前記複数の役は、前記複数個のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役を含み、
前記ゲーム数管理部は、
前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、前記複数個のゲーム数セットそれぞれの前記ゲーム数を減少させる処理、が実行可能であり、
前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セットのゲーム数を増加させて対応する前記初期値に戻す処理、が実行可能である、遊技機。
【請求項3】
前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが内部当せんまたは入賞することを契機として、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セットのゲーム数を増加させて対応する前記初期値に戻し、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セット以外のゲーム数セットの前記ゲーム数を減少させる処理が実行可能である、請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行する第1区間と、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間とのいずれかを設定する区間制御部をさらに備え、
前記区間制御部は、前記第1区間において前記複数のゲーム数セット全てのゲーム数が消費されたことを条件の一つとして、前記第1区間を終了して前記第2区間に移行可能に構成されている、請求項1~
3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行する第1区間と、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間とのいずれかを設定する区間制御部と、
演出制御部と、をさらに備え、
前記区間制御部は、前記複数のゲーム数セットのゲーム数に応じて第1区間を終了して前記第2区間に移行可能に構成されており、
前記演出制御部は、前記複数のゲーム数セットのゲーム数を、前記第1区間の終了タイミングの指標となり得る残りゲーム数として報知可能である、請求項1~
4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行する第1区間と、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間とのいずれかを設定する区間制御部と、
遊技状態を、一般遊技状態、および、前記一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態のいずれかに設定する遊技状態制御部と、
前記第1区間において前記特別遊技状態の期間に関する処理が実行可能な期間処理部と、
をさらに備える、請求項1~
5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部と、
遊技期間の長さに関係する遊技パラメータが1以上の値で構成された遊技パラメータセットを複数管理するパラメータ管理部と、を備え、
前記複数の役は、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する第1役を含み、
前記パラメータ管理部は、
前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれの前記遊技パラメータを減少させる処理、が実行可能であり、
前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセットの遊技パラメータを増加させる処理、が実行可能であ
り、
前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが内部当せんまたは入賞することを契機として、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセットの遊技パラメータが増加し、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセット以外の遊技パラメータセットの前記遊技パラメータを減少させる処理が実行可能である、遊技機。
【請求項8】
図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部と、
遊技期間の長さに関係する遊技パラメータが1以上の値で構成された遊技パラメータセットを複数管理するパラメータ管理部と、を備え、
前記遊技パラメータセットそれぞれに、前記遊技パラメータの初期値が設定されており、
前記複数の役は、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する第1役を含み、
前記パラメータ管理部は、
前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれの前記遊技パラメータを減少させる処理、が実行可能であり、
前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセットの遊技パラメータを増加させて対応する前記初期値に戻す処理、が実行可能である、遊技機。
【請求項9】
前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが内部当せんまたは入賞することを契機として、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセットの遊技パラメータを増加させて対応する前記初期値に戻し、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセット以外の遊技パラメータセットの前記遊技パラメータを減少させる処理が実行可能である、請求項8に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、一般遊技状態でのゲーム(遊技)と、一般遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(ATやART等)でのゲームとが切り替え可能に構成されている。特許文献1には、所定ゲーム数で構成される特別遊技状態として、所定ゲーム数を含む1セットを設定し、1セットを消化するとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、所定ゲーム数を消化するタイプのゲームにおいて、遊技者に遊技を面白く感じさせることが可能な新たなゲームを提供することが好ましい。
【0005】
本開示は、遊技者に遊技を面白く感じさせることが可能な遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部と、1以上のゲーム数からなるゲーム数セットを複数管理するゲーム数管理部と、を備え、前記複数の役は、前記複数個のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役を含み、前記ゲーム数管理部は、前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、前記複数個のゲーム数セットそれぞれの前記ゲーム数を減少させる処理、が実行可能であり、前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セットのゲーム数を増加させる処理、が実行可能である、遊技機である。
【0007】
また、第1の側面において、前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが内部当せんまたは入賞することを契機として、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セットのゲーム数が増加し、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記ゲーム数セット以外のゲーム数セットの前記ゲーム数は増加しない処理が実行可能であることが好ましい。
【0008】
また、第1の側面において、前記第1役の内部当せんまたは入賞すること以外の所定条件が成立することを契機として、前記複数のゲーム数セットのうち少なくとも2つのゲーム数セットのゲーム数が増加する処理が実行可能であることが好ましい。
【0009】
また、第1の側面において、前記所定条件が成立することは、前記第1役以外の第2役が内部当せんまたは入賞することであることが好ましい。
【0010】
また、第1の側面において、前記複数のゲーム数セットそれぞれに対応する前記第1役にキャラクタが割り当てられており、内部当せんまたは入賞した前記第1役に対応するキャラクタに関する演出を実行可能な演出制御部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
また、第1の側面において、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行する第1区間と、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間とのいずれかを設定する区間制御部をさらに備え、前記区間制御部は、前記第1区間において前記複数のゲーム数セット全てのゲーム数が消費されたことを条件の一つとして、前記第1区間を終了して前記第2区間に移行可能に構成されていることが好ましい。
【0012】
また、第1の側面において、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行する第1区間と、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間とのいずれかを設定する区間制御部と、演出制御部と、をさらに備え、前記区間制御部は、前記複数のゲーム数セットのゲーム数に応じて第1区間を終了して前記第2区間に移行可能に構成されており、前記演出制御部は、前記複数のゲーム数セットのゲーム数を、前記第1区間の終了タイミングの指標となり得る残りゲーム数として報知可能であることが好ましい。
【0013】
また、第1の側面において、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行する第1区間と、前記ゲーム数管理部による前記複数のゲーム数セットのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間とのいずれかを設定する区間制御部と、遊技状態を、一般遊技状態、および、前記一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態のいずれかに設定する遊技状態制御部と、前記第1区間において前記特別遊技状態の期間に関する処理が実行可能な期間処理部と、をさらに備える、ことが好ましい。
【0014】
第2の側面は、図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部と、遊技期間の長さに関係する遊技パラメータが1以上の値で構成された遊技パラメータセットを複数管理するパラメータ管理部と、を備え、前記複数の役は、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する第1役を含み、前記パラメータ管理部は、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれの前記遊技パラメータを減少させる処理、が実行可能であり、前記複数の遊技パラメータセットそれぞれに対応する前記第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した前記第1役に対応する前記遊技パラメータセットの遊技パラメータを増加させる処理、が実行可能である、遊技機である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、遊技者に遊技を面白く感じさせることが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。
【
図4】第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図5】第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図7】内部抽せんテーブルにおける押し順ごとの入賞可能役を説明するための図である。
【
図8】本実施形態のスロットマシンの遊技フローを示す図である。
【
図9】上乗せ特化ゾーンにおけるゲーム数セットの残りゲーム数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【
