(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】灯具、灯具の取付構造、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20221107BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20221107BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20221107BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20221107BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20221107BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20221107BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221107BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20221107BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20221107BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20221107BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21V19/00 231
F21V21/00 110
F21V15/01 360
F21V31/00 300
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2018163096
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諭史
(72)【発明者】
【氏名】池谷 博文
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010630(JP,A)
【文献】特開2016-100167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 21/00
F21V 15/01
F21V 31/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具に取り付けられる
長尺状の灯具であって、
前記灯具を前記照明器具に固定する固定具と、
前記灯具に固定され、前記固定具によって前記照明器具に固定される連結部材と、
前記灯具の光源を覆う透光性カバーの開口部に配置される端部蓋と、
前記固定具と係合する座金と、
を備え、
前記連結部材は、
前記固定具が取り付けられる灯具側連結部を有し、
前記灯具側連結部は、
縁部が切り欠かれた開放端を形成すると共に、前記固定具が前記開放端を介して嵌入される固定具挿通部を有し、
前記端部蓋は、
前記灯具の長手方向の端部に配置されると共に、前記端部蓋が前記灯具に取り付けられた場合に、前記長手方向の最外壁を構成するカバー端面部と、前記灯具の短手方向に配置される側面部とを有し、
前記固定具が取り付けられた前記連結部材と、前記端部蓋とが、前記灯具に取り付けられた場合に、
前記カバー端面部又は前記側面部が前記開放端を覆う灯具。
【請求項2】
前記端部蓋は、
前記端部蓋が前記灯具に取り付けられた場合に、前記照明器具と対向する底面部と、
前記底面部から立ち上がる筒状の連結ガイドと、
を有し、
前記固定具が取り付けられた前記連結部材と、前記端部蓋とが、前記灯具に取り付けられた場合に、前記固定具の一部が前記連結ガイド内に配置される請求項
1に記載の灯具。
【請求項3】
前記固定具が取り付けられた前記連結部材と、前記端部蓋とが、前記灯具に取り付けられた場合に、前記固定具の一部と前記連結ガイドの内面壁との間の距離が、前記灯具側連結部における前記固定具が締結される位置と前記開放端との間の距離よりも短い請求項
2に記載の灯具。
【請求項4】
前記固定具挿通部は、前記灯具側連結部にのみ形成されている請求項1~請求項
3のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項5】
長尺状の灯具を照明器具に固定する固定具と、
前記灯具に固定され、前記固定具によって前記照明器具に固定される連結部材と、
前記灯具の光源を覆う透光性カバーの開口部に配置される端部蓋と、
を備え、
前記連結部材は、
前記固定具が取り付けられる灯具側連結部を有し、
前記灯具側連結部は、
縁部が切り欠かれた開放端を形成すると共に、前記固定具が前記開放端を介して嵌入される固定具挿通部を有し、
前記端部蓋は、
前記灯具の長手方向の端部に配置されると共に、前記端部蓋が前記灯具に取り付けられた場合に、前記長手方向の最外壁を構成するカバー端面部と、前記灯具の短手方向に配置される側面部とを有し、
前記固定具が取り付けられた前記連結部材と、前記端部蓋とが、前記灯具に取り付けられた場合に、
前記カバー端面部又は前記側面部が前記開放端を覆う、灯具の取付構造。
【請求項6】
前記灯具が前記照明器具に取り付けられた状態では、前記端部蓋によって前記固定具挿通部における前記固定具の移動が規制される請求項
5に記載の灯具の取付構造。
【請求項7】
請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載の灯具を備えた照明装置。
【請求項8】
請求項
5又は請求項
6に記載の灯具の取付構造を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具等に取り付けられた状態で使用される灯具に関し、灯具、灯具を照明器具に取り付けるための灯具の取付構造、及びこれらを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、連結具を介して灯具が照明器具にねじ止めされ、照明器具への灯具の取付作業の作業性の低下を抑えつつ、照明器具に対する灯具の取付強度の向上を図るとした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、固定具に座金を取り付けることができないため、固定具に座金を取り付ける際に作業性が悪く、また、取り付けられた固定具が外れる恐れがある。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、予め座金が取り付けられた固定具を灯具に装着することができ、さらに、この固定具が外れないようにした灯具、灯具の取付構造、及びこれらを備えた照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る灯具は、照明器具に取り付けられる長尺状の灯具であって、灯具を照明器具に固定する固定具と、灯具に固定され、固定具によって照明器具に固定される連結部材と、灯具の光源を覆う透光性カバーの開口部に配置される端部蓋と、固定具と係合する座金と、を備え、連結部材は、固定具が取り付けられる灯具側連結部を有し、灯具側連結部は、縁部が切り欠かれた開放端を形成すると共に、固定具が開放端を介して嵌入される固定具挿通部を有し、端部蓋は、灯具の長手方向の端部に配置されると共に、端部蓋が灯具に取り付けられた場合に、長手方向の最外壁を構成するカバー端面部と、灯具の短手方向に配置される側面部とを有し、固定具が取り付けられた連結部材と、端部蓋とが、灯具に取り付けられた場合に、カバー端面部又は側面部が開放端を覆うものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の灯具は、灯具側連結部が、縁部が切り欠かれた開放端を形成すると共に、固定具が開放端を介して嵌入される固定具挿通部を有する。そのため、灯具は、開放端を介して、予め座金が取り付けられた固定具を灯具に装着することができる。そして、灯具は、固定具が取り付けられた連結部材と、端部蓋とが、灯具に取り付けられた場合に、端部蓋が開放端を覆う。そのため、灯具は、端部蓋によって固定具が固定具挿通部から外れることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る照明装置の照明器具と灯具とを分割した分割斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る照明装置の断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る灯具の斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る灯具の一方の端部における分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る灯具の他方の端部における分解斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る灯具の長手方向Xに沿った断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る灯具の端部蓋を説明する分割斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る灯具の、
図8の反対側から見た端部蓋を説明する分割斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係る灯具の封止構造を説明する模式図である。
【
図11】本発明の実施の形態に係る灯具の封止構造の第1の変形例を説明する模式図である。
【
図12】本発明の実施の形態に係る灯具の封止構造の第2の変形例を説明する模式図である。
【
図13】本発明の実施の形態に係る灯具の封止構造の第3の変形例を説明する模式図である。
【
図14】本発明の実施の形態に係る灯具の封止構造の第4の変形例を説明する模式図である。
【
図15】本発明の実施の形態に係る伸縮構造の基準となる配置を示す断面図である。
【
図16】本発明の実施の形態に係る伸縮構造における透光性カバーの伸長状態の配置を示す断面図である。
【
図17】本発明の実施の形態に係る伸縮構造における透光性カバーの収縮状態の配置を示す断面図である。
【
図18】本発明の実施の形態に係る固定具の嵌入状態を説明する断面図である。
【
図19】本発明の実施の形態に係る固定具の嵌入状態を説明する他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る灯具3、灯具3の伸縮構造110、及び照明装置1について、図面を参照して説明する。各図において同じまたは対応する構成要素には、同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
ここで、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態.
<照明装置1の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の照明器具2と灯具3とを分割した分割斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の断面図である。
図3は、
図1の平面Aにおける照明装置1の垂直断面である。
図1から
図3を参照して、実施の形態に係る照明装置1の構成を説明する。
【0012】
以下の説明において、照明装置1の長手方向に沿った方向を長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、長手方向Xに対する短手方向を短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yのいずれとも直交する方向を上下方向Zとする。また、長手方向Xにおいて、長手端部側への向きを、端向きX1とする。そして、端向きX1と反対側への向きであり、長手中央側への向きを中向きX2とする。さらに、上下方向Zにおいて、照明装置1が取り付けられる造営部9側(すなわち、天井、壁等の被取付部側)への向きを上向きZ1とする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり照明装置1から光が照射される照射空間側への向きを下向きZ2とする。ここで、上向きZ1は、灯具3が照明器具2に取り付けられる向きであり、下向きZ2は、灯具3が照明器具2から取り外される向きである。
【0013】
本実施の形態における照明装置1は、天井あるいは壁等の造営部9に取り付けられる照明器具2と照明器具2に装着される灯具3とを有する。また、照明装置1は、後述する灯具3の封止構造100を有する。本実施の形態では、いわゆるトラフタイプの照明器具2を例として示す。
【0014】
(照明器具2)
照明器具2を構成する器具本体20は、本実施の形態では、金属製の板材を折り曲げて形成される。器具本体20は、器具底面部21、2つで一組となる器具側面部22及び2つで一組となる器具端部23を有している。器具底面部21は、長尺かつ平板状に形成されており、2つで一組となる器具側面部22は、器具底面部21の短手方向Yの両端に配置されている。また、2つで一組となる器具端部23は、器具底面部21の長手方向Xの両端に配置されている。器具端部23には、ノックアウト24が形成され、後述する電線(図示は省略)等を挿通する際に取り外される。照明器具2の構成等について、さらに説明する。
【0015】
装着部25は、装着された灯具3の一部を収容する収容部である。装着部25は、器具本体20の器具底面部21、一組の器具側面部22及び一組の器具端部23により凹形状に形成される。このため、装着部25は、器具本体20の器具底面部21、一組の器具側面部22及び一組の器具端部23で囲まれる空間を形成している。ここで、装着部25が収容する灯具3の一部は、照射側ではない非照射部となる。また、器具本体20の下端に位置する開口端部26は、器具本体20に囲まれていない開口部分である。開口端部26は、照明器具2の装着部25に対して、灯具3の着脱を行う際の装着口となる。器具本体20の開口端部26において、長手方向Xの両端部には器具側連結部27が形成されている。器具側連結部27には、灯具3が取り付けられる。本実施の形態では、器具側連結部27は、器具端部23と一体に形成されており、開口端部26から長手方向Xにおける中向きX2に向かって、折り曲げて形成されている。器具側連結部27に形成されたネジ孔28は、灯具3に取り付けられた、後述する固定具48がねじ止めされる孔である。なお、固定具48は、例えば、連結ネジである。灯具3は、固定具48によって照明器具2にねじ止めされて固定される。
【0016】
<灯具3>
図4は、本発明の実施の形態に係る灯具3の斜視図である。
図1から
図4を用いて灯具3について説明する。灯具3は、照明器具2に取り付けられることによって照明装置1を構成する。照明具及び光源ユニットとなる灯具3は、長尺状に形成されており、照明器具2に装着されて使用される。本実施の形態では、灯具3は、照明器具2の長手方向Xにおける両端部において、後述する固定具48によって照明器具2の器具側連結部27に取り付けられる。本実施の形態の灯具3は、
図2及び
図3に示すように、主として、透光性カバー30、端部蓋40、封止具43及び発光部60等を有している。
【0017】
(透光性カバー30)
