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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/43 20060101AFI20221107BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20221107BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
H01L29/62
H01L21/28 301B
H01L21/28 301R
H01L29/58 G
H01L29/78 301B
H01L29/78 301G
H01L29/78 301V
H01L29/80 H
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018116257
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019220557
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大望
(72)【発明者】
【氏名】米原 健矢
(72)【発明者】
【氏名】大野 浩志
(72)【発明者】
【氏名】梶原 瑛祐
(72)【発明者】
【氏名】蔵口 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 達雄
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-103780(JP,A)
【文献】国際公開第2010/125810(WO,A1)
【文献】特開2009-200096(JP,A)
【文献】特開2012-104735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/43
H01L 21/28
H01L 29/423
H01L 21/336
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、前記第1部分領域と前記第2部分領域との間の第3部分領域、前記第1部分領域と前記第3部分領域との間の第4部分領域、及び、前記第3部分領域と前記第2部分領域との間の第5部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への第1方向は、前記第1電極から前記第2電極への第2方向と交差し、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は前記第1方向に沿う、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第6部分領域及び第7部分領域を含み、前記第4部分領域から前記第6部分領域への方向は前記第1方向に沿い、前記第5部分領域から前記第7部分領域への方向は前記第1方向に沿う、前記第2半導体領域と、
第3電極であって、前記第3部分領域から前記第3電極への方向は前記第1方向に沿い、前記第3電極は前記第2方向において前記第6部分領域及び前記第7部分領域と重なる、前記第3電極と、
前記第3電極と前記第3部分領域との間、前記第3電極と前記第4部分領域との間、前記第3電極と前記第5部分領域との間、前記第3電極と前記第6部分領域との間、及び、前記第3電極と前記第7部分領域との間に設けられた部分を含む第1絶縁膜と、
を備え、
X線回折測定において、前記第3電極における(111)配向に対応する第1ピーク強度に対する、前記第3電極における(220)配向に対応する第2ピーク強度の比は、1.5以上である、半導体装置。
【請求項2】
前記第3電極は、NaCl型の結晶構造を有する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第3電極は、チタン及び窒素を含む、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1電極と、
第2電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、前記第1部分領域と前記第2部分領域との間の第3部分領域、前記第1部分領域と前記第3部分領域との間の第4部分領域、及び、前記第3部分領域と前記第2部分領域との間の第5部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への第1方向は、前記第1電極から前記第2電極への第2方向と交差し、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は前記第1方向に沿う、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第6部分領域及び第7部分領域を含み、前記第4部分領域から前記第6部分領域への方向は前記第1方向に沿い、前記第5部分領域から前記第7部分領域への方向は前記第1方向に沿う、前記第2半導体領域と、
