(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】システム、端末装置及びサーバ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/87 20140101AFI20221107BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221107BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20221107BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20221107BHJP
【FI】
A63F13/87
A63F13/35
A63F13/426
A63F13/533
(21)【出願番号】P 2018149146
(22)【出願日】2018-08-08
【審査請求日】2021-05-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年3月29日に、出願人株式会社コーエーテクモゲームスが運営するオンラインゲーム(URL:http://www.gamecity.ne.jp/nobunyaga/pc/)で、発明者イーゾンハンが発明したシステム、端末装置及びサーバについて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】イー ゾンハン
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203987(JP,A)
【文献】特開2014-028015(JP,A)
【文献】特開2011-118595(JP,A)
【文献】特開2013-255607(JP,A)
【文献】チャット - PSO2攻略まとめWiki,[online],2017年11月01日,https://pso2.pspedia.net/チャット,検索日:2022年3月25日
【文献】「のぶニャがの野望」、アップデート”猫の智も借りたい”を実施,[online],2018年03月29日,https://www.4gamer.net/games/125/G012587/20180329047/,検索日:2022年3月25日
【文献】サモンズボード攻略【サモンズ攻略】 協力マップ,[online],2018年03月13日,https://summonsboard.gamerch.com/協力マップ,検索日:2022年3月28日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マップ上の仮想空間におけるゲームのプレイが可能な端末装置とサーバとを有するシステムであって、
前記端末装置は、
前記マップと1以上のテンプレート情報とを表示する表示部と、
前記テンプレート情報のいずれかが選択されると、選択された前記テンプレート情報と前記マップ上の特定の位置情報とを判定する制御部と、
前記テンプレート情報と
ユーザ操作により特定された前記マップ上の特定の位置情報とを含むメッセージ要求を送信する端末側通信部と、を有し、
前記サーバは、
前記メッセージ要求を受け付けると、前記メッセージ要求に含まれる前記テンプレート情報
に、前記マップ上の特定の位置情報
に対応する前記マップ上の地点に関する情報を付加してメッセージを作成するメッセージ作成部と、
作成した前記メッセージを送信するサーバ側通信部と、を有する、
システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記テンプレート情報をタッチして前記マップ上へ移動させてからリリースする操作に応じて、選択された前記テンプレート情報と前記特定の位置
情報とを判定する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表示部は、前記マップ上のタッチ位置の近傍を強調表示する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記表示部は、前記マップ上のタッチ位置に対応する前記マップ上の地点を強調表示する、
請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記メッセージ作成部は、前記マップ上の特定の位置情報に対応するオブジェクトの情報をメッセージに付加する、
請求項2~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記メッセージ作成部は、前記メッセージ要求を送信した端末装置のユーザに関する情報を前記メッセージに付加する、
請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記サーバ側通信部又は前記端末装置のいずれかは、作成した前記メッセージを前記ゲームにおいて同一チームに属する他のユーザの端末装置に送信する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
