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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018245406
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020103593
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】青木 優太郎
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-245592(JP,A)
【文献】特開2008-289685(JP,A)
【文献】特開2017-221295(JP,A)
【文献】特開2013-070808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動し、各図柄に対応する各停止操作部が操作されたことを検知すると対応する前記図柄を停止させ、停止した前記複数の図柄の組合せが内部抽選により当選した当選役と一致したときに前記当選役の入賞が成立し、
前記当選役として、複数の前記停止操作部の操作を予め定められた正解順序通りに検知したときのみ前記当選役の入賞が成立する順序付き役を有するスロットマシンにおいて、
前記停止操作部は、予め定められた継続操作時間の間操作され続けると操作が検知される構成であり、
前記順序付き役に当選したときに、前記正解順序と異なる前記停止操作部の継続操作時間を、前記正解順序通りの前記停止操作部の継続操作時間よりも長くして、前記正解順序通りの前記停止操作部の操作よりも前記正解順序と異なる前記停止操作部の操作を検知しにくくする検知困難化手段を有するスロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスロットマシンとして、複数の図柄を、設定された正解順序の通りに停止させることで入賞が成立する順序付き役を含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-213129号公報(段落[0035])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のスロットマシンでは、順序付き役において、遊技者が図柄を停止する順番を間違えることを減少することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のスロットマシンは、複数の図柄を変動し、各図柄に対応する各停止操作部が操作されたことを検知すると対応する前記図柄を停止させ、停止した前記複数の図柄の組合せが内部抽選により当選した当選役と一致したときに前記当選役の入賞が成立し、前記当選役として、複数の前記停止操作部の操作を予め定められた正解順序通りに検知したときのみ前記当選役の入賞が成立する順序付き役を有するスロットマシンにおいて、前記停止操作部は、予め定められた継続操作時間の間操作され続けると操作が検知される構成であり、前記順序付き役に当選したときに、前記正解順序と異なる前記停止操作部の継続操作時間を、前記正解順序通りの前記停止操作部の継続操作時間よりも長くして、前記正解順序通りの前記停止操作部の操作よりも前記正解順序と異なる前記停止操作部の操作を検知しにくくする検知困難化手段を有するスロットマシンである。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係るスロットマシンによれば、順序付き役において、遊技者が図柄を停止する順番を間違えることを減少することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のスロットマシンの正面図
図2】リール図柄の概念図
図3】表示窓20周辺の拡大正面図
図4】メッセージが表示された表示画面の正面図
図5】ゲーム進行処理のフローチャート
図6】変動処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、本開示のスロットマシン10は、全体がケース体11Cによって覆われている。ケース体11Cの前面部分は、前面扉11によって構成されている。なお、ケース体11Cは、前面扉11の後側に、前面が開放した縦長直方体状のケース本体(図示せず)を備え、そのケース本体における前面の一側縁部に前面扉11が回動可能に連結されて、閉塞状態に施錠されている。