透光性カバー30は、少なくとも可視光を透過する透光性の材料が用いられ、後述する取付部材50、発光部60及び制御部80等を内部の空間に収容し、保護する、筒形状の外郭である。透光性カバー30は、ガラス、ポリカーボネイト、アクリル等の樹脂材料を用いて形成することができる。また、透光性カバー30において、装着部25から外部に露出している部分は外観意匠部分にもなる。本実施の形態の透光性カバー30は、例えば、押出成形によって筒形部材を、製品の仕様等に応じて必要な長さに切断することで、製造することができる。
【0018】
本実施の形態の灯具3では、
図3に示すように、透光性カバー30のうち、装着部25から外部に露出している部分は、発光部60の照射側及び台座51の表面を覆う外殻部(外壁部)になる。ここで、この部分の外周部37については、外面部に対する法線の向きが、発光素子61の光軸Lに沿う向きから光軸Lに直交する向きまでの範囲内となっている。たとえば、照明装置1から下方に向けて光が照射されるように、灯具3が照明器具2に装着された場合において、透光性カバー30の装着部25から外部に露出している部分は、外面部が下方、斜め下方、あるいは側方(水平方向外側)に向いている。すなわち、透光性カバー30の装着部25から外部に露出している部分は、外面部が、上方、あるいは斜め上方に向いていない。また、透光性カバー30のうち、装着部25に収容され、外部に露出していない部分は、制御部80及び台座51における取付面部52の制御部80が配置される裏面側を覆う外殻部(外壁部)になる。透光性カバー30のうち、装着部25に収容され、外部に露出していない部分の表面は、器具本体20の器具底面部21及び一組の器具側面部22と対向する。ここで、透光性カバー30について、製品の仕様等に応じて、光拡散性、波長弁別性等を有するものであってもよい。また、透光性カバー30のうち、外部に露出していない部分については、反射性、遮光性等を有する材料を用いて形成してもよい。
【0019】
本実施の形態の筒形の透光性カバー30は、
図1から
図4に示すように、内部に収容される機器を覆い、内部に収容される機器に対する位置によって、一組の並行部31、第1接続部32及び第2接続部33に分かれている。また、透光性カバー30には、2つのリブ34が設けられている。一組の並行部31は、透光性カバー30において、一組の面が同じ距離で並行する面を形成している。透光性カバー30は、一組の並行部31の外側の面部分となる外面部及び内側の面部分となる内面部が、それぞれ、ともに平面形状である。一組の外面部及び一組の内面部は、透光性カバー30に収容される発光素子61の光軸Lに沿った平面であり、外殻部(外壁部)の外表面となっている。本実施の形態では、この平面は、灯具3が照明器具2に装着された状態で、上下方向Zに沿っている。さらに、この平面は、一組の外面部及び一組の内面部が、灯具3が照明器具2に装着された状態で、それぞれ対向する器具側面部22に沿った平面でもある。そして、この平面は、灯具3が照明器具2に取り付けられる向き又は照明器具2から取り外される向きに沿った平面にもなる。このため、透光性カバー30の並行部31は、短手方向Yにおいて、器具側面部22より外側にはならず、器具側面部22の内側に位置する。並行部31のうち、灯具3が照明器具2に装着されたときに露出している部分は、灯具3の側方における照射部となる。
【0020】
第1接続部32は、一組の並行部31における照射側の端部同士を繋いでいる部分であり、発光素子61の光軸Lと交わり、灯具3の主たる照射部となる。第1接続部32は、発光素子61からの光を下方に向けて照射する。第1接続部32の外面部及び内面部は、1つ又は複数の面で構成されている。
図3に示すように、本実施の形態では、透光性カバー30における第1接続部32の外面部及び内面部が、1つの曲面で構成されている場合について説明する。ここで、第1接続部32の外面部及び内面部が、複数の面で構成される場合は、複数の異なる曲率の複数の曲面、複数の異なる角度の複数の平面、これらの曲面と平面とを組み合わせて構成することができる。第2接続部33は、一組の並行部31における器具側の端部同士を繋いでいる部分であり、灯具3が照明器具2に装着された状態において、装着部25に収容される部分である。本実施の形態では、透光性カバー30における第2接続部33の外面部及び内面部は、1つの曲面で構成されている場合について説明する。ここで、第2接続部33の外面部及び内面部が、複数の面で構成される場合は、複数の異なる曲率の複数の曲面、複数の異なる角度の複数の平面、これらの曲面と平面とを組み合わせて構成することができる。
【0021】
リブ34は、透光性カバー30の外面部の法線方向に張り出すように設けられる。本実施の形態では、リブ34は、各並行部31において、外側に向かって張り出すように設けられている。そして、各リブ34は、並行部31と一体形成される。各リブ34は、透光性カバー30の長手方向Xに延設されている。リブ34は、灯具3が照明器具2に装着された状態で、器具側面部22における開口端部26付近と対向するような位置に形成される。
【0022】
図5は、本発明の実施の形態に係る灯具3の一方の端部3Aにおける分解斜視図である。
図6は、本発明の実施の形態に係る灯具3の他方の端部3Bにおける分解斜視図である。
図7は、本発明の実施の形態に係る灯具3の長手方向Xに沿った断面図である。透光性カバー30は、取付部材50に配置された発光素子61の発光面を覆うと共に、取付部材50の長手方向に沿った長手方向Xとなる第1方向における端部36に開口が形成されている。換言すれば、透光性カバー30は、少なくとも一方の端部36が開口する長尺形状の中空体であると共に、発光素子61が実装された基板62を内部に収納する外郭である。カバー端部35は、透光性カバー30の長手方向Xにおいて、透光性カバー30の両端部分である。透光性カバー30のカバー端部35には、端部36が設けられている。端部36は、カバー端部35において端部蓋40が嵌合される部分であり、端部蓋40に覆われる部分である。端部36は、透光性カバー30の伸縮に伴い、端部蓋40と共に長手方向Xである第1方向に沿って移動自在な自由端である。厳密には、透光性カバー30の端部36及び端部蓋40は、「長手方向X」以外の方向にも伸縮するものであるが、実施の形態に係る灯具3においては、透光性カバー30は「長手方向X」の伸縮を許容する構造(構成)を有するものとする。透光性カバー30は、端部蓋40と嵌合できるように、端部36の外面部にはリブ34が形成されていない。前述したように、押出成形によって押出した筒形部材を切断して透光性カバー30を製造する場合には、長手方向Xに延設されたリブ34のうち、端部36に対応する部分は削除される。
図3及び
図5に示すように、透光性カバー30の外周部37は、一組の並行部31、第1接続部32及び第2接続部33となる外殻部(外壁部)の外面側である。また、内周部38は、一組の並行部31、第1接続部32及び第2接続部33となる外殻部(外壁部)の内面側である。
【0023】
(端部蓋40の概要)
端部蓋40は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。端部蓋40は、少なくとも端部36に形成された開口の一部及び端部36を覆った状態で透光性カバー30に取り付けられている。換言すれば、端部蓋40は、開口を形成する端部36を覆った状態で透光性カバー30に取り付けられている。端部蓋40は、灯具3の光源を覆う透光性カバー30の開口部に配置される。端部蓋40は、弾性部材である封止具43を端部36に押し当てるように透光性カバー30に取り付けられる。端部蓋40は、端部36との間に挟まれて配置される弾性部材である封止具43に端部36と共に密着した状態で、端部36に取り付けられる。端部蓋40は、封止具43を挟んで透光性カバー30の端部36に嵌着(嵌合)することによって、透光性カバー30を密閉構造とする。ここで、端部蓋40に取り付けられる取付部材50及び透光性カバー30は、照明装置1の使用環境温度及び灯具3の点灯時と消灯時とにおける温度の変化によって、特に、長手方向Xにおける伸縮量が異なる。端部蓋40は、透光性カバー30の密閉を維持しながら、透光性カバー30及び取付部材50の長手方向Xにおける端部同士が、相互に移動可能となるような構造となっている。なお、端部蓋40の詳細な構造については後述する。
【0024】
(封止具43)
封止具43は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部蓋40との間に挟まれた状態で、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部に配置される弾性部材である。弾性部材である封止具43は、透光性カバー30の端部36に取り付けられて端部36の開口を塞いでいる。封止具43は、樹脂材料を用いて製造されており、弾性変形するシール部材(ガスケット、パッキン等)である。そのため、封止具43は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部蓋40との間に挟まれた状態で、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部を密閉する。封止具43は、樹脂材料を用いて弾性変形するように形成されて、透光性カバー30及び端部蓋40に密着する。
【0025】
封止具43は、封止具主部430と、内周部435と、外周部437と、接続部436とを有する。封止具43は、封止具主部430と、内周部435と、外周部437と、接続部436とが一体に形成されている。封止具主部430は、内周部435の内側を塞ぐように形成される。封止具主部430は、後述する固定具54の固定部56と第2端部カバー42の第2カバー主部420とに挟まれる。封止具主部430は、板状に形成されており、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、端部蓋40と対向する面側に、電線挿通部431と封止具筒状部433とが形成されている。封止具主部430は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、第2端部カバー42の第2カバー主部420と当接する。電線挿通部431は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、端部蓋40と対向する面側から突出しており、電源線81、接地線82及び制御線83を通過させる電線挿通孔432を形成している。封止具筒状部433は、電線挿通部431を挟んで2つ設けられているが、封止具筒状部433の形成数は、固定具54の固定部56の数以上であれば、1つでもよく、3つ以上でもよい。封止具筒状部433は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、端部蓋40と対向する面側から突出している。封止具筒状部433は、封止具43と固定具54とが係合した状態において、固定具54の固定部56から突出するボス部57が挿入される。封止具筒状部433は、円筒状に形成されている。封止具筒状部433の先端には、固定ネジ75をネジ止めするネジ挿通孔434が形成されている。
【0026】
板状に形成された封止具主部430の周縁部には、内周部435が形成されている。内周部435は、弾性部材である封止具43が、第2端部カバー42及び透光性カバー30と係合した状態において、第2端部カバー42の端部カバー内周部425と透光性カバー30の端部36の内周部38とに挟まれる部分である。
【0027】
封止具43の外周部437は、環状に形成されており内周部38と対向するように内周部38の外側に配置される。この外周部437は、封止具43が、第1端部カバー41及び透光性カバー30と係合した状態において、第1端部カバー41の外壁部410aと透光性カバー30の外周部37とに挟まれる部分である。
【0028】
封止具43の接続部436は、封止具主部430の内周部38と外周部437との間に位置する。接続部436は、封止具43が、第1端部カバー41及び透光性カバー30と係合した状態において、第1端部カバー41の第1カバー主部410と透光性カバー30のカバー端部35とに挟まれる部分である。
【0029】
連結部材44は連結具であり、灯具3の長手方向Xの両端部に備えられており、灯具3を照明器具2に取り付けるための取付金具ある。連結部材44は、灯具3に固定され、また、固定具48によって照明器具2に固定される。連結部材44は、固定部46の長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)の面とボス部57の端面とが当接した状態で、2つの固定ネジ75を用いて固定具54に取り付けられて固定される。連結部材44は、端部蓋40に対して、ネジ等を用いた直接的な固定はされていない。連結部材44は、固定具54のボス部57に密着する封止具43を介して位置決めされて間接的に固定される。すなわち、連結部材44は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、端部蓋40の外側に配置されると共に、一部が端部蓋40を貫通している取付部材50に固定されると共に、他の一部が照明器具2に固定される。本実施の形態では、連結部材44は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、連結部材44は、金属製の板材の折り曲げから形成されるものに限定されるものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されてもよい。連結部材44は、灯具側連結部45と、固定部46と、係合部47と、を有している。
【0030】
灯具側連結部45は、固定部46において、下方側(Z2側)の端部から灯具3の端部側(X1側)に延設する板状の部材である。すなわち、灯具側連結部45は、固定部46の下縁部から突出する板状の部材である。灯具側連結部45と固定部46とは、屈曲している。灯具側連結部45は、端部蓋40と係合した状態において、端部蓋40側とは反対側に突出している。換言すれば、灯具側連結部45は、係合部47の突出方向とは反対側に突出している。灯具側連結部45は、灯具3が照明器具2に取り付けられている状態では、段差部450以外の上方の面が照明器具2の器具側連結部27に当接する。
【0031】
灯具側連結部45には、固定具48が取り付けられる。そのため、灯具側連結部45には、面の高さが異なる段差部450が形成されており、段差部450には、固定具48が挿入される固定具挿通部451が形成されている。段差部450は、短手方向Yの灯具側連結部45の中央領域において一部下方(Z2側)に窪ませた部分である。灯具側連結部45の段差部450には、固定具挿通部451を通過した固定具48を固定する第1ワッシャ485aが配置される。第1ワッシャ485aは、固定具48と係合する座金である。固定具挿通部451は、段差部450の短手方向Yにおける略中央において、長手方向X(第1方向)における端部側(X1側)からスリット状に形成された縁部によって形成されている。固定具挿通部451は、灯具3の長手方向(X軸方向)に延びるように形成されている。固定具挿通部451は、灯具3の端部となる、X1側の端部において、段差部450の縁部が切り欠かれており、開放端451aとなっている。固定具挿通部451には、固定具48が開放端451aを介して嵌入される。固定具挿通部451は、固定具48の胴部481の括れ部より大きい幅寸法で形成されており、固定具48の胴部481が挿通する。固定具挿通部451の形状はスリット状に限定されず、断面が楕円形を含む円形、多角形の貫通孔でもよい。なお、固定具挿通部451は、段差部450の短手方向Yにおける略中央において、長手方向X(第1方向)における端部側(X1側)からスリット状に形成された縁部によって形成される態様に限定されるものではない。固定具挿通部451は、灯具側連結部45において、例えば、第1方向(長手方向X)と交差する方向に沿って形成されてもよい。すなわち、この場合、段差部450は、例えば、灯具側連結部45の長手方向Xの中央領域において一部下方(Z2側)に窪ませた部分に形成されてもよい。そして、固定具挿通部451は、長手方向Xにおける段差部450の略中央に縁部が切り欠かれた開放端451aを形成し、開放端451aから短手方向Y(第2方向)にスリット状に形成されてもよい。なお、固定具挿通部451は、灯具側連結部45にのみ形成されている。