マップ上の仮想空間におけるゲームのプレイが可能な端末装置と通信するサーバであって、
前記端末装置が選択したテンプレート情報と
ユーザ操作により特定された前記マップ上の特定の位置情報とを含むメッセージ要求を受け付けると、前記メッセージ要求に含まれる前記テンプレート情報
に、前記マップ上の特定の位置情報
に対応する前記マップ上の地点に関する情報を付加してメッセージを作成するメッセージ作成部と、
作成した前記メッセージを送信するサーバ側通信部と、
を有するサーバ。
【請求項9】
マップ上の仮想空間におけるゲームのプレイが可能な端末装置であって、
前記マップと1以上のテンプレート情報とを表示する表示部と、
前記テンプレート情報のいずれかが選択されると、選択された前記テンプレート情報と
ユーザ操作により特定された前記マップ上の特定の位置情報とを判定する制御部と、
前記テンプレート情報に
、前記マップ上の特定の位置情報
に対応する前記マップ上の地点に関する情報を付加してメッセージを作成するメッセージ作成部と、
作成した前記メッセージを送信する端末側通信部と、
を有する端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、端末装置及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、住所等の入力情報からマップ上の特定の地点を誘導する機能を提案する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】グーグルマップhttps://www.google.com/maps/dir/Current+Location/37.789972,-122.390013?hl=ja
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同一チームに属するユーザが協力してプレイする協力プレイゲームでは、敵のキャラクタがいる地点を同一チームに属する他のユーザにチャットで知らせたり、ゲームを有利に進行させる情報交換が行われる。このとき、スマートフォンを利用するユーザは、ブラウザを使ってフリック入力等の入力操作を行う環境下でゲームを行う。このため、パーソナルコンピュータを利用して、キーボード等により簡単に入力操作を行える環境下でゲームを行うユーザよりも入力操作が煩雑で時間がかかる。
【0005】
他のユーザとのコミュニケーションが重要な協力プレイゲームでは、発信するコメントを短時間で入力できないと、チャットにタイミングよく参加できず、他のユーザとの協力が少なくなる。この結果、スマートフォンを利用したユーザが多く所属するチームは、パーソナルコンピュータを利用したユーザが多く所属するチームよりもコミュニケーションが円滑に行われず、ゲームの活性化が図られ難くなる。そこで、ゲームを実行する機器の種類によらず、ゲーム中の複数のユーザによるコミュニケーションを円滑に行うことが可能なゲーム内環境が望まれる。
【0006】
本開示は、ゲーム中に簡単かつ直感的な操作によりメッセージの発信を行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様によれば、マップ上の仮想空間におけるゲームのプレイが可能な端末装置とサーバとを有するシステムであって、前記端末装置は、前記マップと1以上のテンプレート情報とを表示する表示部と、前記テンプレート情報のいずれかが選択されると、選択された前記テンプレート情報と前記マップ上の特定の位置情報とを判定する制御部と、前記テンプレート情報とユーザ操作により特定された前記マップ上の特定の位置情報とを含むメッセージ要求を送信する端末側通信部と、を有し、前記サーバは、前記メッセージ要求を受け付けると、前記メッセージ要求に含まれる前記テンプレート情報に、前記マップ上の特定の位置情報に対応する前記マップ上の地点に関する情報を付加してメッセージを作成するメッセージ作成部と、作成した前記メッセージを送信するサーバ側通信部と、を有するシステムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
一の側面によれば、ゲーム中に簡単かつ直感的な操作によりメッセージの発信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る携帯ゲームシステムの一例を示す図。
【
図2】一実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】一実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図。
【
図4】一実施形態に係る携帯端末の機能構成の一例を示す図。
【
図5】一実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図。
【
図6】一実施形態に係るテンプレートテーブルの一例を示す図。
【
図7】一実施形態に係るマップ情報テーブルの一例を示す図。
