(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221107BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20221107BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221107BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/792
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2018162023
(22)【出願日】2018-08-30
【審査請求日】2021-05-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社コーエーテクモゲームスが、出願人運営オンラインゲームの中国版(アドレスhttp://www.hanghai5.com/、https://itunes.apple.com/cn/app/id950921511、および、http://sou.9game.cn/tails/azbgw-439731.html)において、高夢シン、劉志萍、呉楊、楊萌及び李波が発明した情報処理方法、情報処理装置、およびプログラムについて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社コーエーテクモゲームスが、出願人運営オンラインゲームの台湾版(アドレスhttp://gv5.wasabii.com.tw/index.aspx、https://itunes.apple.com/tw/app/id896053620、および、https://play.googIe.com/store/apps/details?id=com.cayenne.gv5.tw)において、高夢シン、劉志萍、呉楊、楊萌及び李波が発明した情報処理方法、情報処理装置、およびプログラムについて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社コーエーテクモゲームスが、出願人運営オンラインゲームの韓国版(アドレスhttps://itunes.apple.com/kr/app/daehanghaesidae5/id1050520652?mt=8、および、https://play.google.com/store/apps/details?id=com.gandromeda.d5m)において、高夢シン、劉志萍、呉楊、楊萌及び李波が発明した情報処理方法、情報処理装置、およびプログラムについて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高夢シン
(72)【発明者】
【氏名】劉志萍
(72)【発明者】
【氏名】呉楊
(72)【発明者】
【氏名】楊萌
(72)【発明者】
【氏名】李波
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-089257(JP,A)
【文献】特開2014-239707(JP,A)
【文献】特表2016-525919(JP,A)
【文献】大航海時代V,週刊ファミ通,株式会社KADOKAWA,2013年12月19日, 第29巻 第1号,238~239
【文献】機動戦士ガンダム クライマックスU.C.,週刊ファミ通,株式会社エンターブレイン,2006年03月31日, 第21巻 第13号,156~161
【文献】ステップ1が半額! ★5キャラ出現確率がUPするステップアップキャラガチャ開催!(2/19 0:00~2/25 23:59まで),[online],2018年02月19日,https://cache.sqex-bridge.jp/guest/information/37133,検索日:2022年3月30日
【文献】★PSPゲームレビュー★矛盾点を見出し、論破せよ!推理アドベンチャーにアクションを融合させた意欲作「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」,[online],2010年12月02日,https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/411176.html,検索日:2022年3月29日
【文献】「セガNET麻雀 MJ」,ガチャに新SPキャラと新SPボイスが追加,[online],2015年07月28日,https://www.4gamer.net/games/226/G022697/20150728061/,検索日:2022年3月29日
【文献】【ミリシタ】マスターピースの入手方法と使い道,[online],2017年06月30日,https://appmedia.jp/theaterdays/864982,検索日:2022年3月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
