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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
A63F7/02 316A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019034122
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020137631
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
【審査官】大井 夕希奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-087363(JP,A)
【文献】特開2009-247389(JP,A)
【文献】特開2004-141404(JP,A)
【文献】特開2017-158719(JP,A)
【文献】特開2013-165827(JP,A)
【文献】特開2002-143525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技板の前面に開口し、流下する遊技球を入賞球として前記遊技板の裏側に取り込む入球口と、
前記遊技板に沿って移動し、前記入球口を開閉するシャッターと、
前記シャッターが閉じているときには前記入球口の内部で待機し、前記シャッターの開動作に連動して前記入球口から前方に突出して遊技球を前記入球口に案内するガイド板部材と、
前記遊技板の前面に開口し、前記入球口に連続する非入球口と、を備え
前記入球口と前記非入球口は、略同一の四角形をなして上下に並んでいて、
前記シャッターは、板状をなして上下に移動し、その移動可能な範囲の上端が前記入球口を閉塞しかつ前記非入球口を開放する第1位置をなす一方、下端が前記入球口を開放しかつ前記非入球口を閉塞する第2位置をなしている遊技機。
【請求項2】
遊技板の前面に開口し、流下する遊技球を入賞球として前記遊技板の裏側に取り込む入球口と、
前記遊技板に沿って移動し、前記入球口を開閉するシャッターと、
前記シャッターが閉じているときには前記入球口の内部で待機し、前記シャッターの開動作に連動して前記入球口から前方に突出して遊技球を前記入球口に案内するガイド板部材と、
前記遊技板の前面に開口し、前記入球口に連続する非入球口と、を備え、
前記シャッターは、前記入球口を閉塞しかつ前記非入球口を開放する第1位置と、前記入球口を開放しかつ前記非入球口を閉塞する第2位置との間を移動し、
前記シャッターが前記第1位置に位置するときに、前記ガイド板部材が前記シャッターより前記非入球口の奥側で遊技球の前記非入球口への進入を規制する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技板の前面に開口する入球口に遊技球を入球口に案内するガイド板部材を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機は、通常はガイド板部材が入球口の略全体を閉塞していて、遊技が当りになると、ガイド板部材が下縁部を中心に前傾姿勢になって遊技球を入球口に案内する構造が一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-204765号公報([0023]、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の遊技機においては、ガイド板部材が入球口の下縁部を中心に回動するため入球口の開放を遊技者が遊技板の前面から視認しづらく、入球口が開放されたか否かを判断しやくすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
遊技板の前面に開口し、流下する遊技球を入賞球として前記遊技板の裏側に取り込む入球口と、前記遊技板に沿って移動し、前記入球口を開閉するシャッターと、前記シャッターが閉じているときには前記入球口の内部で待機し、前記シャッターの開動作に連動して前記入球口から前方に突出して遊技球を前記入球口に案内するガイド板部材と、前記遊技板の前面に開口し、前記入球口に連続する非入球口と、を備え、前記入球口と前記非入球口は、略同一の四角形をなして上下に並んでいて、前記シャッターは、板状をなして上下に移動し、その移動可能な範囲の上端が前記入球口を閉塞しかつ前記非入球口を開放する第1位置をなす一方、下端が前記入球口を開放しかつ前記非入球口を閉塞する第2位置をなしている遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の遊技機は、入球口を開放する時に、入球口に備えたシャッターが、回動するのではなく遊技板に沿って入球口の前方から離れる方向に移動するので、入球口が開放されたことを遊技者は前面から視認しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技盤の正面図