【
図8】一実施形態に係るゲーム処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】一実施形態に係るテンプレート操作の一例を示す図。
【
図10】一実施形態の変形例に係る携帯端末の機能構成の一例を示す図。
【
図11】一実施形態の変形例に係るサーバの機能構成の一例を示す図。
【
図12】一実施形態の変形例に係るゲーム処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
[携帯ゲームシステム]
まず、一実施形態に係る携帯ゲームシステム10について、
図1を参照して説明する。一実施形態に係る携帯ゲームシステム10は、携帯端末20a、20b、20c(以下、総称して「携帯端末20」ともいう。)及びサーバ30間で通信を行うことにより、携帯端末20を利用するユーザに対して協力プレイゲームを提供する。協力プレイゲームとは、対戦ゲームやその他のゲームにおいて、同一チームに所属する複数のユーザが協力してプレイするゲームである。協力プレイゲームでは、例えば一のユーザが、敵のキャラクタがいる地点を同一チームに属する他のユーザにチャットで知らせることで、ゲームを有利に進行させることが行われる。他のユーザは、一人であってもよいし、複数でもよい。また、他のユーザにはコンピュータによる仮想ユーザが含まれてもよい。
【0012】
本実施形態の協力プレイゲームでは、複数のユーザが所属するチームが相手方の他のチームと戦う。その際、同一チームの一のユーザが他のユーザと協力し、マップ上の城に攻め込み、他のチームと戦いながら城を攻め落として自分の陣地にする陣取りゲームを挙げる。以下では、他のチームに所属するユーザは仮想ユーザであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0013】
ユーザは、本実施形態に係る携帯ゲームシステム10の利用者であって、陣取りゲームのプレイヤである。ユーザは携帯端末20の所有者であってもよいし携帯端末20の所有者とは異なるものであってもよい。以下では、ユーザとは携帯端末20の操作者、すなわち携帯端末20を操作して仮想空間においてゲーム内のキャラクタを動かし、陣取りゲームを行うプレイヤである、として説明する。
【0014】
図1に示す携帯端末20a、20b、20cは、端末装置の一例である。端末装置は、例えばスマートフォンなどの携帯電話機、通信機能付き携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用ゲーム端末、業務用ゲーム端末等である。なお、本実施形態では、端末装置は携帯端末20であるとして説明するが、これに限られない。
【0015】
携帯端末20a、20b、20cは、ネットワーク40を介してサーバ30と通信可能である。携帯端末20a、20b、20cは、ユーザ操作に対応するゲームの実行を命令するためのコマンドを選択し、当該選択したコマンドをサーバ30に送信する。なお、
図1に示した携帯端末20の個数は、3つに限られず、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
【0016】
サーバ30は、携帯端末20との間でデータを送受信することで、ゲームの提供に必要な機能を携帯端末20に提供するコンピュータである。サーバ30は、情報処理装置であればどのような機器であってもよく、クラウドコンピュータであってもよい。なお、
図1に示したサーバ30の個数は、1つに限られず、2以上で分散処理してもよい。
【0017】
図2は、携帯端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末20は、CPU(Central Processing Unit)121、メモリ122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、携帯端末20を制御する。メモリ122は、例えば、CPU121が直接アクセス可能な携帯端末20内のメモリなどの記憶媒体である。通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、カメラ又はタッチパネルなどの入力デバイスである。表示装置125は、ディスプレイ又はスピーカなどの出力デバイスである。
【0018】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、メモリ132及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。メモリ132は、例えば、CPU131が直接アクセス可能なサーバ30内のメモリなどの記憶媒体である。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0019】