抽選対象のコンテンツのうち、ユーザに提供されるコンテンツを選択する処理と、
前記選択する処理により前記ユーザに対して既に提供されている所定のコンテンツが選択され、前記ユーザにより所定の操作が行われた場合、前記所定のコンテンツを前記抽選対象から除外する処理と、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記ユーザにより所定の操作が行われた場合、前記所定のコンテンツが除外された前記抽選対象のコンテンツのうち、前記ユーザに提供するコンテンツを再度選択する処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記除外する処理は、前記ユーザにより第1操作が行われた場合は前記所定のコンテンツを前記抽選対象から除外し、前記ユーザにより第2操作が行われた場合は前記所定のコンテンツを前記抽選対象に含める、
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記選択する処理は、前記抽選対象の各コンテンツに対して設定された確率に基づいて、前記ユーザに提供するコンテンツを選択し、
前記除外する処理は、前記所定のコンテンツの属性、及び前記抽選対象の各コンテンツの属性に基づいて、前記所定のコンテンツに対して設定されている確率の値を、前記抽選対象の各コンテンツに対して振り分ける、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記除外する処理は、前記選択する処理により前記ユーザに対して選択されたコンテンツの種類の数、前記抽選対象からコンテンツを除外した回数、前記ユーザに対して前記選択する処理が実行された回数、及び前記選択する処理により前記ユーザに対して前記所定のコンテンツが選択された回数の少なくとも一つに基づいて、前記所定のコンテンツを前記抽選対象から除外するための対価の額を決定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
抽選対象のコンテンツのうち、ユーザに提供されるコンテンツを選択する選択部と、
前記選択する処理により前記ユーザに対して既に提供されている所定のコンテンツが選択され、前記ユーザにより所定の操作が行われた場合、前記所定のコンテンツを前記抽選対象から除外する除外部と、
を有する情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
抽選対象のコンテンツのうち、ユーザに提供されるコンテンツを選択する処理と、
前記選択する処理により前記ユーザに対して既に提供されている所定のコンテンツが選択され、前記ユーザにより所定の操作が行われた場合、前記所定のコンテンツを前記抽選対象から除外する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等の端末が、ネットワークを介してサーバ装置等と接続し、オンラインでゲームを行う、いわゆるオンラインゲーム(ネットワークゲーム)が普及している。
【0003】
このオンラインゲーム等において、オンラインゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等を、ランダムに決定してユーザに提供するランダム型アイテム提供方式(ガチャ(登録商標))が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、ユーザに所望されるコンテンツが提供されにくい場合があるという問題がある。
【0006】
そこで、ユーザに所望されるコンテンツが提供される可能性を高めることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
コンピュータが、抽選対象のコンテンツのうち、ユーザに提供されるコンテンツを選択する処理と、前記選択する処理により前記ユーザに対して既に提供されている所定のコンテンツが選択され、前記ユーザにより所定の操作が行われた場合、前記所定のコンテンツを前記抽選対象から除外する処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、ユーザに所望されるコンテンツが提供される可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るサーバ装置の機能ブロック図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図5A】実施形態に係る情報端末の表示画面について説明する図である。
【
図5B】実施形態に係る情報端末の表示画面について説明する図である。
【
図5C】実施形態に係る情報端末の表示画面について説明する図である。
【