図3】可動扉が第1位置に配置された前面開口の拡大正面図
図4】可動扉が第2位置に配置され、ガイド板部材が遊技板の前方に張り出した状態の前面開口の拡大正面図
図5】(A)可動扉が第1位置に配置された前面開口の側断面図、(B)可動扉が第2位置に配置され、ガイド板部材が前面開口の前方に張り出した状態の前面開口の側断面図
図6】可動扉とガイド板部材の動作を説明するための正面図と側断面図(A)可動扉が第1位置に配置された状態、(B)可動扉が第2位置に配置され、ガイド板部材が前面開口の後方に配置された状態、(C)可動扉が第2位置に配置され、ガイド板部材が前面開口の前方に張り出した状態
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の遊技機10は、図1に示されるように、パチンコ遊技機であって、前側が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0009】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル28が設けられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0010】
図2に示されるように、遊技領域R1は、遊技板11の前面から突出したガイドレール12に四方を囲まれることで形成されている。遊技領域R1の中央には、遊技盤表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技盤表示窓11Hに遊技板11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、その前面が遊技に関する演出を行う表示画面13Gとなっている。
【0011】
遊技板11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技盤表示窓11Hに嵌め込まれて、遊技盤表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技板11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の前側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
【0012】
表示装飾枠23の周囲には、入賞ゲート18、及び複数の入賞口14A,14B,15,20,21が配置されている。具体的には、表示装飾枠23の下側に、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが上下に並べて設けられ、それら始動入賞口14A,14Bの左側に、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。そして、表示装飾枠23の右側には、サイド入賞口21が備えられている。また、表示装飾枠23の右下側、即ち、第1と第2の始動入賞口14A,14Bの右側には、大入賞口15が設けられ、この大入賞口15の上側に始動ゲート18が備えられている。遊技領域R1を流下する遊技球が、各種入賞口14A,14B,15,20,21に入球すると、その遊技球は遊技板11の裏側に取り込まれ、賞球として所定数の遊技球が上皿26に払い出される。
【0013】
また、遊技領域R1の下端部には前方に開口した排出口16が備えられている。上述した各入賞口14A,14B,15,20,21の何れにも入賞しなかった遊技球は、排出口16に全て取り込まれ、図示しない球回収装置に回収される。
【0014】
なお、これら入賞ゲート18、各入賞口14A,14B,15,20,21及び表示装置13等以外に、遊技領域R1には、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
【0015】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。始動ゲート18は、上下方向に貫通した門形構造をなし、遊技球が1つずつ通過可能となっている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置(図示せず)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。
【0016】
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさに開口している。第1の始動入賞口14Aは上方に開口する一方、第2の始動入賞口14Bは前方に開口し、通常は、開閉扉14Tにて前方が閉塞されることで、遊技球の入球(入賞)が規制されている。開閉扉14Tは、上述した普通図柄当否判定の結果が当りとなったときに、下端部を中心に回動して所定時間だけ前側に倒される。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技板11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技板11の裏側に回収される。