図4は、携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。携帯端末20は、記憶部21、制御部22、操作部23、表示部24及び端末側通信部25を有する。記憶部21は、テンプレートテーブル26、制御プログラム27及びそのデータやプログラムを記憶している。テンプレートテーブル26の一例を
図6に示す。テンプレートテーブル26は、同一チームの他のユーザとチャットする際に短時間でメッセージ(コメント)を作成できるように、複数のメッセージのテンプレートを記憶したテーブルである。各メッセージのテンプレートのうち「~に行きます!」等の「~」を含むテンプレートには、「~」の部分にマップ上の地点、エリア、目標物のオブジェクト等の情報が付加されてメッセージが作成される。なお、記憶部21は、メモリ122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0020】
図4に戻り、制御部22は、携帯端末20の全体の制御を行う。制御部22は、CPU121が制御プログラム27に記載された処理を実行することにより実現される。操作部23は、ユーザ操作を受け付ける入力装置である。表示部24は、ゲームを表示する出力装置である。なお、表示部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現され、操作部23は、CPU121が入力装置124を制御することで実現される。例えば、携帯端末20が入力装置124及び表示装置125としてタッチパネルを備える場合には、そのタッチパネルが表示部24及び操作部23として機能する。あるいは、携帯端末20が入力装置124としてキーボード及びマウスを有し、表示装置125としてディスプレイ装置を備える場合には、キーボード及びマウスが操作部23として機能し、ディスプレイ装置が表示部24として機能する。ユーザ操作とは、携帯端末20のCPU121に処理を実行させるために、ユーザが携帯端末20の操作部23を操る動作をいう。ユーザ操作の例として、タッチ画面のタッチ操作、ソフトキー又はハードキーを押下する操作、スライド操作などが挙げられるが、ユーザ操作の種類は何ら限定されない。
【0021】
操作部23は、ゲームをプレイするユーザ操作を受け付ける。また、操作部23は、ユーザ操作により選択されたテンプレートによるメッセージ作成の要求を受け付ける。
【0022】
表示部24は、サーバ30から送信された情報、例えばサーバ30において生成されたゲーム画像などを表示する。「ゲーム画像」とは、ゲームに関する画像であり、表示部24に出力される画像である。ゲーム画像は、例えば、陣地取りが行われるマップ上で戦うチームの画像である。
【0023】
端末側通信部25は、サーバ30と通信する。端末側通信部25は、CPU121が制御プログラム27を実行し、制御プログラム27に従って通信装置123を制御することで実現される。サーバ30への送信時、端末側通信部25は入力されたデータに送信先情報(通信の宛先、すなわちサーバ30を示す情報)を付加してそのデータを送信する。サーバ30からの受信時、端末側通信部25は、送られてきたデータの宛先が携帯端末20である場合にそのデータを受信する。具体的には、端末側通信部25は、操作部23により出力された情報をサーバ30へ送信し、また、サーバ30により送信されたゲーム画像を受信する。携帯端末20とサーバ30との間の通信は暗号化されてもよい。
【0024】
図4に一例を示す携帯端末20の各機能は、
図2に示す各ハードウェアの動作の組合せによって実現される。例えば、CPU121の制御により、メモリ122などのハードウェア上に制御プログラム27を読み込ませ、入力装置124及び表示装置125を動作させ、メモリ122に記憶されたデータの読み出し又は書き込みを行い、通信装置123により通信するなどの各ハードウェアの動作の組合せによって、携帯端末20の各機能が実現される。
【0025】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。サーバ30は、記憶部31、ゲーム制御部32、サーバ側通信部33及びメッセージ作成部34を有する。記憶部31は、マップ情報テーブル35、ゲーム制御プログラム36及びその他のデータやプログラムを記憶している。
【0026】
マップ情報テーブル35の一例を
図7に示す。マップ情報テーブル35は、陣取りゲームが行われるマップ上の各種情報を記憶したテーブルである。マップ情報テーブル35には、マップ上の仮想空間における位置を示す座標と、マップ上の各地点を示す番号と、各座標の近傍に表示されたオブジェクトとが記憶されている。
【0027】
図5に戻り、ゲーム制御部32は、サーバ30の全体の制御を行う。ゲーム制御部32は、CPU131がゲーム制御プログラム36に記載された処理を実行することにより実現される。
【0028】
メッセージ作成部34は、携帯端末20からのメッセージ要求に応じて、メッセージ要求に含まれるテンプレート情報とマップ上の位置情報とを使用してメッセージを作成する。
【0029】