図6】実施形態に係るサーバ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7A】実施形態に係る抽選情報の一例を示す図である。
【
図7B】実施形態に係る抽選情報の一例を示す図である。
【
図7C】実施形態に係る抽選情報の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るコンテンツ情報の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図10A】実施形態に係る除外対価情報の一例を示す図である。
【
図10B】実施形態に係る除外対価情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1において、情報処理システム1は、サーバ装置10、及び情報端末20-1、情報端末20-2、・・・(以下、区別する必要がない場合は、単に「情報端末20」と称する。)を含む。
【0012】
サーバ装置10と情報端末20とは、インターネット、携帯電話網、無線LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークによって接続される。
【0013】
サーバ装置10は、例えばゲームを提供する事業者が運営するサーバ(情報処理装置)であり、情報端末20にオンラインゲーム(ネットワークゲーム)を提供する。サーバ装置10は、ランダム型アイテム提供方式により、オンラインゲーム上で使用できるキャラクタ、及びアイテム等のコンテンツを、情報端末20に提供する。
【0014】
情報端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、PC(Personal Computer)、ゲーム専用機等の端末(情報処理装置)である。情報端末20は、例えば、予めインストールされているWebブラウザを用いて、サーバ装置10により提供されるオンラインゲームを実行する。または、情報端末20は、例えば、サーバ装置10から配信されたオンラインゲーム用のアプリケーションを実行してもよい。また、情報端末20は、ユーザからの操作により、サーバ装置10にてランダム型アイテム提供方式による抽選を実行させ、オンラインゲーム上で使用できるコンテンツを取得する。
【0015】
<ハードウェア構成>
図2は、実施形態に係るサーバ装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2のサーバ装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
【0016】
サーバ装置10での処理を実現するオンラインゲームプログラムは、記録媒体101によって提供される。オンラインゲームプログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、オンラインゲームプログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、オンラインゲームプログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたオンラインゲームプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0017】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってサーバ装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等、またはタッチパネル及びボタン等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0018】
なお、記録媒体101の一例としては、CD-ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0019】
情報端末20のハードウェア構成は、
図2に示すサーバ装置10のハードウェア構成例と同様でもよい。
【0020】
<機能構成>
次に、
図3を参照し、サーバ装置10の機能構成について説明する。
図3は、実施形態に係るサーバ装置10の機能ブロック図である。サーバ装置10は、選択部12、提供部13、及び除外部14を有する。これら各部は、サーバ装置10にインストールされた1以上のプログラムが、サーバ装置10のCPU104に実行させる処理により実現される。
【0021】
また、サーバ装置10は、記憶部11を有する。記憶部11は、例えば、補助記憶装置102等を用いて実現される。記憶部11は、抽選情報111、コンテンツ情報112、及びユーザ情報113等を記憶する。記憶部11に記憶される各情報については後述する。
【0022】
選択部12は、抽選の対象の1以上のコンテンツのうち、情報端末20のユーザに提供されるコンテンツをランダムに選択する。