チタン及び窒素を含む第3電極であって、前記第3部分領域から前記第3電極への方向は前記第1方向に沿い、前記第3電極は前記第2方向において前記第6部分領域及び前記第7部分領域と重なり、前記第3電極の密度は3.93g/cm以下である、前記第3電極と、
前記第3電極と前記第3部分領域との間、前記第3電極と前記第4部分領域との間、前記第3電極と前記第5部分領域との間、前記第3電極と前記第6部分領域との間、及び、前記第3電極と前記第7部分領域との間に設けられた部分を含む第1絶縁膜と、
を備えた半導体装置。
【請求項5】
前記第3電極は、前記第2方向において、前記第4部分領域及び前記第5部分領域と重なる、請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
第2絶縁膜をさらに備え、
前記第6部分領域は、前記第2絶縁膜の一部と前記第4部分領域との間に設けられ、
前記第7部分領域は、前記第2絶縁膜の別の一部と前記第5部分領域との間に設けられ、
前記第2絶縁膜の組成は、前記第1絶縁膜の組成とは異なる、請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2絶縁膜は窒素を含み前記第1絶縁膜は、窒素を含まない、または、
前記第1絶縁膜における窒素の濃度は、前記第2絶縁膜における窒素の濃度よりも低い、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1絶縁膜の一部と前記第6部分領域との間に、前記第2絶縁膜の前記一部が設けられ、
前記第1絶縁膜の別の一部と前記第7部分領域との間に、前記第2絶縁膜の前記別の一部が設けられた、請求項6または7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3電極と前記第1絶縁膜との間に設けられ、Pt、Ir、Ni、Pd、Ge、Co、Au、及びRhよりなる群から選択された少なくとも1つを含む中間膜をさらに備えた請求項1~8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記中間膜の、前記第3電極と前記第3部分領域との間における、前記第1方向に沿う厚さは、0.25nm以上4nm以下である、請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第3電極は、前記第1方向において前記第3部分領域と重なる部分を含み、
前記重なる部分の前記第1方向に沿う厚さは、10nm以上100nm以下である、請求項1~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1絶縁膜は、前記第1方向において、前記第3電極の一部と前記第4部分領域との間、及び、前記第3電極の別の一部と前記第5部分領域との間に設けられた、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1絶縁膜は、前記第1方向において前記第3電極と前記第3部分領域との間の第1絶縁部分を含み、
前記第1絶縁部分と前記第3電極との境界の前記第1方向における位置と、前記第4部分領域と前記第6部分領域との境界の前記第1方向における位置と、の間の前記第1方向に沿った距離は、0.1nm以上15nm以下である、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1絶縁膜は、前記第1方向において前記第3電極と前記第3部分領域との間の第1絶縁部分を含み、
前記第1絶縁部分の前記第1方向に沿う厚さは、0.1nm以上50nm以下である、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域と、Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む第2半導体領域と、を含む積層体の一部を除去して、前記第2半導体領域から前記第1半導体領域に届く凹部を形成し、
前記凹部に第1絶縁膜を形成し、
前記第1絶縁膜の前記形成の後に前記凹部の残余の空間に、Tiを含むターゲットを用いて、アルゴン及び窒素を含みアルゴンの流量に対する窒素の流量の比が0.077以上0.513以下である雰囲気中でのスパッタにより、TiNを含む導電膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1絶縁膜の前記形成と、前記導電膜の前記形成と、の間に、前記凹部に、Pt、Ir、Ni及びPrよりなる群から選択された少なくとも1つを含む中間膜をさら形成する、請求項15記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記積層体の第1部分領域と電気的に接続される第1電極と、前記積層体の第2部分領域と電気的に接続される第2電極と、をさらに形成し、