【0009】
スロットマシン10は、ケース体11Cの内部に左、中、右のリール21L,21C,21Rを水平同軸上に並べて備えている。これら左、中、右のリール21L,21C,21Rは、図示しない3つの回転ドラムの外周面に図2に示したリール図柄シート22L,22C,22Rを巻回してなる。
【0010】
各リール図柄シート22L,22C,22Rは図2に示した展開状態で帯状をなし、その長手方向には、同図に概念的に示したように、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「星」などの互いに識別可能な複数種類の図柄が、複数(例えば、21個)描かれている。図柄の配列は、各リール図柄シート22L,22C,22Rの間で互いに異なっている。そして、図2の左に示したリール図柄シート22Lが回転ドラム(図示せず)の外周面に巻回されて左リール21Lとなり、その外周面を複数等分(例えば、21等分)した位置にそれぞれ図柄が配置される。中、右のリール21C,21Rに関しても同様である。
【0011】
図1に示すように、前面扉11は、上側から下側に向かって順番に、演出エリアP1、表示エリアP2、操作エリアP3、払出エリアP4に区画されている。前面扉11のうち演出エリアP1には、液晶表示装置35と、スピーカー30,30と、演出用ランプ70と、が備えられている。液晶表示装置35の表示画面35Gには、遊技状態に応じた画像が表示される。スピーカー30,30からは、遊技状態に応じた音声が出力される。演出用ランプ70は、遊技状態に応じて点灯する。
【0012】
前面扉11のうち表示エリアP2は、演出エリアP1よりも全体が後側に陥没すると共に略全体が樹脂製の表示パネル11Hによって覆われている。表示パネル11Hの中央には、表示パネル11Hの一部を横長四角形の領域の範囲で透明にしてなる表示窓20が形成されている。そして、表示窓20を通して全リール21L,21C,21Rの外周面の一部が視認可能となっている。具体的には、表示窓20には、上下方向の3箇所に停止図柄表示位置が設定されている。そして、リール21L,21C,21Rが停止すると、それら各リール21L,21C,21Rの外周部の図柄のうち連続した3つの図柄が、表示窓20の上中下3つの停止図柄表示位置に位置決めされた状態で視認可能になる(図1参照)。
【0013】
図3に示すように、表示窓20内には、各リール21L,21C,21Rを横切るように5本の有効ラインL1~L5が設定されている。詳細には、各リール21L,21C,21Rの中の停止図柄表示位置の図柄を結んだ中有効ラインL1と、上の停止図柄表示位置の図柄を結んだ上有効ラインL2と、下の停止図柄表示位置の図柄を結んだ下有効ラインL3と、各リール21L,21C,21Rの図柄を左から上、中、下と結んだ右下がり有効ラインL4と、各リール21L,21C,21Rの図柄を左から下、中、上と結んだ右上がり有効ラインL5と、が設定されている。
【0014】
また、各リール21L,21C,21Rの回転中は、それらの外周部の図柄の移動状態を視認することができる。なお、各リール21L,21C,21Rが回転しているときに、各リール21L,21C,21Rの外周部の図柄は変動表示されることになる。
【0015】
図1に示すように、表示エリアP2のうち表示窓20の右側には、告知ランプ61
が設けられている。告知ランプ61は、点灯状態となることで、後述するボーナス役が成立した状態であることを遊技者に告知する。
【0016】
表示エリアP2のうち表示窓20の右下側には、投入可能表示用ランプ64、再遊技表示用ランプ65、獲得枚数表示部62が設けられている。投入可能表示用ランプ64は、点灯状態となることでメダルが投入可能な状態であることを報知する。再遊技表示用ランプ65は、点灯状態となることで後述する「リプレイ」役が入賞した再遊技状態であることを報知する。獲得枚数表示部62は、7セグメント表示器によって構成され、獲得枚数に応じたメダルの枚数(0~15)を表示する。
【0017】
表示エリアP2のうち表示窓20の左下側には、スタートランプ66、投入枚数表示部63、貯留枚数表示部60が設けられている。スタートランプ66は、点灯状態となることで遊技としての変動ゲームの開始が可能であること、即ち、後述するレバー43の操作を受付可能な状態であることを報知する。投入枚数表示部63は、3つのLEDで構成されていて、ベット数として設定したメダルの数(ベットされたメダルの数)に応じた数のLEDを点灯する。貯留枚数表示部60は、7セグメント表示器によって構成され、メダルの投入枚数や払出枚数に応じて内部貯留されているメダルの枚数(0~50)を表示する。