【0032】
固定部46は、灯具側連結部45において、長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)の端部から上方に立設した部分である。固定部46は、板状の部材である。固定部46は、端部蓋40及び封止具43を、取付部材50の固定具54と共に挟持する。固定部46には、固定ネジ75をネジ止めする固定ネジ挿通孔460が形成されている。固定ネジ挿通孔460は、ボス部57のネジ孔58にねじ込まれる固定ネジ75が挿通する貫通孔である。固定部46は、固定ネジ挿通孔460に挿入される固定ネジ75によってボス部57に取り付けられる。
【0033】
連結部材44には、電源線81、接地線82、制御線83等の電線を通過させるスリット471がスリット状に形成されている。スリット471は、上部スリット4710と、端部スリット4711とを有する。固定部46に形成されているスリット471を端部スリット4711と称する。端部スリット4711は、連結部材44の上下方向(Z軸方向)に形成されている。端部スリット4711は、係合部47に形成されている後述する上部スリット4710と繋がっている。スリット471は、電線挿通孔として設けられている。係合部47は、灯具3の構造上の強度、あるいは、灯具3の照明器具2に対する取付上の強度には一切影響しない構成部分である。そのため、電線挿通孔として設けられているスリット471が、固定部46と係合部47との屈曲部分を通過するように、上部スリット4710と端部スリット4711とを連続して形成されていても灯具3の構造上の強度を低下させるおそれはない。また、電線挿通孔として設けられているスリット471が、固定部46と係合部47との屈曲部分を通過するように、上部スリット4710と端部スリット4711とを連続して形成されていても灯具3の照明器具2に対する取付上の強度を低下させるおそれはない。
【0034】
固定部46には、係合片挿通孔461が形成されてもよい。係合片挿通孔461は、第2端部カバー42の第2カバー係合片422及び第2カバー係合爪423の断面形状に対応して、固定部46に設けられる貫通孔である。係合片挿通孔461は、透光性カバー30の伸長に伴い長手方向X(第1方向)に移動する第2端部カバー42の第2カバー係合片422及び第2カバー係合爪423が、連結部材44の固定部46と干渉しないように形成されている。係合片挿通孔461は、透光性カバー30の伸長の量、すなわち、第2カバー係合片422及び第2カバー係合爪423の移動の量が小さい場合、あるいは、端部蓋40が一体形成されている場合等は不要であり、灯具3の必須の構成ではない。
【0035】
係合部47は、固定部46において、上方側(Z1側)の端部から長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)に延設した部分である。すなわち、係合部47は、固定部46の上縁部から突出する板状の部材である。係合部47と固定部46とは、屈曲している。係合部47は、端部蓋40と係合した状態において、端部蓋40側に突出しており、灯具3において、灯具3の上方側(Z1側)に配置される。
【0036】
上述したように、連結部材44には、電源線81、接地線82、制御線83等の電線を通過させるスリット471がスリット状に形成されている。係合部47に形成されているスリット471を上部スリット4710と称する。上部スリット4710は、灯具3の長手方向Xに沿って形成されている。上部スリット4710は、固定部46に形成された端部スリット4711と繋がっている。上部スリット4710は、透光性カバー30の端部36及び端部蓋40を、長手方向X(第1方向)の移動が規制されない自由端とするために、連結部材44の係合部47に形成されたスリットである。上部スリット4710には、後述する挿入孔472から挿入されるカバー電線保持部416が、短手方向Y及び上下方向Zに移動が規制された状態で係合する。なお、挿入孔472に配置されるカバー電線保持部416は、長手方向X(第1方向)には移動が規制されない。上部スリット4710に、カバー電線保持部416が係合した状態では、連結部材44の端部蓋40に対する位置が決まるので、固定ネジ75を用いて連結部材44をボス部57に固定する際に固定ネジ75の位置合わせがしやすくなる。電源線81、接地線82、制御線83の全て又は一部を編組チューブ等で束線した状態では、一般的に硬くなり曲がり難くなる。しかし、連結部材44は、上部スリット4710と繋がるように形成された端部スリット4711を有することにより、電源線81等が束線されて曲がり難くなっても、配線がし易くなる。
【0037】
係合部47には、後述するカバー電線保持部416が挿入される挿入孔472が形成されている。挿入孔472は、上部スリット4710と連続して形成されている。挿入孔472は、固定部46に形成されている貫通孔であり、上部スリット4710の長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)と繋がって形成されている。挿入孔472は、カバー電線保持部416が挿入可能な形状及び寸法で形成されている。挿入孔472から挿入されたカバー電線保持部416は、透光性カバー30の伸長に応じて、上部スリット4710と係合した状態で、長手方向Xに沿って移動する。そのためカバー電線保持部416は、透光性カバー30の伸縮、及び透光性カバー30の伸縮に伴う端部蓋40及び封止具43の移動を妨げない。
【0038】
(取付部材50)
取付部材50は、
図3、
図5及び
図6に示すように、発光部60及び制御部80等を透光性カバー30内の空間に固定させる部材である。また、取付部材50は、透光性カバー30の両端部に取り付けられた端部蓋40及び連結部材44に取付部材50を固定する部材である。取付部材50は、台座51と、固定具54と、を有する。取付部材50は、透光性カバー30に収容される。そして、取付部材50は、
図5及び
図6に示すように、固定ネジ75によって、端部蓋40及び連結部材44に固定される。したがって、取付部材50は、透光性カバー30には直接固定されていないが、透光性カバー30の長手方向Xにおける両側のカバー端部35に嵌合(嵌着)している端部蓋40を介して透光性カバー30と繋がっている。
【0039】
台座51は、取付部材50の主たる部分であり、発光部60及び制御部80等が取り付けられる。本実施の形態では、台座51は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、台座51は、金属製の板材を折り曲げて形成されたものに限定するものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、金属以外の材料を用いて形成されたものでもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されたものでもよい。また、図示は省略するが、放熱効率(熱放射率)、あるいは、光の利用効率(反射率)等を向上させるために、台座51に表面処理を施し、あるいは、台座51に機能部材を敷設してもよい。台座51は、取付面部52と、側部53とを有する。台座51の取付面部52は、長尺の平板状に形成されており、照射側の面である表面には、発光部60が取り付けられる。また、器具側の面である裏面には、制御部取付部523を介して電源装置等の制御部80が取り付けられる。
【0040】
図5に示すように、台座51の取付面部52には、ネジ孔520が形成されている。ネジ孔520は、取付面部52の長手方向Xの両端部に形成されている。このネジ孔520には、固定具54を台座51に固定するための固定ネジ76が挿入される。取付面部52には、給電線84等を通過させる切り欠き部521が形成されている。切り欠き521部は、取付面部52の長手方向Xの両端部において、取付面部52の縁部に形成されている。なお、
図6に示すように、灯具3の他方の端部における、取付面部52には、切り欠き部521が形成されている替わりに、貫通孔である装着孔522が形成されている。この装着孔522には、基板捕捉部材70が挿入される。基板捕捉部材70は、捕捉部701と係合部702とからなり、発光部60が透光性カバー30に近づいたり接触したりしないように捕捉する機能を有する。
【0041】
台座51の側部53は、取付面部52の短手方向Yの両端部分から照射側に折り曲げられた立設部分である。側部53は、取付面部52の長手方向Xに沿って取付面部52の縁部から立設していることで、台座51の剛性を向上させる。本実施の形態では、側部53は、制御部80等が配置される器具側だけに立設させている。しかし、側部53は、発光部60が配置される照射側だけに立設させてもよく、あるいは、照射側及び器具側の両方に立設させてもよい。また、本実施の形態では、側部53は、取付面部52の短手方向Yの両端部分に立設させているが、たとえば、取付面部52の短手方向Yにおける中央部分等、両端部分以外の位置に立設させてもよい。
【0042】
固定具54は、台座51の長手方向Xの両端部分に配置されており、透光性カバー30の両端部に取り付けられた端部蓋40及び連結部材44に取付部材50を固定する部材である。固定具54は、端部蓋40を貫通すると共に連結部材44が固定される。ここで、本実施の形態では、固定具54は台座51と別部材で構成されているが、固定具54の構成は、当該構成に限定するものではない。たとえば、台座51の両端部分を折り曲げる等して、台座51と固定具54とを一体に形成し、台座51が固定具54と同じ機能をもつ部分を有するようにしてもよい。固定具54は、取付ネジ(図示は省略)等の固定部材を用いて台座51に取り付けてもよい。
【0043】
固定具54は、取付部55と、固定部56とを有しており、板金を折り曲げて製造している。なお、固定具54は、金具であるが、金具に限定するものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されたものでもよい。
【0044】
固定具54の取付部55は、固定具54を台座51に取り付ける部分であり、固定ネジ76を用いて台座51の両端部分に固定される。取付部55は、例えば、カシメ、溶着(溶接)又は嵌着(係着)等の方法で台座51と構造的に一体化されてもよい。
【0045】
固定具54の固定部56は、連結部材44の固定部46と共に端部蓋40と封止具43とを挟持する。すなわち、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40と、連結部材44とが組み合わされた状態において、固定部56と連結部材44の固定部46との間には、封止具43が配置されている。固定部56には、ボス部57が設けられている。
【0046】
ボス部57は、例えば、カシメ、溶着(溶接)又は嵌着(係着)等の方法によって固定部56に取り付けられている。ボス部57には、固定ネジ75がねじ込まれるネジ孔58が形成されている。ネジ孔58の内周側には、ネジ溝が形成されている。そして、連結部材44の外側から、連結部材44の固定ネジ挿通孔460、第2端部カバー42の端部カバー挿通部421、第1端部カバー41の第1カバー貫通孔411及び封止具43のネジ挿通孔434に固定ネジ75が挿通される。そして固定ネジ75が、ボス部57のネジ孔58にねじ込まれて、連結部材44は取付部材50の固定具54に固定される。すなわち、連結部材44が固定されるのは、固定具54のボス部57である。
【0047】
(発光部60)
発光部60は、
図3及び
図7に示すように、発光素子61、基板62等を有している。発光素子61は、電力供給により発光する。本実施の形態では、発光素子61として、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子を用いており、基板62の実装面に、長手方向Xに沿って、列状、千鳥状等に実装される。そして、本実施の形態の発光素子61は、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化された面実装部品である疑似白色LED素子である。ここで、発光素子61が出射する光は、光束値が最大であり、発光面に垂直な光軸Lに対して、対称に照射角αだけ広がる。本実施の形態では、発光素子61の照射角αは、120度であるものとする。発光素子61は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL等を用いてもよい。基板62は、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、金属ベース基板等が用いられる。
【0048】
制御部80は、電源装置であり、外部から供給される電力から発光素子61を点灯させる電力に変換して、発光素子61に供給する。制御部80は、制御部取付部523を介して台座51の取付面部52に取り付けられている。本実施の形態では、制御部80は、前述したように、台座51の取付面部52の裏面に、ネジ(図示は省略)等の固定部材を用いて取り付けられた状態で、発光素子61等と共に筒状の透光性カバー30に収容されている。ただし、制御部80は、灯具3ではなく、照明器具2に取り付けられてもよい。この場合、電線は、制御部80から発光素子61に供給される電力の供給経路として機能する給電線となる。本実施の形態における電源線81、接地線82及び制御線83等の電線は、一端は制御部80に接続される。そして、他端は、照明器具2に取り付けられている端子台(図示は省略)に接続される。
【0049】
(端部蓋40の詳細)
図8は、本発明の実施の形態に係る灯具3の端部蓋40を説明する分割斜視図である。
図9は、本発明の実施の形態に係る灯具3の、
図8の反対側から見た端部蓋40を説明する分割斜視図である。
図5~
図9を用いて端部蓋40の詳細な構造について説明する。端部蓋40は、外カバーとなる第1端部カバー41と内カバーとなる第2端部カバー42とを有している。内カバーとなる第2端部カバー42は、外カバーとなる第1端部カバー41内に配置される。すなわち、端部蓋40は、複数の部品を一体化して構成されている。ここで、本実施の形態の第1端部カバー41及び第2端部カバー42は、樹脂材料を用いて形成されているものとして説明する。ただし、第1端部カバー41及び第2端部カバー42の材料は、樹脂材料に限定されるものではない。樹脂材料以外の金属材料、セラミック材料等を用いて形成されてもよい。また、本実施の形態では、第1端部カバー41と第2端部カバー42とを別部材とし、嵌着(嵌合)して一体化するようにしているが、あらかじめ一体化された1つの部材として成形するようにしてもよい。
【0050】
第1端部カバー41は、第1カバー主部410、連結ガイド413、カバー下面部414、カバー電線保持部416、カバー端面部417及び端部カバー外周部419を有している。第1カバー主部410は、板状の部材であり、端部蓋40のベースとなる外端部である。第1カバー主部410は、