前記第1部分領域と前記第2部分領域との間に、前記凹部が位置する、請求項15または16に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば窒化物半導体を用いた半導体装置がある。半導体装置において、安定した特性が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-45146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、安定した特性を得ることができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1~第3電極、第1半導体領域、第2半導体領域及び第1絶縁膜を含む。前記第1半導体領域は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、前記第1部分領域と前記第2部分領域との間の第3部分領域、前記第1部分領域と前記第3部分領域との間の第4部分領域、及び、前記第3部分領域と前記第2部分領域との間の第5部分領域を含む。前記第1部分領域から前記第1電極への第1方向は、前記第1電極から前記第2電極への第2方向と交差する。前記第2部分領域から前記第2電極への方向は前記第1方向に沿う。前記第2半導体領域は、Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む。前記第2半導体領域は、第6部分領域及び第7部分領域を含む。前記第4部分領域から前記第6部分領域への方向は前記第1方向に沿う。前記第5部分領域から前記第7部分領域への方向は前記第1方向に沿う。前記第3部分領域から前記第3電極への方向は前記第1方向に沿う。前記第3電極は前記第2方向において前記第6部分領域及び前記第7部分領域と重なる。前記第1絶縁膜は、前記第3電極と前記第3部分領域との間、前記第3電極と前記第4部分領域との間、前記第3電極と前記第5部分領域との間、前記第3電極と前記第6部分領域との間、及び、前記第3電極と前記第7部分領域との間に設けられた部分を含む。X線回折測定において、前記第3電極における(111)配向に対応する第1ピーク強度に対する、前記第3電極における(220)配向に対応する第2ピーク強度の比は、1.5以上である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2図2は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図3図3(a)~図3(e)は、試料のX線回折測定の結果を例示するグラフ図である。
図4図4(a)~図4(e)は、試料のX線回折測定の結果を例示するグラフ図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、試料の特性を例示するグラフ図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、試料の特性を例示するグラフ図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、試料の特性を例示するグラフ図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、半導体装置に関するシミュレーション結果を例示する模式的断面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10図10は、試料の一部を例示する電子顕微鏡写真像である。
図11図11は、試料の一部を例示する電子顕微鏡写真像である。
図12図12は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1電極51、第2電極52、第3電極53、第1半導体領域10、第2半導体領域20、及び、第1絶縁膜41を含む。
【0009】
第1半導体領域10は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。1つの例において、第1半導体領域10は、GaN層である。第1半導体領域10は、第1部分領域11~第5部分領域15を含む。第3部分領域13は、第1部分領域11と第2部分領域12との間にある。第4部分領域14は、第1部分領域11と第3部分領域13との間にある。第5部分領域15は、第3部分領域13と第2部分領域12との間にある。
【0010】
第1部分領域11から第1電極51への第1方向は、第1電極51から第2電極52への第2方向と交差する。
【0011】
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。第2方向は、例えばX軸方向である。
【0012】
第2部分領域12から第2電極52への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第1部分領域11は、第1電極51に対応する部分である。第2部分領域12は、第2電極52に対応する部分である。