図10】上乗せ特化ゾーンにおけるゲーム数セットの残りゲーム数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【
図11】上乗せ特化ゾーンにおけるゲーム数セットの残りゲーム数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【
図12】上乗せ特化ゾーンにおけるゲーム数セットの残りゲーム数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【
図13】上乗せ特化ゾーンにおけるゲーム数セットの残りゲーム数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【
図14】別の実施形態における、上乗せ特化ゾーンにおける差枚数セットの残り差枚数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【
図15】別の実施形態における、上乗せ特化ゾーンにおける差枚数セットの残り差枚数と上乗せ差枚数と入賞役とキャラクタ演出に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
本開示の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。
【0018】
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0019】
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0020】
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ102、および電飾部(図示略)が設けられている。液晶画面3、スピーカ102および電飾部は、報知部に相当する。
【0021】
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
【0022】
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
【0023】
電飾部は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0024】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、投入口が設けられたメダル投入部41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、精算スイッチ45および演出ボタン46などを含む。
【0025】
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受け付ける。
【0026】
メダル投入部41の投入口には、遊技媒体に相当するメダルが投入される。投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を制御部6に出力する。
【0027】
ベットスイッチ42は、メダルをベットする際に用いられる。
【0028】
レバー43は、各回転リール20を回転させるための操作を受け付けるスタートスイッチとして機能する。
【0029】
媒体表示部44は、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される。また、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に、遊技区間が有利区間であることを表示する。具体的に、媒体表示部44における7セグメントの一部が点灯することにより、遊技区間が有利区間であることが告知される。
【0030】
精算スイッチ45は、遊技者による遊技が終了して、払出口51からメダルが払い出される際に用いられる。
【0031】
演出ボタン46は、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、遊技データの確認などを行うために用いられるボタンである。また、演出ボタン46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出ボタン46が押下された場合、演出に変化が生じる。
【0032】
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
【0033】
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(
図2参照)。
【0034】
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
【0035】
回転リールユニット2は、
図1および
図2に示すように、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20それぞれには、
図3に示すように、複数の図柄が、当該回転リール20の周方向に沿って間隔を開けて配置されている。ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
【0036】
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0037】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
【0038】
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるためのボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
【0039】
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率、の期待値を表した値である。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値に応じて、リプレイやベルなどの、各種役の当せん確率が異なるからである。設定値は、店舗開店前に、店舗スタッフによって設定される。すなわち、設定値は、遊技者にとっての有利度、具体的には遊技者への出玉に関する恩恵、を規定するともいえる。
【0040】
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、必要に応じて、演出ボタン46を押下してスピーカ102から出力される音量調整、液晶画面3の光度調整を行う。
【0041】
遊技者は、メダル投入部41の投入口からメダルを投入しまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち遊技開始が可能となる。
【0042】
図1では、有効ラインLが、右下がりライン、右上がりライン、中段ラインの3本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、3本のラインLが有効化される。
【0043】
以下では、ベルやスイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、特殊リプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
【0044】
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作を云う。
【0045】
具体的には、遊技開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0046】
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
【0047】
<遊技状態について>
遊技中は、遊技区間および遊技状態の各種類が設定され、設定された遊技区間および遊技状態の各種類に基づいて内部抽せんが行われる。遊技状態には、
図4および
図5に示すように、第1遊技状態および第2遊技状態が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
【0048】
第1遊技状態は、
図4に示すように、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態を含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態は、排他的に成立する関係にある。
【0049】
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役(一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、RAMクリアボタン71を用いてRAMが初期化された場合、特別役実施状態に移行してから払い出しメダルの枚数が所定枚数(例えば180枚)を超えた場合などの、所定条件を満たした場合に設定される。特別役持ち越し状態にて特別役が入賞した場合(すなわち所定条件を満たした場合)、第1遊技状態は、一時的ではあるが特別役非持ち越し状態に設定される。
【0050】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしてはいるものの、当該特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、当該特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、よって特別役が未だ入賞していない状態をいう。
【0051】
ここで、一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置であって、ビッグボーナスなどが該当する。一種BBは、3枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であって、例えば2枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。特別役では、任意の特別役(例えば一種BB)の入賞が持ち越された状態にある場合、他の特別役(例えば二種BB)の抽せんは行われない。
【0052】
第1遊技状態が特別役非持ち越し状態である場合に特別役が当せんすると、第1遊技状態は、特別役非持ち越し状態から、当せんした当該特別役の入賞が持ち越された状態(特別役持ち越し状態)に移行する。
【0053】
当せんした特別役が入賞すると、第1遊技状態は、特別役持ち越し状態から、特別役非持ち越し状態を一時的に介して特別役実施状態に移行する。一種BBまたは二種BBが入賞したことによって第1遊技状態が特別役実施状態に移行すると、一種BBまたは二種BBによるメダルの払い出し枚数が所定枚数を超えるまで、特別役実施状態が維持される。
【0054】
さらに詳細に、特別役実施状態には、一種BB実施状態、二種BB実施状態、およびRB実施状態が含まれる。一種BBが実施されている一種BB実施状態の間に、内部抽せんによってRBが当せんし入賞した場合、特別役実施状態は、一種BB実施状態からRB実施状態に移行する。RB実施状態において12ゲーム消化または所定の役が8回入賞することで、特別役実施状態は、一種BB実施状態に移行する。
【0055】
第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一般遊技状態および特別遊技状態を含む。特別遊技状態には、AT状態および特別役実施状態が含まれる。
図5では、第2遊技状態が、一般遊技状態と、特別遊技状態としてのAT状態とで切り替えられる場合を例示する。一般遊技状態と特別遊技状態(AT状態)とは、排他的に成立する関係にある。
【0056】
一般遊技状態とは、AT状態および特別役実施状態などの特別遊技状態でない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態である。例えば、RAMクリア後やAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。一例として、遊技区間が有利区間である場合に、AT抽せんは、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。
【0057】