【0017】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。即ち、本実施形態では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球することで、特別図柄当否判定の判定権利が発生する。特別図柄当否判定の判定結果は、判定権利の使用に伴って、表示画面13Gで報知される。詳細には、判定権利が用いられると、表示画面13Gでは、判定結果の報知に先立って、判定結果に関連した判定演出が行われる。そして、判定結果が大当りの場合には、判定演出の終了後、大当り遊技状態となって大当り遊技が実行される。判定結果が外れの場合には、大当り遊技状態ではない通常の遊技状態が続く。
【0018】
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、通常の遊技状態では、シャッター15Tにて閉塞されている。上述した大当り遊技状態となって大当り遊技が行われると、大入賞口15が開放されて大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。大当り遊技では、予め設定された回数だけ大入賞口15が開放されるラウンド遊技が、実行される大当り遊技に応じた回数だけ実行される。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限数の遊技球が大入賞口15に入球するか又は予め設定されたラウンド遊技時間が経過すると、終了し、シャッター15Tが大入賞口15を閉鎖する。
【0019】
表示画面13Gには、上述したように、特別図柄当否判定に関連した判定演出が表示される。具体的には、表示画面13Gの中央部には、3つの特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A~13Cは、例えば、数字や文字等を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A~13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、これら3つの特別図柄13A~13Cが、変動表示(例えば、上下方向にスクロール表示)され、所定時間経過後に、例えば、左、右、中の順に停止表示される。そして、停止した特別図柄13A~13Cの組合せにより、特別図柄当否判定の判定結果を報知するようになっている、具体的には、特別図柄13A~13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、大当りであることを示し、特別図柄13A~13Cがゾロ目以外の組合せの場合に、外れであることを示すようになっている。
【0020】
一般入賞口20及びサイド入賞口21は、始動入賞口14A,14Bと同様に、ポケット構造をなして遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさとなっている。入賞口20,21へ遊技球が入球(入賞)すると、その遊技球は遊技板11の裏側に取り込まれ、例えば、1個の入球につき15個の賞球が上皿26に払い出される。
【0021】
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞口15に対して本発明が適用されている。大入賞口15は、図2に示されるように、遊技板11の前面に開口した横長矩形の前面開口30に備えられている。
【0022】
前面開口30は、図5(A),(B)に示されるように、その後方が、仕切壁50によって上下方向に2分割され、仕切壁50より上側の領域が入球領域32、仕切壁50より下側の領域が非入球領域33となっている。前面開口30のうち、入球領域32の前方部分が大入賞口15、非入球領域33の前方部分が非入球口31を構成している。つまり、前面開口30の上半分が大入賞口15となっている。なお、本実施形態では、大入賞口15が、特許請求の範囲に記載の「入球口」に相当する。
【0023】
上述したように、通常の遊技状態では、大入賞口15はシャッター15Tにて閉塞される。図3に示されるように、シャッター15Tは、前面開口30を上下方向で2分割した形状と略同一の四角形の板状をなしている。従って、シャッター15Tが大入賞口15を閉塞するとき、前面開口30の下半分を構成する非入球口31はシャッター15Tによって閉塞されない(以下、シャッター15Tのこの位置を「第1位置」という。)。一方、大当り遊技状態となって、シャッター15Tが大入賞口15を開放したときには、図4に示されるように、シャッター15Tは非入球口31を閉塞する(以下、シャッター15Tのこの位置を「第2位置」という。)。そして、大当り遊技状態が終了すると、シャッター15Tは、非入球口31を開放し、大入賞口15を閉塞する第1位置に戻る。
【0024】