サーバ側通信部33は、携帯端末20と通信する。サーバ側通信部33は、CPU131がメモリ132内に記憶されたゲーム制御プログラム36を実行し、ゲーム制御プログラム36に従って通信装置133を制御することで実現される。携帯端末20への送信時、サーバ側通信部33は入力されたデータに送信先情報(通信の宛先、すなわち携帯端末20を示す情報)を付加してそのデータを送信する。携帯端末20からの受信時、サーバ側通信部33は、送られてきたデータの宛先がサーバ30である場合にそのデータを受信する。具体的には、サーバ側通信部33は、携帯端末20から受信した情報を、サーバ30の各機能要素へ出力し、作成したゲーム画像及び作成したメッセージを携帯端末20へ送信する。携帯端末20とサーバ30との間の通信は暗号化されてもよく、この場合には、サーバ側通信部33は、データを暗号化してから送信処理を実行し、データ受信にはそのデータを復号してから関連の機能要素にそのデータを出力する。
【0030】
図5に一例を示すサーバ30の各機能は、上述した各ハードウェアの動作の組合せによって実現される。例えば、CPU131の制御により、メモリ132などのハードウェア上に後述するゲーム制御プログラム36を読み込ませ、メモリ132に記憶されたデータの読み出し又は書き込みを行い、通信装置133により通信するなどの各ハードウェアの動作の組合せによって、サーバ30の各機能が実現される。
【0031】
陣取りゲームでは、敵城を攻め落としたときに陣地が拡大する。マップには城だけでなく、わなが仕掛けられていたり、城に入るための門が設けられていたりする。このため、敵城を攻め落とすためには、同一チームの複数のユーザが協力して敵のキャラクタの動きや味方の戦略に関する情報を共有する必要がある。そこで、敵のキャラクタがいる地点を同一チームに属する他のユーザにチャットで知らせたり、ゲームを有利に進行させる情報交換が行われる。
【0032】
また、本実施形態の陣取りゲームは、ユーザ操作により選択されたコマンドに基づきゲームが進行する。「コマンド」とは、ユーザ操作に応じて発せられるコンピュータに与える命令であり、本実施形態では陣取りゲームの進行に係る命令である。
【0033】
[携帯端末及びサーバの動作]
次に、携帯端末20及びサーバ30の動作について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、一実施形態に係る携帯ゲームシステム10のゲーム処理を説明するフローチャートである。
図8に示すゲーム処理は、例えば携帯ゲームシステム10によるゲームの提供が開始されたタイミングで実行される。
【0034】
まず、携帯端末20はゲーム画像を要求する(S10)。サーバ30は、携帯端末20からゲーム画像の要求を受け付ける(S30)。そして、サーバ30は、ゲーム画像を作成する(S32)。S32の処理において、ゲーム制御部32は、例えば、携帯端末20から送信されたコマンドに応じてゲームを実行させたときのゲーム画像を作成する。続いて、サーバ30は、作成したゲーム画像を携帯端末20へ送信する(S34)。
【0035】
携帯端末20は、ゲーム画像を受信し(S12)、表示部24は、ゲーム画像を表示する(S14)。また、表示部24は、メッセージ作成用のテンプレートを表示する(S14)。これにより、携帯端末20のディスプレイに対戦場面のゲーム画像が表示される。例えば、
図9(a)に示すように、携帯端末20のディスプレイの上半分の領域Dにゲーム画像の一例が表示されている。この例では、
図7のマップ情報テーブル35に記憶された情報に基づき、ゲームが行われるマップと味方のキャラクタが表示される。マップには、地点とオブジェクトが表示されている。例えば、地点1、3、6の近くにはA城、B城、C城のオブジェクトが表示されている。また、地点2,5の近くにはわなのオブジェクトが表示されている。地点4の近傍には門のオブジェクトが表示され、地点7の近くにはコーテク隊のオブジェクトが表示されている。この例では、携帯端末20のユーザは、コーテク隊のチームに所属している。
【0036】
地点4に示す門は、敵のキャラクタに開錠されると非表示になる。また、マップ上に表示されるキャラクタは同一チームのコーテク隊のみであり、敵のキャラクタは表示されない。ただし、敵のキャラクタがわなにかかったときには、その敵のキャラクタは表示される。ただし、マップ上のオブジェクトの表示及び非表示は、これに限られない。
【0037】
携帯端末20のディスプレイの下部の領域Gには、コーテク隊に所属している自ユーザのキャラクタC1及び他ユーザのキャラクタC2~C5が表示されている。キャラクタC1のユーザは、キャラクタC2~C5をそれぞれ操作する同一チームの他のユーザとネットワーク40を介して通信することができ、ゲーム中にメッセージ(コメント)を交換でき、情報を共有できる。
【0038】
例えば、地点2にわなを設置した場合、コーテク隊の一のユーザが他のユーザに「地点2のわなの北方面に敵のキャラクタが逃げるから、地点2の北方面に隠れてほしい」とメッセージを発信するとする。このような誘導作戦等の協力プレイにより、チーム内のユーザ相互間でコミュニケーションを積極的にとり合うゲーム内環境を推進でき、ユーザ同士のコミュニティが盛り上がる。これにより、ゲームコミュニティ全体の活性化を図ることができる。この結果、各ユーザはゲーム内での他のユーザとのつながりや交流を強め、延いてはゲームに対する関心と興味をより強めることとなる。この結果、ユーザにとって飽きのこない継続性を有する興趣性の高いゲームを実現できる。