図7に示すように、灯具3の外端部を形成し、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向において端部36より外側に配置される。
【0051】
連結ガイド413は、連結部材44の段差部450に形成された固定具挿通部451にあらかじめ取り付けられている固定具48に向かって、
図2に示すカバー下面貫通孔415からドライバ等の工具を案内する筒状のガイド壁である。連結ガイド413は、後述するカバー下面部414の底面部414aから立ち上がり筒状に形成されている。連結ガイド413の直径は、固定具48の最大径となる固定具48の頭部の直径よりも大きい。連結ガイド413の詳細は、後述する。
【0052】
カバー下面部414は、第1方向(長手方向X)における第1カバー主部410より端部側に形成され、連結部材44、固定具48、照明器具2の器具側連結部27を隠す化粧カバーの一部として機能する。カバー下面部414は、底面部414aと、側面部414bとを有する。底面部414aは、端部蓋40が灯具3に取り付けられた場合に、照明器具2と対向する。底面部414aには、連結ガイド413の内面壁に沿って、貫通孔であるカバー下面貫通孔415が形成されている。側面部414bは、端部蓋40が灯具3に取り付けられた場合に、灯具3の短手方向Y(第2方向)に配置される。カバー下面部414は、本実施の形態では、意匠性に配慮して端部カバー外周部419と連続させている。カバー下面部414は、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁であり、第1カバー主部410の周縁部の側面から下面にかけて形成されている。このカバー下面部414は端部カバー外周部419と共に、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁である外壁部410aを形成する。外壁部410aは、外端部である第1カバー主部410の周縁から起立して周状の壁形状として形成されている。すなわち、第1端部カバー41は、外端部である第1カバー主部410と、外壁部410aとを有する。外壁部410aは、外端部である第1カバー主部410に形成され、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において端部36より外側に配置される。ここで第2方向とは、短手方向Y及び上下方向Zを含む、長手方向Xと交差する全方向である。
【0053】
カバー電線保持部416は、端部カバー外周部419の上面部に形成されている。カバー電線保持部416は、端部カバー外周部419から上方(Z1方向)に突出している。カバー電線保持部416は、照明器具2に設けられた端子台(図示は省略)と制御部80とが電気的に接続され、制御部80に外部電力を供給する電源線81、灯具3の電位を設定する接地線82及び外部から制御部80を制御する制御線83等を保持する。
【0054】
カバー端面部417は、第1方向(長手方向X)におけるカバー下面部414の端部側を覆うように形成され、連結部材44、固定具48、照明器具2の器具側連結部27の端部側を隠す化粧カバーの一部として機能する。カバー端面部417は、端部蓋40が灯具3に取り付けられた場合に、長手方向X(第1方向)の最外壁を構成する。
【0055】
端部カバー外周部419は、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁であり、第1カバー主部410の周縁部の側面から上面にかけて形成されている。この端部カバー外周部419はカバー下面部414と共に、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁である外壁部410aを形成する。端部カバー外周部419は、封止具43を間にして、透光性カバー30の端部36に嵌着される部分である。本実施の形態では、端部カバー外周部419は、意匠性に配慮してカバー下面部414と連続させている。
【0056】
第1端部カバー41には、第1カバー貫通孔411、第1カバー連結孔412、カバー下面貫通孔415及びカバー端面貫通孔418が形成されている。第1カバー貫通孔411には、端部蓋40と、封止具43と、取付部材50とが組み合わされた状態において、封止具筒状部433及びボス部57が挿通される。本実施の形態では、第1カバー連結孔412は、第1カバー主部410に4個形成されており、第2端部カバー42に形成された4個の第2カバー係合片422が挿入される。第1カバー連結孔412には、第2カバー係合片422の先端にそれぞれ形成された第2カバー係合爪423が引っ掛かり、係着することによって、第2端部カバー42が第1端部カバー41に取り付けられる。カバー下面貫通孔415は、連結部材44の段差部450に形成された固定具挿通部451にあらかじめ取り付けられている固定具48に向かって、ドライバ等の工具を挿入する施工用の孔であり、施工後はカバー蓋49によって塞がれる孔である。カバー下面貫通孔415は、万が一、固定具48が、固定具挿通部451から外れたときには固定具48の取り出し口として機能する。カバー端面貫通孔418は、端部カバー内に溜まる水分等の液体あるいは塵埃等が排出される排出孔である。
【0057】
第2端部カバー42は、第1端部カバー41と共に端部蓋40を構成し、第2端部カバー42と第1端部カバー41とが組み合わされた状態で、第1端部カバー41の内部に配置される。端部蓋40は、第2端部カバー42の端部カバー内周部425が形成する開口と、第1端部カバー41の外壁部410aが形成する開口と、が向き合うように嵌め合わされ、箱状に形成される。端部蓋40において、第1端部カバー41の第1カバー主部410と、第2端部カバー42の第2カバー主部420とは対向する壁を構成する。
【0058】
第2端部カバー42は、第2カバー主部420、第2カバー係合片422、第2カバー係合爪423及び端部カバー内周部425を有している。第2カバー主部420は、板状の部材であり、端部蓋40と封止具43とが組み合わされた状態において、封止具43の封止具主部430と対向して当接する内端部である。内端部である第2カバー主部420は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、内壁部である端部カバー内周部425の、外端部である第1カバー主部410とは反対側の端部に、端部蓋40における第1カバー主部410とは反対側の面を構成する。すなわち、第2端部カバー42は、内端部である第2カバー主部420と、内壁部である端部カバー内周部425とを有する。
【0059】
第2カバー係合片422は、本実施の形態では4個形成されており、第2カバー係合片422は、第1端部カバー41と第2端部カバー42とが組み合わされた状態において、第1端部カバー41に形成された4個の第1カバー連結孔412に挿入される。第2カバー係合爪423は、第2カバー係合片422の先端にそれぞれ設けられており、第1端部カバー41の第1カバー主部410に設けられた第1カバー連結孔412に引っ掛かることによって係着する。第2カバー係合爪423が、第1カバー連結孔412に係着することによって、第2端部カバー42が第1端部カバー41に取り付けられ、第1端部カバー41と第2端部カバー42とは一体の構造体となる。
【0060】
端部カバー内周部425は、第2カバー主部420の周縁部に形成された側壁である。端部カバー内周部425は、端部蓋40において、封止具筒状部433及び端部36を挟んで、外壁部410aと対向するように周状の壁形状として形成された内壁部である。端部カバー内周部425は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、第2方向において端部36より内側に配置される内壁部である。なお、端部カバー内周部425の詳細な構造については、後述する。
【0061】
第2端部カバー42には、端部カバー挿通部421が形成されている。端部カバー挿通部421には、封止具43の封止具主部430に形成されている電線挿通部431及び封止具43の封止具主部430に形成されている封止具筒状部433が挿通される。また、端部カバー挿通部421には、端部蓋40と、封止具43と、取付部材50とが組み合わされた状態において、封止具筒状部433及びボス部57が挿通される。端部カバー挿通部421を形成する縁部に沿って、挿通壁421aが形成されている。挿通壁421aは、端部カバー挿通部421の縁部に沿って形成された周壁であり、端部カバー内周部425と対向するように形成されている。挿通壁421aは、端部蓋40と、封止具43と、取付部材50とが組み合わされた状態において、内部にボス部57が挿通された封止具筒状部433と当接する。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態に係る灯具3の封止構造100を説明する模式図である。
図10を用いて、端部カバー内周部425の詳細な構造を説明すると共に、灯具3の封止構造100を説明する。灯具3の封止構造100の構成要素は、端部蓋40、封止具43、及び透光性カバー30を有する。端部蓋40は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、灯具3の長手方向Xである第1方向において、弾性部材である封止具43の外側に配置される外端部である第1カバー主部410を有する。また、端部蓋40は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において端部36より外側に配置される外壁部410aを有する。なお、端部カバー外周部419の内周面である端部カバー外周部内面部4190は、本実施の形態では、通常の樹脂成形に必要な傾斜角θ1が、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ1≒1°程度となる抜きテーパが形成されている。さらに、端部蓋40は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、第2方向において端部36より内側に配置される内壁部である端部カバー内周部425を有する。
【0063】
弾性部材である封止具43は、端部36と、外端部である第1カバー主部410、外壁部410a、内壁部である端部カバー内周部425とに挟まれた状態で端部36に取り付けられている。より詳細には、弾性部材である封止具43は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、封止具43の外周部437が、端部36及び外壁部410aに挟まれた状態で端部36に取り付けられている。また、弾性部材である封止具43は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、封止具43の内周部435が、端部36及び内壁部である端部カバー内周部425に挟まれた状態で端部36に取り付けられている。すなわち、弾性部材である封止具43は、端部36、内端部である第2カバー主部420、外壁部410a、及び内壁部である端部カバー内周部425と密着した状態で端部36に取り付けられて端部36が形成する開口を封止している。
【0064】
端部カバー内周部外面部4250は、端部カバー内周部425の外周面であり、第1傾斜部として傾斜面を形成している。第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250は、第1方向(長手方向X)において、第2カバー主部420から第1カバー主部410に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が大きくなるように傾斜している。すなわち、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250が形成されている。換言すれば、端部カバー内周部外面部4250は、第1方向(長手方向X)において、第1カバー主部410から第2カバー主部420の側に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が小さくなるように傾斜している。すなわち、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の端部36から中央に向うほど、第2方向における端部36との距離が小さくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250が形成されている。
【0065】
端部カバー内周部外面部4250の傾斜角θ2は、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ2>0°であり、好ましくは、傾斜角θ2≧傾斜角θ1である。なお、傾斜角θ2=傾斜角θ1の場合には、端部蓋40は、第2方向における外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との間の距離が、灯具3の長手方向Xである第1方向において同じである。
【0066】
<灯具3の組み立て>
灯具3の組み立てに際して、通常は、まず、封止具43を透光性カバー30の端部36に取り付け、その後に、封止具43を間に挟むようにして端部蓋40を透光性カバー30の端部36に取り付ける順序が一般的である。この際、透光性カバー30は、封止具43の、内周部外面部4352と、外周部内面部4370との間に配置される。例えば、灯具3を組み立てる際に、端部蓋40に嵌め込まれた封止具43は外れ難いため、灯具3は、組み立て性を損なうことなく、順序を変更して組み立てることも可能である。灯具3を組み立てる際の、封止具43の装着(嵌め込み)の方法と手順とは、選択肢が増えるので、灯具3は、様々な手順によって組み立てることができる。本実施の形態において、端部カバー内周部外面部4250は端部カバー内周部425の全周に渡って形成されている。そのため、上記の第2方向は、第1方向(長手方向X)と交わる全方向(360°)となる。なお、傾斜部を形成する端部カバー内周部外面部4250は、端部カバー内周部425の外周面の全ての面に設けられている必要はなく、少なくとも端部カバー内周部425の外周面の一部に設けられていればよい。ここで、端部カバー内周部425の外周面の一部とは、第1方向(長手方向X)における一部分、あるいは、周方向における一部分の何れでもよい。端部カバー内周部外面部4250は、端部カバー内周部425の一箇所に設けられてもよく、あるいは、複数個所に設けられてもよい。
【0067】
<作用効果>
以上のように、弾性部材である封止具43は、端部36と、外端部である第1カバー主部410、外壁部410a及び内壁部である端部カバー内周部425と、に挟まれた状態で端部36に取り付けられている。そして、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250が形成されている。端部カバー内周部425が端部カバー内周部外面部4250を備え、端部カバー内周部外面部4250がこのように傾斜していることによって端部蓋40に嵌め込まれた弾性部材である封止具43は外れ難くなる。封止具43の内周部内面部4350は、第1端部カバー41、第2端部カバー42及び封止具43が組み合わされた状態において、傾斜した端部カバー内周部外面部4250と対向し、当接し、及び、密着する部分である。封止具43の内周部内面部4350は、第1端部カバー41、第2端部カバー42及び封止具43が組み合わされた状態において、端部カバー内周部425の端部カバー内周部外面部4250と面接触する。そのため、封止具43の内周部内面部4350は、端部カバー内周部外面部4250の傾斜によって、移動が規制される。封止具43が密着している透光性カバー30に対して、第1方向(長手方向X)において、端部蓋40から抜ける向き(