AT状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3やスピーカ102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が働いている状態である。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした場合や、有利区間でのゲーム数が所定ゲーム数(天井ゲーム数)に到達したり遊技の過程で蓄積してきたポイントが所定数(天井ポイント)に到達したりしたことでAT実施が決定した場合、第2遊技状態は、一般遊技状態からAT状態へと移行する。有利区間への移行後からのゲーム数が規定ゲーム数に到達した場合、または、有利区画への移行時からのメダルの払い出し差枚数(メダル払出枚数から投入枚数を減算したものの累積値)が有利区間における定められた所定枚数に達した場合に(いずれも有利区間の強制終了条件)、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。また、有利区間の強制終了条件が満たされずとも、決められたATでの遊技期間が経過したものの当該ATの遊技期間の延長が決定されなかった場合にも、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。これにより、AT状態は終了する。AT状態は、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の1つである。
【0058】
<遊技区間について>
上述した遊技区間とは、アシスト機能に関する処理が行われるか否かを決定するための区間である。アシスト機能に関する処理には、アシスト機能を発揮する処理(即ち、押し順をアシストする処理)の他、ATの実施可否を高確率で決定するCZ(チャンスゾーン)のように、アシスト機能を発揮させるか否かを決定する処理、が含まれる。
図6に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とを有する。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかを採り得る。
【0059】
通常区間とは、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行できないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、第2遊技状態が一般遊技状態である間に、遊技区間は通常区間を採ることができる。
【0060】
有利区間は、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、AT状態などの特別遊技状態で進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件を満たすまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。有利区間にてATが継続されていた状態で、当該有利区間の強制終了条件が満たされると、遊技区間は有利区間から通常区間に移行される。この際、ATは終了し、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態に移行する。
【0061】
<制御部の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部63を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部63は、メイン制御部61から送信された信号や演出ボタン46が押下されたことに基づいて、演出に関する制御を行う。
【0062】
メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、上述した遊技に関するデータに含まれる、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、現在ゲーム数の他、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。サブ制御部63のRAMには、演出制御に関する各種データなどが記憶される。
【0063】
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、遊技進行制御部614、有利区間設定部615、遊技状態制御部616、ゲーム数管理部617、区間制御部618、期間処理部619として機能する。サブ制御部63は、演出制御部630として機能する。
【0064】
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、レバー43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的に、内部抽せん部610は、レバー43が操作された時の第1遊技状態に基づいて、内部抽せんテーブル(図示せず)およびレバー43が操作された時に取得される乱数に従って内部抽せんを行う。内部抽せん部610は、後述する様々な抽せんを同時に行う。様々な抽せんには、例えば、AT状態に移行するかを決定する抽せん、AT状態を継続するかを決定する抽せん、アシスト機能を発揮させるか否かを決定する抽せんなどが挙げられる。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リール制御部611および遊技進行制御部614などに送信される。
【0065】
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルを基に、レバー43操作時のRT状態、特別役(ボーナス)中か否か、設定値、の組み合わせに応じて内部抽せんを行う。なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。当該役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役の他、メダルの払い出しのある押し順役などが含まれる。
【0066】
AT状態で遊技が行われる場合には、押し順役が内部抽せんにより当せんする場合がある。押し順役が当せんし、その押し順通りにストップスイッチ40が押下された場合には、当該押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば13枚)のメダルが払い出される。押し順役が当せんしたにも関わらず、押し順通りにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、当該押し順役は入賞しないか、またはその他の役(1枚役など)が入賞する。
【0067】
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんしている。一般遊技状態中に押し順役が成立した場合、正解押し順の報知はされないため、偶然にも正解押し順が押されない限り、押し順役は取りこぼされたり払い出しが1枚となったりする。AT状態中は、正解押し順が報知されるため、報知された正解押し順通りにストップスイッチ40を押すことができ、その結果複数枚(例えば13枚)のメダルが払い出される。
【0068】
次に、内部抽せんテーブルの一例を説明する。
図7に示すように、内部抽せんテーブルに記憶されている役のフラグには、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役フラグ、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役フラグが含まれる。
図7に示すように、小役は、入賞した場合に一定枚数のメダルの払い出しが行われる図柄の組み合わせの役またはリプレイが含まれる。また、リプレイは、入賞した場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる図柄の組み合わせであって、再遊技役である。純はずれは、小役以外の役であり、遊技価値(再遊技や払出)が設けられてない役である。
【0069】
図7に示す一例において押し順役フラグは、「押し順ベル1~6」に関する役のフラグである。
図7に示すように、押し順役の情報には、設定されている押し順役の識別情報、および、対応するストップスイッチ40の押し順に関する情報が含まれる。
【0070】
図7では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ40の押し順が、テーブルの上部の3つの文字で示されている。例えば、「左中右」は、左のストップスイッチ40、中のストップスイッチ40、右のストップスイッチ40の順にストップスイッチ40が操作されることを示している。
図7において、「左中右」の下方に“こぼし目”と表記されずに役の名称が表記されている部分については、ストップスイッチ40が「左中右」の順で操作されれば、表記されている役の図柄がリール窓200に停止表示され、対応するフラグの役が入賞されることを示している(すなわち正解押し順)。押し順役の押し順(具体的には正解押し順)は、所定の条件が満たされた場合(例えば、遊技区間が有利区間であって、第2遊技状態がAT状態である場合や、AT状態中にアシスト抽せんで当せんした場合)に、アシストされる。
【0071】
役のフラグ「押し順ベル1~6」は、1通りのストップスイッチ40の正解押し順によって複数枚(例えば13枚)のメダルが払い出される中段ベルと、5通りのストップスイッチ40の不正解押し順によって例えば1枚のメダルが払いだされるベルこぼし目とで構成される。本明細書で記載する払い出し枚数は例示であり、遊技機の仕様によって払出枚数を適切な値に設定可能である。
なお、押し順役に当選している場合において、実際の押し順が不正解である場合には、払い出しを受けられず(払い出しは0枚)、押し順役が非入賞(はずれ)となる場合がある。
【0072】
チェリー、スイカなどのレア役は、遊技者によるストップスイッチ40の押下タイミングによって入賞する場合と入賞しない場合とがある、いわゆる目押しが必要な当せん役(目押し役)である。レア役は、目押しによって入賞の可否がある役である。レア役以外の役、例えば共通ベルは、リール窓200から視認できる回転リール20の位置に、ベル図柄が右下がり配置(第1配置)にて目押し不要で揃う役である。
【0073】
チャンス目は、レア役当せん時のように、特別遊技状態(AT状態)への移行抽せんが得られる期待度が高い図柄の組み合わせからなる。例えば、
図7に示すように、特定の図柄(スイカ)が2つ有効ライン上に揃えば、3つとも有効ライン上に揃わなくても入賞する役としてもよい。
図7の例では、右上にスイカ、中央の中段にスイカ、左がハズレ(スイカ以外)であれば、入賞する例である。
【0074】
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、レバー43または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0075】
具体的には、回転リール20全ての回転が停止している状態にて、レバー43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
【0076】
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、当せんフラグが示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
【0077】
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、当せんした役と、各ストップスイッチ40操作時の回転リール20の位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
【0078】
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20の回転停止制御の各結果に基づいて遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。
【0079】
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
【0080】
具体的に、媒体管理部613は、メダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、メダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
【0081】
内部抽せんによって当せんした役が遊技者の操作に基づいて入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。
【0082】
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果の他、精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
【0083】
具体的に、当せんした役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
【0084】
さらに、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの払い出し枚数からメダルのベット数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数、および差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。メダルの差枚数およびレンジ(MY)は、有利区間設定部615に送信される。なお、媒体管理部613は、有利区間終了後に、メダルの差枚数およびレンジ(MY)をリセットする。