【0023】
提供部13は、情報端末20に、オンラインゲームを提供する。また、提供部13は、選択部12により選択されたコンテンツを、情報端末20に提供する。なお、提供部13により提供されたコンテンツは、オンラインゲーム上で使用することができる。
【0024】
除外部14は、選択部12により情報端末20のユーザに対して既に提供されているコンテンツが選択され、当該ユーザにより所定の操作が行われた場合、当該コンテンツを選択部12による抽選対象から除外する。
【0025】
<処理>
次に、
図4から
図5Cを参照して、情報処理システム1の処理について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。
図5Aから
図5Cは、実施形態に係る情報端末20の表示画面について説明する図である。
【0026】
ステップS1において、サーバ装置10の提供部13は、抽選のイベントの情報(告知)を情報端末20に送信する。続いて、情報端末20は、抽選のイベントの告知を画面に表示させる(ステップS2)。
図5Aには、抽選のイベントの告知の表示画面例が示されている。情報端末20は、
図5Aの例では、「期間限定!重複しないキャラクタを毎回獲得できるチャンスが!?強力なキャラクタを獲得できるチャンス!」という告知のメッセージ501等を表示させている。
【0027】
続いて、情報端末20は、各抽選対象の当選確率(排出確率)の表示操作をユーザから受け付ける(ステップS3)。ここで、情報端末20は、例えば、
図5Aの「当選確率を見る」ボタン502の押下操作を受け付ける。続いて、情報端末20は、各抽選対象の当選確率を取得するための要求をサーバ装置10に送信する(ステップS4)。続いて、サーバ装置10の提供部13は、各抽選対象の当選確率を情報端末20に送信する(ステップS5)。
【0028】
続いて、情報端末20は、各抽選対象の当選確率を画面に表示させる(ステップS6)。
図5Bには、各抽選対象の当選確率の表示画面例が示されている。情報端末20は、
図5Bの例では、ポップアップ領域511で、レア度が「UR」の「キャラクタA」の当選確率が1%、レア度が「SR」の「キャラクタB」から「キャラクタD」の各当選確率が3%、レア度が「R」の「キャラクタE」から「キャラクタJ」の各当選確率が15%であることを表示させている。「UR」、「SR」、「R」のレア度については後述する。
【0029】
続いて、情報端末20は、抽選を行うための操作をユーザから受け付ける(ステップS7)。ここで、情報端末20は、例えば、
図5Aの「1回引く」ボタン503の押下操作を受け付ける。続いて、情報端末20は、抽選の要求をサーバ装置10に送信する(ステップS8)。
【0030】
続いて、サーバ装置10の選択部12は、抽選を実行し(ステップS9)、抽選の結果等を情報端末20に送信する(ステップS10)。以下では、以前の抽選イベント、または今回の抽選イベント等により情報端末20のユーザが既に獲得しているコンテンツと同一のコンテンツが抽選にて当選したものとして説明する。この場合、サーバ装置10の提供部13は、抽選の結果、及び当該コンテンツを除外した場合の各抽選対象の当選確率を情報端末20に送信してもよい。
【0031】
続いて、情報端末20は、抽選の結果等を画面に表示させる(ステップS11)。
図5Cには、抽選結果、及び重複除外の確認画面の表示画面例が示されている。ここで、同一のコンテンツである「キャラクタE」が再度当選したため、情報端末20は、
図5Cの例では、「確定」ボタン521、及び「重複除外」ボタン522を表示している。
【0032】
そして、「重複除外」ボタン522がユーザにより押下されたため、重複除外の確認画面523で、「5ジュエルを消費して、このキャラクタを抽選対象から除外し、未獲得のキャラクタから再度抽選しますか?」というメッセージ、「はい」ボタン524、及び「いいえ」ボタン525を表示させている。なお、「ジュエル」はゲーム内で利用可能な通貨(ゲーム内通貨)の名称の例である。ゲーム内通貨は、例えば、オンラインゲームにおいて有料で購入することができるようにしてもよい。また、ゲーム内通貨は、例えば、オンラインゲームにおいて、敵を倒す、仕事をする、及びキャラクタやアイテムを販売する等により、情報端末20のユーザが獲得できるようにしてもよい。
【0033】
続いて、情報端末20は、重複して取得されたコンテンツを抽選対象から除外する操作をユーザから受け付ける(ステップS12)。ここで、情報端末20は、例えば、
図5Cの「重複除外」ボタン522、及び「はい」ボタン524の押下操作を受け付ける。なお、情報端末20は、除外する操作を受け付ける前に、ユーザによる確率を表示させる操作に応答して、当該コンテンツを除外した場合の各抽選対象の当選確率を表示してもよい。
【0034】