図10における右向きとなる中向きX2)に力が加わった場合、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れる虞はない。仮に、封止具43が端部蓋40から抜ける向き(
図10における右向きとなる中向きX2)に移動すると、封止具43は透光性カバー30の端部36に向かって(
図10における上向きに)移動する。そのため、透光性カバー30及び端部蓋40と、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れ難くなる。より詳細には、灯具3及び灯具3の封止構造100は、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250及び端部カバー外周部内面部4190と、封止具43との密着度が強くなる。そのため、灯具3及び灯具3の封止構造100は、透光性カバー30及び封止具43が、端部蓋40から外れ難くなる。つまり、灯具3及び灯具3の封止構造100は、透光性カバー30及び封止具43が、端部蓋40から外れる虞がない。
【0068】
また、端部蓋40は、上記のような形状をなしており、封止具43の外周部437における弾性変形量は、接続部436の側よりも、雨水が浸入する側である封止具主部430の側の方が相対的に小さくなるため、灯具3は止水性を維持しやすくなる。また、透光性カバー30及び端部蓋40と、封止具43とは強く密着され、灯具3は止水性が維持される。より詳細には、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250及び端部カバー外周部内面部4190と、封止具43と、は強く密着され、灯具3及び封止構造100は止水性が維持される。
【0069】
また、外郭である透光性カバー30は、少なくとも一方の端部36が開口する長尺形状の中空体であると共に、発光素子61が実装された基板62を内部に収納し、透光性カバー30の長手方向Xが第1方向である。そのため、灯具3は、透光性カバー30、封止具43及び端部蓋40の密着度を確保し、止水性を維持することができ、その結果、灯具3及び灯具3の封止構造100は、中空体内部に配置した発光素子61を保護することができる。
【0070】
また、端部蓋40は、第2方向における外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との距離が、第1方向において、外郭である透光性カバー30の中央から端部36に向うほど大きくなる。したがって、端部カバー内周部外面部4250が傾斜を形成し端部蓋40に嵌め込まれた弾性部材である封止具43は外れ難くなる。また、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250及び端部カバー外周部内面部4190と、封止具43と、は強く密着され、灯具3及び灯具3の封止構造100は、止水性が維持される。
【0071】
また、端部蓋40は、第2方向における外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との距離が、第1方向において同じ場合がある。この場合に、端部カバー外周部内面部4190の傾斜と端部カバー内周部外面部4250の傾斜が同じ角度であるため、端部蓋40との組み合わせ時において、ユーザーが封止具43と端部蓋40とを係合させやすくなる。
【0072】
(変形例1)
図11は、本発明の実施の形態に係る灯具3の封止構造100の第1の変形例を説明する模式図である。端部カバー内周部外面部4250aには、通常の樹脂成形に必要な傾斜角θ3が、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ3≒1°程度となる抜きテーパが形成されている。また、端部カバー外周部内面部4190aが、第1傾斜部相当の第2傾斜部として傾斜面を形成している変形例である。端部カバー外周部内面部4190aは、第1方向(長手方向X)において、第1カバー主部410から第2カバー主部420の側に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が小さくなるように傾斜している。すなわち、外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の端部36から中央に向うほど、第2方向における端部36との距離が小さくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190aが形成されている。換言すれば、第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190aは、第1方向(長手方向X)において、第2カバー主部420から第1カバー主部410に向うほど、第1方向と交差する第2方向において端部36との距離が大きくなるように傾斜している。すなわち、外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190aが形成されている。
【0073】
端部カバー外周部内面部4190aの傾斜角θ4は、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ4>0°であり、好ましくは、傾斜角θ4≧傾斜角θ3である。なお、傾斜角θ4=傾斜角θ3の場合には、端部蓋40は、第2方向における外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との間の距離が、灯具3の長手方向Xである第1方向において同じである。また、第2端部カバー42aにカバー鍔部426が形成され、第2端部カバー42aと封止具43aとが組み合わされた状態において、カバー鍔部426は、封止具43aの接続部436と対向し、当接し、及び密着する。
【0074】
以上のように、弾性部材である封止具43は、端部36と、外端部である第1カバー主部410、外壁部410a及び内壁部である端部カバー内周部425と、に挟まれた状態で端部36に取り付けられている。外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190aが形成されている。外壁部410aが端部カバー外周部内面部4190aを備え、端部カバー外周部内面部4190aがこのように傾斜していることによって端部蓋40に嵌め込まれた弾性部材である封止具43は外れ難くなる。封止具43の外周部外面部4372は、第1端部カバー41、第2端部カバー42及び封止具43が組み合わされた状態において、傾斜した端部カバー外周部内面部4190aと対向し、当接し、及び、密着する部分である。封止具43の外周部外面部4372は、第1端部カバー41、第2端部カバー42及び封止具43が組み合わされた状態において、外壁部410aの端部カバー外周部内面部4190aと面接触する。そのため、封止具43の外周部外面部4372は、端部カバー外周部内面部4190aの傾斜によって、移動が規制される。封止具43が密着している透光性カバー30に対して、第1方向(長手方向X)において、端部蓋40から抜ける向き(
図11における右向きとなる中向きX2)に力が加わった場合、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れる虞はない。仮に、封止具43が端部蓋40から抜ける向き(
図11における右向きとなる中向きX2)に移動すると、封止具43は透光性カバー30の端部36に向かって(
図11における上向きに)移動する。そのため、透光性カバー30及び端部蓋40と、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れ難くなる。より詳細には、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250a及び端部カバー外周部内面部4190aと、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れ難くなる。つまり、灯具3及び灯具3の封止構造100は、透光性カバー30及び封止具43が、端部蓋40から外れる虞がない。
【0075】
また、端部蓋40は、上記のような形状をなしており、封止具43の外周部437における弾性変形量は、接続部436の側よりも、雨水が浸入する側である封止具主部430の側の方が相対的に小さくなるため、灯具3は止水性を維持しやすくなる。また、透光性カバー30及び端部蓋40と、封止具43とは強く密着され、灯具3は止水性が維持される。より詳細には、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250a及び端部カバー外周部内面部4190aと、封止具43と、は強く密着され、灯具3及び灯具3の封止構造100は、止水性が維持される。
【0076】
また、端部蓋40は、第2方向における外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との距離が、第1方向において、外郭である透光性カバー30の中央から端部36に向うほど大きくなる。したがって、端部カバー外周部内面部4190aが傾斜を形成し端部蓋40に嵌め込まれた弾性部材である封止具43は外れ難くなる。また、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250a及び端部カバー外周部内面部4190aと、封止具43と、は強く密着され、灯具3及び灯具3の封止構造100は、止水性が維持される。
【0077】
また、端部蓋40は、第2方向における外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との距離が、第1方向において同じ場合がある。この場合に、端部カバー外周部内面部4190aの傾斜と端部カバー内周部外面部4250aの傾斜が同じ角度であるため、端部蓋40との組み合わせ時において、ユーザーが封止具43と端部蓋40とを係合させやすくなる。
【0078】
(変形例2)
図12は、本発明の実施の形態に係る灯具3の封止構造100の第2の変形例を説明する模式図である。変形例2の灯具3は、端部カバー内周部外面部4250bを第1傾斜部として、端部カバー外周部内面部4190bを第2傾斜部として機能させる変形例である。すなわち、端部カバー内周部外面部4250bは、端部カバー内周部425の外周面であり、第1傾斜部として傾斜面を形成している。
【0079】
第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250bは、第1方向(長手方向X)において、第2カバー主部420から第1カバー主部410に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が大きくなるように傾斜している。すなわち、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250bが形成されている。換言すれば、端部カバー内周部外面部4250bは、第1方向(長手方向X)において、第1カバー主部410から第2カバー主部420の側に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が小さくなるように傾斜している。すなわち、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の端部36から中央に向うほど、第2方向における端部36との距離が小さくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250bが形成されている。端部カバー内周部外面部4250bの傾斜角θ2は、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ2>0°である。
【0080】
また、端部カバー外周部内面部4190bが、第1傾斜部相当の第2傾斜部として傾斜面を形成している。端部カバー外周部内面部4190bは、第1方向(長手方向X)において、第1カバー主部410から第2カバー主部420の側に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が小さくなるように傾斜している。すなわち、外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の端部36から中央に向うほど、第2方向における端部36との距離が小さくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190bが形成されている。換言すれば、第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190bは、第1方向(長手方向X)において、第2カバー主部420から第1カバー主部410に向うほど、第1方向と交差する第2方向において端部36との距離が大きくなるように傾斜している。すなわち、外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190bが形成されている。端部カバー外周部内面部4190bの傾斜角θ4は、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ4>0°である。
【0081】
以上のように、弾性部材である封止具43は、端部36と、外端部である第1カバー主部410、外壁部410a及び内壁部である端部カバー内周部425と、に挟まれた状態で端部36に取り付けられている。そして、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250bが形成されている。また、弾性部材である封止具43は、端部36と、外端部である第1カバー主部410、外壁部410a及び内壁部である端部カバー内周部425と、に挟まれた状態で端部36に取り付けられている。外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190bが形成されている。そのため、上述のように、透光性カバー30及び端部蓋40と、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れ難くなる。より詳細には、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250b及び端部カバー外周部内面部4190bと、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れ難くなる。つまり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40から外れる虞がない。また、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250b及び端部カバー外周部内面部4190bと、封止具43と、は強く密着され、灯具3及び灯具3の封止構造100は、止水性が維持される。
【0082】
(変形例3)
図13は、本発明の実施の形態に係る灯具3の封止構造100の第3の変形例を説明する模式図である。変形例3の灯具3は、第1端部カバー41と第2端部カバー42とが一体成形された端部蓋40cを用いた変形例である。端部蓋40cは、1つの部品として形成されている。端部カバー内周部外面部4250cは、端部カバー内周部425の外周面であり、第1傾斜部として傾斜面を形成している。