【0085】
―遊技進行制御部―
遊技進行制御部614は、遊技者の操作に基づいて遊技進行を制御する。その際、遊技進行制御部614は、店舗スタッフにより設定された設定値に基づいて、当該遊技者による遊技進行を制御する。
【0086】
また、遊技進行制御部614は、RAMクリアボタン71が押下された場合、メイン制御部61のRAMを初期化することで、遊技データをリセットする。遊技進行制御部614は、設定変更ボタン72が押下された場合、現在の設定値を他の設定値に変更する。
【0087】
―有利区間設定部―
有利区間設定部615は、遊技者による遊技の際、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
【0088】
具体的には、有利区間設定部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。所定の抽せん対象役が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。区間移行抽せんに当せんした場合、有利区間設定部615は、遊技区間を有利区間に設定(移行)する。
【0089】
なお、区間移行抽せんの当せん確率は、設定値に応じて異なっている。一例としては、設定値に応じて、前記所定の抽せん対象役の当せん確率が異なっているか、または、前記所定の当せん対象役の当せん時に行われる、区間移行抽せんの当せん確率が異なっている。
【0090】
また、有利区間設定部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するかを決定する。例えば、有利区間設定部615は、遊技区間が有利区間の時に、第2遊技状態がAT状態から一般遊技状態に移行させることを決定したか否かを判定する。一般遊技状態に移行させると決定された場合、有利区間設定部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。
【0091】
また、有利区間設定部615は、有利区間の状態での消化ゲーム数が規定ゲーム数(例えば3000ゲーム)に達した場合、または、有利区間の間にメダルの差枚数が所定枚数(例えば2400枚)に達した場合(即ち、有利区間の強制終了条件が満たされた場合)、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。
【0092】
また、有利区間設定部615は、遊技データがリセットされた場合、リセット直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
【0093】
なお、有利区間設定部615は、設定(移行)した区間の種類を表す信号を、媒体表示部44に送信する。これにより、媒体表示部44には、有利区間か否かが表示される。
【0094】
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
【0095】
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態または特別遊技状態(例えばAT状態)に設定する。
【0096】
一例として、
図4に示すように、遊技状態制御部616は、メイン制御部61のRAMクリアなどの所定条件が満たされた場合は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。内部抽せんにより特別役が当せんした直後、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。その特別役が入賞した場合、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態(特別遊技状態)に設定する。
【0097】
また、
図5に示すように、遊技状態制御部616は、内部抽せん部610によるAT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をAT状態に設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。有利区間の間にAT抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態(特別遊技状態)に設定する。逆に、AT抽せんに当せんしなかった場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定することができる。また、ATが終了した場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態から一般遊技状態に移行させる。すなわち、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を、一般遊技状態および特別遊技状態のいずれにするかを決定する。
【0098】
-ゲーム数管理部-
ゲーム数管理部617は、1以上のゲーム数からなるゲーム数セットを複数管理する。本実施形態では、上乗せ特化ゾーンにおいて7以下のゲーム数からなるゲーム数セットを3つ管理する例を示して、詳細は後述する。
【0099】
-区間制御部-
区間制御部618は、ゲーム数管理部617により複数のゲーム数セットそれぞれのゲーム数の増減処理を実行する第1区間(上乗せ特化ゾーン)と、ゲーム数管理部617により複数のゲーム数セットそれぞれのゲーム数の増減処理を実行しない第2区間(非上乗せ特化ゾーン)とのいずれかを設定可能である。詳細は後述する。
【0100】
-期間処理部-
期間処理部619は、AT状態(特別遊技状態)の期間に関する処理を実行する。具体的には、期間処理部619は、上乗せ特化ゾーンにおいて、下位ATの初期差枚数に対して上乗せする上乗せ差枚数を決定する。詳細は後述するが、例えば
図10に例示するように、上乗せ特化ゾーンにおいて、後述する回復役(第1役、第2役)が入賞または当せんすることにより、その回復役に応じた上乗せ差枚数が得られる。
【0101】
―演出制御部―
演出制御部630は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGMなどをスピーカ102から出力させる。例えば、演出制御部630は、ATやボーナスが当せんした場合、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、当該演出パターンに従って液晶画面3の表示制御およびスピーカ102の音声出力制御を行う。
【0102】
演出制御部630は、AT中、逐次当せんする押し順役の正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる(アシスト機能)。
【0103】
また、遊技中に、設定値を示唆する演出(以下、設定示唆演出ともいう)の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、当該演出の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1がどのような設定値なのかを、把握する材料の1つとすることができる。報知条件としては、通常区間か有利区間かを問わず一般遊技状態やAT状態でのレア役またはチャンス役当せん時、ボーナスゲームの終了時、AT終了時、所定遊技区間(例えばセット)等の区間の開始時などが挙げられる。
【0104】
<遊技フロー(ゲームフロー)>
図8は、本実施形態のスロットマシン1の遊技フローを示す図である。本実施形態では、通常区間における一般遊技状態、有利区間における一般遊技状態、および有利区間におけるAT状態での遊技が実行可能に構成されている。通常区間における一般遊技状態において有利区間への移行条件が成立すれば、遊技区間は通常区間から有利区間に移行して、スロットマシン1は、有利区間における一般遊技状態となる。有利区間における一般遊技状態においてAT状態への移行条件が成立すれば、AT状態へ移行する。
【0105】
本実施形態のAT状態は、ゲーム数管理型で遊技が進行する第1部分、差枚数管理型で遊技が進行する第2部分、更には、所定期間のゲーム数を1ゲームずつ消化する間の遊技展開により当該期間の終了が柔軟に延長される第3部分を含んだ構成となっている。
具体的には、本実施形態のAT状態(特別遊技状態)は、上乗せ特化ゾーン、勝利特典ゾーン、下位ATで構成されている。勝利特典ゾーンは、疑似ボーナスおよび上位ATを有する。上乗せ特化ゾーンは、非AT状態からAT状態に移行した直後に実行される第1区間(第1遊技モード)であるが、下位ATから移行する場合がある。
下位ATは、所定差枚数(例えば100枚)が初期値、つまりは最低保証枚数が設定された下でATが進行するゾーンであって、上記第2部分に相当する。また、上乗せ特化ゾーンは、複数のゲーム数セットそれぞれのゲーム数を増減処理し、残りゲーム数を一つの条件として終了するゾーンであって、上記第3部分に相当する。勝利特典ゾーンの疑似ボーナスは、固定ゲーム数(例えば50ゲーム)が消化されるまで継続されるゾーンであって、上記第1部分に相当する。勝利特典ゾーンの上位ATは、1セットが所定ゲーム(例えば10ゲーム)で構成されるセットが所定の継続確率(例えば80%)で継続するゾーンであって、上記の第1部分に相当する。
【0106】
上乗せ特化ゾーンは、下位ATの初期値である所定差枚数に対して、上乗せする差枚数を決定する。上乗せ特化ゾーンの詳細は、後述するが、複数の味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルに関する演出が実行される。上乗せ特化ゾーンにおいて、敵キャラクタとのバトルに勝利した場合に勝利特典ゾーンに移行する。上乗せ特化ゾーンにおいて、敵キャラクタとのバトルに敗北した場合に、勝利特典ゾーンに移行せずに、下位ATに移行する。
【0107】
勝利特典ゾーンは、疑似ボーナスおよび上位ATを有し、いずれかが択一で実行される。疑似ボーナスへの移行条件は、上乗せ特化ゾーンにおいて通常の敵キャラクタにバトルで勝利することである。敵キャラクタは複数存在するが、そのうち通常の敵キャラクタは、以下に述べる特別な敵キャラクタを除いた敵キャラクタをいう。疑似ボーナスは、所定数(例えば20ゲーム)の消化で終了し、疑似ボーナス終了後は下位ATへ移行する。疑似ボーナスで付与される遊技に関する恩恵には、疑似ボーナスの消化による固定ゲーム分のメダルの獲得のみならず、疑似ボーナスが終了して下位ATに移行した後で、必ず1回は上乗せ特化ゾーンに戻ることができる恩恵が含まれる。
上位ATへの移行条件は、上乗せ特化ゾーンにおいて特別な敵キャラクタ(レアな敵キャラクタなど)にバトルで勝利することである。上位ATでは、1セットが所定ゲームからなるAT遊技が、例えば最低5セット保証されている。上位ATにおいて1セットのゲームを消化するたびに、所定の継続確率にて継続抽せん処理が実行される。継続抽せん処理において、継続決定されれば、1セットが追加され、引き続き上位ATでの遊技が実施される。継続しないと決定された場合には、残りゲーム数の消化をもって上位ATが終了する。
【0108】
下位ATは、初期値である所定差枚数と、上乗せ特化ゾーンで上乗せされた差枚数とを加算した枚数が、獲得可能な差枚数に設定される。下位ATで獲得可能な差枚数(所定差枚数+上乗せ量)が実際に遊技者に払い出され、獲得可能な残り枚数が0枚になると、下位ATが終了し、AT状態(特別遊技状態)が終了し、遊技区間は有利区間から通常区間に転落するとともに、第2遊技状態は一般遊技状態へ移行する。下位ATでは、当せん役に応じてポイントが蓄積される。下位ATで蓄積したポイントが所定値(例えば999ポイント)に到達すれば、上乗せ特化ゾーンに移行する。また、疑似ボーナスで上乗せ特化ゾーンの次回の実行権利をストックされている場合には、下位ATに移行した直後または下位ATに移行して差枚数が所定枚数に到達した時点、下位ATでの残り差枚数が0枚になった時点で上乗せ特化ゾーンに移行してもよい。
【0109】
[上乗せ特化ゾーン]
図9に示すように、上乗せ特化ゾーンでは、複数(本実施形態では3人)の味方キャラクタA,B,Cと、敵キャラクタとのバトル演出が演出制御部630によって実行される。
図9は、液晶画面3に表示される演出を示している。ゲーム数管理部617は、1以上のゲーム数からなるゲーム数セットを複数管理する。本実施形態では、ゲーム数管理部617は、残りゲーム数を管理し、残りゲーム数が最大7最小0となるゲーム数セットを3つ管理している。各々のゲーム数セットはそれぞれ、味方キャラクタA,B,Cが対応している。
図9の例では、味方キャラクタA,B,Cがそれぞれ初期ゲーム数として7ゲームを有する。
