(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2019016237
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】野田 泰之
【審査官】大井 夕希奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-029794(JP,A)
【文献】特開2016-198298(JP,A)
【文献】特開2014-004120(JP,A)
【文献】特開2014-217482(JP,A)
【文献】特開2017-192459(JP,A)
【文献】特開2012-005752(JP,A)
【文献】特開2016-168179(JP,A)
【文献】特開2017-113327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、
遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、
前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による
後日の演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備えた遊技機。
【請求項2】
リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、
遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、
前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備え、
前記検出手段による検出があった時刻のデータを記憶する不揮発性の記憶部を有する遊技機。
【請求項3】
リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、
遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、
前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備え、
前記決定手段は、1日の時間を複数の時間帯に分割した場合に前記検出手段による検出が最も多い時間帯内の時刻を、前記演出実行手段による演出の実行時刻とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リアルタイムクロックを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技機の中には、リアルタイムクロックを用いて、予め設定された時刻になると所定の演出を実行するものがある。そして、このような遊技機として、この演出の実行時刻が、無作為に設定されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-97264号公報(段落[0033])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機では、遊技者が遊技をしていない客待ち中にも演出が実行され易くなり、演出が遊技者に見られずに無駄に実行され易いという問題がった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による後日の演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備えた遊技機である。
【0008】
請求項2の発明は、リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備え、前記検出手段による検出があった時刻のデータを記憶する不揮発性の記憶部を有する遊技機である。
【0010】
請求項3の発明は、リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備え、前記決定手段は、1日の時間を複数の時間帯に分割した場合に前記検出手段による検出が最も多い時間帯内の時刻を、前記演出実行手段による演出の実行時刻とする遊技機である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1~3の発明では、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段が備えられ、この検出手段による検出があった時刻に基づいて演出の実行時刻が決定されるので、所定時刻に実行される演出が遊技者に見られ易くなり、演出の実行が無駄になり難くなる。
【0012】
検出手段は、遊技者が操作可能な操作部材が操作されたことを検出してもよいし、操作部材の操作に起因して遊技球が特定位置へ到達したことを検出してもよい。後者の場合、検出手段が、始動入賞部へ入球した遊技球の検出を行ってもよい。
【0013】
請求項2の発明では、検出手段により検出された時刻のデータを記憶する記憶部が設けられ、この記憶部が不揮発性となっている。これにより、時刻のデータを記憶して電源を切っても、その日の翌日以降にそのデータに基づいて演出を実行することができる。
【0014】
決定手段は、予め定められた規定時間以内の時間間隔で検出手段による検出が続いた時間帯を遊技時間帯として、演出実行手段による演出の実行時刻を遊技時間帯内の時刻に決定してもよい。また、決定手段は、1日の時間を複数の時間帯に分割した場合に検出手段による検出が最も多い時間帯内の時刻を、演出実行手段による演出の実行時刻としてもよい(請求項3の発明)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】特別演出の実行時間帯と遊技時間帯を示すタイムチャート