【0013】
第2半導体領域20は、Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む。第2半導体領域20は、例えば、AlGaN層である。第2半導体領域20は、第6部分領域26及び第7部分領域27を含む。第4部分領域14から第6部分領域26への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第5部分領域15から第7部分領域27への方向は、第1方向に沿う。この例では、第2半導体領域20は、第8部分領域28及び第9部分領域29をさらに含む。第1方向において、第1部分領域11と第1電極51との間に、第8部分領域28がある。第1方向において、第2部分領域12と第2電極52との間に、第9部分領域29がある。
【0014】
第3部分領域13から第3電極53への方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第3電極53の第2方向(例えばX軸方向)に沿う位置は、第1電極51の第2方向に沿う位置と、第2電極52の第2方向に沿う位置との間にある。
【0015】
第3電極53は、第2方向(例えば、X軸方向)において、第6部分領域26及び第7部分領域27と重なる。この例では、第3電極5は、第2方向において、第4部分領域14及び第5部分領域15とさらに重なる。例えば、第2半導体領域20の一部にリセス部(孔でも良い)が設けられる。第3電極53の少なくとも一部が、第2半導体領域20のリセス部に埋め込まれる。例えば、第1半導体領域10の一部にリセス部(凹部)が設けられても良い。第3電極53の少なくとも一部が、第1半導体領域10のリセス部に埋め込まれても良い。
【0016】
例えば、上記の第1半導体領域10及び第2半導体領域20を含む積層体18が設けられ、積層体18に凹部18dを形成することで、リセス部が形成できる。
【0017】
例えば、第3電極53は、NaCl型の結晶構造を有する。1つの例において、第3電極53は、チタン及び窒素を含む。第3電極53は、例えば、TiNを含む。
【0018】
第1絶縁膜41は、第3電極53と第3部分領域13との間、第3電極53と第4部分領域14との間、第3電極53と第5部分領域15との間、第3電極53と第6部分領域26との間、及び、第3電極53と第7部分領域27との間に設けられた部分pxを含む。
【0019】
例えば、第1半導体領域10の第2半導体領域20の側の部分に、二次元電子ガス10E(2DEG:two dimensional electron gas)が形成される。第1電極51は、例えば、ソース電極として機能する。第2電極52は、例えば、ドレイン電極として機能する。第3電極53は、例えば、ゲート電極として機能する。第1絶縁膜41の上記の部分pxは、ゲート絶縁膜として機能する。第1半導体領域10は、例えば、チャネル層として機能する。第2半導体領域20は、例えば、電子供給層として機能する。
【0020】
この例では、半導体装置110は、第2絶縁膜42をさらに含む。第6部分領域26は、第1方向(Z軸方向)において、第2絶縁膜42の一部42aと、第4部分領域14との間に設けられる。第7部分領域27は、第2絶縁膜42の別の一部42bと、第5部分領域15との間に設けられる。第2絶縁膜42の組成は、第1絶縁膜41の組成とは異なる。
【0021】
例えば、第2絶縁膜42は窒素を含み、第1絶縁膜41は窒素を含まない。または、第1絶縁膜41における窒素の濃度は、第2絶縁膜42における窒素の濃度よりも低い。例えば、第1絶縁膜41は、酸化シリコンを含み、第2絶縁膜42は、窒化シリコンを含む。例えば、第1絶縁膜41は、SiO2膜でも良い。第2絶縁膜42は、SiN膜でも良い。第2半導体領域20の上に窒素を含む膜(例えばSiN膜)が設けられることで、第2半導体領域20において、安定した特性が得られる。
【0022】
例えば、第1絶縁膜41の一部41aと、第6部分領域26との間に、第2絶縁膜42の上記の一部42aが設けられる。第1絶縁膜41の別の一部41bと、第7部分領域27と、の間に、第2絶縁膜42の上記の別の一部42bが設けられる。
【0023】
この例では、基体17a、半導体領域17b~17dが設けられ、その上に第1半導体領域10及び第2半導体領域20が設けられる。基体17aは、例えばSi基板である。半導体領域17bは、例えば、Aly1Ga1-y1N(0<y1≦1)層である。半導体領域17cは、例えば、Aly2Ga1-y2N(0≦y2<y1)層である。半導体領域17dは、例えば、炭素を含むGaN層である。
【0024】
半導体装置110は、リセス型ゲート電極を有する。半導体装置110は、ノーマリオフ動作を行う。半導体装置110のしきい値電圧は、例えば、正である。
【0025】
実施形態においては、第3電極53が、後述する特殊な特性を有する。これにより、しきい値電圧が上昇する。高いしきい値電圧が得られることから、安定した動作が得られる。