図9の例では、対応する味方キャラクタA,B,Cの画像に加え、ゲーム数に関して「6ゲーム/7ゲーム」というように、残りゲーム数と、初期値のゲーム数とが同時に表示されている。この表示は、味方キャラクタA,B,Cの人数分、つまりゲーム数セット分用意され、並んで表示される。これにより、残りゲーム数が6ゲームであると上乗せ特化ゾーンの残り期間に関する指標を認識可能である。以下に述べるように、残りゲーム数は、遊技展開によって増減し得るが、本実施形態では、残りゲーム数の最大値は、初期ゲーム数と同等であって、たとえ残りゲーム数が増加したとしても初期ゲーム数を超えない場合を例示している(残りゲーム数の最大値「7」=初期ゲーム数)。
【0110】
図9に例示するように、各々の味方キャラクタA,B,C(すなわち、複数個(3つ)のゲーム数セット)それぞれには、対応する第1役(回復役の一種)が設定されている。上乗せ特化ゾーン中に入賞し得る複数の役には、複数個(3つ)のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役の一種)と、後述する第2役(回復役の一種)と、回復役には該当しない役とが含まれる。本実施形態では、3つのゲーム数セットにそれぞれ「共通ベル」、「チャンス目」、「リプレイ」が第1役として設定されている。3つのゲーム数セットそれぞれに味方キャラクタA,B,Cが割り当てられている。回復役の一種である第1役は、当せんまたは入賞することにより、対応するゲーム数セット(キャラクタ)の残りゲーム数を増大させる。本実施形態では初期値の残り7ゲームに戻している。
回復役は、第1役および第2役を含む。回復役の一種である第2役は、第1役とは異なるレア役等の特殊役で構成されている。第2役は、回復役であるが、各々のゲーム数セット(各々の味方キャラクタA,B,C)の固有の回復役ではなく、各々のゲーム数セット(各々の味方キャラクタA,B,C)に共通する回復役である。
【0111】
上乗せ特化ゾーン中も、図柄変動ゲームの開始を契機として(レバー43が操作されること)、複数の役のうち入賞し得る内部当せん役を決定する内部抽せん処理が内部抽せん部610に実行される。内部当せん役とストップスイッチ40の操作に基づいて内部当せん役が入賞または非入賞となる。ゲーム数管理部617は、
図9に示すように、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役のいずれもおよび第2役が非当せんまたは非入賞の場合(
図9では、はずれとなり、第1役である「共通ベル」、「チャンス目」および「リプレイ」のいずれもが非当せんおよび非入賞である)、複数個(3つ)のゲーム数セットそれぞれの残りゲーム数を1減少させる処理を行う。
【0112】
例えば、
図9の例は、各味方キャラクタA,B,Cのゲーム数セットの残りゲーム数が7である状態で、純はずれが入賞または当せんした場合を示している。純はずれに入賞または当せんすることで、各々の味方キャラクタA,B,Cの残りゲーム数が7ゲームから6ゲームに1減算される。
図9の例では、回復役に入賞することや当せんすること等の回復条件が成立しない限り、回復条件が成立しないゲーム数セット(味方キャラクタ)の残りゲーム数が1ゲーム消化する度に一律に1減算される。回復条件が成立することには、回復役(第1役や第2役)が当せんまたは入賞すること等が挙げられる。また、上乗せ特化ゾーン中の1遊技において、回復条件が成立するゲーム数セット(味方キャラクタ)がなければ、敵キャラクタによる、生存している味方キャラクタA,B,Cに対する攻撃演出が実行される。この場合、追加の上乗せ差枚数を得ることができない。回復条件が成立しない場合は、例えば、第1役や第2役のいずれにも入賞または当せんしないことである。第1役や第2役のいずれにも入賞または当せんしない例として例えば、押し順ベル、はずれ、一枚役のいずれかが当せんまたは入賞することが挙げられる。
【0113】
複数のゲーム数セットのうち、とある味方キャラクタ(すなわち、ゲーム数セット)の残りゲーム数が残り0ゲームとなった状態で、その味方キャラクタに対する回復条件が成立しなかった場合(押し順ベル、はずれ、一枚役のいずれかが当せんまたは入賞した場合)に、終了抽せん処理が実行される。終了抽せん処理は、回復役の当せんまたは入賞に応じて残りゲーム数を増加させて元に戻したり減少させたりする増減処理を終了させるか否か、を決定する処理である。終了抽せん処理において、終了することに当せんした場合に、残り0ゲームのゲーム数セット(味方キャラクタ)は終了(戦闘不能)となる。ゲーム数セット(味方キャラクタ)が終了(戦闘不能)した場合、演出では、ゲーム数セットの表示部分がグレーアウトし、対応する味方キャラクタは戦線離脱となる。終了抽せん処理において、終了することを当せんしなかった場合には、当該処理が行われたゲーム数セットについては、残り0ゲームの状態が継続する。残り0ゲームの状態が継続している状態で上乗せ特化ゾーンでの遊技が進められる間、残りゲーム数が0ゲームではない他のゲーム数セットに対しては、当せんまたは入賞した役に応じた残りゲーム数の増減が行われる。残り0ゲームの状態が継続した状態では、当該ゲーム数セットはまだ終了しておらず、回復条件が成立すれば残りゲーム数の増減(ここでは元に戻る)処理がなされるため、いわば回復条件の待機中と言える。
【0114】
本実施形態では、第2区間は、上乗せ特化ゾーン以外のゾーン(非上乗せ特化ゾーン)であり、例えば、勝利特定ゾーン、下位AT、一般遊技状態の3つが挙げられる。詳細は後述する。区間制御部618は、第1区間(上乗せ特化ゾーン)において複数のゲーム数セット全ての残りゲーム数が消費されたことを条件の一つとして、第1区間(上乗せ特化ゾーン)を終了して第2区間に移行可能に構成されている。
図9に示すように、複数のゲーム数セットの残りゲーム数を、第1区間(上乗せ特化ゾーン)の終了タイミングの指標となり得る残りゲーム数として報知可能である。
図9の例では、初期値7ゲーム中、残り6ゲームであることを報知(演出)している。
本実施形態では、3つのゲーム数セットの全てが残り0ゲームとなることを条件の一つとして、第1区間(上乗せ特化ゾーン)を終了する。本実施形態では、全てのゲーム数セットの残り0ゲームとなっただけでなく、全てのゲーム数セットが終了状態になることをもって、第1区間が終了する。残りゲーム数が0でないゲームセット数が1つでもあれば、第1区間(上乗せ特化ゾーン)は継続する。味方キャラクタでいいかえれば、戦線離脱し戦闘不能になっていない味方キャラクタが一人でもいれば、第1区間(上乗せ特化ゾーン)が継続し、全ての味方キャラクタが戦線離脱した場合に、第1区間(上乗せ特化ゾーン)が終了する。
【0115】
回復役が当せんまたは入賞した例を説明する。
図10、
図11および
図12に示すように、ゲーム数管理部617は、上乗せ特化ゾーンでの遊技中に、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役の一種)のいずれかが当せんまたは入賞した場合(
図10では、味方キャラクタAの第1役「共通ベル」が入賞、
図11では味方キャラクタBの第1役「チャンス目」が入賞、
図12では味方キャラクタCの第1役「リプレイ」が入賞した例を示す)には、当せんまたは入賞した第1役に対応するゲーム数セットの残りゲーム数が増加し、当せんまたは入賞した第1役に対応するゲーム数セット以外のゲーム数セットの残りゲーム数は、増加せずに減少する。例えば、
図11および
図12における第1役「共通ベル」のゲーム数セットにて表れているように、遊技が連続して行われるものの、その間に回復条件が成立しない限り(回復役の一種である第1役「共通ベル」および回復役の一種である第2役(特別役)が非当せんおよび非入賞)、回復条件が成立しないゲーム数セットの残りゲーム数は減少し続ける。
【0116】
例えば、
図10に示すように、味方キャラクタAの第1役は共通ベルであり、共通ベルが入賞すれば、第1役「共通ベル」に対応する味方キャラクタAのゲーム数セットの残りゲーム数を増加させ、味方キャラクタAの残りゲーム数が初期値の7ゲームに戻る。当該ゲームでは、レバー43および3つのストップスイッチ40が押されたことを契機として、第1役に対応する味方キャラクタの敵キャラクタに対する攻撃演出が実行される。第1役に当せんまたは入賞した恩恵として、期間処理部619が、特別遊技状態(AT状態)の期間に関する処理として上乗せ差枚数を決定し、決定した上乗せ差枚数が表示される(例えば+10枚GETなど)。決定された上乗せ差枚数は、第1役または第2役に当せんまたは入賞時に決められる数である。決定された上乗せ差枚数は、累計値として上乗せ加算差枚数に加算される(画面右下の「上乗せ10枚/200枚」の10枚を参照)。ここでいう、200枚は、上乗せ加算差枚数(累積値)の上限値である。上乗せ加算差枚数は、1の上乗せ特化ゾーン継続中に、決定された上乗せ差枚数を加算していった累積値である。一方、共通ベルは味方キャラクタAの残りゲーム数に対応する第1役であり、他の味方キャラクタB,Cの残りゲーム数に対応する第1役ではないため、味方キャラクタA以外の味方キャラクタB,Cのゲーム数セットの残りゲーム数が増加せず、1減る。攻撃演出に伴って決定された上乗せ差枚数の演出がなされ、決定された上乗せ差枚数が下位ATの上乗せ加算差枚数(特別遊技状態の期間の延長量)の少なくとも一部になることで、遊技者にとって特別遊技状態の期間の延長分を勝ち取ったという満足感を付与することができる場合がある。
図11に示すように、味方キャラクタBの第1役はチャンス目であり、チャンス目が入賞すれば、第1役「チャンス目」に対応する味方キャラクタBの残りゲーム数が初期値の7ゲームに戻る。チャンス目は味方キャラクタBのゲーム数に対応する第1役であり、他の味方キャラクタA,Cのゲーム数に対応する第1役ではないため、味方キャラクタA,Cの残りゲーム数が1減る。第1役「チャンス目」に対応する味方キャラクタBによる敵キャラクタへの攻撃演出がなされる。決定された上乗せ差枚数が表示される点、上乗せ加算差枚数(累計値)が表示される点は、
図10の例と同じである。
図12に示すように、味方キャラクタCの第1役はリプレイであり、リプレイが入賞すれば、味方キャラクタCの残りゲーム数が初期値の7ゲームに戻る。リプレイは味方キャラクタCの残りゲーム数に対応する第1役であり、他の味方キャラクタA,Bの残りゲーム数に対応する第1役ではないため、味方キャラクタA,Bの残りゲーム数が1減る。第1役「リプレイ」に対応する味方キャラクタCによる敵キャラクタへの攻撃演出がなされる。決定された上乗せ差枚数が表示される点、上乗せ加算差枚数(累計値)が表示される点は、
図10の例と同じである。
【0117】
図13は、回復役の一種である第2役(特殊役;目押しを要するレア役など)が当せんまたは入賞した場合を示す図である。第2役は、第1役よりも付与される恩恵が強い。第1役は対応するゲーム数セット(味方キャラクタ)の残りゲーム数のみを増やすだけであるが、第2役は、少なくとも2つ(本実施形態では全て)のゲーム数セット(味方キャラクタ)の残りゲーム数を増やすことが可能である。
図13に示すように、各々のゲーム数セット(各々の味方キャラクタA,B,C)に対応付けられた回復役(第1役)以外の特殊役(第2役;目押しを要するレア役)に当せんまたは入賞した場合には、全て(3つ)のゲーム数セット(3人の味方キャラクタA,B,C)の残りゲーム数が一括で増大し、初期値の7ゲームに戻る。演出では、特殊役が当せんまたは入賞したゲームにて、レバー43および3つのストップスイッチ40のいずれかが押されたことを契機として、全ての味方キャラクタA,B,Cが敵キャラクタに一斉に攻撃して、個別攻撃よりも大きなダメージを与える演出が出力される。それに伴って、得られる差枚数も個別攻撃よりも大きいことが好ましい。
図13の例では、上乗せ差枚数が50枚に決定され、「+50枚GET!」と演出され、+50枚が上乗せ加算差枚数に累積される。本実施形態では、第1役が当せんまたは入賞したときに決定される上乗せ差枚数は、役の種類に関係なく一律で固定値(例えば10枚)である。第2役が当せんまたは入賞したときに決定される上乗せ差枚数は、第1役に比べて多く、且つ役の種類に関係なく一律で固定値(例えば50枚)である。
【0118】
-特殊攻撃:「コンボ攻撃」-
上乗せ特化ゾーンには、特殊攻撃として「コンボ攻撃」が行われることがある。上乗せ特化ゾーンには、第1役をカウントするための内部カウンタが用意されている。内部カウンタは、上乗せ特化ゾーン中に当せんまたは入賞した役が、第1役に含まれる役のいずれか(共通ベル、チャンス目、リプレイ)であればカウントアップする。。期間処理部619が内部カウンタのカウントアップを行う。第1役が当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した第1役の内部カウンタがカウントアップする。第1役の内部カウンタが規定値に到達するまでは、上述した第1役に対応するゲーム数セットの残りゲーム数増大処理、上乗せ加算差枚数の累積処理、および、第1役に対応する味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃を加える通常の攻撃演出の出力処理が行われる。第1役の内部カウンタが規定値に到達した場合、当せんまたは入賞した第1役に対応するゲーム数セットの残りゲーム数が増大(初期値に戻る)とともに、上乗せ加算差枚数が増加する演出がなされ、さらに、対応する味方キャラクタが敵キャラクタに対して通常攻撃(非コンボ攻撃)とは異なる連続攻撃(コンボ攻撃)を行う演出が実行される。それに伴い、連続攻撃がなされるゲームでの上乗せ加算差枚数の増加(連続攻撃がなされるゲームで決定される上乗せ差枚数)は、通常攻撃演出時の増加分(通常攻撃時に決定される上乗せ差枚数)よりも大きい。