【
図4】第2実施形態に係る特別演出の実行時間帯と遊技時間帯を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zの内側に設けられたガラス窓10Wを通して、
図2に示す遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0017】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。なお、前面枠10Zのうち、ガラス窓10Wの左右には、サイドランプ22,22が設けられていると共に、ガラス窓10Wの上方にはスピーカ(図示せず)が設けられている。
【0018】
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置13が備えられている。表示装置13は、長方形状の表示画面13Gを前面に有し、その表示画面13Gが遊技領域R1における中央より若干上寄り位置に配置されている。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。なお、上述した上皿26の上部には、表示画面13Gでの演出に応じて操作される演出用操作ボタン29が備えられている。
【0019】
遊技領域R1のうち表示画面13Gの下方には、第1と第2の始動入賞部14A,14B及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、表示画面13Gの右側には、始動ゲート18が設けられている。そして、始動ゲート18の下方に、大入賞部15が設けられている。また、遊技領域R1には、図示しない複数の一般入賞部が設けられている。一般入賞部に遊技球が入球すると、一般入賞部の内部に設けられた一般入賞センサ74(
図2参照)により、その遊技球が検出される。なお、遊技領域R1には、第1と第2の始動入賞部14A,14B,大入賞部15、一般入賞部、始動ゲート18等の役物以外に、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
【0020】
次に、上述した各役物の構成について詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵されたゲートセンサ73(
図2参照)によって検出され、その検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われる。なお、普通図柄当否判定の判定結果は、普通図柄表示装置(図示せず)にて表示される。
【0021】
第1と第2の始動入賞部14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞部14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
【0022】
上側に配置された第1の始動入賞部14Aの開口は、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。また、下側に配置された第2の始動入賞部14Bは、第1の始動入賞部14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。両可動翼片14C,14Cは、通常は、起立状態となって第2の始動入賞部14Bへの遊技球の入球を規制する一方、上述した普通図柄当否判定が当りとなったときに、横倒しになって、遊技球を第2の始動入賞部14Bへ案内可能となる。
【0023】
各始動入賞部14A,14Bに遊技球が入球すると、その遊技球は、それぞれ第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72(
図2参照)によって検出され、その検出信号に基づいて、所定個数の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。即ち、本実施形態の遊技機10では、各始動入賞部14A,14Bへの遊技球の入球によって特別図柄当否判定を受ける当否判定権利が発生する。そして、当否判定権利に基づく特別図柄当否判定の結果が当りになったことを条件にして、大当り遊技が実行される。なお、特別図柄当否判定の判定結果は、特別図柄表示装置(図示せず)にて表示されると共に、表示装置13の表示画面13Gにおいて図柄の組み合わせで表示される。本実施形態では、第1と第2始動入賞センサ71,72が、特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当し、第1と第2始動入賞部14A,14Bの内部のうち、第1始動入賞センサ71と第2始動入賞センサ72による遊技球の検出位置が、特許請求の範囲に記載の「特定位置」に相当する。
【0024】
大入賞部15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞部15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞部15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞部15に入球した遊技球は、大入賞センサ15S(
図2参照)により検出される。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。大入賞部15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき所定個数の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
【0025】