【0039】
特に、本実施形態では、
図9(a)のディスプレイの中央のテンプレートタブT内にメッセージ作成用の複数のテンプレートが表示される。これにより、ユーザは、ゲーム中に簡単かつ直感的な操作を行うことで、必要な情報が付加されたメッセージ(コメント)を発信させることができる。
【0040】
例えば、
図9(a)及び(b)の例では、
図6に一例を示す10個のテンプレートが用意され、そのうち「~に行きます!」のテンプレートT1、「~ので助けて!」のテンプレートT2、「~に武者隠」のテンプレートT3が表示されている。この例では、残りの7つのテンプレートは下側に隠れているが、ユーザが画面をスクロール操作することで表示可能である。
【0041】
なお、テンプレートの表示方法は、これに限られない。テンプレートの表示順は、固定であってもよいし、ランダムに変えてもよいし、ユーザの使用頻度に応じて頻度の高いテンプレートを優先的に表示させてもよい。また、マップ上のオブジェクトに関連させてテンプレートの表示を変えてもよい。例えば、マップ上に城が表示されていたら、「~城を攻めよう」のテンプレートを優先的に表示してもよい。また、例えばマップ上にわなが表示されていたら、わなに関するテンプレートを優先的に表示してもよい。なお、テンプレートには、「よろしく」、「おみごと!」等の定型文が含まれる。
【0042】
なお、表示部24は、テンプレートの操作において、ユーザのマップ上のタッチ位置の近傍を強調表示してもよい。また、表示部24は、テンプレートの操作において、マップ上のタッチ位置に対応するマップ上の地点やオブジェクトを強調表示してもよい。例えば、表示部24は、マップ上のタッチ位置の周辺を光らせてもよいし、マップ上のタッチ位置に最も近い地点名を光らせてもよいし、マップ上のタッチ位置に最も近いオブジェクトを光らせてもよい。これにより、ユーザはメッセージに付加される地点やオブジェクトを視覚的に認識し易くなり、より精度の高い操作を行うことができる。
【0043】
図8に戻り、制御部22は、操作部23を介してユーザ操作情報を取得する(S16)。ユーザ操作には、ゲームの実行コマンドを作成するための操作と、テンプレートの操作とが含まれる。
【0044】
テンプレートの操作の一例としては、ユーザは、いずれかのテンプレートをタッチして、タッチした指をマップ上に移動させ、特定の地点でリリースする操作(ドラッグ&ドロップ操作)がある。
図9(b)の例では、ユーザが「~に行きます!」のテンプレートT1を選択し、マップ上の地点5の付近でリリースするテンプレートの操作Opが行われている。
【0045】
このようにしてユーザ操作によりテンプレートのいずれかが選択されると、制御部22は、選択されたテンプレート情報とマップ上の指がリリースされた位置情報とを判定する。端末側通信部25は、テンプレート情報と位置情報(以下、「テンプレート操作情報」ともいう。)とを含むユーザ操作情報とともにメッセージ要求をサーバ30にを送信する(S18)。サーバ30は、ユーザ操作情報とともにメッセージ要求を受け付ける(S36)。
【0046】
メッセージ作成部34は、ユーザ操作情報内にテンプレート操作情報があるかを判定する(S38)。メッセージ作成部34は、ユーザ操作情報内にテンプレート操作情報がないと判定すると、直ちにS44に進む。
【0047】
メッセージ作成部34は、ユーザ操作情報内にテンプレート操作情報があると判定すると、テンプレート情報とマップ上の位置情報とに応じてメッセージ情報を作成する(S40)。このとき、メッセージ作成部34は、マップ上の位置情報に対応するマップ上の地点に関する情報をメッセージ情報に付加する。例えば、メッセージ作成部34は、マップ上の指がリリースされた位置に最も近い地点の番号をメッセージ情報に付加する。
図9(b)のテンプレート操作の例では、メッセージ作成部34は、テンプレート情報から「~の地点に行きます!」のテンプレートT1を抽出し、テンプレートT1がマップ上でリリースされた位置に最も近い地点の番号「5」をメッセージ情報に付加する。これにより、「~の地点に行きます!」のテンプレートT1から「地点5に行きます!」のメッセージが作成される。
【0048】
ただし、メッセージ作成部34によるメッセージ情報の自動作成では、マップ上の地点の情報だけでなく、マップ上のオブジェクトの情報を付加してもよい。例えば、
図9(b)の例では、メッセージ作成部34は、「~の地点に行きます!」のテンプレートT1に、指がリリースされた位置に最も近い地点の「5」と、指がリリースされた位置に最も近いオブジェクトの「わな」の情報をメッセージ情報に付加してもよい。これにより、「わながある地点5に行きます!」のメッセージが作成される。
【0049】