本実施形態では、ストップスイッチ40を1つ目、2つ目を押下したタイミングで、通常攻撃の演出が出力されているが、3つ目のストップスイッチ40を押下したタイミングで、3つ目のストップスイッチ40に対応して停止するべきリール20が停止せずに回転し続けるフリーズ演出が発生して、追加の連続攻撃演出がなされる。追加の連続攻撃演出は、連続攻撃中の最初の攻撃を受けた敵キャラクタのダメージモーション中に、さらに攻撃を追加する演出がなされる。また、第1役の内部カウンタが規定値に到達した場合に、どの程度上乗せするかを決定する上乗せ差枚数抽せんが行われる。本実施形態では、上乗せ差枚数抽せんにおいて、内部カウンタが規定値に到達していない通常攻撃の場合よりも多くなるように決定されている。コンボ攻撃が発動した場合には、対応する第1役の内部カウンタがリセットされる。
【0119】
-特殊攻撃:「援護攻撃」-
上乗せ特化ゾーンにおいて、特殊攻撃として「援護攻撃」が行われることがある。はずれ、押し順ベル、1枚役などの回復役(第1役、第2役)でもない役、つまりどのゲーム数セットの残りゲーム数も初期値に戻ることのない役が当せんまたは入賞した場合に、遊技進行制御部614が内部の非攻撃ポイントをカウントアップする。上乗せ特化ゾーン中に当該役が当せんまたは入賞するたびに、非攻撃ポイントの加算値が決定され、これまでの非攻撃ポイント値に蓄積されていく。
演出では、上乗せ特化ゾーンにおいて非攻撃ポイントが規定値に到達した場合に、複数個(3つ)のゲーム数セットに対応する味方キャラクタA,B,Cとは異なるお助けキャラクタが登場し、敵キャラクタに援護攻撃する演出が発生する。この援護攻撃演出は、3つ目のストップスイッチ40を押下したタイミングでフリーズが発生し、その直後に出力される。援護攻撃の演出(映像)は、複数パターンあり、その中から抽せんで決定した演出が実行される。援護攻撃が発動した場合には、非攻撃ポイントがリセットされる。
【0120】
以上をまとめると、本実施形態のように、スロットマシン1(遊技機)は、図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部(内部抽せん部610と媒体管理部613の総称)と、1以上の残りゲーム数(ゲーム数)からなるゲーム数セットを複数管理するゲーム数管理部617と、を備え、複数の役は、複数個のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)を含み、ゲーム数管理部617は、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、複数個のゲーム数セットそれぞれの残りゲーム数(ゲーム数)を減少させる処理、が実行可能であり、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役)のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した第1役(回復役)に対応する前記ゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)を増加させる処理、が実行可能である、としてもよい。
【0121】
<発明の効果>
本実施形態によれば、第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)のいずれにも非当せんまたは非入賞の場合に複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)がそれぞれ減少し、第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)のいずれかに内部当せんまたは入賞する場合に、当せんまたは入賞した第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)に対応する残りゲーム数(ゲーム数)が増加するという新規のゲームを提供可能となる。よって、遊技者がどのような役を当せんさせたかにより、複数のゲーム数セット数それぞれの残りゲーム数の増減がなされるため、単調ではない、複雑なゲーム展開が継続される。従って、遊技者に遊技を面白く感じさせることが可能な遊技機を提供可能となる。
【0122】
また、本実施形態のように、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)のいずれかが内部当せんまたは入賞することを契機として、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)に対応する前記ゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)が増加し、前記内部当せんまたは入賞した前記第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)に対応する前記ゲーム数セット以外のゲーム数セットの前記残りゲーム数(ゲーム数)は増加しない処理が実行可能である、としてもよい。
この構成によれば、どの第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)がどのゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)に対応しているかが分かり、遊技を面白くすることが可能となる。
【0123】
また、本実施形態のように、第1役の内部当せんまたは入賞すること以外の所定条件が成立することを契機として、複数のゲーム数セットのうち少なくとも2つのゲーム数セットのゲーム数が増加する処理が実行可能である、としてもよい。
この構成によれば、所定条件が成立して、少なくとも2つのゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)が一斉に増加して回復するというゲームを提供可能となる。従って、複数のゲーム数セット数それぞれの残りゲーム数の増減がより複雑化し、どのような役が当せんまたは入賞するかによって1ゲーム毎のゲーム展開が変わるため、先の展開が読めない遊技が継続される。
【0124】
また、本実施形態のように、所定条件が成立することは、第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)以外の第2役(回復役;目押しを要するレア役)が内部当せんまたは入賞することである、としてもよい。
この構成によれば、仮に第1役が成立せずとも、少なくとも2つのゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)を回復させる第2役の成立に期待しながら遊技を進めることができる。
【0125】
また、本実施形態のように、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役(回復役;共通ベル、チャンス目、リプレイ)に味方キャラクタA,B,Cが割り当てられており、内部当せんまたは入賞した第1役に対応する味方キャラクタA,B,Cに関する演出を実行可能な演出制御部630をさらに備える、としてもよい。
この構成によれば、単なるゲーム数だけでなく、キャラクタに関連付けることによって、ゲームが分かりやすなり、且つゲームへの没入感を高めることが可能になる。
【0126】
また、本実施形態のように、ゲーム数管理部617による複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理を実行する第1区間(上乗せ特化ゾーン)と、ゲーム数管理部617による複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理を実行しない第2区間(下位AT、勝利特典ゾーン)とのいずれかを設定する区間制御部618をさらに備え、区間制御部618は、第1区間(上乗せ特化ゾーン)において複数のゲーム数セット全ての残りゲーム数(ゲーム)数が消費されたことを条件の一つとして、第1区間(上乗せ特化ゾーン)を終了して第2区間(下位AT、勝利特典ゾーン)に移行可能に構成されている、としてもよい。
この構成によれば、複数のゲーム数セット全ての残りゲーム数(ゲーム数)が消費されなければ、第1区間(上乗せ特化ゾーン)が継続可能となる新たなゲームを提供可能となる。従って、第1区間がいつまで続くか分からない展開に、遊技者は面白みを感じることができる。
【0127】
また、本実施形態のように、ゲーム数管理部617による複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理を実行する第1区間(上乗せ特化ゾーン)と、ゲーム数管理部617による複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理を実行しない第2区間(下位AT、勝利特典ゾーン)とのいずれかを設定する区間制御部618と、演出制御部630と、をさらに備え、区間制御部618は、複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)に応じて第1区間(上乗せ特化ゾーン)を終了して第2区間(下位AT、勝利特典ゾーン)に移行可能に構成されており、演出制御部630は、複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)を、第1区間(上乗せ特化ゾーン)の終了タイミングの指標となり得る残りゲーム数として報知可能である、としてもよい。
この構成によれば、第1区間(上乗せ特化ゾーン)の終了タイミングの指標となり得る残りゲーム数が報知されるので、遊技者は、報知結果に基づいて第1区間を終わらせないように、回復役の成立に期待を寄せるという遊技が可能となり、遊技の面白みを増大可能となる。
【0128】
また、本実施形態のように、ゲーム数管理部617による複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理を実行する第1区間(上乗せ特化ゾーン)と、ゲーム数管理部617による複数のゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理を実行しない第2区間(下位AT、勝利特典ゾーン)とのいずれかを設定する区間制御部618と、遊技状態を、一般遊技状態、および、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態のいずれかに設定する遊技状態制御部616と、第1区間(上乗せ特化ゾーン)において特別遊技状態の期間に関する処理が実行可能な期間処理部619と、をさらに備える、としてもよい。
この構成によれば、ゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の増減処理が行われる第1区間(上乗せ特化ゾーン)において、特別遊技状態の期間に関する処理(上乗せ差枚数の決定)が実行されるので、特別遊技状態の期間がどうなるかに期待を持たせつつゲーム数の増減処理による新たなゲームを提供可能となる。
【0129】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0130】
(1)前記実施形態において、第2役が当せんまたは入賞すると、全てのゲーム数セットの残りゲーム数が増大し、全ての味方キャラクタA,B,Cによる演出が出力されるが、これに限定されない。例えば、複数個のゲーム数セットのうち少なくとも2つのゲーム数セットの残りゲーム数が増大し、少なくとも二つの味方キャラクタによる演出がなされればよい。
【0131】
(2)前記実施形態では、残り0ゲームとなっただけでなく、全てのゲーム数セットが終了状態になることをもって、第1区間が終了するとしているが、全てのゲーム数セットが残り0ゲームとなることを契機として第1区間が終了してもよい。例えば、残りゲーム数が0となった時点で、そのゲーム数セットは終了としてもよいし、終了とするかを決定する抽せんを行ってもよい。
【0132】
(3)前記実施形態では、ゲーム数セットが終了する条件(味方キャラクタが戦線離脱して戦闘不能になる条件)は、残りゲーム数が0になってから実行される終了抽せん処理にて終了することに当せんすることであるが、これに限定されない。例えば、終了抽せん処理を実行せずに、回復条件が成立しなかった場合(押し順ベル、はずれ、一枚役のいずれかが当せんまたは入賞した場合)に確実に終了すると決定してもよい。