【0083】
第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250cは、第1方向(長手方向X)において、第2カバー主部420から第1カバー主部410に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が大きくなるように傾斜している。すなわち、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250cが形成されている。換言すれば、端部カバー内周部外面部4250cは、第1方向(長手方向X)において、第1カバー主部410から第2カバー主部420の側に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が小さくなるように傾斜している。すなわち、内壁部である端部カバー内周部425には、第1方向において透光性カバー30の端部36から中央に向うほど、第2方向における端部36との距離が小さくなるように傾斜する第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250cが形成されている。端部カバー内周部外面部4250cの傾斜角θ2は、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ2>0°である。
【0084】
また、端部カバー外周部内面部4190cが、第1傾斜部相当の第2傾斜部として傾斜面を形成している。端部カバー外周部内面部4190cは、第1方向(長手方向X)において、第1カバー主部410から第2カバー主部420の側に向うほど、第1方向(長手方向X)と交差する第2方向において端部36との距離が小さくなるように傾斜している。すなわち、外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の端部36から中央に向うほど、第2方向における端部36との距離が小さくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190cが形成されている。換言すれば、第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190cは、第1方向(長手方向X)において、第2カバー主部420から第1カバー主部410に向うほど、第1方向と交差する第2方向において端部36との距離が大きくなるように傾斜している。すなわち、外壁部410aには、第1方向において透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190cが形成されている。端部カバー外周部内面部4190cの傾斜角θ4は、長手方向Xに沿った基準線Tに対して、傾斜角θ4>0°である。
【0085】
以上のように、端部蓋40cは、1つの部品として形成されている。端部蓋40cは、第1傾斜部である端部カバー内周部外面部4250cと第2傾斜部である端部カバー外周部内面部4190cとを有している。そのため、上述のように、透光性カバー30及び端部蓋40cと、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43は、端部蓋40cから外れ難くなる。また、透光性カバー30の端部36、端部蓋40cの端部カバー内周部外面部4250c及び端部カバー外周部内面部4190cと、封止具43と、は強く密着され、灯具3は止水性が維持される。また、複数の部品が一体化した端部蓋40cは、端部蓋40cを構成する部品数を少なくすることができ、灯具3の組立作業の工程数を少なくすることができる。
【0086】
封止構造100及び変形例1~3に示すように、灯具3及び封止構造100は、外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との少なくともいずれか一方には、第1傾斜部あるいは第2傾斜部から構成される傾斜部が形成されている。すなわち、傾斜部は、外壁部410aと内壁部である端部カバー内周部425との少なくともいずれか一方に形成されている。そして、傾斜部は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、外郭である透光性カバー30の中央から端部36に向うほど、第2方向における端部36との距離が大きくなるように傾斜する。そのため、上述のように、灯具3及び灯具3の封止構造100は、透光性カバー30及び端部蓋40と、封止具43との密着度が強くなり、透光性カバー30及び封止具43が、端部蓋40から外れ難くなる。また、透光性カバー30の端部36、端部蓋40の端部カバー内周部外面部4250c及び端部カバー外周部内面部4190cと、封止具43と、は強く密着され、灯具3及び灯具3の封止構造100は、止水性が維持される。
【0087】
(変形例4)
図14は、本発明の実施の形態に係る灯具3の封止構造100の第4の変形例を説明する模式図である。変形例4の灯具3は、内周部435の内周部内面部4350に、内周部内面突設部4351が形成されている。内周部内面部4350は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、内壁部である端部カバー内周部425と対向する内周部435の壁面部である。内周部内面突設部4351は、内周部435の内周部内面部4350に形成された凸状部である。なお、凸状部は、壁部から突出する部分である。内周部内面突設部4351は、内周部435の内周部内面部4350に沿って環状に形成されている。内周部内面突設部4351は、灯具3の長手方向Xにおいて、内周部435の内周部内面部4350に1つ形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。灯具3は、内周部435の内周部内面部4350に、内周部内面突設部4351が形成されていることで封止具43の止水性(密着性)を維持しながら薄肉化を図ることができる。その結果、灯具3及び灯具3の封止構造100は、材料削減することができ材料コストを抑制することができる。
【0088】
変形例4の灯具3は、内周部435の内周部外面部4352に、内周部外面突設部4353が形成されている。内周部外面部4352は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、透光性カバー30の端部36と対向する内周部435の壁面部である。内周部外面突設部4353は、内周部435の内周部外面部4352に形成された凸状部である。内周部外面突設部4353は、内周部435の内周部外面部4352に沿って環状に形成されている。内周部外面突設部4353は、灯具3の長手方向Xにおいて、内周部435の内周部外面部4352に1つ形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。灯具3は、内周部435の内周部外面部4352に、内周部外面突設部4353が形成されていることで封止具43の止水性(密着性)を維持しながら薄肉化を図ることができる。その結果、灯具3及び灯具3の封止構造100は、材料削減することができ材料コストを抑制することができる。
【0089】
変形例4の灯具3は、外周部437の外周部内面部4370に、外周部内面突設部4371が形成されている。外周部内面部4370は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、透光性カバー30の端部36と対向する外周部437の壁面部である。外周部内面突設部4371は、外周部437の外周部内面部4370に形成された凸状部である。外周部内面突設部4371は、外周部437の外周部内面部4370に沿って環状に形成されている。外周部内面突設部4371は、灯具3の長手方向Xにおいて、外周部437の外周部内面部4370に1つ形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。灯具3は、外周部437の外周部内面部4370に、外周部内面突設部4371が形成されていることで封止具43の止水性(密着性)を維持しながら薄肉化を図ることができる。その結果、灯具3及び灯具3の封止構造100は、材料削減することができ材料コストを抑制することができる。
【0090】
変形例4の灯具3は、外周部437の外周部外面部4372に、外周部外面突設部4373が形成されている。外周部外面部4372は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、外壁部410aと対向する外周部437の壁面部である。外周部外面突設部4373は、外周部437の外周部外面部4372に形成された凸状部である。外周部外面突設部4373は、外周部437の外周部外面部4372に沿って環状に形成されている。外周部外面突設部4373は、灯具3の長手方向Xにおいて、外周部437の外周部外面部4372に1つ形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。灯具3は、外周部437の外周部外面部4372に、外周部外面突設部4373が形成されていることで封止具43の止水性(密着性)を維持しながら薄肉化を図ることができる。その結果、灯具3及び灯具3の封止構造100は、材料削減することができ材料コストを抑制することができる。
【0091】
変形例4の灯具3は、内周部内面突設部4351、内周部外面突設部4353、外周部内面突設部4371及び外周部外面突設部4373のいずれか1つが形成されていてもよく、2つ以上が形成されていてもよい。
【0092】
以上のように、照明装置1は、灯具3又は灯具3の封止構造100を有することで、灯具3又は灯具3の封止構造100の上述の効果を奏することができる。
【0093】
図15は、本発明の実施の形態に係る伸縮構造110の基準となる配置を示す断面図である。
図16は、本発明の実施の形態に係る伸縮構造110における透光性カバー30の伸長状態の配置を示す断面図である。
図17は、本発明の実施の形態に係る伸縮構造110における透光性カバー30の収縮状態の配置を示す断面図である。伸縮構造110は、灯具3において、透光性カバー30の嵌合部である端部36及び端部蓋40を、長手方向X(第1方向)の移動が規制されない自由端とするために設けられた部分である。
【0094】
伸縮構造110は、外郭となる透光性カバー30と、透光性カバー30に取り付けられる端部蓋40と、を有している。また、伸縮構造110は、長手方向Xである第1方向において端部蓋40の外側に配置され、一部が端部蓋40を貫通している取付部材50に固定されると共に、他の一部が照明器具2に固定される連結部材44を備えている。そして、伸縮構造110は、端部36及び端部蓋40が、取付部材50と連結部材44との間に設けられた可動域Mにおいて、長手方向Xである第1方向に沿って移動自在に形成されている。また、伸縮構造110は、端部蓋40が、端部36との間に挟まれて配置される弾性部材である封止具43に、端部36と共に密着した状態で端部36に取り付けられている。また、伸縮構造110は、取付部材50が、端部蓋40を貫通すると共に連結部材44が固定される固定具54を有している。そして、伸縮構造110は、弾性部材である封止具43が、固定具54に密着した状態で移動する。なお、
図15に示す灯具3及び灯具3の伸縮構造110の可動域Mは、灯具3の動作環境の変化に伴い端部36と共に移動する端部蓋40の移動量に対応して、取付部材50と連結部材44との間に設けられるクリアランスである。クリアランスである可動域Mは、各部品の製造バラツキ、あるいは、灯具3の組み立てバラツキに伴う寸法誤差を吸収する機能も併せ持つ。伸縮構造110において、端部36は、取付部材50と連結部材44との間に設けられた灯具3の可動域Mにおいて、端部蓋40と共に長手方向Xである第1方向に沿って移動自在な自由端である。上述したように、端部蓋40は、端部36との間に挟まれて配置される封止具43に、端部36と共に密着した状態で端部36に取り付けられる。したがって、弾性部材である封止具43は、端部蓋40と共に可動域Mを、長手方向Xである第1方向に沿って移動する。
【0095】
図15に示すように、配置基準1として、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、取付部材50及び連結部材44と離間した状態で灯具3の可動域Mに配置されている。
図15に示すように、基準設置環境条件では、灯具3の長手方向Xにおいて、端部蓋40が、位置P1を基準にして位置P2まで移動可能な範囲(第1可動域M1)を有するように、端部蓋40、封止具43、及び透光性カバー30が配置される。基準設置環境条件は、基準温度である常温(例えば25℃)及び基準湿度である常湿(例えば相対湿度40%~50%)に基づく環境条件であり、灯具3を組み立てる際の一般的な環境条件でもある。
図15に示すように、位置P1は、灯具3の長手方向Xにおいて、端部蓋40の第1カバー主部410の設置位置であり、より詳細には、灯具3の長手方向Xにおいて、第1カバー主部410の、連結部材44の固定部46と対向する面の設置位置である。位置P2は、灯具3の長手方向Xにおいて、連結部材44の固定部46の設定位置であり、より詳細には、灯具3の長手方向Xにおいて、固定部46の、第1カバー主部410を構成する壁面と対向する面の設置位置である。すなわち、端部蓋40は、連結部材44の固定部46と離間した状態で可動域Mに配置されている。また、端部蓋40と取付部材50との間には封止具43が挟まれているため、端部蓋40は、取付部材50とも直接接触しておらず離間している。
【0096】
第1可動域M1は、灯具3の長手方向Xにおいて、端部蓋40の第1カバー主部410の設置位置と、連結部材44の固定部46の設置位置との間に形成された空間であり、第1カバー主部410の設置位置と固定部46の設置位置との間の距離である。第1可動域M1は、透光性カバー30の伸長に伴う端部36と端部蓋40との移動に対応するための領域である。第1可動域M1の大きさは、例えば、透光性カバー30の最大伸長寸法Gから最大伸長寸法Gの半値(G/2)の範囲で決定される。伸縮構造110が、灯具3の長手方向X(第1方向)における片端にのみ設けられる場合は、第1可動域M1を透光性カバー30の最大伸長寸法Gとすることが好ましい。伸縮構造110が、灯具3の長手方向X(第1方向)における両端に設けられる場合は、第1可動域M1を透光性カバー30の最大伸長寸法Gの半値(G/2)としても充分である。
【0097】
図15に示すように、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、取付部材50との間隔寸法よりも連結部材44との間隔寸法の方が大きくなるように灯具3の可動域Mに配置されている。より詳細には、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、取付部材50の固定具54との間隔寸法よりも連結部材44の固定部46との間隔寸法の方が大きくなるように灯具3の可動域Mに配置されている。このとき端部蓋40は、封止具43を間にして取付部材50と近接させて配置されている。
【0098】