メッセージ作成部34は、テンプレート操作を行ったユーザに関する情報をメッセージ情報に付加してもよい。テンプレート操作を行ったユーザに関する情報としては、ユーザの所属するチームの情報、ユーザ名等のユーザの識別情報、キャラクタ名等のユーザが操作するキャラクタの識別情報が挙げられる。
【0050】
例えば、
図9(b)に示す「~の地点に行きます!」のテンプレートT1に、指がリリースされた位置に最も近い地点の「5」と、このテンプレート操作を行ったユーザが所属するチーム名の「コーテク隊」の情報を付加してもよい。これにより、「コーテク隊は地点5に行きます!」というメッセージが作成される。ユーザは、ディスプレイの中央に表示された履歴タブLを選択することで、メッセージの履歴情報を表示させることができる。
図9(c)では、ユーザが履歴タブLを選択し、「コーテク隊は地点5に行きます!」のメッセージが14:00に表示されたことが示されている。
【0051】
ユーザに関する情報として、コーテク隊のキャラクタ名の「C1」や各キャラクタの画像やユーザ名(「A」とする)をメッセージ情報に付加してもよい。これにより、「キャラクタC1は地点5に行きます!」、「(キャラクタC1の画像)は地点5に行きます!」、「ユーザAは地点5に行きます!」といったメッセージが作成される。この場合、メッセージ要求には、メッセージ要求を行ったユーザの識別情報又は該ユーザが操作するキャラクタの識別情報の少なくともいずれかの情報が含まれる。
【0052】
図8に戻り、次に、サーバ側通信部33は、作成したメッセージ情報を送信する(S42)。このとき、サーバ側通信部33は、作成したメッセージをゲームにおいて同一チームに属する他のユーザの端末装置にも送信する。例えば、
図9の例では、コーテク隊に所属するキャラクタC1~C5の全ユーザの携帯端末20に、作成したメッセージ情報を送信する。これにより、コーテク隊に所属する全ユーザがメッセージを直ちに見ることができ、ゲームをより協力して実行できる。
【0053】
次に、
図8の携帯端末20は、メッセージ情報を受信し(S20)、表示部24は、メッセージ情報を表示する(S22)。
【0054】
S38においてテンプレート操作でないと判定された場合、ゲーム制御部32は、ユーザ操作情報に含まれるゲームの実行を命令するためのコマンドから実行コマンドを生成し、実行コマンドに従ったゲームの動作を実行する(S44)。
【0055】
次に、ゲーム制御部32は、対戦場面が終了したか否かを判定し(S46)、対戦場面が終了していない場合には、再びゲーム画像を作成及び送信する処理を行う(S32、S34)。その後、S46にて対戦場面が終了したと判定されるまで、S32、S34、S12~S18、S36~S46の処理が繰り返される。一方、S46において、対戦場面が終了したと判定された場合、
図8に示すフローチャートを終了する。
【0056】
以上、
図8に示すゲーム処理のフローチャートについて説明した。これによれば、ゲーム中に簡単かつ直感的なテンプレート操作を行うことにより簡易にメッセージの発信を行うことができる。
【0057】
従来、特に、スマートフォン等の携帯端末では、コメントを入力しようとすると文字盤がディスプレイの半分程度を占め、ゲーム状況を表示するマップの領域Dが狭くなり、ゲームの状況が分かり難くなっていた。この場合、ゲームの状況を見るためには、一度文字盤を下げてマップを見てから再び文字盤を表示させて入力操作を行う等が必要であり煩雑であった。
【0058】
これに対して、本実施形態に係る携帯ゲームシステム10では、ユーザにテンプレートを提供する。ユーザはゲーム中にテンプレートを選択してマップ上に移動させ、特定の位置でリリースするという簡単かつ直感的な操作を行うだけで、必要な情報が付加されたメッセージを容易にチームのメンバに発信できる。これにより、スマートフォン等の携帯端末を使用したゲームのユーザに対しても、チーム内のメンバー同士が互いに積極的に協力してゲームをプレイするゲーム内環境が構築される。この結果、ユーザ同士が円滑なコミュニケーションを行い協力しながらゲームを行うことで、ゲームを活性化できる。
【0059】
[変形例]
次に、一実施形態の変形例に係る携帯ゲームシステム10について
図10~
図12を参照して説明する。
図10は、一実施形態の変形例に係る携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。
図11は、一実施形態の変形例に係るサーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図12は、一実施形態の変形例に係るゲーム処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図10の変形例に係る携帯端末20の機能及び
図11の変形例に係るサーバ30の機能が、
図4に示す一実施形態に係る携帯端末20の機能及び
図5の一実施形態に係るサーバ30の機能と異なる点のみ説明し、同一機能については説明を省略する。
【0061】