【0133】
(4)前記実施形態では、コンボ攻撃および援護攻撃の演出パターンが複数存在するが、各々の演出パターンが1つのみでもよい。また、演出パターンの候補が複数存在する場合には、演出パターンが設定示唆演出を兼ねていてもよい。具体的には、設定値毎に演出パターンの選択確率が異なるように設定されており、実際の設定値によって演出パターンが選択されて表示される。すなわち、お助けキャラクタとして誰が登場するか、どのようなコンボ攻撃ができるかが、設定示唆演出となる、としてもよい。
【0134】
(5)コンボ攻撃の発動条件に関わるカウンタ値、援護攻撃の発動条件に関わる非攻撃ポイントの溜まり具合を示唆する演出が実行可能に構成されていてもよい。これにより、コンボ攻撃や援護攻撃が発動する可能性の度合いが報知され得る。例えば、画像の枠を囲うようにしたエフェクトを表示し、そのエフェクトによって上記の発動可能性を報知することが挙げられる。その際、エフェクトの色が白であれば、上記の発動可能性が低く、枠の色が青、緑、赤と変化するにつれて上記の発動可能性が高い、と示唆することが挙げられる。
【0135】
(6)上乗せ特化ゾーンにおいて、敵キャラクタの見た目(ダメージ蓄積量)と、上乗せ差枚数の累積値とが相関していてもよい。例えば、敵キャラクタのダメージが蓄積すれば、敵キャラクタがしだいに弱っていく様子が演出される、としてもよい(例えば、敵キャラクタの動作が弱々しい、悲壮感漂った外観などが挙げられる)。
逆に、上乗せ特化ゾーンにおいて、敵キャラクタの見た目(ダメージ蓄積量)と、上乗せ差枚数の累積値とが相関しなくてもよい。この場合、上乗せ差枚数の累積値が所定値に到達した場合に敵キャラクタが倒れる演出が発生することが挙げられる。
【0136】
(7)上乗せ特化ゾーンにおいて、上乗せ差枚数は、当せん役または入賞役に応じて固定で決定されてもよいし、上乗せ差枚数が付与されることが決定される度に抽せんで付与する上乗せ差枚数を決定するようにしてもよい。
また、複数の敵キャラクタのうちのどの敵キャラクタとバトルしているかに応じて、上乗せ差枚数が変化してもよい。例えば、第1敵キャラクタは、得られる上乗せ差枚数が相対的に大きく、第2敵キャラクタは、得られる上乗せ差枚数が相対的に小さい、としてもよい。
また、上乗せ差枚数を決定する抽せん処理において、複数種類の上乗せ差枚数それぞれに決定される確率が設定されており、各々の確率で上乗せ差枚数を決定してもよい。例えば、チャンス目当せん時には、上乗せ差枚数が10枚と決定される確率が50%に設定され、上乗せ差枚数が20枚と決定される確率が30%に設定され、上乗せ差枚数が30枚と決定される確率が15%に設定され、上乗せ差枚数が50枚と決定される確率が5%に設定され、抽せん処理によって上記複数種類の上乗せ差枚数のいずれかに決定されることが挙げられる。また、回復役の種類によって上記確率の配分が異なってもよい。
また、設定値に応じて上乗せ差枚数が変化するようにしてもよい。例えば、設定値に応じた値にしてもよいし、設定値に応じた確率で決定してもよい。具体例として、例えば、設定値が偶数時の上乗せ差枚数が、設定値が奇数時の上乗せ差枚数よりも小さい傾向となる。また、別の例として、設定値が高設定(例えば設定値が4,5,6)の場合には、上乗せ差枚数が「456枚」となる場合がある。この場合、456枚が上乗せ枚数として1度でも決定されれば、遊技者は設定値が4,5,6のいずれかだと推測可能となる。
別の例として、設定値が高いほど、上乗せ差枚数が多く決定される可能性を高いことが好ましい。
【0137】
(8)上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ差枚数の決定について、例えば、第1役と得られる上乗せ差枚数とを関連付けておき、当せんまたは入賞した第1役に対応する上乗せ差枚数を使用するようにしてもよい。具体的な一例として、第1役「チャンス目」の上乗せ差枚数が20枚と関連付けられ、第1役「ベル」の上乗せ差枚数が10枚と関連付けられ、第1役「リプレイ」の上乗せ差枚数が5枚と関連付けられている。ここで、第1「チャンス目」に当せんまたは入賞すれば、期間処理部619が、上乗せ差枚数が20枚であると決定することが挙げられる。
また、味方キャラクタが敵キャラクタに与えるダメージ量と、得られる上乗せ差枚数とを関連づけておき、ダメージ量を決定してから、ダメージ量に対応する上乗せ差枚数が決定されてもよい。ダメージ量の決定は、回復役と紐づいたダメージ量を使用してもよいし、抽せんにより決定してもよい。すなわち、ダメージ量を介して上乗せ差枚数を決定してもよい。つまり、役の種類によってダメージ量が決定され、ダメージ量によって上乗せ差枚数が決定される。具体的な一例として、リプレイであればHPの減少量(ダメージ量)が10~20のいずれかの中から抽せん処理で決定される。HPの減少量(ダメージ量)が10~20のいずれかであれば、上乗せ差枚数が10~20枚のいずれかに決定される。共通ベルであればHPの減少量(ダメージ量)は21以上に決定され、上乗せ差枚数が30枚に決定されることが挙げられる。この場合のダメージ量の決定処理、上乗せ差枚数の決定処理は、メイン制御部61で実行される。
【0138】
(9)前記実施形態では、ゲーム数セットの残りゲーム数は、回復条件の成立により、増加し、初期値の7ゲームに戻っているが、これに限定されない。例えば、残りゲーム数が3ゲームの状態で回復条件が成立したとする。この場合、残りゲーム数は、回復条件の成立により、初期値の7ゲームを超える値(例えば10ゲーム)まで増加してもよいし、初期値の7ゲームよりも少ない値(例えば5ゲーム)まで増加してもよい。つまり、回復条件の成立直後の残りゲーム数は、回復条件の成立により、当該成立前に比べて増加していればよい。また、回復条件の成立により、残りゲーム数がどの値まで増加するかが異なる場合があってもよい。例えば、第1役が成立した場合、対応するゲーム数セットの残りゲーム数は初期値まで増加する(元に戻る)が、第2役が成立した場合には、全てのゲーム数セットのうち、残りゲーム数が初期値をオーバーするように増加するものがあってもよい。また、回復条件の成立により、残りゲーム数をどの値まで増加するかが決定されているのではなく、どの程度増加させるか(増加させるゲーム値)が決められもよい。
【0139】
(10)前記実施形態では、押し順役は回復役(第1役や第2役)ではないが、押し順役が回復役に含まれていてもよい。その場合には、押し順役の正解押し順を報知してもよいし、正解押し順を報知しなくてもよい。
また、押し順役である回復役が内部当せんした場合、その正解押し順の一部または全部の報知をしなくてもよい。例えば、一番目に押下するべきストップスイッチ40を液晶画面3に報知するが、二番目、三番目に押下するべきストップスイッチ40は報知せず、代わりに液晶画面3には「?」と代用表示することができる。他例では、全てのストップスイッチ40をどう押すべきかの押し順を報知しない代わりに、液晶画面3には「???」と代用表示することができる。この場合、遊技者は正解押し順を当てるという遊びが可能になる。押し順に正解した場合には、正解した押し順を有する押し順役が回復役として入賞し、入賞した押し順役(回復役)に対応するゲーム数セットの残りゲーム数が増加する。押し順に正解できなかった場合(不正解の場合)には、対応するゲーム数セットの残りゲーム数が増加せずに1減少する、としてもよいし、対応するゲーム数セットの残りゲーム数のみならず全てのゲーム数セットの残りゲーム数が1減少してもよい。
【0140】
(11)回復役には、上述の第2役のように目押し役が含まれてもよいが、目押し要素と押し順要素とを複合的に備えた目押し押し順が含まれてもよい。目押し押し順役である場合、押し順を報知してもしなくてもよい。目押し押し順役が当せんしたゲームにおいて、目押しに成功し且つ実際の押し順が正解押し順であると、当該目押し押し順役が入賞する。その場合、対応するゲーム数セットのゲーム数が増加する。目押し押し順役が当せんしたゲームにおいて、目押しに失敗、および/または実際の押し順が正解押し順と異なると、当該目押し押し順役役は入賞しない。その場合、ゲーム数セットのゲーム数が増加せずに1減少する、としてもよい。
【0141】
(12)前記実施形態では、第1役に入賞することで、入賞した第1役に対応するゲーム数セットの残りゲーム数が増加する(初期値に戻る)が、第1役に当せんすることをもって、当せんした第1役に対応するゲーム数セットの残りゲーム数が増加するようにしてもよい。第1役が同時に複数当せんするようにしてもよい。この場合、ストップスイッチ40(操作部)の操作態様によって入賞した方の第1役に対応するゲーム数セットのゲーム数が増加するようにしてもよい。
【0142】
(13)前記実施形態では、第1区間(上乗せ特化ゾーン)が特別遊技状態で行われているが、特別遊技状態以外の状態で実行されてもよい。例えば、有利区間におけるCZ(チャンスゾーン)中に第1区間が実行されてもよい。このように、非特別遊技状態において、上乗せ量(差枚数、ゲーム数)を決定することは、次の特別遊技状態の期間に関する処理となる。
なお、CZ(チャンスゾーン)とは、
図8では図示していないが、AT状態への当せん期待度(突入期待度)が一般遊技状態よりも高い第2遊技状態である。従って、CZは、一般遊技状態よりも遊技者によって遊技が有利となる状態、といえる。一般遊技状態よりも遊技者にとって遊技が有利な状態という点では、CZ、AT状態および特別役実施状態は共通しているが、CZよりも、AT状態および特別役実施状態の方がさらに有利度合が大きいといえる。AT状態および特別役実施状態では、CZに比べて遊技者のメダル所持数が増加し易いからである。
【0143】
(14)前記実施形態では、ゲームの開始を契機として、複数個(3つ)のゲーム数セットの残りゲーム数がそれぞれ減少するが、ゲームの開始を契機としてなくてもよい。例えば、1つ目のストップスイッチ40の操作時に残りゲーム数を減少させてもよく、2つ目のストップスイッチ40の操作時に残りゲーム数を減少させてもよく、3つ目のストップスイッチの操作時に残りゲーム数を減少させてもよい。さらには、遊技の開始または遊技結果に応じて残りゲーム数を減少するようにしてもよい。
【0144】
(15)上乗せ特化ゾーンにおける敵キャラクタは、上乗せ特化ゾーンへの移行が確定した時点で敵キャラクタ抽せんにより決定されてもよいし、一回目の上乗せ特化ゾーン時には通常の敵キャラクタ、二回目の上乗せ特化ゾーン時には特別な敵キャラクタというように、上乗せ特化ゾーンが繰り返される場合は、登場する敵キャラクタの順番が予め決定されていてもよい。上乗せ特化ゾーンの敵キャラクタを決定するタイミングは、上乗せ特化ゾーンへの移行時(確定時ではなく、移行する直前)でもよい。また、上乗せ特化ゾーンの敵キャラクタを決定するタイミングは、通常区間から有利区間への移行時でもよい。
【0145】
(16)上乗せ特化ゾーンで対戦する敵キャラクタとして、複数の敵キャラクタのうちのどの敵キャラクタが選択されるかは、設定値に応じて決定されてもよい。例えば、設定値Xであれば、敵Aが70%の確率で選択され、敵Bが30%の確率で選択される。設定値Yであれば、敵Aが40%の確率で選択され、敵Bが55%の確率で選択され、敵Cが5%の確率で選択されることが挙げられる。敵キャラクタの出現度合いが設定示唆の役割を担うため、遊技者は、どの敵キャラクタがどの程度出現したかを把握することで、実際の設定値を推測することができる。
【0146】
(17)上乗せ特化ゾーンが繰り返されるうち、特定回数目に行われる上乗せ特化ゾーンにおいては、倒し易かったり上乗せがし易いなどの、通常の敵キャラクタとは恩恵の異なる敵キャラクタ(特別な敵キャラクタ)が選択されるようにしてもよい。具体的には、上乗せ特化ゾーンの1回目から4回目までは、通常の敵キャラクタが選択されるが、5回目の上乗せ特化ゾーンでは、特別な敵キャラクタが選択されることがある、としてもよい。
【0147】
(18)上乗せ特化ゾーンの敵キャラクタが一旦決定された後、その後の上乗せ特化ゾーンへの移行ゲーム時における成立役に応じて敵キャラクタが変更されてもよい。
【0148】
(19)上乗せ特化ゾーンでの遊技中に、敵キャラクタが他の敵キャラクタに交代してもよい。例えば、中段チェリー等の特異な役に入賞した場合、敵キャラクタとのバトルで勝利することが確定となる敵キャラクタへ交代することが挙げられる。
【0149】
(20)前記実施形態において、第1区間(上乗せ特化ゾーン)の終了条件は、上記の通り、3つのゲーム数セットの残りゲーム数が全て0となり、対応する味方キャラクタが戦線離脱したことであるが、これに限定されない。例えば、上乗せ特化ゾーンにおいて、上乗せ加算差枚数(上乗せ差枚数の累積値)が上限値(