【0026】
以下、第3電極53と、半導体装置の電気的特性と、の関係の例について説明する。以下では、第3電極53の形成条件を変えた2種類の試料の電流-電圧(I-V特性)の測定結果について説明する。
【0027】
図2は、半導体装置の特性を例示するグラフ図である。
図2の横軸は、ゲート電圧Vg(V)である。縦軸はドレイン電流Id(mA)である。図2には、第1測定試料SPa及び第2測定試料SPbの特性が示されている。これらの試料において、第3電極53は、TiN膜である。TiN膜は、Tiのターゲットを用いたスパッタで形成される。スパッタにおけるガスがこれらの試料の間で変更される。第1測定試料SPaにおいては、Ar(アルゴン)ガスの流量/N(窒素)ガスの流量の比は、48/8である。第2測定試料SPbにおいては、Arガスの流量/Nガスの流量の比は、8/48である。
【0028】
図2に示すように、第1測定試料SPaにおけるI-V特性は、第2測定試料SPbにおけるI-V特性に対して、右(正)にシフトしている。例えば、ドレイン電流Idが1×10-6mAのときのゲート電圧Vgをしきい値電圧とする。第1測定試料SPaにおけるしきい値電圧は、約1.01Vである。第2測定試料SPbにおけるしきい値電圧は、約0.64Vである。第1測定試料SPaにおけるしきい値電圧は、第2測定試料SPbにおけるしきい値電圧よりも、0.35V高い。このように、第3電極53の条件によって、しきい値電圧が上昇することが分かった。
【0029】
以下、TiN膜の形成条件を変えた実験の結果の例について説明する。1つの実験においては、SiO膜の上に、TiN膜がスパッタにより形成される。スパッタにおけるArガスの流量及びNガスの流量が変更される。スパッタは、例えば、反応性スパッタである。これらのガスは、例えば、反応ガスである。
【0030】
試料SP01においては、Arガスの流量は28sccmであり、Nガスの流量は28sccmである。
試料SP02においては、Arガスの流量は48sccmであり、Nガスの流量は8sccmである。
試料SP03においては、Arガスの流量は19sccmであり、Nガスの流量は37sccmである。
試料SP04においては、Arガスの流量は8sccmであり、Nガスの流量は48sccmである。
試料SP05においては、Arガスの流量は37sccmであり、Nガスの流量は19sccmである。
上記の第1測定試料SPaは、試料SP02に対応する。上記の第2測定試料SPbは、試料SP04に対応する。
【0031】
さらに、試料SP11~SP15が作製される。試料SP11~SP15においては、Si(100)基板の上に、TiN膜がスパッタにより形成される。試料SP11~SP15におけるArガスの流量及びNガスの流量は、試料SP01~SP05におけるArガスの流量及びNガスの流量と同じである。
【0032】
試料SP01~SP05、及び、試料SP11~SP15において、スパッタ時の圧力は、0.5Paであり、スパッタの電力は、1kWである。形成されるTiN膜の厚さは、約100nmである。
【0033】
これらの試料のX線回折測定の結果の例について説明する。
図3(a)~図3(e)、及び、図4(a)~図4(e)は、試料のX線回折測定の結果を例示するグラフ図である。
図3(a)~図3(e)は、試料SP01~SP05に対応し、図4(a)~図4(e)は、試料SP11~SP15に対応する。これらの図の横軸は、角度2θ(度)である。これらの図の縦軸は、信号の強度Intである。
【0034】
これらの図に示すように、(111)面に関する方位、(200)面に関する方位、(220)面に関する方位、(311)面に関する方位、及び、(222)面に関する方位に対応するピークが観察される。
【0035】
図3(b)及び図4(b)に示すように、試料SP02及び試料SP12においては、(220)面に関する方位に対応するピークの強度Intが、他の試料に比べて強い。このように、TiN膜の形成条件により、得られる膜(TiN)の性質が異なる。
【0036】
以下、これらの試料の他の特性の測定結果の例について説明する。
図5(a)及び図5(b)は、試料の特性を例示するグラフ図である。
これらの図の横軸は、試料SP11~SP15、及び、試料SP01~SP05に対応する。図5(a)の縦軸は、試料の膜(TiN膜)の密度d1(g/cm)である。密度d1は、X線反射率測定法(XRR:X-ray Reflection)により測定される。図5(b)の縦軸は、試料の膜(TiN膜)の表面ラフネスs1(nm)である。表面ラフネスs1は、XRRの測定結果からフィッティングにより得られる表面粗さに対応する。
【0037】
図5(a)に示すように、試料SP02及び試料SP12においては、他の試料に比べて、密度d1が低い。
【0038】
例えば、膜における優先的な結晶方位が密度d1に影響を与えると考えられる。例えば、NaCl型の結晶構造において、(111)面方位の密度は、(100)面方位の密度よりも高いと考えられる。(100)面方位の密度は、(110)面方位の密度よりも高いと考えられる。