さて、本実施形態の遊技機10では、後述のサブ制御基板52に備えられたリアルタイムクロックに基づいて所定の時刻になったときに特別演出が実行される。本実施形態では、特別演出は、表示画面13Gにて行われる。なお、特別演出は、サイドランプ22、スピーカ等により行われてもよい。
【0026】
ここで、本実施形態の遊技機10では、過去に遊技者が遊技をしていた時刻のデータが記憶されていて、そのデータに基づいて、特別演出の実行時刻が決定される。以下、この実行時刻の決定について説明する。まず、最初に電源がオンとなった第1日目には、仮に設定された仮実行時刻に特別演出が実行される(又は、特別演出が実行されなくてもよい)。電源オンとなった遊技機10において、遊技者により操作ハンドル28が操作され、遊技球が第1始動入賞部14A又は第2始動入賞部14Bに入球すると、第1始動入賞センサ71又は第2始動入賞センサ72により遊技球が検出される。本実施形態では、この検出が第1日目の初めての検出である場合に、又は、この検出がなされない期間が予め定められた規定時間ΔT続いた後に初めて上記検出があった場合に、その検出時刻である第1時刻T1が記憶される。
図3に示されるように、その第1時刻T1から、第1日目の間に、予め定められた規定時間ΔT以内の時間間隔で前記検出が起き続けている時間帯が、遊技者が遊技していると推定される遊技時間帯(
図3の第1日目における灰色部分)とされ、その遊技時間帯内の時刻が、第2日目以降の特別遊技の実行時刻T3として決定される。本実施形態の遊技機10では、第1時刻T1、次述の第2時刻T2、第3時刻T3の組を、複数記憶可能となっている。従って、第1日目における複数の遊技時間帯の時刻データを記憶することができる。
【0027】
詳細には、第1始動入賞センサ71と第2始動入賞センサ72のうち何れかのセンサによる検出があってから、次の前記検出がなされずに予め設定された規定時間ΔTが経過したときに、第1時刻T1以降で最後に起きた前記検出の時刻が第2時刻T2として記憶され(
図3参照)、第1時刻T1から第2時刻T2までの時間帯が、遊技時間帯として算出される。本実施形態では、第2日目以降の特別演出の実行時刻T3は、遊技時間帯の途中時刻(具体的には、ちょうど中間の時刻)となっている。これにより、第2日目以降において、特別演出の実行時刻が無作為に設定される場合に比べて、遊技者が遊技をしている時間帯に、特別演出が実行され易くなる。なお、実行時刻T3を、第1時刻T1と同じ時刻としてもよいし、第2時刻T2と同じ時刻としてもよい。また、前記検出があった時刻から、規定時間ΔT以内の時間間隔で前記検出が起き続けることがなかった場合には(即ち、第1時刻と第2時刻が同じになった場合には)、実行時刻T3は、第1時刻T1に設定される。
【0028】
次に、
図2を参照しつつ、特別演出の実行時刻の決定を実現するための遊技機10の電気的な構成について説明する。
図4に示すように、符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板52を結ぶ入出力回路を備えると共に、第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72、ゲートセンサ73、一般入賞センサ74、大入賞センサ15S等が接続された中継回路、及び、発射ハンドル28のタッチセンサ28Sや払出される賞球を検出する払出センサ等が接続された払出制御基板、と接続される入出力回路も備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、CPU51Aが実行するメインプログラムや、制御データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値や確変移行抽選の判定値が書き込まれている。
【0029】
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータ52Mを備える。また、サブ制御基板52は、マイクロコンピュータ52Mと主制御基板50を結ぶ入出力回路を備えると共に、表示制御基板54、ランプ制御回路、演出用操作部29等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板54及びランプ制御回路、音声制御回路等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、CPU52Aが実行するメインプログラムや、各種演出の制御データ等が記憶されている。また、サブ制御基板のマイクロコンピュータ52Mは、フラッシュメモリ(FM)52Fを備えている。フラッシュメモリ52Fは、不揮発性で書き換え可能となっている。
【0030】
表示制御基板54は、表示装置13に設けられていて、サブ制御基板52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄、大当り遊技演出を含む各種演出、及び確変遊技状態への移行の有無の表示画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
【0031】
なお、主制御基板50、サブ制御基板52、表示制御基板54及びその他の回路(音声制御回路、ランプ制御回路等)は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
【0032】
本実施形態では、まず、遊技機10に最初に電源オンされたときには(第1日目)、特別演出の実行時刻として、仮の実行時刻がフラッシュメモリ52Fに記憶されている。具体的には、仮の実行時刻は、無作為に設定された時刻であり、フラッシュメモリ52Fは、不揮発性で書き換え可能なメモリとなっている。
【0033】