図9~12の例では200枚)に到達した場合が挙げられる。この場合は、上乗せ特化ゾーンにおいて敵キャラクタに勝利したとして、敵キャラクタを倒す演出が出力されるとともに次の移行先(勝利特典ゾーンにおける「疑似ボーナス」または「上位AT」)の告知演出を実行する。第1区間が終了することを契機として、上乗せ差枚数の累積値をリセットしてもよいし、上乗せ差枚数の累積値をリセットせずに、次の下位ATにて上乗せ分として利用可能にしてもよい。
【0150】
(21)前記実施形態において、上乗せ特化ゾーンで決定される上乗せ差枚数は、役に関係なく一律固定であるが、これに限定されない。例えば、上乗せ差枚数は、第1役または第2役に関係なく、例えば、リプレイが10枚、共通ベルが15枚、チャンス目が20枚というように、役に応じて異なっていてもよい。
上乗せ差枚数を、第1役または第2役の当せんまたは入賞したときに抽せんで決定してもよい。
【0151】
(22)前記実施形態の「特殊攻撃」「援護攻撃」において、第1役の当せんまたは入賞でカウントアップされる内部カウンタの値は、報知されないが、これに限定されない。カウントアップされる値が報知されてもよい。例えば、「続いているよ!」と数が増加している旨を示唆または告知する報知を行ってもよいし、「あと何回!」というように、内部カウンタの現在値と規定値との差を表す内容を報知するようにしてもよい。
【0152】
(23)前記実施形態において、第1役の内部カウンタが規定値に到達した場合に、どの程度上乗せするかを決定する上乗せ差枚数抽せんが行われ、上乗せ差枚数抽せんにおいて、内部カウンタが規定値に到達していない通常攻撃の場合よりも多くなるように決定されているが、これに限定されない。第1役の内部カウンタが規定値に到達した場合の上乗せ差枚数は、通常攻撃の場合と同様に決定されてもよい。決定された上乗せ差枚数は、例えば+50枚というように一度に表示されてもよいし、複数の攻撃であるコンボ攻撃に合わせて分けて表示されてもよい。例えば、+10枚、+20枚、+20枚というように、攻撃が加えられるたびに上乗せ差枚数が順に表示されてもよい。コンボ攻撃の演出(映像)は、複数パターンあり、その中から抽せんで決定した演出が実行される。
【0153】
(24)前記実施形態において、非攻撃ポイントは演出制御部630によって報知されないが、これに限定されない。非攻撃ポイントがどれだけ蓄積されているかを示唆する演出を報知してもよい。
【0154】
(25)非攻撃ポイントが規定値に到達した場合に、期間処理部619は、上乗せ差枚数を決定してもよい。期間処理部619は、上乗せ差枚数を、予め決められた固定値に決定してもよいし、上乗せ差枚数を抽せんにて決定してもよい。当該抽せんでは、上乗せを行うか否か、および/または何枚上乗せるかが、決定されてもよい。
また、上乗せを行うか否かの抽せんは、非攻撃ポイントが規定値に到達した場合のみならず、非攻撃ポイントが規定値に到達しない場合に期間処理部619により実施されてもよい。この場合、期間処理部619は、非攻撃ポイントが規定値に到達した場合の上乗せ差枚数を、非攻撃ポイントが規定値に到達していない場合に比べて多く決定してもよいし、少なく決定してもよいし、非攻撃ポイントが規定値か否かに関係なく同値に決定してもよい。
また、決定された上乗せ差枚数は、演出制御部630によって、一度に表示されてもよいし、分けて表示されてもよい。
また、ゲーム数管理部617は、援護攻撃が発動した場合に、戦闘可能なキャラクタ(終了していないゲーム数セット)の残りゲーム数を増加(初期値に戻す)させるようにしてもよいし、残りゲーム数を増加させなくてもよい。
【0155】
(26)前記実施形態では、ゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)を管理する形態であるが、これに限定されない。例えば、ゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)の代わりに、1以上の残り差枚数(差枚数)からなる差枚数セットとしてもよい。具体的には、ゲーム数管理部617の代わりに、1以上の差枚数からなる差枚数セットを複数(例えば3個)管理する差枚数管理部を設ける。複数個(3つ)の差枚数セットそれぞれには、対応する第1役(回復役の一種)がある。この点は、
図9~13に示すゲーム数管理の形態と同じである。具体的には、
図14~
図15に示すように、差枚数管理部により複数個(例では3つ)の差枚数セットの残り差枚数(差枚数)が管理され、演出制御部630によってこれら3つの差枚数セットの残り差枚数が表示されている。各々の差枚数セットには、ベル、チャンス目、リプレイの回復役(第1役)が関連付けられている。各々の差枚数セットには、
図14~
図15に示すように、左側に残り差枚数、右側に初期値の残り差枚数(30枚)が表示される。
差枚数管理部は、
図14に示すように、複数個(3つ)の差枚数セットそれぞれに対応する第1役(共通ベル、チャンス目、リプレイ)のいずれも非当せんまたは非入賞の場合、複数個の差枚数セットそれぞれの残り差枚数(差枚数)を減少させる処理が可能である。
図14に示す例では、複数個(3つ)の差枚数セットそれぞれに対応する第1役のいずれにも(共通ベル、チャンス目、リプレイ)にも非当せんまたは非入賞であり、純はずれに当せんした例である。この場合には、遊技媒体(メダル)の差枚数(リールを回すのにベットした3枚と、メダルの払出があった場合はその枚数(はずれなので0枚)との差である3枚)が残り差枚数から減算される。
図14の例では、3つの差枚数セットのいずれの残り差枚数も30枚-3枚=27枚となる。
差枚数管理部は、
図15に示すように複数個(3つ)の差枚数セットそれぞれに対応する第1役のいずれか(
図15では共通ベル)に当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した第1役(共通ベル)に対応する差枚数セットの残り差枚数(差枚数)を増加させる処理が実行可能である。
図15に示す例では、入賞した第1役(共通ベル)に対応する差枚数セットの残り差枚数が27枚から30枚に増加(初期値に戻る)。一方、入賞した第1役(共通ベル)に対応する差枚数セット以外の差枚数セットの残り差枚数が27枚から25枚に減算される。これは、リールを回すためにベットした3枚と、共通ベルの入賞による払出枚数(1枚)との差である2枚が減算された例である。
図示していないが、
図13に示すように、2以上の差枚数セットに共通する回復役の一種である第2役(特殊役;レア役)に当せんまたは入賞した場合には、差枚数管理部は、共通する全ての差枚数セットの残り差枚数が増加(初期値に戻る)する処理が実行可能である。
【0156】
(27)(26)に示す差枚数セットの残り差枚数(差枚数)と、
図9~13に示すゲーム数セットの残りゲーム数(ゲーム数)は、いずれも上乗せ特化ゾーンなどの特定の遊技区間の遊技期間の長さに関係する遊技パラメータといえる。残り差枚数および残りゲーム数のいずれも、0枚または0ゲームとなることが、上乗せ特化ゾーンの終了条件の1つとなることから、残り差枚数および残りゲーム数のいずれも、上乗せ特化ゾーンにて遊技できる期間に直接的に関係すると言える。なお、遊技パラメータは、残り差枚数(差枚数)や残りゲーム数(ゲーム数)のいずれでもよい。よって、ゲーム数管理部617および差枚数管理部は、遊技期間の長さに関係する遊技パラメータ(残りゲーム数、残り差枚数)が1以上の値で構成された遊技パラメータセット(ゲーム数セット、差枚数セット)を複数管理するパラメータ管理部といえる。
この場合においても、内部抽せんで当せん候補となる複数の役には、複数の遊技パラメータセット(ゲーム数セット、差枚数セット)それぞれに対応する第1役(共通ベル、チャンス目、リプレイ)が含まれるといえる。
パラメータ管理部(ゲーム数管理部617、差枚数管理部)は、複数の遊技パラメータセット(ゲーム数セット、差枚数セット)それぞれに対応する第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、複数個の遊技パラメータセット(ゲーム数セット、差枚数セット)それぞれの遊技パラメータ(残りゲーム数、残り差枚数)を減少させる処理、が実行可能であり、複数の遊技パラメータセット(ゲーム数セット、差枚数セット)それぞれに対応する第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した第1役に対応する前記遊技パラメータセットの遊技パラメータ(残りゲーム数、残り差枚数)を増加させる処理、が実行可能である。
【0157】
前記実施形態において、メダルを投入する機種であるが、これに限定されない。例えば、メダルレス機(物理媒体レス機)であってもよい。メダルレス機は、物理媒体を用いないため、ホッパーユニット50を設けずともよい。メダルレス機は、所有メダル数のデータがあり、そのからベットされることで遊技可能となる機種である。遊技機が、遊技するための投入する紙幣を受け付ける装置と電気的に接続され、メダルを利用せずに遊技価値を追加したり、払い出された遊技価値を遊技機から引き出したりすることができる。
【0158】
ホールコンピュータ、データカウンタ、遊技履歴を表示する装置などの外部装置に対して、特別遊技の当選回数(AT当せん回数、ボーナス当せん回数など)、払出の差枚数、これまでベットされた累積枚数などの遊技に関するデータが遊技機から出力可能としてもよい。データの外部装置への出力はメイン制御部61が実行可能である。また、遊技機には、メイン制御部61から得た情報を外部装置に出力するための通信インターフェースが設けられていてもよい。メイン制御部61は、データの出力は可能であるが、データを入力することはできない。データの送信タイミングは、データ更新時を契機としてもよい。更新したデータはメイン制御部61の内部のRWM(リードライトメモリ)やレジスタに書き込まれ記憶される。
【0159】
前記実施形態では、RT状態の遷移の説明を省略した。AT機では、所定役が当せんしたが入賞していない状態の下でATでの遊技が行われるものであり、その状態の下では、RT状態が遷移しないためである。しかし、所定役が持ち越されていない状態の下では、RT状態は遷移することができることは、言うまでもない。
【0160】
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。
【0161】
前記実施形態では、特別遊技状態として、ATを例示したが、特別遊技状態には、ARTが含まれてもよい。ARTは、リプレイ確率が一般遊技状態時よりも高く、かつ、押し順役の正解押し順を報知する遊技状態である。
また、設定値に応じて、AT、CZおよびARTの少なくとも1つへの突入確率が変化してもよい。設定値に応じて、AT、CZおよびARTの性能が変化してもよい。
【0162】
スロットマシン1の機種の仕様によっては、有利区間が最大3000ゲームに至る前や、遊技者の出玉の獲得枚数が2400枚に至るよりも前に、ATなどである特別遊技状態や有利区間が任意のタイミングにて終了することがあってもよい。
【0163】
設定値を示唆する演出には、画像によるものの他、回転リール20の回転を停止した際に、リール窓200を介して視認できる図柄が特殊な図柄となることなどが、さらに含まれてもよい。
【0164】
前記実施形態では、遊技機がATタイプのスロットマシンである場合を例示した。しかし、遊技機は、ARTタイプのスロットマシン、ボーナスのみを搭載したノーマルタイプのスロットマシン、有利区間および通常区間を有さないタイプのスロットマシンなど、AT機以外であっても実現できる。また、遊技機は、スロットマシンに限定されることはなく、パチンコであっても実現可能である。
【0165】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0166】
610…内部抽せん部(遊技制御部)
613…媒体管理部(遊技制御部)
616…遊技状態制御部
617…ゲーム数管理部
618…区間制御部
619…期間処理部
630…演出制御部
【要約】
【課題】遊技者に遊技を面白く感じさせることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン1は、図柄変動ゲームにおいて複数の役のうち当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を実行可能な遊技制御部610,613と、1以上のゲーム数からなるゲーム数セットを複数管理するゲーム数管理部617と、を有する。複数の役は、複数個のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役を含む。ゲーム数管理部617は、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役のいずれもが非当せんまたは非入賞の場合、複数個のゲーム数セットそれぞれのゲーム数を減少させる処理、が実行可能であり、複数のゲーム数セットそれぞれに対応する第1役のいずれかが当せんまたは入賞した場合、当せんまたは入賞した回復役に対応するゲーム数セットのゲーム数を増加させる処理、が実行可能である。
【選択図】
図10