【0039】
例えば、試料SP02及び試料SP12においては(220)面に関する方位に対応するピークが強いことが、これらの試料の密度d1が低いことと関係していると考えられる。
【0040】
膜の密度d1が低いと、例えば、膜の誘電率的な特性が変化し、これにより、しきい値電圧が高くできると考えられる。
【0041】
一方、図5(b)に示すように、試料SP02及び試料SP12においては、ラフネスs1が比較的大きい。例えば、膜の加工の安定性を考慮して、一般的には、膜の表面ラフネスが小さい条件が採用されることが多いと考えられる。実施形態においては、ラフネスs1の観点ではなく、しきい値電圧が高くなるような条件の膜が採用される。
【0042】
(220)面に関する方位に対応するピークの強度Intに着目した「パラメータR1」を導入する。パラメータR1は、(220)面に関する方位に対応するピークの強度(図3(a)及び図3(b)の強度I2)の、(111)面に関する方位に対応するピークの強度(図3(a)及び図3(b)の強度I1)に対する比(I2/I1)である。
【0043】
図6(a)及び図6(b)は、試料の特性を例示するグラフ図である。
これらの図の横軸は、パラメータR1である。縦軸は、密度d1(g/cm)である。図6(a)は、試料SP01~SP05に対応する。図6(b)は、試料SP11~SP15に対応する。これらの図から分かるように、パラメータR1が大きくなると、密度d1が低下する。
【0044】
TiN膜がSiO膜の上に設けられる場合は、試料SP01~SP05に対応する。この場合、図6(a)から分かるように、パラメータR1が1.5以上において、密度d1が急峻に低下する。パラメータR1が1.5以上にときに、密度d1を効果的に低くすることができると考えられる。パラメータR1が2以上にときに、密度d1をさらに効果的に低くすることができると考えられる。パラメータR1が4以上にときに、非常に低い密度d1が得られる。
【0045】
図7(a)及び図7(b)は、試料の特性を例示するグラフ図である。
これらの図の横軸は、パラメータR1である。縦軸は、表面ラフネスs1(nm)である。図7(a)は、試料SP01~SP05に対応する。図7(b)は、試料SP11~SP15に対応する。これらの図から分かるように、パラメータR1が大きくなると、表面ラフネスs1が大きくなる。
【0046】
TiN膜がSiO膜の上に設けられる場合は、試料SP01~SP05に対応する。この場合、図7(a)から分かるように、パラメータR1が1.5以上において、表面ラフネスs1は、ほぼ飽和する。パラメータR1が5以下の範囲では、表面ラフネスs1において、著しい増大は観察されない。他の特性において著しい変化がなければ、パラメータR1は、10以下でも良い。パラメータR1は、20以下でも良い。
【0047】
実施形態においては、例えば、パラメータR1を1.5以上とする。これにより、膜の密度d1を効果的に低くできる。パラメータR1は、2以上でも良い。パラメータR1は、4以上でも良い。
【0048】
実施形態において、例えば、X線回折測定において、第3電極53における(111)配向に対応する第1ピーク強度(I1)に対する、第3電極53における(220)配向に対応する第2ピーク強度(I2)の比は、1.5以上である。この比は2以上でも良い。この比は、4以上でも良い。低い密度d1が得られる。
【0049】
図6(a)に示すように、パラメータR1が1.5以上のとき、密度d1は、3.93g/cm以下である。パラメータR1が2以上のとき、密度d1は、3.91g/cm以下である。パラメータR1が4以上のとき、密度d1は、3.63g/cm以下である。
【0050】
実施形態において、第3電極53がチタン及び窒素を含む場合、例えば、第3電極53の密度d1は3.93g/cm以下でも良い。密度d1は、3.91g/cm以下でも良い。密度d1は、3.63g/cm以下でも良い。このような低い密度により、高いしきい値電圧が得られる。
【0051】
図8(a)及び図8(b)は、半導体装置に関するシミュレーション結果を例示する模式的断面図である。
図8(a)は、シミュレーションのモデルM01を例示している。第1半導体領域10は、GaN層であり、第2半導体領域20は、A0.25Ga0.75N層である。この例では、第3電極53は、-156MPaの応力(圧縮応力)を有する。第1絶縁膜41及び第2絶縁膜42は、-500MPaの応力(圧縮応力)を有する。これらの応力により、第2半導体領域20の側面20sの部分(リセス端部)に、剪断応力が加わる。
【0052】
図8(b)は、剪断応力の強さを模式的に示している。図8(b)において、画像の濃さが最も濃い部分は、正の剪断応力に対応する。画像の濃さが最も薄い部分は、負の剪断応力に対応する。これらの間に、その間の大きさ及び極性の剪断応力が生じる。図8(b)から分かるように、第2半導体領域20の側面20sの近傍(リセス端部ep1)に大きな剪断応力が生じることが分かる。この剪断応力は、例えば、応力によるピエゾ電荷を発生させる。この剪断応力は、X-Y平面に沿う電荷の移動に影響を与えると考えられる。