つまり、シャッター15Tは、前面開口30内を上下方向に移動して、図3の第1位置、あるいは図4の第2位置のどちらかに配置されて、大入賞口15と非入球口31のどちらか一方だけを閉塞する。なお、シャッター15Tは、図示しないソレノイドによって上下に移動可能となっている。
【0025】
ここで、シャッター15Tの上端面は、図5(A)に示されるように、内面側(大入賞口15との対向面側)に向かって下るように傾斜した傾斜面15Sが形成されている。また、大入賞口15を構成する前面開口30の上縁部には、入球領域32側に向かって下るように傾斜した傾斜面30Sが形成されている。そして、シャッター15Tが第1位置のときに、シャッター15Tの傾斜面15Sは、前面開口30の傾斜面30Sと接触しないようになっている。
【0026】
また、大入賞口15の後方の入球領域32は、その奥側で、上下方向に貫通した入賞球取込部36に連通している。大入賞口15に遊技球が入球すると、入球領域32と、入賞球取込部36とを通って遊技板11の裏側に回収される。
【0027】
なお、入賞球取込部36の下方には、図示しない検出スイッチが配置されていて、入賞球取込部36を通過した遊技球はその下方で検出スイッチによって検出され、その検出回数によって大入賞口15への入球数がカウントされる。
【0028】
ここで、シャッター15Tが第1位置にあるとき、非入球口31は、上述したようにシャッター15Tによって閉塞されないが、図5(A)に示されるように、ガイド板部材40によって閉塞される。ガイド板部材40は、横長矩形に形成された板状をなし、遊技板11の前後方向に対して前上がりに傾斜している(以下、この傾斜方向を「第1方向」という。)。なお、シャッター15Tが第1位置にあるとき、非入球口31の後方に配置されるガイド板部材40は、図3に示されるように、その外面40Mが遊技者が遊技板11の前面から視認可能となっている。
【0029】
そして、ガイド板部材40は、シャッター15Tが第2位置に配置されたとき、図5(B)に示されるように、大入賞口15の下縁部から斜め上前方に張り出した位置に配置され、ガイド板部材40の内面40Nが、遊技領域R1を流下する遊技球を受け止めて大入賞口15へと誘導する。
【0030】
つまり、大当り遊技状態となって大当り遊技が行われると、まず、シャッター15Tは、前面開口30内の上部に配置される図5(A)の状態から、上述のソレノイドによって前面開口30内の下部に下降して第1位置に配置される。そのあとで、非入球口31の後方に配置されていたガイド板部材40が、第1方向に移動して大入賞口15の前方に張り出して図5(B)の状態となる。例えば、シャッター15Tを上下に移動させるソレノイドの駆動力を、図示しない連動部材を介してガイド板部材40に伝達することで、ガイド板部材40を第1方向へ移動させる。
【0031】
ここで、ガイド板部材40の両端部は、ガイド板部材40の外面40Mから内面40Nに向かってそれぞれ広がるように傾斜した傾斜面40U,40Zを有している。そして、シャッター15Tが第1位置にあるとき、ガイド板部材40の下端部の傾斜面40Uは、非入球領域33の底面と当接する一方、ガイド板部材40の上端部の傾斜面40Zは、シャッター15Tの内面の下端部に突き合てられている(図5(A)参照)。
【0032】
また、仕切壁50の前端部とシャッター15Tの内面との間には、ガイド板部材40が第1方向に移動可能な隙間Kが形成されている。仕切壁50の前端部は、仕切壁50の上面から下面に向かって後方に下るように傾斜した傾斜面50Zを有していて、シャッター15Tが第1位置にあるとき、ガイド板部材40の内面40Nは仕切壁50の傾斜面50Zと対向している。
【0033】
そして、シャッター15Tが第2位置に移動し、ガイド板部材40が大入賞口15の前方に張り出したときには、ガイド板部材40の下端部の傾斜面40Uが隙間Kに収容され、ガイド板部材40の外面40Mがシャッター15Tの傾斜面15Sと対向する(図5(B)参照)。
【0034】
また、非入球領域33の底面は、奥側に向かうにしたがって上方に傾斜し、上下方向の幅が狭くなっている。具体的には、非入球領域33の底面のうち、シャッター15Tが第2位置にあるときにシャッター15Tの下端部と対向する手前部分と、シャッター15Tが第1位置にあるときにガイド板部材40の下端部の傾斜面40Uと当接する奥側部分とが、平坦面となっていて、それ以外の中央部分が傾斜面33Wとなっている。なお、シャッター15Tが第1位置にあるとき、傾斜面33Wは、図3に示されるように、遊技者が遊技板11の前面から視認可能となっている。
【0035】