そして、主制御基板50は、第1始動入賞センサ71又は第2始動入賞センサ72の検出があったときにこれらセンサから出力される検出信号を受信すると、サブ制御基板52へ制御信号を出力する。サブ制御基板52は、この制御信号を第1日目で初めて受信すると、サブ制御基板52に備えられたリアルタイムクロックを参照し、上記センサ71,72の上記検出の時刻を第1時刻T1として、フラッシュメモリ52Fの第1領域に書き込む。そして、サブ制御基板52は、第1時刻T1から、リアルタイムクロックを用いて、上記検出信号が規定時間ΔT以内の時間間隔で受信され続けるかを計測すると共に、その検出の時刻を記憶し、規定時間ΔT以内の間隔での受信が途絶えたら、第1時刻T1以降で最後の検出の時刻を、第2時刻T2として、フラッシュメモリ52Fの第2領域に書き込む。その後、CPU52Aは、フラッシュメモリ52Fに記憶された第1時刻T1と第2時刻T2とから、特別演出の実行時刻T3を決定し、フラッシュメモリ52Fの第3領域に書き込む。本実施形態では、実行時刻T3として、第1時刻T1と第2時刻T2のちょうど中間の時刻が、CPU52Aにより算出される。なお、この例では、第1時刻T1と第2時刻T2の記憶、実行時刻T3の決定は、第1日目のみ行われる。
【0034】
また、本実施形態では、フラッシュメモリ52Fに第1時刻T1、第2時刻T2、実行時刻T3の組を記憶する記憶領域が複数用意されている。第2時刻T2から規定時間ΔTが経過した後に初めて上記センサ71,72による検出が起きると、サブ制御基板52は、その検出時刻を次の遊技時間帯の第1時刻T1として、フラッシュメモリ52Fのうち次の遊技時間帯用の第1領域に書き込む。そして、上述したのと同様にして、次の遊技時間帯の第2時刻T2、第3時刻T3が決定される。このようにすることで、第1日目において、複数の遊技時間帯が検出されたときに、各遊技時間帯について実行時刻T3を決定して記憶しておくことができる。これにより、それら全ての遊技時間帯について、特別演出を実行することができる。なお、それら複数の遊技時間帯のうち一部の遊技時間帯のみに特別演出を実行してもよい。
【0035】
なお、上記例では、第1時刻T1及び第2時刻T2の記憶と、実行時刻T3の決定とが、第1日目にのみ行われ、第2日目以降の特別演出の実行時刻T3が一定であったが、実行時刻T3を変更可能としてもよい。この場合、例えば、特別遊技の実行時刻T3を、その特別遊技の実行日の前日の検出時刻のデータに基づいて決定してもよい。この場合、第1時刻T1及び第2時刻T2の記憶と、実行時刻T3の決定とが、1日ごとに行われて、それらの時刻T1~T3の値が、1日ごとに更新される。
【0036】
本実施形態の遊技機10では、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段(第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72)が備えられ、この検出手段による検出があった時刻に基づいて特別演出の実行時刻が決定されるので、特別演出が遊技者に見られ易くなり、特別演出が無駄になり難くなる。また、本実施形態によれば、特別演出を遊技者が見る可能性が高くなるので、遊技者が見る演出の種類を多くすることが可能となり、趣向性を向上させることが可能となる。
【0037】
本実施形態では、フラッシュメモリ52Fが不揮発性であるので、第1日目において実行時刻T3の決定後に電源がオフされた場合でも、その翌日以降に電源が投入されたときには、フラッシュメモリ52Fに記憶された遊技時間帯内に特別演出を実行可能となる。
【0038】
なお、本実施形態では、サブ制御基板52が特許請求の範囲に記載の「決定手段」に相当し、サブ制御基板52及び表示装置13が特許請求の範囲に記載の「演出実行手段」に相当し、フラッシュメモリ52Fが特許請求の範囲に記載の「記憶部」に相当する。また、発射ハンドル28が、特許請求の範囲に記載の「操作部材」に相当する。
【0039】
[第2実施形態]
本実施形態では、特別演出の実行時刻T3の決定の方法が、上記第1実施形態とは異なる。具体的には、本実施形態では、1日の時間を複数の時間帯に分割し、それら時間帯のうち、始動入賞センサ71,72による検出の合計回数(以下、センサ検出回数という。)が最も多い時間帯を算出し、その時間帯内に、特別演出が実行される。
【0040】
具体的には、
図4に示されるように、最初に遊技機10の電源がオンされてから、1日又は複数の日からなる計測期間に亘って(
図4の例では3日間に亘って)、各時間帯における始動入賞センサ71,72のセンサ検出回数がカウントされる。本実施形態では、このカウントは、サブ制御基板52のフラッシュメモリ52Fに設けられた時間帯カウンタにより行われる。時間帯カウンタは、各時間帯に対応して設けられると共に、それら時間帯カウンタの組が、上記計測期間における日数分、備えられている。CPU52Aは、各時間帯に対応する時間帯カウンタの値を、計測期間の全計測日に亘って合計し、その時間帯ごとの合計値(以下、時間帯合計値という。)を、フラッシュメモリ52Fに記憶させる。そして、それら時間帯合計値を比較し、最も時間帯合計値が大きかった(即ち、始動入賞センサ71.72の合計の検出頻度が高かった)時間帯を、第4日目以降に特別演出を実行する実行時間帯(
図4の例では、13:30~14:00)として決定し、その実行時間帯内に特別演出の実行時間T3を設定する。なお、例えば、実行時間T3は、上記第1実施形態と同様、第1時刻T1と第2時刻T2の中間時刻に設定されてもよいし、第1時刻T1に設定されてもよいし、第2時刻T2に設定されてもよい。
【0041】
なお、上記実行時間帯として、時間帯合計値の大きい上位複数の時間帯について、実行時間T3を設定してもよい。また、1日の時間を分割する複数の時間帯は、すべて同じ長さであってもよいし、一部が異なる長さであってもよい。