【0053】
第1測定試料SPaにおいては、第3電極53は、(220)面方位を優先とする構造を有する。これにより、第3電極53の密度d1が低い。このため、第3電極53において応力が緩和され易いと考えられる。これにより、第1測定試料SPaにおいて、高いしきい値が得られたと考えられる。例えば、第3電極53の体積が、他の構成部材(例えば第1絶縁膜41)の体積よりも大きい場合は、第3電極53は、素子全体の残留応力に大きな影響を与えると考えられる。第2半導体領域20の側面20sの部分(リセス端部)に、ピエゾ電荷が発生し、高いしきい値が得られたと考えられる。
【0054】
実施形態において、第3電極53は、第1方向(Z軸方向)において第3部分領域13と重なる部分53pを含む(図1参照)。この重なる部分53pの第1方向に沿う厚さt53は、10nm以上100nm以下である。厚さt53が10nm未満のときは、例えば、成膜時または加工時における熱処理等において、膜質が不均一になり易くなる。膜質が不均一になると、断線が生じ易くなる。膜質が不均一になると、例えば、所望の仕事関数を得に難くなる場合がある。厚さt53が100nmを超えるときは、例えば、熱処時に膨張により体積が大きく変化するため、膜はがれが生じ易くなる。
【0055】
第3電極53の一部が、第1絶縁膜41の上に設けられても良い。例えば、第1絶縁膜41は、第1方向(Z軸方向)において、第3電極53の一部と第4部分領域14との間、及び、第3電極53の別の一部と第5部分領域15との間に設けられても良い。例えば、第1絶縁膜41の剥がれなどが抑制できる。
【0056】
第1絶縁膜41は、第1絶縁部分41p(図1参照)を含む。第1絶縁部分41pは、第1方向(Z軸方向)において第3電極53と第3部分領域13との間にある。第1絶縁部分41pと第3電極53との境界を境界pb1とする(図1参照)。第4部分領域14と第6部分領域26との境界を境界pb2とする。境界pb1の第1方向(Z軸方向)における位置と、境界pb2の第1方向における位置と、の間の第1方向に沿った距離d3は、例えば、0.1nm以上15nm以下である。距離d3は、例えば、リセス深さに対応する。
【0057】
第1絶縁膜41の上記の第1絶縁部分41pの第1方向(Z軸方向)に沿う厚さt41は、例えば、0.1nm以上50nm以下である。
【0058】
図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図9に示すように、実施形態に係る半導体装置120は、第1~第3電極51~53、第1半導体領域10、第2半導体領域20及び第1絶縁膜41に加えて、中間膜55をさらに含む。中間膜55は、第3電極53と第1絶縁膜41との間に設けられる。中間膜55は、Pt、Ir、Ni、Pd、Ge、Co、Au、及びRhよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。中間膜55における仕事関数は、第3電極53の仕事関数よりも高い。中間膜55を設けることで、例えば、第3電極53を第1絶縁膜41(例えばSiO)上に成膜する際に、第1絶縁膜41と第3電極53との化合物形成を抑制することができる。例えば、酸化を抑制することができる。
【0059】
中間膜55の第1方向(Z軸方向)における厚さは、例えば、0.25nm以上4nm以下である。この厚さは、第3電極53と第3部分領域13との間における、中間膜55の第1方向に沿う厚さである。厚さが0.25nm未満のときは、例えば、成膜時または加工時における熱処理等により、膜質が不均一になり易い。厚さが0.25nm未満のときは、実効的な仕事関数が低下する場合がある。厚さが4nmを超えると、例えば、残留応力が大きくなり、素子全体の残留応力に影響を与え易くなる。
【0060】
図10は、試料の一部を例示する電子顕微鏡写真像である。
図10は、実施形態に係るTiN膜を含む試料の断面TEM(Transmission Electron Microscope)像である。この試料においては、Si基板の上に設けられたSiO膜の上に、TiN膜がスパッタにより形成されている。SiO膜は、第1絶縁膜41に対応する。TiN膜は、第3電極53に対応する。図10に示すように、SiO膜と、TiN膜と、の間において、中間膜領域53Mが観察される。中間膜領域53Mは、例えば、Ti及び酸素を含む。このようなTiN膜が第3電極53に使用されても良い。
【0061】
例えば、第1絶縁膜41がSi及び酸素を含む場合、第1絶縁膜41と第3電極53との間に、第3電極53に含まれる金属と酸素とを含む中間膜領域53Mが設けられても良い。
【0062】
図11は、試料の一部を例示する電子顕微鏡写真像である。