端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、連結部材44との間隔寸法よりも取付部材50との間隔寸法の方が大きくなるように可動域に配置されてもよい。より詳細には、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、連結部材44の固定部46との間隔寸法よりも取付部材50の固定具54との間隔寸法の方が大きくなるように灯具3の可動域Mに配置されてもよい。例えば、灯具3の使用環境温度が極端に低い場合等、透光性カバー30の収縮量が大きい場合を想定した端部蓋40の配置例である。
【0099】
取付部材50は、端部蓋40を貫通すると共に連結部材44が固定される固定具54を有しており、弾性部材である封止具43は、固定具54に密着した状態で移動する。上述したように、連結部材44が固定されるのは固定具54のボス部57である。そして、固定具54が有するボス部57は、封止具43の筒状部である封止具筒状部433と密着した状態で、封止具筒状部433のボス挿通孔内を摺動することができる。封止具43は、弾性部材であり、当該構成を有することで、灯具3の止水性を維持した伸縮構造110を構成することができる。
【0100】
灯具3の設置環境温度、設置環境相対湿度、あるいは、動作温度が上昇して、透光性カバー30が伸長する場合は、端部蓋40及び透光性カバー30の端部36は、相対位置が変わることなく一体となって長手方向Xにおける外側(X1の向き)に移動する。端部蓋40及び透光性カバー30の端部36が移動する際、封止具43は、端部蓋40、透光性カバー30の端部36、及びボス部57と密着して灯具3の止水性(封止状態)を維持する。
【0101】
図15に示すように、配置基準2として、基準設置環境条件では、透光性カバー30が位置P3を基準にして位置P4まで移動可能な範囲(第2可動域M2)を有するように、端部蓋40、封止具43、及び透光性カバー30が配置される。位置P3は、透光性カバー30のカバー端部35の位置であり、位置P4は、取付部材50の固定具54の位置である。すなわち、第2可動域M2は、灯具3の長手方向Xにおいて、カバー端部35と固定具54との間の距離である。第2可動域M2は、透光性カバー30の収縮に伴う端部36と端部蓋40との移動に対応するための領域である。第2可動域M2は、例えば、透光性カバー30の最大収縮寸法Sから最大収縮寸法Sの半値(S/2)の範囲で決定される。伸縮構造110が、灯具3の長手方向X(第1方向)における片端にのみ設けられる場合は、第2可動域M2を最大収縮寸法Sとすることが好ましい。伸縮構造110が、灯具3の長手方向X(第1方向)における両端に設けられる場合は、第2可動域M2を最大収縮寸法Sの半値(S/2)としても充分である。
【0102】
図16に示すように、端部蓋40は、第1可動域M1において、
図15に示す位置P1を基準にして位置P2まで移動することができ、併せて封止具43もまた、端部蓋40の位置P1から位置P2まで移動距離の分だけ移動することができる。
図16に示すように、灯具3は、透光性カバー30が最大伸長した場合、すなわち、透光性カバー30が第1可動域M1の範囲内で最大伸長した状態で、照明器具2の長手方向X(第1方向)における最大寸法を超えないようにする。透光性カバー30が、第1可動域M1の範囲内で最大伸長した状態で、照明器具2の長手方向Xにおける最大寸法を超えないようにすることで、照明装置1を長手方向に近接して設置された場合でも、それぞれの照明装置1の灯具3同士がぶつかることがない。
図16に示す第3可動域M3は、端部蓋40及び封止具43の、位置P5を基準にした位置P6までの移動範囲である。位置P5は、第2端部カバー42の第2カバー主部420の位置であり、位置P6は、取付部材50の固定具54の位置である。すなわち、第3可動域M3は、灯具3の長手方向Xにおいて、第2カバー主部420と固定具54との間の距離である。第3可動域M3は、透光性カバー30が最大伸長した状態から基準寸法に収縮する(戻る)場合の可動域であり、実質的に第1可動域M1と同じである。
【0103】
なお、
図15に示すように、基準設置環境条件では、固定具48の頭部と、連結ガイド413の筒状の壁部との間には間隙が形成されている。そのため、
図16に示すように、長手方向Xにおいて、端部36の伸長と共に端部蓋40が移動したとしても、固定具48は、連結ガイド413の筒状の壁部と干渉することはない。その結果、固定具48は、連結ガイド413が形成された端部蓋40の移動を妨げることがない。
【0104】
図17は、透光性カバー30が、第2可動域M2の範囲内で収縮した状態における、端部蓋40、封止具43、及び透光性カバー30の配置の一例である。
図17に示すように、透光性カバー30が収縮した場合には、例えば、位置P7に示すように、透光性カバー30の端部36が移動する場合がある。
【0105】
以上のように、灯具3は、開口を形成する端部36を覆った状態で外郭である透光性カバー30に取り付けられている端部蓋40を備える。また、灯具3は、と、灯具3の長手方向Xである第1方向において、端部蓋40の外側に配置され、一部が端部蓋40を貫通している取付部材50に固定されると共に、他の一部が照明器具2に固定される連結部材44を備える。そして、端部36は、第1方向に沿って移動自在である。そのため、外郭である透光性カバー30には灯具3を固定するための孔を形成する必要はなく、透光性カバー30の止水性を維持したまま透光性カバー30の端部36を移動自在に形成できる。その結果、灯具3及び灯具3の伸縮構造110は、止水性を維持しながら伸縮することができる。また、灯具3及び灯具3の伸縮構造110は、透光性カバー30に灯具3を固定するための孔が形成されていないため、防水ワッシャ等のコストの増大に繋がる方法の採用を避けることができる。
【0106】
また、端部36は、外郭である透光性カバー30の伸縮に伴い、端部蓋40と共に第1方向に沿って移動自在に形成されている。その結果、灯具3は、止水性を維持しながら伸縮することができる。
【0107】
また、端部36は、取付部材50と連結部材44との間に形成された可動域Mにおいて、外郭である透光性カバー30の伸縮に伴い、端部蓋40と共に第1方向に沿って移動自在である。その結果、灯具3は、止水性を維持しながら伸縮することができる。
【0108】
また、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、取付部材50及び連結部材44と離間した状態で可動域Mに配置されている。そのため、灯具3は、環境条件の変化に伴い透光性カバー30が伸縮しても、透光性カバー30の端部36及び透光性カバー30が取り付けられた端部蓋40が移動する領域が確保されており、端部36及び端部蓋40の移動が妨げられることはない。
【0109】
また、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、取付部材50との間隔寸法よりも連結部材44との間隔寸法の方が大きくなるように可動域Mに配置されている。そのため、灯具3は、例えば、使用環境温度が極端に高い場合等、環境条件の変化に伴い透光性カバー30の伸長量が大きくても、端部36及び端部蓋40が移動する領域が確保されており、端部36及び端部蓋40の移動が妨げられることはない。また、灯具3は、可動域Mを有することで、各部品の製造バラツキ、あるいは、灯具3の組み立てバラツキに伴う寸法誤差を吸収することができる。
【0110】
また、端部蓋40は、基準温度及び基準湿度に基づく基準設置環境条件において、連結部材44との間隔寸法よりも取付部材50との間隔寸法の方が大きくなるように可動域Mに配置されている。そのため、灯具3は、例えば、使用環境温度が極端に低い場合等、環境条件の変化に伴い透光性カバー30の収縮量が大きくても、端部36及び端部蓋40が移動する領域が確保されており、端部36及び端部蓋40の移動が妨げられることはない。
【0111】
また、端部蓋40は、端部36との間に挟まれて配置される弾性部材である封止具43に、端部36と共に密着した状態で端部36に取り付けられる。その結果、灯具3は、さらに止水性を維持しながら伸縮することができる。
【0112】
また、取付部材50は、端部蓋40を貫通すると共に連結部材44が固定される固定具54を有しており、弾性部材である封止具43は、固定具54に密着した状態で移動する。その結果、灯具3及び灯具3の伸縮構造110は、さらに止水性を維持しながら伸縮することができる。
【0113】
以上のように、照明装置1は、灯具3又は灯具3の伸縮構造110を有することで、灯具3又は灯具3の伸縮構造110の上述の効果を奏することができる。
【0114】
なお、本実施の形態、及び変形例における灯具3は、端部蓋40、及び封止具43を長手方向Xにおけるいずれか一方の端部に取付けられてもよい。また、本実施の形態、及び変形例における照明装置1は、いわゆるトラフタイプの照明器具2を例示して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、照明装置1は、灯具3が装着される照明器具2として、いわゆる笠付タイプ、片側反射笠付タイプ、V形タイプ等、他の形状のものを採用することができる。さらに、本実施の形態、及び変形例において、照明装置1を構成する照明器具2及び灯具3はいずれも長尺状のものを例示しているが、これに限定されるものではない。灯具3あるいは灯具3が装着される照明器具2は、短尺状のものでもよく、例えば、灯具3は透光性カバー30の筒軸方向の長さ寸法が径方向の長さ寸法より小さい形状であってもよい。
【0115】
図18は、本発明の実施の形態に係る固定具48の嵌入状態を説明する断面図である。
図19は、本発明の実施の形態に係る固定具48の嵌入状態を説明する他の断面図である。
図18は、固定具48が固定具挿通部451の標準の位置に嵌入されている状態を示している。
図19は、固定具48が固定具挿通部451に嵌入されたまま開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)へ移動した状態を示している。灯具3の照明器具2への固定に関して、固定具48を中心に各要素とその役割について
図4及び
図5並びに
図18及び
図19を用いて更に詳細に説明する。
【0116】
(連結ガイド413)
連結ガイド413は、端部蓋40の要素の1つである。連結ガイド413は、上述したように、連結部材44の段差部450に形成された固定具挿通部451にあらかじめ取り付けられている固定具48に向かって、
図2に示すカバー下面貫通孔415からドライバ等の工具を案内する筒状のガイド壁である。なお、端部蓋40は、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように固定具挿通部451の開放端451aを覆い、固定具48の移動を規制する。
図18及び
図19に示すように、連結ガイド413は、固定具挿通部451の開放端451aを形成する段差部450の端面部と対向しない。また、連結ガイド413は、上述したように筒状のガイド壁であり、連結ガイド413の先端部の上方に、灯具側連結部45の段差部450が配置される。
【0117】
(カバー下面部414)
カバー下面部414は、固定具挿通部451が第1方向(長手方向X)と交差する方向に沿って形成される場合には、カバー下面部414の側面部414bが固定具48の移動を規制する。そして、カバー下面部414は、固定具48が連結部材44の灯具側連結部45から外れないように機能する。カバー下面部414の側面部414bは、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように固定具挿通部451の開放端451aを形成する段差部450の端面部と対向する。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、側面部414bが開放端451aを覆う。
【0118】
この際、固定具挿通部451が形成される灯具側連結部45の少なくとも段差部450は、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように、カバー下面部414の側面部414bとの距離寸法を考慮して、短手方向Yの寸法が決定される。
【0119】
(カバー端面部417)
カバー端面部417は、連結ガイド413を備えない端部蓋40の第1端部カバー41を用いる場合には、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように固定具挿通部451の開放端451aを覆い、固定具48の移動を規制する。端部蓋40のカバー端面部417は、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように固定具挿通部451の開放端451aを形成する段差部450の端面部と対向する。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、カバー端面部417が開放端451aを覆う。
【0120】
この際、固定具挿通部451が形成される灯具側連結部45の少なくとも段差部450は、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように、カバー端面部417との距離寸法を考慮して、長手方向X(第1方向長手方向)の寸法が決定される。
【0121】
(段差部450)
段差部450には、第1ワッシャ485aが配置される。第1ワッシャ485aは、固定具48から外れないように固定具48に予め嵌着されている。
【0122】
段差部450の高さ(深さ、段差)寸法は、第1ワッシャ485aの厚さ寸法と同じ寸法である。灯具3が照明器具2に取り付けられている状態では、第1ワッシャ485aの上側(Z1の側)の面が照明器具2の器具側連結部27に当接し、第1ワッシャ485aの下側(Z2の側)の面が連結部材44の段差部450に当接する。
【0123】
段差部450の形状及び面積は、第1ワッシャ485aの形状及び寸法を考慮して決定される。
【0124】
(固定具挿通部451)
固定具挿通部451は、上述のとおり、段差部450の、短手方向Yにおける略中央に、長手方向(第1方向)Xにおける端部側(X1側)からスリット状に形成されている。つまり、固定具挿通部451は、段差部450における縁部側が開放端451aとなっている。端部蓋40は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、開放端451aを覆う。
【0125】
固定具挿通部451は、固定具48におけるネジ部である胴部481の括れ部分より大きい幅寸法で形成されており、胴部481の括れ部分が嵌入する。固定具挿通部451は、上述のとおり、短手方向Yを含む、長手方向X(第1方向)と交差する方向に沿って形成されてもよい。
【0126】
(固定具48)
固定具48は、灯具3を照明器具2に固定する。固定具48は、上述したとおり、例えば連結ネジである。固定具48は、頭部480と、胴部481とを有する。頭部480は、雄ネジ部品の頭の部分であり、軸の終端に設けられたより太い部分である。頭部480の頂面には、例えば、ドライバ等の工具で回すための溝あるいは穴が設けられている。胴部481は、ネジ部であり、胴部481が段差部450に配置されると、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に挿通される。固定具48は金属製であるが、これに限定されるものではなく、樹脂製、あるいは、セラミック製等でもよい。
【0127】
(ワッシャ485)