続いて、情報端末20は、除外要求をサーバ装置10に送信する(ステップS13)。続いて、サーバ装置10の除外部14は、当該コンテンツを抽選対象から除外する(ステップS14)。続いて、サーバ装置10の選択部12は、抽選を再度実行し(ステップS15)、抽選の結果を情報端末20に送信する(ステップS16)。続いて、情報端末20は、抽選の結果を表示する(ステップS17)。なお、抽選を繰り返して実行する場合、以降で、ユーザの操作に応答して、ステップS7からステップS16の処理を繰り返してもよい。
【0035】
≪抽選処理≫
次に、
図6から
図9を参照して、サーバ装置10の処理について説明する。
図6は、実施形態に係るサーバ装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
図7Aから
図7Cは、実施形態に係る抽選情報111の一例を示す図である。
図8は、実施形態に係るコンテンツ情報112の一例を示す図である。
図9は、実施形態に係るユーザ情報113の一例を示す図である。
【0036】
ステップS101において、選択部12は、抽選の要求を情報端末20から受信する。ここで、所定の対価を情報端末20のユーザに課金してもよい。
図5Aの例では、1回抽選する度に、情報端末20のユーザから、「15ジュエル」の対価を課金する。
【0037】
続いて、選択部12は、抽選情報111に基づいて抽選を行う(ステップS102)。
図7Aの例では、抽選情報111には、ユーザIDに対応付けて、コンテンツID、当選確率、及び当選済みフラグの組が複数設定されている。ユーザIDは、情報端末20のユーザの識別情報である。コンテンツIDは、抽選対象のコンテンツの識別情報である。当選確率は、抽選対象のコンテンツの当選確率である。当選済みフラグは、抽選対象のコンテンツが既に当選したことがあるか否かを示すフラグであり、「0」の場合は当選したことがない(未当選)、「1」の場合は既に当選したことがあることを示す。
【0038】
また、
図8の例では、コンテンツ情報112には、コンテンツIDに対応付けて、レア度、及び名称等が記憶されている。レア度は、コンテンツの当選確率の低さの程度を示す情報であり、例えば、レア度が高い(当選確率が低い)順に、UR(ウルトラレア)、SR(スーパーレア)、R(レア)、N(ノーマル)等のレア度が定義されてもよい。名称は、コンテンツIDに係るコンテンツの名称である。
【0039】
図7A、及び
図8の例では、ユーザIDが「ユーザ001」のユーザの場合、
図5Bのポップアップ領域511に表示されるように、レア度が「UR」の「キャラクタA」の当選確率が1%、レア度が「SR」の「キャラクタB」から「キャラクタD」の各当選確率が3%、レア度が「R」の「キャラクタE」から「キャラクタJ」の各当選確率が15%であることが示されている。また、ユーザIDが「ユーザ001」のユーザの場合、コンテンツIDが「005」である「キャラクタE」が当選済みであることが示されている。
【0040】
続いて、選択部12は、抽選にて当選したコンテンツが重複しているか否かを判定する(ステップS103)。ここで、選択部12は、
図7Aの抽選情報111において、情報端末20のユーザのユーザID、及び当選したコンテンツのコンテンツIDに対応付けられた当選済みフラグが「1」の場合、抽選にて当選したコンテンツが重複していると判定し、当選済みフラグが「0」の場合、抽選にて当選したコンテンツが重複していないと判定する。
【0041】
重複していない場合(ステップS103でNO)、選択部12は、当選したコンテンツを提供部13により情報端末20のユーザに獲得させ(ステップS104)、処理を終了する。ここで、選択部12は、
図7Aの抽選情報111において、情報端末20のユーザのユーザID、及び当選したコンテンツのコンテンツIDに対応付けられた当選済みフラグの値を「1」に変更する。また、選択部12は、情報端末20のユーザのユーザIDに対応付けてユーザ情報113に記録する。これにより、情報端末20のユーザは、当該コンテンツをゲーム等で利用できるようになる。
【0042】
図9の例では、ユーザ情報113には、ユーザIDに対応付けて、コンテンツIDと保有数の組、保有ジュエル数等が記憶されている。保有数は、ユーザIDに係るユーザが保有している、コンテンツIDに係るコンテンツの数である。
【0043】
重複している場合(ステップS103でYES)、選択部12は、情報端末20のユーザにより、当選した重複しているコンテンツを抽選対象から除外する操作が行われたか否かを判定する(ステップS105)。ここで、選択部12は、例えば、
図5Cの「重複除外」ボタン522、及び「はい」ボタン524が情報端末20のユーザにより押下(「第1操作」の一例。)された場合、当選したコンテンツを抽選対象から除外する操作が行われたと判定する。また、選択部12は、例えば、