【0042】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段として、第1始動入賞センサ71と第2始動入賞センサ72が設けられていたが、遊技者が操作可能な操作部材に対して、遊技者が触れたこと、又は、遊技者が操作したこと、を検出する検出手段が設けられていてもよい。この検出手段は、例えば、操作ハンドル28のタッチセンサ28Sや操作ハンドル28の操作を検出するセンサであってもよいし、演出用操作部29の操作を検出するセンサであってもよい。また、上記検出手段として、例えば、遊技機10の前面枠10Zに遊技者を検出するカメラ又はセンサ(エリアセンサ等)を設けて、それらによって遊技者が遊技していることを検出してもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段が、第1始動入賞センサ71と第2始動入賞センサ72であったが、大入賞センサ15S、一般入賞センサ74、又は、ゲートセンサ73であってもよいし、アウト口16への遊技球の入球を検出するセンサであってもよいし、払出センサであってもよい。この場合、これらセンサによる遊技球の検出位置が、特許請求の範囲に記載の「特定位置」に相当する。
【0044】
(3)上記実施形態では、実行時刻T3が、第1時刻T1から第2時刻T2までの時間帯において、1つ設定されていたが、複数設定されていてもよい。
【0045】
(4)上記実施形態において、第1始動入賞センサ71と第2始動入賞センサ72による検出時刻のデータを、曜日ごとに記憶し、その曜日ごとに記憶されたデータに基づいて特別演出の曜日ごとの実行時刻T3を決めてもよい。
【0046】
(5)上記実施形態において、判定報知演出、又は、大当り遊技の実行時刻を記憶して、その時刻に基づいて実行時刻T3が決定されてもよい。
【0047】
(6)上記第2実施形態の遊技機10を複数設け、それら複数の遊技機10について、第1始動入賞センサ71と第2始動入賞センサ72の検出頻度の高い時間帯を算出してもよい。そして、その時間帯内の時刻を実行時刻T3とし、その実行時刻T3に複数の遊技機10で一斉に特別演出を実行してもよい。
なお、上記実施形態には、以下の特徴1~6が含まれている。以下の特徴1~6は、遊技機に関し、「従来、リアルタイムクロックを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2016-97264号公報(段落[0033])参照)。このような遊技機の中には、リアルタイムクロックを用いて、予め設定された時刻になると所定の演出を実行するものがある。そして、このような遊技機として、この演出の実行時刻が、無作為に設定されているものがある。」という背景技術について、「上述のような遊技機では、遊技者が遊技をしていない客待ち中にも演出が実行され易くなり、演出が遊技者に見られずに無駄に実行され易いという問題がった。」という課題をもって想到されたものと考えることができる。
[特徴1]
リアルタイムクロックを用いて所定の時刻に演出を実行する演出実行手段を備えた遊技機であって、
遊技者が遊技していることを検出するための検出手段と、
前記検出手段による検出があった時刻に基づいて前記演出実行手段による演出の実行時刻を決定する決定手段と、を備えた遊技機。
[特徴2]
遊技者が操作可能な操作部材を備え、
前記検出手段は、前記操作部材が操作されたこと、又は、その操作に起因して遊技球が予め定められた特定位置へ到達したこと、を検出する、特徴1に記載の遊技機。
[特徴3]
遊技球が入球することにより当否判定が行われる始動入賞部を備え、
前記検出手段は、前記操作部材の操作に起因して遊技球が予め定められた特定位置へ到達したことを検出し、
前記特定位置は、前記始動入賞部内に配される、特徴2に記載の遊技機。
[特徴4]
前記検出手段による検出があった時刻のデータを記憶する不揮発性の記憶部を有する、特徴1から3のうち何れか1の特徴に記載の遊技機。
[特徴5]
前記決定手段は、予め定められた規定時間以内の時間間隔で前記検出手段による検出が続いた時間帯を遊技時間帯として、前記演出実行手段による演出の実行時刻を、前記遊技時間帯内の時刻に決定する、特徴1から4のうち何れか1の特徴に記載の遊技機。
[特徴6]
前記決定手段は、1日の時間を複数の時間帯に分割した場合に前記検出手段による検出が最も多い時間帯内の時刻を、前記演出実行手段による演出の実行時刻とする、特徴1から4のうち何れか1の特徴に記載の遊技機。
特徴1では、遊技者が遊技していることを検出するための検出手段が備えられ、この検出手段による検出があった時刻に基づいて演出の実行時刻が決定されるので、所定時刻に実行される演出が遊技者に見られ易くなり、演出の実行が無駄になり難くなる。
検出手段は、遊技者が操作可能な操作部材が操作されたことを検出してもよいし、操作部材の操作に起因して遊技球が特定位置へ到達したことを検出してもよい(特徴2)。後者の場合、検出手段が、始動入賞部へ入球した遊技球の検出を行ってもよい(特徴3)。
特徴4では、検出手段により検出された時刻のデータを記憶する記憶部が設けられ、この記憶部が不揮発性となっている。これにより、時刻のデータを記憶して電源を切っても、その日の翌日以降にそのデータに基づいて演出を実行することができる。
決定手段は、予め定められた規定時間以内の時間間隔で検出手段による検出が続いた時間帯を遊技時間帯として、演出実行手段による演出の実行時刻を遊技時間帯内の時刻に決定してもよい(特徴5)。また、決定手段は、1日の時間を複数の時間帯に分割した場合に検出手段による検出が最も多い時間帯内の時刻を、演出実行手段による演出の実行時刻としてもよい(特徴6)。
【符号の説明】
【0048】
10 遊技機
13 表示装置
50 主制御基板
52 サブ制御基板
71 第1始動入賞センサ
72 第2始動入賞センサ