変形例では、携帯端末20がメッセージ作成部28の機能を有し、サーバ30がメッセージ作成部28の機能を有さない点が上記実施形態と異なる。また、携帯端末20の記憶部21にマップ情報テーブル35が記憶され、サーバ30の記憶部31に記憶されていない点が上記実施形態と異なる。以上の機能構成を有する携帯端末20及びサーバ30の動作について、
図12を参照して以下に説明する。
図12に示すゲーム処理は、例えば携帯ゲームシステム10によるゲームの提供が開始されたタイミングで実行される。
【0062】
まず、携帯端末20はゲーム画像を要求する(S10)。サーバ30は、携帯端末20からゲーム画像の要求を受け付ける(S30)。そして、サーバ30は、ゲーム画像を作成する(S32)。続いて、サーバ30は、作成したゲーム画像を携帯端末20へ送信する(S34)。
【0063】
携帯端末20は、ゲーム画像を受信し(S12)、表示部24は、ゲーム画像とメッセージ作成用のテンプレートを表示する(S14)。次に、制御部22は、ユーザ操作に応じたユーザ操作情報を取得する(S16)。続いて、端末側通信部25は、ユーザ操作情報をサーバ30へ送信する(S18)。
【0064】
サーバ30は、ユーザ操作情報を受け付ける(S36)。ゲーム制御部32は、ゲームを実行するための実行コマンドを生成し、実行コマンドに従いゲームを実行する(S44)。次に、ゲーム制御部32は、対戦場面が終了したか否かを判定し(S46)、対戦場面が終了していない場合には、再びゲーム画像を作成及び送信する処理を行う(S32、S34)。その後、S46にて対戦場面が終了したと判定されるまで、S32、S34、S12~S18、S36、S44、S46の処理が繰り返される。一方、S46において、対戦場面が終了したと判定された場合、
図12に示すフローチャートを終了する。
【0065】
携帯端末20では、S18の処理の後、メッセージ作成部28は、ユーザ操作情報にテンプレート操作情報があるかを判定する(S24)。メッセージ作成部28は、ユーザ操作にテンプレート操作がないと判定すると、メッセージの作成処理を行わず、処理を終える。
【0066】
一方、メッセージ作成部28は、ユーザ操作にテンプレート操作があると判定すると、テンプレート情報とマップ上の位置情報とに応じてメッセージ情報を作成する(S26)。そして、表示部24は、作成したメッセージ情報を表示する(S22)。続いて、端末側通信部25は、作成したメッセージ情報を送信し(S28)、メッセージの作成処理を終える。
【0067】
S22におけるメッセージ情報の送信先は、
図12ではサーバ30であり、サーバ30は、メッセージ情報を受信する(S48)。これにより、受信したメッセージ情報は、サーバ30を経由して携帯端末20のユーザと同一チームの他のユーザの携帯端末20に送信される。ただし、S28において、携帯端末20から直接同一チームの他のユーザの携帯端末20にメッセージ情報を送信してもよい。この場合、S48の処理を省略してもよい。
【0068】
以上に説明した変形例に係る携帯ゲームシステム10においても、ゲーム中に簡単かつ直感的な操作によりメッセージの発信を行うことができる。
【0069】
今回開示された一実施形態に係るシステム、端末装置及びサーバは、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0070】
例えば、上記実施形態及び変形例に係る携帯ゲームシステム10では、マップ上の仮想空間におけるゲームとして陣取りゲームを例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、マップ上の仮想空間におけるゲームとして、仮想ショップにおいて、店舗内のマップ上をディスプレイに表示して行う商品販売アプリにも適用できる。
【0071】
例えば、ユーザは、携帯端末20のディスプレイに表示されたテンプレートから「~を買います」のテンプレートを選択し、ディスプレイに表示されたマップ上の特定の点まで移動させてから指をリリースする。これにより、ユーザが指をリリースしたときの指の接触点の近傍の商品情報をテンプレートに付加したメッセージを作成し、所定の送信先に送信させるようにしてもよい。例えば、ユーザが「~を買います」のテンプレート選択し、ユーザの指がリリースされたマップ上の位置の近傍に「バナナ」が表示されている場合、「バナナを買います」のメッセージが瞬時に作成され、所定の送信先に送信される。これにより、仮想ショップから商品を購入する際、簡単かつ直感的な操作によりメッセージの発信を行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
10 携帯ゲームシステム
20 携帯端末
21 記憶部
22 制御部
23 操作部
24 表示部
25 端末側通信部
26 テンプレートテーブル
27 制御プログラム
28 メッセージ作成部
30 サーバ
31 記憶部
32 ゲーム制御部
33 サーバ側通信部
34 メッセージ作成部
35 マップ情報テーブル
36 ゲーム制御プログラム