図5Cの「確定」ボタン521が情報端末20のユーザにより押下(「第2操作」の一例。)された場合、当選したコンテンツを抽選対象から除外する操作が行われなかったと判定する。
【0044】
除外する操作が行われなかった場合(ステップS105でNO)、ステップS104の処理に進む。除外する操作が行われた場合(ステップS105でYES)、除外部14は、抽選情報111において、当選したコンテンツを抽選対象から除外する(ステップS106)。これにより、ユーザが所望するコンテンツ以外の全てのコンテンツを抽選対象から除外すれば、ユーザが所望するコンテンツを必ず獲得できるようにすることができる。
【0045】
ここで、選択部12は、例えば、抽選情報111において、抽選対象から除外したコンテンツの属性、及び抽選対象の他の各コンテンツの属性に基づいて、抽選対象から除外したコンテンツに対して設定されている確率の値を、他の各コンテンツに対して振り分けてもよい。ここで、選択部12は、属性として、例えば、コンテンツのレア度、及びキャラクタかアイテムか等のコンテンツの種別を用いてもよい。
【0046】
この場合、選択部12は、例えば、除外したコンテンツの当選確率の値を、除外したコンテンツと同じ属性の他の各コンテンツに均等に割り当ててもよい。この場合、
図7Aの抽選情報111において、コンテンツIDが「005」のコンテンツを除外し、
図8の例でレア度が同一である他の各コンテンツに対して均等に当選確率を割り当てると、
図7Bのように変更される。
図7Bの例では、選択部12は、コンテンツIDが「005」のコンテンツの当選確率を15%から0%に変更するとともに、コンテンツIDが「006」から「010」の各コンテンツの当選確率を3%ずつ増加させ、15%から18%にそれぞれ変更している。
【0047】
また、この場合、選択部12は、例えば、除外したコンテンツの当選確率の値を、除外したコンテンツの属性と、他の各コンテンツの各属性との近さに応じて他の各コンテンツに割り当ててもよい。この場合、
図7Aの抽選情報111において、コンテンツIDが「005」のコンテンツを除外し、
図8の例でレア度が除外したコンテンツのレア度に近い程多くの当選確率を他の各コンテンツ割り当てると、
図7Cのように変更される。
図7Cの例では、選択部12は、コンテンツIDが「005」のコンテンツの当選確率を15%から0%に変更している。また、除外したコンテンツのレア度と同一のレア度である「R」のコンテンツと、1つ上のレア度である「SR」のコンテンツと、2つ上のレア度である「UR」のコンテンツとに、それぞれ3:2:1の比率で、除外したコンテンツの当選確率を割り当てている。そのため、レア度が「R」であるコンテンツIDが「006」から「010」の各コンテンツの当選確率を2.04%ずつ増加させている。また、レア度が「SR」であるコンテンツIDが「002」から「004」の各コンテンツの当選確率を1.36%ずつ増加させている。また、レア度が「UR」であるコンテンツIDが「001」のコンテンツの当選確率を0.68%ずつ増加させている。
【0048】
なお、除外部14は、ステップS106の処理において、抽選対象から除外するための対価を情報端末20のユーザから徴収してもよい。この場合の処理については後述する。
【0049】
続いて、選択部12は、更新後の抽選情報111に基づいて抽選を行い(ステップS107)、ステップS104の処理に進む。ここで、選択部12は、ステップS102の処理で当選したコンテンツは没収し、情報端末20のユーザに獲得されないようにしてもよい。これにより、ステップS107の抽選は、抽選のやり直しであるとユーザに認識される。または、選択部12は、ステップS102の処理で当選したコンテンツも、情報端末20のユーザに獲得されるようにしてもよい。これにより、ステップS107の抽選は、抽選を2回実行できたとユーザに認識される。
【0050】
なお、ステップS107の処理の後、ステップS103の処理に進むようにしてもよい。これにより、再度の抽選でも重複したコンテンツが当選した場合に、当該コンテンツを除外することができる。
【0051】
≪対価の徴収処理≫
次に、
図10A、及び
図10Bを参照し、ステップS106の処理において、抽選対象から除外するための対価を情報端末20のユーザから徴収する処理について説明する。
図10A及び
図10Bは、実施形態に係る除外対価情報114の一例を示す図である。
【0052】
除外部14は、選択部12により選択され、情報端末20のユーザに対して提供されたコンテンツの種類の数に基づいて、当選した重複しているコンテンツを抽選対象から除外するための対価の額を決定してもよい。この場合、除外部14は、
図10Aに示す除外対価情報114に基づいて、対価の額を決定してもよい。
図10Aの除外対価情報114には、未獲得キャラクタ数に対応付けて、対価が設定されている。未獲得キャラクタ数は、情報端末20のユーザに対して提供されていないコンテンツの種類の数である。