本実施形態の構成は以上である。次に本実施形態の作用を説明する。遊技領域R1に打ち込まれた遊技球は、遊技領域R1に配置された表示装飾枠23、障害釘、風車等に接触して、ランダムな経路で流下する。遊技球が入賞ゲート18を通過すると普通図柄当否判定が行われる。普通図柄当否判定の結果が当りとなったときに、第2の始動入賞口14Bに備えた開閉扉14Tが前側に倒れて第2の始動入賞口14Bが開放し、開閉扉14Tを案内にして第2の始動入賞口14Bに遊技球が入賞可能となる。また、第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の判定結果が大当りとなると、まず、大入賞口15を閉塞していたシャッター15Tが、図6(A)に示される第1位置から図6(B)に示される第2位置へと下降して大入賞口15が開放され、続いて、大入賞口15の後方かつシャッター15Tの下方に配置されていたガイド板部材40が、図6(B)に示す位置から図6(C)に示す位置へと移動し、大入賞口15より前方へと張り出すことにより、ガイド板部材40を案内にして大入賞口15に遊技球が入球可能となる。
【0036】
ここで、ガイド板部材40に案内された遊技球は、ガイド板部材40から入球領域32に進入して入賞球取込部36に取り込まれる。入賞球取込部36に取り込まれた遊技球は、検出スイッチによって検出され、その検出回数によって、大入賞口15への入球数がカウントされる。そして、大入賞口15への入球数が予め定められた上限数になると、まず、ガイド板部材40が図6(C)に示す位置から、図6(B)に示す位置に戻され、続いて、シャッター15Tが、図6(B)に示す第2位置から、図6(A)に示す第1位置に戻されて、大入賞口15が閉塞される。
【0037】
上述したように、シャッター15Tは、前面開口30内を上下に遊技板11に沿って動くので、大入賞口15を開放するときに、第1領域の前方から離れる方向に移動することから、遊技者はその動きを前方から明確に視認することができ、下縁部を中心に回動して前傾姿勢になる回動扉よりも、大入賞口15が開放したか否かが判断しやすくなる。
【0038】
しかも、大入賞口15は前面開口30内に備えられる構成によって、前面開口30全体が大入賞口15であるかのように見せることができ、大当りとなってシャッター15Tが下がったときに遊技者に視覚的に大入賞口15が大きくなったように感じさせて、大当りの祝福感を増大させることができる。
【0039】
その上、従来の回動扉では、大入賞口15が閉塞されるときに回動扉の内面に受け止められた遊技球が大入賞口15の上縁部との間に挟まって球噛みが発生する虞があったが、本実施形態では、大入賞口15が閉塞される際、まずガイド板部材40が遊技板11の後方に引っ込んだあとでシャッター15Tが大入賞口15を閉塞するので、ガイド板部材40の内面40Nで受け止められた遊技球が、大入賞口15の上縁部に挟まる虞を低減することができる。
【0040】
しかも、非入球口31は、シャッター15Tが大入賞口15を閉塞するときにはガイド板部材40によって閉塞され、ガイド板部材40が大入賞口15の前方に張り出しているときには、その後方をシャッター15Tによって閉塞され、非入球口31の後方の非入球領域33の奥側は常に閉塞される構成となっていることから、遊技領域R1を流下する遊技球が非入球領域33の奥側に進入することを規制することができる。
【0041】
ここでもし仮に、非入球口31の後方がガイド板部材40によって閉塞されているときに、非入球口31に遊技球が進入した場合でも、非入球領域33の底面に前方に向かって下る傾斜面33Wが形成されているので進入した遊技球を遊技板11の前面に誘導し、非入球領域33に遊技球が滞留するのを抑制することができる。
【0042】
また、大入賞口15を構成する前面開口30の上縁部には、傾斜面30Sが形成されているので、図6(C)に示されるように、ガイド板部材40の内面40Nに案内された遊技球が大入賞口15に入球しやすくなっている。
【0043】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0044】
(1)上記実施形態では、大入賞口15と非入球口31とが上下方向に並んで前面開口30が構成されていたが、左右方向に並んで前面開口30が構成され、シャッター15Tが左右方向に移動して大入賞口15を閉塞又は開放してもよい。このとき、シャッター15Tが大入賞口15を閉塞するときにガイド板部材40を閉塞してもよい。
【0045】
(2)上記実施形態では、ガイド板部材40が遊技板11の前後方向に対して前上がりに傾斜していたが、水平に配置されていてもよい。この場合、ガイド板部材40は、大当り遊技状態となったときに、大入賞口15の下部から水平方向に突出する。
【0046】
(3)上記実施形態では、大入賞口15の上縁部に入球領域32側に向かって下るように傾斜した傾斜面11Sを備えていたが備えていなくてもよい。
【0047】
(4)上記実施形態では、非入球領域33の底面には前方に向かって下る傾斜面33Wを備えていたが備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 遊技機
11 遊技板
15 大入賞口(入球口)
15T シャッター
31 非入球口
40 ガイド板部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6