【0018】
操作エリアP3は、表示エリアP2より全体が前方に張り出している。そして、表示エリアP2と操作エリアP3との境界部分の上向き段差面に、メダルを投入可能なメダル投入口40、ワンベットボタン42A、マックスベットボタン42Bが設けられている。ワンベットボタン42Aは、「内部貯留されているメダル」(即ち、「クレジット」)を1枚ずつ投入するときに使用し、マックスベットボタン42Bは、クレジットから3枚(クレジットが3未満のときには、クレジット内の最大の枚数)投入するときに使用する。遊技者がメダルをメダル投入口40に投入するか、ワンベットボタン42A又はマックスベットボタン42Bを押すことにより、所定の枚数がベット数として設定され、1回の変動ゲームが開始可能になる。
【0019】
操作エリアP3の前面は略鉛直になっていて、操作エリアP3の前面上縁部に、向かって左側から順番に、精算ボタン44、レバー43、左リール停止ボタン41L、中リール停止ボタン41C、右リール停止ボタン41Rが設けられている。精算ボタン44は、投入されたメダルの払い戻し及びクレジットの精算を行う際に操作される。レバー43は、変動ゲームを開始する際に操作される。具体的には、レバー43が操作されると、全リール21L,21C,21Rの回転が開始されて、変動ゲームが開始する。
【0020】
左リール停止ボタン41L、中リール停止ボタン41C、右リール停止ボタン41Rは、それぞれ、遊技者が左リール21L、中リール21C、右リール21Rを停止するときに操作するボタンであって、その操作が検出されると、対応するリール21L,21C,21Rの回転が停止する。これら停止ボタン41L,41C,41Rには、押し込まれるとオンになるスイッチ(図示せず)が内蔵されており、このスイッチがオンになることで停止ボタン41L,41C,41Rの操作が検知される。全リール21L,21C,21Rの回転が停止すると、1回の変動ゲームが終了する。
【0021】
払出エリアP4には、操作エリアP3の前面より後側に配置された奥側垂直面51Pと、奥側垂直面51Pから操作エリアP3の前面より前側位置まで張り出した受け皿51が設けられている。そして、奥側垂直面51Pに形成されたメダル払出口50から払い出されたメダルが、受け皿51に貯留されるようになっている。なお、払出エリアP4は、前面扉11の最下端に位置している。
【0022】
次に、本実施形態のスロットマシン10における役について説明する。変動ゲームの当否、即ち、各役の入賞を許可するか否かは、スタートランプ66の点灯中にレバー43が押下操作されたときに決定される。詳細には、1回の変動ゲームごとに取得した乱数値と、設定値や現在の遊技状態等に基づく抽選テーブルと、に基づいて内部抽選が行われる。内部抽選で何れかの役に当選すると、当該変動ゲームにおいて当選役に対応した当選フラグが設定される。
【0023】
各リール停止ボタン41L,41C,41Rが押圧操作されて、表示窓20内の何れかの有効ライン上に停止した各リール21L,21C,21Rの3つの図柄の組み合わせが、内部抽選によって当選した当選役に対応する図柄の組み合わせと一致すると、役の「入賞」となり、入賞した役に応じた所定枚数のメダルが払い出される。
【0024】
「スイカ-スイカ-スイカ」、「ベル-ベル-ベル」又は「チェリー-ANY-ANY」の図柄が有効ライン上に揃った場合には、それぞれ「スイカ」、「ベル」、「チェリー」役(以下、これらを「小役」と呼ぶ)の入賞となる。これら小役が入賞すると、入賞の対価としてのメダルが遊技者に払い出される。
【0025】
「リプレイ-リプレイ-リプレイ」のリプレイ図柄が有効ライン上に揃った場合には、「リプレイ」役の入賞となり、入賞することによるメダルの払出はないが、改めて賭け数を設定することなく次の変動ゲームを開始することができる再遊技状態となる。
【0026】