図10Aの例では、除外部14は、ユーザに対して提供されたコンテンツの種類の数(獲得済みのキャラクタ数)が多くなる程、除外するための対価の額が大きくなるように決定する。
図10Aの例では、例えば、「キャラクタA」から「キャラクタJ」の10個のコンテンツのうち、「キャラクタE」のみが情報端末20のユーザに既に獲得されている場合に、「キャラクタE」が重複して当選した場合、除外するための対価は「5」ジュエルであることが示されている。また、例えば、「キャラクタB」から「キャラクタJ」までの9つのコンテンツが情報端末20のユーザに既に獲得されている場合に、抽選対象から除外されていない「キャラクタB」から「キャラクタJ」までの何れかが重複して当選した場合、除外するための対価は「85」ジュエルであることが示されている。
【0053】
また、除外部14は、抽選対象からコンテンツを除外した回数(抽選対象から除外したコンテンツの数)に基づいて、当選した重複しているコンテンツを抽選対象から除外するための対価の額を決定してもよい。この場合、除外部14は、
図10Bに示す除外対価情報114に基づいて、対価の額を決定してもよい。
図10Bの例では、除外部14は、情報端末20のユーザの操作により抽選対象から除外したコンテンツの数が多くなるほど、除外するための対価の額が大きくなるように決定する。
図10Bの例では、例えば、既に抽選対象から除外されているコンテンツが無い場合、「キャラクタA」から「キャラクタJ」の10個のコンテンツのうち、重複して当選したいずれかのコンテンツを初めて除外するための対価は「5」ジュエルであることが示されている。また、例えば、「キャラクタC」から「キャラクタJ」までの8つのコンテンツが既に抽選対象から除外されている場合、重複して当選した「キャラクタB」を除外するための対価は「85」ジュエルであることが示されている。
【0054】
また、除外部14は、情報端末20のユーザが抽選を行った回数、すなわち、当該ユーザに対して選択部12によりコンテンツが選択された回数に基づいて、当選した重複しているコンテンツを抽選対象から除外するための対価の額を決定してもよい。この場合、除外部14は、例えば、情報端末20のユーザが抽選を行った回数が多くなる程、除外するための対価の額が小さくなるように決定してもよい。この場合、除外部14は、例えば、抽選を行った回数と反比例するように、対価の額を決定してもよい。これにより、ユーザが所望するコンテンツを獲得するまでに当該ユーザが支払う対価を低減することができる。
【0055】
また、除外部14は、選択部12により情報端末20のユーザに対して一のコンテンツが選択された数に基づいて、当選した重複している当該一のコンテンツを抽選対象から除外するための対価の額を決定してもよい。この場合、除外部14は、例えば、情報端末20のユーザが「キャラクタE」等の一のコンテンツを当選した回数が多くなる程、除外するための対価の額が小さくなるように決定してもよい。この場合、除外部14は、例えば、一のコンテンツを当選した回数と反比例するように、当該一のコンテンツを除外するための対価の額を決定してもよい。これにより、あるコンテンツが重複して獲得された回数が多くなるほど、当該コンテンツを除外し易くすることができるため、ユーザが所望するコンテンツを獲得するまでに当該ユーザが支払う対価を低減することができる。
【0056】
<変形例>
サーバ装置10の各機能部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0057】
上述したサーバ装置10の各機能部の処理は、サーバ装置10等から提供されるプログラムが情報端末20にインストールされることにより、情報端末20にて実行されてもよい。この場合、当該プログラムに基づくユーザの端末内の処理により、抽選等の処理が実行される。
【0058】
なお、上述した実施形態では、コンテンツの一例として、オンラインゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等を例として説明したが、開示の技術は、オンラインゲームに限定されず、例えば、壁紙、スタンプ、楽曲、動画等、ユーザに所望されるコンテンツ(データ)を提供するシステムに適用可能である。
【0059】
<実施形態のまとめ>
上述した実施形態によれば、ユーザが既に獲得しているコンテンツが抽選で選択された場合、情報端末20でのユーザの操作により、当該コンテンツを以降の抽選の対象から除外する。これにより、ユーザに所望されるコンテンツが提供される可能性を高めることできる。
【0060】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 情報処理システム
10 サーバ装置
11 記憶部
111 抽選情報
112 コンテンツ情報
113 ユーザ情報
114 除外対価情報
12 選択部
13 提供部
14 除外部
20 情報端末