図11は、実施形態に係るTiN膜を含む試料の断面TEM像である。この試料においては、Si基板の上に設けられたSiO膜の上に、Ptを含む中間膜55が形成され、その上に、TiN膜がスパッタにより形成されている。
【0063】
図11に示すように、SiO膜と、TiN膜と、の間に、薄い中間膜55が設けられた場合も、TiN膜において結晶構造が観察される。このTiN膜においても、パラメータR1が1.5以上である。
【0064】
(第2実施形態)
本実施形態は、半導体装置の製造方法に係る。
図12は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図12に示すように、積層体18(図1参照)に凹部18dを形成する(ステップS110)。積層体18は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域10と、Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む第2半導体領域20と、を含む。例えば、積層体18の一部を除去して、第2半導体領域20から第1半導体領域10に届く凹部18dが形成される。
【0065】
凹部18dに第1絶縁膜41を形成する(ステップS120)。
【0066】
第1絶縁膜41の形成の後に、上記の凹部18dの残余の空間に、導電膜(第3電極53)を形成する(ステップS130)。導電膜は、金属元素(例えばチタン)を含むターゲットを用いて、アルゴン及び窒素を含む雰囲気中でのスパッタにより形成される。これにより、金属元素及び窒素を含む導電膜(第3電極53)が形成される。このスパッタの雰囲気において、アルゴンの流量に対する窒素の流量の比は、0.077以上0.16以下である。
【0067】
これにより、例えば、X線回折測定において、導電膜(第3電極53)における(111)配向に対応する第1ピーク強度に対する、導電膜(第3電極53)における(220)配向に対応する第2ピーク強度の比は、1.5以上になる。例えば、上記の金属元素がチタンである場合、導電膜(第3電極53)の密度は3.93g/cm以下になる。
【0068】
このような導電膜(第3電極53)により、しきい値電圧を上昇させることができる。実施形態によれば、より安定した特性を得ることができる半導体装置の製造方法を提供できる。
【0069】
図12に示すように、第1絶縁膜41の形成(ステップS120)と、導電膜の形成(ステップS130)と、の間に、中間膜55をさらに形成しても良い(ステップS125)。中間膜55は、凹部18dに形成される。中間膜55は、Pt、Ir、Ni及びPrよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0070】
本実施形態において、第1電極51及び第2電極(図1参照)をさらに形成しても良い。第1電極51は、積層体18の第1部分領域11(図1参照)と電気的に接続される。第2電極は、積層体18の第2部分領域12と電気的に接続される。図1に示すように、第1部分領域11と第2部分領域12との間に、凹部18dが位置する。
【0071】
実施形態によれば、安定した特性を得ることができる半導体装置及びその製造方法が提供できる。
【0072】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0073】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる半導体領域、電極及び絶縁膜などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0074】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0075】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0076】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
2θ…角度、 10…第1半導体領域、 10E…二次元電子ガス、 11~15…第1~第5部分領域、 17a…基体、 17b~17d…半導体領域、 18…積層体、 18d…凹部、 20…第2半導体領域、 20s…側面、 26~29…第6~第9部分領域、 41…第1絶縁膜、 41a、41b…一部、 41p…絶縁部分、 42…第2絶縁膜、 42a、42b…一部、 51~53…第1~第3電極、 53M…中間膜領域、 53p…部分、 55…中間膜、 110、120…半導体装置、 I1、I2…強度、 Id…ドレイン電流、 Int…強度、 M01…モデル、 R1…パラメータ、 SP01~SP05、SP11~SP15…試料、 SPa、SPb…第1、第2測定試料、 Vg…ゲート電圧、 d1…密度、 d3…距離、 ep1…リセス端部、 pb1、pb2…境界、 px…部分、 s1…表面ラフネス、 t41、t53…厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12