「赤7-赤7-BAR」又は「青7-青7-BAR」のボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合には、「レギュラーボーナス」役の入賞となる。また、「赤7-赤7-赤7」又は「青7-青7-青7」のボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合には、「ビッグボーナス」役の入賞となる。「レギュラーボーナス」役と「ビッグボーナス」役は、ボーナス役であって、入賞することによるメダルの払出はないが、ボーナス役入賞後の変動ゲームが通常状態よりも遊技者にとって有利なボーナスゲームとなる。ボーナスゲーム中は、通常の遊技状態よりも、スイカ、ベル、チェリーなどの払出のある小役当選確率が高くなっていて、確実に遊技者が利益を得ることができる。ボーナスゲームは、メダルの払出枚数の合計が予め設定された量を超えると終了する。なお、「ビッグボーナス」役から移行するボーナスゲームでは、「レギュラーボーナス」役から移行するボーナスゲームよりも多くのメダルが獲得可能となっている。
【0027】
なお、ボーナス役以外の役の当選フラグはフラグが設定された変動ゲームで役が入賞したか否かに関わらず、当該変動ゲームの終了時に消去されるが、ボーナス役の当選フラグは、入賞が発生するまで次変動ゲーム以降に持ち越される。ビッグボーナス役又はレギュラーボーナス役の当選フラグが設定されると、ビッグボーナス役又はレキュラーボーナス役が入賞するまで、上述した告知ランプ61が点灯し続ける。
【0028】
ここで、実施形態1のスロットマシン10では、「ベル」役として、3つのリール21L,21C,21Rを正解順序通りに停止させなければ、有効ライン上に停止表示されない押し順付き「ベル」役が設けられている。押し順付き「ベル」役におけるリール21L,21C,21Rの正解順序は、通常、遊技者に分からないようになっているため、押し順付き「ベル」役に当選しても、「ベル」役の入賞が困難となっている。なお、実施形態1では、押し順付き「ベル」役として、3つのリール21L,21C,21Rの6通りの停止順に対応した6種類が設けられている。なお、実施形態1では、「ベル」役として、3つのリール21L,21C,21Rの停止順に関係なく有効ライン上に停止表示される押し順不問「ベル」役がさらに設けられていてもよい。
【0029】
また、スロットマシン10では、押し順付き「ベル」役の当選時に、リール21L,21C,21Rの正解順序を遊技者に報知する押し順ナビ演出が行われることがある。押し順ナビ演出が行われると、遊技者は、リール21L,21C,21Rを停止させる前に、当選した押し順付き「ベル」役に対応するリール21L,21C,21Rの正解順序を知ることが可能となるので、通常は入賞が困難な押し順付き「ベル」役を容易に入賞させることが可能となる。押し順ナビ演出は、例えば、液晶表示装置35の表示画面35Gにおける左、中、右の各リール21L,21C,21Rに対応する位置に、リール21L,21C,21Rの正解順序を表す「1」、「2」、「3」の数字を表示させることにより実行される(図3(D)参照)。
【0030】
ところで、本実施形態のスロットマシン10では、例えば、ボーナス役に入賞する等といった所定の条件が成立すると、「アシストタイム」という遊技状態になることがある。この「アシストタイム」では、押し順付き「ベル」役の当選時に、押し順ナビ演出が必ず行われる、もしくは、通常状態よりも高確率で行われるようになっていて、遊技者が、通常状態よりも多くのコインを獲得できるようになっている。この「アシストタイム」は、メダルの払出枚数の合計が予め設定された量を超えると終了するが、それ以外にも、押し順ナビ演出が実行されているときに、遊技者がリール21L,21C,21Rの停止順を間違えてしまうと終了するようになっている。
【0031】
ここで、本実施形態のスロットマシン10では、押し順付き「ベル」役に当選して、押し順ナビ演出が実行されているときに、3つの停止ボタン41L,41C,41Rにおいて、リール21L,21C,21Rを停止させるのに必要な操作時間がそれぞれ異なっている。詳細には、3つの停止ボタン41L,41C,41Rのうち正解順序通りの停止ボタンでは、スイッチがオンしている時間が8msに達したときに押込操作として検知し、対応するリールを停止する一方、正解順序と異なる停止ボタンでは、スイッチがオンしている時間が500msに達しないと押込操作としてされず、対応するリールも停止しないようになっている。また、図4に示すように、正解順序と異なる停止ボタンが操作されると、例えば「「1」を押してください」という警告メッセージ35Mが表示される。
【0032】