ワッシャ485は、第1ワッシャ485aを有する。第1ワッシャ485aは、抜け止めワッシャであり、いわゆる平座金である。この第1ワッシャ485aは、固定具48から外れないように予め固定具48に嵌着されている。なお、本実施の形態では、第1ワッシャ485aは胴部481の括れ部分に予め係着されているが、第1ワッシャ485aは当該態様に限定されず、後付け可能なワッシャでもよい。ワッシャ485は、更に第2ワッシャ485bと、第3ワッシャ485cとを有してもよい。第2ワッシャ485bは、バネワッシャであり、いわゆるバネ座金である。第3ワッシャ485cは、いわゆる平座金である。なお、第2ワッシャ485b及び第3ワッシャ485cは、ワッシャ485として一般に用いられる構成であるが、本発明においては必須の構成ではない。ワッシャ485は、金属製であるが、これに限定されるものではなく、樹脂製、あるいは、セラミック製等でもよい。
【0128】
図18及び
図19に示すように、固定具48は、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に挿通され、段差部450を、頭部480と、胴部481の括れ部分に係着された第1ワッシャ485aとの間に挟んだ状態で、灯具側連結部45に取り付けられている。この際、第1ワッシャ485aは、固定具48から外れないように予め胴部481の括れ部分に係着されている。
【0129】
[固定具48への作用]
図18及び
図19に示すように、筒状に形成された連結ガイド413の内部には、固定具48の頭部480が配置される。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、固定具48の一部が連結ガイド413内に配置される。ここで、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合について検討する。灯具3は、例えば、固定具48の一部である頭部480と連結ガイド413の内面壁との間の距離が、灯具側連結部45における固定具48が締結される位置と開放端451aとの間の距離よりも短い。なお、筒状に形成された連結ガイド413の内部には、固定具48の頭部480と共に第2ワッシャ485bが配置され、固定具48の頭部480及び第2ワッシャ485bと共に、第3ワッシャ485cが配置されてもよい。
【0130】
次に、
図19に示すように、固定具48が、長手方向X(第1方向)に沿って、固定具挿通部451を開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)へ移動する場合について検討する。固定具48は、頭部480、第2ワッシャ485b、あるいは、第3ワッシャ485cのいずれかが連結ガイド413の内面に当接することよって開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)への移動が規制される。したがって、固定具48は、頭部480、第2ワッシャ485b、あるいは、第3ワッシャ485cのいずれかが連結ガイド413の内面と当接する位置より開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)へは移動しない。つまり、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に留まっており、固定具48が連結部材44の灯具側連結部45から外れることはない。
【0131】
また、胴部481の括れ部分が、固定具挿通部451に留まっている状態では、頭部480と第1ワッシャ485aとが段差部450を挟んでいるため、固定具48は、上下方向Zへの移動も規制されており、固定具48が段差部450から外れることもない。
【0132】
なお、灯具3が照明器具2に取り付けられている状態では、固定具48は、器具側連結部27のネジ孔28の位置に固定されている。この場合、固定具48は、器具側連結部27によってあらゆる方向の移動が規制されており、
図16に示すように、透光性カバー30の伸縮等によって端部蓋40の位置が変わっても、灯具側連結部45から外れることはない。
【0133】
[灯具3の取付構造120]
取付構造120は、固定具48によって灯具3を照明器具2に取り付ける灯具3の構造である。取付構造120は、固定具48と、連結部材44の灯具側連結部45と、連結ガイド413を含む端部蓋40とを備える。固定具48は、灯具3を照明器具2の器具側連結部27に固定するために用いられる。固定具48は、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に挿通されると共に、括れ部分の上方のネジ部分が器具側連結部27に形成されたネジ孔28にネジ止めされることで、灯具3を照明器具2に固定する。灯具側連結部45には、固定具48が嵌入される開放端451aを形成する固定具挿通部451が形成されている。固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、連結ガイド413を含む端部蓋40は、固定具48が開放端451aを介して固定具挿通部451から外れないように、開放端451aを覆う。灯具3が照明器具2に取り付けられた状態では、取付構造120は、端部蓋40によって固定具挿通部451における固定具48の移動が規制される。
【0134】
[取付構造120の変形例1]
取付構造120の変形例1(図示は省略)として、固定具挿通部451の開放端451aがカバー端面部417を含む端部蓋40に覆われ、固定具48の移動が規制されてもよい。
【0135】
連結ガイド413を備えない端部蓋40の第1端部カバー41を用いる場合には、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように連結ガイド413に代わって、カバー端面部417が用いられる。カバー端面部417は、固定具挿通部451の開放端451aを覆い、固定具48の移動を規制する要素となる。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、カバー端面部417が開放端451aを覆う。
【0136】
この際、固定具挿通部451が形成される灯具側連結部45の少なくとも段差部450は、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように、カバー端面部417との距離寸法を考慮して、長手方向X(第1方向)の寸法が決定される。
【0137】
[取付構造120の変形例2]
取付構造120の変形例2(図示は省略)として、固定具挿通部451の開放端451aがカバー下面部414の側面部414bを含む端部蓋40に覆われ、固定具48の移動が規制されてもよい。
【0138】
固定具挿通部451が長手方向X(第1方向)と交差する方向に沿って形成される場合には、カバー下面部414の側面部414bが固定具48の移動を規制し、固定具48が連結部材44の灯具側連結部45から外れないようにする要素となる。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、側面部414bが開放端451aを覆う。
【0139】
この際、固定具挿通部451が形成される灯具側連結部45の少なくとも段差部450は、固定具48が固定具挿通部451の開放端451aから外れないように、カバー下面部414の側面部414bとの距離寸法を考慮して、短手方向Yの寸法を決定する。なお、ここでいう短手方向Yは、長手方向X(第1方向)と交差する方向である。
【0140】
[灯具3の作用効果]
以上のように灯具3は、灯具側連結部45が、縁部が切り欠かれた開放端451aを形成すると共に、固定具48が開放端451aを介して嵌入される固定具挿通部451を有する。そのため、灯具3は、開放端451aを介して、予め座金である第1ワッシャ485aが取り付けられた固定具48を灯具3に装着することができる。そのため、灯具3は、組み立てがしやすい。そして、灯具3は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、端部蓋40が開放端451aを覆う。そのため、灯具3は、端部蓋40によって、固定具48が固定具挿通部451から外れることを防ぐことができる。
【0141】
また、灯具3は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、端部蓋40のカバー端面部417が開放端451aを覆う。そのため、灯具3は、端部蓋40によって固定具48が固定具挿通部451から外れることを防ぐことができる。
【0142】
また、灯具3は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、端部蓋40の側面部414bが開放端451aを覆う。そのため、灯具3は、端部蓋40によって固定具48が固定具挿通部451から外れることを防ぐことができる。
【0143】
また、灯具3は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、固定具48の一部である頭部480が連結ガイド413内に配置される。灯具3は、固定具48が連結ガイド413の内面に当接することよって開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)への移動が規制される。したがって、灯具3は、固定具48の頭部480が連結ガイド413の内面と当接する位置より開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)へは移動しない。つまり、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に留まっており、固定具48が連結部材44の灯具側連結部45から外れることはない。
【0144】
また、灯具3は、固定具48の一部である頭部480と筒状に形成された連結ガイド413の内面壁との間の距離が、灯具側連結部45における固定具48が締結される位置と開放端451aとの間の距離よりも短い。そのため、灯具3は、固定具48が連結ガイド413の内面に当接することよって開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)への移動が規制される。したがって、灯具3は、固定具48の頭部480が連結ガイド413の内面と当接する位置より開放端451a側(矢印Cの向き=端向きX1)へは移動しない。つまり、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に留まっており、固定具48が連結部材44の灯具側連結部45から外れることはない。
【0145】
また、固定具挿通部451は、灯具側連結部45にのみ形成されている。そのため、連結部材44に形成する開口部の面積を少なくすることができ、連結部材44の強度を確保することができる。また、固定具挿通部451が、灯具側連結部45にのみ形成されていることで連結部材44を複雑な形状に加工する必要がない。そのため、例えば、連結部材44の量産性、部品の品質の確保、部品コスト、成型用の金型のコストの面で有利となる。
【0146】
[取付構造120の作用効果]
取付構造120は、灯具側連結部45が、縁部が切り欠かれた開放端451aを形成すると共に、固定具48が開放端451aを介して嵌入される固定具挿通部451を有する。そのため、取付構造120は、開放端451aを介して、予め座金である第1ワッシャ485aが取り付けられた固定具48を灯具3に装着することができる。そのため、灯具3は、組み立てがしやすい。そして、取付構造120は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、端部蓋40が開放端451aを覆う。そのため、取付構造120は、端部蓋40によって固定具48が固定具挿通部451から外れることを防ぐことができる。
【0147】
取付構造120は、灯具3が照明器具2に取り付けられた状態では、端部蓋40によって固定具挿通部451における固定具48の移動が規制される。そのため、取付構造120は、端部蓋40によって固定具48が固定具挿通部451から外れることを防ぐことができる。
【0148】
以上のように、照明装置1は、灯具3又は取付構造120を有することで、灯具3又は取付構造120の上述の効果を奏することができる。
【0149】
以上、本発明の実施の形態、及び変形例を説明したが、これらの実施の形態と変形例とを組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態と変形例のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態と変形例とを部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態、及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0150】
1 照明装置、2 照明器具、3 灯具、3A 端部、3B 端部、9 造営部、20 器具本体、21 器具底面部、22 器具側面部、23 器具端部、24 ノックアウト、25 装着部、26 開口端部、27 器具側連結部、28 ネジ孔、30 透光性カバー、31 並行部、32 第1接続部、33 第2接続部、34 リブ、35 カバー端部、36 端部、37 外周部、38 内周部、40 端部蓋、40c 端部蓋、41 第1端部カバー、42 第2端部カバー、42a 第2端部カバー、43 封止具、43a 封止具、44 連結部材、45 灯具側連結部、46 固定部、47 係合部、48 固定具、49 カバー蓋、50 取付部材、51 台座、52 取付面部、53 側部、54 固定具、55 取付部、56 固定部、57 ボス部、58 ネジ孔、60 発光部、61 発光素子、62 基板、70 基板捕捉部材、75 固定ネジ、76 固定ネジ、80 制御部、81 電源線、82 接地線、83 制御線、84 給電線、100 封止構造、110 伸縮構造、120 取付構造、410 第1カバー主部、410a 外壁部、411 第1カバー貫通孔、412 第1カバー連結孔、413 連結ガイド、414 カバー下面部、414a 底面部、414b 側面部、415 カバー下面貫通孔、416 カバー電線保持部、417 カバー端面部、418 カバー端面貫通孔、419 端部カバー外周部、420 第2カバー主部、421 端部カバー挿通部、421a 挿通壁、422 第2カバー係合片、423 第2カバー係合爪、425 端部カバー内周部、426 カバー鍔部、430 封止具主部、431 電線挿通部、432 電線挿通孔、433 封止具筒状部、434 ネジ挿通孔、435 内周部、436 接続部、437 外周部、450 段差部、451 固定具挿通部、451a 開放端、460 固定ネジ挿通孔、461 係合片挿通孔、471 スリット、472 挿入孔、480 頭部、481 胴部、485 ワッシャ、485a 第1ワッシャ、485b 第2ワッシャ、485c 第3ワッシャ、520 ネジ孔、521 切り欠き部、522 装着孔、523 制御部取付部、701 捕捉部、702 係合部、4190 端部カバー外周部内面部、4190a 端部カバー外周部内面部、4190b 端部カバー外周部内面部、4190c 端部カバー外周部内面部、4250 端部カバー内周部外面部、4250a 端部カバー内周部外面部、4250b 端部カバー内周部外面部、4250c 端部カバー内周部外面部、4350 内周部内面部、4351 内周部内面突設部、4352 内周部外面部、4353 内周部外面突設部、4370 外周部内面部、4371 外周部内面突設部、4372 外周部外面部、4373 外周部外面突設部、4710 上部スリット、4711 端部スリット。