次に、上記構成とするために主制御基板が実行する処理を、図5及び図6に基づいて説明する。図5に示すゲーム進行処理(S1)では、まず、BET処理(S2)を実行する。次に、レバー43が操作されたか否か、即ち、変動ゲームの開始操作を受け付けたか否かを判断する(S3)。レバー43が操作されていない場合(S3でNO)、そのままこの処理(S1)を抜ける。レバー43が操作された場合(S3でYES)には、、抽選処理(S4)を実行する。抽選処理(S4)では、主制御基板のCPUがRAMから内部抽選用乱数を取得し、その内部抽選用乱数と遊技状態に応じた抽選テーブルとから、役の当選情報を決定する。
【0033】
抽選処理(S4)に次いで、変動処理(S5)を実行する。変動処理(S5)では、全リール21L,21C,21Rの回転を開始させ、全てのリール21L,21C,21Rが停止するまでの処理を行う。図6には、変動処理(S5)のうち押し順ナビ演出が実行されているときの流れについて説明するためのフローチャートが示されている。同図に示すように、変動処理(S5)では、まず、押し順付き「ベル」役に当選しているか否かを判断し(S10)、押し順付き「ベル」役に当選している場合(S10でYES)、押し順ナビ演出が実行されているか否かを判断する(S11)。押し順ナビ演出が実行されている場合(S11でYES)、何れかの停止ボタンが操作されたか否かを判断し(S12)、停止ボタンが操作された場合(S12でYES)、その停止ボタンが正解順序通りのものか否かを判断する(S13)。正解順序通りである場合(S13でYES)、停止ボタンのスイッチが8ms間オンになっているか否かを判断する(S14)。8ms間オンになっている場合(S14でYES)、対応するリールを停止し(S15)、その他の処理(S16)を行ってこの処理(S5)を抜ける。停止ボタンのスイッチが8ms間オンになっていない場合(S14でNO)、その他の処理(S16)を行ってこの処理(S5)を抜ける。
【0034】
ステップS13で、正解順序と異なっている場合(S13でNO)、停止ボタンのスイッチが500ms間オンになっているか否かを判断する(S17)。500ms間オンになっている場合(S17でYES)、対応するリールを停止し(S18)、その他の処理(S16)を行ってこの処理(S5)を抜ける。停止ボタンのスイッチが500ms間オンになっていない場合(S17でNO)、警告メッセージを出力し(S19)、その他の処理(S16)を行ってこの処理(S5)を抜ける。また、ステップS10,S11,S12でNOである場合、その他の処理(S16)を行ってこの処理(S5)を抜ける。
【0035】
なお、リール停止ボタン41L,41C,41Rが操作されると、そのタイミングと内部抽選の結果とに基づいて、予め定められた引込範囲(例えば、4図柄分)内に位置する図柄の中から有効ライン上に停止させる図柄を決定し、その決定した図柄を有効ライン上に停止表示させる。
【0036】
図5に示すゲーム進行処理(S1)では、変動処理(S5)に次いで、入賞判定処理(ステップS6)が実行される。入賞判定処理(ステップS6)では、有効ライン上に停止表示された(導出された)図柄の組合せから各種役の入賞の有無を判定し、入賞結果を決定する。
【0037】
入賞判定処理(ステップS6)が終了すると、入賞結果に応じたメダルの払出を行う払出処理(S7)と、その他の処理(S8)と、を順次行い、ゲーム進行処理(S1)が終了する。
【0038】
本実施形態のスロットマシン10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。スロットマシン10では、「アシストタイム」になると、押し順付き「ベル」役の当選時に、押し順ナビ演出が必ず、もしくは、通常状態よりも高確率で行われ、遊技者が、通常状態よりも多くのコインを獲得できる。
【0039】
ここで、「アシストタイム」中に、押し順付き「ベル」役に当選して、押し順ナビ演出が実行されているときに、遊技者がリール21L,21C,21Rの停止順を間違えてしまうと、「アシストタイム」が終了してしまい、遊技者が獲得予定だったコインを取りこぼしてしまうことがあった。
【0040】
これに対して、本実施形態のスロットマシン10では、押し順付き「ベル」役に当選して、押し順ナビ演出が実行されているときは、正解順序通りの停止ボタンを操作すると、その操作が8ms継続するだけでリールが停止する一方、正解順序と異なる停止ボタンを操作すると、その操作の継続時間が500msに達するまでリールが停止しない、つまり、正解順序と異なる停止ボタンの操作が正解順序通りの停止ボタンの操作よりも検知されにくくなっているので、遊技者が正解順序と異なるリールを停止してしまうことを減少させることができる。これにより、遊技者が「アシストタイム」で獲得予定だったコインを取りこぼすことも減少するので、ゲームに対する意欲が低下することを防ぐことができる。
【0041】
また、押し順ナビ演出実行時の押し間違いは、レバー43を操作してから、押し順ナビ演出に気付かずにテンポよく停止ボタン41L,41C,41Rを押してしまうときに発生しやすいと思われるが、押し順ナビ演出や警告メッセージ35Mに気付いてすぐに手を離して、リールが停止していないと、押し間違えたけどリールが停止しなかった、と、安堵感を感じさせることができる。
【0042】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、警告メッセージが表示画面35Gに表示されていたが、スピーカー30から出力されてもよい。
【0043】
(2)また、警告メッセージは出力されなくともよい。
【0044】
(3)操作の継続時間を異ならせることは、アシストタイムのみで行ってもよいし、アシストタイム以外にも行ってもよい
【0045】
(4)押し順ナビ演出が行われなくてもよい。
【0046】
(5)各停止ボタン41L,41C,41Rにセンサを2つずつ設け、押し込み距離を異ならせる構成であってもよい。
【0047】
(6)上記実施形態では、正解順序と異なる停止ボタンの必要操作時間が500msであったが、500ms未満であってもよいし、500msより長くてもよい。また、正解順序通りの停止ボタンの必要操作時間も8msに限られるものではない。
【0048】
(7)遊技者の停止ボタンの操作時間を計測し、その遊技者に合った時間を各停止ボタンの必要操作時間として設定してもよい。
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴について説明する。
[特徴1]
複数の図柄を変動し、各図柄に対応する各停止操作部が操作されたことを検知すると対応する前記図柄を停止させ、停止した前記複数の図柄の組合せが内部抽選により当選した当選役と一致したときに前記当選役の入賞が成立し、
前記当選役として、複数の前記停止操作部の操作を予め定められた正解順序通りに検知したときのみ前記当選役の入賞が成立する順序付き役を有するスロットマシンにおいて、
前記順序付き役に当選したときに、前記正解順序通りの前記停止操作部の操作よりも前記正解順序と異なる前記停止操作部の操作を検知しにくくする検知困難化手段を有するスロットマシン。
[特徴2]
前記順序付き役に当選したときに、前記正解順序を報知する順序報知演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記検知困難化手段は、前記順序報知演出の実行中に作動する特徴1に記載のスロットマシン。
[特徴3]
前記停止操作部は、予め定められた継続操作時間の間操作され続けると操作が検知される構成であり、
前記正解順序と異なる前記停止操作部の継続操作時間が、前記正解順序通りの前記停止操作部の継続操作時間よりも長くなっている特徴1又は2に記載のスロットマシン。
[特徴4]
前記検知困難化手段は、前記正解順序と異なる前記停止操作部が操作されたことを遊技者に示唆する特徴1乃至3の何れか1の特徴に記載のスロットマシン。
[特徴5]
複数の図柄を変動し、各図柄に対応する各停止操作部が操作されたことを検知すると対応する前記図柄を停止させ、停止した前記複数の図柄の組合せが内部抽選により当選した当選役と一致したときに前記当選役の入賞が成立し、
前記当選役として、複数の前記停止操作部の操作を予め定められた正解順序通りに検知したときのみ前記当選役の入賞が成立する順序付き役を有するスロットマシンにおいて、
前記停止操作部は、前記停止操作部の操作に係る検知条件が成立することによって操作されたことが検知され、
前記順序付き役に当選したときに、前記正解順序通りの前記停止操作部の前記検知条件よりも前記正解順序と異なる前記停止操作部の前記検知条件を成立が困難な内容とする検知困難化手段を有するスロットマシン。
【符号の説明】
【0049】
10 スロットマシン
21L,21C,21R リール
41L,41C,41R 停止ボタン
43 レバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6